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Title:
IMAGE PROCESSING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081853
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS TO BE SOLVED] An image processing method is provided to detect whether a subject image is a real image by using template data generated from a sampled image. [MEANS FOR SOLVING THE PROBLEMS] In a sampled image of a character, a numerical or the like, an extracting point (22a) is set in the inside of a drawing line that is a little brightness change region in comparison with its circumference, an extracting point (22b) is set in a background of the outside of the drawing line, and pixel data at the extracting points (22a) and (22b) are used, so that a normalized correlation coefficient between the subject image and an image in a judging region I obtained. Since the template data are generated with pixel data at the clear brightness difference and clear contrast extracting points (22a) and (22b), the real image that must be judged to be the same as the template image can be detected precisely through a short time operation.

Inventors:
ABE HIROSHI (JP)
YAZAWA MAKOTO (JP)
ICHIKAWA KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075074
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
ALPS ELECTRIC CO LTD (JP)
ABE HIROSHI (JP)
YAZAWA MAKOTO (JP)
ICHIKAWA KENICHI (JP)
International Classes:
G06T7/00; G06K9/62
Foreign References:
JPS60200375A1985-10-09
JPS5242025A1977-04-01
JPH03231384A1991-10-15
JPH0268681A1990-03-08
Attorney, Agent or Firm:
NOZAKI, Teruo (1-21-11 Higashi-IkebukuroToshima-ku, Tokyo, JP)
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Claims:
 判別対象となる対象画像のデータとテンプレートのデータとの類否を判別する画像処理方法において、
 文字、数字、記号または図形の少なくとも1つを含むサンプル画像の、前記文字、数字、記号または図形の描画線の内部領域の複数の点、および描画線よりも外側の領域の複数の点をそれぞれ抽出点とし、複数の前記抽出点の位置の情報および輝度の情報に基づいて前記テンプレートのデータを生成することを特徴とする画像処理方法。
 サンプル画像内の複数の画素データを含む演算領域を設定し、前記演算領域内の複数の画素データの標本分散を求め、この標本分散が所定の値以下となる演算領域を複数抽出して、抽出されたそれぞれの演算領域内の少なくとも1つの画素を前記抽出点とする請求項1記載の画像処理方法。
 得られた抽出点のデータを輝度の順に配列し、輝度変化の段差部分を挟んで一方の側に位置する輝度の高い範囲内の複数の抽出点を選択するとともに、輝度変化の段差部分を挟んで他方の側に位置する輝度の低い範囲内の複数の抽出点を選択し、選択された抽出点の位置の情報および輝度の情報に基づいて前記テンプレートのデータを生成する請求項2記載の画像処理方法。
 輝度変化の段差部分を挟んで一方の側に位置する輝度の高い範囲内と、輝度変化の段差部分を挟んで他方の側に位置する輝度の低い範囲内とで、同じ数の抽出点を選択する請求項3記載の画像処理方法。
 前記抽出点のうちの距離が所定値以上離れているものを使用してテンプレートのデータを生成する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理方法。
 前記対象画像内に、サンプル画像と類似していると判断されるべき真の画像と、サンプル画像と類似していないと判断されるべき偽の画像とが含まれており、両画像を重ねたときに、真の画像と偽の画像とで輝度差が大きくなる点を、前記抽出点として選択する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理方法。
 前記対象画像内に、サンプル画像と類似していると判断されるべき真の画像が複数含まれ、この複数の真の画像の寸法が相違しているときに、寸法が相違している複数の画像において描画線が重なる領域内で前記抽出点を選択する請求項1ないし5のいずれか記載の画像処理方法。
 前記サンプル画像の面積よりも大きい面積の対象画像に、前記サンプル画像を含む大きさの判定領域を設定して、この判定領域を前記対象画像内で順に移動させ、それぞれの判定領域で、前記テンプレートの抽出点と同じ位置の画像データを対象画像から抽出して、この画像データと前記テンプレートのデータとの相関係数を求め、この相関係数が所定値以上のときに、その判定領域の位置に、前記サンプル画像と類似する真の画像が存在すると判定する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理方法。
 前記判定領域を、1画素ずつ移動させて前記判定を行う請求項8記載の画像処理方法。
 対象画像内において真の画像と判定領域が重なっている状態から、各方向へ前記演算領域の半分の距離まで、判定領域を1つの点ずつ位置をずらして、前記相関係数を計算し、その相関係数の最も低い値を真の最悪値とし、
 前記対象画像の全ての判定領域のデータとテンプレートのデータとの相関係数を計算して、真の画像を含まない判別領域での前記相関係数の最大値を偽の最大値とし、
 前記真の最大値が前記偽の最大値よりも大きくなるように、前記テンプレートの抽出点を変更する請求項8または9記載の画像処理方法。
Description:
画像処理方法

