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Patent Searching and Data


Title:
FUCOIDAN-DERIVED OLIGOSACCHARIDE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090631
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a fucoidan-derived low molecular compound with a specified structure and function in which problems regarding absorption property, antigenicity, homogeneity, anti-coagulant activity and the like of fucoidan, which occur when fucoidan being a sulfated polysaccharide with an extremely high molecular weight is developed as a pharmaceutical or a health food, are solved and which has a good taste. By analyzing low molecular compounds obtained by the acid hydrolysis of fucoidan, fucoidan oligosaccharides (I) to (XII) were identified. Further, it was found that the oligosaccharides have an action of preventing obesity or suppressing blood glucose elevation by inhibiting the absorption of carbohydrate or lipid by inhibiting α-glycosidase or lipase.

Inventors:
FUJIKAWA SHIGEAKI (JP)
FUKUI YUKO (JP)
WATANABE HIROSHI (JP)
NONAKA YUJI (JP)
YASUMOTO TAKESHI (JP)
NAOKI HIDEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/051314
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUNTORY LTD (JP)
TROPICAL TECHNOLOGY CT LTD (JP)
FUJIKAWA SHIGEAKI (JP)
FUKUI YUKO (JP)
WATANABE HIROSHI (JP)
NONAKA YUJI (JP)
YASUMOTO TAKESHI (JP)
NAOKI HIDEO (JP)
International Classes:
C07H7/033; A23L1/30; A61K8/60; A61K31/7016; A61K31/702; A61K31/7024; A61P3/04; A61P3/10; A61P43/00; C07H11/00; C07H13/06
Domestic Patent References:
WO2002022140A12002-03-21
WO2007013609A12007-02-01
Foreign References:
JP2005110675A2005-04-28
JP2000351790A2000-12-19
JP2005200386A2005-07-28
Other References:
KUSUMOTO T. ET AL.: "Okinawamozuku Yurai Fucoidan ni Kansuru Seibun Kenkyu", PROCEEDINGS OF THE ANNUAL MEETING OF THE PHARMACEUTICAL SOCIETY OF JAPAN, vol. 124, no. 2, 2004, pages 122 + ABSTR. NO. 30[P2]I-351, XP003008261
NAGAOKA M. ET AL.: "Structural Study of fucoidan from Cladisiphon Okamuranus TOKIDA", GLYCOCONJUGATE JOURNAL, vol. 16, no. 1, 1999, pages 19 - 26, XP003022948
Attorney, Agent or Firm:
SHAMOTO, Ichio et al. (Section 206 New Ohtemachi Bldg.,2-1, Ohtemachi 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
グルクロン酸(G)、フコース(F)、硫酸化フコース(S)、アセチル化フコース(Fa)を1分子に下記のように含む化合物。
GF、GFF(GF2)、SF、GS、GSF、GSFF(GSF2)、GSFAaF、GGFFF(G2F3)、GGFaFF(G2FaF2)、GSFFF(GSF3)、GSFaFFF(GSFaF3)又はGGFF(G2F2)
下記構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、または(XI)または(XII)で示される化合物。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含むリパーゼ阻害、α-グルコシダーゼ阻害剤。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含む肥満防止、血糖増加抑制剤。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含むα-グルコシダーゼ阻害することにより糖質の吸収を阻害することによる肥満防止、血糖増加抑制剤。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含むリパーゼ阻害することによる肥満防止剤。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含むリパーゼ阻害およびα-グルコシダーゼ阻害を併せ持つ肥満防止剤。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を添加した飲食品。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含む医薬組成物。
 請求項1記載の式(I)~(XII)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含む化粧品。
 フコイダンを0.1~5Nの酸で25~130℃、15分~6時間加水分解して得られる組成物を含むリパーゼ阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤。
 フコイダンを1~2Nの酸で50~105℃、15分~3時間加水分解して得られる組成物を含む請求項11に記載のリパーゼ阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤。
 
Description:
フコイダン由来オリゴ糖

 本発明はα-グルコシダーゼ阻害、および パーゼ阻害を有し、糖質や脂質の吸収を阻 することによる肥満防止、血糖増加抑制な を目的とした飲食品、健康食品、機能性食 、医薬品、化粧品等に利用可能な新規化合 およびそれを含む組成物に関する。

 フコイダンは藻類に含まれる硫酸化多糖 あり、抗血液凝固作用、脂血清澄作用(血液 中のコレステロールや過酸化脂質を除去する 作用)、抗腫瘍作用、癌転移抑制作用、抗エ ズウイルス感染作用等の様々な活性を有す ことが報告されている。

 一方、フコイダンの構造は、由来となる 類やその生育環境などにより異なることが られている。その理由の一つは、フコイダ の構成成分であるフコース、ガラクトース キシロース、グルクロン酸等の組成が、藻 やその生育環境によって変動するためであ 。また、それら構成糖上のエステル結合お びグルコシド結合の位置が変動し得ること 、フコイダン構造の多様性に寄与している そのため、未だに多くのフコイダンの構造 特定されていない。さらに、フコイダンは 料由来の異味があり食品への利用が限られ いた。

 これらの理由により、フコイダンを利用 て飲食品や医薬品などを開発する場合には それらに適切なフコイダンを選定するのに 大な時間を要することが多かった。また、 費者にとっても、どのフコイダンを選べば いのか明確ではなかった。さらに、フコイ ンは分子量が極めて大きい硫酸化多糖であ 、このためそのまま飲食品や医薬品として いる際には、吸収性、抗原性、均一性、抗 血活性等に関する問題がある。

 また、これまでに、化学合成によるフコ ス含有オリゴ糖が報告されている(非特許文 献1、2および3)。

 一方、フコイダンを加水分解してフコイダ を低分子化する方法も報告されている。例 ば、特許文献1には、フコイダンを酸加水分 解する方法が開示されており、得られた低分 子フコイダンは、5×10 3 以下の分子量分布を有していたことが記載さ れている。また、特許文献2には、酸を外部 ら添加することなくフコイダンを加水分解 てオリゴ糖を得る方法が記載されている。 た、特許文献3のように酵素によりフコイダ を加水分解する方法も報告されている。

 また、フコイダンの加水分解により得ら 、構造が決定されたオリゴ糖がいくつか報 されている。例えば、特許文献4においては 、モズク等の藻類から得たフコイダンを酸加 水分解してオリゴ糖を製造したことが報告さ れており、数種の低分子フコイダン由来オリ ゴ糖の構造が特定されている。また、特許文 献5および6においては、フコイダンを酵素的 加水分解して得たオリゴ糖の構造が開示さ ている。

 さらに非特許文献4にはGFの存在やフコー が1~2分子でその一部が硫酸化しているもの 存在を示している。

 また、コンドロイチン硫酸やキトサンがリ ーゼ阻害活性を持つことは知られている(非 特許文献5、6)。

特開平7-215990

特開2002-226496

特開2000-236889

特開2000-351790

特開2003-199596

特開2001-226408

特開平6-65080

特開平8-23973

特開平10-290681 Carbohydrate research 4, 189-195 (1967) Carbohydrate research 37, 75-79 (1974) Carbohydrate research 41, 308-312 (1975) Glucoconjugate Journal 16,19-26  (1999) International Journal of obesity 24,1131-1138(2000 ) International Journal of obesity 23,174-179(1999) Infection and Immunity, 35, 71-78(1982)

