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Patent Searching and Data


Title:
HARDENED GLASS SUBSTRATE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019965
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a hardened glass substrate having a compressively-stressed layer on the surface. The hardened glass substrate contains 40-71% SiO2, 3-21% Al2O3, 0-3.5% Li2O, 7-20% Na2O and 0-15% K2O by mass as glass composition.

Inventors:
MURATA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062941
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON ELECTRIC GLASS CO (JP)
MURATA TAKASHI (JP)
International Classes:
C03C3/083; C03C3/085; C03C3/087; C03C21/00
Foreign References:
JP2002174810A2002-06-21
JP2004131314A2004-04-30
JP2007099557A2007-04-19
JP2001076336A2001-03-23
JP2001226137A2001-08-21
US5674790A1997-10-07
JP2006083045A2006-03-30
JP2002174810A2002-06-21
DE19616633C11997-05-07
JP2002334658A2002-11-22
Other References:
"New glass and physicality thereof", 20 August 1984, MANAGEMENT SYSTEM LABORATORY. CO., LTD., pages: 451 - 498
See also references of EP 2177485A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (15-26 Edobori 1-chome, Nishi-k, Osaka-shi Osaka 02, JP)
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Claims:
 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有することを特徴とする強化ガラス基板。
 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、ZnO 0~8%を含有することを特徴とする請求項1記載の強化ガラス基板。
 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、ZnO 0~8%を含有することを特徴とする請求項1記載の強化ガラス基板。
 SnO 2 を0.01~3%含有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 ZrO 2 を0.001~10%含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 化学的に強化されてなることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 表面の圧縮応力が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上であって、ガラス基板内部の引っ張り応力が200MPa以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 未研磨の表面を有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 液相温度が1200℃以下のガラスからなることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 液相粘度が10 4.0 dPa・s以上のガラスからなることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の強化ガラス基板。
 ディスプレイのカバーガラスとして用いられることを特徴とする請求項1~10に記載の強化ガラス基板。
 太陽電池のカバーガラスとして用いられること特徴とする請求項1~10に記載の強化ガラス基板。
 質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有することを特徴とするガラス。
 質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、ZnO 0~8%、SnO 2  0.01~3%を含有することを特徴とする請求項13記載のガラス。
 質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、ZnO 0~8%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.001~10%を含有することを特徴とする請求項13記載のガラス。
 質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有するガラス組成となるように調合したガラス原料を溶融し、板状に成形した後、イオン交換処理を行ってガラス表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする強化ガラス基板の製造方法。
 ダウンドロー法にて板状に成形することを特徴とする請求項16記載の強化ガラス基板の製造方法。
 オーバーフローダウンドロー法にて板状に成形することを特徴とする請求項16記載の強化ガラス基板の製造方法。
Description:
強化ガラス基板及びその製造方

 本発明は、強化ガラス基板に関するもの あり、特に、携帯電話、デジタルカメラ、P DA(携帯端末)、太陽電池のカバーガラス、あ いはタッチパネルディスプレイ基板に好適 強化ガラス基板に関するものである。

 携帯電話、デジタルカメラ、PDA、太陽電 、あるいはタッチパネルディスプレイとい たデバイスは、広く使用されており、ます す普及する傾向にある。

 従来、これらの用途ではディスプレイを保 するための保護部材としてアクリル等の樹 基板が用いられていた。しかしアクリル樹 基板はヤング率が低いため、ペンや人の指 どでディスプレイの表示面が押された場合 たわみやすく、樹脂基板が内部のディスプ イに接触して表示不良が発生することがあ た。またアクリル樹脂基板は表面に傷がつ やすく、視認性が悪化しやすいという問題 あった。これらの問題を解決するひとつの 法は保護部材としてガラス基板を用いるこ である。保護部材として使用されるガラス 板(カバーガラス)には、(1)高い機械的強度 有すること、(2)低密度で軽量であること、(3 )安価で多量に供給できること、(4)泡品位に れること、(5)可視域において高い光透過率 有すること、(6)ペンや指等で表面を押した にたわみにくいように高いヤング率を有す こと、が要求される。特に(1)の要件を満た ない場合は、保護部材としての用を足さな なるため、従来よりイオン交換等で強化し ガラス基板(所謂、強化ガラス基板)が用いら れている(特許文献1、非特許文献1参照)。

特開2006-83045号公報 泉谷徹朗等、「新しいガラスとその物性 」、初版、株式会社経営システム研究所、198 4年8月20日、p.451-498

 非特許文献1には、ガラス組成中のAl 2 O 3 含有量を増加させていくと、ガラスのイオン 交換性能が向上し、ガラス基板の機械的強度 を向上できることが記載されている。

 しかし、ガラス組成中のAl 2 O 3 含有量を増加させていくと、ガラスの耐失透 性が悪化し、成形中にガラスが失透しやすく なり、ガラス基板の製造効率、品位等が悪化 する。またガラスの耐失透性が悪いと、ロー ル成形等の方法でしか成形できず、表面精度 の高いガラス板を得ることができない。それ 故、ガラス板の成形後、別途研磨工程を付加 しなければならない。しかしながらガラス基 板を研磨すると、ガラス基板の表面に微小な 欠陥が発生しやすくなり、ガラス基板の機械 的強度を維持し難くなる。

 このような事情から、ガラスのイオン交 性能と耐失透性を両立することが困難であ 、ガラス基板の機械的強度を顕著に向上さ ることが困難となっていた。また、デバイ の軽量化を図るため、タッチパネルディス レイ等のデバイスに用いられるガラス基板 、年々薄肉化されてきている。薄板のガラ 基板は破損しやすいことから、ガラス基板 機械的強度を向上させる技術は益々重要と ってきている。

