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Patent Searching and Data


Title:
FABRIC-BACKED PRESSURE-SENSITIVE ADHESIVE TAPE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072411
Kind Code:
A1
Abstract:
A fabric-backed pressure-sensitive adhesive tape which realizes thickness reduction and weight reduction and which is excellent in hand-cuttability in both weft and warp directions and in fabricability, more specifically, a fabric-backed pressure -sensitive adhesive sheet (100) which comprises both a laminated base fabric (22) comprising base fabrics (1,2) for fabric-backed pressure-sensitive adhesive tape and laminations (20) provided on both sides of the base fabrics (1, 2) and a pressure-sensitive adhesive layer (24) formed on one side of the laminated base fabric (22) by coating. The base fabric (1) for fabric-backed pressure-sensitive adhesive tape is a woven fabric having a weave formed by weaving parallel-arranged warp threads (12) over the whole width with weft threads (16) alternately and the base fabric (2) therefor is a knitted fabric made by inlaying weft threads (16) in independent chain stitches (14) formed by knitting parallel-arranged warp threads (12) over the whole width. The warp threads (12) and weft threads (16) of the base fabrics (1, 2) are made from a resin composition which is prepared by incorporating a nonpolar resin with 0.05 to 3.0mass% of an inorganic filler.

Inventors:
KAWAGUCHI TAKEO (JP)
HOSOI MIKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071308
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
November 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TERAOKA SEISAKUSHO KK (JP)
KAWAGUCHI TAKEO (JP)
HOSOI MIKIO (JP)
International Classes:
B32B27/12; C09J7/21
Foreign References:
JP2002294189A2002-10-09
JPH06192631A1994-07-12
JPS6420349A1989-01-24
JPH03243679A1991-10-30
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower6-10-1, Roppongi, Minato-ku, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 経糸と緯糸とを有する織布又は編布からなる基材、及び、該基材の片面側又は両面側に形成されており且つ樹脂がラミネート処理されてなるラミネート層、を有するラミネート基布と、
 前記ラミネート基布の片面又は両面に形成されており、且つ、感圧性粘着剤が塗布されてなる粘着剤層と、
を備えており、
 前記経糸及び前記緯糸のうち少なくとも緯糸は、非極性樹脂に0.05~3.0質量%の無機フィラーが含有されてなる樹脂組成物からなる、
布粘着テープ。
 前記基材は、前記経糸の繊度(Dwarp)が10~1000デニールであり、且つ、前記経糸の織り密度(Uwarp)が前記緯糸の織り密度(Uweft)以上のものである、
請求項1記載の布粘着テープ。
 前記ラミネート層を構成する樹脂は、融点が65~350℃のものであり、
 前記経糸及び前記緯糸のうち少なくとも前記緯糸は、融点が65~250℃であり、且つ、メルトフローレートが0.1~20である樹脂で形成されたものである、
請求項1又は2項記載の布粘着テープ。
 前記ラミネート層を構成する樹脂の容積が、前記基材における空間体積の20%以上である、
請求項1~3のいずれか1項記載の布粘着テープ。
 前記ラミネート基布における前記ラミネート層と前記基材との密着性が、3(N/インチ)以上である、
請求項1~4のいずれか1項記載の布粘着テープ。
 前記感圧性粘着剤は、貯蔵弾性率が10 5 ~10 7 (dyn/cm 2 )であり、且つ、厚さが5~200μmであり、
 当該布粘着テープの厚さが1.0mm以下である、
請求項1~5のいずれか1項記載の布粘着テープ。
 前記基材は、前記経糸が鎖編みされた編布からなる、
請求項1~6記載のいずれか1項記載の布粘着テープ。
 前記緯糸は、幅が0.2~2.0(mm)であり、且つ、厚さが0.01~0.1(mm)であるフラットヤーンからなるものである、
請求項1~7のいずれか1項記載の布粘着テープ。
 
 
Description:
布粘着テープ

 本発明は、薄層布粘着テープに関する。

 昨今、布粘着テープは、従前の段ボール を用いた荷造り・梱包作業に加え、塗装時 引越し等の作業時に壁や床等を保護する養 用途のみならず、その優れた手切れ性(引き 裂き容易性)が奏する簡便性ゆえに、日常生 においても、応急固着や仮止め等に多用さ るようになってきた。

