Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
GLASS MICROPARTICLE ASSEMBLY, AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143189
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a glass microparticle assembly which has a lower melting point compared to a conventional glass frit in spite of having substantially the same composition as that of the conventional glass frit. Specifically disclosed is a glass microparticle assembly which comprises a multi-component glass, has an average particle diameter of 200 nm or smaller, and has a shrink start temperature of 1500°C or lower. Preferably, the glass microparticle has an average particle diameter of 100 nm or smaller, and has an almost spherical shape. The glass microparticle can be produced by concentrating and irradiating the surface of a sample (2) of aglass bulk with a CO2 laser beam (5).

Inventors:
HIROMATU KUNIAKI (JP)
ITOH KAZUHIRO (JP)
KUROIWA YUTAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059074
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 16, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
HIROMATU KUNIAKI (JP)
ITOH KAZUHIRO (JP)
KUROIWA YUTAKA (JP)
International Classes:
C03C8/02; C03B19/10
Domestic Patent References:
WO2007105466A12007-09-20
Foreign References:
JP2001348228A2001-12-18
JP2004339046A2004-12-02
JP2006249402A2006-09-21
JP2007261860A2007-10-11
JP2007261861A2007-10-11
Other References:
JUANG C.-B. ET AL.: "Synthesis of nanometer glass particles by pulsed-laser ablation of microspheres", APPL. PHYS. LETT., vol. 65, no. 1, July 1994 (1994-07-01), pages 40 - 42
HARMER M.A.: "Synthesis of spherical sub-micron borosilicate powders", JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE LETTERS, vol. 14, 1995, pages 971 - 974
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square 17, Kanda-konyacho, Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
Download PDF:
Claims:
 多成分ガラスからなり、平均粒径が200nm以下であって、収縮開始温度が1500℃以下であるガラス微粒子集合体。
 ガラス微粒子の平均粒径が100nm以下である請求項1に記載のガラス微粒子集合体。
 ガラス微粒子の形状がほぼ真球状である請求項1または2に記載のガラス微粒子集合体。
 多成分ガラスは、3種以上のカチオンを含み、主カチオン成分の含有量が85カチオン%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス微粒子集合体。
 ガラス微粒子が、酸化物ガラスを含む請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス微粒子集合体。
 請求項1~5いずれか1項に記載の焼成用のガラス微粒子集合体。
 請求項6に記載のガラス微粒子集合体を焼成してなるガラスバルク体。
 レーザ光をガラス塊表面に集光、照射して、ガラス微粒子を形成する請求項1~5のいずれか1項に記載のガラス微粒子集合体の製造方法。
Description:
ガラス微粒子集合体およびその 造方法

 本発明は、ガラス微粒子集合体およびそ 製造方法に関する。

 低融点ガラスの粉体は、焼成用として、 く使われている。たとえば、焼成して、ブ ウン管、プラズマディスプレイやフィール エミッションディスプレイなどの電子表示 品容器の封止に用いたり、ガラスやセラミ クスの基板の上に被膜を形成したりするた に用いられる。また、LEDなどの電子部品を 止するために用いられる。

 このように用いられる低融点ガラスの焼 温度は、工程上低いほうが有利である場合 多い。たとえは、高温で焼成すると、ガラ 基板に歪みを生じたり、封止する電子部品 特性に悪影響を与えたりする場合がある。 のようなリスクを低減するために、ガラス 焼成温度は低い方がよい。

 しかし、ガラス組成を調整して、低融点 すると、本来備えていたガラス本来の特性 維持することは難しい。たとえば、低融点 に効果のある成分を増やした組成にすると 耐水性や耐薬品性が低下したり、光学特性 低下したりすることがある。したがって、 限なく低融点化が可能なわけではなく、通 は他に要求される特性とのトレードオフを 慮して、限界ぎりぎりの低融点化がなされ ことになる。

 本発明は、かかる事情の下になされたも であり、ガラス組成を実質的に変更するこ なく、より低融点のガラス微粒子集合体を ることを目的としている。

 本発明は、多成分ガラスからなり、平均 径が200nm以下であって、収縮開始温度が1500 以下であるガラス微粒子集合体を提供する このような構成により、実質的に同じ組成 ありながら、通常用いられるガラスフリッ に比べてより低融点化されたガラス微粒子 合体が得られる。ここで、実質的に同じ組 とは、融点以外に要求されるガラス微粒子 合体の特性の変化が、対象となる用途で事 上無視できる程度に同じ組成ということで る。

