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Patent Searching and Data


Title:
HEAT EXCHANGER UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/130876
Kind Code:
A1
Abstract:
A heat exchanger unit having plate heat exchangers, wherein pressure loss and refrigerant distribution performance of each plate heat exchanger are appropriately determined to enhance the performance coefficient of the entire heat exchanger unit. This is achieved by a simple and inexpensive structure. A heat exchanger unit is constructed by serially interconnecting plate heat exchangers. The refrigerant distribution function of each plate heat exchanger is set such that, when the heat exchanger unit functions as an evaporator, the distribution function of refrigerant distribution mechanisms of plate heat exchangers on the refrigerant upstream side is higher than the distribution function of refrigerant distribution mechanisms of plate heat exchangers on the refrigerant downstream side and, when the heat exchanger unit functions as a condenser, the distribution function of the refrigerant distribution mechanisms of the plate heat exchangers on the refrigerant upstream side is lower than the distribution function of the refrigerant distribution mechanisms of the plate heat exchangers on the refrigerant downstream side. The construction realizes that each plate heat exchanger has, both when the heat exchanger unit functions as the evaporator and when the heat exchanger unit functions as the condenser, a distribution action corresponding to the state of a phase change of the refrigerant, and as a result, the entire heat exchanger unit can achieve a high performance coefficient.

Inventors:
KONDOU YASUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001790
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
April 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
KONDOU YASUHIRO (JP)
International Classes:
F25B5/04; F25B6/04; F28D9/02; F28F9/22
Foreign References:
JP2005337688A2005-12-08
JPH07269971A1995-10-20
JP2001147051A2001-05-29
Other References:
See also references of EP 2284457A4
Attorney, Agent or Firm:
Shinjyu Global IP (JP)
fresh green -- a global IP patent business corporation (JP)
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Claims:
 第1プレート熱交換器(2A,2E,2H,2K)と、前記第1プレート熱交換器の所定流方向に直列にされた第2プレート熱交換器(2B,2F,2I,2L)とを備え、蒸発器として働いて冷媒を加熱する時には前記第1プレート熱交換器から前記第2プレート熱交換器の方に向かって冷媒が流れる一方、凝縮器として働いて冷媒を冷却する時には前記第2プレート熱交換器から前記第1プレート熱交換器の方に向かって冷媒が流れるように配置されている熱交換器ユニットであって、
 前記第1プレート熱交換器は、複数の第1冷媒流路(4A,4E,4H,4K)と、複数の前記第1冷媒流路に流す冷媒を分配・収集して前記所定流方向に流すための第1下側ヘッダー部(6A,6E,6H,6K)及び第1上側ヘッダー部(7A,7E,7H,7K)と、冷媒加熱時に前記第1下側ヘッダー部の冷媒の気液混合を促進するための第1気液混合手段(10A,8A,10H,10K)とを有し、
 前記第2プレート熱交換器は、複数の第2冷媒流路(4B,4F,4I,4L)と、複数の前記第2冷媒流路に流す冷媒を分配・収集して前記所定流方向に流すための第2下側ヘッダー部(6B,6F,6I,6L)及び第2上側ヘッダー部(7B,7F,7I,7L)と、冷媒加熱時に前記第2下側ヘッダー部の冷媒の気液混合を促進するための第2気液混合手段(10B,8B,8,10L)とを有し、
 前記第1気液混合手段及び前記第2気液混合手段は、気液混合作用が高くなるほど圧力損失が大きくなるものであって、前記第1気液混合手段の方が前記第2気液混合手段よりも気液混合作用が高くなるように設定されている、熱交換器ユニット。
 前記第1プレート熱交換器(2A)は、前記第1気液混合手段として、複数の前記第1冷媒流路と前記第1下側ヘッダー部との接続部に設けられた複数の第1冷媒流入口(10A)を有し、
 前記第2プレート熱交換器(2B)は、前記第2気液混合手段として、複数の前記第2冷媒流路と前記第2下側ヘッダー部との接続部に設けられた複数の第2冷媒流入口(10B)を有し、
 前記第1プレート熱交換器及び前記第2プレート熱交換器は、前記第1冷媒流入口が前記第2冷媒流入口よりも小さい口径を持つように設定されている、請求項1に記載の熱交換器ユニット。
 前記第2プレート熱交換器の前記所定流方向に直列にされた第3プレート熱交換器(2C)をさらに備え、
 前記第3プレート熱交換器は、複数の第3冷媒流路(4C)と、複数の前記第3冷媒流路に流す冷媒を分配・収集して前記所定流方向に流すための第3下側ヘッダー部(6C)及び第3上側ヘッダー部(7C)と、第3気液混合手段として複数の前記第3冷媒流路と前記第3下側ヘッダー部との接続部に設けられた複数の第3冷媒流入口(10C)とを有し、
 前記第1プレート熱交換器、前記第2プレート熱交換器及び前記第3プレート熱交換器は、前記第1冷媒流入口が前記第2冷媒流入口よりも小さい口径を持ち、かつ前記第2冷媒流入口が前記第3冷媒流入口よりも小さい口径を持つように設定されている、請求項2に記載の熱交換器ユニット。
 前記第1プレート熱交換器(2E)は、前記第1気液混合手段として、前記第1下側ヘッダー部に流入する冷媒の調節のための第1オリフィス(8A)を有し、
 前記第2プレート熱交換器(2F)は、前記第2気液混合手段として、前記第1プレート熱交換器から前記第2下側ヘッダー部に流入する冷媒の調節のための第2オリフィス(8B)を有し、
 前記第1プレート熱交換器及び前記第2プレート熱交換器は、前記第1オリフィスの絞り量が前記第2オリフィスの絞り量よりも大きくなるように設定されている、請求項1に記載の熱交換器ユニット。
 前記第1プレート熱交換器(2H)は、前記第1気液混合手段として、複数の前記第1冷媒流路と前記第1下側ヘッダー部との接続部に設けられた複数の第1冷媒流入口(10H)を有し、
 前記第2プレート熱交換器(2I)は、前記第2気液混合手段として、前記第2下側ヘッダー部に流入する冷媒の調節のためのオリフィス(8)を有し、
 前記第1プレート熱交換器及び前記第2プレート熱交換器は、前記第1冷媒流入口の絞り度合が前記オリフィスの絞り度合よりも大きくなるように設定されている、請求項1に記載の熱交換器ユニット。
 前記第1プレート熱交換器をバイパスするためのバイパス管路(12)をさらに備え、
 前記バイパス管路は、蒸発器としての機能時には前記第1プレート熱交換器をバイパスせず、凝縮器としての機能時に前記第1プレート熱交換器をバイパスする、請求項1から5のいずれかに記載の熱交換器ユニット。
Description:
熱交換器ユニット

