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Patent Searching and Data


Title:
GEL SHEET AND COSMETIC PREPARATION IN SHEET FORM USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057456
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a gel sheet containing a hydrogel which is produced by using not less than 50 parts by mass of a water-soluble divalent metal salt per 100 parts by mass of an anionic polymer compound.

Inventors:
TSUJIHATA SHIGETOMO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068752
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
TSUJIHATA SHIGETOMO (JP)
International Classes:
A61K8/73; A61K8/02; A61K8/19; A61K8/20; A61K8/34; A61K8/65; A61K8/67; A61K8/86; A61K9/70; A61K33/06; A61K47/10; A61K47/34; A61K47/36; A61K47/42; A61L15/16; A61L15/58; A61P17/16; A61Q19/00
Foreign References:
JPH03223213A1991-10-02
JP2005023040A2005-01-27
JP2003277253A2003-10-02
JP2004292345A2004-10-21
JP2005320264A2005-11-17
JPH038121A1991-01-16
JP2005225837A2005-08-25
JP2003183147A2003-07-03
JP2005075817A2005-03-24
JP2007284489A2007-11-01
Other References:
See also references of EP 2210583A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAJIMA, Jun et al. (NAKAJIMA & KATOSeventh Floor, HK-Shinjuku Bldg.,3-17, Shinjuku 4-chom, Shinjuku-ku Tokyo 22, JP)
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Claims:
 アニオン性高分子化合物100質量部に対し、水溶性2価金属塩を50質量部以上用いて形成されるハイドロゲルを含むゲルシート。
 前記ハイドロゲル中における水溶性2価金属塩の含有量が0.2質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲル中における3価以上の多価金属塩の含有量が0.1質量%以下である、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルが、コラーゲン及びコラーゲン分解生成物からなる群より選択される1種以上を含有する、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルが、ポリエーテルを含有する、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルが、O/W型エマルションを含有する、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルが、多糖類を含有する、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルが、多価アルコール化合物を含有、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルの含水率が70~95質量%である、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲルを含むハイドロゲル層と、該ハイドロゲル層中或いは該ハイドロゲル層と隣接して設けられるシート状基材と、を有する、請求項1に記載のゲルシート。
 前記ハイドロゲル層の厚みが0.4~2mmである、請求項10記載のゲルシート。
 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のゲルシートを用いたシート状化粧料。
Description:
ゲルシートおよびそれを用いた ート状化粧料

 本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品 衛生材料、雑貨等の分野に用いられるゲル ート及びそれを用いたシート状化粧料に関 る。

 ゲルシートは、水分を多く含むゲルをシー 状に成形したものであり、その高い保水性 ら、配置した領域に持続的に水分などを供 するための種々の用途に使用することがで る。
 このようなゲルシートは、美容、美顔およ 皮膚の治療等に用いられるパック料や貼付 、皮膚浸透成分や、消炎鎮痛成分等の有効 分の担持体、傷保護や薬剤固定化などを目 とする生体用粘着テープ、創傷被覆剤など 好適に使用しうる。これらのゲルシートは 膚に貼着して皮膚表面を保護し、皮膚表面 保水性を付与するとともに、該ゲルシート 種々の有効成分を含有させ、それを皮膚に 着させることで、皮膚の温度を制御する、 水性を付与する、或いは、ゲルシート中の 効成分を生体に供給するなどの機能を発現 る。特に、液状成分を含有するゲルシート 皮膚に密着させた状態で経時させることに って、例えば、温度や水分量の向上を図る とで皮膚の生理作用を増大させ、この生理 性の増大により、ゲルシート中の有効成分 皮膚への浸透をより高めることもできる。

 このような作用を有するゲルシートは、従 、生体への使用を考慮して、ゲル基材とし コラーゲンやキチン、キトサン、アルギン 、セルロース等の多糖類を構成成分として むものが知られている(例えば、特開平3-8121 3号公報参照)。
 また、ゲルシートの機能性向上の観点から 保湿性を向上させる目的で特定のアルキレ オキシド誘導体を用いることによりゲル基 からのブリーディング効果を促進させる技 (例えば、特開2005-225837号公報参照)、あるい はポリエチレングリコールや電解質の添加に より溶液滲出効果を促進する技術(例えば、 開2003-183147号公報参照)が知られており、こ らはいずれもゲルシート中の水分や有効成 の皮膚への浸透を向上させる目的でなされ ものである。
 ゲルシートに含まれる水分や有効成分を速 かに目的とする領域へ供給するためには、 ルシートの保水性のみならず、ゲルシート 保持する水分等を隣接する被着体の所定領 に供給するための離しょう性が重要である しかしながら、上記技術では、例えば、皮 表面における保湿性を維持しつつ、ハイド ゲル中に含まれる有効成分等を皮膚に速や に且つ効率よく浸透させるという観点から 、なお離しょう性が不十分であった。

 上記事情に鑑みなされた本発明の目的は 主として生体に適用することで、表皮など 隣接する被着体に接触することにより、ハ ドロゲルに含まれる水分や有効成分が隣接 る被着体に効率よく付与され、且つ、取り い性にも優れたゲルシート、及び、該ゲル ートを用いたシート状化粧料を提供するこ にある。

 本発明者は鋭意検討の結果、少なくとも水 性2価金属塩とアニオン性高分子化合物とを 含み、該水溶性2価金属塩がアニオン性高分 化合物に対して半量以上含んで形成される イドロゲルを用いることで上記課題を解決 うることを見出し、本発明を完成した。
 本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> アニオン性高分子化合物100質量部に し、水溶性2価金属塩を50質量部以上用いて 成されるハイドロゲルを含むゲルシート。
<2> 前記ハイドロゲル中における水溶性2 価金属塩の含有量が0.2質量%以上10質量%以下 ある、<1>に記載のゲルシート
<3> 前記ハイドロゲル中における3価以上 の多価金属塩の含有量が0.1質量%以下である <1>または<2>に記載のゲルシート。

<4> 前記ハイドロゲルが、コラーゲン及 コラーゲン分解生成物からなる群より選択 れる1種以上を含有する、<1>~<3>の ずれか1項に記載のゲルシート。
<5> 前記ハイドロゲルが、ポリエーテル 含有する、<1>~<4>のいずれか1項に 載のゲルシート。
<6> 前記ハイドロゲルが、O/Wエマルショ を含有する、<1>~<5>のいずれか1項 記載のゲルシート。
<7> 前記ハイドロゲルが、多糖類を含有 る、<1>~<6>のいずれか1項に記載の ルシート。
<8> 前記ハイドロゲルが、多価アルコー 化合物を含有する、<1>~<7>のいずれ か1項に記載のゲルシート。

<9> 前記ハイドロゲルの含水率が70~95質 %である、<1>~<8>のいずれか1項に記 のゲルシート。
<10> 前記ハイドロゲルを含むハイドロゲ ル層と、該ハイドロゲル層中、或いは、該ハ イドロゲル層と隣接して設けられるシート状 基材とを有する、<1>~<9>のいずれか1 のいずれかに記載のゲルシート。
<11> 前記ハイドロゲル層の厚みが0.4~2mm ある、<10>記載のゲルシート。
<12> <1>~<11>のいずれか1項に記載 のゲルシートを用いたシート状化粧料。

