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Patent Searching and Data


Title:
FILTER AND METHOD OF FILTRATION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028163
Kind Code:
A1
Abstract:
A filter with which a raw water can be treated at a high flow rate in a short time and bacteria can be removed from the raw water to a high level by a physical treatment only. Also provided is a method of filtration. The filter comprises a spring filter (2) and, disposed upstream therefrom, a first precoat layer (A) constituted of a layer of a filter aid (41) and a second precoat layer (B) constituted of a layer of a filter aid (42). A raw water is caused to flow from the side of the second precoat layer (B) and filtered. This filter is characterized in that the filter aid (41) has a particle size distribution mainly constituted of coarse particles which aggregate at the gaps between the spring loops due to flows in water passing and part of which form bridges covering the gaps, while the filter aid (42) has a particle size distribution mainly constituted of fine particles which are smaller than the filter aid (41) and which themselves cannot form bridges over the gaps. The filter is further characterized in that the size of the gaps between the loops of the spring filter (2) and the size of the particles of the second precoat layer (B) are governed by the first precoat layer (A), which is held by the spring filter (2) due to the bridge phenomenon.

Inventors:
SHINODA TAKESHI (JP)
MONONOBE SAKIYORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002286
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV KYUSHU NAT UNIV CORP (JP)
SHINODA TAKESHI (JP)
MONONOBE SAKIYORI (JP)
International Classes:
B01D29/48; B01D37/02; B63B13/00
Foreign References:
JPS5660400A1981-05-25
JPS5290871A1977-07-30
JP2002336613A2002-11-26
JP2008018349A2008-01-31
JP2006102283A2006-04-20
JPS5290871A1977-07-30
JPH0338117U1991-04-12
Other References:
See also references of EP 2184096A4
Attorney, Agent or Firm:
HAYASHI, Yasushi (Chisan Bldg. Tenjin5-25-15, Watanabedori, Chuo-ku,Fukuoka-sh, Fukuoka 04, JP)
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Claims:
 開口を通して原水を濾過する濾材と、前記濾材の上流側に第1濾過助剤が積層された第1濾層と、前記第1濾層の上流側に第2濾過助剤が積層された第2濾層とを備え、前記第2濾層の側から前記濾材に原水を流して濾過を行う濾過装置において、
 前記第1濾過助剤が、前記開口の代表寸法より小さい代表粒径を有すると共に、通水時の流れで前記開口に粒子が凝集して複数個がこの開口を覆って架橋する粗い粒子主体の粒度分布を備えている一方、
 前記第2濾過助剤が、前記第1濾過助剤より小さく自身では前記開口に架橋できない細かな粒子主体の粒度分布を備え、
 前記濾材の開口と前記第2濾層の粒子のサイズ調整が、架橋現象によって前記濾材に保持される第1濾層によって行われることを特徴とする濾過装置。
 前記濾材が代表寸法dの開口を備えているとき、前記第1濾過助剤が開口の形状に応じて定まる(0.12~0.25)×d近傍の代表粒径を有していることを特徴とする請求項1記載の濾過装置。
 前記第2濾層の上流側に前記第2濾過助剤より大きな粒径の第3濾過助剤が積層された第3濾層が設けられ、この第3濾層により前記第2濾層の濾過過程における圧力損失の増加が抑制されることを特徴とする請求項1又は2記載の濾過装置。
 前記開口の代表寸法dが90μm以上の大きさをもつことを特徴とする請求項2記載の濾過装置。
 前記開口がスリットの場合に、前記第1濾過助剤の代表粒径がこのスリットの間隙を代表寸法dとして(0.20~0.25)×d近傍の粒径を有していることを特徴とする請求項2記載の濾過装置。
 前記第2濾層の上流側にボディフィード濾過助剤が積層されたボディフィード層を備え、このボディフィード層により装置全体の圧力損失の増加が抑制されることを特徴とする請求項1記載の濾過装置。
 前記第3濾層の上流側、若しくは順に濾過助剤の粒子が大きくなる濾層が前記第3濾層に更に積層されるときにはこの最も上流側の濾層の上流にボディフィード濾過助剤からなるボディフィード層が積層され、このボディフィード層により装置全体の圧力損失の増加が抑制されることを特徴とする請求項3記載の濾過装置。
 前記濾材がコイル体を備えたスプリングフィルタであって、前記開口が前記コイル体を巻回したコイル体間の間隙であり、プリコートのために前記第1~第3濾過助剤の何れかの濾過助剤,更に積層される濾過助剤をそれぞれ供給することができるプリコート助剤供給系路と、原水に前記ボディフィード濾過助剤を供給するボディフィード助剤供給系路とを備えたことを特徴とする請求項7記載の濾過装置。
 前記間隙が60μm~120μmで、前記第1濾過助剤が代表粒径20μm~40μm近傍の珪藻土、前記第2濾過助剤が代表粒径10μm近傍の珪藻土、前記第3濾過助剤が代表粒径20μm~40μm近傍の珪藻土、前記ボディフィード濾過助剤が代表粒径20μm近傍の珪藻土であることを特徴とする請求項8記載の濾過装置。
 前記原水が異物のほか微生物を含む水であって、前記第2濾層では主として細菌類を濾過し、前記第3濾層は主として5μm~10μmクラスの大きさの植物プランクトン及び10μm~50μmクラスの大きさの動物プランクトンに由来する濾滓形成を抑え、前記ボディフィード層では主として5μm~10μmクラスの大きさの植物プランクトンと10μm~50μmクラスの大きさの動物プランクトンに由来する濾滓形成を抑えることを特徴とする請求項7記載の濾過装置。
 船体に設置されると共に、海水又は淡水を汲み上げるための給水路と、バラストタンクに接続される処理水路とを備え、この海水又は淡水を濾過してバラスト水を供給することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載された濾過装置。
 開口が形成された濾材の上流側に第1濾過助剤からなる第1濾層を積層し、前記第1濾層の上流側に第2濾過助剤からなる第2濾層を積層して、前記第2濾層の側から前記濾材に原水を流して濾過を行う濾過方法であって、
 前記第1濾層を積層するときには、前記開口の代表寸法より小さい代表粒径を有すると共に、通水時の流れにより前記開口へ粒子を凝集させ、複数個でこの開口を覆って架橋する粗い粒子主体の粒度分布をもつ第1濾過助剤を選択する一方、前記第2濾層を積層するときには、前記第1濾過助剤より小さく自身では前記開口に架橋できない細かな粒子主体の粒度分布をもつ第2濾過助剤を選択し、前記第1濾過助剤の架橋現象によって前記濾材に前記第1濾層を保持し、前記濾材の開口と前記第2濾層の粒子のサイズ調整を前記第1濾層によって行うことを特徴とする濾過方法。
 前記第1濾層を積層するときに、前記濾材が代表寸法dの開口を備えている場合、この開口の形状に応じて定まる(0.12~0.25)×d近傍の代表粒径をもつ第1濾過助剤を選択することを特徴とする請求項12記載の濾過方法。
 前記開口の代表寸法dが90μm以上の大きさをもつことを特徴とすることを特徴とする請求項13記載の濾過方法。
 前記開口がスリットの場合に、このスリットの間隙を代表寸法dとして、前記第1濾過助剤が(0.20~0.25)×d近傍の代表粒径を有していることを特徴とする請求項14記載の濾過方法。
 前記第2濾層の上に1層又は2層以上の濾層を順に積層すると共に、このとき積層する濾過助剤の粒径を既に積層されている最も上流側の濾層の粒径と同一又はより大きい粒径にすることを特徴とする請求項12記載の濾過方法。
 原水の濾過時に、この原水にボディフィード濾過助剤を混合して前記第2濾層に供給し、この供給により前記第2濾層の更に上流にボディフィード層を形成して、濾層における圧力損失の増加を抑制することを特徴とする請求項12記載の濾過方法。
 原水の濾過時に、この原水に動物性プランクトンと同等な大きさの粒径のボディフィード濾過助剤を混合して最も上流側の濾層に供給し、この供給により前記濾層の更に上流にボディフィード層を形成して、濾層における圧力損失の増加を抑制することを特徴とする請求項16記載の濾過方法。
 
Description:
濾過装置及び濾過方法

 本発明は化学薬品など使わずに除菌でき 濾過装置と濾過方法にかかり、とくに船舶 バラスト水等を国際環境基準に適合するレ ルにまで除菌できる濾過装置と濾過方法に する。

 従来、船舶は船底のタンクにポンプ等で み上げた海水をバラスト水として積載して 行し、目的地に着くと貨物の積み下ろしの 間内にこのバラスト水を外部に排出してい 。これは、貨物を載せていない船舶や、貨 の積載量が少ない船舶は喫水線が下がり、 ランスが保てなくなるためである。そして この汲み上げ、排出に必要以上の時間がか ると輸送コストの上昇につながるため、こ を貨物の積み下ろしの時間内に収めるべく 通常数百トン/時~数千トン/時といった高速 汲み上げ、排出が行われている。

 ところで、バラスト水を取水する海域と 出する海域は通常異なる。海水を取水する 域によっては有害なプランクトンや細菌が 入するおそれがあり、これを目的地の沿岸 港湾内で排出することになれば、この有害 プランクトンや細菌が人為的に取水海域か 排出海域に運ばれたことになる。場合によ ては、排出された海域でこれらが異常繁殖 て生態系を破壊し、貝毒や赤潮の原因とな 、海洋汚染を引き起こし、漁業に深刻な打 を与えたりもする。実際にそのような事例 幾つか報告されている。さらには、公衆衛 に被害を及ぼすことすらある。

