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Patent Searching and Data


Title:
GAS GENERATING AGENT COMPOSITION, MOLDINGS OF THE COMPOSITION, PROCESS FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS CONSTITUTING THE COMPOSITION, AND GAS GENERATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139557
Kind Code:
A1
Abstract:
A gas generating agent composition comprising a fuel component and an oxidizing agent as the main components, which contains as the fuel component a compound (A) obtained by reacting urea with a metal salt in a molten or dissolved state and having a decomposition initiation temperature of 160°C or above and which gives combustion gas reduced in the contents of carbon monoxide and nitrogen oxides and exhibits a low combustion temperature and high combustibility. It is preferable that the gas generating agent composition be applied to a gas generator in the form of moldings.

Inventors:
OGATA TOSHIHIRO (JP)
SATO EISHI (JP)
KURASHIGE SHUJI (JP)
KOGO MAKIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/059380
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
May 02, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON KAYAKU KK (JP)
OGATA TOSHIHIRO (JP)
SATO EISHI (JP)
KURASHIGE SHUJI (JP)
KOGO MAKIKO (JP)
International Classes:
C06D5/00; B60R21/26; C06B23/02; C06B29/00; C06B31/00; C06B43/00
Foreign References:
JP2007131503A2007-05-31
JP2005054046A2005-03-03
JP2001513758A2001-09-04
JPH05339086A1993-12-21
JPH01224209A1989-09-07
JPH01178556A1989-07-14
JPS53129157A1978-11-10
JPH01104035A1989-04-21
Other References:
AKIYOSHI M. ET AL.: "Thermal behavior of various metal complex nitrates (1) - Qualitative gas evolution behavior", JOURNAL OF THE JAPAN EXPLOSIVES SOCIETY, vol. 60, no. 6, 1999, pages 274 - 278, XP003024069
OCANA M. ET AL.: "Homogeneous Precipitation of Uniform alpha-Fe2O3 Particles from Iron Salts Solutions in the Presence of Urea", JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE, vol. 212, no. 2, 1999, pages 317 - 323, XP003024070
HAQ I. ET AL.: "Preparation and properties of uniform coated inorganic colloidal particles 9. Titania on copper compounds", COLLOIDS AND SURFACES A: PHYSICOCHEMICAL AND ENGINEERING ASPECTS, vol. 81, 1993, pages 153 - 159, XP003024071
RINGUEDE A. ET AL.: "A combustion synthesis method to obtain alternative cermet materials for SOFC anodes", SOLID STATE IONICS, vol. 141-142, 2001, pages 549 - 557, XP003024072
DECREAU R. ET AL.: "Synthesis and characterization of a series of hexadecachlorinated phthalocyanines", INORGANICA CHIMICA ACTA, vol. 293, no. 1, 1999, pages 80 - 87, XP002237365
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-ku, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 主成分として燃料成分と酸化剤を含むガス発生剤組成物であって、該燃料成分として、尿素と金属塩を溶融または溶解させた状態で反応させて得た、分解開始温度が160℃以上である化合物(A)を用いることを特徴とするガス発生剤組成物。
 前記尿素と金属塩との反応における尿素と金属塩の使用割合(モル比)が2:1~6:1であることを特徴とする請求項1に記載のガス発生剤組成物。
 前記尿素と金属塩との反応が100~150℃の熱処理工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス発生剤組成物。
 前記金属塩が遷移金属塩であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 前記金属塩が硝酸銅または過塩素酸鉄であることを特徴とする請求項4に記載のガス発生剤組成物。
 前記金属塩が酸化性アニオンとして硝酸イオンを含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 前記酸化剤が、塩基性金属硝酸塩(塩基性複合金属硝酸塩を含む)、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、相安定化硝酸アンモニウム、金属過塩素酸塩及び過塩素酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 前記塩基性金属硝酸塩(塩基性複合金属硝酸塩を含む)が、銅、亜鉛、マグネシウム、コバルトからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むことを特徴とする請求項7に記載のガス発生剤組成物。
 前記燃料成分として、さらに含窒素有機化合物を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 前記含窒素有機化合物が、グアニジン、テトラゾール、トリアゾール及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載のガス発生剤組成物。
 前記グアニジンの誘導体が、硝酸グアニジン、ニトログアニジン、トリアミノグアニジン硝酸塩、炭酸グアニジン及び過塩素酸グアニジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10に記載のガス発生剤組成物。
 前記化合物(A)及び前記酸化剤の合計中の化合物(A)の含有率が55~85質量%で、酸化剤の含有率が15~45質量%であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 前記化合物(A)、前記含窒素有機化合物及び前記酸化剤の合計中の化合物(A)の含有率が10質量%以上、85質量%未満で、含窒素有機化合物の含有率が45質量%以下で、酸化剤の含有率が15~45質量%であることを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 さらに、燃焼調整剤、スラグ形成剤及びバインダからなる群から選ばれる少なくも1種の添加剤を含むことを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
 前記添加剤の含有率が、ガス発生剤組成物の全体に対して0~10質量%であることを特徴とする請求項14に記載のガス発生剤組成物。
 尿素と金属を溶融または溶解させた状態で反応させることを特徴とする、分解開始温度が160℃以上である化合物(A)の製造方法。
 前記反応処理が、さらに100~150℃の熱処理工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の化合物(A)の製造方法。
 請求項1~15のいずれかに記載のガス発生剤組成物を、混合した後、成形・乾燥して、成形体としたことを特徴とするガス発生剤組成物成形体。
 請求項18に記載のガス発生剤組成物成形体を備えることを特徴とするガス発生器。
Description:
ガス発生剤組成物及びガス発生 組成物成形体、並びにそれに用いる化合物 製造方法、並びにガス発生器

 本発明は、ガス発生剤組成物及びガス発 剤組成物成形体、並びにそれらに用いる分 温度が160℃以上である化合物(A)の製造方法 並びに該ガス発生剤組成物成形体を備えた ス発生器に関し、特に燃焼ガス中の一酸化 素および窒素酸化物の生成量が少なく、燃 温度が低く且つ燃焼性が高いガス発生剤組 物に関するものである。

