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Patent Searching and Data


Title:
HEAT-STORAGE PERSPIRATION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054081
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a perspiration device which has a small size and yet can promote much perspiration, imparts an excellent refreshing feeling and contributes to the prevention of diseases. A perspiration device comprising a planar heat-generating sheet (2) which is located at the upper and lower positions and heat-storage mats (5, 6) filled with a liquid heat-storing agent which are layered on the upper and lower areas of the heat-generating sheet (2) respectively, wherein the body of a human user is located between the upper and lower areas of the heat generating sheet (2) so that a heating space is provided on the heat-storage mat (5) in the back side of the human body (4), the user is made to lie down within the heating space, and thus the back and chest faces of the human body (4) are indirectly heated by the heat having been generated from a heater and stored in the heat-storage mats (5, 6) as described above via the heat-storing agent to thereby provide a large amount of heat at a temperature around the human body temperature.

Inventors:
KIYOKAWA SHIN (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/072791
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
November 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KIYOKAWA SHIN (JP)
International Classes:
A61H33/06
Foreign References:
JP2001046204A2001-02-20
JP2001104360A2001-04-17
JP2003205011A2003-07-22
JPS59159382U1984-10-25
JP2004215959A2004-08-05
JPS5625571U1981-03-09
Attorney, Agent or Firm:
OGAWA, Shin-ichi et al. (37 Kowa Building4-5, Tsukiji 1-chom, Chuo-ku Tokyo 45, JP)
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Claims:
 平面状の発熱シートを上・下に配置すると共に、この両発熱シートに液状の蓄熱剤を充填した蓄熱マットをそれぞれ配置し、前記両発熱シートの間に利用者の人体を収容し、その人体の背側面を蓄熱マット上に延在する加熱空間を形成し、前記加熱空間の内部に利用者を横臥させ、その人体の背面と胸面とを、前記蓄熱マットに蓄熱された熱を放出して体温付近の温度で加熱することを特徴とする発汗方法。
 平面状の発熱シートを上・下に配置すると共に、この両発熱シートに平行して蓄熱完了状態で液状となり、放熱完了状態で固化する性質を持つ潜熱型蓄熱剤を充填した蓄熱マットをそれぞれ配置し、前記両発熱シートの間に利用者の人体を収容し、その人体の背側面を蓄熱マット上に延在する加熱空間を形成し、前記加熱空間の内部に利用者を横臥状態位置させ、人体の背側面と胸側面とを、前記蓄熱マットにより蓄熱された熱を放出して人体を加熱することを特徴とする発汗方法。
 平面状の発熱シートを連続あるいは分割して上・下に間隔を開けて配置すると共に、この発熱シート上に蓄熱完了状態で液状となり、放熱完了状態で固化する性質を持つ潜熱型蓄熱剤を内蔵した蓄熱マットをそれぞれ積層配置し、利用者が横臥姿勢で前記背面の蓄熱マットに体重を負担させ、更に胸面の蓄熱マットなどの重量一部あるいは全部を前記利用者に負荷させると共に、その利用者に蓄熱マットが保有する熱量を接触状態で熱伝達するように構成し、更に、前記利用者を吸湿性を持つ衣服、寝袋、シーツなどで包み、発汗した汗を吸収しながら加熱するように構成したことを特徴とする発汗装置。
 前記蓄熱マットは、多数の小袋体に形成され、その内部に潜熱型蓄熱剤が充填され、更にその蓄熱剤中に蓄熱マットの温度で遠赤外線を放射する性質を持つセラミックの微粒子が混入されていることを特徴とする請求項3に記載の発汗装置。
 前記発熱シートは、熱可塑性樹脂を押出成形して製造されたPTC特性を有する面状発熱シートであり、前記蓄熱マットは、合成樹脂製フィルムを使用した袋が小袋状に分割され、その内部に潜熱型の蓄熱剤が充填され、使用温度で柔軟で圧力の発生によりウォータベッド状の感触を与える弾性反発体を形成しており、この弾性反発体に体重を分散して保持させると共に、使用者と弾性反発体との密着状態で熱伝達するように構成したことを特徴とする請求項3あるいは4記載の発汗装置。
 前記平面状の発熱シートは幅方向にスリットが形成されてスダレ状に分割されて柔軟性が付与され、更にその発熱シートを包む合成樹脂フィルムは、エンボス加工などの柔軟加工が施されていることを特徴とする請求項3ないし5の何れかに記載の発汗装置。
 前記平面状の発熱シートを収容した合成樹脂製の袋は、周囲にアルミ箔が配置され、蓄熱マットから放出される熱を使用者の方に反射するように構成されていることを特徴とする請求項3ないし6の何れかに記載の発汗装置。
 前記蓄熱剤は、使用者の体温との温度差が15℃以内であり、潜熱による蓄熱と顕熱による蓄熱とを合わせた総蓄熱量が蓄熱完了状態で500kcal以上であることを特徴とする請求項3ないし7記載の発汗装置。
 前記潜熱型蓄熱剤に混入されるセラミック微粒子は、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )単体、あるいはこれに別の材質のセラミック微粒子が混入されていることを特徴とする請求項4記載の発汗装置。
 前記潜熱型蓄熱剤中に、セラミック微粒子と、このセラミック微粒子の沈降を抑制するための吸水性樹脂の粉末が添加されていることを特徴とする請求項4、9の何れかに記載の発汗装置。
 前記加熱空間に使用者が進入して横臥状態になった時に、前記発熱シートへの通電を自動的OFFする電気回路と、前記OFFの状態を解除してONさせ、このONの時間を所定時間単位で、最大で1時間以内の延長が可能な電気回路が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の発汗装置。
Description:
[規則37.2に基づく発明の名称]  熱式発汗装置

