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Patent Searching and Data


Title:
DISPOSABLE DIAPER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019962
Kind Code:
A1
Abstract:
A liquid-permeating sheet (17) having an antibacterial-containing polymer coating part (31) disposed on the side opposite to the skin side is bonded to a back waist area of a diaper base. When a wearer sweats, the sweat penetrates the antibacterial-containing polymer coating part (31) through the liquid-permeating sheet (17). The antibacterial contained in the antibacterial-containing polymer coating part (31) then comes into the sweat to inhibit the propagation of Staphylococcus epidermidis.

Inventors:
SAKAGUCHI SATORU
YOSHIMASA WATARU
HISANAKA TAKAYUKI
Application Number:
PCT/JP2008/062841
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNICHARM CORP (JP)
SAKAGUCHI SATORU
YOSHIMASA WATARU
HISANAKA TAKAYUKI
International Classes:
A61F13/15; A61F13/49; A61F13/511
Foreign References:
JP2000505692A2000-05-16
JP2005087659A2005-04-07
JP2003516184A2003-05-13
JP2004255165A2004-09-16
JPS61165337A1986-07-26
JP2000189454A2000-07-11
JPH11200245A1999-07-27
JP2000189454A2000-07-11
JP2004358099A2004-12-24
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 着用時に着用者の肌に面する肌面側に配置された内面シートと、該内面シートに対し、前記肌面側の反対側となる非肌面側に配置された外面シートと、これらの内面シートおよび外面シートの間に介在された吸液性コアとを有すると共に、胴周り域と脚周り域とが形成されたおむつ本体を備えた使い捨ておむつにおいて、
 前記おむつ本体における前記胴周り域および脚周り域のうち、前記着用者の肌に面する肌面側の少なくとも一部に、水分の透過を許容する液透過部を設けると共に、該液透過部の肌面側の面である肌面と外面シートとの間に、熱可塑性を有する水溶性ポリマーおよび抗菌剤を含む抗菌剤含有ポリマーを塗工した抗菌剤含有ポリマー塗工部を設けたことを特徴とする使い捨ておむつ。
 前記液透過部は、前記内面シートとは別体に構成されて、前記おむつ本体の肌面側に設けられ、水分の透過を許容する液透過性シートであり、
 該液透過性シートの非肌面側と、この液透過性シートに対面する部位の前記おむつ本体の肌面側との少なくとも一方側に、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の使い捨ておむつ。
 前記外面シートにおける胴周り域および脚周り域の少なくともいずれかの端部を延設して折り返すことにより折り返し部を形成し、該折り返し部を前記おむつ本体の肌面側に取り付けると共に、この折り返し部を前記液透過部に設定すると共に、
 前記折り返し部の非肌面側と、この折り返し部に対面する部位のおむつ本体の肌面側との少なくとも一方側に、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の使い捨ておむつ。
 前記おむつ本体の肌面側に、水分の透過を許容する液透過性シートを取り付け、
 前記外面シートにおける胴周り域および脚周り域の少なくともいずれかの端部を延設して折り返すことにより折り返し部を形成し、該折り返し部で前記液透過性シートの肌面側の少なくとも一部を覆い、これらの液透過性シートと前記折り返し部のうち液透過性シートを覆った部分とを前記液透過部に設定すると共に、
 前記折り返し部のうち液透過性シートを覆った部分の非肌面側、液透過性シートの肌面側、液透過性シートの非肌面側、および、液透過性シートに対面する部位のおむつ本体の肌面側のうち、少なくともいずれかの側に、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の使い捨ておむつ。
 前記内面シートにおける前記胴周り域および脚周り域の少なくとも一部を前記液透過部に設定すると共に、この液透過部に設定された部位の内面シートの非肌面側と、液透過部の内面シートに対面する部位のおむつ本体の肌面側との少なくとも一方側に、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の使い捨ておむつ。
 前記液透過部は、
 着用時に着用者の肌に面する肌面側に配置された肌面側層と、該肌面側層の非肌面側に配置された非肌面側層とを備え、前記非肌面側層の親水度を前記肌面側層の親水度よりも高く設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
 前記液透過部は、
 着用時に着用者の肌に面する肌面側に配置された肌面側層と、該肌面側層の非肌面側に配置された中間層と、該中間層の非肌面側に配置された非肌面側層とを備え、前記中間層の親水度を、前記肌面側層および非肌面側層の親水度よりも高く設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
 前記抗菌剤含有ポリマー塗工部は、熱可塑性を有する水溶性ポリマーおよび抗菌剤を含む抗菌剤含有ポリマーを点在した状態で塗工して形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
 前記液透過部および抗菌剤含有ポリマー塗工部は、おむつ本体における後胴周り域に設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
Description:
使い捨ておむつ

