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Title:
EXHAUST GAS TREATING METHOD AND TREATING SYSTEM FOR CEMENT BURNING PLANT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078066
Kind Code:
A1
Abstract:
An exhaust gas treating method and treating system for cement burning plant that realize construction of equipment from general-purpose devices, enhancement of handleability of recovered micropowder dust and accordingly run of maintenance-free stable operation. In the extracting of portion of exhaust gas at rear end area (2) of cement kiln (1) or a lowermost area of preheater (3) as an extraction gas, the temperature of the extraction gas is held within the range of 950° to 1150°C by not only dispersing of cement raw materials but also regulating the amount of dispersion. The extraction gas is cooled to the melting point of chlorocompound or below, and thereafter the classification particle size in solid/gas separating means (12) is regulated within the range of 12 to 30 μm. Dust over the classification particle size is separated, and micropowder dust not greater than the classification particle size is trapped/removed from the extraction gas by dust trapping means (13). Accordingly, the chlorine concentration of trapped micropowder dust falls within the range of 5 to 20%.

Inventors:
KOMATSU YOSHIAKI (JP)
ISHIZAKI MICHIO (JP)
MIURA HARUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/001426
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 19, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI MATERIALS CORP (JP)
KOMATSU YOSHIAKI (JP)
ISHIZAKI MICHIO (JP)
MIURA HARUKI (JP)
International Classes:
C04B7/60; B01D53/68; C04B7/44
Foreign References:
JPH11130489A1999-05-18
JP2001239132A2001-09-04
Attorney, Agent or Firm:
SHIMIZU, Chiharu (Nakagin-Shiroyama Bldg.16-13, Ginza 8-chome,Chuo-ku, Tokyo 16, JP)
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Claims:
 セメント原料を焼成するセメントキルンから排出されて上記セメント原料を予熱するプレヒータへと送られるダストを含む排ガスの一部を、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部から抽気ガスとして抽気し、この抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却した後に、固気分離手段によって所定粒度以上の上記ダストを上記抽気ガスから分離して上記セメント原料の焼成工程に戻すとともに、ダスト捕捉手段によって上記所定粒度以下の微粉ダストを含む上記抽気ガスから当該微粉ダストを捕集・除去することにより上記抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するセメント焼成設備の排ガス処理方法において、
 上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の上記排ガスに、上記セメント原料を分散させるとともに当該分散量を調整することにより上記抽気ガスの温度を950℃~1150℃の範囲に保持し、かつ上記固気分離手段における上記所定粒度を、12μm~30μmの範囲内に調整することにより、捕集された上記微粉ダストの塩素濃度を5~20%の範囲にしたことを特徴とするセメント焼成設備の排ガス処理方法。
 上記排ガスの量の1%以上を、上記抽気ガスとして抽気することを特徴とする請求項1に記載のセメント焼成設備の排ガス処理方法。
 セメント原料を焼成するセメントキルンから排出されて上記セメント原料を予熱するプレヒータへと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのセメント焼成設備の排ガス処理システムであって、
 上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部に接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトに沿って、順次この抽気ダクトから抽気された上記抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する冷却器と、この冷却器から排気された上記抽気ガスから所定粒度以上の上記ダストを分離する固気分離手段と、この固気分離手段において所定粒度以上の上記ダストが分離された抽気ガスから同伴した上記所定粒度以下の微粉ダストを捕集・除去するダスト捕捉手段と、このダスト捕捉手段の下流側に設けられて上記抽気ガスを吸引する誘引ファンとが設けられ、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の内部であって上記抽気ダクトの接続部近傍に、上記排ガスに上記セメント原料を分散させる分散手段が設けられるとともに、
 上記分散手段により分散させる上記セメント原料の量を調整する駆動手段と、上記抽気ガスの温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度に基づいて上記抽気ガスの温度を950℃~1150℃の範囲に保持する第1の制御装置と、
 上記捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度が5~20%の範囲になるように、上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm~30μmの範囲内に調整する第2の制御装置とを備えてなることを特徴とするセメント焼成設備の排ガス処理システム。
 上記固気分離手段は、サイクロン型分級機であるとともに、当該サイクロン型分級機の入口側に、上記抽気ガスの流量調整装置が設けられ、かつ上記微粉ダストの塩素濃度検出装置が設けられるとともに、上記第2の制御装置は、上記塩素濃度検出手段の検出信号に基づいて、上記誘引ファンによる上記抽気ガスの吸引量および/または上記抽気ガスの流量調整装置を制御することを特徴とする請求項3に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
 上記分散手段は、上記セメント原料を上記プレヒータから窯尻部へ投入する原料シュートの落口の下方に、当該落口の直下に向けて出没自在に設けられ、上記落口から落下する上記セメント原料を上記排ガス中に分散させる分散板であることを特徴とする請求項3または4に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
Description:
セメント焼成設備の排ガス処理 法および処理システム

