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Title:
IMMOBILIZED PROTEIN IMMOBILIZED ONLY AT ITS AMINO TERMINAL IN ORIENTATION-CONTROLLED MANNER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133164
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an immobilized protein which is immobilized only at its amino terminal in an orientation-controlled manner. The immobilized protein comprises an amino acid sequence having no lysine or cysteine residue and represented by the general formula: S1-R1-R2 [wherein the sequence is depicted in the direction from the amino terminal toward the carboxy terminal; a sequence corresponding to the S1 moiety may not be present and, if present, is a spacer sequence composed of amino acid residues excluding a lysine or cysteine residue; a sequence corresponding to the R1 moiety is a sequence for a protein to be immobilized, which has no lysine or cysteine residue; and a sequence corresponding to the R2 moiety may not be present and, if present, is a spacer sequence composed of amino acid residues excluding a lysine or cysteine residue]. The immobilized protein is bound to an immobilization carrier only at the amino terminal of the protein through the only one α-amino group that occurs in the protein.

Inventors:
IWAKURA MASAHIRO (JP)
HIROTA KIYONORI (JP)
SOTA HIROYUKI (JP)
SARARA GOU (JP)
TAKAHASHI HISASHI (JP)
ARUGA YUKIKO (JP)
YAMANE CHIORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057481
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
IWAKURA MASAHIRO (JP)
HIROTA KIYONORI (JP)
SOTA HIROYUKI (JP)
SARARA GOU (JP)
TAKAHASHI HISASHI (JP)
ARUGA YUKIKO (JP)
YAMANE CHIORI (JP)
International Classes:
C07K17/00; C07K14/00
Domestic Patent References:
WO2006059737A12006-06-08
WO2008044692A12008-04-17
Foreign References:
JPS63196857A1988-08-15
JP2003344396A2003-12-03
Other References:
TAKENAWA T. ET AL.: "Cyanocysteine-mediated molecular dissection of dihydrofolate reductase: occurrence of intra- and inter-molecular reactions forming a peptide bond", J. BIOCHEM., vol. 123, no. 6, 1998, pages 1137 - 1144, XP009018697
YAMAMOTO Y. ET AL.: "Site-specific PEGylation of a lysine-deficient TNF-alpha with full bioactivity", NAT. BIOTECH., vol. 21, no. 5, 2003, pages 546 - 552, XP003007344
IWAKURA M. ET AL.: "Evolutional design of a hyperactive cysteine- and methionine-free mutant of Escherichia coli dihydrofolate reductase", J. BIOL. CHEM., vol. 281, no. 19, 2006, pages 13234 - 13246, XP003022197
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Claims:
 一般式 S1-R1-R2で表されるリジン及びシステイン残基を全く含まないアミノ酸配列[式中、配列は、アミノ末端側からカルボキシ末端側に向かう配列を示し、
S1部分の配列は存在しなくてもよく、存在する場合はリジン及びシステイン残基以外のアミノ酸残基により構成されるスペーサー配列であり;
R1部分の配列は、固定化対象タンパク質の配列であり、リジン残基及びシステイン残基を含まないことを特徴とする配列であり;
R2部分の配列は存在しなくてもよく、存在する場合はリジン及びシステイン残基以外のアミノ酸残基により構成されるスペーサー配列である]
からなるタンパク質に唯一存在するα-アミノ基を介してタンパク質のアミノ末端1箇所が固定化担体と結合していることを特徴とする固定化タンパク質。
 一般式 S1-R1-R2のアミノ酸配列において、R1部分の配列が、天然由来のタンパク質のアミノ酸配列がリジン残基及びシステイン残基を全く含まない場合はそのままの配列であり、リジン残基及びシステイン残基を含む場合はそのアミノ酸配列中のすべてのリジン残基及びシステイン残基を、リジン残基及びシステイン残基以外のアミノ酸残基に置換することにより得られる、リジン残基及びシステイン残基を含まないアミノ酸配列に改変されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、前記天然由来のタンパク質と同等の機能を有するタンパク質のアミノ酸配列であることを特徴とする、請求項1に記載の固定化タンパク質。
 一般式 S1-R1-R2で表されるアミノ酸配列において、R1部分の配列が抗体分子と特異的に相互作用する機能を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の固定化タンパク質。
 一般式S1-R1-R2で表されるアミノ酸配列において、
S1 = Ser-Gly-Gly-Gly-Glyもしくは無し
R1 =(Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Arg-Glu-Gln-Gln-
   Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-Asn-Met-Pro-
   Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-
   Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-Pro-Ser-Gln-
   Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-Ala-Arg-Arg-
   Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-Gly)n (nは、1から5までの任意の整数)
R2 = Gly-Gly-Gly-Gly もしくは無し
であることを特徴とする、請求項3に記載の固定化タンパク質。
 一般式S1-R1-R2で表されるアミノ酸配列において
S1 = 無し
R1 =(Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-
Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu-Ala-Val-
Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-
   Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-
Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-
Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-
Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Pro-Gly)n 
(nは、1から5までの任意の整数)
R2 = Gly-Gly-Gly-Glyもしくは無し
であることを特徴とする、請求項3に記載の固定化タンパク質。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の固定化タンパク質が固定化された担体。
Description:
アミノ末端1箇所で配向制御固定 化された固定化タンパク質

 本発明は、タンパク質を構成するアミノ として、リジン及びシステイン残基を全く まないタンパク質固定化に関する。前記の うな特徴を有するタンパク質は、固定化タ パク質、更に限定すれば、配向制御した固 化タンパク質の作製や部位特異的なタンパ 質の化学修飾体の作製、及びそれらの利用 寄与する。

 天然タンパク質は、アラニン、システイ 、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニ アラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロ シン、リジン、ロイシン、メチオニン、ア パラギン、プロリン、グルタミン、アルギ ン、セリン、トレオニン、バリン、トリプ ファン、チロシンの20種類のアミノ酸残基 構成されている。それぞれのアミノ酸残基 特性は、その側鎖の持つ官能基の特性によ て左右される。一般に、タンパク質を不溶 担体などに側鎖の反応性を利用し、固定化 どを試みる場合、その反応性を利用するこ で、化学的に結合することができる。その うな側鎖の官能基として、システインのス フヒドリル基、リジンのε-アミノ基(NH2)、ア スパラギン酸もしくはグルタミン酸のカルボ キシル基などがあげられる。また、そのよう な官能基の反応性を利用して、蛍光ラベルな どの導入が行われている。

 システイン残基側鎖の官能基であるスル ヒドリルは反応性が高く、S-S結合や、アル ル化、アシル化などの反応の対象として各 利用されているアミノ酸残基である。リジ 残基側鎖のε-アミノ基(NH2)は一級アミンと ての性質を持ち、アセチル化、アルキル化 スクシニル化、マレイル化などの反応の対 として各種利用されているアミノ酸である なお、タンパク質のアミノ末端には、α-ア ノ基が存在するが、これも一級アミンとし の性質を持つことが知られている。アスパ ギン酸残基側鎖もしくはグルタミン酸残基 鎖の官能基は、カルボキシル基であり、タ パク質のカルボキシ末端のカルボキシル基 同様、その反応性の利用が行われているが 上記、スルフヒドリル基もしくはε-アミノ (NH2)やα-アミノ基と比べるとその利用は少な い。このような、背景の下、タンパク質中の 反応性の高い官能基であるスルフヒドリル基 もしくはアミノ基の反応性を有効に利用する ことは、タンパク質の機能を幅広く利用する ことにつながるものと考えられる。