 本発明は、あせも等の湿疹を効果的に防 する使い捨ておむつに関する。

 従来から、使い捨ておむつを着用した場 、着用者の腰周り等にあせもなどの湿疹が 生しやすいことが知られている。特に、汗 かきやすい夏場において、おむつの後胴周 域に接触する背中部分に生じやすい。この せもが発生する原因として、皮膚上の汗や などが着用者の汗管を塞ぐこと等が報告さ てきた。

 このあせもを防止するため、従来は、汗を 収する通気性液透過性シートを後胴周り域 肌面側などに接着した使い捨ておむつが知 れている(例えば、特許文献1,2参照)

特開2000-189454公報

特開2004-358099公報

 しかしながら、近年の研究では、多量に をかくことにより、皮膚上に存在する表皮 ドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)が過剰に増 することがあせも発生の一要因であること 判ってきた。

 この表皮ブドウ球菌は、常在菌であり、 膚病を引き起こす黄色ブドウ球菌等の増殖 抑制するいわゆる善玉菌である。通常時は 過剰に増殖することなく、あせもを発生さ ることがない。しかし、夏場におけるおむ 内のように、多量の汗が皮膚上に残ると、 剰に増殖して着用者の皮膚にあせもを発生 せる要因となる。

 しかしながら、前述した特許文献1及び2 記載された技術では、汗を吸収することは きても、表皮ブドウ球菌の過剰増殖を防止 ることが困難であるため、あせもを十分に ぐことができないという問題があった。

 そこで、本発明は、あせも等の湿疹の発 を効果的に抑制する使い捨ておむつを提供 ることを目的とする。

 請求項1に係る発明にあっては、着用時に 着用者の肌に面する肌面側に配置された内面 シートと、該内面シートに対し、前記肌面側 の反対側となる非肌面側に配置された外面シ ートと、これらの内面シートおよび外面シー トの間に介在された吸液性コアとを有すると 共に、胴周り域と脚周り域とが形成されたお むつ本体を備えた使い捨ておむつにおいて、 前記おむつ本体における前記胴周り域および 脚周り域のうち、前記着用者の肌に面する肌 面側の少なくとも一部に、水分の透過を許容 する液透過部を設けると共に、該液透過部の 肌面側の面である肌面と外面シートとの間に 、熱可塑性を有する水溶性ポリマーおよび抗 菌剤を含む抗菌剤含有ポリマーを塗工した抗 菌剤含有ポリマー塗工部を設けたことを特徴 とする。

 請求項1に係る発明では、前記液透過部の 肌面側の面である肌面と外面シートとの間に 、抗菌剤含有ポリマーを塗工した抗菌剤含有 ポリマー塗工部を設けている。このため、着 用者が汗をかいた場合、この汗が液透過部に 浸透して抗菌剤含有ポリマー塗工部に到達す る。ここで、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部 は、水溶性ポリマーおよび抗菌剤を含んでい るため、抗菌剤含有ポリマー塗工部の水溶性 ポリマーが溶解して抗菌剤が液透過部の中に 放出される。この抗菌剤によって、着用者の 皮膚上の表皮ブドウ球菌が過剰に増殖するこ とを抑制し、あせも等の湿疹を効果的に防止 することができる。

 なお、液透過部の肌面は、着用者の肌が 接触れるため、この肌面に抗菌剤含有ポリ ー部を塗工すると、微量の発汗によっても 菌剤が放出される。前述したように、表皮 ドウ球菌は有用な、いわゆる善玉菌である め、適正な範囲で皮膚上に存在する必要が り、微量の発汗によっても抗菌剤が放出さ て表皮ブドウ球菌を抗菌することは好まし ない。従って、本発明のように、液透過部 肌面と外面シートとの間に抗菌剤含有ポリ ー塗工部を設けることが望ましい。