 そこで、本発明は、ガラスのイオン交換 能と耐失透性を両立させることによって、 械的強度の高いガラス基板を得ることを技 的課題とする。

 本発明者は、種々の検討を行った結果、ガ ス中のAl 2 O 3 含有量やNa 2 O含有量を適正な範囲に定めることで、高い オン交換性能と、溶融性を確保できること 見いだした。またSnO 2 を含有させることでガラスの泡品位を向上さ せながらも、イオン交換性能を向上させる効 果が得られること、さらには、ZrO 2 を含有させることで、失透性の悪化を伴うこ となく、更に高いイオン交換性能が得られる ことを見出し、本発明を提案するに至った。

 即ち、本発明の強化ガラス基板は、表面に 縮応力層を有する強化ガラス基板であって ガラス組成として、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有することを特徴とする。なお、 に断りのない限り、以下の説明において「% 」は質量%を意味する。

 また本発明の強化ガラス基板は、表面に圧 応力層を有する強化ガラス基板であって、 ラス組成として、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%を含有することを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板は、表面に圧 応力層を有する強化ガラス基板であって、 ラス組成として、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%を含有することを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板は、SnO 2 を0.01~3%含有することを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板は、ZrO 2 を0.001~10%含有することを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板は、化学的 強化されてなることを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板は、表面の 縮応力が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚み 10μm以上であって、ガラス基板内部の引っ り応力が200MPa以下であることを特徴とする ここで、「表面の圧縮応力」および「圧縮 力層の厚み」は、表面応力計(株式会社東芝 FSM-6000)を用いて試料を観察した際に、観察 れる干渉縞の本数とその間隔から算出され 。またガラス基板内部の引っ張り応力は次 によって計算される。

 ガラス基板内部の引っ張り応力=(圧縮応 値×応力深さ)/(板厚-応力深さ×2)

 また本発明の強化ガラス基板は、未研磨 表面を有することを特徴とする。ここで「 研磨の表面」とはガラス基板の両面(いわゆ る表面と裏面)が研磨されていないことを意 する。言い換えれば両面が火造り面である いうことを意味し、これによって平均表面 さ(Ra)を小さくすることが可能となる。平均 面粗さ(Ra)は、SEMI D7-97「FPDガラス基板の表 粗さの測定方法」に準拠した方法により測 され、10Å以下、好ましくは5Å以下、より ましくは2Å以下にすべきである。なおガラ ス基板の端面部については、面取り等の研磨 処理やエッチング処理がなされていてもよい 。

 また本発明の強化ガラス基板は、液相温 が1200℃以下であることを特徴とする。ここ で、「液相温度」とは、ガラスを粉砕し、標 準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メ ッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白 ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持 た後、結晶が析出する温度を指す。

 また本発明の強化ガラス基板は、液相粘度 10 4.0 dPa・s以上であることを特徴とする。ここで 「液相粘度」とは、液相温度におけるガラ の粘度を指す。なお、液相粘度が高く、液 温度が低いほど、ガラスの耐失透性が向上 、ガラス基板が成形しやすくなる。

 また本発明の強化ガラス基板は、ディス レイのカバーガラスとして用いられること 特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板は、太陽電 のカバーガラスとして用いられることを特 とする。

 また本発明のガラスは、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有することを特徴とする。

 また本発明のガラスは、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%を含有することを特徴とする。

 また本発明のガラスは、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.001~10%を含有することを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板の製造方法は 質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有するガラス組成となるように調 したガラス原料を溶融し、板状に成形した 、イオン交換処理を行ってガラス表面に圧 応力層を形成することを特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板の製造方法 、ダウンドロー法にて板状に成形すること 特徴とする。

 また本発明の強化ガラス基板の製造方法 、オーバーフローダウンドロー法にて板状 成形することを特徴とする。

 本発明の強化ガラス基板は、イオン交換 能の高いガラスにて作製される。また耐失 性に優れるガラスにて作製されるため、オ バーフローダウンドロー法等を採用するこ によって、表面粗さの小さいガラス基板を ることが可能である。それゆえ成形後の研 が不要であり、研磨により生じる微小欠陥 ない。よって機械的強度が高く、しかも研 による製造コストの増加がないため、安価 生産することが可能である。

 本発明の強化ガラス基板は、携帯電話、 ジタルカメラ、PDA、太陽電池のカバーガラ 、タッチパネルディスプレイ基板として好 である。尚、タッチパネルディスプレイは 携帯電話、デジタルカメラ、PDA等に搭載さ るものであり、モバイル用途のタッチパネ ディスプレイでは、軽量化、薄型化、高強 化の要請が強く、薄型で機械的強度が高い ラス基板が要求されている。その点、本発 の強化ガラス基板は、板厚を薄くしても、 用上、十分な機械的強度を有するため、モ イル用途に好適である。

 また本発明のガラスは、耐失透性に優れ ため、オーバーフローダウンドロー法等で 形可能である。そのため本発明のガラスを いれば、表面粗さが小さく、機械的強度の いガラス基板を安価に生産することが可能 ある。

 また本発明の強化ガラスの製造方法は、 オン交換性能が高く、且つ耐失透性に優れ ガラスを用いるものであるため、機械的強 が高い強化ガラス基板を安価に作製可能で る。

 本発明の強化ガラス基板は、その表面に 縮応力層を有する。ガラス基板の表面に圧 応力層を形成する方法には、物理強化法と 学強化法がある。本発明の強化ガラス基板 、化学強化法で圧縮応力層を形成すること 好ましい。化学強化法は、ガラスの歪点以 の温度でイオン交換によりガラス基板の表 にイオン半径の大きいアルカリイオンを導 する方法である。化学強化法で圧縮応力層 形成すれば、ガラス基板の板厚が薄くても 良好に強化処理を施すことができ、所望の 械的強度を得ることができる。さらに、ガ ス基板に圧縮応力層を形成した後にガラス 板を切断しても、風冷強化法等の物理強化 で強化されたガラス基板のように容易に破 することがない。

 イオン交換の条件は、特に限定されず、ガ スの粘度特性等を考慮して決定すればよい 特に、KNO 3 溶融塩中のKイオンをガラス基板中のNa成分と イオン交換すると、ガラス基板の表面に圧縮 応力層を効率良く形成できるため好ましい。

