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Patent Searching and Data


Title:
HYBRID CONSTRUCTION MACHINE AND CONTROL METHOD OF HYBRID CONSTRUCTION MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/082010
Kind Code:
A1
Abstract:
A hybrid construction machine comprising an internal combustion engine, a motor generator, a working element driven by a hydraulic pressure, and a mechanism driven to turn by a turning motor, is further provided with an electricity accumulation means disposed between the motor generator and the turning motor, wherein the electricity accumulation means comprises a constant voltage electricity accumulation means which maintains a voltage level within a fixed range, and a variable voltage electricity accumulation means which permits variation in voltage level due to motor power generating operation of the motor generator or powering regenerative operation of the turning motor.

Inventors:
SHONO HIROSO (JP)
KANBAYASHI HIDEAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073833
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO HEAVY INDUSTRIES (JP)
SHONO HIROSO (JP)
KANBAYASHI HIDEAKI (JP)
International Classes:
E02F9/20; B60K6/28; B60K6/46; E02F9/00; H02M3/155; H02P9/04
Foreign References:
JP2002242234A2002-08-28
JP2002330554A2002-11-15
JP2003125576A2003-04-25
JPH10103112A1998-04-21
Other References:
See also references of EP 2228491A4
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Tadahiko (Yebisu Garden Place Tower20-3, Ebisu 4-chome, Shibuya-ku, Tokyo 32, JP)
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Claims:
 内燃機関と、電動発電機と、油圧によって駆動される作業要素と、旋回用電動機で旋回駆動される旋回機構とを含むハイブリッド型建設機械において、
 前記電動発電機と前記旋回用電動機との間に配設された蓄電手段を備えるとともに、
 該蓄電手段は、一定の範囲内の電圧値が維持される一定電圧蓄電部と、前記電動発電機の電動発電運転又は前記旋回用電動機の力行回生運転による電圧値の変動を許容する変動電圧蓄電部とを備えることを特徴とするハイブリッド型建設機械。
 一側が前記一定電圧蓄電部と他側が前記変動電圧蓄電部とに接続され、前記変動電圧蓄電部の電圧値を変動させて前記一定電圧蓄電部の電圧値を昇圧又は降圧する昇降圧コンバータと、
 前記昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧動作の切替制御を行う昇降圧駆動制御部とを有する請求項1に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記一定電圧蓄電部の電圧値を検出する電圧値検出部をさらに備え、
 前記昇降圧駆動制御部は、前記電圧値検出部によって検出された電圧値に基づいて昇圧動作と降圧動作の切替制御を行う請求項2に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記昇降圧駆動制御部は、前記旋回用電動機の運転状態に応じて前記一定電圧蓄電部の電圧値が一定の範囲内に収まるように、前記昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧動作の切替制御を行う請求項2又は3に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記昇降圧駆動制御部は、前記昇降圧コンバータの昇圧動作又は降圧動作のいずれかを他方へ切り替える際に無動作時間を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記昇降圧コンバータは、
 前記変動電圧蓄電部から前記一定電圧蓄電部への電力の供給を制御するための昇圧用スイッチング素子と、
 前記一定電圧蓄電部から前記変動電圧蓄電部への電力の供給を制御するための降圧用スイッチング素子と、
 前記昇圧用スイッチング素子と前記降圧用スイッチング素子とに接続されるリアクトルとを有し、
 前記昇降圧駆動制御部は、
 前記第1の電圧検出部の電圧値が電圧目標値になるように、前記昇圧用スイッチング素子又は前記降圧用スイッチング素子を駆動制御する電圧制御手段と、
 前記リアクトルを通流する電流の値が所定の電流閾値になるように、前記昇圧用スイッチング素子又は前記降圧用スイッチング素子を駆動制御する電流制御手段とを有するとともに、
 前記昇降圧コンバータの負荷が所定負荷以下になるように、前記電圧制御手段又は前記電流制御手段のいずれかを選択的に切り替える制御切り替え手段とを備える請求項2乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記制御切り替え手段は、前記電圧制御手段による駆動制御が行われているときに、前記リアクトルを通流する電流の絶対値が前記電流閾値よりも大きくなると、前記電流制御手段による駆動制御に切り替える、請求項6に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記制御切り替え手段は、前記電流制御手段による駆動制御が行われているときに、前記第1の電圧検出部の電圧値が電圧目標値に復帰すると、前記電圧制御手段による駆動制御に切り替える、請求項6に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記昇降圧駆動制御部は、前記電圧制御手段又は前記電流制御手段のいずれかを他方へ切り替える際に、切替後の制御目標値の初期値を補正することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記昇降圧駆動制御部は、前記昇降圧コンバータの不感帯領域内において、充放電電流を促進する制御を行うことを特徴とする請求項2乃至9のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記昇降圧駆動制御部は、
 前記DCバスの電圧値(以下、DCバス電圧値と称す)が目標電圧値に追従するように、前記昇降圧コンバータを駆動するためのPWMデューティ値を演算する主制御部と、
 前記昇降圧コンバータのPWMデューティ値に対する電流値の特性における所定の低電流領域で前記PWMデューティ値を補償するための補償デューティ値を演算する補償デューティ値演算部と、
 前記主制御部によって演算されるPWMデューティ値に前記補償デューティ値を合算する合算処理を行う合算部と
 を含む、請求項2乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記主制御部は、前記DCバス電圧値と前記目標電圧値の偏差に基づくPI制御によって前記PWMデューティ値を演算するように構成されており、
 前記合算処理の起動開始時に、前記PWMデューティ値に含まれる積分成分値を比例成分値の反数に置き換える置換部をさらに備える、請求項11に記載のハイブリッド型建設機械。
 前記補償デューティ値演算部は、前記昇降圧コンバータのPWMデューティ値に対する電流値の特性における昇圧側又は降圧側の変曲点でのPWMデューティ値に相当するデューティ値を前記補償デューティ値として演算する、請求項11又は12に記載のハイブリッド型建設機械。
 内燃機関と、電動発電機と、油圧によって駆動される作業要素と、旋回用電動機で旋回駆動される旋回機構と、該電動発電機と該旋回用電動機との間に配設され、一定電圧蓄電部と変動電圧蓄電部とを備える蓄電手段と、を含むハイブリッド型建設機械の制御方法において、
 該一定電圧蓄電部は、一定の範囲内の電圧値が維持されるとともに、
 該変動電圧蓄電部により、前記電動発電機の電動発電運転又は前記旋回用電動機の力行回生運転による電圧値の変動を許容することを特徴とするハイブリッド型建設機械の制御方法。
Description:
ハイブリッド型建設機械及びハ ブリッド型建設機械の制御方法

 本発明は、昇圧用スイッチング素子及び 圧用スイッチング素子を有し、負荷への電 供給の制御と、負荷より得られる回生電力 蓄電器への供給の制御とを行う昇降圧コン ータを用いたハイブリッド型建設機械及び イブリッド型建設機械の制御方法に関する

 従来より、駆動機構の一部を電動化した イブリッド型建設機械が提案されている。 のような建設機械は、ブーム、アーム、及 バケット等の作業要素を油圧駆動するため 油圧ポンプを備え、この油圧ポンプを駆動 るためのエンジンに増速機を介して電動発 機を接続し、電動発電機でエンジンの駆動 アシストするとともに、発電によって得る 力をバッテリに充電している。

 また、上部旋回体を旋回させるための旋回 構の動力源として油圧モータに加えて電動 を備え、旋回機構の加速時に電動機で油圧 ータの駆動をアシストし、旋回機構の減速 に電動機で回生運転を行い、発電される電 をバッテリに充電している(例えば、特許文 献1参照)。

特開平10-103112号公報

 ところで、このようなハイブリッド型建 機械では、電動発電機等のような負荷によ 電力消費と回生電力の生成が繰り返し行わ るため、蓄電手段の電圧値は大きく変動す 。

 蓄電手段の電圧値の変動は、負荷の制御 のばらつきや、過電流による負荷のドライ の損傷等をもたらす場合があるという課題 あった。

 そこで、本発明は、蓄電手段の電圧値の 動を抑え、負荷の制御性のばらつきや、過 流による負荷のドライバの損傷等の発生を 制したハイブリッド型建設機械及びハイブ ッド型建設機械の制御方法を提供すること 目的とする。

 本発明の一局面によるハイブリッド型建 機械は、内燃機関と、電動発電機と、油圧 よって駆動される作業要素と、旋回用電動 で旋回駆動される旋回機構とを含むハイブ ッド型建設機械において、前記電動発電機 前記旋回用電動機との間に配設された蓄電 段を備えるとともに、該蓄電手段は、一定 範囲内の電圧値が維持される一定電圧蓄電 と、前記電動発電機の電動発電運転又は前 旋回用電動機の力行回生運転による電圧値 変動を許容する変動電圧蓄電部とを備える

 また、一側が前記一定電圧蓄電部と他側 前記変動電圧蓄電部とに接続され、前記変 電圧蓄電部の電圧値を変動させて前記一定 圧蓄電部の電圧値を昇圧又は降圧する昇降 コンバータと、前記昇降圧コンバータの昇 動作と降圧動作の切替制御を行う昇降圧駆 制御部とを有してもよい。

 また、前記一定電圧蓄電部の電圧値を検 する電圧値検出部をさらに備え、前記昇降 駆動制御部は、前記電圧値検出部によって 出された電圧値に基づいて昇圧動作と降圧 作の切替制御を行ってもよい。

 また、前記昇降圧駆動制御部は、前記旋 用電動機の運転状態に応じて前記一定電圧 電部の電圧値が一定の範囲内に収まるよう 、前記昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧 作の切替制御を行ってもよい。

 また、前記昇降圧駆動制御部は、前記昇 圧コンバータの昇圧動作又は降圧動作のい れかを他方へ切り替える際に無動作時間を けてもよい。

 また、前記昇降圧コンバータは、前記変 電圧蓄電部から前記一定電圧蓄電部への電 の供給を制御するための昇圧用スイッチン 素子と、前記一定電圧蓄電部から前記変動 圧蓄電部への電力の供給を制御するための 圧用スイッチング素子と、前記昇圧用スイ チング素子と前記降圧用スイッチング素子 に接続されるリアクトルとを有し、前記昇 圧駆動制御部は、前記第1の電圧検出部の電 圧値が電圧目標値になるように、前記昇圧用 スイッチング素子又は前記降圧用スイッチン グ素子を駆動制御する電圧制御手段と、前記 リアクトルを通流する電流の値が所定の電流 閾値になるように、前記昇圧用スイッチング 素子又は前記降圧用スイッチング素子を駆動 制御する電流制御手段とを有するとともに、 前記昇降圧コンバータの負荷が所定負荷以下 になるように、前記電圧制御手段又は前記電 流制御手段のいずれかを選択的に切り替える 制御切り替え手段とを備えてもよい。

 また、前記制御切り替え手段は、前記電 制御手段による駆動制御が行われていると に、前記リアクトルを通流する電流の絶対 が前記電流閾値よりも大きくなると、前記 流制御手段による駆動制御に切り替えても い。

 また、前記制御切り替え手段は、前記電 制御手段による駆動制御が行われていると に、前記第1の電圧検出部の電圧値が電圧目 標値に復帰すると、前記電圧制御手段による 駆動制御に切り替えてもよい。

 また、前記昇降圧駆動制御部は、前記電 制御手段又は前記電流制御手段のいずれか 他方へ切り替える際に、切替後の制御目標 の初期値を補正してもよい。

 また、前記昇降圧駆動制御部は、前記昇 圧コンバータの不感帯領域内において、充 電電流を促進する制御を行ってもよい。

 また、前記昇降圧駆動制御部は、前記DC スの電圧値(以下、DCバス電圧値と称す)が目 電圧値に追従するように、前記昇降圧コン ータを駆動するためのPWMデューティ値を演 する主制御部と、前記昇降圧コンバータのP WMデューティ値に対する電流値の特性におけ 所定の低電流領域で前記PWMデューティ値を 償するための補償デューティ値を演算する 償デューティ値演算部と、前記主制御部に って演算されるPWMデューティ値に前記補償 ューティ値を合算する合算処理を行う合算 とを含んでもよい。

 また、前記主制御部は、前記DCバス電圧 と前記目標電圧値の偏差に基づくPI制御によ って前記PWMデューティ値を演算するように構 成されており、前記合算処理の起動開始時に 、前記PWMデューティ値に含まれる積分成分値 を比例成分値の反数に置き換える置換部をさ らに備えてもよい。

 また、前記補償デューティ値演算部は、 記昇降圧コンバータのPWMデューティ値に対 る電流値の特性における昇圧側又は降圧側 変曲点でのPWMデューティ値に相当するデュ ティ値を前記補償デューティ値として演算 てもよい。

 本発明の一局面のハイブリッド型建設機 の制御方法は、内燃機関と、電動発電機と 油圧によって駆動される作業要素と、旋回 電動機で旋回駆動される旋回機構と、該電 発電機と該旋回用電動機との間に配設され 一定電圧蓄電部と変動電圧蓄電部とを備え 蓄電手段と、を含むハイブリッド型建設機 の制御方法において、該一定電圧蓄電部は 一定の範囲内の電圧値が維持されるととも 、該変動電圧蓄電部により、前記電動発電 の電動発電運転又は前記旋回用電動機の力 回生運転による電圧値の変動を許容する。