 近年、エアバッグに代表される自動車安 装置用ガス発生器に用いられるガス発生剤 しては、これまで汎用されてきたアジ化ナ リウムに代えて、製造時および使用時の安 性の高い化合物が各種提案されている。

 例えば、米国特許第4,909,549号明細書には、 素を含むテトラゾール又はトリアゾール化 物と酸化剤との組成物が開示されている。 国特許第4,369,079号明細書には、水素を含ま いビテトラゾールの金属塩と酸化剤からな ガス発生剤が開示されている。特開2000-31908 5号公報には、ビテトラゾール化合物と塩基 金属硝酸塩を含むガス発生剤が開示されて る。米国特許第5,608,183号明細書には、燃料 分としてポリアンミン硝酸塩(例えば硝酸グ ニジン)、酸化剤として塩基性硝酸銅、及び Co(NH 3 ) 3 (NO 3 ) 3 からなる組成物が開示されている。また、金 属錯体を成分として含有するガス発生剤が、 特表平11-510779号公報、米国特許第6,592,691号明 細書及び米国特許第6,602,365号明細書に開示さ れている。

 上述した特許文献に記載されているテト ゾール誘導体、トリアゾール誘導体を燃料 分として含むガス発生剤は、燃焼性は良好 あるが、燃焼温度が高いことから、窒素酸 物の発生が多く、また、該ガス発生剤をガ 発生器に使用する際には、冷却部材が多く 要となり、ガス発生器の重量が重くなって まう。更に、上記特許文献に記載の金属錯 を含有するガス発生剤においては、燃焼特 が優れているものの、金属錯体を含有する とにより燃焼温度が上昇し、発熱量が増加 てしまう。

 一方、燃料成分としての硝酸グアニジン 、比較的安価で、非毒性であり、また高い ス発生量を与えるとして、広く使用されて る。しかしながら、燃焼性が悪いという欠 を有している。

 これに対し、ガス発生剤に金属酸化物を 加することで、該ガス発生剤の燃焼性を改 する手法が知られているが、金属酸化物を 加した場合、ガス発生剤のガス発生効率が くなることから適正な解決策とは言えない

 そこで、本発明の目的は、上記従来技術 問題を解決し、ガス発生剤の発熱量を低減 つつ、燃焼性を向上させることが可能なガ 発生剤組成物及びガス発生剤組成物成形体 提供することにある。また、本発明の他の 的は、該ガス発生剤組成物に用いる分解開 温度が160℃以上である化合物(A)の製造方法 、該ガス発生剤組成物成形体を備えるガス 生器を提供することにある。

 即ち、本発明の要旨構成は次のとおりで る。

1.主成分として燃料成分と酸化剤を含むガ 発生剤組成物であって、該燃料成分として 尿素と金属塩を溶融または溶解させた状態 反応させて得た、分解開始温度が160℃以上 ある化合物(A)を用いることを特徴とするガ 発生剤組成物。

2.前記尿素と金属塩との反応における尿素 金属塩の使用割合(モル比)が2:1~6:1であるこ を特徴とする上記1に記載のガス発生剤組成 物。

3.前記尿素と金属塩との反応が100~150℃の熱 処理工程を含むことを特徴とする上記1又は2 記載のガス発生剤組成物。

4.前記金属塩が遷移金属塩であることを特 とする上記1~3のいずれかに記載のガス発生 組成物。

5.前記金属塩が硝酸銅または過塩素酸鉄で ることを特徴とする上記4に記載のガス発生 剤組成物。

6.前記金属塩が酸化性アニオンとして硝酸 オンを含むことを特徴とする上記1~5のいず かに記載のガス発生剤組成物。

7.前記酸化剤が、塩基性金属硝酸塩(塩基性 複合金属硝酸塩を含む)、アルカリ金属硝酸 、アルカリ土類金属硝酸塩、相安定化硝酸 ンモニウム、金属過塩素酸塩及び過塩素酸 ンモニウムからなる群から選ばれる少なく も1種であることを特徴とする上記1~6のいず かに記載のガス発生剤組成物。

8.前記塩基性金属硝酸塩(塩基性複合金属硝 酸塩を含む)が、銅、亜鉛、マグネシウム、 バルトからなる群から選ばれる少なくとも1 の金属を含むことを特徴とする上記7に記載 のガス発生剤組成物。

9.前記燃料成分として、さらに含窒素有機 合物を含むことを特徴とする上記1~8のいず かに記載のガス発生剤組成物。

10.前記含窒素有機化合物が、グアニジン、 テトラゾール、トリアゾール及びそれらの誘 導体からなる群から選ばれる少なくとも1種 あることを特徴とする上記9に記載のガス発 剤組成物。

11.前記グアニジンの誘導体が、硝酸グアニ ジン、ニトログアニジン、トリアミノグアニ ジン硝酸塩、炭酸グアニジン及び過塩素酸グ アニジンからなる群から選ばれる少なくとも 1種であることを特徴とする上記10に記載のガ ス発生剤組成物。

12.前記化合物(A)及び前記酸化剤の合計中の 化合物(A)の含有率が55~85質量%で、酸化剤の含 有率が15~45質量%であることを特徴とする上記 1~8のいずれかに記載のガス発生剤組成物。

13.前記化合物(A)、前記含窒素有機化合物及 び前記酸化剤の合計中の化合物(A)の含有率が 10質量%以上、85質量%未満で、含窒素有機化合 物の含有率が45質量%以下で、酸化剤の含有率 が15~45質量%であることを特徴とする上記9~11 いずれかに記載のガス発生剤組成物。

14.さらに、燃焼調整剤、スラグ形成剤及び バインダからなる群から選ばれる少なくも1 の添加剤を含むことを特徴とする上記1~13の ずれかに記載のガス発生剤組成物。