 本発明の強化ガラス基板において、ガラ 組成を上記範囲に限定した理由を以下に説 する。

 SiO 2 は、ガラスのネットワークを形成する成分で あり、その含有量は40~71%、好ましくは40~70%、 40~63%、45~63%、50~59%、特に55~58.5%である。SiO 2 の含有量が多くなり過ぎると、ガラスの溶融 、成形が難しくなったり、熱膨張係数が小さ くなり過ぎて、周辺材料と熱膨張係数が整合 し難くなる。一方、SiO 2 の含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くな る。またガラスの熱膨張係数が大きくなり、 ガラスの耐熱衝撃性が低下しやすくなる。

 Al 2 O 3 はイオン交換性能を高める成分である。また ガラスの歪点およびヤング率を高くする効果 もあり、その含有量は3~21%である。Al 2 O 3 の含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が 析出しやすくなってオーバーフローダウンド ロー法等による成形が困難になる。またガラ スの熱膨張係数が小さくなり過ぎて周辺材料 と熱膨張係数が整合し難くなったり、ガラス の高温粘性が高くなり溶融し難くなる。Al 2 O 3 の含有量が少な過ぎると、十分なイオン交換 性能を発揮できない虞が生じる。上記観点か ら、Al 2 O 3 の好適な範囲は上限が20%以下、19%以下、18%以 下、17%以下、16.5%以下であることがより好ま い。また下限は、7.5%以上、8.5%以上、9%以上 、10%以上、12%以上、13%以上、14%以上であるこ とがより好ましい。

 Li 2 Oは、イオン交換成分であるとともに、ガラ の高温粘度を低下させて溶融性や成形性を 上させる成分である。さらにLi 2 Oは、ガラスのヤング率を向上させる成分で る。またLi 2 Oはアルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値 高める効果が高い。しかしLi 2 Oの含有量が多くなり過ぎると液相粘度が低 してガラスが失透しやすくなる。またガラ の熱膨張係数が大きくなり過ぎて、ガラス 耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨 係数が整合し難くなったりする。さらに、 温粘性が低下しすぎて応力緩和が起こりや くなると、かえって圧縮応力値が低くなる 合がある。従ってLi 2 Oの含有量は0~3.5%であり、さらに0~2%、0~1%、0~0 .5%、0~0.1%であることが好ましく、実質的に含 有しないこと、つまり0.01%未満に抑えること 最も好ましい。

 Na 2 Oは、イオン交換成分であるとともに、ガラ の高温粘度を低下させて溶融性や成形性を 上させる成分である。また、Na 2 Oは、ガラスの耐失透性を改善する成分でも る。Na 2 Oの含有量は7~20%であるが、より好適な含有量 は、10~20%、10~19%、12~19%、12~17%、13~17%、特に14~ 17%である。Na 2 Oの含有量が多くなり過ぎると、ガラスの熱 張係数が大きくなり過ぎて、ガラスの耐熱 撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数 整合し難くなる。また歪点が低下しすぎた 、ガラス組成のバランスを欠き、かえって ラスの耐失透性が悪化する傾向がある。一 、Na 2 Oの含有量が少ないと、溶融性が悪化したり 熱膨張係数が小さくなりすぎたり、イオン 換性能が悪化する。

 K 2 Oは、イオン交換を促進する効果があり、ア カリ金属酸化物の中では圧縮応力層の深さ 深くする効果が高い。またガラスの高温粘 を低下させて溶融性や成形性を高めたりす 効果のある成分である。また、K 2 Oは、耐失透性を改善する成分でもある。K 2 Oの含有量は0~15%である。K 2 Oの含有量が多過ぎると、ガラスの熱膨張係 が大きくなり、ガラスの耐熱衝撃性が低下 たり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難く る。さらに歪点が低下しすぎたり、ガラス 成のバランスを欠き、かえってガラスの耐 透性が悪化する傾向があるため、上限を12% 下、10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下 、3%以下、2%以下とすることが好ましい。

 アルカリ金属酸化物R 2 O(RはLi、Na、Kから選ばれる1種以上)の合量が くなり過ぎると、ガラスが失透しやすくな ことに加えて、ガラスの熱膨張係数が大き なり過ぎて、ガラスの耐熱衝撃性が低下し り、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くな 。また、アルカリ金属酸化物R 2 Oの合量が多くなり過ぎると、ガラスの歪点 低下し過ぎて、高い圧縮応力値が得られな 場合がある。さらに液相温度付近の粘性が 下し、高い液相粘度を確保することが困難 なる場合がある。それ故、R 2 Oの合量は22%以下、20%以下、特に19%以下であ ことが好ましい。一方、R 2 Oの合量が少な過ぎると、ガラスのイオン交 性能や溶融性が悪化する場合がある。それ 、R 2 Oの合量は8%以上、10%以上、13%以上、特に15%以 上であることが好ましい。

 また(Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値を0.7~2、好ましくは0.8~1.6、より好ましく は0.9~1.6、更に好ましくは1~1.6、もっとも好ま しくは1.2~1.6の範囲に設定することが望まし 。この値が2より大きくなると、低温粘性が 下しすぎてイオン交換性能が低下したり、 ング率が低下したり、熱膨張係数が高くな 耐熱衝撃性が低下しやすくなる。また組成 バランスを欠いて、失透しやすくなる。一 、0.7より小さくなると、溶融性や失透性が 化しやすくなる。

 またK 2 O/Na 2 Oの質量比の範囲は、0~2であることが好まし 。K 2 O/Na 2 Oの質量比を変化させることで圧縮応力値の きさと応力層の深さを変化させることが可 である。圧縮応力値を高く設定したい場合 は、上記質量比が、0~0.5、特に0~0.3、0~0.2と るように調整することが好ましい。一方、 力深さをより深くしたり、短時間で深い応 を形成したい場合には、上記質量比が、0.3~2 、特に0.5~2、1~2、1.2~2、1.5~2となるように調整 することが好ましい。ここで上記質量比の上 限を2に設定した理由は、2より大きくなると ラスの組成のバランスを欠いて失透しやす なるからである。

