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Patent Searching and Data


Title:
HIGH-FREQUENCY LIMITER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149893
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to provide a high-frequency limiter for absorbing the dispersion of the characteristic parameters of a PIN diode thereby to attain desired limiting characteristics. Inside of a lower conductor portion (13) and an upper conductor portion (14), there is constituted an external semi-coaxial resonator of an outer pedestal (15) and a cavity (34). An internal semi-coaxial resonator is constituted of the inner wall of the outer pedestal (15), an inner pedestal (16) and a post (17). A PIN diode (18) is jointed between the post (17) and the inner pedestal (16). resonance windows (11 and 12) are formed between that resonator portion and a waveguide connected to the former. Moreover, a protrusion extent (x) of the outer pedestal (15) to the cavity (34) and an insertion extent (y) of the post (17) to the inside of the outer pedestal (15) are made indepenently adjustable. Between individual resonant portions (10 and 20), a partition wall (30) is interposed to form a joint hole (60), and the electromagnetic fields of the adjoining resonant portions (10 and 20) are jointed in an even mode thereby to give low-pass characteristics to the joint hole (60). As a result, the occurrence of the unnecessary resonance mode is suppressed to widen the band of the breaking characteristics.

Inventors:
KOREYASU MISA (JP)
TAKASHIMA TETSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060277
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FURUNO ELECTRIC CO (JP)
KOREYASU MISA (JP)
TAKASHIMA TETSUYA (JP)
International Classes:
H03G11/00; H01P1/15; H01P5/103; H01P7/04; H03G11/02
Foreign References:
JPS50115956A1975-09-10
JPH06216685A1994-08-05
JPH1141049A1999-02-12
JPS55100701A1980-07-31
Other References:
See also references of EP 2161834A4
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Claims:
 導波管を伝搬する高周波信号の電力を所定の上限値で制限する高周波リミッタにおいて、前記高周波信号が到来する第1の導波管および伝搬すべき高周波信号を出力する第2の導波管が接続される共振器部を備え、前記共振器部は、同軸に配置した中心導体とそれに対向する台座とから成る内部半同軸共振器と、前記共振器部のキャビティと前記台座とから成る外部半同軸共振器とを備えた二重の半同軸共振器を少なくとも1組備えて成り、前記内部半同軸共振器の前記中心導体と前記台座との間にPINダイオードを接続し、前記中心導体の前記内部半同軸共振器への突出量および前記キャビティに対する前記台座の突出量を個別に調整可能に設けたことを特徴とする高周波リミッタ。
 前記共振器部は、前記高周波信号が到来する第1の導波管が接続される第1の共振器部と、当該第1の半同軸共振器と結合するとともに、伝搬すべき高周波信号を出力する第2の導波管が接続される第2の共振器部と、から成り、且つ第1・第2の共振器部は、互いの前記キャビティの内径寸法を異ならせた請求項1に記載の高周波リミッタ。
 前記第1の導波管と前記第1の共振器部との間に整合用の第1の共振窓を備え、前記第2の導波管と前記第2の共振器部との間に整合用の第2の共振窓を備え、第1・第2の共振器部の間に設けた整合用の第3の共振窓を備えた請求項2に記載の高周波リミッタ。
 前記第1の共振部と前記第2の共振部との間に設けられた隔壁が、所定の周波数以上の高域成分を遮断する結合孔を形成したことを特徴とする高周波リミッタ。
 請求項4に記載の高周波リミッタにおいて、前記結合孔は、隣り合う前記共振部の電磁界を偶モードで結合させることを特徴とする高周波リミッタ。
 請求項4に記載の高周波リミッタにおいて、前記結合孔は矩形であることを特徴とする高周波リミッタ。
Description:
高周波リミッタ

 この発明は、伝搬する高周波信号の最大 力を抑制する高周波リミッタに関するもの ある。

 従来、送受共用のアンテナを用いて高電 高周波信号を送受信するレーダ装置等の送 信装置においては、受信信号の経路に高周 リミッタが設けられている(非特許文献1参 )。