 本発明によれば、蓄電手段の電圧値の変 を抑え、負荷の制御性のばらつきや、過電 による負荷のドライバの損傷等の発生を抑 したハイブリッド型建設機械及びハイブリ ド型建設機械の制御方法を提供できるとい 特有の効果が得られる。

実施の形態1のハイブリッド型建設機械 を示す側面図である。 実施の形態1のハイブリッド型建設機械 の構成を表すブロック図である。 実施の形態1のハイブリッド型建設機械 に用いる昇降圧コンバータの回路構成を概略 的に示す図である。 実施の形態2のハイブリッド型建設機械 に用いる昇降圧コンバータ100の制御装置の回 路構成を制御ブロックで示す図である。 昇降圧切替部によって昇降圧動作が切 替えられる際の状態遷移を概念的に示す図 ある。 図5に示す状態遷移を時系列的に示す動 作説明図である。 電圧制御と電流制御の切替条件を概念 に示す図である。 昇圧動作中における電圧制御と電流制 の切替動作を説明するための動作例を示す である。 降圧動作中における電圧制御と電流制 の切替動作を説明するための動作例を示す である。 実施の形態3のハイブリッド型建設機 の昇降圧コンバータの駆動制御装置の回路 成を示す制御ブロック図である。 実施の形態3のハイブリッド型建設機 の昇降圧コンバータの駆動制御装置の補償 切替部で導出するフラグと、昇降圧コンバ タの駆動領域との関係を示す図である。 実施の形態3のハイブリッド型建設機 の昇降圧コンバータの駆動制御装置におけ 降圧時の不感帯補償機能による合算処理を 明するための原理図であり、(a)は不感帯補 機能の起動開始時の処理、(b)は不感帯補償 能の起動終了時の処理、(c)は不感帯補償機 の起動中の処理をそれぞれ時間経過で示す である。 実施の形態3のハイブリッド型建設機 の昇降圧コンバータの駆動制御装置におけ 昇圧時の不感帯補償機能による合算処理を 明するための原理図であり、(a)は不感帯補 機能の起動開始時の処理、(b)は不感帯補償 能の起動終了時の処理、(c)は不感帯補償機 の起動中の処理をそれぞれ時間経過で示す である。 実施の形態3のハイブリッド型建設機 の昇降圧コンバータの駆動制御装置による 作特性の一例を示す特性図である。 従来の昇降圧コンバータの駆動制御装 置におけるPWMデューティに対する電流の変化 量を表す図である。 実施の形態4のハイブリッド型建設機 の構成を示すブロック図である。

符号の説明

 1 下部走行体
 1A、1B 走行機構
 2 旋回機構
 3 上部旋回体
 4 ブーム
 5 アーム
 6 バケット
 7 ブームシリンダ
 8 アームシリンダ
 9 バケットシリンダ
 10 キャビン
 11 エンジン
 12 電動発電機
 13 減速機
 14 メインポンプ
 15 パイロットポンプ
 16 高圧油圧ライン
 17 コントロールバルブ
 18A、18B インバータ
 19 バッテリ
 21 旋回用電動機
 22 レゾルバ
 23 メカニカルブレーキ
 24 旋回減速機
 25 パイロットライン
 26 操作装置
 26A、26B レバー
 26C ペダル
 27 油圧ライン
 28 油圧ライン
 29 圧力センサ
 30 コントローラ
 100 昇降圧コンバータ
 101 リアクトル
 102A 昇圧用IGBT
 102B 降圧用IGBT
 104 電源接続端子
 105 インバータ
 106 出力端子
 107 コンデンサ
 110 DCバス
 111 DCバス電圧検出部
 112 バッテリ電圧検出部
 113 バッテリ電流検出部
 120 駆動制御部
 121 電圧制御部
 122 電流制御部
 123 制御切替部
 124 昇降圧切替部
 125 昇圧用PM
 126 降圧用PM
 201 電圧制御指令生成部
 202 電圧制御部
 203 PWM指令算出部
 204 PWM指令合算部
 205 昇降圧切替制御部
 206 補償値算出部
 207 補償値切替部

 以下、本発明のハイブリッド型建設機械 びハイブリッド型建設機械及びハイブリッ 型建設機械の制御方法を適用した実施の形 について説明する。

 「実施の形態1」
 図1は、実施の形態1のハイブリッド型建設 械を含む建設機械を示す側面図である。

 このハイブリッド型建設機械の下部走行 1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭 されている。また、上部旋回体3には、ブー ム4、アーム5、及びバケット6と、これらを油 圧駆動するためのブームシリンダ7、アーム リンダ8、及びバケットシリンダ9に加えて、 キャビン10及び動力源が搭載される。

 「全体構成」
 図2は、実施の形態1のハイブリッド型建設 械の構成を表すブロック図である。この図2 は、機械的動力系を二重線、高圧油圧ライ を太実線、パイロットラインを破線、電気 動・制御系を実線でそれぞれ示す。

 機械式駆動部としてのエンジン11と、ア スト駆動部としての電動発電機12は、ともに 増力機としての減速機13の入力軸に接続され いる。また、この減速機13の出力軸には、 インポンプ14及びパイロットポンプ15が接続 れている。メインポンプ14には、高圧油圧 イン16を介してコントロールバルブ17が接続 れている。

 コントロールバルブ17は、実施の形態1の 設機械における油圧系の制御を行う制御装 であり、このコントロールバルブ17には、 部走行体1用の油圧モータ1A(右用)及び1B(左用 )、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び バケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介し 接続される。

 また、電動発電機12には、インバータ18を 介して蓄電手段が接続される。この蓄電手段 は、インバータ18を介して電動発電機12との で電力の授受を行う。

 また、蓄電手段には、インバータ20を介 て電動作業要素としての旋回用電動機21が接 続されている。蓄電手段は、インバータ20を して旋回用電動機21との間で電力の授受を う。

 すなわち、蓄電手段は、電動発電機12及 旋回用電動機21との間で電力の授受を行うた めに配設されている。

 旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾル 22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機2 4が接続される。また、パイロットポンプ15に は、パイロットライン25を介して操作装置26 接続される。旋回用電動機21、インバータ20 レゾルバ22、及び旋回用減速機24とで負荷駆 動系を構成する。

 操作装置26は、レバー26A、レバー26B、ペ ル26Cを含み、レバー26A、レバー26B、及びペ ル26Cには、油圧ライン27及び28を介して、コ トロールバルブ17及び圧力センサ29がそれぞ れ接続される。この圧力センサ29には、実施 形態1の建設機械の電気系の駆動制御を行う コントローラ30が接続されている。

 このような実施の形態1の建設機械は、エ ンジン11、電動発電機12、及び旋回用電動機21 を動力源とするハイブリッド型建設機械であ る。これらの動力源は、図1に示す上部旋回 3に搭載される。以下、各部について説明す 。

 「各部の構成」
 エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジ で構成される内燃機関であり、その出力軸 減速機13の一方の入力軸に接続される。この エンジン11は、建設機械の運転中は常時運転 れる。

 電動発電機12は、電動(アシスト)運転及び 発電運転の双方が可能な電動機であればよい 。ここでは、電動発電機12として、インバー 20によって交流駆動される電動発電機を示 。この電動発電機12は、例えば、磁石がロー タ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magne tic)モータで構成することができる。電動発 機12の回転軸は減速機13の他方の入力軸に接 される。

 減速機13は、2つの入力軸と1つの出力軸を 有する。2つの入力軸の各々には、エンジン11 の駆動軸と電動発電機12の駆動軸が接続され 。また、出力軸にはメインポンプ14の駆動 が接続される。エンジン11の負荷が大きい場 合には、電動発電機12が電動(アシスト)運転 行い、電動発電機12の駆動力が減速機13の出 軸を経てメインポンプ14に伝達される。こ によりエンジン11の駆動がアシストされる。 一方、エンジン11の負荷が小さい場合は、エ ジン11の駆動力が減速機13を経て電動発電機 12に伝達されることにより、電動発電機12が 電運転による発電を行う。電動発電機12の力 行運転と発電運転の切り替えは、コントロー ラ30により、エンジン11の負荷等に応じて行 れる。

 メインポンプ14は、コントロールバルブ17 に供給するための油圧を発生するポンプであ る。この油圧は、コントロールバルブ17を介 て油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、ア ムシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々 を駆動するために供給される。

 パイロットポンプ15は、油圧操作系に必 なパイロット圧を発生するポンプである。 の油圧操作系の構成については後述する。

 コントロールバルブ17は、高圧油圧ライ を介して接続される下部走行体1用の油圧モ タ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリン 8、及びバケットシリンダ9の各々に供給する 油圧を運転者の操作入力に応じて制御するこ とにより、これらを油圧駆動制御する油圧制 御装置である。

 インバータ18は、上述の如く電動発電機12 と蓄電手段との間に設けられ、コントローラ 30からの指令に基づき、電動発電機12の運転 御を行う。これにより、インバータ18が電動 発電機12の力行を運転制御している際には、 要な電力を蓄電手段から電動発電機12に供 する。また、電動発電機12の回生を運転制御 している際には、電動発電機12により発電さ た電力を蓄電手段に充電する。なお、電動 電機12とインバータ18とで電動発電系を構成 している。

 旋回用電動機21は、力行運転及び回生運 の双方が可能な電動機であればよく、上部 回体3の旋回機構2を駆動するために設けられ ている。力行運転の際には、旋回用電動機21 回転駆動力の回転力が減速機24にて増幅さ 、上部旋回体3が加減速制御され回転運動を う。また、上部旋回体3の慣性回転により、 減速機24にて回転数が増加されて旋回用電動 21に伝達され、回生電力を発生させること できる。ここでは、旋回用電動機21として、 PWM(Pulse Width Modulation)制御信号によりインバ タ20によって交流駆動される電動機を示す この旋回用電動機21は、例えば、磁石埋込型 のIPMモータで構成することができる。これに より、より大きな誘導起電力を発生させるこ とができるので、回生時に旋回用電動機21に 発電される電力を増大させることができる

 レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転軸21A の回転位置及び回転角度を検出するセンサで あり、旋回用電動機21と機械的に連結するこ で旋回用電動機21の回転前の回転軸21Aの回 位置と、左回転又は右回転した後の回転位 との差を検出することにより、回転軸21Aの 転角度及び回転方向を検出するように構成 れている。旋回用電動機21の回転軸21Aの回転 角度を検出することにより、旋回機構2の回 角度及び回転方向が導出される。また、図2 はレゾルバ22を取り付けた形態を示すが、 動機の回転センサを有しないインバータ制 方式を用いてもよい。

 メカニカルブレーキ23は、機械的な制動 を発生させる制動装置であり、旋回用電動 21の回転軸21Aを機械的に停止させる。このメ カニカルブレーキ23は、電磁式スイッチによ 制動/解除が切り替えられる。この切り替え は、コントローラ30によって行われる。

 旋回減速機24は、旋回用電動機21の回転軸 21Aの回転速度を減速して旋回機構2に機械的 伝達する減速機である。これにより、力行 転の際には、旋回用電動機21の回転力を増力 させ、より大きな回転力として旋回体へ伝達 することができる。これとは逆に、回生運転 の際には、旋回体で発生した回転数を増加さ せ、より多くの回転動作を旋回用電動機21に 生させることができる。

 旋回機構2は、旋回用電動機21のメカニカ ブレーキ23が解除された状態で旋回可能と り、これにより、上部旋回体3が左方向又は 方向に旋回される。

 操作装置26は、旋回用電動機21、下部走行 体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6を操 するための操作装置であり、ハイブリッド 建設機械の運転者によって操作される。

 この操作装置26は、パイロットライン25を 通じて供給される油圧(1次側の油圧)を運転者 の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換し て出力する。操作装置26から出力される2次側 の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロー バルブ17に供給されるとともに、圧力セン 29によって検出される。

 操作装置26が操作されると、油圧ライン27 を通じてコントロールバルブ17が駆動され、 れにより、油圧モータ1A、1B、ブームシリン ダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリン 9内の油圧が制御されることによって、下部 走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6 駆動される。

 なお、油圧ライン27は、油圧モータ1A及び 1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及 バケットシリンダの駆動に必要な油圧をコ トロールバルブに供給する。

 旋回用操作検出部としての圧力センサ29 は、操作装置26に対して旋回機構2を旋回さ るための操作が入力されると、この操作量 油圧ライン28内の油圧の変化として検出する 。圧力センサ29は、油圧ライン28内の油圧を す電気信号を出力する。これにより、操作 置26に入力される旋回機構2を旋回させるた の操作量を的確に把握することができる。 の電気信号は、コントローラ30に入力され、 旋回用電動機21の駆動制御に用いられる。ま 、実施の形態1では、レバー操作検出部とし ての圧力センサを用いる形態について説明す るが、操作装置26に入力される旋回機構2を旋 回させるための操作量をそのまま電気信号で 読み取るセンサを用いてもよい。

 蓄電手段は、インバータ18及びインバー 20に接続されている。これにより、電動発電 機12の電動(アシスト)運転と旋回用電動機21の 力行運転との少なくともどちらか一方が行わ れている際には、電動(アシスト)運転又は力 運転に必要な電力を供給するとともに、ま 、電動発電機12の発電運転と旋回用電動機21 の回生運転の少なくともどちらか一方が行わ れている際には、発電運転又は回生運転によ って発生した電力を電気エネルギとして蓄積 するための電源である。

