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Title:
FLUID PHYSICAL QUANTITY MEASURING METHOD AND CONTROL METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081720
Kind Code:
A1
Abstract:
It is possible to provide a measuring method and a control method for measuring a physical quantity such as temperature distribution of a fluid by using the BOCDA type optical fiber sensing technique. The measuring method uses an optical fiber functioning as the BOCDA type optical fiber sensor is arranged in a pipe along a flow of a fluid flowing in the pipe. Since the optical fiber is in direct contact with the fluid flowing in the pipe, it is possible to rapidly measure the temperature distribution of the fluid. Moreover, by adjusting the temperature of heating/cooling means arranged along the longitudinal direction of the pipe, it is possible to accurately control the temperature distribution of the fluid in the pipe.

Inventors:
SASAOKA EISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074453
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 19, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES (JP)
SASAOKA EISUKE (JP)
International Classes:
G01K11/12; G01D5/353; G01F1/708; G01K13/02; G01P5/18
Foreign References:
JP2000180265A2000-06-30
JPH03181829A1991-08-07
JPH02171628A1990-07-03
JPH06326045A1994-11-25
JP2000180265A2000-06-30
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 管路内を流れる流動体の温度分布をBOCDA方式の光ファイバセンサを用いて測定するための測定方法であって、
 少なくとも一部が前記流動体の流れ方向に沿って前記管路内に配置された光ファイバを用意し、
 前記光ファイバの一端からポンプ光を入射させる一方、前記光ファイバの他端からプローブ光を入射させ、
 前記光ファイバの両端から対向入射されるポンプ光及びプローブ光の周波数を変調することにより、前記光ファイバの長手方向における所望位置で発生するブリルアンゲインスペクトルを測定し、そして、
 前記管路内における流動体の温度分布として、前記光ファイバのうち前記管路内に位置する部分の、該光ファイバの長手方向に沿った温度分布を決定する流動体の物理量測定方法。
 管路内を流れる流動体の温度分布をBOCDA方式の光ファイバセンサを用いて測定し、そして、該流動体の温度分布を所定の分布パターンに制御するための制御方法であって、
 前記流動体の流れ方向に沿って前記管路に対して設置された一又はそれ以上の加熱/冷却手段を用意するとともに、少なくとも一部が前記流動体の流れ方向に沿って前記管路内に配置された光ファイバを用意し、
 前記光ファイバの一端からポンプ光を入射させる一方、前記光ファイバの他端からプローブ光を入射させ、
