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Patent Searching and Data


Title:
POLYCARBONATE RESIN AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143205
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polycarbonate resin containing a structural unit represented by the following formula (1). In the formula (1), R represents one group selected from alkyl groups having 1-9 carbon atoms, aryl groups having 6-12 carbon atoms, alkenyl groups having 2-5 carbon atoms, alkoxy groups having 1-5 carbon atoms, aralkyl groups having 7-17 carbon atoms and halogens; n represents an integer of 0-4 which is the number of substituting R's on the benzene ring; Y represents an alkylene group having 1-4 carbon atoms; and p represents an integer of 0-4.

Inventors:
YOSHIDA SHU (JP)
YAMADA TOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059109
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI GAS CHEMICAL CO (JP)
YOSHIDA SHU (JP)
YAMADA TOSHIAKI (JP)
International Classes:
C08G64/16
Domestic Patent References:
WO2007116967A12007-10-18
WO2005101127A12005-10-27
WO2006006731A12006-01-19
Foreign References:
JP2006131789A2006-05-25
JP2004067990A2004-03-04
JPH0625398A1994-02-01
JP2001253960A2001-09-18
JPH07109342A1995-04-25
JPH10101787A1998-04-21
JPH10101786A1998-04-21
JP2000169573A2000-06-20
JP2005326838A2005-11-24
JP2005346024A2005-12-15
Other References:
See also references of EP 2149587A4
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Hiroshi et al. (IKUBO & KATAYAMA Fukuoka Bldg. 9th Fl.,8-7, Yaesu 2-chom, Chuo-ku Tokyo 28, JP)
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Claims:
 下記式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂。

(式(1)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し、nはRがベンゼン環上に置換している数を示し、0~4の整数である。Yは炭素数1~4のアルキレン基を示し、pは0~4の整数である。)
 さらに下記式(2)で表される構造単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。

(式(2)中、Rは、炭素数1~9のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し、mはRがベンゼン環上に置換している数を示し、0~4の整数である。Xは、

であり、R 1 とR 2 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基又は炭素数7~17のアラルキル基を表す。また、R 1 とR 2 が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。
 R 3 とR 4 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基又は炭素数6~12アリール基を表す。R 5 は1~9のアルキレン基である。aは0~20の整数を表し、bは1~500の整数を表す。)
 さらに下記式(3)で表される構造単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。

(式(3)中、Yは炭素数0~20のアルキレン基若しくはシクロアルキレン基又は下記式(4)で表される構造である。)

(式(4)において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ、水素原子または炭素数1~5のアルキル基である。)
 前記式(1)で表される構造単位が全構造単位中5~90mol%である、請求項3に記載のポリカーボネート樹脂。
 前記式(3)で表される構造単位が、トリシクロ〔5.2.1.0 2,6 〕デカンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、又は3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンの残基である請求項3または4に記載のポリカーボネート樹脂。
 ガラス転移温度が150℃以上、光弾性係数が50×10 -12 m 2 /N以下、及び100μmのフィルムとしたときの強度が70MPa以上である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂。
 光弾性係数が50×10 -12 m 2 /N以下、ガラス転移温度が100℃以上180℃以下、及び屈折率nDが1.57以上である請求項3または4に記載のポリカーボネート樹脂。
 請求項1から7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を含む光学材料。
 請求項1から7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を含む光学レンズ。
 請求項1から7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を含む光学フィルム。
 下記式(5)で表されるジヒドロキシ化合物および下記式(6)で表されるジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸エステル形成化合物と反応させることを特徴とする請求項2に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。

(式(5)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し、nはRがベンゼン環上に置換している数を示し、0~4の整数である。Xは炭素数1~4のアルキレン基を示し、pは0~4の整数である。)

(式(6)中、Rは、炭素数1~9のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し、mはRがベンゼン環上に置換している数を示し、0~4の整数である。Xは、



であり、R 1 とR 2 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基又は炭素数7~17のアラルキル基を表す。また、R 1 とR 2 が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。
 R 3 とR 4 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基又は炭素数6~12アリール基を表す。R 5 は1~9のアルキレン基である。aは0~20の整数を表し、bは1~500の整数を表す。)
 下記式(5)で表されるジヒドロキシ化合物および下記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させることを特徴とする請求項3に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。

(式(5)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し、nはRがベンゼン環上に置換している数を示し、0~4の整数である。Xは炭素数1~4のアルキレン基を示し、pは0~4の整数である。)
 式(7)
HOCH 2 -Y-CH 2 OH (7)
(式(7)中、Yは炭素数0~20のアルキレン基若しくはシクロアルキレン基又は下記式(4)で表される構造である。)

(式(4)において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ、水素原子または炭素数1~5のアルキル基である。)
Description:
ポリカーボネート樹脂およびそ 製造方法

 本発明は新規なポリカーボネート樹脂に し、特に好ましい態様の本発明は、透明性 耐熱性、高屈折率、低い光弾性係数、低複 折性、及び高い機械強度を有する新規なポ カーボネート樹脂及びそれを用いた光学材 に関する。本発明のポリカーボネート樹脂 、各種光学レンズ、プリズム、光ディスク 板、光ファイバー、光通信用デバイスなど プラスチック光学製品や光学フィルムに用 る光学材料として好適に利用できる。

 近年、オプトエレクトロニクスの進歩に い、光学的に優れた等方性を有する光学用 明高分子に対する要請が高まっている。特 、液晶ディスプレイの位相差フィルム等に 用可能な光学特性を有する光学用フィルム 切望されている。

 2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン( 称:ビスフェノールA)をホスゲンあるいは炭 ジエステルと反応させて得られるポリカー ネート樹脂、殊にポリカーボネートフィル は包装用途、光学装置、表示装置その他各 産業用途に使用されているが、最近液晶表 装置など光電子装置において位相差板、偏 板、プラスチック基板等の材料として注目 れ、その実用化が進められている。とりわ 、近年の液晶ディスプレーなかでも、進歩 著しいTFT型液晶ディスプレー素子において 画像の視認性を向上させるために液晶層と 光板との間で使用する位相差フィルムとし 注目される。

 この位相差フィルムは、液晶層を透過し 楕円偏光を直線偏光に変換する役割を担っ いる。そして、その材質は主としてビスフ ノールAからなるポリカーボネート樹脂の一 軸延伸フィルムが用いられている。

