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Patent Searching and Data


Title:
FIBROBLAST PROLIFERATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084742
Kind Code:
A3
Abstract:
The object aims to enhance the proliferation of a dermal fibroblast with safety and with efficiency. Disclosed is a fibroblast proliferator comprising an yeast extract and a safflower extract as active ingredients.

Inventors:
IINO MASATO (JP)
AMANO SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001447
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
March 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHISEIDO CO LTD (JP)
IINO MASATO (JP)
AMANO SATOSHI (JP)
International Classes:
A61K8/99; A61K8/97; A61Q19/08
Domestic Patent References:
WO2004075621A22004-09-10
Foreign References:
JP2003342124A2003-12-03
JP2004519208A2004-07-02
JP2000319122A2000-11-21
Other References:
See also references of EP 2110123A2
Attorney, Agent or Firm:
YANAGIDA, Masashi et al. (7FShin-Yokohama KS Bldg.,3-18-3, Shin-Yokohama, Kohoku-ku,Yokohama-sh, Kanagawa 33, JP)
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Claims:
酵母エキスとベニバナエキスとを有効成分として含む線維芽細胞増殖剤。
前記酵母エキスが、グリコサミノグリカンを含有する栄養培地中で培養されかつ紫外線照射、過酸化水素処理またはそれら両方の処理を受けた酵母から調製されたものである請求項1記載の線維芽細胞増殖剤。
前記線維芽細胞が加齢線維芽細胞である請求項1または2記載の線維芽細胞増殖剤。
請求項1から3いずれか1項記載の線維芽細胞増殖剤を含有する皮膚外用剤。
化粧料である請求項4記載の皮膚外用剤。
酵母エキスおよびベニバナエキスを用いて線維芽細胞を増殖させる方法。
前記酵母エキスが、グリコサミノグリカンを含有する栄養培地中で培養されかつ紫外線照射、過酸化水素処理またはそれら両方の処理を受けた酵母から調製されたものである請求項6記載の方法。
前記線維芽細胞が加齢線維芽細胞である請求項6記載の方法。
酵母エキスとベニバナエキスとを有効成分として含む皮膚老化防止剤。
Description:
線維芽細胞増殖剤

本発明は、線維芽細胞増殖剤、より詳細に は、加齢線維芽細胞の増殖も促進できる線維 芽細胞増殖剤、ならびにそれを含有する皮膚 外用剤に関するものである。

近年、健康で美しい肌を保つことは、老若 男女を問わず重大な関心事となっている。皮 膚は表皮、真皮、皮下組織の3層に主に分け れ、それらのうち真皮は皮膚の構造を維持 る上で極めて重要である。真皮は、主に線 芽細胞、膠原線維(コラーゲン線維)、弾性繊 維(エラスチン)等が複合的に三次元状に広が た構造を有する結合組織であるが、それら 維を構成するコラーゲン等のタンパク質は 維芽細胞により産生され、線維芽細胞がそ らタンパク質の合成・分解のバランスを保 結合組織の状態を維持することにより皮膚 強度、伸展性および弾力性等が保たれる。

加齢などの内的因子や紫外線、活性酸素な どの外的因子によって、真皮の結合組織が減 少して皮膚が本来維持している収縮性、柔軟 性、保湿性などの機能が衰え、シワやたるみ の発生、張りや弾力性の低下等さまざまな肌 のトラブルが生じる。そのような皮膚の老化 症状は、皮膚真皮の線維芽細胞の数の減少や 機能低下、さらには線維芽細胞により産生さ れるマトリックス線維の減少が重要な要因と 考えられている。従って、皮膚老化の防止改 善作用を有する老化防止皮膚外用剤を得るた め、線維芽細胞の増殖促進作用を有する成分 の検索と配合が試みられている。

例えば、引用文献1および2には、ヒラマメ(Len s esculenta)、ヒハツ(Piper longum)、ツボクサ(Cent ella asiatica)、ホーリーバジル(Ocimum
sanctum, Ocimum tenuiflorum, Ocimum album)などの植 の抽出物やハイビスカス抽出物などが線維 細胞増殖活性を有し、それら物質を老化防 化粧料等に配合することが報告されている