図1は、本発明の実施形態による使い捨 ておむつの斜視図である。 図2は、図1の使い捨ておむつを展開し 平面図である。 図3は、図2のA-A線による断面図である 図4は、他の実施形態による、図3に相 する断面図である。 図5は、2層からなる液透過性シートの 面図である。 図6は、3層からなる液透過性シートの 面図である。 図7は、液透過性シートを貼着したオー プン型おむつの平面図である。 図8は、液透過性シートを貼着したオー プン型おむつの平面図である。 図9は、液透過性シートを貼着したオー プン型おむつの平面図である。 図10は、疎水性シートを介して液透過 シートを貼着したオープン型おむつの平面 である。 図11は、疎水性シートを貼着したオー ン型おむつの平面図である。 図12は、内面シートの非肌面側に抗菌 含有ポリマー塗工部を設けたオープン型お つの平面図である。 図13は、液透過性シートによる抗菌作 を示す断面図であり、(a)は汗を吸収する前 状態を示し、(b)は液透過性シートが汗で湿 した状態を示し、(c)は汗によって抗菌剤含 ポリマー塗工部中の抗菌剤が拡散している 態を示している。 図14は、実施例における、被験者の皮 の状態を示す概略図である。 図15は、実施例における、被験者の皮 の体温分布を示す概略図である。

 以下に、本発明の実施形態について説明 る。

 図1は、本発明の実施形態による使い捨て おむつを示す斜視図である。また、図2は、 1の使い捨ておむつの左右両側縁部を切り離 て展開し、着用時に着用者の肌に面する肌 側から見た平面図である。また、図3は、図 2のA-A線による断面図である。

 図1に示すように、この使い捨ておむつは 、軸中心線CLを介して左右両側が対称に形成 れたパンツ型おむつ1である。なお、後述す るように、本発明は、左右両側縁部が接合さ れないオープン型おむつにも適用することが できる。

 前記パンツ型おむつ1は、前胴周り域3と後 周り域5とからなる胴周り域、股下域7、およ び、脚周り域13とから構成されたおむつ本体1 5(図2参照)を備えている。前記前胴周り域3及 後胴周り域5の左右両側縁部9,9が接合されて おり、おむつ本体1の上端には、胴側開口部11 が形成されている。 
 図2に示すように、本実施形態によるパンツ 型おむつ1は、汗等の体液や排泄物を吸収及 保持するおむつ本体15と、該おむつ本体15の 胴周り域5の肌面側に貼着された液透過性シ ート(液透過部)17とを備えている。この液透 性シート17は、水分の透過を許容する液透過 部に設定されており、後胴周り域5の肌面側 限らず、前胴周り域3の肌面側、脚周り域13 肌面側のいずれに設けても良い。さらに、 面側とは、おむつを着用した場合に、着用 の肌に面する側をいい、非肌面側とは、前 肌面側の反対側をいうものとする。

 なお、前記液透過部は、蒸留水に表面張力 整剤を添加して表面張力を30mN/mに調整した 合において耐水圧が100mm以下となる部位を すものとし、疎水性を有するものも含まれ 。具体的には、前記液透過部には、親水性 維を含む不織布、親水性繊維を含む不織布 親水化したシート、又は、疎水性繊維を含 不織布を親水化したシートを用いることが ましく、ティッシュペーパー又はスパンレ ス不織布を用いることがさらに好ましい。 れらのティッシュペーパー又はスパンレー 不織布は、水素結合によってシートの強度 確保している。ここで、抗菌剤を含む溶液 に前記ティッシュペーパー
等を浸漬させると、ティッシュペーパー等の 水素結合を低下させてしまう。すると、ティ ッシュペーパー等の強度が低下するため、表 面が毛羽立つなどの問題が生じるおそれがあ る。従って、液透過部を、ティッシュペーパ ー又はスパンレース不織布から形成し、この 液透過部に抗菌剤含有ポリマーを塗工するこ とが好ましい。

 図3に示すように、肌面側には、内面シート 25が設けられ、非肌面側には、外面シート23 設けられている。図3では、これらの外面シ ト23と内面シート25とは一体に形成されてい る。図3において、外面シート23が上方に延び て上端部27にまで至っている。また、内面シ ト25は、この上端部27から折り返された折り 返し部であり、上端部から下方に延び、吸液 性コア29の上部を覆っている。そして、内面 ート25の肌面側には、液透過部である液透 性シート17が貼着されている。該液透過性シ ート17の非肌面側には、抗菌剤含有ポリマー 工部31が形成されており、図外の接着剤に
って内面シート25の肌面側に貼着されている また、外面シート23の肌面側には、内部シ ト33が設けられ、該内部シート33と吸液性コ 29との間には、排泄物等の水分が外部に漏 ることを防止するフィルム35が設けられてい る。そして、外面シート23の上端部と内部シ ト33の上端部との間には、ゴム等の弾性体37 が配設されている。そして、抗菌剤含有ポリ マー塗工部31は、液透過性シート17に対面す 部位の内面シート25の肌面側に設けても良い 。