 この蓄電手段の充放電制御は、蓄電手段 充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(ア シスト)運転又は発電運転)、旋回用電動機21 運転状態(力行運転又は回生運転)に基づいて コントローラ30によって行われる。

 インバータ20は、上述の如く旋回用電動 21と蓄電手段との間に設けられ、コントロー ラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21に して運転制御を行う。これにより、インバ タが旋回用電動機21の力行を運転制御してい る際には、必要な電力を蓄電手段から旋回用 電動機21に供給する。また、旋回用電動機21 回生運転をしている際には、旋回用電動機21 により発電された電力を蓄電手段へ充電する 。図2には、旋回電動機(1台)及びインバータ(1 台)を含む実施の形態を示すが、その他マグ ット機構や旋回機構部以外の駆動部として えることで、複数の電動機及び複数のイン ータを蓄電手段に接続するようにしてもよ 。

 ところで、このようなハイブリッド型建 機械では、電動発電機12等のような負荷に る電力消費と回生電力の生成が繰り返し行 れるため、蓄電手段の電圧値は大きく変動 る。そして、蓄電手段の電圧値の変動は、 荷の制御性のばらつきを発生させるので、 回用電動機21の出力がばらつき、このため、 作業性が低下してしまう。また、過電流によ る負荷のドライバの損傷等をもたらし、運転 継続性に影響を及ぼす場合がある。

 そこで、本実施の形態では、図3に示すよ うに、蓄電手段は一定電圧蓄電部としてのDC ス110と変動電圧蓄電部としてのバッテリ19 で構成し、インバータ18、20をDCバス110と接 する。これにより、インバータ18、20へ供給 る電圧を、予め定めた一定の範囲内に収ま ように保持することができる。この結果、 荷の制御性のばらつきを抑制することがで 、電動発電機12、旋回用電動機21の出力のば らつきを防止することができる。さらに、バ ッテリ19の蓄電電圧を変動させることで、電 発電機12の電動発電運転又は旋回用電動機31 の力行回生運転による電圧値の変動を許容す ることができる。それにより、過電流による 負荷のインバータ18、20における損傷等を防 することができ、運転継続性を向上させる とができる。

 「コントローラ30」
 コントローラ30は、実施の形態1のハイブリ ド型建設機械の駆動制御を行う制御装置で り、昇降圧制御を行う昇降圧制御部として 昇降圧駆動制御部120を含み、CPU(Central Proces sing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置 構成され、CPUが内部メモリに格納される駆 制御用のプログラムを実行することにより 現される装置である。

 昇降圧駆動制御部120は、電動発電機12の 転制御(電動(アシスト)運転又は発電運転の り替え)、及び、蓄電手段の充放電制御を行 ための制御装置である。昇降圧駆動制御部1 20は、蓄電手段の充電状態、電動発電機12の 転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、 び旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は 生運転)に基づいて、蓄電手段の充放電制御 を行う。

 図3は、実施の形態1のハイブリッド型建 機械に用いる蓄電手段の詳細図である。

 この蓄電手段は、バッテリ19、昇降圧コ バータ100、及びDCバス110を含む。DCバス110に 、インバータ105が接続されている。一定電 蓄電部としてのバッテリ19と変動電圧蓄電 としてのDCバス110は、蓄電手段を構成する。

 昇降圧コンバータ100は、リアクトル101、昇 用IGBT(Insulated Gate Bipolar
Transistor)102A、降圧用IGBT102B、バッテリ19を接 するための電源接続端子104、及び、インバ タ105を接続するための出力端子106を備える 昇降圧コンバータ100の出力端子106とインバ タ105との間は、DCバス110によって接続される 。インバータ105は、インバータ18、20に相当 る。

 リアクトル101は、一端が昇圧用IGBT102A及 降圧用IGBT102Bの中間点に接続されるとともに 、他端が電源接続端子104に接続されており、 昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴って生じる誘導 起電力をDCバス9に供給するために設けられて いる。

 昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、MOSFET(Metal
Oxide Semiconductor Field Effect
Transistor)をゲート部に組み込んだバイポーラ ランジスタで構成され、大電力の高速スイ チングが可能な半導体素子である。昇圧用I GBT102A及び降圧用IGBT102Bは、昇降圧駆動制御部 120により、ゲート端子にPWM電圧が印加される ことによって駆動される。昇圧用IGBT102A及び 圧用IGBT102Bには、整流素子であるダイオー 102a及び102bが並列接続される。

 バッテリ19は、昇降圧コンバータ100を介 てDCバス110との間で電力の授受が行えるよう に、充放電可能な蓄電器であればよい。

 電源接続端子104及び出力端子106は、バッ リ19及びインバータ105が接続可能な端子で ればよい。一対の電源接続端子104と並列に バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出 112が接続される。一対の出力端子106と並列 、、DCバス電圧を検出するDCバス電圧検出部1 11が接続される。

 バッテリ電圧検出部112は、バッテリ19の 圧値(vbat_det)を検出し、DCバス電圧検出部111 、DCバス110の電圧(以下、DCバス電圧:vdc_det)を 検出する。

 バッテリ電流検出部113は、バッテリ19に 流する電流の値を検出可能な検出手段であ ばよく、電流検出用の抵抗器を含む。この アクトル電流検出部108は、バッテリ19に通流 する電流値(ibat_det)を検出する。

 「昇降圧動作」
 このような昇降圧コンバータ100において、D Cバス110を昇圧する際には、昇圧用IGBT102Aのゲ ート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bに 列に接続されたダイオード102bを介して、昇 圧用IGBT102Aのオン/オフに伴ってリアクトル101 に発生する誘導起電力をDCバス110に供給する これにより、DCバス110が昇圧される。

 また、DCバス110を降圧する際には、降圧 IGBT102Bのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧 用IGBT102B、インバータ105を介して供給される 生電力をDCバス110からバッテリ19に供給する 。これにより、DCバス110に蓄積された電力が ッテリ19に充電され、DCバス110が降圧される 。

 なお、実際には、昇降圧駆動制御部120と 圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bとの間には、昇 圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bを駆動するPWM信 を生成する駆動部が存在するが、図3では省 する。このような駆動部は、電子回路又は 算処理装置のいずれでも実現することがで る。

 次に、図3に示す構成を図2との関係で説 する。

 バッテリ19は、昇降圧コンバータ100及びDC バス110を介してインバータ105(インバータ18及 びインバータ20)に接続されている。これによ り、電動発電機12の電動(アシスト)運転と旋 用電動機21の力行運転との少なくともどちら か一方が行われている際には、電動(アシス )運転又は力行運転に必要な電力を供給する ともに、また、電動発電機12の発電運転と 回用電動機21の回生運転の少なくともどちら か一方が行われている際には、発電運転又は 回生運転によって発生した電力を電気エネル ギとして蓄積するための電源である。

 DCバス110は、インバータ105(インバータ18 びインバータ20)と昇降圧コンバータ100との に配設されており、バッテリ19、電動発電機 12、及び旋回用電動機21の間で電力の授受が 能に構成されている。そして、DCバス110には 昇降圧コンバータ100の一対の出力端子106に並 列に挿入される平滑用のコンデンサ107を備え る。この平滑用のコンデンサ107は、出力端子 106の正極端子と負極端子との間に挿入され、 DCバス電圧を平滑化できる蓄電素子であれば い。

 DCバス電圧検出部111は、DCバス電圧値を検 出するための電圧検出部である。検出される DCバス電圧値はコントローラ30に入力され、 のDCバス電圧値を一定の範囲内に収めるため の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うため に用いられる。このDCバス電圧検出部111で検 されたDCバス電圧値は、昇降圧駆動制御部12 0に入力される。

 バッテリ電圧検出部112は、バッテリ19の 圧値を検出するための電圧検出部であり、 ッテリの充電状態を検出するために用いら る。検出されるバッテリ電圧値は、コント ーラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇 圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用 いられる。このバッテリ電圧検出部112で検出 されたバッテリ電圧値は、昇降圧駆動制御部 120に入力される。

 バッテリ電流検出部113は、バッテリ19の 流値を検出するための電流検出部である。 ッテリ電流値は、バッテリ19から昇降圧コン バータ100に流れる電流を正の値として検出さ れる。検出されるバッテリ電流値は、コント ローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の 圧動作と降圧動作の切替制御を行うために いられる。このバッテリ電流検出部113で検 されたバッテリ電流値は、昇降圧駆動制御 120に入力される。

 このバッテリ19の充放電制御は、バッテ 19の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動 (アシスト)運転又は発電運転)、旋回用電動機 21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づ 、昇降圧コンバータ100によって行われる。 の昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動 の切替制御は、DCバス電圧検出部111によって 検出されるDCバス電圧値、バッテリ電圧検出 112によって検出されるバッテリ電圧値、及 バッテリ電流検出部113によって検出される ッテリ電流値に基づき、昇降圧駆動制御部1 20によって行われる。

 昇降圧コンバータ100は、一側がDCバス110 介してインバータ105(インバータ18及びイン ータ20)に接続されるとともに、他側がバッ リ19に接続されており、DCバス電圧値が一定 範囲内に収まるように昇圧又は降圧を切り える。具体的には、昇降圧駆動制御部120に いて、DCバス電圧検出部111によるDCバス電圧 検出値とDCバスの目標電圧値とを対比して制 指令値を算出し、昇圧用IGBT102A及び降圧用IG BT102Bのスイッチング制御を行う。電動発電機 12が電動(アシスト)運転を行う場合には、イ バータ18を介して電動発電機12に電力を供給 る必要があるため、DCバス電圧値を昇圧す 必要がある。一方、電動発電機12が発電運転 を行う場合には、発電された電力をインバー タ18を介してバッテリ19に充電する必要があ ため、DCバス電圧値を降圧する必要がある。 これは、旋回用電動機21の力行運転と回生運 においても同様であり、その上、電動発電 12はエンジン11の負荷状態に応じて運転状態 が切り替えられ、旋回用電動機21は上部旋回 3の旋回動作に応じて運転状態が切り替えら れるため、電動発電機12と旋回用電動機21に 、いずれか一方が電動(アシスト)運転又は力 行運転を行い、他方が発電運転又は回生運転 を行う状況が生じうる。

 このため、昇降圧コンバータ100は、電動 電機12と旋回用電動機21の運転状態に応じて 、DCバス電圧値を一定の範囲内に収まるよう 昇圧動作と降圧動作を切り替える制御を行 。

 このように、一定電圧蓄電部としてのDC ス110と変動電圧蓄電部としてのバッテリ19と の間に昇降圧コンバータ110を配置することで 、DCバス110の電圧値を予め定めた一定の範囲 に収まるように保持することができる。従 て、インバータ18、20に供給する電圧を安定 させることで、電動発電機12、旋回用電動機2 1の出力を安定させることができる。

 なお、図3には、蓄電器としてバッテリ19 示すが、バッテリ19の代わりに、コンデン 、充放電可能な二次電池、又は、電力の授 が可能なその他の形態の電源を蓄電器とし 用いてもよい。

 しかしながら、一般的な昇降圧コンバー には、電圧制御を行うことにおける課題が る。例えば、昇降圧コンバータでは、その 造上、昇圧用スイッチング素子と降圧用ス ッチング素子とを同時にオンにすると大電 が流れて危険である。さらに、電圧制御に る昇圧動作又は降圧動作を行っているとき 、電動発電機等の負荷が多大な電力を必要 している場合や、負荷の回生運転により多 な電力が充電用に供給される場合には、昇 圧コンバータ100が過負荷状態となり、スイ チング素子に過大な電流が流れ、スイッチ グ素子が損傷するおそれがあった。

 そこで、実施の形態2では、昇降圧駆動制 御部120に電圧制御部12、電流制御部122を備え ことで、電圧制御と電流制御とを切り替え 昇降圧コンバータ100の負荷が予め定められ 負荷以下となるように切替制御を行うこと した。

 「実施の形態2」
 図4は、実施の形態2のハイブリッド型建設 械に用いる昇降圧コンバータ100の制御装置 回路構成を制御ブロックで示す図である。 の図に示すように、昇降圧コンバータ100の 降圧駆動制御部120は、電圧制御部121、電流 御部122、制御切替部123、及び昇降圧切替部12 4を備える。

 この昇降圧駆動制御部120には、電源接続 子104、出力端子106、昇圧用PM(Power Module)125 及び降圧用PM126が接続される。これらは、図 3に示すハードウェア構成を実現可能とする うに接続される。すなわち、昇降圧駆動制 部120によって昇圧用PM125及び降圧用PM126に含 れる昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102BがPWM駆動 され、その結果、電源接続端子104からバッテ リ電圧Vbat(=vbat_det)及びバッテリ電流Ibat(=ibat_d et)が出力され、出力端子106からDCバス電圧Vout (=vdc_det)が出力されるように接続される。

 電圧制御部121は、目標電圧値Vout_refと、出 端子106から出力されるDCバス電圧Voutとの差 基づいてPI(Proportional
Integral)制御を行うことにより、昇圧用IBGT2及 降圧用IGBT102Bを駆動制御するための第1スイ チングデューティduty_vを演算する。この第1 スイッチングデューティduty_vの演算過程では 、制御部13において、電圧積分値Vout_Iが補正 れる。この補正の手法については後述する

