Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ETHANOL PRODUCTION METHOD AND DIESEL FUEL PRODUCTION METHOD BOTH USING TRUNK OF OIL PALM TREE AS RAW MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143204
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a method for producing ethanol derived from a plant and a method for producing a diesel fuel derived from a plant with high degrees of efficiency. Specifically disclosed are: a method for producing ethanol, which is characterized by using an extract (preferably a hot-water extract) from a trunk (preferably a part of a mature tree rising 5 to 12 m from the ground) of an oil palm tree as a raw material for the fermentation; and a method for producing a diesel fuel, which is characterized by using an extract from a trunk (preferably a part of a mature tree rising 0 to 5 m from the ground) of an oil palm tree.

Inventors:
OHSATO HIROBUMI (JP)
ISHITSUKA TSUTOMU (JP)
HOKARI KEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059106
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 19, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
OHSATO HIROBUMI (JP)
ISHITSUKA TSUTOMU (JP)
HOKARI KEIJI (JP)
International Classes:
C12P7/06
Other References:
SUN R. ET AL.: "Fractional Isolation and Characterization of Polysaccharides from Oil Palm Trunk and Empty Fruit Bunch Fibres", HOLZFORSCHUNG, vol. 53, 1999, pages 253 - 260
YEOH H.H. ET AL.: "Production of Fuel Ethanol from Oil Palm Wastes", INTERNATIONAL ENERGY JOURNAL, vol. 1, 2000, pages 89 - 95
TANAKA R. ET AL.: "Oil Palm Jukan no Seijo Bunseki", ABSTRACTS OF THE 57TH ANNUAL MEETING OF THE JAPAN WOOD RESEARCH SOCIETY, 20 July 2007 (2007-07-20), pages ABSTR. NO. PQ004
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (Gotanda Yamazaki Bldg. 6F13-6, Nishigotanda 7-chome, Shinagawa-k, Tokyo 31, JP)
Download PDF:
Claims:
 アブラヤシの樹幹の抽出物を発酵の原料として使用することを特徴とするエタノールの製造方法。
 前記アブラヤシの樹幹が、成木の地上5~12mの部分であることを特徴とする、請求項1に記載のエタノールの製造方法。
 前記抽出物が、熱水による抽出物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のエタノールの製造方法。
 アブラヤシの樹幹の抽出物を使用することを特徴とするディーゼル燃料の製造方法。
 前記アブラヤシの樹幹が、成木の地上0~5mの部分であることを特徴とする、請求項4に記載のディーゼル燃料の製造方法。
Description:
アブラヤシの樹幹を原料とする タノールおよびディーゼル燃料の製造方法

 本発明は、植物を原料とするエタノール よびディーゼル燃料の製造方法に関する。

 近年、世界的な二酸化炭素の排出量の増 が懸念されている状況の下、自動車用燃料 どに混入して使用できる、植物資材を原料 するエタノール(バイオエタノール)および ィーゼル燃料(バイオディーゼル)に関する研 究開発が盛んに進められている。バイオエタ ノールおよびバイオディーゼル中の炭素は、 植物が吸収、固定化した二酸化炭素に由来す るため、燃焼により再び大気中に放出されて も大気中の二酸化炭素量を増加させるものと はみなされない(いわゆる“カーボンニュー ラル”の)性質を有することから、石油等の 石燃料に替わる重要な資源と考えられてい 。

 バイオエタノールの製造方法としては、 物の搾汁などに含有される糖類(ブドウ糖、 ショ糖、澱粉など)を回収し、微生物による タノール発酵により、これらの糖類からエ ノールを産生するという方法が一般的であ 、各種の改良されたバリエーションも提案 れている(たとえば特許文献1参照)。このよ な用途に向けた植物素材としては、ショ糖 澱粉を豊富に含有するサトウキビやトウモ コシが好適なものとして知られており、そ 他キャッサバ、テンサイ、ジャガイモなど 利用されている。

 また、上述のような容易に資化しうる糖 の他、植物体を構成する主要な多糖類であ セルロースに着目し、セルロース分解酵素( セルラーゼ)を作用させて低分子の糖類にし から、上記と同様にエタノールを産生する いう手法もある。樹木等の木質部分にある ルロースの場合は、リグニンなどと複合体 形成しているため化学的に安定であり、そ ままではセルラーゼが作用しにくい。その め、たとえば、化学的な処理によりリグニ およびセルロースを低分子化してからエタ ールを生成させる方法(特許文献2等参照)や リグニン分解酵素を有するキノコを利用す ことによりリグニンが分解された木質を原 としてセルロースからエタノールを産生す 手法(特許文献3等参照)も知られている。し し、このようにセルロースからエタノール 産生する方法は、ショ糖や澱粉を原料とす 方法に比べて、処理速度や経済性などの面 課題があるといわれている。