15.前記添加剤の含有率が、ガス発生剤組成 物の全体に対して0~10質量%であることを特徴 する上記14に記載のガス発生剤組成物。

16.尿素と金属を溶融または溶解させた状態 で反応させることを特徴とする、分解開始温 度が160℃以上である化合物(A)の製造方法。

17.前記反応処理が、さらに100~150℃の熱処 工程を含むことを特徴とする上記16に記載の 化合物(A)の製造方法。

18.上記1~15のいずれかに記載のガス発生剤 成物を、混合した後、成形・乾燥して、成 体としたことを特徴とするガス発生剤組成 成形体。

19.上記18に記載のガス発生剤組成物成形体 備えることを特徴とするガス発生器。

 本発明によれば、エアバッグ用ガス発生 、シートベルトプリテンショナー用ガス発 器等の自動車安全部品に用いられる組成物 あって、熱安定性に優れ、着火性が良好で 燃焼速度が高く、一酸化炭素や窒素酸化物 発生量が少なく、さらに良好な燃焼性を有 るガス発生剤組成物及びガス発生剤組成物 形体を提供することができる。また、本発 のガス発生剤組成物は、従来用いられてい ガス発生剤組成物と比較して、発熱量が少 いため、かかるガス発生剤組成物の成形体 ガス発生器に用いた場合、ガス発生器の冷 部材を軽量化することができる。更に、本 明のガス発生剤組成物に用いる分解開始温 が160℃以上である化合物(A)を製造すること できる。

図1は、本発明のガス発生器の一例の断 面図である。

 本発明のガス発生剤組成物は、主成分と て燃料成分と酸化剤を含むガス発生剤組成 であって、該燃料成分として、尿素と金属 を溶融または溶解させた状態で反応させて た、分解開始温度が160℃以上である化合物( A)を用いることを特徴とする。本発明で燃料 分として用いられる化合物(A)は、迅速な分 、或いは酸化剤との燃焼反応で、窒素ガス 水蒸気、二酸化炭素等を含む気体混合物を 成するものである。この化合物(A)は、分解 始温度が160℃以上であることを要し、170℃ 上であることが好ましく、180~300℃の範囲で あることが更に好ましい。当該分解開始温度 は、たとえば示差熱分析装置を使用して確認 することができる。該化合物(A)の分解開始温 度が160℃以上であれば、ガス発生剤組成物と しての熱安定性を確保することができる。ま た、このような化合物(A)は、水素原子及び窒 素原子を含有する化合物、尿素、及び尿素誘 導体を中性配位子とする金属化合物であると 考えられる。なお、このことは、たとえばC H、Nについての元素分析、IR測定を行うこと より推定することができる。

 従来から、燃料成分として尿素単体をガ 発生剤組成物に用いると、燃焼時の窒素酸 物の発生量を抑える効果があることが知ら ている。しかし、尿素単体を含むガス発生 組成物においては、尿素単体の分解開始温 が低く、熱安定性が悪いため、実用化には っていなかった。これに対し、本発明のガ 発生剤組成物においては、燃料成分として 尿素と金属塩を溶融または溶解させた状態 反応させて得た、分解開始温度が160℃以上 ある化合物(A)を用いることにより、上述し 尿素を含有させた場合の燃焼時の窒素酸化 の発生量を抑える効果が得られるだけでな 、熱安定性をも改善することができる。そ によって、燃焼性がよく、燃焼温度が低く また熱安定性に優れ、燃焼時に一酸化炭素 窒素酸化物の生成量が少ないガス発生剤組 物を提供することができる。

 本発明で使用する化合物(A)は、尿素と金 塩を溶融または溶解させた状態で反応させ 得られるもので、該化合物(A)中には、金属 チオンMが存在する。この金属カチオンMは 錯体を形成するためのテンプレートまたは 位中心として作用する。該金属カチオンMに 、遷移金属、アルカリ土類金属、メタロイ またはランタニドなどのカチオンを用いる とができ、具体的には、銅、鉄、コバルト ニッケル、ジルコニウム、クロム、マンガ 、亜鉛、チタン、マグネシウム、アルミニ ム、ネオジウムなどのカチオンを挙げるこ ができるが、これらに制限されるものでは い。なお、本発明で使用する化合物(A)に含 れる金属カチオンMの種類は、たとえば蛍光 X線分析により確認することができる。

 前記金属カチオンMには、通常、錯体電荷 のバランスの観点から、1以上の酸化性アニ ンKを要する。本発明に用いられる酸化性ア オンKは、特に制限されるものではなく、例 えば硝酸イオン、亜硝酸イオン、塩素酸イオ ン、過塩素酸イオンなどがあげられるが、ハ ロゲンを含まず燃焼後全てガス化すること、 また、酸素供給源にもなることから、上記し た酸化性アニオンKの中でも、特に硝酸イオ 、亜硝酸イオンが好ましい。なお、本発明 使用する化合物(A)に含まれる酸化性アニオ Kの種類は、たとえばイオンクロマトを実施 ることで確認することができる。

 本発明で使用する化合物(A)を得るための 応に供する金属塩としては、特に限定され ものではないが、上記金属カチオンMと酸化 性アニオンKからなる金属塩が挙げられ、こ らの中でも、安定な化合物を形成しやすく また反応性が高いことから、遷移金属塩で ることが好ましい。また、該遷移金属塩に まれる遷移金属の中でも、反応性がよく、 好な燃焼性を有することから、銅が特に好 しい。

 本発明で使用する化合物(A)は、例えば、 化性アニオンKの金属塩(具体的には硝酸鉄 硝酸コバルト、硝酸銅、硝酸マグネシウム 亜硝酸銅、亜硝酸鉄、過塩素酸鉄、過塩素 コバルト、過塩素酸銅、過塩素酸マグネシ ム、塩素酸鉄、塩素酸銅、塩素酸マグネシ ムなど)と尿素とを、必要に応じて適当な溶 中で、混合し、溶融または溶解させた状態 反応させて得られる。ここで、上記金属塩 よび尿素を溶媒に溶解した状態で反応させ と、例えば、結晶の形態で沈殿物が反応溶 中に析出することがあるが、この場合、必 に応じて沈殿物を加熱すること(熱処理)に り、化合物(A)を製造することができる。こ 尿素と金属塩との反応における尿素と金属 との使用割合は特に制限されるものではな が、尿素:金属塩=2:1~6:1(モル比)であるのが好 ましく、尿素:金属塩=4:1~6:1(モル比)であるの より好ましい。前記金属塩に対する尿素の 率が2倍モル未満であると、未反応の酸化性 アニオンKの金属塩が残留し、熱安定性に悪 響を与えるおそれがあり、一方、前記金属 に対する尿素の比率が6倍モルを超えると、 剰の尿素が残留して、やはり熱安定性に悪 響を与えるおそれがある。

