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Patent Searching and Data


Title:
HYBRID VEHICLE AND ITS CONTROL METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069361
Kind Code:
A1
Abstract:
When start of an engine is requested under a state where a vehicle is stopping, a torque increased by rate processing using a relatively small value (Trt1) is set as a torque command (Tm2*) of the second motor until the angular rotational speed (ωm2) of a second motor becoming under a threshold (ωref) is confirmed (S160, S180). After confirming the angular rotation speed (ωm2) becoming under the threshold (ωref), a torque increased by rate processing using a relatively large value (Trt2) is set as the torque command (Tm2*) of the second motor (S170, S180). After the torque command (Tm2*) of the second motor reached a target push torque (Tp), a first motor performs motoring of the engine thus starting the engine (S200-S260).

Inventors:
FUKUSHIRO EIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066203
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
September 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
FUKUSHIRO EIJI (JP)
International Classes:
B60K6/445; B60W10/08; B60K6/448; B60L15/20; B60L50/16; B60W10/06; B60W20/00; F02D29/02
Foreign References:
JP2006315510A2006-11-24
JP2006044638A2006-02-16
JP2007126097A2007-05-24
JP2007055460A2007-03-08
Attorney, Agent or Firm:
ITEC INTERNATIONAL PATENT FIRM (3-3 Uchisaiwai-cho 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 11, JP)
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Claims:
 内燃機関と、
 車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸および前記出力軸に動力を入出力する電力動力入出力手段と、
 前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
 前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、
 前記電動機の回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、
 車両が停止している状態で前記内燃機関の始動が要請されたとき、前記検出された回転角速度が所定値未満に至るのを確認するまでは車両を進行方向に走行させるトルクであって第1の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記検出された回転角速度が前記所定値未満に至るのを確認した以降から前記電動機から出力するトルクが所定トルクに至るまでは車両を進行方向に走行させるトルクであって前記第1の変化量より大きい第2の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記電動機から出力するトルクが前記所定トルクに至った以降は前記電力動力入出力手段から前記内燃機関をモータリングするトルクが出力されると共に該モータリングに伴って前記電力動力入出力手段から前記駆動軸に出力されるトルクを打ち消す方向のキャンセル側トルクと前記所定トルクとの和のトルクが前記電動機から出力されて前記内燃機関が始動されるよう前記電動機と前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを制御する始動時制御手段と、
 を備えるハイブリッド車。
 請求項1記載のハイブリッド車であって、
 前記始動時制御手段は、前記検出された回転角速度が第1の所定時間に亘って継続して所定値未満のときに車両を進行方向に走行させるトルクであって前記第1の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御する手段である、
 ハイブリッド車。
 請求項1記載のハイブリッド車であって、
 前記始動時制御手段は、前記第1の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されてから第2の所定時間が経過し且つ前記検出された回転角速度が前記所定値未満に至るのを確認した以降に前記第2の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御する手段である、
 ハイブリッド車。
 請求項1記載のハイブリッド車であって、
 前記始動時制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションにないときは車両を前進させる方向を進行方向とし、シフトポジションが後進走行用ポジションにあるときは車両を後進させる方向を進行方向とする手段である、
 ハイブリッド車。
 請求項1記載のハイブリッド車であって、
 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である、
 ハイブリッド車。
 内燃機関と、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸および前記出力軸に動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段とを備えるハイブリッド車における車両が停止している状態で前記内燃機関の始動が要請されたときの制御方法であって、
 前記電動機の回転角速度が所定値未満に至るのを確認するまでは車両を進行方向に走行させるトルクであって第1の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記回転角速度が前記所定値未満に至るのを確認した以降から前記電動機から出力するトルクが所定トルクに至るまでは車両を進行方向に走行させるトルクであって前記第1の変化量より大きい第2の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記電動機から出力するトルクが前記所定トルクに至った以降は前記電力動力入出力手段から前記内燃機関をモータリングするトルクが出力されると共に該モータリングに伴って前記電力動力入出力手段から前記駆動軸に出力されるトルクを打ち消す方向のキャンセル側トルクと前記所定トルクとの和のトルクが前記電動機から出力されて前記内燃機関が始動されるよう前記電動機と前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを制御する、
 ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
 請求項6記載のハイブリッド車の制御方法であって、
 前記回転角速度が第1の所定時間に亘って継続して所定値未満のときに車両を進行方向に走行させるトルクであって前記第1の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御する、
 ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
 請求項6記載のハイブリッド車の制御方法であって、
 前記第1の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されてから第2の所定時間が経過し且つ前記回転角速度が前記所定値未満に至るのを確認した以降に前記第2の変化量をもって増加するトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御する、
 ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
 請求項6記載のハイブリッド車の制御方法であって、
 シフトポジションが後進走行用ポジションにないときは車両を前進させる方向を進行方向とし、シフトポジションが後進走行用ポジションにあるときは車両を後進させる方向を進行方向とする、
 ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
Description:
ハイブリッド車およびその制御 法

 本発明は、ハイブリッド車およびその制 方法に関する。

 従来、この種のハイブリッド車としては、 軸にギヤ機構を介して接続された駆動軸に 力を出力するエンジンと、エンジンをモー リング可能な第1モータと、エンジンの出力 軸と第1モータの回転軸と駆動軸に接続され 動力分配統合機構と、駆動軸に動力を出力 る第2モータとを備え、車両が停止している 態でエンジンをモータリングするときには エンジンのトルク脈動によりギヤ機構で歯 ち音やガタ打ちが発生するのを抑制するた に第2モータから押し当てトルクを出力する ものが提案されている(例えば、特許文献1参 )。このハイブリッド車では、押し当てトル クを冷却水温に基づいて設定することにより 、第2モータから必要最小限の押し当てトル を出力してギヤ機構における歯打ち音やガ 打ちを抑制することができるようにしてい 。

