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Title:
EYEBALL MOTION MEASUREMENT APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069451
Kind Code:
A1
Abstract:
An eyeball motion measurement apparatus (1) measures motion of a cornea (101) by imaging a cornea reflective light image (L2) caused by irradiating infrared light (L1) to the cornea (101). The eyeball motion measurement apparatus (1) includes an imaging part (5) having a sensor part (51) including a plurality of two-dimensionally arranged pixels for generating imaging data containing the cornea reflective light image (L2) incident to the sensor part (51), a brightness point position computation part (6) for calculating the position of the light image (L2) on the imaging data, and a tremor signal computation part (7) for computing a difference between a first data string regarding change in time of the position of the light image (L2) and a second data string having the first data string smoothed thereby generating a third data string indicating a tremor component included in the motion of the cornea (101). Thus, the eyeball motion measurement apparatus capable of accurately detecting the tremor component is realized.

Inventors:
SUZUKI KAZUTAKA (JP)
TOYODA HARUYOSHI (JP)
TAKUMI MUNENORI (JP)
MUKOZAKA NAOHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070333
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HAMAMATSU PHOTONICS KK (JP)
SUZUKI KAZUTAKA (JP)
TOYODA HARUYOSHI (JP)
TAKUMI MUNENORI (JP)
MUKOZAKA NAOHISA (JP)
International Classes:
A61B3/113; A61B5/11
Domestic Patent References:
WO2002043613A22002-06-06
Foreign References:
JPH04242628A1992-08-31
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6,Ginza 1-chome,Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 角膜に光を照射することにより生じる角膜反射光像を撮像することにより前記角膜の動きを計測する眼球運動計測装置であって、
 二次元状に配列された複数の画素を含む光検出部を有し、前記光検出部に入射した前記角膜反射光像を含む撮像データを生成する撮像部と、
 前記撮像データにおける前記角膜反射光像の位置を算出する輝点位置演算手段と、
 前記角膜反射光像の位置の時間変化に関する第1のデータ列と該第1のデータ列を平滑化した第2のデータ列との差を演算することにより、前記角膜の動きに含まれるトレモア成分を示す第3のデータ列を生成するトレモア信号演算手段と
 を備えることを特徴とする、眼球運動計測装置。
 被検者に注視させる指標と、
 前記第3のデータ列における信号対雑音比を評価するためのパラメータを算出し、前記指標の位置及び焦点のうち少なくとも一つの計測条件を該パラメータに基づいて制御する計測条件制御手段と
 を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の眼球運動計測装置。
 前記パラメータは、前記第1のデータ列の周波数解析波形における強度の極大値と極小値との比または差であることを特徴とする、請求項2に記載の眼球運動計測装置。
 前記計測条件制御手段は、前記第1のデータ列の周波数解析波形における強度の極大値Ppと極小値Pbとの比(Pp/Pb)または差(Pp-Pb)が所定値より大きい場合に前記少なくとも一つの計測条件を固定することを特徴とする、請求項3に記載の眼球運動計測装置。
 前記パラメータは、前記第2のデータ列より算出される前記角膜の速度または加速度に基づく特徴量であることを特徴とする、請求項2に記載の眼球運動計測装置。
 前記計測条件制御手段は、前記特徴量が所定値より小さい場合に前記少なくとも一つの計測条件を固定することを特徴とする、請求項5に記載の眼球運動計測装置。
 前記パラメータは、前記第3のデータ列に基づく前記角膜の速度振幅の合計値であることを特徴とする、請求項2に記載の眼球運動計測装置。
 前記計測条件制御手段は、前記第3のデータ列に基づく前記角膜の速度振幅の合計値が所定値より小さい場合に前記少なくとも一つの計測条件を固定することを特徴とする、請求項7に記載の眼球運動計測装置。
Description:
眼球運動計測装置

 本発明は、眼球運動計測装置に関するも である。

 人間の眼球運動には高速かつ微細な動き( 固視微動)が含まれており、この固視微動は 次の三種類の動きに分類される。すなわち 低周波の小さな滑らかな動きであるドリフ 、小さな跳ぶような動きであるフリック(マ クロサッカードとも呼ばれる)、非常に小さ な高周波の振動であるトレモアの三種類であ る。固視微動の大きさは疲労や病気などに応 じて変化するといわれており、例えば、ドリ フトの大きさは認知症患者と健常者とで異な るとの報告があり、また、脳死直前にはトレ モアが計測されないことから、トレモアと脳 機能との間には密接な関係があるといわれて いる。