 また、本発明に用いる化合物(A)を製造す にあたり、尿素と金属塩との反応が、熱処 工程を含むことが好ましい。当該熱処理時 加熱温度は、尿素の分解温度付近である100~ 150℃が好ましく、110~140℃がより好ましい。 記加熱温度が100℃未満である場合には、熱 定性に悪影響を及ぼす傾向にあり、一方、 記加熱温度が150℃を超える場合には、形成 た錯体が分解するおそれがある。また熱処 時間は、合成量により異なるため一概には えないが、好ましくは12~240時間、より好ま くは12~150時間である。

 前記反応に用いることができる溶媒とし は、たとえば水、メタノール、エタノール イソプロパノールなどの低級アルコール類 変性アルコール、アセトニトリルなどのニ リル類、アセトン、メチルエチルケトンな のケトン類、ジエチルエーテルなどのエー ル類、n-ヘキサンなどの炭化水素類および ルホランなどが挙げられる。

 本発明で使用する化合物(A)の配位数は、1 ~6であることが好ましく、該化合物(A)に含ま る金属の種類により異なる。また、化合物( A)の配位数は、上述した製造過程において、 料の配合割合、加熱温度、加熱時間、また 応後の乾燥条件を適宜変更することにより 整することもできる。前記化合物(A)の配位 、及び配位数は、たとえば赤外分光分析(FT- IR)、イオンクロマトによる酸化性アニオンの 定量、及びC、H、Nについての元素分析により 推定することができる。

 また別法として、尿素と金属塩とを、予 酸化剤や、必要に応じて含まれる含窒素有 化合物、バインダ、その他添加剤等の配合 を混合した混合粉末と共に溶媒中で混合し 後、例えばスプレードライ法のような熱処 を行うことによって、本発明に従うガス発 剤組成物を得ることができる。この場合に ける熱処理工程の加熱温度は100~150℃である のが好ましく、110~130℃であるのがより好ま い。

 本発明のガス発生剤組成物は、エアバッ 用ガス発生器等の自動車安全部品に用いら 、迅速に燃焼または分解して窒素、二酸化 素、水蒸気等の気体混合物を生成する燃料 分と酸化剤を主成分とする組成物であり、 こで、該燃料成分として、尿素と金属塩を 融または溶解させた状態で反応させて得ら る上記の化合物(A)を用いる。上記酸化剤と ては、例えば塩基性金属硝酸塩(塩基性複合 金属硝酸塩を含む、以下同じ)、アルカリ金 硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、相安定 硝酸アンモニウム、金属過塩素酸塩、及び 塩素酸アンモニウム等が挙げられる。また 塩基性金属硝酸塩としては、銅、亜鉛、マ ネシウム、コバルトからなる群から選ばれ 少なくとも1種の金属を含むものが挙げられ これらの中でも、塩基性硝酸銅、塩基性硝 亜鉛が好ましい。なお、これら酸化剤は、 独で用いてもよく、二種以上を組み合わせ 用いてもよい。一方、上記燃料成分には、 記の化合物(A)のほかに、さらに含窒素有機 合物を含んでいてもよい。含窒素有機化合 としては、例えば、グアニジン、テトラゾ ル、トリアゾール及びそれらの誘導体等が げられ、これらの中でも、グアニジンの誘 体が好ましく、具体的には、硝酸グアニジ 、ニトログアニジン、トリアミノグアニジ 硝酸塩、炭酸グアニジン、過塩素酸グアニ ン等が好適に挙げられる。なお、これら含 素有機化合物は、単独で用いてもよく、二 以上を組み合わせて用いてもよい。

 本発明のガス発生剤組成物においては、 記化合物(A)及び上記酸化剤の合計中の化合 (A)の含有率が55~85質量%で、酸化剤の含有率 15~45質量%であることが好ましい。また、本 明のガス発生剤組成物は、燃料成分として さらに上記含窒素有機化合物を含む場合に いては、化合物(A)、含窒素有機化合物及び 化剤の合計中の化合物(A)の含有率が10質量% 上、85質量%未満で、含窒素有機化合物の含 率が45質量%以下で、酸化剤の含有率が15~45 量%であることが好ましい。なお、本発明の ス発生剤組成物は、上記化合物(A)と酸化剤 二成分系、またさらに含窒素有機化合物を む三成分系の他、これら二成分系、三成分 にさらに必要に応じて、燃焼調整剤、スラ 形成剤及びバインダより選ばれた添加剤を 有させることができる。ここに、上記添加 を含む場合においては、該添加剤の合計量 、ガス発生剤組成物の全体に対して0~10質量 %とすることが好ましい。

 本発明のガス発生剤組成物は、従来のガ 発生剤組成物と比較して燃焼性がよい。こ で、「燃焼性がよい」とは、線燃焼速度が 来のガス発生剤組成物(具体例:硝酸グアニ ン/塩基性硝酸銅/硝酸ストロンチウム/その の添加剤系)では1.0~3.0mm/sec程度であったのに 対して、本発明のガス発生剤組成物では3.0~10 .0mm/secであることを指す。なお、線燃焼速度 、ストランド試験、或いは密閉式ボンブ試 の結果より求められる。

 本発明のガス発生剤組成物は、従来のガ 発生剤組成物と比較して燃焼温度が低い。 体的には、従来のガス発生剤組成物(具体例 :硝酸グアニジン/塩基性硝酸銅/硝酸ストロン チウム/その他の添加剤系)では燃焼温度が2000 ~2300Kであったのに対して、本発明のガス発生 剤組成物では1500~2000K(より好適には1600~1800K) ある(NASAプログラム「NASA RP-1311」を用いて 論計算により算出)。