 電流制御部122は、電流閾値Ibat_refと、電 接続端子104から出力されるバッテリ電流Ibat の差に基づいてPI制御を行うことにより、 圧用IBGT2及び降圧用IGBT102Bを駆動制御するた の第2スイッチングデューティduty_iを演算す る。この第2スイッチングデューティduty_iの 算過程では、制御部13において、電流積分値 Ibat_Iが補正される。この補正の手法について は後述する。

 ここでは、昇圧用IGBT102Aを駆動するため スイッチングデューティと、降圧用IGBT102Bを 駆動するためのスイッチングデューティとに 互いに異なる符号を用いて区別を図っている 。このため、上述した第1スイッチングデュ ティ及び前記第2スイッチングデューティの 々には、昇圧用IGBT102Aの駆動用に正の符号 付し、降圧用IGBT102Bの駆動用に負の符号を付 す。

 制御切替部123は、リアクトル101又はイン ータ105の負荷が所定負荷以下になるように 電圧制御部121又は電流制御部122のいずれか 選択的に切り替える。具体的には、電圧制 部121による駆動制御が行われているときに リアクトル101を通流する電流の絶対値が電 閾値よりも大きくなると、電流制御部122に る駆動制御に切り替える。また、電流制御 122による駆動制御が行われているときに、 力端子106の端子電圧値が目標電圧値よりも くなると、電圧制御部121による駆動制御に り替える。

 このような電圧制御と電流制御との切り えは、制御切替部123の切替部123Aによって行 われる。切替部123Aがプラス(+)に接続されて れば電圧制御が行われ、マイナス(-)に接続 れていれば電流制御が行われる。

 また、制御切替部123は、上述のように、 圧制御部121が演算する電圧積分値を第2スイ ッチングデューティを用いて補正するととも に、電流制御部122が演算する電流積分値を第 1スイッチングデューティを用いて補正する

 なお、補正手法については、以下で述べ が、電圧制御時は、制御切替部123の切替部1 23B及び123Cはプラス(+)側に接続され、電流制 時は、切替部123B及び123Cはマイナス(-)側に接 続される。

 ここで、電圧積分値Vout_I及び電流積分値Ibat _Iの補正について説明する。電圧制御部121と 流制御部122とで電圧制御用の第1スイッチン グデューティと電流制御用の第2スイッチン デューティとを演算すると、通常は、電圧 令と電流指令は一致しないので、電圧制御 電流制御の切替時に、昇圧用IGBT102A又は降圧 用IGBT102Bに供給されるデューティが不連続と るが、実施の形態1のハイブリッド型建設機 械の昇降圧コンバータ100では、電圧制御部121 と電流制御部122を切り替える際に、下記条件 (1)及び(2)を用いて、スイッチングデューティ の初期値を補正している。
(1)Vout_Iを(duty_i - Vout_P)に設定する。
(2)Ibat_Iを(duty_v - Ibat_P)に設定する。

 ここで、Vout_Iは電圧制御部121で演算され 電圧積分値、duty_iは電流制御部122で演算さ る第2スイッチングデューティ、Vout_Pは電圧 制御部121で演算される電圧比例値である。

 また、Ibat_Iは電流制御部122で演算される 流積分値、duty_vは電圧制御部121で演算され 第1スイッチングデューティ、Ibat_Pは電流制 御部122で演算される電流比例値である。

 制御切替部123は、条件(1)に示すように、 圧制御部121で演算される電圧積分値Vout_Iを 2スイッチングデューティduty_i及び電圧比例 値Vout_Pを用いて補正する。また、制御切替部 123は、条件(2)に示すように、電流制御部122で 演算される電流積分値Ibat_I を第1スイッチン グデューティduty_v及び電流比例値Ibat_Pを用い て補正する。

 電流制御状態では制御切替部123の切替部1 23A乃至123Cがすべてマイナス(-)側に接続され 状態となっている。この状態において、切 部123Aのマイナス(-)側には、電流制御部122でP I制御によって生成される電流制御指令値(duty _i)が入力され、電流制御が実行されている。 一方、切替部123Aのプラス(+)側では、切替部12 3Bにおいてマイナス(-)側に接続された状態と っているので、電圧積分値の補正値として( duty_i-Vout_P)が入力された状態となっている。

 ここで、電流制御から電圧制御に切り替 られると、制御切替部123の切替部123A乃至123 Cがすべてマイナス(-)側からプラス(+)側に切 替えられる。これにより、切替部123Bでは、 イナス(-)側からプラス(+)側に切り替えられ 直後における電圧積分値Vout_Iは、(duty_i-Vout_ P)に設定される。この電圧積分値Vout_I(=duty_i-V out_P)は、電圧比例値Vout_Pと加算されるため、 第1スイッチングデューティduty_vは、電流制 の最後に得られた第2スイッチングデューテ duty_iと等しい値となる。このように、制御 替部123をマイナス(-)側からプラス(+)側に切 替える際には、切替前の電流制御指令値(第 2スイッチングデューティ)の最後値と切り替 後の電圧制御指令値(第1スイッチングデュ ティ)の初期値が等しくなるように、切替後 電圧目標値の初期値が補正される。

 これにより、電流制御から電圧制御への り替え時に、切替部123Aがマイナス(-)からプ ラス(+)側に切り替えられても、切替部123Aの ラス(+)側とマイナス(-)側におけるデューテ の値は、電流制御の最後に得られた第2スイ チングデューティduty_iであるため、電圧制 への切り替え時における不連続性を解消す ことができる。

 また、同様に、電圧制御から電流制御に切 替えられると、切替部123Cでは、プラス(+)側 からマイナス(-)側に切り替えられた直後にお ける電流積分値Ibat_Iは、(duty_v
- Ibat_P)に設定される。この電流積分値Ibat_I(= duty_v - Ibat_P)は、電流比例値Ibat_Pと加算され るため、第2スイッチングデューティduty_iは 電圧制御の最後に得られた第1スイッチング ューティduty_vと等しい値となる。このよう 、制御切替部123をプラス(+)側からマイナス( -)側に切り替える際には、切替前の電流制御 令値(第1スイッチングデューティ)の最後値 切り替え後の電圧制御指令値(第2スイッチ グデューティ)の初期値が等しくなるように 切替後の電圧目標値の初期値が補正される

 これにより、電圧制御から電流制御への り替え時に、切替部123Aがプラス(+)側からマ イナス(-)側に切り替えられても、切替部123A プラス(+)側とマイナス(-)側におけるデュー ィの値は、電圧制御の最後に得られた第1ス ッチングデューティduty_vであるため、電流 御への切り替え時における不連続性を解消 ることができる。

 制御切替部123は、上述のように切替部123A を切り替えることにより、電圧制御部121から 得られる第1スイッチングデューティと、電 制御部122から得られる第2スイッチングデュ ティとのいずれかを昇圧用PM125及び降圧用PM 126を駆動するための駆動用デューティduty_ref して選択する。この選択は、バッテリ電流I batが電源供給電流閾値Ibat_refを超えると、電 制御部122(すなわち、第2スイッチングデュ ティ)による駆動制御に切り替え、DCバス電 Voutが出力目標電圧値Vout_refに復帰すると、 圧制御部121(すなわち、第1スイッチングデュ ーティ)による駆動制御部に復帰させること よって実現される。

 選択された駆動用デューティduty_refは、 降圧切替部124に伝送される。なお、この駆 用デューティduty_refは、第1スイッチングデ ーティ、又は第2スイッチングデューティの ずれかであるため、昇圧駆動用の駆動用デ ーティには正の符号が付され、降圧駆動用 駆動用デューティには負の符号が付される とになる。

 昇降圧切替部124は、制御切替部123から伝 される駆動用デューティduty_refの符号に基 き、この駆動用デューティduty_refによって駆 動されるパワーモジュールを昇圧用PM125又は 圧用PM126のいずれかに決定する。

 昇圧用PM(Power Module)125は、上述の昇圧用IG BT102Aと、この昇圧用IGBT102Aを駆動するための 動回路及び自己保護機能とを組み込んだパ ーモジュールである。

 同様に、降圧用PM126は、上述の降圧用IGBT1 02Bと、この降圧用IGBT102Bを駆動するための駆 回路及び自己保護機能とを組み込んだパワ モジュールである。

 なお、図4にはリアクトルを図示しないが 、電源接続端子104から出力されるバッテリ電 流Ibatは、リアクトルを通流する電流である

 なお、上述のように、降圧用PM126に含ま る降圧用IGBT102Bには、昇降圧切替部124から負 の駆動用デューティduty_refが伝送されるため 符号を反転(-1倍)するように構成されている 。

 図5は、昇降圧切替部124によって昇降圧動 作が切り替えられる際の状態遷移を概念的に 示す図である。表1は、図5に示す状態遷移と 動用デューティの関係を表す。ここで、説 の便宜上、モード0(Mode=0)を運転開始前の停 中、モード1(Mode=1)を昇圧中、モード2(Mode=2) 降圧中、モード3(Mode=3)を無動作(昇降圧切替 の間の停止中)とする。

 
 図5及び表1に示すように、昇降圧コンバー 100の運転開始時(モード0)に、駆動用デュー ィが0以上である場合は、昇降圧切替部124は 昇圧用PM125の駆動制御を実行させる。一方 駆動用デューティが負の値である場合は、 降圧切替部124は、電圧制御部121に降圧用PM126 の駆動制御を実行させる。

 また、昇圧用PM125の駆動制御が行われて る時(モード1)に、駆動用デューティが0以上 ある場合は、昇降圧切替部124は、昇圧用PM12 5の駆動制御を継続させる。一方、駆動用デ ーティが負の値である場合は、昇降圧切替 124は、昇圧用PM125の駆動制御を停止させる。

 また、降圧用PM126の駆動制御が行われて る時(モード2)に、駆動用デューティが0以上 ある場合は、昇降圧切替部124は、降圧用PM12 6の駆動制御を停止させる。一方、駆動用デ ーティが負の値である場合は、昇降圧切替 124は、降圧用PM126の駆動制御を継続させる。

 さらに、電圧制御部121及び電流制御部122 よる駆動制御が昇降圧の切替の間で共に停 状態であるとき(モード3)に、駆動用デュー ィが0以上である場合は、昇降圧切替部124は 、昇圧用PM125の駆動制御を行わせる。一方、 動用デューティが負の値である場合は、昇 圧切替部124は、降圧用PM126の駆動制御を実 させる。

 なお、昇降圧切替部124は、モード3におけ る停止期間には、駆動用デューティをオフに する。

 図6は、図5に示す状態遷移を時系列的に す動作説明図である。

 図6(a)は、昇圧動作から無動作を経て降圧 動作に遷移する場合の動作例を示す。このよ うに、昇圧動作と降圧動作との間には、駆動 用デューティをオフとする無動作(上述のモ ド3)の時間を設ける。例えば、200μ秒毎に昇 圧の制御を行う場合は、昇圧動作から降圧 作に遷移する間の200μ秒だけ無動作による 止期間が設けられる。これにより、昇降圧 替時に、安定的な動作を実現できる。

 同様に、図6(b)は、降圧動作から無動作を 経て昇圧動作に遷移する場合の動作例を示す 。図6(c)は、昇圧動作から無動作を経て降圧 作に遷移し、再び無動作を経て昇圧動作に 移する場合の例を示す。これらは、図6(a)に す場合と同様で、昇圧動作から降圧動作に 移する場合に無動作の状態を経る種々の場 を示す。

 図6(d)は、昇圧動作と降圧動作の切替が頻 繁に行われる場合の動作例を示す。このよう に、昇降圧の切替が頻繁に行われる場合は、 昇圧動作と降圧動作との切替動作に加えて、 昇圧動作から無動作を経て再び昇圧動作にな る場合も含まれる。このように同一の動作に 復帰する場合でも、無動作の時間は制御周期 の1周期(200μ秒)と短いため、安定的な昇降圧 御を実現できる。

 図7は、電圧制御と電流制御の切替条件を 概念的に示す図である。図8は、昇圧動作中 おける電圧制御と電流制御の切替動作を説 するための動作例を示す図である。図9は、 圧動作中における電圧制御と電流制御の切 動作を説明するための動作例を示す図であ 。このような電圧制御と電流制御の切替動 は、切替制御部13によって実行される。

 図7(a)に示すように、昇圧動作中で、電圧 制御部121による電圧制御が行われているとき に、バッテリ電流Ibatの電流値が電源供給電 閾値Ibat_refよりも大きくなると、リアクトル 101に出力端子106に向かう方向の過大電流が通 流することを防ぐために、切替制御部13は、 流制御部122による駆動制御に切り替える。 れは、図8に示す時系列において最初の電圧 制御から電流制御に遷移した場合に対応する 。

 例えば、インバータ105の電力消費量が多 場合、つまり、電動発電機12の電動量や旋 電動機21の力行量が多い場合には、リアクト ル101を始めとする回路素子に許容電流値より も多い過電流が通流することによって、回路 素子が損傷を受ける場合がある。このため、 リアクトル101に通流するバッテリ電流Ibatの 流値が電源供給電流閾値Ibat_ref以上に大きく なった場合には、電流制御部122による駆動制 御に切り替える。