 図1は従来の一般的な高周波リミッタの配 置例を示すブロック図である。図1において グネトロン101の発振信号は、サーキュレー 102を介してアンテナ103から送信される。物 で反射し、アンテナ103が受信した信号はサ キュレータ102を介し、高周波リミッタ104を 過して受信モジュール105へ与えられる。

 リミッタ104は、アンテナ103で直接反射す 大電力のマイクロ波やサーキュレータ102を 接漏洩して入力する大電力のマイクロ波か 受信部105を保護するためのものであり、通 、PINダイオードが使用される。PINダイオー は入力電力の大きさによってON/OFFするスイ チのような機能を果たし、大電力入力時に PINダイオードがONし、回路を短絡させてリ ッタの機能を果たす。このような特性を遮 特性と呼ぶ。一方で、物標からの反射波程 の小電力入力に対しては、PINダイオードがOF Fし、信号成分は減衰することなくそのまま 信部105に入力される。このような特性を伝 特性と呼ぶ。

 図2は図1に示した高周波リミッタ104の構成 を示す断面図である。中央部にポスト3が突 形成されているチューニングブロック2が導 波管部1の所定箇所に設けられている。ポス 3の先端部には折り返しチョーク5が設けられ 、ポスト3の途中部分にリミッタダイオード4 挿入されている。
日本財団図書館、"平成15年度 通信講習  船舶電気装備技術講座(レーダー、機器保 整備編)4・3 送受切替え回路"、[online]、[平 19年5月7日検索]、インターネット<http://nip pon.zaidan.info/seikabutsu/2003/00138/contents/0020.htm>

 図16はPINダイオードを用いて構成した従 の導波管型高周波リミッタの構成を示す図 あり、図16(a)は断面図、図16(b)は側面図を示 。

 図16に示す高周波リミッタ400は、耐電力 性の良いI層が厚いダイオード401を共振部403 内部に配置するとともに、遮断特性の良いI 層の薄いダイオード402を共振部404の内部に配 置している。そして、共振部403と共振部404と を電気的に結合させて大電力に対する耐性と 短い応答時間(良好な遮断特性)を同時に実現 ている。

 また、共振部403、404間の間隔は、入出力さ る電磁波の1/4波長の奇数倍に設定し、1/4波 結合回路を構成するようにしている。こう ることにより、各共振部で反射した反射波 士の位相が反転するため、反射波が打ち消 合って整合がとれ、入力信号が損失なく回 に入力されることになる。

特公平7-85521号公報

特公平7-22249号公報

 一般に、PINダイオードの製造方法や形状 変更(ロット変更)があると、リミッティン 特性が大きく変化する。高周波リミッタの ミッティング特性は、PINダイオードの取り け高さを調整すること等によってある程度 調整が可能であるが、上記ロット変更があ と従来の調整機構では対応できず、所望の ミッティング特性が得られない場合があっ 。また、そのため高周波リミッタの設計を 更する必要が生じたり、PINダイオードに対 る要求仕様が厳しくなったりして、これら コストアップの要因となっていた。

 さらに、共振部の結合を上述のようにした 合には、整合が取れるのは共振部間の距離 1/4波長となる周波数1点だけであり、それ以 外の周波数では整合が取れていない。そのた め、図17に示すような狭帯域の伝送特性、遮 特性を持ち、特に遮断特性はある周波数範 (領域A)においてのみ損失量を増加させるが それ以外の周波数範囲(領域B)では小さな損 量となってしまう。
このような高周波リミッタ400をレーダ装置で 使用した場合には、マグネトロンの基本送信 周波数(領域A)よりも高い周波数(領域B)におい ては漏洩信号などの不要信号を十分に減衰さ せることができない。このため、領域Bの周 数成分が大電力で入力された場合には、受 部105が破損してしまう可能性があった。

 そこで、この発明の目的は、リミッティ グ特性の調整範囲を広くとれるようにして PINダイオードの特性パラメータのばらつき ほぼ完全に吸収し、所望のリミッティング 性が得られるようにした高周波リミッタを 供することにある。