 一般に、布粘着テープは、織布や編布等 基材の片面又は両面をポリエチレン樹脂等 ポリオレフィン樹脂でラミネートした後、 圧接着剤を塗布することにより製造される また、これらの織布及び編布基材を構成す 糸種としては、レーヨンスフ糸(rayon staple  fiber)、綿糸、CVC(chief value of cotton:綿高率混; PET/綿の混紡糸)糸、TR糸(ポリエステル/スフ混 紡糸)、マルチフィラメント糸、フラットヤ ン等が一般的に用いられている(例えば、特 文献1~6参照)。

 このような構造を有する布粘着テープは、 の経方向(長手方向、縦方向、経糸方向)の 度を十分に維持しつつ、緯方向(幅方向、横 向、緯糸方向)の手切れ性を十分に確保でき ることを最大の特徴としている。かかる特性 は、各種作業に要求される最低限の強度が経 方向(長手方向)において連続的に維持されつ 、緯方向(幅方向)の引き裂き易さ、及び、 の引き裂きの直線性を維持するべく、経糸 緯糸の交点でラミネート層を確実に密着さ て経糸/緯糸間のズレを抑止する固定効果に って発現される。

特公平1-41189号公報

特許第2623947号公報

特許第2635795号公報

特許第2843043号公報

特許第3555880号公報

実開平4-69482号公報

 先述したとおり、近時、布粘着テープは 常生活においても多用されていることから これまでよりも(例えば、業務用製品等に比 して)より薄く且つより軽量なものが熱望さ ている。また、そればかりか、用途が各種 ものへと拡大したため、場合によっては、 方向のみならず、経方向の手切れ性も要求 れるようになってきた。

 しかし、かかる要求に対し、標準的なス ン糸を用いた従来の織物基材では、緯方向 び経方向の手切れ性を実現できるものの、 材を構成する経糸の繊維の太さを細くする は限界があり、こうなると、片面をラミネ トするタイプのものでは、布粘着テープに けるラミネート層の空間体積率がある程度 きくなるため、布粘着テープ製造に多量の 着剤を塗布する必要があり、軽量化には限 があった。

 これを解決するべく、ポリエステル糸の うなマルチフィラメント糸を経糸に用いる とにより薄層化を図ることも提案されてい が、マルチフィラメント糸は一般に引張強 が大きい傾向にあるため、経糸を極端に細 したり、或いは、経糸に化学的、物理的処 を施し強度低下を図ったりすることにより 手切れ性を付与する必要があった。こうな と、製造上、取り扱いが煩雑となったり、 数(手間)が増大してしまったりといった不 合があり、その結果、生産性が低下してし うという問題があった。

 また、薄層化と軽量化を両立させるべく 経糸及び緯糸としてポリエチレン樹脂等か なるフラットヤーンを用いた織布基材の両 に、同種のポリエチレン樹脂をラミネート た基布を積層した布粘着テープが上市され いる。しかし、かかる布粘着テープでは、 る程度の薄層化と軽量化が実現され得るも の、布粘着テープにおける経方向と緯方向 強度バランスをとるために、緯糸の引張強 をより大きくする必要があるので、経方向 手切れ性が不十分であった。

 一方、編布を基材として用いた布粘着テ プが、米国等ではダクト用テープとして市 されており、さらには、上記特許文献5に開 示されているように、経糸にポリエステル糸 、及び、緯糸にフラットヤーンを用いた編布 基材が提案されており、見かけ上の薄層化と 軽量化の向上が試みられている。しかし、こ うした編布を基材として用いた布粘着テープ では、編布生産時に製造不具合や外観上の問 題が発生したり、また、ラミネート密着性不 足に起因して手切れ性の発現が十分でなかっ たり、未だ十分に満足できる特性を有するも のが得られていないのが現状である。

 すなわち、特許文献5等に記載された編布 基材を用いたものは、極性を有するマルチフ ィラメントが多数並列し且つ独立鎖編みされ た経糸の全幅にわたり、非極性のフラットヤ ーンが緯糸として挿入されて編布が形成され ているが、その編み時に形成される経糸のル ープに緯糸を挿入するとき、非極性フラット ヤーンの滑り性不足や摩擦(摩擦熱)によって ーンが切れてしまったり(例えば、低密度ポ リエチレン(LDPE)の摩擦係数は5.0)、経糸が傷 いて基材そのものが切れてしまったりとい た不具合が発生することがあった。また、 合によっては、緯糸に顕著に生じる摩擦帯 によっても、緯糸が切れてしまったり、垂 (タレ)や抜け等の編機の不具合が発生したり するおそれもあり、加工性の観点から改善が 望まれていた。