 しかしながら位相差フィルムとして考え 場合、ビスフェノールAからなるポリカーボ ネート樹脂を成形して得られるフィルムでは ポリカーボネート樹脂のベンゼン環の光学的 異方性から光弾性係数が大きく、そのため低 延伸倍率による位相差のばらつきが大きいこ とが問題になる。さらに液晶ディスプレーに 用いるフィルムは配向膜形成プロセス等で180 ℃以上の高温処理を要し、その耐熱性が不足 するという問題がある。

 耐熱性の高い、低光弾性係数のポリカーボ ート樹脂として特定のフルオレン構造を有 るポリカーボネート樹脂が提案されている( たとえば特開平6-25398号公報(特許文献1),特開2 001-253960号公報(特許文献2)を参照)。
 しかしながら、これらの構造を有するポリ ーボネート樹脂は耐熱性が高く光弾性率が いものの、フィルムの延伸や巻取りの際に 断したり、また折り曲げに対して弱く、折 曲げ強度の弱いものはフィルム巻取り時の ッティングの際にスムーズなカッティング が得られず、延伸時に破断を生じる恐れが るなどフィルム強度の点で十分でなく、そ 改善が望まれている。

 また、従来の芳香族ポリカーボネート樹 は、高光弾性率、低流動性材料であるため 成形時の分子配向や残留応力に伴う複屈折 大きいという問題点を有している。そのた 、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂から る光学材料を成形する場合には、流動性を 上させるために分子量の比較的低い樹脂を い、かつ高温で成形することにより製品の 屈折を低減する方法が行われている。しか 、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂では 上記のような手段を用いても複屈折の低減 は限界があるため、近年の光学材料用途の がりに伴い、一部光学材料分野ではさらな 低光弾性係数高流動性材料の開発が強く求 られている。そのため複屈折の小さい樹脂 開発が行われてきた。

 一方、光学材料の屈折率が高いとレンズ レメントをより曲率の小さい面で実現でき ため、この面に発生する収差量を小さくで レンズの枚数の低減レンズの偏心感度の低 、レンズ厚の低減によるレンズ系の小型軽 化ができる。また、めがねレンズでは同じ 数のレンズの薄肉化ができるため外観が非 によくなる利点がある。

 高屈折率低複屈折の光学樹脂として、側 方向に分極率の大きいフルオレン構造を有 るビスフェノール類を用いた全芳香族ポリ ーボネート樹脂共重合体が検討されている( 特開平6-25398号公報(特許文献1),特開平7-109342 公報(特許文献3)参照)。

 また、側鎖方向に分極率の大きいフルオ ン構造を有し直鎖方向にフェノール骨格を するエーテルジオール類のホモポリカーボ ート樹脂、あるいはそれらとビスフェノー 類との共重合体が示されている(特開平10-101 787号公報(特許文献4),特開平10-101786号公報(特 文献5)参照)。

 更に、側鎖方向に分極率の大きいフルオレ 構造を有するビスフェノール類とトリシク デカン[5.2.1.0 2,6 ]ジメタノールとの共重合体も提案されてい (特開平2000-169573号公報(特許文献6)参照)。

 上記のように種々の低複屈折材料の開発が われているが、これらの技術では屈折率が かったり、成形性耐熱性が不十分で満足す 成形物が得られなかったり着色するなどの 題点があった。
 なお、モノマーであるアセナフテンビスフ ノールは既に公知であり、レジスト組成物 してのみ用いられているが、当該骨格を有 る樹脂およびその特性は全く知られておら 、その樹脂を特定の用途に用いた例も存在 ない(特開2005-326838号公報(特許文献7)、特開2 005-346024号公報(特許文献8)参照)。

特開平6-25398号公報

特開2001-253960号公報

特開平7-109342号公報

特開平10-101787号公報

特開平10-101786号公報

特開平2000-169573号公報

特開2005-326838号公報

特開2005-346024号公報

 本発明は、かかる状況に鑑み、上記従来 おける問題の少なくとも一つを解決するこ を課題とし、特に、光学材料用途に好適な 透明性、高い屈折率、耐熱性、低い複屈折 、低い光弾性係数、及び高い機械強度を有 る新規なポリカーボネート樹脂、該ポリカ ボネート樹脂の製造方法、並びに該ポリカ ボネート樹脂を使用した光学材料を提供す ことを課題とする。

 本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭 検討を重ねた結果、下記式(1)で表される構 単位を含むポリカーボネート樹脂により、 学材料用途に好適な、透明性、高い屈折率 耐熱性、低い複屈折性、低い光弾性係数、 び高い機械強度の少なくとも一つを向上さ ることができることを見いだし、本発明を 成するに至った。
 即ち、上記課題は、以下の本発明によって 決することができる。
<1> 本発明の一実施形態は、下記式(1)で される構造単位を含むポリカーボネート樹 である。

(式(1)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数6 ~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、 炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラ キル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し nはRがベンゼン環上に置換している数を示 、0~4の整数である。Yは炭素数1~4のアルキレ 基を示し、pは0~4の整数である。)

<2> 本発明の好ましい態様は、さらに下 式(2)で表される構造単位を含む上記<1> 記載のポリカーボネートである。

(式(2)中、Rは、炭素数1~9のアルキル基、炭素 6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基 、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のア ルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示 、mはRがベンゼン環上に置換している数を し、0~4の整数である。Xは、

であり、R 1 とR 2 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素 2~5のアルケニル基又は炭素数7~17のアラルキ 基を表す。また、R 1 とR 2 が結合して炭素環または複素環を形成しても 良い。
 R 3 とR 4 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基又は炭素数6~12アリール基を表す R 5 は1~9のアルキレン基である。aは0~20の整数を し、bは1~500の整数を表す。)

<3> 本発明の別の好ましい態様は、さら 下記式(3)で表される構造単位を含む上記< 1>に記載のポリカーボネート樹脂である。

(式(3)中、Yは炭素数0~20のアルキレン基若しく はシクロアルキレン基又は下記式(4)で表され る構造である。)

(式(4)において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ、水素原子または炭素数1~5のアル キル基である。)