 この発明の他の目的は、、不要な共振モ ドの発生を抑圧し、遮断特性を広帯域化す ことができる高周波リミッタを提供するこ にある。

 前記課題を解決するために、この発明は次 ように構成する。
(1)導波管を伝搬する高周波信号の電力を所定 の上限値で制限する高周波リミッタにおいて 、前記高周波信号が到来する第1の(入力側の) 導波管および伝搬すべき高周波信号を出力す る第2の(出力側の)導波管が接続される共振器 部を備え、前記共振器部は、同軸に配置した 中心導体とそれに対向する台座とから成る内 部半同軸共振器と、前記共振器部のキャビテ ィと前記台座とから成る外部半同軸共振器と を備えた二重の半同軸共振器を少なくとも1 備えて成り、前記内部半同軸共振器の前記 心導体と前記台座との間にPINダイオードを 続し、前記中心導体の前記内部半同軸共振 への突出量および前記キャビティに対する 記台座の突出量(前記外部半同軸共振器の開 部の位置)を個別に調整可能に設けたことを 特徴とする。

(2)前記共振器部は、前記高周波信号が到来 する第1の(入力側の)導波管が接続される第1 共振器部と、当該第1の半同軸共振器と結合 るとともに、伝搬すべき高周波信号を出力 る第2の(出力側の)導波管が接続される第2の 共振器部と、から成り、且つ第1・第2の共振 部は、互いの前記キャビティの内径寸法が なったものとする。

(3)前記第1の導波管と前記第1の共振器部と 間に整合用の第1の共振窓を備え、前記第2 導波管と前記第2の共振器部との間に整合用 第2の共振窓を備え、第1・第2の共振器部の に設けた整合用の第3の共振窓を備えたもの とする。

(4)前記第1の共振部と前記第2の共振部との に設けられた隔壁が、所定の周波数以上の 域成分を遮断する結合孔を形成したものと る。

(5)前記結合孔は、隣り合う前記共振部の電 磁界を偶モードで結合させるものであり、不 要な共振モードを抑圧し、良好な遮断特性を 実現する。

(6)前記結合孔は矩形であるとする。

 この発明によれば次のような効果を奏する
(1)前記二重の半同軸共振器の内部半同軸共振 器について、前記中心導体の前記内部半同軸 共振器への突出量(y)および前記キャビティに 対する前記台座の突出量(x)(前記外部半同軸 振器の開放部の位置)を個別に調整すること できるので、共振器のQ値を変更でき、その ことによりPINダイオードに掛かる電圧を制御 し、リミッティング特性を広範囲に亘って調 整することができる。

 その結果、PINダイオードのロット変更等 よるダイオードの特性ばらつきを吸収し、 望の特性に調整可能な高周波リミッタを構 できる。

(2)前記二重の半同軸共振器の外部半同軸共 振器(キャビティ)の内径を変化させることで 内部半同軸共振器と外部半同軸共振器の特 インピーダンスが変化し、ダイオードにか る電力が変化するため、半同軸共振器毎に ミッティング特性を調整することができる

 このため、2つの半同軸共振器を異なる内 径とする(異なる共振系とする)ことで各共振 のリミッティング特性を個別に調整するこ ができ、その結果、高周波リミッタ全体の 性をより広範囲に亘って調整することがで る。

(3)前記第1の導波管と前記第1の半同軸共振 との間、前記第2の導波管と前記第2の半同 共振器との間、第1・第2の半同軸共振器の間 に、それぞれ整合用の共振窓を備えたことに より、導波管と半同軸共振器との間のモード 変換が適切に行われ、挿入損失が低減できる 。

(4)前記各共振部の間に隔壁を設けて結合孔 を形成し、隣り合う共振部の電磁界を偶モー ド結合とすることで、結合孔に低域通過特性 を持たせることができる。これにより高周波 リミッタに低域通過特性を持たせることがで きるため、不要な共振モードを抑圧し、良好 な伝送・遮断離特性を得ることが可能になる 。