 本発明のゲルシートは、水溶性2価金属塩を 、ゲル基材であるアニオン性高分子化合物100 部に対し、50部以上用いて形成したハイドロ ルを含むことにより、ゲルシートに含まれ ハイドロゲルの離しょう性に優れる。すな ち、ゲルシートが貼付された隣接する被着 、例えば、ゲルシートが生体に貼付された 合には、表皮との接触により、角層への水 や有効成分の付与が効率的に行われる。
 また、本発明のゲルシートに含まれるハイ ロゲルは、多量の水性成分を保持している 、本発明のゲルシートは、シートが柔軟で 力により変形しやすく、且つ、ゲル強度が く取り扱い時に破損しにくいため、取り扱 性に優れるとともに、表面が湿潤状態であ ため、被着体との密着性に優れるものであ 。ここでいう被着体は、ハイドロゲルが含 水相成分、及び、そこに溶解或いは分散さ て含まれる有効成分等を吸収する機能を有 るものである。

 なお、本発明における離しょう性とは、ハ ドロゲルに含まれる水相成分及びそこに溶 或いは分散されて含まれる各種有効成分が イドロゲルから浸出し、隣接する被着体で る生体や吸収体に移動する機能を指す。ハ ドロゲル自体が十分に水性成分を保持しう ものであっても、離しょう性が低い場合に 水分や有効成分を隣接する被着体、例えば 生体などに供給する機能が十分に得られな ことになる。
 本発明のゲルシートは離しょう性に優れる めに、ハイドロゲル中に保持される水など 水相成分のみならず、水相成分に溶解、分 する有効成分、例えば、水溶性の各種有効 分、油相成分のエマルション粒子、ナノコ イドやナノ粒子などをもハイドロゲルから 着体に付与しうることが大きな特徴である
 本発明における離しょう性の評価は、例え 、以下のような方法で算出した離しょう率 より行うことができる。
 (離しょう率の測定)
 ゲルシートを切断して所定サイズの試験片 作製し、試験片よりも面積の大きい濾紙を 下各2枚配置して試験片をはさみ、25℃相対 度55%の雰囲気下10分間静置した際の濾紙の 量変化を測定して濾紙吸液質量を求め、下 式1により算出する(単位:質量%)。
  離しょう率=(濾紙吸液質量/ゲル初期質量) 100  (式1)
 このように、本発明のゲルシートは、隣接 る、水分や有効成分を吸収しうる被着体に して水分や有効成分を効率的に付与するこ ができ、持続的に水分を供給、浸透させる 要があるあらゆる用途に好適に使用しうる のである。また、本発明のゲルシートは、 体適合性、及び安全性に優れるため、生体 適用して水分や各種有効成分を効率的に付 する用途において特にその効果が著しい。
 本発明のシート状化粧料は、上記ゲルシー を用いたものである。

 本発明において「ゲルシート」とは、ハ ドロゲルを含有するシート状の成形体を指 、ハイドロゲルがシート状に成形されてな ハイドロゲル層のみからなるシートでもよ 、補強、有効成分の保護、取り扱い性向上 どの目的で設けられるシート状基材とハイ ロゲル層とを含むシートであってもよい。 の「ゲルシート」は、美容、美顔および皮 の治療等に用いられるパック料や貼付剤、 膚浸透成分や消炎鎮痛成分等の有効成分の 持体、傷保護や薬剤固定化などを目的とす 生体用粘着テープ、創傷被覆剤などを包含 る。「ゲルシート」は、有効成分や水分の 持及び皮膚への浸透などを目的として、皮 に直接貼り付けて使用される生体用粘着シ トに好適である。この生体用粘着ゲルシー は、肌に貼付して水分や有効成分を皮膚に えるためのパック剤などのシート状化粧料 して有用である。

 本発明によれば、主として生体に適用す ことで、表皮などの隣接する被着体に接触 ることにより、ハイドロゲルに含まれる水 や有効成分が隣接する被着体に効率よく付 され、且つ、取り扱い性にも優れたゲルシ ト、及び、該ゲルシートを用いたシート状 粧料を提供することができる。

 以下、本発明について詳細に説明する。
 本発明のゲルシートは、アニオン性高分子 合物、水溶性2価金属塩、及び、所望により 併用される種々の添加剤や有効成分を含み、 ハイドロゲル調製時における水溶性2価金属 の配合量が、アニオン性高分子化合物100質 部に対し、50質量部以上であることを特徴と する。
 以下、本発明のゲルシートに用いうる各成 について順次説明する。

<水溶性2価金属塩>
 本発明に用いる水溶性2価金属塩を形成する 2価金属の例としては、周期表第II族のマグネ シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ ウム、あるいは遷移金属のCu 2+ 、Fe 2+ 、Zn 2+ 、Mn 2+ が挙げられ、マグネシウムまたはカルシウム の水溶性塩が好ましく挙げられる。
 本発明における水溶性とは、25℃の純水に なくとも0.1質量%溶解しうるものを指す。
 水溶性塩は無機塩、有機酸塩のいずれであ てもよく、特に限定されるものではないが 例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸 、炭酸塩などの無機塩、クエン酸塩、乳酸 、リンゴ酸塩、コハク酸塩、アスコルビン 塩、グルコン酸塩、などの有機酸塩、アス ルビン酸リン酸エステル塩などの有機無機 合塩が挙げられる。
 これらのなかでも、塩化マグネシウム、塩 カルシウム、乳酸マグネシウム、リンゴ酸 グネシウム、クエン酸マグネシウム、クエ 酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウ 、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビ 酸リン酸エステルマグネシウム、グルコン マグネシウム、グルコン酸カルシウムがよ 好ましく、塩化マグネシウム、アスコルビ 酸リン酸エステルマグネシウムが特に好ま い。

 本発明のゲルシートを形成する際に使用さ る水溶性2価金属塩の配合量は、後述するア ニオン性高分子化合物100質量部(以下、本明 書においては、「質量部」を「部」と表記 ることがある)に対して50部以上であること 要し、効果の観点からは、50部~1000部が好ま く、70部~500部がより好ましく、80部~300部で ることが特に好ましい。
 また、形成されたハイドロゲル中における 溶性2価金属塩の含有量は、0.1~5質量%が好ま しく、0.2~4質量%がより好ましく、0.5~2質量%が 特に好ましい。水溶性金属塩の割合がこの範 囲にあることで、ハイドロゲルからの離しょ う性が向上するとともに、取扱にすぐれたゲ ルシートを得ることができる。また、この観 点から、ある実施形態においては、形成され たハイドロゲル中における水溶性2価金属塩 含有量は、例えば、0.2~10質量%であってもよ 。
 アニオン性高分子と水溶性2価金属塩によっ て形成されたハイドロゲル中において水溶性 2価金属塩はゲルの形成に使用され、必ずし 「塩」の状態で存在するものではないが、 成されたハイドロゲル中における水溶性2価 属塩あるいはそれに由来する化合物の含有 は、金属塩を構成する金属の量を測定し、 の量から対イオンを考慮して換算すること 求めることができ、この手段により、形成 れたハイドロゲルの形成時に用いられる水 性2価金属塩の量を検知することができる。

<アニオン性高分子化合物>
 本発明に用いるアニオン性高分子化合物と ては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、 スホ基などから選択されるアニオン性基を 子内に有する高分子化合物であれば特に制 はなく、合成高分子であってもよいし、天 高分子であってもよい。
 これらアニオン性高分子化合物は、ハイド ゲル中に1種のみを用いても、あるいは2種 上を混合して使用してもよい。

