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Patent Searching and Data


Title:
OBJECT PHYSICAL QUANTITY MEASURING METHOD AND CONTROL METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081719
Kind Code:
A1
Abstract:
An optical sensing technique of measuring and controlling a physical quantity of an object present on or in a microstructure by using the Brillouin scattering decrease. In the measuring method, an optical waveguide is prepared linearly or two- or three-dimensionally on or in an element such as a micro chemical chip or an IC chip, and a physical quantity of the object is determined according to the variation of a characteristic of the Brillouin scattering light produced in the optical waveguide.

Inventors:
HAYASHI TETSUYA (JP)
SASAOKA EISUKE (JP)
YAMAMOTO YOSHINORI (JP)
KATAYAMA MAKOTO (JP)
KANIE TOMOHIKO (JP)
ISHIKAWA SHINJI (JP)
ICHIKAWA OSAMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074447
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 19, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES (JP)
HAYASHI TETSUYA (JP)
SASAOKA EISUKE (JP)
YAMAMOTO YOSHINORI (JP)
KATAYAMA MAKOTO (JP)
KANIE TOMOHIKO (JP)
ISHIKAWA SHINJI (JP)
ICHIKAWA OSAMU (JP)
International Classes:
G01D5/353; G01D21/00; G01F1/66; G01K11/12; G01L11/02; G01N21/00; G01P5/00
Foreign References:
JP2001194191A2001-07-19
JPH05107121A1993-04-27
JP2006297198A2006-11-02
JPH04174332A1992-06-22
Other References:
K.Y SONG; Z. HE; K. HOTATE: "Distributed strain measurement with millimeter-order spatial resolution based on Brillouin optical correlation domain analysis", OPT. LETT., vol. 31, 2006, pages 2526 - 2528, XP001246329, DOI: doi:10.1364/OL.31.002526
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chom, Chuo-ku Tokyo 61, JP)
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Claims:
 素子上又は素子中に存在する対象物の物理量を測定する方法であって、
 前記素子上又は素子中に一次元乃至三次元的に配置された光導波路を用意し、そして、
 前記光導波路中で発生するブリルアン散乱に起因する、前記光導波路中を伝搬する光の特性変化に基づいて、前記対象物の物理量を測定する対象物の物理量測定方法。
 素子上又は素子中に存在する対象物の物理量を測定する方法であって、
 前記素子上又は素子中に形成された流路であって光入射端及び光出射端としてそれぞれ機能する2つの端部を有する流路中に存在する、前記対象物としての流動体自体を光導波路として確保した状態で、光入射端である前記流路の一方の端部から前記対象物である流動体に光を照射し、
 前記流路中に存在する流動体内を伝搬した後に光出射端である前記流路の他方の端部から出射された光を検出し、そして、
 前記流動体中で発生するブリルアン散乱に起因した、検出光の特性変化に基づいて、前記流動体自体の物理量を測定する対象物の物理量測定方法。
 素子上又は素子中に存在する対象物の物理量を測定する方法であって、
 光入射端と光出射端を有するとともに該光入射端から該光出射端まで連続した形状を有する光導波路であって、少なくとも一部が前記対象物に近接するよう前記素子上又は素子中に配置された光導波路を用意し、
 前記光入射端から前記光導波路内に光を照射するとともに、前記導波路内を伝搬した後に前記光出射端から出射された光を検出し、そして、
 前記流動体中で発生するブリルアン散乱に起因した、検出光の特性変化に基づいて、前記対象物の物理量を間接的に測定する対象物の物理量測定方法。
 前記光導波路は、一端が少なくとも前記光入射端として機能する一方、他端が少なくとも前記光出射端として機能する光導波部材であって、少なくとも一部が前記素子中に埋設された光導波部材を含むことを特徴とする請求項3記載の対象物の物理量測定方法。
 前記光導波路は、一端が少なくとも前記光入射端として機能する一方、他端が少なくとも前記光出射端として機能する該光入射端から該光出射端まで連続した光導波領域が作り込まれた光導波路チップを含み、そして、
 前記光導波路チップを前記素子に固定することにより、前記光導波路を前記素子上に配置することを特徴とする請求項3記載の対象物の物理量測定方法。
 前記光導波路中を伝搬する光の特性変化は、前記光導波路中で発生するブリルアン散乱に起因した利得のスペクトルであるブリルアンゲインスペクトルの中心周波数及び形状の少なくとも一方の変化であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載の対象物の物理量測定方法。
 前記ブリルアンゲインスペクトルの中心周波数及び形状の少なくとも一方の変化に基づき、前記対象物の温度を測定することを特徴とする請求項6記載の対象物の物理量測定方法。
 前記ブリルアンゲインスペクトルの中心周波数及び形状の少なくとも一方の変化に基づき、前記対象物の屈折率を測定することを特徴とする請求項6記載の対象物の物理量測定方法。
 前記ブリルアンゲインスペクトルの中心周波数及び形状の少なくとも一方の変化に基づき、前記光導波路に加わる歪を測定し、そして、得られた歪みの測定結果に基づいて前記対象物へ加わる圧力を決定することを特徴とする請求項6記載の対象物の物理量測定方法。
 前記ブリルアンゲインスペクトルの中心周波数及び形状の少なくとも一方の変化に基づき、光の伝搬方向に一致した速度成分を持つ前記対象物自体の流速を測定することを特徴とする請求項6記載の対象物の物理量測定方法。
 前記光導波路中を伝搬する光の特性変化は、前記光導波路中で発生するブリルアン散乱に起因した利得であるブリルアンゲインの変化であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載の対象物の物理量測定方法。
 前記ブリルアンゲインの変化に基づき、前記対象物における光吸収損失を測定することを特徴とする請求項11記載の対象物の物理量測定方法。
 それぞれが、光入射端と光出射端を有する光導波路が配置された複数の素子を用意し、
 前記複数の素子のうち一の素子に配置された光導波路の光出射端と、別の素子に配置された光導波路の光入射端とを順次光学的に接続していくことにより、全体として、光入射端及び光出射端としてそれぞれ機能する2つの光導波路端部を有する素子群を構成し、そして、
 前記素子群の光入射端として機能する光導波路端部から入射され、前記複数の素子それぞれに配置された光導波路内を伝搬した後に前記素子群の光出射端として機能する光導波路端部から出射された光を検出することで、前記複数の素子それぞれにおける対象物の物理量を測定する請求項1~12のいずれか一項記載の対象物の物理量測定方法。
 請求項1~13のいずれか一項記載の測定方法による対象物の測定結果を基づいて、前記対象物の物理量を調整する対象物の物理量制御方法。
Description:
対象物の物理量測定方法及び制 方法