 本発明は、利用者が横臥姿勢にて風呂の 度程度の低温にて簡単に、しかも短時間に 体に大量の熱量を蓄熱体を介して、間接加 により強制的に注入して発汗を促すことが きる発汗装置に関する。

 大量の発汗を伴いながら血液の循環を促 して体調を整える手段として、サウナ風呂 利用されている。このサウナ風呂は、室内 空気を高温に加熱して利用者に対して短時 に大量の熱を与え、それに伴って短時間に 量の発汗をさせて血液の循環を促進するも で、このサウナ風呂から出た後の爽快感を えている方法として一般的に利用している

 このサウナ風呂は、90℃~110℃の高温に室 の空気を加熱する高温サウナと、45~50℃前 に加熱するミストサウナとが知られている

 大型のサウナ装置については、椅子を周 に形成したサウナ室の天井に、室内の空気 加熱すると共に遠赤外線を放射する加熱装 を設けた低温サウナ装置が提案されている( 特許文献1)。

 また、一般家庭の風呂程度に小型にした ウナ装置として浴室の天井部に加熱装置を 置し、浴室内の空気を循環させながら加熱 るものが提案されている。

 何れのサウナ風呂の遠赤外線装置も、穏や な赤外線の照射であり人体に大量の熱を受 させることはできないものである。また、 温サウナは温度100℃程度、湿度1%程度であ 、その不快指数(汗かき指数)は約128である。 ここでは、汗のかき易さの一つの目安として 、一般にいう不快指数を「汗かき指数」と定 義する。なお、不快指数は、温度をT(℃)、湿 度をH(%)とし、次式により求められる。
 不快指数=0.81T+0.01H(0.99T-14.3)+46.3

 前記汗かき指数と体感は、快適(指数:65~70 )、暑くて汗が出る(指数:80~85)、暑くてたまら ない(指数:85以上)と分類されている。通常、 体が快適に感ずる温度は23℃程度、湿度50% 度であって、その汗かき指数は約69である。

 そして、前記ミストサウナは温度50℃程 、湿度100%であるので、その汗かき指数は約1 22である。前述の高温サウナもミストサウナ 汗かき指数が85を遙かに超えており、暑く たまらず汗が大量に出るのである。換言す と、人体から大量の発汗を促すには、汗か 指数を100以上とする必要があったのである

 また、ミストサウナよりも低温のものと ては、40℃程度に温めた岩石などの上に横 わって使用される岩盤浴が知られている。 ころが岩盤浴は、その温度と湿度(80%以上)と いう環境で行われており、これが細菌やカビ などの繁殖に適した環境となり、利用者の汗 や皮脂などを養分として浴室や岩盤に細菌等 が繁殖してしまうことがあった。従って、定 期的に消毒・乾燥をさせなければならなかっ た。そして、汗かきは約99であり、暑くてた らず汗が出るのである。

 更に全身美容を行うエステティックサロ においては、ベッドの上にタオル地からな 電熱毛布を敷いて、その上に人体を横たえ 毛布で全身を包んだ状態で加熱して各種の 容方法を行っている。この用途に使用され ベッドは、耐水性のあるものが使用され、 体を包んだ毛布によって人体を電熱により めている。この電熱毛布は、線状のヒータ が内蔵されており、80℃以上の高温となっ いるヒーターにより利用者が火傷をしたり 漏れ電磁波や感電といった問題があった。

 いずれにしても発汗手段としてのサウナ 置は大型のものであり、一般家庭に設置す ことは簡単にできない。例えば、床の上に 袋を敷いてその中に人体を横たえるだけで を温める寝袋が提案されている(特許文献3 特許文献4)。

特許第2808368号

実用新案第3029324号

特開2001-46204号公報

特開平9-182653号公報

 例えば、30分以内のような短時間に大量 発汗を目的とする場合は、前記特許文献1お び特許文献2に記載された本格的なサウナ風 呂が有効である。しかし、一般のサウナ風呂 においては90℃~100℃にも加熱された高温空気 との接触で人体を加熱することになるので、 この高温に耐えられる時間は若い男性でもご く短時間であり、このような高温に耐えられ る女性は若くて元気のある人達に限定される 。更に、サウナ風呂は連続での入浴は15分程 であり、この短時間に人体が受熱する熱量 数十kcal(約50kcal)と僅かなものである。

 サウナ風呂は、前述のようにサウナ室に充 している空気の全てを加熱しなければなら ので、大量の加熱エネルギーを必要として る。ところが、人体に熱を付与しているの 、人体に接触する空気だけであるので、人 への熱伝導の効率が極めて低いのである。 の空気の平均分子量を29とし、人体近傍の の付与に貢献する空気を1m 3 とすると、その空気の熱量は約23kcalと小さい ことがわかる。

 そして、高温空気と人体との温度差は約7 0℃もあるので息苦しい上に、人によっては 中症になったり、脱水状態となる危険性が るので、1回当たり15分程度の利用と30分程度 の休息、水分補給が必要であった。

 また、特許文献3に記載された発明は、表 面シートと裏面シートとの間に中綿を介在し た寝袋であって、中綿を吸放湿吸水発熱性繊 維材料からなる発熱性中綿と、発熱性を有し ない合成繊維からなる中綿の2層構造とした のであり、吸放湿吸水発熱性繊維材料から る中綿の吸湿性と発熱性により寝袋内の環 を温暖かつ乾燥状態に保つようにしたもの ある。従って、この寝袋では発汗を促すよ な作用効果を有するものではなく、単なる 具である。