 しかしながら、特許文献1~3に記載の方法 得られた物質は構造が特定されていない。 たがって、これら構造不明のオリゴ糖を食 に使用する際には、品質の管理が容易では いという問題がある。また、特許文献1~3に 載の方法で得られた物質は有機合成反応に り調製されているため食品などに使用する は好ましくなかった。

 また、特許文献4に記載のオリゴ糖は、食 品などに利用した場合の機能が明らかにされ ておらず安全性が高いとは言い難い。さらに 、特許文献5に記載のオリゴ糖には分子量が きいという問題がある。

 さらに非特許文献4にはGFの存在やフコー が1~2分子でその一部が硫酸化しているもの 存在を示されているが、これを単離してそ 物性を評価することはなされていない。

 また、α-グルコシダーゼ阻害やリパーゼ 害活性が肥満防止効果や血糖増加抑制効果 有効であることは知られている(特許文献7,8 ,9、非特許文献5,6参照)。例えば、肥満防止効 果を得るため、α-グルコシダーゼ阻害やリパ ーゼ阻害活性を持つオリゴ糖としては、キシ ロビースにα-グルコシダーゼ阻害作用がある が、緩慢な効果でしかない。さらに、α-グル コシダーゼ阻害とリパーゼ阻害活性を併せて 持つものは知られていない。

 そこで、様々な用途に用いることができ 素材として、上記のように、特定された構 を有し、正確に品質管理できるフコイダン 来オリゴ糖を開発することが望まれていた また、飲食品や医薬品における用途を考慮 ると、低分子で扱いやすいものであること さらには安全性が高いものであること、ま 異味のないものであることが必要とされる

 そこで、本発明の目的は、構造が特定さ た新規なフコイダン由来オリゴ糖を提供す ことである。

 また、本発明の別の目的は、安全性が高 、α-グルコシダーゼ阻害活性やリパーゼ阻 活性を有し、糖質や脂質の吸収を阻害する とによる肥満防止、血糖増加抑制作用を持 、さらに異味がなく、良質な味質を持った コイダン由来オリゴ糖を提供することであ 。本発明のさらなる目的は、効果量を的確 飲食品、医薬組成物、化粧品等に添加する とができるフコイダン由来オリゴ糖を提供 ることである。

 本発明者は、フコイダンから新規オリゴ を製造し、それらのα-グルコシダーゼ阻害 性、リパーゼ阻害活性を確認し、さらに味 を確認することにより、本発明を完成する 至った。本発明においては、これらオリゴ をフコイダンオリゴ糖とも称する。

 すなわち本発明は、
(1)下記構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、( VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、または(XII)で表さ るフコイダンオリゴ糖:

(2)式(I)~(XII)で表される化合物から選択される 少なくとも1つの化合物を含む
α-グルコシダーゼ阻害剤やリパーゼ阻害剤。
(3)式(I)~(XII)で表される化合物から選択される 少なくとも1つの化合物を含む
肥満防止剤、血糖増加抑制剤。
(4)式(I)~(XII)で表される化合物から選択される 少なくとも1つの化合物を添加
した飲食品;および
(5)式(I)~(XII)で表される化合物から選択される 少なくとも1つの化合物を含む
化粧品に関する。

 本発明の新規フコイダンオリゴ糖は、α- ルコシダーゼ阻害作用やリパーゼ阻害作用 有する。また、本発明のフコイダンオリゴ は、食品素材から分離されたものであるた 、極めて安全性が高く、良質な味を有する 従って、本発明のオリゴ糖は非常に有用で り、その応用範囲は健康食品のみならず、 薬品および化粧品にも適用可能である。

 即ち、本発明のオリゴ糖を添加すること より、オリゴ糖が糖質や脂質の吸収を阻害 ることによる肥満防止、血糖増加抑制作用 有する、飲食品、医薬組成物、または化粧 を提供することができる。

沖縄モズクから熱水抽出により得られ フコイダンの糖組成分析を示すHPLCチャート である。 式(I)で表される分子量340のフコイダン リゴ糖のMSスペクトルを示す図である。 式(II)で表される分子量486のフコイダン オリゴ糖のMSスペクトルを示す図である。 式(I)の化合物に対応する標識化オリゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(I)の化合物に対応する標識化オリゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(II)の化合物に対応する標識化オリゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(II)の化合物に対応する標識化オリゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(III)の化合物に対応する分子量539の標識化 リゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(III)の化合物に対応する分子量539の標識化 リゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(V)の化合物に対応する分子量715の標識化オ リゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(V)の化合物に対応する分子量715の標識化オ リゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(VI)の化合物に対応する分子量861の標識化 リゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(VI)の化合物に対応する分子量861の標識化 リゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(VII)の化合物に対応する分子量903の標識化 リゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(VII)の化合物に対応する分子量903の標識化 リゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(VIII)の化合物に対応する分子量957の標識化 オリゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(VIII)の化合物に対応する分子量957の標識化 オリゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(IX)の化合物に対応する分子量999の標識化 リゴ糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(IX)の化合物に対応する分子量999の標識化 リゴ糖の 13 C-NMRスペクトルを示す図である。 式(VII)で表される分子量754のフコイダンオリ 糖の 1 H-NMRスペクトルを示す図である。 式(VII)で表される分子量754のフコイダ オリゴ糖のTOF-MSスペクトルを示す図である 式(VII)で表される分子量754のフコイダ オリゴ糖を再生した後のMS/MSスペクトルを す図である。 式(IV)で表される分子量420のフコイダ オリゴ糖のESI-MSスペクトルを示す図である 式(IV)で表される分子量420のフコイダ オリゴ糖のMS/MSスペクトルを示す図である。 式(X)で表される分子量858および式(XI) 表される分子量900のフコイダンオリゴ糖のFA B-MSスペクトルを示す図である。 式(X)で表される分子量858のフコイダン オリゴ糖のMS/MSスペクトルを示す図である。 式(XI)で表される分子量900のフコイダ オリゴ糖のMS/MSスペクトルを示す図である。 沖縄モズクを加水分解後、ABEEで蛍光 識化したESI-MSのチャートを示す図である。 各種フコイダンオリゴ糖のα-グルコシ ダーゼ阻害効果を示す図である。 各種フコイダンオリゴ糖のリパーゼ阻 害効果を示す図である。

  フコイダン
 フコイダンとは藻類由来の硫酸化多糖の総 であり、主な構成糖であるフコースに加え 、ガラクトース、グルクロン酸、硫酸化フ ース、キシロース等を含有する。構成糖の 類や量は、フコイダンの由来となる藻類や の生育環境により異なる。