 アニオン性合成高分子化合物としては、ア リル酸(共)重合体、メタクリル酸(共)重合体 、マレイン酸(共)重合体、イタコン酸(共)重 体、p-ビニル安息香酸(共)重合体、2-アクリ アミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(共)重 合体、スチレンスルホン酸(共)重合体、が挙 られる。
 またアニオン性天然高分子化合物としては クチン酸、アルギン酸、寒天、カラギーナ 、フコイダン、ヒアルロン酸、コンドロイ ン硫酸、ヘパリン、ジェランガム、ネイテ ブジェランガム、キサンタンガム、カルボ シメチルセルロース、カルボキシメチルデ プン、カルボキシメチルデキストラン、ポ グルタミン酸が挙げられ、さらには、DNA、R NAなども本発明におけるアニオン性高分子と て使用することができる。
 これらのうち、保水性、ゲル強度と離しょ 性の両立といった観点からアクリル酸(共) 合体、アルギン酸、寒天、カラギーナン、 アルロン酸、ジェランガム、ネイティブジ ランガム、キサンタンガム、カルボキシメ ルセルロースが好ましく、寒天、カラギー ン、ジェランガム、ネイティブジェランガ 、キサンタンガムが特に好ましい。
 これらアニオン性高分子化合物は、ゲル強 向上の観点から、分子量が10000~5000000の範囲 にあるものが好ましく、20000~2000000の範囲に るものがさらに好ましい。

 本発明のゲルシートにおいては、ハイドロ ルに対するアニオン性高分子化合物の含有 は、0.01~10質量%が好ましく、0.1~8質量%がよ 好ましく、0.2~4質量%が特に好ましい。含有 がこの範囲にあることで、取り扱い性が良 なゲル強度を達成しうるとともに、充分な しょう性を有するハイドロゲルを得ること できる。
 このアニオン性高分子化合物と2価金属水溶 性塩とを併用することで、形成されるハイド ロゲル系中に弱い架橋構造を有する3次元ネ トワーク構造が形成され、十分な液状成分 持性と良好な離しょう性が発現するものと えられる。

 ハイドロゲルに含まれるアニオン性高分子 合物と水溶性2価金属塩とは、目的に応じて 適宜組み合わせることが可能であるが、ゲル 強度と離しょう性との両立といった観点から は、以下に示すような水溶性2価金属塩/アニ ン性高分子化合物の組合せが好適なものと て挙げられるが、これらに制限されるもの はない。
 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ /カラギーナン、
 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ /ジェランガム、
 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ /寒天、
 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ /キサンタンガム、
 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ /アクリル酸(共)重合体、
 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ /カルボキシメチルセルロース、
 塩化マグネシウム/カラギーナン、
 塩化マグネシウム/ジェランガム、
 塩化マグネシウム/アクリル酸(共)重合体、
 乳酸マグネシウム/カラギーナン、
 乳酸マグネシウム/寒天
 乳酸カルシウム/ジェランガム
 アスコルビン酸カルシウム/カラギーナン
 グルコン酸カルシウム/ジェランガム。

<3価以上の多価金属塩>
 本発明においては、ハイドロゲル中におけ 、3価以上の多価金属塩の含有量は0.1質量% 下であることが、離しょう性低下抑制の観 から好ましい。
 3価以上の多価金属塩としては、Al 3+ 、Fe 3+ 、Ti 3+ 、Ti 4+ 、In 3+ 、Zr 4+ 、Ta 5+ 等の多価金属カチオンを含む塩が挙げられ、 具体的には、カリウム明バン、アンモニウム 明バン、鉄明バン、硫酸アルミニウム、ポリ 塩化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム 、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミ ニウム、酢酸アルミニウム、硫酸第2鉄、水 化第2鉄、チタンラクテート、酢酸ジルコニ ム、等が挙げられる
 本発明のハイドロゲルにおけるこれらの3価 以上の多価金属塩の含有率は0.1質量%以下で ることが好ましく、0.05質量%以下であること がより好ましく、0.01質量%以下であることが に好ましく、不可避不純物を除いては、こ ような多価金属塩を含まないことが最も好 しい。3価金属塩の含有率が0.1質量%を越え と、離しょう性が低下する懸念がある。

 本発明に係るハイドロゲルは、前記アニオ 性高分子化合物と水溶性2価金属塩とを用い て形成されることを要するが、所望により、 ゲルシートの使用目的に応じてその他の種々 の化合物を含有することができる。
 以下に、本発明に係るハイドロゲル中に含 れうる他の成分について説明する。

<ポリエーテル>
 本発明のゲルシートにおいて、離しょう性 向上させることを目的としてハイドロゲル にポリエーテルを含有することが好ましい
 ポリエーテルとしては、例えば、ポリエチ ンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポ エチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド ブロックコポリマー、ポリエチレンオキシド /ポリプロピレンオキシド/ポリエチレンオキ ドブロックコポリマー等が挙げられ、ポリ チレンオキシドとポリプロピレンオキシド を含むブロックポリマーが特に好ましく、 体的には、ポリエチレンオキシド/ポリプロ ピレンオキシドブロックコポリマー(以下、 PEO-PPOブロックポリマー」と略称することが る)、又は、ポリエチレンオキシド/ポリプ ピレンオキシド/ポリエチレンオキシドブロ クコポリマー(以下、「PEO-PPO-PEOブロックポ マー」と略称することがある)が特に好まし い。これらのポリエーテルはポロキサマーと して知られており、「プルロニック」、「ル トロール」(いずれも、BASF社製)、ニューポー ル(三洋化成工業(株)製)、エパン(第一工業製 (株)製)、プロノン(日本油脂(株)製)等の名称 にて市販品としても容易に入手可能である。
 本発明に用いうるポリエーテルの重量平均 子量(Mw)は、1,000~100万であることが好ましく 、5,000~50万であることがより好ましい。
 ポリエーテルを用いる場合、ハイドロゲル に占めるポリエーテルの含有量は、0.05~20質 量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、0 .2~5質量%が特に好ましい。
 前記ポリエーテルの含有量が上記範囲にお て0.05質量%以上あれば、ハイドロゲル中に 加した有効成分の皮膚浸透性向上効果が十 に得られ、また、20質量%以下であれば、保 安定性が著しく低下することを防止するこ ができる。

<多糖類>
 本発明のゲルシートにおいて、取り扱い性 向上のためにハイドロゲル中にさらに前記 ニオン性高分子化合物の例として挙げたア オン性多糖類以外の多糖類を添加すること ゲル強度向上の観点から好ましい。
 本発明に用いることができる多糖類として 、例えば、中性多糖類(例えば、セルロース 、アミロース、アミロペクチン、デキストラ ン、プルラン、イヌリン、ガラクタン、マン ナン、キシラン、アラビナン、グルコマンナ ン、ガラクトマンナン、アガロース、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース 、カードラン、キシログルカンなど)、カチ ン性多糖類(キチン、キトサン、カチオン化 ルロース、カチオン化デンプン、カチオン デキストランなど)が挙げられる。
 これらの中でも、増粘ゲル化作用の高い多 類がより好ましく、グルコマンナン、ガラ トマンナン、アガロース、メチルセルロー 、ヒドロキシプロピルセルロースが特に好 しい。さらにそのゲル化性を向上させるた にこられの多糖類を2種以上併用しても良い 。
 本発明のハイドロゲルに対する多糖類の含 量は、0.01~5質量%が好ましく、0.1~4質量%がよ り好ましく、0.2~2質量%が特に好ましい。
 多糖類の含有量が上記範囲であれば、ゲル 度の向上効果が得られ、取り扱い性が良好 あるとともに、水性成分の離しょう性、皮 浸透性の低下を抑制することができる。