 本発明は、セメント焼成設備の系内にお る塩素濃度の上昇を抑える塩素バイパスを いたセメント焼成設備の排ガス処理方法お び処理システムに関するものである。

 近年、廃棄物の廃棄処分問題を解決する め、セメント原料の一部あるいはセメント ルン内の加熱用燃料の一部として、各種の 棄物が使用されている。しかしながら、特 合成樹脂等の廃棄物を上記燃料の一部とし セメントキルン内に投入する場合には、燃 時に揮発性を有する塩素成分を発生する。 のような塩素成分は、セメントキルン内か 排出される排ガスに同伴して、上流側のプ ヒータへと送られて行くものの、プレヒー の上段側へ移送されるにつれて雰囲気温度 融点以下になると、凝縮してセメント原料 付着し、再びセメントキルン内へと送られ とともに、雰囲気温度の上昇に伴って再度 発することになる。

 このように、セメント焼成設備の系内に り込まれた塩素成分は、セメントキルンお びプレヒータ内で蒸発および凝縮を繰り返 て循環するとともに、これに新たに投入さ る廃棄物から発生する塩素成分が加わるこ により、その濃度が上昇して、コーチング よる上記プレヒータにおける閉塞が発生す 等、安定的な操業を妨げるとともに、製造 れたセメントクリンカーに品質にも悪影響 与えるという問題点を生じる。

 そこで、上記問題点を解決すべく、例え 下記特許文献1においては、キルン排ガスの 一部をキルンから抽気する行程と、該抽気し た該排ガスを塩素化合物の融点以下に冷却す る行程と、該排ガス中のダストを分級器によ り粗粉と微粉とに分離する行程と、分離され た粗粉をキルンに戻し、微粉を分級器の下流 側に送出する行程とを備えたキルン排ガス処 理方法であって、前記キルン排ガスの抽気量 の割合が、0%を超え5%以下であり、前記分級 での分離粒度を5μm~7μmにして、前記送出さ る微粉量をキルン生産量の0.1%以下にしたこ を特徴とする塩素バイパスによるキルン排 ス処理方法が提案されている。

 上記構成からなるキルン排ガスの処理方 によれば、分級器において分離された塩素 有率の高い微粉ダストを含む排ガスを集塵 に送り、高塩素濃度の上記微粉ダストを集 して系外に排出することにより、ロータリ キルンを安定運転することができるととも 、最小の熱損失で効果的に塩素を除去でき しかも抽気ガス量が少なくて済むため、処 設備が小型となり、スペース、設備費用が に少なく、経済的にキルンの安定運転を確 できるといった効果が得られる、とされて る。

 しかしながら、上記従来のキルン排ガス 処理方法にあっては、集塵機によって回収 る微粉ダストの粒径を、5μm~7μm以下といっ 極めて微細な粒径範囲に設定しているため 、分級機として汎用のものを用いることが きず、高性能なものを設置する必要がある ともに、運転時に細かな制御を要するため 、設置コストが嵩むという問題点がある。

 加えて、微細な微粉ダストを回収している 果、回収された上記微粉ダストにおける塩 濃度が極めて高くなる。このため、仮に上 微粉ダストの塩素濃度が20%を超えた場合に 、微粉ダストに吸着された塩素化合物の潮 等に起因して、回収された微粉ダストのハ ドリング性が大幅に低下し、搬送管、ホッ などの内周壁に微粉ダストが付着(コーチン グの発生)して、ホッパ詰まりやシュート詰 りを生じる等の事故が発生し易いという問 点もある。この結果、安定的な操業を行う とが難しく、かつメンテナンスコストも嵩 という問題点がある。