 更に特許文献4に記載された寝袋は、保温 効果を高めて睡眠を保証することを主体とし ており、発汗を目的とするものではない。

 また、特開2001-70463号公報(参考文献)には 顕熱型蓄熱体としてコンクリート層を設け その上にセラミックボールを敷き、コンク ート層を加熱媒体で加熱しながら蓄熱体と ラミックボールとを介して赤外線を放射し 体を温めるもので、かなり大がかりな装置 なる。また、大量発汗についての効果は余 期待することができない。

 更にまた、寝た姿勢で発汗させるものと て、砂風呂が利用されている。この砂風呂 、50℃程度に加熱された砂床に人体形状の み形成し、この窪みに合わせて浴衣などを 衣した使用者が横臥状態となり、使用者の 部を除く全身に60℃程度に加熱された砂を被 せ、全身が砂の中にすっぽりと覆い被された 状態で使用されるものである。

 ところで、前記砂風呂は、全身を横たえ のに十分な広さの「砂場」が必要であり、 た、全身を覆い被せるだけの大量の砂を必 とし、その加熱設備等も大型化するので砂 専用の施設や温泉、観光地で利用されるも であった。また、使用者一人あたりに必要 砂の量は、砂を人体に密着させるために50kg 程度は必要であり、重量が重い上に、その砂 の熱量は、砂の比熱が0.2kcal/kg・℃であるの 、温度差20℃で約190kcalと重量が重い割には さい熱量となっている。さらには、人体と との温度差が約20℃以上もあるので、さらさ らの汗が大量に分泌されることとなり、人体 の体温も上昇するので連続15分以上は使用で ず、十分な休息と十分な水分補給も必要と れている。そして、15分間に人体が砂から 熱した熱量は、100kcal程度しかないのである

 そして、人体よりも20℃以上も高温にし ければならないので、加熱に必要なエネル ーを多く必要とし、また砂は顕熱のみで熱 放出して冷えてしまうので使用中は加熱手 により砂を加熱し続けなくてはならなかっ 。また、体中に砂が付着して汚れてしまう で体を濯いで砂を洗い落とさなくてはなら いという手間もかかった。

 また、砂の中は湿度が90%程度となってお 、砂風呂の汗かき指数は約118である。

 布団の上や寝袋の中、あるいはベッドに たような楽な姿勢で、しかも乾式で大量発 をさせて爽快感を与えながら全身美容術を すことができれば、従来の泥浴などを使用 るエステティック方法に比較して遙かに簡 な方法で全身美容方法を行うことができる

 更に、単に寝た姿勢(横臥姿勢)で、大量 汗を発生し、その発汗に伴って体重を低下 せることができ、使用後も爽快感が残り、 に心が温まったような状態となり、更に小 になって収納ができるものであれば、従来 寝袋やサウナ装置にはない効果と便利さを ることができる、従来にない装置を制作す ことができる。

 本発明は、前記各種の従来技術の課題に み、通常の寝具である布団や寝袋に類似し 形態を有しながら、従来の寝袋型の発汗装 に比較して遙かに快適な受熱感を感じなが 、45℃以下ないし少しばかり高めの風呂程 の温度、ないし体温に近い温度でありなが 、大量の熱量を人体に注入して、短時間に 量の発汗を促すことができる、従来にない 発汗方法とその装置を提供することを目的 するものである。

 本発明にかかる発汗方法は、次のように構 されている。
1.平面状の発熱シートを上・下に配置すると に、この両発熱シートに液状の蓄熱剤を充 した蓄熱マットをそれぞれ積層配置し、前 両発熱シートの間に利用者の人体を収容し その人体の背側面を蓄熱マット上に延在す 加熱空間を形成し、前記加熱空間の内部に 用者を横臥させ、その人体の背面と胸面と 、前記蓄熱マットに蓄熱された熱を放出し 体温付近の温度で加熱することを特徴とし いる。
2.平面状の発熱シートを上・下に配置すると に、この両発熱シートに平行して蓄熱完了 態で液状となり、放熱完了状態で固化する 質を持つ潜熱型蓄熱剤を充填した蓄熱マッ をそれぞれ積層配置し、前記両発熱シート 間に利用者の人体を収容し、その人体の背 面を蓄熱マット上に延在する加熱空間を形 し、前記加熱空間の内部に利用者を横臥状 位置させ、人体の背側面と胸側面とを、前 蓄熱マットにより蓄熱された熱を放出して 体を加熱することを特徴としている。