しかしながら、皮膚老化において線維芽細 胞の分裂速度の低下などの加齢による線維芽 細胞の増殖能の衰えが存在し、従来の線維芽 細胞増殖剤は、若い線維芽細胞に効果的であ っても加齢線維芽細胞に対して十分な増殖促 進効果を発揮できないという問題があり、加 齢線維芽細胞の増殖を高め得る新規物質の開 発が強く望まれていた。

酵母エキスまたは酵母抽出物は、コラーゲ ン産生促進作用(特許文献3)、保湿効果(特許 献4)、細胞賦活作用、ヒアルロン酸産生促進 作用(特許文献5)等を有することが知られてお り、化粧料等の皮膚外用剤に配合されている 。

ベニバナエキスまたは紅花抽出物は、漢方 または中国医学においてお血改善作用が知ら れており、美容目的では全身的な冷えの改善 (皮膚抹消血流の改善)やにきびの改善、さら はアトピー性皮膚疾患の治療等(特許文献6) 用いられている。さらに、ベニバナの抽出 がエラスターゼ阻害活性(特許文献7)を有す ことが報告されており、また細胞賦活作用 して老化防止用皮膚外用剤等に配合されて る(特許文献8)。

先行技術文献

特開2008-184441号公報

特許第3748941号公報

国際公開第2004/075621号パンフレット

特公平6-23088号公報

特開平8-163983号公報

特許第3839438号公報

特開2000-319189号公報

特許第3641699号公報

本発明は、上記のような事情に鑑み、若い 線維芽細胞のみならず加齢線維芽細胞の増殖 も高め得る安全かつ効果的な線維芽細胞増殖 剤を提供することを目的とする。

本発明者は、酵母エキスとベニバナエキス とを組み合わせることにより、加齢線維芽細 胞においても細胞増殖を顕著に促進させ得る ことを発見し、本発明を完成するに至った。 例えば上記特許文献8に記載のように、酵母 キスおよびベニバナエキスは共に細胞賦活 性剤として知られているが、加齢により増 能が衰えた繊維芽細胞に対する効果は全く 告されていない。驚くべきことに、それら2 の成分を組み合せることにより、加齢線維 細胞の増殖を相乗的に高めることができる

本発明の線維芽細胞増殖剤は、酵母エキス とベニバナエキスとを有効成分として含むこ とを特徴とする。

本発明の線維芽細胞を増殖させる方法は、 酵母エキスおよびベニバナエキスを用いるこ とを特徴とする。

また本発明の皮膚老化防止剤は、酵母エキ スとベニバナエキスとを有効成分として含む ことを特徴とする。

酵母エキスおよびベニバナエキスは、それ ぞれ単独では加齢細胞に対して十分な増殖促 進効果をもたらすことができないが、それら 2つの成分を組み合せることにより、若い線 芽細胞と同等に加齢線維芽細胞においても い細胞増殖促進効果をもたらすことができ 従って皮膚老化を効果的に防止することが きる。

本発明において「加齢線維芽細胞」とは、 年齢を重ねることにより、あるいは紫外線や 活性酸素等の影響によって、増殖能や細胞外 マトリックス産生能等の機能の低下を有する 線維芽細胞を意味する。

酵母エキスは、グリコサミノグリカンを含 有する栄養培地中で培養されかつ紫外線照射 、過酸化水素処理またはそれら両方の処理を 受けた酵母から調製されたものであることが 好ましい。酵母を紫外線および/または過酸 水素によるストレス存在下においてグリコ ミノグリカン含有栄養培地中で培養するこ により細胞保護成分が産生されることが分 っておりそのような酵母培養物から調製し 酵母エキスを用いることにより、線維芽細 をより効果的に増殖させることができる。