 本発明のフコイダンオリゴ糖のための原 として用いられるフコイダンは、どのよう 構造のものでもよく、またいずれの藻類か 取得してもよい。藻類の例には、クロガシ 目(Sphacelariales)、ナガマツモ目(Chordariales)、 ヤモノリ目(Scytosiphonales)、ウイキョウモ目(D ictyosiphonales)、ムチモ目(Cutleriales)、ケヤリモ (Sporochnales)、アミジグサ目(Dictyotales)、コン 目(Laminariales)、ヒバマタ目(Fucales)を含む褐 綱Phaeophyceaeの海藻が含まれる。好ましくは ズク、より好ましくは沖縄モズク由来のフ イダンを用いる。

  フコイダンの抽出方法
 フコイダンを藻類から抽出する方法は種々 討されており、広く知られている(例えば、 特開平10-245334に記載されているような水を用 いる方法、特開平10-195106に記載されているよ うな酸を用いる方法、特開2002-262788に記載さ ているようなアルカリ水性溶媒を用いる方 等である)。本発明オリゴ糖の原料として用 いるフコイダンはこれら公知の方法により取 得することができる。本発明においては、例 えば、以下の方法により取得したものを用い る。

 即ち、藻類(例えば沖縄モズク)に蒸留水5~ 10倍量を加え、50~100℃で0~5時間、好ましくは8 0~100℃で0.5~2時間、さらに好ましくは90~100℃ 約1時間抽出する。このようにして得られた 類抽出物を冷却、吸引濾過、脱塩および乾 することにより、容易に水に溶解するフコ ダン画分を得ることができる。このように て得られたフコイダン画分は、さらに精製 ることなく次の工程に用いてもよいし、更 精製してから用いてもよい。

 フコイダンは、好ましくは上記のように 類から抽出したものを用いるが、藻類に含 れた状態で用いてもよい。フコイダンまた それを含む藻類を次の加水分解工程に付す とによって本発明による化合物が得られる

  フコイダンオリゴ糖混合物の製造 方法
 本発明のフコイダンオリゴ糖を製造するに 、先ず、特許文献1~3に記載されているよう 、フコイダンを酸や酵素を用いる方法によ 加水分解することにより、フコイダンオリ 糖の混合物を得る。好ましくは、以下の様 酸加水分解条件を用いる。

 即ち、上記のようにして藻類から得られ フコイダンを含む画分またはフコイダンを 酸、好ましくは塩酸もしくは硫酸を用い分 する。より具体的には、0.1~5.0N、好ましく 0.5~4.0N、さらに好ましくは0.5~3.0NのHClを含む 25~130℃、好ましくは30~105℃、さらに好まし は50~100℃の水性溶媒中で、0.1~6時間、好ま くは0.25~3時間、さらに好ましくは0.5~2時間加 水分解を行なう。得られた反応物を塩基、例 えば約1NのNaOHで中和した後、電気透析もしく はゲル濾過等の適切な手段で脱塩し、乾燥( えば、凍結乾燥)することにより、フコイダ オリゴ糖混合物を得ることができる。

  オリゴ糖の精製
 このようにして得られるフコイダンオリゴ 混合物は活性炭処理や脱塩処理などで不純 を除き、純度高いフコイダンオリゴ糖混合 を得ることができる。フコイダンオリゴ糖 さらに精製するためには、クロマトグラフ ー、再結晶、透析、アルコール沈殿等の方 を単独で、または組み合わせて用いること できる。例えば、以下の操作に従ってオリ 糖を精製する。

 先ず、フコイダンの加水分解により得ら たオリゴ糖混合物を陰イオン交換樹脂を用 たクロマトグラフィーに付して、吸着され に通過する硫酸基を含まないオリゴ糖を含 する画分(中性及びグルクロン酸糖画分)と 酸性溶出液により溶出する、硫酸基を多く むオリゴ糖を含有する画分(硫酸化糖画分)と を分離する。

 もしくは、フコイダンの加水分解により られたオリゴ糖混合物を、弱塩基性陰イオ 交換樹脂を用いたクロマトグラフィーに付 て、吸着されずに通過する画分(フコースな どの中性糖画分)と、弱酸で溶出する硫酸基 含まないオリゴ糖を含有する画分(グルクロ 酸糖画分)と、強酸性溶出液により溶出する 、硫酸基を多く含むオリゴ糖を含有する画分 (硫酸化糖画分)とを分離することもできる。

 さらに強酸性溶出液により溶出する画分 後半を分画することにより、硫酸基を含む リゴ糖を含まない、純度の高い硫酸化フコ スを得ることができる。

 中性及びグルクロン酸糖画分をさらにゲ 濾過に付すことにより、式(I)で表される二 と式(II)で表される三糖を得ることができる 。

 さらに、グルクロン酸糖画分をさらに分 用のHPLCなどのクロマトグラフィーに付すこ とにより、式(I)で表される二糖、式(II)で表 れる三糖、式(XII)で表される四糖、式(VIII)で 表される五糖、をそれぞれ得ることができる 。

 一方、硫酸化糖画分を分取用のHPLCなどの クロマトグラフィーに付すことにより、式(V) 、式(VI)、式(VII)で表される各成分を単離する ことができる。

 各オリゴ糖は、精製、構造解析をより容 にするために適宜標識化または誘導体化し もよい。例えば、オリゴ糖は、4-アミノ安 香酸エチル(ABEE)のような試薬で蛍光標識化 ることができ、これによりオリゴ糖の検出 容易となる。標識化された各オリゴ糖を分 した後にその標識化部分を除去することに り、純粋なオリゴ糖を取得することができ 。

  こうして得られるフコイダンオリゴ糖 、それぞれの物質単独のみならず、加水分 物を活性炭や電気透析などにより不純物を 去したオリゴ糖混合物、さらにはイオン交 樹脂分画などで得た硫酸基をほとんど含ま いオリゴ糖を含有する画分(グルクロン酸糖 分)から不純物を除去したオリゴ糖混合物や 、硫酸基を多く含むオリゴ糖を含有する画分 (硫酸化糖画分)から不純物を除去したオリゴ 混合物を、例えば飲食品、医薬品、化粧品 に用いて、これらにα-グルコシダーゼ阻害 用やリパーゼ阻害作用を有し、糖質や脂質 吸収を阻害することによる肥満防止、血糖 加抑制作用を付与することができる。

  フコイダンオリゴ糖を含む食品添 加物および飲食品、並びにそれを添加した飲 食品
 本発明のフコイダンオリゴ糖を飲食品に用 る場合には、それを含みα-グルコシダーゼ 害やリパーゼ阻害作用を有し、糖質や脂質 吸収を阻害することによる肥満防止、血糖 加抑制作用を有する食品添加物および飲食 として、並びにそれを添加したα-グルコシ ーゼ阻害作用やリパーゼ阻害作用を有し、 質や脂質の吸収を阻害することによる肥満 止、血糖増加抑制作用を有する健康食品と て実施することが好適である。