 このように、液透過性シート17を内面シ ト25とは別体に構成することにより、液透過 性シート17の高さや幅寸法、又は厚みを容易 変更することができる。例えば、多量の汗 かいた場合に水溶性ポリマーを溶解させて 菌剤を分散させたい場合には、厚みを大き 設定した液透過性シート17を用いれば良い 前記液透過性シートは、セルロース繊維を み、前記抗菌剤はカチオン系界面活性剤で ることが好ましく、また、ティッシュペー ー又はスパンレース不織布を用いることが ましい。ただし、疎水性繊維からなる不織 や疎水性繊維を含む不織布を親水化したシ トであっても、汗を透過させて吸収するこ ができるため、前記液透過性シートとして いることができる。

 なお、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部31 明確に示すため、層状に形成されているよ に記載したが、抗菌剤含有ポリマー塗工部31 は、液透過性シート17を形成する繊維に抗菌 含有ポリマーが微少な粒状の状態で付着し いる部位である。以下の図においても、抗 剤含有ポリマー塗工部31を簡略化して層状 示すこととする。また、このように、抗菌 含有ポリマーを点在した状態で液透過部に 工することにより、吸収した汗によって水 性ポリマーを効率的に溶解させることがで るという効果が得られる。

 また、本発明では、図4に示す構造を採用 することもできる。

 この構造では、折り返し部である内面シ ト25を液透過部に設定しており、前記内面 ート25の非肌面側に抗菌剤含有ポリマー塗工 部31を設けている。この内面シート25は、疎 性繊維からなる不織布を用いることができ 。このようなシートであっても、汗によっ 湿潤し、水分を透過させることができる。 お、内面シート25は、親水化したり、孔を設 けたりすると汗等が透過しやすくなり更に好 ましい。従って、内面シート25の非肌面側に 菌剤含有ポリマー塗工部31を形成すること より、内面シート25で吸収した汗が抗菌剤含 有ポリマー塗工部31に浸透し、抗菌剤含有ポ マー塗工部31中の抗菌剤を放出させること できる。

 なお、抗菌剤含有ポリマー塗工部31は、 面シート25に対面する部位のおむつ本体15(内 部シート33及び吸液性コア29)の肌面側に設け も良い。このように、折り返し部である内 シート25を液透過部に設定し、前記内面シ ト25の非肌面側に抗菌剤含有ポリマー塗工部 31を設けることにより、構成物品数を少なく て簡単な構造とすることができるという効 が得られる。

 そして、図示は省略したが、液透過性シ ト17を内面シート25の非肌面側とおむつ本体 15の肌面側との間に配置しても良い。即ち、 4における吸液性コア29の上部の肌面側から 部シート33の上端部の肌面側に液透過性シ ト17を貼着し、該液透過性シート17の肌面側 少なくとも一部を内面シート25で覆う構造 しても良い。ここで、前記液透過性シート17 と内面シート25のうち前記液透過性シート17 覆った部分とを液透過部に設定する。

 この場合、抗菌剤含有ポリマー塗工部31は 前記内面シート25のうち液透過性シート17を った部分の非肌面側、液透過性シート17の 面側、
液透過性シート17の非肌面側、および、液透 性シート17に対面する部位のおむつ本体(吸 性コア29の上部および内部シート33の上端部 )の肌面側のうち、少なくともいずれかの側 、前記抗菌剤含有ポリマー塗工部を設ける このように、液透過性シート17の肌面側の少 なくとも一部を内面シート25で覆う構造にす ば、液透過性シート17が着用者の肌に直接 れないため、液透過性シート17の位置ずれを 防止することができる。

 さらに、図4の内面シート25は、折り返し によって形成したが、これに限定されず、 面シートと外面シートとを別体とし、内面 ートを液透過部に設定すると共に、この内 シートの非肌面側と、該内面シートに対面 る部位のおむつ本体の肌面側との少なくと いずれかの側に前記抗菌剤含有ポリマー塗 部を設けても良い。これによれば、おむつ 体の内面シートを液透過部とするため、構 物品数を少なくして簡単な構造とすること できる。