 前記光ファイバの両端から対向入射されるポンプ光及びプローブ光の周波数を変調することにより、前記光ファイバの長手方向における所望位置で発生するブリルアンゲインスペクトルを測定し、そして、
 前記管路内における流動体の温度分布が所定の分布パターンになるよう、前記管路内の流動体の温度分布測定結果に基づき、前記管路に対して設置された一又はそれ以上の加熱/冷却手段それぞれの温度を調整する流動体の物理量制御方法。
 容器内に収容された流動体の温度分布をBOCDA方式の光ファイバセンサを用いて測定するための測定方法であって、
 少なくとも一部が前記容器内に二次元的又は三次元的に配置された光ファイバを用意し、
 前記光ファイバの一端からポンプ光を入射させる一方、前記光ファイバの他端からプローブ光を入射させ、
 前記光ファイバの両端から対向入射されるポンプ光及びプローブ光の周波数を変調することにより、前記光ファイバの長手方向における所望位置で発生するブリルアンゲインスペクトルを測定し、そして、
 前記容器内における流動体の温度分布として、前記光ファイバのうち前記容器内に位置する部分の、該光ファイバの長手方向に沿った温度分布を決定する流動体の物理量測定方法。
 容器内に収容された流動体の温度分布をBOCDA方式の光ファイバセンサを用いて測定し、そして、該流動体の温度分布を所定の分布パターンに制御するための制御方法であって、
 前記容器内に設置された一又はそれ以上の加熱/冷却手段を用意するとともに、少なくとも一部が前記容器に対して二次元的又は三次元的に配置された光ファイバを用意し、
 前記光ファイバの一端からポンプ光を入射させる一方、前記光ファイバの他端からプローブ光を入射させ、
 前記光ファイバの両端から対向入射されるポンプ光及びプローブ光の周波数を変調することにより、前記光ファイバの長手方向における所望位置で発生するブリルアンゲインスペクトルを測定し、そして、
 前記容器内における流動体の温度分布が所定の分布パターンになるよう、前記容器内の流動体の温度分布測定結果に基づき、前記容器に対して設置された一又はそれ以上の加熱/冷却手段それぞれの温度を調整する流動体の物理量制御方法。
 管路内を流れる流動体の流速をBOCDA方式の光ファイバセンサを用いて測定するための測定方法であって、
 少なくとも一部が前記流動体の流れ方向に沿って前記管路内に配置された光ファイバを用意し、
 前記光ファイバの一端からポンプ光を入射させる一方、前記光ファイバの他端からプローブ光を入射させ、
 前記光ファイバの両端から対向入射されるポンプ光及びプローブ光の周波数を変調することにより、前記光ファイバの長手方向における所望位置で発生するブリルアンゲインスペクトルを測定し、そして、
 前記光ファイバのうち前記管路内に位置する部分の、該光ファイバの長手方向に沿った温度分布測定結果と、該温度分布の時間的変化に基づいて、前記管路内を流れる流動体の流速を決定する物理量測定方法。
 管路内を流れる流動体の流速をBOCDA方式の光ファイバセンサを用いて測定し、そして、該流動体の流速を所定値に制御するための制御方法であって、
 前記管路に対して設置された、前記流動体の流速を調整するための流量調整手段を用意するとともに、少なくとも一部が前記流動体の流れ方向に沿って前記管路内に配置された光ファイバを用意し、
 前記光ファイバの一端からポンプ光を入射させる一方、前記光ファイバの他端からプローブ光を入射させ、
 前記光ファイバの両端から対向入射されるポンプ光及びプローブ光の周波数を変調することにより、前記光ファイバの長手方向における所望位置で発生するブリルアンゲインスペクトルを測定し、そして、
 前記管路内における流動体の流速が所定値に近づくよう、前記光ファイバのうち前記管路内に位置する部分の、該光ファイバの長手方向に沿った温度分布測定結果と、該温度分布の時間的変化に基づいて、前記流量調整手段を制御する流動体の物理量制御方法。
 前記光ファイバの長手方向に沿った温度分布測定のサンプリング間隔及び空間分解能、温度分布測定の範囲、温度分布測定の実行時間は、被測定物である前記流動体の種類に合わせて前記ポンプ光及びプローブ光の周波数変調パターンが調整されることにより設定されることを特徴とする請求項1、3、5のいずれか一項記載の流動体の物理量測定方法。
 前記光ファイバの長手方向に沿った温度分布測定のサンプリング間隔及び空間分解能、温度分布測定の範囲、温度分布測定の実行時間は、被測定物である前記流動体の種類に合わせて前記ポンプ光及びプローブ光の周波数変調パターンが調整されることにより設定されることを特徴とする請求項2、4、6のいずれか一項記載の流動体の物理量制御方法。
Description:
流動体の物理量測定方法及び制 方法