特開2007-055460号公報

 上述のハイブリッド車のように、車両が 止している状態でエンジンをモータリング るときには、第2モータから出力すべきトル クに押し当てトルクを加えて出力することに より、ギヤ機構で生じる歯打ち音を抑制する ことができるが、第2のモータから直ちに押 当てトルクを出力すると、押し当てトルク より歯打ち音が生じるおそれがある。こう た問題を回避するために、第2モータから出 する押し当てトルクを緩やかに増加させる とも考えられるが、この場合、エンジンを 動するまでに時間を要してしまう。

 本発明のハイブリッド車およびその制御 法は、内燃機関を始動するときに生じ得る タ打ちのショックや歯打ち音の発生を抑制 ると共に迅速に内燃機関を始動することを 目的とする。

 本発明のハイブリッド車およびその制御 法は、上述の主目的を達成するために以下 手段を採った。

 本発明のハイブリッド車は、内燃機関と 車軸に連結された駆動軸に接続されると共 該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機 の出力軸に接続され、電力と動力の入出力 伴って前記駆動軸および前記出力軸に動力 入出力する電力動力入出力手段と、前記駆 軸に動力を入出力する電動機と、前記電力 力入出力手段および前記電動機と電力のや 取りを行なう蓄電手段と、前記電動機の回 角速度を検出する回転角速度検出手段と、 両が停止している状態で前記内燃機関の始 が要請されたとき、前記検出された回転角 度が所定値未満に至るのを確認するまでは 両を進行方向に走行させるトルクであって 1の変化量をもって増加するトルクが前記電 動機から出力されるよう該電動機を制御し、 前記検出された回転角速度が前記所定値未満 に至るのを確認した以降から前記電動機から 出力するトルクが所定トルクに至るまでは車 両を進行方向に走行させるトルクであって前 記第1の変化量より大きい第2の変化量をもっ 増加するトルクが前記電動機から出力され よう該電動機を制御し、前記電動機から出 するトルクが前記所定トルクに至った以降 前記電力動力入出力手段から前記内燃機関 モータリングするトルクが出力されると共 該モータリングに伴って前記電力動力入出 手段から前記駆動軸に出力されるトルクを ち消す方向のキャンセル側トルクと前記所 トルクとの和のトルクが前記電動機から出 されて前記内燃機関が始動されるよう前記 動機と前記電力動力入出力手段と前記内燃 関とを制御する始動時制御手段と、を備え ことを要旨とする。

 この本発明のハイブリッド車では、車両 停止している状態で内燃機関の始動が要請 れたときには、電動機の回転角速度が所定 未満に至るのを確認するまでは車両を進行 向に走行させるトルクであって第1の変化量 をもって増加するトルクが電動機から出力さ れるよう電動機を制御し、電動機の回転角速 度が所定値未満に至るのを確認した以降から 電動機から出力するトルクが所定トルクに至 るまでは車両を進行方向に走行させるトルク であって第1の変化量より大きい第2の変化量 もって増加するトルクが電動機から出力さ るよう電動機を制御する。即ち、ガタ打ち ショックや歯打ち音の原因となるギヤ機構 どに隙間があるときには、電動機から直ち 大きな駆動力を出力すると、その駆動力に りガタ打ちのショックや歯打ち音が生じる それがあるため、電動機の回転角速度が所 値未満に至るのを確認するまでは比較的小 な第1の変化量をもって増加するトルクを電 動機から出力してその隙間を詰め、電動機の 回転角速度が所定値未満に至るのを確認した 後は比較的大きな第2の変化量をもって増加 るトルクを電動機から出力するのである。 れにより、ガタ打ちのショックや歯打ち音 発生を抑制することができると共に電動機 ら出力するトルクを迅速に所定トルクまで 加させることができる。電動機から出力す トルクが所定トルクに至った以降は電力動 入出力手段から内燃機関をモータリングす トルクが出力されると共にモータリングに って電力動力入出力手段から駆動軸に出力 れるトルクを打ち消す方向のキャンセル側 ルクと所定トルクとの和のトルクが電動機 ら出力されて内燃機関が始動されるよう電 機と電力動力入出力手段と内燃機関とを制 する。これらにより、内燃機関を始動する きに生じ得るガタ打ちのショックや歯打ち の発生を抑制すると共に迅速に内燃機関を 動することができる。

 こうした本発明のハイブリッド車におい 、前記始動時制御手段は、前記検出された 転角速度が第1の所定時間に亘って継続して 所定値未満のときに車両を進行方向に走行さ せるトルクであって前記第1の変化量をもっ 増加するトルクが前記電動機から出力され よう該電動機を制御する手段であるものと ることもできる。

 また、本発明のハイブリッド車において 前記第1の変化量をもって増加するトルクが 前記電動機から出力されてから第2の所定時 が経過し且つ前記検出された回転角速度が 記所定値未満に至るのを確認した以降に前 第2の変化量をもって増加するトルクが前記 動機から出力されるよう該電動機を制御す 手段であるものとすることもできる。こう れば、電動機の回転角速度が所定値未満に ったか否かの確認の誤判断を防止すること できる。

 さらに、本発明のハイブリッド車におい 、前記始動時制御手段は、シフトポジショ が後進走行用ポジションにないときは車両 前進させる方向を進行方向とし、シフトポ ションが後進走行用ポジションにあるとき 車両を後進させる方向を進行方向とする手 であるものとすることもできる。

