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Patent Searching and Data


Title:
IMAGING OPTICAL SYSTEM, AND IMAGING LENS MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157273
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an imaging optical system capable of suppressing the warpage and bend of a glass substrate.  Also provided is an imaging lens manufacturing method.  The imaging optical system includes an imaging lens having a lens portion made of a hardening resin on the glass substrate.  The imaging optical system is characterized by including at least one group of imaging lenses and by having IR cut coats formed individually on both the front and back surfaces of the glass substrate.

Inventors:
TOKUHIRO SETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059962
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 01, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA OPTO INC (JP)
TOKUHIRO SETSUO (JP)
International Classes:
G02B3/00; G02B5/28; G02B13/00
Foreign References:
US20070024958A12007-02-01
JP2006323365A2006-11-30
JP3976780B12007-09-19
JPH11202126A1999-07-30
JPS61296306A1986-12-27
JPH05127018A1993-05-25
JPH0933719A1997-02-07
JP2007248728A2007-09-27
JPH05100104A1993-04-23
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Claims:
 ガラス基板上に硬化性樹脂製のレンズ部を形成した撮像用レンズを有する撮像光学系であって、
 前記撮像用レンズを少なくとも1群以上有し、
 前記ガラス基板の表裏両面に対しIRカットコートがそれぞれ形成されていることを特徴とする撮像光学系。
 請求項1に記載の撮像光学系において、
 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIRカットコートの総膜厚r1と、前記ガラス基板の他方の面に形成されたIRカットコートの総膜厚r2との総膜厚比率rが、式(1)の条件を満たすことを特徴とする撮像光学系。
   0.9≦r(=r1/r2)≦1.1 … (1)
 請求項1又は2に記載の撮像光学系において、
 前記IRカットコートが、低屈折率材料から構成された低屈折率層Aと、高屈折率材料から構成された高屈折率層Bとを交互に複数積層した交互多層膜であり、
 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIRカットコートの低屈折率層A1の総膜厚r(A1)と、前記ガラス基板の他方の面に形成されたIRカットコートの低屈折率層A2の総膜厚r(A2)との総膜厚比率r(A)が、式(2)の条件を満たし、かつ、前記ガラス基板の一方の面に形成されたIRカットコートの高屈折率層B1の総膜厚r(B1)と、前記ガラス基板の他方の面に形成されたIRカットコートの高屈折率層B2の総膜厚r(B2)との総膜厚比率r(B)が、式(3)の条件を満たすことを特徴とする撮像光学系。
  0.9≦r(A)(=r(A1)/r(A2))≦1.1 … (2)
  0.9≦r(B)(=r(B1)/r(B2))≦1.1 … (3)
 請求項1~3のいずれか一項に記載の撮像光学系において、
 前記撮像用レンズのガラス基板上には、前記レンズ部の周辺に設けられる硬化性樹脂製の周辺部が形成され、前記ガラス基板の一方の面に形成された前記周辺部の厚さをt1と、前記ガラス基板の一方の面に形成された前記周辺部の厚さをt2とし、
 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIRカットコートの総膜厚をr1と、前記ガラス基板の他方の面に形成されたIRカットコートの総膜厚をr2としたとき、
 式(4)又は式(5)の条件を満たすことを特徴とする撮像光学系。
  t1>t2,r1<r2 … (4)
  t1<t2,r1>r2 … (5)
 請求項1~4のいずれか一項に記載の撮像光学系において、
 前記撮像用レンズを2群以上有し、
 前記撮像用レンズのうち、ガラス基板に対し前記IRカットコートが形成されていない前記撮像用レンズが像面側に配置されることを特徴とする撮像光学系。
 請求項1~5のいずれか一項に記載の撮像光学系において、
 前記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であり、
 前記IRカットコートが、波長365nmの光に対し50%以上の透過率を有することを特徴とする撮像光学系。
 請求項6に記載の撮像光学系において、
 前記光硬化性樹脂がアクリル樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする撮像光学系。
 ガラス基板の表裏両面に対しIRカットコートを形成する工程と、
 前記IRカットコート上にシランカップリング処理を実行する工程と、
 前記シランカップリング処理後の前記IRカットコート上に複数の硬化性樹脂製のレンズ部を形成する工程と、
 前記レンズ部ごとに前記ガラス基板を切断する工程と、
 を備えることを特徴とする撮像用レンズの製造方法。
Description:
撮像光学系及び撮像用レンズの 造方法

 本発明は、撮像光学系及び撮像用レンズ 製造方法に関する。

 従来、光学レンズの製造分野においては ウエハ状のガラス基板に対し硬化性樹脂製 レンズ部を複数設け(所謂「ウエハレンズ」 を作製し)、そのウエハ状のガラス基板をレ ズ部ごとに切断・断片化してその1つ1つを撮 像用レンズとして使用しようという試みがな されている。近年では、これを応用した技術 として、撮像用レンズのガラス基板に対しIR( Infrared Rays,赤外線)カットコートを形成した が開示されており(特許文献1参照)、ガラス 板の表裏両面のうち少なくとも一方の面にIR カットコートが形成される旨の記載がされて いる。

