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Title:
FUEL CELL SYSTEM AND FUEL CELL BOOSTING CONVERTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084649
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a fuel cell system including a fuel cell which is a DC power source and boosting means which boosts the output voltage of the fuel cell for supply to a load. The boosting means has: a main boosting unit which has a switch and a coil and boosts the output voltage of the fuel cell by a back electromotive force of the coil generated by a switching operation of the switch with respect to the coil; and a sub boosting unit having a snubber capacitor which adjusts a potential difference between the both electrodes of the switch by an accumulation amount and reduces the switching loss of the switch by adjusting the accumulation amount of the snubber capacitor upon a switching operation. The electricity of the snubber capacitor discharged when reducing the accumulation amount of the snubber capacitor is made to flow into processing means other than the fuel cell by the sub boosting unit.

Inventors:
IGARASHI FUSAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073771
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
IGARASHI FUSAKI (JP)
International Classes:
B60L11/18; H01M8/04; H02M3/155
Domestic Patent References:
WO2006098376A12006-09-21
Foreign References:
JP2007228781A2007-09-06
JP2006121850A2006-05-11
JP2007181328A2007-07-12
JPH05236734A1993-09-10
JP2006087284A2006-03-30
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshiyuki et al. (4-10 Higashi Nihonbashi 3-chome, Chuo-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 直流電源である燃料電池、及び該燃料電池の出力電圧を昇圧して負荷へ給電する昇圧手段を備える燃料電池システムであって、
 前記昇圧手段は、
  スイッチとコイルとを有し、該スイッチが該コイルに対してスイッチング動作することにより生ずる該コイルの逆起電力で前記燃料電池の出力電圧を昇圧する主昇圧部と、
  前記スイッチの両極間の電位差を蓄電量で調整するスナバコンデンサを有し、前記スイッチング動作時に該スナバコンデンサの蓄電量を調整することで該スイッチのスイッチング損失を減らす副昇圧部と、を有し、
 前記副昇圧部は、前記スナバコンデンサの蓄電量を減らす際に放出する該スナバコンデンサの電気を前記燃料電池以外の処理手段へ流して処理する、
 燃料電池システム。
 前記副昇圧部は、前記スナバコンデンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を、前記処理手段である前記主昇圧部と前記燃料電池とを繋ぐ電路へ回生させて処理し、
 前記燃料電池システムは、前記副昇圧部の回生電力により生ずる前記電路の電圧変動を緩和する緩衝手段を更に備える、
 請求項1に記載の燃料電池システム。
 前記副昇圧部は、前記スナバコンデンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を、前記処理手段である前記主昇圧部と前記燃料電池とを繋ぐ電路へ回生させて処理し、
 前記燃料電池システムは、前記副昇圧部の回生電力により変動する前記電路の電圧が規定の電圧を超える場合に、該電路の電気をアースへ流す定電圧手段を更に備える、
 請求項1または2に記載の燃料電池システム。
 前記副昇圧部は、前記スナバコンデンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を、前記処理手段である前記主昇圧部と前記燃料電池とを繋ぐ電路へ回生させて処理し、
 前記燃料電池システムは、前記副昇圧部の回生電力が前記電路を介して前記燃料電池へ流れるのを止める整流手段を更に備える、
 請求項1から3の何れか一項に記載の燃料電池システム。
 前記燃料電池システムは、前記処理手段である二次電池を備え、
 前記副昇圧部は、前記スナバコンデンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を前記二次電池へ流して処理する、
 請求項1に記載の燃料電池システム。
 前記主昇圧部は、
  一端が前記燃料電池の陽極に接続される第一コイルと、
  一端が前記主コイルの他端に接続され、他端が前記燃料電池の陰極と接続される第一スイッチと、
  カソード側が前記コイルの他端に接続され、アノード側が前記負荷と接続される第一ダイオードと、
  前記ダイオードのアノード側と前記スイッチの他端とを接続する平滑コンデンサと、を有し、
 前記副昇圧部は、
  前記第一コイルと前記第一スイッチとを繋ぐ電路から分岐する電路にカソード側が接続される第二ダイオードと、
  前記第二ダイオードのアノード側と前記第一スイッチの他端とを接続する前記スナバコンデンサと、
  前記第二ダイオードのアノード側と前記スナバコンデンサとを繋ぐ電路から分岐する電路に一端が接続される第二コイルと、
  カソード側が前記第二コイルの他端に接続される第二ダイオードと、
  一端が前記第二ダイオードのアノード側に接続され、他端が前記処理手段に接続される第二スイッチと、を有する、
 請求項1から5の何れか一項に記載の燃料電池システム。
 直流電源である燃料電池の出力電圧を昇圧して負荷へ給電する燃料電池用昇圧コンバータであって、
 スイッチとコイルとを有し、該スイッチが該コイルに対してスイッチング動作することにより生ずる該コイルの逆起電力で前記燃料電池の出力電圧を昇圧する主昇圧部と、
 前記スイッチの両極間の電位差を蓄電量で調整するスナバコンデンサを有し、前記スイッチング動作時に該スナバコンデンサの蓄電量を調整することで該スイッチのスイッチング損失を減らす副昇圧部と、を備え、
 前記副昇圧部は、前記スナバコンデンサの蓄電量を減らす際に放出する該スナバコンデンサの電気を前記燃料電池以外の処理手段へ流して処理する、
 燃料電池用昇圧コンバータ。
Description:
燃料電池システム、及び燃料電 用昇圧コンバータ

 本発明は、燃料電池システム、及び燃料 池用昇圧コンバータに関する。

 近年、運転効率および環境性に優れる電 として燃料電池が注目されている。燃料電 は、燃料ガスの供給量を制御して負荷の要 に応じた電力を出力可能であるが、燃料電 の出力電圧が負荷の要求する電圧に一致し い場合がある。そこで、燃料電池の出力電 をDC-DCコンバータで変換することにより、 料電池の出力電圧と負荷の要求する電圧と 一致させる技術が提案されている(例えば、 許文献1、2を参照)。

 DC-DCコンバータは、電子スイッチ、ダイオ ド、及びインダクタンスを基本素子とし、 子スイッチのスイッチング動作によって電 を変換する。DC-DCコンバータは、電子スイッ チのスイッチング動作によりリップルが生ず るため、これを吸収するスナバ回路を備える 。スナバ回路は、リップルをコンデンサで吸 収する。このコンデンサに蓄えられた電荷が 有効活用されないとDC-DCコンバータのエネル 変換効率が低下するため、このコンデンサ 蓄えられた電荷を回生させたりして有効活 する技術が提案されている(例えば、特許文 献3~7を参照)。

特開2007-228781号公報

特開2003-217625号公報

特開平8-116663号公報

特公平7-75459号公報

特開平6-189444号公報

特開2005-143259号公報

特開平10-164709号公報

 燃料電池は、白金等の触媒を担持した触 電極で燃料ガスを電気化学反応させること 発電を行う。また、燃料電池は、低体格高 力を実現するため、触媒電極や高分子電解 膜が極めて緻密に構成されている。よって 燃料電池に高電位の電圧を印加することは ましくない。

 DC-DCコンバータは、ソフトスイッチング せることでスイッチング損失を低減可能で ることが知られているが、これを燃料電池 昇圧に用いるとソフトスイッチングのため 蓄えられた電力が燃料電池に入力される虞 あり、適用が困難である。本発明は、係る 題に鑑みてなされたものであり、燃料電池 出力電圧をソフトスイッチングで昇圧可能 する燃料電池システム、及び燃料電池用昇 コンバータを提供することを課題とする。

 本発明は、上記課題を解決するため、ス ッチング動作により生ずるコイルの逆起電 で燃料電池の出力電圧を昇圧するにあたり スイッチの両極間の電圧を調整してソフト イッチングを実現するスナバコンデンサか 放出させる電気を燃料電池以外へ流して処 することとした。

 詳細には、直流電源である燃料電池、及 該燃料電池の出力電圧を昇圧して負荷へ給 する昇圧手段を備える燃料電池システムで って、前記昇圧手段は、スイッチとコイル を有し、該スイッチが該コイルに対してス ッチング動作することにより生ずる該コイ の逆起電力で前記燃料電池の出力電圧を昇 する主昇圧部と、前記スイッチの両極間の 位差を蓄電量で調整するスナバコンデンサ 有し、前記スイッチング動作時に該スナバ ンデンサの蓄電量を調整することで該スイ チのスイッチング損失を減らす副昇圧部と を有し、前記副昇圧部は、前記スナバコン ンサの蓄電量を減らす際に放出する該スナ コンデンサの電気を前記燃料電池以外の処 手段へ流して処理する。

 上記燃料電池システムは、直流電源の電 を昇圧する昇圧手段により、燃料電池の出 電圧よりも高い電圧を負荷へ供給可能にす システムである。ここで、昇圧手段は、燃 電池の出力電圧を昇圧する役割を司る主昇 部と、主昇圧部で生ずる電気的なエネルギ 損失を減らす役割を司る副昇圧部とを備え 。主昇圧部は、直流電源である燃料電池の 力電圧を昇圧するにあたり、コイルの逆起 力を利用している。すなわち、コイルを流 る電流をスイッチング動作で制御すること よりコイルに逆起電力を生じさせ、燃料電 の出力電圧を昇圧する。

 主昇圧部のスイッチは、スイッチング動 によりコイルの電気の流れを制御するが、 イッチング動作時の過渡状態によりスイッ ング損失を生ずる。ここで、このスイッチ グ損失は、過渡状態における電圧と電流の 化速度をコンデンサの時定数を利用して調 してやることにより、その損失量を低減可 である。そこで、上記燃料電池システムは 副昇圧部のスナバコンデンサが、過渡状態 おける電圧と電流の変化速度を調整するこ により、主昇圧部のスイッチのスイッチン 損失を減らす。

 ここで、副昇圧部は、主昇圧部のスイッ が動作する前にスナバコンデンサの蓄電量 能動的に調整することにより、スナバコン ンサの能力を有効に発揮させることが可能 ある。すなわち、スイッチング動作後のス ッチの両極間の電位差の変動が緩和される う、予測される電位変化の態様に応じてス バコンデンサの蓄電量を調整する。例えば スイッチが非導通状態に遷移する前はスナ コンデンサに電荷を予め蓄えておくことで イッチング時の両極間の急速な電位差拡大 抑え、スイッチが導通状態に遷移する前は ナバコンデンサに蓄えられている電荷を放 しておくことでスイッチング時の両極間の 速な電位差縮小を抑える。