従来の一般的なレーダ装置における送 切り替え回路部を含む構成を示すブロック 。 同回路の高周波リミッタ部分の断面図 第1の実施形態に係る高周波リミッタの 透視斜視図。 同高周波リミッタの断面図。 同高周波リミッタの各種特性例を示す 。 第2の実施形態に係る高周波リミッタの 透視斜視図。 同高周波リミッタの透視上面図および 視正面図。 本発明の実施形態3による高周波リミッ タの一例を示す図。 本発明の実施形態3による高周波リミッ タの磁界分布を示す図。 本発明の実施の形態3による高周波リ ッタの等価回路を示す図。 隣り合う同軸型共振器の電磁界を偶モ ードで結合させた場合と奇モードで結合させ た場合の各周波数に対する損失量を示す図。 本発明の実施形態4による高周波リミ タの一例を示す図。 本発明の実施形態4による高周波リミ タの磁界分布を示す図。 本発明の実施の形態4による高周波リ ッタの等価回路を示す図。 隣り合う半同軸共振器の電磁界を偶モ ードで結合させた場合と奇モードで結合させ た場合の各周波数に対する損失量を示す図。 従来の高周波リミッタの構成を示す図 。 従来の高周波リミッタの各周波数に対 する損失量を示す図。

 《第1の実施形態》

 図3は第1の実施形態に係る高周波リミッ の透視斜視図である。また図4はその中央部 縦断面図である。

 図3・図4に示す高周波リミッタ100は、サ キュレータと受信モジュールとの間に配置 れるものであり、受信信号を伝搬する導波 が接続される。この高周波リミッタ100は、 3に示すように共振器部10と2つの導波管との に配置される共振窓11,12を備えている。

 図3に示した共振器部10は、図4に示すよう に、下部導体部13および上部導体部14からな 円筒形状のキャビティ34内に構成している。 このキャビティ34の内部には、下部導体部13 から内部方向に突出する外部台座15を設けて いる。この外部台座15の外周面と下部導体部1 3の孔には、互いに螺合するためのネジを形 している。

 また、上記キャビティ34内に、上部導体 14側から突出するポスト17(中心導体)を設け いる。ポスト17の下端部には内部台座16を配 していて、この内部台座16とポスト17の下端 部との間にPINダイオード18を接合一体化して る。内部台座16の外周面と外部台座15の内周 面には互いに螺合するためのネジを形成して いる。

 キャビティ34と外部台座15とによって外部 半同軸共振器を構成していて、外部台座15の 周面とポスト17とによって内部半同軸共振 を構成している。

 前記外部台座15を旋回させることによっ キャビティ34に対する外部台座15の突出量(x) 調整することができ、またポスト17を旋回 せることによってポスト17の内部半同軸共振 器への突出量yを調整することができる。し も、上記x、yを独立して調整できる。

 図4に示したPINダイオード18は、この高周 リミッタ100に対して共振窓11を介してパル 電力が入力されると、ポスト17と内部台座16 の間に電圧が印加されて、その接合容量が 化し、導波管との結合特性が大きく変化し 入力電力を反射する。

 共振器(外部半同軸共振器および内部半同 軸共振器)のQ値は、前記寸法xおよびyの調節 よって変化する。共振器のQ値に応じてPINダ オード18に掛かる電圧が変化するので、上 寸法x,yを調節することによってリミッティ グ特性を広範囲に亘って調整することがで る。

 図5は、前記キャビティ34の大きさがそれ れ異なる3つの高周波リミッタの特性を示す 図である。ここでキャビティの内径をL,M,Sで すと、L=23.0mm、M=20.0mm、S=17.0mmである。

 図5(A)はキャビティサイズLの特性、(B)は ャビティサイズMの特性、(C)はキャビティサ ズSの特性である。これらの図においてONで す曲線はPINダイオードがオン状態で挿入損 が最大となるx,yの寸法の関係、OFFで示す曲 はPINダイオードがオフ状態でリターンロス 最小となるx,yの寸法の関係を示す図である なお、ここでは使用周波数を9.41GHzとしてい る。