 次に、図5及び図6を用いて、液透過部の 面構造を説明する。

 図5は、2層からなる液透過性シートの断 図である。

 この液透過性シート17は、肌面側に配置 れた肌面側層41と、該肌面側層41の非肌面側 配置され、主としてセルロース繊維からな 非肌面側層であるセルロース層39とからな 。肌面側層41は、セルロース層39のよりも親 度が低く設定されている。

 また、前記セルロース層39の非肌面側に 菌剤含有ポリマー塗工部31を形成している。 このように、セルロース層39の方が肌面側層4 1よりも親水度が高いという親水勾配を有す ため、汗が肌面側層41からセルロース層39に 動しやすく、汗の吸収性が高くなる。なお 図5は、抗菌剤含有ポリマー塗工部31をセル ース層39の非肌面側に塗工した場合を示し が、本発明はこれに限定されず、セルロー 層39と肌面側層41との間に抗菌剤含有ポリマ 塗工部31を塗工しても良い。

 図6は、3層からなる液透過性シートの断 図である。

 この液透過性シート17は、肌面側に配置さ た肌面側層47と、該肌面側層47の非肌面側に 置され、主としてセルロース繊維からなる ルロース層(中間層)45と、該セルロース層45 非肌面側に配置された非肌面側層43とから る。セルロース層45の親水度を肌面側層47及 非肌面側層43よりも高く設定し、前記非肌 側層43の非肌面側に抗菌剤含有ポリマー塗工 部31を形成している。非肌面側層43と肌面側 47の親水度はセルロース層45よりも低いため 液透過性シート17が汗で湿潤した場合でも 非肌面側層43は湿潤しにくく、液透過性シー ト17とおむつ本体15との接合強度
を高く維持することができる。

 次に、図7~図9を用いて、本実施形態によ 液透過性シート17を貼着する部位を説明す 。ここで示した使い捨ておむつは、オープ 型おむつ(展開型おむつ)である。

 図7~図9に示すように、オープン型おむつ4 9は、おむつ本体の肌面側に配置された内面 ート55と、非肌面側に配置された外面シート 57と、これらの内面シート55および外面シー 57の間に配置された吸液性コア59とを有して る。

 液透過性シート17は、図7に示すように、 ープン型おむつ49における後胴周り域51の肌 面側に胴周り方向に沿って貼着することが好 ましい。具体的には、内面シート55の肌面側 接着剤を介して接合することが好ましい。 透過性シート17の形状は、胴周り方向に沿 た細長い矩形状であり、後胴周り域51の全長 の50%以上配置することが好ましい。

 また、図8に示すように、後胴周り域51に ける中央部分に液透過性シート17を配置し も良い。液透過性シート17の胴周り方向の長 さは、後胴周り域全長の約50%程度に設定して も良い。

 さらに、図9に示すように、液透過性シー ト17をオープン型おむつ49における左右一対 固定端縁部にそれぞれ貼着しても良い。

 図10~図12は、オープン型おむつにおける 透過部の形態を示す平面図である。

 まず、図10に示すように、オープン型お つ49の肌面側に設けられた内面シート55の後 周り域51の肌面側に疎水性シート61を貼着し 、該疎水性シート61の更に肌面側に液透過性 ート17を貼着しても良い。また、抗菌剤含 ポリマー塗工部(図示せず)は、液透過性シー ト17の非肌面側と疎水性シート61の肌面側の なくとも一方側に形成しても良く、疎水性 ート61の非肌面側とおむつ本体の肌面側との 少なくとも一方側に形成しても良い。

 次に、図11に示すように、後胴周り域51の 肌面側に疎水性シート61を貼着しても良い。 の場合、疎水性シート61の非肌面側と該疎 性シート61に対面する部位のおむつ本体の肌 面側の少なくとも一方側に抗菌剤含有ポリマ ー塗工部(図示せず)を形成する。

 さらに、図12に示すように、オープン型 むつ49の肌面側に設けられた内面シート55の 肌面側に抗菌剤含有ポリマー塗工部31(破線 示す)を形成しても良い。

 以上説明したように、液透過部および抗 剤含有ポリマー塗工部は、おむつ本体にお る後胴周り域に配置することが好ましい。 れは、後胴周り域の肌面側は、あせも等の 疹が最も生じやすい着用者の背中部分に対 する部位であるため、効率的に湿疹の発生 防止することができるからである。