 ところで、スナバコンデンサに蓄えられ 電気を放出させる際は、何らかの方法でこ 電気を処理する必要がある。ここで、この 気を燃料電池に流して処理すると、燃料電 に高電位の電圧を印加させる虞があり好ま くない。そこで、上記燃料電池システムは 副昇圧部のスナバコンデンサから放出され 電気を燃料電池以外の処理手段へ流す。こ で、処理手段とは、スナバコンデンサに蓄 られた電気を処理可能なあらゆる手段を含 ものであり、例えば、スナバコンデンサに えられた電気を一時的に蓄え、負荷等へ回 させ、自身で消費し、或いは系外へ放電す 手段を含む。

 以上、上記燃料電池システムによれば、 フトスイッチング時に蓄えられた電力が燃 電池へ印加されなくなるため、燃料電池の 力電圧をソフトスイッチングで昇圧可能に ることが可能になる。

 また、前記副昇圧部は、前記スナバコン ンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を 前記処理手段である前記主昇圧部と前記燃 電池とを繋ぐ電路へ回生させて処理し、前 燃料電池システムは、前記副昇圧部の回生 力により生ずる前記電路の電圧変動を緩和 る緩衝手段を更に備えるものであってもよ 。

 スナバコンデンサに蓄えられる電気は、 料電池から出力された電気である。よって エネルギ効率の観点から、スナバコンデン に蓄えられる電気は負荷へ回生されること 好ましい。そこで、上記燃料電池システム 、スナバコンデンサから放出される電気を 主昇圧部と燃料電池とを繋ぐ電路へ流して 生させる。

 ここで、主昇圧部と燃料電池とを繋ぐ電 へスナバコンデンサの電気を回生すると、 生電力によって電路の電圧が上がり、電路 電圧が燃料電池の出力電圧を上回る虞があ 。この場合、回生電力が燃料電池へ流れ、 料電池に高電位の電圧が印加される。そこ 、上記燃料電池システムは、係る回生電力 より生ずる電路の電圧変動を緩衝手段によ 緩和する。緩和手段が電路の電圧変動を緩 することにより回生電力による電路の電圧 昇が弱まり、燃料電池に高電位の電圧が印 されるのが抑制される。

 また、前記副昇圧部は、前記スナバコン ンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を 前記処理手段である前記主昇圧部と前記燃 電池とを繋ぐ電路へ回生させて処理し、前 燃料電池システムは、前記副昇圧部の回生 力により変動する前記電路の電圧が規定の 圧を超える場合に、該電路の電気をアース 流す定電圧手段を更に備えるようにしても い。

 スナバコンデンサの電気を回生すると燃 電池に高電位の電圧が印加され得る場合が ることは上述した通りである。そこで、上 燃料電池システムは、燃料電池に高電位の 圧が印加される場合に電路の電圧を下げる すなわち、回生電力を流す燃料電池と主昇 部とを繋ぐ電路の電位が規定の電圧を超え 場合に、この電路の電気をアースへ流す。 れにより電路の電圧が降圧され、燃料電池 の高電位電圧の印加が抑制される。なお、 こで、アースとは、燃料電池システムやそ 周辺装置を構成する電子機器の基準電位と る電気伝導体を示す概念であり、一般的に 準電位点として利用される大地等に限定さ るものではない。また規定の電圧とは、燃 電池と主昇圧部とを繋ぐ電路の電圧であり 例えば、燃料電池を保護する観点から決定 れる、燃料電池の電圧の上限値である。

 また、前記副昇圧部は、前記スナバコン ンサの蓄電量を減らす際に放出する電気を 前記処理手段である前記主昇圧部と前記燃 電池とを繋ぐ電路へ回生させて処理し、前 燃料電池システムは、前記副昇圧部の回生 力が前記電路を介して前記燃料電池へ流れ のを止める整流手段を更に備えるものであ てもよい。燃料電池に回生電力が流れるの 阻止することにより、燃料電池の電圧の上 を防ぐことができる。すなわち、上記燃料 池システムは、電流が一定方向にのみ流れ ことを許可し、逆の方向に流れることを禁 する整流手段を備え、回生電力が燃料電池 流れるのを整流手段で止める。これにより 回生電力による燃料電池への高電位電圧の 加が防止される。

 また、前記燃料電池システムは、前記燃 電池システムは、前記処理手段である二次 池を備え、前記副昇圧部は、前記スナバコ デンサの蓄電量を減らす際に放出する電気 前記二次電池へ流して処理してもよい。ス バコンデンサに蓄えられる電気は燃料電池 ら出力された電気であり、エネルギ効率の 点から有効利用されることが好ましいこと 記述の通りである。ここで、スナバコンデ サの電気を有効利用するには、主昇圧部を して負荷へ直接回生させる方法の他、スナ コンデンサの電気を蓄電して有効利用を図 方法が考えられる。上記燃料電池システム 、スナバコンデンサの電気を蓄電すること 有効利用を図る観点で構成されたシステム あり、電気を蓄電可能な二次電池を備える そして、スナバコンデンサから放出される 気をこの二次電池へ流す。これにより、ス バコンデンサの電気が二次電池へ蓄えられ 蓄えた電気を有効に活用することが可能と る。

 また、前記主昇圧部は、一端が前記燃料 池の陽極に接続される第一コイルと、一端 前記主コイルの他端に接続され、他端が前 燃料電池の陰極と接続される第一スイッチ 、カソード側が前記コイルの他端に接続さ 、アノード側が前記負荷と接続される第一 イオードと、前記ダイオードのアノード側 前記スイッチの他端とを接続する平滑コン ンサと、を有し、前記副昇圧部は、前記第 コイルと前記第一スイッチとを繋ぐ電路か 分岐する電路にカソード側が接続される第 ダイオードと、前記第二ダイオードのアノ ド側と前記第一スイッチの他端とを接続す 前記スナバコンデンサと、前記第二ダイオ ドのアノード側と前記スナバコンデンサと 繋ぐ電路から分岐する電路に一端が接続さ る第二コイルと、カソード側が前記第二コ ルの他端に接続される第二ダイオードと、 端が前記第二ダイオードのアノード側に接 され、他端が前記処理手段に接続される第 スイッチと、を有していてもよい。

 上記構成によれば、第一スイッチのスイ チング動作により第一コイルで逆起電力が じ、燃料電池の出力電圧が昇圧される。ま 、第一スイッチのスイッチング動作に起因 る電圧および電流の波動が、負荷へ給電可 な程度になるように主昇圧部の第一ダイオ ドと平滑コンデンサによって制御される。 って、燃料電池から昇圧されて負荷へ給電 れる電力が、負荷へ給電可能な程度の状態( 品質)になる。また、スナバコンデンサの電 を処理手段へ放出させる第二スイッチと、 ナバコンデンサから電気を取り出す第二コ ルが協働することにより、スナバコンデン に蓄えられた電気の放出を行うことが可能 なる。

 また、本発明は、直流電源である燃料電 の出力電圧を昇圧して負荷へ給電する燃料 池用昇圧コンバータであって、スイッチと イルとを有し、該スイッチが該コイルに対 てスイッチング動作することにより生ずる コイルの逆起電力で前記燃料電池の出力電 を昇圧する主昇圧部と、前記スイッチの両 間の電位差を蓄電量で調整するスナバコン ンサを有し、前記スイッチング動作時に該 ナバコンデンサの蓄電量を調整することで スイッチのスイッチング損失を減らす副昇 部と、を備え、前記副昇圧部は、前記スナ コンデンサの蓄電量を減らす際に放出する スナバコンデンサの電気を前記燃料電池以 の処理手段へ流して処理するものであって よい。これによれば、燃料電池の出力電圧 ソフトスイッチングで昇圧することが可能 なる。

 本発明に係る燃料電池システム、及び燃 電池用昇圧コンバータによれば、燃料電池 出力電圧をソフトスイッチングで昇圧する とが可能になる。

本発明の実施例に係る燃料電池システ の概略構成を示す図である。 図1に示す燃料電池システムの電気回路 構成を示す図であって、特にFC昇圧コンバー の電気回路構成を示す第一の図である。 図2に示すFC昇圧コンバータで行われる 圧昇圧のためのソフトスイッチング処理の れを示すフローチャートである。 図3に示すソフトスイッチング処理の ード1の動作が行われるときの、FC昇圧コン ータにおける電流の流れを概略的に示す図 ある。 図3に示すソフトスイッチング処理の ード2の動作が行われるときの、FC昇圧コン ータにおける電流の流れを概略的に示す図 ある。 図3に示すソフトスイッチング処理の ード3の動作が行われるときの、FC昇圧コン ータにおける電流の流れを概略的に示す図 ある。 図3に示すソフトスイッチング処理の ード4の動作が行われるときの、FC昇圧コン ータにおける電流の流れを概略的に示す図 ある。 図3に示すソフトスイッチング処理の ード5の動作が行われるときの、FC昇圧コン ータにおける電流の流れを概略的に示す図 ある。 図3に示すソフトスイッチング処理の ード6の動作が行われるときの、FC昇圧コン ータにおける電流の流れを概略的に示す図 ある。 従来の燃料電池システムで設定される 燃料電池の出力電圧とモータ駆動のための ータ必要電圧との相関関係を示す図である 本発明の実施例に係る燃料電池システ で設定される、燃料電池の出力電圧とモー 駆動のためのモータ必要電圧との相関関係 示す図である。 本発明の実施例に係る燃料電池システ ムで設定される、燃料電池のIV特性とバッテ のIV特性との相関関係を示す第一の図であ 。 本発明の実施例に係る燃料電池システ ムで設定される、燃料電池のIV特性とバッテ のIV特性との相関関係を示す第二の図であ 。 本発明の実施例に係る燃料電池におい て、FC昇圧コンバータの入口電圧を横軸とし その出口電圧を縦軸として形成される動作 域に対して、該FC昇圧コンバータで実行さ る処理を関連付けて表示した第一のマップ ある。 本発明の実施例に係る燃料電池におい て、FC昇圧コンバータの入口電圧を横軸とし その出口電圧を縦軸として形成される動作 域に対して、該FC昇圧コンバータで実行さ る処理を関連付けて表示した第二のマップ ある。 図3に示すソフトスイッチング処理のモ ード2の動作が行われるときの、説明の便宜 ため、FC昇圧コンバータ内で実際に稼動して いる部分のみを抜粋して記載した図である。 本発明の実施例に係るFC昇圧コンバー タの出口電圧と該入口電圧との比VH/VLと、図3 に示すソフトスイッチング処理のモード2の 作が行われるときの放電時のスナバコンデ サに残る電圧との相関関係を示す第一の図 ある。 本発明の実施例に係るFC昇圧コンバー タの出口電圧と該入口電圧との比VH/VLと、図3 に示すソフトスイッチング処理のモード2の 作が行われるときの放電時のスナバコンデ サに残る電圧との相関関係を示す第二の図 ある。 本発明の実施例に係る燃料電池シス ムの効率化を促進するために、FC昇圧コンバ ータで行われる制御の流れを示すフローチャ ートである。 変形例に係るFC昇圧コンバータの電気 回路の一構成例である。 変形例に係るFC昇圧コンバータの電気 回路の一構成例である。 本発明の実施例に係る燃料電池シス ムにおいて、インバータに印加する電圧が である場合における負荷の効率特性の領域 表示したマップである。 本発明の実施例に係る燃料電池シス ムにおいて、インバータに印加する電圧が である場合における負荷の効率特性の領域 表示したマップである。 本発明の実施例に係る燃料電池シス ムにおいて、インバータに印加する電圧が である場合における負荷の効率特性の領域 表示したマップである。 図1に示す燃料電池システムの電気回 構成を示す図であって、特にFC昇圧コンバー タの電気回路構成を示す第二の図である。 図13に示すFC昇圧コンバータで行われ 電圧昇圧のためのソフトスイッチング処理 流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例に係るFC昇圧コンバー の出口電圧と該入口電圧との比VH/VLと、図14 に示すソフトスイッチング処理のモード2の 作が行われるときの放電時のスナバコンデ サに残る電圧との相関関係を示す図である コンバータにおけるスルーモードを 式的に示す第一の図である。 コンバータにおけるバイパスモード 模式的に示す図である。 コンバータにおけるスルーモードを 式的に示す第二の図である。 コンバータにおけるスルーモードを 式的に示す第三の図である。