 この発明は、素子上又は素子中に存在す 被測定物の物理量を、光導波路を用いて測 する対象物の物理量測定方法及び対象物の 理量制御方法に関するものである。

 近年、化学物質や生体成分などの対象物(被 測定物)に対し、混合、反応、分離、抽出、 熱、冷却、検出、検査などの様々な処理を 積して行うため、マイクロチップ技術が注 されている。このマイクロチップ技術では ガラスなどからなる基板(素子)上に数十~数 μmの微細な流路(マイクロ流路)が形成され、 該マイクロ流路中で上述のような各種処理が 行われる。そして、そのような処理を的確に 制御するため、マイクロ流路中の物質の物理 量を高精度かつ短時間に測定するニーズが高 まってきている。

特開2006-297198号公報 K. Y. Song, Z. He, and K. Hotate, "Distributed  strain measurement with millimeter-order spatial reso lution based on Brillouin optical correlation domain  analysis," Opt. Lett. 31, 2526-2528 (2006)

 発明者らは、従来のマイクロチップ技術 ついて検討した結果、以下のような課題を 見した。

 すなわち、従来のマイクロチップ技術に いて、基板内における被測定物の温度を分 的に測定する場合、熱電対などの温度セン ーを必要な数だけ分布的に基板に貼り付け 必要があった。サーモグラフィにより温度 面分布を測定できるが、表面温度のみ測定 能であった。また、熱電対などの温度セン ーは、対象物の内部に設置されれば該対象 の内部温度は測定可能になるが、対象物自 が微小である場合や熱容量が小さい場合の 度測定には適さない。

 さらに、従来のマイクロチップ技術では 基板内の対象物に対し分布的にその屈折率 吸収損失を測定する手法は無かった。その め、例えば、抗体や試薬等の試料ごとに流 を形成し、別々の流路で試料それぞれの屈 率や吸収損失を測定する必要があった。ま 、流体デバイス内の流体の圧力や流速につ ては、これまで有効な計測手段は無かった

 例えば特許文献1(特開2006-297198号公報)に 、マイクロチップのマイクロ流路を流れる 体(被測定物)に光を照射することで対象物の 温度などを測定するため、基板中に光導波路 を形成することが開示されている。

 しかしながら、特許文献1に開示された技 術によれば、マイクロ流路に対しスポット的 に光が照射されるため、該照射点(光の通過 )における温度などが測定される。この場合 基板内に存在する対象物の物理量を分布的 測定することはできなかった。

 一方、光ファイバ中のブリルアン散乱現 を用いて、光ファイバの長手方向に沿った 度分布、歪分布、損失分布などを測定する センシング技術が従来から知られている。 まり、光ファイバ中を光(ポンプ光)が伝搬 るとき、このポンプ光によってファイバ中 音響波が発生する。ブリルアン散乱とは、 のようなポンプ光と音響波の相互作用によ ポンプ光のパワーの一部が低周波側にシフ され、後方に散乱光が生じる現象である。 お、ポンプ光と対向する光(プローブ光)があ る場合には、この散乱光はプローブ光を増幅 する利得となる。

 ポンプ光とプローブ光の周波数差υを掃 することでブリルアン散乱による利得のス クトルが得られる。これをブリルアンゲイ スペクトル(BGS)といい、BGSの中心周波数とス ペクトル形状が温度に依存して、中心周波数 が歪に依存して、そして、ゲインが損失に依 存して、それぞれ変化する。よって、BGSを測 定することで、光ファイバの長手方向に沿っ た温度、歪、損失を分布測定することができ る。BGSの分布測定方式には、BOTDR、BOTDA、BOCDA などの各種方式があるが、測定精度や測定時 間などの点でBOCDA方式が好適である。