 また、本発明にかかる発汗装置は次のよう 構成されている。
3.平面状の発熱シートを連続あるいは分割し 上・下に間隔を開けて配置すると共に、こ 発熱シート上に蓄熱完了状態で液状となり 放熱完了状態で固化する性質を持つ潜熱型 熱剤を内蔵した蓄熱マットをそれぞれ積層 置し、利用者が横臥姿勢で前記背面の蓄熱 ットに体重を負担させ、更に胸面の蓄熱マ トなどの重量一部あるいは全部を前記利用 に負荷させると共に、その利用者に蓄熱マ トが保有する熱量を接触状態で熱伝達する うに構成し、更に、前記利用者を吸湿性を つ衣服、寝袋、シーツなどで包み、発汗し 汗を吸収しながら加熱するように構成した とを特徴としている。
4.前記蓄熱マットは、多数の小袋体に形成さ 、その内部に潜熱型蓄熱剤が充填され、更 その蓄熱剤中に蓄熱マットの温度で遠赤外 を放射する性質を持つセラミックの微粒子 混入されていることを特徴としている。
5.前記発熱シートは、熱可塑性樹脂を押出成 して製造されたPTC特性を有する面状発熱シ トであり、前記蓄熱マットは、合成樹脂製 ィルムを使用した袋が小袋状に分割され、 の内部に潜熱型の蓄熱剤が充填され、使用 度で柔軟で圧力の発生によりウォーターベ ド状の感触を与える弾性反発体を形成して り、この弾性反発体に体重を分散して保持 せると共に、使用者と弾性反発体との密着 態で熱伝達するように構成したことを特徴 している。
6.前記平面状の発熱シートは幅方向にスリッ が形成されてスダレ状に分割されて柔軟性 付与され、更にその発熱シートを包む合成 脂フィルムは、エンボス加工などの柔軟加 が施されていることを特徴としている。
7.前記平面状の発熱シートを収容した合成樹 製の袋は、周囲にアルミ箔が配置され、蓄 マットから放出される熱を使用者の方に反 するように構成されていることを特徴とし いる。
8.前記蓄熱剤は、使用者の体温との温度差が1 5℃以内であり、潜熱による蓄熱と顕熱によ 蓄熱とを合わせた総蓄熱量が蓄熱完了状態 500kcal以上であることを特徴としている。
9.前記潜熱型蓄熱剤に混入されるセラミック 粒子は、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )単体、あるいはこれに別の材質のセラミッ 微粒子が混入されていることを特徴として る。
10.前記潜熱型蓄熱剤中に、セラミック微粒子 と、このセラミック微粒子の沈降を抑制する ための吸水性樹脂の粉末が添加されているこ とを特徴としている。
11.前記加熱空間に使用者が進入して横臥状態 になった時に、前記発熱シートへの通電を自 動的OFFする電気回路と、前記OFFの状態を解除 してONさせ、このONの時間を所定時間単位で 最大で1時間以内の延長が選択的に可能な電 回路が設けられていることを特徴としてい 。

 また、本発明の変形例としては次の構成 考えられる。

A.本発明発明に係る装置を使用する場合、人 の胸面で受ける蓄熱マットの重量はかなり いものであり、老人や痩身の使用者によっ は胸苦しく感ずることがある。そのような 態の時に蓄熱マットの重量を軽減する手段 適宜設けると良い。
 具体的には、図11に示すように前記加熱空 を構成する蓄熱マットの内、上側の蓄熱マ トの重量を軽減するための補助吊上げ手段40 が設けることである。そしてこの補助吊上げ 手段40は、使用者の手元で吊り上げ力が調整 きるように構成されていると、必要に応じ その調整手段であるレバー41を操作して蓄 マットの重量を好みに合わせて調整するこ ができる。

B.前記のように発熱シートを構成している 成樹脂製の袋の下側に表面にアルミ箔を貼 ないし別体のシートとしたものを配置する とによって、その反射を利用して蓄熱マッ が放出する熱量を人体側に向けて放射する とができる。そして、このアルミ箔をアー することによって、万一の電気的な障害を 止することができる。また、発熱シートが 射する漏れ電磁波を軽減することも可能で る。

 A.(急速熱付与)
 本発明は、電気毛布や電気カーペットのよ に電熱を人体に直接に伝達するものではな 、電熱によって発生した熱量を一旦、潜熱 の蓄熱剤を収容した蓄熱マットに伝達して として潜熱で蓄熱しておき、この蓄熱マッ に接触状態ないし実質的に接触した状態で 用者に対して、その「潜熱と顕熱」を一挙 注入することで、発汗必要とする熱量を与 るものである。

 B.(体温程度の温度の人体の加熱)
 しかも、潜熱型の蓄熱剤の温度は、体温付 の温度であり、また、通常の暖房器具と比 するとかなり低温に属する温度であり、熱 の風呂程度の温度を使用している。
 蓄熱剤より人体に与える熱量が大量である もかかわらず、使用者には熱めの風呂程度 熱さしか感じさせず、装置を利用している に睡眠を催す感じとなっている。

 C.(骨を加熱する人体の加熱)
 蓄熱剤からの人体への熱移動は、なるべく 時間に行われる必要がある。特に、蓄熱剤 らの放射熱は、骨(リン酸カルシウムが90%、 炭酸カルシュウムが10%)を構成するリン酸カ シュウムが熱を吸収する波長を持つものが している。

 D.(低温の骨の加熱)
 通常は蓄熱剤から発生する放射熱は、リン カルシウムの吸収波長である10μmではない 合が多い。そこで、蓄熱マットより発生す 放射熱の波長を前記波長に合わせるために 、使用温度(例えば、45℃程度)において前記 収波長の赤外線を放射するセラミックを併 するのがよい。
 具体的には、セラミック(酸化チタン、酸化 アルミニウムなどを主成分とする)を微細に 末化したものを使用するのがよい。なお、 ラミック微粒子は、溶融した蓄熱剤の中で 遊し、短時間に沈殿することがない性質を つものを選択する。

 E.(多量の発汗)
 利用者の人体と実質的に密着する下側の蓄 マットから直接に大量の熱量が人体へ移動 せると共に、骨の主成分であるリン酸カル ウムの赤外線の最大吸収波長である10μm前 の赤外線を照射するように構成したので、 ンベクションオーブンのように表面から熱 導させるサウナ風呂とは比較にならない急 な発汗作用が得られる。また、呼吸は通常 室内で行えるので、高温乾燥空気により呼 器系を痛めてしまうことが防止される。
 前記セラミックにより、使用者は体の芯か 十分に温まり体温が1.5~2℃程度上昇し、使 後も8時間以上はホカホカと温かさを感ずる とができる。使用者h、使用開始10分程度で めて心地よい熱さを感じ、15分程度で全身 らベットリとした無味の汗が出るのである