符号の説明

 1・・・・車両
 10・・・・燃料電池システム
 11・・・・燃料電池(FC)
 12・・・・FC昇圧コンバータ
 12a・・・・メイン昇圧回路
 12b・・・・補助回路
 13・・・・バッテリ
 14・・・・バッテリ昇圧コンバータ
 15・・・・インバータ
 16・・・・モータ
 20・・・・ECU
 21・・・・アクセルペダルセンサ
 S1、S2、S3・・・・スイッチ素子
 C1、C3・・・・平滑コンデンサ
 C2・・・・スナバコンデンサ
 L1、L2、L3・・・・コイル
 D1、D2、D3、D4、D5、D6・・・・ダイオード
 ZD・・・・ツェナダイオード
 V・・・・バリスタ

 本発明に係る燃料電池システム10の実施 形態について図面に基づいて詳細に説明す 。本実施の形態に係る燃料電池システム10は 、移動体である車両1の駆動装置である駆動 ータ16に対して電力を供給するものであるが 、船舶やロボット等の車両1以外の移動体や 移動は行わないが電力の供給を受ける必要 ある物に対しても適用が可能である。

 図1は、本発明に係る燃料電池システム10 概略構成および、該燃料電池システム10よ 供給される電力を駆動源とする移動体の車 1を概略的に示す。車両1は、駆動輪2が駆動 ータ(以下、単に「モータ」という。)16によ て駆動されることで自走し、移動可能とな 。このモータ16は、いわゆる三相交流モー であって、インバータ15から交流電力の供給 を受ける。更に、このインバータ15へは、燃 電池システム10のメイン電力源である燃料 池(以下、「FC」ともいう。)11と、二次電池 あるバッテリ13から直流電力が供給され、そ れがインバータ15で交流へ変換されている。

 ここで、燃料電池11は、水素タンク17に貯 蔵されている水素ガスとコンプレッサ18によ て圧送されてくる空気中の酸素との電気化 反応にて発電を行い、該燃料電池11とイン ータ15との間には、昇圧型のDC-DCコンバータ あるFC昇圧コンバータ12が電気的に接続され ている。これにより、燃料電池11からの出力 圧は、FC昇圧コンバータ12によって制御可能 な範囲で任意の電圧に昇圧され、インバータ 15に印加される。また、このFC昇圧コンバー 12の昇圧動作によって燃料電池11の端子電圧 制御することも可能となる。尚、FC昇圧コ バータ12の詳細な構成については、後述する 。また、バッテリ13は、充放電が可能な蓄電 置であって、該バッテリ13とインバータ15と の間に該インバータ15に対して上記FC昇圧コ バータ12と並列になるように、昇圧型のバッ テリ昇圧コンバータ14が電気的に接続されて る。これにより、バッテリ13からの出力電 は、バッテリ昇圧コンバータ14によって制御 可能な範囲で任意の電圧に昇圧され、インバ ータ15に印加される。また、このバッテリ昇 コンバータ14の昇圧動作によってインバー 15の端子電圧を制御することも可能となる。 尚、図1中に示すように、燃料電池システム10 においては、昇圧型のバッテリ昇圧コンバー タ14に代えて、昇圧動作および降圧動作が可 な昇降圧型のコンバータも採用可能である 以下の実施例では、主にバッテリ昇圧コン ータ14を昇圧型のコンバータとして説明を めていくが、これには昇降圧型のコンバー の採用を制限する意図は無く、その採用に しては適宜調整が行われる。そして、昇降 型コンバータを採用することにより更に特 すべき事実については適切にその開示を行 ていく。

 また車両1には、電子制御ユニット(以下 「ECU」という。)20が備えられ、上述した各 御対象に電気的に接続されることで、燃料 池11の発電やモータ16の駆動等が制御される とになる。例えば、車両1には、ユーザから の加速要求を受けるアクセルペダルが設けら れ、その開度がアクセルペダルセンサ21によ て検出され、その検出信号がECU20に電気的 伝えられる。また、ECU20は、モータ16の回転 を検出するエンコーダにも電気的に接続さ 、これによりECU20でモータ16の回転数が検出 される。ECU20は、これらの検出値等に基づい 、各種の制御が可能である。

 このように構成される燃料電池システム1 0では、車両1のユーザが踏んだアクセルペダ の開度がアクセルペダルセンサ21によって 出され、ECU20がそのアクセル開度とモータ16 回転数等に基づいて、燃料電池11の発電量 バッテリ13からの充放電量が適宜制御される 。ここで、移動体である車両1の燃費を向上 せるために、モータ16が高電圧低電流仕様の PMモータとなっている。従って、モータ16は 低電流で高トルクを発揮することが可能と るため、モータ内部の巻線やその他の配線 の発熱を軽減することが可能となり、また ンバータ15の定格出力を小さくすることが可 能となる。具体的には、モータ16では低電流 比較的大きなトルク出力を可能とするため その逆起電圧が比較的高く設定される一方 、その高逆起電圧に抗して高回転数での駆 が可能となるように、燃料電池システム10 らの供給電圧が高く設定される。このとき 燃料電池11とインバータ15の間にFC昇圧コン ータ12を設け、バッテリ13とインバータ15と 間にもバッテリ昇圧コンバータ14を設けるこ とで、インバータ15への供給電圧の高電圧化 図られる。繰り返しにはなるが、このバッ リ昇圧コンバータ14に代えて昇降圧型のコ バータも採用可能である。

 このように燃料電池システム10をFC昇圧コ ンバータ12を含む構成とすることで、燃料電 11自体の出力電圧(端子間電圧)が低くても、 FC昇圧コンバータ12の昇圧動作によりモータ16 を駆動することが可能となるので、燃料電池 11のセル積層枚数を低減する等してその小型 を図ることも可能となる。その結果、車両1 の重量を低減でき、その燃費向上を更に促進 することができる。

 ここで、燃料電池システム10においては 発電可能な燃料電池11がモータ16に対するメ ン電力源となっている。従って、燃料電池 ステム10の効率を向上させるためには、燃 電池11とインバータ15との間に介在するFC昇 コンバータ12での電力損失を低減することが 、システム全体の効率向上に大きく寄与する と考えられる。もちろん、バッテリ13とイン ータ15との間のバッテリ昇圧コンバータ14に も原則的に同様のことが当てはまる。

 ここで、図2に基づいて、FC昇圧コンバー 12の電気回路の特徴について説明する。図2 、FC昇圧コンバータ12を中心として、燃料電 池システム10の電気的構成を示す図であるが 説明を簡便にするためにバッテリ13および ッテリ昇圧コンバータ14の記載は省略してい る。

 FC昇圧コンバータ12は、DC-DCコンバータと ての昇圧動作を行うための主昇圧回路12aと 後述するソフトスイッチング動作を行うた の補助回路12bとで構成されている。主昇圧 路12aは、スイッチ素子S1とダイオードD4で構 成されるスイッチング回路のスイッチ動作に よって、コイルL1に蓄えられたエネルギをモ タ16側(インバータ15側)にダイオードD5を介 て解放することで燃料電池11の出力電圧を昇 圧する。具体的には、コイルL1の一端が燃料 池11の高電位側の端子に接続される。そし 、スイッチ素子S1の一端の極が、コイルL1の 端に接続されるとともに、該スイッチ素子S 1の他端の極が、燃料電池の低電位側の端子 接続されている。また、ダイオードD5のカソ ード端子がコイルL1の他端に接続され、更に コンデンサC3が、ダイオードD5のアノード端 子とスイッチ素子S1の他端との間に接続され いる。尚、この主昇圧回路12aにおいて、コ デンサC3は、昇圧電圧の平滑コンデンサと て機能する。尚、主昇圧回路12aには、燃料 池11側に平滑コンデンサC1も設けられ、これ より燃料電池11の出力電流のリップルを低 することが可能となる。この平滑コンデン C3にかかる電圧VHは、FC昇圧コンバータ12の出 口電圧となる。また、図2では、燃料電池11の 電源電圧をVLで示し、これは平滑コンデンサC 1にかかる電圧であって、且つFC昇圧コンバー タ12の入口電圧となる。

 次に、補助回路12bには、先ずスイッチ素 S1に並列に接続された、ダイオードD3と、そ れに直列に接続されたスナバコンデンサC2と 含む第一直列接続体が含まれる。この第一 列接続体では、ダイオードD3のカソード端 がコイルL1の他端に接続され、そのアノード 端子がスナバコンデンサC2の一端に接続され いる。更に、該スナバコンデンサC2の他端 、燃料電池11の低電位側の端子に接続されて いる。更に、補助回路12bには、誘導素子であ るコイルL2と、ダイオードD2と、スイッチ素 S2及びダイオードD1で構成されるスイッチン 回路とが直列に接続された第二直列接続体 含まれる。この第二直列接続体では、コイ L2の一端が、第一直列接続体のダイオードD3 とスナバコンデンサC2との接続部位に接続さ る。更に、ダイオードD2のカソード端子が コイルL2の他端に接続されるとともに、その アノード端子が、スイッチ素子S2の一端の極 接続される。また、スイッチ素子S2の他端 、コイルL1の一端側に接続される。尚、この 第二直列接続体の回路トポロジーについては 、コイルL2、ダイオードD2、スイッチ素子S2等 によるスイッチング回路の直列順序は、適宜 入れ替えた形態も採用し得る。特に、図2に す状態に代えて、コイルL2とスイッチ素子S2 によるスイッチング回路の順序を入れ替え ことで、実際の実装回路ではコイルL1とコ ルL2は一体化でき、半導体素子のモジュール 化が容易となる。