 本発明は、テンプレートのデータを使用 て、文字、数字、記号または図形の少なく も1つを含む対象画像から、サンプル画像と 類似しまたは一致する真の画像を検索する画 像処理方法に関する。

 CCDやCMOSなどで撮像した対象画像に含まれ ている文字、数字、記号または図形の映像を 特定するための画像処理方法として、特定の 文字、数字、記号または図形のサンプル画像 の各画素データと、前記対象画像の各画素デ ータとを対比するマッチング処理が一般に行 われている。

 このマッチング処理において、前記対象 像を構成する全ての画素データと、サンプ 画像を構成する全ての画像データとを比較 る演算を行うと、その演算量が莫大なもの なる。特に、対象画像の面積が広くてその 素データの数が多く、この対象画像内に、 ンプル画像と類似しまたは一致している確 の高い画像を検索しようとすると、さらに 算量が莫大になる。例えば、対象画像の画 数が512×480であり、特定の文字、数字、記 または図形を示しているサンプル画像の画 数が64×64であり、前記対象画像内で64×64画 の領域を縦横に1画素ずつ送って、正規化相 法により検索しようとすると、その演算量 10億回を越える。

 そこで、対象画像の画素データと、サン ル画像の画素データを間引きして、少ない 素データを対比して、両画像の類似度を演 することも行われている。しかし、画素デ タを間引くと、画像データの特徴が薄れて き、その結果、画像の誤検出が行われやす なる。

 以下の特許文献1に記載の発明では、演算 すべき画素データを間引いたときに、画像の 形状の特徴を失われにくくするために、文字 などのエッジ領域を検出し、このエッジ領域 をマッチング処理に使用している。

 しかし、特許文献1に記載のように、エッジ 領域を抽出してテンプレート情報を生成し、 このテンプレート情報で対象画像を識別する 方法では、エッジ領域の抽出のための画像処 理が複雑であり演算処理も複雑になる。よっ て、特許文献1に記載の発明では、対象画像 構成する画素データの数とサンプル画像の 像データの数とが同じで、且つ対象画像と ンプル画像とで共に画素データの数が少な 場合には演算が可能かもしれないが、前述 ように、対象画像の面積がサンプル画像の 積よりも広く、対象画像を複数の判定領域 順に区分していき、それぞれの判定領域と ンプレート情報との一致を演算するような 合には、演算量の合計が多くなりすぎて、 像の判定処理が現実的ではない。

特開2004-062631号公報

 本発明は上記従来の課題を解決するもの あり、少ない演算量で、対象画像とサンプ 画像との類似または一致の判定を高精度に うことができる画像処理方法を提供するこ を目的としている。

 また、本発明は、サンプル画像よりも広 面積の対象画像内に、サンプル画像と類似 または一致する確率の高い画像が存在して るか否かを、比較的短時間で正確に演算で る画像処理方法を提供することを目的とし いる。

 本発明は、判別対象となる対象画像のデー とテンプレートのデータとの類否を判別す 画像処理方法において、
 文字、数字、記号または図形の少なくとも1 つを含むサンプル画像の、前記文字、数字、 記号または図形の描画線の内部領域の複数の 点、および描画線よりも外側の領域の複数の 点をそれぞれ抽出点とし、複数の前記抽出点 の位置の情報および輝度の情報に基づいて前 記テンプレートのデータを生成することを特 徴とするものである。

 本発明の画像処理方法では、文字、数字 記号または図形のエッジ領域を避けて、そ 以外の、描画線の内部領域と、描画線の外 の領域に抽出点を設定して、テンプレート 生成している。エッジ領域を避けることで 抽出点とこれに近接している画素データと 間での輝度の変化が少なくなる。そのため サンプル画像内での抽出点の数を減らし、 なわち使用する画素データの間引き率を高 しても、画像の特徴を損なうことがなく、 的とする文字、数字など正確に検出できる ンプレートを得ることが可能である。