 一方、アブラヤシは、果実(果肉および種子 )から食用、石けん用、ディーゼル燃料用な の油脂を採取するために、マレーシアなど 大規模に栽培されている植物である。果実 採取量の減少などのため、アブラヤシは植 後約25年で伐採されるが、伐採後の多量の樹 幹は、放置や燃焼により処分することが一般 的であり、一部が合板用などの木材として利 用される他、有効活用はこれまでになされて いなかった。

特表2002-537848号公報

特開2001-262162号公報

特開2006-81483号公報

 本発明は、植物に由来するエタノールお びディーゼル燃料を効率的に産生する方法 提供することを目的とする。

 従来、エタノールに容易に変換されうる ョ糖や澱粉などを豊富に含有する植物とし 、サトウキビやトウモロコシなど圧搾の容 な草本類が注目を集めていた。

 しかし、本発明者は、これまで有効な活 方法が見出されていなかったアブラヤシの 幹に、意外にもバイオエタノールの原料と て利用できる糖類(セルロースやヘミセルロ ース以外の容易に資化しうる種類のもの、た とえばフラクトオリゴ糖)が、工業的な生産 に見合う十分な量で含まれていることを見 し、本発明を完成させるに至った。

 すなわち、本発明のエタノールの製造方 は、アブラヤシの樹幹(好ましくは成木の地 上5~12mの部分)の抽出物(好ましくは熱水抽出 )を発酵の原料として使用することを特徴と る。

 また、本発明のディーゼル燃料の製造方 は、アブラヤシの樹幹(好ましくは成木の地 上0~5mの部分)の抽出物を使用することを特徴 する。

 本発明は、農園で毎年大量に伐採される ブラヤシの樹幹を使用することにより、経 性、効率性に優れたバイオエタノールおよ バイオディーゼルを産生することを可能と るものである。特に、単位面積あたりのエ ノール生産量はトウモロコシやサトウキビ 近い値が見込まれ、今後のバイオエタノー の安定的な供給に大きく貢献しうる。あわ て、アブラヤシの焼却処分に伴う煙害も抑 でき、二酸化炭素に関する世界的な問題と もに、地球環境の改善に寄与しうる。

 本発明における「アブラヤシ」は、ヤシ アブラヤシ属に分類される植物全般をいい 西アフリカを原産とするギニアアブラヤシ( Elaeis guineensis)や、中南米の熱帯域を原産後 るアメリカアブラヤシ(Elaeis oleifera)、ある はこれらの栽培品種など、いずれを使用す こともできる。

 エタノールの原料となる糖類(単糖、オリ ゴ糖、多糖)は、アブラヤシの主として樹幹 含有されている。特に、アブラヤシの成木( さがおよそ10~13mに達する)の地上5~10mの部分 かかる糖類は豊富に含有されているため、 の部分を対象として抽出することが望まし 。

 本発明では、アブラヤシの樹幹に豊富に 有される糖類を抽出して、エタノールの原 として用いる。そのための糖類の抽出方法 しては、アブラヤシの樹幹を微細化(裁断、 粉砕)した後、熱水その他の水性溶媒により 出する方法が望ましいが、その他の公知の 法を用いてもよい。

 上述のようにしてアブラヤシから抽出物 得た後の、糖類からエタノールを産生する 程は、バイオエタノールに関する公知の各 の方法と同様に行うことができる。一般的 は、抽出物を一旦精製した後、含有される 糖・オリゴ糖を酵素処理(アミラーゼなど) より単糖に分解し、さらに酵母等の微生物 よる発酵工程を経て、エタノールが産生さ る。グルコースなどの六炭糖からエタノー を生成する代謝経路を有する微生物の他、 炭糖からエタノールを生成する代謝経路を する微生物をあわせて利用することも望ま い。各種の糖類から効率的にエタノールを 成するための遺伝子を酵母や大腸菌に導入 るなど、遺伝子組み換え技術を応用しても い。なお、本発明のエタノールの製造方法 おいては、容易に資化しうる糖類の他、セ ロースやヘミセルロースからエタノールを 生するための手法を組み合わせて用いるこ ができる。

 発酵工程の後、常法に従って蒸留や脱水 程を経ることにより、燃料用、工業用など 好適なエタノールを精製することができる

 また、アブラヤシの樹幹の地上0~5mの部分 には、前述のような糖類以外に油分も豊富に 含まれているため、いわゆるバイオディーゼ ルの原料として用いることができる。

 アブラヤシの樹幹からの油分の抽出方法 しては、木材等の植物資材から油分を抽出 るために用いられている公知の方法を適用 ることが可能である。たとえば、樹幹の粉 物を、減圧、無酸素の条件下で加熱するこ により(一例としては、約-0.1MPa、200~250℃で2 時間加熱)、油分が気化してガス状となって 出され、これを冷却することにより液体と て回収することができる。このような抽出 程の後、必要に応じて精製工程を経ること より、ディーゼル燃料として用いることの きる液体が製造可能である。