 あるいは、本発明のハイブリッド車にお て、前記電力動力入出力手段は、前記内燃 関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に 接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力し 動力に基づいて残余の軸に動力を入出力す 3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力 を入出力可能な発電機と、を備える手段であ るものとすることができる。

 本発明のハイブリッド車の制御方法は、
 内燃機関と、車軸に連結された駆動軸に接 されると共に該駆動軸とは独立に回転可能 前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動 の入出力を伴って前記駆動軸および前記出 軸に動力を入出力する電力動力入出力手段 、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と 前記電力動力入出力手段および前記電動機 電力のやり取りを行なう蓄電手段とを備え ハイブリッド車における車両が停止してい 状態で前記内燃機関の始動が要請されたと の制御方法であって、
 前記電動機の回転角速度が所定値未満に至 のを確認するまでは車両を進行方向に走行 せるトルクであって第1の変化量をもって増 加するトルクが前記電動機から出力されるよ う該電動機を制御し、前記回転角速度が前記 所定値未満に至るのを確認した以降から前記 電動機から出力するトルクが所定トルクに至 るまでは車両を進行方向に走行させるトルク であって前記第1の変化量より大きい第2の変 量をもって増加するトルクが前記電動機か 出力されるよう該電動機を制御し、前記電 機から出力するトルクが前記所定トルクに った以降は前記電力動力入出力手段から前 内燃機関をモータリングするトルクが出力 れると共に該モータリングに伴って前記電 動力入出力手段から前記駆動軸に出力され トルクを打ち消す方向のキャンセル側トル と前記所定トルクとの和のトルクが前記電 機から出力されて前記内燃機関が始動され よう前記電動機と前記電力動力入出力手段 前記内燃機関とを制御する、
 ことを特徴とする。

 この本発明のハイブリッド車の制御方法 は、車両が停止している状態で内燃機関の 動が要請されたときには、電動機の回転角 度が所定値未満に至るのを確認するまでは 両を進行方向に走行させるトルクであって 1の変化量をもって増加するトルクが電動機 から出力されるよう電動機を制御し、電動機 の回転角速度が所定値未満に至るのを確認し た以降から電動機から出力するトルクが所定 トルクに至るまでは車両を進行方向に走行さ せるトルクであって第1の変化量より大きい 2の変化量をもって増加するトルクが電動機 ら出力されるよう電動機を制御する。即ち ガタ打ちのショックや歯打ち音の原因とな ギヤ機構などに隙間があるときには、電動 から直ちに大きな駆動力を出力すると、そ 駆動力によりガタ打ちのショックや歯打ち が生じるおそれがあるため、電動機の回転 速度が所定値未満に至るのを確認するまで 比較的小さな第1の変化量をもって増加する トルクを電動機から出力してその隙間を詰め 、電動機の回転角速度が所定値未満に至るの を確認した後は比較的大きな第2の変化量を って増加するトルクを電動機から出力する である。これにより、ガタ打ちのショック 歯打ち音の発生を抑制することができると に電動機から出力するトルクを迅速に所定 ルクまで増加させることができる。電動機 ら出力するトルクが所定トルクに至った以 は電力動力入出力手段から内燃機関をモー リングするトルクが出力されると共にモー リングに伴って電力動力入出力手段から駆 軸に出力されるトルクを打ち消す方向のキ ンセル側トルクと所定トルクとの和のトル が電動機から出力されて内燃機関が始動さ るよう電動機と電力動力入出力手段と内燃 関とを制御する。これらにより、内燃機関 始動するときに生じ得るガタ打ちのショッ や歯打ち音の発生を抑制すると共に迅速に 燃機関を始動することができる。

 こうした本発明のハイブリッド車の制御 法において、前記回転角速度が第1の所定時 間に亘って継続して所定値未満のときに車両 を進行方向に走行させるトルクであって前記 第1の変化量をもって増加するトルクが前記 動機から出力されるよう該電動機を制御す 、ことを特徴とするものとすることもでき 。

 また、本発明のハイブリッド車の制御方 において、前記第1の変化量をもって増加す るトルクが前記電動機から出力されてから第 2の所定時間が経過し且つ前記回転角速度が 記所定値未満に至るのを確認した以降に前 第2の変化量をもって増加するトルクが前記 動機から出力されるよう該電動機を制御す 、ことを特徴とするものとすることもでき 。こうすれば、電動機の回転角速度が所定 未満に至ったか否かの確認の誤判断を防止 ることができる。

 さらに、本発明のハイブリッド車の制御 法において、シフトポジションが後進走行 ポジションにないときは車両を前進させる 向を進行方向とし、シフトポジションが後 走行用ポジションにあるときは車両を後進 せる方向を進行方向とする、ことを特徴と るものとすることもできる。

本発明の一実施例としてのハイブリッ 自動車20の構成の概略を示す構成図である ハイブリッド用電子制御ユニット70に り行なわれる停車時始動制御ルーチンの一 を示すフローチャートである。 エンジン22を始動する際の動力分配統 機構30の各回転要素を力学的に説明するため の共線図の一例を示す説明図である。 車両が停止している状態でエンジン22 始動するときに設定されるモータMG2のトル 指令Tm2*と回転角速度ωm2と回転子の回転位置 θm2の時間変化の様子の一例を示す説明図で る。 変形例のハイブリッド自動車120の構成 概略を示す構成図である。