 ところが、天然由来のタンパク質は、一 にアミノ酸残基数が百をはるかに超えるも が多く、特定のアミノ酸残基に着目すると タンパク質分子あたり複数個存在すること なる。このことが、特定のアミノ酸の官能 を利用して、固定化や化学修飾を行う際に 反応を制御することの困難さの大きな原因 なっている。特に、タンパク質配列中の特 の部位に注目して、その側鎖の官能基の化 的反応性を利用するための一般的方法を開 することができれば、タンパク質の広範囲 利用の道を開くものと考えられる。

 既に、本発明者らは、システイン残基を 一タンパク質C末端側領域に導入したタンパ ク質を作製し、唯一存在するシステイン残基 の側鎖チオール基をチオシアノ化(シアノシ テイン化)することにより、配向制御型主鎖 定化法を開発し(特許2990271公報,特許3047020号 公報,特開2003-344396号)、反応の均一化制御の 実性などに優れたタンパク質固定化及び修 方法を開発し、この方法が広くタンパク質 般に適用可能であることを示してきている しかしながら、これまで、システイン残基 外の官能基において、官能基の反応性の制 の確実性を保障する方法は知られておらず このことが、より広範囲なタンパク質の利 の妨げとなっている。

 本発明は、システイン残基以外の官能基 反応性制御の確実性を保障するための一般 な方法を提供することを目的とする。この 的実現に向けて鋭意研究を重ね、システイ 残基及びリジン残基を全く含まないタンパ 質を作製することができれば、官能基とし のタンパク質中に唯一存在するα-アミノ基 反応性の制御を確実なものにすることがで ることを見出し、このことをいくつかのタ パク質で実証し、アミノ末端1箇所で配向制 御固定化された固定化タンパク質に関する本 発明を完成させた。なお、リジン残基だけを 全く含まないタンパク質を作製した場合も同 様な効果が期待されると考えられるが、アミ ノ基との反応性を有する官能基の多くはシス テイン残基のSH基とも反応することが知られ おり、システイン残基及びリジン残基の両 を全く含まないようにしなければ、α-アミ 基の反応性の制御を確実にすることはでき い。

 既に、本発明者らは、
一般式 R1-R2-R3-R4-R5で表されるアミノ酸配列
[式中、配列は、アミノ末端側からカルボキ 末端側に向かう配列を示し、
R1部分の配列は、固定化対象タンパク質の配 であり、リジン残基及びシステイン残基を まないことを特徴とする配列であり;
R2部分の配列は存在しなくてもよく、存在す 場合はリジン及びシステイン残基以外のア ノ酸残基により構成されるスペーサー配列 あり;
R3部分の配列はシステイン-X(Xは、リジンもし くはシステイン以外のアミノ酸残基)で表さ る2残基のアミノ酸で構成される配列であり;
R4部分の配列は存在しなくてもよく、存在す 場合はリジン残基及びシステイン残基を含 ない配列であり、
一般式 R1-R2-R3-R4-R5で表されるアミノ酸配列 らなるタンパク質全体の等電点を酸性側に 得る酸性アミノ酸残基を含むことを特徴と る配列であり;そしてR5部分の配列はタンパ 質を精製するためのアフィニティータグ配 である]
からなるタンパク質であって、R1-R2で表され 部分を固定化担体に固定化するために用い タンパク質を発明し、当該発明により作ら るタンパク質が、システイン残基の官能基 反応性の制御を確実なものにできること、 にそのことにより均一性の高い反応生成物 即ち、上記一般式のうちリジン及びシステ ン残基を全く含まない部分であるR1-R2が反 によりR3-R4-R5より切り離されて固定化反応に 利用されることを明らかにしている(特願2006- 276468、特願2007-057791、特願2007-059175、特願2007- 059204)。

 本発明者らは、さらに、リジン及びシス イン残基を全く含まない部分であるR1-R2に いて検討を行った。当該配列中には、アミ 基としては、アミノ末端であるα-アミノ基 唯一存在するだけであり、これを官能基と て利用することにより、官能基の反応性の 御が確実なものにできる。また、そのよう 配列の有用性として、タンパク質のアミノ 端を介した配向を制御した固定化タンパク の製造に利用できることが挙げられる。ま 、リジン及びシステイン残基を全く含まな 部分であるR1-R2の作製においては、上記R1-R2- R3-R4-R5であらわされるタンパク質を原材料と て、その中に唯一存在するシステイン残基 シアノ化した後、シアノシステインの反応 を利用したペプチド鎖の切断反応により、R 1-R2部分とR3-R4-R5部分に分割することにより生 成することができることを見出した。

 その結果、本発明者等は新たにS1-R1-R2で表 されるアミノ酸配列
[式中、配列は、アミノ末端側からカルボキ 末端側に向かう配列を示し、
S1部分の配列は存在しなくてもよく、存在す 場合はリジン及びシステイン残基以外のア ノ酸残基により構成されるスペーサー配列 あり;
R1部分の配列は、固定化対象タンパク質の配 であり、リジン残基及びシステイン残基を まないことを特徴とする配列であり;
R2部分の配列は存在しなくてもよく、存在す 場合はリジン及びシステイン残基以外のア ノ酸残基により構成されるスペーサー配列 ある]
ことを特徴とするタンパク質を配向制御した 固定化用タンパク質として開発し、本発明を 完成させた。

 すなわち、本発明の態様は以下のとおりで る。
(1) 一般式 S1-R1-R2で表されるリジン及びシス テイン残基を全く含まないアミノ酸配列
[式中、配列は、アミノ末端側からカルボキ 末端側に向かう配列を示し、
S1部分の配列は存在しなくてもよく、存在す 場合はリジン及びシステイン残基以外のア ノ酸残基により構成されるスペーサー配列 あり;
R1部分の配列は、固定化対象タンパク質の配 であり、リジン残基及びシステイン残基を まないことを特徴とする配列であり;
R2部分の配列は存在しなくてもよく、存在す 場合はリジン及びシステイン残基以外のア ノ酸残基により構成されるスペーサー配列 ある]
からなるタンパク質に唯一存在するα―アミ 基を介してタンパク質のアミノ末端1箇所が 固定化担体と結合していることを特徴とする 固定化タンパク質。

(2) 一般式 S1-R1-R2のアミノ酸配列において 、R1部分の配列が、天然由来のタンパク質の ミノ酸配列がリジン残基及びシステイン残 を全く含まない場合はそのままの配列であ 、リジン残基及びシステイン残基を含む場 はそのアミノ酸配列中のすべてのリジン残 及びシステイン残基を、リジン残基及びシ テイン残基以外のアミノ酸残基に置換する とにより得られる、リジン残基及びシステ ン残基を含まないアミノ酸配列に改変され アミノ酸配列からなるタンパク質であって 前記天然由来のタンパク質と同等の機能を するタンパク質のアミノ酸配列であること 特徴とする、上記の固定化タンパク質。

(3) 一般式 S1-R1-R2で表されるアミノ酸配列 において、R1部分の配列が抗体分子と特異的 相互作用する機能を有することを特徴とす 、上記1又は2の固定化タンパク質。

(4) 一般式S1-R1-R2で表されるアミノ酸配列に いて、
S1 = Ser-Gly-Gly-Gly-Glyもしくは無し
R1 =(Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Arg-Glu-Gln-Gln-
   Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-Asn-Met-Pro-
   Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-
   Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-Pro-Ser-Gln-
   Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-Ala-Arg-Arg-
   Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-Gly)n (nは、1から5ま での任意の整数)
R2 = Gly-Gly-Gly-Glyもしくは無し
であることを特徴とする、上記の固定化タン パク質。