 このように有害なプランクトンや細菌が 舶の移動に伴って運搬されるのを防止する め、2004年2月、国際海事機関(IMO;International  Maritime Organization)において、船舶のバラスト 及び沈殿物の規制及び管理のための国際条 が採択された。この条約においてはD2バラ ト水排出基準と言われるバラスト水に対す 厳しい排出基準が設けられ、排出できるの 、50μm超のプランクトン数は1トンのバラス 水中に10個体/トン、10μm-50μmのプランクトン 数は10個体/1ml、大腸菌類は250cfu(colony forming  unit)/100ml未満にそれぞれ規制がかけられた。 ってこの排出基準によれば、50μm超の大き プランクトンから1μ前後の小さな細菌に至 微生物を同時にかつほとんどを取り除き、 かも膨大なバラスト水を短時間に処理しな ればならない。

 現在、オーストラリアや米国と言った国 ではこの厳しい排出基準が先行して運用さ ている。これらの国に向かう多くの船舶に いては、この排出基準を満たすために港湾 の沿岸でバラスト水の交換を行っている。 なわち、寄港する前に沿岸で積載してきた ラスト水を外洋のきれいな問題のない海水 交換している(リバラスト法)。

 しかし、バラスト水の交換を行うときに 船体のバランス保持が問題となり、交換の 順の誤りから転覆事故を誘発することもあ 、交換に際しての安全確保が問題となって る。そして、バラスト水の交換だけではこ 問題は本質的には片付かない。基準自体も り厳しくなる方向へ向かっており、オース ラリアや米国と言った国々ではさらに厳し 規準の設定が検討されている。

 現在報告されている開発中のバラスト水 理装置は、G9という化学的手法による基準 基づいて、塩素等の化学薬品による薬品処 や、オゾンによるプランクトン、細菌の殺 、殺菌を行うもの(化学処理法)が中心であり 、D2バラスト水排出基準をクリアするには化 処理によるしかない、と言うのが実情であ 。なお、本明細書において、除菌とは目的 レベルにまでプランクトン、細菌などの微 物を取り除くことを意味する。

 上述したようにバラスト水の取水、排水 積み降ろしの際に行われるため、もしG9基 に従ってバラスト水を殺菌すると、化学薬 で処理されたバラスト水が港湾に大量に排 され、化学薬品が港湾内の生物に大きな影 を与え、生態系を破壊する可能性がある。 のため、物理的処理による除菌あるいは殺 を行い、装置に関するG8基準に準拠した方法 に期待が集まっている。

 ところで、物理的処理の代表である濾過 は、主として、ストレーナー等の濾材でこ に形成された空隙(開口)よりも大きな固形 粒子を捕えるストレン濾過現象によるもの 、ケークや砂などが立体的に重なったとき 成される空隙で固形分粒子を捕える深層濾 現象によるものと、濾過の進行と共に成長 るケークの表面で大きな固形分粒子を分離 て清澄な液だけをケーク内に流して濾過す ケーク濾過現象を利用するものがある。

 1μ前後の小さな細菌までを濾過して清澄 水にするには、濾材の目が小さくなくては らない。それゆえ短時間で目詰まりする。 のときの濾過には、上述のケーク濾過現象 どを利用することなどが考えられるが、圧 損失(流体抵抗)が直ぐに高くなり、数百ト /時あるいは数千トン/時という流速で流され るバラスト水を除菌するのは困難である。こ のためどうしても上述した化学薬剤による処 理か、熱処理あるいは電気処理せざるを得な かった。

 例えば、バラスト水を60℃程度以上で熱 理すれば、大腸菌等の生存に不適当な環境 することができる(熱処理法)。この具体的な 方法として、タンクにエンジン冷却用熱水を 注入したり、熱交換器をバラスト水配管系の 途中に配設したりする方法などが考えられる 。しかし、これらの方法で殺菌が確実に行え るとまではいえないし、また、エネルギー効 率もよくない。すなわち、殺菌するには膨大 な熱量、費用を必要とする。さらに、熱温水 を積載することによる貨物へ影響があり、ま た、熱温水の排出による海洋生物への影響も 懸念される。

 熱殺菌以外にも、オゾンまたはオゾンと 気の混合による殺菌(オゾン法)、高電圧パ スなどによって電気的に微生物を破壊する 菌、紫外線や光触媒による殺菌(紫外線法)、 電気化学法など、他の方法が提案されている が、何れも実用面で満足できる提案はない。

 そして、以上の方法を組み合わせた複合 な方法として、濾材に濾過助剤をプリコー して行う濾過と熱処理または電気処理によ 殺菌とを組み合わせた方法も提案されてい (例えば、特許文献1参照)。濾材の表面では 過助剤が薄膜状になっており、この層に濾 中の微生物が集中するため、その集中した 所に熱エネルギー、電気エネルギーを与え 効果的に殺菌するものである。しかし、こ も大量のバラスト水を処理するのは困難で コスト的にも実用性があるとは言い難い。

 なお、濾材には、100μm以下の懸濁物を濾 可能な精密濾過を目的とするものと、それ 越えるサイズの濾過を行う一般濾過を目的 するものがある。焼結フィルタなどは精密 過に使われ、スプリングフィルタは一般濾 に使われる。スプリングフィルタの方が圧 損失を比較的低くできる。また、濾材に濾 助剤でプリコートすると、ケーク濾過現象 利用した濾過が可能になる。このような濾 装置として、濾材上に、プリコート剤を粒 の小さいものから粒径の大きいものに順次 層した濾過フィルタが知られている(特許文 献3参照)。

 さて、スプリングフィルタのコイルには 螺旋状をなしたコイルの側面に突起が所定 隔で設けられ、コイルの間隙を一定値にす ように構成されている(例えば、特許文献2 照)。しかし、小さな細菌を除菌するにはこ 間隙を相当に狭くせざるを得ず、このとき 体抵抗が大きくなるのは避けられない。コ ルの間隙を広げると濾過助剤の方が小さく り、流れに乗って間隙から流失してしまう

特開2006-102283号公報

特開昭52-90871号公報

実開平3-38117号公報

 以上説明したように、D2バラスト水排出 準レベルにバラスト水を処理するためには 現在のところG9に基づいた薬品処理でこの基 準をクリアするしかない。しかし、これは沿 岸の海洋生物に大きな影響を与え、生態系を 破壊する可能性がある。これに対し、物理的 に除菌すればこのような影響は回避できるが 、今のところ実用性ある濾過装置と濾過方法 は提案されていない。

 特許文献1の濾過装置と濾過方法は、プリ コート層の中に微生物が集中して存在するこ とを利用して熱エネルギー、電気エネルギー を効率的に与える。しかし、この濾過装置と 濾過方法はプリコートによって目詰まりを起 し易く、大量のバラスト水を処理するのは難 しい。また電気や熱エネルギーを供給しなけ ればならない構成を考えると、装備は複雑で 、コスト的な面からみても、実用性があると は言い難い。

 この点、特許文献2のようなスプリングフ ィルタはコスト的に実用性がある。しかし、 スプリングフィルタを使った場合、100μmを越 えるプランクトンのような微粒子の粗い濾過 は可能であるが、D2基準を達成するような濾 は難しい。1μ前後の小さな細菌を取り除こ とすると、圧力損失が高くなり、毎時数百 ン、数千トンといった流量を処理するのは 実上無理である。だからといって、スプリ グフィルタの間隙を広げると除菌は不可能 ある。

 そこで、特許文献3のようにスプリングフ ィルタにプリコートして小さな細菌まで濾し 取ることも考えられるが、この場合も大量の 水を処理できない。もし、大量の水を流すた めに単純に間隙を広げると、細かな濾過助剤 がスプリングフィルタの目(間隙)から流失し スプリングフィルタ上に保持できず、継続 た濾過が行えない。このようにスプリング ィルタによる濾過と大量で高速なバラスト の処理は互いに矛盾する関係を有している

 今のところ、実用性があり、生態系など 境を破壊せず、物理的処理によってバラス 水をD2バラスト水排出基準レベルにまで適 させることができる濾過装置及び濾過方法 存在しない。そして、これは原水(被処理水) がバラスト水の場合だけではない。排出に厳 しい基準があり、大量に短時間で処理が必要 な被処理水であれば、これと同様のことが言 える。

 そこで本発明は、短時間に大流量を処理 ることができ、物理的処理のみによって原 を高レベルに除菌できる濾過装置及び濾過 法を提供することを目的とする。

 本発明の濾過装置は、開口を通して原水 濾過する濾材と、濾材の上流側に第1濾過助 剤が積層された第1濾層と、第1濾層の上流側 第2濾過助剤が積層された第2濾層とを備え 第2濾層の側から濾材に原水を流して濾過を う濾過装置において、第1濾過助剤が、開口 の代表寸法より小さい代表粒径を有すると共 に、通水時の流れで開口に粒子が凝集して複 数個がこの開口を覆って架橋する粗い粒子主 体の粒度分布を備えている一方、第2濾過助 が、第1濾過助剤より小さく自身では開口に 橋できない細かな粒子主体の粒度分布を備 、濾材の開口と第2濾層の粒子のサイズ調整 が、架橋現象によって濾材に保持される第1 層によって行われることを主要な特徴とす 。