 また図5(D)はPINダイオードのオン時の挿入 損失の特性、(E)はPINダイオードのオフ時のリ ターンロスの特性である。それぞれキャビテ ィの大きさをL,M,Sで表している。

 高周波リミッタとして使用する場合に、P INダイオードのオフ時には挿入損失が小さく オン時には挿入損失が大きくなる特性を合 せ持つ必要がある。そのため、図5(A)~(C)に けるオン時の特性曲線とオフ時の特性曲線 交点が前記x,yの最適寸法となる。

 図5から、キャビティの内径が小さいほど x,y寸法に対する特性変化が大きいこと、およ びキャビティの内径が小さいほど挿入損失が 大きくなる傾向にあることが分かる。

 これは、キャビティの内径が小さいほど 共振窓と内部の共振回路とが接近して結合 態が複雑になることから、リターンロスお び挿入損失の特性変化が大きくなるものと えられる。また、図3に示したように共振窓 11,12の形状としていわゆるH型共振窓以外にC 共振窓を採用することもできるが、C型共振 の場合には組み立て方により共振窓ギャッ 部と共振回路との結合状態が大きく異なる め、組み立て精度に対する特性変化が大き なる。そのため共振窓はH型共振窓が好まし い。

 以上のことから、単一の共振器部10を備 た高調波リミッタを構成する場合に、キャ ティの大きさに応じて最適なx,y寸法をとな ように、図4に示した外部台座15のキャビテ 34に対する挿入量およびポスト17の外部台座1 5の内部に対する挿入量をそれぞれ調整すれ よい。

 ところで、キャビティ34の内径を変化さ ると、内部半同軸共振器と外部半同軸共振 の特性インピーダンスが変化し、ダイオー にかかる電圧が変化する(径を小さくするほ 、ダイオードにかかる電圧が大きくなる)。

 そしてリミッティング量は、キャビティ3 4の内径が小さいほど大きくなる。これは上 の通り、内径を小さくするほど、ダイオー にかかる電圧が大きくなるためであると考 られる。

 また、半同軸共振器(内側の共振器と外側 の共振器を併せた状態)のQ値は図4に示した寸 法x,y(特に寸法x)を変化させることによって変 化するが、リミッティング量は、Q値が低い ど小さく、Q値が高いほど大きくなる。これ 、Q値が高いほど感度が良好となり、ダイオ ードに電流が流れるためリミッティング量が 増加し、Q値が低いときはこの逆の関係にな ためである。

 このようにして、キャビティの内径の選 および寸法xの調整によって、PINダイオード 18に印加される電圧を制御して所望のリミッ ィング量に設定することができる。また、 法xに応じて、ダイオードオフ時のリターン ロスが最小、ダイオードオン時の挿入損失が 最大となるための最適な寸法yを定めること できる。

 《第2の実施形態》

 図6は第2の実施形態に係る高周波リミッ の透視斜視図である。また図7(A)はその高周 リミッタの透視上面図、(B)は透視正面図で る。

 この第2の実施形態に係る高周波リミッタ 200は、2つの共振器部10,20を備えるとともに、 第1の共振器部10と導波管(不図示)との間に共 窓11、第2の共振器部20と導波管(不図示)との 間に共振窓21、第1・第2の共振器部10,20の間に 共振窓22をそれぞれ設けている。

 第1の共振器部10および第2の共振器部20の 成は第1の実施形態で示したものと基本的に 同様であるが、第1の共振器部10と第2の共振 部20は、外部台座、内部台座、およびポスト を同一寸法にするとともに、キャビティの内 径を互いに異なったものとしている。

 また、第1・第2の共振器部10-20間の共振窓 22は導波管との間の共振窓11,21と同様のH型共 窓形状としている。

 このようにキャビティの内径寸法の異な 2つの2重の半同軸共振器を従属接続するこ によって、それぞれの共振器の合成特性が られる。したがって特性調整のパラメータ 2倍になってリミッティング特性をより広範 に亘って調整することが可能となる。