 このように構成されるFC昇圧コンバータ12 は、スイッチ素子S1のスイッチングデューテ 比を調整することで、FC昇圧コンバータ12に よる昇圧比、即ちFC昇圧コンバータ12に入力 れる燃料電池11の出力電圧に対する、インバ ータ15にかけられるFC昇圧コンバータ12の出力 電圧の比が制御される。また、このスイッチ 素子S1のスイッチング動作において補助回路1 2bのスイッチ素子S2のスイッチング動作を介 させることで、後述するいわゆるソフトス ッチングが実現され、FC昇圧コンバータ12で スイッチングロスを大きく低減させること 可能となる。

 次に、FC昇圧コンバータ12におけるソフト スイッチングについて、図3、4A~4Fに基づいて 説明する。図3は、ソフトスイッチング動作 介したFC昇圧コンバータ12での昇圧のための サイクルの処理(以下、「ソフトスイッチン グ処理」という。)のフローチャートである 当該ソフトスイッチング処理は、S101~S106の 処理がECU20によって順次行われて一サイクル を形成するが、各処理によるFC昇圧コンバー 12での電流、電圧の流れるモードをそれぞ モード1~モード6として表現し、その状態を 4A~4Fに示す。以下、これらの図に基づいて、 FC昇圧コンバータ12でのソフトスイッチング 理について説明する。尚、図4A~図4Fにおいて は、図面の表示を簡潔にするため、主昇圧回 路12aと補助回路12bの参照番号の記載は省略し ているが、各モードの説明においては、各回 路を引用する場合がある。また、各図中、太 矢印で示されるのは、回路を流れる電流を意 味している。

 尚、図3に示すソフトスイッチング処理が 行われる初期状態は、燃料電池11からインバ タ15およびモータ16に電力が供給されている 状態、即ちスイッチ素子S1、S2がともにター オフされることで、コイルL1、ダイオードD5 介して電流がインバータ15側に流れている 態である。従って、当該ソフトスイッチン 処理の一サイクルが終了すると、この初期 態と同質の状態に至ることになる。

 ソフトスイッチング処理において、先ずS 101では図4Aに示されるモード1の電流・電圧状 態が形成される。具体的には、スイッチ素子 S1はターンオフの状態でスイッチ素子S2をタ ンオンする。このようにすると、FC昇圧コン バータ12の出口電圧VHと入口電圧VLの電位差に よって、コイルL1及びダイオードD5を介して ンバータ15側に流れていた電流が、補助回路 12b側に徐々に移行していく。尚、図4A中には その電流の移行の様子を白抜き矢印で示し いる。

 次に、S102では、S101の状態が所定時間継 すると、ダイオードD5を流れる電流がゼロと なり、代わってスナバコンデンサC2と燃料電 11の電圧VLとの電位差により、スナバコンデ ンサC2に蓄電されていた電荷が補助回路12b側 流れ込んでいく(図4Bに示すモード2の状態) このスナバコンデンサC2は、スイッチ素子S1 かかる電圧を決定する機能を有している。 イッチ素子S1をターンオンするときに該ス ッチ素子S1に印加される電圧に影響を与える スナバコンデンサC2の電荷が、モード2では補 助回路12bに流れ込むことで、スナバコンデン サC2にかかる電圧が低下していく。このとき コイルL2とスナバコンデンサC2の半波共振に より、スナバコンデンサC2の電圧がゼロとな まで、電流は流れ続ける。この結果、後述 るS103でのスイッチ素子S1のターンオン時の の印加電圧を下げることが可能となる。

 更に、S103においては、スナバコンデンサ C2の電荷が抜け切ったら、スイッチ素子S1が にターンオンされ、図4Cに示されるモード3 電流・電圧状態が形成される。即ち、スナ コンデンサC2の電圧がゼロとなった状態では スイッチ素子S1にかかる電圧もゼロとなり、 して、その状態でスイッチ素子S1をターン ンすることにより、スイッチ素子S1をゼロ電 圧状態にした上でそこに電流を流し始めるこ とになるため、スイッチ素子S1におけるスイ チング損失を理論上、ゼロとすることがで る。

 そして、S104では、S103の状態が継続する とで、コイルL1に流れ込んでいく電流量を増 加させて、コイルL1に蓄えられるエネルギを 々に増やしていく。この状態が、図4Dに示 れるモード4の電流・電圧状態である。その 、コイルL1に所望のエネルギが蓄えられる 、S105において、スイッチ素子S1及びS2がター ンオフされる。すると、上記モード2で電荷 抜かれて低電圧状態となっているスナバコ デンサC2に電荷が充電され、FC昇圧コンバー 12の出口電圧VHと同電圧に至る。この状態が 、図4Eに示されるモード5の電流・電圧状態で ある。そして、スナバコンデンサC2が電圧VH で充電されると、S106においてコイルL1に蓄 られたエネルギがインバータ15側に解放され る。この状態が、図4Fに示されるモード6の電 流・電圧状態である。尚、このモード5が行 れるとき、スイッチ素子S1にかかる電圧はス ナバコンデンサC2により電圧の立ち上がりを らせられるため、スイッチ素子S1における ール電流によるスイッチング損失をより小 くできる。

 上述のようにS101~S106の処理を一サイクル してソフトスイッチング処理を行うことで FC昇圧コンバータ12におけるスイッチング損 失を可及的に抑制した上で、燃料電池11の出 電圧を昇圧しインバータ15に供給可能とな 。その結果、高電圧低電流モータであるモ タ16を効率的に駆動することが可能となる。

 ここで、燃料電池システム10においては 上記ソフトスイッチング処理に加えて、FC昇 圧コンバータ12の間欠運転制御を行うことで システム効率を向上させる。説明を簡潔に るために、燃料電池11とインバータ15及びモ ータ16との関係に着目すると、モータ16に対 るメイン電力源である燃料電池11からの電力 は、FC昇圧コンバータ12を介してインバータ15 側へ供給される。そして、メイン電力源であ る燃料電池11がモータ16の駆動に際してイン ータ15に印加すべき電圧は、モータ16の逆起 力に十分に抵抗できる電圧でなければなら い。従って、上記FC昇圧コンバータ12が備え られていない従来の燃料電池システムでは、 図5に示すように、車両1の採り得る速度範囲( 0~VSmax)において、LV1で示される燃料電池によ て印加される電圧が、常にモータ駆動に必 な、インバータ15に印加すべき電圧(以下、 モータ必要電圧」という。)を超えた状態と しなければならない。そのため、インバータ に印加されるべき電圧を大きく超えた電圧が インバータに印加されることになり、インバ ータのスイッチング損失が大きくなっていた 。そして、特に車両1の速度が低い領域では インバータのスイッチング損失が顕著とな 得る。

 ここで、本発明に係る燃料電池システム1 0では、FC昇圧コンバータ12が設けられている め、燃料電池11からの電圧を昇圧してイン ータ15に印加することは可能である。しかし 、このFC昇圧コンバータ12による昇圧動作で 、スイッチ素子による何らかのスイッチン 損失が発生するため、当該昇圧動作はシス ムの効率を低下させる一因となる。一方で 上述したように、モータ16は高電圧低電流仕 様のモータであるため、その回転数の上昇に 伴い発生する逆起電圧も大きくなっていき、 FC昇圧コンバータ12による昇圧動作は不可欠 なる。

 そこで、燃料電池11からの出力電圧とイ バータ15に印加すべきモータ必要電圧の相関 を、図6においてそれぞれLV1、LV2で示す。図6 LV2で示すように、モータ16の逆起電圧は、 両1の速度が上昇していくに従い、増加して くため、モータ必要電圧も車両速度の増加 ともに増加していく。ここで、燃料電池11 出力電圧LV1とモータ必要電圧LV2との相関に いて、両者が交差するときの車両1の速度VS0 、ユーザによる車両1の通常操縦を概ね賄う 速度となるように、燃料電池11の電圧特性と ータ16の電圧特性とを決定すればよい。本 施例においては、車両運転法規やユーザの 常操縦の傾向等から、VS0を110km/hと設定する そして、この速度VS0での車両1の走行を可能 とするモータ16の駆動時の最大出力を算出し 当該最大出力の発揮が可能となるように、 ンバータ15に印加すべき電圧(モータ必要電 )を導出する。そして、このモータ必要電圧 が、FC昇圧コンバータ12を介さずに燃料電池11 から直接に出力可能となるように、燃料電池 11の設計(例えば、複数のセルが積層されて形 成される燃料電池では、その積層セル数が調 整される等)が行われる。

 このように設計された燃料電池11を含む 料電池システム10では、車両1の速度がVS0に るまでの間は、燃料電池11からの出力電圧が 、モータ16を駆動するためのモータ必要電圧 りも高いため、たとえモータ16が高電圧低 流仕様のモータであっても、FC昇圧コンバー タ12の昇圧動作が無くとも燃料電池11からの 接の出力電圧によって該モータ16を駆動する ことが可能となる。換言すると、この条件下 では、FC昇圧コンバータ12によるスイッチン 動作を停止させて、燃料電池11からの出力電 圧をインバータ15に印加することで、モータ1 6の駆動を確保できることになる。これによ 、FC昇圧コンバータ12でのスイッチング損失 、完全に排除することができる。更には、F C昇圧コンバータ12が停止することでインバー タ15に印加される電圧が過度に高くならない め、即ち、図5に示す状態よりもLV1とLV2との 電圧差を小さくする抑えることができるため 、インバータ15でのスイッチング損失を低く えることができる。

 一方で、車両1の車両速度がVS0以上となる と、逆にモータ16を駆動するためのモータ必 電圧が、燃料電池11からの出力電圧よりも くなるため、FC昇圧コンバータ12による昇圧 作が必要となる。この場合、上述したソフ スイッチング処理を行うことで、FC昇圧コ バータ12でのスイッチング損失を可及的に抑 えることが可能となる。

 上記までは、説明の簡便化のために、燃 電池11とモータ16との相関にのみ着目してい るが、図1に示すように燃料電池システム1に いては、モータ16に対してバッテリ13からの 電力供給も可能である。バッテリ13から電力 給される場合は、バッテリ13からの出力電 がバッテリ昇圧コンバータ14によって昇圧さ れた上で、インバータ15に印加されることに る。ここで、バッテリ昇圧コンバータ14は いわゆる昇圧コンバータであるため、バッ リ13からインバータ15に電力供給を行うため は、バッテリ昇圧コンバータ14の出口電圧( ンバータ15側の電圧であり、FC昇圧コンバー タ12の出口電圧と同等)が、その入口電圧(バ テリ13側の電圧)と比較して同じか、又はよ 高い状態でなければならない。