 本願発明は、複数のプレート熱交換器を 列に接続して構成される熱交換器ユニット 関するものである。

 従来から、複数個の小形のプレート熱交換 を直列に接続してコンパクトな構成の熱交 器ユニットを得る技術が知られている(例え ば、特許文献1~3 参照)。
 このような構成の熱交換器ユニットにおい は、特にこの熱交換器ユニットが蒸発器と て機能する場合には、冷媒がプレート熱交 器に気液混合状態で流入し、且つ下流側の レート熱交換器へ移行するに伴って次第に 媒中のガス域の割合が高くなるように変化 る。
 また、個々のプレート熱交換器においては 冷媒中の液域が多いほどその内部の各冷媒 路に対する冷媒の分配性能が低下し、該プ ート熱交換器において熱交換効率の高い部 と低い部位が生じて全体としての熱交換効 が低下する。
 従って、熱交換器ユニット全体としての成 係数の向上を図るに際しては、各プレート 交換器のそれぞれにおける圧力損失と冷媒 分配性能を共に考慮する必要がある。

 係る観点から、特許文献3には、二つの小形 プレート熱交換器を直列に接続して所要能力 の熱交換器を構成するものにおいて、上流側 のプレート熱交換器は、流入する冷媒は液域 が多く各冷媒流路への分配性が悪いため、各 冷媒流路への分配管を設けて冷媒分配性を確 保する一方、下流側のプレート熱交換器に流 入する冷媒はガス域が多く分配性が良好であ るためこのプレート熱交換器には分配管を設 けない構成とする技術が提案されている。
 これによれば、上流側のプレート熱交換器 は分配管の存在によって圧力損失は大とな が該分配管における気液混合作用によって 配性が向上する。また、下流側のプレート 交換器では、ガス域が多いため分配性が良 で、且つ分配管が無いため圧力損失も小さ ものとなる。これらの相乗効果によって熱 換器全体としての成績係数の向上が図れる としている。

特開2000-180076号公報

特開2000-356483号公報

特開2005-337688号公報

 ところが、上述のように、冷媒状態は各プ ート熱交換器の個々において相違し、また 転状態によっても変化することから、上掲 許文献3に記載のような構成のみでは、十分 に対応することができない。
 そこで本願発明は、複数のプレート熱交換 のそれぞれにおいて、その圧力損失と冷媒 分配性能を考慮することで、簡単且つ安価 構成によって熱交換器ユニット全体として 成績係数の向上を図ることを目的としてな れたものである。

 本願発明ではかかる課題を解決するための 体的手段として次のような構成を採用して る。
 本願の第1の発明に係る熱交換器ユニットは 、第1プレート熱交換器と、第1プレート熱交 器の所定流方向に直列に接続された第2プレ ート熱交換器とを備え、蒸発器として働いて 冷媒を加熱する時には第1プレート熱交換器 ら第2プレート熱交換器の方に向かって冷媒 流れる一方、凝縮器として働いて冷媒を冷 する時には第2プレート熱交換器から第1プ ート熱交換器の方に向かって冷媒が流れる うに配置されている熱交換器ユニットであ て、第1プレート熱交換器は、複数の第1冷媒 流路と、複数の第1冷媒流路に流す冷媒を分 ・収集して所定流方向に流すための第1下側 ッダー部及び第1上側ヘッダー部と、冷媒加 熱時に第1下側ヘッダー部の冷媒の気液混合 促進するための第1気液混合手段とを有し、 2プレート熱交換器は、複数の第2冷媒流路 、複数の第2冷媒流路に流す冷媒を分配・収 して所定流方向に流すための第2下側ヘッダ ー部及び第2上側ヘッダー部と、冷媒加熱時 第2下側ヘッダー部の冷媒の気液混合を促進 るための第2気液混合手段とを有し、第1気 混合手段及び第2気液混合手段は、気液混合 用が高くなるほど圧力損失が大きくなるも であって、第1気液混合手段の方が第2気液 合手段よりも気液混合作用が高くなるよう 設定されている。

 本願の第2の発明に係る熱交換器ユニット は、第1の発明に係る熱交換器ユニットにお て、第1プレート熱交換器は、第1気液混合手 段として、複数の第1冷媒流路と第1下側ヘッ ー部との接続部に設けられた複数の第1冷媒 流入口を有し、第2プレート熱交換器は、第2 液混合手段として、複数の第2冷媒流路と第 2下側ヘッダー部との接続部に設けられた複 の第2冷媒流入口を有し、第1プレート熱交換 器及び第2プレート熱交換器は、第1冷媒流入 が第2冷媒流入口よりも小さい口径を持つよ うに設定されている。

 本願の第3の発明に係る熱交換器ユニット は、第2の発明に係る熱交換器ユニットにお て、第2プレート熱交換器の所定流方向に直 に接続された第3プレート熱交換器をさらに 備え、第3プレート熱交換器は、複数の第3冷 流路と、複数の第3冷媒流路に流す冷媒を分 配・収集して所定流方向に流すための第3下 ヘッダー部及び第3上側ヘッダー部と、第3気 液混合手段として複数の第3冷媒流路と第3下 ヘッダー部との接続部に設けられた複数の 3冷媒流入口とを有し、第1プレート熱交換 、第2プレート熱交換器及び第3プレート熱交 換器は、第1冷媒流入口が第2冷媒流入口より 小さい口径を持ち、かつ第2冷媒流入口が第 3冷媒流入口よりも小さい口径を持つように 定されている。

 本願の第4の発明に係る熱交換器ユニット は、第1の発明に係る熱交換器ユニットにお て、第1プレート熱交換器は、第1気液混合手 段として、第1下側ヘッダー部に流入する冷 の調節のための第1オリフィスを有し、第2プ レート熱交換器は、第2気液混合手段として 第1プレート熱交換器から第2下側ヘッダー部 に流入する冷媒の調節のための第2オリフィ を有し、第1プレート熱交換器及び第2プレー ト熱交換器は、第1オリフィスの絞り量が第2 リフィスの絞り量よりも大きくなるように 定されている。

 本願の第5の発明に係る熱交換器ユニット は、第1の発明に係る熱交換器ユニットにお て、第1プレート熱交換器は、第1気液混合手 段として、複数の第1冷媒流路と第1下側ヘッ ー部との接続部に設けられた複数の第1冷媒 流入口を有し、第2プレート熱交換器は、第2 液混合手段として、第2下側ヘッダー部に流 入する冷媒の調節のためのオリフィスを有し 、第1プレート熱交換器及び第2プレート熱交 器は、第1冷媒流入口の絞り度合がオリフィ スの絞り度合よりも大きくなるように設定さ れている。

 本願の第6の発明に係る熱交換器ユニット は、第1の発明から第5の発明に係る熱交換器 ニットにおいて、第1プレート熱交換器をバ イパスするためのバイパス管路をさらに備え 、バイパス管路は、蒸発器としての機能時に は第1プレート熱交換器をバイパスせず、凝 器としての機能時に第1プレート熱交換器を イパスする。

