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Title:
GASKET FOR SYRINGE AND SYRINGE COMPRISING THE GASKET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084646
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a gasket, for a syringe, constructed so as to come into slidable contact with a syringe fluid-tightly within an external cylinder of the syringe. The gasket comprises a gasket body formed of an elastic body and a covering layer provided at least in a part, in the gasket body, which comes into contact with the syringe. The covering layer is formed of a composition containing a silicone resin and free from solid fine particles. The silicone resin comprises a condensate of a terminal silanol group-containing reactive silicone and has a siloxane bond derived from the silanol group.

Inventors:
HORIUCHI AIKO (JP)
WATANABE EIJI (JP)
SUZUKI SHIGERU (JP)
SHIMODA MASAMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073767
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TERUMO CORP (JP)
HORIUCHI AIKO (JP)
WATANABE EIJI (JP)
SUZUKI SHIGERU (JP)
SHIMODA MASAMI (JP)
International Classes:
A61M5/315; A61M5/28
Foreign References:
EP1870117A22007-12-26
JP2001190654A2001-07-17
JPH11236530A1999-08-31
JP2005306902A2005-11-04
JPS6232970A1987-02-12
JP2002089717A2002-03-27
US7111848B22006-09-26
JP2004321614A2004-11-18
JP2006167110A2006-06-29
Other References:
See also references of EP 2226088A4
Attorney, Agent or Firm:
MUKAIYAMA, Shoichi (Marunouchi Office Forum 1-30, Marunouchi 2-chome, Naka-k, Nagoya-shi Aichi 02, JP)
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Claims:
シリンジの外筒内を液密に摺動可能に接触するよう形成されたガスケットであって、該ガスケットは、弾性体からなるガスケット本体と、少なくとも前記シリンジと接触する部分に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は、末端シラノール基を有する反応性シリコーンの縮合物からなり前記シラノール基に由来するシロキサン結合を有するシリコーン系樹脂を含有する組成物からなるとともに固体微粒子を含まないことを特徴とするシリンジ用ガスケット。
前記反応性シリコーンは、末端シラノール基を有するポリジメチルシロキサンである請求項1に記載のシリンジ用ガスケット。
前記反応性シリコーンは、両末端にシラノール基を有するものである請求項1または2に記載のシリンジ用ガスケット。
前記組成物は、前記シロキサン結合を有するシリコーン系樹脂と異なる第2のシリコーン系化合物を含有している請求項1ないし3のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
前記第2のシリコーン系化合物は、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、アミノアルキルアルコキシシランまたはグリシドキシアルキルアルコキシシランである請求項4に記載のシリンジ用ガスケット。
前記組成物は、アルキルアルコキシシランまたはフェニルアルコキシシランを第2のシリコーン系化合物として含有し、さらに、アミノアルキルアルコキシシランまたは/およびグリシドキシアルキルアルコキシシランを第3のシリコーン系化合物として含有している請求項4に記載のシリンジ用ガスケット。
前記組成物は、アルキルアルコキシシランまたはフェニルアルコキシシランを第2のシリコーン系化合物として含有し、さらに、アミノアルキルアルコキシシランを第3のシリコーン系化合物として含有し、グリシドキシアルキルアルコキシシランを第4のシリコーン系化合物として含有している請求項4に記載のシリンジ用ガスケット。
前記シリコーン系樹脂は、熱硬化性型シリコーン系樹脂である請求項1ないし7のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
前記被覆層は、厚さが1~30μmである請求項1ないし9のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
前記被覆層は、初期摺動抵抗値が動的摺動抵抗値の最高値以下である請求項1ないし9のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
前記シリンジ用ガスケットは、プラスチック製外筒を用いるシリンジ用のガスケットである請求項1ないし10のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
外筒と、該外筒内に摺動可能に収納された請求項1ないし10のいずれかに記載のガスケットと、該ガスケットに取り付けられた、あるいは取り付け可能なプランジャーとを有することを特徴とするシリンジ。
前記シリンジは、薬液が充填されたものである請求項12に記載のシリンジ。
前記外筒内での前記ガスケットの低速摺動時(100mm/min)における動的摺動抵抗値が20N以下である請求項12または13に記載のシリンジ。
前記外筒は、プラスチック製外筒である請求項12ないし14のいずれかに記載のシリンジ。
Description:
シリンジ用ガスケットおよびそ を備えたシリンジ

 本発明は、安定した摺動性を有するシリ ジ用ガスケット、および該ガスケットを備 たシリンジに関する。

 従来から、薬剤取り違え、院内感染防止、 棄性、病院業務の効率などの理由から薬液 予め充填したプレフィルドシリンジが使用 れている。プレフィルドシリンジに使用さ るシリンジに拘わらずシリンジは、一般に 外筒と、シリンジ内で摺動し得るガスケッ と、このガスケットを移動操作するプラン ャーとで構成されている。シリンジの多く 、ガスケットの摺動性を高め、薬液の吐出 おおきな乱れが発生せずに高い流動精度を るため、ガスケットの外面の摺動部若しく シリンジの内面にシリコーンオイル等が潤 剤として塗布されている。しかし、薬液に ってはこのシリコーンオイル等の潤滑剤と 相互作用が生じることが知られている。ま 、薬液を充填後長期間にわたって保管する 当該相互作用によって薬液が変質してしま ため、プレフィルド化が困難な薬剤もある
 特に薬液を充填した状態で長期間保管する レフィルドシリンジにおいては、薬液の安 性を維持し続けられる、潤滑剤不要のもの 望まれている。

 そこで、上記の課題を解決するものとして 特許文献1(特開昭62-32970号公報)、特許文献2( 特開2002-089717号公報 米国特許7111848号公報)な ど、ガスケットの表面をガスケット本体材料 より摩擦係数の低い材料であるフッ素系樹脂 で被覆することにより、潤滑剤を不要とした プレフィルドシリンジが提案されている。
 また、本出願人は、フッ素系樹脂、ケイ素 樹脂及びウレタン系樹脂により構成された 覆層を有するガスケットに関する特許文献3 (特開2004-321614号公報)、摺動性付与成分と柔 性付与成分とを含有する組成物により形成 れた被膜と、ガスケットに粗面表面を形成 るため該被膜に保持された微粒子とからな 被覆層を有するガスケットに関する特許文 4(特開2006-167110号公報)を提案している。

特開昭62-32970号公報

特開2002-089717号公報,米国特許7111848号公

特開2004-321614号公報

特開2006-167110号公報

 上記特許文献1(特開昭62-32970号公報)及び特 文献2(特開2002-089717号公報 米国特許7111848号 報)に示されたガスケットは、使用条件によ っては効果が期待できる。しかし、高い圧力 をかけて薬液を吐出させたり、シリンジポン プ等を用いて薬液を極めて高い精度で長時間 にわたって少量ずつ安定して吐出させる性能 が求められるプレフィルドシリンジ製剤にお いては、シリンジに対して求められる基本性 能である液密性と摺動性とがいまだトレード オフの関係にある。これらの性能を高い次元 で両立させるとともに、更なる高機能を有す るシリンジが必要とされている。
 すなわちシリンジポンプを用いた薬液投与 おいては、目視では確認できない程の極低 条件下(例えば、直径約24mmのシリンジにお て、1mL/時間で吐出させた場合の移動速度は 2mm/時間程度である)において薬液を吐出さ た場合、脈動と呼ばれる不安定な吐出の状 が生じがちであり、薬液の正確な投与が妨 られるおそれがあった。