 それらは、公知の甘味料、酸味料、ビタ ン等の各種成分と混合してユーザーの嗜好 合う製品とすればよい。飲食品は、例えば 錠剤、カプセル剤、清涼飲料、茶飲料、ド ンク剤、ヨーグルトや乳酸菌飲料等の乳製 、調味料、加工食品、デザート類、菓子(例 えば、ガム、キャンディ、ゼリー)等の形態 提供することが可能である。本発明の飲食 には、α-グルコシダーゼ阻害作用やリパー 阻害作用により糖質や脂質の吸収を阻害す ことによる肥満防止、血糖増加抑制作用を する旨の表示を容器や説明書に付した機能 食品(特定保健用食品や条件付き特定保健用 品が含まれる)も含まれる。表示場所は容器 またはそれに添付した指示書などが挙げられ るが、これらに限られない。容器には、瓶、 缶、ペットボトル、プラスチックボトル、紙 パック等が含まれるが、それらに限定されな い。また、表示の方法には、印刷、刻印、シ ール等が含まれるが、それらに限定されない 。また、飲食品は、ペットの餌として加工し たペットフード等や動物飼料等でもよい。

  フコイダンオリゴ糖を含む医薬組 成物
 本発明のフコイダンオリゴ糖は、例えば、 -グルコシダーゼ阻害やリパーゼ阻害活性を し、糖質や脂質の吸収を阻害することによ 肥満防止、血糖増加抑制剤として用いるこ ができる。したがって、1つの態様において 、本発明はフコイダンオリゴ糖を含む、α-グ ルコシダーゼ阻害やリパーゼ阻害活性を有し 、糖質や脂質の吸収を阻害することによる肥 満防止、血糖増加抑制作用を有する医薬組成 物である。

 医薬組成物は、主薬に希釈剤、担体、結 剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補 剤、懸濁剤、コーティング剤等の医薬の製 技術分野において通常使用する公知の補助 を用いて製剤化することができる。剤型と ては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、 剤、シロップ剤、座剤、クリーム剤、軟膏 、エマルション、ハップ剤、注射剤等を挙 ることができ、特に限定されるものではな 。本医薬品の投与経路としては、例えば、 口投与、直腸投与、経腸投与等を挙げるこ ができるが、特に限定されるものではない

  フコイダンオリゴ糖を含む化粧品
 本発明のフコイダンオリゴ糖を用いること より、リパーゼ阻害作用により脂質の分解 阻害することによるアクネ菌の増殖を抑え( 非特許文献7)、にきびなどの皮膚疾患を予防 る作用を持つ化粧品を製造することができ 。

 本発明オリゴ糖が添加または配合される 粧品は、例えば、顔用、皮膚用、頭髪用の リーム、ローション、ゲル、ムース、シャ プー、リンス等である。

  他の成分との併用
 本発明のフコイダンオリゴ糖は、飲食品、 薬組成物、および化粧品において、それ自 単独で使用してもよいが、他のα-グルコシ ーゼ阻害やリパーゼ阻害作用により糖質や 質の吸収を阻害することによる肥満防止、 糖増加抑制作用を有する食品素材または物 と併用することも好適である。そのような 品素材または物質としては、乳酸菌、キノ 類、フコイダン、キシロオリゴ糖、アラビ ース、キシロース、フコース等が挙げられ 。

 本発明の飲食品、組成物には、これら活 成分以外に、具体的な態様に応じて、一般 な成分、例えば、担体、希釈剤、賦形剤ま は添加剤等の成分を配合することができる ここで担体、希釈剤または賦形剤としては フコイダンオリゴ糖の生理活性を妨げない のであれば特に制限されず、例えばシュク ース、グルコース、アラビノース、果糖、 ルトース、トレハロース、乳糖、澱粉、水 、異性化液糖などの糖類、エタノール、プ ピレングリコール、グリセリン等のアルコ ル類、ソルビトール、マンニトール、エリ リトール、ラクチトール、キシリトール、 ルチトール、還元パラチノース、還元澱粉 解物等の糖アルコール類、トリアセチン等 溶剤、アラビアガム、カラギナン、キサン ンガム、グァーガム、ジェランガム、ペク ン等の多糖類、または水を挙げることがで る。また添加剤としては、キレート剤等の 剤、香料、香辛料抽出物、防腐剤などを挙 ることができる。これらの担体、添加剤等 本発明の効果を損なわない限り配合するこ ができる。

 飲食品、医薬組成物および化粧品におけ オリゴ糖の配合量は、選択する他の配合成 との関係等により適宜選択されるものであ 、特に限定されるものではない。しかしな ら、通常、フコイダンオリゴ糖は、飲料ま は食品中、医薬組成物中に添加する場合、 体の体重60kgに対して0.01g~10g/日、好ましく 0.05g~1g/日、特に好ましくは0.05g~0.5g/日である 。化粧品中には、0.01~20重量%、好ましくは0.05 ~15重量%用いられる。

 本発明のオリゴ糖は、抽出精製品や合成 品を単独で飲食品、医薬組成物、および化 品に用いることもできるが、本発明オリゴ の1つ以上を含む混合物の形態で飲食品等に 添加することもできる。

 なお本発明は上述した各実施形態に限定さ るものではなく、請求項に示した範囲で種 の変更が可能であり、異なる実施形態にそ ぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わ て得られる実施形態についても本発明の技 的範囲に含まれる。
[実施例]

 以下、実施例に基づいて本発明を具体的 説明するが、本発明の範囲はこれらの実施 に限定されないことは言うまでもない。

 以下の実施例においては、特に明記しない り、ECA-600型核磁気共鳴装置(日本電子株式 社)を用いてNMR分析を行なった。測定溶媒と て重水(D 2 O)を用いた。構成糖の結合様式は、2D-NMRを用 て行なった。