特許第3318714号公報

 この発明は、かかる事情に鑑みてなされ もので、汎用の機器類によって構成するこ ができ、よってシステムコストの低減化を ることができるとともに、回収した微粉ダ トのハンドリング性を高めることができ、 ってメンテナンスフリーの安定的な操業を 現することができるセメント焼成設備の排 ス処理方法および処理システムを提供する とを目的とするものである。

 上記課題を解決するために、本発明者等は 塩素濃度および微粉ダストの粒度が、ハン リング性に与える影響について検討を行っ 。
 先ず、セメント原料粉の平均粒子は、最大2 00μmから最小数μmまで分布しているものの、 ね20μm~30μm程度である。したがって、抽気 ス中からのダストの分級粒度を10μm以下にす ると、最終的に抽気ガスから捕集されるダス トの殆どは塩素粒子となり、これに極微細な セメント原料粉が混入しているものと考えら れる。

 したがって、上記分級粒度を10μm以下に ると、急激に塩素濃度が高くなることに加 て、捕集された微粉ダストが綿状になり、 の結果ハンドリング性が極端に悪化すると もに、塩素成分の潮解等に起因して、設備 閉塞や詰まりの原因となるコーチングが発 し易くなるとの知見を得た。また、微粉ダ トにおける塩素濃度を20%以下に抑えれば、 送過程においてコーチングに起因する微粉 ストの付着や詰まりの発生を防止し得るこ が判明した。

 次いで、セメントキルンからの抽気ガス 塩素化合物の融点以下に冷却し、サイクロ 型分級機によって粒度が約25μm以上のダス を上記抽気ガスから分離した後に、バグフ ルタによって粒度が約25μm以下の微粉ダスト を捕集するに際して、上記抽気ガスに積極的 にセメント原料を分散させることにより、当 該抽気ガス中のダスト濃度を変化させて、上 記微粉ダストの塩素濃度に与える影響を見た ところ、図2に示すように、ダスト濃度が高 なるに従って、塩素濃度が低下することが 認された。

 さらに、抽気されるセメントキルンから 排ガスに、セメント原料を積極的に分散さ れば、抽気ガス中のダスト濃度が高くなる ともに、上記排ガスの温度が低下する。そ て、この関係は、図3に示すように、概ね比 例関係にあることが判った。

 したがって、図2および図3から、図4に示 ように、セメント原料の分散によって抽気 スの温度を調整することにより、抽気ガス のダスト濃度を調整し、最終的に捕集され 微粉ダストの塩素濃度を容易に制御するこ ができるとの知見を得るに至った。そして 上記確認試験により、当該塩素濃度を上述 たハンドリング性に影響を与えない20%以下 するためには、抽気ガスの温度を1150℃以下 にすればよいことも判明した。

 また、サイクロン型分級機によって抽気 スから粗粉ダストを分離する際に、分級粒 を小さくすれば、微粉ダストの粒度が小さ なるために、当該微粉ダストにおける塩素 度も高くなる。しかしながら、上述したよ に上記分級粒度を10μm以下にすると、最終 に抽気ガスから捕集されるダストの殆どは 素粒子となり、これによって塩素濃度が急 に高くなるのに対して、10μm以上、より好ま しくは12μm以上の範囲内において調整すれば 上記抽気ガスの温度を1150℃以下に設定する 限りにおいて、塩素濃度を20%以下に抑え得る ことも判った。

 本発明は、かかる知見に基づいてなされ もので、請求項1に記載の発明は、セメント 原料を焼成するセメントキルンから排出され て上記セメント原料を予熱するプレヒータへ と送られるダストを含む排ガスの一部を、上 記プレヒータの最下部または上記セメントキ ルンの窯尻部から抽気ガスとして抽気し、こ の抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却し た後に、固気分離手段によって所定粒度以上 の上記ダストを上記抽気ガスから分離して上 記セメント原料の焼成工程に戻すとともに、 ダスト捕捉手段によって上記所定粒度以下の 微粉ダストを含む上記抽気ガスから当該微粉 ダストを捕集・除去することにより上記抽気 ガスに含まれていた塩素化合物を除去するセ メント焼成設備の排ガス処理方法において、 上記プレヒータの最下部または上記セメント キルンの窯尻部の上記排ガスに、上記セメン ト原料を分散させるとともに当該分散量を調 整することにより上記抽気ガスの温度を950℃ ~1150℃の範囲に保持し、かつ上記固気分離手 における上記所定粒度を、12μm~30μmの範囲 に調整することにより、捕集された上記微 ダストの塩素濃度を5~20%の範囲にしたことを 特徴とするものである。

