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Title:
FLOW SPEED MEASURING DEVICE, ANTIGEN CONCENTRATION MEASURING DEVICE, FLOW CELL, FLOW SPEED MEASURING METHOD, AND ANTIGEN CONCENTRATION MEASURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090985
Kind Code:
A1
Abstract:
A flow speed measuring device comprises a light oscillating unit, a fixed metal thin film for causing surface plasmon resonance by applying light emitted from the light oscillating unit, a light focusing unit for converting the emitted light into light beams incident at incidence angles and focusing the light beams on focal-line positions arrayed in a line on the metal thin film, a measuring unit where immobilized antigen regions where an antigen is immobilized in the same positions as the focal-line positions and reference regions where the antigen is not immobilized are alternated on the metal film, a light-receiving unit for receiving the reflected lights at the respective incident angles of the incident light beams in the focal-line positions of the output lights produced by surface plasmon resonance caused in the focal-line positions, an SPR angle calculating unit for determining the variations with time of the SPR angles in the immobilized antigen region and the reference region, and a flow speed calculating unit for calculating the flow speed of the sample flowing through a flow cell from the determined variations with time of the SPR angles.

Inventors:
IWASAKI YUZURU (JP)
HORIUCHI TSUTOMU (JP)
SEYAMA MICHIKO (JP)
MIURA TORU (JP)
HAGA TSUNEYUKI (JP)
TAKAHASHI JUN-ICHI (JP)
HAYASHI TSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050433
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
IWASAKI YUZURU (JP)
HORIUCHI TSUTOMU (JP)
SEYAMA MICHIKO (JP)
MIURA TORU (JP)
HAGA TSUNEYUKI (JP)
TAKAHASHI JUN-ICHI (JP)
HAYASHI TSUYOSHI (JP)
International Classes:
G01F1/708; G01N21/27; G01N21/05; G01N21/41; G01P5/18
Domestic Patent References:
WO2007145180A12007-12-21
Foreign References:
JP2007248253A2007-09-27
JP2007192806A2007-08-02
JP2007240501A2007-09-20
JP2003232725A2003-08-22
JP2006266906A2006-10-05
JP2005512045A2005-04-28
JP2001194298A2001-07-19
JP3356213B22002-12-16
Other References:
YUZURU IWASAKIL, 2, 7; TATSUYA TOBITA3; KAZUYOSHI KURIHARA4; TSUTOMU HORIUCHI I; KOJI SUZUKI; OSAMU NIWA: "MEASUREMENT SCIENCE AND TECHNOLOGY", MEAS. SCI. TECHNOL., vol. 17, 2006, pages 3184 - 3188
See also references of EP 2237022A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 長尺状のフローセル内に、異なる抗体が検体の流れる方向に配列されており、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を測定する流速測定装置であって、
 光発振部と、
 当該光発振部からの出射光による表面プラズモン共鳴を起こすための金属薄膜と、
 当該金属薄膜を固定し、当該金属薄膜上に前記光発振部の出射光を、複数の入射角度の入射光に変換して直線状の焦線位置にて集光する集光部と、
 前記金属薄膜上に前記焦線位置に重なる位置に抗体を固定した抗体固定領域及び抗体を固定しないリファレンス領域を交互に配置した測定部と、
 前記焦線位置において生じた表面プラズモン共鳴による当該出射光の前記焦線位置における反射光を、複数の入射光の角度毎に受光する受光部と、
 前記測定部における前記抗体固定領域及び前記リファレンス領域毎のSPR角度の時間変化を求めるSPR角度算出部と、
 前記SPR角度算出部が求めたSPR角度の時間変化に基づいて、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を演算する流速演算部と、
 を有する流速測定装置。
 前記流速演算部は、
 前記抗体固定領域あるいは前記リファレンス領域のいずれか2点におけるSPR角度の時間変化を示す吸着曲線を、いずれか一方を他方に対して時間方向にずらす波形移動部と、
 前記2点のSPR角度の差分が最小となるずらし時間を測定する時間差検出部と、
 前記2点間の位置を前記ずらし時間にて除算することにより、前記フローセル内における検体の流速を算出する流速算出部と、
 を有する請求項1記載の流速測定装置。
 前記2点それぞれの吸着曲線を時間微分して微分曲線とする波形微分演算部をさらに有し、
 前記波形移動部が2点それぞれの前記微分曲線において、いずれか一方を他方に対して時間方向にずらし、前記時間差検出部が2点それぞれの微分曲線におけるSPR角度の差分が最小となるずらし時間を測定する請求項2記載の流速測定装置。
 SPR角度の差分データを時間微分する波形微分演算部をさらに有し、
 前記波形移動部が2点それぞれの前記吸着曲線において、いずれか一方を他方に対して時間方向にずらし、
 前記波形移動部が前記吸着曲線をずらす毎に、前記波形微分演算部が当該2点それぞれの吸着曲線の差分データを時間微分し、前記時間差検出部が2点それぞれの吸着曲線におけるSPR角度の時間微分した差分データが最小となるずらし時間を測定する請求項2記載の流速測定装置。
 前記流速演算部は、前記フローセル内を流れる前記検体の流速をハフ変換を用いて演算する請求項1記載の流速測定装置。
 前記金属薄膜上に、前記抗体と、前記検体に含まれる物質のうち前記抗体との反応が期待されるものと異なる物質と反応して屈折率が変化する検体検出物質とが固定されており、
 前記抗体における前記入射光の入射角と前記反射光の反射率との相関関係に基づいて反射率が最低となる入射角である共鳴角を求め、この共鳴角から前記抗体と前記検体検出物質との反応量を求める反応結果導出部と、
 前記検体検出物質における入射角と反射率との相関関係に基づいて共鳴角を求め、この共鳴角から前記検体検出物質および反応した検体に含まれる物質の屈折率を求める屈折率導出部と、
 前記屈折率導出部が求めた屈折率の変化速度から前記検体の流速の誤差量を求め、この流速の誤差量から前記反応結果導出部が求めた反応量の補正量を求めて、前記反応量を前記補正量に基づいて補正する反応結果補正部と、
 を更に有する請求項1記載の流速測定装置。
 前記画像処理部が求めた入射角と反射率との相関関係において前記共鳴角を求め、この共鳴角の変化から前記フローセル上に前記検体が流れ始めたことを検出したときに、測定開始信号を出力する測定開始信号出力部と、
 前記受光部に対して画像取得を指示する画像取得タイミング信号を繰り返し出力し、前記測定開始信号の出力時から一定時間の間は前記画像取得タイミング信号の周期を通常時よりも短くし、一定時間経過後は前記画像取得タイミング信号の周期を通常時の値に戻す画像取得周期制御部と、
 を更に有する請求項6記載の流速測定装置。
 前記屈折率の変化速度の理想値と、前記変化速度の誤差量と前記検体の流速の誤差量との関係と、前記流速の誤差量と前記補正量との関係が予め登録された記憶部を更に有し、
 前記反応結果補正部は、前記屈折率導出部が求めた屈折率の変化速度と前記記憶部に登録された前記変化速度の理想値との誤差量を求め、この変化速度の誤差量に対応する前記流速の誤差量を前記記憶部から取得し、この流速の誤差量に対応する前記補正量を前記記憶部から取得する請求項6又は7記載の流速測定装置。
 長尺状のフローセル内に、異なる抗体が検体の流れる方向に配列されており、前記検体に含まれる抗原の濃度を測定する抗原濃度測定装置であって、
 光発振部と、
 前記抗体と、前記検体に含まれる物質のうち前記抗体との反応が期待される抗原と異なる物質と反応して屈折率が変化する検体検出物質とが固定されており、前記光発振部からの出射光による表面プラズモン共鳴を起こすための金属薄膜と、
 当該金属薄膜を固定し、当該金属薄膜上に前記光発振部の出射光を、複数の入射角度の入射光に変換して直線状の焦線位置にて集光する集光部と、
 前記金属薄膜上に前記焦線位置に重なる位置に抗体を固定した抗体固定領域及び抗体を固定しないリファレンス領域を交互に配置した測定部と、
 前記焦線位置において生じた表面プラズモン共鳴による当該出射光の前記焦線位置における反射光を、複数の入射光の角度毎に受光する受光部と、
 前記測定部における前記抗体固定領域及び前記リファレンス領域毎のSPR角度の時間変化を求めるSPR角度算出部と、
 前記SPR角度算出部が求めたSPR角度の時間変化に基づいて、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を演算する流速演算部と、
 前記抗体における前記入射光の入射角と前記反射光の反射率との相関関係に基づいて反射率が最低となる入射角である共鳴角を求め、この共鳴角から前記抗体と前記検体検出物質との反応量を求める反応結果導出部と、
 前記検体検出物質における入射角と反射率との相関関係に基づいて共鳴角を求め、この共鳴角から前記検体検出物質および反応した検体に含まれる物質の屈折率を求める屈折率導出部と、
 前記屈折率導出部が求めた屈折率の変化速度から前記検体の流速の誤差量を求め、この流速の誤差量から前記反応結果導出部が求めた反応量の補正量を求めて、前記反応量を前記補正量に基づいて補正する反応結果補正部と、
 前記反応結果補正部が補正結果に基づいて、前記検体に含まれる抗原の濃度を算出する抗原濃度算出部と、
 を有する抗原濃度測定装置。
 金属薄膜上の一部に抗体が固定された表面プラズモン共鳴測定用フローセルにおいて、
 前記抗体と、フローセルに流れる検体に含まれる物質のうち前記抗体との反応が期待される抗原と異なる物質と反応して屈折率が変化する検体検出物質とが前記金属薄膜上に固定されているフローセル。
 光発振部と、当該光発振部からの出射光による表面プラズモン共鳴を起こすための金属薄膜と、当該金属薄膜を固定し、当該金属薄膜上に前記光発振部の出射光を、複数の入射角度の入射光に変換して直線状の焦線位置にて集光する集光部と、前記金属薄膜上に前記焦線位置に重なる位置に長尺状のフローセルが構成され、このフローセル内に抗体を固定した抗体固定領域及び抗体を固定しないリファレンス領域を交互に配置した測定部と、前記焦線位置において生じた表面プラズモン共鳴による当該出射光の前記焦線位置における反射光を、複数の入射光の角度毎に受光する受光部と、を有する流速測定装置により、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を測定する流速測定方法であって、
 前記測定部における前記抗体固定領域及び前記リファレンス領域毎のSPR角度の時間変化を求めるSPR角度算出過程と、
 前記SPR角度算出過程で求めたSPR角度の時間変化に基づいて、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を演算する流速演算過程と、
 を有する流速測定方法。
 光発振部と、前記抗体と、前記検体に含まれる物質のうち前記抗体との反応が期待される抗原と異なる物質と反応して屈折率が変化する検体検出物質とが固定されており、前記光発振部からの出射光による表面プラズモン共鳴を起こすための金属薄膜と、当該金属薄膜を固定し、当該金属薄膜上に前記光発振部の出射光を、複数の入射角度の入射光に変換して直線状の焦線位置にて集光する集光部と、前記金属薄膜上に前記焦線位置に重なる位置に長尺状のフローセルが構成され、このフローセル内に抗体を固定した抗体固定領域及び抗体を固定しないリファレンス領域を交互に配置した測定部と、前記焦線位置において生じた表面プラズモン共鳴による当該出射光の前記焦線位置における反射光を、複数の入射光の角度毎に受光する受光部と、を有する流速測定装置により、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を測定する流速測定方法であって、
 前記測定部における前記抗体固定領域及び前記リファレンス領域毎のSPR角度の時間変化を求めるSPR角度算出過程と、
 前記SPR角度算出過程で求めたSPR角度の時間変化に基づいて、前記フローセル内を流れる前記検体の流速を演算する流速演算過程と、
 前記抗体における前記入射光の入射角と前記反射光の反射率との相関関係に基づいて反射率が最低となる入射角である共鳴角を求め、この共鳴角から前記抗体と前記検体検出物質との反応量を求める反応結果導出過程と、
 前記検体検出物質における入射角と反射率との相関関係に基づいて共鳴角を求め、この共鳴角から前記検体検出物質および反応した検体に含まれる物質の屈折率を求める屈折率導出過程と、
 前記屈折率導出過程で求めた屈折率の変化速度から前記検体の流速の誤差量を求め、この流速の誤差量から前記反応結果導出過程で求めた反応量の補正量を求めて、前記反応量を前記補正量に基づいて補正する反応結果補正過程と、
 前記反応結果補正過程での補正結果に基づいて、前記検体に含まれる抗原の濃度を算出する抗原濃度算出過程と、
 を有する抗原濃度測定方法。
Description:
流速測定装置、抗原濃度測定装 、フローセル、流速測定方法、抗原濃度測 方法