 このような固視微動を計測して、人間の 識状態や健康状態の推定に応用する試みが くなされている。例えば特許文献1には、ハ イビジョン画面等を注視する際の視覚的注意 の程度を固視微動の大きさに基づいて知り得 ることが記載されている。そして、この文献 に記載された眼球制御系情報検出装置におい ては、低周波の動きであるドリフト成分やマ イクロサッカード成分を固視微動から抽出す る際に、高周波成分でありノイズとなるトレ マー(トレモア)成分を除去するため、眼球の きに関する時系列データを平滑化している

 また、上述した特許文献1ではトレモア成分 がノイズとして除去されているが、トレモア 成分に基づいて推定できる情報も示唆されて いる。例えば、非特許文献1では、トレモア 分と脳幹との関連が示唆されており、眠り 昏睡・麻酔の深さを知る指標や脳死の指標 どにトレモア成分を適用するための、ピエ 素子を用いた接触式計測装置が提案されて る。また、非特許文献2では、パーキンソン 患者のトレモア成分が特異的であることが 告されている。

特許第3724524号公報 N.F.Sheahan他, “Ocular microtremor measurement  system: design and performance”, Medical and Biologi cal Engineering and Computing, 31, pp.205-212 (1993) Ciaran Bolger他, “Ocular microtremor in patien ts with idiopathic Parkinson’s disease”, J. Neural  Neurosurg Psychiatry, 66, pp.528-531 (1999)

 しかしながら、トレモアは振幅1μm程度の 非常に小さな高周波の振動であるため、ドリ フトやフリック(マイクロサッカード)と比べ 、精度良く検出することが難しい。非特許 献1では、ピエゾ素子を眼球に押し当てるこ とによりトレモアの計測を試みているが、実 際の患者診断や健康診断等に用いるためには 、非接触かつ簡便・高速・高精度な計測装置 が望ましい。また、特許文献1においては、 レモア成分に基づくこれらの推定に関して 言及されておらず、トレモア成分だけを精 良く抽出する方法についても何ら開示され いない。

 本発明は、上記した問題点を鑑みてなさ たものであり、トレモア成分を精度良く検 できる眼球運動計測装置を提供することを 的とする。

 上記した課題を解決するために、本発明 よる眼球運動計測装置は、角膜に光を照射 ることにより生じる角膜反射光像を撮像す ことにより角膜の動きを計測する眼球運動 測装置であって、二次元状に配列された複 の画素を含む光検出部を有し、光検出部に 射した角膜反射光像を含む撮像データを生 する撮像部と、撮像データにおける角膜反 光像の位置を算出する輝点位置演算手段と 角膜反射光像の位置の時間変化に関する第1 のデータ列と該第1のデータ列を平滑化した 2のデータ列との差を演算することにより、 膜の動きに含まれるトレモア成分を示す第3 のデータ列を生成するトレモア信号演算手段 とを備えることを特徴とする。

 角膜反射光像を含む撮像データが所定の レームレートでもって撮像部により生成さ ると、この撮像データにおける各フレーム の角膜反射光像の位置が輝点位置演算手段 より算出される。こうして得られる時系列 ータ、すなわち角膜反射光像の位置の時間 化に関する第1のデータ列は、眼球の動きを 直接的に表す時系列データであり、低周波の 固視微動であるドリフトやフリック(マイク サッカード)による成分と、高周波の固視微 であるトレモアによる成分とを両方含んで る。

 そして、この第1のデータ列がトレモア信 号演算手段において平滑化されることにより 第2のデータ列が生成される。この第2のデー 列では平滑化によってトレモア成分が除去 れており、ドリフト成分やフリック成分が に含まれている。したがって、第1のデータ 列と第2のデータ列との差を演算することに り、第1のデータ列からドリフト成分及びフ ック成分が好適に除去されて、トレモア成 を主に含むデータ列(第3のデータ列)が得ら ることとなる。このように、上記した眼球 動計測装置によれば、角膜反射光像の位置 時間変化に関する時系列データからドリフ 成分及びフリック成分を除去して、トレモ 成分を精度良く検出できる。

 本発明による眼球運動計測装置によれば トレモア成分を精度良く検出できる。

図1は、眼球運動計測装置の一実施形態 を示す概略図である。 図2は、撮像部の内部構成を示すブロッ ク図である。 図3は、撮像部の詳細な構成を示す図で ある。 図4は、光検出部と、アンプ、A/D変換器 、及び輝点位置演算部との電気的接続関係を 示す図である。 図5は、撮像データの一例を示す図であ る。 図6は、輝点位置演算部の構成を示すブ ロック図である。 図7は、トレモア信号演算部、計測制御 演算部、及び計測制御部の構成を示すブロッ ク図である。 図8は、第1のデータ列及び第2のデータ の典型例を示すグラフである。 図9は、第1のデータ列に対して周波数 析を施した結果の一例を示すグラフである 図10は、第3のデータ列に基づいて算出 された、角膜の動きに含まれるトレモア速度 の時間変化を示すグラフである。 図11は、第3のデータ列における高周波 ノイズが小さくなるように計測条件を最適化 するための動作を示すフローチャートである 。