 フコイダンオリゴ糖の調製-1
a)フコイダン画分の調製 
 沖縄モズク藻体100gに蒸留水を1000ml加え、100 ℃で1時間抽出した。得られた抽出物を冷却 、吸引濾過、電気透析(脱塩)をして凍結乾燥 し、フコイダン画分を2g得た。このフコイダ を2N-H 2 SO 4 を含む100℃の水溶液で1時間加水分解し、得 れた水溶液を2N-NaOHを用いて中和し、ABEEで蛍 光標識化することで単糖分析サンプルを調製 した。その構成糖の組成は、硫酸化フコース :グルクロン酸:フコース:キシロース=49.3:4.9:12 .1:1であることを確認した(図1)。
カラム:Cosmosil C18 AR-II(4.6mmφ×250mm)
移動相:10%アセトニトリル含有0.2Mホウ酸カリ ム緩衝液
流速:1.0ml/分
温度:45℃
検出:蛍光検出器(株式会社島津製作所)、Ex:305 nm、Em:360nm
b)フコイダンの加水分解およびオ ゴ糖の分離
 得られたフコイダン画分1gに2N-HClを100ml加え て50~100℃で1時間酸加水分解を行ない、次い 1N-NaOHで中和した。得られた反応液をゲル濾 (バイオゲルP-6(Bio-Rad))に付して脱塩し、凍 乾燥を行なうことによりフコイダンオリゴ 混合物を895mg得た。得られたフコイダンオリ ゴ糖混合物は、蟻酸で活性化した陰イオン交 換樹脂(東ソー株式会社)を用いるクロマトグ フィーに付した。結果として、オリゴ糖混 物は、水で溶出することで得られた硫酸基 含まないオリゴ糖を含有する画分(中性及び 酸性糖画分)280mgと、2N-HClで溶出することで得 られた硫酸基を多く含むオリゴ糖を含有する 画分(硫酸化糖画分)425mgに分離された。
c)化合物(I)および(II)の単離
 b)で得られた中性及び酸性糖画分100mgをゲル 濾過(バイオゲルP-4(Bio-Rad)、溶出溶媒:0.2Mホウ 酸カリウム(K 2 B 4 O 7 )水溶液)に付すことにより、当該画分から分 量340の二糖と分子量486の三糖が分離された( 化合物 I、II)。これらの分子量は、FAB-MSによ り求めた(図2、3;化合物(I)[M-H] - :339.2、化合物(II)[M-H] - :485.0)。これらの化合物5mgに、水1ml、ABEE(4-ア ノ安息香酸エチル)1.6g、NaBH 3 CN(水素化シアノほう素ナトリウム)350mg、メタ ノール3.5ml、酢酸410μlを加え、65℃、4時間撹 した。反応液をクロロホルムと水で分配す ことにより蛍光標識化された上記二糖およ 三糖を約7~9mg取得した。これら標識化オリ 糖について測定した 1 H-NMRおよび 13 C-NMRのチャートを図4~7に示し、それらを解析 た結果を表1、2に示した。これらの結果よ 、得られた分子量340の二糖は式(I)で表され α-D-GlcA-(1→2)-L-Fucであり、分子量486の三糖は 式(II)で表されるα-D-GlcA-(1→2)-α-L-Fuc-(1→3)-L-F ucであることが分かった。

d)化合物(III)~(XI)の製造
 次に、硫酸化糖画分をゲル濾過(バイオゲル P-6(Bio-Rad))に付すことにより脱塩した。得ら た硫酸化糖画分100mgに、水1ml、ABEE(4-アミノ 息香酸エチル)1.6g、NaBH 3 CN(水素化シアノほう素ナトリウム)350mg、メタ ノール3.5ml、酢酸410μlを加え、65℃、4時間撹 した。得られた生成物を真空で乾燥させ、 とクロロホルムに分配し、水層を逆相カラ で(担体:Lichroprep RP-8(25-40μm)(Merck)、10mmφ×220 mm;溶媒条件:5%CH 3 CN/0.1%TFA(100ml)、8%CH 3 CN/0.1%TFA(100ml)、15%CH 3 CN/0.1%TFA(100ml)、20%CH 3 CN/0.1%TFA(100ml))処理することにより蛍光標識化 されたオリゴ糖の混合物を得た。得られた蛍 光標識化合物をHPLC(カラム:cosmosil 5C18-AR-II、1 0mmφ×250mm;溶媒条件:12.5%CH 3 CN/0.1%TFA(5分)、12.5-27.5%CH 3 CN/0.1%TFA(50分);流速:3ml/分)でアセトニトリル:0. 1%TFA水溶液を5~30%の濃度勾配で溶出して、分 量が539、715、861、903、957、999であり硫酸基 有する6つの標識化フコイダンオリゴ糖を混 物から分離した(分子量は、ESI-MSにより決定 した)。得られた標識化オリゴ糖についてNMR ペクトルを測定し、その結果を解析した。 識化オリゴ糖の 1 H-NMRおよび 13 C-NMRのチャートを図8~19に示し、それらを解析 した結果を表3~6に示す。これら結果から、分 子量539、715、861、903、957、999の化合物は、そ れぞれ、化合物(III)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、( IX)の標識体であることが明らかとなった。

 確認のため、各オリゴ糖上に結合していたA BEEを除去し、再生したオリゴ糖の純品を得た 。即ち、これら分離した各標識化オリゴ糖10m g(100μl)に、過酸化水素、酢酸を各10μl加えて 昼夜放置した後、乾固した。こうして得ら た再生オリゴ糖のうち、分子量903の化合物 ら得られたものを 1 H-NMR(図20)、TOF-MS(装置Voyager DE-STR(Applied Biosyst ems)、Ion mode: negative、Mode of operation: reflecto r、Accelerating voltage: 20kV、Matrix: 2,5-dihydroxyben zoic acid)(図21)、MS/MS(図22)で解析したところ、 その結果は、確かに式(VII)の構造を示してい 。

 また、上記方法で分離できなかった分子 420、858、900の化合物(それぞれ(IV)、(X)、(XI)) に関しては、反応混合物をFAB-MS/MS(装置:HX110A/ HX110A(JEOL)、Ion mode:MS, MS/MS(negative)、Xe atom be am:5kV、Ion source accelerating potential:10kV、Collisi on energy:2keV、Matrix:Glycerol)、およびESI-MS-MSで 析することによりその存在を確認した。こ ら未標識化オリゴ糖の分析結果を図23~27に示 す。図23に(IV)のFAB-MSチャート、図24にMS/MSチ ートを示した。また図25に(X)および(XI)のFAB-M Sチャートを、図26、27にそれぞれのMS/MSチャ トを示した。

 これらの結果より、分子量390の二糖は化学 (III)で表されるα-L-Fuc-
4-O-SO 3 H - -(1→3)-L-Fuc、分子量420の二糖は化学式(IV)で表 されるα-D-GlcA-(1→2)-L-Fuc、分子量566の三糖は 学式(V)で表されるα-L-Fuc-4-O-SO 3 H - -(1→3)-[α-D-GlcA-(1→2)]-L-Fuc、分子量712の四糖 化学式(VI)で表されるα-L-Fuc-4-O-SO 3 H - -(1→3)-[α-D-GlcA-(1→2)]-α-L-Fuc-(1→3)-L-Fuc、そし て分子量754の四糖は化学式(VII)で表されるα-L -Fuc-4-O-SO 3 H - -(1→3)-[α-D-GlcA-(1→2)]-α-L-Fuc-4-O-アセチル-(1→ 3)-L-Fuc、分子量808の5糖は化学式(VIII)で表され る[α-D-GlcA-(1→2)-α-L-Fuc-(1→3)]-[α-D-GlcA-(1→2)]- α-L-Fuc-(1→3)-L-Fuc、分子量850の5糖は化学式(IX) で表される[α-D-GlcA-(1→2)-α-L-Fuc-(1→3)]-[α-D-Gl cA-(1→2)]-4-O-アセチル-α-L-Fuc-(1→3)-L-Fuc、分子 量858の5糖は化学式(X)で表されるα-L-Fuc-4-O-SO 3 H - -(1→3)-α-L-Fuc-(1→3)-[α-D-GlcA-(1→2)]-α-L-Fuc-(1→ 3)-L-Fuc、分子量900の5糖は化学式(XI)で表され α-L-Fuc-4-O-SO 3 H - -(1→3)-α-L-Fuc-(1→3)-[α-D-GlcA-(1→2)]-α-L-Fuc-4-O- セチル-(1→3)-L-Fucであることが分かった。