米国特許出願公開2007/0024958号公報

 しかしながら、特許文献1の手法に拠れば 、少なくとも一方の面にIRカットコートを形 されるとの記載より両面にIRカットコート 形成することが示唆されるが、本発明が課 としている基板の反りに関する言及はなく 意図的にその対処に関しても言及していな ことより、膜の応力によってガラス基板が り曲がってしまう可能性がある。

 したがって、本発明の解決課題は、ガラ 基板の反り曲がりを抑制することができる 像光学系及び撮像用レンズの製造方法を提 することである。

 本発明に係る上記課題は、以下の手段に り解決される。

 1.ガラス基板上に硬化性樹脂製のレンズ部 形成した撮像用レンズを有する撮像光学系 あって、
 前記撮像用レンズを少なくとも1群以上有し 、
 前記ガラス基板の表裏両面に対しIRカット ートがそれぞれ形成されていることを特徴 する撮像光学系。

 2.前記1に記載の撮像光学系において、
 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIR ットコートの総膜厚r1と、前記ガラス基板の 他方の面に形成されたIRカットコートの総膜 r2との総膜厚比率rが、式(1)の条件を満たす とを特徴とする撮像光学系。

   0.9≦r(=r1/r2)≦1.1 … (1)
 3.前記1又は2に記載の撮像光学系において、
 前記IRカットコートが、低屈折率材料から 成された低屈折率層Aと、高屈折率材料から 成された高屈折率層Bとを交互に複数積層し た交互多層膜であり、
 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIR ットコートの低屈折率層A1の総膜厚r(A1)と、 記ガラス基板の他方の面に形成されたIRカ トコートの低屈折率層A2の総膜厚r(A2)との総 厚比率r(A)が、式(2)の条件を満たし、かつ、 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIRカ トコートの高屈折率層B1の総膜厚r(B1)と、前 記ガラス基板の他方の面に形成されたIRカッ コートの高屈折率層B2の総膜厚r(B2)との総膜 厚比率r(B)が、式(3)の条件を満たすことを特 とする撮像光学系。

  0.9≦r(A)(=r(A1)/r(A2))≦1.1 … (2)
  0.9≦r(B)(=r(B1)/r(B2))≦1.1 … (3)
 4.前記1~3のいずれか一項に記載の撮像光学 において、
 前記撮像用レンズのガラス基板上には、前 レンズ部の周辺に設けられる硬化性樹脂製 周辺部が形成され、前記ガラス基板の一方 面に形成された前記周辺部の厚さをt1と、 記ガラス基板の一方の面に形成された前記 辺部の厚さをt2とし、
 前記ガラス基板の一方の面に形成されたIR ットコートの総膜厚をr1と、前記ガラス基板 の他方の面に形成されたIRカットコートの総 厚をr2としたとき、
 式(4)又は式(5)の条件を満たすことを特徴と る撮像光学系。

  t1>t2,r1<r2 … (4)
  t1<t2,r1>r2 … (5)
 5.前記1~4のいずれか一項に記載の撮像光学 において、
 前記撮像用レンズを2群以上有し、
 前記撮像用レンズのうち、ガラス基板に対 前記IRカットコートが形成されていない前 撮像用レンズが像面側に配置されることを 徴とする撮像光学系。

 6.前記1~5のいずれか一項に記載の撮像光学 において、
 前記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であり、
 前記IRカットコートが、波長365nmの光に対し 50%以上の透過率を有することを特徴とする撮 像光学系。

 7.前記6に記載の撮像光学系において、
 前記光硬化性樹脂がアクリル樹脂又はエポ シ樹脂であることを特徴とする撮像光学系

 8.ガラス基板の表裏両面に対しIRカットコー トを形成する工程と、
 前記IRカットコート上にシランカップリン 処理を実行する工程と、
 前記シランカップリング処理後の前記IRカ トコート上に複数の硬化性樹脂製のレンズ を形成する工程と、
 前記レンズ部ごとに前記ガラス基板を切断 る工程と、
 を備えることを特徴とする撮像用レンズの 造方法。

 本発明の上記手段により、ガラス基板の り曲がりを抑制することができる撮像光学 及び撮像用レンズの製造方法を提供するこ ができる。

 すなわち、本発明によれば、ガラス基板 表裏両面に対しIRカットコートが形成され から、ガラス基板の一方の面へのIRカットコ ート成膜時のガラス基板の反りが、他方の面 へのIRカットコート成膜時のガラス基板の反 で相殺され、ガラス基板の反り曲がりを抑 することができる。