符号の説明

 D 1 …第1のデータ列、D 2 …第2のデータ列、D 3 …第3のデータ列、L1…赤外光、L2…角膜反射 像、L3…可視光、Q…電荷、1…眼球運動計測 装置、2…照明、3…ハーフミラー、4…集光レ ンズ、5…撮像部、6…輝点位置演算部、7…ト レモア信号演算部、8…計測制御演算部、9… 測制御部、11…指標、11a…レンズ、51…セン サ部。

 以下、添付図面を参照しながら本発明に る眼球運動計測装置の実施の形態を詳細に 明する。なお、図面の説明において同一の 素には同一の符号を付し、重複する説明を 略する。

 図1は、本発明による眼球運動計測装置の 一実施形態を示す概略図である。図1を参照 ると、本実施形態による眼球運動計測装置1 、照明2、ハーフミラー3、集光レンズ4、撮 部(撮像手段)5、輝点位置演算部(輝点位置演 算手段)6、トレモア信号演算部(トレモア信号 演算手段)7、計測制御演算部8、及び計測制御 部9を備えている。集光レンズ4、撮像部5、輝 点位置演算部6、トレモア信号演算部7、計測 御演算部8、及び計測制御部9は、計測部(カ ラ)10の内部に収容されている。

 本実施形態の照明2は、例えば赤外光LEDに よって構成される。照明2は、被験者の眼球10 0の角膜101と光学的に結合されている。照明2 角膜101へ赤外光L1を照射することにより、 膜101において赤外光L1が反射して角膜反射光 像L2が生じる。

 なお、照明2の光源としては赤外光LEDに限 らず他の光源を用いることができるが、可視 光源を用いた場合には光量を上げると被験者 が眩しいため、赤外光源を用いることが好ま しい。また、照明2は、互いに異なる位置に けられた複数の赤外光LEDによって構成され もよい。その場合、後述する計測制御演算 8によって選択された何れか一つの赤外光LED 、計測制御部9によって発光制御される。

 ハーフミラー3は、角膜反射光像L2を透過 て、該角膜反射光像L2を撮像部5のセンサ部( 光検出部)51に入射させるように配置されてい る。また、ハーフミラー3は、角膜101と撮像 5とを結ぶ光軸の脇に設置された指標11を被 者が視認可能なように、指標11と角膜101とを 光学的に結合している。指標11は、例えば可 光を発生する複数のLEDとピンホールマスク を組み合わせて、互いに位置が異なる複数 輝点パターンを発生するように構成される この複数の輝点パターンは、後述する計測 御演算部8によって何れか一つが選択され、 当該輝点パターンに対応するLEDが計測制御部 9によって選択的に発光制御される。なお、 標11は、このような構成以外にも、例えば液 晶パネルのような画像表示装置や回転板等に よって構成されてもよい。

 ハーフミラー3は、指標11から出射された 視光L3を眼球100へ向けて反射する。これに り、指標11を被検者に提示して角膜101の位置 を安定させつつ、角膜101を撮像することがで きる。指標11とハーフミラー3との間には、視 力調整用のレンズ11aが設けられていると尚良 い。このレンズ11aにより決定される指標11の 点は、後述する計測制御演算部8によって決 定され、計測制御部9によって制御される。

 集光レンズ4は、光像L2を集光して撮像部5 のセンサ部51上に結像させるためのレンズで る。集光レンズ4は、ハーフミラー3と撮像 5との間に配置されている。

 撮像部5は、所定のフレームレートでもっ て角膜反射光像L2を撮像するための手段であ 。撮像部5は、二次元状に配列された複数の 画素を含むセンサ部51を有しており、センサ 51に入射した角膜反射光像L2を各画素におい て電気信号に変換することにより、角膜反射 光像L2に関する画素毎の入射光量を示す撮像 ータを生成する。撮像部5は、生成した撮像 データを表示装置や映像出力端子といった出 力手段へ出力するとともに、撮像データを輝 点位置演算部6に提供する。