<4> 本発明の別の好ましい態様は、前記 (1)で表される構造単位が全構造単位中5~90mol %である、上記<3>に記載のポリカーボネ ト樹脂である。
<5> 本発明の別の好ましい実施形態は、 記式(3)で表される構造単位が、トリシクロ 5.2.1.0 2,6 〕デカンジメタノール、1,4-シクロヘキサン メタノール、又は3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1- メチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5. 5)ウンデカンの残基である上記<3>または& lt;4>に記載のポリカーボネート樹脂である
<6> 本発明の別の好ましい態様は、ガラ 転移温度が150℃以上、光弾性係数が50×10 -12 m 2 /N以下、及び100μmのフィルムとしたときの強 が70MPa以上である上記<1>または<2> 記載のポリカーボネート樹脂である。
<7> 本発明の別の好ましい態様は、光弾 係数が50×10 -12 m 2 /N以下、ガラス転移温度が100℃以上180℃以下 及び屈折率nDが1.57以上である上記<3>ま は<4>に記載のポリカーボネート樹脂で る。
<8> 本発明の別の実施形態は、上記<1&g t;から<7>のいずれかに記載のポリカーボ ート樹脂を含む光学材料である。
<9> 本発明の別の実施形態は、上記<1&g t;から<7>のいずれかに記載のポリカーボ ート樹脂を含む光学レンズである。
<10> 本発明の別の実施形態は、上記<1& gt;から<7>のいずれかに記載のポリカーボ ネート樹脂を含む光学フィルムである。

<11> 本発明の別の実施形態は、下記式(5) で表されるジヒドロキシ化合物および下記式 (6)で表されるジヒドロキシ化合物を、重合触 媒の存在下、炭酸エステル形成化合物と反応 させることを特徴とする上記<2>に記載の ポリカーボネート樹脂の製造方法である。

(式(5)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数6 ~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、 炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラ キル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し nはRがベンゼン環上に置換している数を示 、0~4の整数である。Xは炭素数1~4のアルキレ 基を示し、pは0~4の整数である。)

(式(6)中、Rは、炭素数1~9のアルキル基、炭素 6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基 、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のア ルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示 、mはRがベンゼン環上に置換している数を し、0~4の整数である。Xは、



であり、R 1 とR 2 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素 2~5のアルケニル基又は炭素数7~17のアラルキ 基を表す。また、R 1 とR 2 が結合して炭素環または複素環を形成しても 良い。
 R 3 とR 4 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基又は炭素数6~12アリール基を表す R 5 は1~9のアルキレン基である。aは0~20の整数を し、bは1~500の整数を表す。)

<12> 本発明の別の実施形態は、下記式(5) で表されるジヒドロキシ化合物および下記式 (7)で表されるジヒドロキシ化合物を、重合触 媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させるこ とを特徴とする上記<3>に記載のポリカー ボネート樹脂の製造方法である。

(式(5)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数6 ~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基、 炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラ キル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し nはRがベンゼン環上に置換している数を示 、0~4の整数である。Xは炭素数1~4のアルキレ 基を示し、pは0~4の整数である。)
 式(7)
HOCH 2 -Y-CH 2 OH (7)
(式(7)中、Yは炭素数0~20のアルキレン基若しく はシクロアルキレン基又は下記式(4)で表され る構造である。)

(式(4)において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ、水素原子または炭素数1~5のアル キル基である。)

 本発明の好ましい態様のポリカーボネー 樹脂を使用することにより、透明性、耐熱 、高屈折率、低い光弾性係数及び低複屈折 を有する各種レンズ、プリズム、光ディス 基板及び光ファイバー等のプラスチック光 製品や光学フィルムを製造することが出来 。

 以下、本発明のポリカーボネート樹脂及び の製造方法を具体的に説明する。
1.ポリカーボネート樹脂
 本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式( 1)で表される構造単位を含むことを特徴とす 。
 下記一般式(1)で表される構造単位に加え、 記式(2)で表される構造単位を含むものも好 しい。

 式(1)で表される構造単位(以下、「構造単 位(1)」ともいう)と式(2)で表される構造単位( 下、「構造単位(2)」ともいう)とを含む共重 合体において、構造単位(1)の割合(mol%)は、〔 構造単位(1)/(構造単位(1)+構造単位(2))〕とし 、5mol%以上であることが好ましい。この構造 単位(1)の割合が、5mol%以上であると、耐熱性 向上するので好ましい。この共重合体の場 、この構造単位(1)の割合が10~85mol%であるも が、光学物性と成形加工性のバランスが良 で特に好ましい。


 式(1)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数 6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基 炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラ キル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し 、nはRがベンゼン環上に置換している数を示 、0~4の整数である。Yは炭素数1~4のアルキレ ン基を示し、pは0~4の整数である。

 式(1)中、好ましくは、Rは炭素数1~4のアルキ ル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~4の ルケニル基、炭素数1~3のアルコキシ基、炭 数7~13のアラルキル基及びハロゲンから選ば る1種を示す。更に好ましくは、Rは、メチ 、シクロヘキシル、又はフェニルである。
 nは、好ましくは0~1の整数である。好ましく は、Yは炭素数1~2のアルキレン基であり、pは0 ~1の整数である。

 このような構造単位(1)の具体例としては 例えば、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ア ナフテンや、1,1-ビス(4-クレゾール)アセナフ テンや、1,1-ビス(フェノキシエタノール)アセ ナフテン等の残基が挙げられる。これらは、 2種以上含有していても良く、特に1,1-ビス(4- ドロキシフェニル)アセナフテンが好ましい 。

 次に、式(2)で表される構造単位について説 する。

 式(2)中、Rは、炭素数1~9のアルキル基、炭素 数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル 、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のア ルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示 し、mはRがベンゼン環上に置換している数を し、0~4の整数である。Xは、

   


であり、R 1 とR 2 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素 2~5のアルケニル基又は炭素数7~17のアラルキ 基を表す。また、R 1 とR 2 が結合して炭素環または複素環を形成しても 良い。
 R 3 とR 4 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基又は炭素数6~12アリール基を表す R 5 は1~9のアルキレン基である。aは0~20の整数を し、bは1~500の整数を表す。

 式(2)中、好ましくは、Rは炭素数1~4のアル キル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~4 アルケニル基、炭素数1~3のアルコキシ基、 素数7~13のアラルキル基及びハロゲンから選 れる1種を示す。更に好ましくは、Rは、メ ル、シクロヘキシル又はフェニルである。 ましいXとしては、イソピリデン基、メチレ 基、及びフルオレノニル基が挙げられる。