 この発明は、対象物である流動体の温度 布、流速などの物理量を、BOCDA方式の光フ イバセンサを用いて測定/制御するための流 体の物理量測定方法及び流動体の物理量制 方法に関するものである。

 従来、光センシング技術に応用される光 ァイバセンサとしては、光ファイバ内に光 ルスを入射させた際に発生するレーリー散 による後方散乱光を測定することで、該光 ァイバ内の物理量(温度、損失等)や欠陥場 を測定する、OTCR(Optical Time Domain Reflectromete r)方式の光ファイバセンサが知られている。

 一方、光ファイバから出力されるブリルア 散乱光のブリルアンゲインスペクトル(BGS) 形状は、光ファイバの温度及び/又は歪によ 変化する。この変化を利用して対象物の物 量を測定する技術として、例えば、特許文 1や非特許文献1に記載されたBOCDA(Brillouin Opt ical Correlation Domain Analysis)方式の光ファイバ センサが従来から知られている。

特開2000-180265号公報 保立和夫、新井寛、「ポンプ・プローブ 時分割発生方式BOCDA光ファイバ歪み分布セン ング系における時間ゲート法による測定レ ジの拡大」、信学技報、社団法人 電子情 通信学会、OPE2004-224(2005-02)

 発明者らは、従来の光ファイバセンサに いて検討した結果、以下のような課題を発 した。

 すなわち、管路内又は容器内に存在する 動体の、温度分布、流速等の物理量を迅速 高精度に測定する要求があった。しかしな ら、従来のOTDR方式の光ファイバセンサでは 、被測定対象物である流動体の物理量測定に おける距離分解能や測定時間に関し、満足で きる測定性能を達成するのは困難であった。

 ここで、上記特許文献1、非特許文献1な に開示された技術によれば、ポンプ光及び ローブ光がセンサ部分に相当する光ファイ の両端から対向入射される。このとき、ポ プ光及びプローブ光の周波数を変調するこ により、光ファイバの長手方向における所 位置においてブリルアン散乱が発生する。 のブルリアン散乱に起因した利得スペクト (BGS)を測定することで、光ファイバの長手方 向に沿った温度分布が測定される。

 このような連続光波の相関制御法による リルアン散乱方式が採用された光ファイバ 布型歪センシング技術(BOCDA方式)の光ファイ バセンサによれば、旧来から知られているラ マン散乱型光ファイバセンシングなどに比べ 、測定温度範囲、長手方向における温度分布 測定の空間分解能、測定時間などの各種特性 において優れた効果が期待できる。

 例えば、BOCDA方式の光ファイバセンサは ストークス光の強度(ゲイン)は極低温でも十 分なレベルが維持される。さらに、BOCDA方式 光ファイバセンサは、周波数シフトにより 度が測定されるので、強度比に基づいた温 測定を行うラマン散乱型光ファイバセンシ グに比べ、ノイズに強く、絶対温度1Kまで 測定可能性が確認されている。

 BOCDA方式の光センサにおける空間分解能δz r は以下の式(1)で表される。
  ここで、mf m 、f m はそれぞれ光源に印加される正弦波状周波数 変調の振幅と変調周波数であり、δν B はBGS線幅、v g は光の群速度である。

 一例を挙げると、群速度2.0×10 8 m/秒、BGS線幅50MHzの典型的な光ファイバに関 、既存のレーザダイオード(LD)で実現可能な 波数変調の振幅2GHz、変調周波数100MHzとする と、該光ファイバの長手方向に沿った空間分 解能は約1cmとなる。

 また、BOCDA方式の光ファイバセンサでは 続光が使用されるため、パルス法に比べてOS NR(光信号と雑音との強度比)がよく、また、 信号を積算したり平均化する必要がない。 のため、高速な温度分布測定等が可能であ 、測定点1箇所あたり57Hzで測定できることが 確認されている。

 さらに、BOCDA方式の光ファイバセンサは ポンプ光及びプローブ光の周波数変調パタ ンを調整することにより、光ファイバの長 方向における温度分布測定の空間分解能、 定範囲、測定時間を、被測定対象物の特性 どに合わせて自由に調整することができる また、BOCDA方式の光ファイバセンサは、空間 分解能とともに、サンプリング間隔も自由に 調整可能である。

 この発明は上述のような課題を解決する めになされたものであり、優れた特性を有 るBOCDA方式の光ファイバセンシング技術を 利用して、流動体が流れる容器等の形状の 限されることなく、該流動体の温度分布、 速などの物理量を迅速かつ高精度に測定/制 するための流動体の物理量測定方法及び流 体の物理量制御方法を提供することを目的 している。

 上述の目的を達成するため、この発明に る流動体の物理量測定方法及び制御方法は 管路内を流れる流動体の温度分布をBOCDA方 の光ファイバセンサを用いて測定する一方 該管路の長手方向に沿って設置された1又は れ以上の加熱/冷却手段の温度を調整するこ とで流動体の温度分布を制御する。

 具体的に、管路内を流れる流動体の温度 布を測定するための当該測定方法では、少 くとも一部が対象物である流動体の流れ方 に沿って管路内に配置された光ファイバが 意される。この光ファイバの一端からはポ プ光が入射され、該光ファイバの他端から プローブ光が入射される(ポンプ光及びプロ ーブ光の対向入射)。そして、光ファイバの 端から対向入射されるポンプ光及びプロー 光の周波数を変調することにより、該光フ イバの長手方向における所望位置で発生す BGSが測定される。これにより、管路内にお る流動体の温度分布として、光ファイバの ち該管路内に位置する部分(センサ部分)の、 該光ファイバの長手方向に沿った温度分布が 決定される。