 輝点位置演算部6は、撮像部5から提供さ た撮像データにおける角膜反射光像L2の入射 位置を各フレーム毎に算出し、角膜反射光像 L2すなわち輝点の位置に関する情報(輝点位置 情報)を生成する。また、トレモア信号演算 7は、輝点位置演算部6から提供された輝点位 置情報に基づいて、角膜反射光像L2の位置の 間変化に関する第1のデータ列と、該第1の ータ列を平滑化した第2のデータ列とを生成 る。そして、トレモア信号演算部7は、第1 び第2のデータ列の差を演算することにより 角膜101の動きに含まれるトレモア成分を示 第3のデータ列を生成する。

 なお、輝点位置演算部6及びトレモア信号 演算部7は、電気回路として実現されてもよ し、中央演算処理装置やメモリを有するコ ピュータ内部でソフトウェアとして実現さ てもよい。

 図2は、本実施形態における撮像部5の内部 成を示すブロック図である。撮像部5は、前 したセンサ部51に加え、センサ部51から読み 出された電荷Qを処理して撮像データS 2 を生成するセンサ信号読出回路52と、センサ 51及びセンサ信号読出回路52を駆動するセン サ駆動回路53とを有している。

 図3は、撮像部5の詳細な構成を示す図で る。本実施形態の撮像部5は、例えば数百Hz~1 kHzといった高速なフレームレートを有する撮 像装置である。このような撮像装置としては 、例えば浜松ホトニクス製のインテリジェン トビジョンシステム(IVS)カメラが挙げられる このような撮像装置を用いることで、100[Hz] 程度の振動数を持つといわれる角膜101の固視 微動を精度よく計測することができる。

 センサ部51はいわゆるMOS型の撮像素子であ 、二次元状(m行×n列)に配列された複数の画 51aを有している。複数の画素51aのそれぞれ 、入射した光の光量に応じた電荷Qを生成す 。電荷Qは、センサ駆動回路53からの駆動信 S 6 に従って順次送り出される。なお、撮像部5 しては、IVSカメラ以外に、高速且つ小型の 次元半導体位置検出素子(いわゆる二次元PSD: Position Sensitive Detector)や、プロファイルセン サ(例えば浜松ホトニクス製のS9132)などを用 てもよい。

 センサ信号読出回路52は、増幅部54、A/D変換 部55、及びスイッチ部56を含んで構成されて る。増幅部54は、センサ部51の行数に対応す m個のアンプ54aを有している。m個のアンプ54 aは、それぞれセンサ部51の画素51aの対応する 行と電気的に接続されており、n列の画素51a ら電荷Qを順次受け取る。そして、アンプ54a 、電荷Qを増幅するとともに電荷Qを電圧信 である画像信号S 1 に変換する。

 A/D変換部55は、センサ部51の行数に対応する m個のA/D変換器55aを有している。m個のA/D変換 55aは、対応するm個のアンプ54aとそれぞれ電 気的に接続されており、電圧信号(アナログ 号)である画像信号S 1 をアンプ54aから受けてディジタル信号である 撮像データS 2 に変換する。なお、本実施形態ではディジタ ル信号に変換された撮像データS 2 を撮像部5からの撮像データとしているが、 ナログ信号である画像信号S 1 を撮像部5からの撮像データとして用いても い。

 スイッチ部56は、センサ部51の行数に対応す るm個のスイッチ56aを有している。m個のスイ チ56aは、対応するm個のA/D変換器55aと輝点位 置演算部6との間に設けられており、A/D変換 55aと輝点位置演算部6との接続/非接続を、セ ンサ駆動回路53(図2参照)からの制御信号に基 いて制御する。スイッチ56aが接続状態にな と、A/D変換器55aからの撮像データS 2 が輝点位置演算部6へ提供される。m個のスイ チ56aはそれぞれ輝点位置演算部6と電気的に 接続されており、個別に接続/非接続が制御 れる。

 センサ部51及びセンサ信号読出回路52につ いてさらに詳しく説明する。図4は、センサ 51と、アンプ54a、A/D変換器55a、及び輝点位置 演算部6との電気的接続関係を示す図である 図4を参照すると、センサ部51は、フォトダ オードといった光電変換素子により構成さ る複数の画素51aを有している。そして、セ サ部51は、複数の画素51aに対応する複数のコ ンデンサ51b及び複数の読み出し用スイッチ51c を有している。

 画素51aの光電変換素子とコンデンサ51bとは いに並列に接続されており、光電変換素子 びコンデンサ51bの一端に読み出し用スイッ 51cの一端が接続されている。読み出し用ス ッチ51cの他端は、同一行に含まれる他の読 出し用スイッチ51cの他端と共に、アンプ54a 入力端に接続されている。読み出し用スイ チ51cは、センサ駆動回路53(図2参照)と電気 に接続されており、センサ駆動回路53からの 駆動信号S 6 に従って個別に接続/非接続が制御される。 ンプ54aの出力端はA/D変換器55aの入力端と電 的に接続されており、A/D変換器55aの出力端 輝点位置演算部6と電気的に接続されている