 本発明のガス発生剤組成物は、従来のガ 発生剤組成物と比較して発熱量が低い。具 的には、従来のガス発生剤組成物(具体例: 酸グアニジン/塩基性硝酸銅/硝酸ストロンチ ウム/その他の添加剤系)では発生ガスモル当 りの発熱量が90~100kJ/モルであったのに対し 、本発明のガス発生剤組成物のそれは75~85kJ /モルである(カロリーメーターで測定)。

 本発明のガス発生剤組成物は、熱安定性 優れる。ここで、「熱安定性に優れる」と 、例えばDSC、TG/DTA等の熱分析試験で、150℃ の重量減少率が2%以下、或いは高温劣化試 (107℃×400時間、120℃×100時間)での重量減少 が2%以下の性質のことである。本発明のガス 発生剤組成物では、TG/DTAの熱分析の結果、150 ℃での重量減少率が1%以下であり、熱安定性 優れている。

 本発明のガス発生剤組成物は、従来のガ 発生剤組成物と比較して燃焼時に一酸化炭 や窒素酸化物の生成量が少ない。具体的に 、ガス発生剤組成物をガス発生器に充填し 60L密閉タンク内で燃焼させた場合、従来の ス発生剤組成物(具体例:硝酸グアニジン/塩 性硝酸銅/硝酸ストロンチウム/その他添加 系)では、例えば燃焼時の一酸化窒素の生成 が200~300ppm、二酸化窒素の生成量が80~100ppm、 一酸化炭素の生成量が8000~9000ppm程度であった のに対して、本発明のガス発生剤組成物では 、例えば燃焼時の一酸化窒素の生成量が150~20 0ppm、二酸化窒素の生成量が10~20ppm、一酸化炭 素の生成量が7000~8000ppm程度である(燃焼後の ガスを回収し、ガステック製検知管にて測 )。

 本発明のガス発生剤組成物は、上述した 合物(A)を5~85質量%含有するのが好ましく、9~ 60質量%含有するのがより好ましい。ガス発生 剤組成物中における前記化合物(A)の含有率( 合割合)が5質量%未満であると、化合物(A)を 加したことによる効果が発揮されないおそ がある。本発明のガス発生剤組成物では、 合物(A)の含有量が増加するに従い、発熱量 低下し、線燃焼速度は速くなる。本発明の ス発生剤組成物が、該化合物(A)を9~60質量%含 有する場合には、特に線燃焼速度が速い。

 本発明のガス発生剤組成物は、より燃焼 、ガス化率を向上させる観点から、燃料と て、上述した化合物(A)に加えて、さらに含 素有機化合物を含有することが好ましい。 こで、「含窒素有機化合物」とは、当分野 おいてガス発生のための燃料として用いら てきた窒素を含有する有機化合物であれば 特に制限されることなく本発明に用いるこ ができる。含窒素有機化合物は、分子構造 の窒素原子の比率が高く一酸化炭素の発生 基本的に抑制する構造を有しており、しか 、熱安定性を含めて取り扱い性が容易であ 。

 含窒素有機化合物としては、例えばトリ ゾール、テトラゾール、グアニジン、アゾ カルボンアミド、ヒドラジン、及びそれら 誘導体、ビウレット、並びにアンミン錯体 ら選ばれる少なくとも1種を挙げることがで きる。より具体的には、トリアゾール及びそ の誘導体としては、例えば5-オキソ-1,2,4-トリ アゾールがあげられ、テトラゾール及びその 誘導体としては、例えばテトラゾール、5-ア ノテトラゾール、硝酸アミノテトラゾール ニトロアミノテトラゾール、5,5’-ビ-1H-テ ラゾール、5,5’-ビ-1H-テトラゾールジアンモ ニウム塩、5,5’-アゾテトラゾールジグアニ ウム塩等があげられ、グアニジン及びその 導体としては、例えばグアニジン、ニトロ アニジン、シアノグアニジン、トリアミノ アニジン硝酸塩、硝酸グアニジン、硝酸ア ノグアニジン、炭酸グアニジン、過塩素酸 アニジン等があげられ、アゾジカルボンア ド及びその誘導体としては、例えばアゾジ ルボンアミドがあげられ、ヒドラジン及び の誘導体としては、例えばカルボヒドラジ 、カルボヒドラジド硝酸塩錯体、シュウ酸 ドラジド、金属亜硝酸塩ヒドラジン、金属 酸塩ヒドラジン、金属過塩素酸塩ヒドラジ などを挙げることができる。アンミン錯体 しては、例えば金属亜硝酸塩アンミン錯体 金属硝酸塩アンミン錯体、金属過塩素酸塩 ンミン錯体などを挙げることができる。こ らの含窒素有機化合物の中でも、テトラゾ ル、グアニジン及びそれらの誘導体から選 れる1種以上が更に好ましく、ニトログアニ ン、硝酸グアニジン、シアノグアニジン、 リアミノグアニジン硝酸塩、炭酸グアニジ 、過塩素酸グアニジン、5-アミノテトラゾ ル、及び5,5’-ビ-1H-テトラゾールジアンモニ ウム塩が特に好ましい。

 本発明のガス発生剤組成物中における前 含窒素有機化合物の好ましい含有率(配合割 合)は、用いる含窒素有機化合物中の炭素元 、水素元素およびその他の酸化される元素 数によって異なり、またその絶対値は後述 る酸化剤の種類によっても異なってくるが 45質量%以下であるのが好ましく、10~40質量% あるのがより好ましい。含窒素有機化合物 含有率が45質量%を超える場合には、完全酸 理論量よりも多くなり過ぎて発生ガス中の 量CO濃度が増大する傾向にあるためである。

 本発明のガス発生剤組成物はまた、人体 有害なガスの発生を防ぎ、燃焼性をより向 させる観点から酸化剤を含むことを要する 本発明のガス発生剤組成物に用いられる酸 剤としては、例えばオキソハロゲン酸塩、 び硝酸塩から選ばれる1種以上を挙げること ができるが、これらに制限されるものではな い。