 本願発明では次のような効果が得られる。
 (a)本願の第1の発明に係る熱交換器ユニット によれば、第1プレート熱交換器の第1気液混 手段により第1下側ヘッダー部の冷媒が混合 されるため、第1下側ヘッダー部が複数の第1 媒流路に冷媒を分配する際に、液冷媒とガ 冷媒の混合割合が同じ割合のものを各第1冷 媒流路にそれぞれ流すことができる。また、 第2プレート熱交換器の第2気液混合手段によ 第2下側ヘッダー部の冷媒が混合されるため 、第2下側ヘッダー部が複数の第2冷媒流路に 媒を分配する際に、液冷媒とガス冷媒の混 割合が同じ割合のものを各第2冷媒流路にそ れぞれ流すことができる。
 この場合、蒸発器として機能するときは、 1プレート熱交換器側の方が第3プレート熱 換器側よりも液冷媒の割合が多いので、第1 液混合手段が第2気液混合手段よりも高い気 液混合作用を発揮させることで第1プレート 交換器で適切な均等配分を実現し、さらに 2プレート熱交換器でも均等配分の性能の向 を図れる。一方、凝縮器として機能すると は、ガス冷媒の割合の大きくなる第2プレー ト熱交換器の第2気液混合手段の方の圧力損 を第1プレート熱交換器の第1気液混合手段の 圧力損失よりも小さくすることで全体として の圧力損失を低く抑えられる。

 それにより、熱交換器ユニット全体として い成績係数が確保され、延いては、熱交換 ユニットを複数のプレート熱交換器を所定 方向に直列に接続して構成したことによる ンパクト化というメリットが最大限生かさ ることになる。
 (b)本願の第2の発明に係る熱交換器ユニット によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下 のような特有の効果が得られる。即ち、第1 レート熱交換器の複数の第1冷媒流入口と第2 プレート熱交換器の複数の第2冷媒流入口と 口径を調整するという簡単な構成で、各プ ート熱交換器間の分配機能と圧力損失の調 を行うことができ、簡単に成績係数の高い 交換器ユニットを実現できる。
 (c)本願の第3の発明に係る熱交換器ユニット によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下 のような特有の効果が得られる。即ち、第1 レート熱交換器の第1気液混合手段と第2プレ ート熱交換器の第2気液混合手段に加えて、 3プレート熱交換器の第3気液混合手段(複数 第3冷媒流入口)を追加しているので、3つ以 のプレート熱交換器が接続される場合に、 績係数の更なる改善が行える。

 (d)本願の第4の発明に係る熱交換器ユニット によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下 のような特有の効果が得られる。即ち、第1 レート熱交換器の第1オリフィスと第2プレー ト熱交換器の第2オリフィスの絞り量を調整 るという簡単な構成で、各プレート熱交換 間の分配機能と圧力損失の調整を行うこと でき、簡単に成績係数の高い熱交換器ユニ トを実現できる。
 (e)本願の第5の発明に係る熱交換器ユニット によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下 のような特有の効果が得られる。即ち、第1 レート熱交換器の複数の第1冷媒流入口と第2 プレート熱交換器のオリフィスの絞り度合を 調整するという簡単な構成で、各プレート熱 交換器間の分配機能と圧力損失の調整を行う ことができ、簡単に成績係数の高い熱交換器 ユニットを実現できる。

 (f)本願の第6の発明に係る熱交換器ユニッ トによれば、上記(a)から(e)のいずれかに記載 の効果に加えて以下のような特有の効果が得 られる。即ち、熱交換器ユニットが凝縮器と して機能する場合には、冷媒最下流側に行く ほど冷媒の分配機能が高く設定されている分 だけ冷媒の圧力損失が大きくなるので、凝縮 器として機能する場合に圧力損失の大きい第 1プレート熱交換器への冷媒の流入をバイパ 管路によりバイパスすることで、熱交換器 ニット全体としての成績係数を向上するこ ができる場合がある。

本願発明の第1の実施の形態に係る熱交 換器ユニットの構造説明図である。 本願発明の第2の実施の形態に係る熱交 換器ユニットの構造説明図である。 本願発明の第3の実施の形態に係る熱交 換器ユニットの構造説明図である。 本願発明の第4の実施の形態に係る熱交 換器ユニットの構造説明図である。

 以下、本願発明を好適な実施形態に基づい 具体的に説明する。
I:第1の実施形態
 図1には、本願発明の第1の実施形態に係る 交換器ユニット1を示している。この熱交換 ユニット1は、水冷チラーユニットの利用側 熱交換器として用いられるものであって、4 のプレート熱交換器2A~2Dを接続管路11によっ 順次直列に接続して構成される。
 I-a:プレート熱交換器の構成
 ここで、上記プレート熱交換器の構造を、 記熱交換器ユニット1が蒸発器として機能す る場合に冷媒最上流側に位置する第1のプレ ト熱交換器2Aを例にとって説明する。
 このプレート熱交換器2Aは、多数枚の伝熱 レート3を、相互に所定間隔をもって積層し これら各伝熱プレート3を介して隣接する複 数の通路を、交互に冷媒流路4Aと水流路5Aと て用いるようにしている。

 このプレート熱交換器2Aの下端側と上端側 は、それぞれ上記各通路4A,5Aを貫通して延び る管体で構成される下側ヘッダー部6Aと上側 ッダー部7Aが設けられている。そして、こ 下側ヘッダー部6A及び上側ヘッダー部7Aの上 各冷媒流路4Aに対応する管壁には、それぞ 冷媒流入口10Aが形成され、該冷媒流入口10A 介して上記下側ヘッダー部6A及び上側ヘッダ ー部7Aは上記冷媒流路4Aに連通している。
 なお、上記各水流路5も、同様構造の上下一 対のヘッダー部(図示省略)に連通されている
 ここで、上記各プレート熱交換器2A~2Dは、 の基本構成は同様であり、
プレート熱交換器2Bは、複数の冷媒流路4Bと 数の水流路5Bと下側ヘッダー部6Bと上側ヘッ ー部7Bと冷媒流入口10Bとを備えており、プ ート熱交換器2Cは、複数の冷媒流路4Cと複数 水流路5Cと下側ヘッダー部6Cと上側ヘッダー 部7Cと冷媒流入口10Cとを備えており、プレー 熱交換器2Dは、複数の冷媒流路4Dと複数の水 流路5Dと下側ヘッダー部6Dと上側ヘッダー部7D と冷媒流入口10Dとを備えている。