 ここで上記抽気ガスの温度、すなわち当該 気ガス中のダスト濃度を調整するために分 させる上記セメント原料としては、主とし 上記プレヒータの最下段から原料シュート 介して上記窯尻部に投入されるセメント原 を用いることが好適である。
 また、上記セメント原料の排ガス中への分 と併行して、上記窯尻部の温度、すなわち 気ガスの温度を調整するために、補助的に 記プレヒータから抜き出した、より低温の メント原料や、各種原料が混合・乾燥され セメント原料とされた後のセメント原料で って上記プレヒータへと搬送される前セメ トの原料(所謂、生原料)を、上記窯尻部へ 入してもよい。

 また、請求項2に記載の発明は、請求項1 記載の発明において、上記排ガスの量の1%以 上を、上記抽気ガスとして抽気することを特 徴とするものである。

 次いで、請求項3に記載の発明は、セメン ト原料を焼成するセメントキルンから排出さ れて上記セメント原料を予熱するプレヒータ へと送られるダストを含む排ガスの一部を抽 気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含ま れていた塩素化合物を除去するためのセメン ト焼成設備の排ガス処理システムであって、 上記プレヒータの最下部または上記セメント キルンの窯尻部に接続されて上記抽気ガスを 抽気する抽気ダクトに沿って、順次この抽気 ダクトから抽気された上記抽気ガスを塩素化 合物の融点以下に冷却する冷却器と、この冷 却器から排気された上記抽気ガスから所定粒 度以上の上記ダストを分離する固気分離手段 と、この固気分離手段において所定粒度以上 の上記ダストが分離された抽気ガスから同伴 した上記所定粒度以下の微粉ダストを捕集・ 除去するダスト捕捉手段と、このダスト捕捉 手段の下流側に設けられて上記抽気ガスを吸 引する誘引ファンとが設けられ、上記プレヒ ータの最下部または上記セメントキルンの窯 尻部の内部であって上記抽気ダクトの接続部 近傍に、上記排ガスに上記セメント原料を分 散させる分散手段が設けられるとともに、上 記分散手段により分散させる上記セメント原 料の量を調整する駆動手段と、上記抽気ガス の温度を検出する温度検出手段と、この温度 検出手段によって検出された温度に基づいて 上記抽気ガスの温度を950℃~1150℃の範囲に保 する第1の制御装置と、上記捕捉手段によっ て捕集された上記微粉ダストの塩素濃度が5~2 0%の範囲になるように、上記固気分離手段に ける上記所定粒度を12μm~30μmの範囲内に調 する第2の制御装置とを備えてなることを特 とするものである。

 また、請求項4に記載の発明は、請求項3 記載の発明において、上記固気分離手段が サイクロン型分級機であるとともに、当該 イクロン型分級機の入口側に、上記抽気ガ の流量調整装置が設けられ、かつ上記微粉 ストの塩素濃度検出装置が設けられるとと に、上記第2の制御装置は、上記塩素濃度検 手段の検出信号に基づいて、上記誘引ファ による上記抽気ガスの吸引量および/または 上記抽気ガスの流量調整装置を制御すること を特徴とするものである。

 さらに、請求項5に記載の発明は、請求項 3または4に記載の発明において、上記分散手 が、上記セメント原料を上記プレヒータか 窯尻部へ投入する原料シュートの落口の下 に、当該落口の直下に向けて出没自在に設 られ、上記落口から落下する上記セメント 料を上記排ガス中に分散させる分散板であ ことを特徴とするものである。

 請求項1~請求項5のいずれかに記載の発明 よれば、抽気ガス中に含まれる塩素濃度の い微粉ダストをダスト捕捉手段によって捕 して除去することにより、系内における塩 濃度が上昇することを防止することができ 。加えて、抽気ガスが抽気されるプレヒー の最下部またはセメントキルンの窯尻部の ガスに、セメント原料を分散させて当該抽 ガスの温度を950℃~1150℃の範囲に保持する とにより、容易に最終的に捕集された微粉 ストの塩素濃度を20%以下にすることができ 。