 次いで、液透過部による抗菌作用を、液 過性シートを例にとって説明する。

 図13は、液透過性シートによる抗菌作用 示す断面図である。

 図13(a)に示すように、液透過性シート17の 非肌面側に抗菌剤含有ポリマー塗工部31が形 されている。着用者の汗Sが液透過性シート 17に吸収されると、図13(b)に示すように、液 過性シート17が湿潤する。すると、図13(c)に すように、抗菌剤含有ポリマー塗工部31中 水溶性ポリマーが汗Sによって溶解し、図13(c )の矢印に示すように、水溶性ポリマーと共 抗菌剤が液透過性シート17中に拡散する。こ れによって、汗中の表皮ブドウ球菌が抗菌剤 によって抗菌される。

 ここで、水溶性ポリマーは、ポリエチレ グリコール、ポリビニルアルコール、ポリ ロピレングリコール、及びそれらの誘導体 群から選択される一種又は二種以上である とが好ましい。また、人体の体温近傍であ 37℃において、100ccの溶液中に1g溶解させた 合に、完全に溶解するものが好ましい。例 ば、ポリエチレングリコール、ポリビニル ルコール、ポリプロピレングリコール、及 これらの混合物などである。ポリエチレン リコール等の水溶性ポリマーは、抗菌剤を 中に運ぶキャリアーとして有用である。

 また、水溶性ポリマーは、抗菌剤を混合 せる際の混合剤となり、抗菌剤を、例えば 織布からなる液透過性シートに付着させる めのバインダーとしても有用である。また 水溶性ポリマーの分子量は、100~50,000が好ま しく、600~30,000が更に好ましい。

 そして、抗菌剤としては、少なくとも表 ブドウ球菌の増殖を抑制できるものであれ 、任意の抗菌剤を使用することができ、こ 任意の抗菌剤のうち2種以上を組み合わせて 使用することができる。ここで「抗菌」は、 殺菌、滅菌、静菌を含む概念である。なお、 前記表皮ブドウ球菌以外に、大腸菌、黄色ブ ドウ球菌、アンモニア産生菌などの細菌の増 殖を抑制できるものが更に好ましい。

 具体的には、以下のものが例示できる。

 N,N’,N’’-トリス(ヒドロキシエチル)ヘキ ヒドロ-s-トリアジン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3- ロパンジオール、4,4-ジメチルオキサゾリジ ン、1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルヒ ントイン、トリス(ヒドロキシメチル)ニト メタン、4-(2-ニトロブチル)モルホリン、1,3- モルホリノ-2-ニトロ-2-エチルプロパン等の ルムアルデヒド放出剤;
 1,3-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ジヨード チル-p-トリルスルホン、2,3,5,6-テトラクロ -4-(メチルスルホニル)ピリジン、2,4,5,6-テト クロロイソフタロニロリル等のハロゲン化 物;
 4-クロロフェニル-3-ヨードプロパギルホル ール、3-ヨードプロパギルブチルカルバメー ト等のヨードプロパギル誘導体;
 2-(4-チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾー 等のチオシアナト化合物;
 2-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロ ロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベ ズイソチアゾロン-3、N-ブチル-1,2-ベンズイ チアゾロン-3等のイロチアゾリノン誘導体;
 N-(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミ ド、N,N-ジメチル-N’-(フルオロジクロロメチ チオ)-N’-フェニルスルファミド、N-ジクロ フルオロメチルチオ-N’,N’-ジメチル-N-p-ト リルスルファミド等のトリハロメチルチオ化 合物;
 アルキルジメチルベンジルアンモニウムク ライド、ドデシルジメチルベンジルアンモ ウムクロライド、塩化ベンゼトニウム、ヘ サデシルトリメチルアンモニウムブロマイ 、ジデシルジメチルアンモニウムクロライ 、デシルイソノニルジメチルアンモニウム ロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロ イド(塩化セチルピリジニウム)、4,4’-(テト ラメチレンジカルボニルアミノ)ビス(1-デシ ピリジニウムブロマイド)、N,N’-ヘキサメチ レンビス(4-カルバモイル-1-デシルピリジニウ ムブロマイド)等の第4アンモニウム塩;
 塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド、グル ン酸クロロヘキシジン、クロロヘキシジン 酸塩等のビグアニド化合物;
 ホルムアルデヒド、1,5-ペンタンジアール( ルタルアルデヒド)、α-ブロモシンナムアル ヒド等のアルデヒド類;
 3-メチル-4-クロロフェノール、4-クロロ-3,5- メチルフェノール、p-ヒドロキシ安息香酸 ルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル) 等のフェノール類;
 2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾール、2-ベ ズイミダゾリルカルバミン酸メチル等のベ ズイミダゾール誘導体;
 ピリジン-2-チオール-1-オキシドナトリウム ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛等のピ リジンオキシド;
 3,4,4’-トリクロロカルバニリド、4,4’-ジク ロロ-3-(トリフルオロメチル)カルバニリド等 カルバニリド;
 2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニ エーテル等のジフェニルエーテル;
 ソルビン酸、プロピオン酸、10-ウンデシレ 酸、安息香酸等のカルボン酸;
 10,10’-オキシビスフェノキシアルシン等の 機金属化合物。