 しかし、上記冷媒流入口10A~10Dの口径はそれ ぞれ異なっている。即ち、上記熱交換器ユニ ット1が蒸発器として機能する場合に冷媒最 流側に位置する上記第1のプレート熱交換器2 Aに設けられた上記冷媒流入口10Aの口径はD1、 二番目の第2のプレート熱交換器2Bに設けられ た上記冷媒流入口10Bの口径はD2、三番目の第3 のプレート熱交換器2Cに設けられた上記冷媒 入口10Cの口径はD3、さらに最下流側に位置 る第4のプレート熱交換器2Dに設けられた上 冷媒流入口10Dの口径はD4とされており、これ ら相互間には「D1<D2<D3<D4」という大小 係がある。
 なお、この実施形態では、上記第4のプレー ト熱交換器2Dの冷媒流入口10Dを、上記冷媒流 4Dの幅寸法と同一の口径に設定しており、 って、この冷媒流入口10Dには冷媒を絞ると う冷媒分配に関する格別の機能はもたされ いない。

 I-b:熱交換器ユニット1の作動等
 I-b-1:蒸発器としての使用時
 この場合には、図1に示すように、冷媒Pは 第1のプレート熱交換器2Aにその下側ヘッダ 部6A側から流入し、上記各冷媒流路4Aを通っ 上記上側ヘッダー部7Aから流出し、上記接 管路11を介して第2のプレート熱交換器2Bの下 側ヘッダー部6B側へ流入する。係る流れ形態 上記第2のプレート熱交換器2Bから第3のプレ ート熱交換器2C、第4のプレート熱交換器2Dと り返し、最終的に第4のプレート熱交換器2D 上側ヘッダー部7Dから凝縮器(図示省略)側へ 流出していく。
 一方、水Qは、冷媒Pの流れとは逆に、第4の レート熱交換器2Dにその上側ヘッダー部(図 省略)から流入し、上記各水流路5を通って 側ヘッダー部(図示省略)から流出し、さらに 接続管路(図示省略)を介して第3のプレート熱 交換器2Cの上側ヘッダー部側へ流入する。係 流れ形態を上記第3のプレート熱交換器2Cか 第2のプレート熱交換器2B、第1のプレート熱 交換器2Aと繰り返し、最終的に第1のプレート 熱交換器2Aの下側ヘッダー部から流出してい 。

 従って、上記各プレート熱交換器2A~2Dにお ては上記冷媒流路4A~4D内を流れる冷媒Pと上 各水流路5A~5D内を流れる水Qが対向流となり 上記伝熱プレート3を介して冷媒Pと水Qの間 熱交換が行なわれる。そして、冷媒Pは、液 媒の割合の多い気液二相冷媒から各プレー 熱交換器2A~2Dでの水Qとの熱交換による加熱 用を受けて順次蒸発し、ガス冷媒の割合が きい気液二相冷媒となって熱交換器ユニッ 1から流出する。
 また、水Qは、上記熱交換器ユニット1の各 レート熱交換器2A~2Dにおける冷媒Pとの熱交 によって冷却され、冷水として熱交換器ユ ット1から流出し、例えば、室内の冷房用熱 として利用される。
 ここで、上記熱交換器ユニット1の各プレー ト熱交換器2A~2Dにおける冷媒Pの分配性を考察 する。

 冷媒Pは、上述のように、液冷媒の割合の 多い気液二相冷媒として最上流側の第1のプ ート熱交換器2Aに流入し、順次蒸発しながら 最下流側の第4のプレート熱交換器2Dに至り、 ここからガス冷媒の割合の多い気液二相冷媒 として流出するものであり、従って、各プレ ート熱交換器2A~2Dにおける冷媒状態は異なっ ものとなる。このため、例えば、上記各プ ート熱交換器2A~2Dにおける上記冷媒流入口10 A~10Dの口径を同じに設定した場合、例えば、 の冷媒流入口10A~10Dの口径を、液冷媒の割合 の多い気液二相冷媒が流れる上記第1のプレ ト熱交換器2Aにおける冷媒の分配性を考慮し て設定した場合には、ガス冷媒の割合の多い 気液二相冷媒が流れる第4のプレート熱交換 2D側においては流量に比して通路面積が過少 となって圧力損失が大きくなる。逆に、冷媒 流入口10A~10Dの口径を、上記第4のプレート熱 換器2Dにおける冷媒の分配性を考慮して設 した場合には、液冷媒の割合の多い気液二 冷媒が流れる第1のプレート熱交換器2A側に いては冷媒流量に対して通路面積が過大と って冷媒の気液混合が十分に図れず、冷媒 分配性が損なわれる。これら何れの場合も 熱交換器ユニット1の成績係数の低下に結び き、好ましいものではない。

 これに対して、この実施形態の熱交換器ユ ット1では、上述のように、上記冷媒流入口 10A~10Dの口径を、上記第1のプレート熱交換器2 Aから第4のプレート熱交換器2Dにかけて順次 きくなるように設定しているので、各プレ ト熱交換器2A~2Dにおいてはそれぞれ最適な冷 媒分配性が得られ、結果として、上記熱交換 器ユニット1全体としての成績係数が向上す ことになる。
 即ち、第1のプレート熱交換器2Aにおいては 最も液冷媒の割合が大きい気液二相冷媒が 側ヘッダー部6A側から流入するが、ここに けられた上記冷媒流入口10Aの口径が小さい とから、該下側ヘッダー部6Aから上記冷媒流 入口10Aを通って上記各冷媒流路4Aにそれぞれ 入する冷媒Pは、該冷媒流入口10Aからの流入 時に強い気液混合作用を受けることで均等化 され、上記各冷媒流路4Aを流れる間における Qとの熱交換が促進される。つまり、冷媒流 入口10Aが気液混合手段である。

 第1のプレート熱交換器2Aから第2のプレート 熱交換器2B、第3のプレート熱交換器2C、さら 最下流側の第4のプレート熱交換器2Dへと移 する間に冷媒Pの蒸発が進行し、冷媒Pはガ 冷媒の割合が次第に増加し体積の増加によ て流量が増大し、本来的には冷媒Pの体積の 加に伴って圧力損失が増加する傾向となる
 しかし、この実施形態では、第2のプレート 熱交換器2B、第3のプレート熱交換器2C、さら 最下流側の第4のプレート熱交換器2Dへと移 するに伴ってその冷媒流入口10A~10Dの口径が 拡大することから、圧力損失の増加が抑えら れる。しかも、冷媒Pがガス冷媒の割合が大 く各プレート熱交換器2B~2Dの各冷媒流路4へ 分配性は高く維持される。
 これらの相乗効果として、上記熱交換器ユ ット1を蒸発器として使用する場合において 、該熱交換器ユニット1全体としての成績係 が向上することになるものである。