 また、平均粒径が100nm以下である上記の ラス微粒子集合体を提供する。このような 成により、低融点化の効果をより顕著に示 ガラス微粒子集合体と得ることができる。

 また、ガラス微粒子の形状がほぼ真球状 ある上記のガラス微粒子集合体を提供する このような構成により、焼成時の微粒子同 の接触点が増え、より安定な焼成が可能に る。

 また、レーザ光をガラス塊表面に集光、 射して、ガラス微粒子を形成する上記のガ ス微粒子集合体の製造方法を提供する。こ ような構成により、多成分系のガラス微粒 を含む非常に広い組成範囲のガラス微粒子 合体において、充分に粒径の小さい、ほぼ 球状のガラス微粒子集合体を得ることがで る。

 本発明においては、実質的に同じ組成で りながら、通常用いられるガラスフリット 比べてより低融点化されたガラス微粒子集 体が得られる。また、本発明の別の態様に いては、多成分系のガラス微粒子を含む非 に広い組成範囲のガラス微粒子において、 融点化されたほぼ真球状のガラス微粒子集 体を得ることができる。

本発明のガラス微粒子集合体の作製方 を示す概念図。 本発明のガラス微粒子とガラスフリッ (比較例)の示差熱分析の測定結果。 ガラス微粒子の平均粒径を基準として 本発明のガラス微粒子集合体の収縮開始温 の従来のガラスフリットの収縮開始温度か の低下量を表したグラフ。

符号の説明

 1:ガラス瓶
 2:ガラスのバルクサンプル
 3:シリコンウエハ
 4:集光レンズ
 5:CO 2 レーザ光
 6:レーザ光源
 11、11sh:試料2の示差熱曲線と、収縮開始温 に対応するピーク
 12、12sh:試料2に対応するフリットの示差熱 線と、収縮開始温度に対応するピーク

 本発明においては、ガラス微粒子の平均 径が200nm以下であることがひとつの特徴に っている。ガラス微粒子の平均粒径が200nmを 超えると、本発明における低融点化の効果は 得られにくい。低融点化の効果をより顕著に するためには、ガラス微粒子の平均粒径が180 nm以下、特に150nm以下、さらには100nm以下であ ることがより好ましい。また、凝縮し難くす るため、平均粒径は、50nm以上が好ましい。

 また、本発明において、ガラス微粒子の 合体とは、それぞれのガラス微粒子が分離 ていてもよく、一部が凝集していてもよい ガラス微粒子が互いに固着して、スート状( soot)になっていてもよい。ガラス微粒子が凝 している場合の平均粒径は1次粒径をいう。

 本明細書においては、融点の指標として 収縮開始温度を使用する。ここで、収縮開 温度とは、示差熱分析でガラス転移点より 温で最初に吸熱が始まる温度であって、示 熱曲線のベースラインと吸熱ピークの吸熱 始まった側とにそれぞれ引いた接線の交点 ら求めることができる。

 本発明におけるガラス微粒子集合体の収 開始温度は1500℃以下である。好ましくは120 0℃以下、より好ましくは1000℃以下、さらに ましくは900℃以下、特に好ましくは800℃以 である。この収縮開始温度が高すぎると、 融点の焼成用ガラスとしての応用が制限さ るおそれがある。一方で、収縮開始温度が いほど、平均粒径を小さくでき、収縮開始 度の低下が容易になる傾向があるので、あ 程度収縮開始温度の高いことも望ましい面 ある。収縮開始温度は、300℃以上が好まし 。

 本発明において、ガラス微粒子の形状は ぼ真球状であることが好ましい。ガラス微 子の形状がほぼ真球状であると、焼成時の ラス微粒子同志の接触点が増え、より安定 焼成することができる。