 この摩擦帯電は、旧来より、織布や編布 産時やその後工程の加工時に発生すること 知られているが、その要因や作用機序の詳 については未だ十分に解明されていない。 た、経験的に知られている摩擦帯電列が離 ているほど摩擦帯電圧(例えば、日本工業規 格JIS L 1094 5.2「織物及び編物の帯電圧試験 法」に準じて測定される帯電圧)が大きくな る等と言われているが、同種繊維や金属ロー ルと基材の摩擦においても、有意量の摩擦帯 電が生じることもあり、理論的に十分な説明 ができない事象が未だ多く存在しているのが 現状である。

 さらに、この編布上に非極性のフラット ーンと同一の非極性樹脂をラミネートする 、通常、密着性を向上させる目的で化学的 び/又は物理的なAC(アンカーコート)処理を すことが多いが、化学的なAC処理の場合、編 布の静電気帯電によってAC剤が部分的にはじ れたり(部分ハジキの発生)、また、コロナ( 電)処理のような物理的なAC処理の場合、繊 内部の空間における糸間距離が、電気的反 力によって必要以上に離間して保持されて まったりすることがある。こうなると、ラ ネート樹脂と基材との濡れ性が不均一及び 十分となり、その結果、両者の密着性が十 に高められず、良好な手切れ性が局所的に 現し難くなるという不都合があった。

 そこで、本発明はかかる事情に鑑みてな れたものであり、薄層化及び軽量化を実現 つつ、緯方向及び経方向の両方の手切れ性 及び、加工性に優れた布粘着テープを提供 ることを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明者は 意研究を重ねた結果、布粘着テープの基材 ある織布又は編布を構成する経糸及び緯糸 して、所定の組成を有するものを用いるこ により、基材のみならず布粘着テープの特 を改善できることを見出し、本発明に到達 た。

 すなわち、本発明による布粘着テープは 経糸と緯糸とを有する織布又は編布からな 基材、好ましくは、緯糸、又は、経糸と緯 がフラットヤーンからなり、且つ、織布又 編布からなる基材、及び、その基材の片面 又は両面側に形成されており且つ樹脂がラ ネート処理されてなるラミネート層を有す ラミネート基布と、ラミネート基布の片面 は両面に形成されており、且つ、感圧性粘 剤が塗布されてなる粘着剤層とを備えてお 、基材を構成する経糸及び緯糸のうち少な とも緯糸、好ましくは経糸及び緯糸の両方 、非極性樹脂に0.05~3.0質量%(実質的に重量% 同義)の無機フィラーが含有されてなる樹脂 成物からなるものである。また、その基材 片面又は両面に化学的又は物理的に形成さ たアンカー層を設けると好適である。

 本発明者が、かかる構成を有する布粘着 ープの種々の物性について測定及び解析を ったところ、基材を構成する経糸及び緯糸( 少なくとも緯糸)として、ポリオレフィン樹 等の非極性樹脂に上記の含有割合で無機フ ラーを添加したものを用いた場合、その少 くとも緯糸に見かけ上の極性と滑り性が付 され、基材を形成するときに滑り性が向上 れるとともに、帯電防止効果(摩擦帯電の抑 効果)が得られることが判明した。また、そ の基材上に樹脂をラミネート処理する際に、 基材が呈する帯電防止効果により、基材とラ ミネート層との密着性が高められることが確 認された。特に、例えば、上述の如く経糸が 鎖編されて形成されたループに緯糸を挿入す る構造の編布では、滑り性向上と帯電防止効 果が顕著であることが確認された。これによ り、手切れ性及び引き裂きの向上が図られ、 また、経糸や緯糸としてフラットヤーンを用 いる場合にも有意な効果が得られ、その結果 、布粘着テープ用基材ひいては布粘着テープ の更なる薄層化及び軽量化も実現される。

 また、基材は、経糸の繊度(Dwarp)が10~1000 ニールであり、且つ、縦糸の織り密度(Uwarp) 、緯糸の織り密度(Uweft)以上のものであると 好ましい。なお、織り密度は、打ち込み本数 (本/インチ)で表される。

 さらに、ラミネート層を構成する樹脂は 融点が65~350℃のものであり、経糸及び緯糸 うち少なくとも緯糸は、融点が65~250℃であ 、且つ、メルトフローレート(MFR)が0.1~20で る樹脂で形成されたものであると好適であ 。

 またさらに、ラミネート層を構成する樹 の容積が、基材における空間体積の好まし は20%以上であり、より好ましくは50%以上で ることが望ましい。

 さらにまた、ラミネート基布におけるラ ネート層と基材との密着性が、3(N/インチ) 上であると更に好適である。

 また、感圧性粘着剤は、貯蔵弾性率(G’:ジ プライム)が10 5 ~10 7 (dyn/cm 2 )であり、且つ、厚さが5~200μmであり、当該布 粘着テープの厚さが1.0mm以下であると有用で る。