 また、電流制御部122による駆動制御に切 替えられると、電動発電機12や旋回用電動 21の要求量以上に電流を通流させることがで きなくなるため、DCバス110に蓄電された電力 消費して運転を継続する。従って、図8に示 すように、DCバス電圧Voutは、出力目標電圧値 Vout_refから大きく低下し始める。インバータ1 05の負荷の状態が変わらない限り変化しない

 そして、電流制御部122による駆動制御が われているときに、電動発電機12の電動量 又は旋回用電動機21の力行量が小さくなるこ とによりDCバス電圧Voutが出力目標電圧値Vout_r efに復帰すると、つまり、DCバス電圧Voutが出 目標電圧値Vout_ref以上になると、切替制御 13は、電圧制御部121による駆動制御に切り替 える。これは、図8に示す電流制御から、時 列において最後の電圧制御に遷移した場合 対応する。これにより、DCバス110の電圧値が 過剰に高くなることを防止することができる 。その結果、DCバス110の電圧値を安定させる とができ、インバータ18、20の制御性を安定 させることができる。

 逆に、図7(b)に示すように、降圧動作中で 、電圧制御部121による電圧制御が行われてい るときに、例えば、電動発電機12の発電量又 旋回用電動機21の回生量が多い場合にも同 に、リアクトル101をはじめとする回路素子 許容電流値よりも多い過電流が通流するこ によって、回路素子が損傷を受ける場合が る。このため、バッテリ電流Ibatが電源供給 流閾値Ibat_ref以下になると、リアクトル101 電源接続端子104に向かう方向の過大電流が 流することを防ぐために、切替制御部13は、 電流制御部122による駆動制御に切り替える。 これは、図9に示す時系列において最初の電 制御から電流制御に遷移した場合に対応す 。ここで、降圧中のバッテリ電流Ibat_と電源 供給電流閾値Ibat_refとは負の値を持つ。

 また、電流制御部122による駆動制御が行 れているときに、DCバス電圧Voutが出力目標 圧値Vout_refに復帰すると、つまり、DCバス電 圧Voutが出力目標電圧値Vout_ref以下になると、 切替制御部13は、電圧制御部121による駆動制 に切り替える。これは、図9に示す電流制御 から、時系列において最後の電圧制御に遷移 した場合に対応する。その結果、DCバス110の 圧値を安定させることができ、インバータ1 8、20の制御性を安定させることができる。

 以上のように、実施の形態2のハイブリッ ド型建設機械によれば、電流制御部122で演算 される第2スイッチングデューティを用いて 圧制御部121で電圧積分値を演算し、また、 圧制御部121で演算される第1スイッチングデ ーティを用いて電流制御部122で電流積分値 演算する。その上で、バッテリ電流Ibatの絶 対値が電源供給電流閾値Ibat_refを超えると、 流制御部122による駆動制御に切り替え、DC ス電圧Voutが出力目標電圧値Vout_refに復帰す と、電圧制御部121による駆動制御部に復帰 せる。

 このように、電圧制御を基本としつつ、 ッテリ電流Ibatが過大になると、回路を保護 するために電流制御に切り替える。そして、 その切り替えのときに、昇圧用IGBT102A及び降 用IGBT102Bの両方を停止させる停止期間(無動 )を設けるので、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT 102Bを損傷させることなく、昇圧動作と降圧 作との切り替えを安定的に行うことのでき ハイブリッド型建設機械を提供できる。

 以上では、出力端子106にインバータ105を 接接続する形態について説明したが、これ 代えて、出力端子106にインバータを介して 流駆動されるモータを接続してもよい。

 ところで、昇降圧コンバータ100をフィー バック制御する場合には、昇圧動作と降圧 作の切替点に近い電流値が微小な領域(低電 流領域)において、電流の立ち上がりが遅れ ため、デューティ指令に対して電流の応答 遅れるという課題がある。

 このような電流応答の遅れは、デューテ 指令に対する電流の特性に図15に示すよう 不感帯領域として現れる。この不感帯医療 内では電流値が小さいため、昇圧動作又は 圧動作が適切に行われず、昇降圧コンバー と電動発電機等の負荷との間にあるDCバスの 電圧値が変動しやすくなる。このため、不感 帯領域内でDCバス電圧値が変動すると、DCバ から負荷に供給される電圧も変動するため 電動発電機等の負荷を正確に制御しにくく るという課題があった。

 また、降圧動作を行う際に、電流応答の れによりDCバス電圧が上昇しすぎると、電 発電機等の負荷のドライバは過電圧で損傷 る恐れがあった。これとは逆に、昇圧動作 行う際に、DCバス電圧が低下し過ぎて蓄電器 の電圧と同等になると、蓄電器から負荷に常 に電流が流れることにより、電動発電機等の 負荷を制御しにくくなるという課題があった 。

 そこで、実施の形態3において、スイッチ ング素子を損傷することなく昇圧動作と降圧 動作を行うことができるとともに、昇圧動作 と降圧動作の切替点付近における応答性を向 上させた昇降圧コンバータを用いたハイブリ ッド型建設機械を提供する。

 「実施の形態3」
 実施の形態3のハイブリッド型建設機械は、 実施の形態1と同一の昇降圧コンバータ100を いる。このため、実施の形態3では図3を援用 する。実施の形態3は、図2に示す実施の形態1 の昇降圧駆動制御部120の替わりに駆動制御部 200を用いる点が実施の形態1と異なる。

 昇降圧コンバータ100において、DCバス110 昇圧する際には、昇圧用IGBT102Aのゲート端子 にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bに並列に接 されたダイオード102bを介して、昇圧用IGBT10 2Aのオン/オフに伴ってリアクトル101に発生す る誘導起電力をDCバス110に供給する。これに り、DCバス110が昇圧される。

 また、DCバス110を降圧する際には、降圧 IGBT102Bのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧 用IGBT102Bを介して、インバータ105から供給さ る回生電力をDCバス110からバッテリ19に供給 する。これにより、DCバス110に蓄積された電 がバッテリ19に充電され、DCバス110が降圧さ れる。

 ところで、モータ19の力行運転及び回生 転に際しては、力行運転に必要な電力はDCバ ス110からインバータ105を介してモータ19に供 されるとともに、回生運転によって得られ 電力はモータ19からインバータ105を介してDC バス110に供給されるため、DCバス110の電圧値 変動する。

 しかしながら、実施の形態3のハイブリッ ド型建設機械によれば、以下で説明する制御 手法によって昇圧動作と降圧動作の切替点付 近における電流の応答性を向上させ、これに よりDCバス110の電圧値を一定の範囲内に保持 る。

 図10は、実施の形態3のハイブリッド型建 機械の昇降圧コンバータの駆動制御装置の 路構成を示す制御ブロック図である。この に示すように、実施の形態3の昇降圧コンバ ータの駆動制御部200は、図2に示す実施の形 1における昇降圧駆動制御部120に替わるもの あり、電圧制御指令生成部201、電圧制御部2 02、PWM指令算出部203、PWM指令合算部204、昇降 切替制御部205、補償値算出部206、及び補償 切替部207を含む。

 これらのうち、電圧制御指令生成部201、 圧制御部202、PWM指令算出部203、PWM指令合算 204、及び昇降圧切替制御部205は、DCバス電 値(vdc_det)とDCバス目標電圧値(vdc_ref)との偏差 に基づくPI制御により昇降圧コンバータ100を 動するための駆動指令を生成するフィード ックループを形成する。このフィードバッ ループは、駆動指令を生成するための主制 部として機能する。

 また、PWM指令合算部204、補償値算出部206 及び補償値切替部207は、DCバス電圧値(vdc_det )、バッテリ電圧値(vbat_det)、及びバッテリ電 値(ibat_det)を用いて昇降圧コンバータ100の駆 動指令を補償するための補償値を演算し、こ の補償値を駆動指令に合算するためのフィー ドフォワードループを形成する。

 なお、バッテリ電流値(ibat_det)は、バッテ リ19からDCバス110へ流れる方向を正とする。

 「各部の説明」
 電圧制御指令生成部201は、DCバス110の目標 圧となるDCバス目標電圧値(vdc_ref)を出力する 。モータ19の駆動開始前におけるDCバス電圧 0(V)であるため、このDCバス目標電圧値(vdc_ref )は、モータ19の駆動開始により0(V)から徐々 上昇し、モータ19の駆動が立ち上がってDCバ 電圧が所定値を超えると、一定値に保持さ るように設定されている。DCバス目標電圧 (vdc_ref)は、電圧制御部202と補償値切替部207 入力される。

 電圧制御部202は、DCバス電圧値(vdc_det)とDC バス目標電圧値(vdc_ref)に近づけるように(す わち、この偏差を小さくするように)PI制御 行い、そのために必要な電圧制御指令(datl) 演算する。生成された電圧制御指令(datl)は PWM指令算出部203に入力される。

 PWM指令算出部203は、電圧制御指令(datl)をP WM制御に必要なデューティ値を表すPWM電圧指 値(pwm_v)に変換するための算出処理を行う。 算出されたPWM電圧指令値(pwm_v)は、PWM指令合 部204に入力される。

 PWM指令合算部204は、PWM指令算出部203から 力されるPWM電圧指令値(pwm_v)と、補償値算出 部206から入力される補償デューティ値(pwm_duty )とを補償値切替部207から入力されるフラグ(d uty.flg)の値に応じて合算し、合算デューティ (pwm_sum)を出力する合算処理を行う(合算部と しての機能)。この合算処理は、PWM指令合算 204の不感帯補償機能により、フラグ(duty.flg) 値に応じて、PWM電圧指令値(pwm_v)と補償デュ ーティ値(pwm_duty)との合算の手法が変更され 。この不感帯補償機能による合算処理につ ては後述する。

 なお、PWM指令合算部204で出力される合算 ューティ値(pwm_sum)は、PWMデューティ値に変 される前の制御量(%)である。

 昇降圧切替制御部205は、合算デューティ (pwm_sum)をPWMデューティ値であるデューティ 令値(pwm_ref)に変換する。このデューティ指 値(pwm_ref)は、昇降圧コンバータ100の昇圧用I GBT102Aと降圧用IGBT102Bを駆動するためのPWMデュ ーティを表す値(%)である。

 ここで、デューティ指令値(pwm_ref)は、昇 用の値に正の符号を付し、降圧用の値に負 符号を付して昇降圧用の値を区別する。こ ため、昇降圧切替制御部205は、デューティ 令値(pwm_ref)が正の値である場合は、デュー ィ指令値(pwm_ref)を昇圧用IGBT102Aに送り、デ ーティ指令値(pwm_ref)が負の値である場合は デューティ指令値(pwm_ref)を降圧用IGBT102Bに送 る。

 補償値算出部206は、DCバス電圧値(vdc_det) バッテリ電圧値(vbat_det)、及びバッテリ電流 (ibat_det)に基づき、PWM電圧指令値(pwm_v)を補 するための不感帯補償機能による合算処理 必要な補償デューティ値(pwm_duty)を算出する この補償デューティ値(pwm_duty)は、昇降圧コ ンバータ100のPWMデューティに対する電流の特 性(図15参照)における昇圧側又は降圧側の変 点を表すPWMデューティ値に相当する制御量 ある。変曲点を表すPWMデューティ値に相当 る制御量は、降圧側の値はDCバス電圧値(vdc_d et)に対するバッテリ電圧値(vbat_det)の比(vbat_de t)/(vdc_det)で与えられ、昇圧側の値は、{1-(vbat_ det)/(vdc_det)}で与えられるる。補償値算出部206 は、DCバス電圧値(vdc_det)に対するバッテリ電 値(vbat_det)の比(vbat_det)/(vdc_det)を表す制御量 補償デューティ値(pwm_duty)として算出し、補 償値切替部207に入力する。

 補償値切替部207は、DCバス目標電圧値(vdc_ ref)、DCバス電圧値(vdc_det)、及びバッテリ電流 値(ibat_det)に基づいてフラグ(duty.flg)を導出し このフラグ(duty.flg)と補償デューティ値(pwm_d uty)をPWM指令合算部204に入力する処理を行う フラグ(duty.flg)は「-1」、「0」又は「+1」の ずれかの値をとる。このフラグ(duty.flg)は、 述する不感帯補償機能による合算処理に用 られる。

 図11は、実施の形態3のハイブリッド型建 機械の昇降圧コンバータの駆動制御装置の 償値切替部207で導出するフラグ(duty.flg)と、 昇降圧コンバータ100の駆動領域との関係を示 す図である。

 図11において、横軸はバッテリ電流値(ibat _det)、縦軸はDCバス電圧偏差{DCバス目標電圧 (vdc_ref)-DCバス電圧値(vdc_det)}である。

 ここで、バッテリ電流値(ibat_det)は、バッ テリ19からDCバス110へ流れる方向を正とする め、横軸が正の領域は、DCバス110を昇圧する (リアクトル101からDCバス110に電力を供給する )領域である。この動作が継続されると、バ テリ19に蓄積された電力がDCバス110へ供給さ る(バッテリ19からDCバス110への放電が行わ る)。これに対して横軸が負の領域は、DCバ 110を降圧する(バッテリ19を充電する)領域で る。