 酸化剤として用いることができるオキソ ロゲン酸塩としては、公知のものが使用で 、例えば過ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩な が挙げられる。過ハロゲン酸塩としては、 えば過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム 過塩素酸ナトリウム、過臭素酸リチウム、 臭素酸カリウム、過臭素酸ナトリウムなど アルカリ金属過ハロゲン酸塩、過塩素酸マ ネシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸カ シウム、過臭素酸マグネシウム、過臭素酸 リウム、過臭素酸カルシウムなどのアルカ 土類金属過ハロゲン酸塩、過塩素酸アンモ ウム、過臭素酸アンモニウムなどのアンモ ウム塩などが挙げられる。ハロゲン酸塩と ては、例えば、塩素酸リチウム、塩素酸カ ウム、塩素酸ナトリウム、臭素酸リチウム 臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウムなどの ルカリ金属ハロゲン酸塩、塩素酸マグネシ ム、塩素酸バリウム、塩素酸カルシウム、 素酸マグネシウム、臭素酸バリウム、臭素 カルシウムなどのアルカリ金属土類ハロゲ 酸塩、塩素酸アンモニウム、臭素酸アンモ ウムなどのアンモニウム塩などが挙げられ 。

 酸化剤として用いることができる硝酸塩 しては、例えば、塩基性金属硝酸塩、硝酸 トリウム、硝酸カリウムなどのアルカリ金 硝酸塩、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム 硝酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金 硝酸塩、相安定化硝酸アンモニウム、硝酸 ンモニウムなどのアンモニウム塩などが挙 られる。

 酸化剤として用いることができる塩基性 属硝酸塩としては、例えば、銅、亜鉛、マ ネシウム、コバルト、マンガン、鉄、ビス ス、セリウムからなる群から選ばれる少な とも1種の金属を含むものが挙げられ、具体 的には、塩基性硝酸銅、塩基性硝酸コバルト 、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マンガン、塩 基性硝酸鉄、塩基性硝酸モリブデン、塩基性 硝酸ビスマス、塩基性硝酸セリウム、或いは これら金属の複塩などが好ましく、塩基性硝 酸銅及び塩基性硝酸亜鉛が更に好ましい。

 本発明では、上述した酸化剤の中でも、 焼温度を低下できることから、塩基性金属 酸塩および/またはアルカリ土類金属硝酸塩 が好ましく、特に塩基性硝酸銅が好ましい。

 これらの酸化剤は、単独で使用すること できるし、また2種類以上を混合して使用す ることも可能である。また、酸化剤は市販品 をそのまま使用することができる。さらに、 酸化剤の形状、粒径などは特に制限されず、 たとえば、酸化剤自体の配合量、他の成分と の配合比率、自動車安全装置の容量などに応 じて広い範囲から適宜選択すればよい。

 酸化剤の含有率(配合割合)は、通常、酸 量を基準として完全に酸化燃焼し得る化学 論量とすればよいが、酸化剤の含有率を適 変更することにより、燃焼速度、燃焼温度 燃焼ガス組成などを任意に調整できるので 広い範囲から適宜選択することができる。 ス発生剤組成物中における酸化剤の含有率 、15~45質量%の範囲が好ましく、20~40質量%の 囲が更に好ましい。酸化剤の含有率(配合割 )が15質量%未満である場合には、酸素供給不 足により一酸化炭素が増加し、また燃焼性が 低下する傾向にあり、また、酸化剤の含有率 (配合割合)が45質量%を超える場合には、過剰 酸素を供給するために、窒素酸化物の発生 が増加する傾向にあるためである。

 本発明のガス発生剤組成物は必要に応じ 、燃焼調整剤、スラグ形成剤、クーラント びバインダより選ばれた添加剤を1種以上含 んでもよい。

 本発明のガス発生剤組成物は、燃焼性改 や排ガス改善を目的として、さらに燃焼調 剤を含有していてもよい。また、燃焼調整 は、燃焼温度を下げる作用、燃焼ガス中の 素酸化物濃度を低減する作用等を有し、ま 酸化剤としても作用するものであり、たと ば、元素周期律表の第4~6周期元素の酸化物 金属酸化物、過酸化物、金属水酸化物、金 炭酸塩及び塩基性炭酸塩などを使用できる 燃焼調整剤を含有する場合、その含有率は ガス発生剤組成物中10質量%以下の範囲が好 しく、1~5質量%の範囲が更に好ましい。

 燃焼調整剤として用いることができる金 酸化物としては、たとえば、酸化銅、酸化 ッケル、酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロ 、酸化マンガンなどの周期律表第4周期元素 の酸化物が挙げられる。

 燃焼調整剤として用いることができる過 化物としては、たとえば、過酸化カリウム 過酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の過 化物、過酸化カルシウム、過酸化ストロン ウム、過酸化バリウムなどのアルカリ土類 属の過酸化物などが挙げられる。

 燃焼調整剤として用いることができる金 水酸化物としては、たとえば、水酸化銅、 酸化ニッケル、水酸化コバルト、水酸化ア ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄 どが挙げられる。

 燃焼調整剤として用いることができる金 炭酸塩としては、たとえば、炭酸リチウム 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カル ウム、炭酸ストロンチウム、塩基性炭酸銅 塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム 塩基性炭酸コバルト、塩基性炭酸ビスマス どが挙げられる。

 上記スラグ形成剤は、ガス発生剤中の特 酸化剤成分から発生する金属、或いは金属 化物とのインタラクションにより、ガス発 器内のフィルターでの濾過を容易にするた に添加される。具体的には、二酸化珪素、 化珪素、炭化珪素、酸性白土、ベントナイ 系、カオリン系等のアルミノケイ酸塩を主 分とする天然に産する粘土、合成マイカ、 成カオリナイト、合成スメクタイト等の人 的粘土、含水マグネシウムケイ酸塩鉱物の 種であるタルク等から選ばれるものを挙げ ことができ、これらの中でも二酸化珪素又 酸性白土が好ましく、特に二酸化珪素が好 しい。スラグ形成剤の配合割合は、ガス発 剤組成物中20質量%以下の範囲が好ましく、2 ~10質量%の範囲が特に好ましい。多すぎると 燃焼速度の低下及びガス発生効率の低下を たらし、少なすぎるとスラグ形成能を十分 揮することができない。