 本発明は、流速測定装置、抗原濃度測定装 、フローセル、流速測定方法、抗原濃度測 方法に関する。
 本願は、2008年1月16日に日本に出願された特 願2008-006651号と、2008年7月17日に日本に出願さ れた特願2008-186043号とに基づき優先権を主張 、その内容をここに援用する。

 抗原濃度の検出方法として、フローセルの 路部分に露出している金属薄膜に抗体を付 させた抗体固定膜を形成し、このフローセ に抗原を含む液体を流すことにより、上記 体に抗原が付着したことを、表面プラズモ 共鳴センサを用いて、抗原抗体の複合体と ったことによる抗体固定膜の屈折率変化を 出し、この屈折率変化の速度により抗原の 度を検出する方法が用いられる(例えば、非 特許文献1参照)。
 これにより、抗原の濃度に応じて屈折率の 化速度が大きくなるため、この変化速度か 抗原濃度を測定している。

 また、近年、光を用いたバイオセンサー して表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resona nce、以下SPRとする)測定装置が研究されてい (例えば特許文献1、特許文献2参照)。この抗 濃度測定装置では、金や銀などの金属薄膜 に抗体などの被測定物質を固定したものを 定用フローセルとして、このフローセルの 体と反対側の面から光を入射させ、そのエ ネッセンス波と表面プラズモン波とが共鳴 る入射角度を測定する。

 図18は従来の抗原濃度測定装置の構成の概 を示すブロック図である。抗原濃度測定装 は、プリズム1001と、光源1002と、偏光板1003 、集光レンズ1004と、CCDカメラ1005とを有する 。
 単色光の光源1002から放射された光が偏光板 1003を通過すると、P偏光光のみが通過する。 のP偏光光は、集光レンズ1004で集光されて 球状のプリズム1001に入射する。プリズム1001 の上面には、フローセル1000が載置されてお 、抗体などの被測定物質が固定されている と反対側の面からP偏光光が入射する。この うに、P偏光光をプリズム1001を介して入射 θでフローセル1000に入射させることによっ 、フローセル1000からの反射光の強度変化をC CDカメラ1005で検出する。

 光源1002から放射された光は、プリズム1001 フローセル1000の金属薄膜との境界でエバネ セント波となる。一方、この金属薄膜表面 は、表面プラズモン波が生じる。エバネッ ント波と表面プラズモン波の波数が一致す 入射角θのとき、エバネッセント波は表面 ラズモン波の励起に使われ、反射光として 測される光量が減少する。
 このとき、CCDカメラ1005によって反射光の強 度を測定すると、図19に示すように、エバネ センス波と表面プラズモン波の共鳴が起こ 入射角で、反射率の低下が観測される。こ を入射角-反射率の関係を示す入射角-反射 曲線で見ると、エバネッセンス波と表面プ ズモン波の共鳴が起こる入射角の近傍で反 率の低い谷が現れる。

 エバネッセンス波と表面プラズモン波の共 が起こる角度は、フローセル1000の金属薄膜 に接する被測定物質の屈折率に依存するため 、金属薄膜上に抗体などの被測定物質を固定 すると、抗原との結合によって抗体の屈折率 が変化し、谷の現れる角度が僅かに変化する 。この変化を測定することにより、被測定物 質の定量を行うことができる。

特開2001-194298号公報

特許第3356213号公報 Milan Mrksich, George B. Sigal, and George M.  Whitesides、”Surface Plasmon Resonance Permits in Si tu Measurement of Protein Adsorption on Self-Assembled  Monolayers of Alkanethiolates on Gold ”、American Chemical Society,Langmuir, 1995,11,4383-4385

 しかしながら、非特許文献1などの従来の測 定にあっては、異なる抗体がフローセルの流 れる方向に配置されている場合、フローセル に流れる検体が、それぞれの抗体に達したタ イミングがそれぞれ明確に分からないと、抗 原の濃度測定がSPR角度の変化速度により検出 されるため、正確な濃度測定が行えないこと となる。
 また、SPR角度の変化速度を検出するため、 射光に対する反射光の強度を検出する際にC CDカメラを用いた場合、CCDカメラのフレーム ートによっては、ノイズが重畳して、抗原 体反応の変化の立ち上がり(SPR角度の変化点 )が見え難い場合がある。
 したがって、上記検体がそれぞれの抗体に したタイミングを正確に知るためにも、検 の流速を正確に測定する必要がある。しか 、SPR角度で測定される部分は、金属膜から1 μm以下の流路壁に近接した部分であり、検体 の粘度変化などにより流路内の流速分布が変 化するため、ポンプなどの液送機構のみでは 、SPR角度の測定に影響する実効的流速を決定 することができず、SPR角度の測定毎に、流路 内の流速を測定する必要がある。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、フローセル内の検体の流速を正 に測定し、直列に配列された複数の各抗体 固定されている領域において、いずれの抗 の領域に検体が達したかを検出することが きる流速測定装置、抗原濃度測定装置、フ ーセル、流速測定方法、抗原濃度測定方法 提供することを目的とする。

(1) 本発明の流速測定装置は、長尺状のフ ーセル内に、異なる抗体が検体の流れる方 に配列されており、前記フローセル内を流 る前記検体の流速を測定する流速測定装置 あって、光発振部と、当該光発振部からの 射光による表面プラズモン共鳴を起こすた の金属薄膜と、当該金属薄膜を固定し、当 金属薄膜上に前記光発振部の出射光を、複 の入射角度の入射光に変換して直線状の焦 位置にて集光する集光部と、前記金属薄膜 に前記焦線位置に重なる位置に抗体を固定 た抗体固定領域及び抗体を固定しないリフ レンス領域を交互に配置した測定部と、前 焦線位置において生じた表面プラズモン共 による当該出射光の前記焦線位置における 射光を、複数の入射光の角度毎に受光する 光部と、前記測定部における前記抗体固定 域及び前記リファレンス領域毎のSPR角度の 間変化を求めるSPR角度算出部と、前記SPR角 算出部が求めたSPR角度の時間変化に基づい 、前記フローセル内を流れる前記検体の流 を演算する流速演算部とを有する。