 フコイダンオリゴ糖の調製-2
 オキナワモズク藻体100gに2N-HCl1000mlを入れ、 1時間、50~100℃で酸加水分解を行った。得ら た抽出物を冷却後、吸引濾過、電気透析(脱 )を行ない凍結乾燥しフコイダン画分を2g得 。得られたフコイダン画分をABEEで蛍光標識 化したものをESI-MS(4000Q TRAP LC/MS/MSシステム(A pplied Biosystems);分析条件 Polarity:Negative ion mo de;Declustering Potential:-50v;Collision energy:-10eV;Temp erature:550℃)で分析した結果、図28で示される ャートが得られ、式(I)~(XI)に示されるフコ ダンオリゴ糖の存在が確認できた。

 硫酸化フコース非含有フコイダンオリゴ糖 調製
1. 沖縄発酵化学社製フコイダン10gを200mlの1N- HClに加えメジウム瓶中で攪拌しながら70~105℃ で15~30分加水分解を行った。
2. 冷却後NaOHで中和し、ろ過を行った。ろ過 時間がかかる場合は遠心分離で固液分離を いその後、液体部分をろ過する。
3. ろ液に粉末活性炭を加え常温で15分攪拌後 、0.45μmのミリポアフィルターでろ過し、活 炭を除去した。
4. 旭化成社製マイクロ・アシライザーG3を用 い、AC110の膜を用いて電導度が一定になるま 脱塩を行った。
5. 強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B( H型)(三菱化学株式会社製)100mlに全量約300mlを 荷後、水100mlで洗浄、すべての溶出液(水溶 画分)を採取し金属などの陽イオンは樹脂に 吸着させて除去した。
6. 水溶出画分全量を弱塩基性陰イオン交換 脂ダイヤイオンWA30(OH型) (三菱化学株式会社 製)120mlに負荷後、水600mlで中性糖(フコース、 キシロースなど)を溶出後、10%蟻酸500mlで硫酸 化フコース非含有酸性オリゴ糖を溶出。その 後0.5N-HCl、300ml、1N-HCl、300ml、3N-HCl、300mlで硫 化フコース含有酸性オリゴ糖を溶出した。
7. 10%蟻酸500ml溶出した硫酸化フコース非含有 酸性オリゴ糖画分を減圧濃縮して蟻酸を除去 した。この溶液を実施例7-アの方法でHPLC分析 を行い、GF(I)
、GF2(II)、G2F2(XII)、G2F3(VIII)のピークを確認し 。
本溶液を凍結乾燥し、粉末を得た。
8. 1N-HCl溶出画分(硫酸化フコース含有酸性オ ゴ糖画分)を減圧濃縮した。
本画分を実施例7-アの方法でHPLC分析すること により、硫酸化フコース、三糖としてGSF(V)、 四糖としてGSF2(VI)、およびGSFaF(VII)が検出され た。
9. 10%蟻酸溶出画分の凍結乾燥品を水に溶解 、粉末活性炭を加え、20分攪拌後0.45μmのミ ポアフィルターでろ過し色素成分を除去し 。
10. ろ液をアミコンフィルターYM10を装着した 限外ろ過装置(分子量10,000カット膜)を用いて 外ろ過し、ろ液を3mlに減圧濃縮した。
11. 濃縮液を4回に分け、それぞれ0.5ml、0.625ml 、0.625ml、0.625mlをそれぞれNH2カラム(AsahipakNH2- P-90(20x300mm)に負荷しCH3CN:50mM-HCl=4:1、6ml/分でカ ラムオーブンを50℃に加温し、70分溶出後、CH 3CN:50mM-HCl=3:1、6ml/分でさらに50分間溶出を行 た。
210nmの吸光度を測定し、GF(I)、GF2(II)、G2F2(XII) G2F3(
VIII)に相当するピークを分取した。
12. それぞれの画分を減圧濃縮後、NaOHで中和 後、旭化成社製マイクロ・アシライザーS1を い、膜にAC112を用い電導度が一定になるま 脱塩し、減圧濃縮後凍結乾燥した。

 その結果、GF(I)、GF2(II)、G2F2(XII)、G2F3(VIII) のナトリウム塩を採取した。

 硫酸化フコース含有フコイダンオリゴ糖の 製
1. 実施例3と同様の方法で沖縄発酵化学社製 コイダン加水分解し、NaOHで中和しろ過し、 活性炭処理を行い、マイクロ・アシライザー で脱塩を行った。
2. 強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B( H型)100ml(三菱化学株式会社製)に全量約250mlを 荷後、水60mlで洗浄、すべての溶出液(水溶 画分)を採取し金属などの陽イオンは樹脂に 着させて除去した。
3. 水溶出画分全量を弱塩基性陰イオン交換 脂ダイヤイオンWA30(OH型) (三菱化学株式会社 製)200mlに負荷後、水1000mlで中性糖(フコース キシロースなど)を溶出後、10%蟻酸1000mlで硫 化フコース非含有酸性オリゴ糖を溶出した その後0.2N-HCl、600ml、0.4N-HCl、750ml、1N-HCl、10 00mlで硫酸化フコース含有酸性オリゴ糖を溶 した。
4. 0.4N塩酸溶出画分の後半520ml(硫酸化フコー 含有酸性オリゴ糖画分)を50mlに減圧濃縮し 塩酸を除去した。
5. 濃縮液を1N-NaOHで中和し、旭化成社製マイ ロ・アシライザーG3を用い、膜にAC110を用い 電導度が一定になるまで脱塩した。
6. 脱塩液をアミコンフィルターYM10を装着し 限外ろ過装置(分子量10,000カット膜)を用い ろ過し、水洗浄し、ろ液および洗浄液を減 濃縮し、凍結乾燥し、乾燥粉末を得た。本 分を実施例7-アの方法でHPLC分析することに り、硫酸化フコース、三糖としてGSF(V)、四 としてGSFF(VI)、およびGSFaF(VII)が検出された
7. 乾燥粉末を3回に分け、それぞれをNH2カラ (AsahipakNH2-P-90、20mmφx300mm)に負荷し、CH3CN:133m M-HCl=7:3、6ml/分でカラムオーブンを50℃に加温 し、150分間溶出を行った。
8. 80分付近(VIIを含む画分)、135分付近(Vおよ VIを含む画分)の溶出画分
を減圧濃縮後、NaOHで中和し、旭化成社製マ クロ・アシライザーS1を用い、膜にAC110を用 電導度が一定になるまで脱塩し、減圧濃縮 凍結乾燥した。
その結果、VIIを含む画分、VおよびVIを含む画 分のナトリウム塩を得た。