 上記クーラントは、吸熱分解する有機又 無機の化合物、或いは不活性な金属化合物 あり、ガス発生剤の燃焼温度を下げるため 添加される。クーラントの配合割合は、ガ 発生剤組成物中0~10質量%の範囲が好ましい 該クーラントの配合割合が10質量%を超える 、ガス発生剤の燃焼温度が充分上がらず、 望の燃焼速度が得られない場合がある。

 上記バインダは、本発明のガス発生剤組 物の成型体とするときに、破壊強度および の他の機械的性質を改善する観点から、使 される。バインダとしては、ガス発生剤組 物の燃焼挙動に大幅な悪影響を与えないも であれば、特に制限なく用いることができ 。好適なバインダとしては、たとえば、カ ボキシメチルセルロースの金属塩、ヒドロ シエチルセルロース、酢酸セルロース、プ ピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース ニトロセルロース、微結晶性セルロース、 アガム、ポリビニルアルコール、ポリアク ルアミド、デンプンなどの多糖誘導体、ス アリン酸塩などの有機バインダ、二硫化モ ブデン、合成ヒドロキシタルサイト、酸性 土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、 オリン、シリカ、アルミナなどの無機バイ ダを挙げることができる。中でも、セルロ ス系バインダ、酸性白土などをバインダと て用いるのが好ましい。

 本発明のガス発生剤組成物において、バ ンダの含有率(配合割合)は、1~10質量%である のが好ましく、1~5質量%であるのがより好ま い。バインダの含有率が高いと、成形体の 壊強度を高めることができるが、組成物中 炭素元素および水素元素の数が増大し、炭 元素の不完全燃焼生成物である微量COガスの 濃度が増大し、発生ガスの品質を低下させ、 また燃焼を阻害してしまうおそれがあること から、最低量での使用が好ましい。特に、バ インダの含有率が10質量%を超える場合には、 酸化剤の相対的存在割合の増大を必要とし、 ガス発生剤組成物中における燃料(化合物(A) よび含窒素有機化合物)の相対的割合が低下 、ガス発生器の実用化が困難となるおそれ ある。

 なお、上述した燃焼調整剤、スラグ形成 、クーラント及びバインダ等を添加する場 、それら添加剤の合計量は、ガス発生剤組 物中0~10質量%とすることが好ましい。とい のは、これらの添加剤の合計量が10質量%を えると、所望の燃焼速度が得られない場合 ある。

 本発明のガス発生剤組成物は、適当な形 に成形した成型体として使用することが好 しい。本発明のガス発生剤組成物成形体は 上記のガス発生剤組成物を用いる以外特に 限はなく、例えば、該ガス発生剤組成物を 合した後、成形・乾燥することにより、成 体として得られる。該成形体の形状として 、特に制限されるものではなく、ペレット 、ディスク状、球状、棒状、中空円筒状、 孔円筒状、多孔円筒状、こんぺいとう状、 トラポット状などが挙げられる。さらに、 レット状、ディスク状のものは、片面また 両面に1~数個程度の突起を設けてもよい。 起の形状は特に制限されず、たとえば、円 状、円錐状、多角錘状などが挙げられる。

 本発明のガス発生剤組成物は、上述した うに、従来用いられていたガス発生剤組成 と比較して、燃焼性がよく、発熱量が低く また熱安定性に優れ、燃焼時に一酸化炭素 窒素酸化物の生成量が少ない。このような 果を発揮し得るガス発生剤組成物の成形体 、自動車安全装置に特に好適に用いること できる。自動車安全装置としては、運転席 助手席、側面などの各種エアバッグの他、 ートベルト用プリテンショナ、歩行者障害 止システムなどが例示できる。

 自動車安全装置のうちで、エアバッグを 速に膨張展開させるガス発生器は、一般的 、ステアリングやインストルメントパネル に装着されたエアバッグモジュールに組み まれている。この種のガス発生器のうち、 に運転席用エアバッグに用いられるガス発 器の一例として、短尺円筒状のハウジング 有するガス発生器があげられる。

 本発明のガス発生器は、上述したガス発 剤組成物の成形体を備えることを特徴とす 。以下に、図を参照して本発明のガス発生 を詳細に説明する。図1は、上述したガス発 生剤組成物の成形体(錠剤)を備えた、運転席 エアバックに用いられる本発明のガス発生 の一例の断面図である。図示例のガス発生 1は、ハウジング6内に、エンハンサカップ8 ガス発生剤組成物の成型体(錠剤)4、及び冷 部材5を有している。エンハンサカップ8内 点火具2が設置され、またエンハンサ剤3が装 填されている。なお、本発明のガス発生器は 、更にガス発生器に通常用いられる公知の部 品(図示せず)を備えることができる。図示例 ガス発生器1の作動について説明する。セン サー(図示せず)が衝突を感知すると、コント ールユニット(作動器)(図示せず)に信号を送 り、この信号を検知したコントロールユニッ トからの通電によって、コントロールユニッ トに電気的に接続された点火具(スクイブ)2が 作動して発火し火炎が生じる。この火炎によ りエンハンサカップ8内に装填されたエンハ サ剤3が着火し火炎が広がる。この火炎はエ ハンサカップ8に形成された火炎噴出口9か 放出される。火炎噴出口9からの火炎によっ ハウジング6内に装填されているガス発生剤 組成物の成型体(錠剤)4が燃焼して多量のガス を発生させる。発生した多量のガスは、冷却 部材5を通過してガス放出孔7から放出されて アバッグ(図示せず)を膨張させる。ここで 本発明のガス発生器においては、ガス発生 組成物の成型体(錠剤)4に、上述した本発明 ガス発生剤組成物の成形体を用いることを 徴とする。