<多価アルコール化合物>
 本発明におけるゲルシートは、有効成分の 膚浸透性や保存安定性の観点から、ハイド ゲル中にさらに多価アルコール化合物を含 することが好ましい。
 多価アルコール化合物としては、具体的に 、グリセリン類(グリセリン、ジグリセリン など)、グリコール類(例えば、ジエチレング コール、トリエチレングリコール、テトラ チレングリコール、ポリエチレングリコー 、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオ ル、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジ ール、1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジ ール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジ オールなど)、糖類(グルコース、フラクトー 、マンノース、ガラクトース、キシロース アラビノース、グルコサミン、N-アセチル ルコサミン、スクロース、ラクトース、マ トース、イソマルトース、トレハロース、 ロビオース、コージビオース、ソホロース マルトトリオ―ス、ラフィノース、スタキ ースなど)、糖アルコール(グリセロール、ト レイロール、エリスリトール、アラビニトー ル、キシリトール、リビトール、マンニトー ル、ソルビトール、ガラクチトール、イノシ トールなど)が挙げられる。前記多価アルコ ル化合物は、単独でまたは2種以上を混合し 用いることができる。

 これらのうち、本発明のゲルシートにおい は、グリセリン類またはグリコール類を用 ることが好ましく、中でも、グリセリン、1 ,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1, 2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、 1,3-ブタンジオールがより好ましい。さらに 、グリセリン、1,2-プロパンジオール、1,3-ブ タンジオール、1,2-ヘキサンジオールを用い ことが特に好ましい。
 本発明におけるハイドロゲル中に占める多 アルコール化合物の割合は、50質量%以下で るのが好ましく、1~20質量%であることが特 好ましい。
 本発明におけるハイドロゲル中に占める多 アルコール化合物の割合を50質量%以下とす ことで、ゲル強度の低下を防止して、取扱 性を良くすることができる。

<親水性高分子>
 本発明に用いられる生体用粘着ゲルシート 、皮膚への貼付時の溶解性を損なわない限 において、保湿性を向上させるために、ハ ドロゲル中に公知の親水性高分子を添加す ことができる。また、親水性高分子は、生 用粘着ゲルシートの形状安定性の向上のた に用いることもできる。
 本発明において用いることができる親水性 分子としては、前記アニオン性高分子化合 および前記多糖類以外の高分子であって、 水性官能基(例えば、水酸基、カルバモイル 基、アミノ基、アンモニオ基、エチレンオキ シ基など)を有するものであれば、合成高分 であってもよいし、天然高分子であっても い。これらは単独でも、あるいは2種以上を 合して使用してもよい。

 本発明に好適な、親水性基を有する合成高 子としては、例えば、ビニルアルコール(共 )重合体、2-ヒドロキシエチルアクリレート( )重合体、アクリルアミド(共)重合体、アク ロイルモルホリン(共)重合体、N-ビニルピロ ドン(共)重合体、ビニルアミン(共)重合体、 N、N-ジメチルジアリルアンモニウムクロリド (共)重合体、2-メタクリロイルオキシエチル ンモニウムクロリド(共)重合体、ポリエチレ ングリコールメタクリレート(共)重合体、ポ エチレンイミン等が挙げられる。
 上記親水性高分子は、保湿性の点から、重 平均分子量が、1,000~500,000であるものが好ま しく、5,000~100,000であるものがより好ましい
 また、親水性高分子の含有量は、保湿性と り扱い性の点から、ハイドロゲルに対して 0.05~5質量%であることが好ましく、0.1~3質量% であることがより好ましい。

<賦形剤>
 本発明のゲルシートは、形状安定性の向上 ために、ハイドロゲル中にさらに賦形剤を 加してもよい。賦形剤としては、有機また 無機の微粒子が好適に使用することができ 。有機微粒子としては、公知のポリスチレ 粒子、ポリメタクリレート粒子、微結晶セ ロースが好ましい。また無機微粒子として 、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カ シウム、カオリン、粘土鉱物等が好ましい これらのうち、シリカあるいは粘土鉱物が ましく、特に平均粒子径が200nm以下の気相 シリカ、合成スメクタイトが特に好ましい
 本発明におけるハイドロゲル中に占める賦 剤の割合は、10質量%以下であるのが好まし 、5質量%以下であることがより好ましく、2 量%以下であることが特に好ましい。

<含水率>
 本発明のゲルシートにおけるハイドロゲル 含水率は70質量%以上95質量%以下であること 好ましい。含水率がこの範囲にあることで ハイドロゲルからの有効成分の放出効率が 上するだけでなく、貼付時の表皮への刺激 を低減させることができる。
 ハイドロゲルの含水率としては70質量%以上9 5質量%以下が好ましく、75質量%以上95質量%以 がより好ましく、80質量%以上90質量%以下が に好ましい。含水率が70質量%未満の場合、 分の皮膚浸透性が低下することがあり、95 量%を越えるとハイドロゲルの強度が低下す ために取り扱い性が低下することがある。
 ハイドロゲルの含水率は、加熱乾燥又は減 乾燥に伴う質量減少率から測定することが きる。具体的には、ゲルシートからハイド ゲルを1g取り出し、25℃にて試料の質量変化 が認められなくなるまで減圧乾燥し、以下に 示す式2により算出した値を前記含水率とす 。
 含水率(質量%)= 〔(初期質量-乾燥後質量)/初 期質量〕*100・・(式2)
 本明細書におけるハイドロゲルの含水率は 記方法により測定したものである。
 なお、ハイドロゲルの含水率は、カールフ ッシャー式、赤外線方式、あるいは電気抵 方式の水分計により測定することもできる また、ハイドロゲル配合液そのものがゲル する場合は水分の配合率をゲルの含水率と ることができる。

 本発明のゲルシートは離しょう性に優れる め、前記含水率の好ましい範囲において、 々の有効成分を含有することで、そのよう 有効成分を目的とする被着体の所定領域、 えば、生体などへ効率よく浸透させること できる。このため、本発明のゲルシートは 有効成分の徐放性担持体や化粧料として好 に使用することができる。
 有効成分は、ゲルシートの使用目的に応じ 適宜選択される。以下に本発明に係るハイ ロゲルが含みうる有効成分について説明す が、これらに限定されるものではない。

<コラーゲンまたはその分解物>
 本発明のゲルシートにおいて、保湿性の向 を目的としてハイドロゲル中にさらにコラ ゲンまたはその分解物から選ばれる少なく もいずれかを含有することが好ましい。
ここでいうコラーゲンは特に限定されず、様 々なコラーゲン抽出物が対象とされる。抽出 はコラーゲン含有原料をもちいて、酸可溶化 、アルカリ可溶化、中性塩可溶化、酵素可溶 化などの公知の手法にておこなうことができ る。コラーゲン含量原料としては、コラーゲ ンを含有する原料であれば何れの材料でも使 用でき、脊椎動物(例えば、ウシ、ブタ、イ シ、サメ等)の皮あるいは鱗、骨、軟骨、腱 臓器が例示されるが、コラーゲン含量の高 ことから、骨、軟骨、皮あるいは鱗、腱、 盤などが好適に使用される。これらのうち 本発明に好適に使用されるコラーゲンとし は水溶性コラーゲンが好ましい。
本発明のコラーゲン分解物としては、コラー ゲンをコラゲナーゼ、トリプシン、キモトリ プシンのようなタンパク分解酵素や酸、アル カリで加水分解する、あるいは加熱変性によ り得られる。
 コラーゲン分解生成物としては例えば、酸 理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、酵素 解ゼラチン、コラーゲントリペプチド、コ ーゲンジペプチド、アミノ酸(グリシン、プ ロリン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒド ロキシプロリン等)が挙げられる。
 本発明におけるハイドロゲル中に占めるコ ーゲンまたはコラーゲン分解物の含有量は 0.05~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好 しく、0.2~5質量%が特に好ましい。含有量が0 .05質量%以上あれば、表皮への貼付による保 性効果が得られ、また20質量%以下であれば 扱い性が良い。