 また、本発明の濾過方法は、開口が形成 れた濾材の上流側に第1濾過助剤からなる第 1濾層を積層し、第1濾層の上流側に第2濾過助 剤からなる第2濾層を積層して、第2濾層の側 ら濾材に原水を流して濾過を行う濾過方法 あって、第1濾層を積層するときには、開口 の代表寸法より小さい代表粒径を有すると共 に、通水時の流れにより開口へ粒子を凝集さ せ、複数個でこの開口を覆って架橋する粗い 粒子主体の粒度分布をもつ第1濾過助剤を選 する一方、第2濾層を積層するときには、第1 濾過助剤より小さく自身では開口に架橋でき ない細かな粒子主体の粒度分布をもつ第2濾 助剤を選択し、第1濾過助剤の架橋現象によ て濾材に第1濾層を保持し、濾材の開口と第 2濾層の粒子のサイズ調整を第1濾層によって うことを主要な特徴とする。

 本発明の濾過装置及び濾過方法によれば 物理的処理のみにより大量の原水を99%程度 高レベルに除菌することができ、また同時 、大量の原水を短時間に濾過することを可 にし、D2バラスト水排出基準を満たす濾過 置を実現することができる。精密な濾過と まり防止を両立させることができる。逆洗 るための期間を従来の10倍程度に延ばし、長 時間の連続運転を可能にする。さらに、プリ コートする濾過助剤の粒径は、流失防止の観 点から小粒径にするには限界があると思われ ていたが、この従来の限界を越えて小粒径に することができる。逆洗自体も容易で、使用 した濾過助剤は再利用することができ、他方 式と比べてコスト的にきわめて安価であり、 設備も信頼性と実用性があり、簡単、コンパ クトにできる。

本発明の実施の形態1における濾過装置 の説明図 (a)本発明の実施の形態1における濾過装 置のスプリングフィルタの要部拡大図、(b)本 発明の実施の形態1における濾過装置のスプ ングフィルタの分解図 本発明の実施の形態1における濾過装置 の濾過状態の説明図 (a)無限長のスリットを有する場合の架 の様子の説明図、(b)方形オリフィスの場合 架橋の様子の説明図、(c)円形オリフィスの 合の架橋の様子の説明図 走査型電子顕微鏡で画像解析した焼成 藻土の粒度分布の説明図 焼成珪藻土の粒度分布の説明図 本発明の実施の形態1における濾過装置 の除菌効果を示す第1の実験結果の説明図 (a)比較例の除菌効果を示す実験結果の 明図、(b)本発明の実施の形態1における濾過 装置の除菌効果を示す第2の実験結果の説明 本発明の実施の形態1における濾過方法 の工程図

符号の説明

 1 濾過タンク
 1a  原水室
 1b  処理水室
 2  スプリングフィルタ
 3  コイルスプリング
 3a  突起
 3b  貫通開口
 4a  キャップ部材
 4b  固定部材
 4c  係止具
 5  芯材
 5a  係止溝
 5b  切り込み
 6  仕切り板
 10  原水タンク
 11  プリコートタンク
 12  処理水タンク
 13  逆洗水タンク
 14  ボディフィードタンク
 15  汚泥タンク
 16,17,18  ポンプ
 19  ブロア
 20  三方弁
 21  ガスバルブ
 22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33  弁
 34,35,36,37  逆止弁
 41,42,43  濾過助剤
 44  ボディフィード濾過助剤
 46  微粒子

 本発明の第1の形態は、開口を通して原水 を濾過する濾材と、濾材の上流側に第1濾過 剤が積層された第1濾層と、第1濾層の上流側 に第2濾過助剤が積層された第2濾層とを備え 第2濾層の側から濾材に原水を流して濾過を 行う濾過装置において、第1濾過助剤が、開 の代表寸法より小さい代表粒径を有すると に、通水時の流れで開口に粒子が凝集して 数個がこの開口を覆って架橋する粗い粒子 体の粒度分布を備えている一方、第2濾過助 が、第1濾過助剤より小さく自身では開口に 架橋できない細かな粒子主体の粒度分布を備 え、濾材の開口と第2濾層の粒子のサイズ調 が、架橋現象によって濾材に保持される第1 層によって行われることを特徴とする濾過 置である。

 この構成によって、濾材の開口に第1濾過 助剤のブリッジが形成され、自分自身では開 口に架橋できない細かな第2濾過助剤を濾材 に保持することができる。第2濾過助剤と濾 のサイズ調整(目調整)を第1濾過助剤によっ 行うので、物理的処理のみによって大量の 水を高レベルに除菌することができ、また 時に、大量の原水を短時間に濾過すること 可能にする。精密な濾過と詰まり防止を両 させることができる。流失防止に対する第1 濾過助剤の粒径の限界を取り払うことができ る。逆洗自体も容易で、使用した濾過助剤は 再利用することができ、コスト的に安価であ り、設備も信頼性と実用性があり、簡単、コ ンパクトにできる。

 本発明の第2の形態は、第1の形態に従属 る形態であって、濾材が代表寸法dの開口を えているとき、第1濾過助剤が開口の形状に 応じて定まる(0.12~0.25)×d近傍の代表粒径を有 ていることを特徴とする濾過装置である。

 この構成によって、第1濾過助剤が濾材の 開口の形状に応じて定まる(0.12~0.25)×d近傍の 表粒径を有しているため、濾材の開口に合 せて第1濾過助剤のブリッジを形成すること ができ、自分自身では開口に架橋できない細 かな第2濾過助剤を濾材上に保持することが きる。第2濾過助剤と濾材の目調整が第1濾過 助剤によって行われるので、物理的処理のみ によって大量の原水を高レベルに除菌するこ とができ、また同時に、大量の原水を短時間 に濾過することを可能にする。流失防止に対 する第1濾過助剤の粒径の限界を取り払うこ ができる。第1濾過助剤自身も濾過に寄与す 。

 本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態 従属する形態であって、第2濾層の上流側に 第2濾過助剤より大きな粒径の第3濾過助剤が 層された第3濾層が設けられ、この第3濾層 より第2濾層の濾過過程における圧力損失の 加が抑制されることを特徴とする濾過装置 ある。

 この構成によって、第3濾層の第3濾過助 は細かな第2濾過助剤からなる第2濾層が目詰 まりしないように原水から大きな固形分粒子 、例えばプランクトン等を濾過し、全体とし ての圧力損失の増加を抑制し、濾過機能の低 下を防ぐことができる。

 本発明の第4の形態は、第2の形態に従属 る形態であって、開口の代表寸法dが90μm以 の大きさをもつことを特徴とする濾過装置 ある。

 この構成によって、圧力損失の増加を抑 、また必要以上に濾材の目を広すぎたとき 生じる濾過機能の低下を防ぐことができる 物理処理のみにより大量の原水を99%程度の レベルに除菌することができ、また同時に 大量の原水を短時間に濾過することを可能 し、D2バラスト水排出基準を満たす濾過装 を実現することができる。逆洗するための 間を従来の10倍に延ばし、長時間の連続運転 を可能にする。

 本発明の第5の形態は、第2の形態に従属 る形態であって、開口がスリットの場合に 第1濾過助剤の代表粒径がこのスリットの間 を代表寸法dとして(0.20~0.25)×d近傍の粒径を していることを特徴とする濾過装置である

 この構成によって、第1濾過助剤が濾材の スリットの形状に応じて定まる(0.20~0.25)×d近 の代表粒径を有しているため、スプリング ィルタなどの濾材の開口に合わせて第1濾過 助剤のブリッジを形成することができ、自分 自身では開口に架橋できない細かな第2濾過 剤を濾材上に保持することができる。第2濾 助剤と濾材の目調整が第1濾過助剤によって 行われるので、物理的処理のみによって大量 の原水を高レベルに除菌することができ、ま た同時に、大量の原水を短時間に濾過するこ とを可能にする。流失防止に対する第1濾過 剤の粒径の限界を取り払うことができる。 1濾過助剤自身も濾過に寄与する。

 本発明の第6の形態は、第1の形態に従属 る形態であって、第2濾層の上流側にボディ ィード濾過助剤が積層されたボディフィー 層を備え、このボディフィード層により装 全体の圧力損失の増加が抑制されることを 徴とする濾過装置である。

 この構成によって、第2濾層の上流側に濾 滓が形成されて目詰まりを起し、大量の原水 の短時間濾過が行えなくなるのを防止し、長 時間の連続運転を可能にする。

 本発明の第7の形態は、第3の形態に従属 る形態であって、第3濾層の上流側、若しく 順に濾過助剤の粒子が大きくなる濾層が第3 濾層に更に積層されるときにはこの最も上流 側の濾層の上流にボディフィード濾過助剤か らなるボディフィード層が積層され、このボ ディフィード層により装置全体の圧力損失の 増加が抑制されることを特徴とする濾過装置 である。

 この構成によって、第3濾層の上流側に更 に多くの濾層を積層し、濾層での目詰まりの 可能性をさらに分散することができ、長時間 の連続運転を可能にすることができる。

 本発明の第8の形態は、第7の形態に従属 る形態であって、濾材がコイル体を備えた プリングフィルタであって、開口がコイル を巻回したコイル体間の間隙であり、プリ ートのために第1~第3濾過助剤の何れかの濾 助剤,更に積層される濾過助剤をそれぞれ供 することができるプリコート助剤供給系路 、原水にボディフィード濾過助剤を供給す ボディフィード助剤供給系路とを備えたこ を特徴とする濾過装置である。

 この構成によって、スプリングフィルタ プリコート助剤供給系路、ボディフィード 剤供給系路を使って物理的処理のみにより 量の原水を99%程度の高レベルに除菌するこ ができ、また同時に、大量の原水を短時間 濾過することを可能にすることができる。 洗するための期間を従来の10倍に延ばし、 時間の連続運転を可能にする。流失防止に する第1濾過助剤の粒径の限界を取り払うこ ができる。逆洗自体も容易で、使用した濾 助剤は再利用することができ、他方式と比 てコスト的にきわめて安価であり、設備も 頼性と実用性があり、簡単、コンパクトに きる。

