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Patent Searching and Data


Title:
GREASE COMPOSITION AND MACHINE MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108489
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a grease composition containing a large amount of a thickening agent, which enables to efficiently prevent separation for a long time, while exhibiting excellent influx property. Also disclosed is a machine member having such a grease composition sealed therein. Specifically disclosed is a grease composition containing a thickening agent and a base oil. This grease composition is characterized in that the thickening agent contains a diurea compound represented by the following formula (I). (I) R1-NHCONH-R2-NHCONH-R3 In the formula, R1 and R3 represent a phenyl group and/or a cyclohexyl group; R2 represents a divalent hydrocarbon group having 6-15 carbon atoms; and the ratio (molar ratio) of cyclohexyl group/(cyclohexyl group + phenyl group) of R1 and R3 is within the range of 0.95-0.10.

Inventors:
KONDO SHINYA (JP)
NAGUMO DAIGO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054280
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
March 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYODO YUSHI (JP)
KONDO SHINYA (JP)
NAGUMO DAIGO (JP)
International Classes:
C10M115/08; C10M101/02; C10M105/18; C10M169/02; F16C33/66; C10N30/08; C10N40/02; C10N40/04; C10N50/10
Domestic Patent References:
WO2007037308A12007-04-05
Foreign References:
JPH01279996A1989-11-10
JP2003306687A2003-10-31
JP2003073682A2003-03-12
JPH0959661A1997-03-04
JPH04328198A1992-11-17
JPH08165488A1996-06-25
JP2004123858A2004-04-22
JPH09255983A1997-09-30
JPS61155496A1986-07-15
US5607906A1997-03-04
US5604187A1997-02-18
GB2255346A1992-11-04
US6432888B12002-08-13
Other References:
See also references of EP 2135924A4
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg.3-1, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 増ちょう剤と基油を含むグリース組成物において、増ちょう剤が下記式(I)で表されるジウレア化合物を含むことを特徴とするグリース組成物。
 (I) R 1 -NHCONH-R 2 -NHCONH-R 3
 式中、R 1 ,R 3 は、フェニル基及び/又はシクロヘキシル基であり、R 2 は炭素数6から15の2価の炭化水素基であり、R 1 ,R 3 のシクロヘキシル基/(シクロヘキシル基+フェニル基)は0.95~0.10(モル比)である。
 基油が、鉱物油を含有する請求項1記載のグリース組成物。
 基油が、フェニルエーテル系合成油を含有する請求項1記載のグリース組成物。
 転がり潤滑部及び/又は転がりすべり潤滑部用である請求項1~3のいずれか1項記載のグリース組成物。
 自動車等速ジョイント及び/又はギヤ用である請求項1~4のいずれか1項記載のグリース組成物。
 転がり軸受用である請求項1~4のいずれか1項記載のグリース組成物。
 請求項1~4のいずれか1項記載のグリース組成物を封入してなる機械部材。
 機械部材が、自動車等速ジョイント及び/又はギヤである請求項7記載の機械部材。
 機械部材が、転がり軸受である請求項7記載の機械部材。
Description:
グリース組成物及び機械部材

 本発明は、グリース組成物及び機械部材 関し、特に自動車電装・補機用転がり軸受 等速ジョイントに好適に使用されるグリー 組成物及びこれを封入した転がり軸受、等 ジョイントに関する。

 転がりや転がり滑り潤滑で使用される潤滑 の寿命は、疲労すなわち、はく離である。 のはく離を防止し、寿命を延長するために 潤滑する両面の直接接触機会を減少させる とが求められる。この両面を接触させない 法として、一般的には潤滑油すなわちグリ スの基油の粘度を高くし、油膜を厚くする 策がなされている。
 しかし、この効果を発揮させるためには、 る程度の増ちょう剤の量が必要である。一 、増ちょう剤が多すぎるとグリース組成物 潤滑部に良く流入する性質が損なわれるた 、その対策も求められる。
 このようなグリース組成物の流入性は、潤 される機械部材が自動車等速ジョイント、 ヤ、転がり軸受で強く要求される。

 自動車電装・補機用転がり軸受に使用され グリースとしては、主に合成炭化水素油や ェニルエーテル系合成油を基油としたジウ アグリースが使用されている。ジウレアグ ースの中では特に芳香族ジウレアが高温耐 性を理由に使用されることが多い。
 しかしながらこの種のグリースは、グリー の潤滑部への流入性が不足し、潤滑剤不足 よるはく離が発生する。
 一方、増ちょう剤により流入性を与えた例 して、特許文献1には、50質量%を超える量の エーテル系合成油を含む基油に、必須成分と して下記一般式
 R 2 -NHCONH-R 1 -NHCONH-R 3
(式中、R 1 は炭素数6~15の2価の芳香族炭化水素基を示し R 2 およびR 3 は同一若しくは異なる基であって、シクロヘ キシル基、炭素数7~12のシクロヘキシル誘導 基または炭素数8~20のアルキル基を示す。)で 表わされるジウレア化合物の少なくとも1種 らなり、かつシクロヘキシル基またはその 導体基の含有率[{(シクロヘキシル基または の誘導体基の数)/(シクロヘキシル基または の誘導体基の数+アルキル基の数)×100}が50~100 %であるゲル化剤を含有させたことを特徴と るグリースが提案されているが、増ちょう の量が不足し、はく離を改善するには至っ いない。