 構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂 るいは構造単位(1)および(2)を含むポリカー ネート樹脂が、フィルムやシートとして十 な強度を得るためには、固有粘度(極限粘度 ともいう)が0.30~2.0dl/gであることが好ましく さらには0.40~1.5dl/gであることが好ましい。 、固有粘度とは高分子同士の接触による影 が無視できるような希薄溶液において求め 高分子の単位濃度あたりの粘度増加率をい 。

 構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂 るいは構造単位(1)および(2)を含むポリカー ネート樹脂は、ガラス転移温度が120℃以上 あることが好ましく、120~180℃であることが より好ましい。ガラス転移温度が120~180℃で ると射出成形しやすく好ましい。

 構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂あ いは構造単位(1)および(2)を含むポリカーボ ート樹脂は、光弾性係数が50×10 -12 m 2 /N以下であることが好ましく、30×10 -12 m 2 /N以下であることがより好ましい。光弾性係 が50×10 -12 m 2 /N以下であると、複屈折が生じにくくなり好 しい。

 構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂 るいは構造単位(1)および(2)を含むポリカー ネート樹脂は、100μmのフィルムとしたとき 強度が70MPa以上であることが好ましく、80~10 0MPaであることがより好ましい。強度が70MPa以 上であると、強いフィルムとなり好ましい。

 構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂 平均分子量(Mw)は、好ましくは25000~55000であ 、より好ましくは30000~45000である。また、 造単位(1)および(2)を含むポリカーボネート 脂の平均分子量(Mw)は、好ましくは25000~55000 あり、より好ましくは30000~45000である。

 更に、本発明の効果を損なわない範囲で 構造単位(1)および構造単位(2)以外のカーボ ート単位が含まれていても構わない。

 また、本発明のポリカーボネート樹脂とし は、上記式(1)で表される構造単位に加えて 記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単 位(3)」ともいう)を含む共重合体も好ましい

 式中、Yは炭素数0~20のアルキレン基若しく シクロアルキレン基又は下記式(4)で表され 構造である。

 式(4)において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ、水素原子または炭素数1~5のアル キル基である。

 このような構造単位(3)の具体例としては、 えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジ オール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジ ール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、及 び1,6-ヘキサンジオールのような直鎖ジオー 、トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、4,10-ジメチルトリシク ロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、4,4,10,10-テトラメチル リシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10-デカ チルトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、3,9-ビス(2-ヒドロキシ チル)-2,4,8,10-テトラオキソスピロ(5.5)ウンデ カン、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジエチルエチ ル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ 、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジプロピルエチ )-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン1 ,4-シクロヘキサンジオール(トランス体、シ 体あるいはその混合物)のような環状ジオー の残基が挙げられる。これらジヒドロキシ 合物は1種類でもよいし、二種類以上組み合 わせて使用してもよい。

 これらの中でも特に、トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジ タノールおよび3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジ チルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5) ウンデカンから選ばれるジヒドロキシ化合物 の残基であることが好ましい。

 構造単位(1)および(3)を含むポリカーボネ ト樹脂は、上記式(1)で表される構造単位と 式(3)で表される構造単位とが、ランダム、 ロックあるいは交互に結合した共重合体で り、その平均分子量(Mw)は、20000~200000、好ま しくは30000~100000である。

 更に、本発明の効果を損なわない範囲で 構造単位(1)および構造単位(3)以外のカーボ ート単位が含まれていても構わない。

 式(1)で表される構造単位(「構造単位(1)」 )と式(3)で表される構造単位(「構造単位(3)」) とを含む共重合体において、構造単位(1)の割 合(mol%)は、〔構造単位(1)/(構造単位(1)+構造単 位(3))〕として、5~90mol%であることが好ましい 。この構造単位(1)の割合が、5mol%以上である 、耐熱性が向上するため好ましい。この構 単位(1)の割合が10~85mol%であるものが、光学 性と成形加工性のバランスが良好で、特に ましい。

 構造単位(1)および(3)を含むポリカーボネ ト樹脂は、湿式成形、押出成形、圧縮成形 インフレーション成形、射出成形等の公知 方法で成形可能である。特に、射出成形に り成形して充分な強度を得るためには、ポ カーボネート樹脂の固有粘度(極限粘度)は 0.30~2.0dl/gであることが好ましく、さらには0. 40~1.5dl/gであることが好ましい。固有粘度が0. 30dl/g以上であると、十分な強度が得られる。 固有粘度が2.0dl/g以下であると、溶融粘度が くなりすぎず、流動性が良好で成形が容易 なる。

 構造単位(1)および(3)を含むポリカーボネ ト樹脂のガラス転移温度は、100℃以上180℃ 下であることが好ましく、より好ましくは1 05℃以上165℃以下である。ガラス転移温度が1 00℃以上だと耐熱性が良好となり、種々の用 に使用出来る。また、ガラス転移温度が180 以下だと、流動性が良好で、成形加工し易 ので好ましい。また、流動性を確保するた に低分子量に抑えることは、脆くなるため ましくない。

 構造単位(1)および(3)を含むポリカーボネー 樹脂の光弾性係数は、50×10 -12 m 2 /N以下であることが好ましく30×10 -12 m 2 /以下であることがより好ましい。光弾性係 が50×10 -12 m 2 /N以下であると、複屈折が生じにくく好まし 。

 構造単位(1)および(3)を含むポリカーボネ ト樹脂の屈折率nDは、1.57以上であることが ましく、1.60以上であることがより好ましい 。屈折率nDが1.57以上であると、レンズの薄肉 化が可能となり好ましい。

2.ポリカーボネート樹脂の製造方法
 構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂(ホ モポリマー)の製造方法としては、下記式(5) 表されるビスフェノール(ジヒドロキシ化合 )と炭酸エステル形成化合物とを反応させる 工程を含む方法により製造される。

 また、構造単位(1)および(2)を含むポリカー ネート樹脂は、下記式(5)で表されるビスフ ノール(ジヒドロキシ化合物)と、下記式(6) 表されるビスフェノール(ジヒドロキシ化合 )と炭酸エステル形成化合物とを反応させる 工程を含む方法により製造される。
 具体的には、ビスフェノールAと炭酸エステ ル形成化合物からポリカーボネートを製造す る際に用いられている公知の方法、例えばビ スフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホ ゲン法)、あるいはビスフェノール類とビス リールカーボネートとのエステル交換反応( エステル交換法)などの方法で製造すること できる。