 本発明の強化ガラス基板においては、ガ ス組成として、上記の基本成分のみから構 されてもよいが、ガラスの特性を大きく損 わない範囲で他の成分を添加することもで る。

 例えばアルカリ土類金属酸化物R’O(R’は Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上)は、種々 目的で添加可能な成分である。しかし、ア カリ土類金属酸化物R’Oが多くなると、ガラ スの密度や熱膨張係数が高くなったり、耐失 透性が悪化したりすることに加えて、イオン 交換性能が悪化する傾向がある。したがって アルカリ土類金属酸化物R’Oの合量は、好ま くは0~9.9%、0~8%、0~6、0~5%とすべきである。

 MgOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶 性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を める成分であり、アルカリ土類金属酸化物 中では、イオン交換性能を向上させる効果 高い。MgOの含有量は0~6%である。しかし、MgO の含有量が多くなると、ガラスの密度、熱膨 張係数が高くなったり、ガラスが失透しやす くなる。したがって、その含有量は、4%以下 3%以下、2%以下、1.5%以下が好ましい。

 CaOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶 性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を める成分であり、アルカリ土類金属酸化物 中では、イオン交換性能を向上させる効果 高い。CaOの含有量は0~6%である。しかし、CaO の含有量が多くなると、ガラスの密度、熱膨 張係数が高くなったり、ガラスが失透しやす くなったり、更にはイオン交換性能が悪化す る場合がある。したがって、その含有量は、 4%以下、3%以下が好ましい。

 SrO及びBaOは、ガラスの高温粘度を低下さ て溶融性や成形性を向上させたり、歪点や ング率を高める成分であり、その含有量は 々0~3%であることが好ましい。SrOやBaOの含有 量が多くなると、イオン交換性能が悪化する 傾向がある。またガラスの密度、熱膨張係数 が高くなったり、ガラスが失透しやすくなる 。SrOの含有量は、2%以下、1.5%以下、1%以下、0 .5%以下、0.2%以下、特に0.1%以下であることが ましい。またBaOの含有量は、2.5%以下、2%以 、1%以下、0.8%以下、0.5%以下、0.2%以下、特 0.1%以下であることが好ましい。

 またZnOは、ガラスのイオン交換性能を高 る成分であり、特に、圧縮応力値を高くす 効果が大きい。またガラスの低温粘性を低 させずに高温粘性を低下させる効果を有す 成分であり、その含有量を0~8%とすることが できる。しかし、ZnOの含有量が多くなると、 ガラスが分相したり、失透性が悪化したり、 密度が高くなるため、その含有量は6%以下、4 %以下、特に3%以下であることが好ましい。

 本発明においては、SrO+BaOの合量を0~5%に 限することによって、より効果的にイオン 換性能を向上させることができる。つまりSr OとBaOは、上述の通り、イオン交換反応を阻 する作用があるため、これらの成分を多く むことは、機械的強度の高い強化ガラスを る上で不利である。SrO+BaOの好ましい範囲は0 ~3%、0~2.5%、0~2%、0~1%、0~0.2%、特に0~0.1%である

 またR’Oの合量をR 2 Oの合量で除した値が大きくなると、ガラス 耐失透性が悪化する傾向が現れる。それ故 質量分率でR’O/R 2 Oの値を0.5以下、0.4以下、0.3以下に規制する とが好ましい。

 またSnO 2 はイオン交換性能、特に圧縮応力値を向上さ せる効果があるため、0.01~3%、0.01~1.5%、0.1~1% 有することが好ましい。SnO 2 の含有量が多くなるとSnO 2 に起因する失透が発生したり、ガラスが着色 しやすくなる傾向がある。

 またZrO 2 はイオン交換性能を顕著に向上させると共に ガラスのヤング率や歪点を高くし、高温粘性 を低下させる効果がある。またガラスの液相 粘度付近の粘性を高める効果があるため、所 定量含有させることで、イオン交換性能と液 相粘度を同時に向上させることができる。た だし、その含有量が多くなりすぎると、耐失 透性が極端に悪化する場合がある。そのため 、0.001~10%、0.1~9%、0.5~7%、1~5%、2.5~5%含有させ ことが好ましい。

 またB 2 O 3 は、ガラスの液相温度、高温粘度および密度 を低下させる効果を有するとともに、ガラス のイオン交換性能、特に圧縮応力値を向上さ せる効果のある成分であるため、上記成分と 共に含有できるが、その含有量が多過ぎると 、イオン交換によって表面にヤケが発生した り、ガラスの耐水性が悪化したり、液相粘度 が低下する虞がある。また応力深さが低下す る傾向にある。よってB 2 O 3 は、0~6%、好ましくは0~4%、さらには0~3%である 。

 またTiO 2 はイオン交換性能を向上させる効果がある成 分である。またガラスの高温粘度を低下させ る効果がある。しかしその含有量が多くなり すぎると、ガラスが着色したり、失透性が悪 化したり、密度が高くなる。特にディスプレ イのカバーガラスとして使用する場合、TiO 2 の含有量が高くなると、溶融雰囲気や原料を 変更した時、ガラスの透過率が変化しやすく なる。そのため紫外線硬化樹脂等の光を利用 してガラス基板をデバイスに接着する工程に おいて、紫外線照射条件が変動しやすくなり 、安定生産が困難となる。そのため10%以下、 8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、2%以下、0.7% 下、0.5%以下、0.1%以下、0.01%以下となるよう にすることが好ましい。

 本発明においては、イオン交換性能向上の 点から、ZrO 2 とTiO 2 を上記範囲で含有させることが好ましいが、 TiO 2 源、ZrO 2 源として試薬を用いても良いし原料等に含ま れる不純物から含有させても良い。

 また耐失透性と高いイオン交換性能を両立 る観点から、Al 2 O 3 +ZrO 2 の含有量を以下のように定めることが好まし い。

 Al 2 O 3 +ZrO 2 の含有量は12%超(好ましくは12.001%以上、13%以 、15%以上、17%以上、18%以上、19%以上)であれ ばガラスのイオン交換性能をより効果的に向 上させることが可能である。しかしAl 2 O 3 +ZrO 2 の含有量が多くなりすぎると失透性が極端に 悪化するため、28%以下(好ましくは25%以下、23 %以下、22%以下、21%以下)とすることが好まし 。