<O/W型エマルション>
 本発明のゲルシートにおいて、ハイドロゲ 中にO/W型エマルション(以下、O/Wエマルショ ンと称することがある。)を含有することが ましい。特に、油溶性の薬効成分を含有し O/W型エマルションであることが好ましい。 発明のゲルシートは離しょう性に優れるた に、このような形態とすることで、油溶性 薬効成分を含有する微細なエマルションが 果的に皮膚へ浸透し、例えば美肌効果を高 ることができる。
 油溶性の薬効成分として、例えば脂溶性ビ ミンおよびその類縁体(トコフェロール、ト コトリエノール、レチノール、レチナール、 カルシフェロールなど)、ステロール類(コレ テロール、フィトステロールなど)、ユビキ ノン(CoQ10など)、さらにはスフィンゴ脂質、 ラミド、オリザノール、スクワレン、スク ラン、カロテノイド等およびこれらの誘導 が好ましく、本発明においてはカロテノイ であることが特に好ましい。

 カロテノイドとしては、アクチニオエリス ール、アスタキサンチン、ビキシン、カン キサンチン、カプサンチン、β-8’-アポ-カ テナール、β-12’-アポ-カロテナール、α-カ ロテン、β―カロテン、γ―カロテン、β-ク プトキサンチン、ルテイン、リコピン、ビ レリトリン、ゼアキサンチン、フコキサン ンおよびそれらの誘導体が挙げられる。
 中でもアスタキサンチン、ルテイン、ゼア サンチン、β―クリプトキサンチンが好ま く、特に酸化防止効果、抗炎症効果、皮膚 化防止効果、美白効果が認められているア タキサンチンが好ましい。

 なお、このO/W型エマルションには、一般に マルション組成物の各相に含有可能な乳化 等の他の成分を、一般に用いられる量で含 していてもよい。このような他の成分とし は、多価アルコール等の本明細書中に記載 他の成分も含まれる。
 O/W型エマルションの乳化粒子の体積平均粒 としては、1~200nmであることが好ましく、1~1 50nmであることが特に好ましい。
 前記体積平均粒径は、市販の粒度分布計等 計測することができる。エマルションの粒 測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レ ザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕 鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動 光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法 クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が られており、それぞれの原理に対応した装 が市販されている。

 本発明における体積平均粒径範囲および測 の容易さから、本発明におけるエマルショ の体積平均粒径測定では動的光散乱法が好 しい。動的光散乱を用いた市販の測定装置 しては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的 光散乱式粒径分布測定装置LB-550((株)堀場製作 所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR-1000(大塚電 (株))等が挙げられる。
 本発明において、O/W型エマルションの体積 均粒径は、濃厚系粒径アナライザーFPAR-1000( 大塚電子(株)製)を用いて25℃で測定した値を 用する。
 前記体積平均粒径の測定方法は、油相成分 濃度が0.1~1質量%の範囲内になるように純水 希釈を行い、測定用ガラス管を用いて測定 行う。体積平均粒径は、分散媒屈折率とし 1.3313(純水)、分散媒の粘度として0.8846mPs(純 )に設定して測定した時の累積(50%)値として めることができる。

 前記O/W型エマルションの製造方法は特に 定されず、例えば、特開2005-75817号公報に記 載されている方法を用いることができる。あ るいは、a)水性媒体に、水溶性乳化剤を溶解 せて水相を得、b)カロテノイド、トコフェ ール、レシチン、及び必要に応じてその他 油脂を混合、溶解して油相を得、c)攪拌下で 水相と油相を混合して、乳化分散を行い、エ マルション組成物を得るステップからなる方 法により製造することが好ましい。

 乳化分散の際、例えば、スターラーやイ ペラー攪拌、ホモミキサー、連続流通式せ 断装置等のせん断作用を利用する通常の乳 装置を用いて乳化を行った後、高圧ホモジ イザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置 を併用することが特に好ましい。高圧ホモジ ナイザーを使用することで、乳化物をさらに 均一な微粒子の液滴に揃えることができる。

 本発明のハイドロゲルに対するO/W型エマル ョンの含有量は、有効成分の効能と皮膚浸 性の点で、0.001~10質量%であることが好まし 、0.05~1質量%であることがより好ましい。
 また、本発明のハイドロゲルにおける油溶 の薬効成分の含有量は、薬効成分により異 るが、0.0001~10質量%が好ましく、0.005~5質量% より好ましい。
 前記油溶性の薬効成分がカロテノイドであ 場合は、本発明のハイドロゲルに対して、0 .0001~0.5質量%が好ましく、0.0005~0.1質量%がより 好ましく、0.001~0.05質量%であることが特に好 しい。カロテノイド含有量が0.0001質量%以上 であれば、本発明の生体用粘着ゲルシートを 皮膚に貼付した後の効果(美肌効果等)が感じ れ、また0.5質量%以下であれば表皮への着色 を抑えることができ不快感を生じにくい。

<有機酸>
 本発明のハイドロゲルにおいてpH調整の観 で有機酸をさらに含んでもよい。有機酸塩 して、具体的には、酢酸、α-ヒドロキシ酸( えばクエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ 、コハク酸など)、アスコルビン酸、ピロリ ドンカルボン酸、等が挙げられる。これらは 単独でまたは2種以上を混合して用いること できる。これらのハイドロゲル中における 有量は、0.01~5質量%であることが好ましく、0 .05~2質量%であることがより好ましい。

<防腐剤>
 本発明の粘着ゲルシートにおいて、微生物 よる変質に対する対策を目的としてさらに 腐剤を含有することが好ましい。防腐剤と ては、例えばフェノール、安息香酸および の塩、サリチル酸およびその塩、パラオキ 安息香酸エステル類(メチルパラベン、エチ ルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラ ベン)、2-フェノキシエタノール、デヒドロ酢 酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、 塩化アルキルアミノエチルグリシン、トリク ロサン、塩化ベンザルコニウム、エタノール 、プロパノール、ブタノール等が挙げられる 。これらは単独で使用してもよく、また併用 して使用することがより好ましい。これらの うちパラオキシ安息香酸エステル類、フェノ キシエタノールが特に好ましい。
 本発明における防腐剤の含有量としては、 イドロゲル中0.01~0.5質量%が好ましく、0.02~0. 3質量%がより好ましく、0.03~0.2質量%が特に好 しい。

<香料>
 本発明のハイドロゲルにおいて、リラック 効果を高めるために香料を添加してもよい 香料としては、アルコール系香料、フェノ ル系香料、カルボン酸系香料、アミン系香 等が挙げられる。
 アルコール系香料としては、青葉アルコー 、3-オクテノール、9-デセノール、リナロー ル、ゲラニオール、ネロール、シトロネロー ル、ロジノール、ジメチルオクタノール、ヒ ドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナ ロール、ラバンジュオール、ムゴール、ミセ ノール、テルピネオール、1-メントール(L-メ トール)、ボルネオール、イソブレゴール、 テトラヒドロムゴール、ボルニルメトキシシ クロヘキサノール、ノボール、ファルネソー ル、ネロリドール、サンタロール、サンダロ ール、セドロール、ベチベロール、パチュリ アルコール、ベンジルアルコール、β-フェニ ルエチルアルコール、γ-フェニルプロピルア ルコール、シンナミックアルコール、アニス アルコール、α-アミルシンナミックアルコー ル、ジメチルベンジルカルビノール、メチル フェニルカルビノール、ジメチルフェニルカ ルビノール、β-フェニルエチルジメチルカル ビノール、β-フェニルエチルメチルエチルカ ルビノール、フェノキシエチルアルコール、 フェニルグリコール、第3級ブチルシクロヘ サノール等が挙げられる。