 例えば、本発明は、サンプル画像内の複 の画素データを含む演算領域を設定し、前 演算領域内の複数の画素データの標本分散 求め、この標本分散が所定の値以下となる 算領域を複数抽出して、抽出されたそれぞ の演算領域内の少なくとも1つの画素を前記 抽出点とするものである。

 抽出点は、演算領域の中央に位置する1つ の画素データであってもよいし、中央に集合 して位置する複数の画素データであってもよ い。あるいは、演算領域内で離れて位置して いる複数の画素データを抽出点としてもよい 。また、標本分散は、演算領域内の全ての画 素データを演算の対象としてもよいし、演算 領域の任意の複数の画素データを使用して標 本分散を演算してもよい。

 また本発明は、得られた抽出点のデータ 輝度の順に配列し、輝度変化の段差部分を んで一方の側に位置する輝度の高い範囲内 複数の抽出点を選択するとともに、輝度変 の段差部分を挟んで他方の側に位置する輝 の低い範囲内の複数の抽出点を選択し、選 された抽出点の位置の情報および輝度の情 に基づいて前記テンプレートのデータを生 するものである。

 上記のように抽出点を選択すると、抽出 の画素データは、輝度の高いものと輝度の いものに二分でき、テンプレートのデータ 対照画像のデータとの正規化相関を求めた きに、同種の文字、数字、記号または図形 はその値が高くなり、非類似の場合には低 値を算出でき、高精度なマッチングを可能 できる。

 この場合に、本発明では、輝度変化の段 部分を挟んで一方の側に位置する輝度の高 範囲内と、輝度変化の段差部分を挟んで他 の側に位置する輝度の低い範囲内とで、同 数の抽出点を選択すると、正規化相関を用 て、マッチングを精度よく行えるようにな 。

 さらに、本発明では、前記抽出点のうち 距離が所定値以上離れているものを使用し テンプレートのデータを生成することが好 しい。

 上記のように、距離の離れた抽出点を使 すると、画素データの間引き率を高くでき しかも対比する画像の特徴を十分に検出で るようになる。

 さらに、本発明では、前記対象画像内に サンプル画像と類似していると判断される き真の画像と、サンプル画像と類似してい いと判断されるべき偽の画像とが含まれて り、両画像を重ねたときに、真の画像と偽 画像とで輝度差が大きくなる点を、前記抽 点として選択することが好ましい。

 また本発明は、前記対象画像内に、サン ル画像と類似していると判断されるべき真 画像が複数含まれ、この複数の真の画像の 法が相違しているときに、寸法が相違して る複数の画像において描画線が重なる領域 で前記抽出点を選択することが好ましい。

 上記のように抽出点を選択すると、数字 「6」と「8」などのように紛らわしい形状 画像であっても、確実に区別して判断でき 。また、同じ「6」などの数字や文字で大き の相違するものを確実に検出できる。

 本発明は、前記サンプル画像の面積より 大きい面積の対象画像に、前記サンプル画 を含む大きさの判定領域を設定して、この 定領域を前記対象画像内で順に移動させ、 れぞれの判定領域で、前記テンプレートの 出点と同じ位置の画像データを対象画像か 抽出して、この画像データと前記テンプレ トのデータとの相関係数を求め、この相関 数が所定値以上のときに、その判定領域の 置に、前記サンプル画像と類似する真の画 が存在すると判定するものである。

 上記発明では、正規化相関係数を求める いう汎用的な演算手法で、文字や数字など 高精度に識別できる。

 この場合に、抽出点の数を少なくできる め、前記判定領域を、1画素ずつ移動させて 前記判定を行うものであっても、対象画像の 全体領域に対する演算を短時間に行うことが できる。

 さらに本発明は、対象画像内において真の 像と判定領域が重なっている状態から、各 向へ前記演算領域の半分の距離まで、判定 域を1つの点ずつ位置をずらして、前記相関 係数を計算し、その相関係数の最も低い値を 真の最悪値とし、
 前記対象画像の全ての判定領域のデータと ンプレートのデータとの相関係数を計算し 、真の画像を含まない判別領域での前記相 係数の最大値を偽の最大値とし、
 前記真の最大値が前記偽の最大値よりも大 くなるように、前記テンプレートの抽出点 変更するものである。