(5) 一般式S1-R1-R2で表されるアミノ酸配列に いて、
S1 = 無し
R1 =(Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-
Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu-Ala-Val-
Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-
   Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-
Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-
Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-
Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Pro-Gly)n

(nは、1から5までの任意の整数)
R2 = Gly-Gly-Gly-Glyもしくは無し
であることを特徴とする、上記の固定化タン パク質。

(6) 上記(1)~(5)のいずれかの固定化タンパク 質が固定化された担体。

 本発明のタンパク質を利用することによ 、唯一存在するアミノ基であるα-アミノ基 利用して該タンパク質の固定化、蛍光基の 入など該官能基の反応性の制御を確実にす ことができる。特に、タンパク質の固定化 おいては、タンパク質のα-アミノ基を介し 一箇所だけで主鎖と固定化することができ タンパク質の配向を制御した固定化を可能 する。また、本発明は、R1としてリジン残 及びシステイン残基を全く含まない配列を 手できることを前提としているが以下に記 するように現在の知見及び技術を利用する けでその入手の可能性が担保されており、 術的になんらの制限を受けないことは当業 において自明であり、本発明は汎用的に適 可能である。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明のタンパク質とは、一般式S1-R1-R2で されるアミノ酸配列からなるタンパク質で 現されるタンパク質のことである。該式中 配列は、アミノ末端側からカルボキシ末端 に向かうアミノ酸配列を示し、S1部分の配列 は存在しなくてもよく、存在する場合はリジ ン及びシステイン残基以外のアミノ酸残基に より構成されるスペーサー配列であり、R1部 の配列は、結合機能や触媒機能などの所望 機能を発揮するためのタンパク質の配列で り、リジン残基及びシステイン残基を含ま いことを特徴とする配列であり、R2部分の 列は存在しなくてもよく、存在する場合は ジン及びシステイン残基以外のアミノ酸残 により構成されるスペーサー配列であるこ を特徴とするタンパク質である。

 本発明の場合、R1部分が目的とする機能 担っている。また、本発明のタンパク質を ミノ末端のα-アミノ基を介して固定化を試 る場合において、R1部分の機能を最大限発揮 させるためには必要に応じて、S1部分のスペ サー配列が必要となる。また、本発明のタ パク質の発現・精製において、タグ精製を みる場合、精製に使用されるタグ配列を効 よく切り離す際の配列として、必要に応じ R2部分のスペーサー配列の存在が有効にな 。この場合は、R2配列が付加された配列とし て本発明のタンパク質が利用に供されること になる。さらに、R1部分においては、所望の 能を発現する配列単位が繰り返されること より、その機能が増強される場合が想定さ る。R1部分の配列は、天然由来のタンパク 配列を元に設計することができる。天然由 のタンパク質は、通常リジン残基及びシス イン残基を含む20種のアミノ酸残基から構成 されている。その場合は、元の天然タンパク 質の有する機能を保有したまま、リジン残基 及びシステイン残基をリジン及びシステイン 以外の18種のアミノ酸のいずれかに、置換す 必要がある。

 既に、本発明者らは、システイン及びメチ ニンを全く含まないタンパク質を作製する 法を確立している(特許再公表01/000797号公報 、M.Iwakura et al. J.Biol.Chem. 281,13234-13246(2006) 特開2005-058059号公報)。これらの方法と同様 方法により、天然由来のタンパク質のアミ 酸配列を基に、アミノ酸配列を転換し、シ テイン及びリジン残基を含まない18種のアミ ノ酸より構成されるアミノ酸配列からなるタ ンパク質であって、天然タンパク質と同等の 機能を発揮するタンパク質を作製することが できる。この方法の概要は以下のとおりであ る。
1.天然配列中におけるすべてのシステイン残 部分及びリジン残基部分について、それぞ 、網羅的に1アミノ酸置換を行い、その機能 を調べる。
2.各々の残基部分における1アミノ酸置換変異 体の機能をよいものから並べ上位3個の変異 ただし、システイン又はリジンに置換した 異は除く、を用い、その組み合わせ変異を い、その中から上位3個の組み合わせ変異体 選び、他の部位の1アミノ酸置換変異におけ る上位3個の変異、ただし、システイン又は ジンに置換した変異は除く、との組み合わ 変異を行う。
3.この操作を、すべてのシステイン残基部分 びリジン残基部分が他のアミノ酸に置換さ るまで繰り返す。

 さらに具体的には以下のようにして行なう
 全長m個のアミノ酸よりなる天然のタンパク 質においてリジン及びシステイン残基がn個 るとする。その各々のアミノ酸配列上の位 を、Ai(i=1~n)とする。
 得られる変異を、A1/MA1と表す。

 その他の部位のAi(i=2~n)のリジン及びシス イン残基に関して、リジン及びシステイン 基をコードするコドンを前記「リジン及び ステイン以外の他のアミノ酸」(最大18種類) をコードするコドンで置換した変異遺伝子を 作成し、これを発現して得られた2重変異体 素タンパク質の酵素活性を調べる。

 2重変異体の活性を調べると、天然のタン パク質と同等又はそれ以上の活性を示す変異 体が見いだされる。2重変異のうち活性の高 ものから最大3個の2重変異体を選ぶ。

 次に、得られた2重変異体のそれぞれのA3 リジン及びシステイン残基をリジン及びシ テイン残基以外の他のアミノ酸(最大18種)に 置換した3重変異体をそれぞれ作製し(最大、3 ×18=54種)、その酵素活性を調べる。

 3重変異体の活性を調べると、天然のタン パク質と同等又はそれ以上の活性を示す変異 体が見出される。

 以下同様に、4重、・・、n重変異体を作 する。最後のn重変異体が、目的のリジン及 システイン残基を含まないタンパク質であ 。

 この操作により、少なくとも元の天然の ンパク質が有する機能と同等の機能を有す タンパク質が得られる。「元の天然のタン ク質が有する機能と同等の機能」とは、配 を改変したタンパク質の活性が元の天然の ンパク質と質的に変わらず、さらに量的に 大きく低下していないことをいう。例えば 元の天然のタンパク質が特定の反応を触媒 る酵素ならば、配列を改変したタンパク質 同じ反応を触媒する酵素活性を有しており あるいは元の天然のタンパク質が特定の抗 に結合する抗体ならば、配列を改変したタ パク質も同じ抗原に結合し得る抗体として 活性を有していることをいう。アミノ酸配 を改変したタンパク質の活性は、元の天然 ンパク質の活性の10%以上、好ましくは50%以 、さらに好ましくは75%以上、特に好ましく 100%以上であることが好ましい。活性は、例 えば酵素の場合は、比活性で表され、また抗 体等の他の物質への結合能を有するタンパク 質の場合は、結合能で表される。これらの、 活性の測定方法は、タンパク質に応じて適宜 選択することができる。