 次に、本発明を実施するための最良の形 を実施例を用いて説明する。図1は、本発明 の一実施例としてのハイブリッド自動車20の 成の概略を示す構成図である。実施例のハ ブリッド自動車20は、図示するように、エ ジン22と、エンジン22の出力軸としてのクラ クシャフト26にダンパ28を介して接続された 3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合 機構30に接続された発電可能なモータMG1と、 力分配統合機構30に接続された駆動軸とし のリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギ 35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2 、車両全体をコントロールするハイブリッ 用電子制御ユニット70とを備える。

 エンジン22は、例えばガソリンまたは軽 などの炭化水素系の燃料により動力を出力 る内燃機関であり、エンジン用電子制御ユ ット(以下、エンジンECUという)24により燃料 射制御や点火制御,吸入空気量調節制御など の運転制御を受けている。エンジンECU24には エンジン22の運転状態を検出する各種セン からの信号、例えば、エンジン22のクランク シャフト26のクランク角を検出する図示しな クランクポジションセンサからのクランク ジションなどが入力されている。エンジンE CU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と 通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニ ット70からの制御信号によりエンジン22を運 制御すると共に必要に応じてエンジン22の運 転状態に関するデータをハイブリッド用電子 制御ユニット70に出力する。なお、エンジンE CU24は、図示しないクランクポジションセン からのクランクポジションに基づいてクラ クシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回 数Neも演算している。

 動力分配統合機構30は、外歯歯車のサン ヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置さ た内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に 噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数 ピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を 自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34 を回転要素として差動作用を行なう遊星歯 機構として構成されている。動力分配統合 構30は、キャリア34にはエンジン22のクラン シャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、 リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減 ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG 1が発電機として機能するときにはキャリア34 から入力されるエンジン22からの動力をサン ヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じ て分配し、モータMG1が電動機として機能する ときにはキャリア34から入力されるエンジン2 2からの動力とサンギヤ31から入力されるモー タMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に 力する。リングギヤ32に出力された動力は リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファ レンシャルギヤ62を介して、最終的には車両 駆動輪63a,63bに出力される。

 ギヤ機構60には、ファイナルギヤ60aに取 付けられたパーキングギヤ57と、パーキング ギヤ57と噛合してその回転駆動を停止した状 でロックするパーキングロックポール58と らなるパーキングロック機構56が取り付けら れている。パーキングロックポール58は、シ トレバー81の他のポジションから駐車ポジ ョンへの操作信号または駐車ポジションか 他のポジションへの操作信号が入力された イブリッド用電子制御ユニット70により図示 しないアクチュエータが駆動制御されること によって作動し、パーキングギヤ57との噛合 よびその解除によりパーキングロックおよ その解除を行なう。ファイナルギヤ60aは、 械的に駆動輪63a,63bに接続されているから、 パーキングロック機構56は間接的に駆動輪63a, 63bをロックできることになる。

 モータMG1およびモータMG2は、いずれも発 機として駆動することができると共に電動 として駆動できる周知の同期発電電動機と て構成されており、インバータ41,42を介し バッテリ50と電力のやりとりを行なう。イン バータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ラ ン54は、各インバータ41,42が共用する正極母 および負極母線として構成されており、モ タMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他の モータで消費することができるようになって いる。したがって、バッテリ50は、モータMG1, MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力 により充放電されることになる。なお、モー タMG1,MG2により電力収支のバランスをとるも とすれば、バッテリ50は充放電されない。モ ータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユ ット(以下、モータECUという)40により駆動制 されている。モータECU40には、モータMG1,MG2 駆動制御するために必要な信号、例えば例 ばモータMG1,MG2の回転子45,46の回転位置を検 する回転位置検出センサ43,44からのモータMG 1,MG2の回転子45,46の回転位置θm1,θm2や図示し い電流センサにより検出されるモータMG1,MG2 印加される相電流などが入力されており、 ータECU40からは、インバータ41,42へのスイッ チング制御信号が出力されている。モータECU 40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と 信しており、ハイブリッド用電子制御ユニ ト70からの制御信号によってモータMG1,MG2を 動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2 運転状態に関するデータをハイブリッド用 子制御ユニット70に出力する。なお、モー ECU40は、モータMG1,MG2の回転子45,46の回転位置 θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2 モータMG1,MG2の回転子45,46の回転角速度ωm1,ω m2も演算している。

 バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニ ト(以下、バッテリECUという)52によって管理 れている。バッテリECU52には、バッテリ50を 管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ 50の端子間に設置された図示しない電圧セン からの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に 続された電力ライン54に取り付けられた図 しない電流センサからの充放電電流,バッテ 50に取り付けられた温度センサ51からの電池 温度Tbなどが入力されており、必要に応じて ッテリ50の状態に関するデータを通信によ ハイブリッド用電子制御ユニット70に出力す る。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管 するために電流センサにより検出された充 電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算 したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbと 基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大 許容電力である入出力制限Win,Woutを演算して る。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは 、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの 本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基 いて出力制限用補正係数と入力制限用補正 数とを設定し、設定した入出力制限Win,Wout 基本値に補正係数を乗じることにより設定 ることができる。

 ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CP U72を中心とするマイクロプロセッサとして構 成されており、CPU72の他に処理プログラムを 憶するROM74と、データを一時的に記憶するRA M76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポ ートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユ ニット70には、イグニッションスイッチ80か のイグニッション信号,シフトレバー81の操 位置を検出するシフトポジションセンサ82か らのシフトポジションSP,アクセルペダル83の み込み量を検出するアクセルペダルポジシ ンセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキ ダル85の踏み込み量を検出するブレーキペ ルポジションセンサ86からのブレーキペダル ポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが 入力ポートを介して入力されている。ハイブ リッド用電子制御ユニット70は、前述したよ に、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52 と通信ポートを介して接続されており、エン ジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制 信号やデータのやりとりを行なっている。