 本発明の第9の形態は、第8の形態に従属 る形態であって、間隙が60μm~120μmで、第1濾 助剤が代表粒径20μm~40μm近傍の珪藻土、第2 過助剤が代表粒径10μm近傍の珪藻土、第3濾 助剤が代表粒径20μm~40μm近傍の珪藻土、ボ ィフィード濾過助剤が代表粒径20μm近傍の珪 藻土であることを特徴とする濾過装置である 。

 この構成によって、コスト的にきわめて 価で、確実に大量の原水を99%程度の高レベ に除菌することができ、同時に、大量の原 を短時間に濾過することができる。

 本発明の第10の形態は、第7の形態に従属 る形態であって、原水が異物のほか微生物 含む水であって、第2濾層では主として細菌 類を濾過し、第3濾層は主として5μm~10μmクラ の大きさの植物プランクトン及び10μm~50μm ラスの大きさの動物プランクトンに由来す 濾滓形成を抑え、ボディフィード層では主 して5μm~10μmクラスの大きさの植物プランク ンと10μm~50μmクラスの大きさの動物プラン トンに由来する濾滓形成を抑えることを特 とする濾過装置である。

 この構成によって、原水が異物のほか微 物を含む水であっても、第2濾層では主とし て細菌類を濾過し、第3濾層では第2濾層にプ ンクトンが直接付着するのを保護する。す わち主として5μm~10μmクラスの大きさの植物 プランクトン及び10μm~50μmクラスの大きさの 物プランクトンに由来する濾滓形成を抑え 細かな第2濾層の粒子層にプランクトンが付 着して圧力が上昇して流量低下するのを防止 する。ボディフィード層では第3濾層におけ 主として10μm~50μmクラスの大きさのプランク トンに由来する濾滓形成を抑えることができ 、長時間の連続運転を可能にする。逆洗自体 も容易で、使用した濾過助剤は再利用するこ とができ、他方式と比べてコスト的にきわめ て安価であり、設備も信頼性と実用性があり 、簡単、コンパクトにできる。

 本発明の第11の形態は、第1乃至第10の何 かの形態に従属する形態であって、船体に 置されると共に、海水又は淡水を汲み上げ ための給水路と、バラストタンクに接続さ る処理水路とを備え、この海水又は淡水を 過してバラスト水を供給することを特徴と る濾過装置である。

 この構成によって、物理的処理のみによ 大量の原水を99%程度の高レベルに除菌する とができ、また同時に、大量の原水を短時 に濾過することを可能にし、D2バラスト水 出基準を満たす濾過装置を物理的方法で実 することができる。他方式と比べてコスト にきわめて安価であり、設備も信頼性と実 性があり、簡単、コンパクトにできる。

 本発明の第12の形態は、開口が形成され 濾材の上流側に第1濾過助剤からなる第1濾層 を積層し、第1濾層の上流側に第2濾過助剤か なる第2濾層を積層して、第2濾層の側から 材に原水を流して濾過を行う濾過方法であ て、第1濾層を積層するときには、前記開口 代表寸法より小さい代表粒径を有すると共 、通水時の流れにより開口へ粒子を凝集さ 、複数個でこの開口を覆って架橋する粗い 子主体の粒度分布をもつ第1濾過助剤を選択 する一方、第2濾層を積層するときには、第1 過助剤より小さく自身では開口に架橋でき い細かな粒子主体の粒度分布をもつ第2濾過 助剤を選択し、第1濾過助剤の架橋現象によ て濾材に第1濾層を保持し、濾材の開口と第2 濾層の粒子のサイズ調整を第1濾層によって うことを特徴とする濾過方法である。

 この構成によって、濾材の開口に第1濾過 助剤のブリッジが形成され、自分自身では開 口に架橋できない細かな第2濾過助剤を濾材 に保持することができる。第2濾過助剤と濾 の目調整を第1濾過助剤で行うので、物理的 処理のみによって大量の原水を高レベルに除 菌することができ、また同時に、大量の原水 を短時間に濾過することを可能にする。精密 な濾過と詰まり防止を両立させることができ る。流失防止に対する第1濾過助剤の粒径の 界を取り払うことができる。逆洗自体も容 で、使用した濾過助剤は再利用することが き、コスト的に安価であり、設備も信頼性 実用性があり、簡単、コンパクトにできる

 本発明の第13の形態は、第12の形態に従属 する形態であって、第1濾層を積層するとき 、濾材が代表寸法dの開口を備えている場合 この開口の形状に応じて定まる(0.12~0.25)×d 傍の代表粒径をもつ第1濾過助剤を選択する とを特徴とする濾過方法である。

 この構成によって、第1濾過助剤が濾材の 開口の形状に応じて定まる(0.12~0.25)×d近傍の 表粒径を有しているため、濾材の開口に合 せて第1濾過助剤のブリッジを形成すること ができ、自分自身では開口に架橋できない細 かな第2濾過助剤を濾材上に保持することが きる。第2濾過助剤と濾材の目調整が第1濾過 助剤によって行われるので、物理的処理のみ によって大量の原水を高レベルに除菌するこ とができ、また同時に、大量の原水を短時間 に濾過することを可能にする。流失防止に対 する第1濾過助剤の粒径の限界を取り払うこ ができる。第1濾過助剤自身も濾過に寄与す 。

 本発明の第14の形態は、第13の形態に従属 する形態であって、開口の代表寸法dが90μm以 上の大きさをもつことを特徴とすることを特 徴とする濾過方法である。

 この構成によって、濾材の目、及びこの きさから定まる第1濾過助剤が小さくなり過 ぎることなく、圧力損失の増加を抑え、また 必要以上に濾材の目を広すぎたときに生じる 濾過機能の低下を防ぐことができる。物理処 理のみにより大量の原水を99%程度の高レベル に除菌することができ、また同時に、大量の 原水を短時間に濾過することを可能にし、D2 ラスト水排出基準を満たす濾過装置を実現 ることができる。逆洗するための期間を従 の10倍に延ばし、長時間の連続運転を可能 する。

 本発明の第15の形態は、第14の形態に従属 する形態であって、開口がスリットの場合に 、このスリットの間隙を代表寸法dとして、 1濾過助剤が(0.20~0.25)×d近傍の代表粒径を有 ていることを特徴とする濾過方法である。

 この構成によって、第1濾過助剤が濾材の スリットの形状に応じて定まる(0.20~0.25)×d近 の代表粒径を有しているため、スプリング ィルタなどの濾材の開口に合わせて第1濾過 助剤のブリッジを形成することができ、自分 自身では開口に架橋できない細かな第2濾過 剤を濾材上に保持することができる。第2濾 助剤と濾材の目調整が第1濾過助剤で行われ るので、物理的処理のみによって大量の原水 を高レベルに除菌することができ、また同時 に、大量の原水を短時間に濾過することを可 能にする。流失防止に対する第1濾過助剤の 径の限界を取り払うことができる。第1濾過 剤自身も濾過に寄与する。

 本発明の第16の形態は、第12の形態に従属 する形態であって、第2濾層の上に1層又は2層 以上の濾層を順に積層すると共に、このとき 積層する濾過助剤の粒径を既に積層されてい る最も上流側の濾層の粒径と同一又はより大 きい粒径にすることを特徴とする濾過方法で ある。

 この構成によって、第2濾層の上流側に更 に1層又は2層以上の濾層を積層し、濾層での 詰まりの可能性をさらに分散することがで 、長時間の連続運転を可能にすることがで る。

 本発明の第17の形態は、第12の形態に従属 する形態であって、原水の濾過時に、この原 水にボディフィード濾過助剤を混合して第2 層に供給し、この供給により第2濾層の更に 流にボディフィード層を形成して、濾層に ける圧力損失の増加を抑制することを特徴 する濾過方法である。

 この構成によって、第2濾層の上流側に濾 滓が形成されて目詰まりを起し、大量の原水 の短時間濾過が行えなくなるのを防止し、長 時間の連続運転を可能にする。

 本発明の第18の形態は、第16の形態に従属 する形態であって、原水の濾過時に、この原 水に動物性プランクトンと同等な大きさの粒 径のボディフィード濾過助剤を混合して最も 上流側の濾層に供給し、この供給により濾層 の更に上流にボディフィード層を形成して、 濾層における圧力損失の増加を抑制すること を特徴とする濾過方法である。

 この構成によって、第3濾層における主と して5μm~10μmクラスの大きさの植物プランク ンと10μm~50μmクラスの大きさの動物性プラン クトンに由来する濾滓形成を抑えることがで き、長時間の連続運転を可能にする。逆洗自 体も容易で、使用した濾過助剤は再利用する ことができ、他方式と比べてコスト的にきわ めて安価であり、設備も信頼性と実用性があ り、簡単、コンパクトにできる。