 既に本発明者らは、抗体分子に対して結 機能を有する別々の天然タンパク質の部分 列を基に、システイン及びリジン残基を全 含まない配列に転換したところ、該転換部 配列は、天然タンパク質由来の前記部分配 が有する機能と同等の機能を有することを らかにしている(特願2006-276468、特願2007-05779 1、特願2007-059175、特願2007-059204)。例えば、ス タフィロコッカス由来のプロテインAのAドメ ン(配列番号1及び2)、ストレプトコッカス由 来のプロテインGのG1ドメイン(配列番号3及び4 )、Peptostreptococcus由来のプロテインLのBドメイ ン(配列番号5及び6)について明らかにしてい 。このことは、特定の機能を有する天然タ パク質のアミノ酸配列を基にシステイン及 リジン残基を含まない18種のアミノ酸より構 成されるように改変したアミノ酸配列からな るタンパク質であって、天然に存在するタン パク質が示す機能と同等の機能を有するタン パク質が存在することを示すものであり、本 発明があらゆるタンパク質に応用できるとい う本発明の一般性を示している。また、タン パク質をアミノ酸配列から人工的にデザイン し、合成していく手法であるデノボデザイン 等により、目的機能を有するタンパク質を作 製できることが予測される。デノボデザイン 手法をシステイン及びリジン残基を含まない 18種のアミノ酸だけを利用するように限定す ことなどにより、機能性タンパク質を作製 得ることを示している。さらに、天然由来 タンパク質のアミノ酸配列の改変だけでな 、本発明のR2部分として利用し得る特定の 能を有する機能性タンパク質を新たに設計 作製できる可能性をも示唆している。

 R1部分のタンパク質の一例として、酵素 性を有するタンパク質や抗体分子に結合能 有するタンパク質が挙げられる。抗体分子 結合能を有するタンパク質としては、Staphylo coccus aureus由来のプロテインA(A. Forsgren and J . Sjoquist, J. Immunol. (1966) 97, 822-827.に記載) Streptococus sp. Group C/G由来のプロテインG ( 州特許出願公開第0131142A2号明細書(1983)に記 )、Peptostreptococcus magnus由来のプロテインL( 国特許第5965390号明細書(1992)に記載)、group A Streptococcus由来のプロテインH(米国特許第51808 10号明細書(1993)に記載)、Haemophilus influenzae由 のプロテインD(米国特許第6025484号明細書(199 0)に記載)、Streptococcus AP4由来のプロテインArp  (Protein Arp 4)(米国特許第5210183号明細書(1987) に記載)、group C Streptococcus 由来のStreptococcal  FcRc(米国特許第4900660号明細書(1985)に記載)、 group A streptococcus, Type II strain 由来のタン ク質(米国特許第5556944号明細書(1991)に記載) Human Colonic Mucosal Epithelial Cell由来のタン ク質(米国特許第6271362号明細書(1994)に記載) Staphylococcus aureu , strain 8325-4由来のタンパ 質(米国特許第6548639号明細書(1997)に記載)、P seudomonas maltophilia由来のタンパク質(米国特許 第5245016号明細書(1991)に記載)等が知られてい 。

 このような機能を有する天然由来のタン ク質もしくはその機能を発揮するドメイン 配列を元に、該機能を保ったまま全くシス インとリジンを含まない創出することがで る。

 例えば、以下に示すスタフィロコッカス由 のプロテインAのAドメイン由来の配列(配列 号6)、
Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Lys-Glu-Gln-Gln-
Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-Asn-Met-Pro- 
Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-
Ile-Gln-Ser-Leu-Lys-Asp-Asp-Pro-Ser-Gln- 
Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-Ala-lys-lys- 
Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-Lys 
を改変することにより、システイン残基及び リジン残基を含まず、且つ、天然由来の上記 の配列からなるタンパク質示す機能である、 イムノグロブリンG(IgG)結合活性と同等のIgG結 合活性を有するタンパク質配列として、以下 の
Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Arg-Glu-Gln-Gln-
Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-Asn-Met-Pro-
Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-
Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-Pro-Ser-Gln-
Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-Ala-Arg-Arg-
Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-Gly
なる配列(配列番号7)が得られる。また、この 配列において、各々のアミノ酸を、システイ ンもしくはリジン以外のほかのアミノ酸に置 換した一アミノ酸置換体の多くがIgG結合活性 を示す。また、この配列を繰り返し有する配 列も同様にIgG結合活性を示す。

 次に、以下に示すストレプトコッカス由来 プロテインGのG1ドメイン由来の配列(配列番 号8)、
Thr-Tyr-Lys-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Lys-Thr-
Leu-Lys-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu-Ala-Val-
Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Lys-Val-Phe-Lys-
Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-
Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr-Lys-Thr-
Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-
Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr
を改変することにより、システイン残基及び リジン残基を含まず、且つ、天然由来の上記 の配列からなるタンパク質示す機能である、 イムノグロブリンG(IgG)結合活性と同等のIgG結 合活性を有するタンパク質配列として、以下 の
Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-
Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu-Ala-Val-
Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-
Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-
Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-
Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-
Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Pro-Gly
なる配列(配列番号9)が得られる。また、この 配列において、各々のアミノ酸を、システイ ンもしくはリジン以外のほかのアミノ酸に置 換した一アミノ酸置換体の多くがIgG結合活性 を示す。また、この配列を繰り返し有する配 列も同様にIgG結合活性を示す。

 さらに、以下に示す、Peptostreptococcus由来の ロテインLのB1ドメイン由来の配列(配列番号 10)、
Val-Thr-Ile-Lys-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala-
Asp-Gly-Lys-Thr-Gln-Thr-Ala-Glu-Phe-Lys-
Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala-Glu-Ala-
Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Ala-Lys-Glu-
Asn-Gly-Lys-Tyr-Thr-Val-Asp-Val-Ala-Asp-
Lys-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Lys-Phe-Ala
を改変することにより、システイン残基及び リジン残基を含まず、且つ、天然由来の上記 の配列からなるタンパク質示す機能である、 イムノグロブリンG(IgG)結合活性と同等のIgG結 合活性を有するタンパク質配列として、以下 の
Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala
Asp-Gly-Arg-Thr-Gln-Thr-Ala-Glu-Phe-Arg
Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala-Glu-Ala
Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Ala-Arg-Glu
Asn-Gly-Arg-Tyr-Thr-Val-Asp-Val-Ala-Asp
Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Arg-Phe-Ala
Pro-Gly
なる配列(配列番号11)が得られる。また、こ 配列において、各々のアミノ酸を、システ ンもしくはリジン以外のほかのアミノ酸に 換した1アミノ酸置換体の多くがIgG結合活性 示す。また、この配列を繰り返し有する配 も同様にIgG結合活性を示す。

 上記のR1に示される配列が繰り返される 合、繰り返しの数は限定されないが、例え 2~10、好ましくは2~5である。

 上記の配列のアミノ末端側もしくはカル キシ末端側に、適切なスペーサー配列を導 することで、システイン及びリジン残基を く含まないタンパク質の機能を保ったまま その利用においての利便性を高めることが きる。

 例えば、アミノ末端側に、一般式S1で示 れる適切なスペーサー配列を導入すること より、該タンパク質を固定化に供する場合 固定化基板との間に適切な距離を保ち固定 することで、固定化基板からの影響を最小 することができると考えられる。S1の配列と しては、システイン又はリジン以外のアミノ 酸で構成される配列であればどのような配列 であっても可能であるが、リンカーとしての 役割を考えると、S1が単独で結合活性や触媒 性などの機能を示す場合は、対象外である とは自明である。スペーサーとして最も単 な配列は、グリシンの連鎖である。具体的 は、0~10個、又は2~5個のグリシンからなるポ リグリシン等が挙げられ、例えばGly-Gly-Gly-Gly (配列番号3)がある。なお、そのような効果が 顕著に得られない場合は、そのようなスペー サー配列を導入する必要が無いことは自明で ある。