<<実施例>>
 以下、実施例および比較例を挙げて本発明 より詳細に説明するが、本発明はこれらに 定されるものではない。なお、各試験は以 の方法で行った。

 1.熱分析
 示差熱分析装置(SII社製、商品名:TG/DTA6300)を 使用して発熱開始温度および重量減少率につ いて測定した。なお、測定条件は昇温速度10 /分、温度範囲50~500℃である。測定容器はア ルミセルにピンホールを開けたものを使用し た。

 2.耐環境試験(高温安定性試験)
 ガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)を ルミ容器に入れて密封した後、107℃に調温 れた恒温槽に入れて400時間放置した。その 、ガス発生剤を取り出し、ガス発生剤の分 の有無および重量減少率について確認した

 3.燃焼性試験(60Lタンク試験)
 ガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)47.5g を、図1に示す構造のガス発生器に充填し、60 Lのタンク試験を実施し、圧力立ち上がり時 、最大到達圧力およびその時間を確認した

 4.排ガス測定
 燃焼性試験後、タンク内のガスをテドラー ックに回収し、ガステック製検知管を用い ガス分析を実施した。

 <製造例1>
 硝酸銅(II)3水和物74gと尿素110gを混合し、130 で溶融反応させ、同温度で24時間熱処理し 、本発明に使用される化合物(A-1)を得た。

 <製造例2>
 硝酸銅(II)3水和物11.46gと尿素8.54gを80gの水に 溶解した後、80℃に調温した温水槽に入れて1 2時間放置した。その後、生成した沈殿物を 過分離した後、130℃にて12時間乾燥させて本 発明に使用される化合物(A-2)を得た。

<製造例3>
 過塩素酸鉄(III)n水和物(過塩素酸として純度 70%)の5.06gを10mlの水に溶解し、これに尿素を3. 60g加えて溶解させ、両者を反応させるとすぐ に結晶が析出し、さらに尿素を3.60g加えて48 間攪拌した後、結晶をろ過し、冷エタノー で洗浄し、淡緑色の結晶(化合物(A-3))5.61gを た。

 <実施例1>
 製造例1にて得られた化合物(A-1)10質量部、 酸グアニジン43質量部、塩基性硝酸銅43質量 および酸性白土4質量部を混合した後、この 混合物100質量部に対し、0.6質量%のポリビニ アルコール水溶液11質量部を噴霧添加して顆 粒を作製した。その後、直径6.1mm、厚さ1.60mm ペレットに成形した後、110℃で熱処理して 発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生 剤)を得た。

 <実施例2>
 製造例2にて得られた化合物(A-2)10質量部、 酸グアニジン43質量部、塩基性硝酸銅43質量 および酸性白土4質量部を混合した後、この 混合物100質量部に対し、0.6質量%のポリビニ アルコール水溶液11質量部を噴霧添加して顆 粒を作製した。その後、直径6.1mm、厚さ1.60mm ペレットに成形した後、110℃で熱処理して 発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生 剤)を得た。

 <比較例1>
 硝酸グアニジン53質量部、硝酸ストロンチ ム22.5質量部、塩基性硝酸銅22.5質量部、およ び酸性白土2.0質量部を混合した後、この混合 物100質量部に対し、0.6質量%のポリビニルア コール水溶液12質量部を噴霧添加して顆粒を 作製した。その後、直径6.1mm、厚さ1.60mmのペ ットに成形した後、110℃で熱処理をして比 例用のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生 剤)を得た。

 <比較例2>
 硝酸グアニジン40.5質量部、尿素10質量部、 基性硝酸銅47.5質量部、および酸性白土2.0質 量部を混合した後、この混合物100質量部に対 し、0.6質量%のポリビニルアルコール水溶液11 質量部を噴霧添加して顆粒を作製した。その 後、直径6.1mm、厚さ1.60mmのペレットに成形し 後、110℃で熱処理をして比較例用のガス発 剤組成物の成形体(ガス発生剤)を得た。

 <熱分析>
 製造例1、製造例2、及び製造例3の化合物に いて示差熱分析を実施した。その結果を表1 に示す。製造例1、製造例2のそれぞれの原材 である硝酸銅(II)3水和物、尿素はそれぞれ16 0℃未満で融解および分解したのに対し、製 例1、製造例2、及び製造例3の化合物は230℃ 近から分解を開始したことから、単独で使 するよりも熱安定性が向上していることが かる。

 <耐環境試験(高温安定性試験)>
 実施例1~2、比較例1および比較例2のガス発 剤組成物の成形体を、107℃×400時間の耐環境 試験に投入した。初期重量および試験後重量 から算出した重量減少率を表2に示す。実施 1~2の重量減少率は1%以下であり、ガス発生剤 として使用可能である。比較例2のように尿 を単体で添加した場合は重量減少率が5%を超 えていることから、化合物(A)を含む本発明の ガス発生剤組成物は、尿素単体のガス発生剤 組成物より熱安定性が向上していることが分 かる。

 <燃焼性試験(60Lタンク試験)>
 実施例1~2、および比較例1について、60Lタン ク試験を実施した。その結果およびガス発生 器の冷却部材重量を表3に示す。実施例1~2の 力立ち上がり時間(t1)は比較例1に比べて速く 、着火性が向上している。最大到達圧力(Pmax) はいずれも同等であるが、実施例1~2は比較例 1より最大圧力到達時間(tPmax)が速いことから 燃焼速度も速くなる傾向にある。また、実 例1~2は燃焼温度が低下しているため、比較 1に比べて冷却部材を25g減らすことが可能で ある。

 <排ガス測定>
 実施例1~2、および比較例1について60Lタンク 試験後の排ガスを回収し、燃焼後の発生ガス 分析を実施した。その結果を表4に示す。実 例1~2は比較例1と比べると、一酸化炭素、一 化窒素および二酸化窒素の発生量が低減し おり、燃焼後の排ガス成分が改善されてい ことが分かる。

 今回開示された実施の形態、実施例およ 比較例はすべての点で例示であって制限的 ものではないと考えられるべきである。本 明の範囲は上記した説明ではなくて特許請 の範囲によって示され、特許請求の範囲と 等の意味および範囲内でのすべての変更が まれることが意図される。




 
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