 そこで、バッテリ13の出力電圧と燃料電 11の出力電圧の相関について、図7Aおよび図7 Bに基づいて説明する。両図では、ともにバ テリ13のIV特性(図中、点線LBTで示される。) 、燃料電池11のIV特性(図中、実線LFCで示され る。)とが示されている。ここで、図7Aで、燃 料電池11のIV特性LFCがバッテリ13のIV特性LBTよ 高い領域においては、FC昇圧コンバータ12を 停止させたとしてもバッテリ13の出力電圧がF C昇圧コンバータ12の出口電圧より低い状態と なるので、バッテリ昇圧コンバータ14が昇圧 作可能となり、以てバッテリ13からモータ16 への電力供給ができる。従って、この状態で はFC昇圧コンバータ12の動作停止が許容され 。一方で、バッテリ13のIV特性LBTが、燃料電 11のIV特性LFCより高い領域においては、FC昇 コンバータ12を停止させるとバッテリ13の出 力電圧がFC昇圧コンバータ12の出口電圧より い状態となるので、バッテリ昇圧コンバー 14の昇圧動作による燃料電池11とバッテリ13 出力分配制御が不可能となる。従って、こ 状態ではFC昇圧コンバータ12の動作停止が許 されない。

 即ち、バッテリ昇圧コンバータ14によっ バッテリ13からの出力電圧を昇圧して、モー タ16に電圧を印加する場合には、FC昇圧コン ータ12の出口電圧が、バッテリ13の出力電圧( バッテリ昇圧コンバータ14の入口電圧)より高 い状態を形成する必要があり、そのためにFC 圧コンバータ12の動作停止が許容されない 合がある。例えば、図7Aに示すように、比較 的低電流領域で、燃料電池11のIV特性LFCがバ テリ13のIV特性LBTより低くなる場合には、バ テリ昇圧コンバータ14の昇圧動作を確保す ために、FC昇圧コンバータ12の動作停止は許 されず、その結果、上述したスイッチング 失の低減を図る可能性が低下する。一方で 例えば、図7Bに示すように、燃料電池11のIV 性LFCがバッテリ13のIV特性LBTより常に上にあ る場合には、バッテリ昇圧コンバータ14の昇 動作確保の観点から、FC昇圧コンバータ12の 動作停止が制限されることはない。

 尚、上述までのバッテリ昇圧コンバータ1 4の昇圧動作確保に関するFC昇圧コンバータ12 動作制限は、図1に示す燃料電池システム10 含まれるバッテリ昇圧コンバータ14が昇圧 のコンバータ(即ち、降圧動作を行えないコ バータ)であることに起因する。従って、燃 料電池システム10において、バッテリ昇圧コ バータ14に代えて、昇圧動作および降圧動 が可能な昇降圧型のコンバータを採用する 合は、FC昇圧コンバータ12は上記の動作制限 縛られることはなく、燃料電池11、バッテ 13からの出力電圧を選択的にモータ16に印加 きる。

 以上より、本実施例においては、想定さ る車両1の駆動に基づいて必要なバッテリ13 IV特性と燃料電池11のIV特性を決定し、両IV 性の相関および燃料電池11の出力電圧とモー タ必要電圧との関係から、図8Aおよび図8Bの ップに示すようなFC昇圧コンバータ12の昇圧 作のための制御領域を画定した。以下に、F C昇圧コンバータ12の昇圧動作について、詳細 に説明する。

 図8Aおよび図8Bは、FC昇圧コンバータ12の 口電圧を横軸とし、その出口電圧を縦軸と て形成される動作領域に対して、該FC昇圧コ ンバータ12において実行される処理を関連付 て表示したマップである。尚、図8Aは、燃 電池システム10に含まれるバッテリ昇圧コン バータ14が昇圧型のコンバータであるときの ップであり、図8Bは、該昇圧型のバッテリ 圧コンバータ14に代えて、昇降圧型のコンバ ータを採用したときのマップである。先ず、 図8Aに示すマップについて説明する。ここで 当該マップには、FC昇圧コンバータ12による 昇圧比が1であること、即ち該入口電圧と該 口電圧との比が1:1であることを意味する直 LR1と、その昇圧比が2近傍の値(図中では、昇 圧比を単に「2」と示す。)であることを意味 る直線LR2と、その昇圧比が10であることを 味する直線LR3と、該FC昇圧コンバータ12の最 出力電圧を意味する直線LR4が記載されてい 。直線LR2については、図9、図10A、10Bに基づ いて後述する。また、直線LR3は、FC昇圧コン ータ12による最大昇圧比を示している。従 て、FC昇圧コンバータ12の動作範囲は、直線L R1、LR3、LR4で囲まれる領域であることが分か 。

 ここで、車両1の想定速度範囲で、最もモ ータ16にかかる負荷が低い場合、即ち道路の 擦抵抗程度の負荷がかかる場合(図中、負荷 率=R/L (Road Load))のFC昇圧コンバータ12の入口 圧とその出口電圧との関係が、一点鎖線LL1 示されている。一方で、同じように車両1の 想定速度範囲で、最もモータ16にかかる負荷 高い場合、即ち車両1のアクセル開度が100% ある場合(図中、負荷率=100%)のFC昇圧コンバ タ12の入口電圧とその出口電圧との関係が、 一点鎖線LL2で示されている。従って、車両1 搭載される燃料電池システム10は、車両1を 動させるという観点からは、一点鎖線LL1とLL 2とで挟まれた領域で示される昇圧動作を、FC 昇圧コンバータ12に行わせることになる。

 図8Aに示すマップでは、FC昇圧コンバータ 12の動作領域をRC1~RC4の4つの領域に区分して る。これらの領域では、それぞれFC昇圧コン バータ12の動作に関し特徴的な動作が行われ 以下に各領域でのFC昇圧コンバータ12の動作 を説明する。先ず、昇圧比1を示す直線LR1以 の領域として、領域RC1が画定されている。 の領域RC1では、モータ16を駆動するために必 要とされる昇圧比が1以下であるので(現実に FC昇圧コンバータ12は昇圧コンバータである ので、昇圧比を1以下にすること、即ち降圧 できないことに注意されたい。)、結果的に FC昇圧コンバータ12を停止させて、燃料電池 11の出力電圧を直接インバータ15に印加する とが可能となる。そこで、FC昇圧コンバータ 12の入口電圧となる燃料電池11の出力電圧が 燃料電池11の最大電圧のVfcmaxと、バッテリ13 開放電圧(OCV: Open Circuit Voltage)と同値のVfcb との間の範囲であって、且つ直線LR1および一 点鎖線LL1とで囲まれて画定される領域RC1にお いては、FC昇圧コンバータ12の昇圧動作を完 に停止させる。これにより、FC昇圧コンバー タ12におけるスイッチング損失を抑えること 可能となる。このように、電圧Vfcbを境界と してFC昇圧コンバータ12の動作停止が制約を けるのは、上述の通りバッテリ昇圧コンバ タ14が昇圧型のコンバータでありその昇圧動 作確保のためである。

 次に、領域RC2について説明する。この領 は、FC昇圧コンバータ12の入口電圧が上記の Vfcb以下であって、且つ該FC昇圧コンバータ12 出口電圧がバッテリ13のOCV以下、即ちVfcbと 値の電圧以下である領域として画定される 即ち、この領域RC2においては、FC昇圧コン ータ12の昇圧動作を行わないとバッテリ昇圧 コンバータ14の出口電圧が入口電圧より低く り該バッテリ昇圧コンバータ14の昇圧動作 不可能となる領域であり、また仮にFC昇圧コ ンバータ12の昇圧動作を行ったとしても、そ 昇圧比が低いため同様にバッテリ昇圧コン ータ14の昇圧動作が不可能となる領域でも る。

 このように画定される領域RC2では、領域R C1と同様に、FC昇圧コンバータ12を停止させて 、そのスイッチング損失が発生しないように する。そして、バッテリ昇圧コンバータ14に 制御可能な最低電圧に燃料電池11の端子電 を制御する。尚、図では、理想的な昇圧コ バータを使用した場合にその電圧はバッテ 13のOCVに等しいと仮定して、上記Vfcbを設定 ている。この状態は、バッテリ13の放電電力 が許す限り継続される。

 尚、この領域RC2は、モータ16の駆動状態 変遷する中で、FC昇圧コンバータ12の動作領 が上記領域RC1から、後述する領域RC3に移行 る際に介在する過渡的な領域である。従っ 、バッテリ昇圧コンバータ14が昇圧型のコ バータである場合には、この過渡的な領域RC 2が可能な限り小さくなるように、図7A、7Bに づいて説明した燃料電池11のIV特性とバッテ リ13のIV特性との相関を適切に調整するのが ましい。

 ここで、直線LR1より下の領域に関して、 8Bに示すマップ、即ち燃料電池システム10に おいてバッテリ昇圧コンバータ14に代えて昇 圧型のコンバータが採用されたときのマッ について説明する。この場合、昇降圧型の ンバータによってバッテリ13の出力電圧を 圧することが可能であるから、上述したよ にFC昇圧コンバータ12の動作停止について上 電圧Vfcbによる制約を受けることがなくなる 。従って、図8Bに示すように、直線LR1よりも の領域については、FC昇圧コンバータ12の動 作を制約無く停止しシステムの効率を向上さ せることが容易となる。従って、この結果、 図8Bにおいては上記領域RC2に相当する領域が 在しないことになる。ここで、以下に示す ップの説明は、図8Aおよび図8Bに共通に当て はまるため、その説明はまとめて行う。

 上述までの領域RC1、RC2以外の動作領域で 、FC昇圧コンバータ12を駆動させて、燃料電 池11の出力電圧の昇圧動作を行うことになる この昇圧動作においては、図4A~4Fに基づい 説明したソフトスイッチング処理が実行さ ることで、FC昇圧コンバータ12でのスイッチ グ損失を可及的に抑制する。ここで、この フトスイッチング処理が行われる動作領域 、直線LR2で準ソフトスイッチ領域RC3とソフ スイッチ領域RC4とに区分けされる。以下に 準ソフトスイッチ領域RC3とソフトスイッチ 域RC4とについて、詳細に説明する。

 先ず、直線LR2の技術的意義について説明 る。上述したように、直線LR2は、FC昇圧コ バータ12による昇圧比が2近傍の値となるこ を意味する直線である。本発明に係るFC昇圧 コンバータ12の電気的構造は、図2に示すとお りであるが、上述したソフトスイッチング処 理の一連のフローにおけるモード2の動作に いて、補助回路12bのコイルL2とスナバコンデ ンサC2による半波共振を利用したスナバコン ンサC2の放電が行われる。このモード2の動 においてFC昇圧コンバータ12内で実際に稼動 している部分のみを抜き出すと、図9に示す 路構成となる。