 図4に示したセンサ部51及びセンサ信号読 回路52の動作は、次のとおりである。セン 部51に角膜反射光像L2が入射すると、各画素5 1a毎の角膜反射光像L2の入射光量に応じた電 がコンデンサ51bに蓄積される。センサ駆動 路53からの指示に応じて読み出し用スイッチ 51cが各行において順次接続されると、コンデ ンサ51bに蓄積された電荷Qがアンプ54aに順次 られる。

 電荷Qは、アンプ54aによって電圧信号に変換 されるとともに増幅されて画像信号S 1 となる。画像信号S 1 は、A/D変換器55aによってアナログ信号からデ ィジタル信号へ変換されて撮像データS 2 となる。撮像データS 2 は、輝点位置演算部6へ出力される。図5は、 像データS 2 の一例を示す図である。図5に示されるよう 、撮像データS 2 には、角膜反射光像L2に対応する輝点Aが含ま れている。

 なお、輝点位置演算部6における演算を高 速に行うために、例えば撮像部5が各画素51a それぞれに対応する並列演算回路をさらに することが好ましい。このような並列演算 路は、例えばA/D変換器55aの後段に接続され 。

 図6は、本実施形態における輝点位置演算部 6の内部構成を示すブロック図である。輝点 置演算部6は、撮像データバッファ61、輝点 別回路62、輝点重心演算回路63、及び輝点位 決定回路64を有している。撮像データバッ ァ61は、撮像部5から提供された撮像データS 2 を保持する。

 輝点判別回路62は、撮像データバッファ61に 保持された撮像データS 2 に輝点(角膜反射光像L2)が含まれるか否かを 別し、判別結果を示すデータS 3 を生成する。例えば、輝点判別回路62は、撮 データS 2 に対して平滑化演算を行い、撮像データS 2 の全面における一定領域(例えば3×3画素)毎に 、中央の画素が一定以上の光量を持ち、且つ 周りの画素に対して極大値を示すか否かの判 定を行う。そして、輝点判別回路62は、これ の条件を満たす領域が存在した場合に、撮 データS 2 に輝点が含まれていると判断する。具体的に は、輝点判別回路62は、以下の演算(1)~(3)を行 う。
(1)画素位置(x,y)(但し、x=1~n、y=1~m)の明るさをD (x,y)とする。
(2)画像全体に対して、下記の演算(2a)、(2b)を う。
(2a)平滑化演算:D’(x,y) ={ D(x-1,y)+ D(x+1,y)+ D(x ,y)+ D(x,y-1)+ D(x,y+1)} /5
(2b)輝点の判別:D’(x,y)>th 且つ({ D(x,y)>D(x -1,y)}且つ{D(x,y)>D(x+1,y)}且つ{D(x,y)>D(x,y-1)、 D(x,y)>D(x,y+1)})(但し、thは所定の輝度閾値)の 条件を満たす画素を判別する。
(3)上記(2b)の条件を満たす画素があれば、撮 データS 2 に輝点が含まれていると判断する。

 輝点重心演算回路63は、撮像データS 2 における輝点の重心を算出し、算出結果を示 すデータS 4 を生成する。例えば、輝点重心演算回路63は の演算を行う。すなわち、輝点重心演算回 63は、対象画像領域(中央画素位置が(Xc,Yc)、 対象画像領域が(Wx,Wy))に対して重み付け演算 行い、輝点判別回路62において「輝点」と 断された領域の輝点重心を演算する。具体 な演算は次のとおりである。
M0= σ(D(X,Y))   (Xc-Wx/2<X<Xc+Wx/2, Yc-Wy/2<Y <Yc+Wy/2)
M1x= σ(X×D(X,Y)) (Xc-Wx/2<X<Xc+Wx/2, Yc-Wy/2<Y <Yc+Wy/2)
M1y= σ(Y×D(X,Y)) (Xc-Wx/2<X<Xc+Wx/2, Yc-Wy/2<Y <Yc+Wy/2)
Pos(x)=M1x/M0
Pos(y)=M1y/M0
輝点重心演算回路63は、輝点の重心を示すデ タS 4 として、上式の(Pos(x),Pos(y))を出力する。

 輝点位置決定回路64は、輝点判別回路62によ り判別された輝点の有無(データS 3 )、および輝点重心演算回路63により算出され た輝点の重心(データS 4 )に基づいて輝点の位置を決定する。輝点位 決定回路64は、輝点の位置を示す輝点位置デ ータS 5 を生成し、後段のトレモア信号演算部7へ提 する。