 硫酸化フコースの調製
1. 実施例3と同様の方法で沖縄発酵化学社製 コイダン加水分解し、NaOHで中和し、ろ過し 、活性炭処理を行い、マイクロ・アシライザ ーで脱塩を行い、脱塩液を陽イオン交換樹脂 ダイヤイオンSK1B(H型)に負荷後、溶出液(水溶 画分)を採取し金属などの陽イオンは樹脂に 吸着させて除去した。
2. 水溶出画分全量を弱塩基性陰イオン交換 脂WA30(OH型)200mlに負荷後、水1000mlで中性糖(フ コース、キシロースなど)を溶出後、10%蟻酸10 00mlで硫酸化フコース非含有酸性オリゴ糖を 出。その後0.2N-HCl、600ml、0.4N-HCl、750ml、1N-HCl 、1000mlで硫酸化フコース含有酸性オリゴ糖を 溶出した。
3. 1N-HCl溶出画分の前半250ml(硫酸化フコース 分)を50mlに減圧濃縮した。
4. 濃縮液を1N-NaOHで中和し、旭化成社製マイ ロ・アシライザーG3を用い、膜にAC110を用い 電導度が一定になるまで脱塩した。
5. 脱塩液をアミコンフィルターYM10を装着し 限外ろ過装置(分子量10,000カット膜)を用い ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。本画分を実 例7-アの方法でHPLC分析することにより、硫 化フコースであることがわかった。
6. 濃縮液0.5mlを2回に分け、NH2カラム(AsahipakNH 2-P-90、20mmφx300mm)に負荷し、CH3CN:133mM-HCl=7:3、6 ml/分でカラムオーブンを50℃に加温し、150分 溶出を行った。RIの吸光度を測定し、100分 近に溶出する硫酸化フコースに相当するピ クを分取した。
7. この画分を減圧濃縮後、NaOHで中和し、旭 成社製マイクロ・アシライザーS1を用い、 にAC110を用い電導度が一定になるまで脱塩し 、減圧濃縮後凍結乾燥した。

 その結果、硫酸化フコースのナトリウム を採取した。

  フコイダンオリゴ糖の調製
1. 沖縄発酵化学社製フコイダン60gに1200mlの1N -HClを加え、メジウム瓶中で70~105℃で15分~3時 、加水分解を行う。
2. 冷却後NaOHで中和し、ろ過を行う。ろ過に 間がかかる場合は遠心分離で固液  分離を 行いその後、液体部分をろ過する。
3. ろ液に粉末活性炭を加え常温で15分攪拌後 、0.45μmのミリポアフィルター  でろ過し、 性炭を除去した。
4. 旭化成社製マイクロ・アシライザーG3を用 い、AC110の膜を用いて電導度が一定になるま 脱塩を行い、白濁脱塩液を得る。
5. 白濁脱塩液を0.45μmのミリポアフィルター ろ過し濁りを除去した。
6.強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B(H )100ml(三菱化学株式会社製)に全量を負荷し 出させた後、水100mlで洗浄、溶出液全量(水 出画分)を採取し金属などの陽イオンは樹脂 吸着させて除去した。
7. 水溶出画分全量を減圧濃縮し250mlにする。 そのうち100mlを弱塩基性陰イオン交換樹脂ダ ヤイオンWA30(OH型)(三菱化学株式会社製)120ml 負荷後、水475mlで中性糖(フコース、キシロ スなど)を溶出後、10%蟻酸500mlで硫酸化フコ ス非含有酸性オリゴ糖を溶出。その後1N-HCl 500mlで硫酸化フコース含有酸性オリゴ糖を 出した。
8. 10%蟻酸500mlで溶出した硫酸化フコース非含 有酸性オリゴ糖画分を減圧濃縮して蟻酸を除 去した。
この溶液を実施例7-アの方法でHPLC分析を行い 、GF(I)のピークを確認した。本溶液を凍結乾 し、白色粉末を得た。

 単離品の純度測定、定性分析
ア.HPLC法
 実施例3で得られたGF(I)、GF2(II)、G2F2(XII)、G2F 3(VIII)サンプルの各5%水溶液を、カラムに資生 堂CAPCELLPAK-NH2(4.6mmφ×250mm)を使用し、カラム温 度を60℃で、移動相にアセトニトリル:100mM-HCl (75:25)もしくは(70:30)で1ml/minを用いRIおよびUV(2 10nm)で検出し分析した。

 その結果、GF(I)はRI検出で9.048分にピーク 検出され、4.3分に検出されるナトリウム塩 除いた、RI純度は約98%であった。

 GF2(II)はRI検出で10.55分にピークが検出さ 、4.3分に検出されるナトリウム塩を除いた RI純度は約93%であった。

 G2F2(XII)はRI検出で18.29分にピークが検出さ れ、4.3分に検出されるナトリウム塩を除いた 、RI純度は約77%であった。残りの23%はG2F3(VIII) であった。

 G2F3(VIII)はRI検出で21.569分にピークが検出さ 、4.3分に検出されるナトリウム塩を除いた RI純度は約78%であった。残りの22%はG2F2(XII) あった。
イ.MSによる定性分析
 実施例3で得られたGF(I)、GF2(II)、G2F2(XII)、G2F 3(VIII)を約10ppmとなるように50%メタノール/H 2 Oに溶解し、Q-TOF(Micromass製、UK)でZ-スプレー、 ESIイオン源、ナノキャピラリーを用いネガテ ィブモードで測定を行った。キャピラリー電 圧は1000V、cone energy は30Vで測定した。その 果、GFはm/z339[M-H]-, GF2はm/z485[M-H]-,G2F2はm/z661[ M-H]-,G2F3はm/z807[M-H]-にそれぞれのオリゴ糖を すイオンが認められた。
ウ.標識化とNMRによる構造解析
 ABEE(4-Aminobenzoicacid ethylester)による標識化糖 調製
[反応]
1) 4.280mgのG2F2=XII(実施例3で取得)画分を85.6μL の水に溶解させ5wt%水溶液とし、320μL のABEE 薬溶液 * (ABEE試薬溶液 * :4-アミノ安息香酸エチル165mg (1.0mmol )、 ジ チルアミンボラン34mg (0.58mmol)、メタノール 350μL、酢酸41μL )を加え攪拌後65℃で1時間反 した。
2) 反応溶液にクロロホルム1.6mL- 水1.6mLを加 3回液々抽出した。
3) 水層をSepPakC18で固相抽出(溶出液:30%%アセ ニトリル/水)後、凍結乾燥し、2.8mgの粉末を た。
[HPLC分取条件]
カラム:YMC-Pack ODS-AM-323 S-5μm(10mmφ x 250mm)
移動相:A:H 2 O-0.1%HCOOH、B:CH3CN-0.1%HCOOH
流速:2.0mL/min
グラジュエント: Bconc. 8%アイソクラティッ (20分)、B8%→30%(40分)
検出: A305nm
45分から47分に溶出した画分(ABEE標識化G2F2)を めて凍結乾燥し0.6mgを得た。
[ABEE標識化G2F2(XII)の機器分析]
分取HPLCで得られたABEE標識化G2F2をLCMS-IT-TOF(株 式会社島津製作所製)でESIイオン源、ネガテ ブモードで質量分析を行った。その結果m/z  810.2624に[M-H]-のイオンが認められ、分子式はC 33H49O22N(分子量計算値 810.2668との誤差-5.43ppm) 求められた。