(2) 本発明の流速測定装置の前記流速演算 は、前記抗体固定領域あるいは前記リファ ンス領域のいずれか2点におけるSPR角度の時 間変化を示す曲線(吸着曲線と言う)を、いず か一方を他方に対して時間方向にずらす波 移動部と、前記2点のSPR角度の差分が最小と なるずらし時間を測定する時間差検出部と、 前記2点間の位置を前記ずらし時間にて除算 ることにより、前記フローセル内における 体の流速を算出する流速算出部とを有する とが好ましい。

(3) 本発明の流速測定装置は、前記2点それ ぞれの吸着曲線を時間微分して微分曲線とす る波形微分演算部をさらに有しても良く、前 記波形移動部が2点それぞれの前記微分曲線 おいて、いずれか一方を他方に対して時間 向にずらし、前記時間差検出部が2点それぞ の微分曲線におけるSPR角度の差分が最小と るずらし時間を測定しても良い。

(4) 本発明の流速測定装置は、SPR角度の差 データを時間微分する波形微分演算部をさ に有しても良く、前記波形移動部が2点それ ぞれの前記吸着曲線において、いずれか一方 を他方に対して時間方向にずらし、前記波形 移動部が前記吸着曲線をずらす毎に、前記波 形微分演算部が当該2点それぞれの吸着曲線 差分データを時間微分し、前記時間差検出 が2点それぞれの吸着曲線におけるSPR角度の 間微分した差分データが最小となるずらし 間を測定しても良い。

(5) 本発明の流速測定装置の前記流速演算 は、前記フローセル内を流れる前記検体の 速をハフ変換を用いて演算しても良い。

(6) 本発明の流速測定装置は、前記金属薄 上に、前記抗体と、前記検体に含まれる物 のうち前記抗体との反応が期待されるもの 異なる物質と反応して屈折率が変化する検 検出物質とが固定されていても良く、前記 体における前記入射光の入射角と前記反射 の反射率との相関関係に基づいて反射率が 低となる入射角である共鳴角を求め、この 鳴角から前記抗体と前記検体検出物質との 応量を求める反応結果導出部と、前記検体 出物質における入射角と反射率との相関関 に基づいて共鳴角を求め、この共鳴角から 記検体検出物質および反応した検体に含ま る物質の屈折率を求める屈折率導出部と、 記屈折率導出部が求めた屈折率の変化速度 ら前記検体の流速の誤差量を求め、この流 の誤差量から前記反応結果導出部が求めた 応量の補正量を求めて、前記反応量を前記 正量に基づいて補正する反応結果補正部と 更に有しても良い。

(7) 本発明の流速測定装置は、前記画像処 部が求めた入射角と反射率との相関関係に いて前記共鳴角を求め、この共鳴角の変化 ら前記フローセル上に前記検体が流れ始め ことを検出したときに、測定開始信号を出 する測定開始信号出力部と、前記受光部に して画像取得を指示する画像取得タイミン 信号を繰り返し出力し、前記測定開始信号 出力時から一定時間の間は前記画像取得タ ミング信号の周期を通常時よりも短くし、 定時間経過後は前記画像取得タイミング信 の周期を通常時の値に戻す画像取得周期制 部とを更に有しても良い。

(8) 本発明の流速測定装置は、前記屈折率 変化速度の理想値と、前記変化速度の誤差 と前記検体の流速の誤差量との関係と、前 流速の誤差量と前記補正量との関係が予め 録された記憶部を更に有しても良く、前記 応結果補正部は、前記屈折率導出部が求め 屈折率の変化速度と前記記憶部に登録され 前記変化速度の理想値との誤差量を求め、 の変化速度の誤差量に対応する前記流速の 差量を前記記憶部から取得し、この流速の 差量に対応する前記補正量を前記記憶部か 取得しても良い。

(9) 本発明の抗原濃度測定装置は、長尺状 フローセル内に、異なる抗体が検体の流れ 方向に配列されており、前記検体に含まれ 抗原の濃度を測定する抗原濃度測定装置で って、光発振部と、前記抗体と、前記検体 含まれる物質のうち前記抗体との反応が期 される抗原と異なる物質と反応して屈折率 変化する検体検出物質とが固定されており 前記光発振部からの出射光による表面プラ モン共鳴を起こすための金属薄膜と、当該 属薄膜を固定し、当該金属薄膜上に前記光 振部の出射光を、複数の入射角度の入射光 変換して直線状の焦線位置にて集光する集 部と、前記金属薄膜上に前記焦線位置に重 る位置に抗体を固定した抗体固定領域及び 体を固定しないリファレンス領域を交互に 置した測定部と、前記焦線位置において生 た表面プラズモン共鳴による当該出射光の 記焦線位置における反射光を、複数の入射 の角度毎に受光する受光部と、前記測定部 おける前記抗体固定領域及び前記リファレ ス領域毎のSPR角度の時間変化を求めるSPR角 算出部と、前記SPR角度算出部が求めたSPR角 の時間変化に基づいて、前記フローセル内 流れる前記検体の流速を演算する流速演算 と、前記抗体における前記入射光の入射角 前記反射光の反射率との相関関係に基づい 反射率が最低となる入射角である共鳴角を め、この共鳴角から前記抗体と前記検体検 物質との反応量を求める反応結果導出部と 前記検体検出物質における入射角と反射率 の相関関係に基づいて共鳴角を求め、この 鳴角から前記検体検出物質および反応した 体に含まれる物質の屈折率を求める屈折率 出部と、前記屈折率導出部が求めた屈折率 変化速度から前記検体の流速の誤差量を求 、この流速の誤差量から前記反応結果導出 が求めた反応量の補正量を求めて、前記反 量を前記補正量に基づいて補正する反応結 補正部と、前記反応結果補正部が補正結果 基づいて、前記検体に含まれる抗原の濃度 算出する抗原濃度算出部とを有する。

(10) 本発明のフローセルは、金属薄膜上の 一部に抗体が固定された表面プラズモン共鳴 測定用フローセルにおいて、前記抗体と、フ ローセルに流れる検体に含まれる物質のうち 前記抗体との反応が期待される抗原と異なる 物質と反応して屈折率が変化する検体検出物 質とが前記金属薄膜上に固定されていても良 い。

(11) 本発明の流速測定方法は、光発振部と 、当該光発振部からの出射光による表面プラ ズモン共鳴を起こすための金属薄膜と、当該 金属薄膜を固定し、当該金属薄膜上に前記光 発振部の出射光を、複数の入射角度の入射光 に変換して直線状の焦線位置にて集光する集 光部と、前記金属薄膜上に前記焦線位置に重 なる位置に長尺状のフローセルが構成され、 このフローセル内に抗体を固定した抗体固定 領域及び抗体を固定しないリファレンス領域 を交互に配置した測定部と、前記焦線位置に おいて生じた表面プラズモン共鳴による当該 出射光の前記焦線位置における反射光を、複 数の入射光の角度毎に受光する受光部と、を 有する流速測定装置により、前記フローセル 内を流れる前記検体の流速を測定する流速測 定方法であって、前記測定部における前記抗 体固定領域及び前記リファレンス領域毎のSPR 角度の時間変化を求めるSPR角度算出過程と、 前記SPR角度算出過程で求めたSPR角度の時間変 化に基づいて、前記フローセル内を流れる前 記検体の流速を演算する流速演算過程とを有 する。

(12) 本発明の抗原濃度測定方法は、光発振 部と、前記抗体と、前記検体に含まれる物質 のうち前記抗体との反応が期待される抗原と 異なる物質と反応して屈折率が変化する検体 検出物質とが固定されており、前記光発振部 からの出射光による表面プラズモン共鳴を起 こすための金属薄膜と、当該金属薄膜を固定 し、当該金属薄膜上に前記光発振部の出射光 を、複数の入射角度の入射光に変換して直線 状の焦線位置にて集光する集光部と、前記金 属薄膜上に前記焦線位置に重なる位置に長尺 状のフローセルが構成され、このフローセル 内に抗体を固定した抗体固定領域及び抗体を 固定しないリファレンス領域を交互に配置し た測定部と、前記焦線位置において生じた表 面プラズモン共鳴による当該出射光の前記焦 線位置における反射光を、複数の入射光の角 度毎に受光する受光部と、を有する流速測定 装置により、前記フローセル内を流れる前記 検体の流速を測定する流速測定方法であって 、前記測定部における前記抗体固定領域及び 前記リファレンス領域毎のSPR角度の時間変化 を求めるSPR角度算出過程と、前記SPR角度算出 過程で求めたSPR角度の時間変化に基づいて、 前記フローセル内を流れる前記検体の流速を 演算する流速演算過程と、前記抗体における 前記入射光の入射角と前記反射光の反射率と の相関関係に基づいて反射率が最低となる入 射角である共鳴角を求め、この共鳴角から前 記抗体と前記検体検出物質との反応量を求め る反応結果導出過程と、前記検体検出物質に おける入射角と反射率との相関関係に基づい て共鳴角を求め、この共鳴角から前記検体検 出物質および反応した検体に含まれる物質の 屈折率を求める屈折率導出過程と、前記屈折 率導出過程で求めた屈折率の変化速度から前 記検体の流速の誤差量を求め、この流速の誤 差量から前記反応結果導出過程で求めた反応 量の補正量を求めて、前記反応量を前記補正 量に基づいて補正する反応結果補正過程と、 前記反応結果補正過程での補正結果に基づい て、前記検体に含まれる抗原の濃度を算出す る抗原濃度算出過程とを有する。