 一方、管路内を流れる流動体の温度分布 制御するための当該制御方法では、以上の うに測定された管路内の流動体の温度分布 定結果に基づいて、該管路内における流動 の温度分布が所定の分布パターンになるよ 、該管路に設置された一又はそれ以上の加 /冷却手段それぞれの温度が調整される。な お、この明細書において、「所定の分布パタ ーン」とは、時間的に変化又は空間的に変化 の事前に決められた温度分布パターンをいう 。

 また、この発明に係る流動体の物理量測 方法及び制御方法は、任意形状の容器内に 容された流動体の温度分布をBOCDA方式の光 ァイバセンサを用いて測定する一方、該容 に対して設置された一又はそれ以上の加熱/ 却手段の温度を調整することで流動体の温 分布を制御する。

 具体的に、容器内の流動体の温度分布を 定するための当該測定方法では、少なくと 一部が容器内に二次元的又は三次元的に配 された光ファイバが用意される。この光フ イバの一端からはポンプ光が入射され、該 ファイバの他端からはプローブ光が入射さ る(ポンプ光及びプローブ光の対向入射)。 して、光ファイバの両端から対向入射され ポンプ光及びプローブ光の周波数を変調す ことにより、光ファイバの長手方向におけ 所望位置で発生するBGSが測定される。これ より、容器内における流動体の温度分布と て、光ファイバのうち容器内に位置する部 (センサ部分)の、該光ファイバの長手方向に 沿った温度分布が決定される。

 一方、容器内の流動体の温度分布を制御 るための当該制御方法では、以上のように 定された容器内の流動体の温度分布測定結 に基づいて、該容器内における流動体の温 分布が所定の分布パターンになるよう、該 器に対して設置された一又はそれ以上の加 /冷却手段それぞれの温度が調整される。

 さらに、この発明に係る流動体の物理量 定方法及び制御方法は、管路内を流れる流 体の流速をBOCDA方式の光ファイバセンサを いて測定する一方、該管路に対して設置さ た、流動体の流速を調整するための流量調 手段を調整することにより、流動体の流速 制御する。

 具体的に、管路内を流れる流動体の流速 測定するための当該測定方法では、少なく も一部が流動体の流れ方向に沿って管路内 配置された光ファイバが用意される。この ファイバの一端からはポンプ光が入射され 該光ファイバの他端からはプローブ光が入 される(ポンプ光及びプローブ光の対向入射 )。そして、光ファイバの両端から対向入射 れるポンプ光及びプローブ光の周波数を変 することにより、光ファイバの長手方向に ける所望位置で発生するBGSが測定される。 れにより、光ファイバのうち管路内に位置 る部分(センサ部分)の、該光ファイバの長手 方向に沿った温度分布測定結果と、該温度分 布の時間的変化に基づいて、管路内を流れる 流動体の流速が決定される。

 一方、管路内を流れる流動体の流速を制 する当該制御方法では、以上のように測定 れた光ファイバのうち管路内に位置する部 (センサ部分)の、該光ファイバの長手方向 沿った温度分布測定結果と、該温度分布の 間的変化に基づいて、該管路内における流 体の流速が所定値に近づくよう流量調整手 が制御される。

 好ましくは、この発明に係る流動体の物 量測定方法及び制御方法において、光ファ バの長手方向に沿った温度分布測定のサン リング間隔及び空間分解能、温度分布測定 範囲、温度分布測定の実行時間は、被測定 である流動体の種類に合わせてポンプ光及 プローブ光の周波数変調パターンが調整さ ることにより設定される。

 なお、この発明に係る各実施例は、以下 詳細な説明及び添付図面によりさらに十分 理解可能となる。これら実施例は単に例示 ために示されるものであって、この発明を 定するものと考えるべきではない。

 また、この発明のさらなる応用範囲は、 下の詳細な説明から明らかになる。しかし がら、詳細な説明及び特定の事例はこの発 の好適な実施例を示すものではあるが、例 のためにのみ示されているものであって、 の発明の範囲における様々な変形及び改良 この詳細な説明から当業者には自明である とは明らかである。