 図7は、図1に示したトレモア信号演算部7 計測制御演算部8、及び計測制御部9の内部 成を示すブロック図である。図7に示される うに、トレモア信号演算部7は、位置データ バッファ71と、フィルタ回路72と、トレモア 号演算回路73とを有している。

 位置データバッファ71は、輝点位置演算部6 ら提供された各フレーム毎の輝点位置デー S 5 を時系列データとして蓄積する。この時系列 データは、角膜反射光像L2の位置の時間変化 示しており、本実施形態における第1のデー タ列D 1 となる。位置データバッファ71は、所定の期 (例えば1024フレーム)輝点位置データS 5 を蓄積して第1のデータ列D 1 を生成し、フィルタ回路72及びトレモア信号 算回路73の双方へ、この第1のデータ列D 1 を提供する。フィルタ回路72は、第1のデータ 列D 1 を平滑化することにより第2のデータ列D 2 を生成する。その際、高周波の固視微動であ るトレモアによる成分が第1のデータ列D 1 から除去され、低周波の固視微動であるドリ フトやフリック(マイクロサッカード)による 分がフィルタ回路72を通過する。

 図8は、第1のデータ列D 1 及び第2のデータ列D 2 の典型例をグラフ化したものである。図8の 軸は輝点の位置を表しており、横軸はフレ ム(すなわち時間)を表している。図8におい 、高周波のトレモア成分を含む第1のデータ D 1 (グラフG1)が平滑化されることにより、一定 上の周波数成分が除去され、第2のデータ列D 2 (グラフG2)が生成される。

 トレモア信号演算回路73は、第1のデータ列D 1 と第2のデータ列D 2 との差を演算することにより、第3のデータ D 3 を生成する。トレモア信号演算部7は、こう て生成した第3のデータ列D 3 を、トレモア成分に関する検出信号として眼 球運動計測装置1の外部へ出力する。

 本実施形態による眼球運動計測装置1におい て、角膜反射光像L2を含む撮像データS 2 が所定のフレームレートでもって撮像部5に り生成されると、この撮像データS 2 における各フレーム毎の角膜反射光像L2の位 が輝点位置演算部6により算出される。こう して得られる時系列データ、すなわち角膜反 射光像L2の位置の時間変化に関する第1のデー タ列D 1 は、眼球100の動きを直接的に表す時系列デー タであり、低周波の固視微動であるドリフト やフリック(マイクロサッカード)による成分 、高周波の固視微動であるトレモアによる 分とを両方含んでいる。

 そして、この第1のデータ列D 1 がフィルタ回路72において平滑化されること より第2のデータ列D 2 が生成される。この第2のデータ列D 2 では平滑化によってトレモア成分が除去され ており、ドリフト成分やフリック成分が主に 含まれている。したがって、トレモア信号演 算回路73において第1のデータ列D 1 と第2のデータ列D 2 との差を演算することにより、第1のデータ D 1 からドリフト成分及びフリック成分が好適に 除去されて、トレモア成分を主に含むデータ 列、すなわち第3のデータ列D 3 が得られることとなる。

 このように、本実施形態の眼球運動計測 置1によれば、角膜反射光像L2の位置の時間 化に関する時系列データからドリフト成分 びフリック成分を好適に除去して、トレモ 成分を精度良く検出できる。

 ここで、前述した撮像部5、輝点位置演算部 6、およびトレモア信号演算部7においては、 5のような輝点を撮影し、その位置を1μm以 の精度で計測していることから、上述した 3のデータ列D 3 には、角膜101の運動に起因する成分以外に、 指標11の位置や焦点位置といった計測条件に 因する高周波ノイズが重畳する傾向がある

 このようなノイズによる成分は、その周波 が比較的高いため、第1のデータ列D 1 が平滑化される際にトレモア成分と共に除去 され易い。その結果、第3のデータ列D 3 にはこのようなノイズ成分がトレモア成分と 共に含まれることとなり、トレモア成分の検 出精度の向上を抑制する一因となる。したが って、第3のデータ列D 3 における高周波ノイズが小さくなるように各 計測条件を最適化することにより、トレモア 成分の計測精度を更に向上させることができ る。そこで、本実施形態の眼球運動計測装置 1は、計測条件制御手段として計測制御演算 8及び計測制御部9を更に備えている。

 計測制御演算部8は、制御判定回路81と、指 制御演算回路85とを有している。制御判定 路81は、トレモア信号演算部7から第1~第3の ータ列D 1 ~D 3 を受け取り、これらのデータ列D 1 ~D 3 に基づいて、第3のデータ列D 3 における信号対雑音比(以下、S/N比とする)を 価するためのパラメータを算出する。