 またP 2 O 5 は、ガラスのイオン交換性能を高める成分で あり、特に、圧縮応力層の厚みを大きくする 効果が大きいため、その含有量を0~8%とする とができる。しかし、P 2 O 5 の含有量が多くなると、ガラスが分相したり 、耐水性や耐失透性が低下しやすくするため 、その含有量は5%以下、4%以下、3%以下、特に 2%以下であることが好ましい。

 また清澄剤としてAs 2 O 3 、Sb 2 O 3 、CeO 2 、F、SO 3 、Clの群から選択された一種または二種以上 0.001~3%含有させてもよい。ただし、As 2 O 3 及びSb 2 O 3 は環境に対する配慮から、使用は極力控える べきであり、各々の含有量を0.1%未満、さら は0.01%未満に制限すべきであり、実質的に含 有しないことが望ましい。またCeO 2 は、ガラスの透過率を低下させる成分である ため、0.1%未満、好ましくは0.01%未満に制限す べきである。またFは、ガラスの低温粘性を 下させ、圧縮応力値の低下を招くおそれが るため、0.1%未満、好ましくは0.01%未満に制 すべきである。従って本発明において好ま い清澄剤は、SO 3 とClであり、SO 3 とClの1者又は両者を、0.001~3%、0.001~1%、0.01~0.5 %、さらには0.05~0.4%含有させることが好まし 。

 またNb 2 O 5 やLa 2 O 3 等の希土類酸化物は、ガラスのヤング率を高 める成分である。しかし、原料自体のコスト が高く、また多量に含有させると耐失透性が 悪化する。それ故、それらの含有量は、3%以 、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下に 限することが望ましい。

 尚、本発明において、Co、Ni等のガラスを 強く着色するような遷移金属元素は、ガラス 基板の透過率を低下させるため好ましくない 。特に、タッチパネルディスプレイ用途に用 いる場合、遷移金属元素の含有量が多いと、 タッチパネルディスプレイの視認性が損なわ れる。具体的には0.5%以下、0.1%以下、特に0.05 %以下となるよう、原料あるいはカレットの 用量を調整することが望ましい。

 また、Pb、Bi等の物質は環境に対する配慮 から、使用は極力控えるべきであり、その含 有量を0.1%未満に制限すべきである。

 本発明の強化ガラス基板は、各成分の好 な含有範囲を適宜選択し、好ましいガラス 成範囲とすることができる。その具体例を 下に示す。

 (1)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%を含有するガラス組成。

 (2)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.001~10%を含有するガラス組成。

 (3)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%を含有するガラス組成。

 (4)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.001~10%を含有するガラス組成。

 (5)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  9~19%、B 2 O 3  0~6%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~6%、ZrO 2  0.001~10%、SnO 2  0.1~1%であり、実質的にAs 2 O 3 及びSb 2 O 3 を含有しないガラス組成。

 (6)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  9~18%、B 2 O 3  0~4%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 11~17%、K 2 O 0~6%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Zn O 0~6%、SnO 2  0.1~1%、ZrO 2  0.001~10%であり、実質的にAs 2 O 3 及びSb 2 O 3 を含有しないガラス組成。

 (7)質量%でSiO 2  40~63%、Al 2 O 3  9~17.5%、B 2 O 3  0~3%、Li 2 O 0~0.1%、Na 2 O 10~17%、K 2 O 0~7%、MgO 0~5%、CaO 0~4%、SrO+BaO 0~3%、SnO 2  0.01~2%であり、実質的にAs 2 O 3 及びSb 2 O 3 を含有せず、質量分率で(Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値が0.9~1.6、K 2 O/Na 2 O 0~0.4であるガラス組成。

 (8)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~9%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.5%、SnO 2  0.001~3%を含有するガラス組成。

 (9)質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~9%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.5%、SnO 2  0.001~3%を含有し、実質的にAs 2 O 3 及びSb 2 O 3 を含有しないことを特徴とするガラス組成。

 (10)質量%でSiO 2  40~65%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~9%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.5%、SnO 2  0.001~3%を含有し、質量分率で(Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値が0.7~2であって、実質的にAs 2 O 3 、Sb 2 O 3 及びFを含有しないことを特徴とするガラス 成。

 (11)質量%でSiO 2  40~65%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~9%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.5%、SnO 2  0.01~3%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%を含有し、質量分率 で(Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値が0.9~1.7であって、実質的にAs 2 O 3 、Sb 2 O 3 及びFを含有しないことを特徴とするガラス 成。

 (12)質量%でSiO 2  40~63%、Al 2 O 3  9~19%、B 2 O 3  0~3%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~9%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.1%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.001~10%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%を含有し、質量分 で(Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値が1.2~1.6であって、実質的にAs 2 O 3 、Sb 2 O 3 及びFを含有しないことを特徴とするガラス 成。

 (13)質量%でSiO 2  40~63%、Al 2 O 3  9~17.5%、B 2 O 3  0~3%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~9%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.1%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.1~8%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%を含有し、質量分率 (Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値が1.2~1.6であって、実質的にAs 2 O 3 、Sb 2 O 3 及びFを含有しないことを特徴とするガラス 成。

 (14)質量%でSiO 2  40~59%、Al 2 O 3  10~15%、B 2 O 3  0~3%、Li 2 O 0~0.1%、Na 2 O 10~20%、K 2 O 0~7%、MgO 0~5%、TiO 2  0~0.1%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  1~8%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%を含有し、質量分率で (Na 2 O+K 2 O)/Al 2 O 3 の値が1.2~1.6であって、実質的にAs 2 O 3 、Sb 2 O 3 及びFを含有しないことを特徴とするガラス 成。