 (実施の形態1)
 以下、本発明の実施の形態1における濾過装 置と濾過方法について説明をする。本発明の 実施の形態1の被処理水はバラスト水である 図1は本発明の実施の形態1における濾過装置 の説明図、図2(a)は本発明の実施の形態1にお る濾過装置のスプリングフィルタの要部拡 図、図2(b)は本発明の実施の形態1における 過装置のスプリングフィルタの分解図、図3 本発明の実施の形態1における濾過装置の濾 過状態の説明図、図4(a)は無限長のスリット 有する場合の架橋の様子の説明図、図4(b)は 形オリフィスの場合の架橋の様子の説明図 図4(c)は円形オリフィスの場合の架橋の様子 の説明図、図5は走査型電子顕微鏡で画像解 した焼成珪藻土の粒度分布の説明図、図6は 成珪藻土の粒度分布の説明図、図7は本発明 の実施の形態1における濾過装置の除菌効果 示す第1の実験結果の説明図、図8(a)は比較例 の除菌効果を示す実験結果の説明図、図8(b) 発明の実施の形態1における濾過装置の除菌 果を示す第2の実験結果の説明図、図9は本 明の実施の形態1における濾過方法の工程図 ある。

 図1、図2(a)(b)に示すように、濾過タンク1 原水(以下、被処理水ともいう)が流入する 、この被処理水を内部に複数本配設された プリングフィルタ2で濾過し、濾過された処 水を吐出する。各スプリングフィルタ2には 多層のプリフィルタ層が表面に形成される。 各スプリングフィルタ2は次の構成から形成 れている。

 すなわち、スプリングフィルタ2は図2(a) ように断面が略円形の線材を螺旋状に巻回 たコイルスプリング3から構成され、コイル プリング3の長手方向、所定間隔ごとに高さ 60μm~120μm程度の突起3aが形成されている。こ 突起3aによって、コイルスプリング3は密巻 されたときコイルの軸方向に1巻の間隔(1ピ チ)が60μm~120μm程度の、好適には90μm~120μm程 度の濾過機能を有する間隙(スリット)を形成 る。この間隙に原水を流すことによって濾 が可能になる。この間隙はコイルスプリン 2の両端が閉止されるためきわめて細長い開 口になる。なお、この間隙は40μm以下では圧 損失が大きくなるすぎるため、少なくとも4 0μmより広い間隙にするのが適当である。し し、必要以上に広すぎる間隙はプリコート る濾過助剤の粒子も大きくせざるを得ず、 体としての濾過機能が低下するので、でき ば90μm以上で、90μm~120μm程度にするのがよい 。

 次に、図2(a)(b)に示すコイルスプリング3 上端に設けられる固定部材4bには、スプリン グフィルタ2で濾過された処理水を吐出する めの貫通開口3bが形成されている。この固定 部材4bは仕切り板6にコイルスプリング3を取 付け、スプリングフィルタ2として構成する めの部材であって、図2(b)に示すように中央 に通水用の貫通開口3bが形成されたボルト状 部材である。固定部材4bの外周には雄ネジ 刻設されており、この雄ネジが仕切り板6に 成された雌ネジと螺合することによって、 プリングフィルタ2の仕切り板6への取り付 を行う。

 固定部材4bの貫通開口3bには、板状で略π 状の係止具4cの脚部分が固定部材4bのネジ側 から内面に密着して挿入され、その頭部分が 貫通開口3bを横断して架橋し、両側の張り出 た部分と脚部分で仕切り板6に係止される。 この係止具4cの上端に、長尺の板で構成され 芯材5の係止溝5aが引っ掛けられ、係止具4c 頭部分がこの係止溝5a内の所定位置に係合さ れる。これにより、係止具4cと芯材5は上方か らみたとき板が互いに十字状に交差した状態 で組み合わされて、仕切り板6に取り付けら る。なお、この係止溝5aは芯材5の上端近く 配設されL字状の溝として形成される。

 このように芯材5が固定部材4bに支持され と、芯材5は係止具4cに吊り下げられたよう 状態となるから、この周囲にコイルスプリ グ3を下側(上流側)から挿通する。芯材5の下 端部にはT字状の切り込み5bが形成されており 、次に締結具5cの頭部をこの切り込み5b内に 入する。なお、この締結具5cはボルトと2個 ナットから構成される。切り込み5bに挿入し た締結具5cのボルトの螺合部をキャップ部材4 の挿通孔から突出させ、キャップ部材4aを押 み、これをナットで締め付けると、コイル プリング3をキャップ部材4aと固定部材4bで 持したスプリングフィルタ2が組み上がる。 お、締結具5cはダブルナットで固定するの 緩みがなく、水密に締め付けることができ 水漏れなど起さない。

 仕切り板6は、図1のように濾過タンク1の 部を2分して上方に処理水室1b、下方に原水 1aを形成する。仕切り板6にはスプリングフ ルタ2の数だけ図2(b)に示すような雌ネジが 成された挿入孔が設けられ、この挿入孔内 各スプリングフィルタ2の固定部材4bの雄ネ を螺合して水密に装着することができる。 れにより、貫通開口3bだけが処理水室1bと原 室1aとを連通する部位となる。固定部材4bを 仕切り板6に螺合し係止具4cを介して芯材5を 持するから、スプリングフィルタ2の組み立 が容易で、確実に固定でき、水密性を確保 ることができる。

 次に、図1に基づいて濾過装置の全体構成 を説明する。実施の形態1の濾過装置は、船 に設置され、海水あるいは淡水を汲み上げ ための給水路と、バラストタンクに接続さ る処理水路とを備えたものであり、バラス 水を汲み上げたり、排出したりするとき海 又は淡水を濾過する。原水は給水路に設け れた原水タンク10に一旦貯めたり、船体のシ ーチェストから直接取水することで、ポンプ 17によって弁29、逆止弁35経由で濾過タンク1 送水される。濾過処理/除菌処理時には、濾 タンク1で濾過、除菌された処理水は三方弁 20を介して処理水タンク12に送水されて収容 れる。

 濾過装置のスプリングフィルタ2の表面に は、図3に示すように多層のプリコート層、 なわち実施の形態1では3層をなす第1プリコ ト層A、第2プリコート層B、第3プリコート層C が形成される。また、濾過装置全体の圧力損 失抑え、各層での目詰まりを防ぐためにボデ ィフィード濾過助剤44が原水に混合されて供 され、第3プリコート層Cの上にボディフィ ド層が形成される。

 各プリコート層は、プリコート用の濾過 剤41,42,43の粉末を清水(あるいは処理水、原 )に混入したプリコート用の濾過助剤の懸濁 液をそれぞれスプリングフィルタ2に順に供 することで形成される。各助剤懸濁液はプ コートタンク11で濾過助剤41,42,43の順に調製 れ、ポンプ16によって第1プリコート層A、第 2プリコート層B、第3プリコート層Cの順でプ コートタンク11から0.01MPa~0.03MPa程度で圧送さ れ、スプリングフィルタ2の表面をプリコー する。なお、各濾過助剤41,42,43をそれぞれ別 のタンクで調製して供給するのでもよい。第 1プリコート層A、第2プリコート層B、第3プリ ート層Cをそれぞれ独自の系路にすることも できる。

 ボディフィード層Dは、原水に混入される ボディフィード濾過助剤44がプリコート層状 新たに堆積する濾材となって、動物プラン トンや植物プランクトン、細かなゴミ等の 粒子46を捕捉し、水道(みずみち)が閉塞する のを防ぐものであり、これにより圧力損失の 増加が抑えられる。ボディフィード濾過助剤 44は動物プランクトン等を除去できるような 較的大きな粒子径の助剤を使用するのがよ 、予め、ボディフィードタンク14内の清水 るいは原水、処理水に混合して調製してお 。調製後はボディフィード濾過助剤44が沈殿 しないように撹拌を続けながら原水に混入し て使用する。

 ボディフィード層Dは、原水を濾過する時 に、ポンプ17の作用で濾過助剤の懸濁液がボ ィフィードタンク14から弁31、逆止弁36を経 0.2MPa~1MPa程度で圧送され、送水中の原水に 合されて、プリコート層の表面を覆って堆 する。堆積しながら同時に動物プランクト 、植物プランクトン等の微粒子46を図3に示 ように捕捉する。動物プランクトンは目詰 りすると粘度の高い濾滓となるため、従来 ら対策が難しいとされているが、ボディフ ードすることによってこれを解消できる。 ディフィードによって濾滓が分散するので 3プリコート層Cの表面にケーク濾過現象で濾 滓が集中的に形成されることはない。

 なお、以上説明した実施の形態1では第3 リコート層Cを設けているが、第2プリコート 層Bの上に直接ボディフィード層Dを形成する とも、また、第3プリコート層Cの上に更に 過助剤の粒子が大きくなる別のプリコート を順に積層することもできる。そして、こ 別のプリコート層を更に形成する場合は最 流のプリコート層の上流にボディフィード を積層する。このボディフィード層により 上流のプリコート層における圧力損失の増 (濾滓の集中的な生成)を抑え、さらに濾過装 置全体、言い換えれば多層のプリコート層全 体で圧力損失が高くなるのを抑えることがで きる。

 ところで、原水からプランクトンだけを り除くような場合もある。この場合は第1プ リコート層Aの上に、実施の形態1の第2濾層と してボディフィード層Dを形成すればよい。 過助剤42の層が形成されていないため除菌ま でするのは難しいが、プランクトン等を除去 することはできる。ここで、第1濾層となる 1プリコート層Aは濾過助剤間の目調整を行う ために必要な層であり、第2濾層との目調整 ために設置される。この目調整については で詳述する。

 さて、第1プリコート層Aの濾過助剤41は、 後述する理由からコイルスプリング3の間隙 濾過助剤41自身で保持が可能な特異な粒径の 粒子になっている。濾過助剤41には焼成珪藻 などを使うのが好適である。また、第2プリ コート層Bの濾過助剤42は1μm前後の細菌類を り除くためのもので、これも焼成珪藻土な を使うのが好適である。第3プリコート層Cの 濾過助剤43も焼成珪藻土などが好適である。 として5μm~10μmクラスの大きさの植物プラン クトンと10μm~50μmクラスの大きさの動物プラ クトンを濾過する。そして、ボディフィー 濾過助剤44も焼成珪藻土とするのがよい。