 以上のようにこの発明によれば、光ファ バの長手方向に沿った温度分布をブリルア 散乱により高精度、短時間で測定するBOCDA 式の光ファイバセンシング技術を用いる。 のとき、センサ部分である光ファイバは管 又は容器の内部に設置され被測定物である 動体に直接接触することになる。この構成 より、管路内又は容器内の流動体の温度分 や流速が、精度良く短時間に測定可能にな 。

 また、得られた測定結果に基づき、加熱/ 冷却手段や流量調整手段などを適宜調整する ことにより、流動体の温度分布や流速が、高 い精度でかつ迅速に制御され得る。

 さらに、この発明によれば、軽量、細径 防爆性を有するとともに、電磁ノイズなど 影響を受けない、発生させないなどの光フ イバの特徴を活かすことができる。そのた 、光ファイバのこれら特性が要求される被 定物の測定/制御に幅広く利用できるなど、 多くの効果を奏する。

は、この発明に係る流動体の物理量測 方法及び制御方法を実現するBOCDA方式の光 ァイバセンサの概略構成を示す図である。 は、BOCDA方式の光ファイバセンサの構 例を示す図である。 は、この発明に係る流動体の物理量測 方法を実現するBOCDA方式の光ファイバセン 、特に、センサ部分となる光ファイバの三 元配置の例を示す図である。 は、この発明に係る流動体の物理量測 方法による流速測定を説明するための図で る。

符号の説明

 1…管路、2、2a、2b…流動体、3…温度測定 用の光ファイバ、4a、4b…フィードスルー用 ファイバ、5…BOCDA方式の温度センサ本体。

 以下、この発明に係る流動体の物理量測 方法及び制御方法の各実施例を、図1~図4を 照しながら詳細に説明する。なお、図面の 明において、同一部位、同一要素には同一 号を付して重複する説明を省略する。

 図1は、この発明に係る流動体の物理量測 定方法及び制御方法を実現するBOCDA方式の光 ァイバセンサの概略構成を示す図である。 に、図1において、領域(a)は流動体の物理量 として温度分布を測定/制御可能な光ファイ センサの構成例を示し、領域(b)は流動体の 理量として流速を測定/制御可能な光ファイ センサの構成例を示す。なお、図1に示され たように、管路1内には、被測定物としての 動体2が所定の流速で矢印方向に流れている

 図1の領域(a)に示された光ファイバセンサ は、温度センサ本体5と、光ファイバ3(センサ 部分)と、フィードスルー用光ファイバ4a、4b 、一又はそれ以上の加熱/冷却手段19を備え 。

 この光ファイバセンサ(図1の領域(a))にお て、管路1内を矢印方向に沿って流れる流動 体2の温度分布を測定/制御するため、光ファ バ3は、該管路1内に流動体2の流れ方向に沿 て該管路1内に配置されている。また、加熱 /冷却手段19も、管路1に対して流動体2の流れ 向に沿って該管路1内に設置されている。光 ファイバ3の両端にはフィードスルー用光フ イバ4a、4bそれぞれの一端が接続されている これらフィードスルー用光ファイバ4a、4bは 管路1の壁面を貫通して外部に位置しており それらの他端を温度センサ本体5に接続する とで、光ファイバ3と温度センサ本体5とが 学的に接続される。 

 以上の構成により、光ファイバ3が、BOCDA 式(連続光波の相関制御法によるブリルアン 散乱方式光ファイバ分布型歪センシング技術 )の光ファイバセンサとして機能する。また 得られた管路1内の流動体2の温度分布測定結 果に基づいて、該管路1内における流動体2の 度分布が所定の分布パターンになるよう、 度センサ本体5から加熱/冷却手段19に制御信 号が送られる。これにより、温度センサ本体 5が加熱/冷却手段19それぞれの温度を制御す 。

 一方、図1の領域(b)に示された光ファイバ センサは、温度センサ本体5と、光ファイバ3( センサ部分)と、フィードスルー用光ファイ 4a、4bと、流量調整手段190を備える。