 上記の操作を行うことで、テンプレート データを使用した画像の検出精度をさらに くできる。

 本発明では、少ない演算量で、対象画像 の文字、数字、記号または図形を高精度に 出できる。また、広い面積の対象画像内か 文字、数字、記号または図形を検出する際 も、その演算量を少なくでき、確実な検出 可能になる。

 図1は本発明の実施の形態の画像処理方法 を実施する画像処理装置1を示すブロック図 ある。

 この画像処理装置1にはカメラ2が接続さ ている。このカメラ2はレンズ2aを有し、内 にはCCDまたはCMOSなどの撮像素子が設けられ おり、撮像素子は複数の画素を有している 文字、数字、記号または図形の少なくとも1 つが記された対象物10に、照明光源5から光が 与えられると、対象物10からの反射光がカメ 2で撮影され、図2(B)に示す対象画像10aが得 れる。

 画像処理装置1は、CPUとメモリなどから構 成されている。前記撮像素子の各画素で得ら れた画素データ(輝度データ)は、A/D変換され 例えば256階調のデータとしてCPUに与えられ 。画像処理装置1にはCRTまたは液晶パネルを 有するモニタ3が接続されている。

 対象物10はその表面に複数の文字が記さ ている。これら文字は印刷や刻印あるいは 属膜がエッチングされることなどで形成さ ている。対象物10では、文字の描画線が濃色 で、描画線以外の背景の全体が白などの淡色 である。したがって、照明光源5から照明光 与えてカメラ2で撮影すると、対象画像10aで 、描画線の輝度が低く、描画線以外の背景 輝度が高い。この画像処理装置1は、淡色の 背景に濃色の文字などが記された対象物にお いて文字などを識別するのに適している。

 図2に示す実施の形態では、対象物10の表 に複数のアルファベットの文字が記されて る。画像処理装置1では、これら複数の文字 のうちの文字「A」を検出し、且つ文字「A」 記されている位置を検出する。

 前記文字「A」を検出するための基準とし て、画像処理装置1のメモリには、テンプレ トのデータが保持されている。このテンプ ートのデータは、図2(A)に示すサンプル画像2 0から生成される。サンプル画像20内の文字「 A」は、対象画像10aに含まれている「A」の文 と同じ字体で同じ大きさの画像、あるいは 象画像10aに含まれている「A」の文字とほぼ 同じ字体でほぼ同じ画像である。サンプル画 像20の面積は、対象画像10aの面積よりも十分 小さい。

 図2(B)では、対象物10を撮影した対象画像1 0aのうちの、テンプレートのデータと比較す ための判別領域11を破線で囲んで正方形の 域として示している。この判別領域11の面積 は、前記サンプル画像20の面積と同じであり 判別領域11とサンプル画像20では、画素数も 同じである。

(テンプレートのデータの生成)
 以下では、サンプル画像20からテンプレー のデータを生成する方法を説明する。

 図3は、前記サンプル画像20を拡大して示 ている。サンプル画像20は、図2(B)に示され いる対象画像10aから、判別領域11と同じ面 の区画で且つ文字「A」が中央に位置する領 を抜き出したものであり、例えば画素数が6 4×64の領域である。あるいは、画像処理装置1 の内部でソフトウエアを使用して64×64の画素 の領域を想定し、それぞれの画素に濃淡色を 分布させて、中央に「A」を有するサンプル 像20をコンピュータ上で描画して作成しても よい。

 この実施の形態では、64×64の画素数を有 るサンプル画像20の全ての画素データをテ プレートのデータとして使用するのではな 、サンプル画像20内の画素データを間引いて 、なるべく少ない画素データのみを抽出点と して使用する。そのデータの抽出の手順を以 下の通りである。

(1)周囲の輝度差が少ない領域の画素データを 抽出する
 図3に示すようにサンプル画像20に所定面積( 所定画素数)の演算領域21を設定する。演算領 域21は縦方向の寸法がTyで横方向の寸法がTxで あり、Tx×Tyの面積内に少なくとも縦横が3画 ずつで3×3=9個の画素が存在している。図4は 前記演
算領域21を拡大して示しているが、この実施 形態では縦方向の寸法Ty内に5個の画素が並 、横方向の寸法Tx内に5個の画素が並んでお 、1つの演算領域21内に5×5=25個の画素が位置 している。