 式(5)中、Rは炭素数1~9のアルキル基、炭素数 6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル基 炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のアラ キル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し 、nはRがベンゼン環上に置換している数を示 、0~4の整数である。Yは炭素数1~4のアルキレ ン基を示し、pは0~4の整数である。

 式(5)中、好ましくは、Rは炭素数1~4のアルキ ル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~4の ルケニル基、炭素数1~3のアルコキシ基、炭 数7~13のアラルキル基及びハロゲンから選ば る1種を示す。更に好ましくは、Rは、メチ 、シクロヘキシル、又はフェニルである。
 nは、好ましくは0~1の整数である。好ましく は、Yは炭素数1~2のアルキレン基であり、pは0 ~1の整数である。

 ここで、上記式(5)で表されるビスフェノ ルとしては、例えば、1,1-ビス(4-ヒドロキシ フェニル)アセナフテンや、1,1-ビス(4-クレゾ ル)アセナフテンや、1,1-ビス(フェノキシエ ノール)アセナフテン等の残基が挙げられる 。これらは、2種以上使用しても良く、特に1, 1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アセナフテンが 好ましい。

 次に、式(6)で表されるジヒドロキシ化合物 ついて説明する。

 式(6)中、Rは、炭素数1~9のアルキル基、炭素 数6~12のアリール基、炭素数2~5のアルケニル 、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数7~17のア ルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示 し、mはRがベンゼン環上に置換している数を し、0~4の整数である。Xは、

   


であり、R 1 とR 2 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素 2~5のアルケニル基又は炭素数7~17のアラルキ 基を表す。また、R 1 とR 2 が結合して炭素環または複素環を形成しても 良い。
 R 3 とR 4 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨ ウ素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数1~5のア ルコキシ基又は炭素数6~12アリール基を表す R 5 は1~9のアルキレン基である。aは0~20の整数を し、bは1~500の整数を表す。

 式(6)中、好ましくは、Rは炭素数1~4のアル キル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~4 アルケニル基、炭素数1~3のアルコキシ基、 素数7~13のアラルキル基及びハロゲンから選 れる1種を示す。更に好ましくは、Rは、メ ル、シクロヘキシル又はフェニルである。

 ここで、上記式(6)で表されるビスフェノ ルとしては、様々なものがあり、具体的に 以下の化合物が挙げられる。1,1’-ビフェニ ル-4,4’-ジオール、ビス(4-ヒドロキシフェニ )メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エ ン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、 ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、 ス(4-ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビ (4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒ ドロキシフェニル)ケトン、2,2-ビス(4-ヒドロ シフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキ -3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒ ロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビ (4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1- ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン 2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ ロプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジ ェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ )-1-フェニルエタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ ェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3- メチルフェニル)フルオレン、α,ω-ビス[2-(p- ドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロ キサン、α,ω-ビス[3-(o-ヒドロキシフェニル) ロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’-[1,3- ェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフ ノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フ ェニルエタンなどが例示される。これらは、 2種類以上併用して用いてもよい。また、こ らの中でも特に、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ ル)プロパン(ビスフェノールA:BPA)、2,2-ビス( 4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(ビ フェノールC:BPC)、ビス(4-ヒドロキシフェニ )エーテル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル) クロヘキサン(ビスフェノールZ:BPZ)及び、1,1- ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタ (ビスフェノールAP:BPAP)から選ばれることが ましく、さらにはBPA又はBPZが好ましい。

 一方、炭酸エステル形成化合物としては 例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネー 、ジ-p-トリルカーボネート、フェニル-p-ト ルカーボネート、ジ-p-クロロフェニルカー ネート、ジナフチルカーボネートなどのビ アリルカーボネートが挙げられる。これら 化合物は2種類以上併用して使用することも 可能である。

 ホスゲン法においては、通常酸結合剤お び溶媒の存在下において、式(5)で表される スフェノールとホスゲンを反応させるか、 るいは、式(5)で表されるビスフェノールと (6)で表されるビスフェノールとホスゲンを 応させる。酸結合剤としては、例えばピリ ンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム どのアルカリ金属の水酸化物などが用いら 、また溶媒としては、例えば塩化メチレン クロロホルムなどが用いられる。さらに、 重合反応を促進するために、トリエチルア ンのような第三級アミンまたは第四級アン ニウム塩などの触媒を、また重合度調節に 、フェノール、p-t-ブチルフェノール、p-ク ルフェノール、長鎖アルキル置換フェノー 、オレフィン置換フェノール等一官能基化 物を分子量調節剤として加えることが好ま い。また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、 イドロサルファイトなどの酸化防止剤や、 ロログルシン、イサチンビスフェノールな 分岐化剤を小量添加してもよい。反応は通 0~150℃、好ましくは5~40℃の範囲とするのが 当である。反応時間は反応温度によって左 されるが、通常0.5分~10時間、好ましくは1分 ~2時間である。また、反応中は、反応系のpH 10以上に保持することが望ましい。

 一方、エステル交換法においては、式(5) 表されるビスフェノールとビスアリールカ ボネートとを混合するか、あるいは、式(5) 表されるビスフェノールと式(6)で表される スフェノールとビスアリールカーボネート を混合し、減圧下で高温において反応させ 。反応は通常150~350℃、好ましくは200~300℃ 範囲の温度において行われ、また減圧度は 終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交 換反応により生成した該ビスアリールカーボ ネートから由来するフェノール類を系外へ留 去させる。反応時間は反応温度や減圧度など によって左右されるが、通常1~4時間程度であ る。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス 雰囲気下で行うことが好ましい。また、所望 に応じ、分子量調節剤、酸化防止剤や分岐化 剤を添加して反応を行ってもよい。これらの 添加剤については後述する。

 フィルム・シートの製造方法としては、 意の方法を採用し得るが、溶液キャスト法( 流延法)が特に好適である。溶液キャスト法 用いられる溶媒としては、当該ポリカーボ ート共重合体を溶解できる各種溶媒を使用 ることができ、塩化メチレン、テトラヒド フラン、ジオキサン等が好適である。