 I-b-2:凝縮器としての使用時
 この場合には、冷媒Pは図1に示す流れ方向 は逆方向に、即ち、第4のプレート熱交換器2 Dにその上側ヘッダー部7D側から流入し、上記 各冷媒流路4Dを通って上記下側ヘッダー部6D ら流出し、上記接続管路11を介して第3のプ ート熱交換器2Cの上側ヘッダー部7C側へ流入 る。係る流れ形態を上記第3のプレート熱交 換器2Cから第2のプレート熱交換器2B、第1のプ レート熱交換器2Aと繰り返し、最終的に第1の プレート熱交換器2Aの下側ヘッダー部6Aから 出する。
 一方、水Qは、冷媒Pの流れとは逆に、第1の レート熱交換器2Aにその下側ヘッダー部(図 省略)から流入し、上記各水流路5を通って 側ヘッダー部(図示省略)から流出し、さらに 接続管路(図示省略)を介して第2のプレート熱 交換器2Bの下側ヘッダー部側へ流入する。係 流れ形態を上記第2のプレート熱交換器2Bか 第3のプレート熱交換器2C、第4のプレート熱 交換器2Dと繰り返し、最終的に第4のプレート 熱交換器2Dの上側ヘッダー部から流出してい 。

 従って、上記各プレート熱交換器2D~2Aにお ては上記冷媒流路4D~4A内を流れる冷媒Pと上 各水流路5D~5A内を流れる水Qが対向流となり 上記伝熱プレート3を介して冷媒Pと水Qの間 熱交換が行なわれる。そして、冷媒Pは、ガ 冷媒の割合の多い気液二相冷媒から各プレ ト熱交換器2D~2Aでの水Qとの熱交換による冷 作用を受けて順次凝縮し、液冷媒の割合が きい気液二相冷媒となって熱交換器ユニッ 1から流出する。
 また、水Qは、上記熱交換器ユニット1の各 レート熱交換器2A~2Dにおける冷媒Pとの熱交 によって加熱され、温水として熱交換器ユ ット1から流出し、例えば、室内の暖房用熱 として利用される。
 ここで、上記熱交換器ユニット1の各プレー ト熱交換器2D~2Aにおける冷媒Pの圧力損失につ いて考察する。

 冷媒Pは、上述のように、ガス冷媒の割合 の多い気液二相冷媒として最上流側の第4の レート熱交換器2Dに流入し、順次凝縮しなが ら最下流側の第1のプレート熱交換器2Aに至り 、ここから液冷媒の割合の多い気液二相冷媒 として流出するものであり、従って、各プレ ート熱交換器2D~2Aにおける冷媒状態は異なっ ものとなる。このため、例えば、上記各プ ート熱交換器2D~2Aにおける上記冷媒流入口10 D~10Aの口径を同じに設定した場合、例えば、 の冷媒流入口10D~10Aの口径を、液冷媒の割合 の多い気液二相冷媒が流れる上記第1のプレ ト熱交換器2Aにおける冷媒の圧力損失を考慮 して設定した場合には、ガス冷媒の割合の多 い気液二相冷媒が流れる第4のプレート熱交 器2D側においては流量に比して通路面積が過 少となって圧力損失が大きくなる。逆に、冷 媒流入口10D~10Aの口径を、上記第4のプレート 交換器2Dにおける冷媒の圧力損失を考慮し 設定した場合には、液冷媒の割合の多い気 二相冷媒が流れる第1のプレート熱交換器2A においては冷媒流量に対して通路面積が過 となることから圧力損失は小さくなるもの 冷媒の気液混合が十分に図れないことにな 。これら何れの場合も、熱交換器ユニット1 成績係数の低下に結びつき、好ましいもの はなく、係る問題は熱交換器ユニット1を蒸 発器として使用する時と同じである。

 これに対して、この実施形態の熱交換器ユ ット1では、上述のように、上記冷媒流入口 10A~10Dの口径を、上記第1のプレート熱交換器2 Aから第4のプレート熱交換器2Dにかけて順次 きくなるように設定している(換言すれば、 4のプレート熱交換器2Dから第1のプレート熱 交換器2Aにかけて順次小さくなるように設定 ている)ので、各プレート熱交換器2D~2Aにお てはそれぞれ圧力損失の低減が図られ、結 として、上記熱交換器ユニット1全体として の成績係数が向上することになる。
 即ち、第4のプレート熱交換器2Dにおいては 最もガス冷媒の割合が大きい気液二相冷媒 上側ヘッダー部7D側から流入するが、ここ 設けられた上記冷媒流入口10Dの口径が最も きいことから、該上側ヘッダー部7Dから上記 冷媒流入口10Dを通って上記各冷媒流路4Dにそ ぞれ流入する冷媒Pは、該冷媒流入口10Dから の流入時に殆ど絞りによる気液混合作用を受 けなくとも容易に均等化され、上記各冷媒流 路4Dを流れる間における水Qとの熱交換が促進 される。また、冷媒Pが絞り作用を殆ど受け いことから該第4のプレート熱交換器2Dにお る圧力損失も可及的に小さく抑えられる。

 第4のプレート熱交換器2Dから第3のプレート 熱交換器2C、第2のプレート熱交換器2B、さら 最下流側の第1のプレート熱交換器2Aへと移 する間に冷媒Pの凝縮が進行し、冷媒Pは液 媒の割合が次第に増加し体積の減少によっ 流量が減少するが、この流量の減少に対応 るように、冷媒流入口10C~10Aの口径が、第3の プレート熱交換器2C、第2のプレート熱交換器 2B、さらに最下流側の第1のプレート熱交換器 2Aへと移行するに伴って減少するように設定 れていることから、該各熱交換器2D~2Aにお ては、圧力損失を低く抑えつつ冷媒Pの気液 合が促進され、結果的に上記熱交換器ユニ ト1全体としての成績係数が向上することに なる。
 これらの相乗効果として、上記熱交換器ユ ット1を凝縮器として使用する場合において も、該熱交換器ユニット1全体としての成績 数が向上することになるものである。
II:第2の実施形態
 図2には、本願発明の第2の実施形態に係る 交換器ユニット1Aを示している。この熱交換 器ユニット1Aは、上記第1の実施形態に係る熱 交換器ユニット1と同様に、水冷チラーユニ トの利用側熱交換器として用いられるもの あって、3個のプレート熱交換器2E~2Gを接続 路11によって順次直列に接続して構成される 。