 この光ファイバセンサ(図1の領域(b))にお て、管路1内を矢印方向に沿って流れる流動 体2の流速を測定/制御するため、光ファイバ3 は、該管路1内に流動体2の流れ方向に沿って 管路1内に配置されている。また、流量調整 手段190も、管路1に対して取り付けられてい 。光ファイバ3の両端にはフィードスルー用 ファイバ4a、4bそれぞれの一端が接続されて いる。これらフィードスルー用光ファイバ4a 4bは管路1の壁面を貫通して外部に位置して り、それらの他端を温度センサ本体5に接続 することで、光ファイバ3と温度センサ本体5 が光学的に接続される。

 以上の構成により、光ファイバ3が、BOCDA 式(連続光波の相関制御法によるブリルアン 散乱方式光ファイバ分布型歪センシング技術 )の光ファイバセンサとして機能する。また 得られた管路1内の流動体2の温度分布測定結 果と測定された温度分布の時間変化に基づい て、該管路1内を流れる流動体2の流量が所定 に近づくよう、流量調整手段190が制御され 。このように、温度センサ本体5が管路1内 流れる流動体2の流速を制御する。

 BOCDA方式の光ファイバセンサの温度セン 本体5は、図2に示されたように構成されてい る。すなわち、温度センサ本体5は、光源と てのレーザダイオード(LD)6を備えるとともに 、プローブ光の生成系と、ポンプ光生成系と 、測定系から構成される。プローブ光生成系 は、3dBカプラ7と、偏波コントローラ8と、マ クロ波発生器により制御される位相変調器( LNmod.)9と、アイソレータ90そ備える。ポンプ 生成系は、3dBカプラ7と、偏波コントローラ1 0と、強度変調器(IM)11と、遅延線12と、光ファ イバアンプ(EDFA)13と、アイソレータ130と、サ キュレータ14を備える。測定系は、サーキ レータ14と、光フィルタ15と、フォトダイオ ド16と、ロックインアンプ(LIA)17と、制御部( コンピュータ)18を備える。

 まず、LD6から出力された光は、3dBカップ 7で2光波成分に分岐される。一方の光は、 波コントローラ(PC)8を介して、位相変調器(LN mod.)9で約11GHz周波数がシフトされる。この周 数シフトされた光が、プローブ光として、 イソレータ90、接続用光ファイバ4aを順に伝 搬し、光ファイバ3(センサ部分)の一端側に入 射する。他方の光は、偏波コントローラ10、 度変調器(IM)11、遅延線12を介して、光ファ バアンプ(EDFA)13で増幅される。この増幅光が 、ポンプ光として、アイソレータ130、接続用 光ファイバ4bを順に伝搬し、光ファイバ3の他 端側に入射する。このように、ポンプ光とプ ローブ光は光ファイバ3中を対向伝搬し、誘 ブリルアン散乱(SBS)が発生する。このとき、 プローブ光は、ストークス光のゲインスペク トル(BGS)に対応したゲインだけ増幅される。 幅されたプローブ光は、サーキュレータ14 介して光フィルタ15に導かれる。光フィルタ 15により不要光成分が除去された後、プロー 光は、フォトダイオード(PD)16、ロックイン ンプ(LIA)17などにより、BGSが検出される。制 御部18(コンピュータ)は、このBGSの検出結果 基づいて、対象物の温度分布を測定すると もに、加熱/冷却手段19を制御する(制御信号 出力)。なお、管路1に流量調整手段190が配 された構成においても、制御部18から出力さ れる制御信号に基づいて、流量調整手段190が 制御される。

 上述のBOCDA方式の光ファイバセンサにお て、ポンプ光及びプローブ光の周波数は、LD 6の注入電流を正弦波状に変化させることで 調される。このため、光ファイバ3の長手方 にポンプ光及びプローブ光の周波数差が一 となる相関の高い位置(相関ピーク)と低い 置が生成され、相関ピークのみで大きなSBS 発生する。

 この結果、特定位置でのストークス光のB GS情報を得ることができ、ポンプ光、プロー 光の周波数変調パターンを順次変化させる とにより、管路1内を流れる流動体2の温度 布を、高精度かつ短時間に測定することが 能になる。