 一方、構造単位(1)および(3)を含むポリカ ボネート樹脂は、下記式(5)で表されるジヒ ロキシ化合物および下記式(7)で表されるジ ドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭 エステル形成化合物と反応させる工程を含 方法により製造される。


 式(5)については、上述した通りである。

 次に、式(7)で表されるジヒドロキシ化合物 ついて説明する。
 式(7)
HOCH 2 -Y-CH 2 OH (7)
 式中、Yは炭素数0~20のアルキレン基若しく シクロアルキレン基又は下記式(4)で表され 構造である。

 式(4)において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ、水素原子または炭素数1~5の1価 アルキル基である。

 式(7)で表されるジヒドロキシ化合物として 、具体的には例えば、エチレングリコール 1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール 1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジ メタノール、及び1,6-ヘキサンジオールのよ な直鎖ジオール、トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、4,10-ジメチルトリシク ロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、4,4,10,10-テトラメチル リシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10-デカ チルトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、3,9-ビス(2-ヒドロキシ チル)-2,4,8,10-テトラオキソスピロ(5.5)ウンデ カン、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジエチルエチ ル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ 、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジプロピルエチ )-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン1 ,4-シクロヘキサンジオール(トランス体、シ 体あるいはその混合物)のような環状ジヒド キシ化合物が挙げられる。これらのジヒド キシ化合物は、2種類以上組み合わせて使用 してもよい。

 これらの中でも特に、トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジ タノール、および3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1- メチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5 .5)ウンデカンから選ばれるジヒドロキシ化合 物の残基であることが好ましい。

 一方、炭酸エステル形成化合物としては 例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネー 、ジ-p-トリルカーボネート、フェニル-p-ト ルカーボネート、ジ-p-クロロフェニルカー ネート、ジナフチルカーボネートなどのビ アリルカーボネートが挙げられる。これら 化合物は2種類以上併用して使用することも 可能である。

 エステル交換法においては、式(5)で表さ るジヒドロキシ化合物と式(7)で表されるジ ドロキシ化合物とビスアリールカーボネー とを混合し、減圧下で高温において反応さ る。反応は通常150~350℃、好ましくは200~300 の範囲の温度において行われ、また減圧度 最終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル 交換反応により生成した該ビスアリールカー ボネートから由来するフェノール類を系外へ 留去させる。反応時間は反応温度や減圧度な どによって左右されるが、通常1~4時間程度で ある。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガ ス雰囲気下で行うことが好ましく。また、所 望に応じ、分子量調節剤、酸化防止剤や分岐 化剤を添加して反応を行ってもよい。

 本発明において、芳香族-脂肪族ポリカー ボネート樹脂共重合体に、上記の特定の化合 物と共にその物性を損なわない範囲で目的に 応じ、各種公知の添加剤を加えることが望ま しい。

 酸化防止剤としては、例えば、トリフェ ルホスファイト、トリス(4-メチルフェニル) ホスファイト、トリス(4-t-ブチルフェニル)ホ スファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホ ファイト、トリス(2-メチル-4-エチルフェニ )ホスファイト、トリス(2-メチル-4-t-ブチル ェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチ フェニル)ホスファイト、トリス(2,6-ジ--t-ブ チルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t- ブチル-5-メチルフェニル)ホスファイト、ト ス(モノ,ジノニルフェニル)ホスファイト、 ス(モノノニルフェニル)ペンタエリスリトー ル-ジ-ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフ ニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイ 、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペ タエリスリトール-ジ-ホスファイト、ビス(2, 4,6-トリ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリト ル-ジ-ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-5- メチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホ スファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジメチルフ ェニル)オクチルホスファイト、2,2-メチレン ス(4-t-ブチル-6-メチルフェニル)オクチルホ ファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチル ェニル)オクチルホスファイト、2,2-メチレ ビス(4,6-ジメチルフェニル)ヘキシルホスフ イト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ ル)ヘキシルホスファイト、2,2-メチレンビス (4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ステアリルホスファ イト等のホスファイト化合物;ペンタエリス チル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ シフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサン オール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ ェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3, 5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ ネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t- ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ト エチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メ ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、 3,9-ビス{2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル フェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチル チル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデ ン、1,1,3-トリス[2-メチル-4-(3,5-ジ-t-ブチル-4 -ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)-5-t -ブチルフェニル]ブタン等のヒンダードフェ ール系化合物;5,7-ジ-t-ブチル-3-(3,4-ジメチル フェニル)-3H-ベンゾフラン-2-オン等が挙げら る。これらは、単独、あるいは2種以上併用 して用いてもよい。

 これらの酸化防止剤の添加量は、芳香族- 脂肪族ポリカーボネート樹脂共重合体100重量 %に対して0.005~0.1重量%、好ましくは、0.01~0.08 量%、さらに好ましくは、0.01~0.05重量%であ 、これより少ないと所望の効果が得られず 過剰では耐熱物性、機械的物性が低下し適 ではない。

 紫外線吸収剤としては、例えば、2-(5-メ ル―2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ ル、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベ ンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-( 3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾ リアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロ キシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール 2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-ク ロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2 -ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2 -(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベ ゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3, 3-テトラメチルブチル)-6-[(2H-ベンゾトリアゾ ル-2-イル)フェノール]]、2-(4,6-ジフェニル-1, 3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]- ェノール、2,4-ジヒドロキソベンゾフェノン 2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェ ノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキ ベンゾフェノン等が挙げられる。これらは 単独、あるいは2種以上併用して用いてもよ い。

 離型剤としては、一般的に使用されてい ものでよく、例えば、天然、合成パラフィ 類、シリコーンオイル、ポリエチレンワッ ス類、蜜蝋、ステアリン酸、ステアリン酸 ノグリセリド、ステアリン酸ステアリル、 ルミチン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベ ニン、ラウリル酸モノグリセリド、ペンタ リスリトールジステアレート、ペンタエリ リトールテトラステアレート等の脂肪酸エ テル等が挙げられ、これらは、単独、ある は2種以上併用して用いてもよい。

 その他難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料 高分子改質剤、滑剤、可塑剤等必要に応じ 単独または組み合わせて用いることができ 。