 II-a:プレート熱交換器の構成
 上記プレート熱交換器2E~2Gの構造は、基本 には上記第1の実施形態における各プレート 交換器2A~2Dと同様であって、これと異なる は、冷媒の分配性に係る部分の構成である 即ち、プレート熱交換器2Eは、複数の冷媒流 路4Eと複数の水流路5Eと下側ヘッダー部6Eと上 側ヘッダー部7Eと冷媒流入口10Eとを備えてお 、プレート熱交換器2Fは、複数の冷媒流路4F と複数の水流路5Fと下側ヘッダー部6Fと上側 ッダー部7Fと冷媒流入口10Fとを備えており、 プレート熱交換器2Gは、複数の冷媒流路4Gと 数の水流路5Gと下側ヘッダー部6Gと上側ヘッ ー部7Gと冷媒流入口10Gとを備えている。
 この実施形態においては、第1に、上記各プ レート熱交換器2E~2Gの下側ヘッダー部6E~6Gと 側ヘッダー部7E~7Gにそれぞれ設けられる冷媒 流入口10E~10Gを全て最大径に設定している(即 、この冷媒流入口10E~10Gは、各プレート熱交 換器2E~2Gの各冷媒流路4E~4Gに対する冷媒の分 性、及び各プレート熱交換器2E~2G相互間の分 配性を高める機能は有していない)。

 第2に、この実施形態では、上述のように各 プレート熱交換器2E~2Gの冷媒流入口10E~10Gを全 て最大径に設定したことに関連して、第1の レート熱交換器2Eと第2のプレート熱交換器2F のみ、その下側ヘッダー部6E,6Fの直前位置に れぞれオリフィス8A、8Bを設けるとともに、 該第1のプレート熱交換器2E側のオリフィス8A 絞り度合を、第2のプレート熱交換器2F側の リフィス8Bの絞り度合よりも高く設定して る。
 II-b:熱交換器ユニット1Aの作動等
 上記熱交換器ユニット1Aは蒸発器として使 されるが、この場合、第1のプレート熱交換 2Eでは、その下側ヘッダー部6Eから液冷媒の 割合が最も高い気液二相の冷媒が流入する。 上記下側ヘッダー部6Eへ流入する冷媒Pは、第 1のプレート熱交換器2Eへの流入直前にオリフ ィス8Aによって強く絞られることでその気液 合が促進され可及的にガス冷媒と液冷媒が 質に混ざり合った状態で第1のプレート熱交 換器2E内へ下側ヘッダー部6Eから流入し、さ に各冷媒流入口10Eを通して上記各冷媒流路4E にガス冷媒と液冷媒の混合割合が同じ割合も のがそれぞれ流入されることで、その全域で 水Qとの熱交換が促進され、高い熱交換性能 得られる。つまり、オリフィス8Aが気液混合 手段である。

 第2のプレート熱交換器2Fでは、ここに流入 る冷媒Pは、上記第1のプレート熱交換器2Eに 流入する冷媒Pよりも液冷媒の割合が低い気 二相冷媒であることから、元々第1のプレー 熱交換器2E側における場合よりも冷媒Pの気 均等性(ガス冷媒と液冷媒の混合割合(例え ガス冷媒が80%など)が同じ割合ものが各冷媒 路に分配される特性)が高く、該第1のプレ ト熱交換器2Eほどの気液混合は要求されない 。従って、この第2のプレート熱交換器2Fに付 設されるオリフィス8B(気液混合手段)の絞り 合を第1のプレート熱交換器2Eに付設される リフィス8Aの絞り度合よりも低く設定したこ とで、該第1のプレート熱交換器2Eにおけると 同等の冷媒分配性が確保され、その全域で水 Qとの熱交換が促進され、高い熱交換性能が られる。
 第3のプレート熱交換器2Gでは、ここに流入 る冷媒Pは、ガス冷媒の割合が最も高い気液 二相冷媒とされることから、上記第2のプレ ト熱交換器2F側における場合よりも冷媒Pの 液均等性が高く、従って、オリフィスを設 なくても上記第1のプレート熱交換器2E及び 2のプレート熱交換器2Fにおけると同等の冷 分配性が確保され、その全域で水Qとの熱交 が促進され、高い熱交換性能が得られる。

 以上の相乗効果によって、上記熱交換器ユ ット1Aを蒸発器として使用する場合におい 、該熱交換器ユニット1A全体として高い成績 係数が得られる。
 なお、上記以外の構成及び作用効果につい は、上記第1の実施形態における該当説明を 援用することとし、ここでの説明を省略する 。
 III:第3の実施形態
 図3には、本願発明の第3の実施形態に係る 交換器ユニット1Bを示している。この熱交換 器ユニット1Bは、上記第2の実施形態に係る熱 交換器ユニット1Aと同様に、水冷チラーユニ トの利用側熱交換器として用いられるもの あって、3個のプレート熱交換器2H~2Jを接続 路11によって順次直列に接続して構成され 。
 III-a:プレート熱交換器の構成
 上記プレート熱交換器2H~2Jの構造は、基本 には上記第1の実施形態における各プレート 交換器2A~2Dと同様であって、これと異なる は、冷媒の分配性に係る部分の構成である プレート熱交換器2Hは、複数の冷媒流路4Hと 数の水流路5Hと下側ヘッダー部6Hと上側ヘッ ダー部7Hと冷媒流入口10Hとを備えており、プ ート熱交換器2Iは、複数の冷媒流路4Iと複数 の水流路5Iと下側ヘッダー部6Iと上側ヘッダ 部7Iと冷媒流入口10Iとを備えており、プレー ト熱交換器2Jは、複数の冷媒流路4Jと複数の 流路5Jと下側ヘッダー部6Jと上側ヘッダー部7 Jと冷媒流入口10Jとを備えている。

 具体的には、下側ヘッダー部6H及び上側ヘ ダー部7Hに設けられる冷媒流入口10Hによる絞 り作用と、オリフィス8による絞り作用を組 合わせることで、高い冷媒分配性を確保す ようにしたものである。
 即ち、この実施形態においては、第1に、上 記各プレート熱交換器2H~2Jの下側ヘッダー部6 H~6Jと上側ヘッダー部7H~7Jにそれぞれ設けられ る冷媒流入口10H~10Jを、上記第1のプレート熱 換器2Hでは口径D1に設定する一方、第2のプ ート熱交換器2Iと第3のプレート熱交換器2Jで はともに絞り作用を持たない最大口径D2(D2> D1)に設定している。
 第2に、この実施形態では、各プレート熱交 換器2H~2Jの冷媒流入口10H~10Jを上述のように設 定したことに関連して、液冷媒の割合が第1 プレート熱交換器2Hに流入する冷媒Pと第3の レート熱交換器2Jに流入する冷媒Pの中間に 置する第2のプレート熱交換器2Iのみ、その 側ヘッダー部6Iの直前位置にオリフィス8を け、且つその絞り度合を上記第1のプレート 熱交換器2Hにおける冷媒流入口10Hによる絞り 合よりも低く設定している。