 また、縦軸のDCバス電圧偏差は、{DCバス 標電圧値(vdc_ref)-DCバス電圧値(vdc_det)}で表さ るため、縦軸が正の領域は、DCバス目標電 値(vdc_ref)よりもDCバス電圧値(vdc_det)が低く、 DCバス110の電圧が降下している領域である。 の領域では、モータ等の負荷の変動により DCバス電圧値(vdc_det)が低下するので、昇降 コンバータ100は、DCバス電圧値(vdc_det)を昇圧 するための制御を行う。その結果、バッテリ 19からDCバス110への放電が行われる。これに して縦軸が負の領域は、DCバス目標電圧値(vd c_ref)よりもDCバス電圧値(vdc_det)が高く、DCバ 110の電圧が上昇している領域である。この 域では、モータ等の負荷の変動により、DCバ ス電圧値(vdc_det)が上昇するので、昇降圧コン バータ100は、DCバス電圧値(vdc_det)を低下させ ために、バッテリ19を充電するための制御 行う。

 横軸には、中央のバッテリ電流値(ibat_det) =0の軸を挟み、-bat_Iと+bat_Iの2つの閾値が設定 されている。これにより、昇降圧コンバータ 100の駆動領域は、横軸方向において、バッテ リ電流値(ibat_det)に応じて、-bat_I≦バッテリ 流値(ibat_det)、-bat_I<バッテリ電流値(ibat_det )<+bat_I、+bat_I≦バッテリ電流値(ibat_det)の3 の領域に分けられている。なお、予め定め れた閾値である-bat_Iと+bat_Iとの間は、従来 昇降圧コンバータであれば不感帯領域(図15 照)が生じるような電流値の微小な領域であ 。

 また、縦軸には、DCバス電圧偏差{DCバス 標電圧値(vdc_ref)-DCバス電圧値(vdc_det)}=-dc_V、0 、+dc_Vの3つの予め定められた閾値が設定され ている。これにより、昇降圧コンバータ100の 駆動領域は、縦軸方向において、DCバス電圧 差に応じて、DCバス電圧偏差≦-dc_V、-dc_V< DCバス電圧偏差<0、0≦DCバス電圧偏差<+dc_ V、+dc_V≦DCバス電圧偏差の4つの領域に分けら れる。

 ここで、縦軸における予め定められた閾 は、DCバス110の特性に基づく制御精度に対 して決定される。閾値+dc_Vを大きくすると、 切替が起こりづらくなり、DCバス110が過電圧 なってしまう。一方、閾値+dc_Vを小さくす と、切替が頻繁に行ってしまい、電流補償 過多となり、その結果、DCバス110を流れる電 流の損失が大きくなってしまう。これは、閾 値-dc_Vの絶対値についても同様である。

 このように横軸及び縦軸に閾値を設定す ことにより、昇降圧コンバータ100の駆動領 は、図11に示すようにマトリクス状に配置 れる12個の領域(1)~(12)に区分される。昇降圧 ンバータ100の駆動時には、バッテリ電流値( ibat_det)とDCバス電圧偏差{DCバス目標電圧値(vdc _ref)-DCバス電圧値(vdc_det)}が変動するため、駆 動領域は(1)~(12)の中で遷移する。これにより 異なる処理形態への切替判断を簡単に行う とができるだけでなく、迅速に不感帯補償 能を起動することができる。

 なお、上述したように、フラグ(duty.flg)は 、後述する不感帯補償機能による合算処理に 用いられるフラグであり、フラグ(duty.flg)が +1」であることは昇圧動作中において不感帯 補償機能が起動状態であることを表し、フラ グ(duty.flg)が「-1」であることは降圧動作中に 不感帯補償機能が起動状態であることを表す 。また、フラグ(duty.flg)が「0」であることは 感帯補償機能が解除状態であることを表す なお、不感帯機能は、起動開始されて起動 態となり、起動終了されて解除状態となる

 「駆動領域(1)~(12)の説明」
 領域(1)は「バッテリ電流値(ibat_det)≦-bat_I、 かつ、+dc_V≦DCバス電圧偏差」の駆動領域で る。駆動領域が領域(1)に遷移しても、充放 の切替から離れた領域、すなわち、DCバス110 の電流不感帯から離れた領域であるため、そ のままのフラグを用いることができる。具体 的には、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フ ラグ(duty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前 のduty.flg)。

 領域(2)は「-bat_I<バッテリ電流値(ibat_det )<+bat_I、かつ、+dc_V≦DCバス電圧偏差」の駆 動領域である。駆動領域が領域(2)に遷移した 場合は、フラグ(duty.flg)を「+1」に設定する(du ty.flg=+1)。ここで、領域(2)に遷移した場合に フラグ(duty.flg)を「+1」に設定するのは、昇 動作中においてバッテリ電流値(ibat_det)が絶 値で閾値よりも小さく、かつ、DCバス電圧 差が閾値(+dc_V)以上である場合には、DCバス 圧値(vdc_det)が比較的低くてDCバス110の昇圧が 必要な状態であるのに、電流が十分に流れて いない状態であるため、不感帯補償機能を起 動開始させてバッテリ電流値(ibat_det)を増大 せることにより、昇圧動作を促進するため ある。ここで、フラグ(duty.flg)の「+1」への 替は、例えば、領域(5)においてフラグ(duty.fl g)が「0」の状態からDCバス電圧偏差が大きく り、+dc_Vを超えて領域(2)になった場合に実 される。これにより、DCバス電圧偏差に基づ く充放電制御を行う際に、DCバス110の不感帯 おいて強引に電流を流すべく、後述するPWM 圧指令値(pwm_v)を補償する操作が起動される 。

 領域(3)は「+bat_I≦バッテリ電流値(ibat_det) 、かつ、+dc_V≦DCバス電圧偏差」の駆動領域 ある。駆動領域が領域(3)に遷移した場合は フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラグ(duty .flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回のduty.f lg)。

 領域(4)は「バッテリ電流値(ibat_det)≦-bat_I 、かつ、0≦DCバス電圧偏差<+dc_V」の駆動領 域である。駆動領域が領域(4)に遷移した場合 は、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラグ (duty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回のd uty.flg)。

 領域(5)は「-bat_I<バッテリ電流値(ibat_det )<+bat_I、かつ、0≦DCバス電圧偏差<+dc_V」 駆動領域である。すなわち、DCバス電圧偏 が小さく、バッテリ電流値(ibat_det)も充放電 切り替わる遷移領域に相当する。駆動領域 領域(5)に遷移した場合において、遷移前の( 前回の)フラグ(duty.flg)が「-1」又は「0」の場 は、(今回の)フラグ(duty.flg)を「0」に設定し 、遷移前の(前回の)フラグ(duty.flg)が「+1」の 合は、(今回の)フラグ(duty.flg)を(前回の)フ グ(duty.flg)と同一の値「+1」に設定する。

 ここで、領域(5)に遷移した場合において 遷移前の(前回の)フラグ(duty.flg)が「-1」の 合に(今回の)フラグ(duty.flg)を「0」に設定す のは、フラグ(duty.flg)が「-1」であって降圧 作時において不感帯補償機能が起動されて る状態から、バッテリ電流値(ibat_det)が絶対 値で閾値よりも小さく、かつ、DCバス電圧偏 が閾値(+dc_V)未満の状態(領域(5))に遷移した 合には、遷移前の降圧動作時における不感 補償機能によってDCバス電圧値(vdc_det)は十 に降圧されており、領域(5)に遷移した後は 感帯補償機能によるバッテリ電流値(ibat_det) 増大は不要と考えられるためである。これ より、DCバス電圧偏差に基づく充放電制御 おいて、後述するPWM電圧指令値(pwm_v)を補償 る操作が解除される。

 領域(6)は「+bat_I≦バッテリ電流値(ibat_det) 、かつ、0≦DCバス電圧偏差<+dc_V」の駆動領 域である。駆動領域が領域(6)に遷移した場合 は、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラグ (duty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回のd uty.flg)。

 領域(7)は「バッテリ電流値(ibat_det)≦-bat_I 、かつ、-dc_V<DCバス電圧偏差<0」の駆動 域である。駆動領域が領域(7)に遷移した場 は、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラ (duty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回の duty.flg)。

 領域(8)は「-bat_I<バッテリ電流値(ibat_det )<+bat_I、かつ、-dc_V<DCバス電圧偏差<0」 の駆動領域である。駆動領域が領域(8)に遷移 した場合において、遷移前の(前回の)フラグ( duty.flg)が「-1」の場合は、(今回の)フラグ(duty .flg)を(前回の)フラグ(duty.flg)と同一の値「-1 に設定し、遷移前の(前回の)フラグ(duty.flg) 「0」又は「+1」の場合は、(今回の)フラグ(du ty.flg)を「0」に設定する。

 ここで、領域(8)に遷移した場合において 遷移前の(前回の)フラグ(duty.flg)が「+1」の 合に(今回の)フラグ(duty.flg)を「0」に設定す のは、フラグ(duty.flg)が「+1」であって昇圧 作時において不感帯補償機能が起動されて る状態から、バッテリ電流値(ibat_det)が絶対 値で閾値よりも小さく、かつ、DCバス電圧偏 が閾値(-dc_V)より高い状態(領域(8))に遷移し 場合には、遷移前の昇圧動作時における不 帯補償機能によってDCバス電圧値(vdc_det)は 分に昇圧されており、領域(8)に遷移した後 不感帯補償機能によるバッテリ電流値(ibat_de t)の増大は不要になったと考えられるためで る。これにより、DCバス電圧偏差に基づく 放電制御において、後述するPWM電圧指令値(p wm_v)を補償する操作が解除される。

 領域(9)は「+bat_I≦バッテリ電流値(ibat_det) 、かつ、-dc_V<DCバス電圧偏差<0」の駆動 域である。駆動領域が領域(9)に遷移した場 は、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラ (duty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回の duty.flg)。

 領域(10)は「バッテリ電流値(ibat_det)≦-bat_ I、かつ、DCバス電圧偏差≦-dc_V」の駆動領域 ある。駆動領域が領域(10)に遷移した場合は 、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラグ(du ty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回のduty .flg)。

 領域(11)は「-bat_I<バッテリ電流値(ibat_de t)<+bat_I、かつ、DCバス電圧偏差≦-dc_V」の 動領域である。駆動領域が領域(11)に遷移し 場合は、フラグ(duty.flg)を「-1」に設定する( duty.flg=+1)。ここで、領域(11)に遷移した場合 、フラグ(duty.flg)を「-1」に設定するのは、 圧動作中においてバッテリ電流値(ibat_det)が 対値で閾値よりも小さく、かつ、DCバス電 偏差が閾値(-dc_V)以下である場合には、DCバ 電圧値(vdc_det)が比較的上昇していてDCバス110 の降圧が必要な状態であるのに、DCバス110か バッテリ19へ電流が十分に流れていない状 であるため、不感帯補償機能を起動開始さ ることにより、DCバス110からバッテリ19の方 に流れる電流として負の値で表されるバッ リ電流値(ibat_det)を絶対値で増大させること により、降圧動作を促進するためである。

 領域(12)は「+bat_I≦バッテリ電流値(ibat_det )、かつ、DCバス電圧偏差≦-dc_V」の駆動領域 ある。駆動領域が領域(12)に遷移した場合は 、フラグ(duty.flg)を遷移前の(前回の)フラグ(du ty.flg)と同一の値に設定する(duty.flg=前回のduty .flg)。

 ここで、昇降圧コンバータ100の起動時は バッテリ電流値(ibat_det)=0、かつ、DCバス電 偏差{DCバス目標電圧値(vdc_ref)-DCバス電圧値(v dc_det)}=0」であり、この駆動状態は領域(5)に まれる。このため、昇降圧コンバータ100の 動時には、図11に示す駆動領域は、領域(5)か ら始まり、バッテリ電流値(ibat_det)とDCバス電 圧偏差{DCバス目標電圧値(vdc_ref)-DCバス電圧値 (vdc_det)}の変化により、他の領域に遷移する

 従って、不感帯補償機能が起動開始され のは、フラグ(duty.flg)が「0」の状態から駆 領域が領域(2)に遷移してフラグ(duty.flg)が「+ 1」に変化した場合、又は、フラグ(duty.flg)が 0」の状態から駆動領域が領域(11)に遷移し フラグ(duty.flg)が「-1」に変化した場合であ 。すなわち、不感帯補償機能は、DCバス電圧 偏差が絶対値で所定電圧値(dc_V)以上で、かつ 、バッテリ電流値(ibat_det)が絶対値で所定の 電流値(bat_I)未満になると起動開始される。

 また、不感帯補償機能が起動終了されるの 、フラグ(duty.flg)が「-1」の状態から駆動領 が領域(5)に遷移してフラグ(duty.flg)が「0」 変化した場合、又は、フラグ(duty.flg)が「+1 の状態から駆動領域が領域(8)に遷移してフ グ(duty.flg)が「0」に変化した場合である。す なわち、不感帯補償機能は、バッテリ電流値 (ibat_det)が絶対値で所定の低電流値(bat_I)未満 、かつ、DCバス電圧偏差が零になった場合 又は、DCバス電圧偏差の符号が反転した場合 に起動終了される、
 その他の場合において、駆動領域が遷移し もフラグ(duty.flg)が「0」のままである場合 、不感帯補償機能は解除状態に保持され、 動領域が遷移してもフラグ(duty.flg)が「-1」 は「+1」のままの場合は、不感帯補償機能は 起動状態に保持される。