 本発明の流速測定装置、抗原濃度測定装 、フローセル、流速測定方法、抗原濃度測 方法では、フローセル内の検体の流速を正 に測定し、直列に配列された複数の各抗体 固定されている領域において、いずれの抗 の領域に検体が達したかを検出することが きる。

本発明の第1の実施形態の抗原濃度検出 装置300aのSPR角度を測定する光学測定部の構 例を示すブロック図である。 図1の抗体固定膜における焦線107上に沿 って、焦線107に平行に抗体固定領域201及びリ ファレンス領域202が交互に配置されたフロー セルの構成を示す概念図である。 図1におけるCCD111の2次元に配置された 光素子に入力される金属薄膜105からの反射 の分布の構成を示す概念図である。 本実施形態の抗原濃度検出装置300aにお いて、フローセル内での検体の流速を検出す る構成を示すブロック図である。 CCD111における各受光素子のY1方向の位 、X1方向の位置に対応するアドレスとして受 光素子が受光した反射強度の階調度のデータ 記憶部12における記憶領域の構成を示す概念 である。 抗体固定領域201と、リファレンス領域2 02とにおけるSPR角度の時間変化を示すグラフ ある。 本実施形態における検体の流速を算出 る処理の動作例を示すフローチャートであ 。 本発明の第2の実施形態における検体の 流速を算出する処理の動作例を示すフローチ ャートである。 本発明の第3の実施形態に係る抗原濃度 測定装置の構成を示すブロック図である。 試料セルの一般的な構造を示す平面 である。 試料セルの一般的な構造を示す断面 である。 本施形態に係る抗原濃度測定装置のデ ータ処理装置の構成例を示すブロック図であ る。 本実施形態で用いる試料セルの構造を 示す平面図である。 本実施形態においてCCDカメラが撮像し た画像を模式的に示す図である。 本実施形態において液体サンプル導入 後の試料セルの測定で得られる入射角-反射 曲線の変化を示す図である。 本実施形態において屈折率導出部68が めた屈折率の時間変化を示す図である。 本発明の第4の実施形態による抗原濃 検出装置のデータ処理装置の制御部113bの構 を示すブロック図である。 本実施形態において流速を求める方法 について説明する図である。 従来の抗原濃度測定装置の構成の概要 を示すブロック図である。 従来の抗原濃度測定装置において試料 セルの測定で得られる入射角-反射率曲線の1 を示す図である。

符号の説明

1・・・プリズム、2・・・光源、3・・・偏 光板、4・・・集光レンズ、5・・・CCDカメラ 6・・・データ処理装置、7・・・データベ ス、8・・・ポンプ、9・・・流路、10・・・ 料セル、11・・・データ入力部、12・・・デ ータ記憶部、13・・・SPR角度算出部、14・・ 補間演算部、15・・・波形移動部、16・・・ 形微分演算部、17・・・波形減算部、18・・ ・標準偏差演算部、19・・・時間差検出部、2 0・・・流速算出部、21a、21b・・・流速演算 、22・・・抗原濃度算出部、23・・・波形微 ・二乗部、24・・・直線検出部、25・・・流 速検出部、60・・・制御部、61・・・記憶部 62・・・入力部、63・・・表示部、64・・・ 像取得周期制御部、65・・・画像処理部、66 ・・測定開始信号出力部、67・・・反応結 導出部、68・・・屈折率導出部、69・・・反 結果補正部、100・・・LED、101,108,110・・・ ンズ、102,109・・・偏光子、103・・・シリン リカルレンズ、104・・・プリズム、105・・ 金属薄膜、106・・・抗体固定膜、107・・・ 線、111・・・CCD(電荷結合素子)、112・・・ ータ処理装置、113a、113b・・・制御部、300a 300b・・・抗原濃度検出装置

 以下、本発明の各実施形態による抗原濃 測定装置を図面を参照して説明する。始め 、本発明の第1の実施形態について説明する 。

<第1の実施形態>
 図1は本発明の第1の実施形態による抗原濃 測定装置300aの光学測定部の構成例を示すブ ック図である。
 抗原濃度測定装置300a(流速測定装置とも称 る)の構成としては、光源(光発振部とも称す る)であるLED(Light Emitting Diode)100の放射した を、レンズ101に光束として入射させ、偏光 102によりP偏光光のみを、シリンドリカルレ ズ103により集光させ、高屈折率のプリズム1 04に入射させる。光源は、LED100のみでなく、 導体レーザなどを用いても良い。
 上記プリズム104は、シリンドリカルレンズ1 03により集光された光が、柱の軸方向に対し 平行に、入射する面に対して対向する面に し、上記光の焦線107が到達するように構成 れている。

 上記対向する面上には、濃度を測定したい 原に対応する抗体が、表面プラズモン共鳴 起こすための金属薄膜105(たとえば、金薄膜 )上に固定され、抗体固定膜106を形成してい 。この金属薄膜105は、光透過性媒体である リズム104上に形成されている(固定されてい )。
 また、プリズム104に入射された光は、焦線1 07の位置にて、金属薄膜105、抗体固定膜106及 流路を流れる液体により反射される。この 射光は、レンズ108により平行光とされ、偏 子109によりP偏光光のみをレンズ110へ入射さ せる。レンズ110は、入射される光を受光素子 であるCCD111(CCD)面へ放射する。これらが、金 薄膜105上にLED100の出射光を、複数の入射角 の入射光に変換して直線状の焦線107位置に 集光する集光部を構成している。CCD111で撮 される画素データは、データ処理装置112に 力される。データ処理装置112は、制御部113a を有する。

 金属薄膜105には、測定領域(測定部とも称す る)として、抗体の固定された抗体固定領域20 1、抗体の固定されていないリファレンス領 202から構成される試料領域200が、図2に示す うに、焦線107方向(すなわち、Y1方向)に対し て、予め設定された周期にて互い違いに、焦 線107の上部に配置されている。図示はしない がフローセル(マイクロフローセル、試料セ とも称する)の流路は、焦線107に平行方向(す なわち、抗体固定領域201とリファレンス領域 202とが互い違いに配置された配列方向)に、 体固定領域201とリファレンス領域202との配 を覆い、各抗体固定領域201とリファレンス 域202とに順次検体が到達するように形成さ ている。
 したがって、CCD111面には、このCCD111の上面 である図3に示すように、焦線107の面におい て、Y1方向の位置に対応して、焦線107の面か の反射光がそれぞれピクセル単位に格子状 配列されている受光素子に入力される。

 また、X1方向には、入射角度に対応した、 線107にて反射された反射光が入力される。 れにより、試料領域200に平行に焦線107に照 された光の、各焦線位置におけるそれぞれ 入射角度における反射光の強度を、一括し 検出することができる。
 上述した構成により、各抗体固定領域201に 定されている抗体に対して、抗原が反応し 結合した場合、抗体固定膜106の屈折率が変 し、この屈折率に対応した入射角度におけ 反射率が変化、すなわち抗体に抗原が付着 ると屈折率が高くなることにより、反射率 低下する入射角度(SPR角度)を、時系列にモ タすることにより、抗体固定膜106の屈折率 変化を測定することができる。

 すなわち、抗体に対して抗原が吸着する 従い、表面プラズモン共鳴を起こす入射角 シフトすることを利用している。しかしな ら、抗原抗体反応とは異なり単なる吸着に っても入射角がシフトするため、抗体が固 されていないリファレンス領域202のSPR角度 シフトを、抗体の固定されている抗体固定 域201のSPRシフトから、リファレンス値とし 減算することにより、抗原抗体反応のみのS PRシフトを検出し、抗原濃度の測定の精度を げる必要がある。

 次に、SPR角度について説明する。
 LED100からプリズム104に入射された光は、プ ズム104と金属薄膜105との界面でエバネッセ ト波を生起させる。エバネッセント波の波 k ev は、式(1)により定義される。
 k ev =k p n p sinθ ・・・ (1)
 ここで、k p は入射光の波数、n p はプリズム104の屈折率、θは入射角である。
 一方、金属薄膜105の表面では、表面プラズ ン波が生じる。表面プラズモン波の波数k sp は、式(2)により定義される。
 k sp =(c/ω){εn2/(ε+n2)}1/2 ・・・ (2)
 ここで、cは光速、ωは角振動数、εは金属 膜105の誘電率、nは被測定対象の屈折率であ 。

 エバネッセント波の波数k ev と表面プラズモン波の波数k sp とが一致する入射角θのときに、エバネッセ ト波のエネルギーが表面プラズモンの励起 使われ、反射光の強度が減少する。したが て、入射角θを変化させることにより、所 の角度θ0(SPR角度)で極小をもつ入射角-反射 度曲線が得られる。すなわち、表面プラズ ン共鳴現象による吸収を含んだ反射光が、 属薄膜105とプリズム104との界面から反射さ る。
 このSPR現象は、金属薄膜105に接する被測定 象の検体の抗原と抗体との複合体の屈折率n に依存する。このため、極小値をとる角度θ0 から、検体に含まれる抗原濃度変化による屈 折率変化等を測定することができる。