本願発明の皮膚外用剤は、上記の線維芽細 胞増殖剤を含有することを特徴とする。例え ば化粧料等の皮膚外用剤に本発明の線維芽細 胞増殖剤を配合することにより、加齢等によ る真皮の結合組織における線維芽細胞の減少 や機能低下を防止または改善して、シワやた るみの発生、張りや弾力性の低下等の皮膚老 化症状を効果的に防止または改善することが できる。

本発明は、酵母エキスとベニバナエキスと を組み合せることにより、若い線維芽細胞の みならず加齢線維芽細胞においても高い細胞 増殖促進効果をもたらすことができ、しかも 皮膚に弊害がなく、安全かつ効果的に加齢し た皮膚の真皮において線維芽細胞を増加させ て皮膚の張りや弾性を高めることができる。 従って、本願発明の線維芽細胞増殖剤または それを含む皮膚外用剤を皮膚に適用して、シ ワやたるみの発生、張りや弾力性の低下等の 皮膚老化症状を効果的に防止または改善する ことができる。

ベニバナエキスと酵母エキスとを組み わせることによる若いまたは加齢線維芽細 の増殖に対する効果を示すグラフ

発明を実施するための形態

本発明の線維芽細胞増殖剤等は、酵母エキ スとベニバナエキスとを有効成分として含む 。

酵母エキスは、酵母の極性溶媒による抽出 物、酵母を自己消化、酸加水分解、酵素加水 分解等により溶菌させた酵母分解物をろ過し たもの、或いはそのような酵母分解物を乾燥 しさらに極性溶媒抽出等したものなどを用い ることができる。

酵母エキスを調製するための菌体として、 エレマスクス(Eremascus)属,エンドミセス(Endomyce s)属等エンドミセタセア(Endomycetaceae)科に属す る酵母や、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyc es)属,ナドソニア(Nadsonia)属,サッカロミコデス (Saccharomycodes)属,ハンセニアスポラ(Hanseniaspora) 属,ウィッカーハミア(Wickerhamia)属,サッカロマ イセス(Saccharomyces)属,クルイベロミセス(Kluyver omyces)属,ロッデロミセス(Lodderomyces)属,ウィン ア(Wingea)属,エンドミコプシス(Endomycopsis)属, キア(Pichia)属,ハンセヌラ(Hansenula)属,パキソ ン(Pachysolen)属、シテロミセス(Citeromyces)属, バリオミセス(Debaryomyces)属,シュワンニオミ ス(Schwanniomyces)属,デッケラ(Dekkera)属,サッカ ミコプシス(Saccharomycopsis)属,リポミセス(Lipomy ces)属等のサッカロミセタセア(Saccharomycetaceae) 科に属する酵母、スペルモフソラ(Spermophthora) 属,エレモテシウム(Eremothecium)属,クレブロテ ウム(Crebrothecium)属,アシュブヤ(Ashbya)属,ネマ スポラ(Nematospora)属,メトシュニコウィア(Mets chnikowia)属,コッキディアスクス(Coccidiascus)属 のスペルモフソラセア(Spermophthoraceae)科に属 る酵母などの子嚢菌酵母を好ましく用いる とができる。中でも、入手しやすさ等から ッカロミセス属(Saccharomyces)の酵母、例えば ール酵母、清酒酵母、パン酵母などの菌体 ら調製したものが好ましい。また、「酵母 キス」として市販されているものを本発明 おいて用いることができる。

抽出に用いる溶媒としては、水、生理食塩 水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、 メタノール,エタノール,プロパノール,イソプ ロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレ グリコール,プロピレングリコール,ジプロピ レングリコール,グリセリン等の多価アルコ ル、ジエチルエーテル,ジプロピルエーテル のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等の エステル類、アセトン,エチルメチルケトン のケトン類などの極性有機溶媒を用いるこ ができ、これらから1種又は2種以上を選択し て用いることができる。溶媒抽出する場合、 酵母または酵母分解物を凍結乾燥及び/又は 砕してから抽出に供してもよく、また抽出 媒中でホモジナイズしたり、超音波破砕を ってもよい。抽出温度としては、通常0℃程 から抽出溶媒の沸点以下の温度であり、ま 抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度に っても異なるが、通常1時間~5日間程度であ 。