 《第3の実施形態》

 本発明の実施形態3による高周波リミッタ について図8から図11を用いて説明する。図8 本発明の実施形態3による高周波リミッタの 例を示す図であり、図8(a)は本発明の実施形 態3による高周波リミッタの斜視図、図8(b)は 周波リミッタのA-A'断面図、図8(C)は高周波 ミッタのB-B'断面図である。

 本発明の実施形態3による高周波リミッタ100 は、同軸スタブ型共振器を使用した
高周波リミッタであり、矩形の導波路を有す る導波管に第1の共振部310と、共振部320と、 壁30と、入力部40と、出力部50とを設けたも である。

 共振部310は、中心導体311と、その回りに 置された外導体84とからなり、中心導体311 は耐電力特性の良いI層が厚いPINダイオード3 13が装填されている。なお、ここで説明する 振部310は、外導体84が中心導体311の周りに 心導体311の一部を突出させるように配置さ た同軸型共振器であり、中心導体311の台座31 4及び外導体84の高さ方向の位置を調節可能な ように、例えば中心導体311の台座314、外導体 84が螺合されている。

 また、共振部320は、中心導体321と、その りに配置された外導体94とからなり、中心 体311には遮断特性の良いI層の薄いPINダイオ ド323が装填されている。なお、本発明の共 部320も共振部310と同様に、外導体94が中心 体321の周りに中心導体321の一部を突出させ ように配置された同軸型共振器であり、中 導体321の台座324及び外導体94の高さ方向の位 置を調節可能なように、例えば中心導体321の 台座324、外導体94が螺合されている。

 本発明の高周波リミッタ100は、このよう 耐電力特性を持たせた共振部310と遮断特性 持たせた共振部320とを電波の伝送方向に沿 て並べて配置し、互いに電気的に結合させ ことにより、大電力に対する耐性と短い応 時間(良好な遮断特性)を同時に実現してい 。

 隔壁30は、隣り合う共振部310と共振部320 が偶モードで結合するような結合孔60を形成 するものである。結合孔60は導波路を形成す 導波管と内壁と隔壁30とにより形成された 形の窓であり、高周波リミッタ100内部を伝 する電磁波の周波数帯域内で共振が起こら いような形状で形成される。図9は、本発明 高周波リミッタ100を上方向から見た磁界分 を示す概念図である。図示するように、共 部310の電磁界と共振部320の電磁界の結合を 壁30により制御することにより、磁界分布 隔壁30に対して左右対称な偶モードで結合し ている。

 次に本発明の高周波リミッタ100を等価回 を用いて説明する。

 図10は本発明の実施の形態3による高周波 ミッタ100の等価回路である。

 図10に付した図番は高周波リミッタ100の 成にそれぞれ対応しており、70は隔壁30によ 形成した結合孔60に相当する。なお、図中 ZAはPINダイオード313が接続された共振部310の インピーダンスを表したものであり、ZBはPIN イオード323が接続された共振部320のインピ ダンスを表したものである。

 隔壁30により形成される結合孔60は、共振 部310と共振部320とを偶モードで結合する働き を果たすため、図10の70に示すようにコイル コンデンサを直列に接続した等価回路とな 。この等価回路は、周知のように、ある周 数以上の高域成分を遮断する低域通過特性 有する。そのため、図10に示す高周波リミッ タ100は、ある周波数以上の高域成分を遮断す る低域通過特性を有するとともに、入力電力 に応じてダイオードのインピーダンスが変化 するため、良好な伝送特性、遮断特性を得る ことができる。また、結合孔60は伝送する電 波の周波数帯域内で共振が起こらないよう 形状であるため、不要な共振モードを持つ となく、遮断特性の広帯域化も同時に実現 ることができる。

 次に、本発明の高周波リミッタ100の効果 示す。

 図11は本発明の高周波リミッタ100の効果 説明するための説明図であり、マグネトロ の送信周波数範囲を9.4GHz周辺に設定して高 波リミッタの設計を行った場合の入力信号 損失量を示すものである。図11(a)は共振部間 に隔壁を設け、隣り合う共振部の電磁界を偶 モードで結合させた場合の各周波数に対する 損失量を示し、図11(b)は共振部間に隔壁を設 ず、隣り合う共振部の電磁界を奇モードで 合させた場合の各周波数に対する損失量を す。なお、図11中の実線は遮断特性を示し 破線は伝送特性を示す。