 このように得られた管路1内の流動体2の 度分布データは、パーソナルコンピュータ どで構成される制御部18が格納する。一方、 管路1の外側又は内側には、該管路1の長手方 に沿って所定間隔ごとに加熱/冷却器19が設 されており、制御部18からの制御信号(指令) で、それぞれの加熱/冷却器19の温度が調整さ れる。制御部18は、管路1内を流れる流動体2 理想的な温度分布データ(基礎データ)を予め 格納しており、光ファイバ3によって測定さ た温度分布データと格納されている基礎デ タを比較し、該基礎データの許容範囲を外 た箇所に設置されている加熱/冷却器19を作 させる(温度調整)。このように、制御部18に り、管路1内における流動体2の温度分布が 御される。

 なお、BOCDA方式の光ファイバセンサでは ポンプ光、プローブ光の周波数変調パター を調整することで、光ファイバ3の長手方向 サンプリング間隔、測定範囲、測定時間な を自由に調整することができる。すなわち 温度分布の時間的変化や二次元的分布を的 に捉えるためには、対象物における温度分 変化の位置に関する細かさや広がり・温度 化の速度と、光ファイバセンサによる光フ イバ3の長手方向のサンプリング間隔、測定 範囲、測定時間とが対応していることが重要 である。なお、光ファイバセンサの空間分解 能よりも細かくサンプリング間隔を設定して も意味ある測定はできない。

 例えば、被測定物が長さ10mの管路を流速(v)= 1m/secで流れる流動体であり、この流動体の温 度分布を測定する場合、光ファイバセンサに よる測定範囲は10m以上であることが好ましい 。また、光ファイバセンサによる長手方向の サンプリング間隔(dz)が0.1mである場合、サン リング間隔(dz)に相当する長さを流動体が流 れるのに要する時間は0.1secである。このよう な流動体を測定するためには、測定時間(dt) 0.1sec以下であることが必要となる。これを した一般式が以下の式(2)である。

 上述のような仕様の温度分布測定、すな ち、測定範囲10m以上、光ファイバ3の長手方 向の空間分解能0.1m以下、測定時間0.1秒以下 、上述のように構成されたBOCDA方式の光セン シング技術で十分実現可能なレベルである。 具体的には、長さ10mの光ファイバ3をセンサ 分とし、該光ファイバ3の長手方向の空間分 能0.1mで、測定位置100箇所(測定点)、各測定 における測定時間を0.1秒とすることができ 。

 この発明の用途としては、例えば、管路 を流れる液体や気体の流入口での温度、流 口での温度、流入口から流出口に至る全域 温度などを所望温度に制御したい場合など 含まれる。また、加熱/冷却器の設置数や設 置箇所は、それら用途に応じて適宜に選択さ れ得る。

 次に、図3は、この発明に係る流動体の物 理量測定方法を実現するBOCDA方式の光ファイ センサ、特に、センサ部分となる光ファイ 3の三次元配置の例を示す図である。この図 3に示されたように、被測定物が容器20内に収 容された流動体2でる場合、該容器20内に光フ ァイバ3が2次元的又は3次元的に配置される。

 まず、図3の領域(a)に示された配置例では 、容器20内の内周に沿う円形部3aが容器高さ 向に対し多段に設置される一方、これら円 部3a同士が容器20の高さ方向に沿う直線状部3 bで繋がれるように、光ファイバ3が部分的に 形している。この光ファイバ3の両端にはフ ィードスルー用光ファイバ4a、4bそれぞれの 端が接続している。これらフィードスルー 光ファイバ4a、4bは、容器20の壁面を貫通し 外部に位置している。また、これらフィー スルー用光ファイバ4a、4bの他端は、温度セ サ本体5に接続されており、光ファイバ3(円 部3a及び直線状部3b)が、BOCDA方式の光ファイ バセンサとして機能する。

 また、この図3の領域(a)に示された配置例 では、容器20の外側又は内側の一箇所又は適 複数個所に加熱/冷却器(図1の領域(a)参照)が 設置されている。このように構成されること により、制御部18が各加熱/冷却器の温度を調 整可能になる。

 制御部18は、容器20内の流動体2の理想的 温度分布データ(基礎データ)を予め格納して おり、光ファイバ3(円形部3a及び直線状部3b) よって測定された温度分布データと基礎デ タを比較し、該基礎データの許容範囲を外 た場合、適所の加熱/冷却器を適時を作動さ る(温度調整)。これにより、容器20内におけ る流動体2の温度分布が制御される。