 また、特許文献3(特開2004-321614号公報)及び 許文献4(特開2006-167110号公報)に示されたガス ケットは、液密性を備えかつ、摺動面に潤滑 剤を付与することなく、安定した摺動性を有 するものである。しかし、前者においては被 覆層を形成する材料が多種にわたり製造上お よびコスト上の問題がある。後者においては さらに被覆層に保持された微粒子に起因する 被覆層形成の際に生じる困難性が問題となっ ていた。
 そこで、本発明は、上記問題点を解決する のであり、摺動面に潤滑剤を付与すること く安定した摺動性を有するガスケットおよ それを備えたシリンジを提供するものであ 。

 上記目的を解決するものは、以下のもので る。
 シリンジの外筒内を液密に摺動可能に接触 るよう形成されたガスケットであって、該 スケットは、弾性体からなるガスケット本 と、少なくとも前記シリンジと接触する部 に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は 末端シラノール基を有する反応性シリコー の縮合物からなり前記シラノール基に由来 るシロキサン結合を有するシリコーン系樹 を含有する組成物からなるとともに固体微 子を含まないシリンジ用ガスケット。
 また、上記目的を解決するものは、以下の のである。
 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納された 記のガスケットと、該ガスケットに取り付 られた、あるいは取り付け可能なプランジ ーとを有することを特徴とするシリンジ。

図1は、本発明の実施例であるガスケッ トの正面図である。 図2は、図1に示すガスケットの断面図 ある。 図3は、図1に示すガスケットの平面図 ある。 図4は、図1に示すガスケットの底面図 ある。 図5は、図1に示すガスケットを使用す プレフィルドシリンジの断面図である。 図6は、本発明の実施例のシリンジの吐 出特性結果を示す図である。 図7は、比較例のシリンジの吐出特性結 果を示す図である。

 本発明の実施例であるガスケットについて 明する。
 図1は、本発明の実施例であるガスケットの 正面図である。図2は、図1に示すガスケット 断面図である。図3は、図1に示すガスケッ の平面図である。図4は、図1に示すガスケッ トの底面図である。図5は、図1に示すガスケ トを使用するプレフィルドシリンジの断面 である。
 本発明のガスケット1は、シリンジの外筒内 に摺動可能に接触するガスケットであって、 シリンジと接触する部分に設けられた被覆層 3を備えており、かつ、被覆層3は、後述する 定のシリコーン系樹脂を含有する組成物に り形成されている。
 本発明のガスケットをシリンジ用ガスケッ およびシリンジに応用した実施例を用いて 明する。

 この実施例のガスケット1は、シリンジ用ガ スケット1であり、シリンジ用外筒11の内部に 液密かつ摺動可能に収納されるものである。 また、ガスケット1は、外筒11と接触する部分 に設けられた被覆層3を備えており、かつ、 覆層3は、後述する特定のシリコーン系樹脂 含有している。このガスケット1は、コア部 2と、少なくともコア部2の外面であって外筒 面と接触する部分に設けられた被覆層3とを 備えている。なお、コア部2の外面全体に被 層3を設けてもよい。
 シリンジ用ガスケット1のコア部2は、図1,図 2,図5に示すように、ほぼ同一外径に延びる本 体部5と、本体部5の先端側に設けられ先端側 向かってテーパー状に縮径するテーパー部6 と、本体部5の基端から先端側に向かって内 に設けられたプランジャー取付部4と、本体 5の先端部側面に設けられた先端側環状リブ 7aと、本体部5の後端部側面に設けられた後端 側環状リブ7bを備えている。プランジャー取 部4は、図2,図4に示すように、本体部5の内 において基端から先端部付近まで延びる略 柱状の凹部となっており、凹部側面には、 ランジャーの先端部に形成された螺合部と 合可能な螺合部8が設けられている。凹部の 端面は、ほぼ平坦に形成されている。なお プランジャー取付部は、螺合部に限定され 、プランジャーの先端部と係合する係合部 あってもよい。

 環状リブ7a,7bは、シリンジ用外筒11の内径よ り若干大きく作製されているため、外筒11内 圧縮変形するものとなっている。また、実 例において、環状リブは、2つ設けられてい るが、1つあるいは3つ以上設けられていても い。
 コア部2の構成材料としては、弾性材料であ ることが好ましい。弾性材料としては、特に 限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプ レンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、 ニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-ブタジ ンゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料( 特に、加硫処理したもの)や、スチレン系エ ストマー、水添スチレン系エラストマー、 びこれらスチレン系エラストマーにポリエ レン、ポリプロピレン、ポリブテン、α-オ フィン共重合体等のポリオレフィンや、流 パラフィン、プロセスオイル等のオイルや ルク、キャスト、マイカなどの粉体無機物 混合したものが挙げられる。さらに、ポリ 化ビニル系エラストマー、オレフィン系エ ストマー、ポリエステル系エラストマー、 リアミド系エラストマー、ポリウレタン系 ラストマーや、それら混合物等が構成材料 して使用できる。構成材料としては、特に 弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高 圧蒸気滅菌が可能などの観点からジエン系ゴ ム、スチレン系エラストマーが好ましい。

 被覆層3は、少なくとも環状リブ部分に設け られていればよい。具体的には、被覆層3は 先端側環状リブ7aと基端側環状リブ7b部分に けられていればよい。被覆層3の厚さは、1~3 0μm、特に、3~10μmであることが好ましい。1μm 以上であれば、必要な摺動性能を発揮し、30 m以下であれば、ガスケットの弾性に影響を えることがない。被覆層3は、微粒子を含ま ないものとなっている。シリコーン系樹脂と しては、有機溶剤で溶解した溶剤系、および 水に乳化、分散した水系のいずれも適用でき るが、ガスケット材料への影響の点、あるい は薬液収納容器としての適性の点から、水系 のものが好ましい。被覆層3は、ガスケット 体1を構成している前記弾性材料よりも、摩 係数の低い材料で構成される樹脂で構成さ ている。
 被覆層3は、末端シラノール基を有する反応 性シリコーン系樹脂を含有する組成物からな るとともに固体微粒子を含まないものとなっ ている。
 また、被覆層3は、末端シラノール基を有す る反応性シリコーンの縮合物からなりシラノ ール基に由来するシロキサン結合を有するシ リコーン系樹脂を含有する組成物からなると ともに固体微粒子を含まないものとなってい る。
 そして、反応性シリコーン系樹脂を含有す 組成物は、熱硬化性型シリコーン系樹脂、 温硬化型シリコーン系樹脂であることが好 しく、特に、作業性などの点より、熱硬化 型シリコーン系樹脂であることが好ましい
 反応性シリコーンとしては、末端シラノー 基を有するポリジメチルシロキサンである とが好ましい。特に、反応性シリコーンは 両末端にシラノール基を有するものである とが好ましい。そして、反応性シリコーン して、上述した末端シラノール基を有する リシロキサン系シリコーンを用いた場合、 の反応性シリコーンの縮合物は、主鎖の全 にシロキサン結合を有するものとなる。