 こうして構成された実施例のハイブリッ 自動車20は、運転者によるアクセルペダル83 の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車 速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ 32aに出力すべき要求トルクを計算し、この 求トルクに対応する要求動力がリングギヤ 32aに出力されるように、エンジン22とモータ MG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン 22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては 要求動力に見合う動力がエンジン22から出 されるようにエンジン22を運転制御すると共 にエンジン22から出力される動力のすべてが 力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2と よってトルク変換されてリングギヤ軸32aに 力されるようモータMG1およびモータMG2を駆 制御するトルク変換運転モードや要求動力 バッテリ50の充放電に必要な電力との和に見 合う動力がエンジン22から出力されるように ンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の 充放電を伴ってエンジン22から出力される動 の全部またはその一部が動力分配統合機構3 0とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換 伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力さ るようモータMG1およびモータMG2を駆動制御 る充放電運転モード、エンジン22の運転を停 止してモータMG2からの要求動力に見合う動力 をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御す るモータ運転モードなどがある。

 次に、こうして構成されたハイブリッド 動車20の動作、特にシフトレバー81が前進走 行用ポジションに操作されてブレーキペダル 85が踏み込まれている状態やシフトレバー81 駐車ポジションに操作されている状態など 両が停止している状態でエンジン22を始動す るときの動作について説明する。図2は、ハ ブリッド用電子制御ユニット70により行なわ れる停車時始動制御ルーチンの一例を示すフ ローチャートである。このルーチンは、車両 が停止している状態でエンジン22の始動指示 なされたときに実行される。

 停車時始動制御ルーチンが実行されると ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は 、まず、モータMG2の回転角速度ωm2や計時値t ど制御に必要なデータを入力する(ステップ S100)。ここで、回転角速度ωm2は、回転位置検 出センサ44により検出されたモータMG2の回転 46の回転位置θm2に基づいて演算されたもの モータECU40から通信により入力するものと た。また、計時値tは、エンジン22の始動指 がなされてからの時間としてタイマ78により 計時された値を入力するものとした。

 こうしてデータを入力すると、入力した 時値tを閾値trefと比較する(ステップS110)。 こで、閾値trefは、動力分配統合機構30やギ 機構60,減速ギヤ35などのギヤの隙間を詰める ガタ詰めを行なうときにこれらのギヤが回転 し始めるまでに要する時間が経過したか否か を判定するために用いられるものであり、例 えば、50msecや100msecなどの値を用いることが きる。モータMG2から出力されるトルクを徐 に増加させてギヤのガタ詰めを行なう場合 トルクがある程度大きくなるまでは各部品 摩擦力によってギヤは回転しないため、ギ のガタ詰めが完了しているか否かの判定は 難である。ステップS110の計時値tと閾値tref の比較は、この判定を行なうことができる 否かを判定するものである。

 計時値tが閾値tref未満のときには、レー 値Trtに比較的小さな値Trt1を設定し(ステップ S160)、前回のモータMG2のトルク指令(前回Tm2*) レート値Trtを加えたものと目標押し当てト クTpとのうちの小さい方をモータMG2のトル 指令Tm2*に設定すると共に設定したトルク指 Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS180)、ト ク指令Tm2*を目標押し当てトルクTpと比較す (ステップS190)。いま、計時値tが閾値tref未 のときを考えておりトルク指令Tm2*は値が小 いから、トルク指令Tm2*は押し当てトルクTp 等しくないと判定されて処理はステップS100 に戻る。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40 は、トルク指令Tm2*でモータMG2が駆動される う第2インバータ42のスイッチング素子のス ッチング制御を行なう。ここで、値Trt1は、 ータMG2から出力されるトルクによってギヤ ガタ詰めを緩やかに行なうことができる値 用いることができ、動力分配統合機構30や ヤ機構60,減速ギヤ35の特性などに基づいて予 め実験などにより定めた値を用いることがで きる。ところで、ギヤのガタ詰めが完了して いないときに直ちにモータMG2から大きなトル クが出力されると、そのトルクによってギヤ のガタ打ちのショックや歯打ち音が発生する おそれがある。このため、実施例では、計時 値tが閾値tref未満のとき、即ちギヤのガタ詰 が完了しているか否かを判定するのが困難 ときには、比較的小さな値Trt1を設定したレ ート値Trtを用いてレート処理によりモータMG2 のトルク指令Tm2*を増加させるものとした。 れにより、モータMG2から出力するトルクに るギヤのガタ打ちのショックや歯打ち音の 生を抑制することができる。

 ステップS110で計時値tが閾値tref以上のと には、モータMG2の回転角速度ωm2を閾値ωref 比較し(ステップS120)、回転角速度ωm2が閾値 ωref以上のときには、カウンタCを値0にリセ トし(ステップS130)、レート値Trtに比較的小 な値Trt1を設定すると共に(ステップS160)、設 したレート値Trtを用いてレート処理により 加させたトルクをモータMG2のトルク指令Tm2* に設定してモータECU40に送信し(ステップS180) トルク指令Tm2*を目標押し当てトルクTpと比 し(ステップS190)、トルク指令Tm2*が押し当て トルクTpに等しくないときにはステップS100に 戻る。ここで、閾値ωrefは、モータMG2の回転 46が回転しているか否かを判定するために いられるものであり、モータMG2の回転子46が 回転していないと判断できる角速度の上限近 傍の値などを用いることができる。また、カ ウンタCについては後述する。モータMG2の回 角速度ωm2が閾値ωref以上のときは、ギヤの 間が埋められている最中であるため、この うにモータMG2のトルク指令Tm2*を増加させる とにより、モータMG2から出力するトルクに るギヤのガタ打ちのショックや歯打ち音の 生を抑制することができる。