 さらに、基材は、経糸が鎖編みされた編 からなるものであると一層好ましい。

 より具体的には、緯糸は、幅が0.2~2.0(mm) あり、且つ、厚さが0.01~0.1(μm)であるフラッ ヤーンからなるものである。

 本発明によれば、経糸と緯糸とを有する 布又は編布からなる基材にアンカー処理層 介して樹脂のラミネート層が形成されてい ので、薄層化及び軽量化を簡易に実現でき 。また、基材を構成する経糸及び緯糸のう 少なくとも緯糸が、0.05~3.0質量%の無機フィ ーを含有するポリオレフィン系樹脂組成物 らなることにより、その少なくも緯糸に、 性と滑り性が付与され、基材形成の際の滑 性と帯電防止効果が高められるので、経糸 緯糸の破損や切断を抑止して加工性を向上 せつつ、基材とラミネート層との濡れ性が 一且つ十分に高められ、これにより、両者 密着性を十分に高めることができるので、 糸及び緯糸双方の手切れ性を向上させるこ が可能となる。

 以下、本発明の実施の形態について詳細 説明する。なお、同一の要素には同一の符 を付し、重複する説明を省略する。また、 下左右等の位置関係は、特に断らない限り 図面に示す位置関係に基づくものとする。 らに、図面の寸法比率は、図示の比率に限 されるものではない。また、以下の実施の 態は、本発明を説明するための例示であり 本発明をその実施の形態のみに限定する趣 ではない。さらに、本発明は、その要旨を 脱しない限り、さまざまな変形が可能であ 。

 図1及び図2は、本発明による布粘着テー の好適な一実施形態に備わる布粘着テープ 基材を概略的に示す平面図である。図1に示 布粘着テープ用基材1(基材)は、並列された 糸12の全幅に渡って緯糸16が交互に織込まれ た織組織を有する織布からなる。ここで、「 織布」とは、所定の本数引き揃えた経糸を織 機にかけ、摩擦に耐えられるように糊付けし た緯糸をシャトル、空圧、水圧等で連続的に 交差させて織り上げるものをいう。

 また、図2に示す、布粘着テープ用基材2( 材)は、並列された経糸12がたて編みされた 立鎖編み14の全幅に渡って緯糸16が挿入され た編布からなる。ここで、「たて編み」とは 、針に平行する状態の導糸針に整経された経 糸を導き、これを編針に絡ませて編成運動を 行なう編み方であり、針に対する糸の絡ませ 方で、開き目、閉じ目ができ、一本の針に常 に一本の糸を絡ませるとき、ループの連鎖が ひも状に形成される。

 さらに、図3は、本発明による布粘着テー プの好適な一実施形態の要部を概略的に示す 断面図である。布粘着テープ100は、図1及び 2にそれぞれ示す布粘着テープ用基材1,2の両 にラミネート層20が形成されてなるラミネ ト基布22の片面に、感圧性粘着剤が塗布され てなる粘着剤層24が設けられたものである。 お、布粘着テープ用基材1,2とラミネート層2 0との接合性を高める観点より、布粘着テー 用基材1,2の片面又は両面にアンカー層を形 してもよく、このアンカー層は、例えば、 ロナ処理等の物理的処理(機械的な処理も含 )、或いは、化学的処理によって形成するこ とができる。

 織布からなる布粘着テープ用基材1、及び 、編布からなる布粘着テープ用基材2では、 糸12及び緯糸16の材質は、非極性樹脂であれ 特に制限されず、例えば、ポリオレフィン 樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン 樹脂、ポリアミド系樹脂等のうち非極性の のが挙げられ、より具体的には、ポリエス ル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリア ド(6―ナイロン、66-ナイロン)、ビスコース ーヨン、アセテート、ポリビニルアルコー 系合成樹脂(ビニロン)、ポリウレタン等が好 適であり、布粘着テープ用基材1,2ひいては布 粘着テープ100の厚さをより薄くできる観点か ら、ポリエステルが望ましい。

 また、糸の形態も特に制限されないが、 ましくは、経糸12が、フィラメントヤーン スパンヤーン、バルキーヤーン、フラット ーン等で形成され、緯糸16が、フラットヤー ンで形成されている。

 ここで、フィラメントヤーン(Filament yarn) は、連続した長繊維を数本以上合わせたマル チフィラメント糸の形状で使用でき、多くの 化学繊維がこれに相当し、また、異種フィラ メントを合わせたハイブリッドマルチフィラ メントを使用することもできる。