特許2979274号

 本発明の目的は、増ちょう剤量が多く、は 離を長期間効果的に防止でき、かつ流入性 優れたグリース組成物及びこれを封入した 械部材を提供することである。
 本発明の他の目的は、等速ジョイントやギ 、転がり軸受等の機械部材に使用したとき 潤滑部へのグリース組成物の流入性が改善 れ、高温環境下でも疲労寿命が長いグリー 組成物及びこれを封入した機械部材を提供 ることである。

 本発明は以下に示すグリース組成物及びこ を用いた機械部材を提供するものである。
1.増ちょう剤と基油を含むグリース組成物に いて、増ちょう剤が下記式(I)で表されるジ レア化合物を含むことを特徴とするグリー 組成物。
 (I) R 1 -NHCONH-R 2 -NHCONH-R 3
 式中、R 1 ,R 3 は、フェニル基及び/又はシクロヘキシル基 あり、R 2 は炭素数6から15の2価の炭化水素基であり、R 1 ,R 3 のシクロヘキシル基/(シクロヘキシル基+フェ ニル基)は0.95~0.10(モル比)である。
2.基油が、鉱物油を含有する上記1記載のグリ ース組成物。
3.基油が、フェニルエーテル系合成油を含有 る上記1記載のグリース組成物。
4.転がり潤滑部及び/又は転がりすべり潤滑部 用である上記1~3のいずれか1項記載のグリー 組成物。
5.自動車等速ジョイント及び/又はギヤ用であ る上記1~4のいずれか1項記載のグリース組成 。
6.転がり軸受用である上記1~4のいずれか1項記 載のグリース組成物。
7.上記1~4のいずれか1項記載のグリース組成物 を封入してなる機械部材。
8.機械部材が、自動車等速ジョイント及び/又 はギヤである上記7記載の機械部材。
9.機械部材が、転がり軸受である上記7記載の 機械部材。

 本発明のグリース組成物は充分な増ちょう 量を有し、かつ潤滑部へのグリース組成物 流入性が改善されているため、機械部材、 えば、等速ジョイントやギヤ、軸受の疲労 命が長い。
 本発明のグリース組成物は、転がり軸受全 に適用できる。特にはく離が問題となって る自動車電装・補機用転がり軸受に好適に 用される。このような軸受としては、カー アコン用電磁クラッチ、中間プーリ、アイ ラープーリ、テンションプーリ等に使用さ る軸受や、オルタネータ等に使用される軸 がある。
 また、本発明のグリース組成物は、ツェッ 型、バーフィールド型などの固定型等速ジ イントやダブルオフセット型、クロスグル ブ型などのスライド型等速ジョイントなど 等速ジョイントにも好適に使用される。

 一般に、転がりや、転がり滑り潤滑の系 ははく離が寿命となり、この改善が求めら る。本発明は特定のジウレア系増ちょう剤 使用したグリース組成物が、潤滑する両面 直接接触を有効に防止し、基油の粘度を高 することなく、耐はく離性を向上させるこ ができるという知見に基づいて完成された のである。特定のジウレア化合物を増ちょ 剤として含有する本発明のグリース組成物 、転がりの潤滑面に容易に入り込んで、両 の金属の直接接触を防止し、はく離を効果 に防止する。

 本発明のグリース組成物に使用される基油 特に限定されず、通常グリース組成物の基 として使用されているものが使用可能であ 、40℃における動粘度が、好ましくは10~400mm 2 /s、より好ましくは20~250mm 2 /s、さらに好ましくは40~150mm 2 /sである基油が望ましい。

 基油の具体例としては、鉱油、合成油、天 油などが挙げられる。合成油としては、炭 水素系油、芳香族系油、エステル系油、エ テル系油等が挙げられる。炭化水素系油と ては、ノルマルパラフィン、イソパラフィ 、ポリブテン、ポリイソブチレン、1-デセ オリゴマー、1-デセンとエチレンコオリゴマ ーなどのポリ-α-オレフィン又はこれらの水 化物などが挙げられる。芳香族系油として 、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベン ンなどのアルキルベンゼン、あるいはモノ ルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン ポリアルキルナフタレンなどのアルキルナ タレンなどが挙げられる、エステル系油と ては、ジブチルセバケート、ジ-2-エチルヘ シルセバケート、ジオクチルアジペート、 イソデシルアジペート、ジトリデシルアジ ート、ジトリデシルグルタレートなどのジ ステル油、トリメリット酸エステル、ピロ リット酸エステルなどの芳香族エステル油 トリメチロールプロパンエステル、ペンタ リスリトールエステル、ジペンタエリスリ ールエステルなどのポリオールエステル油 多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混 脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレ クスエステル油などが挙げられる。エーテ 系油としては、ポリエチレングリーコール ポリプロピレングリコール、ポリエチレン リコールモノエーテル、ポリプロピレング コールモノエーテルなどのポリグリコール モノアルキルトリフェニルエーテル、アル ルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエ テル、テトラフェニルエーテル、モノアル ルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテ ラフェニルエーテルなどのフェニルエーテ 油などが挙げられる。その他の合成油とし はトリクレジルホスフェート、シリコーン 、パーフルオロアルキルエーテルなどが挙 られる。天然油としては、牛脂、豚脂、大 油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油 パーム核油等の油脂系油又はこれらの水素 物が挙げられる。これらの基油は、1種を単 で使用してもよく、2種以上の混合物として 用いてもよい。
 特に、鉱油、アルキルジフェニルエーテル 好ましい。