 画像処理装置1では、サンプル画像20を、T x×Tyの面積を単位として、すなわち5×5=25個の 画素群を単位として、順番に走査し、それぞ れの演算領域21内の画素データの標本分散を 算する。図4に示すように、最初にTx×Tyの面 積(5×5=25個の画素群)である(a)の演算領域21で 本分散を演算し、次に横方向に5画素飛んで 、次のTx×Tyの面積(5×5=25個の画素群)である(b) の演算領域21で標本分散を演算し、これを繰 返して行う。つまり、横方向に5画素置きに ならぶ(a)(b)(c)(d)・・・の演算領域21で標本演 をしたら、その次に、縦方向へ5画素飛んで 、1段下の行に移行し、この行内で、横方向 5画素置きに並んでいるTx×Tyの面積の(e)(f)(g) ・・の演算領域21でそれぞれ標本演算を行 。

 それぞれの演算領域21内の各画素データに る標本分散δ 2 の演算は以下の数1に基づいて行われる。

 前記数1において、nは1つの演算領域21内の 素の数であり、図4に示す実施の形態ではn=25 である。xiは、1つの演算領域21内にある各画 の画素データであり、それぞれの画素デー は例えば256階調で表現される。数1中のxバ (xの上にラインが引かれている文字)は、1つ 演算領域21内の25個の画素データの平均値で ある。図4に示す(a)(b)(c)・・・の全て演算領 21において数1に示す標本分散δ 2 を演算する。

 この標本分散δ 2 は、演算領域21内の25個の画素データの変動 少なければ値が低くゼロに近くなり、25個の 画素データの変動が大きいと値が高くなる。 この実施の形態では、標本分散δ 2 の演算結果が、所定のしきい値以下である演 算領域21、または所定のしきい値未満である 算領域21が選択され、それぞれの演算領域21 内のいずれか1つ以上の画素が抽出点として 択される。図4の実施の形態では、標本分散 2 の値が所定のしきい値以下またはしきい値未 満の演算領域21において、その領域の中心に 置する画素データが抽出点22のデータとし 選択される。

 つまり、それぞれの演算領域21において 1に示す標本分散を演算することで、周囲の 素間での輝度の差の変動が少ない領域から 出点22が選ばれることになる。また各演算 域21内で抽出点22を選択した時点で、サンプ 画像20のうちの演算に使用する画素データ 1/25に減少できる。

 図5は、図3に示すサンプル画像20において 、文字「A」の描画線を横方向に横断するV-V 上に位置する各画素の画素データ(輝度デー )の分布を示している。

 サンプル画像20のうちの文字「A」の描画線 内部の領域は画像データの輝度が低く、描 線を外れた外側の領域では画像データの輝 が高い。よって、サンプル画像20において 数1の標本分散δ 2 の値がしきい値以下またはしきい値未満とな る演算領域21は、図5に示すように、塗りつぶ されている描画線の内部のXaの領域、および 画線の外側における白色などの背景のみが 在するXbの領域である。また、描画線と背 との境界を含むXcの領域では、演算領域21内 各画素データの変動が大きく、標本分散δ 2 の値が大きくなる。前記標本分散δ 2 を演算し、その値が小さい領域内から抽出点 22を選択することで、図5に示すXcの領域内の 動の大きいデータが演算に使用されること 排除している。

 その結果、図6に示すように、文字「A」 描画線の内部で描画線の縁部から離れた領 24と、描画線から外れた背景の領域で且つ描 画線の縁部から離れた領域23から抽出点22が 択されることになる。

(2)輝度の低い領域と輝度の高い領域から抽 出点を選ぶ(抽出点の輝度差が顕著となるよ に抽出点を選ぶ)

 図7に示すように、(1)で選択した抽出点22を 度の低い順から輝度の高い順に並び替える 前記(1)では、標本分散δ 2 が低い演算領域21から抽出点22を選んでおり 抽出点22は、図6に示す描画線の内部の領域24 と、描画線から離れた背景の領域内に位置し 、描画線の境界部分では抽出点22が選択され いない。そのため、抽出点22の輝度の分布 、輝度変化の段差部分を挟んで、一方の側 輝度の低い抽出点が並び、前記段差部分を んで、他の側に輝度の高い抽出点が並ぶ。