 すなわち、BOCDA方式(連続光波の相関制御 によるブリルアン散乱方式が採用された光 ァイバ分布型センシング技術)による光セン シング技術では、ポンプ光とプローブ光にυ け周波数差を持たせて同様の周波数変調が されることにより、2光波間の相関状態が制 御される。光ファイバ中に相関の高い場所と 低い場所が意図的に形成されることにより、 相関の高い場所のBGS情報を選択的に採取する ことができる。例えば非特許文献1では、3mm 空間分解能が実現されており、理論的には 間分解能0.2mm程度が可能と考えられている。

 この発明は上述のような課題を解決する めになされたものであり、ブリルアン散乱 象を利用した光センシング技術により、微 構造物である素子上又は素子中に存在する 象物の物理量を測定する測定方法及び制御 法を提供することを目的としている。

 以上の目的を達成するために、この発明 係る測定方法は、微細構造物である素子上 は素子中に存在する対象物(被測定物)の物 量を測定する方法であって、素子上又は素 中に一次元乃至三次元的に配置された光導 路を用意し、そして、光導波路中で発生す ブリルアン散乱に起因した、該光導波路中 伝搬する光の特性変化に基づいて、対象物 物理量を測定する。

 この明細書において、「素子」とは、例 ば、化学物質や生体成分などの対象物の流 自体、対象物が充填される複数のセル(凹部 )などが所定パターンで形成されたガラスや ラスチックなどの基板、半導体集積回路が 成されたICチップなどの微細構造物が含まれ る。マイクロチップ技術では、化学物質や生 体成分などの対象物に対し、混合、反応、分 離、抽出、加熱、冷却、検出、検査などの様 々な処理が行われる。素子の大きさは必ずし も限定されるものではなく、数cm~数十cmオー ーのサイズが適用可能である。また、マイ ロチップのような、数十~数百μmオーダーの サイズも適用可能である。このようなサイズ の素子は、微細な流路、セルなどが形成され たマイクロ化学チップやICチップの分野にお て好適に用いられる。

 また、この明細書において、「素子上又 素子中に一次元乃至三次元的に配置された 導波路を準備する」には、例えば、素子上 は素子中に形成された対象物の流路、複数 セル又は半導体集積回路の形成パターンな に沿って、一次元的、二次元的又は三次元 に、該素子上又は素子中に光導波路が形成 れる場合、対象物の流路自体が光導波路と て利用される場合、対象物自体が光導波路 して利用される場合、複数のセル又は半導 集積回路の形成パターンに対し所望の複数 所にて測定が可能になるよう、一次元的、 次元的又は三次元的に、素子上又は素子中 光導波路が所望のパターンで形成される場 などが含まれる。さらに、素子とは別に用 された基板、チップなどに光導波路が形成 れた光導波路チップ(別部材)が、素子に取 付けられてもよい。

 具体的に、対象物が流動体である場合、 対象物内に光を伝搬させることにより該対 物自体を光導波路として利用することが可 である。この場合、この発明に係る測定方 では、まず、素子上又は素子中に形成され 流路であって光入射端及び光出射端として れぞれ機能する2つの端部を有する流路中に 存在する、対象物としての流動体自体が、光 導波路として確保される。当該測定方法は、 流路内の流動体自体が光導波路として確保さ れた状態で、光入射端である流路の一方の端 部から対象物である流動体に光を照射し、流 路中に存在する流動体内を伝搬した後に光出 射端である流路の他方の端部から出射された 光を検出し、そして、流動体中で発生するブ リルアン散乱に起因した、検出光の特性変化 に基づいて、流動体自体の物理量を測定する 。

 また、この発明に係る測定方法では、光 射端と光出射端を有するとともに該光入射 から該光出射端まで連続した形状を有する 導波路であって、少なくとも一部が対象物 近接するよう素子上又は素子中に配置され 光導波路が用意されてもよい。この場合、 導波路は、一端が少なくとも光入射端とし 機能する一方、他端が少なくとも光出射端 して機能する光導波部材であって、少なく も一部が素子中に埋設された光導波部材を んでもよい。また、光導波路は、一端が少 くとも光入射端として機能する一方、他端 少なくとも光出射端として機能する該光入 端から該光出射端まで連続した光導波領域 作り込まれた光導波路チップを含んでもよ 。光導波路チップが素子に固定されること より、光導波路を素子上に配置することが 能である。

 この発明に係る測定方法において、光導 路中を伝搬する光の特性変化は、該光導波 中で発生するブリルアン散乱に起因した利 のスペクトルであるBGSの中心周波数及びス クトル形状の少なくとも一方の変化である

 なお、この明細書において、「スペクト 形状」とは、スペクトル線幅、スペクトル 状の急唆度(テーパ部の角度)又は隣り合うBG Sの中心周波数間隔をいい、「スペクトル形 の変化」とは、光導波路の長手方向の変化 は時間的変化の両方を含む。

 また、この発明に係る測定方法は、BGSの 心周波数及びスペクトル形状の少なくとも 方の変化に基づいて、対象物の温度を測定 ることができる。この発明に係る測定方法 、BGSの中心周波数及びスペクトル形状の少 くとも一方の変化に基づいて、対象物の屈 率を測定することも可能である。この発明 係る測定方法は、BGSの中心周波数及びスペ トル形状の少なくとも一方の変化に基づき 光導波路に加わる歪を求め、得られた歪み 測定結果に基づいて対象物に加わる圧力を っていする。さらに、この発明に係る測定 法は、BGSの中心周波数及びスペクトル形状 変化に基づき、光の伝搬方向の速度成分を つ被測定物の流速を測定することができる