 次に、本実施形態による抗原濃度測定装置3 00aにおける流速を算出する制御部を図面を参 照して説明する。図4は同実施形態による流 算出を行う制御部113aの構成例を示すブロッ 図である。
 この図において、制御部113aは、データ入力 部11、データ記憶部12、SPR角度算出部13、補間 演算部14、波形移動部15、波形微分演算部16、 波形減算部17、標準偏差演算部18、時間差検 部19、流速算出部20を有している。
 図1におけるSPRセンサのCCD111から、各受光素 子の画素データ、すなわち抗体固定領域201の 配列方向の各位置と、この各位置における予 め設定した入射角度範囲における入射角度と 、に対応した受光素子の反射強度を示す画素 データが、配置フレーム画像データとして入 力される。

 データ入力部11は、CCD111から入力される各 光素子の画素データである電圧値を、対応 る階調度に変換し、図5に示す構成の配置フ ーム画像データとして、各受光素子のY1方 の位置(抗体固定領域201及びリファレンス領 202の配置)に対応するアドレスAy、X1方向の 置(入射角度に対応する位置)に対応するアド レスAxにより設定されるアドレスに対応させ 各アドレスに対応する受光素子の受光した 射強度を示す階調度のデータを、データ記 部12へサンプリング時間毎に読み込んで書 込む。
 ここで、反射強度が強い場合に階調度が高 なり、反射強度が弱い場合に階調度が低く る。なお、データ入力部11は、例えば、実 で得られた最大の反射強度を最大の階調度 して規格化し、入力される電圧値を階調度 変換する。

 SPR角度算出部13は、データ記憶部12に記憶さ れているデータから、サンプリング時間単位 において、抗体固定領域201の予め設定された 位置毎に、例えば、図2の抗体固定領域201(例 ば、図2の抗体固定領域201A)と、リファレン 領域202(例えば、リファレンス領域202B)とに けるSPR角度を求め、それぞれSPR測定データD Aと、SPR測定データDBとして、サンプリング時 間に対応させてSPR角度をデータ記憶部12に書 込む。
 また、制御部は、上記SPR測定データA及びB 、吸着曲線LAと吸着曲線LBとして表示部に対 て図6の様に表示する。

 波形微分演算部16は、吸着曲線LA及び吸着曲 線LBそれぞれを時間により数値微分(以下、時 間微分)して、微分曲線DAと微分曲線DBとを生 する。
 補間演算部14は、微分曲線DBを時間D1単位に 補間、例えば直線補間する。ここで、時間D 1は、サンプリング周期をTsとし、1/nの分解能 にて補間すると
 D1=Ts/n
 となる。

 波形移動部15は、予め設定された設定時間D2 だけ移動させた後、2×D2の時間範囲を上記時 D1づつ移動させる。例えば、本実施形態に いては、設定時間D2を-(1/2)Tsとし、微分曲線D Bを設定時間D2平行移動させる。
 また、波形移動部15は、設定時間D2に時間D1 加算し、新たな設定時間D2とし、設定時間D2 が(1/2)Tsとなるまで、すなわち、移動時間の 囲がTsとなるまで設定時間D2を時間D1ずつ増 させながら、微分曲線DBを元の位置から+方 に移動させる操作を繰り返す。

 波形減算部17は、時刻毎に、微分曲線DAのSPR 角度から、微分曲線DBのSPR角度を、対応する 刻毎に減算し、時刻毎のSPR差分データを、 定時間D2の値毎に求める。
 標準偏差演算部18は、吸着曲線LAの測定範囲 (Ts)内における時刻毎のSPR差分データの標準 差を、設定時間D2の値毎に求める。
 時間差検出部19は、時刻毎のSPR差分データ 最も小さな標準偏差を有する設定時間D2の値 を検出する。この設定時間D2が、抗体固定領 201と、リファレンス領域202とにそれぞれ検 が到達した時間差である。
 流速算出部20は、上記時間差により、抗体 定領域201と、リファレンス領域202との距離 除算することにより流速を求める。
 なお、波形移動部15、時間差検出部19、流速 算出部20をまとめて、流速演算部21aとも称す 。流速演算部21aは、上述したように、SPR角 算出部13が求めたSPR角度の時間変化に基づ て、フローセル内を流れる検体の流速を演 する。

 このフローセル内を流れる検体の流速か 、フローセル内に検体の流れる方向に対し 、平行な方向に直列に配置された抗体固定 域201、リファレンス領域202それぞれに到達 るタイミングを検出することができ、抗原 度測定部22がSPR角度の変化速度から抗原濃 を算出する。すなわち、上記抗原濃度測定 22は、予め抗原濃度が明確な検体におけるSPR 角度の時間変化の結果と比較することにより 、それぞれの抗体固定領域201におけるSPR角度 の時間変化から抗原濃度を推定する。

 上述した本実施形態における検体の流速検 方法は、ポンプなどで体積流速を設定する 合と異なり、SPR角度測定に影響する実効的 速であり、SPR角度測定により検出される金 薄膜表面からの距離が400nm以内の局所的領 (金属薄膜表面と検体との界面領域)の流れの 速度を測定できる。さらに、流路内において 流速分布があっても、図2の抗体固定領域201 リファレンス領域202とから、隣接する組み わせを選び、複数の抗体固定領域とリファ ンス領域とを設けることにより、それぞれ 組の抗体固定領域201とリファレンス領域202 傍とにおける検体の流速を測定できる。
 また、上記吸着曲線LA及びLBには、吸着成分 (抗原抗体反応とは無関係な)、及びランダム イズ成分とが含まれており、吸着成分によ SPR角度の変化は遅い成分(ドリフト成分)な で、微分操作により重みを低減させ、流速 定精度を向上させることができる。
 また、本実施形態においては、微分曲線DA 固定し、微分曲線DBを平行移動させたが、逆 に、微分曲線DBを固定し、微分曲線DAを移動 せても、同様に、流速を求めることができ 。

 一方、発明者は、文献(Yuzuru Iwasakil ,2,7, Tatsuya Tobita3, Kazuyoshi Kurihara4,Tsutomu Horiuchi  I, Koji Suzuki and Osamu Niwa、”MEASUREMENT SCIENCE  AND TECHNOLOGY”、Meas. Sci. Technol.17、2006、p318 4-3188)においても、SPR角度測定法を用いて流 を求めている。しかしながら、離間して異 る位置にある領域のSPR角度の変化を用いて る訳ではなく、本実施形態に比較して高い 度にて行えない。

 次に、図4及び図7を参照して本実施形態に る抗原濃度測定装置300aの動作を説明する。
 図7は、図4の抗原濃度測定装置300aにおける 速の推定処理の動作例を示すフローチャー である。
 以下の説明においては、すでにデータ入力 11が入力した階調度データから、抗体固定 域201とリファレンス領域202とにおけるSPR角 の時間変化を示す吸着曲線LA、LBがSPR角度算 部13により算出されている。
 波形微分演算部16は、吸着曲線LA及びLBをそ ぞれ時間微分し、微分曲線DA、DBを生成する (ステップS1)。

 そして、補間演算部14は、上記微分曲線DBに おけるSPR角度のデータを、サンプリング周期 間において、時間D1単位にて直線補間する(ス テップS2)。
 波形移動部15は、設定時間D2を測定時間Tsの- 1/2、すなわち-(1/2)Tsとし(ステップS3)、微分曲 線DBを時間方向に設定時間D2分だけ平行移動 る(ステップS4)。
 微分曲線DBが移動されると、波形減算部17は 、微分曲線DAの各時刻のSPR角度から、微分曲 DBの対応する時刻のSPR角度を減算し、時刻 の差分データを算出する(ステップS5)。

 そして、標準偏差演算部18は、時刻毎の差 データの標準偏差を求め、このときの設定 間D2を識別する設定時間識別情報とともに、 データ記憶部12に書き込む(ステップS6)。
 次に、波形移動部15は、設定時間D2が(1/2)Ts なったか否か、すなわち、元の位置に対し 前後にずらした範囲がTsとなったか否かの判 定を行い(ステップS7)、設定時間D2が(1/2)Ts未 である場合に処理をステップS8へ進め、設定 時間D2が(1/2)Ts以上である場合に処理をステッ プS11へ進める。

 設定時間D2が(1/2)Ts未満である場合、波形移 部15は、微分曲線DBを平行移動する前の位置 に戻す(ステップS8)とともに、吸着曲線設定 間D2に対して時間D1を加算し、新たな設定時 D2とし(ステップS9)、処理をステップS4に戻 。
 一方、ステップS7において、設定時間D2が(1/ 2)Ts以上である場合、時間差検出部19は、デー タ記憶部12において、設定時間識別情報に対 した各設定時間D2毎の標準偏差を順次読み み、読み出した順に比較していくことによ 、最も小さな標準偏差を検出し、この標準 差に対応する設定時間識別情報を抽出し、 の設定時間識別情報に対応する設定時間D2を 、抗体固定領域201とリファレンス領域202とに それぞれ検体が到達する時刻の時間差として 出力する(ステップS11)。