 そして、末端シラノール基を有する反応性 リコーンとしては、具体的には、両末端シ ノールポリジメチルシロキサン、両末端シ ノールポリジフェニルシロキサン、両末端 ラノールジフェニルシロキサン-ジメチルシ ロキンサンコポリマーなどの両末端にシラノ ール基を有するポリシロキサン系シリコーン が好適である。また、反応性シリコーンの形 態としては、特に限定されないが、上記のよ うな反応性シリコーンシロキサン化合物、又 はその縮合物からなるポリシロキサンを水性 媒体に分散、乳化、溶解したもの、さらにア ルコキシシリル基含有ビニルモノマ-を必要 応じて他のビニルモノマ-と共重合してなる 重合体エマルジョン、有機重合体にポリシ キサンを複合化させてなるエマルジョンな も使用できる。
 そして、被覆層3を形成する樹脂組成物は、 シラノール基もしくはシロキサン結合を有す る反応性シリコーン系樹脂と異なる第2のシ コーン系化合物を含有していることが好ま い。第2のシリコーン系化合物としては、ア キルアルコキシシラン、フェニルアルコキ シラン、アルキルフェノキシシラン、アミ アルキルアルコキシシランまたはグリシド シアルキルアルコキシシランなどが好適で る。
 さらに、被覆層3を形成する組成物は、アル キルアルコキシシランまたはフェニルアルコ キシシランを第2のシリコーン系化合物とし 含有し、さらに、アミノアルキルアルコキ シランまたは/およびグリシドキシアルキル ルコキシシランを第3のシリコーン系化合物 として含有していることが好ましい。
 より好ましくは、被覆層を形成する樹脂組 物は、アルキルアルコキシシランまたはフ ニルアルコキシシランを第2のシリコーン系 化合物として含有し、さらに、アミノアルキ ルアルコキシシランを第3のシリコーン系化 物として含有し、グリシドキシアルキルア コキシシランを第4のシリコーン系化合物と て含有していることが好ましい。

 また、第2のシリコーン系化合物としては、 アルキルアルコキシシラン、アルキルフェノ キシシラン、フェニルアルコキシシランなど が好ましい。アルキルアルコキシシランとし ては、炭素数が1~20の少なくとも一個のアル ル基および炭素数が1~4の少なくとも一個の ルコキシ基を有する。メチルトリメトキシ ラン、メチルトリエトキシシラン、メチル リイソブトキシシラン、メチルトリブトキ シラン、メチルsec-トリオクチルオキシシラ 、イソブチルトリメトキシシラン、シクロ キシルメチルジメトキシシラン、ジイソプ ピルジメトキシシラン、プロピルトリメト シシラン、ジイソブチルジメトキシシラン n-オクチルメトキシシロキサン、エチルト メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ 、オクチルトリエトキシシラン、ヘキシル リメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシ ラン、オクタメチルシクロテトラシロキサ 、メチルトリ(アクリロイルオキシエトキシ) シラン、オクチルトリエトキシシラン、ラウ リルトリエトキシシラン、ステアリルトリメ トキシシラン、ステアリルトリエトキシシラ ン、エチルトリエトキシシラン、プロピルト リエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラ ン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルト リメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシ ラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチ ルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキ シシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニ ルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシ シラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデ シルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエ トキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン 、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシル トリメトキシシラン、トリデシルトリエトキ シシラン、テトラデシルトリメトキシシラン 、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタ デシルトリメトキシシラン、ペンタデシルト リエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキ シシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン 、ヘプタデシルトリメトキシシラン、ヘプタ デシルトリエトキシシラン、オクタデシルト リメトキシシラン、オクタデシルトリエトキ シシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、 ノナデシルトリエトキシシラン、エイコシル トリメトキシシラン、エイコシルトリエトキ シシランなどが好適である。
 アルキルフェノキシシランとしては、例え 、メチルトリフェノキシシランなどが好適 ある。また、フェノキシアルコキシシラン しては、フェニルトリメトキシシラン、フ ニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメ キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン どが好適である。
 さらには、第2のシリコーン系化合物として 、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、ト メチルクロロシラン、ジメチルクロロシラ 、メチルトリクロロシラン、テトラエトキ シラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメ キシシラン、トリデカフルオロオクチルト メトキシシラン、テトラプロポキシランな も使用できる。

 さらに、第2のシリコーン系化合物として、 アミノアルキルアルコキシシランを用いても よい。アミノアルキルアルコキシシランとし ては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン 3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメト シシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピ メチルジメトキシシラン、3-アミノプロピ トリメトキシシラン、3-フェニルアミノプロ ピルトリメトキシシランなどが好適である。
 さらに、第2のシリコーン系化合物として、 グリシドキシアルキルアルコキシシランを用 いてもよい。グリシドキシアルキルアルコキ シシランとしては、3-グリシドキシプロピル リメトキシシラン、3-グリシドキシプロピ トリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピ ルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシ ロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポ キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシ ンなどが好適である。
 さらに、第2のシリコーン化合物としては、 3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ジ リルジメチルシラン、n-オクチルジメチル ロロシラン、テトラエトキシシラン、トリ ルオロプロピルトリメトキシシランのシラ 系化合物などを用いてもよい。
 そして、被覆層3を形成する組成物は、第2 よび第3のシリコーン系化合物を含有するも であってもよい。第2のシリコーン化合物と しては、アルキルアルコキシシラン、アルキ ルフェノキシシラン、フェニルアルコキシシ ランより選択することが好ましい。また、第 3のシリコーン系化合物としては、アミノア キルアルコキシシランまたはグリシドキシ ルキルアルコキシシランを用いることが好 しい。さらに、被覆層を形成する組成物は 第2、第3および第4のシリコーン系化合物を 有するものであってもよい。第2のシリコー 化合物としては、アルキルアルコキシシラ 、アルキルフェノキシシラン、フェニルア コキシシランより選択することが好ましい また、第3のシリコーン系化合物としては、 アミノアルキルアルコキシシランが好ましく 、第4のシリコーン系化合物としては、グリ ドキシアルキルアルコキシシランを用いる とが好ましい。