本発明の好ましい実施形態に係る撮像 ニットの概略構成を示す分解斜視図である 本発明の好ましい実施形態に係る撮像 レンズの概略構成を示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係る撮像 ニットの概略的な製造方法を説明するため 図面である。 本発明の好ましい実施形態に係る撮像 ニットの概略的な製造方法を説明するため 図面であって、図3の後続の図面である。 本発明の好ましい実施形態に係る撮像 学系の変形例を示す概略断面図である。 コート種タイプIの波長と透過率との概 略的な関係を示す図面である。 コート種タイプIIの波長と透過率との 略的な関係を示す図面である。 コート種タイプIIIの波長と透過率との 略的な関係を示す図面である。 コート種タイプIVの波長と透過率との 略的な関係を示す図面である。 コート種タイプVの波長と透過率との 略的な関係を示す図面である。 コート種タイプVIの波長と透過率との 略的な関係を示す図面である。

 本発明の撮像光学系は、ガラス基板上に 化性樹脂製のレンズ部を形成した撮像用レ ズを有する撮像光学系であって、前記撮像 レンズを少なくとも1群以上有し、前記ガラ ス基板の表裏両面に対しIRカットコートがそ ぞれ形成されていることを特徴とする。こ 特徴は、請求項1から請求項8に係る発明に 通する技術的特徴である。

 以下、図面を参照しながら本発明の好ま い実施形態について詳細な説明をする。

 図1に示す通り、本発明の好ましい実施形 態に係る撮像ユニット1は主に、レンズユニ ト2、センサデバイス4及びケーシング5で構 されており、レンズユニット2及びセンサデ イス4がケーシング5で覆われた構成を有し いる。

 ケーシング5は円筒状の円筒部51と直方体 のベース部53とで構成されている。円筒部51 とベース部53は一体に成形されており、円筒 51がベース部53上に立設されている。円筒部 51の内部にはレンズユニット2が配置されてい る。円筒部51の天板部には円形状の光透過孔5 1aが形成されている。ベース部53の内部(底部) にはセンサデバイス4が配置されている。セ サデバイス4としては例えばCCDやCMOSなどが使 用される。

 図1拡大図に示す通り、レンズユニット2 主には絞り21、撮像用レンズ23及びスペーサ2 5で構成されている。これら部材は、絞り21と スペーサ25との間に撮像用レンズ23が配置さ た状態で互いに重ね合わせられている。撮 用レンズ23の中央部は表裏両面においてそれ ぞれ凸状を呈しており、この部位が基本的に は光学機能を発揮するようになっている。絞 り21は撮像用レンズ23に入射する光の光量を 節する部材であり、その中央部には円形状 開口部21aが形成されている。スペーサ25はケ ーシング5の円筒部51におけるレンズユニット 2の配置位置(高さ位置)を調整するための部材 であり、その中央部にも円形状の開口部25a( 1上段参照)が形成されている。

 図2に示す通り、撮像用レンズ23はガラス 板100を有している。ガラス基板100の表面102 はIRカットコート110が形成されており、ガ ス基板100の裏面104にもIRカットコート120が形 成されている。IRカットコート110,120は赤外線 を遮光するための膜であり、波長365nmの光に しては50%以上の透過率を有している。詳し は、IRカットコート110,120は低屈折率材料か 構成された低屈折率層A1,A2と、高屈折率材 から構成された高屈折率層B1,B2とを、交互に 複数積層した交互多層膜である。IRカットコ ト110,120においては、好ましくは低屈折率層 A1,A2がガラス基板100に対し直に接している。

 低屈折率層A1,A2を構成する低屈折率材料と てはSiO 2 などが使用される。他方、高屈折率層B1,B2を 成する高屈折率材料としてはTiO 2 ,Ta 2 O 5 ,Nb 2 O 3 ,ZrO 2 などが使用される。IRカットコート110,120は低 屈折率層A1,A2が互いに異なる材料で構成され いてもよいし、高屈折率層B1,B2も互いに異 る材料で構成されていてもよい。また、IRカ ットコート110,120は通常10~40層程度で構成され るが、その層数は互いに同じであってもよい し、異なっていてもよい。

 撮像用レンズ23では、好ましくはガラス 板100の表面102に形成されたIRカットコート110 の総膜厚r1と、ガラス基板100の裏面104に形成 れたIRカットコート120の総膜厚r2との総膜厚 比率rが、式(1)の条件を満たしている。

  0.9≦r(=r1/r2)≦1.1 … (1)
 さらに、撮像用レンズ23では、好ましくは ラス基板100の表面102に形成されたIRカットコ ート110の低屈折率層A1の総膜厚r(A1)と、ガラ 基板の裏面104に形成されたIRカットコート120 の低屈折率層A2の総膜厚r(A2)との総膜厚比率r( A)が、式(2)の条件を満たし、かつ、ガラス基 100の表面102に形成されたIRカットコート110 高屈折率層B1の総膜厚r(B1)と、ガラス基板100 裏面104に形成されたIRカットコート120の高 折率層B2の総膜厚r(B2)との総膜厚比率r(B)が、 式(3)の条件を満たしている。