 本発明のガラス微粒子を構成するガラスは 好ましくは3種以上のカチオンを含み、かつ ガラス微粒子を構成するガラスにおける主カ チオン成分は好ましくは85カチオン%以下とな っていることが好ましい。なお、カチオン% は、当該カチオンの個数/ガラス成分のカチ ンの総数×100を示す。例えば、SiO 2 -Na 2 O-2ZnOのNaのカチオン%の場合、2/(1+2+2)×100=40カ オン%となる。
 上記カチオンとしては、Si、B、Zn、Al、P、Bi 、Li、Na、K等が挙げられ、また、Si、B、Zn、Al 、Pが好ましい。
 また、主カチオン成分とは、ガラス中のカ オン成分のうち、最もカチオン濃度の高い チオン成分をいう。主カチオン成分として 、B、Zn、P、Bi、Ba、Siが好ましい。
 構成成分はガラス化するものであれば、特 限定されないが、揮発しにくい成分が好ま い。具体的には、SiO 2 、ZnO、B 2 O 3 、CoO、CuO、CeO 2 、Na 2 O、Li 2 O、TeO 2 、Bi 2 O 3 、BaO、SrO、CaO、MgO、Al 2 O 3 が挙げられる。
 主カチオン成分の濃度が85カチオン%以上あ 単成分に近いガラス粒子としては、たとえ 、シリカヒュームのようなごく微粒径のも が存在する。しかし、単成分系のガラスの ち、ある程度安定なものは、SiO 2 のようなネットワークフォーマーをほとんど の成分としているものであり、低融点という 特性を発揮することを目的とした組成として は適していない場合が多い。

 本発明のガラス微粒子集合体は焼成用とし 用いることができる。ここで、焼成用とは ガラス微粒子集合体を、通常、有機樹脂や 剤を適宜混練することによりペースト化し 封着、封止、被膜形成に適した所定の形状 して、対象箇所に設け、加熱することによ 、ガラスのバルク体を形成するために用い ことをいう。
 具体的な用途としては、前述のように、ブ ウン管、プラズマディスプレイやフィール エミッションディスプレイなどの電子表示 品容器の封止に用いたり、ガラスやセラミ クスの基板の上に被膜を形成したりするた に用いられる。また、LEDなどの電子部品を 止することもできる。

 本発明のガラス微粒子集合体を製造する 法としては、レーザ光をガラス塊表面に集 、照射して、ガラス微粒子を形成する方法 挙げられる。

 この場合のレーザ光の光源としてはCO 2 レーザが例示できるが、YAGレーザなどの通常 使われる他のレーザでも使用できる場合があ る。
 レーザ光は、ガラス塊に対して集光して照 し、ガラス塊表面における照射強度を10000W/ cm 2 以上とすることが好ましいが、材料によって 調整する必要がある。レーザ光の波長として は、190nm以上が好ましく、好ましくは250nm以 、特に好ましくは500nm以上である。また、上 記波長は11μm以下が好ましい。レーザ光は、 続照射してもよいし、間欠照射してもよい パワー等の照射の条件を適宜調整すること より、生成させるガラス微粒子の粒径を調 することが可能である。

 このレーザ光の照射による方法は、多く ガラス組成において、最初に調整、作製し ガラス塊の組成を実質的に変更することな 、ガラス微粒子を作製できるため、有利で る。

 かかるガラス微粒子の形成において、本 明のガラス微粒子を構成するガラスとして 、安定なものが好ましい。不安定なる要素 しては、急冷による結晶化や高温での揮発 よる組成変動がある。したがって、かかる 晶化や揮発の生じにくいガラスであること 好ましい。ガラスの安定性は組成に大きく 存するが、酸化物系のガラス、特に、アル リ珪酸ガラス、無アルカリ珪酸ガラス、ア カリホウ珪酸ガラス、無アルカリホウ珪酸 ラス等の珪酸系ガラス、鉛系ガラス、ビス ス系ガラス、テルライト系ガラス、亜鉛系 ラスなどから、安定なガラスを使用すれば い。

 本発明のガラス微粒子を製造する方法と ては、他に、気相合成法やゾルゲル法も採 可能ではあるが、気相合成法は金属塩化物 どの気体原料を火炎中、プラズマ中などの 温条件下で直接酸化、または加水分解させ ガラス微粒子を作製する方法である。その め、多成分系のガラス微粒子を作製する場 、気体原料の反応速度や生成したガス状の ノ粒子の蒸気圧が異なるため気体の流量、 合方法などを精密に制御しなければならず 多成分系になるほど微粒子の組成の制御が しくなる欠点はある。

 また、ゾルゲル法は、金属硝酸塩化合物 金属アルコキシドなどの原料溶液を加水分 、縮重合させて酸化物の湿潤ゲルを作製し その後乾燥工程を経てガラス微粒子を得る 法であり、多成分系になると原料の加水分 速度が異なるため、組成が限定されてしま 難点はある。

 以下、実施例について説明する。本発明 、当然のことながらこれらに限定して解釈 れるものではなく、本発明の技術思想を実 的に変更することなく、適宜変更して実施 能である。