 本発明のグリース組成物に使用される増ち う剤は上記式(I)で表されるジウレア化合物 ある。R1,R3は、フェニル基及び/又はシクロ キシル基であり、R 1 ,R 3 のシクロヘキシル基/(シクロヘキシル基+フェ ニル基)はモル比で0.95~0.10であり、好ましく 0.90~0.15である。

 式(I)において、R 2 は炭素数6から15の2価の炭化水素基であり、 えば、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、 鎖状又は分枝状のアルケニレン基、シクロ ルキレン基、芳香族基などが挙げられる。

 本発明に使用するジウレア系増ちょう剤は 例えば、所定のジイソシアネートと、所定 モノアミンとを反応させることにより得る とができる。ジイソシアネートの好ましい 体例は、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシ ネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI) ある。
 モノアミンとしては、アニリン及びシクロ キシルアミンの混合物を所定の割合で使用 る。ジイソシアネートとアニリンから得ら るジウレアと、ジイソシアネートとシクロ キシルアミンから得られるジウレアを上記 定の割合で混合して使用しても良い。
 本発明のグリース組成物中の増ちょう剤の 有量は、必要なちょう度を得るのに適切な であれば良く、通常は、グリース組成物の 質量に対して、好ましくは1~20質量%、さら 好ましくは、2~20質量%である。

 本発明のグリース組成物には、例えば、 圧添加剤、酸化防止剤、錆止め剤、防食剤 、通常グリース組成物に使用される添加剤 含有させることができる。

 以下実施例を示し本発明を具体的に説明す 。
 基油中でジフェニルメタン-4,4’-ジイソシ ネートと、アニリン及び/又はシクロヘキシ アミンを所定の割合で反応させてジウレア 合物を製造し、これにちょう度が300となる うに基油を添加し試験グリース組成物を製 した。
 使用した基油は以下の2種である。
鉱油:500ニュートラル油(40℃における動粘度10 0mm 2 /s)
アルキルジフェニルエーテル油:モレスコハ ルーブLB100(松村石油研究所製;40℃における 粘度100mm 2 /s)
 このグリース組成物の疲労寿命試験を下記 転がり四球試験により評価した。

転がり四球試験方法の概略
 φ15mmの軸受鋼球を3個用意し、底面の内系36. 0mm、上端部の内系31.63mm、深さ10.95mmの円筒状 器内に置き、試験グリースを20g塗布する。 の3個の鋼球の上にφ5/8インチの軸受用鋼球1 個を接触させ、所定の回転数で回転させると 、下側の3個の鋼球は自転しながら公転する これを鋼球面にはく離が生じるまで連続回 させる。
※はく離は、最も面圧の高い球-球間に生じ 。
※疲労寿命は、はく離が生じた時点の総回転 数とする。

試験条件
 試験鋼球:φ5/8in軸受用鋼球(回転球)、φ15mm軸 受用鋼球(従動球)
 試験荷重(W):400kgf(6.5Gpa)※
 回転速度(n):1500rpm
 試験繰り返し数:5(平均寿命:n=5の平均)
※球-球間の最大ヘルツ圧。6.5Gpaという値は 非常に高い面圧であり、油膜はかなりの薄 になっている状態である。
 グリース組成物の組成及び試験結果を表1及 び表2に示す。

 式(I)においてR 1 及びR 3 がフェニル基100%であるグリース組成物(例1及 び例6)では、増ちょう剤量が多すぎるためグ ース組成物が潤滑部に十分に入ってゆかず 早期にはく離を生じ疲労寿命に至ることが かる。一方、式(I)においてR 1 及びR 3 がシクロヘキシル基100%であるグリース組成 (例5及び例10)ではジウレア化合物濃度が低す ぎるため、満足な疲労寿命が得られない。
 これに対して、式(I)においてR 1 及びR 3 がR 1 ,R 3 のシクロヘキシル基/(シクロヘキシル基+フェ ニル基)が0.95~0.10(モル比)の範囲内にある例2-4 及び例7-9のグリース組成物でははく離するま での時間が著しく長く、CVJやギヤ、転がり軸 受等のはく離防止に有効であることがわかる 。
 またこの結果は、本発明のグリース組成物 、内部起点はく離、表面起点はく離等、全 のはく離現象の防止に有効であることを示 ている。