 次に、流速算出部20は、抗体固定領域201( えば、図2の抗体固定領域201A)とリファレン 領域202(例えば、リファレンス領域202B)とに ける2点の位置の距離を、最も小さな標準偏 差に対応する設定時間D2にて除算し、フロー ル内における検体の流速を算出する(ステッ プS12)。

 上述したように、本実施形態によれば、フ ーセル内にて流れる検体(液体、流体)の流 を正確に測定することができ、抗体固定領 あるいはリファレンス領域に検体が到達す タイミングを検出することができ、それぞ の抗体固定領域における抗原抗体反応の開 時間を精度良く補正することが可能となり 抗原抗体反応の反応速度を正確に測定する とができ、抗原濃度を精度良く測定するこ が可能となる。
 また、本実施形態によれば、上述したよう 、いずれの抗体固定領域201及びリファレン 領域202それぞれに検体が到達するタイミン を正確に検出することが可能なため、リフ レンス領域202との差分測定にて、同相ノイ を除去することができ、より抗原濃度の測 を高精度とすることができる。

<第2の実施形態>
 次に、本発明の第2の実施形態による抗原濃 度測定装置について説明する。第2の実施形 も図4の第1の実施形態と同様の構成のため、 その説明を省略する。以下、第1の実施形態 異なる動作について説明する。
 図1におけるSPRセンサのCCD111から、各受光素 子の画素データ、すなわち抗体固定領域の配 列方向の各位置と、この各位置における予め 設定した入射角度範囲における入射角度と、 に対応した受光素子の反射強度を示す画素デ ータが、配置フレーム画像データとして入力 される。

 補間演算部14は、吸着曲線LBを時間D1単位に 補間、例えば直線補間する。ここで、時間D 1は、サンプリング周期をTsとし、1/nの分解能 にて補間すると
 D1=Ts/n
 となる。
 波形移動部15は、予め設定された設定時間D2 だけ移動させた後、2×D2の時間範囲を上記時 D1づつ移動させる。例えば、本実施形態に いては、第1の実施形態と同様に、設定時間D 2を-(1/2)Tsとし、吸着曲線LBを設定時間D2平行 動させる。
 また、波形移動部15は、設定時間D2に時間D1 加算し、新たな設定時間D2とし、設定時間D2 が(1/2)Tsとなるまで、すなわち、移動時間の 囲がTsとなるまで設定時間D2を時間D1ずつ増 させながら、吸着曲線LBを元の位置から+方 に移動させる操作を繰り返す。

 波形減算部17は、時刻毎に、吸着曲線LAのSPR 角度から、吸着曲線LBのSPR角度を、対応する 刻毎に減算し、時刻毎のSPR差分データを、 定時間D2の値毎に求める。
 波形微分演算部16は、吸着曲線LA及び吸着曲 線LBの時刻毎の差分を、時間微分して、微分 分データを生成する。
 標準偏差演算部18は、時間微分した結果に いて、吸着曲線LAの測定範囲(Ts)内における 刻毎の微分差分データの標準偏差を、設定 間D2単位にて求める。

 時間差検出部19は、時刻毎の微分差分デー の最も小さな標準偏差を有する設定時間D2の 値を検出し、この設定時間D2を抗体固定領域2 01と、リファレンス領域202とにそれぞれ検体 到達した時間差である。
 流速算出部20は、上記時間差により、抗体 定領域201と、リファレンス領域202との距離 除算することにより流速を求める。
 抗原の濃度の測定については、すでに説明 た第1の実施形態と同様である。
 また、本実施形態においては、吸着曲線LA 固定し、吸着曲線LBを平行移動させたが、逆 に、吸着曲線LBを固定し、吸着曲線LAを移動 せても、同様に、流速を求めることができ 。

 次に、図4及び図8を参照して本実施形態に る抗原濃度測定装置の動作を説明する。
 図8は、図4の抗原濃度測定装置における流 の推定処理の動作例を示すフローチャート ある。
 以下の説明においては、すでにデータ入力 11が入力した階調度データから、抗体固定 域201とリファレンス領域202とにおけるSPR角 の時間変化を示す吸着曲線LA、LBがSPR角度算 部13により算出されている。
 補間演算部14は、上記微分曲線DBにおけるSPR 角度のデータを、サンプリング周期間におい て、時間D1単位にて直線補間する(ステップS21 )。

 次に、波形移動部15は、設定時間D2を測定時 間Tsの-1/2、すなわち-(1/2)Tsとし(ステップS22) 吸着曲線LBを時間方向に設定時間D2分だけ平 移動する(ステップS23)。
 吸着曲線LBが移動されると、波形減算部17は 、吸着曲線LAの各時刻のSPR角度から、吸着曲 LBの対応する時刻のSPR角度を減算し、時刻 の差分データを算出した後、差分データを 間微分し、微分差分データを生成する(ステ プS24)。
 差分データを時間微分した後、標準偏差演 部18は、時刻毎の微分差分データの標準偏 を求め、このときの設定時間D2を識別する設 定時間識別情報とともに、データ記憶部12に き込む(ステップS25)。

 次に、波形移動部15は、設定時間D2が(1/2)Ts なったか否か、すなわち、元の位置に対し 前後にずらした範囲がTsとなったか否かの判 定を行い(ステップS26)、設定時間D2が(1/2)Ts未 である場合に処理をステップS27へ進め、設 時間D2が(1/2)Ts以上である場合に処理をステ プS29へ進める。
 設定時間D2が(1/2)Ts未満である場合、波形移 部15は、吸着曲線LBを平行移動する前の位置 に戻す(ステップS27)とともに、設定時間D2に して時間D1を加算し、新たな設定時間D2とし( ステップS28)、処理をステップS23に戻す。

 一方、ステップS26において、設定時間D2 (1/2)Ts以上である場合、時間差検出部19は、 ータ記憶部12において、設定時間識別情報に 対応した各設定時間D2毎の標準偏差を順次読 込み、読み出した順に比較していくことに り、最も小さな標準偏差を検出し、この標 偏差に対応する設定時間識別情報を抽出し この設定時間識別情報に対応する設定時間D 2を、抗体固定領域201とリファレンス領域202 にそれぞれ検体が到達する時刻の時間差と て出力する(ステップS29)。

 次に、流速算出部20は、抗体固定領域201( えば、図2の抗体固定領域201A)とリファレン 領域202(例えば、リファレンス領域202B)とに ける2点の位置の距離を、最も小さな標準偏 差に対応する設定時間D2にて除算し、フロー ル内における検体の流速を算出する(ステッ プS30)。

 上述したように、本実施形態によれば、第1 の実施形態と同様に、フローセル内にて流れ る検体(液体、流体)の流速を正確に測定する とができ、抗体固定領域あるいはリファレ ス領域に検体が到達するタイミングを検出 ることができ、それぞれの抗体固定領域に ける抗原抗体反応の開始時間を精度良く補 することが可能となり、抗原抗体反応の反 速度を正確に測定することができ、抗原濃 を精度良く測定することが可能となる。
 また、本実施形態によれば、上述したよう 、いずれの抗体固定領域201及びリファレン 領域202それぞれに検体が到達するタイミン を正確に検出ことが可能なため、リファレ ス領域202との差分測定にて、同相ノイズを 去することができ、より抗原濃度の測定を 精度とすることができる。

<第3の実施形態>
 次に、本発明の第3の実施形態について説明 する。図9は本発明の第3の実施形態に係る抗 濃度測定装置300bの構成を示すブロック図で ある。
 本実施形態の抗原濃度測定装置300b(流速測 装置、SPR測定装置とも称する)は、プリズム1 と、光源2と、偏光板3と、集光レンズ4と、CCD カメラ5と、データ処理装置6と、データベー 7(記憶部とも称する)と、フローセル10に対 て液体サンプルを送り出すポンプ8と、液体 ンプルが流れる流路9とを有する。
 本実施形態の抗原濃度測定装置300b(図9)のプ リズム1、光源2、偏光板3、集光レンズ4、CCD メラ5、データ処理装置6は、第1の実施形態 原濃度測定装置300a(図1)のプリズム104、LED100 偏光子102、シリンドリカルレンズ103、CCD111 データ処理装置112にそれぞれ対応している

 図10Aはフローセル10の一般的な構造を示 平面図、図10Bは図10Aのフローセル10のI-I線断 面図である。図10A、図10Bにおいて、70はプリ ム1と同じ屈折率の材料からなる板状の透明 体、71は透明体70上にスパッタ、蒸着などに って形成された厚さ40~60nm程度の金や銀から る金属薄膜、72は金属薄膜71上に固定された 抗体などの被測定物質である。

 図11はデータ処理装置6の構成例を示すブロ ク図である。データ処理装置6は、装置全体 を制御する制御部60と、制御部60のプログラ 等を記憶する記憶部61と、抗原濃度測定装置 300bを使用する使用者が装置に対して指示を えるための入力部62と、使用者に対して情報 を表示するための表示部63とを有する。
 制御部60は、画像取得周期制御部64と、画像 処理部65と、測定開始信号出力部66と、反応 果導出部67と、屈折率導出部68と、反応結果 正部69とを有する。