 また、カルボキシ側に、一般式R2で示さ る適切なスペーサー配列を導入することで 融合タンパク質としてタンパク質の発現生 を試みる際に、導入される精製タグの除去 応を効率よく行わせることに寄与できると えられる。R2の配列としては、システインも しくはリジン以外のアミノ酸で構成される配 列であればどのような配列であっても可能で あるが、リンカーとしての役割を考えると、 R2が単独で結合活性や触媒活性などの機能を す場合は、対象外であることは自明である スペーサーとして最も単純な配列は、グリ ンの連鎖である。具体的には、0~10個、又は 2~5個のグリシンからなるポリグリシン等が挙 げられ、例えばGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)がある 。なお、そのような効果が顕著に得られない 場合は、そのようなスペーサー配列を導入す る必要が無いことは自明である。

 本発明の一般式S1-R1-R2の製造は、いわゆ 組換えDNA手法を利用して作製できる。また 配列にしたがって化学合成法により合成す ことも可能である。例えば、組換えDNA手法 用いて作製する場合は、当該配列にしたが て適切にコドンを選択し開始コドン及び終 コドンを付加し、開始コドンの上流に翻訳 始に必要なSD配列及び転写開始に必要なプロ モータ配列を機能し得るように連結して導入 し、発現単位としての遺伝子を合成し、これ を適切なプラスミド等に導入し、宿主細胞に 遺伝子導入し発現細胞を作製し、これを培養 することにより、宿主細胞において該タンパ ク質を発現蓄積させた培養を元に、適切な分 離精製を行うことにより、均一な標品を得る ことができる。このような操作は、当業者で あれば特に問題なく行うことができる。

 なお、いわゆる組換えDNA手法を利用して 製を行う場合、該タンパク質の分離精製を り効率よく行うためには、タグ配列の利用 推奨される。

 タグ配列として、特定の化合物と結合し得 配列、すなわちアフィニティータグ配列が げられる。該タグに特異的な抗体を用いて タグを含むタンパク質の精製を行なう場合 エピトープタグという場合もある。アフィ ティータグ配列として例えば、2~12個、好ま しくは4個以上、さらに好ましくは4~7個、さ に好ましくは5個若しくは6個のヒスチジンか らなるポリヒスチジン配列が挙げられる。こ の場合、ニッケルをリガンドとしたニッケル キレートカラムクロマトグラフィーを利用す ることにより上記ポリペプチドを精製するこ とができる。また、ポリヒスチジンに対する 抗体をリガンドとして固定化したカラムを用 いたアフィニティークロマトグラフィーによ っても精製することができる。その他、ヒス チジンを含む配列からなるHATタグ、HNタグ等 用いることができる。以下タグとアフィニ ィークロマトグラフィーに用いるリガンド 例を示すが、これらには限定されず、公知 アフィニティータグ(エピトープタグ)なら いずれも利用することができる。他のアフ ニティータグとして、V5タグ、Xpressタグ、AU1 タグ、T7タグ、VSV-Gタグ、DDDDKタグ、Sタグ、Cr uzTag09、CruzTag22、CruzTag41、Glu-Gluタグ、Ha.11タ 、KT3タグ等がある。
 タグ                             リガンド
 グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)      グルタチオン
 マルトース結合タンパク質(MBP)          アミロース
 HQタグ(HQHQHQ;配列番号12)          ニッ ル
 Mycタグ(EQKLISEEDL;配列番号13)       抗Myc 体
 HAタグ(YPYDVPDYA;配列番号14)        抗HA抗 体
 FLAGタグ(DYKDDDDK;配列番号15)      抗FLAG抗

 精製用のタグ配列を利用する場合は、タグ 列(これをT1と称する)と本発明の一般式S1-R1- R2で示される配列との融合タンパク質として 発現し、分離精製後、タグ配列部分を適切 除去することが行う必要がある。そのため は、タグ配列と本発明の本発明の一般式S1-R 1-R2で示される配列との間に特異的切断を可 にする切断用配列(これをC1と称する)を導入 ることが必要となる。そのためには、融合 ンパク質の配列としては、次の2つのタイプ に分けられる。
1.一般式 T1-C1-S1-R1-R2 (タイプ1融合タンパク )
2.一般式 S1-R1-R2-C1-T1 (タイプ2融合タンパク )

 本発明のS1-R1-R2の特性として、システイ 及びリジン残基を全く含まないことが上げ れるが、このことにより特異的切断に用い れる配列としてそれぞれ共通な配列を利用 ることができる。

 タイプ1の場合は、C1配列としてリジン残 を用いることにより、タイプ1融合タンパク 質に唯一存在するリジン残基カルボキシ末端 側を、リジルエンドペプチダーゼで処理する ことにより、T1-C1部分とS1-R1-R2部分に分離す ことができる。なお、本発明で配列という 合、アミノ酸1つのみからなる配列も含まれ 。

 タイプ2融合タンパク質の場合は、C1配列 システイン-X(Xはリジン及びシステイン以外 のアミノ酸)で表される2個のアミノ酸からな アミノ酸配列を利用することができる。こ 配列を利用することにより、タイプ2融合タ ンパク質中に唯一存在することになるシステ インをシアノ化しシアノシステインの反応性 を利用した切断反応を利用することにより、 S1-R1-R2の部分を効率よくさせることができる

 シアノシステインが関与する切断反応は、 下の反応式
 NH 2 -R-CO-NH-CH(CH 2 -SCN)-CO-X + H 2 O → NH 2 -R-COOH + ITC-CO-X
[式中、Rは任意のアミノ酸配列、Xは、OHもし は任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列、I TCは2-イミノタゾリデン-4-カルボキシル基を す]
であらわされる反応である。この反応に利用 されるシアノ化試薬としては、通常、2-ニト -5-チオシアノ安息香酸(2-nitro-t-thiocyanobennzoic  acid (NTCB)) (Y.Degani, A.Ptchornik, Biochemistry, 13 , 1-11 (1974)に記載)または、1-シアノ-4-ヂメチ ルアミノピリジニウムテトラフルオロほう酸 (1-cyano-4dimethylaminopyridinium tetrafluoroborate(CDAP)) どを用いる方法が簡便である。NTCBおよびCDA Pは市販のものをそのまま用いることができ 。NTCBを用いたシアノ化は、pH7~9の間で効率 く行うことができ、且つ遊離するチオニト 安息香酸の412nmの吸光度の増加(分子吸光係 =13,600 M-1cm-1)で反応効率を調べることができ る。また、SH基のシアノ化は文献(J.Wood &  Catsipoolas, J.Biol.Chem. 233, 2887(1963))の記載の方 法に従っても行うことができる。

 切断反応後、S1-R1-R2とC1-T1の分離精製は、 T1で示されるタグ配列の精製に利用されるア ィニティ担体を利用することで、該アフィ ティ担体に結合しないタンパク質として回 することを容易にできる。

 本発明の一般式S1-R1-R2で表されるアミノ酸 列からなるタンパク質の利用形態として、 定化担体への配向制御固定化が挙げられる 固定化反応は、該タンパク質中唯一存在す α-アミノ基の1級アミンとしての性質を官能 として利用する。固定化反応を行わせるた には、担体側を活性化し、化学的な反応を う必要がある。担体側の官能基とその活性 方法としては、以下のような組み合わせが る。
 相手官能基:水酸基(OH)-活性化法:臭化シアン 法
 相手官能基:水酸基(OH)-活性化法:エポキシ法
 相手官能基:水酸基(OH)-活性化法:オキシシラ ン法
 相手官能基:カルボキシル基(COOH)-活性化法: ルボジイミド法
 相手官能基:アミド基(CONH 2 )-活性化法:グルタールアルデヒド法
 相手官能基:アミド基(CONH 2 )-活性化法:ヒドラジン(アシルアザイド)法