  0.9≦r(A)(=r(A1)/r(A2))≦1.1 … (2)
  0.9≦r(B)(=r(B1)/r(B2))≦1.1 … (3)
 また、図2に示す通り、IRカットコート110上 は樹脂部130が形成されている。樹脂部130は 化性樹脂130Aで構成されている。樹脂部130は 凸状を呈したレンズ部132とその周辺を覆う周 辺部134とを有しており、レンズ部132と周辺部 134とが一体成形されている。これと同様に、 IRカットコート120下にも樹脂部140が形成され いる。樹脂部140は硬化性樹脂140Aで構成され ている。樹脂部140は凸状を呈したレンズ部142 とその周辺を覆う周辺部144とを有しており、 レンズ部142と周辺部144とが一体成形されてい る。

 撮像用レンズ23では、ガラス基板100の表 102側に形成された周辺部134の厚さをt1と、ガ ラス基板100の裏面104に形成された周辺部144の 厚さをt2としたとき、IRカットコート110の総 厚r1とIRカットコート120の総膜厚r2との関係 おいて、式(4)又は式(5)の条件を満たしてい 。

  t1>t2,r1<r2 … (4)
  t1<t2,r1>r2 … (5)
 なお、ガラス基板100の表面102と裏面104との ち、いずれか一方の側に樹脂部130,140(レン 部132,142)を設けてもよい。この場合には、レ ンズ部がガラス基板100の片側にのみ設けられ 、レンズ部が設けられた側のIRカットコート( 例えばIRカットコート110)よりもレンズ部が設 けられない側のIRカットコート(例えばIRカッ コート120)の厚みを厚くすることで、撮像用 レンズ23全体の応力の偏りを抑制し、更に反 を抑制することが可能となる。

 樹脂部130,140を構成する硬化性樹脂130A,140Aと しては光硬化性樹脂が使用可能であり、好ま しくはアクリル樹脂やアリルエステル樹脂、 エポキシ樹脂などが使用可能である。下記で は使用可能な樹脂について説明する。
(1)アクリル樹脂
 重合反応に用いられる(メタ)アクリレート 特に制限はなく、一般的な製造方法により 造された下記(メタ)アクリレートを使用する ことができる。エステル(メタ)アクリレート ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ )アクリレート、エーテル(メタ)アクリレー 、アルキル(メタ)アクリレート、アルキレ (メタ)アクリレート、芳香環を有する(メタ) クリレート、脂環式構造を有する(メタ)ア リレートが挙げられる。これらを1種類又は2 種類以上を用いることができる。

 特に脂環式構造を持つ(メタ)アクリレー が好ましく、酸素原子や窒素原子を含む脂 構造であってもよい。例えば、シクロヘキ ル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メ )アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アク レート、ビシクロヘプチル(メタ)アクリレー ト、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、 リシクロデカンジメタノール(メタ)アクリ ートや、イソボロニル(メタ)アクリレート、 水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレー 等が挙げられる。また特にアダマンタン骨 を持つと好ましい。例えば、2-アルキル-2- ダマンチル(メタ)アクリレート(特開2002-193883 号公報参照)、アダマンチルジ(メタ)アクリレ ート(特開昭57-500785)、アダマンチルジカルボ 酸ジアリル(特開昭60―100537号公報参照)、パ ーフルオロアダマンチルアクリル酸エステル (特開2004-123687号公報参照)、新中村化学製 2- チル-2-アダマンチルメタクリレート、1,3-ア ダマンタンジオールジアクリレート、1,3,5-ア ダマンタントリオールトリアクリレート、不 飽和カルボン酸アダマンチルエステル(特開20 00-119220号公報参照)、3,3’-ジアルコキシカル ニル-1,1’ビアダマンタン(特開2001-253835号公 報参照)、1,1’-ビアダマンタン化合物(米国特 許第3342880号明細書参照)、テトラアダマンタ (特開2006-169177号公報参照)、2-アルキル-2-ヒ ロキシアダマンタン、2-アルキレンアダマ タン、1,3-アダマンタンジカルボン酸ジ-tert- チル等の芳香環を有しないアダマンタン骨 を有する硬化性樹脂(特開2001-322950号公報参 )、ビス(ヒドロキシフェニル)アダマンタン やビス(グリシジルオキシフェニル)アダマ タン(特開平11-35522号公報、特開平10-130371号 報参照)等が挙げられる。