 ステップS120で回転角速度ωm2が閾値ωref以 上のときには、カウンタCを値1だけインクリ ントすると共に(ステップS140)、このカウン Cを閾値Crefと比較する(ステップS150)。ここ 、閾値Crefは、回転角速度ωm2が閾値ωref未満 至ったのを確認するのに要する時間に対応 るカウント値であり、ステップS100~S190の繰 返し時間やギヤの特性,回転位置検出センサ 44の精度などに基づいて予め実験などにより めた値を用いることができる。カウンタCが 閾値Cref未満のときには、レート値Trtに比較 小さな値Trt1を設定すると共に(ステップS160) 設定したレート値Trtを用いてレート処理に り増加させたトルクをモータMG2のトルク指 Tm2*に設定してモータECU40に送信し(ステップ S180)、カウンタCが閾値Cref以上のときには、 述の値Trt1より大きな値Trt2をレート値Trtに設 定する共に(ステップS170)、設定したレート値 Trtを用いてレート処理により増加させたトル クをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定してモ タECU40に送信し(ステップS180)、トルク指令Tm2 *が目標押し当てトルクTpに至るまで(ステッ S190)、ステップS100~S190の処理を繰り返し実行 する。また、値Trt2は、トルク指令Tm2*を迅速 目標押し当てトルクTpまで増加させるため 用いられるものであり、予め実験などによ 定めた値を用いることができる。このよう 、モータMG2の回転角速度ωm2が閾値ωref未満 至るのを確認するまでは、比較的小さな値Tr t1を設定したレート値Trtを用いてレート処理 よりモータMG2のトルク指令Tm2*を増加させる ことにより、モータMG2から出力されるトルク によりギヤのガタ打ちのショックや歯打ち音 が発生することを抑制しながらガタ詰めをす ることができる。また、モータMG2の回転角速 度ωm2が閾値ωref未満に至るのを確認した後は 、比較的大きな値Trt2を設定したレート値Trt 用いてレート処理によりモータMG2のトルク 令Tm2*を増加させることにより、モータMG2か 出力されるトルクを迅速に目標押し当てト クTpまで増加させることができる。また、 ウンタCを用いることによりノイズなどによ て一時的に回転角速度ωm2が閾値ωref未満に ったときにギヤのガタ詰めが完了したと判 されるのを回避することができる。

 こうしてステップS190でモータMG2のトルク指 令Tm2*が目標押し当てトルクTpに等しくなると 、図示しないクランクポジションセンサから の信号に基づいて演算されてエンジンECU24か 通信により入力されたエンジン22の回転数Ne のデータを入力し(ステップS200)、モータMG1の トルク指令Tm1*にエンジン22のモータリング用 のトルクTcrを設定し(ステップS210)、モータMG1 によるエンジン22のモータリングに伴って駆 軸としてのリングギヤ軸32aに出力される反 トルクをキャンセルするためのトルクと目 押しあてトルクTpとに基づいて次式(1)によ モータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると共に( ステップS220)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*を ータECU40に送信する(ステップS230)。トルク 令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指 令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク 令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバー 41,42のスイッチング素子のスイッチング制 を行なう。ここで、式(1)は、動力分配統合 構30の回転要素に対する力学的な関係式であ る。エンジン22を始動する際の動力分配統合 構30の各回転要素の回転数とトルクとの力 的な関係を示す共線図を図3に示す。図中、 のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ 31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数N eであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモ タMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除 たリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、 この共線図を用いれば容易に導くことができ る。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を 定することにより、ギヤ機構60や減速ギヤ35 ガタ詰めを行なった状態でエンジン22をモ タリングして始動することができる。
 Tm2*=Tm1*/ρ+Tp (1)

 こうしてトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40 送信すると、エンジン22の回転数Neが点火開 回転数Nfire以上に至るのを待って(ステップS 240)、エンジン22に対する燃料噴射制御や点火 制御などを開始するためにその制御信号をエ ンジンECU24に送信し(ステップS250)、エンジン2 2が完爆するのを待って(ステップS260)、停車 始動制御ルーチンを終了する。制御信号を 信したエンジンECU24は、エンジン22が完爆す よう吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制 御などの制御を行なう。

 図4は、車両が停止している状態でエンジ ン22を始動するときに設定されるモータMG2の ルク指令Tm2*と回転角速度ωm2と回転子46の回 転位置θm2の時間変化の様子の一例を示す説 図である。なお、図4には、参考のために、 定のレート値(値Trt1)を用いてトルク指令Tm2* を緩やかに増加させるものについて比較例と して点線で併せて示した。比較例では、エン ジン22の始動指示がなされた時刻t0から比較 小さな値Trt1を用いてレート処理によりモー MG2のトルク指令Tm2*を増加させ、トルク指令 Tm2*が目標押し当てトルクTpに至った時刻t5以 にモータMG1によるエンジン22のモータリン を伴ってエンジン22を始動する。この場合、 ギヤのガタ打ちや歯打ち音を抑制することは できるが、モータMG2のトルク指令Tm2*を目標 し当てトルクTpまで増加させるのに時間を要 してしまう。一方、実施例では、実線に示す ように、エンジン22の始動指示がなされた時 t0から比較的小さな値Trt1を用いてレート処 によりモータMG2のトルク指令Tm2*を緩やかに 増加させ、動力分配統合機構30やギヤ機構60, 速ギヤ35などのギヤが回転し始める程度に ータMG2のトルク指令Tm2*が大きくなった時刻t 1以降に、回転角速度ωm2が閾値ωref未満とな たときにそのことを確認する(時刻t2~t3)。そ て、その確認をした後は比較的大きな値Trt2 を用いてレート処理によりモータMG2のトルク 指令Tm2*を急増させ、トルク指令Tm2*が目標押 当てトルクTpに至った時刻t4以降にモータMG1 によるエンジン22のモータリングを伴ってエ ジン22を始動する。したがって、実施例で 、ギヤのガタ打ちや歯打ち音を抑制するこ ができると共にモータMG2のトルク指令Tm2*を り迅速に目標押し当てトルクTpまで増加さ ることができる。