 なお、本発明のガスケットに形成された被 層3では、「固体微粒子」を含まないものな っている。ここでいう「固体微粒子」とは、 被覆層3を形成した場合にその外表面の粗度 影響を与える程度の大きさを有する粒子を い、具体的には被覆層3の厚みに対して10%よ 大きい粒径を有するものをいう。
 以上のように被覆層3を有することにより、 本発明のガスケット1は、摺動面に潤滑剤を 与することなく安定した摺動性を有すると もに、薬剤収納空間内の密封性を維持する とができる。そして、被覆層(言い換えれば 被膜層を有するガスケット)は、初期摺動抵 抗値が動的摺動抵抗値の最高値以下であるこ とが好ましい。このようなものであれば、良 好な初期摺動が開始できかつ、過剰な初期移 動を起こすこともない。
 さらに、水性シリコーン系樹脂としては、 橋重合体であるコア部とそれを被覆する非 橋重合体であるシェル部とを有し、シェル 表面近傍にポリシロキサンを有するポリシ キサン複合水性エマルジョンが好適に使用 きる。

 次に、被覆層3の形成方法について説明する 。被膜層の形成方法は、上述のシリコーン系 樹脂を所要組成にて所要量配合したものを精 製水に分散、懸濁させた被覆液を調製する。 そして、この被覆液を清浄なガスケット表面 に対して塗布させた後、硬化させることで得 られる。このとき、ガスケット表面に塗布さ せる方法としては、浸漬法、噴霧法等、従来 公知の方法で行うことができる。特に、被覆 対象物を回転(具体的には、100~600rpm)させた状 態にて、被覆液を噴霧塗布(スプレー塗布)す ことが好ましい。さらに、噴霧塗布を行う 合には、ガスケットの被覆対象部位を60~120 程度に加熱処理した後に行うことが好まし 。このようにすることにより、被覆対象表 に対して、撥水することなく、速やかに被 液が定着する。
 硬化方法としては、常温放置でもよいが、 熱硬化が好ましい。加熱硬化させる方法と ては、ガスケット基材を変質、あるいは変 させない方法であれば特に限定されるもの はないが、熱風乾燥、赤外線を使用した乾 炉などが挙げられる。あるいは減圧乾燥機 用いる方法など従来公知の方法で行うこと できる。形成される被覆層の厚さは、1~30μm 程度で良く、好ましくは3~10μmである。この うな被膜層を形成するにあたっては、混合 の濃度、あるいは浸漬手法、噴霧手法を適 に制御することで、容易に形成可能である

 なお、シリコーン系樹脂を含有する被覆液 調製には、熱硬化を促進させるための触媒 添加剤として用いてもよい。
 触媒としては、酸、アルカリ、アミン、金 の有機塩、チタネート、ボレートが用いら るが、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄、ま はコバルト、スズ、鉛などの有機酸塩類が ましい。
 特に、スズの有機酸塩としては、ビス(2-エ ルヘキサノエート)スズ、ビス(ネオデカノ ート)スズ、ジ-n-ブチルビス(2-エチルヘキシ マレート)スズ、ジ-n-ブチルビス(2,4-ペンタ ジオネート)スズ、ジ-n-ブチルブトキシクロ ロスズ、ジ-n-ブチルジアセトキシスズ、ジ-n- ブチルジラウリル酸スズ、ジメチルジネオデ カノエートスズ、ジメチルヒドロキシ(オレ ート)スズ、ジオクチルジラウリル酸スズな が使用できる。

 また、シリコーン系樹脂を含有する被覆液 調製には、液を均一に乳化、懸濁、分散さ ておくために、界面活性剤や、アルコール の添加剤を用いてもよい。
 界面活性剤としては、陰イオン(アニオン) 面活性剤であることが好ましい。陰イオン( ニオン)界面活性剤としては、どのようなも のでもよいが、脂肪族モノカルボン酸塩、ポ リオキシエチレンアルキルエーテルカルボン 酸塩、N-アシルサルコシン酸塩、N-アシルグ タミン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩 アルカンスルホン酸塩、アルファオレフィ スルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスル ン酸塩、分子鎖アルキルベンゼンスルホン 塩、ナフタレンスルホン酸塩-ホルムアルデ ド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸 、N-メチル-N-アシルタウリン、アルキル硫 塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 酸塩、油脂硫酸エステル塩、アルキルリン 塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニ エーテル硫酸塩などが使用できる。
 また、非イオン(ノニオン)界面活性剤を用 てもよい。非イオン(ノニオン)界面活性剤と しては、どのようなものでもよいが、ポリオ キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ アルキレン誘導体、ポリオキシエチレンアル キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノ ールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ソ ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ ンアルキルアミン、アルキルアルカノールア ミドなどが使用できる。

 また、本発明のシリンジ10は、外筒11と、外 筒11内に摺動可能に収納されたガスケット1と 、ガスケット1に取り付けられた、あるいは り付け可能なプランジャー17とを有する。
 具体的には、シリンジ10は、図5に示すよう 、先端部に注射針取付部15が設けられ後端 にフランジ16が対向して設けられたシリンジ 用外筒11と、シリンジ用外筒11の内面12を液密 かつ気密に摺動可能なシリンジ用ガスケット 1と、シリンジ用ガスケット1に取り付けられ しくは取り付け可能なプランジャー17と、 リンジ用外筒11の注射針取付部15を封止する 止部材18と、封止部材18と外筒内面12とシリ ジ用ガスケット1との間に形成された薬剤26 収納する薬剤収納部19からなる。なお、注 針取付部15には、封止部材18ではなく、注射 が取り付けられていてもよい。また、封止 材としては、図5に示すように、両頭針を直 接挿通可能な刺通部を有するタイプであって も良いし、封止部材を外すことではじめて薬 剤の排出が可能になるタイプであっても良い 。また、ガスケット1は、上述した被覆層3を えている。そして、このシリンジ10では、 筒11内でのガスケット1の低速摺動時(100mm/min) における動的摺動抵抗値が20N以下であること が好ましい。このような低動的摺動抵抗値は 、ガスケット1が上述した被覆層3を有するこ により得ることができる。特に、外筒11内 のガスケット1の低速摺動時(100mm/min)におけ 動的摺動抵抗値は、1N~20Nであることが好ま い。

 特に、この医療用具は、プレフィルドシリ ジ25であり、図5に示すように、シリンジ10 薬剤26からなる。
 シリンジ用外筒11は、先端部に注射針取付 15が設けられ、後端部にフランジ16が設けら た円筒状部材である。シリンジ用外筒11は 透明もしくは半透明材料により形成されて る。好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過 の少ない材料により形成されている。また 形成材料としては、110℃以上のガラス転移 、または融点を有する材料であることが好 しい。
 外筒11の形成材料としては、汎用される各 硬質プラスチック材料、例えば、ポリプロ レン、ポリエチレン、ポリ(4-メチルペンテ -1)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィ 、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ ンナフタレート、非晶性ポリアレート等の リエステル、ポリスチレン、ポリアミド、 リカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリ 樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレ ン共重合体、非晶性ポリエーテルイミドなど が好ましく、特に、ポリプロピレン、ポリ(4- メチルペンテン-1)、環状ポリオレフィン、ポ リエチレンナフタレート、及び非晶性ポリエ ーテルイミドが透明性、熱滅菌耐性の点で好 ましい。これらの樹脂はバレルに限らず、薬 剤を収納可能な容器に共通して使用可能なも のである。さらに、ガラスを形成材料として 用いてもよい。