 このため、上記微粉ダストのハンドリン 性に優れるとともに、搬送中に当該微粉ダ トに含まれる塩素成分によって、設備に閉 や詰まり等の弊害が生じるおそれがなく、 定的な操業を行うことができる。

 また、固気分離手段における分級粒度を 12μm~30μmの範囲内に調整すれば良いために 上記固気分離手段として例えば汎用のサイ ロン型分級機等を用いることができ、設備 ストが嵩むおそれもない。

 ここで、抽気ガスの温度を950℃以上とし この結果微粉ダストにおける塩素濃度を5% 上としたのは、上記抽気ガスの温度が950℃ 下となるほどに排ガスにセメント原料を分 させると、熱損失が大きくなって経済性に るとともに、抽気ガスのダスト濃度が過度 高くなり、この結果最終的に捕集・除去さ る微粉ダストの嵩が大きくなって不都合だ らである。

 また、固気分離手段における分級粒度を 12μm~30μmとしたのは、上述したように分級 度が12μmに満たないと、微粉ダストにおける 塩素粒子の比率が急激に高まり、この結果微 粉ダストにおける塩素濃度を20%以下に抑える ことが困難になるからであり、他方分級粒度 が30μmを超えると、最終的に処分すべき微粉 ストの量が多くなって不経済だからである

 さらに、上述したように、上記排ガス中 分散させて抽気ガス中のダスト濃度を高め セメント原料としては、上記プレヒータの 下段から原料シュートを介して上記窯尻部 投入されるセメント原料を用いれば、既存 設備を大幅に変更する必要がなく、しかも 該セメント原料の温度が高いために、温度 整のためには比較的多くの量を分散させる 要があり、よって抽気ガス中のダスト濃度 高めて、容易に微粉ダストの塩素濃度を20% 下にすることができるという利点がある。

 また、上記原料シュートから窯尻部に投 されるセメント原料の分散と併行して、上 プレヒータにおける600℃~700℃のセメント原 料や、当該プレヒータへと搬送される前の温 度が50℃~100℃と低いセメントの生原料を、上 記窯尻部における温度調整用として供給した 場合には、これらのセメントの原料は上記原 料シュートからのセメント原料と比較して温 度が一段と低いために、排ガス中に少量分散 させることにより、上記抽気ガスの温度を効 率的に低下させることができる。

 この結果、ダスト濃度が高まった際に抽 ダクトに生じるドラフト阻害を未然に防止 ることができるとともに、排ガスの温度を 下させることにより、上述したコーチング 発生も抑止することができるという利点が る。

 他方、この場合には、抽気ガスの温度に する当該抽気ガス中のダスト濃度が相対的 低くなるために、微粉ダストの塩素濃度が くなる傾向になる。そこで、請求項1または 2に記載の発明においては、上記固気分離手 における上記所定粒度を12μm~30μmの範囲内に おいて大きめの粒度に調整することにより、 また請求項3~5に記載の発明においては、第2 制御装置によって上記微粉ダストの塩素濃 が5~20%の範囲になるように、上記固気分離手 段における上記所定粒度を調整することによ り、当該塩素濃度を20%以下にすることができ る。

 ただし、本発明は、抽気ガスの温度をセ ント原料の分散によって、すなわち従来よ も抽気ガス中のダスト濃度を高めて、最終 に微粉ダストの塩素濃度を20%以下に使用と るものであるから、セメントキルンから排 された排ガスに対する抽気ガスの量を、従 技術のように極力少なくすると、微粉ダス の塩素濃度の変動を来し、安定的に所望の に保持することが難しくなる。

 このため、請求項2に記載の発明のように、 上記排ガスの量の1%以上を、上記抽気ガスと て抽気することが望ましい。

図1は、本発明に係るセメント焼成設備 の排ガス処理システムの一実施形態を示す概 略構成図である。 図2は、セメント焼成設備における抽気 ガス中のダスト濃度と捕集された微粉ダスト における塩素濃度との関係を示すグラフであ る。 図3は、セメント焼成設備における抽気 ガスの温度と抽気ガス中のダスト濃度との関 係を示すグラフである。 図4は、図2および図3に示すグラフから られた抽気ガスの温度と捕集された微粉ダ トにおける塩素濃度との関係を示すグラフ ある。