 図7に示す並び替えの後に、輝度が最も低 い側から順に複数の抽出点22aを選び、さらに 輝度が最も高い側から順に複数の抽出点22bを 選ぶ。このとき、抽出点22aを輝度が最も低い 側から1つ置きまたは2つ置きなどで選んでも いが、最も輝度の低い抽出点から連続して 番に複数の抽出点22aを選ぶことが好ましい これは輝度が高い側から選ばれる抽出点22b おいても同じである。

 その結果、図8に示すように、文字「A」 描画線の内部で色が最も濃い領域から抽出 22aが選ばれ、文字「A」の描画線から外れた 景において色が最も薄い領域から抽出点22b 選ばれる。

(3)位置の離れている抽出点を選ぶ
 ただし、このときに、輝度の低い側の複数 抽出点22aとして、縦方向の距離および横方 の距離の少なくとも一方が所定値よりも短 ものが含まれている場合には、近い位置関 にある抽出点22aのうちの輝度の低い方の抽 点22aのみを選択する。同様に、輝度の高い の複数の抽出点22bに、縦方向の距離と横方 の距離のうちの少なくとも一方が所定値よ も短いものが含まれている場合には、近い 置関係にある一方の抽出点22bのうち輝度の い抽出点22bのみを選択する。

 抽出点22aのうちの距離が近いものは、文 の同じ特徴部分に存在している確率が高い よって、接近している抽出点を間引くこと より、テンプレートのデータの特徴を損な ことなく演算量を低減できる。これは抽出 22bにおいても同じである。

(4)低輝度の抽出点と高輝度の抽出点をほぼ同 数選ぶ
 さらに、輝度の低い側から選択された抽出 22aと輝度の高い側から選択された抽出点22b 、互いに同数あるいはほぼ同数であること 好ましい。抽出点22aと抽出点22bを同数また ほぼ同数とすることにより、後に示す正規 相関係数を演算するときに、類似した画像 類似していない画像での相関係数に明確な をつけやすくなる。

 最も輝度の低い側から複数の抽出点22aを び、最も輝度の高い側から複数の抽出点22b 選び、抽出点22aどうしの距離をある程度空 、且つ抽出点22bどうしの距離をある程度空 、さらに抽出点22aと抽出点22bを同数または ぼ同数とすることにより、画像サンプル20 記された文字などの特徴を損なうことなく 最小の演算量で画像を検出することが可能 テンプレートを生成することができる。な 、抽出点22aの数と抽出点22bの数とがほぼ同 とは、一方の数に対して他方の数が80%以上 あることを意味しており、さらに好ましく 90%以上である。

(対象画像の判定)
 図2(B)に示す対象画像10aは、サンプル画像10 りも大きい面積を有し、例えば画素数が512 480=245760である。この対象画像10aに判定領域1 1を設定するが、この判定領域11は、テンプレ ートのデータを生成する前のサンプル画像20 同じ面積で同じ画素数である。この判定領 11を、対象画像10aの左上の隅の領域から順 横方向へ1画素列ずつ位置をずらして設定し 行き、最上部の行の全体の走査が完了した 、次に縦方向に1画素行だけ下側にずらして 、次の行内でさらに横方向に1画素列ずつ位 をずらして、判定領域11を順に設定していく 。つまり、判定領域11は、縦と横に1画素ずら して、対象画像10aの全域に設定される。

 そして、それぞれの判定領域11の画素デ タと、テンプレートのデータとを対比する このとき、それぞれの判定領域11の64×64の画 素のうち、テンプレートのデータで抽出した 抽出点22aと同じ位置にある画素データを抽出 し、判定領域11から抽出された画素データと この画素データと同数であるテンプレート 各抽出点22a,22bの画素データとを対比する。

 この対比は、正規化相関法により行われ 。テンプレートのそれぞれの抽出点22a,22bの 画素データをM、それぞれの判定領域11から抽 出した画素データをIとすると、その正規化 関係数Rは、以下の数2に示すように、MとIの 分散を、Mの標準偏差とIの標準偏差との積 よって除算することで求められる。

 具体的には、相関係数Rを以下の数3で求 ることができる。数3において、Nは、サンプ ル画像20から抽出した抽出点22aと抽出点22bと 総数であり、1つの判定領域11から抽出する 素データの数もNである。Miはテンプレート 抽出点22a,22bの画素データで、Iiは判定領域1 1から抽出された画素データである。