 F.(肥満防止効果) 
人体の骨の周囲には褐色脂肪細胞が存在して おり、この褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞(所 、肥満原因の細胞)からエネルギーもらい、 れを熱エネルギーとして体温を上昇させる きがあることが知られている。
 本発明に係る発汗装置は、骨を加温し、こ 骨の周囲に存在している褐色脂肪細胞を活 化し、白色脂肪細胞のエネルギー燃焼を促 させているものと考えられる。従って、食 療法(ダイエット)や運動(エクササイズ)のよ うに中止するとリバウンドしてしまうことが ないものと考えられる。
 従って、本発明にかかる発汗装置により、 用者は単に横たわっているだけで肥満の原 である白色脂肪細胞を効果的に燃焼させる とができ、激しい運動よりも優れた痩身効 を持続して発揮できるものと考えられる。 して、健康が増進されて未病に大きく貢献 ることが考えられる。

 G.(低体温の体温上昇効果)
 婦人等体温が健康体(36~37℃)よりも低い人(35 ℃以下)は、体温を上げることで体内の酵素 活性化して免疫力が向上することが知られ いる。
 しかし、本発明の発汗装置を継続的に使用 ることによって、前記体温が低い人の免疫 が改善され、風邪をひかなくなったとの多 の実験例を得ている。

図1は本発明に係る簡易発汗装置の使用 方法の説明図である。 図2は蓄熱マットの断面図である。 図3は図2に示した蓄熱マットの平面図 ある。 図4は蓄熱マットを製作するフィルムの 拡大断面図である。 図5は発熱シートとその上に載置される 蓄熱マットを示す斜視図である。 図6は2種類の蓄熱マットと発熱シート 収容するための布カバーの斜視図である。 図7は発熱シートを布カバーの中に入れ た状態を示す断面図である。 図8は発熱シートと蓄熱マットの積層状 態を示す斜視図である。 図9は発熱シートの下面にアルミ箔を配 置して熱の反射鏡として構造の断面図である 。 図10のAは発熱シートの上側に蓄熱マッ トを配置した構造、図10のBは発熱シートの背 面蓄熱マットを配置した構造、図10のCは発熱 シートの上下面に蓄熱マットを配置した構造 を示す側面図である。 図11は蓄熱マットの重量を軽減するた の補助吊り上げ手段を示す斜視図である。

符号の説明

S  簡易発汗装置
h  蓄熱剤 
B  袋体
b1、b2  袋体 
2  発熱シート
5  背面蓄熱マット
6  胸面蓄熱マット
5a,6a 蓄熱弾性体
7  吸汗層
10a、10c  布袋
10b、10d  仕切り
10f  開閉部
20  カバー袋
30  布袋 

(発汗装置の構造)
 図1は、本発明にかかる布団型ないし寝袋型 の発汗装置(S)の側面図である。同図において 1は、合成樹脂発泡シートからなる下敷きシ トであり、床面との伝熱を遮断している。 して、この下敷きシート1の上に長い発熱シ ト2をU型に曲げて、その内部に利用者の人 4を横たえるようになっている。この利用者 人体4を収容する空間が「加熱空間」である 。

 前記発熱シート2の内、人体4の下側にな 表面には下側蓄熱マット5を配置し、また、 体4の上側の面、つまり発熱シート2aの上側 は上側蓄熱マット6を配置している。そして 、前記U型に曲げられた発熱シート2の内側に 手のタオル地からなる吸汗層7をU型に二つ りに曲げた状態で収容しておく。

 なお、この吸汗層7は寝袋状に形成して人 体4を肩から足先まで包むように構成する。 た、この吸汗層7が厚いタオル地の場合は、 濯、乾燥あるいは消毒などの処理に困難が うことがあるので、これらの便宜性を含め 決めるのが良い。また、大型の筒形の衣服 ような形のものを着用することで吸汗層7の 全部あるいは一部とすることができる。

 何れにしても、人体4の肩から体、そして 足先までその周囲をすっぽりと包み、恰も暖 かい室に入ったように保温しながら、発汗を 心地よく吸い取り、人体4には水分を感じさ ないような性質を有するものが好ましい。

 本発明に係る装置を使用する際は、人体4 は裸のままでも良いが、なるべく浴衣のよう な体を束縛しない簡単な衣類を着用するのが 良い。多くの場合、発汗装置Sの下側の蓄熱 ット5、上側の蓄熱マット6が露出して空気に 触れると無駄な放熱が大きいので、発汗装置 (S)全体に図1に示すように、薄手の布団か毛 などの上掛け8を掛けておくのがよい。

 本発明の構成要素として「背面蓄熱マッ 5と胸面蓄熱マット6」とは重要な部材であ 、その第1の要件は、この発汗装置(S)を使用 る前に十分に蓄熱できる蓄熱容量があるこ 。好ましくは、500kcal以上/29kgであること。

 そして第2の要件は、あたかもゴム風船の 中に風呂のお湯程度の温度ないしそれより若 干高温の液体を入れたように、至極柔らかい が張りがあり、蒲鉾形あるいは半球状に形成 され、また人肌のような柔らかい感触を持つ ような「弾性反発体」あるいは「蓄熱弾性体 」であることである。

 第3の要件は、「弾性反発体5a、6a」ある は「蓄熱弾性体5a、6a」は前記のように柔軟 はあるが、使用者が体重を落とした程度の 撃力が作用しても破壊しないような耐久性 有するものであることである。

 この蓄熱弾性体の形状は、製造工程の簡 性と取扱い性を考慮して蓄熱弾性体の集合 であるシート状であることが最も適してい が、蓄熱剤を内部に充填した球状物を紐状 などの連結部材で連結してシート状に形成 ても良い。