 そして、図9に示す回路構成において、ス ナバコンデンサC2内に充電されている電荷を 全に放電しなければ、その後のモード3の動 作で、スイッチ素子S1に電圧がかかった状態 、スイッチ素子S1のターンオンによる電流 流れるため、結果としてスイッチング損失 発生することになる。従って、このモード2 おけるスナバコンデンサC2の電荷を完全に 電することが重要であることが理解される 、そのためにはモード1の動作時点でコイルL 2に蓄えられているエネルギがスナバコンデ サC2に蓄えられているエネルギよりも大きく なければならない。換言すると、FC昇圧コン ータ12の出口電圧VHが、その入口電圧VLより 所定量以上高くならなければならない。

 そこで、該出口電圧と該入口電圧との比V H/VLと、上記放電時のスナバコンデンサC2に残 る電圧との関係を、図10Aおよび10Bに基づいて 説明する。尚、図10Aが比VH/VLが2を超える場合 のスナバコンデンサC2の電圧推移を示し、図1 0Bが比VH/VLが2未満の場合のスナバコンデンサC 2の電圧推移を示している。図10Aに示す場合 、VH-VLの値はVLよりも大きくなるため、半波 振が生じるとスナバコンデンサC2の電圧は ダイオードD2の作用もありゼロとなる。一方 で、図10Bに示す場合では、VH-VLの値はVLより 小さくなるため、半波共振が生じたとして スナバコンデンサC2の電圧は、一定値以上残 ることになる。従って、このような場合に上 記ソフトスイッチング処理を行っても幾分か のスイッチング損失が発生することになる。 以上より、ソフトスイッチング処理によるス イッチング損失の抑制が効果的に行われ得る か否かを判断する基準として、直線LR2が存在 することになる。

 尚、理論的には比VH/VLが2倍以上あれば、 電後のスナバコンデンサC2の電圧はゼロと るが、実際にはダイオードや配線内でのエ ルギ損失が発生するため、比VH/VLは2倍を超 る値(例えば、2.3等)が好ましい。そして、一 点鎖線LL1とLL2で挟まれた動作領域中、領域RC1 、RC2を除いた領域を、直線LR2が二つに分割し 、直線LR2より下に位置する領域を、上記理由 によりソフトスイッチング処理を行ってもス イッチング損失を効率的に抑制するのが難し い準ソフトスイッチ領域RC3とし、直線LR2より 上に位置する領域を、ソフトスイッチング処 理によるスイッチング損失の抑制が効率的に 行われるソフトスイッチ領域RC4とする。

 このように、FC昇圧コンバータ12の動作領 域は、所定の領域RC1~RC4に区分けできるが、 ソフトスイッチ領域RC3では、上述したよう FC昇圧コンバータ12のスイッチング損失を十 に抑制することができないため、燃料電池 ステム10の効率化の観点から、この領域でFC 昇圧コンバータ12が昇圧動作を行うことは可 的に回避するが好ましい。そこで、燃料電 システム10の効率化を促進するための、FC昇 圧コンバータ12の制御の一例について、図11A 基づいて説明する。図11Aに示すFC昇圧コン ータ制御は、ECU20によって、燃料電池11で発 された電力がモータ16に供給されるときに 行される。尚、上記準ソフトスイッチ領域RC 3における昇圧動作については、燃料電池シ テム10のより良い効率のために可及的に回避 することが好ましいのは上述の通りであるが 、本発明に係る燃料電池システム10は当該昇 動作を完全に排除するものではなく、必要 応じて当該昇圧動作を利用してもよい。

 先ず、S201では、エンコーダによって検出 されたモータ16の実際の回転数に対応する、 モータ16が最大出力し得る最大トルクを算 する。具体的には、モータ16の回転数とそれ に対応した最大トルクとが関連付けられてい るマップをECU20が有しており、検出された回 数に従って該マップにアクセスすることで ータ16の最大トルクが算出される。S201の処 が終了すると、S202へ進む。

 S202では、アクセルペダルセンサ21によっ 検出されたアクセルペダルの開度に基づい 、モータ16に出力要求されている要求トル が算出される。アクセルペダルの全開が、 ータ16の現時点での回転数における最大トル クを要求していると定義すると、全開時の係 数を100%、全閉時の係数を0%として、以下の式 に従って要求トルクが算出される。S202の処 が終了すると、S203へ進む。

 (要求トルク)=(上記最大トルク)×(アクセル ダルの開度に応じた係数)
 S203では、S201とS202での算出結果に基づいて モータ16に要求されている出力である要求 力が、以下の式に従って算出される。S203の 理が終了すると、S204へ進む。
 (要求出力)=(要求トルク)×(モータの回転数)

 S204では、S203で算出された要求出力とモ タ16の回転数に基づいて、必要な電力がモー タ16に供給されるように、インバータ15に印 されるべき電圧であるモータ必要電圧(Vmot) 算出される。具体的には、モータ16の回転数 (rpm)と上記要求出力(P)で形成される関数Fと、 モータ必要電圧とが関連付けられているモー タ必要電圧マップをECU20が有しており、モー の回転数と要求出力とに従ってこのマップ アクセスすることで、モータ必要電圧が算 される。モータ必要電圧マップは、実験等 よって予め決定され得るもので、その一例 しては、モータ16の回転数が高くなるに従 その逆起電圧が高くなるため要求電圧値は くなるべきであり、要求出力が高くなると の出力をより少ない電流で達成するために 求電圧値は高くなるべきであるので、これ の点が関数Fとモータ必要電圧との相関に反 されている。S204の処理が終了すると、S205 進む。

 S205では、アクセルペダルセンサ21によっ 検出されたアクセルペダルの開度に従って 電が行われている燃料電池11の出力電圧(Vfc) が検出される。この検出は、図示されない電 圧センサを介して行われる。S205の処理が終 すると、S206へ進む。S206では、S204で算出さ たモータ必要電圧を、S205で検出された燃料 池11の出力電圧で除して暫定昇圧比Rt(=Vmot/Vf c)が算出される。S206の処理が終了すると、S20 7へ進む。

 S207では、FC昇圧コンバータ12を停止させ ことが可能か否かが判定される。即ち、FC昇 圧コンバータ12の動作領域が、上記領域RC1も くはRC2の何れかに属するか否かが判定され 。具体的には、S206で算出された暫定昇圧比 が1未満で、且つ燃料電池11の出力電圧がVfcmax とVfcbの間であるときは、FC昇圧コンバータ12 動作領域はRC1であり、また燃料電池11の出 電圧がVfcb以下であって且つ該FC昇圧コンバ タ12の出口側電圧がVfcbと同値の電圧以下で るときは、FC昇圧コンバータ12の動作領域はR C2であると判定される。尚、Vfcb、Vfcmaxの値は 、実際の燃料電池11およびバッテリ13の仕様 従って予め決定しておけばよい。また、FC昇 圧コンバータ12の出口側の電圧は、図示され い電圧センサを介して検出される。

 そして、S207で肯定判定される場合は、S20 8へ進み、FC昇圧コンバータ12が停止され、燃 電池11からの出力電圧は、インバータ15に直 接印加される。これにより、FC昇圧コンバー 12でのスイッチング損失を抑制することが きる。尚、上述したように、FC昇圧コンバー タ12の動作領域がRC1に属する場合には、バッ リ13からインバータ15への昇圧後の印加も可 能だが、該動作領域がRC2に属する場合には、 バッテリ昇圧コンバータ14にて制御可能な最 電圧に燃料電池11の端子電圧を制御する。 方で、S207で否定判定されると、S209へ進む。

 S209では、S206で算出された暫定昇圧比Rtが 2を超えるか否かが判定される。即ち、FC昇圧 コンバータ12の動作領域がソフトスイッチ領 RC4にあるか、準ソフトスイッチ領域RC3にあ かが判定される。S209で肯定判定されると、 FC昇圧コンバータ12の動作領域がソフトスイ チ領域RC4にあることを意味するのでS210へ進 、FC昇圧コンバータ12の目標の出力電圧がモ ータ必要電圧Vmotとなるように図3で示したソ トスイッチング処理が実行される。尚、ス ッチ素子S1のデューティ比は、暫定昇圧比Rt に従って決定される。一方で、S209で否定判 されると、FC昇圧コンバータ12の動作領域が ソフトスイッチ領域RC3にあることを意味す 。そこでこの場合はS211に進む。

 S211では、燃料電池システム10においてS206 で算出された暫定昇圧比Rtによる電圧昇圧に えて、更に追加的な電圧昇圧(以下、単に「 追加的電圧昇圧」という。)が許容されるか かが判定される。言い換えると、S209で否定 定されるということは、FC昇圧コンバータ12 の動作領域が現時点では準ソフトスイッチ領 域RC3にあることを意味するので、その動作領 域をソフトスイッチ領域RC4に移行することが 可能か否かが判定される。即ち、当該動作領 域を準ソフトスイッチ領域RC3からソフトスイ ッチ領域RC4に移行させるために追加的電圧昇 圧を行おうとすると、インバータ15に印加さ る電圧が必要なモータ必要電圧よりも高く る。その結果、インバータ15内でのスイッ ング損失が大きくはなるが、FC昇圧コンバー タ12のスイッチング損失の減少分と、インバ タ15のスイッチングロスの増加分とを比較 たとき、前者の減少分が大きい場合もあり 、その場合この追加的電圧昇圧は、システ 効率の観点から非常に有用である。そこで S211では、この追加的電圧昇圧が許容される 否かが判定されることになる。S211で肯定判 定されると、S212へ進み、追加的電圧昇圧の めの追加昇圧比Raが決定される。この追加昇 圧比Raは、FC昇圧コンバータ12による最終的な 昇圧比(Rt×Raによる昇圧比)が、直線LR2で決め れる昇圧比(例えば、昇圧比2)を超えるよう するために必要な追加的な昇圧比である。 して、S212の処理後、S213へ進み、FC昇圧コン バータ12の目標の出力電圧が燃料電池11の出 電圧Vfcに昇圧比Rtと追加昇圧比Raを掛け合わ て算出される電圧となるように図3で示した ソフトスイッチング処理が実行される。尚、 スイッチ素子S1のデューティ比は、暫定昇圧 Rtと追加昇圧比Raの積に従って決定される。

 このように、S209で否定判定された時点で は、本来的にはFC昇圧コンバータ12の動作領 は準ソフトスイッチ領域RC3であり、その状 でソフトスイッチング処理を行っても上述 たように、スイッチング損失を十分に抑制 ることが困難である。この場合には、FC昇圧 コンバータ12による昇圧比に上記追加昇圧比R aを考慮することで、本来的にモータ16の駆動 に要する電圧よりも更に電圧を上げてFC昇圧 ンバータ12の動作領域をソフトスイッチ領 RC4とする。その結果、スイッチング損失を 果的に抑制することが可能となる。