 また、図5に示すようにプランジャー17は、 面十字状の軸方向に延びる本体部20と、プ ンジャー取付部4と螺合するプランジャー17 先端部に設けられたプランジャー側螺合部21 と、プランジャー側螺合部21と本体部20との に設けられた円盤状のガスケット押圧部と 本体部20の後端に設けられた押圧用の円盤部 22と、本体部20の途中に設けられた円盤状の ブを備えている。
 そして、この実施例のシリンジ10の内部に 、薬剤26が収納されている。薬剤26としては 液剤であっても粉末剤や凍結乾燥剤などの 形剤であっても良いが、難水溶性、吸着性 高い薬液、界面活性剤を含む低粘稠、かつ 透力の高い薬液などを収納した場合、シリ ーンオイルを必要とせず、また被覆層3を収 納された薬剤に接する部分に設けた場合は薬 剤吸着等を防止できることからより好適に用 いることができる。
 そして、プランジャー17および封止部材18の 構成材料としては、ポリ塩化ビニル、高密度 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー ボネート、アクリル樹脂等の硬質もしくは半 硬質樹脂を用いることが好ましい。

 以下、本発明の具体的な実施例について説 する。
(実施例1)
 ブチルゴムを用いて、図1および図2に示す 状のシリンジ用ガスケットのコア部を作製 た。コア部の形成は、ブチルゴムに添加剤 配合した加硫性ゴム組成物をプレス成形す ことにより行った。得られたコア部の形状 、長さ20mm、先端側及び後端側環状リブ部分 の外径23.7mm、先端側環状リブ中央と後端側 状リブ中央間の長さ10mm、先端側環状リブと 後端側環状リブ間の同一外径部分での外径21. 5mm、内側に雌ねじ部を有するプランジャー取 付用凹部の長さ(深さ)8mm、プランジャー取付 凹部の先端側での内径14.5mm、及び後端側で 内径15mmであった。
 次に、精製水66重量部に、シリコーン系樹 29重量部、ジオクチルジラウリル酸スズ1重 部を添加して、被覆液を調製した。なお、 リコーン系樹脂は以下のものを、直鎖アル ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて 合した。

1)主成分が両末端シラノールポリジメチルシ キサンである製品名1501Fluid(東レ・ダウコー ニング株式会社製)25重量部
2)主成分がメチルトリメトキシシランである 品名Z-6366(東レ・ダウコーニング株式会社製 )0.1重量部
3)主成分が3-アミノプロピルトリエトキシシ ンである製品名Z-6011(東レ・ダウコーニング 式会社製)とマレイン酸無水物のエタノール 溶液の混合物1重量部(樹脂率は50%)
4)主成分が3-グリシドキシプロピルトリメト シシランである製品名Z-6040(東レ・ダウコー ング株式会社製)0.5重量部

 そして、室温、常圧環境下において、上 のように作製したガスケットコア部材を、9 0℃、30分間加熱処理した後、その中心軸を中 心として回転(300rpm)させるとともに、ガスケ トの回転する側面側より、上記組成の被覆 をスプレー塗布した後、150℃、30分間乾燥 せることによって、本発明のガスケットを 製した。その後、作製したガスケット上の 分な被覆液を洗うために、80℃以上の精製水 で、洗浄を実施した。なお、コア部材の表面 に形成された被覆層の平均厚さは、約8μmで った。このガスケットを実施例1とした。

(実施例2)
 精製水66重量部に、実施例1と同じシリコー 系樹脂29重量部、ジオクチルジラウリル酸 ズ1重量部を添加して、主剤を調製した。
 主剤8重量部に対して、精製水5重量部を添 して、混合することにより、被覆液を調製 た。そして、室温、常圧環境下において、 述のように作製したガスケットコア部材を 90℃、30分間加熱処理した後、その中心軸を 心として回転(300rpm)させるとともに、ガス ットの回転する側面側より、上記組成の被 液をスプレー塗布した後、150℃、30分間乾燥 させることによって、本発明のガスケットを 作製した。その後、作製したガスケット上の 余分な被覆液を洗うために、80℃以上の精製 で、洗浄を実施した。なお、コア部材の表 に形成された被覆層の平均厚さは、約5μmで あった。このガスケットを実施例2とした。

(実施例3)
 精製水66重量部に、シリコーン系樹脂29重量 部、ジオクチルジラウリル酸スズ1重量部を 加して、被覆液を調製した。なお、シリコ ン系樹脂は以下のものを、直鎖アルキルベ ゼンスルホン酸ナトリウムを用いて混合し 。
1)主成分が両末端シラノールポリジメチルシ キサンである製品名DMS-S14(GELEST社製)25重量
2)主成分がメチルトリメトキシシランである 品名SIP6560.0(GELEST社製)0.1重量部
3)主成分が3-アミノプロピルトリエトキシシ ンである製品名SIA0610.0(GELEST社製)とマレイン 酸無水物のエタノール溶液の混合物1重量部( 脂率50%)
4)主成分が3-グリシドキシプロピルトリメト シシランである製品名SIG5840.1(商品名、GELEST 製)0.5重量部
 そして、室温、常圧環境下において、上述 ように作製したガスケットコア部材を、90 、30分間加熱処理した後、その中心軸を中心 として回転(300rpm)させるとともに、ガスケッ の回転する側面側より、上記組成の被覆液 スプレー塗布した後、150℃、30分間乾燥さ ることによって、本発明のガスケットを作 した。その後、作製したガスケット上の余 な被覆液を洗うために、80℃以上の精製水で 、洗浄を実施した。なお、コア部材の表面に 形成された被覆層の平均厚さは、約8μmであ た。このガスケットを実施例3とした。

(実施例4)
 精製水66重量部に、シリコーン系樹脂29重量 部、ジオクチルジラウリル酸スズ1重量部を 加して、被覆液を調製した。なお、シリコ ン系樹脂は以下のものを、直鎖アルキルベ ゼンスルホン酸ナトリウムを用いて混合し 。
1)主成分がシラノール基を有するポリアルキ フェニルシロキサンである製品名YR3204(モメ ンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ ジャパン合同会社製)25重量部
2)主成分がフェニルトリエトキシシランであ 製品名TSL8178(モメンティブ・パフォーマン ・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)0.1重 部
3)主成分が3-アミノプロピルトリエトキシシ ンである製品名TSL8331(モメンティブ・パフォ ーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 製)とマレイン酸無水物のエタノール溶液の 合物1重量部(樹脂率50%)
4)主成分が3-グリシドキシプロピルトリメト シシランである製品名TSL8350(モメンティブ・ パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合 同会社製)0.5重量部
 そして、室温、常圧環境下において、上述 ように作製したガスケットコア部材を、90 、30分間加熱処理した後、その中心軸を中心 として回転(300rpm)させるとともに、ガスケッ の回転する側面側より、上記組成の被覆液 スプレー塗布した後、150℃、30分間乾燥さ ることによって、本発明のガスケットを作 した。その後、作製したガスケット上の余 な被覆液を洗うために、80℃以上の精製水で 、洗浄を実施した。なお、コア部材の表面に 形成された被覆層の平均厚さは、約8μmであ た。このガスケットを実施例4とした。