 珪藻土は、数万年乃至数千万年の太古の 球上に繁茂した珪藻と呼ばれる藻類(植物プ ランクトン)が化石となったものである。こ を焼いた焼成珪藻土の各粒子は0.1μm~1.0μmの 数の細孔を備えており、焼成珪藻土を濾過 剤としたときには、動物プランクトン、植 プランクトンが粒子間に捕えられ、大腸菌 どの細菌類は粒子間だけでなく、この無数 細孔に取り込まれるものと推測される。

 ここで濾過助剤41,42,43、ボディフィード 過助剤44の各粒径に求められる特性について 簡単に説明する。第1プリコート層Aの濾過助 41はコイルスプリング3の間隙との関係が重 で、通水時の流れでコイルスプリング3の間 隙に粒子が凝集して、この間隙中に複数個で 連なることが可能な特定の粗い粒子主体の粒 度分布を備えていなければならない。これに 対し、第2プリコート層Bの濾過助剤42は1μm前 の細菌を濾過するために、濾過助剤41より さく、自身だけではコイルスプリング3の間 に架橋できない細かな粒度分布を有するも である。また、第3プリコート層Cの濾過助 43は濾過助剤42の粒径分布より代表粒径が大 いものが採用される。更に多くのプリコー 層を積層するときには、代表粒径が濾過助 43より徐々に大きくなるようなサイズの粒 を採用する。そして、ボディフィード濾過 剤44は原水がプリコート層に流入する前に予 備的にプランクトン、ゴミ等を取り除く粒径 の粒度分布を有している必要があり、これら の大きさに応じた粒径の濾過助剤を選んで、 ボディフィードする。

 続いて、図1に基づいて実施の形態1の濾 装置の各流路について説明する。清水系と 26、プリコートタンク11、弁27、ポンプ16、弁 28、逆止弁34を接続する流路がプリコート助 供給系路であり、清水系と弁25、ボディフィ ードタンク14、弁31、逆止弁36を接続する流路 がボディフィード供給系路である。ボディフ ィード供給系路はポンプ17を駆動することに って原水に濾過助剤の懸濁液を供給する。 施の形態1においては、ボディフィード供給 系路をプリコート助剤供給系路と別構成にし ているが、ボディフィード供給系路の構成と プリコート助剤供給系路を共用することもで きる。

 また、上記した清水系とつながる流路に えて、プリコート助剤供給系路を三方弁20 弁22、プリコートタンク11、弁27、ポンプ16、 弁28、逆止弁34からなる処理水を供給する流 で構成するのでも、また、ボディフィード 給系路を三方弁20、弁24、ボディフィードタ ク14、弁31、逆止弁36からなる処理水を供給 る流路で構成するのでもよい。そして、さ にこのような清水や処理水の流路に代えて 原水をプリコートタンク11に導き、弁27、ポ ンプ16、弁28、逆止弁34からなる流路でプリコ ートのための濾過助剤の懸濁液を原水室1aに 給することも、また、原水を一部ボディフ ードタンク14に導き、ボディフィードのた の濾過助剤の懸濁液を弁31、逆止弁36からな 流路で原水に混合することもできる。

 次に、逆洗水供給系路について説明する 逆洗水タンク13は逆洗するときの逆洗水を 容するものである。逆洗時にはポンプ18によ り弁30、逆止弁36を介して処理水室1b側から原 水室1a側に逆洗水が送水される。第1プリコー ト層A側から逆洗水が多層のプリコート層に れ込み、第2プリコート層B、第3プリコート C、ボディフィード層Dの濾滓を洗い流す。逆 洗後の逆洗水は、弁32を通って汚泥として汚 タンク15に収容される。そして、濾過装置 はブロア19が設けられており、ガスバルブ21 逆止弁37経由で逆洗時に空気を濾過タンク1 原水室1a内に供給することもできる。ブロ 19によって送られた空気は原水室1aの下方か 噴出されて無数の気泡になって上昇し、泡 浮力によってコイルスプリング3の内面に付 着している珪藻土と濾滓を内面から剥がし、 剥落させる。なお、逆洗水供給系路も、三方 弁20、弁23からの処理水を逆洗水として供給 る流路を採用することができるし、原水を 洗水タンク13に導く流路を設け、これを逆洗 水として供給する流路にすることもできる。 さらに、使用した濾過助剤は再利用すること ができる。

 さて、実施の形態1の濾過装置と濾過方法 において、本発明の特徴的な構成について説 明する。細菌まで濾過するには非常に目の細 かい濾材で濾過する必要がある。しかし、こ れではこの濾材を使って大量の原水を短時間 に濾過することはできない。短時間で目詰ま りし、連続的な運転は困難である。

 また、濾材として比較的目の大きなスプ ングフィルタ2を採用した場合、精密な濾過 をするためにはこれに濾過助剤をプリコート することが必要であり、この大きな目にプリ コートする濾過助剤の粒径はスプリングフィ ルタ2の目に比例して大きくしなければなら い。このため、濾過助剤を小粒径にするに 圧力損失の増加を抑える必要から事実上限 があるように考えられていた。

 すなわち、細菌まで濾過するには細かい 径であることが必要であるが、細かい濾過 剤はスプリングフィルタ2の間隙から流失し 、プリコート層として保持できないのである 。これを避けるためスプリングフィルタ2の を小さくして狭い間隙にすると、圧力損失 高く、数千トン/時といった大量の原水を短 間に濾過することができなくなる。こうし 矛盾する課題を同時に解決するのは困難で り、これがバラスト水などを物理的に除菌 る濾過装置が存在しない理由の1つであった 。

 しかし、実施の形態1においては以下の手 段でこの矛盾を解決した。すなわち、濾過助 剤と濾材の目(濾過機能を有する開口、すな ち間隙、細孔、メッシュ、スリット等)が不 合で前者が小さすぎ、後者に保持できない うな場合に、両者のサイズを調整する目調 手段を介在させるという手段を講じた。そ て、この目調整手段として濾過助剤を利用 る。いわば目調整の機能を濾過のための濾 助剤の機能から分離させたことになる。

 すなわち、スプリングフィルタ2の間隙を 広くすると共に、この間隙を複数個連なって 自身でブリッジを形成するような大きさの濾 過助剤41をプリコートする。そして、除菌を 底して行うため、第2プリコート層Bの濾過 剤42を所定の細かい粒径の助剤とする。さら にこの第2プリコート層Bに積層される第3プリ コート層Cを第2プリコート層Bが目詰まりしな いような粒径の濾過助剤43とする。

 図3のスプリングフィルタ2に直接細かい 過助剤42を積層しようとすると、その間隙が 広すぎ、濾過助剤42は流れに乗って流失する しかし、所定の粒径の濾過助剤41をプリコ トした場合は、複数個の濾過助剤41がアーチ 状に連なってこの濾材の目にブリッジを架け 、自分自身で自分の層と上層を支え、積層状 態を保持できるようになる。

 濾材が図4(a)に示すように平板であって、 ここにスリットが開けられているような場合 (スリットの間隔をdとする)、濾過助剤41の代 粒径をaとすると、濾過助剤41の粒径に対し a/d=0.25近傍の値以上の値を与えると、通水 の流れに乗って濾過助剤41がスリットで凝集 し、凝集の中で複数個、4個程度の粒子が自 に連なって力を及ぼし合い、このスリット 架橋し、アーチ状のブリッジを形成する。 お、a/d>1となるような場合は、a/dが1の近 の値をもつ場合だと濾材の目を塞ぎ易く、 たa/dがこの1の近傍の値より大きくなると粒 間の間隙も大きくなって、小さな濾過助剤4 2を濾層として保持できず流失させてしまう これは目調整を行うプリコート層としては 当でない。従って、少なくともa/dが1の近傍 り小さいこと(a/d<1)が好ましい。そして、 濾過助剤42をできるだけ小径にして除菌作用 向上させるには、これを保持する濾過助剤4 1はできるだけ粒径が小さい方がよく、a/d<1 の中でも濾過助剤41は代表粒径がa/d=0.25の近 値となるような濾過助剤とするのが好適で る。

 逆にa/d=0.25の近傍値より小さい値を与え と、このブリッジは形成されない。濾過助 41は流れに乗って流失する。a/d=0.25近傍の代 粒径を与えた場合、4個、5個程度で濾過助 41はこのスリットに架橋する。そして、a/d=0. 25を越える代表粒径の濾過助剤41の場合は、 っと少ない個数で架橋する。

 ここで、近傍値というのは、a/dがおおむ ±0.02程度で変動する範囲である。濾過助剤 不均一な形状と、同一の傾向はもつものの 少し個体差のある粒度分布を有している。 のため、あるパラメータ(ここではa/d)の範 、値が所定の作用効果を奏する中核となる 囲、値であっても、その作用効果を奏する 囲、値は濾過助剤の個体差に基づいて変動 る。a/dが好適となる範囲の下限の限界値も おむね±0.02程度で変動し、この範囲の近く ほぼ均等な作用効果を示す近傍領域が出現 る。これは以下説明する他の濾材と濾過助 等においてもすべて同様である。