 図2は、背面あるいは胸面蓄熱マット5,6の 一部を示す断面図であり、図3は同平面図で る。

 蓄熱マット5、6を構成するフィルムFは、 4に示すように下地層f1と中間層f2と表面層f3 で構成された3層構造の積層フィルム、ある は2層構造の積層フィルムを使用する。3層構 造の積層フィルムの場合、下地層f1は200μm厚 度のポリエチレン(熱接着層)と中間層f2が厚 さ15μmのポリアミド系合成繊維(ナイロン)の 伸フィルムで、強度とガスバリア性を持た ている。更に表面層f3は厚さ15μmのナイロン 延伸フィルムで、強度とガスバリア性を持 せている。2層構造の積層フィルムの場合は 、下層は厚さ200μmのポリエチレンフィルム、 上層は厚さ15μのナイロンの延伸フィルムで る。

 前記蓄熱マット5,6用のフイルムFは、前記 複合構造に限定されるものではなく、電気的 、熱的に安定で安全な性質を持つものであれ ば、単層構造のものでも使用することができ る。

 本発明においては、このフィルムFが硬い と使用感がゴワゴワとするので、エンボス加 工などにより適当な皺や微細な溝を形成して 柔軟性を与えるようにするのがよい。

 前記のような構成のフィルムFは、図3に すように、上下二枚合わせにして周囲と底 を溶着cして一端に開口を持つ袋体Bを形成し 、更にこの袋体Bの長手方向に中間部を溶着d て平行する袋体b1,b2を形成する。

 次いで、この二つの袋体b1,b2の中に液体 いしジェル状になるように加熱された蓄熱 hを充填する。そして前記平行する二つの袋 b1,b2を、長さ方向の所定間隔で横断して図5 示すように小袋状に区分し、複数の蓄熱弾 体5aを二列に配列して形成する。

 図2に示すように蓄熱弾性体5aを小袋状に 分けした理由は、ジェル状の蓄熱剤hの移動 を制限し、体重などの押圧力が作用したとき に内部の圧力を高め、その結果、反発力とし て弾性力を発揮させるためであり、この弾性 力の発生によって人体4がその上に横臥した きに張りのある風船に乗ったような快適な 覚を与える。

(発熱シート)
 発熱シートは、ミサト株式会社(埼玉県幸手 市上和田521-18)の製品、商品名「プラヒート で、自動温度制御機能(PTC作用)をもつもので 、幅が250、300、500mm、前者は60~70W/m、後者は90 W/mのものが使用される。

(蓄熱マット)
 前記蓄熱マット5、6を構成している蓄熱弾 体5a、6aは、体積がある大きさより大きいと 性力が低下し、小さいと硬くなるばかりか 溶接部が剥離しやすくなる傾向がある。下 蓄熱マット5は、人体4に実質的に接触して の体重を負荷しながら蓄熱を放出して人体4 体温程度の低温で温めるためのものである

 図5は、発熱シート2と蓄熱マット5、6との 関係を示しており、これらの蓄熱マット5,6は 必ず発熱シート2と積層状態で配置されてお 、発熱シート2の面積の方が蓄熱マット5、6 り僅かに大きく、また、長く設計されてい 。本実施例においては、蓄熱マット5は2枚積 層して弾力性と変形性(人体の形状に沿って 形する)および蓄熱量を増加させている。

 発熱シート2と上側の蓄熱マット6との積 状態は、前記の構成に限らず、図10(A)に示す ように発熱シート2の上側に発熱マット6を配 したり、(B)に示すように下側に配置したり あるいは発熱シート2の上側と下側の両側に 配置することで熱伝導性と良好に保持するこ とができる。

 図6は、蓄熱マット5、6を収容する布袋31,3 2と発熱シート2を収容する布袋20を示す斜視 であって、厚みの大きい布袋10aの中央部に 手方向に仕切り10bが形成されており、それ れの布袋10aの中に背面蓄熱マット5を前記積 状態で挿入する。また、厚みの小さい布袋1 0cも長手方向に仕切り10dが形成されており、 れぞれの袋10cの中に胸面蓄熱マット6挿入す るように構成されている。

 厚みの厚い布袋10aと厚みの薄い布袋10cは 図示しないマジックテープ(登録商標)等の 結手段により、発熱シート2を収容した布袋2 0に密着状態で貼り付けられるように構成さ ている。また、これらの布袋10a,10c,20の開閉 10fには、図示しないマジックテープ(登録商 標)が設けられており、蓄熱マット5、6や発熱 シート2の出し入れ可能に構成されている。

 なお、図9に示すように発熱シート2の絶 袋であるフイルム2aの外側をアルミ箔Alで包 で熱伝導性と必要に応じてアースを取って 気的に安全を図っている。

 図7は、発熱シート2を布製のカバー袋20内 に収容した状態を示す断面図であって、通常 、前記発熱シート2は合成樹脂フィルム製の バー2a内に収容されて電気絶縁されており、 本発明においては更にカバー袋20に収容して 用する。

 図8は、前記図7に記載されたカバー袋20内 に発熱シート2を2枚収容し、それぞれの上面 図6に示した袋31の収納部10aにそれぞれ下側 熱マット5,5を収納した蓄熱剤入り袋を配置 た状態を示している。

 図8においては、2枚の発熱シート2,2に対 てそれぞれ下側蓄熱マット5,5を組み合わせ 装置を示しているが、この発熱シート2の幅 2倍あれば、1枚の発熱シートに対して複数 の蓄熱マット5を組み合わせて蓄熱部を構成 ることができる。