酵母エキスとして、グリコサミノグリカンを 含有する栄養培地中で培養されかつ紫外線照 射、過酸化水素処理またはそれら両方の処理 を受けた酵母を用いて調製したものを本発明 において好ましく用いることができる。酵母 を紫外線や過酸化水素などのストレス存在下 において培養することにより、ストレスから 細胞を保護する細胞保護成分を産生すること が分かっており、さらにその際に栄養ペプト ン類やグリコサミノグリカン等を培地中に添 加することによってストレスに対するレスポ ンスが高められる。その製法等は、例えば米 国特許第6461857号明細書に記載されている。 えば、パン酵母の一種であるサッカロマイ ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を、非 物由来のグリコサミノグリカンを添加した 養培地中で培養し、培養物に亜致死量、例 ば培養物の総質量の約0.1~2質量%の過酸化水 を加えさらに任意的に亜致死照射量の紫外 を照射する(例えば、UVA/UVB照射を31.5mJ/cm 2 の強度)ことでストレスを負荷し、得られた 養物を自己消化または酸加水分解等により 溶化させた後、乾燥、水抽出、ろ過等する とにより酵母エキスを調製することができ 。また、非動物由来のグリコサミノグリカ 含有培地中で培養されかつ紫外線照射およ 過酸化水素処理を受けた酵母から調製され 酵母エキスが、Arch
Personal Care Products L.P.社から「バイオダイン EMPP(商標)」の商品名で市販されている。

ベニバナエキスは、ベニバナ(紅花、Carthamu s tinctorius L.)を溶媒抽出することにより調製 することができる。ベニバナの花、葉、茎、 根茎、根等の各部位または全体を用いること ができるが、生薬「コウカ」として用いられ るベニバナの花を用いることが好ましい。

生のまま抽出操作に供してもよいが、抽出 効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を った後抽出を行うことが好ましい。抽出は 抽出溶媒に浸漬して行う。抽出効率を上げ ため撹拌を行ったり、抽出溶媒中でホモジ イズしてもよい。抽出温度としては、通常5 ℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度であり 、また抽出時間は、通常4時間~14日間程度で る。

抽出溶媒としては、水、生理食塩水,リン 緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水、メタノール, エタノール,プロパノール,イソプロパノール, ブタノール等の低級アルコール、1,3-ブチレ グリコール,プロピレングリコール,ジプロピ レングリコール,1,2-ペンタンジオール,グリセ リン等の多価アルコール、エチルエーテル, ロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチ ,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチ ルメチルケトン等のケトン類などの極性有機 溶媒、あるいはこれらの2種以上による混合 媒等を用いることができる。

例えば、ベニバナの花を50% 1,3-ブチレング リコールで抽出およびろ過したものを本発明 において好ましく用いることができる。また 、ベニバナエキスとして市販されているもの を本発明において用いてもよい。

本発明の線維芽細胞増殖剤等は、酵母エキ スおよびベニバナエキスをそのまま用いても よいが、適切な担体、賦形剤、安定剤、緩衝 剤、pH調整剤、溶媒等、任意の助剤を添加し 、溶液、懸濁液、乳濁液、クリーム剤、軟 剤、ゲル剤、粉末剤等任意の形態で用いる とができる。また、リポソームやマイクロ プセル等に内包させてもよい。さらに、本 明の線維芽細胞増殖剤等には、本発明の効 を損なわない限り、上記必須成分以外に、 酸化剤、防腐剤、紫外線吸収剤等の安定化 や吸収促進剤等を添加してもよい。

本発明の線維芽細胞増殖剤等を外用剤基剤 等に含めて皮膚外用剤を調製することができ る。

本発明の皮膚外用剤における酵母エキスお よびベニバナエキスの配合量は本発明の効果 を達成できる限り限定はされないが、外用剤 全質量に対して、酵母エキスの配合量は好ま しくは0.00001質量%~10質量%であり、より好まし くは0.001質量%~5質量%、さらに好ましくは0.005 量%~1質量%であり、またベニバナエキスの配 合量は好ましくは0.00001質量%~10質量%であり、 より好ましくは0.001質量%~5質量%、さらに好ま しくは0.01質量%~1質量%である。