 本発明はまた、上述の本発明のポリカーボ ート樹脂を用いてなる光学材料を提供する
 上記光学材料としては、各種光学レンズ、 リズム、光ディスク基板、光ファイバー、 通信用デバイスなどのプラスチック光学製 や光学フィルムなどを例示することができ 。本発明のポリカーボネート樹脂を上記の 途に供する場合、公知の酸化防止剤、紫外 吸収剤、光安定剤、蛍光色素やフォトクロ 素等の色素、屈折率調整剤、無機微粒子な を添加したPC樹脂組成物として使用するこ ができる。

 以下に本発明を実施例により説明するが、 発明はこれらの実施例に何らの制限を受け ものではない。なお、実施例中の測定値は 下の方法あるいは装置を用いて測定した。
1)固有粘度(極限粘度):ウベローデ粘度管使用 20℃、0.5%ジクロロメタン溶液、ハギンズ定 0.45で測定。
2)ガラス転移温度(Tg):示差熱走査熱量分析計(D SC)により測定した。
3)光弾性係数:エリプソメーターにより、厚さ 100μmのキャストフィルムを用い、レーザー波 長633nmの光をあて、荷重変化に対する複屈折 定から算出した。
4)フィルム強度及び伸度:実施例で得られた厚 み100μmのフィルムの引張強度及び引張伸度を ASTM D882―61Tに準拠して、島津製作所製島津 ートグラフAGS-100Gを用いて測定した。
5)全光線透過率:日本電色工業(株)製MODEL1001DP より測定した。
6)屈折率:ポリカーボネート3mm厚×8mm×8mmの直 体にプレス成形し、ATAGO株式会社製屈折率計 により測定した。
7)複屈折:日本分光(株)製エリプソメーターに り測定した。

〈合成例1〉
 10Lの三つ口フラスコにアセナフテン308g、酢 酸3250mL、臭化コバルト(II)六水和物30.6g、酢酸 コバルト(II)四水和物6.1g、酢酸マンガン(II)四 水和物1.5gを仕込み、撹拌・混合して全てを 解させた後、20℃、常圧で空気を400L/hで液中 に吹込んだ。4.3時間後に反応を停止し、反応 生成液をガスクロマトグラフィーにより分析 した。その結果、アセナフテン転化率99.2%、 セナフテン-1-オン収率28.1%という成績が得 れた。

〈合成例2〉
 合成例1で得られた反応生成液1kgに対してト ルエン1L、水2Lを加え5分間撹拌・抽出した後 15~20分静置して分液し、上層のトルエン層 回収した。上記抽出液と同量の4%水酸化ナト リウム水溶液を分液ロートに入れて振とう静 置し、下層の黒色液を除去した。残った液と 同量の水を加えて洗浄し、下層を抜液した。 さらに水を加え塩酸2mLを添加して振とうし、 下層を抜液し、再び水洗した。油層をさらに アルカリ洗浄した後、濃縮し溶媒を除去した 。上記濃縮液を圧力1~2mmHgで蒸留し、留出温 120℃でアセナフテン-1-オン16gが留出した。

〈合成例3〉
 500mL三つ口フラスコに、合成例2で得られた セナフテン-1-オン10g、フェノール195g、98%硫 酸0.8g、およびメルカプト酢酸0.6gを仕込み、 素雰囲気下、50℃で30時間撹拌した。室温ま で冷却した後、得られた生成液、トルエン200 mLおよび2%水酸化ナトリウム水溶液60mLを分液 ートに入れて振とう静置し、水層を除去し 。油層をロータリーエバポレーターで濃縮 、さらに1~2mmHgに減圧して90℃でフェノール 留去した。得られた固形物20gにトルエン200g を加え、トルエンが還流するまで加熱して溶 解させた後、室温まで放冷した。析出した結 晶を濾過により回収し、トルエン、水の順で 洗浄したのち、乾燥させた。
 得られた結晶を元素分析した結果、C 85.19% H 5.36%、O 9.45%であった(計算値:C 85.18%、H 5 .36%、O 9.46%)。GC-MSで分析した結果、目的物の 1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アセナフテン 分子量は、338であった。アセトン-d 6 溶媒中での 1 H-NMRのケミカルシフト値(δppm、TMS基準)は、4.0 9(s,2H)、6.72(q,4H)、7.05(q,4H)、7.18(d,1H)、7.36(d,1H) 7.51(q,2H)、7.68(q,2H)、8.22(s,2H)であった。また KBr錠剤法でFT-IRを測定した結果、官能基・ 合等に特徴的な吸収帯は、水酸基(3308cm -1 ,1242cm -1 )ベンゼン環(1595cm -1 ,1507cm -1 ,1432cm -1 ,787cm -1 )、ナフタレン環(1595cm -1 ,1507cm -1 ,1432cm -1 ,1176cm -1 ,787cm -1 )であった。得られた結晶19.2gの純度は、GC分 したところ96.9%であった。

〈実施例1〉
 5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに、合 例3で得られた1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル )アセナフテン(以下、「ANBP」と略称)203.0g(0.6m ol)とハイドロサルファイト0.1gを溶解した。 れにメチレンクロライド500mlを加えて撹拌し つつ、15℃に保ちながら、ついでホスゲン90g 90分で吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了 、分子量調節剤としてp-t-ブチルフェノール( 以下「PTBP」と略称:大日本インキ化学工業株 会社製)4.18gを加え激しく撹拌して、反応液 乳化させ、乳化後、0.6mlのトリエチルアミ を加え、20~25℃にて約1時間撹拌し、重合さ た。
 重合終了後、反応液を水相と有機相に分離 、有機相をリン酸で中和し、先液(水相)の 電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返し た。得られた重合体溶液を、45℃に保った温 に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状 殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105 、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
 この重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃 0.5g/dlの溶液の20℃における極限粘度は0.60dl/ gであった。得られた重合体を赤外線吸収ス クトルにより分析した結果、1770cm -1 付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm -1 付近の位置にエーテル結合による吸収が認め られ、上記式(1)で表される構造単位を含むポ リカーボネート樹脂であることが確認された 。得られた樹脂の構造式は、以下の通りであ る。

 

 得られた樹脂を塩化メチレンに溶解し(ポ リマー溶液濃度20wt%)キャスティングすること によりフィルムを作製した。

〈実施例2〉
 ANBPを101.5g(0.3mol)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ ニル)プロパン(ビスフェノールA:BPA)を68.4g(0.3m ol)使用した以外は実施例1と同様に行った。 られた樹脂の構造式は、以下の通りである