 また、その他反応性単量体を含有するこ も可能である。(メタ)アクリレートであれ 、例えば、メチルアクリレート、メチルメ アクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブ ルメタアクリレート、2-エチルヘキシルア リレート、2-エチルヘキシルメタアクリレー ト、イソブチルアクリレート、イソブチルメ タアクリレート、tert-ブチルアクリレート、t ert-ブチルメタアクリレート、フェニルアク レート、フェニルメタアクリレート、ベン ルアクリレート、ベンジルメタアクリレー 、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘ シルメタアクリレート、などが挙げられる

 多官能(メタ)アクリレートとして、例えば トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ )アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ サ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト ールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエ スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート 、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)ア リレート、トリペンタエリスリトールセプ (メタ)アクリレート、トリペンタエリスリ ールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタ エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、 リペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク レート、トリペンタエリスリトールトリ(メ )アクリレートなどが挙げられる。
(2)アリルエステル樹脂
 アリル基を持ちラジカル重合による硬化す 樹脂で、例えば次のものが挙げられるが、 に以下のものに限定されるわけではない。

 芳香環を含まない臭素含有(メタ)アリルエ テル(特開2003-66201号公報参照)、アリル(メタ) アクリレート(特開平5-286896号公報参照)、ア ルエステル樹脂(特開平5-286896号公報、特開20 03-66201号公報参照)、アクリル酸エステルとエ ポキシ基含有不飽和化合物の共重合化合物( 開2003-128725号公報参照)、アクリレート化合 (特開2003-147072号公報参照)、アクリルエステ 化合物(特開2005-2064号公報参照)等が挙げら る。
(3)エポキシ樹脂
 エポキシ樹脂としては、エポキシ基を持ち 又は熱により重合硬化するものであれば特 限定されず、硬化開始剤としても酸無水物 カチオン発生剤等を用いることができる。 ポキシ樹脂は硬化収縮率が低いため、成形 度の優れたレンズとすることができる点で ましい。

 エポキシの種類としては、ノボラックフ ノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ シ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ 脂が挙げられる。その一例として、ビスフ ノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノ ールAジグリシジルエーテル、2,2’-ビス(4-グ シジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4 -エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ シクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシ クロヘキセンジオキシド、2-(3,4-エポキシシ ロヘキシル)-5,5-スピロ-(3,4-エポキシシクロ キサン)-1,3-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシ クロヘキシル)アジペート、1,2-シクロプロパ ジカルボン酸ビスグリシジルエステル等を げることができる。

 硬化剤は硬化性樹脂材料を構成する上で 用されるものであり特に限定はない。また 本発明において、硬化性樹脂材料と、添加 を添加した後の光学材料の透過率を比較す 場合、硬化剤は添加剤には含まれないもの する。硬化剤としては、酸無水物硬化剤や ェノール硬化剤等を好ましく使用すること できる。酸無水物硬化剤の具体例としては 無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリ リット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒ ロ無水フタル酸、3-メチル-ヘキサヒドロ無 フタル酸、4-メチル-ヘキサヒドロ無水フタ 酸、あるいは3-メチル-ヘキサヒドロ無水フ ル酸と4-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸 の混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無 ナジック酸、無水メチルナジック酸等を挙 ることができる。また、必要に応じて硬化 進剤が含有される。硬化促進剤としては、 化性が良好で、着色がなく、熱硬化性樹脂 透明性を損なわないものであれば、特に限 されるものではないが、例えば、2-エチル-4 -メチルイミダゾール(2E4MZ)等のイミダゾール 、3級アミン、4級アンモニウム塩、ジアザ シクロウンデセン等の双環式アミジン類と の誘導体、ホスフィン、ホスホニウム塩等 用いることができ、これらを1種、あるいは2 種以上を混合して用いてもよい。

 以上の撮像ユニット1では、外部光が光透 過孔51aを通じてレンズユニット2に入射し、 の入射光は絞り21の開口部21aで光量が調節さ れ、撮像用レンズ23を透過し、スペーサ25の 口部25aから出射される。その後、その出射 はセンサデバイス4に入射するような構成と っている。

 続いて、撮像ユニット1の製造方法(撮像 レンズ23の製造方法を含む。)について説明 る。

 始めに、ウエハ状のガラス基板100を準備 、その表面102と裏面104とに対しそれぞれIR ットコート110,120を形成する。IRカットコー 110,120の形成方法としては、公知の真空蒸着 やスパッタ、CVD(Chemical Vapour Deposition)法な を使用する。

 その後、IRカットコート110,120に対する樹 部130,140の密着性を高める目的で、IRカット ート110,120上に対しシランカップリング処理 を実行する。詳しくは、シランカップリング 剤(東レダウコーニング製SZ-6030)をエタノール で0.1~2.0wt%に希釈し、これに酢酸を加えてpHを 3~5に調整する。そしてその溶液をIRカットコ ト110,120上に塗布して乾燥させる。その結果 、IRカットコート110,120にはシラノール結合に よる強固に化学結合した表面が形成される。 当該表面は硬化性樹脂(130A,140A)との密着性が く、IRカットコート110,120上に形成される樹 部130,140との密着性が大きく改善される。