 これらの組合せで実施できる担体基材と ては、シリカやガラス、ポリエチレン、ポ プロピレン、ポリスチレンに代表されるプ スチックスやハイドロゲルなど、幅広く利 可能である。本発明で「担体」とは、粒子 の担体、モノリスタイプの担体、板状やシ ト状の基板等タンパク質を固定化し得る不 性のものならば、いずれも含まれる。「固 化担体」は、「固定化基板」を含む。また 「固定化担体」を「不溶化担体」というこ もある。アミド基を有する市販の担体とし は、アミノ-セルロファイン(生化学工業で 売)、AF-アミノトヨパール(TOSOHで販売)、EAH- ファロース4B及びリジン-セファロース4B(ア シャムバイオサイエンスで販売)、ポラス20NH (ベーリンガーマンハイムで販売)、CNBr活性化 セファロースFF、NHS活性化セファロースFF、 どがある。また、1級アミノ基を有するシラ 化合物(例えば、3-アミノプロピルメトキシ ランなど)を用いてガラスビーズもしくはガ ラス平板などにアミド基を導入し、利用する ことも可能である。

 なお、これらの活性化法では強アルカリ 試薬や劇薬を使用するものもあるが、これ 固体・半固体側単独で活性化を行う際に使 するもので、活性化が終了した後に穏和な 件でタンパク質が導入されて反応させられ ために問題は生じない。このようなタンパ 質側に負担がかからない反応を適用できる とが、本発明の利点でもある。

 本発明のタンパク質の担体への固定化は タンパク質のアミノ末端1箇所で行うことが でき、タンパク質を配向制御して固定化する ことができる。

 本発明は、上記方法で得られた、システ ン残基及びリジン残基を含まないアミノ酸 列よりなるタンパク質を必要ならば適当な ンカー配列を介して、固定化担体と結合し 固定化タンパク質及び固定化タンパク質が 定化された担体を提供する。

 以下、実施例により本発明を説明するが 本発明はこれらの実施例により限定されな 。

 以下の実施例においては、下記の実験方法 共通的に用いられている。
[遺伝子合成]
 遺伝子合成として発現させるタンパク質と ては、すべて、上記タイプ2融合タンパク質 (一般式 S1-R1-R2-C1-T1で表現される配列を有す タンパク質)で発現するように遺伝子の設計 を行った。その際、C1のアミノ酸配列として 、Cys-Ala を、T1のアミノ酸配列としては、As p-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号16 )を、それぞれ共通配列として用いた。T1とし てのタグの性質としてとしては、ヒスタグと しての性質を利用し、ニッケルキレートカラ ムでアフィニティ精製できるように設計した 。

 実施例に記載されている遺伝子の合成は 特に記述している場合を除き、合成遺伝子 託製造業者にて合成を行った。示した塩基 列にもとづき、dsDNAを合成しpUC18vectorのBamHI- EcoRI siteへの挿入、取得されたクローンにつ て片鎖解析による配列を確認、塩基配列情 の照合、ミスマッチが確認された部位につ てはSite directed mutagenesis等の手法により変 修正を実施、得られた取得したプラスミドD NA(約1マイクログラム)が納入された。納入さ たプラスミド中の目的部分に関しては、再 シーケンシングにより配列確認を行った。

[1アミノ酸置換変異体作製]
 アミノ酸置換は、置換部位のアミノ酸をコ ドするDNA配列を目的のコドン配列に転換し 両方に24塩基ずつ元の配列を持つDNAプライ ーとその相補DNAプライマーを用いて、クイ クチャンジ法(Stratagene社のQuickChang Site-directe d Mutagenesis kitに記載されている方法)に従っ 行った。

[タンパク質の濃度測定]
 特に断らない限り、タンパク質濃度は、224n mと233.3nmにおける吸光度を測定することによ 求めた(W. E. Groves, et al., Anal. Biochem., 22,  195-210 (1968))。

[融合タンパク質の精製]
 組換えプラスミドを形質転換した大腸菌JM10 9株を、2リッターの培地(20gの塩化ナトリウム 、20gの酵母エキス、32gのトリプトン、100mgの ンピシリンナトリウムを含んでいる)で、35 で一晩培養した。その後、培養液を20分間 速遠心(毎分5,000回転)することにより、湿重 3~5gの菌体を得た。これを、20mlの10mMのリン 緩衝液(pH7.0)に懸濁し、フレンチプレス装置 により菌体を破砕した後、20分間高速遠心(毎 分20,000回転)することにより、上清を分離し 。得られた上清にストレプトマイシン硫酸 最終濃度が2%になるように加え20分間撹拌後 20分間高速遠心(毎分20,000回転)することによ り、上清を分離した。この後、硫酸アンモニ ウム処理を行い、得られた上清をニッケルキ レートカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス 社より購入)にアプライし、洗浄用緩衝液(5mM ミダゾール、20mMリン酸ナトリウム、0.5M塩 ナトリウム、pH7.4)を200ml以上用いて、カラム を十分洗浄し、洗浄後、溶出用緩衝液(0.5Mイ ダゾール、20mMリン酸ナトリウム、0.5M塩化 トリウム、pH7.4)を20mlアプライすることによ 、目的のタンパク質を溶出した。その後、 のタンパク質溶液からイミダゾールを除去 るため、5リッターの10mMリン酸緩衝液(pH7.0) 対して透析を行った。透析膜にはMWCO3500(Spec trum Laboratories社より購入)を用いた。透析後 遠心真空乾燥機を用いて目的のタンパク質 乾燥させた。

[ヒト抗体IgG分子との結合特性解析]
 目的タンパク質の結合特性解析には、表面 ラズモン共鳴バイオセンサーであるBiacore( アコア社)を用い、ビアコア社の提供するプ トコールに従って解析を行った。ランニン 緩衝液は、10mM HEPES(pH7.4)、150mM塩化ナトリ ム、5μM EDTA、0.005%Surfactant P20(ビアコア社) 組成のものを用い、あらかじめ脱気したも を用いた。センサーチップとしては、SensorCh ip NTA(ビアコア社)を用いた。センサーチップ をランニング緩衝液にて十分平衡化した後、 5mM塩化ニッケル溶液を注入することにより、 ニッケルイオンの配位を完成させた。その後 、センサーチップを、組み換えタンパク質溶 液(ランニング緩衝液中、濃度100μg/mL)を注入 ることにより、組み換えタンパク質の固定 を行った。

 固定化組換えタンパク質とヒトIgGとの結 反応は、ランニング緩衝液を用いて0.25~20μg /mLの範囲で7種類の濃度になるように希釈・ 製したヒトIgG(シグマ-アルドリッチ社)溶液 逐次注入し、引き続きランニング緩衝液に り替えて送液を保持することにより、抗体 結合・解離現象を定量的に観測した。なお 送液流量は20μL/min、結合観測時間(抗体溶液 入時間)は4分間、解離観測時間は4分間とし 。各濃度の抗体溶液を注入し、結合・解離 象を観測した後には、引き続き6M塩酸グア ジン溶液を3分間注入し、固定化されている 換えタンパク質に結合しているヒトIgGをす て解離させ、ランニング緩衝液で再生し、 の後の測定に使用した。

 観測された表面プラズモン共鳴によるセ サー表面の質量変化の経時変化は、Biacoreに より定義される単位RUにより測定し、結合速 定数(kass)、解離速度定数(kdis)及び解離定数( Kd=kass/kdis)を求めた。