 これをブリッジ形成の場合で説明すると a/d=0.25が作用効果を奏する下限の限界値で あるが、濾過助剤の形状が不均一で必ずし 一定しない粒度分布をもつため、代表粒径a 2μm程度変動する。このような場合にもブリ ッジが形成されるようなことが起こる。スリ ットの間隔dは大体100μm程度であるため、言 換えると±0.02程度でa/dの下限値に変動が生 る。従って、多くの場合はa/d=0.25程度を閾値 とすればよいが、濾過助剤によってはa/d=(0.25 -0.02)~(0.25+0.02)の中の1つの値が下限値となる 合もある。このように本明細書で近傍値と うときは、ある値、ある範囲の傍でこの値 範囲とほぼ均等な作用効果を示す幅のある を意味する。

 スプリングフィルタ2のスリットを使った 場合、図3に示すように断面が円形のコイル あるため、平板とはやや異なって、a/d=0.2近 の値以上の値を与えた場合でもアーチ状の リッジを形成する。a/d=0.2の近傍より小さい とブリッジは形成されない。この場合もa/d> ;1となるような場合は適当ではない。濾過助 42を保持する濾過助剤41はできるだけ粒径が 小さい方がよく、下限値のa/d=0.2の近傍値と るような濾過助剤を採用するのがよい。

 このスプリングフィルタ2の場合は5個程 で間隙に架橋する。しかし、濾過助剤41のブ リッジを形成可能な個数が減って(粒径が大 くなる)a/dが1の近傍だと、濾材の目を塞ぎ易 くなり、この場合圧力損失が高くなって、短 時間で目詰まりし、連続的な運転が難しくな る。またa/dがこの1の近傍から大きくなると 子間の間隙も大きくなって、目詰まりは少 くなる。しかし、目調整は難しくなる。

 従って、濾材の目が平板のスリットの場 には濾過助剤に対してa/d=0.25近傍の代表粒 を与えるのがよい。また、スリットがスプ ングフィルタ(コイルの円形断面)の間隙の場 合は、a/d=0.2近傍の代表粒径を与えるのが好 である。そして、スリットにも、濾材が平 に近いものからコイルの断面形状のものま 様々あるが、少なくとも濾過助剤の代表粒 aをa/d=0.20~0.25近傍の粒径とすることでブリッ ジが形成可能になる。このような粒径を選択 することにより、ブリッジを形成すると共に 、除菌に優れた小粒径の濾過助剤を保持でき 、圧力損失を抑え、短時間で目詰まりせず、 連続運転が可能になる。

 なお、第1プリコート層Aと第2プリコート Bが接触している部分では、濾過助剤41の互 の間隙や凹凸の中に小さな濾過助剤42が入 込み、両者が混じった状態が形成される。 の混在のため、濾過助剤42の目と濾過助剤41 目のサイズが一挙に変化するのではなく、 の混じり合った範囲で徐々に濾材の目が変 し、急激な流体抵抗の変化で形成される濾 を防止して、目詰まりを遅らせる。

 さて、図4(a)は以上説明した濾材が無限長 のスリットを有する場合の架橋の様子を示し ている。これに対し、図4(b)は濾材が有限長 四辺からなる方形オリフィスを有する場合 架橋の様子を示している。この場合、a/d=0.15 近傍より大きい代表粒径をもてば図4(b)に示 ようにブリッジが形成される。6、7個程度の 粒子でドーム状のブリッジが形成される。こ の場合も、a/d>1となるような場合は好適で ない。a/d=0.15の近傍値より小さい値を与え と、ブリッジは形成されない。濾過助剤は れに乗って流失する。濾過助剤のブリッジ 形成可能な個数が減って(粒径が大きくなる) a/dが1の近傍の値になると、濾材の目を塞ぎ く、この場合圧力損失が高くなって、短時 で目詰まりし、連続的な運転が難しくなる またa/dがこの1の近傍より大きくなると、目 まりは少なくなるが、目調整が困難になる そしてこの濾過助剤は粒径が小さい方が除 に優れた小さな濾過助剤を保持できる。従 て、濾材の目が方形オリフィスの場合には 濾過助剤に対してa/d=0.15近傍の代表粒径を えるのが好適である。

 同様に、図4(c)に示すように円形オリフィ スの場合、a/d=0.14近傍より大きい代表粒径を てばドーム状のブリッジが形成される。6、 7個程度の粒子でドーム状のブリッジが形成 れる。この場合も、a/d>1となるような場合 は目調整には不適当な粒径となる。a/d=0.14の 傍値より小さい値だと、ブリッジは形成さ ない。濾過助剤は流れに乗って流失する。 過助剤のブリッジを形成する個数は少なく るが、a/dが1の近傍値になると、圧力損失が 上がり、短時間で目詰まりし、連続的な運転 ができなくなる。1の近傍より大きくなる場 は目調整が不適当になる。そしてこの濾過 剤は粒径が小さい方が小さな除菌用の濾過 剤を保持できる。従って、濾材の目が円形 リフィスの場合には、濾過助剤に対してa/d=0 .14近傍の代表粒径を与えるのが好適である。

 上述したように、珪藻土からなる濾過助 の粒径分布には最大の度数を示す最頻値の ラツキとして2μm程度の変動がある。そして 、最頻値付近の分布にも特徴があり、中央か ら大体±2μm程度の範囲で横並びの値を有し( 5の「645」「600H」参照)、最大度数付近が扁 に広がる分布を示す傾向がある。このためa/ d=0.12近傍以上であれば濾過助剤によっては十 分に架橋できる。

 そして、濾材の目の形状が楕円や矩形に ったりして、スリットとオリフィスの中間 な形状の場合や、様々な形状の濾材の目が せ集まっている場合などにおいては、この 状がスリットに近い形状の場合はa/d=0.25に づき、円形オリフィスに近い形状の場合はa/ d=0.12に近づき、スリットに近い目の形状の数 が多ければa/d=0.25に近づき、円形オリフィス 近い形状の数が多ければa/d=0.12に近づく。 らに濾材がスプリングフィルタのように丸 断面の場合は、a/d=0.2に近い値がブリッジ形 の可否の閾値になる。以上のことから、濾 助剤の粒径のパラメータa/dは濾材の目(濾過 機能を有する開口、すなわち間隙、細孔、メ ッシュ、スリット等)の形状に応じてa/d=(0.12~0 .25)の中から選ぶことができる。

 さて、実施の形態1のスプリングフィルタ 2は、40μmよりも大きい間隙を有している。圧 力損失とのバランスを考えながら除菌機能を 向上させるためには、できれば60μm~120μm、好 適には90μm~120μmの間隙がよい。従って、第1 リコート層Aの濾過助剤41は18μm~24μm程度であ ればよい。間隙が100μmのスプリングフィルタ 2の場合は20μm近傍の代表粒径を選び、90μmの プリングフィルタ2の場合は18μm程度の代表 径を選べばよい。ただ、90μmの場合に、18μm よりやや大きめの20μmの代表粒径をもつ焼成 藻土を用いて確実に架橋するのもよい。両 の圧力損失に差はなく、ブリッジの形成が り確実になる。

 第2プリコート層Bの濾過助剤42は除菌する ために代表粒径10μm近傍の珪藻土とし、第3プ リコート層Cの濾過助剤43は代表粒径が20μm~40 m近傍の珪藻土にするのがよい。第3プリコー ト層Cでは主として第2プリコート層Bにプラン クトンが直接付着して濾滓形成することによ る目詰まりを防ぎ、5μm~10μmクラスの大きさ 植物プランクトン及び10μm~50μmクラスの大き さの動物プランクトンを濾過し、これに由来 する濾滓形成を抑える。細かな第2プリコー 層Bの濾過助剤42の粒子層にプランクトンが 着して圧力が上昇し流量低下するのを防止 る。さらに、ボディフィード濾過助剤は代 粒径20μm近傍の珪藻土とするのがよい。ボデ ィフィード層は5μmを越える大きさのプラン トン(5μm~10μmクラスの大きさの植物プランク トンと10μm~50μmクラスの大きさの動物プラン トン)と異物を濾過するものであり、これら プランクトンに由来する濾滓形成を抑え、プ リコート層全体の圧力損失を低下させる。

 このように実施の形態1においては、目調 整を行う第1プリコート層Aを設け、これによ てスプリングフィルタ2の間隙を広くし、あ わせて第2プリコート層Bで1μm前後の細菌まで 濾過できるようにしている。この目調整を行 う第1層プリコート層Aは主として粗い粒径の 径分布の濾過助剤41からなり、これに積層 れる第2層プリコート層Bは除菌作用を有する 主として細かい粒径の粒径分布の濾過助剤42 ら構成する。さらに第3プリコート層Cは第2 が濾過過程で目詰まりしないようにするた の層であり、この上にこれらのプリコート 全体が目詰まりしないようにボディフィー 層Dが形成される。

 これら複数のプリコート層、ボディフィ ド層、スプリングフィルタの連携によって 除菌と大量、短時間の濾過を可能にする。 洗を実施する期間は従来の10倍程度に延び 長時間の連続運転を可能にする。また、濾 助剤の粒径は流失防止の観点から小粒径に るには限界があると思われていたが、この 来の限界を越えて小粒径にすることができ 。物理的な濾過だけで、99%程度の除菌を達 でき、D2バラスト水排出基準を達成すること が可能であり、逆洗自体も容易で、使用した 濾過助剤は再利用することができ、他方式と 比べてコスト的にきわめて安価であり、設備 も簡単、コンパクトにでき、バラスト水の処 理を行うのに最適な濾過装置を実現できる。