 レーダ装置で使用する理想的な高周波リ ッタは、小電力入力時にマグネトロンの送 周波数範囲のみの信号成分を通す帯域通過 ィルタ型の伝送特性を持ち、大電力入力時 マグネトロンの送信周波数とこれより高い 波数の両方を遮断する低域通過フィルタ型 遮断特性を持つことが必要である。

 図11(b)に示す奇モードの場合には、小電 入力時にマグネトロンの送信周波数範囲の を通す遮断特性を持つが、大電力入力時に マグネトロンの送信周波数の信号成分を通 てしまう。また、マグネトロンの送信周波 よりも高い周波数領域においても、共振部 電磁界を偶モードで結合させた場合に比べ 大電力入力時に高い周波数の信号成分を通 。

 これに対して図11(a)に示す偶モードの場 は、小電力入力時にマグネトロンの送信周 数範囲のみを通す遮断特性を持つとともに 大電力入力時にはマグネトロンの送信周波 の信号成分を遮断する。また、大電力入力 には所定の周波数以上の高域成分も奇モー 結合の場合と比較して遮断できている。

 このように、隣接する共振部の結合モー を偶モード結合とすることで不要な共振モ ドを持たず、奇モード結合の場合と比較し 遮断特性を広帯域化することができる。

 《第4の実施形態》

 次に、本発明の実施形態4による高周波リ ミッタについて図12から図15を用いて説明す 。

 図12は本発明の実施形態4による高周波リ ッタの一例を示す図であり、図12(a)は本発 の実施形態4による高周波リミッタの斜視図 図12(b)は高周波リミッタのA-A'断面図、図12(C )は高周波リミッタのB-B'断面図である。

 本発明の実施形態4による高周波リミッタ 200は、半同軸共振器を使用した高周波リミッ タであり、共振部380と、共振部390と、隔壁30 、入力部40と、出力部50を備えている。なお 、本発明の実施形態4による高周波リミッタ20 0は、実施の形態3による高周波リミッタ100の 振部380及び共振部390の構成を変更したもの あり、他の構成要素については同様である そのため、ここでは同一の符号を付して説 を省略する。

 共振部380は、耐電力特性の良いI層が厚い ダイオード13が装填された中心導体381と、中 導体381の周りに該中心導体381の一部を突出 せるように対向して配置した内側外導体82 び外側外導体83を有する半同軸共振器である 。この共振部380は、中心導体381の台座314及び 内側外導体82の高さ方向の位置を調節可能な うに、例えば中心導体381の台座314、内側外 体82が螺合されている。

 また、共振部390は、遮断特性の良いI層の 薄いダイオード23が装填された中心導体391と 中心導体391の周りに該中心導体391の一部を 出させるように対向して配置した内側外導 92及び外側外導体93を有する半同軸共振器で ある。この共振部390は、中心導体391の台座314 及び内側外導体92の高さ方向の位置を調節可 なように、例えば中心導体391の台座314、内 外導体92が螺合されている。

 共振部380と共振部390との間に隔壁30を設 た高周波リミッタ200の磁界分布を図13に示す 。図13は、本発明の高周波リミッタ200を上方 から見た磁界分布を示す概念図である。図 するように、共振部380の電磁界と共振部390 電磁界の結合を隔壁30により制御すること より、磁界分布が隔壁30に対して左右対称な 偶モードで結合している。