 その後、図3(a)に示す通り、金型200のキャ ビティ202に対し硬化性樹脂130Aを充填する。 の場合、金型200の上部に硬化性樹脂130Aを載 し、その上方からガラス基板100を押圧しな ら下方へ移動させ、キャビティ202に硬化性 脂130Aを充填する。硬化性樹脂130Aを充填す 場合には、真空引きしながら硬化性樹脂130A 充填してもよい。真空引きしながら硬化性 脂130Aを充填すれば、硬化性樹脂130Aに気泡 混入するのを防止することができる。

 その後、金型200の上方に配置した光源210 点灯させ、硬化性樹脂130Aに光照射して硬化 性樹脂130Aを硬化させる。光源210としては、 圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キ ノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、ブ ックライト、Gランプ、Fランプ等を使用でき 、線状光源であってもよいし点状光源であっ てもよい。

 光源210から光照射する場合には、複数の 状又は点状の光源210を格子状に配置して硬 性樹脂130Aに一度に光が到達するようにして もよいし、線状又は点状の光源210をガラス基 板100に対し平行にスキャニングして硬化性樹 脂130Aに順次光が到達するようにしてもよい この場合、好ましくは光照射時の輝度分布 照度(強度)分布を測定し、その測定結果に基 づき照射回数,照射量,照射時間等を制御する

 ここで、上記の通り、IRカットコート110,1 20は波長365nmの光に対し50%以上の透過率を有 るから、光源210から発された光は、IRカット コート110,120(ガラス基板100を含む。)を十分に 透過し、IRカットコート110,120が硬化性樹脂130 Aの硬化を妨げるような要因とはならない。

 なお、金型200が透明な材料(ガラス,樹脂 ど)から構成される場合には、金型200の下方 配置した光源210をも点灯させ、ガラス基板1 00側と金型200側との両側から光照射してもよ 。

 その後、光照射により硬化性樹脂130Aが硬 化すると、ガラス基板100の表面102上に樹脂部 130(レンズ部132)が形成される。その後、図3(b) に示す通り、ガラス基板100を金型200から離型 する。その後、図3(c)に示す通り、ガラス基 100を裏返して、ガラス基板100の表面102に樹 部130を形成したのと同様に、金型200に硬化 樹脂140Aを載置してガラス基板100を押圧し、 化性樹脂140Aに光照射し、ガラス基板100の裏 面104に樹脂部140(レンズ部142)を形成する。

 以上の処理により図4上段のレンズアレイ 27が製造される。

 なお、図3では、その内容を明瞭にするた めIRカットコート110,120を省略している。

 その後、図4上段に示す通り、複数のレン ズ部132,142が形成されたレンズアレイ27に加え て、レンズ部132と同数の開口部21aが形成され た絞りアレイ26と、レンズ部142と同数の開口 25aが形成されたスペーサアレイ28とを、準 する。絞りアレイ26とスペーサアレイ28は硬 性樹脂にカーボンを混ぜることにより黒色 着色させ、樹脂を射出成形法にて成形した のである。

 その後、接着剤により、レンズアレイ27 対し絞りアレイ26とスペーサアレイ28とを接 し、レンズユニットアレイ29を製造する。 の後、図4中段,下段に示す通り、レンズユニ ットアレイ29をエンドミルにてレンズ部132,142 ごとに個々に個片化して複数のレンズユニッ ト2を製造し、各レンズユニット2をケーシン 5の円筒部51に組み込み(接着し)、撮像ユニ ト1が製造される。

 以上の本実施形態によれば、撮像用レン 23において、ガラス基板100の表面102と裏面10 4とに対しそれぞれIRカットコート110,120が形 されるから、ガラス基板100の一方の面(表面1 02)にIRカットコート110を形成した際の膜応力 、他方の面(裏面104)へのIRカットコート120の 形成により緩和することができる。

 すなわち、ガラス基板100の一方の面(表面 102)へのIRカットコート110成膜時のガラス基板 100の反りが、他方の面(裏面104)へのIRカット ート120成膜時のガラス基板100の反りで相殺 れ、全体としてガラス基板100の反り曲がり 抑制することができる。

 この場合、特に上記式(1)~(3)の条件を満た せば(IRカットコート110,120の総膜厚や低屈折 層A1,A2の総膜厚、高屈折率層B1,B2などをガラ 基板100の表面102と裏面104とでほぼ同一とす ば)、ガラス基板100の反り曲がりをより正確 に抑制することができる。