 本発明の強化ガラス基板は、上記ガラス組 を有するとともに、ガラス表面に圧縮応力 を有している。圧縮応力層の圧縮応力は、6 00MPa以上、800MPa以上が好ましく、1000MPa以上が より好ましく、1200MPa以上が更に好ましく、13 00MPa以上が更に好ましい。圧縮応力が大きく るにつれて、ガラス基板の機械的強度が高 なる。一方、ガラス基板表面に極端に大き 圧縮応力が形成されると、基板表面にマイ ロクラックが発生し、かえってガラスの強 が低下する虞がある。また、ガラス基板に 在する引っ張り応力が極端に高くなる恐れ あるため、2500MPa以下とするのが好ましい。 なお圧縮応力を大きくするには、Al 2 O 3 、TiO 2 、ZrO 2 、MgO、ZnO、SnO 2 の含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を 低減すればよい。またイオン交換に要する時 間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下 げればよい。

 圧縮応力層の厚みは、10μm以上、15μm以上、 20μm以上、30μm以上とするのが好ましい。圧 応力層の厚みが大きい程、ガラス基板に深 傷がついても、ガラス基板が割れにくくな 。一方、ガラス基板が切断しにくくなった 、内部の引っ張り応力が極端に高くなって 損する虞れがあるため、圧縮応力層の厚み 500μm以下、100μm以下、80μm以下、60μm以下と るのが好ましい。なお圧縮応力層の厚みを きくするには、K 2 O、P 2 O 5 、TiO 2 、ZrO 2 の含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を 低減すればよい。またイオン交換に要する時 間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を高 めればよい。

 またガラス基板内部の引っ張り応力は、2 00MPa以下(好ましくは150MPa以下、より好ましく は100MPa以下、更に好ましくは50MPa以下)である 。この値が小さくなるほどガラス基板内部の 欠陥によってガラスが破損にいたる恐れが少 なくなるが、極端に小さくなると、ガラス基 板表面の圧縮応力値の低下や、応力深さが低 下するため、1MPa以上、10MPa以上、15MPa以上で ることが好ましい。

 本発明の強化ガラス基板は、板厚が3.0mm 1.5mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、特に0.3mm以下 であることが好ましい。ガラス基板の板厚が 薄い程、ガラス基板を軽量化することできる 。また、本発明の強化ガラス基板は、板厚を 薄くしても、ガラス基板が破壊しにくい利点 を有している。なおガラスの成形をオーバー フローダウンドロー法で行う場合、ガラスの 薄肉化や平滑化を、研磨することなく達成で きるため有利である。

 本発明の強化ガラス基板は、未研磨の表 を有することが好ましく、未研磨の表面の 均表面粗さ(Ra)は10Å以下、好ましくは5Å以 下、より好ましくは4Å以下、さらに好まし は3Å以下、最も好ましくは2Å以下である。 尚、表面の平均表面粗さ(Ra)はSEMI D7-97「FPDガ ラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した 方法により測定すればよい。ガラスの理論強 度は本来非常に高いが、理論強度よりも遥か に低い応力でも破壊に至ることが多い。これ はガラス基板の表面にグリフィスフローと呼 ばれる小さな欠陥がガラスの成形後の工程、 例えば研磨工程等で生じるからである。それ 故、強化ガラス基板の表面を未研磨とすれば 、本来のガラス基板の機械的強度が損なわれ 、ガラス基板が破壊し難くなる。また、ガラ ス基板の表面を未研磨とすれば、ガラス基板 の製造工程で研磨工程を省略できるため、ガ ラス基板の製造コストを下げることができる 。本発明の強化ガラス基板において、ガラス 基板の両面全体を未研磨とすれば、ガラス基 板が更に破壊し難くなる。また、本発明の強 化ガラス基板において、ガラス基板の切断面 から破壊に至る事態を防止するため、ガラス 基板の切断面に面取り加工やエッチング処理 等を行ってもよい。なお、未研磨の表面を得 るためには、ガラスの成形をオーバーフロー ダウンドロー法で行えばよい。

 本発明の強化ガラス基板は、ガラスの液相 度が1200℃以下、1050℃以下、1030℃以下、1010 以下、1000℃以下、950℃以下、900℃以下であ ことが好ましく、870℃以下が特に好ましい 液相温度を低下させるには、Na 2 O、K 2 O、B 2 O 3 の含有量を増加したり、Al 2 O 3 、Li 2 O、MgO、ZnO、TiO 2 、ZrO 2 の含有量を低減すればよい。

 本発明の強化ガラス基板は、ガラスの液相 度が、10 4.0 dPa・s以上、10 4.3 dPa・s以上、10 4.5 dPa・s以上、10 5.0 dPa・s以上、10 5.4 dPa・s以上、10 5.8 dPa.s以上、10 6.0 dPa・s以上、10 6.2 dPa・s以上が好ましい。液相粘度を上昇させ には、Na 2 O、K 2 Oの含有量を増加したり、Al 2 O 3 、Li 2 O、MgO、ZnO、TiO 2 、ZrO 2 の含有量を低減すればよい。

 尚、液相粘度が高く、液相温度が低いほど ガラスの耐失透性は優れるとともに、ガラ 基板の成形性に優れている。そしてガラス 液相温度が1200℃以下で、ガラスの液相粘度 は、10 4.0 dPa・s以上であれば、オーバーフローダウン ロー法で成形可能である。

 本発明の強化ガラス基板は、ガラスの密度 2.8g/cm 3 以下であることが好ましく、2.7g/cm 3 以下がより好ましく、2.6g/cm 3 以下が更に好ましい。ガラスの密度が小さい 程、ガラス基板の軽量化を図ることができる 。ここで、「密度」とは、周知のアルキメデ ス法で測定した値を指す。尚、ガラスの密度 を低下させるには、SiO 2 、P 2 O 5 、B 2 O 3 の含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化 物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO 2 、TiO 2 の含有量を低減すればよい。