 次に、本実施形態の抗原濃度測定装置300bの 動作について説明する。図12は本実施形態で いるフローセル10の構造を示す平面図であ 。
 本実施形態では、フローセル10として、透 体70上に形成された金属薄膜71と、金属薄膜7 1上の被測定物質配置用箇所に固定された被 定物質72と、金属薄膜71上の検出物質配置用 所に固定された液体サンプル検出物質73(検 検出物質とも称する)とを有するものを用い る。フローセル10は、被測定物質72及び液体 ンプル検出用物質73が上向きで、透明体70が リズム1と接するようにプリズム1上に載置 れる。

 液体サンプル検出物質73は、液体サンプ 中に含まれる物質のうち被測定物質72との反 応が期待されるものと異なる物質と反応して 屈折率が変化する物質である。液体サンプル 検出物質73と反応する物質としては、液体サ プル中に高濃度に存在する物質が好ましく この物質の例としては、例えば液体サンプ が牛乳である場合、カゼインがある。液体 ンプル検出物質73の例としては、例えば液 サンプルが牛乳である場合、抗カゼイン、 BSA、牛乳が初乳の場合には抗牛IgGなど、牛 中に必ず高濃度で存在するタンパク質に対 る抗体がある。また、液体サンプル検出物 73の別の例として、液体サンプルが血液であ る場合には、抗アルブミンなど、血液中に必 ず高濃度で存在するタンパク質に対する抗体 がある。

 従来と同様に、単色光の光源2から放射され た光が偏光板3を通過すると、P偏光光のみが 過する。このP偏光光は、集光レンズ4で集 されてプリズム1に入射し、被測定物質72が 定されている側と反対の透明体70の側からフ ローセル10に入射する。
 一方、牛乳などの液体サンプルを流入させ 場合、ポンプ8は、液体サンプルを送り出す 。これにより、液体サンプルは流路9内を流 、フローセル10上を通過する。

 データ処理装置6の画像取得周期制御部64は CCDカメラ5に対して画像取得を指示する画像 取得タイミング信号を繰り返し出力する。
 CCDカメラ5は、データ処理装置6から画像取 タイミング信号が出力されると、フローセ 10からの反射光を検出し、濃淡画像データを 出力する。

 データ処理装置6の画像処理部65は、CCDカ ラ5から出力された濃淡画像データを取り込 み、この濃淡画像データを処理して、図19に したような入射角-反射率曲線のデータをフ ローセル10の被測定物質72毎および液体サン ル検出物質73毎に求める。

 図13は液体サンプルの導入後にCCDカメラ5 撮像した画像を模式的に示す図である。CCD メラ5が撮像した画像には、フローセル10の 所の光の反射率に応じた濃淡が現れる。図1 3の201は金属薄膜71に相当する明るい(反射率 高い)領域であり、202は被測定物質72による 射率の谷を示す暗い(反射率が低い)領域、203 は液体サンプル検出物質73による反射率の谷 示す暗い領域である。画像領域203のPX方向 座標がずれているのは、液体サンプルと液 サンプル検出物質73との反応によって屈折率 が変化し、エバネッセンス波と表面プラズモ ン波との共鳴が起こる入射角が僅かに変化し たためである。

 図13のPX方向は図9のX2方向に相当し、光の 入射角θを表しているので、画像処理部65は 濃淡画像データのPX方向の座標を入射角θに 算することが可能である。なお、ここでは 金属薄膜71に対する法線ではなく、金属薄 71の面に対する光の角度を入射角θとする。 た、図13の濃淡画像の明るさはフローセル10 の反射率によって変化するので、画像処理部 65は、濃淡画像データの各画素の輝度値を光 反射率に換算することが可能である。さら 、CCDカメラ5が撮像した濃淡画像において、 フローセル10の被測定物質配置用箇所の位置 よび検出物質配置用箇所の位置は既知であ 。

 したがって、画像処理部65は、被測定物 配置用箇所に相当するPY座標上で入射角-反 率曲線を導出することを被測定物質配置用 所毎に行うことにより、入射角-反射率曲線 データを被測定物質72毎に求めることがで る。同様に、画像処理部65は、検出物質配置 用箇所に相当するPY座標上で入射角-反射率曲 線を導出することを検出物質配置用箇所毎に 行うことにより、データを液体サンプル検出 用物質73毎に求めることができる。画像処理 65は、以上のような処理をCCDカメラ5から濃 画像データが出力される度に行う。なお、 13のPY方向は、図9の紙面に対して垂直なY2方 向に相当する。

 画像取得周期制御部64とCCDカメラ5と画像処 部65によるフローセル10の測定は、液体サン プルが導入される前から既に開始されている 。
 ここで、データ処理装置6の測定開始信号出 力部66は、画像処理部65が測定した被測定物 72の入射角-反射率曲線のデータまたは液体 ンプル検出物質73の入射角-反射率曲線のデ タから、反射率が最低となる入射角(以下、 鳴角θspという)を求める。そして、測定開 信号出力部66は、フローセル10の上に液体サ プルが流れ始めたと考えられる値に共鳴角 spが達したときに、測定開始信号を出力する 。

 画像取得周期制御部64は、測定開始信号 出力されると、この測定開始信号の出力時 ら一定時間の間は画像取得タイミング信号 周期、すなわち画像取得の周期を通常時よ も短くし、一定時間経過後は画像取得の周 を通常時の値に戻す。このように画像取得 周期を変更する理由については後述する。

 次に、データ処理装置6の反応結果導出部 67は、測定開始信号が出力されると、画像処 部65が測定した被測定物質72の入射角-反射 曲線のデータから共鳴角θspを求める。共鳴 θspは、被測定物質72の屈折率および物質72 反応した液体サンプル中の物質の屈折率に 存する。また、被測定物質72(抗体)と液体サ プル中の物質(抗原)とが反応すると、入射 -反射率曲線は図14の特性CAから特性CBへと変 し、共鳴角はθspAからθspBへと変化する。

 データベース7には、共鳴角θspの変化と、 測定物質72と液体サンプル中の物質の反応量 との関係があらかじめ登録されている。
 反応結果導出部67は、データベース7を参照 ることにより、共鳴角θspの変化から、被測 定物質72と液体サンプル中の物質との反応量 求めることができる。反応結果導出部67は 以上のような処理を測定開始信号の出力後 画像処理部65から入射角-反射率曲線のデー が出力される度に行う。

 一方、データ処理装置6の屈折率導出部68 、測定開始信号が出力されると、画像処理 65が測定した液体サンプル検出物質73の入射 角-反射率曲線のデータから共鳴角θsp’を求 る。共鳴角θsp’は、液体サンプル検出物質 73の屈折率および液体サンプル検出物質73と 応した液体サンプル中の物質の屈折率に依 する。

 データベース7には、共鳴角θsp’と屈折率 の関係があらかじめ登録されている。
 屈折率導出部68は、データベース7を参照す ことにより、共鳴角θsp’から液体サンプル 検出物質73および液体サンプル中の反応物質 屈折率を求めることができる。
 屈折率導出部68は、以上のような処理を測 開始信号の出力後に画像処理部65から入射角 -反射率曲線のデータが出力される度に行う

 図15は屈折率導出部68が求めた屈折率の時 間変化を示す図である。図15において、実線 示すRは屈折率導出部68が求めた実際の屈折 、破線で示すRrefは液体サンプルの流速が一 定の場合の理想的な屈折率、丸印で示すSTは 像取得タイミングを示している。

 液体サンプル検出物質73との反応が期待さ る物質は、液体サンプル中に高濃度に存在 る物質である。このため、この物質と液体 ンプル検出物質73との反応は、液体サンプル 導入後に急激に発生し、屈折率導出部68が画 取得タイミング毎に求める屈折率Rは図15に すように急激に上昇してその後に飽和する 性となる。しかし、この屈折率Rは、液体サ ンプルの流速変動のために、理想的な屈折率 Rrefからずれている。
 ここで、画像取得の周期をδT、周期δTにお る屈折率Rの変化量をδRとすると、屈折率R 変化速度V=δR/δTは、液体サンプルの流速に 例する。

 したがって、液体サンプルの流速が理想 である場合の屈折率の既知の変化速度Vrefと 、実際の屈折率Rの変化速度Vとを比較すれば 変化速度Vの誤差量を求めることができ、こ の誤差量から液体サンプルの流速の理想値に 対する実際の流速の誤差量を求めることがで きる。被測定物質72と液体サンプル中の物質 の反応結果は、液体サンプルの流速(流量) 依存するので、流速の誤差量を求めること できれば、反応結果をどれだけ補正すれば いかが分かる。

 データベース7には、屈折率Rの変化速度 理想値Vrefが測定開始時刻t0からの経過時間t にあらかじめ登録されている。また、デー ベース7には、変化速度Vと理想値Vrefとの誤 量と、流速の誤差量とが対応付けてあらか め登録されている。さらに、データベース7 には、流速の誤差量と反応量の補正量とが対 応付けてあらかじめ登録されている。

 反応結果補正部69は、測定開始信号が出 された時刻t0以降の時間tにおいて、現在の 折率Rと1周期前の屈折率Rとから変化量δRを 算して、屈折率Rの変化速度V=δR/δTを計算し データベース7を参照して現在の時間tにお る変化速度の理想値Vrefを取得して、変化速 Vの誤差量を計算する。さらに、反応結果補 正部69は、変化速度Vの誤差量に対応する流速 の誤差量をデータベース7から取得し、この 速の誤差量に対応する補正量をデータベー 7から取得して、反応結果導出部67が求めた 応量を補正量に従って補正する。反応結果 正部69は、以上のような処理を測定開始信号 の出力後に屈折率導出部68から屈折率Rのデー タが出力される度に行う。