 図3の領域(b)及び領域(c)には、光ファイバ 3の配置形態の変形例が示されている。例え 、図3において、領域(b)に示された配置例で 、容器20の内周及び高さ方向に沿うよう螺 状に設置された光ファイバ3の両端にフィー スルー用光ファイバ4a、4bそれぞれの一端が 接続されている。また、領域(c)に示された配 置例では、容器20の内部空間に、仮想球体の 心部位に設置された緯線状部3cと、該仮想 体の上下の極点を通過するように設置され 直交する二つの経線状部3d、3eを有するよう 、光ファイバ3が部分的に変形される。そし て、このように変形された光ファイバ3の両 にはフィードスルー用光ファイバ4a、4bそれ れの一端が接続されている。

 なお、図3に示された配置例において、光 ファイバ3の配置形態は図示の配置例には限 されない。例えば、容器の形状や被測定物 特性に合わせて、2次元的又は3次元的な各種 の設置形態が採用可能である。

 このような温度分布測定の用途には、例 ば、容器内に収容された液体や気体の温度 、容器内の全域にわたって一定に保持した 場合や、所望のパターンで温度差を生じさ たい場合などが含まれる。例えば、容器内 の結晶成長や所望の化学反応、発酵を行う ど、環境温度に敏感な場合や、それ自体が 度変化をもたらすプロセスなどに好適に用 れる。なお、加熱/冷却器の設置数や設置箇 所は、それら用途に応じて適宜に選択され得 る。

 図4は、この発明に係る流動体の物理量測 定方法による流速測定を説明するための図で ある。図4に示された流速測定及び流速制御 、管路1の内部に設置された光ファイバ(セン サ部分)3、フィードスルー用光ファイバ4a、4b 温度センサ本体5、及び流量調整手段190を備 た、図1の領域(b)に示されたBOCDA方式の光フ イバセンサにより行われる。なお、図4には 流動体2の温度境界2cが流れ方向に沿って移 する要すが示されており、領域(a)は測定開 から1秒後の温度境界及びそのときの温度分 布測定結果を示し、領域(b)は測定開始から2 後の温度境界及びそのときの温度分布測定 果を示し、そして、領域(c)は測定開始から3 後の温度境界及びそのときの温度分布測定 果を示す。

 すなわち、管路1内には低温の流動体(例 ば冷水)2aが予め充填されており、この管路1 に流入口側から高温の流動体(例えば温水)2b を流す。この場合、高温の流動体2bが導入さ た直後(測定開始から1秒後)では、図4(a)に示 されたように、BOCDA方式の光ファイバセンサ 管路1内を流れる流動体の温度分布を測定す ることにより、温度の異なる流動体2a、2bの 度境界2cが特定される。その後、所定の時間 間隔ごとに流動体2a、2bの温度境界2cの移動を 光ファイバ3で測定することで(図4の領域(b)及 び領域(c)参照)、高温の流動体2bの流速が測定 される。

 一方、制御部18(図2参照)には、高温の流 体2bの理想的な時間的温度変化データ(基礎 ータ)が格納されている。制御部18は、光フ イバ3によって測定された流速データと基礎 ータを比較し、該基礎データの許容範囲を れた場合、高温の流動体2bの供給手段(流量 整手段190)による供給量を適宜に調整する。 これにより、高温の流動体2bの流速が制御さ る。

 このような流動体の流速測定及び流速制 は、例えば、食品、化粧品、薬品などの発 、精製などの温度を厳密に制御する製造プ セスなどに好適に適用され得る。

 以上の本発明の説明から、本発明を様々 変形しうることは明らかである。そのよう 変形は、本発明の思想及び範囲から逸脱す ものとは認めることはできず、すべての当 者にとって自明である改良は、以下の請求 範囲に含まれるものである。

 この発明に係る測定方法及び制御方法は 対象物として流動体が流れる容器の形状に 限されることなく、該流動体の温度分布、 速等の物理量を迅速かつ高精度に測定する とができるBOCDA方式の光ファイバセンシン 技術への適用が可能である。