 前記相関係数Rが所定のしきい値以上また はしきい値を越えたときに、その判定領域11 、サンプル画像20と同じ画像または類似し いる画像と判断されるべき真の画像が存在 ていると判断できる。図2(B)に示す対象画像1 0aを検出する際には、文字「A」が中心に位置 する判定領域11で演算した相関係数Rが最大値 となる。よって、各判定領域11とテンプレー の相関係数を順に計算し、計算値の最大値 検出することで、対象画像10a内のどの位置 真の画像である文字「A」が存在しているか 検出できる。

 前記テンプレートのデータは、サンプル 像20から抽出点22a,22bの画像データを取り出 たものであり、その画素データの数はサン ル画像の全体の画素数に比べて少数である また、判定領域11では、その内部の画素デ タのうちのテンプレートのデータと同じ数 画素データを抽出して正規化相関係数の演 を行っている。そのため、全ての判定領域11 において相関係数Rを演算したとしても、全 の演算量が少なくて済み、短時間の演算で の画像(例えば文字「A」)がどの位置に存在 ているかを検出できる。

 また、テンプレートの画素データの数が ないにもかかわらず、そのデータは、サン ル画像20において周囲の輝度が同じである 字の描画線の内部の領域の抽出点22aと、文 以外の背景部分で且つ描画線の縁部から離 た領域の抽出点22bとから抽出したものであ 。すなわち、テンプレートのデータは、サ プル画像のコントラストを明瞭に反映した のである。そのため、抽出点22aと抽出点22b 数が少なくても、高い精度で真の画像を検 できる。しかも、少ない抽出点の画素デー で正規化相関の演算を行っているので、短 間で演算ができる。

(テンプレートのデータの精度の検証)
(a)正規化相関係数の計算結果の検証
 図4に示したように、テンプレートのデータ を生成する際には、サンプル画像10の画素をT x×Tyの面積の演算領域21に区分している。そ て、この演算領域21内の全ての画素データの 標本分散が所定の値よりも少ないときに、そ の演算領域21の中心に位置する画素データを 出点22とし、さらにその抽出点22の中から、 図7と図8のように、コントラストが明確にな 抽出点22a,22bを検出している。そして、以下 のようにテンプレートのデータを評価するこ とにより、さらに検出精度の高いテンプレー トを生成することができる。

 図9(A)は、図2(B)に示す対象画像10a内にお てサンプル画像20と同じ文字「A」が存在し いる付近の複数の判定領域11のデータとテン プレートのデータとで演算した正規化相関係 数Rを示している。図9(A)では、対象画像10aに いて、判定領域11を文字「A」の中心を基準 して左右両側に1画素ずつ移動させたときの 、それぞれの位置の判定領域11での相関係数R を示している。

 図9(A)に示すように、サンプル画像20の文 「A」の中心と、対象画像での真の画像であ る文字「A」の中心とが一致しているときの 定領域11において、その正規化相関係数Rが 大値となる。以下これを真の最大値と呼ぶ また相関係数Rが最大値となる位置から左右 Tx/2の範囲内に位置する判定領域11とテンプ ートとの相関係数Rのうちの最も低い値を真 の最悪値とする。

 この真の最悪値は、テンプレートの画素 ータを生成する際に、範囲Tx内において抽 点22以外の画素を間引いたことに起因する検 出誤差を反映している。同様にして、対象画 像において判定領域を縦方向へ1画素行ずつ 動させて、それぞれの判定領域に対して、 9(A)に示したのと同様に、真の最大値から上 にTy/2の範囲内で相関係数Rが最低となる真 最悪値を同様にして求める。

 次に、図2(B)に示す対象画像10aにおいて、 横方向に1画素列ずつ位置をずらし、さらに 方向に1画素行ずつ位置をずらした全ての判 領域11において、その判定領域11から抽出し た画素データと、前記テンプレートのデータ とから正規化相関係数Rを計算する。図9(C)は 横軸に全ての判定領域11の位置を示し、縦 にそれぞれの判定領域11で計算した相関係数 Rを示している。サンプル画像20と、対象画像 の真の画像である文字「A」とが重なったと に相関係数Rが真の最大値となる。この対象 像10aにおいて、真の画像を有しない位置で しかも相関係数Rが前記真の最大値の次に極 大となる値が偽の最大値である。