 また、スパンヤーン(span yarn)は、天然繊 や短くカットした化学繊維を束ね、撚りを けて紡績した糸をいい、前述のレーヨンス 糸、綿糸、CVC糸、TR糸等が一般的であり、 れ性に優れる糸である。

 さらに、バルキーヤーン(bulky yarn)は、本 来まっすぐなフィラメント糸に、捲縮を施す ことにより、バネの伸縮性と毛糸の嵩高性、 保湿性、吸湿性を付与したものであり、テー プ基材用糸としてフィラメント糸の切れにく さを改善するために用いる。

 またさらに、フラットヤーン(flat yarn)は Tダイ又はインフレーション式製膜機で作製 したフィルムを適当幅に切れ込んで(スリッ して)テープ状にした後、延伸処理により所 方向に分子を配向させたものをいう。この ラットヤーンは、剛性が過度に小さいと、 さな力で捩れを起こしたり、僅かな張力の 化で断面積が変化したりして、緯糸切れの 因となり得る。また、滑り性が不足すると 織布や編布時に、原糸ボビンからの解除摩 による寸法変化等の解除不良や、解除摩擦 経糸との摩擦による静電気発生を主因とす 糸切れを引き起こし易い。

 ここで、経糸12としてフィラメントヤー を用いると、スパンヤーン、バルキーヤー に比して細い糸で同一強度を得易く、その 果、布粘着テープ用基材1,2(基布)をより薄く できる利点がある。一方、経糸12としてスパ ヤーン又はバルキーヤーンを用いると、厚 の観点からは不利であるものの、フィラメ トヤーンに比して繊維長が短いので、引き き性を向上でき、且つ、緯糸16との絡み効 を有するので、手切れ性をより向上させ易 利点がある。他方、経糸12としてフラットヤ ーンを使用すると、経方向の手切れ性を付与 する観点からは、緯糸16との組み合わせに注 を要するものの、その断面が扁平な矩形状 なすので、打ち込み本数をより少なくでき 且つ、布粘着テープ用基材1,2をより薄くで る利点がある。

 また、緯糸16としてフラットヤーンを用 ると、布粘着テープ用基材1,2を一層薄くす ことができ、布粘着テープの引き裂きの直 性を維持し易く、さらに、後述するラミネ ト層との高い密着性等を確保し易くなる利 がある。

 ここで、手切れ性の良し悪しは、一般に より小さい応力で切れることと、切り口の 線性つまり引き裂きの直線性によって判断 ることができる。

 小さい応力での切れ性を高めて手切れ性 向上させるには、経糸12のほぐれ易さを高 、低強度化によって緯糸16よりも経糸12の引 強度を低下させ、低伸度化により手切れ時 きっかけを作り易くするとともに、応力が 加されたときに経糸12と緯糸16がズレないよ うに固定することが有効である。例えば、上 述した各種の糸のなかでもスパンヤーンを用 いると、経糸12のほぐれ易さをより高めるこ ができ、また、フィラメントヤーンを低強 化するには、細くするか、化学的・物理的 処理により強度を低下させることが有用で る。

 切り口の直線性を十分に確保するには、 糸16の整列性を高めることが好ましく、こ には、打ち込み本数を増大させることが有 であり、緯糸16としてフラットヤーンを用い れば、打ち込み本数を増やすのと同様の効果 を奏することができる。

 また、一般に、緯方向の引き裂き直線性 比較的発現させ易い傾向にあるものの、織 において経糸12にフラットヤーンを用いた 合、その構造上、経方向の手切れ性が発現 れないか、直線的に切り裂くことが困難な 向にある。この要因のひとつは、先述の如 、経糸に比して緯糸の引張強度が極めて大 いことである。例えば、前述した特許文献5 記載された基材では、経糸にポリエステル 維を使用する場合のその引張強度は40~400gf(0 .392~3.92N)であり、緯糸のフラットヤーンの強 は800~2300gf(7.84~22.5N)と経糸に比して桁違いに 大きい。

 これに対し、例えば編布からなる布粘着 ープ用基材2では、経糸12として、引張強度 例えば40~400gf(0.392~3.92N)であるポリエステル 維を用いた場合、緯糸16にフラットヤーン 用いるときの引張強度は、経糸12と同程度す なわち400gf(3.92N)又はそれより若干大きい程度 とされる。これにより、従来に比して手切れ 性に優れ、しかもより薄い布粘着テープを得 ることができる。