 さらに、インチンコウ、ウイキョウ、メン ウギ、オウレン、オウバク、オウゴン、ガ ヨウ、カンゾウ、キョウニン、ケイヒ、コ ボク、シソ葉、シャクヤク、センキュウ、 イオウ、チョウジ、トウニン、ボタンピな の抗菌作用を示す漢方用薬;エゴノキ抽出物 、カワラヨモギ抽出物、ホオノキ抽出物、レ ンギョウ抽出物、ペクチン分解物、プロタミ ン、ポリリジン、柑橘種子抽出物、ショウガ 抽出物、茶抽出物、生大豆抽出物、紅麩分解 物、ホッコシ抽出物、孟宗竹抽出物、モミガ ラ抽出物、リゾチーム、ペッパー抽出物、プ ロポリスなどの食品に添加される天然抗菌剤 ;カラシ抽出物などのその他の天然抗菌剤
を使用することもできる。

 さらに、この食品に添加される天然抗菌 にα-ポリリジン、ε-ポリリジンを用いるこ もできる。

 特に好ましい抗菌剤としては、汗疹の原 とされる表皮ブドウ球菌を吸着し細菌の細 膜を破壊するカチオン系界面活性剤、たと ば塩化セチルピリジニウム(CPC)等が挙げら る。

 なお、液透過性シート17をおむつ本体15に 接着剤を介して接合する場合、接着剤の塗布 形状は、斑点状(ドット状)、線状、らせん状 どの種々の形状にすることが好ましい。

 また、液透過性シート17にゴム等の弾性 材を直接的又は間接的に配設することが好 しい。後胴周り域の肌面側に液透過性シー を配置する場合、着用者の背部は窪んでい ため、液透過性シート17が背部に接触しにく い。従って、弾性部材を配設することにより 、液透過性シート17を着用者の背部に確実に 着させることができる。また、液透過性シ ト17を波状若しくは凹凸状に形成すること より、液透過性シート17を着用者の背部に確 実に密着させたり、着用者の身体と液透過性 シート17との接触頻度を高めることができる

 また、液透過部はセルロース繊維を含み 抗菌剤はカチオン系抗菌剤を用いても良い これによれば、カチオン系界面活性剤はセ ロース繊維に吸着するため、汗によって溶 したカチオン系界面活性剤は、セルロース 維を含む液透過部内に多く残留し、該液透 部内で抗菌作用を発揮する。よって、カチ ン系界面活性剤が液透過部から流出して着 者の皮膚にまで至ることが非常に少なくな 、皮膚上の表皮ブドウ球菌を抗菌すること 抑制することができる。

 なお、前記実施形態では、液透過部およ 抗菌剤含有ポリマー塗工部を胴周り域に設 する場合を中心に説明した。しかし、脚周 域に液透過部および抗菌剤含有ポリマー塗 部を設定しても良く、胴周り域に設定した 合と同様の効果を得ることができる。

 以下に、本発明を実施例を通して具体的 説明する。

[実施例1]
 まず、本発明による抗菌剤含有ポリマーに って表皮ブドウ球菌の増殖をどの程度抑制 きるかを検証した。

(1)最初に、下記表1に示す試験菌株を血液寒 培地を用いて、35℃で20時間培養した。

 次に、各試験菌をMcFarland0.5(約10 8 CFU/ml)となるように滅菌生理食塩液に懸濁し 供試菌液とした。

(2)供試菌液を約10 4 CFU/mlとなるように 1/10 Mueller Hinton broth
 (MHB)に添加し、径が24mmの平底の穴を有する イクロプレートの各ウェルに0.5mlずつ分注 た。