(発汗装置の部材の概略寸法)
 実際の発汗装置の概略寸法を例示すると下 のようになっている。
A.蓄熱マット布袋カバー
 a)背面蓄熱マット用袋:長さ:1620mm、幅:250mm×2
 b)胸面蓄熱マット用袋:長さ:1400mm、幅:250mm×2
B.発熱シート用布製カバー
 全長:3050mm、幅:500mm
C.発熱シート用布カバーと蓄熱マット布カバ の取付け
 背面蓄熱マット用袋と胸面蓄熱マット用袋 を30mmの間隔が形成されるように連結する。 前記30mmの間隔は発熱シートが下側から上側 位置を変えるための穴を形成するためのも である。
D.蓄熱剤の使用量の一例
 a)背面蓄熱マット5の蓄熱剤(硫酸ナトリウム 10水塩)の量:25kg
 b)胸面蓄熱マット6の蓄熱剤(硫酸ナトリウム 10水塩)の量:4kg
 全体の蓄熱剤の量:29kg(蓄熱剤全体の潜熱量: 約1220kcal)

(蓄熱剤の種類)
 蓄熱剤hは、使用者の年齢、加熱温度の好み 、使用する時間によってへんかさせて設計す ることがあり、その溶融温度や凝固温度が変 化する。

 通常の体調の人の場合は、25℃~45℃の温度 において、相変化を伴って蓄熱と放熱を行 性質を持つ材料が好ましく、本発明におい は、28℃~32℃の温度差において相変化を伴っ て蓄熱あるいは放熱を行う性質を持つ「芒硝 」を主体として使用する。前記結晶芒硝は、 硫酸ナトリウム10水塩(Na 2 SO 4 ・10H 2 O)のことである。

 蓄熱剤が単体の場合は、予定された吸熱 放熱の目的に適合しない場合も発生するの 、これをベースとして、これに第三成分を 加して溶融点と凝固点を調整したものを使 するのがよい。

 一例としては、硫酸ナトリウム10水塩に 第三成分として塩化ナトリウム水溶液を若 加えることによって目的とする特性を有す ように調整することができる。

 この蓄熱剤としては、前記のように融点 凝固点との間に人体に悪影響を与えない温 範囲を持ち、できるだけ「骨」を温める性 を持つものであることが必要である。前記 硝の場合は、29kgで約1220kcalの蓄熱量があり この種の低温加熱用に最適なものである。

 本発明の実施例においては、蓄熱剤が溶 している温度、すなわち蓄熱完了状態であ 45℃で使用されるものであって、人体との 度差は約10℃しかないものの、砂風呂(50kgの )の4倍以上、サウナ風呂の36倍以上という圧 倒的な熱量を有しているのである。なお、使 用開始時の蓄熱剤は45℃となっており、この きの顕熱も含まれるので、蓄熱量は1000kcal ゆうに超えている。そして、その熱量のほ んどが、蓄熱マットが実質的に人体に密着 て直接伝導により人体に受熱されることに る。

 その他の蓄熱剤としては、ノルマルパラフ ン(パラフィン系潜熱蓄熱剤)を使用するこ ができる。このパラフィン系潜熱蓄熱剤は 炭素鎖数に応じて凝固温度(融解温度)が低い ものから高いものまで種々のものがあり、使 用者の好みや加熱温度等に適した蓄熱剤が利 用できる。この他には、チオ硫酸ナトリウム 5水塩(Na 2 S 2 O 3 ・5H 2 O、融点48℃)、酢酸ナトリウム3水塩(CH 3 COONa・3H 2 O、融点58℃)、塩化カルシウム6水塩(CaCl・6H 2 O)、リン酸ナトリウム12水塩(NaHPO 4 ・12H 2 O)、硝酸ニッケル3水塩(Ni(NO 3 ) 2 ・3H 2 O)、塩化ナトリウム水溶液などがある。

 しかし、発明者が30年もの間に亘って使 した経験からすると、万が一漏出しても使 温度が低くて火傷をしないこと、毒性がな 不燃性であること、そして蓄熱量の大きさ ら、前記硫酸ナトリウム10水塩がよい。

(セラミックの使用)
 蓄熱剤は、相変化に伴って所定の潜熱と顕 を吸収し、また、吸収した潜熱を放出する 性を有するものであるが、本発明の作用効 を増大するには、単に人体を蓄熱剤の放熱 利用して温めるだけではなく、体の芯から め、体全体に温かさを感じさせる必要があ 。

 そこで本発明においては、使用温度(45℃ 度)において使用者の骨(特に背骨)が吸収し すい波長(10μm前後)の赤外線を放射する性質 を持つセラミックの微粉末を蓄熱剤の中に混 合して使用する。

 具体的には、アルミナ(Al 2 O 3 )の#500、#8000のものを使用することによって 用温度における最適な波長の放射熱を発生 せ、人体を効果的に温めることができる。 の他、酸化チタン(TiO 2 :チタニア)、炭酸カルシウム(CaCO 3 )などの微粉末を使用することができる。

 このセラミック微粉末の添加量は、重量% で蓄熱剤の量に対して「1から1.5%」程度で十 にその効果を発揮することができる。

 セラミック微粉末を蓄熱剤中に添加する 、時間の経過と共に次第に沈殿し、遠赤外 の放射効率が減退するという問題が発生す 。この問題を解決するために、蓄熱剤に微 な吸水性樹脂粉末を1%程度添加しておくこ によって、セラミック微粉末の沈殿現象を 避することが可能である。

(蓄熱マットから発生する熱の有効利用)
 特に下側(背面側)の蓄熱マット5から放出さ る熱量はかなり大きい。また、その熱量の 熱と輻射される方向は、蓄熱マット5の表裏 両面である。従って裏面から放出される熱量 は人体の加熱のロスとなるものである。そこ で、図9に示すように発熱シート2を包むフイ ム2aと袋10の間にアルミ箔Alを下敷き状に配 することによって、これを熱反射の鏡とし 使用することによって、熱効率を向上させ ことができる。