 第3のデータ列D 3 におけるS/N比を評価するためのパラメータと しては、例えば次のようなものが挙げられる 。一つは、第1のデータ列D 1 の周波数解析波形における強度の極大値Ppと 小値Pbとの比(Pp/Pb)または差(Pp-Pb)である。こ の比(Pp/Pb)または差(Pp-Pb)の大きさが所定値よ 大きい場合(或いは最大となる場合)に計測 件を良好と判定し、該計測条件を継続(固定) するとよい。

 図9は、第1のデータ列D 1 に対して周波数解析を施した結果の一例を示 すグラフである。このグラフにおいて、強度 の極大値Ppは80Hz付近に現れており、固視微動 (トレモア)を示している。また、強度の極小 Pbは50Hz付近に現れている。これら極値の比( Pp/Pb)または差(Pp-Pb)が所定値(例えば1.2)より大 きい(或いは最大となる)場合、第1のデータ列 D 1 に含まれるノイズ成分が小さいので、結果的 に第3のデータ列D 3 におけるS/N比が高くなる。したがって、この ような場合に計測条件を固定することにより 、第3のデータ列D 3 に含まれるノイズ成分を低減してトレモア成 分を更に精度良く検出できる。

 また、他の一つは、第2のデータ列D 2 から算出される輝点の速度または加速度に基 づく特徴量である。この特徴量とは、例えば 輝点の速度や加速度(すなわち角膜の動きに まれるドリフトやフリックの速度や加速度) 輝点の速度平均値や加速度平均値(すなわち ドリフトやフリックの速度平均値や加速度平 均値)、或いは、輝点の速度や加速度の標準 差等である。制御判定回路81は、このような 特徴量が所定値より小さい場合に計測条件を 良好と判定し、該計測条件を継続(固定)する よい。

 また、更に他の一つは、第3のデータ列D 3 に基づく輝点の速度振幅(すなわち角膜の動 に含まれるトレモアの速度振幅)の合計値(ま たは平均値)であり、この合計値(または平均 )が所定値より小さい(或いは最小となる)場 に計測条件を良好と判定し、該計測条件を 続(固定)するとよい。

 図10は、第3のデータ列D 3 に基づいて算出された、角膜の動きに含まれ るトレモア速度の時間変化を示すグラフであ る。制御判定回路81は、このようなグラフに いて、トレモア速度の振幅合計値(または振 幅平均値)を算出し、この値が所定値より小 い(或いは最小となる)場合に計測条件を継続 (固定)する。これにより、第3のデータ列D 3 に含まれるノイズ成分を低減してトレモア成 分を更に精度良く検出できる。

 再び図7を参照する。指標制御演算回路85は 眼球運動計測装置1における計測条件のうち 、指標11の位置および焦点(フォーカス)に関 る制御量を、制御判定回路81から提供された パラメータに基づいて演算する。指標制御演 算回路85における演算結果は制御信号S 10 として計測制御部9の指標制御回路96に送られ 、指標制御回路96は、指標表示装置97を通じ 指標11の位置および焦点(フォーカス)を制御 る。例えば、指標11が互いに位置の異なる 数の赤外光LEDからなる場合には、何れかのLE Dを選択的に発光させる。

 図11は、第3のデータ列D 3 における高周波ノイズが小さくなるように計 測条件を最適化するための動作を示すフロー チャートである。まず、撮像部5において撮 データS 2 を取得し(ステップS1)、次いで、輝点位置演 部6において当該撮像データS 2 における輝点位置を算出する(ステップS2)。 いて、トレモア信号演算部7において第1のデ ータ列D 1 、第2のデータ列D 2 、及び第3のデータ列D 3 を生成する(ステップS3)。

 続いて、計測制御演算部8が、これらのデー タ列D 1 ~D 3 に基づいて、第3のデータ列D 3 におけるS/N比を評価するためのパラメータを 算出する。計測制御演算部8は、このパラメ タの値を所定値との比較等により評価し(ス ップS4)、パラメータの値が良好でない場合 は(ステップS5において「No」)、指標11の位 および焦点に関する制御量を演算し、計測 御部9を通じて指標11の位置および焦点を調 する(ステップS6)。そして、このステップS6 後、上述したステップS1以降の動作を再び行 う。また、パラメータの値が良好である場合 には(ステップS5において「Yes」)、計測条件 最適化を終了してトレモア成分の計測(本計 )を開始する(ステップS7)。