 一方で、S211で否定判定されると、S214へ み、FC昇圧コンバータ12の動作領域がRC3の状 で、上記ソフトスイッチング処理が行われ 。燃料電池11が上記追加的電圧昇圧が許容 れない状態にあるとき、即ち上述のように 圧を追加的に昇圧させることでインバータ15 におけるスイッチング損失が顕著になる状態 では、S212及びS213の処理は行われない。

 この図11Aに示すFC昇圧コンバータ制御に れば、モータ16の駆動を確保することを前提 に、FC昇圧コンバータ12の昇圧動作を可能な り停止することができ、以てスイッチング 失を抑えることができる。また、FC昇圧コン バータ12を昇圧動作させる場合であっても、 の動作領域を可能な限りソフトスイッチ領 RC4とした上でソフトスイッチング処理が行 れるため、FC昇圧コンバータ12のスイッチン グ損失を可及的に抑制することが可能となる 。

 以上、本発明の一実施形態に係る燃料電 用昇圧コンバータを備える燃料電池システ によれば、平滑コンデンサC1が燃料電池11と コイルL1とを繋ぐ電路上に接続されている。 って、ステップS102の処理においてスナバコ ンデンサC2に蓄電されていた電荷を、補助回 12bを介して主昇圧回路12aへ流す際(図4B)、こ の電荷によって燃料電池11側へ高電圧が印加 れるのを緩和することが可能になる。

 <変形例1>なお、FC昇圧コンバータ12は 、次のように変形してもよい。すなわち、上 記FC昇圧コンバータ12の回路は、ソフトスイ チング時、スナバコンデンサC2に蓄えられた 回生電力が燃料電池11へ入力されないように るため、スナバコンデンサC2から燃料電池11 へ流れる電気回路上に平滑コンデンサC1を設 ているが、平滑コンデンサC1の他、以下の うな素子を用いることが可能である。例え 、スナバコンデンサC2から燃料電池11へ流れ 電路上に、一端が接地されたツェナダイオ ド、又はバリスタを設ける。これにより、 料電池11に規定電圧以上の電圧が入力され のを抑制することができる。図11Bは、本変 例に係るFC昇圧コンバータ12の電気回路の一 成例を示す。図11Bに示すように、本変形例 係るFC昇圧コンバータ12は、スナバコンデン サC2から燃料電池11へ流れる電気回路上に、 端が接地されたツェナダイオードZDやバリス タV、整流器であるダイオードD6を備える。燃 料電池11へ回生電力が流れるのを抑えるこれ 素子(平滑コンデンサC1、ツェナダイオードZ D、バリスタV、ダイオードD6)は、何れか一つ 設けられていてもよいし、これらを多数組 合わせた状態で設けていてもよい。

 平滑コンデンサC1を適用する場合、スナ コンデンサC2から流れる回生電力によって燃 料電池11へ高電圧が印加されるのを抑制する 果が発揮される他、燃料電池11の出力電圧 変動を緩和することも可能である。また、 ェナダイオードZDやバリスタVを適用する場 、これら素子の設定電圧を、燃料電池11を保 護する観点から決定される規定電圧に設定す る。規定電圧とは、燃料電池11に入力される 圧であり、例えば、燃料電池11の触媒電極 触媒の凝集等により劣化し始める電圧より 低い電圧である。ツェナダイオードZDやバリ スタVによれば、通常運転時に電流が流れる とが無いため無用の電力を消費することが くなり、車両1の燃費に与える影響が無い。 た、ツェナダイオードZDやバリスタVであれ 、回生電力に起因する燃料電池11の端子電 の上昇防止の他、燃料電池11の制御性等に起 因する燃料電池11の端子電圧の上昇等も防ぐ とが可能である。ダイオードD6を適用する 合、スナバコンデンサC2から流れる回生電力 が燃料電池11へ流れないようにするため、図1 1Bに示すように燃料電池11と主昇圧回路12aと 繋ぐ電路に接続する。ダイオードD6を適用す ることにより、スナバコンデンサC2に蓄電さ ていた電荷が補助回路12bを介して主昇圧回 12へ回生される際、回生電力が燃料電池11側 へ逆流しなくなり、燃料電池11へ回生電力が 加されることがなくなる。

 <変形例2>なお、FC昇圧コンバータ12は 、次のように変形してもよい。すなわち、上 記FC昇圧コンバータ12の回路は、ソフトスイ チング時、スナバコンデンサC2に蓄えられた 回生電力が燃料電池11と主昇圧回路12aとを繋 電路上に戻るように回路が構成されている 、副昇圧回路12bはスナバコンデンサC2に蓄 られた電荷を二次電池であるバッテリ13に流 して充電するようにしてもよい。図11Cは、本 変形例に係るFC昇圧コンバータ12の電気回路 一構成例を示す。図11Cに示すように、副昇 回路12bのスイッチ素子S2の一端をバッテリ13 接続する。これにより、スナバコンデンサC 2に蓄えられた電荷を放出させる際、この電 をバッテリ13に充電することが可能になる。 これによれば、スナバコンデンサC2から放出 れる回生電力が燃料電池11へ流れることが いため、燃料電池11へ高電位電圧が印加され て触媒電極等が劣化する虞が無くなる。また 、上記燃料電池システム10においては、バッ リ13の出力電圧が燃料電池11の出力電圧より も低く設定されているため、スナバコンデン サC2に蓄えられた電荷を主昇圧回路12aへ回生 せる場合に比べ、より確実にスナバコンデ サC2から電荷を放出させることが可能であ 。よって、図10Bを用いて指摘したように、 VH/VLが2未満の際に生じるスイッチング損失 ついても、スナバコンデンサC2に蓄えられた 電荷をバッテリ13へ放電させる回路構成を取 ことにより解消することが可能となる。

 なお、燃料電池11を保護する観点で設け れる上述の平滑コンデンサC1、ツェナダイオ ードZD、バリスタV、ダイオードD6等の素子や 記変形例2のような回路構成により得られる 電源保護の効果は、これら素子や回路構成を 燃料電池以外の電源電圧を昇圧するコンバー タに適用しても得ることが可能である。すな わち、本発明は、燃料電池以外の電源を動力 源とする電気自動車や、電力を駆動力とする あらゆる電気機器等に適用することが可能で ある。

 <変形例3>上記実施例で説明したように 図11Aに示すFC昇圧コンバータ制御における 理S205では、アクセルペダルセンサ21によっ 検出されたアクセルペダルの開度に従って 電が行われている燃料電池11の出力電圧が検 出される。本変形例では、燃料電池11の出力 圧の検出について、該燃料電池11の出力(以 、FC出力という)に基づいて、燃料電池11の 力電圧を算出することとする。ここで、FC出 力は、以下の式(1)に従って算出される。
 (FC出力)=(要求出力)+(補機要求出力)+(バッテ 充電(放電)出力)・・・(1)

 補機要求出力は、水素タンク17やコンプ ッサ18等の補機に要求されている出力であり 、バッテリ充電出力は、充電時におけるバッ テリ13に要求されている出力であり、バッテ 放電出力は放電時におけるバッテリ13の出 である。バッテリ13の残蓄電量がSOC閾値未満 であれば、バッテリ充電出力を上記式(1)に算 入し、FC出力を算出する。バッテリ13の残蓄 量がSOC閾値以上であれば、バッテリ放電出 を上記(1)にマイナス分として算入し、FC出力 を算出する。そして、上記式(1)で算出したFC 力に基づいて、燃料電池11の出力電圧が算 される。具体的には、FC出力と燃料電池11の 力電流とが関連付けられているIP特性MAP及 燃料電池11の出力電流と燃料電池11の出力電 とが関連付けられているIV特性マップをECU20 が有しており、FC出力に従ってこれらのマッ にアクセスし、燃料電池11の出力電圧が算 される。本変形例によれば、補機に要求さ ている出力やバッテリ13の残蓄電量を加味し て、FC出力を算出することにより、補機に要 されている出力やバッテリ13の残蓄電量を 慮して、燃料電池11の出力電圧を算出するこ とができる。

 また、上記式(1)を以下に示す式(2)のように 形してもよい。
 (FC出力)=(要求出力)+(補機要求出力)+(バッテ 充電(放電)出力)+(FC昇圧コンバータ12のスイ チング損失)+(バッテリ昇圧コンバータ14の イッチング損失)・・・(2)
 このように変形することにより、FC昇圧コ バータ12のスイッチング損失やバッテリ昇圧 コンバータ14のスイッチング損失を更に加味 て、FC出力を算出することにより、FC昇圧コ ンバータ12のスイッチングの損失分やバッテ 昇圧コンバータ14のスイッチングの損失分 考慮して、燃料電池11の出力電圧を算出する ことができる。

 FC昇圧コンバータ12のスイッチング損失は 、FC昇圧コンバータ12の出入口に、電流セン 及び電圧センサを設け、FC昇圧コンバータ12 出入口側の電流及び電圧を測定することに り算出する。また、バッテリ昇圧コンバー 14のスイッチング損失は、バッテリ昇圧コ バータ14の出入口に、電流センサ及び電圧セ ンサを設け、バッテリ昇圧コンバータ14の出 口側の電流及び電圧を測定することにより 出する。ここで、FC昇圧コンバータ12及びバ ッテリ昇圧コンバータ14がともに昇圧動作を っている場合には、FC昇圧コンバータ12のス イッチング損失及びバッテリ昇圧コンバータ 14のスイッチング損失を加味してFC出力を算 する。一方、バッテリ昇圧コンバータ14のみ が昇圧動作を行っている場合には、バッテリ 昇圧コンバータ14のスイッチング損失のみを 味してFC出力を算出する。

 また、モータ16を駆動するためのインバ タ15への電圧印加について、該モータ16の駆 効率を考慮するのが好ましい。例えば、上 実施例で説明したように、燃料電池11から ータ16への電力供給時に、FC昇圧コンバータ1 2を停止させない場合、インバータ15に印加さ れる電圧をFC昇圧コンバータ12によって昇圧 せる。本変形例では、インバータ15に印加さ れる電圧を、要求トルクとモータ16の回転数 に基づいて、インバータ15、モータ16を含む 負荷の効率特性とインバータ15に印加される 圧とを関連付けたマップから決定する。そ て、FC昇圧コンバータ12の昇圧動作により、 燃料電池11の出力電圧を上記決定した電圧に 圧させ、インバータ15に印加する。例えば インバータ15の効率特性はインバータ15に印 される電圧に対するインバータ15の変換効 であり、モータ16の効率特性はモータ16に印 される電圧に対するモータ16の駆動効率で る。