(3)各ウェルの液面に各試験サンプルを浸し 、35℃で静置培養した。また、比較例1である 発育コントロールとして試験サンプルを浸さ ないウェルを設けた。

 なお、表1において、本発明例1は、PEGに対 て1wt%のCPCを混合した抗菌剤含有ポリマーを 1m 2 あたり0.5g塗布したものである。また、本発 例2は、1m 2 あたり1.0g塗布したものであり、本発明例3は 1m 2 あたり1.5g塗布したものである。

(4)各試験サンプルを浸漬した直後、浸漬し てから2時間培養後、4時間培養後、8時間培養 後、及び24時間培養後における各ウェルの培 液を採取し、生菌数を測定した。

 その結果、表1に示すように、本発明例1 は、4時間経過後には生菌数がほぼゼロとな 、本発明例2,3では、2時間経過後に生菌数が ほぼゼロとなった。一方、比較例1では、24時 間経過した後でも多量の生菌数が残存してい ることが確認された。

[実施例2]
 次いで、実際におむつを使用して被験者に せもが発症するかを検証した。

(液透過性シートの作製)
 実施例2においては、液透過性シートとして 不織布を用いた。この不織布は、ポリエチレ ンテレフタレート(PET)とレーヨンとをスパン ース法を用いて作製したものである。外形 状は、矩形状とし、寸法は、285mm×60mmとし 。

 この不織布の非肌面側に、水溶性ポリマ に抗菌剤を混合させた抗菌剤含有ポリマー 塗工した。水溶性ポリマーは、ポリエチレ グリコール(PEG)を用いた。このPEGは、分子 が600のものが30wt%と、分子量が4000のものが70 wt%とからなる。

 また、抗菌剤として塩化セチルピリジウム( CPC)を用いた。塗工量は1.0g/m 2 であり、PEGとの重量比は、PEG:CPC=99:1とした。 さらに、抗菌剤含有ポリマーの塗工方法は、 スプレー塗工とした。

 なお、液透過性シートの非肌面側に、ド イエッジを5mmとしてホットメルト接着剤を 布し、おむつ本体の後胴周り域の肌面側に 着させた。

(実施方法)
 前記液透過性シートを接着したおむつを、L サイズのおむつを使用している月齢24ケ月前 の被験者50人が着用し、母親が被験者のあ も発症状況を確認した。被験者は、男女25人 ずつであり、今年の夏に既にあせもを発症し た経験を有する幼児を抽出して行った。実施 期間は、最もあせもが発症しやすい時期であ る8月1日~7日とした。おむつは、主としてパ ツ型おむつを使用し、その使用枚数は25枚と した。

 結果を下記表2に示す。

 表2において、本発明例4は、抗菌剤含有 リマーを液透過性シートの非肌面側に塗工 、この液透過性シートを貼着したおむつを 用した場合である。比較例2は、抗菌剤含有 リマーを塗工しない液透過性シートを貼着 たおむつを使用した場合である。比較例3は 、銀イオンを担持したゼオライトからなる抗 菌剤を含有するポリプロピレン繊維を用いた スパンボンド不織布を貼着したおむつを使用 した場合である。なお、この抗菌剤は、株式 会社シナネンゼオミック製である。比較例4 、液透過性シートを全く貼着していないお つを使用した場合である。

 なお、図14は、実施例2を行った被験者の 中から臀部近傍を示す概略図である。図中 丸で囲った、尾てい骨周辺の略三角状に窪 だ部位にあせもが発症する場合が多かった この部位は、図15に示すように、皮膚温が いため、汗をかきやすく、また三角状に窪 だ形状になっているために、汗が溜まりや いからだと考えられる。なお、図15において 、最も中央側に配置された等温線は36.0~36.5℃ を示し、その外側に向かうにつれて徐々に体 温が低下していることが判る。

 また、表2に示すように、本発明例4の場 、あせもの全体発症率は18%であり、程度が きいあせもの発症率は10%に留まり、良好で った。ここで、「程度が大きいあせも」と 、母親が被験者にあせも対処用薬剤を塗布 るなどの何らかの処置を施すほど、程度が きい場合を示す。なお、「発症率」とは、 せもが発症した被験者の人数を、被験者全 の人数で割った割合をいう。

 一方、比較例2~4は、あせもの全体発症率 び程度が大きいあせもの発症率ともに、良 な結果が得られなかった。

 なお、日本国特許出願第2007-203376号(2007年 8月3日出願)の全内容が、参照により、本願明 細書に組み込まれている。

 以上のように、本発明に係る使い捨てお つは、あせも等の湿疹の発生を効果的に抑 することができるため、有用である。