 次に本発明の高周波リミッタ200を等価回 を用いて説明する。

 図14は本発明の高周波リミッタを表す等 回路である。

 図14に付した図番は高周波リミッタ200の 成にそれぞれ対応しており、70は隔壁30によ 形成した結合孔60の配置部分に相当する。 お、図中のZA1、ZA2はPINダイオード313が接続 れた共振部380のインピーダンスを表したも であり、ZA1は中心導体381と内側外導体82とで 構成される内側共振器のインピーダンスを、 ZA2は内側外導体82と外側外導体83とで構成さ る外側共振器のインピーダンスを表したも である。また、ZB1、ZB2はPINダイオード313が 続された共振部390のインピーダンスを表し ものであり、ZB1は中心導体391と内側外導体92 とで構成される内側共振器のインピーダンス を、ZB2は内側外導体92と外側外導体93とで構 される外側共振器のインピーダンスを表し ものである。

 隔壁30により形成される結合孔60は、共振 部380と共振部390とを偶モードで結合する働き を果たすため、図14の70に示すようにコイル コンデンサを直列に接続した等価回路とな 。この等価回路は、周知のように、ある周 数以上の高域成分を遮断する低域通過特性 有する。そのため、図14に示す高周波リミッ タ200は、ある周波数以上の高域成分を遮断す る低域通過特性を有するとともに、入力電力 に応じてダイオードのインピーダンスが変化 するため、良好な伝送特性、遮断特性を得る ことができる。また、結合孔60は伝送する電 波の周波数帯域内で共振が起こらないよう 形状であるため、不要な共振モードを持つ となく、遮断特性の広帯域化も同時に実現 ることができる。

 次に、本発明の高周波リミッタ200の効果 示す。

 図15は本発明の高周波リミッタ200の効果 説明するための説明図であり、マグネトロ の送信周波数範囲を9.4GHz周辺に設定して高 波リミッタの設計を行った場合の入力信号 損失量を示すものである。図15(a)は共振部間 に隔壁を設け、隣り合う共振部の電磁界を偶 モードで結合させた場合の各周波数に対する 損失量を示し、図15(b)は共振部間に隔壁を設 ず、隣り合う共振部の電磁界を奇モードで 合させた場合の各周波数に対する損失量を す。なお、図15中の実線は遮断特性を示し 破線は伝送特性を示す。

 レーダ装置で使用する理想的な高周波リ ッタは、小電力入力時にマグネトロンの送 周波数範囲のみの信号成分を通す帯域通過 ィルタ型の伝送特性を持ち、大電力入力時 マグネトロンの送信周波数とこれより高い 波数の両方を遮断する低域通過フィルタ型 遮断特性を持つことが必要である。

 図15(b)に示す奇モードの場合には、小電 入力時にマグネトロンの送信周波数範囲の を通す遮断特性を持つが、大電力入力時に マグネトロンの送信周波数とこれよりも高 周波数の信号成分を通す高域通過フィルタ の特性を持つ。

 これに対して図15(a)に示す偶モードの場 は、小電力入力時で帯域通過フィルタ特性 持つともに、大電力入力時には所定の周波 以上の高域成分を遮断する低域通過フィル 特性が得られている。

 このように、隣接する共振部の結合モー を偶モード結合とすることで不要な共振モ ドを持たず、奇モード結合の場合と比較し 遮断特性を広帯域化することができる。

 なお、本発明の実施の形態3及び4では、 振部310と共振部320とが同じ構成のものにつ て説明したが、並べて配置される共振部は いに異なる構成のものであってもよく、少 くとも、共振部はPINダイオードが装填され 中心導体と、該中心導体の回りに対向して 置された外導体とを有するものであればよ 。

 また、本発明の実施の形態3及び4では、2 の共振部を電磁波の伝送方向に沿って並べ 配置した高周波リミッタについて説明した 、3以上の共振部を並べて配置したものであ ってもよい。

 また、本発明は、本発明の各実施の形態 説明した発明の本旨を逸しない範囲で自由 設計変更可能であり、本発明の各実施の形 で説明した内容に限定されるものではない

 以上のように、この発明は、リミッティ グ特性の調整範囲を広くとれるようにして PINダイオードの特性パラメータのばらつき ほぼ完全に吸収し、所望のリミッティング 性が得られ、さらには不要な共振モードの 生を抑圧し、遮断特性を広帯域化すること できるようにした高周波リミッタを用いる ーダ装置に適している。