(比較例1)
 精製水66重量部に、実施例1と同じシリコー 系樹脂29重量部、ジオクチルジラウリル酸 ズ1重量部を添加して、主剤を調製した。
 さらに、精製水46重量部、シリコンゴムパ ダー52重量部、ポリオキシエチレンアルキル エーテル2重量部を添加して、微粒子液を調 した。なお、シリコンゴムパウダーとして 、製品名シリコンゴムパウダーKMP-600(信越化 学工業株式会社製)を用いた。主剤5重量部に して、精製水5重量部、微粒子液3重量部を 加して、混合することにより、被覆液を調 した。
 そして、室温、常圧環境下において、上述 ように作製したガスケットコア部材を、90 、30分間加熱処理した後、その中心軸を中心 として回転(300rpm)させるとともに、ガスケッ の回転する側面側より、上記組成の微粒子 有被覆液をスプレー塗布した後、150℃、30 間乾燥させることによって、本発明のガス ットを作製した。その後、作製したガスケ ト上の余分な被覆液を洗うために、80℃以上 の精製水で、洗浄を実施した。なお、コア部 材の表面に形成された被覆層の平均厚さは、 約8μmであった。このガスケットを比較例1と た。

(比較例2)
 精製水66重量部に、実施例1と同じシリコー 系樹脂29重量部、ジオクチルジラウリル酸 ズ1重量部を添加して、主剤を調製した。
 さらに、精製水46重量部、シリコンゴムパ ダーKMP-600(信越化学工業株式会社製)52重量部 、ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重 部を添加して、微粒子液を調製した。
 主剤6重量部に対して、精製水5重量部、微 子液2重量部を添加して、混合することによ 、被覆液を調製した。
 そして、室温、常圧環境下において、上述 ように作製したガスケットコア部材を、90 、30分間加熱処理した後、その中心軸を中心 として回転(300rpm)させるとともに、ガスケッ の回転する側面側より、上記の被覆液をス レー塗布した後、150℃、30分間乾燥させる とによって、本発明のガスケットを作製し 。その後、作製したガスケット上の余分な 覆液を洗うために、80℃以上の精製水で、洗 浄を実施した。なお、コア部材の表面に形成 された被覆層の平均厚さは、約8μmであった このガスケットを比較例2とした。

(比較例3)
 精製水66重量部に、実施例1と同じシリコー 系樹脂29重量部、ジオクチルジラウリル酸 ズ1重量部を添加して、主剤を調製した。
 さらに、精製水46重量部、シリコンゴムパ ダーKMP-600(信越化学工業株式会社製)52重量部 、ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重 部を添加して、微粒子液を調製した。
 主剤7重量部に対して、精製水5重量部、微 子液1重量部を添加して、混合することによ 、被覆液を調製した。
 そして、室温、常圧環境下において、上述 ように作製したガスケットコア部材を、90 、30分間加熱処理した後、その中心軸を中心 として回転(300rpm)させるとともに、ガスケッ の回転する側面側より、上記の被覆液をス レー塗布した後、150℃、30分間乾燥させる とによって、本発明のガスケットを作製し 。その後、作製したガスケット上の余分な 覆液を洗うために、80℃以上の精製水で、洗 浄を実施した。なお、コア部材の表面に形成 された被覆層の平均厚さは、約8μmであった このガスケットを比較例3とした。

 (比較例4)
 精製水100重量部に、フッ素系樹脂1重量部、 ケイ素系樹脂10重量部、ウレタン系樹脂3重量 部、タルク微粒子(平均粒径約3μm)20重量部、N -メチルピロリドン1重量部、ブチルカルビト ル1重量部、ポリオキシエチレンアルキルエ ーテル1重量部を添加して、被覆液を調製し 。なお、フッ素樹脂としては、テトラフル ロエチレンを主成分とする製品名ポリフロ (登録商標)TFE(ダイキン工業株式会社製)を用 た。ケイ素樹脂としては、水性ケイ素樹脂( 水性シリコーン化合物)である、製品名SE1980( レ・ダウコーニング株式会社製)を用いた。 ウレタン樹脂として、水性ウレタン樹脂であ る、製品名ローザン1100(トーヨーポリマー株 会社製)を用いた。
 さらに、シランカップリング剤としては、 ニルトリメトキシシランを主成分とする製 名TSL8310(モメンティブ・パフォーマンス・ テリアルズ・ジャパン合同会社製)を準備し 。
そして、主剤95重量部に対してシランカップ ング剤5重量部を添加し、混合することによ り、被覆液を調製した。
 そして、室温、常圧環境下において、上述 ように作製したガスケットコア部材を、90 、30分間加熱処理した後、その中心軸を中心 として回転(300rpm)させるとともに、ガスケッ の回転する側面側より、上記の被覆液をス レー塗布した後、150℃、30分間乾燥させる とによって、本発明のガスケットを作製し 。その後、作製したガスケット上の余分な 覆液を洗うために、80℃以上の精製水で、洗 浄を実施した。なお、コア部材の表面に形成 された被覆層の厚さは、約10μmであった。こ ガスケットを比較例4とした。

(実験1:被覆液の安定性)
 実施例1~4及び比較例1~4で調製した被覆液の 定性を評価した。冷蔵保存で1箇月経過後の 外観は表1のような結果となった。

(実験2:摩擦係数測定試験)
 実施例2で調製した被覆液及び比較例1で調 した被覆液各々を、90℃、30分間加熱処理し 30mm×50mm、厚み2mmのEPDMゴムシートに、刷毛 りし、150℃、30分間乾燥させた。その後、室 温で24時間静置した。このゴムシートに100~100 0gの荷重をかけ、ガラス板上を1000mm/minの速度 で水平に移動させたときの応力をJIS K7125に 拠した方法で摩擦試験機(往復摩耗試験機TYPE :30、新東科学株式会社製)を用いて測定し、 摩擦係数(μd)及び静摩擦係数(μs)を求めた。 果を表2に示した。