 また、フェノール系香料としては、オイ ノール、バニリン、ヒノキチオール等が、 ルボン酸系香料としては、桂皮酸、フェニ 酢酸、ヒドロ桂皮酸等が、アミン系香料と ては、インドール、スカトール、2-メチル トラヒドロキノリン、6-メチルキノリン等が 挙げられる。

<添加剤等>
 本発明のゲルシートの使用目的に応じて、 らに各種の有効成分や添加剤を配合するこ ができる。そのような有効成分や添加剤と ては、以下に示すものを挙げることができ 。
 酸化防止剤(トコフェロール類、ジブチルヒ ドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソ ール、没食子酸エステル類等)、
 紫外線吸収剤(p-メトキシ桂皮酸、p-メトキ 桂皮酸オクチル、2-メトキシ-2-ヒドロキシベ ンゾフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸-2- チルヘキシル等)、
 pH調整剤(乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸- エン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナト ウム等の緩衝剤等)、
 キレート剤(フィチン酸、エチレンジアミン 四酢酸等)、
 界面活性剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル 、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等)。
 ビタミン類(ビタミンA、B 1 、B 2 、B 6 、C、D、Eおよびその誘導体)、
 アミノ酸類(グリシン、トリメチルグリシン 、ピロリドンカルボン酸、セリン、カルニチ ン、γ―アミノ酪酸、タウリン、トレオニン アスパラギン、グルタミン、チロシン、リ ン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギ 酸、グルタミン酸、オルニチン、バリン、 イシン等)、

 消炎剤(グリチルリチン酸誘導体、グリチル レチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキ チオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、
 保湿剤(尿素、カゼイン、大豆ペプチド、乳 酸菌発酵代謝産物、酵母発酵代謝産物、ハチ ミツ、ラクトフェリン、アルブミン、加水分 解エラスチン、加水分解ケラチン、加水分解 シルク)、
 美白剤(アスコルビン酸グルコシド、3-O-エ ルアスコルビン酸、アルブチン、ヒドロキ ン、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム 、アデノシン-1-リン酸ナトリウム、マグノ グナン、エラグ酸、レチノイド、ルチン、 ゾルシノール、システイン、グルタチオン )、

 各種抽出物(例えば、アシタバエキス、ア ボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエ キス、アルニカエキス、アロエエキス、アン ズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス 、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロ ン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エ キス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オ ウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソ ウエキス、オドリコソウエキス、オランダカ ラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、 海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解 コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス 、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘 草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス 、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ ーエキス、グアノシン、クチナシエキス、ク マザサエキス、クララエキス、クルミエキス 、グレープフルーツエキス、クレマティスエ キス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチ アナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボ ウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油 、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイ シンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液 、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササ エキス、サンザシエキス、サンショウエキス 、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエ キス、シソエキス、シナノキエキス、シモツ ケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ 根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、 セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエ キス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノ コギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、 セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュ ウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、 タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、 チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキ ス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、 トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエ キス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジン エキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハ イビスカスエキス、バクモンドウエキス、パ セリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリ エタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボ ロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、 フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッ チャーブルームエキス、ブドウエキス、プロ ポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペ パーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタ ンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロ ニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジ エキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグ ルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシ タエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、 ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエ キス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲ ソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエ キス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリ ーエキス、バーチエキス、アイリスエキス、 ブドウエキス、ユリエキス、サフランエキス 、ショウキュウエキス、トウガラシエキス、 トウキエキス、海藻抽出物、胎盤抽出物、プ ラセンタエキス、カミツレエキス、ハトムギ エキス、柚子種子エキス、ブドウ種子エキス 、ウォータークレスエキス、月下美人エキス 、ホワイトルピンエキス、ショウキョウエキ ス、鶏冠抽出物等)、

 賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、 コレステロール誘導体等)
 血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミ ド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン 酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン 、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモ ール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチ ン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニ コチネート、シクランデレート、シンナリジ ン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミ ル、セファランチン、γ-オリザノール等)、
 抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)
 抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタ ウリン、ヒポタウリン等)。
 これら有効成分は、ゲルシートの使用目的 応じて1種或いは2種以上を組み合わせて用 ることができる。

〔ゲルシートの構成〕
 本発明のゲルシートは、上述したようなハ ドロゲルを含むハイドロゲル層を単層で構 したものとしてもよく、さらに他の層を有 る多層構造のものとしてもよい。また、ハ ドロゲルの層を複数設けてもよい。上述し 各成分は、ハイドロゲル層に含まれていて よく、可能であれば他の層に含まれていて よい。また、ハイドロゲル層が複数の層か なる場合には、上記各成分を同一のハイド ゲル層に含有してもよく、複数の層に分け 含有してもよい。このように、ゲルシート 多層構造を構成するときは、上記各成分は ゲルシート全体として上述した各範囲の量 含有することができる。

<シート状基材>
 ハイドロゲル層を補強し、ゲルシートのハ ドリング性を向上させる目的で、ハイドロ ル層中に、或いは、ハイドロゲル層と隣接 てシート状基材を設けることができる。
 シート状基材は、本発明のゲルシートの形 安定性と取扱い性の向上の観点で設けるこ が好ましい。

 シート状基材を支持体層として用いる場合 不織布、織布、フィルム、ゲル等のシート の公知の支持基材を用いることができる。
 不織布、織布を構成する素材としては特に 限はなく、繊維としては、一般的に用いら るものが使用可能であり、セルロース、フ ブロインなどの天然繊維、レーヨンなどの 生繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリエ レン、ポリプロピレン、アクリル、ポリ乳 、ポリウレタンなどの合成繊維が挙げられ セルロース、ナイロン、ポリエステルが好 に用いられる。
 本発明に好適に使用される織布または不織 としては、目付量が3g/m 2 ~100g/m 2 の範囲であることが好ましく、5g/m 2 ~70g/m 2 であることがより好ましく、5g/m 2 ~50g/m 2 であることが特に好ましい。目付量が上記範 囲において、シート状基材の強度が取扱性に 優れる範囲となり、且つ、ゲルシートの柔軟 性を損なわず、貼付時の密着性が低下するこ とがない。

 フィルムを用いる場合には、その素材は任 であり、例えば、液不透過性の単層、又は 多層のプラスチックシートなどが挙げられ また、シートの一部或いは全面にわたって 透過用の開口部が形成されたシート、多孔 シート、メッシュ状のシートなどを用いる ともできる。
 厚みとしては、0.01mm~1mm程度のものがハンド リング性の観点から好ましい。また、化粧料 などに使用する場合には、以下に詳述するよ うに透明性が高いものを用いることが好まし い場合もある。
 シート状基材をハイドロゲル層中に設ける 合には、液透過性のシート、例えば、織布 不織布、多孔質シート、メッシュなどが好 しいが、片面のみに支持体として用いる場 には、液不透過性のシートや厚手の織布、 織布などを用いることができる。