 そのために、布粘着テープ用基材1,2にお る経糸12及び緯糸16のうち少なくとも緯糸16 、本来その化学構造から非極性であるポリ チレン樹脂等の非極性樹脂に、0.05~3.0質量% 含有割合で無機フィラーが添加された樹脂 成物から形成されている。無機質フィラー しては、特に制限はなく、炭酸カルシウム 硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム等か 、適宜選択して使用することができる。

 このように布粘着テープ用基材1,2を構成 る経糸12及び緯糸16(少なくとも緯糸16)とし ポリオレフィン樹脂等の非極性樹脂に上記 含有割合で無機フィラーを添加したものを いた場合、経糸12及び緯糸16(少なくとも緯糸 16)に見かけ上の極性と滑り性が付与され、基 材を形成するときに滑り性が向上されるとと もに、帯電防止効果(摩擦帯電の抑止効果)が 現される。

 かかる作用効果が奏される作用機序の理 的な詳細は未だ解明されてはいないが、無 質フィラーの表面突起効果と表面改質効果 よって吸着水が増加し、これにより滑り性 帯電防止効果が発現されるものと推定され 。ただし、かかるメカニズムに限定されな 。

 また、無機フィラーの添加量が0.05~3.0質 %であれば、経糸12及び緯糸16(少なくとも緯 16)の伸びが抑制され、スティフネス(フィル のこわさを表し、JIS P 8125 荷重曲げ法に る板紙のこわさ試験方法に準拠して測定す ことができる。)が増加するため、糸形成時 糸切れの発生を十分に防止でき、さらに、 粘着テープ用基材1,2の織布や編布を形成す ときの糸切れを抑止し、且つ、寸法安定性 向上させることができるとともに、布粘着 ープ用基材1,2にラミネート層20を積層する に基材のカール(巻き)を抑制できる。

 この無機フィラーの添加量が0.05質量%未 の場合、経糸12及び緯糸16(少なくとも緯糸16) の表面積の増加が不十分となり、その結果、 糸の滑り性が不足してしまうことにより、そ の摩擦抵抗が、無機フィラー未添加の非極性 樹脂からなる糸と大差なく、有意な帯電防止 効果を得ることができない。一方、無機フィ ラーの添加量が3.0質量%を超えると、経糸12及 び緯糸16(少なくとも緯糸16)そのものの剛性が 向上されるものの、透明性が著しく低下した り、糸表面から無機フィラーの一部が剥落し たりする等、糸製造環境や基布製造環境を汚 染する不具合を引き起こし、また、ラミネー ト時の密着強度が著しく低下してしまうこと により、実用的な製品を得難くなる。

 さらに、ラミネート層20としては、特に 限されないが、ポリエチレン樹脂、ポリプ ピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、それらの 重合体等のポリオレフィン樹脂を好ましく 用でき、これらのなかでは、コスト及びフ ルム形成の観点からポリエチレン樹脂が特 好ましい。

 ここで、ラミネート層として、例えばポ エチレン等のポリオレフィン樹脂を布粘着 ープ用基材にラミネートする場合、無機フ ラーが添加されていない一般的なポリエチ ンからなる糸を使用した布粘着テープ用基 では、化学的なアンカー処理やコロナ処理 の物理的なアンカー処理が必要な傾向にあ が、このとき、布粘着テープ用基材同士の 擦やガイドロール等との摩擦による基材の 電気帯電による部分ハジキ(局所的なハジキ )が発生したり、繊維内部の空間が電気的反 力によって必要以上に保持されたりして、 ミネート樹脂と経糸及び緯糸との濡れ性が 均一又は不十分となってしまい、その結果 布粘着テープ用基材とラミネート層との密 性が不十分となり、そのため、良好な手切 性が部分的に発現しなくなるといった不都 が生じる傾向にある。

 これに対し、ラミネート層20として、例 ばポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を 粘着テープ用基材1,2にラミネートする場合 は、良好な滑り性と高い帯電防止効果によ 、安定した手切れ性を有する布粘着テープ10 0を得ることが可能である。しかも、経糸12及 び緯糸16(少なくとも緯糸16)が無機フィラーを 含有することにより、見かけ上の融点が上昇 し耐熱温度を高めることができるので、布粘 着テープ用基材1,2にラミネート層20をラミネ トするときにより高い温度で加熱でき、こ により、ラミネート層20濡れ性が向上され 両者の密着性を更に向上させることができ 。その結果、布粘着テープ100の手切れ性を に改善することが可能となる。

 また、布粘着テープ用基材2によれば、経 糸12が鎖編みされているので、経糸12と緯糸16 との交差部位間で経方向の糸伸びを制限する ことができ、これにより、布粘着テープ100の 手切れ性をより一層向上させることができる 。