 [サンプルの調製]
 表1の4つの組成のガラスを以下の手順にし がって微粒子集合体とした。なお、表1での 位はモル%である。

 坩堝の中で、上記の各原料成分(各酸化物) 溶解し、ガラスのブロックを作製した後、 断加工し、約1cm×1cm×5mm程度のガラスのバル サンプルを用意した。次に、このバルクサ プルを容量70mlのガラス瓶の中へセットし、 瓶の開口部にシリコンウエハの蓋をテープで 貼り付け、開口部を閉じた。このとき、蓋の 材料はCO 2 レーザが透過する材料であれば何でもよく、 シリコンウエハでなく、ZnSeなどを用いるこ もできる。

 このバルクサンプルにCO 2 レーザを集光、照射した。CO 2 レーザ照射装置としては、Coherent Inc.社製のL C-50(商品名)を使用した。CO 2 レーザ光の波長は10.6μmであった。

 レーザ発振器より約1m離れた所に、焦点 離50mmのZnSe製の集光レンズをセットし、レー ザ光を集光しフォーカスをバルクサンプル表 面近傍に合わせて照射した。レーザ光照射は 大気圧下で行い、そのときの室温は約25℃、 点は約12.5℃であった。

 レーザ光照射の様子を図1に概念図として示 す。ここで、1はガラス瓶、2はガラスのバル サンプル、3はシリコンウエハ、4は集光レ ズ、5はCO 2 レーザ光、6はレーザ光源である。

 レーザの照射パワーはそれぞれ、試料1で は10W、試料2では5W、試料3では5W、試料4では10 Wとした。

 それぞれのサンプル(試料1~4)を作製する めにレーザ光を10分程度照射し、その後、シ リコンウエハの蓋を外し、ガラスのバルクサ ンプルを取り出した後、ガラス瓶にスクリュ ー栓をして、中に生成したガラス微粒子の集 合体を評価した。

 [評価]
 1.収縮開始温度
 示差熱分析計(ブルカー・エイエックスエス 社製TG-DTA2000SA(商品名))を用いて測定した。測 定の温度範囲は、室温~800℃であり、サンプ 12~22mgを白金パンに入れて、昇温速度10℃/分 測定した。示差熱分析で観察されるガラス 移点より高温で最初に吸熱が始まる温度を 「収縮開始温度」(℃)とした。

 2.平均粒径
 FE(Field Emission)-SEM(日立製作所社製S-4300(商品 名))を用いて測定した。カーボンテープ上に ンプルを付着させ、白金蒸着して観察用の 料とした。加速電圧15kV、適宜の倍率で観察 し、写真を撮って粒子50個の直径を測定し、 均した値を平均粒径とした。

 結果を表2に示す。また、比較のために、 それぞれの試料について、平均粒径が数μm以 上の従来のガラスフリットを作製し、収縮開 始温度を測定した。図2に、試料2の組成を有 る本発明のガラス微粒子集合体と、従来の ラスフリットとの、示差熱分析結果を示す 図2中のプロット11、12は、それぞれ本発明 ガラス微粒子集合体、従来のガラスフリッ の示差熱曲線であって、11sh、12shはそれぞれ の収縮開始温度を示す矢印である。

 このようにして得た試料1~4の収縮開始温 の結果を、従来のガラスフリットの収縮開 温度(比較)と併せて表2に示す。

 また、本発明のガラス微粒子の収縮開始 度と従来のガラスフリットの収縮開始温度( 表2の収縮開始温度(比較)に相当)との差を本 明のガラス微粒子の収縮開始温度(単位:K)で って正規化したもの(δT収縮/T収縮)を縦軸に とり、横軸には平均粒径(単位:nm)をとってグ フ化したのが図3である。

 図3から、多成分系ガラスにおいて、平均 粒径が200nmより小さくなると、収縮開始温度 低下が始まり、平均粒径が100nm以下程度で 分な収縮開始温度の低下が生じることがわ る。

産業上の利用の可能性

 本発明においては、実質的に同じ組成であ ながら、通常用いられるガラスフリットに べてより低融点化されたガラス微粒子集合 が得られる。該ガラス微粒子集合体は、ブ ウン管、プラズマディスプレイ、フィール エミッションディスプレイなどの電子表示 品容器の封止に用いたり、ガラスやセラミ クスの基板の上に被膜を形成したりするた に用いることができ、また、LEDなどの電子 品を封止することもでき、産業上有用であ 。
 
 なお、2007年5月18日に出願された日本特許出 願2007-132922号の明細書、特許請求の範囲、図 及び要約書の全内容をここに引用し、本発 の明細書の開示として、取り入れるもので る。