 III-b:熱交換器ユニット1Bの作動等
 上記熱交換器ユニット1Bは蒸発器として使 されるが、この場合、第1のプレート熱交換 2Hでは、その下側ヘッダー部6Hから液冷媒の 割合が最も高い気液二相の冷媒が流入する。 この下側ヘッダー部6Hへ流入する冷媒Pは、こ こに設けられた上記冷媒流入口10Hの口径が小 さいことから、該下側ヘッダー部6Hから上記 媒流入口10Hを通って上記各冷媒流路4Hにそ ぞれ流入する際、該冷媒流入口10Hの強い絞 作用によってその気液混合が促進され、上 各冷媒流路4Hに可及的に均等状態で流入し、 該各冷媒流路4Hを流れる間における水Qとの熱 交換が促進される。
 第2のプレート熱交換器2Iでは、上記第1のプ レート熱交換器2Hの場合よりも液冷媒の割合 低い(換言すれば、ガス冷媒の割合が高い) 媒Pが下側ヘッダー部6I側から流入するため 冷媒分配性能は上記第1のプレート熱交換器2 Hの場合よりも低くても各冷媒流路4Iへの均等 分配が可能とされる。このため、この実施形 態では、上記第1のプレート熱交換器2Hにおけ る冷媒流入口10Hよりも絞り度合が低く設定さ れたオリフィス8を上記第2のプレート熱交換 2Iへの直前に設け、該オリフィス8の絞り作 によって冷媒Pの気液混合を促進させた上で 上記下側ヘッダー部6I側に流入させ、該下側 ッダー部6Iから各冷媒流路4Iに可及的に均等 状態で冷媒Pを流入させ、該各冷媒流路4Iを流 れる間における水Qとの熱交換を促進させる うにしている。

 第3のプレート熱交換器2Jでは、ここに流入 る冷媒Pは最もガス冷媒の割合が高い気液二 相冷媒であるため、敢えて上記冷媒流入口10J に絞り機能を持たせなくとも、各冷媒流路4J 可及的に均等状態で冷媒Pを流入させること ができ、その結果、該各冷媒流路4Jを流れる における水Qとの熱交換が促進される。
 以上の相乗効果によって、上記熱交換器ユ ット1Bを蒸発器として使用する場合におい 、該熱交換器ユニット1B全体として高い成績 係数が得られる。
 なお、上記以外の構成及び作用効果につい は、上記第1、第2の実施形態における該当 明を援用することとし、ここでの説明を省 する。
 また、この実施形態では上述のように、上 各プレート熱交換器2H~2J間の分配機能の調 を、第1のプレート熱交換器2Hに設けられた 側ヘッダー部6Hから各冷媒流路4への冷媒流 口10Hの口径の調整と、第2のプレート熱交換 2Iの入口に設けられたオリフィス8の絞り量 調整とを組合せて行うようにしているが、 者の調整手法は第1のプレート熱交換器2Hの 冷媒流路4Hのそれぞれに働き該第1のプレー 熱交換器2Hの内部における冷媒の均等分配 に優れることから、特に液冷媒の割合が高 気液二相冷媒の場合に有利であり、また、 者の手法は、その効果が該第2のプレート熱 換器2Iの全冷媒流路4Iに対して一様に及ぶこ とから、特にガス冷媒の割合が高い気液二相 冷媒の場合に有利であることから、これら両 手法を冷媒状態に対応させて組み合わせるこ とで、それぞれの利点を有効に利用した冷媒 分配特性が得られ、延いては熱交換器ユニッ ト1B全体として成績係数のより一層の向上が 待できる。

 <変形例>
 なお、上記実施形態では、オリフィス8を第 2のプレート熱交換器2Iに設ける場合について 説明したが、オリフィスを第1のプレート熱 換器2Hに設けることもできる。その場合には 、オリフィスを第1のプレート熱交換器2Hの下 側ヘッダー部6Hの直前に設けた場合には、プ ート熱交換器2Hの冷媒流入口10Hの口径をD2と し、プレート熱交換器2Iの冷媒流入口10Iの口 をD5とする。口径D2と口径D5の関係は、D5<D 2である。また、オリフィスの絞り度合を第1 プレート熱交換器2Iにおける冷媒流入口10I よる絞り度合よりも高く設定する。
 また、上記実施形態では、第2のプレート熱 交換器2Iの冷媒流入口10Hの口径を、第3のプレ ート熱交換器2Jの冷媒流入口10Jの口径と同じD 2に設定したが、D1<D6<D2の関係を満たすよ うな口径D6に設定することもできる。その場 には、オリフィス8の絞り度合を、上記第3 実施形態の場合よりも低く設定し、第2のプ ート熱交換器2Iの圧力損失が、第1のプレー 熱交換器2Hの圧力損失よりも小さくなるよ にする。つまり、オリフィスと冷媒流入口 両方の混合作用を同時に用いて気液混合手 を構成することもできる。

 IV:第4の実施形態
 図4には、本願発明の第4の実施形態に係る 交換器ユニット1Cを示している。この熱交換 器ユニット1Cは、上記第1の実施形態に係る熱 交換器ユニット1と同様に、水冷チラーユニ トの利用側熱交換器として用いられるもの あって、3個のプレート熱交換器2K~2Mを接続 路11によって順次直列に接続して構成される 。
 IV-a:プレート熱交換器の構成
 この熱交換器ユニット1Cは、第1の実施形態 場合と同様に、蒸発器と凝縮器の何れにも 逆的に使用できるようにしたものであり(図 4には上記熱交換器ユニット1Cを凝縮器として 使用する場合の冷媒の流れを示している)、 記各プレート熱交換器2K~2Mの基本構成は上記 第1の実施形態における各プレート熱交換器2A ~2Dと同様とされている。即ち、プレート熱交 換器2Kは、複数の冷媒流路4Kと複数の水流路5K と下側ヘッダー部6Kと上側ヘッダー部7Kと冷 流入口10Kとを備えており、プレート熱交換 2Lは、複数の冷媒流路4Lと複数の水流路5Lと 側ヘッダー部6Lと上側ヘッダー部7Lと冷媒流 口10Lとを備えており、プレート熱交換器2M 、複数の冷媒流路4Mと複数の水流路5Mと下側 ッダー部6Mと上側ヘッダー部7Mと冷媒流入口 10Mとを備えている。

 蒸発器として使用される場合において最 流側(凝縮器として使用する場合には最下流 側)に位置する第1のプレート熱交換器2Kの下 ヘッダー部6K及び上側ヘッダー部7Kに設けら る冷媒流入口10Kの口径をD1とし、2番目に位 する第2のプレート熱交換器2Lの下側ヘッダ 部6L及び上側ヘッダー部7Lに設けられる冷媒 流入口10Lの口径をD2とし、さらに最下流側(凝 縮器として使用する場合には最上流側)に位 する第3のプレート熱交換器2Mの下側ヘッダ 部6M及び上側ヘッダー部7Mに設けられる冷媒 入口10Mの口径をD3とするとともに、これら 口径D1~D3を、「D1<D2<D3」となるように相 的に設定している。なお、この場合、第3の プレート熱交換器2Mの冷媒流入口10Mの口径D3 、上記冷媒流路4Mの幅寸法と同一の口径に設 定されており、従って、この冷媒流入口10Mに は冷媒を絞る機能はもたされていない。