 こうして、本実施形態では、液体サンプル 流速が変動した場合でも、被測定物質72の 応結果を補正することができる。
 なお、以上の説明から明らかなように、CCD メラ5、画像処理部65、反応結果導出部67、 折率導出部68および反応結果補正部69は、画 取得の周期毎に動作する。図15に示したよ に、屈折率導出部68が求める屈折率は急激に 上昇した後に飽和するので、この上昇区間で は測定周期を短くして補正精度を高めること が好ましい。これが、画像取得周期制御部64 画像取得の周期を変更する理由である。つ り、画像取得周期制御部64は、測定開始信 が出力された時刻t0から一定時間thの間は画 取得タイミング信号の周期を通常時よりも くし、時間th経過後は画像取得タイミング 号の周期を通常時の値に戻す。

 従来技術による抗原濃度測定装置では、 乳などの液体サンプルをポンプで送り出し 試料セル上に流すことで、例えば牛乳に含 れる菌と試料セルに固定された抗体との反 を検出する。しかしながら、従来技術によ 抗原濃度測定装置では、液体サンプルの流 に変動があった場合に、反応結果を補正す ことができないという問題点があった。例 ば液体サンプルの流速を高精度に調整する とができない簡易型の装置や、液体サンプ の粘度のばらつきなどにより、流速が液送 構で期待される値よりも小さくなった場合 、抗原と抗体の反応量も小さくなり、流速 理想的な値より大きくなった場合は、抗原 抗体の反応量も大きくなる。したがって、 体サンプルの流速が変動すると、正しい測 ができないという問題点があった。

 しかし、本実施形態によれば、液体サン ル中に含まれる物質のうち被測定物質との 応が期待されるものと異なる物質と反応し 屈折率が変化する液体サンプル検出物質73 金属薄膜上に固定したフローセル10に対して 、液体サンプルを流した状態で光を照射し、 CCDカメラ5で撮像された画像から求めた液体 ンプル検出物質73の入射角-反射率曲線から の反射率が最低となる入射角である共鳴角 求め、この共鳴角から液体サンプル検出物 73および反応した液体サンプル中の物質の屈 折率を求め、この屈折率の変化速度から液体 サンプルの流速の誤差量を求め、この流速の 誤差量から反応量の補正量を求めることによ り、反応結果導出部67が求めた反応量を補正 ることができる。その結果、本実施形態に れば、液体サンプルの流速変動に応じて測 結果を補正することができる。

 また、本実施形態では、画像処理部65が めた入射角-反射率曲線において共鳴角を求 、この共鳴角の変化からフローセル10上に 体サンプルが流れ始めたことを検出したと に、測定開始信号を出力し、測定開始信号 出力時から一定時間の間は画像取得タイミ グ信号の周期を通常時よりも短くすること より、測定結果の補正精度を高めることが きる。

<第4の実施形態>
 次に、本発明の第4の実施形態について説明 する。本発明が第1の実施形態と同様の部分 ついては、それらの説明を省略する。また 第4の実施形態と第1の実施形態では、フロー セル内を流れる検体の流速を求める方法が相 違する。よって、以下では、その相違点につ いて説明する。

 図16は、本発明の第4の実施形態による抗原 度検出装置のデータ処理装置の制御部113bの 構成を示すブロック図である。
 制御部113bは、データ入力部11、データ記憶 12、SPR角度算出部13、補間演算部14、波形微 演算部16、波形減算部17、標準偏差演算部18 波形微分・二乗部23、直線検出部24、流速検 出部25を有する。
 制御部113bが、波形微分・二乗部23、直線検 部24、流速検出部25を有している点において 、制御部113aが、波形移動部15、時間差検出部 19、流速算出部20を有している第1の実施形態 相違する。
 なお、波形微分・二乗部23、直線検出部24、 流速検出部25をまとめて、流速演算部21bとも する。

 始めに、本実施形態の抗原濃度検出装置は フローセルの流路を、Y1方向(図1及び図2参 )に、屈折率の低いサンプルを流す。ここで 、このサンプルの屈折率を、N1とする。
 次に、本実施形態の抗原濃度検出装置は、 ローセルの流路を、Y1方向に、屈折率の高 サンプルを流す。ここでは、このサンプル 屈折率をN2とする。屈折率N1と屈折率N2との には、N2>N1の関係がある。
 次に、本実施形態の抗原濃度検出装置は、 ローセルの流路を、Y1方向に、屈折率の低 サンプルを流す。このサンプルの屈折率は N1である。
 このような処理を行なう際に、フローセル Y1方向に沿った複数の地点での屈折率の時 変化を測定することにより、各時間と各地 での屈折率を表す配列を得ることができる この配列を等高線表示すると、図17(a)に示す ようなグラフが得られる。
 図17(a)において、横軸は時間を示しており 縦軸はフローセルの流路の所定地点を基準 した距離を示している。

 図17(a)では、傾きが正の3本の直線が、時刻t 11付近に現れている。また、図17(b)では、傾 が正の3本の直線が、時刻t12付近に現れてい 。それぞれの直線で結ばれた点は、SPR角度 同じであることを意味している。
 なお、フローセルに流すサンプルの流速が 常に早い場合には、時刻t11付近の3本の直線 と、時刻t12付近の3本の直線との傾きは、図17 (a)の縦軸(Y1軸)の傾きに近づく。つまり、各 線の傾きが、無限大に近づく。
 また、フローセルに流すサンプルの流速が い場合には、時刻t11付近の3本の直線と、時 刻t12付近の3本の直線との傾きは、図17(a)の横 軸(時間軸)の傾きに近づく。つまり、各直線 傾きが、0に近づく。

 図17(a)において、フローセルの所定地点(Y1=Y Aとなる地点)に着目すると、図17(b)に示すよ なグラフが得られる。なお、図17(b)において 、横軸は時間を示しており、縦軸はSPR角度を 示している。
 図16の制御部113bの直線検出部24は、図17(a)の 画像から、直線部分を検出する。本実施形態 の直線検出部24は、既知の画像処理アルゴリ ムであるハフ(Hough)変換を用いて、図17(a)の 像から直線部分を検出する。なお、直線検 部24は、ハフ変換以外の既知の画像処理ア ゴリズムを用いて、画像から直線部分を検 しても良い。
 波形微分・二乗部23は、ハフ変換を用いる 線検出部24が、流速が変化する部分の検出に 適するように、図17(a)の配列データを時間方 に微分する。その後、波形微分・二乗部23 、二乗処理を行なう。
 流速検出部25は、直線検出部24の演算結果か ら直線の傾きを求めて、フローセル内を流れ る検体の流速を算出する。

 第1の実施形態では、抗体固定領域201やリフ ァレンス領域202などの2点を予め決める必要 あり、フローセル内の特定の区間での流速 求めることができた。第4の実施形態では、 線の傾きから流速を求めることができるた に、流速の変化を時間的に、フローセル内 位置に依存して求めることができる。した って、抗原濃度検出装置の処理精度を高度 できる。
 なお、第4の実施形態では、流速を求める際 にハフ変換を用いる場合について説明したが 、この方法を、第2又は第3の実施形態に適用 てもよい。

 なお、第1~第4の実施形態による抗原濃度 定装置のデータ処理装置の各部(図4、図11、 図16)の機能を実現するためのプログラムをコ ンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し て、この記録媒体に記録されたプログラムを コンピュータシステムに読み込ませ、実行す ることにより検体の流速の検出処理を行って もよい。なお、ここでいう「コンピュータシ ステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェ を含むものとする。また、「コンピュータ ステム」は、ホームページ提供環境(あるい は表示環境)を備えたWWWシステムも含むもの する。また、「コンピュータ読み取り可能 記録媒体」とは、フレキシブルディスク、 磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コ ピュータシステムに内蔵されるハードディ ク等の記憶装置のことをいう。さらに「コ ピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、 ンターネット等のネットワークや電話回線 の通信回線を介してプログラムが送信され 場合のサーバやクライアントとなるコンピ ータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のよう に、一定時間プログラムを保持しているもの も含むものとする。

 また、上記プログラムは、このプログラ を記憶装置等に格納したコンピュータシス ムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝 媒体中の伝送波により他のコンピュータシ テムに伝送されてもよい。ここで、プログ ムを伝送する「伝送媒体」は、インターネ ト等のネットワーク(通信網)や電話回線等 通信回線(通信線)のように情報を伝送する機 能を有する媒体のことをいう。また、上記プ ログラムは、前述した機能の一部を実現する ためのものであっても良い。さらに、前述し た機能をコンピュータシステムにすでに記録 されているプログラムとの組み合わせで実現 できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プ グラム)であっても良い。

 本発明は、フローセル内の検体の流速を 確に測定し、直列に配列された複数の各抗 が固定されている領域において、いずれの 体の領域に検体が達したかを検出すること できる流速測定装置、抗原濃度測定装置、 ローセル、流速測定方法、抗原濃度測定方 などに適用できる。




 
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