 以上説明した実施例のハイブリッド自動 20によれば、車両が停止している状態でエ ジン22の始動が要請されたときには、モータ MG2の回転角速度ωm2が閾値ωref未満に至るのを 確認するまでは比較的小さな値Trt1を設定し レート値Trtを用いてレート処理によりモー MG2のトルク指令Tm2*を増加させることにより モータMG2から出力するトルクによりギヤの タ打ちのショックや歯打ち音が発生するこ を抑制しながらギヤのガタ詰めを行なうこ ができる。また、モータMG2の回転角速度ωm2 が閾値ωref未満に至るのを確認した後は比較 大きな値Trt2を設定したレート値Trtを用いて レート処理によりモータMG2のトルク指令Tm2* 増加させることにより、トルク指令Tm2*を迅 に目標押し当てトルクTpまで増加させるこ ができる。さらに、モータMG2から出力する ルクが目標押し当てトルクTpに至った後にモ ータMG1によりエンジン22を始動するから、こ らにより、エンジン22を始動するときに生 得るガタ打ちのショックや歯打ち音の発生 抑制すると共に迅速にエンジン22を始動する ことができる。

 実施例のハイブリッド自動車20では、シ トレバー81が前進走行用ポジションに操作さ れてブレーキペダル85が踏み込まれている状 やシフトレバー81が駐車ポジションに操作 れている状態でエンジン22を始動するときに ついて説明したが、シフトレバー81がリバー ポジションに操作されていてブレーキペダ 85が踏み込まれている状態でエンジン22を始 動するときにも同様に行なうことができる。 この場合、値Trt1,Trt2や目標押し当てトルクTp 負の値とすればよい。

 実施例のハイブリッド自動車20では、回 角速度ωm2が閾値ωref未満に至ったことの確 は、モータMG2の回転角速度ωm2が閾値ωref未 でカウンタCが閾値Cref以上のときに行なうも のとしたが、モータMG2の回転角速度ωm2が閾 ωref未満の状態で所定時間tref2が経過したと に行なうものとしてもよいし、モータMG2の 転角速度ωm2が閾値ωref未満に至ったときに なうものとしてもよい。なお、所定時間tref 2は、閾値Crefに相当する時間を用いるものと てもよい。

 実施例のハイブリッド自動車20では、回 角速度ωm2が閾値ωref未満に至ったことの確 は、計時値tが閾値tref以上のとき(エンジン22 の始動指示がなされてから閾値trefが経過し 以降)に行なうものとしたが、モータMG2のト ク指令Tm2*が閾値Tref以上に至った以降に行 うものとしてもよい。ここで、閾値Trefは、 ヤのガタ詰めが行なわれていないときに、 力分配統合機構30やギヤ機構60,減速ギヤ35な どのギヤが回転し始めるトルクを用いるもの としてもよい。

 実施例のハイブリッド自動車20では、減 ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸 32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リ ングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるも のとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変 速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリ ングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものと しても構わない。

 実施例のハイブリッド自動車20では、エ ジン22の動力を動力分配統合機構30を介して 動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリン グギヤ軸32aに出力するものとしたが、図5の 形例のハイブリッド自動車120に例示するよ に、エンジン22のクランクシャフト26に接続 れたインナーロータ132と駆動輪63a,63bに動力 を出力する駆動軸に接続されたアウターロー タ134とを有し、エンジン22の動力の一部を駆 軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変 する対ロータ電動機130を備えるものとして よい。

 ここで、実施例や変形例の主要な要素と 明の開示の欄に記載した発明の主要な要素 の対応関係について説明する。実施例では エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力 配統合機構30とモータMG1が「電力動力入出力 手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相 当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、 転位置検出センサ44と回転位置検出センサ44 により検出される回転位置θm2に基づいてモ タMG2の回転角速度ωm2を演算するモータECU40 が「回転角速度検出手段」に相当し、車両 停止している状態でエンジン22の始動が要請 されたときには、モータMG2の回転角速度ωm2 閾値ωref未満に至るのを確認するまでは比較 的小さな値Trt1を設定したレート値Trtを用い レート処理により増加させたトルクをモー MG2のトルク指令Tm2*に設定してモータECU40に 信し、モータMG2の回転角速度ωm2が閾値ωref 満に至るのを確認した後は比較的大きな値Tr t2を設定したレート値Trtを用いてレート処理 より増加させたトルクをモータMG2のトルク 令Tm2*に設定してモータECU40に送信し、トル 指令Tm2*が目標押し当てトルクTpに至った後 モータMG1によりエンジン22をモータリング ると共にこのモータリングに伴って駆動軸 してのリングギヤ軸32aに出力されるトルク 打ち消す方向のトルクと目標押し当てトル Tpとの和のトルクがモータMG2から出力されて エンジン22が始動されるようモータMG1,MG2のト ルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信 、エンジン22の回転数Neが閾値Neref以上にな たときエンジン22に対する燃料噴射制御や 火制御などを開始するための制御信号をエ ジンECU24に送信する図2の停車時始動制御ル チンを実行するハイブリッド用電子制御ユ ット70と、制御信号を受信してエンジン22を 爆するように燃料噴射制御や点火制御など 制御を行なうエンジンECU24と、トルク指令Tm 1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモー ECU40とが「始動時制御手段」に相当する。 た、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出 手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に 当し、さらに、対ロータ電動機130も「電力 力入出力手段」に相当する。