 さらに、光導波路中を伝搬する光の特性 化(測定されるべき対象物の物理量)は、BGS 変化であってもよい。このBGSの変化に基づ 、この発明に係る測定方法は、対象物の光 収損失を測定することができる。

 また、この発明に係る測定方法は、それ れが、光入射端と光出射端を有する光導波 が配置された複数の素子に対し、一体的に 象物の物理量を測定することも可能である この場合、複数の素子のうち一の素子に配 された光導波路の光出射端と、別の素子に 置された光導波路の光入射端とを順次光学 に接続していくことにより、全体として、 入射端及び光出射端としてそれぞれ機能す 2つの光導波路端部を有する素子群が構成さ れる。当該測定方法は、このように構成され た素子群の光入射端として機能する光導波路 端部から入射され、複数の素子それぞれに配 置された光導波路内を伝搬した後に素子群の 光出射端として機能する光導波路端部から出 射された光を検出する。この構成によっても 、複数の素子それぞれにおける対象物の物理 量を測定することができる。

 この発明に係る制御方法は、上述のよう 構成された測定方法による対象物の測定結 を基づいて、該対象物の物理量を調整する

 なお、この発明に係る各実施例は、以下 詳細な説明及び添付図面によりさらに十分 理解可能となる。これら実施例は単に例示 ために示されるものであって、この発明を 定するものと考えるべきではない。

 また、この発明のさらなる応用範囲は、 下の詳細な説明から明らかになる。しかし がら、詳細な説明及び特定の事例はこの発 の好適な実施例を示すものではあるが、例 のためにのみ示されているものであって、 の発明の範囲における様々な変形及び改良 この詳細な説明から当業者には自明である とは明らかである。

 以上のようにこの発明によれば、素子上 は素子中に一次元乃至三次元的に配置され 光導波路をセンサヘッドとして利用し、又 、素子上又は素子中に形成された対象物の 路を光導波路として利用し、該光導波路中 発生するブリルアン散乱に起因する光の特 変化の分布測定が行われる。これにより、 子上又は素子中における対象物の物理量(例 えば、対象物の温度、屈折率、歪み、圧力、 流速、光吸収損失など、及びそれらの分布) 分布的に測定可能になる。

 また、対象物の流路自体が光導波路とし 利用される場合、この流路に複数の抗体や 薬等の試料を間隔をあけて配置すればよく 複数の流路を形成する必要がなくなる。

 また、複数の素子を光学的に結合するこ で、複数の素子上又は素子中における対象 それぞれを単一方法で一括して測定するこ ができる。

 さらに、上述のように測定された対象物 物理量(測定結果)に基づいて、対象物の物 量を任意に調節することも可能である。

 したがって、この発明に係る測定方法及 制御方法は、例えば、ガラス製の基板など 素子上又は素子中において、化学物質や生 成分などの対象物に対し、混合、反応、分 、抽出、加熱、冷却、検出、検査などの様 な処理を集積して行うマイクロ化学チップ マイクロ化学プラント、生体検査や、ICチ プにおける導通検査などの、各種微細構造 における測定や制御に好適に応用できるな 、多くの効果を奏する。

は、この発明に係る対象物の物理量測 方法及び対象物の物理量制御方法の一実施 を実現する概略構成を示す平面図である。 は、図1に示された素子の断面図である 。 は、BOCDA方式の光センシング装置の構 を示す模式図である。 は、この発明に係る対象物の物理量測 方法及び対象物の物理量制御方法の他の実 例を実現する素子構成を示す平面図である は、この発明に係る対象物の物理量測 方法及び対象物の物理量制御方法のさらに の実施例を実現する素子構成を示す平面図 び断面図である。 は、吸収損失測定の一方式を説明する めの概念図である。 は、複数の素子を光学的に結合した場 の測定方法を説明するための平面図である は、素子とは別に一次元的に配置され 光導波路を含む光導波路チップの構造を示 平面図及び側面図である。 は、図8の領域(a)中のI-I線に沿った光導 波路チップの断面図であって、該光導波路チ ップと素子の結合状態を示す断面図である。 は、素子とは別に二次元的に配置され た光導波路を含む光導波路チップの構造を示 す平面図及び側面図である。 は、図10の領域(a)中のII-II線に沿った 導波路チップの断面図であって、該光導波 チップと素子の結合状態を示す断面図であ 。 は、図10に示された光導波路チップに 合される結合用光導波路チップの平面図及 結合状態を示す平面図である。 は、素子とは別に三次元的に配置され た光導波路を含む光導波路チップの構造を示 す平面図及び側面図である。 は、図13の領域(a)中のIII-III線に沿った 光導波路チップの断面図であって、該光導波 路チップと素子の結合状態を示す断面図であ る。

符号の説明

 1…素子、2…基板、3…流路、4、4’…光 波路、5…測定器本体、5a、5b、5c、5d…接続 光ファイバ、20…凹部(セル)、30a~30c…光導波 路チップ(光導波路を備えた取付用部材)。

 以下、この発明に係る対象物の物理量測 方法及び対象物の物理量制御方法の各実施 を、図1~図14を参照して詳細に説明する。な お、図面の説明において、同一部位、同一箇 所には同一符号を付して重複する説明を省略 する。