(発汗装置の使用方法)
 本発明に係る発汗装置を使用するときには 使用する2~3時間程度前に通電して蓄熱マッ 5,6を加熱し、この蓄熱マット5,6内に収容さ ている蓄熱剤hに十分な潜熱を蓄熱させて溶 解させ(32℃)、さらなる加熱により顕熱を蓄 させる(45℃程度)。そして、本発明に係る装 を使用するときには通電を「OFF」として安 を確保しておき、前記蓄熱マット5,6に蓄熱 れた熱量のみで人体4を加熱するように使用 する。このとき、人体4と実質的に接触して る蓄熱マット5,6からの直接的な熱伝導と、 の蓄熱マット5,6から放射される遠赤外線(主 して10μm程度の波長)とにより、人体の外側 内側から温める。

(タイマーの必要性)
 発熱シート2への通電を「OFF」するタイマー は重要である。蓄熱マット5,6に収容された蓄 熱剤hが蓄熱した熱量で1時間程度は十分に人 を温めることができるし、使用者によって 1時間よりも長く使用したい場合がある。ま た、使用中に僅かであるが蓄熱剤の温度が徐 々に低下する。そこで、使用者の好みにより 、タイマーを操作して所定時間(例えば、15分 刻み)蓄熱マット5,6を再加熱して「追い炊き できるようになっている。

 このような危険性を避けるために、「基 通電時間」タイマー(通常は蓄熱剤の蓄熱完 了までの時間の約1時間)と、更に「追加的通 時間」を起動する追加タイマーとの回路を 置しておくことが良い。

 この追加タイマーは、所謂浴槽の「追い き」に相当しており、その時間は例えば、1 5分刻みで最長で1時間を限度として通電でき ように回路構成をするのが良い。

 このタイマーは、例えば1回のボタンの押 しで15分で一つのLEDが灯り、二回の押しで二 目の色の違うLEDが灯り、以下同様にして最 で1時間に限定された通電をするように構成 しておけば、発汗装置Sを安全に、しかも使 者本人の「確認のもと」でタイマー操作を ない、使用者の体格や体調などに合わせて 体の加熱時間を調節して安全に装置を安全 運転することができる。

(装置の使用温度)
 本発明に係る発汗装置は温度45℃、湿度60% 度で使用されており、その汗かき指数は約10 1であり、十分に汗をかくことができるもの あるが、体温との温度差が比較的小さいと う特徴を有している。

(使用感)
 ア)本発明にかかる発汗装置は、極めて心地 よい熱さを感ずるものであり、従来にない経 験をすることになる。しかも使用開始後、約 10分で体全体に火照りを感じ、15分を過ぎる には全身および顔から汗が噴出するように る。

 イ)本発明にかかる発汗装置は、サウナに入 るのとは違い、心地よい熱さであり、30分を ぎる頃からはサラサラのしょっぱい汗はあ りでず、ベットリとした無味の汗となる。 もマラソンでスタート地点から12km付近を走 行しているときに出る汗のようである。
 従って、サウナ風呂のように最初から最後 で、大量の水分とイオンを含んだ汗(サラサ ラでしょっぱい)が噴出し続けることがない で、使い終わった後で、ビールが欲しくな ような喉の渇きはサウナ風呂のようには感 ない。

 ウ)本発明にかかる発汗装置を、週に1~2回程 度で、各1時間程度、約3ヶ月も使用した40代 ばの男性の場合、最初に68.5kgあった体重が 61.6kgに減少している。そして、全身の血行 良くなり、精神的に安定感が得られ、「穏 かな心地」となる。
 特に、本発明にかかる発汗装置の特徴は、 つい体操などの運動がなく、誰でも長く使 することができ、しかもその間、読書した 、音楽を聴いたり、あるいはテレビのドラ を見たりすることができる。更に驚いたこ には、本発明にかかる発汗装置を使用した には、他の体重減量方法に比較して体重の バウンドが全くないことである。

 エ)また、不眠症、冷え性で、便秘性で、 寝起きが悪い70歳代前半の女性の場合は、本 明にかかる発汗装置を使用するようになっ から、不眠症が治り、冷え性を感じなくな 、使用後かなりの長い時間(約3時間)気持ち 良い温かさを保ち、便通がよくなり、血流 良くなる感じがするように体調の全体が改 された。

 オ)以上のように、本発明にかかる発汗装置 によると、横臥姿勢で、快い状態で大量の発 汗を促し、単に横臥の状態でありながら、減 量ができたり、不眠症が治ったり、便秘が治 ったりなどの多数の体調の改善例がある。
 特に、最近はメタボリックシンドロームが 題となっており、企業においても従業員の 康管理の責任が発生しているが、このよう 健康管理にも本発明の装置は大きな威力を 揮することができるものである。そして、 らには健康な身体を維持するための未病管 にも貢献することができるものである。

 カ)そして、人体との温度差が比較的小さ いにもかかわらず、従来にはない圧倒的な熱 量を人体に付与することができる。すなわち 、人体との温度差が15℃以内で、潜熱および 熱とによる蓄熱量が1000kcalを超えており、 かも1時間から1時間半とゆっくりと時間をか けて使用されるので、従来にはない大量の受 熱が可能となった。

 キ)蓄熱マットが、ウォーターベッドのよ うに使用者の人体を優しく保持するので、快 適な寝心地で使用することができる。また、 体の曲線や凹凸に合わせて変形して密着する ので、熱効率も一層高まる。

 本発明の実施の形態における蓄熱剤の充 量は、使用者の体格・性別・年齢などによ て変更可能なものであって、前記実施例に 定されるものではない。