符号の説明

 1 セメントキルン
 2 窯尻部
 3 プレヒータ
 3a 最下段のサイクロン
 4 原料シュート
 4a 落口
 10 抽気ダクト
 11 冷却器
 12 サイクロン型分級機(固気分離手段)
 13 バグフィルタ(ダスト捕捉手段)
 14 誘引ファン
 16 戻り管
 18 分散板(分散手段)
 19 駆動モータ(駆動手段)
 20 温度検出器(温度検出手段)
 21a 第1の制御装置
 21b 第2の制御装置

 図1は、本発明に係るセメント焼成設備の排 ガス処理システムの実施形態を示すものであ る。
 先ず、上記排ガス処理システムが設けられ セメント製造設備について説明すると、図 符号1がセメント原料を焼成するためのセメ ントキルンある。このセメントキルン1は、 芯回りに回転自在に設けられたロータリー ルンであり、その図中左方の端部に、ロー リー部分を支持する窯尻ハウジング2aおよび その立ち上がり部2bからなる窯尻部2が設けら れている。

 また、この窯尻部2の上流側に、セメント 原料を予熱するためのプレヒータ3が設けら るとともに、図中右方の窯前(図示を略す。) に、内部を加熱するための主バーナが設けら れている。

 ここで、プレヒータ3は、上下方向に直列 的に配置された複数段(例えば4段)のサイクロ ンによって構成されており、最上段(1段目)の サイクロンに供給されたセメント原料が、順 次下方のサイクロンに送られるようになって いる。そして、最下段(4段目)のサイクロン3a 底部に、内部のセメント原料をセメントキ ン1の窯尻部2へと送る原料シュート4が接続 れている。

 他方、窯尻部2の立ち上がり部2bには、セ ントキルン1から排出された燃焼排ガスを最 下段のサイクロンへと供給する排ガス管5が 続されているおり、最上段のサイクロンの 部から排出された排ガスが、排気ファンに って排気ラインを介して排気されて行くよ になっている。

 そして、上記構成からなるセメント製造設 に、塩素バイパスと呼ばれる排ガス処理シ テムが併設されている。
 この処理システムは、セメントキルン1から 排出されてプレヒータ3へと送られるダスト 含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気し 、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物 除去するためのもので、図中符号10がセメン トキルン1の窯尻部2の立ち上がり部2bに接続 れて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトで る。

 そして、この処理システムにおいては、 気ダクト10に沿って、順次この抽気ダクト10 から抽気された抽気ガスを冷却する冷却器11 、この冷却器11から排気された抽気ガスか 所定粒度以上のダストを分離するサイクロ 型分級機(固気分離手段)12と、このサイクロ 型分級機12において所定粒度以上のダスト 分離された抽気ガスから同伴した微粉ダス を捕集・除去するバグフィルタ(ダスト捕捉 段)13と、このバグフィルタ13の下流側に設 られて抽気ガスを吸引する誘引ファン14とが 設けられている。

 ここで、冷却器11は、例えば冷却ファンか の冷気や冷却ポンプからの冷却水を冷媒と て抽気ガスと熱交換させることにより、抽 ガスの温度を塩素化合物の融点(600~700℃)以 に冷却するものである。
 また、サイクロン型分級機12における抽気 スの入口には、モータ15aによって開度調整 在とされた流量調整用の弁15が介装されてい る。他方、このサイクロン型分級機12の底部 は、分離された所定粒度以上のダストを再 窯尻部2へと戻す戻り管16が接続されている

 さらに、誘引ファン14の吸入側には、モー 17aによって開度調整自在とされた流量調整 の弁17が介装されている。
 そして、窯尻部2内には、上記排ガスにセメ ント原料を分散させるための分散板(分散手 )18が設けられている。

 この分散板18は、方形、楕円形、多角形 どの形状に形成された板状部材であり、そ 板面を水平にして、原料シュート4の落口4a 下方に、落口4aの直下に向けて出没自在に設 けられている。この分散板18は、落口4aから 下するセメント原料を、窯尻部2内において ガス中に分散させるためのもので、その基 部には、当該分散板18を出没させて落口4aの 直下に位置する面積を変えることにより、分 散させるセメント原料の量を調整するための 駆動モータ(駆動手段)19が設けられている。