 本発明の強化ガラス基板は、30~380℃の温度 囲におけるガラスの熱膨張係数が70~110×10 -7 /℃であることが好ましく、75~110×10 -7 /℃であることがより好ましく、80~110×10 -7 /℃であることが更に好ましく、85~110×10 -7 /℃であることが特に好ましい。ガラスの熱 張係数を上記範囲とすれば、金属、有機系 着剤等の部材と熱膨張係数が整合しやすく り、金属、有機系接着剤等の部材の剥離を 止することができる。ここで、「熱膨張係 」とは、ディラトメーターを用いて、30~380 の温度範囲における平均熱膨張係数を測定 た値を指す。なお熱膨張係数を上昇させる は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金 酸化物の含有量を増加さればよく、逆に低 させるには、アルカリ金属酸化物、アルカ 土類金属酸化物の含有量を低減すればよい

 本発明の強化ガラス基板は、歪点が500℃以 であることが好ましく、510℃以上、520℃以 、540℃以上、550℃以上がより好ましく、560 以上が最も好ましい。ガラスの歪点が高い どガラスの耐熱性が優れることなり、強化 ラス基板に熱処理を施したとしても、強化 が消失しがたくなる。またガラスの歪点が いとイオン交換中に応力緩和が起こりにく なるため高い圧縮応力値を得ることが可能 なる。ガラスの歪点を高くするためにはア カリ金属酸化物の含有量を低減させたり、 ルカリ土類金属酸化物、Al 2 O 3 、ZrO 2 、P 2 O 5 の含有量を増加させればよい。

 本発明の強化ガラス基板は、ガラスの高温 度10 2.5 dPa・sに相当する温度が1650℃以下、1500℃以下 、1450℃以下、1430℃以下、1420℃以下、1400℃ 下であることが好ましい。ガラスの高温粘 10 2.5 dPa・sに相当する温度は、ガラスの溶融温度 相当しており、ガラスの高温粘度10 2.5 dPa・sに相当する温度が低いほど、低温でガ スを溶融することができる。従ってガラス 高温粘度10 2.5 dPa・sに相当する温度が低い程、溶融窯等の ラスの製造設備への負担が小さくなる共に ガラス基板の泡品位を向上させることがで る。そのためガラスの高温粘度10 2.5 dPa・sに相当する温度が低い程、ガラス基板 安価に製造することができる。なお10 2.5 dPa・sに相当する温度を低下させるには、ア カリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物 ZnO、B 2 O 3 、TiO 2 の含有量を増加させたり、SiO 2 、Al 2 O 3 の含有量を低減すればよい。

 本発明の強化ガラス基板は、ヤング率が7 0GPa以上、好ましくは73GPa以上、より好ましく は75GPa以上である。そのためディスプレイの バーガラスとして使用する場合、ヤング率 高いほど、カバーガラスの表面をペンや指 押した際の変形量が小さくなるため、内部 ディスプレイに与えるダメージが低減する

 また本発明のガラスは、質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  3~21%、Li 2 O 0~3.5%、Na 2 O 7~20%、K 2 O 0~15%を含有することを特徴とし、好ましく 質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  7.5~21%、Li 2 O 0~2%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~15%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%を含有することを特徴とし、より好ま しくは質量%でSiO 2  40~71%、Al 2 O 3  8.5~21%、Li 2 O 0~1%、Na 2 O 10~19%、K 2 O 0~10%、MgO 0~6%、CaO 0~6%、SrO 0~3%、BaO 0~3%、Z nO 0~8%、SnO 2  0.01~3%、ZrO 2  0.001~10%を含有することを特徴とする。本発 のガラスにおいて、ガラス組成を上記範囲 限定した理由および好ましい範囲は、既述 強化ガラス基板と同様であるため、ここで その記載を省略する。さらに、本発明のガ スは、当然のことながら、既述の強化ガラ 基板の特性、効果を併有することができる

 本発明のガラスは、各構成成分を上記範 に規制しているため、イオン交換性能が良 であり、容易に表面の圧縮応力を600MPa以上 且つ圧縮応力層の厚みを10μm以上とするこ ができる。

 本発明に係るガラスは、上記組成範囲内 ガラス組成となるように調合したガラス原 を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を1500~16 00℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に 給した上で溶融ガラスを板状に成形し、徐 することにより製造することができる。

 ガラスを板状に成形するには、オーバーフ ーダウンドロー法を採用することが好まし 。オーバーフローダウンドロー法でガラス 板を成形すれば、未研磨で表面品位が良好 ガラス基板を製造することができる。その 由は、オーバーフローダウンドロー法の場 、ガラス基板の表面となるべき面は桶状耐 物に接触せず、自由表面の状態で成形され ことにより、無研磨で表面品位が良好なガ ス基板を成形できるからである。ここで、 ーバーフローダウンドロー法は、溶融状態 ガラスを耐熱性の桶状構造物の両側から溢 させて、溢れた溶融ガラスを桶状構造物の 端で合流させながら、下方に延伸成形して ラス基板を製造する方法である。桶状構造 の構造や材質は、ガラス基板の寸法や表面 度を所望の状態とし、ガラス基板に使用で る品位を実現できるものであれば、特に限 されない。また、下方への延伸成形を行う めにガラス基板に対してどのような方法で を印加するものであってもよい。例えば、 分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラ 基板に接触させた状態で回転させて延伸す 方法を採用してもよいし、複数の対になっ 耐熱性ロールをガラス基板の端面近傍のみ 接触させて延伸する方法を採用してもよい 本発明のガラスは、耐失透性が優れるとと に、成形に適した粘度特性を有しているた 、オーバーフローダウンドロー法による成 を精度よく実行することができる。なお、 相温度が1200℃以下、液相粘度が10 4.0 dPa・s以上であれば、オーバーフローダウン ロー法でガラス基板を製造することができ 。

 尚、本発明では、高い表面品位が要求さ ない場合には、オーバーフローダウンドロ 法以外の方法を採用することができる。例 ば、ダウンドロー法(スロットダウン法、リ ドロー法等)、フロート法、ロールアウト法 プレス法等の様々な成形方法を採用するこ ができる。例えばプレス法でガラスを成形 れば、小型のガラス基板を効率良く製造す ことができる。