 また、シート状基材をハイドロゲル層の 強層として用いる場合には、架橋ゲル(ゼラ チン/グルタルアルデヒド架橋ゲル、ポリア リル酸/多価金属イオン架橋ゲルなど)、物理 ゲル(アガロースゲル、κ―カラギーナンゲル など)、さらには親水性高分子から形成され 水不溶性フィルム(キトサンフィルム、セロ ァン、κ-カラギーナンキャストフィルムな )等の破断強度の高い高分子ゲルシートや親 水性高分子フィルムなどの基材を使用するこ とも可能である。

 これらのうち、本発明の粘着ゲルシート 、前記ハイドロゲルと織布または不織布と 一体化した構造を有するものであることが に好ましい。ここで、一体化した構造とは ハイドロゲル層の少なくとも片面に織布、 織布などの基材シートが積層して設けられ 両者がゲルシートの取扱中に剥離しない強 で密着している構造、或いは、ハイドロゲ 層中に基材シートが一体不可分に内在して り、基材シートの両面にヒドロゲル層が存 する構造を指す。

 本発明のゲルシートには、使用時まで有効 分や水分の保持性維持する目的で、ハイド ゲル層の生体に適用する面に保護シートを けることが好ましい。
 保護シートとしては、ポリエチレンフィル 、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム等 使用することが好ましい。中でも、厚さ500 m以下、より好ましくは、20μm~400μmのポリエ レンフィルムまたはポリプロピレンフィル を使用することが好ましい。

〔ゲルシートの製造方法〕
 本発明のゲルシートの製造方法は、一般に なわれる方法に従って製造することができ 。
 例えば、ゲルシートがハイドロゲルのみで 成される場合には、ハイドロゲルを製造す 通常の方法に従って製造することができ、 体的には、ハイドロゲルに含まれる各成分 加熱混合してゾル状物(ハイドロゲル形成用 配合液)とした後に、ドクターブレード等の 布機を用いてシート状に塗布し、続いて、 温雰囲気下に静置するか、冷却することに りゲル化を完了させて、ハイドロゲル層を 形し、ゲルシートとする方法をとることが きる。
 本発明のゲルシートにおけるハイドロゲル の厚みは、一般に形状の保持性や取扱い性 観点から支持体の有無に関わらず0.4~2mmであ ることが好ましく、0.5~1.5mmであることが特に 好ましい。

 支持体層を有するゲルシートを製造する場 には、例えば、シート状基材上に、上記の うにして得られたハイドロゲル層形成用溶 を塗布等し、その後は、同様にしてハイド ゲル層をシート状基材表面に積層する方法 或いは、ハイドロゲル層形成用溶液を塗布 た後、ゲル化が完了する前にシート状基材 表面に積層し、その後、ゲル化を完了させ 一体化する方法などをとることができる。
 また、シート状基材をハイドロゲル層中に 置させる場合には、ハイドロゲルをシート に塗布するか、或いは、型枠中に流し込ん 後、ゲル化が完了する前にシート状基材を 浸させ、その後、ゲル化を完了させる方法 より得ることができる。

 なお、前記多価アルコール、O/W型エマル ョンなどの有効成分は、前記ハイドロゲル 製造工程中に、それぞれ別途あるいは共に 加してもよいし、ハイドロゲルの製造後に 有効成分を含有する溶液中にハイドロゲル 1~3日程度含浸させて導入することもできる

 また、保護シートを設ける場合には、ハ ドロゲル層のみからなるゲルシートの場合 その片面或いは両面を保護シートで被覆す ばよく、シート状基材とハイドロゲル層と 積層構造を有する場合には、ハイドロゲル のシート状基材が設けられていない側の表 に保護シートを積層すればよい。

〔ゲルシートの物性〕
 また、本発明の生体用粘着ゲルシートは、 明性が高いことが、皮膚へ貼付した際の外 的な違和感を軽減する観点から好ましい。
 本発明のゲルシートの透明性は、ゲルシー を通した文字の判別サイズにより評価する とができる。本発明のゲルシートでは、明 体の12ポイントサイズの文字が判別可能で ることが好ましく、10ポイントサイズの文字 を判別できることがより好ましい。この範囲 にあることで貼付時に皮膚の状態を確認し易 くなる。しかしながら、外観が考慮されない 使用部位に適用する場合などは、必ずしも透 明である必要はない。
 また、ゲルシートが透明性を必要とする場 には、ハイドロゲル層とともに用いられる ート状基材も、目付量の小さいナイロン織 、透明樹脂フィルムなどの光透過性に優れ ものを選択することが好ましい。

 本発明のゲルシートを実用に供する際の形 としては特に制限はないが、テープ状でロ ル状に巻いた形状で提供されてもよく、一 一枚独立した個別のシートであってもよい 個別のシートの場合、その形状は任意であ 、使用目的、使用部位に応じて適宜選択さ 、例えば、楕円形、円形、ハート形、半円 、半楕円形、正方形、長方形、台形、三角 、あるいはこれらが組み合わされた形状等 挙げられ、また、適用部位に沿った形状、 用部位により最も適切に貼り付けることが きる形状を適宜設計してもよい。
 例えば、生体用粘着シートとして用いる場 、ゲルシートの中心部や周辺部に位置合わ 等の目的で凸部や凹部を設ける、或いは、 用部位の形状に応じて、切り込みやくり抜 部分等を設けるなどの態様をとることがで 、このような態様をとることで、適用部位 おける粘着シートの取り扱い性を向上させ 必要な領域における隣接する被着体との密 性を向上させることができる。

 以下、本発明のゲルシートの適用部位と形 について説明する。
 本発明のゲルシートを生体に適用する場合 適用部位としては、顔(唇、頬部、目元部、 目の上下部、鼻部、額部、顔全体)、腕部、 部、胸部、腹部、背部、首部等が挙げられ 。
 本発明のゲルシートを生体用粘着シートと て使用する場合には、前記した形状のみな ず、面積、厚み、ハイドロゲル層最表面の 着特性等を、適用部位に応じて適宜調整す ばよい。また、含有させる有効成分の種類 含有量も適宜調整することができる。
 例えば、適用部位が顔全体である生体用粘 用シートを形成する場合には目、口の位置 相当する部分をくり抜き、鼻の位置に相当 る部分に切り込みを入れた形状とし、さら 貼付け面積が大きいことから、粘着層の粘 力を上昇させるか、厚さを薄めにする等の 整を行うのが好ましい。また、顔用の形状 2分割し、額や目、鼻の周りに適用する上部 と、口の周りからあご部に適用する下部とに 分けてもよい。

 これらのゲルシートは、適用されるまでに 分や有効成分が経時的に減少することを防 するため、非通気性の素材からなる包装材 内に密閉されていてもよい。
 例えば、テープ状に連続したゲルシートの 合、開閉可能な密閉容器、例えば、チャッ 付き非通気性シートからなる包装袋、非通 性樹脂により形成された蓋付き容器などに 納することができる。また、一枚一枚独立 た個別のシートの場合には、非通気性のシ トからなる開封可能な個別袋体内に密閉し もよい。このような状態で保存、流通する とで使用時まで水分や有効成分を適切な状 で維持することができる。

 上記のように構成される本発明のゲルシ トは、生体への密着性、保湿性、有効成分 離しょう性に優れ、取り扱い性が良好であ ことから、ハイドロゲル層中に含有させる 分の種類や量、ハイドロゲル層の厚みやゲ シートの剤形を選択することで、薬物を生 内へ投与する経皮吸収性医薬品の担持体と ての貼付剤、美容、美顔および皮膚の治療 に用いられるパック料などのシート状化粧 、皮膚浸透成分や消炎鎮痛成分等の有効成 の担持体、傷保護や薬剤固定化などを目的 する生体用粘着テープ、創傷被覆剤などに 用である。