 図1~図3を参照しながら、この発明に係る 定方法及び制御方法の一実施例について説 する。なお、図1は、この発明に係る対象物 の物理量測定方法及び対象物の物理量制御方 法の一実施例を実現する概略構成を示す平面 図である。図2は、図1に示された素子(光導波 路が素子内に配置された構成)の断面図であ 、領域(a)は、流路と光導波路が異なる構成 示し、領域(b)は流路が光導波路を兼ねた構 を示す。また、図3は、BOCDA方式の光センシ グ装置の構成を示す模式図である。

 図1において、測定/制御対象となる素子1 、ガラス製の基板2中に数十~数百μm径の流 3がループ状に(二次元的に)形成された微細 造物である。素子1は、その流路3の一端側か ら流入した対象物としての流動体が他端側か ら流出させるとともに、流路3中にて所定の 学プロセスが行われるよう、例えば加熱/冷 手段(物理量調整手段50に含まれる)などを備 えたマイクロ化学チップである。

 また、基板2中に二次元的に形成された光 導波路4の一端は、接続用の光ファイバ5aを介 して測定器本体5と光学的に接続される一方 光導波路4の他端は、測定用の光ファイバ5b 介して測定器本体5と光学的に接続されてい 。これら接続用の光ファイバ5a、5bは、基板 2の外に配置されており、それぞれの一端が 定器本体5に接続されることで、光導波路4が 、BOCDA方式(連続光波の相関制御法によるブリ ルアン散乱方式が採用された光ファイバ分布 型センシング技術)のセンサヘッドとして機 するようになっている。

 光導波路4は、例えば図2中の領域(a)に示 れたように、基板2中に埋設された光ファイ であってもよく、また、基板2自体に直接形 成されてもよい。光導波路4は、図2中の領域( b)に示されたように、流路3自体が光導波路4 して機能してもよい。また、光導波路4は、 2中の領域(a)に示されたように、流路3の下 に沿うように形成されてもよく、また、流 3に沿って該流路3の上方又は側方に形成され てもよい。さらに、流路3は、基板2の表面に 成されてもよい。この場合、光導波路4は、 流路3の下方又は側方に形成されるか、ある は、流路3自体が光導波路4として機能するこ とができる。

 BOCDA方式の光センシング装置は、図3に示 れたように構成されている。すなわち、測 器本体5は、光源としてのレーザダイオード (LD)6を備えるとともに、プローブ光の生成系 、ポンプ光生成系と、測定系から構成され 。プローブ光生成系は、3dBカプラ7と、偏波 コントローラ8と、マイクロ波発生器により 御される位相変調器(LNmod.)9と、アイソレー 90そ備える。ポンプ光生成系は、3dBカプラ7 、偏波コントローラ10と、強度変調器(IM)11と 、遅延線12と、光ファイバアンプ(EDFA)13と、 イソレータ130と、サーキュレータ14を備える 。測定系は、サーキュレータ14と、光フィル 15と、フォトダイオード16と、ロックインア ンプ(LIA)17と、コンピュータ18を備える。

 まず、LD6から出力された光は、3dBカップラ7 で2光波成分に分岐される。一方の光は、偏 コントローラ(PC)8を介して、位相変調器(LNmod .)9で約11GHz周波数がシフトされる。この周波 シフトされた光が、プローブ光P 2 として、アイソレータ90、接続用光ファイバ5 aを順に伝搬し、光導波路4の一端側に入射す 。他方の光は、偏波コントローラ10、強度 調器(IM)11、遅延線12を介して、光ファイバア ンプ(EDFA)13で増幅される。この増幅光が、ポ プ光P 1 として、アイソレータ130、接続用光ファイバ 5bを順に伝搬し、光導波路4の他端側に入射す る。このように、ポンプ光とプローブ光は光 導波路4中を対向伝搬し、誘導ブリルアン散 (SBS)が発生する。このとき、プローブ光P 2 は、ストークス光のゲインスペクトル(BGS)に 応したゲインだけ増幅される。増幅された ローブ光は、サーキュレータ14を介して光 ィルタ15に導かれる。光フィルタ15により不 光成分が除去された後、プローブ光P 2 は、フォトダイオード(PD)16、ロックインアン プ(LIA)17などにより、BGSが検出される。制御 18(コンピュータ)は、このBGSの検出結果に基 いて、素子1中における対象物の物理量を測 定する。さらに、制御部18は、対象物の物理 を調整するよう、物理量調整手段50を制御 る(この発明に係る対象物の物理量制御方法) 。

 上述のBOCDA方式において、ポンプ光P 1 及びプローブ光P 2 の周波数は、LD6の注入電流を正弦波状に変化 させることで変調される。このため、光導波 路4の長手方向にポンプ光P 1 及びプローブ光P 2 の周波数差が一定となる相関の高い位置(相 ピーク)と低い位置が生成され、相関ピーク みで大きなSBSが発生する。

 この結果、特定位置でのストークス光のBGS 報を得ることができ、ポンプ光P 1 、プローブ光P 2 の周波数変調パターンを順次変化させること により、流路3中の流動体(対象物)の温度、屈 折率、圧力、流速、光吸収損失などの物理量 が、高精度かつ短時間に測定可能になる。