 図9(A)に示す真の最悪値が、図9(C)に示す の最大値よりも常に高い値となるように、 ンプレートの抽出点22a,22bを決めておけば、 象画像を検証したときに、真の画像以外の 像を真の画像として誤検出する確率を低く きる。つまり、テンプレートの条件として (真の最悪値)/(偽の最大値)が1を越えている とが好ましく、例えば1.2~1.6の範囲が好まし い。

 また、図9(B)に示すように、テンプレート のデータを2種類用意し、対象画像内で真の 像を2つ検出する場合、例えば文字「A」の画 像と文字「B」の画像を検出する場合には、 テンプレートの真の最悪値のうちの低い方 値が、偽の最大値よりも高い値となるよう 、テンプレートの抽出点を決めればよい。

(b)紛らわしい文字、数字、記号または図形 に関する対応図10(A)は、テンプレートを生成 るためのサンプル画像120として数字の「6」 を使用した例を示している。この場合に、対 象物を撮影して得られた対象画像に図10(B)に す「8」の文字の画像110が含められていると 、数字の「6」と数字の「8」は、重ねたとき 描画線の位置が似ているため、数字の「6」 のサンプル画像120から生成したテンプレート の画素データと、数字の「8」の画像におい テンプレートと同じ抽出点を選んだ画素デ タとの相関係数Rの値が高くなり、数字「8」 を真の画像である数字の「6」として認識す おそれがある。

 そこで、数字「6」と数字「8」を重ねた きに、その重なり部に一方の数字の描画線 位置し他方の数字の描画線が位置しない点12 1および点122を新たな抽出点とする。点121は 数字「6」の描画線が位置しないが、数字「8 」の描画線が位置しており、点122は、数字「 6」の描画線が位置しているが、数字「8」の 画線が位置していない。このように、対象 像とサンプル画像を重ねたときに、両画像 輝度差が大きくなる点121と点122を新たな抽 点とし、サンプル画像から生成されるテン レートのデータに、サンプル画像の点121と1 22の画素データを加える。このようにテンプ ートのデータを生成することにより、描画 の位置が近似している紛らわしい文字や数 などをテンプレートのデータを用いて高精 に区別できる。

 図11(A)は、前記と同様に数字の「6」のサ プル画像120からテンプレートのデータを生 する例を示しているが、さらに対象物を撮 した対象画像に、図11(B)に示すように、サ プル画像120には、「6」よりもやや小さい(ま たはやや大きい)文字「6」の画像210が含まれ いる。この場合には、図11(A)に示すサンプ 画像120と、図11(B)に示す画像において、描画 線どうしが重なる領域で前記抽出点22aを選択 する。すなわち、図7と図8において、輝度の い抽出点22aを選択するときに、必ず2つの「 6」の数字の描画線が重なる領域で、その抽 点22aを選択する。

 これにより、同じ文字や数字などで寸法 やや違う画像が、対象画像内に存在してい も、対象画像内の前記画像を高い確率で検 することができる。

本発明の実施の形態の画像処理方法を 施する画像処理装置のブロック図、 (A)はサンプル画像の説明図、(B)は対象 像の説明図、 サンプル画像と演算領域との関係を示 説明図、 サンプル画像から抽出点を選択する方 を説明する説明図、 図3のサンプル画像のV-V線上に位置する 画素データの輝度変化を示す線図、 サンプル画像から抽出点を選択する領 を示す説明図、 抽出点を輝度の強度順に配列した分布 明図、 サンプル画像から抽出点を選択する過 を示す説明図、 (A)(B)(C)は、正規化相関係数を用いたテ プレートの評価法を示す説明図、 (A)(B)は、紛らわしい文字、数字などを 識別するためのテンプレートの生成法を示す 説明図、 (A)(B)は、大きさの相違する文字、数字 などを識別するためのテンプレートの生成法 を示す説明図、

符号の説明

1 画像処理装置
2 カメラ
3 ディスプレイ
5 照明光源
10 対象物
10a 対象画像
11 判定領域
20 サンプル画像
21 演算領域
22 抽出点
22a 低輝度の領域の抽出点
22b 高輝度の領域の抽出点