 なお、上述のように、横軸が負の領域はD Cバス110を降圧する(バッテリ19を充電する)領 であり、縦軸が正の領域はDCバス110の電圧 降下している領域であるため、領域(1)と領 (4)は、通常は経由しない駆動領域である。

 同様に、横軸が正の領域はDCバス110を昇 する(リアクトル101からDCバス110に電力を供 する)領域であり、縦軸が負の領域はDCバス11 0の電圧が上昇している領域であるため、領 (9)と領域(12)は、通常は経由しない駆動領域 ある。

 「不感帯補償機能による合算処理」
 次に、PWM指令合算部204の処理内容(不感帯補 償機能による合算処理)について説明する。 こで、不感帯補償機能は、フラグ(duty.flg)が -1」又は「+1」の場合に起動状態とされ、フ ラグ(duty.flg)が「0」の場合は解除状態とされ 。

 PWM指令合算部204は、フラグ(duty.flg)の値に 応じて合算の手法を以下のように切り替える 。

 フラグ(duty.flg)が「0」の場合は、補償デ ーティ値(pwm_duty)は合算されず(補償デューテ ィ値(pwm_duty)を零として合算し)、合算デュー ィ値(pwm_sum)としてPWM電圧指令値(pwm_v)を出力 する。すなわち、合算デューティ値(pwm_sum)=PW M電圧指令値(pwm_v)となる。

 フラグ(duty.flg)が「1」の場合は、昇圧用 補償デューティ値(pwm_duty)をPWM電圧指令値(pwm _v)に合算する。すなわち、合算デューティ値 (pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)+昇圧用の補償デュ ーティ値(pwm_duty)となる。

 フラグ(duty.flg)が「-1」の場合は、昇圧用 補償デューティ値(pwm_duty)をPWM電圧指令値(pw m_v)に合算する。すなわち、合算デューティ (pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)-昇圧用の補償デ ーティ値(pwm_duty)となる。

 このように、補償デューティ値(pwm_duty)は 、フラグ(duty.flg)が「1」又は「-1」の場合に 算される。

 また、PWM指令合算部204は、フラグ(duty.flg) が「0」から「1」又は「-1」に変化する際(不 帯補償機能が起動開始される際)には、変曲 点を表すPWMデューティ値に相当する制御量が 補償デューティ値(pwm_duty)として加えられる そして、PWM指令算出部203から出力されるPWM 圧指令値(pwm_v)に含まれる積分成分値(I成分 )と比例成分値(P成分値)に対して、積分成分 (I成分値)を比例成分値(P成分値)の反数に置 換える処理を行う。これにより、PWM電圧指 値(pwm_v)の値は零となる(置換部としての機 )。

 また、これとは逆に、PWM指令合算部204は フラグ(duty.flg)が「1」又は「-1」から「0」 変化する際(不感帯補償機能が起動終了され 際)には、PWM指令算出部203から出力されるPWM 電圧指令値(pwm_v)に含まれる積分成分値(I成分 値)の値を不感帯補償機能を起動終了直前の 分成分値(I成分値)と補償デューティ値(pwm_dut y)との合計値に置き換える(置換部としての機 能)。

 次に、上述のような不感帯補償機能によ 合算処理について図12及び図13を用いて説明 する。

 「降圧時の不感帯補償機能による合算処理
 図12は、実施の形態3の昇降圧コンバータ100 駆動制御装置における降圧時の不感帯補償 能による合算処理を説明するための原理図 あり、(a)は不感帯補償機能の起動開始時の 理、(b)は不感帯補償機能の起動終了時の処 、(c)は不感帯補償機能の起動中の処理をそ ぞれ時間経過で示す。この不感帯補償機能 よる合算処理は、PWM指令合算部204によって 行される。

 なお、図中、PWM電圧指令値(pwm_v)の棒グラ フ中に示すP及びIは、比例成分値(P成分値)と 分成分値(I成分値)の割合を表す。

 ここで、降圧時に不感帯補償機能が起動 始されるのは、フラグ(duty.flg)が「0」の状 から駆動領域が領域(11)に遷移してフラグ(dut y.flg)が「-1」に変化する場合である。また、 の不感帯補償機能が起動終了されるのは、 ラグ(duty.flg)が「-1」の状態から駆動領域が 域(5)に遷移してフラグ(duty.flg)が「0」に変 した場合である。

 図12(a)に示すように、不感帯補償機能の 動開始前(フラグ(duty.flg)=「0」の場合)は、補 償値切替部207から入力される補償デューティ 値(pwm_duty)は零にされているため、合算デュ ティ値(pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)となる。

 次に、駆動領域が領域(11)に遷移すること によってフラグ(duty.flg)が「-1」に変化して不 感帯補償機能が起動開始されると、補償デュ ーティ値(pwm_duty)がPWM電圧指令値(pwm_v)に合算 れ、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電圧指令値 (pwm_v)+補償デューティ値(pwm_duty)となる。

 このとき、図12(a)に示すように、PWM電圧 令値(pwm_v)に含まれる比例成分値(P成分値)は 不感帯補償機能の起動開始前後で同一の値 有するが、不感帯補償機能の起動開始直後 積分成分値(I成分値)は、比例成分値(P成分 )の反数に置き換えられている。このように 不感帯補償機能が起動開始された直後は、P WM電圧指令値(pwm_v)の値は零となるようにする 。

 このため、実際には、合算デューティ値( pwm_sum)=補償デューティ値(pwm_duty)となる。

 ここで、補償デューティ値(pwm_duty)の値は 、補償デューティ値(pwm_duty)は、昇降圧コン ータ100のPWMデューティ値に対する電流値の 性における降圧側の変曲点を表すPWMデュー ィ値に相当する制御量となる。その後、補 デューティ値(pwm_duty)とPWMデューティ値とを 算した値に基づき、デューティ指令値(pwm_re f)が求められ、充放電制御が行われる。

 従って、実施の形態3のハイブリッド型建 設機械によれば、昇降圧コンバータ100のバッ テリ電流値(ibat_det)の絶対値が所定値未満で かつ、DCバス電圧偏差が絶対値で所定値以上 であり、DCバス電圧値(vdc_det)が上昇して降圧 作が必要な場合に、十分なバッテリ電流値( ibat_det)が得られないと判定した場合は、不感 帯補償機能を起動開始することにより、PWM指 令合算部204において、PWM電圧指令値(pwm_v)に 償デューティ値(pwm_duty)を合算するので、図1 2(c)に示すように合算デューティ値(pwm_sum)が 対値で増大され、これにより、昇降圧コン ータ100を駆動するための最終的なデューテ 指令値(pwm_ref)が絶対値で増大される。この め、DCバス110からバッテリ19の方向に流れる 流が増大され、従来のように、低電流領域 おいてPWMデューティに対して電流の応答が れることがなく、電流応答性が良好でDCバ 110の電圧値を一定の範囲内に保持すること できる昇降圧コンバータ100の駆動制御装置 提供することができる。

 次に、図12(b)を用いて降圧時における不 帯補償機能を起動終了する際の動作を説明 る。不感帯補償機能の起動状態(フラグ(duty.f lg)=「-1」の場合)では、補償値切替部207から 力される補償デューティ値(pwm_duty)が合算さ ているため、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電 圧指令値(pwm_v)+補償デューティ値(pwm_duty)とな る。

 次に、フラグ(duty.flg)が「0」に変化して 感帯補償機能が起動終了されると、補償デ ーティ値(pwm_duty)が零にされ合算デューティ (pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)となる。

 このとき、図12(b)に示すように、PWM電圧 令値(pwm_v)に含まれる比例成分値(P成分値)は 不感帯補償機能の起動開始前後で同一の値 有するが、不感帯補償機能の起動終了直後 積分成分値(I成分値)は、不感帯補償機能の 動終了直前の積分成分値(I成分値)と補償デ ーティ値(pwm_duty)との合計値に置き換える操 作を行う。

 従って、不感帯補償機能の起動終了の前 において、合算デューティ値(pwm_sum)の値は 一となり、連続性が保たれるので、不感帯 償機能を起動終了しても昇降圧コンバータ1 00の制御性が低下することを抑制することが きる。

 なお、不感帯補償機能が起動終了された は、フラグ(duty.flg)が「0」となり補償デュ ティ値(pwm_duty)は合算デューティ値(pwm_sum)に 算されず、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電圧 指令値(pwm_v)となるため、昇降圧コンバータ10 0は、PWM指令算出部203におけるPI制御によって 生成されるPWM電圧指令値(pwm_v)によって駆動 れることになる。

 「昇圧時の不感帯補償機能による合算処理
 図13は、実施の形態3の昇降圧コンバータ100 駆動制御装置における昇圧時の不感帯補償 能による合算処理を説明するための原理図 あり、(a)は不感帯補償機能の起動開始時の 理、(b)は不感帯補償機能の起動終了時の処 、(c)は不感帯補償機能の起動中の処理をそ ぞれ時間経過で示す。この昇圧時の不感帯 償機能による合算処理は、降圧時の処理と 様に、PWM指令合算部204によって実行される なお、図中、PWM電圧指令値(pwm_v)の棒グラフ 中に示すP及びIは、比例成分値(P成分値)と積 成分値(I成分値)の割合を表す。

 ここで、昇圧時に不感帯補償機能が起動 始されるのは、DCバス電圧偏差の変動によ 、フラグ(duty.flg)が「0」の状態から駆動領域 が領域(2)に遷移してフラグ(duty.flg)が「+1」に 変化する場合である。また、この不感帯補償 機能が起動終了されるのは、フラグ(duty.flg) 「+1」の状態から駆動領域が領域(8)に遷移し てフラグ(duty.flg)が「0」に変化した場合であ 。

 図13(a)に示すように、不感帯補償機能の 動開始前(フラグ(duty.flg)=「0」の場合)は、補 償値切替部207から入力される補償デューティ 値(pwm_duty)は零にされているため、合算デュ ティ値(pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)となる。

 次に、駆動領域が領域(2)に遷移すること よってフラグ(duty.flg)が「+1」に変化して不 帯補償機能が起動開始されると、補償デュ ティ値(pwm_duty)がPWM電圧指令値(pwm_v)に合算 れ、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電圧指令値( pwm_v)+補償デューティ値(pwm_duty)となる。

 このとき、図13(a)に示すように、PWM電圧 令値(pwm_v)に含まれる比例成分値(P成分値)は 不感帯補償機能の起動開始前後で同一の値 有するが、不感帯補償機能の起動開始直後 積分成分値(I成分値)は、比例成分値(P成分 )の反数に置き換えられている。これにより 不感帯補償機能が起動開始された直後は、P WM電圧指令値(pwm_v)の値は零となる。

 このため、実際には、合算デューティ値( pwm_sum)=補償デューティ値(pwm_duty)となる。

 ここで、補償デューティ値(pwm_duty)の値は 、補償デューティ値(pwm_duty)は、昇降圧コン ータ100のPWMデューティ値に対する電流値の 性における昇圧側の変曲点を表すPWMデュー ィ値に相当する制御量である。

 従って、実施の形態3のハイブリッド型建 設機械によれば、昇降圧コンバータ100のバッ テリ電流値(ibat_det)の絶対値が所定値未満で かつ、DCバス電圧偏差が絶対値で所定値以上 であり、DCバス電圧値(vdc_det)が低下して昇圧 作が必要な場合に、十分なバッテリ電流値( ibat_det)が得られないと判定した場合は、不感 帯補償機能を起動開始することにより、PWM指 令合算部204において、PWM電圧指令値(pwm_v)に 償デューティ値(pwm_duty)を合算するので、図1 3(c)に示すように合算デューティ値(pwm_sum)が 対値で増大され、これにより、昇降圧コン ータ100を駆動するための最終的なデューテ 指令値(pwm_ref)が絶対値で増大される。この め、バッテリ19からDCバス110の方向に流れる 流が増大され、従来のように、低電流領域 おいてPWMデューティに対して電流の応答が れることがなく、電流応答性の良好な昇降 コンバータ100の駆動制御装置を提供するこ ができる。

 次に、図13(b)を用いて昇圧時における不 帯補償機能を起動終了する際の動作を説明 る。不感帯補償機能の起動状態(フラグ(duty.f lg)=「+1」の場合)では、補償値切替部207から 力される補償デューティ値(pwm_duty)が合算さ ているため、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電 圧指令値(pwm_v)+補償デューティ値(pwm_duty)とな る。

 次に、フラグ(duty.flg)が「0」に変化して 感帯補償機能が起動終了されると、補償デ ーティ値(pwm_duty)が零にされ合算デューティ (pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)となる。

 このとき、図13(b)に示すように、PWM電圧 令値(pwm_v)に含まれる比例成分値(P成分値)は 不感帯補償機能の起動開始前後で同一の値 有するが、不感帯補償機能の起動終了直後 積分成分値(I成分値)は、不感帯補償機能の 動終了直前の積分成分値(I成分値)と補償デ ーティ値(pwm_duty)との合計値に置き換えられ ている。

 従って、不感帯補償機能の起動終了の前 において、合算デューティ値(pwm_sum)の値は 一となり、連続性が保たれるので、不感帯 償機能を起動終了しても昇降圧コンバータ1 00の制御性が低下することを抑制することが きる。

 なお、不感帯補償機能が起動終了された は、フラグ(duty.flg)が「0」となり補償デュ ティ値(pwm_duty)は合算デューティ値(pwm_sum)に 算されず、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電圧 指令値(pwm_v)となるため、昇降圧コンバータ10 0は、PWM指令算出部203におけるPI制御によって 生成されるPWM電圧指令値(pwm_v)によって駆動 れることになる。