 また、上述のBOCDA方式では、ポンプ光P 1 及びプローブ光P 2 の周波数変調パターンを調整することで、長 手方向の空間分解能、測定範囲、測定時間な どを自由に調整することができる。すなわち 、被測定物における物理量の時間的変化や分 布を的確に捉えるためには、対象物における 分布変化の位置の面での細かさや広がり、変 化の速度と、光導波路4による長手方向の空 分解能、測定範囲、測定時間とが対応して ることが重要である。

 一例を挙げると、典型的な光ファイバ中の 速度2.0×10 8 m/秒、BGS線幅50MHzにおいて、既存のレーザダ オード(LD)で実現可能な周波数変調の振幅2GHz 、変調周波数100MHzとすると、長手方向の空間 分解能(dz)は約1cmが可能になる。

 また、BOCDA方式では連続光を使用するた 、パルス法に比べてOSNR(光信号と雑音との強 度比)が良く、光信号の積算、平均化の必要 ない。そのため高速な測定が可能であり、 定点1箇所あたり57Hzでの測定が確認されてい る。

 このように得られた対象物の物理量に関 る測定データは、測定器本体5に内蔵された 、パーソナルコンピュータなどで構成される 制御部18に送られ蓄積される。制御部18は、 の測定データに基づいて、例えば、素子1が える加熱/冷却手段(物理量調整手段50に含ま れる)を調整することで化学プロセスの制御 行うこともできる。

 以下、より具体的な測定方法及び制御方 について説明する。

 (温度の測定)
  温度測定では、図1、図2中の領域(a)及び図 3に示されたように、素子1の流路3に沿って設 けられた光導波路4の一端側からプローブ光P 2 が入射され、他端側からポンプ光P 1 が入射される。光導波路4中をポンプ光P 1 とプローブ光P 2 が対向伝搬すると、相関ピークでBGSが検出さ れ、この測定データが制御部18に送られる。B GSの中心周波数とスペクトル形状は温度によ て変化し、中心周波数、スペクトル形状と 度との対応は、予め制御部18のメモリに蓄 されている。よって、BGSの中心周波数又は ペクトル形状を測定することで、流路3中を 動する被測定物の所望箇所の温度又は流路3 の長手方向に沿った温度分布を測定すること ができる。なお、温度の制御は、得られた測 定データに基づいて、制御部18が直接、物理 調整手段50に含まれる加熱/冷却手段を制御 ることにより行われる。

 (屈折率の測定)
  屈折率測定では、図1、図2中の領域(b)及び 図3に示されたように、素子1の流路3自体が光 導波路4に設定される。この光導波路4の一端 からプローブ光P 2 が入射され、他端側からポンプ光P 1 が入射される。この場合も相関ピークでBGSが 検出され、その測定データが制御部18に送ら る。この場合、流路3の屈折率制御は、制御 部18の指示に従って物理量調整手段50が流路3 温度を調整することにより、間接的に調整 能である。また、流路3内の流動体の屈折率 制御では、該流動体に加わる圧力や流速の調 整(この場合、物理量調整手段50は、流路3へ 試薬等の流動体注入量や排出量を調整する) よっても間接的に屈折率制御は可能である

 なお、BGSの中心周波数υ B は、以下の式(1)で表される。
  ただし、nは光導波路4の屈折率、v a は光導波路4の音速、λは真空中での光波長で ある。屈折率nに比例してBGSの中心周波数υ B が変化する。中心周波数と屈折率との対応は 、予め制御部18のメモリに蓄積されている。 れにより、BGSの中心周波数υ B を測定することで、流路3中の対象物(流動体) の屈折率の変化が測定できる。

 例えば、対象物がガラスの場合、音速5960m/s 、屈折率1.44とし、光波長1.55μmにおけるBGSの 心周波数は11.07GHzである。屈折率変化によ 中心周波数の変化は、屈折率10 -4 当たり769kHzとなる。

 一方、対象物(流動体)が水の場合、音速1500m /s、屈折率1.321とし、光波長1.55μmにおけるBGS 中心周波数は2.56GHzである。屈折率変化によ る中心周波数の変化は、屈折率10 -4 当たり194kHzとなる。

 (圧力の測定)
  圧力測定では、図1、図2の領域(a)及び図3 示されたように、素子1の流路3に沿って設け られた光導波路4の一端側からプローブ光P 2 が入射され、他端側からポンプ光P 1 が入射させる。この場合もBGSが相関ピークで 検出され、その測定データが制御部18に送ら る。

 BGSの中心周波数は、光導波路4の長手方向 の歪に比例してシフトする。中心周波数と歪 み、圧力との対応は、予め制御部18のメモリ 蓄積されている。よって、流路3に沿って光 導波路4を形成することで、流路3中の対象物( 流動体)の圧力を歪として測定することがで る。この場合、流動体の圧力制御は、制御 18が、測定データに基づいてに物理量調整手 段50を制御することにより行われる。すなわ 、制御部18の指示に従って、物理量調整手 50が流路3に注入される試薬等の流動体の注 量や排出量を調整することで、流動体の圧 を間接的に調整することが可能になる。

 なお、この圧力測定の場合、図4に示され たように、光導波路4が流路3に対し、繰り返 直交する方向に交差するよう形成されるの 好ましい。圧力は流路3の径方向に対しセン シティブだからである。