 また、布粘着テープ用基材1,2では、経糸12 繊度(Dwarp)が10~1000デニールとされ、且つ、経 糸12の織り密度(Uwarp)が、緯糸16の織り密度(Uwe ft)以上、すなわち、下記式(1);
Uweft≦Uwarp  …(1)、
で表される関係を満たす範囲の値であると好 ましい。なお、織り密度は、打ち込み本数( /インチ)で表される。

 この経糸12の繊度(Dwarp)が10デニール未満 あると、経方向の強度が過度に低くなって まい、場合によっては、弱い衝撃によって 粘着テープが切れてしまうことがある。一 、この経糸12の繊度(Dwarp)が1000デニールを超 すると、逆に、経方向の強度が過度に大き なってしまい、手で切断し難くなるおそれ ある。また、経糸12の織り密度(Uwarp)が、緯 16の織り密度(Uweft)未満となると、緯方向へ で引き裂く際に経糸12のずれが過大となっ しまい、その結果、応力が集中し難くなり 切断面に毛羽立ちが顕著に目立つようにな てしまう。

 さらに、ラミネート層20を構成する樹脂 融点が65~350℃であり、経糸12及び緯糸16のう 少なくとも緯糸16の融点が65~250℃であり、 つ、メルトフローレートが0.1~20である樹脂 形成されたものであると好適である。ラミ ート層20の樹脂の融点が65℃未満の場合、基 への流れ込み量は十分となるものの、加工 度が低くなるため、基布を熱劣化させるこ が困難となり、手切れ性が不都合な程度に 下してしまう傾向にある。一方、ラミネー 層20の樹脂の融点が350℃を超える場合、加 温度が過度に高くなるため、基布の熱劣化 過剰となってしまい、こうなると手切れ時 適度な直進性を発現させることが困難な傾 にある。

 また、緯糸12の融点が65℃未満の場合、熱 劣化による強度低下を引き起こし易くなる傾 向にある。一方、緯糸12の融点が250℃を超え 場合には、逆に熱劣化が生じ難く、十分な 切れ性を発現させ難くなる傾向にある。

 さらに、緯糸16を形成する樹脂のMFRが0.1 満の場合、緯糸16がフラットヤーンのときに その作製時の吐出量が過少となってしまい、 生産性及び経済性を十分に高め難い傾向にあ る。一方、緯糸16を形成する樹脂のMFRが20を えると、場合によっては成膜性が極度に悪 し、加工性を著しく損ねてしまう傾向にあ 。

 またさらに、ラミネート層20を構成する 脂の容積が、布粘着テープ用基材1,2におけ 空間体積の20%以上であると有用である。こ 割合が20%未満であると、ラミネート層20によ る基布の固定が十分に行なわれないことがあ り、その結果、ラミネート層の剥がれや手切 れ性の低下といった不都合を生じ易い傾向に ある。

 さらにまた、ラミネート基布22における ミネート層20と布粘着テープ用基材1,2との密 着性が、3(N/インチ)以上であるとより好まし 。この密着性が3(N/インチ)未満であると、 着体に貼付した布粘着テープ100を剥がす際 ラミネート層20と布粘着テープ用基材1,2との 間で剥がれが発生してしまい、被着体の貼り 付け面を汚してしまうという不具合が生じ易 い傾向にある。

 加えて、粘着剤層24を形成する感圧性粘着 の貯蔵弾性率G’が10 5 ~10 7 (dyn/cm 2 )であり、且つ、厚さが5~200μmであり、布粘着 テープ100の厚さが1.0mm以下であると更に好適 ある。この貯蔵弾性率G’が10 5 (dyn/cm 2 )未満であると、粘着剤層24の流動性が過度に 高くなる一方で、この貯蔵弾性率が10 7 を超えると、初期タックが発現し難くなり、 場合によっては、粘着テープ用途として不適 となってしまう傾向にある。また、布粘着テ ープ100の厚さが1.0mmを超えると、ロール状テ プとしたときに過度に重くなってしまい、 業性が悪化する傾向にある。

 さらに、緯糸16の幅が0.2~2.0(mm)であり、且 つ、厚さが0.01~0.1(mm)であるフラットヤーンか らなるものであると特に好ましい。この、緯 糸16の幅が0.2mm未満では、緯糸16の強度が過弱 となってしまい易く、手切れ時の緯方向直進 性が得難くなる傾向にある。一方、その幅が 2.0mmを超えると、フラットヤーンの折れが発 し易くなるといった不都合がある。また、 糸16の厚さが0.01mm未満の場合も、強度が過 に低くなってしまい易く、加工中に切れが 生し易くなる傾向にある。他方、その厚さ 0.1mmを超えると、テープ剛性が過大となって しまい、テープ使用時の被着体への追従性が 不都合な程度に悪化してしまう傾向にある。