〔シート状化粧料〕
 本発明のシート状化粧料は、本発明のゲル ートにより構成することができる。
 即ち、本発明のゲルシートに有効成分とし 、ビタミン類、アミノ酸類、保湿成分、美 成分、香料、防腐剤、収斂成分などを保持 せて化粧料とすることができる。このシー 状化粧料は、ハイドロゲル層表面を皮膚に 着させて使用するものである。
 前記本発明のゲルシートは有効成分等の皮 への浸透性および取り扱い性に優れている め、本発明のシート状化粧料は、上記のよ な顔に貼付して肌に潤いや薬効成分を与え パック剤などのシート状化粧料として特に 用である。

 特願2007-284489の開示はその全体が参照によ 本明細書に取り込まれる。
 本明細書に記載された全ての文献、特許出 、および技術規格は、個々の文献、特許出 、および技術規格が参照により取り込まれ ことが具体的かつ個々に記された場合と同 度に、本明細書中に参照により取り込まれ 。

 以下、実施例により本発明をさらに具体的 説明するが、本発明はこれらより限定され ものではない。なお、以下、含有量、配合 を示す「質量部」、「質量%」を、それぞれ 「部」、「%」を表記することがある。
<O/Wエマルションの作製>
 下記の成分を、70℃で加熱しながら1時間溶 して、水相組成物を得た。
(水相成分)
・ショ糖オレイン酸エステル            ・・・15g
・モノオレイン酸デカグリセリル          ・・・23g
・グリセリン                  ・・ ・500g
・純水                     ・・・ 322g

 また、下記成分を70℃で加熱しながら1時間 解して、油相組成物を得た。
(油相成分)
・ヘマトコッカス藻抽出物(アスタキサンチ 類含有率20質量%) ・・・40g
・ミックストコフェロール                     ・・・10g
・レシチン(大豆由来)                     ・・・90g

 前記水相組成物を70℃に保ったままホモ ナイザーで攪拌し(10000rpm)、そこへ上記油相 成物を添加してエマルションを得た。得ら たエマルションをアルティマイザーHJP-25005( スギノマシン社製)を用いて、200MPaの圧力で 圧乳化を行った。得られたエマルションの 積平均粒径を、濃厚系粒径アナライザーFPAR- 1000(大塚電子(株)製)を用いて25℃で測定した ころ、90nmであった。

<ハイドロゲルの作製>
 表1に記載の成分のうち、前記のようにして 得られたO/Wエマルションを除く成分を水中に 順に添加し、80℃にて加熱・混練し、ゾル状 を得た。
 なお、表1における「ハイドロゲル処方」欄 に記載の数値はそれぞれの成分の含有量(単 :質量%)を表す。
 このゾル状物を60℃まで冷却した後、前記O/ Wエマルションを添加し、均一に攪拌した。 れを0.8mm厚となる様にドクターブレードを用 いて展延した後、目付量20g/m 2 のナイロン編布を被せ、25℃で30分間静置す ことで、ナイロン編布をシート状基材とし 備え、その両面にハイドロゲル層を有する 施例1の生体用ゲルシートを得た。ハイドロ ル層の厚みは、総厚で0.8mmであった。

 

 上記表1において、プルロニックF-127(商品名 )はBASF社製のポリエーテルである。
(ゲルシートの評価)
 上記実施例1~5および比較例1~4の生体用ゲル ートを用いて、下記評価を行い、前記表1に その評価結果を併記した。なお、密着性、保 湿性、皮膚バリア性、および美肌効果の各官 能評価は、10人のモニターに上記実施例1~5お び比較例1~4の生体用粘着ゲルシートを各々 用(顔に貼付)させ、その評価の平均値を表1 示した。
(1)離しょう率
 上記実施例1~5および比較例1~4の生体用ゲル ートを、3cm×3cmサイズにカットし、これを 径9cmのアドバンテック東洋社製濾紙No.2〔JIS P3801(995年版)に規定される濾紙:125g/m 2 、厚さ0.26mm、濾水時間80秒、吸水度80cm)を上 2枚用いてはさみ、25℃相対湿度55%の雰囲気 10分間静置した際の濾紙の質量変化を測定し 質量変化を測定して濾紙吸液質量を求め、下 記式1により離しょう率を算出し、同様の試 を5回繰り返した平均値を離しょう率(単位: 量%)として表1に記載した。
  離しょう率=(濾紙吸液質量/ゲル初期質量 * )×100  (式1)
*ここでゲル初期質量は、ゲルシート試験片 質量からシート状基材であるナイロン編布 質量を除して得られる値である。

(2)密着感
 貼り付けたゲルシートが、顔の表面に沿っ 密着する場合をA、部分的に浮きが生じた場 合をB、各部にシワができて、浮きが多数発 した場合をCとして評価した。
 なお、密着感評価において、ゲルシートを 膚に貼付する際、破損や所望されない伸張 どは観察されず、このことから実施例1~5の ルシートは取り扱い性にも優れることがわ った。
(3)保湿性
 モニター10名のゲルシート貼付前の目尻の 層水分量を角層水分量計(アサヒバイオメッ 社製)におけるコンダクタンスの値にて評価 した。
 その後、上記実施例1~5および比較例1~3の生 用粘着ゲルシートを、目尻に15分間貼付し 、剥離した後30分後の、目尻の角層水分量に ついて、同様にして測定した。両者を比較し 、10名の平均にてコンダクタンスが15%以上上 していた場合をAA、10%以上15%未満の増加が られた場合はA、2%以上10%未満の増加がみら た場合をB、2%未満の変化であった場合をCと て評価した。

(4)皮膚バリア性
 肌荒れ改善機能を評価するため、以下の方 で経表皮水分蒸散量(TEWL)を測定した。
 すなわち、1日15分の貼付を3日継続し、3日 の生体用粘着ゲルシート剥離直後の経表皮 分蒸散量(TEWL)を水分蒸散計(アサヒバイオメ ド社製)にて測定した。テスト前に比して、 TEWLが5質量%以上低下した場合をA、1質量%以上 5質量%未満低下した場合をB、変化が見られな い場合をCとして評価した。

(5)官能評価
 1日15分の貼付を3日継続した際の、3日目の 体用粘着ゲルシート剥離直後の皮膚の外観 ついての印象にて評価を行った。明らかに メが整ったと感じた場合をA、わずかにキメ 整ったと感じた場合をB、変化が見られなか ったと感じた場合をCとした。

(6)含水率
 ゲルシートからハイドロゲル層1gを取り出 、25℃にて減圧乾燥を行った。試料の質量変 化が認められなくなるまで乾燥を継続し、下 記に示す式2により含水率を算出した。
 含水率(%)= 〔(初期質量-乾燥後質量)/初期質 量〕*100   (式2)
 上記の測定試験を5回繰り返して得られた値 の平均値を、含水率(単位:質量%)として表1に 載した。

 表1の結果から、実施例1~5のゲルシートは 、離しょう性に優れていた。また、実用上も 、肌への密着性や肌に密着させるときの取り 扱い性が良好で、保湿性や皮膚のバリア性の 改善効果に優れ、またキメを調える美肌効果 を有することが明らかとなった。一方、離し ょう性の低い比較例1~4のゲルシートでは、特 に官能評価での改善効果の実感が得られず、 また保湿効果も劣るものとなった。