本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、 医薬部外品等を含み、より好適には化粧料に 広く適用することができる。その剤形も水溶 液系、可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、 ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水-油2 系、水-油-粉末3層など、任意のものを含む また、シート状基剤に担持されたものも含 。

また、本発明の皮膚外用剤の採り得る製品 形態および用途も本発明の効果を達成できる 限り任意のものを含み、例えば、洗顔料、化 粧水、化粧下地用ローションまたはクリーム 、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美 液)、パック、マスク等の基礎化粧料、ファ デーション等のメーキャップ化粧料、日焼 止めローションまたはクリーム等の日焼け め化粧料、ハンドローション又はクリーム レッグローション又はクリーム、ボディロ ション又はクリーム等のボディ化粧料、ボ ィーソープ、石けん等のトイレタリー製品 どに適用できる。

本発明の皮膚外用剤は、上記した必須構成 成分の他に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外 用剤に用いられる他の任意の成分を必要に応 じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常 法により製造することが出来る。例えば、美 白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外 線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール 類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮 膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合すること ができる。さらに、エデト酸二ナトリウム、 エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム 、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリ ウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイ ン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸 及びその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン 、火棘の果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸 トコフェロール、グリチルリチン酸及びその 誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、 スコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコ ビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸 の他の美白剤、グルコース、フルクトース マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖 なども適宜配合することができる。

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説 明するが、本発明は下記の実施例に限定され るものではない。尚、下記実施例では、酵母 エキスとしてバイオダインEMPP(商標)(Arch Perso nal Care Products L.P.社)を用い、またベニバナ キスとしてファルコレックスベニバナB(一 ファルコス(株))を用いた。

線維芽細胞増殖促進効果の検討
「若い細胞」としてヒト新生児包皮由来の線 維芽細胞を、「加齢細胞」として70代女性皮 真皮由来の線維芽細胞を用いた。

各線維芽細胞を10%FBS含有DMEM培地で24時間培 養した後、ベニバナエキス0.1%、または酵母 キス0.01%、あるいはベニバナエキス0.1%と酵 エキス0.01%を添加した0.5%FBS含有DMEM培地に交 して、さらに48時間培養した。また対照と て、試験物質を添加していない0.5%FBS含有DMEM 培地で同様に培養した。培養終了時にAlamar B lue試薬で細胞の呼吸活性を測定して細胞増殖 の指標とした。対照での呼吸活性を100%とし 相対的細胞増殖(%)を求めた。

結果を図1に示す。ベニバナエキス単独で 若い線維芽細胞および加齢線維芽細胞とも 細胞増殖を僅かに高めるのみであり、増殖 進効果は低かった。また酵母エキス単独で 、若い細胞の増殖は顕著に高めることがで たが、加齢細胞に対する増殖促進効果は低 った。一方、ベニバナエキスと酵母エキス を組み合わせて添加することによって、特 加齢細胞に対する増殖促進効果が相乗的に められ、若い細胞と同等に加齢細胞の増殖 高めることができた。

ベニバナエキスと酵母エキスとを組み合わ せることによって、加齢により増殖能が低下 した加齢線維芽細胞の増殖も顕著に高めるこ とができ、加齢した皮膚においても線維芽細 胞増殖を高めて、シワやたるみの発生、張り や弾力性の低下等の皮膚老化症状を効果的に 防止または改善し得ることが示唆された。