 さらに、上記熱交換器ユニット1Cを凝縮器 して使用する場合における過度の圧力損失 回避する観点から、第1のプレート熱交換器2 Kと第2のプレート熱交換器2Lを接続する接続 路11に閉止弁13を設けるとともに、該閉止弁1 3と第2のプレート熱交換器2Lの下側ヘッダー 6Lとの間に、第1のプレート熱交換器2Kをバイ パスするバイパス管路12を設け、凝縮器とし の使用時には上記閉止弁13を閉止するよう している。
 なお、この実施形態では、上記第3のプレー ト熱交換器2Mの冷媒流入口10Mを、上記冷媒流 4Mの幅寸法と同一の口径に設定しており、 って、この第4の冷媒流入口10Mには冷媒を絞 機能はもたされていない。
 IV-b:熱交換器ユニット1の作動等
 IV-b-1:蒸発器としての使用時
 この場合には、冷媒Pは、図1に示す流れ方 とは逆方向に流れる。即ち、冷媒Pは、第1の プレート熱交換器2Kにその下側ヘッダー部6K から流入し、上記各冷媒流路4Kを通って上記 上側ヘッダー部7Kから流出し、上記接続管路1 1を介して第2のプレート熱交換器2Lの下側ヘ ダー部6L側へ流入する。係る流れ形態を上記 第2のプレート熱交換器2Lから第3のプレート 交換器2Mまで繰り返し、最終的に第3のプレ ト熱交換器2Mの上側ヘッダー部7Mから凝縮器( 図示省略)側へ流出していく。

 ここで、上記熱交換器ユニット1Cの各プレ ト熱交換器2K~2Mにおける冷媒Pの分配性を考 すると以下の通りである。即ち、冷媒Pは、 冷媒の割合の多い気液二相冷媒として最上 側の第1のプレート熱交換器2Kに流入し、順 蒸発しながら最下流側の第3のプレート熱交 換器2Mに至り、ここからガス冷媒の割合の多 気液二相冷媒として流出するものであり、 って、各プレート熱交換器2K~2Mにおける冷 状態は異なったものとなる。
 この場合、この実施形態の熱交換器ユニッ 1Cでは、上述のように、上記冷媒流入口10K~1 0Mの口径を、上記第1のプレート熱交換器2Kか 第3のプレート熱交換器2Mにかけて順次大き なるように設定しているので、各プレート 交換器2K~2Mにおいてはそれぞれ最適な冷媒 配性が得られ、結果として、上記熱交換器 ニット1C全体としての成績係数が向上するこ とになる。

 即ち、第1のプレート熱交換器2Kにおいては 最も液冷媒の割合が大きい気液二相冷媒が 側ヘッダー部6K側から流入するが、ここに けられた上記冷媒流入口10Kの口径が小さい とから、該下側ヘッダー部6Kから上記冷媒流 入口10Kを通って上記各冷媒流路4Kにそれぞれ 入する冷媒Pは、該冷媒流入口10Kからの流入 時に強い気液混合作用を受けることで均等化 され、上記各冷媒流路4Kを流れる間における Qとの熱交換が促進される。
 第1のプレート熱交換器2Kから第2のプレート 熱交換器2L、最下流側の第3のプレート熱交換 器2Mへと移行する間に冷媒Pの蒸発が進行し、 冷媒Pはガス冷媒の割合が次第に増加し体積 増加によって流量が増大し、本来的には冷 Pの体積の増加に伴って圧力損失が増加する 向となる。

 しかし、この実施形態では、第2のプレート 熱交換器2Lから第3のプレート熱交換器2Mへと 行するに伴ってその冷媒流入口10L,10Mの口径 が拡大するように設定していることから、圧 力損失の増加が抑えられる。しかも、冷媒P ガス冷媒の割合が大きく各プレート熱交換 2L~2Mの各冷媒流路4L~4Mへの分配性は高く維持 れる。
 これらの相乗効果として、上記熱交換器ユ ット1Cを蒸発器として使用する場合におい 、該熱交換器ユニット1C全体としての成績係 数が向上することになるものである。
 IV-b-2:凝縮器としての使用時
 熱交換器ユニット1Cを凝縮器としての使用 る時には、冷媒Pは図1に示す方向に流れるが 、上記閉止弁13を閉止することから、冷媒Pは 、第3のプレート熱交換器2Mにその上側ヘッダ ー部7M側から流入し、上記各冷媒流路4Mを通 て上記下側ヘッダー部6Mから流出し、さらに 上記接続管路11を介して第2のプレート熱交換 器2Lの上側ヘッダー部7L側へ流入し、上記各 媒流路4Lを通って上記下側ヘッダー部6Lから 記バイパス管路12側へ流出する。

 即ち、上記熱交換器ユニット1Cを凝縮器と て使用するときには、上記第1のプレート熱 換器2Kは使用されない。これは、上記第1の レート熱交換器2Kでは上記冷媒流入口10Kの 径が小さく、ここに液冷媒の割合の多い気 二相冷媒が流されるとその圧力損失が大き なるため、熱交換性能上においてその圧力 失が大きな影響を及ぼさない第2のプレート 交換器2L及び第3のプレート熱交換器2Mのみ 使用するようにしたものである。このよう 第1のプレート熱交換器2Kを使用しないと熱 換器ユニット1C全体としての熱交換能力は低 下するが、該第1のプレート熱交換器2Kの使用 に伴う圧力損失が無くなることから、これら 両者の対比からして、相対的に熱交換器ユニ ット1Cの成績係数は向上するため、支障は生 ない。
 <変形例>
 上記実施形態では、第1のプレート熱交換器 2Kから第3のプレート熱交換器2Mにおける分配 能又は圧力損失の調整をする気液混合手段 して、冷媒流入口10K~10Mの口径を変える場合 について説明したが、分配機能又は圧力損失 の調整をする気液混合手段として、第2の実 形態や第3の実施形態のように、オリフィス 用いることもできる。

 1,1A,1B,1C ・・熱交換器ユニット
 2A~2M ・・プレート熱交換器
  3 ・・・・・伝熱プレート
 4A~4M ・・・・・冷媒流路
 5A~5M ・・・・・水流路
 6A~6M ・・・・・下側ヘッダー部
 7A~7M ・・・・・上側ヘッダー部
  8 ・・・・・オリフィス
 8A ・・・・・オリフィス
 8B ・・・・・オリフィス
 10A~10M ・・・・・冷媒流入口
 11 ・・・・・接続管路
 12 ・・・・・バイパス管路
 13 ・・・・・閉止弁