 

〈比較例1〉
 ビスフェノールAからなるポリカーボネート 樹脂として、ユーピロンE-2000(三菱エンジニ リングプラスチックス株式会社製)を用いた この樹脂の構造式は、以下の通りである。

 

〈比較例2〉
 9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン 175.2g(0.5モル)使用した以外は実施例1と同様 行った。得られた樹脂の構造式は、以下の りである。

 

〈比較例3〉
 9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン 105.1g(0.3モル)、BPAを68.4g(0.3mol)使用した以外 実施例1と同様に行った。得られた樹脂の構 式は、以下の通りである。

 

 実施例1~2および比較例1~3で得られた樹脂 よびフィルムの物性を測定した結果を下記 1に示す。 本発明のポリカーボネート樹脂 、アセナフテン骨格を持つモノマーを含む 脂である。表1の結果から、本発明により、 優れた強度、透過性を持ち、光弾性係数が低 く、位相差フィルム用途に好適なバランスの とれたポリカーボネート樹脂を提供すること ができることがわかる。


 

〈実施例3〉
 上記合成例3で得られた1,1-ビス(4-ヒドロキ フェニル)アセナフテン(ANBP)9.313kg(25.275モル) トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカンジメタノール(以下TCDDMと略す)8.448kg(43 .04モル)、ジフェニルカーボネート(以下DPCと す)15.00kg(70.01モル)、及び炭酸水素ナトリウ 0.000574g(6.8マイクロモル)を攪拌機及び留出 置付きの50L反応機に入れ、窒素雰囲気760mmHg 下1時間かけて215℃に加熱し攪拌した。
 その後、15分かけて減圧度を150mmHgに調整し 215℃、150mmHgの条件下で20分間保持しエステ 交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で 240℃まで昇温し、240℃150mmHgで10分間保持した 。その後、10分かけて120mmHgに調整し、240℃120 mmHgで70分間保持した。その後、10分かけて100m mHgに調整し、240℃100mmHgで10分間保持した。更 に40分かけて1mmHg以下とし、その条件下で10分 間攪拌した。反応終了後、反応機内に窒素を 吹き込み加圧し、生成したポリカーボネート 樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得ら れたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.66 Tgは128℃であった。得られた樹脂の構造式は 、以下の通りである。

 

 このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24 間真空乾燥し、樹脂に対して酸化防止剤で るアデカスタブPEP36(商標名:旭電化工業株式 社製)を500ppm、酸化防止剤 であるHP136(商標 :チバスペシャリティケミカルズ株式会社製 )200ppm、グリセリンモノステアレートを300ppm 加して押出し機により250℃で混練りしてペ タイズしてペレットを得た。このペレット 極限粘度は0.64であった。該ペレットを100℃ 24時間真空乾燥した後、シリンダー温度250 、金型温度120℃で射出成形して直径が9.4mm両 凸面の局率半径が5.0mmの両凸レンズを得た。 た、得られた樹脂レンズの光学特性を測定 たところ屈折率が1.576、光弾性係数が11×10 -12 m 2 /N、複屈折が15nmであり、複屈折のきわめて小 さい実質的な光学ひずみのないレンズである ことが確認された。また、全光線透過率を測 定したところ89%であった。

〈実施例4〉
 ANBPを8.269kg(22.44mol)、シクロヘキサンジメタ ール(シストランス混合物)を7.552kg(52.36mol)、 DPCを16.423kg(76.68モル)使用した以外は実施例1 同様に行った。得られた樹脂の構造式は、 下の通りである。

 
 得られた樹脂レンズの光学特性を測定した ころ屈折率が1.585、光弾性係数が17×10 -12 m 2 /N、複屈折が20nmであり、複屈折のきわめて小 さい実質的な光学ひずみのないレンズである ことが確認された。また、全光線透過率を測 定したところ89%であった。

〈実施例5〉
 ANBPを14.348kg(38.94mol)、2,4,8,10-テトラオキサス ピロ(5.5)ウンデカンを8.941g(29.37mol)、ジフェニ ルカーボネート(DPC)を15.00kg(70.01モル)使用し 以外は実施例1と同様に行った。得られた樹 の構造式は、以下の通りである。

 
 得られた樹脂レンズの光学特性を測定した ころ屈折率が1.575、光弾性係数が25×10 -12 m 2 /N、複屈折が23nmであり、複屈折のきわめて小 さい実質的な光学ひずみのないレンズである ことが確認された。また、全光線透過率を測 定したところ89%であった。

〈比較例4〉
 ビスフェノールAからなるポリカーボネート 樹脂として、ユーピロンH-4000(三菱エンジニ リングプラスチックス株式会社製)を用いた この樹脂の構造式は、以下の通りである。

 
 該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後 シリンダー温度255℃、金型温度120℃で射出 形し、直径が9.4mm両凸面の曲率半径が5.0mmの 凸レンズを得た。得られた樹脂レンズの光 特性を測定したところ屈折率が1.584、光弾 係数が78×10 -12 m 2 /N、複屈折が230nmであり、複屈折の大きい光 ひずみも大きいレンズであることが確認さ た。また、全光線透過率を測定したところ89 %であった。

〈比較例5〉
 ゼオネックス330R(日本ゼオン株式会社製)を いた。この樹脂の構造式は、以下の通りで る。

 
 該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後 シリンダー温度260℃、金型温度100℃で射出 形し、直径が9.4mm両凸面の曲率半径が5.0mmの 凸レンズを得た。得られた樹脂レンズの光 特性を測定したところ屈折率が1.530、光弾 係数が3.2×10 -12 m 2 /N、複屈折が45nmであり、複屈折のきわめて小 さい光学ひずみのないレンズであるが屈折率 が1.53と低かった。また、全光線透過率を測 したところ90%であった。

 実施例3~5および比較例4~5で得られた樹脂お びレンズの物性を測定した結果を下記表2に 示す。
 表2の結果から、本発明により、透明性、耐 熱性、高屈折率、低い光弾性係数、低複屈折 性を有する新規なポリカーボネート樹脂が得 られることがわかる。

 本発明のポリカーボネート樹脂は、各種 ンズ、プリズム、光ディスク基板、光ファ バーなどのプラスチック光学製品および光 フィルムに好適に利用できる。