 本発明による眼球運動計測装置は、上記 た実施形態に限られるものではなく、他に 々な変形が可能である。例えば、上記実施 態においては、照明装置として赤外光LEDを いているが、他の光源を用いてもよい。ま 、上記実施形態の計測条件制御手段(計測制 御演算部8および計測制御部9)は、角膜に照射 される赤外光の強さ、赤外光源の位置、赤外 光の焦点、指標の位置および焦点の全てをパ ラメータに基づいて制御するように構成され ているが、これらの計測条件のうち少なくと も一つをパラメータに基づいて制御する構成 であってもよい。

 また、上記の説明では、「第2のデータ列D 2 では平滑化によってトレモア成分が除去され る」とあるが、高周波成分を除いた波形を得 る手法には、ここであげた平均法の代わりに 、フーリエ解析やウェーブレット解析のよう な周波数解析手段を用いたフィルタリングに よる「低周波フィルタ」を用いてもよい。

 ここで、上記実施形態による眼球運動計 装置では、角膜に光を照射することにより じる角膜反射光像を撮像することにより角 の動きを計測する眼球運動計測装置であっ 、二次元状に配列された複数の画素を含む 検出部を有し、光検出部に入射した角膜反 光像を含む撮像データを生成する撮像部と 撮像データにおける角膜反射光像の位置を 出する輝点位置演算手段と、角膜反射光像 位置の時間変化に関する第1のデータ列と該 第1のデータ列を平滑化した第2のデータ列と 差を演算することにより、角膜の動きに含 れるトレモア成分を示す第3のデータ列を生 成するトレモア信号演算手段とを備える構成 を用いている。

 また、眼球運動計測装置は、被検者に注 させる指標と、第3のデータ列における信号 対雑音比を評価するためのパラメータを算出 し、指標の位置及び焦点のうち少なくとも一 つの計測条件を該パラメータに基づいて制御 する計測条件制御手段とを更に備える構成と しても良い。

 眼球運動計測装置においては、角膜の動 を制御するために被検者に注視させる指標 設ける場合がある。このような場合、第1の データ列に対し、指標の位置や焦点といった 指標に関わる計測条件に起因するノイズが重 畳する傾向がある。このようなノイズによる 成分は、その周波数が比較的高いため、第1 データ列が平滑化される際にトレモア成分 共に除去され易い。その結果、第3のデータ にはこのようなノイズ成分がトレモア成分 共に含まれることとなり、トレモア成分の 出精度の向上を抑制する一因となる。そこ 、第3のデータ列における信号対雑音比を評 価するためのパラメータを算出し、指標の位 置及び焦点のうち少なくとも一つを該パラメ ータに基づいて制御すれば、第3のデータ列 含まれるノイズ成分を低減してトレモア成 を更に精度良く検出できる。

 また、眼球運動計測装置は、パラメータ 、第1のデータ列の周波数解析波形における 強度の極大値と極小値との比または差である 構成を用いても良い。これにより、第3のデ タ列における信号対雑音比を好適に評価す ことができる。この場合、眼球運動計測装 は、計測条件制御手段が、第1のデータ列の 波数解析波形における強度の極大値Ppと極 値Pbとの比(Pp/Pb)または差(Pp-Pb)が所定値より きい場合に少なくとも一つの計測条件を固 することとしてもよい。これにより、第3の データ列に含まれるノイズ成分を効果的に低 減できる。

 また、眼球運動計測装置は、パラメータ 、第2のデータ列より算出される角膜の速度 または加速度に基づく特徴量である構成を用 いても良い。これにより、第3のデータ列に ける信号対雑音比を好適に評価することが きる。なお、この場合の特徴量とは、例え 、第2のデータ列より算出される角膜の速度 加速度、角膜の速度の平均値や標準偏差、 いは角膜の加速度の平均値や標準偏差等で る。また、この場合、眼球運動計測装置は 計測条件制御手段が、上記特徴量が所定値 り小さい場合に少なくとも一つの計測条件 固定する構成としても良い。これにより、 3のデータ列に含まれるノイズ成分を効果的 に低減できる。

 また、眼球運動計測装置は、パラメータ 、第3のデータ列に基づく角膜の速度振幅の 合計値である構成を用いても良い。これによ り、第3のデータ列における信号対雑音比を 適に評価することができる。この場合、眼 運動計測装置は、計測条件制御手段が、第3 データ列に基づく角膜の速度振幅の合計値 所定値より小さい場合に少なくとも一つの 測条件を固定する構成としても良い。これ より、第3のデータ列に含まれるノイズ成分 を効果的に低減できる。

 本発明は、トレモア成分を精度良く検出 きる眼球運動計測装置として利用可能であ 。




 
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