 本変形例では、負荷の効率特性を決定し 要求トルクとモータ16の回転数との関係か 、図12A、図12B及び図12Cに示すような負荷の 率特性の領域を画定する。図12A、図12B及び 12Cは、要求トルクを縦軸とし、モータ16の回 転数を横軸として、負荷の効率特性の領域を 効率の高低により段階的に区分して表示した マップである。図12Aは、インバータ15に印加 る電圧が高である場合における負荷の効率 性の領域を表示したマップである。図12Bは インバータ15に印加する電圧が中である場 における負荷の効率特性の領域を表示した ップである。図12Cは、インバータ15に印加す る電圧が低である場合における負荷の効率特 性の領域を表示したマップである。図12A、図 12B及び図12Cにおける点Aは、要求トルクT1とモ ータ16の回転数R1とに基づいて決定されたも であり、点Bは、要求トルクT2とモータ16の回 転数R2とに基づいて決定されたものである。

 図12Cにおける点Aは、負荷の効率特性が高 効率である領域に含まれているが、図12A及び 図12Bにおける点Aは、負荷の効率特性が高効 である領域に含まれていない。したがって 要求トルクT1及びモータ16の回転数R1では、 ンバータ15に印加する電圧が低である場合、 負荷の効率特性が高いことがわかる。図12Bに おける点Bは、負荷の効率特性が高効率であ 領域に含まれているが、図12A及び図12Cにお る点Bは、負荷の効率特性が高効率である領 に含まれていない。したがって、要求トル T2及びモータ16の回転数R2では、インバータ1 5に印加する電圧が中である場合、負荷の効 特性が高いことがわかる。本変形例では、 上のようなマップをECU20が有しており、イン バータ15に印加する電圧を負荷の効率特性の 点から決定することによって、最適電圧を ンバータ15に印加することができる。

 本発明に係る燃料電池システムの第二の 施例について、図13~15に基づいて説明する 本実施例に係る燃料電池システムと上述の 一の実施例に係る燃料電池システムとの相 点は、FC昇圧コンバータ12内の補助回路12bお びそれに関連する技術である。そこで、本 施例では、当該相違点に着目して説明を行 。

 図13は、図2と同様に、FC昇圧コンバータ12 を中心として、燃料電池システム10の電気的 成を示す図である。ここで、図13に示すFC昇 圧コンバータ12の補助回路12bには、スイッチ 子S3とダイオードD6とで構成されるスイッチ ング回路が更に設けられている。具体的には 、スイッチ素子S3の一端がダイオードD2のア ード端子側に接続され、該スイッチ素子S3の 他端が燃料電池11の低電位側の端子に接続さ ている。このスイッチ素子S3は、先のソフ スイッチング処理におけるモード2の動作で 、スナバコンデンサC2に蓄えられた電荷の 電をサポートするものである。そこで、本 施例においては、スイッチ素子S3のスイッチ ング動作を含めた、新たなソフトスイッチン グ処理を図14及び図15に基づいて説明する。

 図14は、図3と同様にFC昇圧コンバータ12に おけるソフトスイッチング処理の流れを示す フローチャートである。図3に示すソフトス ッチング処理との違いは、図14に示す処理で は、S102とS103の処理の間、即ちモード2とモー ド3の各動作の間に、スイッチ素子S3のスイッ チング動作による新たな処理S301が設定され いる点である。そこで、この相違点を重点 に説明し、他の処理については、図3と同一 参照番号を付すことでその詳細な説明は省 する。

 ここで、S102の処理によりモード2の動作 行われているとき、FC昇圧コンバータ12では スイッチ素子S3はターンオフ状態となって る。また、スイッチ素子S3のスイッチング動 作の効果を明確に示すために、FC昇圧コンバ タ12の出口電圧VHとその入口電圧VLの関係を FC昇圧コンバータ12の電気的状態を表すパラ メータである比VH/VLについて、該比が2未満で あると設定する。この場合、コイルL2とスナ コンデンサC2の半波共振によって、該スナ コンデンサC2の電荷は抜けていくが、図10Bに 示すようにスナバコンデンサC2の電圧はゼロ はならないことになる。

 ここで、本実施例では、上記半波共振に るスナバコンデンサC2の電圧変動が底値と るタイミングで、S301の処理によりスイッチ 子S3をターンオンする。すると、図15に示す ように、スナバコンデンサC2において半波共 によっても抜けきらなかった電荷が、スイ チ素子S3を介して補助回路12b内に分散され いくため、スナバコンデンサC2の電圧を更に 低下させることができる。その結果、S301後 S103の処理において、スイッチ素子S1をター オンするとき、該スイッチ素子S1にかかって いる電圧を可及的に下げることができ、以て スイッチング損失をより確かに抑制すること ができる。尚、FC昇圧コンバータ12の出口電 VHとその入口電圧VLの関係において、比VH/VL 所定値を超える場合(本実施例では2を超える 場合)は、スナバコンデンサC2の電荷はモード 2の動作により抜けきっているため、S301の処 を必ずしも行う必要はない。

 <その他の実施例>また、上記実施形 で説明したように、燃料電池11からFC昇圧コ バータ12を通じてインバータ15、モータ16を む負荷に電力を供給すると、FC昇圧コンバ タ12での電力損失が発生する。この電力損失 には、変換される電力の大小への依存度の少 ない、鉄損あるいはスイッチング損失が含ま れる。そのため、出力電力の小さい低負荷領 域で、特に電力効率の低下が目立つことにな る。そこで、低負荷領域では、FC昇圧コンバ タ12を停止し、燃料電池11の電力を変換せず に負荷に供給し(スルーモード、バイパスモ ド)、あるいは、バッテリ13からバッテリ昇 コンバータ14を通じて電力を負荷に供給すべ きとの要請が強い。

 ここで、一般的なコンバータにおけるス ーモードおよびバイパスモードについて、 16A~図16Dに基づいて簡単に説明する。尚、各 図中の太線矢印は、各コンバータにおける電 流の流れを示す。図16Aは、当該コンバータが 昇圧型のコンバータ(上述のFC昇圧コンバータ 12がこのタイプのコンバータである。)である ときのスルーモードの様子を示す図である。 昇圧を行うためのスイッチ素子をターンオフ 状態とすることで、一次側の電圧をそのまま 二次側に印加することができる。図16Bは、当 該コンバータが昇圧型のコンバータであって 、昇圧のためのコイルとダイオードの直列体 に対して並列にバイパス用のダイオードが接 続されているコンバータでのバイパスモード の様子を示す図である。昇圧を行うためのス イッチ素子をターンオフ状態とすることで、 一次側の電圧をバイパスさせて二次側に印加 することができる。図16Cは、当該コンバータ がハーフブリッジ型のコンバータであるとき のスルーモードの様子を示す図である。昇圧 を行うための二つのスイッチ素子のうち、図 中上側をターンオン状態、下側をターンオフ 状態とすることで、一次側の電圧をそのまま 二次側に印加することができる。図16Dは、当 該コンバータがフルブリッジ型のコンバータ であるときのスルーモードの様子を示す図で ある。昇圧を行うための四つのスイッチ素子 のうち、図中上側の二つをターンオン状態、 下側の二つをターンオフ状態とすることで、 一次側の電圧をそのまま二次側に印加するこ とができる。尚、図16B~図16Dに示す構成は上 のFC昇圧コンバータ12のコンバータとは異な が、仮にFC昇圧コンバータ12がこれらの構成 を採用する場合、各図に示すようにスイッチ 素子を制御することで、上記スルーモードお よびバイパスモードが実現される。

 一方、燃料電池11は、耐久性向上のため 触媒のシンタリング現象を回避することが 要とされる。シンタリング現象は、燃料電 11の電極上のPt触媒が凝集する現象であり、P t触媒の表面での水(およびプロトンに対する) に対する酸化還元反応により誘発されるとさ れている。さらに、そのような酸化還元反応 は、燃料電池11の端子電圧が開放電圧(OCV)に い、比較的高電位で引き起こされることが られている。

 ところで、燃料電池11が低負荷になると 燃料電池11のIV特性にしたがい、燃料電池11 端子電圧が開放電圧(OCV)に近づいていく。し かしながら、上述のように、FC昇圧コンバー 12を停止すると、燃料電池11の端子電圧を制 御することができず、上記反応に起因する触 媒の劣化を回避することが困難となる。

 そこで、FC昇圧コンバータ12を停止した場 合には、FC昇圧コンバータ12と並列に設けら ているバッテリ昇圧コンバータ14にてFC昇圧 ンバータ12の出力側の電圧を制御すること よって、燃料電池11の端子電圧を制御すれば よい。すなわち、ECU20にて、燃料電池11の端 電圧を監視し、その端子電圧がシンタリン を回避するための基準値未満になるように バッテリ昇圧コンバータ14の出力電圧を制御 すればよい。この基準値は、例えば、実験値 、経験値として設定すればよい。

 また、バッテリ13の端子電圧が高く、か 、インバータ15の要求電圧が低く、バッテリ 昇圧コンバータ14の昇圧比を1以上にできない 場合には、逆にバッテリ昇圧コンバータ14を 止しなければならない。そのような場合、 ンタリング現象を回避するため、FC昇圧コ バータ12は停止せず、インバータ15の要求電 を基準にしてFC昇圧コンバータ12によって、 燃料電池11の端子電圧を制御すればよい。

 以上の場合に、いずれにしても、燃料電 11の端子電圧を上記基準値よりも下方に制 するためには、燃料電池11から電流を引き出 し、電力を消費する必要ある。この場合の電 力は、通常、インバータ15、モータ16を含む 荷で消費される。しかしながら、余剰電力 ついては、バッテリ13のSOCが低く、バッテリ 13に電力を蓄積可能な状態では、バッテリ13 蓄積し、バッテリ13に蓄積できない電力は補 機(エアコン、照明、ポンプ等)で消費すれば い。

 また、本燃料電池システム10は、車両1の 突時に、燃料電池11の出力を遮断するシス ムともなっている。具体的には、燃料電池 ステム10のFC昇圧コンバータ12の下流側には インバータ15及びバッテリ昇圧コンバータ14 の電気的な接続をON/OFFするためのリレー回 が設けられている。なお、既に説明した構 から明らかなように,燃料電池システム10は FC昇圧コンバータ12の下流側に流れる電流量 が比較的に少ないものとなっている。このた め、燃料電池システム10は、上記リレー回路 して、既存の同種のシステムでは燃料電池 直後に設けられているリレー回路よりも、 型のもの(低電流用のもの)を採用したシス ムとなっている。

 そして、燃料電池システム10のECU20は、車 両1に設けられている衝突検出センサの出力 基づき、衝突の有無を常時監視し、衝突し ことを検出した場合には、リレー回路を制 することにより,FC昇圧コンバータ12とインバ ータ15及びバッテリ昇圧コンバータ14との間 電気的な接続を切断するユニットとなって る。