 さらに本実施形態によれば、ガラス基板100 表面102と裏面104とに対しそれぞれIRカット ート110,120が形成されるから、IRカットコー 110で遮光できる赤外領域と、IRカットコート 120で遮光できる世紀外領域との2つの赤外領 にわたり、広い赤外領域で赤外線を遮光す ことも可能となる。
[変形例]
 上記実施形態では、1群の撮像用レンズ23で 像光学系を構成した例を示したが、これに えて、図5に示すように複数群(2群以上)の撮 像用レンズで撮像光学系を構成してもよい。

 図5の撮像光学系では、3群の撮像用レン 300,400,500で構成されている。撮像用レンズ300 はガラス基板310を有し、その表面312にIRカッ コート110が形成されており、その裏面314にI Rカットコート120が形成されている。IRカット コート110上には樹脂部320が、IRカットコート1 20上には樹脂部330が形成されている。

 これとほぼ同様に、撮像用レンズ400はガ ス基板410を有しており、その表面412には樹 部420が、その裏面414には樹脂部430が形成さ ている。撮像用レンズ500もガラス基板510を しており、その表面512には樹脂部520が、そ 裏面514には樹脂部530が形成されている。ガ ス基板310,410,510は撮像用レンズ23のガラス基 板100に相当するものであり、樹脂部320,330,420, 430,520,530は撮像用レンズ23の樹脂部130,140に相 するものである。

 当該撮像光学系では、センサデバイス4か ら最も遠い位置に配置された撮像用レンズ300 においてIRカットコート110,120が形成されてお り(IRカットコート110,120は撮像用レンズ400の ラス基板410に形成されてもよい。)、センサ バイス4に対向する最も近い位置に配置され た撮像用レンズ500においてはIRカットコート1 10,120が形成されていない。すなわち、IRカッ コート110,120が形成されていない撮像用レン ズ500が像面側に配置されている。

 ここで、上記の通り、IRカットコート110,1 20はトータル10~40層程度の低高屈折率膜の交 積層膜であり、この程度の多層膜を真空蒸 法にて成膜する途中で、数μm程度のゴミな が膜中にコンタミネーションとして混在し 表面異物として問題になることがある。こ 異物が像としてセンサデバイス4面に結像す と、画像に異物が写りこむことになって問 になり、特にセンサ面に近いほど、光が集 されるので許容できる異物の大きさは厳し なる。これに対し、本変形例によれば、セ サデバイス4のセンサ面から遠い(物体面側 )ガラス基板310上にIRカットコート110,120を形 しているので、外観許容規格が緩和され、 像光学系としての良品率が向上する。

(1)サンプルの作製
 3枚のガラス基板(平面硝子ウエハ,大きさ8イ ンチ,厚さ3mm)の各表裏両面に対し所定形状を する光硬化性樹脂製のレンズ部を形成し、 像用レンズを形成した。レンズ部の形成(光 硬化性樹脂の硬化)に際しては6000mJ/cm 2 のUVランプを照射した。その後、各撮像用レ ズ同士を、スペーサを介して張り合わせて 5と同様の撮像光学系を複数作製した。
(1.1)実施例1
 複数の撮像光学系のうち、第1の撮像用レン ズのガラス基板の表面(a面)に表1中「コート タイプI」のIRカットコートを、その裏面(b面 )に表1中「コート種タイプII」のIRカットコー トを形成したものを「実施例1」のサンプル した。

 IRカットコートの形成に際しては、ガラス 板を真空蒸着装置内に設置してその片側の 面(a面)に対し、表1中「コート種タイプI」に 示す態様で、真空蒸着法により低屈折率層と してSiO 2 膜を、高屈折率層としてTiO 2 膜を交互に積層(計18層)し、IRカットコートを 形成した。その後、一旦、真空蒸着装置を大 気開放してガラス基板を反転させ、表面にIR ットコートを形成したのと同様に、逆側の 面(b面)に対しても表1中「コート種タイプII に示す態様でIRカットコートを形成した(後 の実施例2~6,比較例1においてもIRカットコー トの形成方法は同じである。)。

 なお、IRカットコートの形成後は、真空蒸 装置からガラス基板を取り出してIRカットコ ート上にシランカップリング処理を施し(シ ンカップリング剤(東レダウコーニング製SZ-6 030)をエタノールで0.1~2.0wt%に希釈し、これに 酸を加えてpHを3~5に調整し、その溶液をIRカ ットコート上に塗布して乾燥させる)、その 理後のガラス基板の表裏両面に対し所定形 を有する光硬化性樹脂製のレンズ部を形成 た。
(1.2)実施例2
 複数の撮像光学系のうち、第2の撮像用レン ズのガラス基板の表面(c面)に表1中「コート タイプI」のIRカットコートを、その裏面(d面 )に表1中「コート種タイプII」のIRカットコー トを形成し、当該レンズユニットを「実施例 2」のサンプルとした。
(1.3)実施例3
 複数の撮像光学系のうち、第3の撮像用レン ズのガラス基板の表面(e面)に表1中「コート タイプI」のIRカットコートを、その裏面(f面 )に表1中「コート種タイプII」のIRカットコー トを形成し、当該レンズユニットを「実施例 3」のサンプルとした。
(1.4)比較例1
 複数の撮像光学系のうち、第1の撮像用レン ズのガラス基板の表面(a面)にのみ表1中「コ ト種タイプI」,「コート種タイプII」のIRカ トコートを形成し、当該レンズユニットを 比較例1」のサンプルとした。