 図14は、実施の形態3のハイブリッド型建 機械の昇降圧コンバータの駆動制御装置に る動作特性の一例を示す特性図である。

 昇降圧コンバータ100の駆動を開始した直 は、駆動領域は領域(5)であるため、フラグ( duty.flg)は「0」に保持されるため、合算デュ ティ値(pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)となり、昇 降圧コンバータ100は、PWM指令算出部203によっ て生成されたPWM電圧指令値(pwm_v)によってPI制 御される。

 駆動開始直後からA時点までは、旋回用電 動機21を加速(力行運転)するために略一定の ッテリ電流値(ibat_det)が流れ、DCバス電圧値(v dc_det)は-dc_V~+dc_Vの間を推移している。この状 態は、図11に示す領域(5)と領域(8)とをDCバス 圧偏差の僅かな変動によって行き来してい 状態に相当する。

 このように駆動領域が領域(5)又は領域(8) ある状態では、フラグ(duty.flg)は「0」に保 されるため、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電 指令値(pwm_v)となり、昇降圧コンバータ100は 、PWM指令算出部203によって生成されたPWM電圧 指令値(pwm_v)によってPI制御される。

 次に、A時点を超えると、旋回用電動機21 減速し始める(回生運転を行う)。これによ 、バッテリ19から旋回用電動機21に供給され バッテリ電流値(ibat_det)が減少し、DCバス電 値(vdc_det)が大きくなり、この結果、DCバス 圧偏差{DCバス目標電圧値(vdc_ref)-DCバス電圧 (vdc_det)}が零より小さくなる。

 このとき、駆動領域は領域(8)に遷移する 、フラグ(duty.flg)は「0」に保持された状態 継続する。

 また、モータ等の電気負荷が回生運転を うと、回生電流が発生するので、DCバス電 値(vdc_det)が上昇し、バッテリ電圧値(vbat_det)/ DCバス電圧値(vdc_det)の比も小さくなる。これ 、DCバス電圧検出値の上昇により、DCバス9 降圧(バッテリ19の充電)が必要になるため、 ッテリ19からDCバス110へ流れる電流値が減る ためである。

 また、図14には示されていないが、モー 等の電気負荷が力行運転を行った場合には 電気負荷から電力供給が要求され、DCバス電 圧値(vdc_det)が低下する。この場合には、DCバ 電圧値(vdc_det)の低下により、DCバス110の昇 (バッテリ19の放電)が必要になる。

 次に、B時点を超えると、旋回用電動機21 よって回生電力が発生されることにより、 ッテリ電流値(ibat_det)の方向が逆になり、回 生電力による電流がバッテリ19に流れ始める これによってさらにDCバス電圧値(vdc_det)が きくなると、DCバス電圧偏差{DCバス目標電圧 値(vdc_ref)-DCバス電圧値(vdc_det)}が閾値「-dc_v」 より小さくなる。

 この補償を行わなければ、このようにDC ス電圧偏差の絶対値が大きくなり続ける状 が継続すると、DCバスの特性上、昇圧動作と 降圧動作の切替点付近の低電流領域では不感 帯領域の影響を受けるため、電流の低下する 速度が遅くなり、DCバス電圧値(vdc_det)が上昇 過ぎて過電圧となり、モータ19のドライバ の機器が損傷する課題があった。

 しかしながら、実施の形態3のハイブリッ ド型建設機械によれば、低電流領域でDCバス 圧偏差が大きい状態では、不感帯補償機能 起動開始されることにより、DCバス電圧値(v dc_det)を低下させるために、積極的に電流を すようになる。この状態は、図11に示す駆動 領域では領域(8)から領域(11)に遷移し、フラ (duty.flg)は「-1」に設定される。

 これにより、PWM指令合算部204においてPWM 圧指令値(pwm_v)に補償デューティ値(pwm_duty) 合算するようになり、合算デューティ値(pwm_ sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)+補償デューティ値(pwm_ duty)なる合算デューティ値(pwm_sum)が出力され 。

 このとき、PWM電圧指令値(pwm_v)に含まれる 比例成分値(P成分値)は、不感帯補償機能の起 動開始前後で同一の値を有するが、不感帯補 償機能の起動開始直後の積分成分値(I成分値) は、比例成分値(P成分値)の反数に置き換えら れている。これにより、不感帯補償機能が起 動開始された直後は、PWM電圧指令値(pwm_v)の は零(P+I=0)となるため、実際には、合算デュ ティ値(pwm_sum)=補償デューティ値(pwm_duty)と る。

 これにより、図14に示すバッテリ電流値(i bat_det)のように、DCバス9を降圧させるためにD Cバス9からバッテリ19に向かう電流が増大し( なわちバッテリ電流値(ibat_det)が絶対値で増 大し)、これによりDCバス電圧値(vdc_det)を低下 させることができる。

 この結果、昇圧動作と降圧動作の切替点 近の低電流領域における電流の応答性を向 させることができ、これによりDCバス電圧 (vdc_det)を大きく変動させることなく一定の 囲内に保持することができる。

 その後は、PWM指令合算部204においてPWM電 指令値(pwm_v)に補償デューティ値(pwm_duty)が 算される状態が継続し、このうちのPWM電圧 令値(pwm_v)はPWM指令算出部203におけるPI制御 よって生成された値であるため、降圧動作 継続され、DCバス電圧値(vdc_det)は降圧される 。DCバス電圧値(vdc_det)の低下により、DCバス 圧偏差が絶対値で小さくなり、閾値「-dc_V」 を超えたところで駆動領域は領域(8)に遷移す る(戻る)。これが時点Cに相当する。

 C時点を超えて駆動領域が領域(8)に遷移し ても、フラグ(duty.flg)は「-1」に保持される。 その後は、PWM指令合算部204においてPWM電圧指 令値(pwm_v)に補償デューティ値(pwm_duty)が合算 れる状態が継続し、このうちのPWM電圧指令 (pwm_v)はPWM指令算出部203におけるPI制御によ て生成された値であるため、降圧動作が継 され、DCバス電圧偏差が安定する。このと 、DCバス電圧偏差が0(V)以上になると、駆動 域が領域(5)に遷移する。これが時点Dに相当 る。

 時点Dにおいて、駆動領域が領域(8)から領 域(5)に遷移すると、フラグ(duty.flg)が「-1」の 状態で領域(5)に遷移したことになるので、フ ラグ(duty.flg)は「0」に切り替わり、不感帯補 機能が起動終了される。

 このように不感帯補償機能を起動終了す のは、降圧動作時における不感帯補償機能 よってDCバス電圧値(vdc_det)は十分に降圧さ ており、不感帯補償機能によるバッテリ電 値(ibat_det)の増大は不要になったと考えられ ためである。

 不感帯補償機能が起動終了されると、補 デューティ値(pwm_duty)が零にされ合算デュー ティ値(pwm_sum)=PWM電圧指令値(pwm_v)となる。こ とき、図12(b)に示すように、PWM電圧指令値(p wm_v)に含まれる比例成分値(P成分値)は、不感 補償機能の起動開始前後で同一の値を有す が、不感帯補償機能の起動終了直後の積分 分値(I成分値)は、不感帯補償機能の起動終 直前の積分成分値(I成分値)と補償デューテ 値(pwm_duty)との合計値に置き換えられている 。

 従って、不感帯補償機能の起動終了の前 において、図12(c)に示すように合算デュー ィ値(pwm_sum)の値は同一となり、連続性が保 れるので、不感帯補償機能を起動終了して 、図14に示すように昇降圧コンバータ100のDC ス電圧値(vdc_det)を略一定値に安定させるこ ができる。

 なお、不感帯補償機能が起動終了された は、フラグ(duty.flg)が「0」となり補償デュ ティ値(pwm_duty)は合算デューティ値(pwm_sum)に 算されず、合算デューティ値(pwm_sum)=PWM電圧 指令値(pwm_v)となるため、昇降圧コンバータ10 0は、PWM指令算出部203におけるPI制御によって 生成されるPWM電圧指令値(pwm_v)によって駆動 れることになる。

 また、不感帯補償機能が起動終了され、 ラグ(duty.flg)が「0」となって領域(5)で駆動 れている際に、DCバス電圧偏差が微小変化に より0(V)を下回ると、駆動領域が再び領域(8) 遷移するが、領域(5)から領域(8)に遷移した 合はフラグ(duty.flg)は「0」に保持されるため 、その後も昇降圧コンバータ100は、PWM指令算 出部203におけるPI制御によって生成されるPWM 圧指令値(pwm_v)によって駆動されることにな る。

 以上のように、実施の形態3のハイブリッ ド型建設機械によれば、昇圧動作と降圧動作 の切替点付近における低電流領域での電流応 答性を改善し、これによりDCバス110の電圧値 一定の範囲内に保持し、過電圧による負荷 ドライバの損傷を抑制でき、負荷の制御性 良好な状態に保持することができる。

 なお、図14の動作例には、領域(5)、(8)、 び(11)を遷移することによって降圧時におけ 不感帯補償機能が起動開始され、その後起 終了される場合を示すが、昇圧時における 感帯補償機能の起動開始/起動終了は、領域 (2)、(5)、及び(8)を遷移することにより、同様 に行われるため、その説明を省略する。

 また、図14の動作例には、-bat_I<バッテ 電流値(ibat_det)<+bat_Iの場合を示すが、バ テリ電流値(ibat_det)≦-bat_Iの場合(領域(1)、(4) 、(7)、及び(10)の場合)は、フラグ(duty.flg)の値 は遷移前の値(前回の値)に保持されるため、 ッテリ電流値(ibat_det)≦-bat_Iとなっても、不 感帯補償機能の起動状態又は解除状態が保持 されるに過ぎない。このため、バッテリ電流 値(ibat_det)≦-bat_Iの場合の動作説明を省略す 。なお、これは、同様に、+bat_I≦バッテリ 流値(ibat_det)の場合(領域(3)、(6)、(9)、及び(12 )の場合)においても同様である。

 なお、実施の形態3のハイブリッド型建設 機械に用いる昇降圧コンバータの駆動制御装 置の制御部は、電子回路又は演算処理装置の いずれでも実現することができる。

 [実施の形態4]
 図16は、実施の形態4のハイブリッド型建設 械の構成を示すブロック図である。実施の 態4のハイブリッド型建設機械は、メインポ ンプ14の駆動がポンプ用電動機400によって行 れ、電動発電機12はエンジン11のアシスト( 動運転)、又はエンジン11によって駆動され ことによる電力の回収(発電運転)を行うよう に構成されている点が実施の形態1のハイブ ッド型建設機械と異なる。その他の構成は 施の形態1のハイブリッド型建設機械と同一 あるため、同一の構成要素には同一符号を し、その説明を省略する。

 ポンプ用電動機400は、メインポンプ14を 動するための力行運転だけを行うように構 されており、インバータ410を介してDCバス110 に接続されている。

 このポンプ用電動機400は、昇降圧駆動制 部120によって駆動されるように構成されて る。レバー26A~26Cのいずれかが操作されると 、ポンプ用電動機400には、DCバス110からイン ータ410を介して電力が供給され、これによ て力行運転が行われ、ポンプ14が駆動され 圧油が吐出される。

 このため、電動発電機12、ポンプ用電動 400、及び旋回用電動機21には、いずれかにDC ス110を介して電力供給が行われる状況が生 うる。また、電動発電機12、及び旋回用電 機21には、いずれかからDCバス110に電力供給 行う状況が生じうる。

 実施の形態4では、昇降圧コンバータ100は 、電動発電機12、ポンプ用電動機400、及び旋 用電動機21の運転状態に応じて、DCバス電圧 値を一定の範囲内に収まるように昇圧動作と 降圧動作を切り替える制御を行う。

 DCバス110は、インバータ18、410、及び20と 降圧コンバータ100との間に配設されており バッテリ19、ポンプ用電動機400、及び旋回 電動機21の間で電力の授受を行う。

 このような実施の形態4のハイブリッド型 建設機械においても、実施の形態1のハイブ ッド型建設機械と同様に、負荷の制御性の らつきを抑制することができる。さらに、 電流による負荷のインバータ18、20における 傷等を防止することができ、運転継続性を 上させることができる。さらに、実施の形 2及び3と同様に、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGB T102Bを損傷させることなく、昇圧動作と降圧 作との切り替えを安定的に行うことができ 過電圧による負荷のドライバの損傷を抑制 き、負荷の制御性を良好な状態に保持する とができるハイブリッド型建設機械を提供 きる。

 また、以上では、PI制御を用いる形態に いて説明したが、制御方式はPI制御方式に限 られるものではなく、ヒステリシス制御、ロ バスト制御、適応制御、比例制御、積分制御 、ゲインスケジューリング制御、又は、スラ イディングモード制御であってもよい。

 以上、本発明の例示的な実施の形態のハ ブリッド型建設機械について説明したが、 発明は、具体的に開示された実施の形態に 定されるものではなく、特許請求の範囲か 逸脱することなく、種々の変形や変更が可 である。

本国際出願は、2007年12月26日に出願した日 国特許出願2007-334350号に基づく優先権を主 するものであり、日本国特許出願2007-334350号 の全内容を本国際出願に援用する。