(実験3:摺動抵抗測定試験)
 シリンジ用外筒の形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のシリンジ 外筒を作製した。シリンジ用外筒の円筒部 の内径は、23.5mm、長さは、95mmであった。ま た、プランジャーの形成材料として、ポリプ ロピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のプランジ ャーを作製した。
 そして、上記のシリンジ用外筒、実施例1及 び2、比較例1~4の各ガスケット、上記のプラ ジャーを組み立て、シリンジを作製した。
 各シリンジの摺動抵抗値を、オートグラフ( 機種名 EZ-Test、会社名 島津製作所)により測 定した。具体的には、シリンジの先端および プランジャーの後端をオートグラフの測定対 象物固定部に固定し、プランジャーを100mm/min の速度で60mm降下させたときの初期摺動抵抗 及び最大摺動抵抗値(N)を計測したところ、 3に示すような結果となった。
 表3に示すように、実施例1及び2、比較例1~4 各ガスケットを用いたシリンジは、初期摺 抵抗値及び最大摺動抵抗値ともに、同様な のであった。また、初期摺動抵抗値と最大 動抵抗値との差が少なく、プランジャーを し始めた際に薬液が設定量以上に飛び出す それがほとんどなく、薬液の吐出を安全か 正確に行うことができる。初期摺動抵抗値 最大摺動抵抗値共に10N以下の良好な結果が られた。
 JIS K7125に準拠した試験系を採用した実験2 おいて、固体微粒子を含まない被覆液(実施 1)を用いて作製したゴムシートと固体微粒 を含む被覆液(比較例2)を用いて作製したゴ シートを比較すると、固体微粒子を含む被 液を用いたほうが、摩擦係数が低く滑り性 良いということが示された。しかし、本実 におけるガスケットとシリンジの組み合わ の摺動測定試験の結果からは、固体微粒子 含むことが優位ではなく、固体微粒子を含 ない場合も良好な滑り性が示された。

 また、上記のシリンジ用外筒、実施例1及び 比較例4の各ガスケット、上記のプランジャ を組み立て、シリンジを作製した。その後 精製水40mLを注射筒内へ注入し、注射筒の先 部に封止部材を嵌めて密封し、オートクレ ブ滅菌を行った後、上記同様、オートグラ (機種名 EZ-Test、島津製作所株式会社製)に り摺動抵抗値を測定した。試験速度20~500mm/mi nにおける初期摺動抵抗値及び最大摺動抵抗 (N)を計測したところ、表4に示すような結果 なった。
 表4に示すとおり、実施例1のガスケットを いたシリンジは、微粒子を含む比較例4のガ ケットを用いたシリンジと比較して、100mm/m inを境にして低い試験速度では摺動抵抗値が 少していることがわかり、薬剤を静脈内注 するのに適した速度における摺動性がより 好であることがわかった。
 なお、各試験におけるサンプル数は10とし 表の数値はそれらの平均値である。

 また、シリンジ用外筒の形成材料として、 ラス(塩谷硝子株式会社製)を用いて、図5に す形状のシリンジ用外筒を作製した。シリ ジ用外筒の円筒部分の内径は、23mm、長さは 、76mmであった。また、プランジャーの形成 料として、ポリプロピレン(日本ポリケム株 会社製)を用いて、射出成形により、図5に す形状のプランジャーを作製した。
 そして、上記のシリンジ用外筒、実施例1の ガスケット、上記のプランジャーを組み立て 、シリンジを作製した。その後、精製水20mL 外筒内へ注入し、上記同様、オートグラフ( 種名 EZ-Test、島津製作所株式会社製)により 摺動抵抗値を測定した。具体的には、シリン ジの先端およびプランジャーの後端をオート グラフの測定対象物固定部に固定し、プラン ジャーを20、50、100、500mm/minの速度で45mm降下 せたときの最大摺動抵抗値(N)を計測したと ろ、表5に示すような結果となった。

(実験4:滅菌済み注射筒基準に規定された圧力 試験)
 シリンジ用外筒の形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のシリンジ 外筒を作製した。シリンジ用外筒の円筒部 の内径は、23.5mm、長さは、95mmであった。ま た、プランジャーの形成材料として、ポリプ ロピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のプランジ ャーを作製した。
 そして、上記のシリンジ用外筒、実施例1及 び2、比較例1~4の各ガスケット、上記のプラ ジャーを組み立て、シリンジを作製した。
 滅菌済みのプラスチック製の注射筒であり そのまま直ちに使用でき、かつ、1回限りの 使用で使い捨てる滅菌済み注射筒基準(平成10 年12月11日医薬発第1079号医薬安全局長通知)に おける圧力試験に規定されている試験を実施 した。その結果を表3に示した。
 なお、試験におけるサンプル数は5とし、全 て適合した場合、「適合」とした。

(実験5:高浸透性液体密封性試験)
 シリンジ用外筒の形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のシリンジ 外筒を作製した。シリンジ用外筒の円筒部 の内径は、23.5mm、長さは、95mmであった。ま た、プランジャーの形成材料として、ポリプ ロピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のプランジ ャーを作製した。
 そして、上記のシリンジ用外筒、実施例1及 び2、比較例1~4の各ガスケット、上記のプラ ジャーを組み立て、シリンジを作製した。
 その後、プラスチック製軟包材ヒートシー 部の密封性試験に用いられるエージレス(登 録商標)チェッカー(三菱瓦斯化学株式会社製) を用い、密封性試験を実施した。室温で一晩 放置し、ガスケット摺動部からの液漏れを目 視観察した結果を表3に示した。
 なお、試験におけるサンプル数は5とし、全 て適合した場合、「適合」とした。

(実験6:表面粗度)
 実施例1及び2、比較例1~4の各ガスケットに いて、表面粗度を測定した。測定方法は、JI S B0601(1994)に従って行った。結果を表3に示し た。

(実験7:固着試験)
 50mm×70mm、厚み2mmのポリプロピレン(日本ポ ケム株式会社製)を形成材料とした板を準備 た。さらに、本ガスケットコア部材と同じ チルゴム製のゴムシート(10mm×50mm、厚み15mm) を90℃、30分間加熱処理した後、実施例2及び 較例1で用いた被覆液各々をゴムシートにス プレー塗布し、150℃、30分間乾燥させた試料 用意した。
 そして、上記のポリプロピレン板と鉄板の にコーティング面をポリプロピレン板側に て各々試料を挟み、クリップで固定し、40 、60℃、80℃恒温槽内で各々1日、さらに60℃ 温槽内で10日、20日、30日各々静置した。静 後のサンプルについて、オートグラフ(機種 名 EZ-Test、島津製作所株式会社製)により固 度を測定した。結果を表6に示した。
シリンジ用外筒の形成材料として、ポリプロ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて、 出成形により、図5に示す形状のシリンジ用 外筒を作製した。シリンジ用外筒の円筒部分 の内径は、23.5mm、長さは、95mmであった。ま 、プランジャーの形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて、 射出成形により、図5に示す形状のプランジ ーを作製した。
 そして、上記のシリンジ用外筒、実施例2及 び比較例1の各ガスケット、上記のプランジ ーを組み立て、シリンジを作製した。その 、40℃、60℃、80℃恒温槽内で各々1日、さら 60℃恒温槽内で10日、20日、30日各々静置し 。静置後のサンプルについて、ガスケット シリンジ用外筒への固着度を評価するため 、各シリンジの初期摺動抵抗値を、オート ラフ(機種名 EZ-Test、島津製作所株式会社製) により測定した。具体的には、シリンジの先 端およびプランジャーの後端をオートグラフ の測定対象物固定部に固定し、プランジャー を100mm/minの速度で60mm降下させたときの初期 動抵抗値(N)を計測したところ、表7に示すよ な結果となった。