 なお、比較例1のサンプルでは、ガラス基板 にまずコート種タイプIのIRカットコートを形 成し、その上にコート種タイプIIのIRカット ートを形成した。
(1.5)実施例4
 複数の撮像光学系のうち、第1の撮像用レン ズのガラス基板の表面(a面)に表2中「コート タイプIII」のIRカットコートを、その裏面(b )に表2中「コート種タイプIV」のIRカットコ トを形成したものを「実施例4」のサンプル とした。
(1.6)実施例5
 複数の撮像光学系のうち、第1の撮像用レン ズのガラス基板の表面(a面)に表3中「コート タイプV」のIRカットコートを、その裏面(b面 )に表3中「コート種タイプVI」のIRカットコー トを形成したものを「実施例5」のサンプル した。

 なお、実施例5のサンプルでは、IRカットコ トのTiO 2 膜の成膜時において成膜速度を8Å/秒とし、T iO 2 膜の成膜速度をコート種タイプI~IVより大き した。この場合、波長365nmの光に対するIRカ トコートの透過率が減少する(表4参照)。
(1.7)実施例6
 複数の撮像光学系のうち、第1の撮像用レン ズのガラス基板の表面(a面)に表3中「コート タイプI」のIRカットコートを、その裏面(b面 )に表3中「コート種タイプII」のIRカットコー トを形成したものを「実施例6」のサンプル した。

 なお、実施例6のサンプルでは、IRカット ートの形成後においてシランカップリング 理を施さなかった。

(2)サンプルの評価
(2.1)ガラス基板の反り量の測定
 各サンプルにおいて、ガラス基板にIRカッ コートを形成した時の中心部と外周部との さの差を測定し、ガラス基板の反り量(変形 )を算出した。その算出結果を表4に示す。 4中、「○」,「△」,「×」の基準は以下の通 りとした。

  ○…1mm未満の変形
  △…1~2mmの変形
  ×…2mmを超える変形
 なお、ガラス基板において2mmを超える変形 あると、スペーサとの接着時において不具 があると考えられる。
(2.2)異物の許容大きさの測定
 各サンプルにおいて、IRカットコートへの 物の混入がどの程度の大きさまで許容され かを測定した。その測定結果を表4に示す。 物の長辺が20μm以下であると外観良品率が90 %を割り込み不良品とされることから、表4で 異物の長辺が20μmを越える場合には「○」 、その長辺が20μm以下である場合には「△」 としている。
(2.3)レンズ部の硬化性評価
 各サンプルをアセトン中に10分間浸漬させ レンズ部(樹脂)の重量減%を測定し、その測 結果からレンズ部の硬化性を評価した。そ 評価結果を表4に示す。表4では、10%減に満た ない場合には硬化が十分であるとして「○」 と、10%減以上の溶出が認められたときに硬化 不足と判断して「△」としている。
(2.4)ガラス基板とレンズ部との密着性評価
 各サンプルおいてレンズ部にテープを貼り け、そのテープを剥がしたときにレンズ部 ガラス基板から剥離するか否かを試験し(テ ープ剥離試験をおこない)、その試験結果か ガラス基板とレンズ部との密着性を評価し 。その評価結果を表4に示す。表4では、レン ズ部の剥離が認められない場合は密着性は十 分であるとして「○」と、レンズ部の剥離が 認められる場合には密着性が不足していると 判断して「△」としている。

(3)まとめ
 表4の結果から、ガラス基板の表裏両面に対 しそれぞれIRカットコートを形成したサンプ では、ガラス基板の反り量が小さく、ガラ 基板の表裏両面に対しIRカットコートを形 することが、ガラス基板の反り曲がりを抑 する上で有用であることがわかる。

 1 撮像ユニット
 2 レンズユニット
 21 絞り
 21a 開口部
 23 撮像用レンズ
 25 スペーサ
 25a 開口部
 26 絞りアレイ
 27 レンズアレイ
 28 スペーサアレイ
 4 センサデバイス
 5 ケーシング
 51 円筒部
 51a 光透過孔
 53 ベース部
 100 ガラス基板
 102 表面
 104 裏面
 110,120 IRカットコート
 130,140 樹脂部
 132,142 レンズ部
 134,144 周辺部
 200 金型
 202 キャビティ
 210 光源
 300,400,500 撮像用レンズ
 310,410,510 ガラス基板
 320,330,420,430,520,530 樹脂部




 
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