 さらに、この排ガス処理システムにおい は、窯尻部2の立ち上がり部2bであって、抽 ダクト10の接続部の近傍に、抽気ガスの温 を検出するための温度検出器(温度検出手段) 20が設けられている。そして、この温度検出 20からの検出信号に基づいて、駆動モータ19 を作動させて分散板18を出没させることによ 、抽気ガスの温度を950℃~1150℃の範囲に保 する第1の制御装置21aが設けられている。

 また、バグフィルタ13の底部には、捕集 れた微粉ダストの量を検出する検出手段22と 、上記微粉ダストにおける塩素濃度を検出す るための塩素濃度検出手段23が設置されてい 。そして、塩素濃度検出手段23からの検出 号が5%に満たない値となった際、および20%を 超える値となった場合に、モータ15aおよび/ たはモータ17aを作動させて流量調整用の弁15 および/または弁17を開閉させ、抽気ガスの流 速を変化させることにより、サイクロン型分 級機12における分級粒度を12μm~30μmの範囲内 おいて調整して、最終的に上記微粉ダスト 塩素濃度が5~20%の範囲になるように制御する 第2の制御装置21bが設けられている。

 なお、この第2の制御装置21bは、上記弁15 17の制御とともに、あるいはこれらの制御 代えて、誘引ファン14による吸引量をインバ ータ制御することにより、サイクロン型分級 機12における抽気ガスの流速を調整するよう 構成することもできる。そして、これら第1 および第2の制御装置21a、21bにより、全体の 御装置21が構成されている。

 また、上記立ち上がり部2bには、3段目の イクロンからの600℃~700℃のセメント原料や 、プレヒータ3へと搬送される前の温度が50℃ ~100℃と低いセメントの生原料を、窯尻部2に ける温度調整用として導入するための、導 管(図示を略す。)が接続されている。

 次に、以上の構成からなる排ガス処理シス ムを用いた本発明に係る排ガス処理方法の 実施形態について説明する。
 先ず、このセメント焼成設備においては、 示されない供給管からプレヒータ3の1段目 サイクロンに供給されたセメント原料は、 次下方のサイクロンへと落下するにしたが て、下方から上昇するセメントキルン1から 高温の排ガスによって予熱され、最終的に 下段のサイクロン3aから原料シュート4を介 てセメントキルン1の窯尻部2に導入される

 そして、このセメントキルン1内において 、窯尻部2側から窯前側へと図中右方に徐々 送られる過程において、主バーナからの燃 排ガスによって約1450℃まで加熱され、焼成 れてクリンカとなる。次いで、窯前に到達 たクリンカは、クリンカクーラ内に落下し 送られてゆく。この際に、クリンカクーラ に供給された空気によって所定温度まで冷 されて最終的に当該クリンカクーラから取 出される。

 これと併行して、セメントキルン1の窯尻部 2側から、あるいは窯前側から、下水汚泥や ラスチック等の廃棄物が内部に投入され、 メント原料に一部あるいは加熱用燃料の一 として利用される。
 そして、上述したセメントクリンカーの製 工程において、連続的あるいは間欠的に、 引ファン14によってセメントキルン1から排 された排ガスの量の1%以上を、セメントキ ン1の窯尻部2から抽気ダクト10を通じて抽気 スとして抽気する。

 この際に、分散板18を原料シュート4の落 4aの下方に位置させて、原料シュート4から 下するセメント原料を排ガス中に分散させ とともに、第1の制御装置21aによって、温度 検出器20によって検出された抽気ガスの温度 950℃~1150℃の範囲に保持されるように、駆 モータ19を作動させることにより分散板18を 料シュート4の落口4aの下方で進退させて、 ガスへのセメント原料の分散量を調整する

 この際に、上記分散板18によるセメント 料の分散と併行して、立ち上がり部2bに接続 された上記導入管から、3段目のサイクロン らの600℃~700℃のセメント原料、またはプレ ータ3へと搬送される前の温度が50℃~100℃と 低いセメントの生原料を、窯尻部2に導入す ことにより窯尻部2の温度を調整することも きる。