表5より、固体微粒子を含まない被覆液(実施 2)を用いて作製したゴムシートと固体微粒 を含む被覆液(比較例1)を用いて作製したゴ シートを比較すると、固体微粒子を含む被 液を用いたほうが、固着度が低いことが示 れた。しかし、本ガスケットとシリンジの み合わせの摺動測定試験の初期摺動抵抗値 ら得られた固着試験においては(表6)、固体 粒子を含むことが優位ではなく、固体微粒 の有無による固着度に差はないことが示さ た。

(実験8:不溶性微粒子試験)
 シリンジ用外筒の形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のシリンジ 外筒を作製した。シリンジ用外筒の円筒部 の内径は、23.5mm、長さは、95mmであった。ま た、プランジャーの形成材料として、ポリプ ロピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のプランジ ャーを作製した。 そして、上記のシリンジ 外筒、実施例1及び比較例1の各ガスケット 上記のプランジャーを組み立て、シリンジ 作製した。
その後、精製水40mLを注射筒内へ注入し、注 筒の先端部に封止部材を嵌めて密封し、オ トクレーブ滅菌を行った後、10分間激しく振 とう後の精製水中の不溶性微粒子を測定した 。結果を表8に示した。

(実験9:シリンジポンプを用いた流量精度評価 試験)
 シリンジポンプ(TE-331、テルモ株式会社製) 用い、シリンジの流量精度評価を実施した シリンジ用外筒の形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて、 射出成形により、図5に示す形状のシリンジ 外筒を作製した。シリンジ用外筒の円筒部 の内径は、23.5mm、長さは、95mmであった。ま 、プランジャーの形成材料として、ポリプ ピレン(日本ポリケム株式会社製)を用いて 射出成形により、図5に示す形状のプランジ ーを作製した。
 そして、上記のシリンジ用外筒、実施例1及 び比較例1の各ガスケット、上記のプランジ ーを組み立て、シリンジを作製した。
その後、精製水40mLを注射筒内へ注入し、注 筒の先端部に封止部材を嵌めて密封し、オ トクレーブ滅菌を行った後、各シリンジを リンジポンプへセットして、5mL/hの流量で精 製水を8時間吐出させ、電子天秤を用いて、 の重量を30秒間隔で経時的に測定したところ 、図6(実施例1)および図7(比較例1)に示すよう 吐出振幅結果が得られた。図より明らかに 実施例1のほうが振幅が小さく、安定した吐 出であることが確認された。

 本発明のガスケットは、下記(1)のものであ 。
(1)シリンジの外筒内を液密に摺動可能に接触 するよう形成されたガスケットであって、該 ガスケットは、弾性体からなるガスケット本 体と、少なくとも前記シリンジと接触する部 分に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は 、末端シラノール基を有する反応性シリコー ンの縮合物からなり前記シラノール基に由来 するシロキサン結合を有するシリコーン系樹 脂を含有する組成物からなるとともに固体微 粒子を含まないシリンジ用ガスケット。
 そして、本発明のシリンジ用ガスケットは 外筒と接触する部分に設けられた被覆層を え、被覆層は、上記の特定のシリコーン系 脂を含有する組成物からなるものであり、 のため、摺動面に潤滑剤を付与することな 安定した摺動性を有する。
 そして、本発明のガスケットの被覆層は、 端シラノール基を含む反応性シリコーンと れを硬化させる触媒を含有する水系被覆剤 用いることにより形成することができ、安 かつ容易かつ確実に作製できる。
 さらに、本発明のガスケットの被覆層は、 粒子を含有する被覆層に比べ、低速摺動時 良好な摺動性を有するとともに、保存時に リンジとガスケットの貼り付きを起こすこ もないため、使用時に滑らかな初動が可能 なり、急激な注入が避けられ、一定速度で 注入が可能となる。
 また、血管確保の確認のために行われる事 多い吸引操作を行った場合でも、微粒子を 有する被覆層を有するガスケットでは、そ 微粒子の離脱の可能性が皆無ではない。本 発明では、微粒子を含有しないため、ガス ットからの微粒子離脱のリスクは皆無であ 。
 そして、本発明の実施態様は、以下のもの あってもよい。
(2) 前記反応性シリコーンは、末端シラノー 基を有するポリジメチルシロキサンである 記(1)に記載のシリンジ用ガスケット。
(3) 前記反応性シリコーンは、両末端にシラ ール基を有するものである上記(1)または(2) 記載のシリンジ用ガスケット。
(4) 前記組成物は、前記シロキサン結合を有 るシリコーン系樹脂と異なる第2のシリコー ン系化合物を含有している上記(1)ないし(3)の いずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
(5) 前記第2のシリコーン系化合物は、アルキ ルアルコキシシラン、フェニルアルコキシシ ラン、アミノアルキルアルコキシシランまた はグリシドキシアルキルアルコキシシランで ある(4)に記載のシリンジ用ガスケット。
(6) 前記組成物は、アルキルアルコキシシラ またはフェニルアルコキシシランを第2のシ リコーン系化合物として含有し、さらに、ア ミノアルキルアルコキシシランまたは/およ グリシドキシアルキルアルコキシシランを 3のシリコーン系化合物として含有している( 4)に記載のシリンジ用ガスケット。
(7) 前記組成物は、アルキルアルコキシシラ またはフェニルアルコキシシランを第2のシ リコーン系化合物として含有し、さらに、ア ミノアルキルアルコキシシランを第3のシリ ーン系化合物として含有し、グリシドキシ ルキルアルコキシシランを第4のシリコーン 化合物として含有している(4)に記載のシリ ジ用ガスケット。
(8) 前記シリコーン系樹脂は、熱硬化性型シ コーン系樹脂である上記(1)ないし(7)のいず かに記載のシリンジ用ガスケット。
(9) 前記被覆層は、厚さが1~30μmである上記(1) ないし(8)のいずれかに記載のシリンジ用ガス ケット。
(10) 前記被覆層は、初期摺動抵抗値が動的摺 動抵抗値の最高値以下である上記(1)ないし(9) のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
(11) 前記シリンジ用ガスケットは、プラスチ ック製外筒を用いるシリンジ用のガスケット である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の リンジ用ガスケット。
(12) 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納され た上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のガス ットと、該ガスケットに取り付けられた、 るいは取り付け可能なプランジャーとを有 ることを特徴とするシリンジ。
(13) 前記シリンジは、薬液が充填されたもの である(12)に記載のシリンジ。
(14) 前記外筒内での前記ガスケットの低速摺 動時(100mm/min)における動的摺動抵抗値が20N以 である(12)または(13)に記載のシリンジ。
(15) 前記外筒は、プラスチック製外筒である (12)ないし(14)のいずれかに記載のシリンジ。