 次にABEE標識化G2F2=XIIをCD3ODに溶解し、AVANCE-7 50 spectrometer(BRUKER BIOSPIN, Germany)にてNMRの測 を行った。測定項目は 1 H-NMR,COSY,TOCSY,HSQC、HMBCである。

 MSおよびNMRにより構造解析した結果、オ ゴ糖部分は化合物(XII)で示される[α-D-GlcA-(1 2)-α-L-Fuc-(1→3)]-[α-D-GlcA-(1→2)]-L-Fucであるこ が明らかになった。

 α-グルコシダーゼ活性の測定
1. 0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(0.1M NaH2PO4・2H 2 O と0.1M Na2HPO4・12H 2 Oを混合しpH7.0に調整)、2g/Lの牛血製アルブミ (ナカライテスク株式会社製、F-V、pH5.2、純 96%)および0.2g/LのNaN3(ナカライテスク株式会 製、試薬特級)を添加した。酵素溶液は上記 、緩衝液にα-glucosidase(和光純薬株式会社製、 酵母由来、100units/mg)を0.5units/mg protein/ml(100μg /20ml)となるように溶解した。基質溶液は、上 記、緩衝液にp-nitrophenyl-α-D-glucopyranoside(ナカ イテスク株式会社製、試薬特級)を5mM(7.525mg/ 5ml)となるように溶解した。
2. サンプルは実施例3で精製した、GF(I)を200mg /ml H 2 Oとなるように調製し、6段階に2倍希釈を行っ た。96穴マイクロプレートを用い、サンプル 液10μLに酵素液45μLを加え、37℃で5分間、プ レインキュベーションした後、基質溶液、45 Lを加えA405nmの吸光度を測定(0minのA405nm)し、3 7℃で5分間、インキュベーションした後、A405 nmの吸光度を測定(5minのA405nm)した。コントロ ルとしてサンプルのかわりにH 2 Oを添加したものの吸光度を測定し、コント ールのA405nmとの差を阻害率として算出した 活性測定は4連で行った。
3. サンプルは実施例3で精製したGF(I)、GF2(II) G2F2(XII)、G2F3(VIII)、実施例4で製造したGSFaF(VI I)を含む画分、GSF及びGSFFを含む画分(V&VI)) 実施例5で精製した硫酸化フコース(S)を50mg/m l H 2 Oとなるように調製した。比較対照としてX2( シロビオース)およびグルクロン酸(シグマア ルドリッチ)をNaOHで中和しグルクロン酸換算 50mg/ml H 2 Oとなるように調製した。96穴マイクロプレー トを用い、サンプル溶液10μLに酵素液45μLを え、37℃で5分間、プレインキュベーション た後、基質溶液、45μLを加えA405nmの吸光度を 測定(0minのA405nm)し、37℃で5分間、インキュベ ーションした後、A405nmの吸光度を測定(5minのA 405nm)した。コントロールとしてサンプルのか わりにH 2 Oを添加したものとのA405nmの差を阻害率とし 算出した。活性測定は2連で行った。
4. 計算式
(コントロ-ルのA405nmの5minの値)-(コントロ-ル A405nmの0minの値)=△A405nm(cont.)
(サンプルのA405nmの5minの値)-(サンプルのA405nm 0minの値)=△A405nm(sample)
{△A405nm(cont.)-△A405nm(sample)}í△A405nm(cont.) x 1 00=阻害率(%)
として算出した。
5. 2の結果、GF(I)は用量依存的にα-グルコシ ーゼを阻害し、IC50は20.4mg/mlであった。
6. 3の結果、フコイダン由来オリゴ糖のうち ルクロン酸とフコースからなるオリゴ糖(I II、VIII、XII)は5mg/mlにおいて、23~31%のα-グル シダーゼ阻害活性を示し、硫酸化フコース よび硫酸化フコースとグルクロン酸とフコ スからなるオリゴ糖は17~36%のα-グルコシダ ゼ阻害活性を示し、α-グルコシダーゼ阻害 有することが知られているX2の10.15%を上回 強い活性が認められた。(特許文献8)また構 糖であるグルクロン酸を中和した物は8%の阻 害活性であった。(図29)

 リパーゼ阻害活性の測定
1. 96穴平底プレートに実施例3で製造したGF(I) 、実施例4で製造したGSFaF(VII)を含む画分およ GSF(V)とGSFF(VI)とを含む画分を終濃度4mg/mlと るように調製し25μl、緩衝液(130mM Tris-HClバ ファー(pH8.0、150mM NaCl、1.36mM CaCl 2 を含む))50μl、4-メチルウンベリフェロンオレ イン酸エステル(シグマ)を25μl(終濃度100μM)添 加し、30分間室温で放置した。その後リパー (ブタ膵リパーゼ、シグマ)を50μl(最終濃度10 0U/ml)添加し反応を開始した。
2. 30分後クエン酸バッファー(pH4.2)を100μl添 することで反応を停止した。反応によって 成した4-メチルウンベリフェロンの蛍光強度 (励起波長355nm、蛍光波長460nm)を蛍光プレート リーダー(Labsystems社Fluoroskan Asent CF)を用い測 定した。
3. コントロールとしてサンプルの代わりに を用いたもの、ブランクとしてサンプルの わりに水、リパーゼの代わりにバッファー 用いたものを用い、下記式を用いてリパー 阻害活性を算出した。
4. 計算式
リパーゼ阻害活性(%)=100-(A-B)/(C-B)×100
 A:サンプルの蛍光強度、B:ブランクの蛍光強 度、C :コントロールの蛍光強度
5. 結果、GF(I)は4mg/mlにおいて81%のリパーゼ阻 害活性、GSFaF(VII)を含む画分(図30中(VII))およ GSF(V)とGSFF(VI)とを含む画分(図30中GSF&GSFF) 4mg/mlにおいて17%程度のリパーゼ阻害活性が められた(図30)。

 味質評価
 実施例3-7で製造した硫酸化フコース非含有 コイダンオリゴ糖の5%水溶液、実施例4-6で 造した硫酸化フコース含有フコイダンオリ 糖の5%水溶液、実施例6で製造したGF(I)、フコ イダンの常温での官能試験を4名のパネラー おこない、自由に意見を記入させた。

 その結果を表7に示す。硫酸化フコース非 含有フコイダンオリゴ糖と硫酸化フコース含 有フコイダンオリゴ糖はほのかな甘みをもつ オリゴ糖であった。また、フコイダンは濃い 褐色溶液で海草臭が後に残るのに対して、GF 無色の溶液で若干の甘味を持ったさわやか 酸味料であった。