 (流速の測定)
  この流速測定では、図1、図2の領域(b)及び 図3に示されたように、流路3内の流動体(対象 物)自体が光導波路4として設定される。光導 路となる流路3の一端側からプローブ光P 2 が入射され、他端側からポンプ光P 1 が入射される。これによりBGSが相関ピークで 検出され、その測定データが制御部18に送ら る。なお、流動体の流速制御も、制御部18 、測定データに基づいて物理量調整手段50を 制御することにより行われる。すなわち、制 御部18の指示に従って物理量調整手段50が流 3に注入される試薬等の流動体の注入量や排 量を調整するすることで、流動体の流速を 接的に調整することで可能になる。

 流路3内を流動体が流れている場合、BGSの中 心周波数υ B は、ドップラー効果により流速に比例して変 化する。BGSの中心周波数υ B は、流速ゼロのとき、以下の式(2)で表される 。
  ここで、v a はポンプ光の進行方向が正の値をとる。また 、流速をv s (ポンプ光の進行方向が正の値)とすると、中 周波数υ B は、以下の式(3)で表される。
  ここで、中心周波数υ B と被測定物(流体)の流速との対応は予め制御 18に蓄積されている。よって、前記したよ に流体の中心周波数υ B を測定することで、流路3中の流体の流速を 定することができる。

 例えば、流路3中を水(被測定物)が流れてい 場合、音速1500m/s、屈折率1.321とすると、光 長1.55μmにおけるBGSの中心周波数υ B は流速ゼロの場合2.56GHzで、流速による中心 波数υ B の変化は、流速10cm/s当たり170kHzになる。

 (吸収損失の測定)
  吸収損失測定では、図1、図2の領域(a)及び 図3に示されたように、流路3に沿って設けら た光導波路4が利用される。なお、図2の領 (b)に示されたように、流路3自体が光導波路4 として利用されてもよい。また、図5の領域(a )及び(b)に示されたように、基板2の上面に、 象物が充填される複数のセル(凹部)20が所定 の配列パターンで形成され、それぞれのセル 20に近接するように形成された光導波路4が利 用されてもよい。それぞれのセル20内に充填 れた対象物自体が光導波路4の一部を構成し てもよい。

 光導波路4の各所で発生するブリルアンゲイ ンは、ポンプ光P 1 とプローブ光P 2 のパワーに比例する。ポンプ光P 1 とプローブ光P 2 の相互作用によるパワーの増減を無視すれば 、各所で発生するブリルアンゲインは一定で ある。光導波路4上で発生する吸収損失は場 により異なり、分布的にこのブリルアンゲ ンを測定することで、吸収損失分布を測定 ることができる。なお、流路3の吸収損失制 は、得られた測定データに基づいて、制御 18が流路3の反応状態を推定し、流路3の反応 状態が所望の反応状態になるよう調整するこ とにより、間接的に行われる。すなわち、制 御部18の指示に従って物理量調整手段50が加 、冷却、試薬等の流動体の注入量や排出量( 動体自体の圧力、流速制御)などを調整する ことにより、流路3の反応状態が意図的に変 され、結果的に、流路3の吸収損失が間接的 制御される。

 それぞれのセル20が測定点である場合(図5の 領域(a)及び領域(b)参照)、図6に示されたよう 、測定点間のゲインを相関値として比較す ことにより、測定点で受けた吸収損失を制 部18にて算出することができる。詳しくは 図6において、ポンプ光のパワーがP 1 、これと対向伝搬するプローブ光のパワーが P 2 とし、図のように吸収損失α、βが光導波路 分布していると仮定する。この場合、単位 当たりのブリルアンゲインは光導波路のど でも、δgとなる。この場合、プローブ光P 2 とともに測定されるブリルアンゲインは、最 もプローブ光源に近い(サーキュレータ14から 最も遠い)光導波路の箇所で発生したブリル ンゲインがαβδgと測定され、次に近い箇所 発生したブリルアンゲインがαδgと測定さ 、最も遠い(サーキュレータ14に最も近い)箇 で発生したブリルアンゲインがδgと測定さ る。これらを基準値と比較することにより 光導波路4の任意の各所の吸収損失α、βが められる。

 なお、上述の温度、屈折率、圧力の各測 において、流路3に代えて複数のセル20が適 されてもよい。

 (複数の素子の場合)
  次に、上述のような構造を有する複数の 子について対象物の物理量測定が行われる 合、図7に示されたように、それぞれの素子1 の光導波路4を、接続用の光ファイバ5cにより 光学的に結合することで1本の光導波路が構 される(素子群を構成)。その両端を接続用の 光ファイバ5a、5bを介して測定器本体5に光学 に接続すれば、素子群を構成する素子1それ ぞれにおける光導波路4において、各種測定 一括して行うことができる。

 なお、上述の例において、基板2、流路3 光導波路4の形状、形態などは図示の形状等 限定されず、用途、被測定物の特性、測定 的などに応じて任意に選択可能であること 言うまでもない。

 (光導波路を別部材とする場合)
  図8~図14には、上述の光導波路4を素子1と 異なる取付用部材(光導波路チップ30a~30c)に 成し、該光導波路チップ30a~30cのいずれかを 子1に取り付ける例が示されている。