 図4及び図5は、それぞれ、本発明による 粘着テープの好適な他の実施形態の要部を 略的に示す断面図である。図4に示す布粘着 ープ200は、図1及び図2にそれぞれ示す布粘 テープ用基材1,2の片面にラミネート層20が形 成されてなるラミネート基布26の片面に、粘 剤層24が設けられたものである。また、図5 示す布粘着テープ300は、図3に示す布粘着テ ープ100のラミネート基布22の両面に、粘着剤 24,24が設けられたものである。このように 成された布粘着テープ200,300においても、布 着テープ100と同様の作用効果が奏される。

 以下、本発明に係る具体的な実施例につ て説明するが、本発明はこれらに限定され ものではない。

〈実施例1~3及び比較例1~5〉
 経糸及び緯糸として、表1~表3に示す各種の 及び基材構成を用い、図3に示す布粘着テー プ100と同様の構成を有する布粘着テープを作 製した。また、その両面にポリエチレンフィ ルムを0.1mm厚さで押出し加工してラミネート ープを形成した。

〈評価〉
 実施例1~3及び比較例1~5のラミネートテープ ついて、厚さ、手切れ性、加工性、密着性 動摩擦係数、動摩擦帯電圧、引き裂き強さ 引張強度、伸びを以下の方法により測定評 した。

(厚さ)
 ポリエチレンフィルム有りのもの/無しのも のについて、サンプル片の厚さをダイヤルシ ックネスゲージ(PEAKOCK社製:MODEL H-1A)を用いて 測定した。

(手切れ性)
 経方向及び緯方向において、実施例1~3及び 較例1~5で得たラミネートテープにつき、各1 0枚の試験片を手で切断し、その際の初期抵 、切断面のきれいさ、直進性を観察し、手 れ性良否の判断を行なった。

(加工性)
 製造時の糸切れの有無、糸の引っ掛かりの 無、糸のヨレやタレの有無に基づいて、加 性の良否を判定した。

(密着性)
 各ラミネートフィルムを布粘着テープに加 し、JIS Z0237に準拠して粘着力の測定を実施 した。なお、密着性の測定値は、ラミネート 層の剥がれがある場合には、その粘着力以下 とし、ラミネート層の剥がれがない場合には 、その粘着力以上とした。

(動摩擦係数)
 緯糸の試験片5つについて、大栄科学社製の 糸動摩擦係数測定器(型式:μkタイプ)を用いて 動摩擦係数を測定し、その平均値を算出した 。このとき、ドラム(材質:ナイロン)回転数を 30rpm、バランス分銅を10gとした。

(動摩擦帯電圧)
 JIS L1094の5.2摩擦帯電圧測定法に準拠し、経 方向及び緯方向における摩擦帯電圧を測定し た。

(引き裂き強度)
 JIS P8116の紙及び板紙の引裂き強さに準拠し 、東洋精機社製のELEMENDORF TEARING TESTERを用い て、経方向及び緯方向における引き裂き強度 を測定した。

(引張強度)
 JIS L 1096Aに準拠し、経方向及び緯方向にお ける引張強度を測定した。

(伸び)
 上記引張強度測定時の破断時の伸びを、東 精機社製のSTOROGRSPH V1-Cを用いて測定し、そ の値を経方向及び緯方向における伸度とした 。

 以上のようにして実施例1~3及び比較例1~5 ラミネートテープについて測定評価した結 を表1~表3にまとめて示す。

 

 

 

 以上説明したとおり、本発明による布粘 テープは、薄層化及び軽量化を実現しつつ 緯方向及び経方向の両方の手切れ性、及び 加工性に優れるので、業務用及び日常用を わず、荷造り・梱包作業、塗装時や引越し の作業時に壁や床等を保護する養生用途、 急固着や仮止め用途等の各種用途、及び、 れらの作業が必要な種々の分野において、 く利用することができる。

本発明による布粘着テープの好適な一 施形態に備わる布粘着テープ用基材を概略 に示す平面図である。 本発明による布粘着テープの好適な一 施形態に備わる布粘着テープ用基材を概略 に示す平面図である。 本発明による布粘着テープの好適な一 施形態の要部を概略的に示す断面図である 本発明による布粘着テープの好適な他 実施形態の要部を概略的に示す断面図であ 。 本発明による布粘着テープの好適な他 実施形態の要部を概略的に示す断面図であ 。