 本発明の強化ガラス基板を製造するには まず上記ガラスを用意する。次いで強化処 を施す。ガラス基板を所定サイズに切断す のは、強化処理の前でもよいが、強化処理 に行う方が製造コストを低減できるため好 しい。強化処理は、イオン交換処理にて行 ことが望ましい。イオン交換処理は、例え 400~550℃の硝酸カリウム溶液中にガラス板を 1~8時間浸漬することによって行うことができ る。イオン交換条件は、ガラスの粘度特性や 、用途、板厚、ガラス内部の引っ張り応力等 を考慮して最適な条件を選択すればよい。

 以下、本発明を実施例に基づいて説明す 。

 表1~4は、本発明の実施例(試料No.1~26)のガ ス組成と特性を示すものである。尚、表中 「未」の表示は、未測定を意味している。

 表1~4の各試料は次のようにして作製した まず、表中のガラス組成となるように、ガ ス原料を調合し、白金ポットを用いて1580℃ で8時間溶融した。その後、溶融ガラスをカ ボン板の上に流し出して板状に成形した。 られたガラス基板について、種々の特性を 価した。

 密度は、周知のアルキメデス法によって 定した。

 歪点Ps、徐冷点Taは、ASTM C336の方法に基 いて測定した。

 軟化点Tsは、ASTM C338の方法に基づいて測 を行った。

 ガラスの粘度10 4.0 dPa・s、10 3.0 dPa・s、10 2.5 dPa・sに相当する温度は、白金球引き上げ法 測定した。

 ヤング率は、曲げ共振法により測定した

 熱膨張係数αは、ディラトメーターを用 て、30~380℃の温度範囲における平均熱膨張 数を測定した。

 液相温度TLは、ガラスを粉砕し、標準篩30 メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシ (篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボー トに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、 晶の析出する温度を測定したものである。

 液相粘度logηTLは、液相温度における各ガ ラスの粘度を示す。

 その結果、得られたガラス基板は、密度が2 .59g/cm 3 以下、熱膨張係数が83~100×10 -7 /℃、強化ガラス素材として好適であった。 た液相粘度が10 5.1 dPa・s以上と高くオーバーフローダウンドロ 成形が可能であり、しかも10 2.5 dPa・sにおける温度が1612℃以下と低いので、 産性が高く安価に大量のガラス基板を供給 きるものと考えられる。なお、未強化ガラ 基板と強化ガラス基板は、ガラス基板の表 において微視的にガラス組成が異なってい ものの、ガラス基板全体としてガラス組成 実質的に相違していない。したがって、密 、粘度などの特性値については未強化ガラ 基板と強化ガラス基板は、上記特性が実質 に相違していない。続いて試料No.1~26の各ガ ラス基板の両表面に光学研磨を施した後、イ オン交換処理を行った。試料No.1~8、13~15、24 び25については、430℃のKNO 3 溶融塩中に各試料を4時間、試料No.9~12、16~23 び26については460℃のKNO 3 溶融塩中に各試料を4時間浸漬することで行 た。処理を終えた各試料は表面を洗浄した 、表面応力計(株式会社東芝製FSM-6000)を用い 観察される干渉縞の本数とその間隔から表 の圧縮応力値と圧縮応力層の厚みを算出し 。算出に当たり、試料の屈折率は1.53、光学 弾性定数は28[(nm/cm)/MPa]とした。

 その結果、本発明の実施例である試料No.1 ~26の各ガラス基板は、その表面に500MPa以上の 圧縮応力が発生しており、且つその厚みは14 m以上と深かった。また、板厚1mmの基板にお て内部の引っ張り応力は43MPa以下と低かっ 。

 また本発明の実施例である試料No.15のガ ス試料を使用し、ガラス基板の厚みやイオ 交換条件を変えることによって、内部応力 異なるガラス試験片を作製し、内部応力に る破損の状態を評価した。

 評価方法は、以下のとおりである。

 試料No.15のガラスから、板厚0.5mmと板厚0.7 mmのガラス板をそれぞれ作製し、各ガラス板 35mm×35mmの大きさに切りだした。こうして得 られた各ガラス基板について、460℃-6時間、4 60℃-8時間、490℃-6時間の各条件でイオン交換 を行った後に圧縮応力を測定し、その結果を 表5に示した。尚、圧縮応力は、上記と同様 方法で測定し、その圧縮応力値から上記式 基づいて内部応力(ガラス基板内部の引っ張 応力)を計算で求めた。

 表5の各ガラス基板について、その表面に 傷が形成され、その傷が内部応力層まで達し た時に、ガラス基板が破損するかどうかを調 べるため、ホイールチップ材質がダイヤモン ドであるスクライブマシンを使用し、エアー 圧0.3MPa、ホイールチップ刃角度125°、ホイー チップ研磨グレードD521に設定し、ホイール チップをガラス基板の表面にたたきつけて破 壊した。

 表6は、ガラス基板を破壊した後の破片の 数を示したものである。また参考のため、イ オン交換を行わず、内部応力が0のガラス基 の破片の数も示した。表6から明らかなよう 、内部応力が50~94MPaであれば、内部応力が0 ガラス基板と同程度の破片の数となること 理解できる。

 尚、上記実施例では、本発明の説明の便 上、ガラスを溶融し、流し出しによる成形 行った後、イオン交換処理前に光学研磨を った。工業的規模で生産する場合には、オ バーフローダウンドロー法等でガラス基板 作製し、ガラス基板の両表面が未研磨の状 でイオン交換処理することが望ましい。

 本発明の強化ガラス基板は、携帯電話、 ジタルカメラ、PDA、太陽電池等のカバーガ ス、あるいはタッチパネルディスプレイ基 として好適である。また、本発明の強化ガ ス基板は、これらの用途以外にも、高い機 的強度が要求される用途、例えば窓ガラス 磁気ディスク用基板、フラットパネルディ プレイ用基板、固体撮像素子用カバーガラ 、食器などへの応用が期待できる。