 まず、光導波路4が一次元的に配置された 光導波路チップ30aの構造について図8及び図9 参照しながら説明する。図8は、素子1とは に一次元的に配置された光導波路4を含む光 波路チップ30aの構造を示す平面図(領域(a)) び側面図(領域(b))である。また、図9は、図8 領域(a)中のI-I線に沿った光導波路チップ30a 断面図であって、該光導波路チップ30aと素 1の結合状態を示す断面図である。

 この光導波路チップ30aは、図8の領域(a)及 び領域(b)に示されたように、四角形状のガラ ス基板33上と、クラッド層31と、該クラッド 31とともに一次元的に形成された光導波路4 、該クラッド層31の上面にカバー部材として 形成されたクラッド層32を備える。なお、光 波路4の両端4a、4bは、クラッド層31の端面に 位置し、それぞれ拡径処理されている。これ により、端部4a、4bに接続用の光ファイバ5a、 5bが結合され、測定器本体5(図3参照)に光学的 に接続される。この場合、光導波路4がBOCDA方 式のセンサヘッドとして機能する。このよう に構成された光導波路チップ30aが、光導波路 4を備えない通常のマイクロ化学チップやICチ ップなどの素子1に任意に取り付けて使用さ る(図9参照)。

 次に、光導波路4が二次元的に配置された 光導波路チップ30bの構造について図10及び図1 1を参照しながら説明する。図10は、素子1と 別に二次元的に配置された光導波路4を含む 導波路チップ30bの構造を示す平面図(領域(a) )及び側面図(領域(b))である。また、図11は、 10の領域(a)中のII-II線に沿った光導波路チッ プ30bの断面図であって、該光導波路チップ30b と素子1の結合状態を示す断面図である。

 この光導波路チップ30bも、図10の領域(a) び領域(b)に示されたように、四角形状のガ ス基板33上と、クラッド層31と、該クラッド 31とともに二次元的に形成された光導波路4 、該クラッド層31の上面にカバー部材とし 形成されたクラッド層32を備える。なお、光 導波路4の両端4a、4bは、クラッド層31の端面 位置し、それぞれ拡径処理されている。こ により、端部4a、4bに接続用の光ファイバ5a 5bが結合され、測定器本体5(図3参照)に光学 に接続される。この場合、光導波路4がBOCDA 式のセンサヘッドとして機能する。このよ に構成された光導波路チップ30bが、光導波 4を備えない通常のマイクロ化学チップやIC ップなどの素子1に任意に取り付けて使用さ る(図11参照)。

 一方、光導波路チップ30bは、図12の領域(a )に示されたような、接続用の光導波路チッ 30b'と連結することにより(図12の領域(b)参照) 、図7に示された複数素子それぞれにおける 象物の物理量を測定することも可能である なお、3枚以上の光導波路チップが連結され 場合には、図10に示された、二次元的に光 波路4が配置された光導波路チップ30bと、図1 2(a)に示された連結用の光導波路チップ30b’ 交互に配設すればよい。ここで、図12は、図 10に示された光導波路チップ30bに結合される 合用の光導波路チップ30b'の平面図(領域(a)) び結合状態を示す平面図(領域(b))である。

 さらに、光導波路4が三次元的に配置され た光導波路チップ30cの構造について図13及び 14を参照しながら説明する。図13は、素子1 は別に三次元的に配置された光導波路4、4’ を含む光導波路チップ30cの構造を示す平面図 (領域(a))及び側面図(領域(b)及び領域(c))であ 。また、図14は、図13の領域(a)中のIII-III線に 沿った光導波路チップ30cの断面図であって、 該光導波路チップ30cと素子1の結合状態を示 断面図である。

 具体的に、図13に示された光導波路チッ 30cは、複数の光導波路チップ30b(図10参照)同 を多段状に重ねることにより得られる。上 の光導波路チップにおける光導波路4、4’ 方向を適宜選択することで、例えば図13に示 すような、碁盤目状の光導波路4、4’が実現 れる。図13に示された光導波路チップ30cに れば、上下の光導波路4,4によって測定点が り多点になるので、より高精度な測定が可 になるなどの効果がある。

 このような光導波路チップ30cにおいても チップ形状や光導波路形態は、測定対象と ての素子1や流路3の形状、対象物の特性又 測定目的などに応じて適宜に選択可能であ ことは言うまでもない。

 なお、図9、図11、及び図14において、素 1は、例えば上述のマイクロ化学チップであ て、ガラス製基板の上面に数十~数百μm径の 流路3がループ状に2次元配置されている。素 1と光導波路チップ30(30a~30c)は、流路3が形成 された素子面とクラッド層32とが接するよう 互いに重ね合わされた状態で、流路3上に光 導波路4が位置するように位置調整される。 置合わせは、素子1上に形成された位置合わ マーカー(図示せず)と、光導波路チップ30(30 a~30c)に形成された位置合わせマーカー34を合 せるようにしてもよい。

 以上の本発明の説明から、本発明を様々 変形しうることは明らかである。そのよう 変形は、本発明の思想及び範囲から逸脱す ものとは認めることはできず、すべての当 者にとって自明である改良は、以下の請求 範囲に含まれるものである。

 この発明に係る対象物の物理量測定方法 び対象物の物理量制御方法は、マイクロ化 チップやICチップなどの微細構造物である 子上又は素子中に存在する対象物の物理量 測定する光センシング技術に適用可能であ 。