以下に、本発明の線維芽細胞増殖剤を含有 する皮膚外用剤の処方例を示す。尚、配合量 は全て組成物全量に対する質量%で表す。

処方例1(W/Oクリーム)              (質 %)
(1)ジメチルポリシロキサン               3.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン        13.0
(3)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン         5.0
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサ ン共重合体 1.0
(5)3-トリス(トリメチルシロキシ)             1.0
   シリルプロピルカルバミド酸プルラン         
(6)架橋型ポリメチルシロキサンの
   デカメチルシクロペンタシロキサン配合 物      5.0
   (Dow Corning 9040 Silicone Elastomer BlendTM:Dow Corning社製)
(7)酢酸レチノール                      0.1
(8)パラオキシ安息香酸エステル             適量
(9)L-メントール                  適
(10)トリメチルシロキシケイ酸             2.0
(11)エタノール                   2.0
(12)グリセリン                   3.0
(13)ジプロピレングリコール             5.0
(14)ポリエチレングリコール6000         5 .0
(15)ヘキサメタリン酸ナトリウム           0.05
(16)酢酸トコフェロール               0.1
(17)カフェイン                   0.1
(18)ウイキョウエキス                 0.1
(19)ハマメリスエキス                 0.1
(20)ベニバナエキス                 1 .0
(21)酵母エキス                   1.0
(22)エデト酸三ナトリウム               0.05
(23)ジモルホリノピリダジノン             0.01
(24)トリメトキシ桂皮酸メチルビス           0.1
   (トリメチルシロキシ)シリルイソペンチ    
(25)無機複合粉体                  5. 0
   (カバーリーフAR-80TM;触媒化成工業(株)製)
(26)黄酸化鉄                        適量
(27)チタン酸コバルト                 適量
(28)ジメチルジステアリルアンモニウムヘク ライト  1.5
(29)ポリビニルアルコール               0.1
(30)ヒドロキシエチルセルロース           0.1
(31)アクリル酸ナトリウム/2-アクリルアミド-2 -メチルプロパン
    スルホン酸共重合体(SIMULGEL EGTM;SEPPIC社 製) 0.1
(32)(アクロイルジメチルタウリンアンモニウ /VP)コポリマー
    (Aristoflex AVCTM;Clariant社製)        0. 1
(33)香料                          適量
(34)精製水                     残

処方例2(乳液)                  (質 %)
ワセリン                         5
ベヘニルアルコール                   0.5
バチルアルコール                     0.5
グリセリン                       7
1,3-ブチレングリコール               7
1,2-ペンタンジオール                 1
キシリット                       3
ポリエチレングリコール20000             2
硬化油                         2
ホホバ油                         2
スクワラン                       5
イソステアリン酸                     0.5
テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリッ       2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油             0.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン           0.4
水酸化カリウム                     適量
ピロ亜硫酸ナトリウム                   0.01
ヘキサメタリン酸ナトリウム               0.05
グリチルリチン酸ジカリウム               0.05
トリメチルグリシン                   3
アルブチン                       3
酵母エキス                       0.1
酢酸トコフェロール                   0.1
チオタウリン                       0.1
ベニバナエキス                     1
クララエキス                       0.1
ベンガラ                         適量
クインスシードエキス                   0.1
カルボキシビニルポリマー                 0.2
フェノキシエタノール                   適量
精製水                          余

処方例3(乳液)                  (質 %)
ジメチルポリシロキサン                 3
デカメチルシクロペンタシロキサン             4
エタノール                       5
グリセリン                       6
1,3-ブチレングリコール               5
ポリオキシエチレンメチルグルコシド           3
ヒマワリ油                       1
スクワラン                       2
水酸化カリウム                     0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム               0.05
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン        0.1
グリチルリチン酸ジカリウム               0.05
ビワ葉エキス                       0.1
L-グルタミン酸ナトリウム               0.05
ウイキョウエキス                     0.1
酵母エキス                       0.1
ラベンダー油                       0.1
ベニバナエキス                     0.1
ジオウエキス                       0.1
ジモルホリノピリダジノン                 0.1
キサンタンガム                     0.1
カルボキシビニルポリマー                 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体         0.1
(ペミュレンTR-1) 
ベンガラ                         適量
黄酸化鉄                         適量
パラベン                         適量
精製水                          余

これら処方例の皮膚外用剤はいずれも、加 齢した皮膚に適用して優れたしわ改善効果を もたらすことができる。