 (実施例)
 実施の形態1においては、その具体的な作用 効果を測定するため、濾過助剤41,43、ボディ ィード濾過助剤44として焼成珪藻土(シリカ6 00H/シリカ645;中央シリカ株式会社製)を用い、 濾過助剤42として焼成珪藻土(シリカ100F;中央 リカ株式会社製)を用いてバラスト水の濾過 実験を行った。スプリングフィルタ2の間隙 90μmである。

 図5は走査型電子顕微鏡で画像解析した焼 成珪藻土の粒度分布である。図6はこのとき 焼成珪藻土の累積頻度である。焼成珪藻土 粒径は画像から粒子の面積からこれを円に 算したときの面積円相当径(μm)で表している 。実験で使用した濾過助剤41,43、ボディフィ ド濾過助剤44(シリカ600H/シリカ645)の焼成珪 土の粒径は何れも20μm近傍に最大度数の最 値があり、20μmが代表粒径であることが分か る。また、実験で使用した濾過助剤42の焼成 藻土(シリカ100F)は10μm近傍に最頻値があり 10μmが代表粒径である。

 図6の焼成珪藻土の累積頻度によれば、濾 過助剤42の焼成珪藻土の場合、98%近い粒子が 径30μmより小さい粒子であり、濾過助剤41,43 、ボディフィード濾過助剤44の場合、98%近い 子が粒径50μmより小さい粒子であることが かる。図5,6が示すように、焼成珪藻土の濾 助剤粒子は粒径が正規分布をもつような分 ではなく、最大粒径より大きい粒径の粒子 比較的幅広く含む分布を有している。珪藻 を焼結した場合、珪藻土表面が溶融して固 ったような焼結体となるが、この溶融物の 寡、粒子形状は焼結により変動する。この 融が不均一な粒径となる原因の1つであり、 5,6のような粒度分布になる原因の1つと考え られる。しかし、この焼成珪藻土の粒径は大 部分が代表粒径の2~3倍の範囲内に存在してお り、焼結する条件などで多少の差があるが、 焼成珪藻土の粒度分布はおおむね図5のよう 傾向の分布になるものが多い。

 図7はこの除菌効果を示す実験結果を示す 。図7によれば、長時間の連続運転(逆洗を行 までの時間が従来の約10倍となった)を可能 するだけでなく、99.5%まで除去可能である とを示す。A-2(0.21Mpa)等の表記において、A-1 原水Aのサンプルであることを示し、A-2,A-3, ・・等の番号2,3等はサンプルA-1に対する各 験の名称として付したものであり、括弧内 濾過タンク1内の圧力を示している。原水室1 a内における仕切り板6に近い側の圧力である 実験で用いた細菌数は一般細菌を培養して ウントしlog表示したものである。図7の実験 の場合、0.2MPa以上の圧力をかけて通水するこ とで細菌類が十分に除菌できていることが分 かる。なお、圧力はとくに高圧を加える必要 はなく、比較的低い圧力でも十分除菌効果が 得られる。そして、これは上記国際条約のD2 準、50μm超のプランクトン数は1トンのバラ ト水中に10個体/トン、10μm-50μmのプランク ン数は10個体/1ml、大腸菌類250cfu(colony forming unit)/100ml未満、という基準をこの濾過装置だ けでクリアできることを実証するものである 。

 図8(a)(b)は原水BのサンプルB-1に対して、 実施例と比較例による濾過をそれぞれ実験 て比較したものである。比較例としては、20 μmの代表粒径の焼成珪藻土(シリカ600H)をスプ リングフィルタに施して濾過したものである 。処理水を24時間培養して一般細菌の菌数の 査を行った。これに対し、実施例は、20μm 代表粒径の濾過助剤41,43、ボディフィード濾 過助剤44として焼成珪藻土(シリカ600H)を使い 濾過助剤42として焼成珪藻土(シリカ100F)を 用して濾過したものである。図7同様、濾過 圧力は括弧内に記載されている。スプリン フィルタ2の間隙は90μmである。24時間培養 て同じ検査を行った。これによれば、比較 の焼成珪藻土の場合、0.038MPa,0.066MPaの何れの 場合も除菌数は2.0logCFU/ml程度にすぎず、除菌 率も50%から57%であるが、実施例の場合は0.060M Paで除菌数は1.9logCFU/ml程度になり、除菌率は9 9%にまでなっているのが分かる。なお、ここ 除菌率99%と言うのは、上記のサンプル、検 環境、条件においてこの結果が得られたと うことであって、サンプル、検査環境、条 が変われば増減する余地を残すものである こうしたことを考慮し、本実施の形態1の濾 過装置を使用すれば除菌率99%程度を実現でき ると言い直すことができる。

 このように実施の形態1の濾過装置におい ては、プリコート層を複数層設け、さらにボ ディフィード層を形成するだけで、除菌率99% 程度を実現できる。逆洗を行うまでの時間を 従来の約10倍に延ばすことができ、長時間の 続運転ができるようになった。

 続いて、実施の形態1における濾過方法に ついて説明する。図9に示すように、濾過運 をする前に、スプリングフィルタ2の外周を リコート処理する。このプリコート処理は 弁26、27,28を開放し、清水系に接続する。清 水系について説明するが、処理水、原水でも よい。

 この状態でポンプ16を駆動し、プリコー タンク11内に収納された粉末状の濾過助剤41 撹拌装置により清水と混ぜて濾過タンク1の 原水室1aに吐出し、第1プリコート層Aを形成 る。次に濾過助剤42に対して同じ手順で処理 を行い、これによって第2プリコート層Bを形 し、さらに濾過助剤43に対しても同じ手順 処理し、第3プリコート層Cを形成する。この 手順で多層のプリコート層を形成する(第1工 )。その後、三方弁17が切り換えられ、処理 室1bが処理水タンク12に接続される。

 次に、ボディフィードしながら濾過を行 ボディフィード処理/濾過処理を行う(第2工 )。ボディフィード処理/濾過処理は次のよ に行う。予め、ボディフィードタンク14内に 収納された原水にボディフィード濾過助剤44 混合し、ボディフィード用の懸濁液を調製 ておく。調製後は沈殿を起さないように撹 装置により継続して撹拌を行う。ボディフ ードするときには、この懸濁液をポンプ17 供給中の原水に混合し、原水室1aに吐出する 。これにより第1プリコート層A、第2プリコー ト層B、第3プリコート層Cの上にボディフィー ド層Dが形成される。なお、原水に代え処理 に混合するのでもよい。

 ボディフィード層Dは、原水に混入された 濾過助剤44が新たに堆積する濾材となってプ ンクトンなどを捕捉し、第3プリコート層C 面に濾滓が形成されるのを防止して水道(み みち)の閉塞を防ぐ。濾過装置全体の圧力損 失の増加を抑制することができるものである 。多層のプリコート層、ボディフィード層で 原水中のプランクトン、細菌類が除去され、 処理水が処理水タンク12に導かれる。

 その後、スプリングフィルタ2の外周で圧 力損失が高くなると、逆洗を行う(第3工程)。 このとき、清水系若しくは弁23を介して逆洗 タンク13に収容された逆洗水を濾過タンク1 弁30を開いてポンプ18で送り込み、弁32を開 て排水する。これにより、濾過装置で捕捉 れた濾滓が逆洗される。なお、ここで逆洗 として原水を利用することもできる。さら 弁18を開放し、ブロア19を駆動して、空気を 濾過タンク1内に供給する。

 ブロア19によって送られた空気は原水室1a の下方から無数の気泡として噴出され、泡の 浮力によってコイルスプリング3の内面に付 している第1プリコート層A、第2プリコート B、第3プリコート層C、ボディフィード層Dの 藻土と濾滓をコイルスプリング3の内面から 剥がし、これらの汚泥を汚泥タンク15に収容 る。なお、スプリングフィルタ2の間隙が60 mより小さいような場合には、圧縮空気を処 水室1bの方から噴出して、濾過タンク1内に っている水をコイルスプリング3の処理水室 1b側から原水室1a側に押し出すのもよい。

 続いて、再び第1工程に戻って、スプリン グフィルタ2の外周を再プリコート処理する 濾過助剤41で第1プリコート層Aを形成し、濾 助剤42に対して同じ手順で処理を行い、第2 リコート層Bを形成し、さらに濾過助剤43に しても同じ手順で処理し、第3プリコート層 Cを形成する。この一連の処理で再び多層の リコート層を形成し、ボディフィード処理/ 過処理を行えばよい。

 このように実施の形態1の濾過装置と濾過 方法によれば、化学薬品を使用せず、物理的 処理だけでバラスト水を高レベルに除菌する ことができ、装置に信頼性があり、実用的で あって、長時間連続運転が可能でコストパフ ォーマンスに優れたものとなる。

 複数のプリコート層、ボディフィード層 スプリングフィルタの連携によって、微小 細菌まで除菌すると同時に、大量の原水を 時間に濾過することを可能にし、逆洗を実 する期間は従来の10倍程度にまで延び、長 間の連続運転を可能にする。また、プリコ トするための濾過助剤の粒径は、流失防止 観点から小粒径にするには限界があると思 れていたが、この従来の限界を越えて小粒 にすることができる。

 物理的な濾過だけで、99%程度の除菌を達 でき、D2バラスト水排出基準を達成するこ が可能であり、長時間の連続運転が可能な かりでなく、逆洗自体も容易で、使用した 過助剤は再利用することができ、他方式と べてコスト的にきわめて安価であり、設備 簡単、コンパクトにできる。そして、この 過装置と濾過方法は、バラスト水の処理に られず、あらゆる被処理水から除菌と異物 取り除く濾過を行うことができる。

 本発明は、バラスト水等の生物を国際環 基準に適合するレベルに除菌できるような 過装置に適用できる。