[融合タンパク質からのタグ部分の除去]
 分離精製した融合たんぱく質50mgを5mlの10mM 燐酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、ジチオスレイト ル(DTT)を最終濃度が1mMになるように加え、30 分間室温で放置することにより、システイン 残基の還元反応を行った。反応後、PD-10カラ (GEヘルスケアバイオサイエンス社より購入) を用いてゲル濾過することにより、タンパク 質部分だけを回収した。その後、最終濃度が 5mMになるように2-ニトロ-5-チオシアノ安息香 (NTCB)を加え、2時間室温で放置することによ りシステイン残基のシアノ化反応を行った。 その後、5リッターの100mM硼酸緩衝液(pH9.5)に して2回、計24時間透析を行うことにより、NT CBを除去するとともに、シアノシステイン残 部位におけるペプチド鎖の切断反応を行っ 。透析と同時に切断反応を行わせた反応液 、ニッケルキレートカラム(GEヘルスケアバ オサイエンス社より購入)にアプライし、非 吸着部分を回収した。回収したタンパク質標 品を、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に対して透析を った。透析後、遠心真空乾燥機を用いて目 のタンパク質を乾燥させた。質量分析装置( API 150EX)を用いた解析の結果、得られた改変 体結合タンパク質はタグ配列部分が除去さ た目的どおりのものであることを確認した

[組換えタンパク質の固定化]
 タグ部分を除去したタンパク質を用いて、 4mg/mlの濃度になるように、0.5M NaClを含む、 0.1Mの酢酸緩衝液pH4.5、に溶解しタンパク質溶 液を調製した。

 タンパク質溶液40μlと市販されているNHS(N -ヒドロキシサクシイミド)活性化セファロー 担体(GEヘルスケアバイオサイエンス社より 入)20μlとを混合し、約16時間室温で穏やか 攪拌することにより固定化反応を行った。 応後、溶液部分のタンパク質濃度を測定し 固定化されたタンパク質量を推定した。な 、そのコントロールとして、あらかじめエ ノールアミンで処理することにより活性基 あるN-ヒドロキシサクシイミドを不活性化し た担体を用い全く固定化されていないときの 溶液部分のタンパク質濃度とした。固定化反 応後、1mlの洗浄用緩衝液(0.1M酢酸ナトリウム 0.5M塩化ナトリウム、pH4.0)で担体を洗浄した 。続いて、1mlの不活性化用緩衝液(0.5Mモノエ ノールアミン、0.5M塩化ナトリウム、pH8.3)の 中で担体を約1時間穏やかに攪拌することに り担体上の未反応官能基を不活性化した。 の後2回、同様の不活性化の操作を行った後 1MKCLを含む10mM燐酸緩衝液(pH7.0)で2回洗浄し その後10mM燐酸緩衝液(pH7.0)で担体を平衡化し た。

[作製した固定化担体のIgG結合能の測定]
 作製した固定化担体20μlと1.5mgのヒト由来イ ムノグロブリンGとを1mlの10mM燐酸緩衝液(pH7.0) の中で混合し、約16時間室温で穏やかに攪拌 た。その後、1mlの1MKCLを含む10mM燐酸緩衝液( pH7.0)で5回以上洗浄した。この操作により、 後の洗浄液中にタンパク質成分は検出され くなった。特異的に固定化担体に結合したIg Gの溶出は、1mlの0.5M酢酸を加えることにより った。0.5M酢酸に遊離されたタンパク質の量 を、280nmの吸光度を測定し、その吸光度係数( E 280 1% =14.0)から決定し、結合・遊離したIgGタンパク 質の量であるとした。

実施例1 リジン及びシステイン残基を含まな いタンパク質の融合タンパク質としての発現
 以下のDNA配列で示される遺伝子が、それぞ pUC18ベクターのBamHI-EcoRI部位に組み込まれた 組換えプラスミドとしては、既に本発明者ら が作製しているものを用いた(特願2006-276468、 特願2007-057791、特願2007-059175、特願2007-059204) その概要は以下の通りである。
[1] 組換えプラスミドpPAA-RRRRGは、一般式S1-R1- R2で示されるタンパク質配列において、S1部 は無し、R1部分としては、スタフィロコッカ ス由来のプロテインAのAドメイン由来の配列 システイン及びリジンを含まないようにし 配列(配列番号2)、R2部分としてはGly-Gly-Gly-Gl y(配列番号3)、これに、C1部分としてCys-Ala、 びT1部分としてAsp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His -His-His(配列番号16)なる切断用及びタグ精製用 配列をカルボキシ末端側に融合したアミノ酸 配列を発現できる制限酵素配列を含むDNA配列 として、以下の配列(配列番号17)をpUC18ベクタ ーのBamHI-EcoRI部位に組み込んだものである。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTGATAACAATTTCAACCGTGAACAACAAAATGCTT TCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAA GCTTACGTGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTCGTCGTTTAAATG AATCTCAAGCACCGGGTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACCATCATC ACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号17を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PA1と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号18) なる。
Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Arg-Glu-Gln-Gln-
Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-Asn-Met-Pro-
Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-
Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-Pro-Ser-Gln-
Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-Ala-Arg-Arg-
Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-Gly-Gly-Gly-
Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-
His-His-His-His-His-His

[2] 組換えプラスミドpPGは、一般式S1-R1-R2で されるタンパク質配列において、S1部分は無 し、R1部分としては、ストレプトコッカス由 のプロテインGのG1ドメイン由来の配列をシ テイン及びリジンを含まないようにした配 、R2部分としてはGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、 れに、C1部分としてCys-Ala、及びT1部分として Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号 16)なる切断用及びタグ精製用配列をカルボキ シ末端側に融合したアミノ酸配列を発現でき るDNA配列として、以下の配列(配列番号19)を pUC18ベクターのBamHI-EcoRI部位に組み込んだも である。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTTACCGTTTAATCCTTAATGGTCGTACATTGCGTG GCGAAACAACTACTGAAGCTGTTTTGCGTGGCGAAACAACTACTGAAGCTGTTCAATACG CTAACGACAACGGTGTTGACGGTGAATGGACTTACGACGATGCGACTCGTACCTTTACGG TAACTGAACGTCCTGAGGTTATTGATGCTTCGGAGCTGACTCCTGCTGTTACTGGTGGCG GTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACCATCATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号19を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PG1と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号20) なる。
Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-
Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu-Ala-Val-
Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-
Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-
Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-
Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-
Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-
Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-Asp-
Asp-Asp-His-His-His-His-His-His

[3] 組換えプラスミドpPLは、一般式S1-R1-R2で されるタンパク質配列において、S1部分は無 し、R1部分としては、Peptostreptococcus由来のプ テインLのB1ドメイン由来の配列をシステイ 及びリジンを含まないようにした配列、R2 分としてはGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、これに C1部分としてCys-Ala、及びT1部分としてAsp-Asp-A sp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号16)なる 切断用及びタグ精製用配列をカルボキシ末端 側に融合したアミノ酸配列を発現できるDNA配 列として、以下の配列(配列番号21)を、pUC18ベ クターのBamHI-EcoRI部位に組み込んだものであ 。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTACTATTCGTGCTAATCTGATTTATGCTGATGGTC GTACTCAGACTGCTGAGTTTCGTGGTACTTTTGAGGAGGCTACTGCTGAGGCTTATCGTT ATGCTGATCTGCTGGCTCGTGAGAATGGTCGTTATACTGTTGATGTTGCTGATCGTGGTT ATACTCTGAATATTCGTTTTGCTGGTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATG ACCATCATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号21を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PL1と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号22) なる。
Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala 
Asp-Gly-Arg-Thr-Gln-Thr-Ala-Glu-Phe-Arg 
Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala-Glu-Ala 
Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Ala-Arg-Glu
Asn-Gly-Arg-Tyr-Thr-Val-Asp-Val-Ala-Asp
Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Arg-Phe-Ala
Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp
Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His