 ここで、「内燃機関」としては、ガソリン たは軽油などの炭化水素系の燃料により動 を出力する内燃機関に限定されるものでは く、水素エンジンなど如何なるタイプの内 機関であっても構わない。「電力動力入出 手段」としては、動力分配統合機構30とモ タMG1との組み合わせによるものや対ロータ 動機130に限定されるものではなく、回転軸 接続されると共に回転軸とは独立に回転可 に内燃機関の出力軸に接続され、電力と動 の入出力を伴って回転軸と出力軸とに動力 入出力するものであれば如何なるものとし も構わない。「電動機」としては、同期発 電動機として構成されたモータMG2に限定さ るものではなく、誘導電動機など、回転軸 回転子が接続され固定子の回転磁界により 転子を回転駆動させて回転軸に動力を入出 可能なものであれば如何なるものとしても わない。「蓄電手段」としては、二次電池 してのバッテリ50に限定されるものではなく 、キャパシタなど、電力動力入出力手段およ び電動機と電力をやりとり可能なものであれ ば如何なるものとしても構わない。「回転角 速度検出手段」としては、回転位置検出セン サ44と回転位置検出センサ44により検出され 回転位置θm2に基づいてモータMG2の回転角速 ωm2を演算するモータECU40に限定されるもの はなく、電動機の回転角速度を検出するも であれば如何なるものとしても構わない。 始動時制御手段」としては、ハイブリッド 電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータ ECU40とからなる組み合わせに限定されるもの はなく単一の電子制御ユニットにより構成 れるなどとしてもよい。また、「始動時制 手段」としては、車両が停止している状態 エンジン22の始動が要請されたときには、 ータMG2の回転角速度ωm2が閾値ωref未満に至 のを確認するまでは比較的小さな値Trt1を設 したレート値Trtを用いてレート処理により 加させたトルクをモータMG2から出力し
、モータMG2の回転角速度ωm2が閾値ωref未満に 至るのを確認した後は比較的大きな値Trt2を 定したレート値Trtを用いてレート処理によ 増加させたトルクをモータMG2から出力し、 ータMG2から出力するトルクが目標押し当て ルクTpに至った後はモータMG1によりエンジン 22がモータリングされると共にこのモータリ グに伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32a 出力されるトルクを打ち消す方向のトルク 目標押し当てトルクTpとの和のトルクがモ タMG2から出力されてエンジン22が始動される ようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するも のに限定されるものではなく、車両が停止し ている状態で前記内燃機関の始動が要請され たとき、前記検出された回転角速度が所定値 未満に至るのを確認するまでは車両を進行方 向に走行させるトルクであって第1の変化量 もって増加させたトルクが前記電動機から 力されるよう該電動機を制御し、前記検出 れた回転角速度が前記所定値未満に至るの 確認した以降から前記電動機から出力する ルクが所定トルクに至るまでは車両を進行 向に走行させるトルクであって前記第1の変 量より大きい第2の変化量をもって増加させ たトルクが前記電動機から出力されるよう該 電動機を制御し、前記電動機から出力するト ルクが前記所定トルクに至った以降は前記電 力動力入出力手段から前記内燃機関をモータ リングするトルクが出力されると共に該モー タリングに伴って前記電力動力入出力手段か ら前記駆動軸に出力されるトルクを打ち消す 方向のキャンセル側トルクと前記所定トルク との和のトルクが前記電動機から出力されて 前記内燃機関が始動されるよう前記電動機と 前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを 制御するものであれば如何なるものとしても 構わない。「3軸式動力入出力手段」として 、上述の動力分配統合機構30に限定されるも のではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機 構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み 合わせて4以上の軸に接続されるものやデフ レンシャルギヤのように遊星歯車とは異な 作動作用を有するものなど、駆動軸と出力 と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のう ちのいずれかに軸に入出力される動力に基づ いて残余の軸に動力を入出力するものであれ ば如何なるものとしても構わない。「発電機 」としては、同期発電電動機として構成され たモータMG1に限定されるものではなく、誘導 電動機など、動力を入出力可能なものであれ ば如何なるタイプの発電機としても構わない 。

 なお、実施例や変形例の主要な要素と発 の開示の欄に記載した発明の主要な要素と 対応関係は、実施例が発明の開示の欄に記 した発明を実施するための最良の形態を具 的に説明するための一例であることから、 明の開示の欄に記載した発明の要素を限定 るものではない。即ち、発明の開示の欄に 載した発明についての解釈はその欄の記載 基づいて行なわれるべきものであり、実施 は発明の開示の欄に記載した発明の具体的 一例に過ぎないものである。

 以上、本発明を実施するための最良の形 について実施例を用いて説明したが、本発 はこうした実施例に何等限定されるもので なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に いて、種々なる形態で実施し得ることは勿 である。

 本発明は、車両の製造産業などに利用可 である。