 次いで、この抽気ガスを、冷却器11にお て塩素化合物の融点(600℃~700℃)以下まで冷 した後に、サイクロン型分級機12に送って12 m~30μmの範囲内の分級粒度によって粗ダスト 分離し、当該粗ダストについては、戻り管1 6から再び窯尻部2へと戻す。

 他方、上記分級粒度よりも細く、よって 素濃度の高い微粉ダストを含む抽気ガスに いては、バグフィルタ13に送って同伴した 記微粉ダストを捕集し、回収することによ 上記抽気ガスから除去する。これにより、 メントキルン1およびプレヒータ3の系内にお ける塩素濃度の上昇が防止される。そして、 上記微粉ダストが除去された抽気ガスは、誘 引ファン14の排気側から排気ガスラインへと られて排気される。

 また、バグフィルタ13によって回収された 粉ダストについては、検出手段によってそ 量が検出されるとともに、塩素濃度検出手 23によって塩素濃度が検出される。
 そして、上記微粉ダストの塩素濃度が5~20% 範囲から逸脱した場合には、第2の制御装置2 1bによって、誘引ファン14による抽気ガスの 引量および/またはモータ15a、17aを作動させ ことにより弁15、17の開度を調整する。これ により、抽気ダクト10を流れる抽気ガスの流 を増減させて、サイクロン型分級機12にお る分級粒度を調整することにより、上記塩 濃度が再び5~20%の範囲内になるように制御す る。

 したがって、第1の制御装置21aによって、 抽気温度を上述した950℃~1150℃の範囲内に保 することによって、予め設定されたサイク ン型分級機12における分級粒度により安定 に微粉ダストにおける塩素濃度が5~20%の範囲 に保持できる場合には、上記第2の制御装置21 bが作動することはない。

 以上のように、上記構成からなる排ガス 理方法によれば、窯尻部2から抽気した抽気 ガス中に含まれる塩素濃度の高い微粉ダスト を、バグフィルタ13によって捕集して除去す ことにより、セメントキルン1およびプレヒ ータ3を含めた系内における塩素濃度が上昇 ることを防止することができる。

 しかも、第1の制御装置によって、抽気ガ スの温度に基づいて分散板18を移動させ、抽 ガスが抽気される窯尻部2の排ガスに対する セメント原料の分散量を調整して当該抽気ガ スの温度を950℃~1150℃の範囲に保持すること より、容易に最終的に捕集された微粉ダス の塩素濃度を20%以下にすることができる。

 このため、バグフィルタ13において捕集 れた上記微粉ダストのハンドリング性に優 るとともに、搬送中に当該微粉ダストに含 れる塩素成分によって、設備に閉塞や詰ま 等の弊害が生じるおそれがなく、安定的な 業を行うことができる。

 また、抽気ガスから窯尻部2へ戻す粗ダス トの分級粒度を、12μm~30μmの範囲内に調整す ば良いために、汎用のサイクロン型分級機 を用いることができ、設備コストが嵩むお れもない。

 なお、上記実施の形態においては、抽気ガ をセメントキルン1の窯尻部2から抽気した 合についてのみ説明したが、これに限定さ るものではなく、プレヒータ3における排ガ 管5から抽気するようにしてもよい。
 また、固気分離手段やダスト捕捉手段につ ても、上述したサイクロン型分級機12やバ フィルタ13の他、様々な形式のものを用いる ことができる。

 さらに、分散板18や弁15、17の駆動手段につ ても、駆動モータ19やモータ15a、17aの他、 圧または空気圧シリンダ等の駆動源を用い ことも可能である。
 さらに、上述した第2の制御装置21bを用いる ことなく、塩素濃度検出手段23によって得ら た検出値に基づいて、手動で弁15、17を開閉 したり、あるいは手動で誘引ファン14による 気ガスの吸引量を切り換えたりするように てもよい。

 本発明によれば、汎用の機器類によって 成することができ、よってシステムコスト 低減化を図ることができるとともに、回収 た微粉ダストのハンドリング性を高めるこ ができ、よってメンテナンスフリーの安定 な操業を実現することができるセメント焼 設備の排ガス処理方法および処理システム 提供することができる。