[4] 組換えプラスミドpAADは、一般式S1-R1-R2で されるタンパク質配列において、S1部分と てSer-Gly-Gly-Gly-Gly(配列番号1)、R1部分として タフィロコッカス由来のプロテインAのAドメ イン由来の配列をシステイン及びリジンを含 まないようにした配列が2回繰り返している 列、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、こ れに、C1部分としてCys-Ala、及びT1部分としてA sp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号1 6)なる切断用及びタグ精製用配列をカルボキ 末端側に融合したアミノ酸配列を発現でき 以下のDNA配列(配列番号23)を、pUC18ベクター BamHI-EcoRI部位に組み込んだものである。該DN A配列は、プロテインAのAドメイン由来の配列 を基にしたシステイン及びリジン残基を含ま ない配列部分をコードする遺伝子を重複させ 、新たに制限酵素切断配列としてCfr9I切断配 (CCCGG)を一箇所含み、全体をBamHIとExoRi切断 よりベクターに挿入できるように設計した のである。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGTCGGGCGGTGGTGGTGCTGATAACAATTTCAACCGTG AACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCA ATGGTTTCATCCAAAGCTTACGTGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAG CTCGTCGTTTAAATGAATCTCAAGCCCCGGGTGCTGATAACAATTTCAACCGTGAACAAC AAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTT TCATCCAAAGCTTACGTGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTCGTC GTTTAAATGAATCTCAAGCACCGGGTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATG ACCATCATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号23を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PA2と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号24) なる。
Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-
Asn-Arg-Glu-Gln-Gln-Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-
Ile-Leu-Asn-Met-Pro-Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-
Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-
Asp-Asp-Pro-Ser-Gln-Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-
Ser-Glu-Ala-Arg-Arg-Leu-Asn-Glu-Ser-Leu-
Asn-Met-Pro-Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-
Asn-Gly-Phe-Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-
Pro-Ser-Gln-Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-
Ala-Arg-Arg-Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-
Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-
Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His

[5] 組換えプラスミドpAA3Tは、一般式S1-R1-R2で 示されるタンパク質配列において、S1部分と てSer-Gly-Gly-Gly-Gly(配列番号1)、R1部分として タフィロコッカス由来のプロテインAのAド イン由来の配列をシステイン及びリジンを まないようにした配列が3回繰り返している 列、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、 れに、C1部分としてCys-Ala、及びT1部分として Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号 16)なる切断用及びタグ精製用配列をカルボキ シ末端側に融合したアミノ酸配列を発現でき る以下のDNA配列(配列番号25)を、pUC18ベクター のBamHI-EcoRI部位に組み込んだものである。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGTCGGGCGGTGGTGGTGCTGATAACAATTTCAACCGTG AACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCA ATGGTTTCATCCAAAGCTTACGTGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAG CTCGTCGTTTAAATGAATCTCAAGCCCCGGGTGCTGATAACAATTTCAACCGTGAACAAC AAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTT TCATCCAAAGCTTACGTGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTCGTC GTTTAAATGAATCTCAAGCCCCGGGTGCTGATAACAATTTCAACCGTGAACAACAAAATG CTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCC AAAGCTTACGTGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTCGTCGTTTAA ATGAATCTCAAGCACCGGGTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACCATC ATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号25を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PA3と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号26) なる。
Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-
Asn-Arg-Glu-Gln-Gln-Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-
Ile-Leu-Asn-Met-Pro-Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-
Gln-Arg-Asn-Gly-Phe-Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-
Asp-Asp-Pro-Ser-Gln-Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-
Ser-Glu-Ala-Arg-Arg-Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-
Ala-Pro-Gly-Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Arg-
Glu-Gln-Gln-Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-
Asn-Met-Pro-Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-
Asn-Gly-Phe-Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-
Pro-Ser-Gln-Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-
Ala-Arg-Arg-Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-
Gly-Ala-Asp-Asn-Asn-Phe-Asn-Arg-Glu-Gln-
Gln-Asn-Ala-Phe-Tyr-Glu-Ile-Leu-Asn-Met-
Pro-Asn-Leu-Asn-Glu-Glu-Gln-Arg-Asn-Gly-
Phe-Ile-Gln-Ser-Leu-Arg-Asp-Asp-Pro-Ser-
Gln-Ser-Ala-Asn-Leu-Leu-Ser-Glu-Ala-Arg-
Arg-Leu-Asn-Glu-Ser-Gln-Ala-Pro-Gly-Gly-
Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-
Asp-His-His-His-His-His-His

[6] 一般式S1-R1-R2で示されるタンパク質配 において、S1部分としてSer-Gly-Gly-Gly-Gly(配列 号1)、R1部分としてスタフィロコッカス由来 のプロテインAのAドメイン由来の配列をシス イン及びリジンを含まないようにした配列 4回及び5回以上繰り返している配列、R2とし てGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、これに、C1部分と てCys-Ala及びT1部分としてAsp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-H is-His-His-His-His-His(配列番号16)なる切断用及び グ精製用配列をカルボキシ末端側に融合し アミノ酸配列を発現できるDNA配列を、pUC18 クターのBamHI-EcoRI部位に組み込んだものに関 しては、pAA4Q、pAA5Pとして分離した。

[7] 組換えプラスミドpGGDは、一般式S1-R1-R2で されるタンパク質配列において、S1=無し、R 1部分としてストレプトコッカス由来のプロ インGのG1ドメイン由来の配列をシステイン びリジンを含まないようにした配列が2回繰 返している配列、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly( 列番号3)、これに、C1部分としてCys-Ala、及 T1部分としてAsp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-Hi s-His(配列番号16)なる切断用及びタグ精製用配 列をカルボキシ末端側に融合したアミノ酸配 列を発現できる以下のDNA配列(配列番号27)を pUC18ベクターのBamHI-EcoRI部位に組み込んだも である。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTTACCGTTTAATCCTTAATGGTCGTACATTGCGTG GCGAAACAACTACTGAAGCTGTTGATGCTGCTACTGCAGAACGTGTCTTCCGTCAATACG CTAACGACAACGGTGTTGACGGTGAATGGACTTACGACGATGCGACTCGTACCTTTACGG TAACTGAACGTCCTGAGGTTATTGATGCTTCGGAGCTGACTCCTGCTGTTACTCCCGGGG CTTACCGTTTAATCCTTAATGGTCGTACATTGCGTGGCGAAACAACTACTGAAGCTGTTG ATGCTGCTACTGCAGAACGTGTCTTCCGTCAATACGCTAACGACAACGGTGTTGACGGTG AATGGACTTACGACGATGCGACTCGTACCTTTACGGTAACTGAACGTCCTGAGGTTATTG ATGCTTCGGAGCTGACTCCTGCTGTTACTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACG ATGACCATCATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号27を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PG2と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号28) なる。
Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-Leu-Arg-Gly-Glu-Thr- Thr-Thr-Glu-Ala-Val-Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg- Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp- Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile- Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Pro-Gly-Ala-Tyr-Arg- Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu- Ala-Val-Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-Gln-Tyr-Ala- Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr- Arg-Thr-Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-Asp-Ala-Ser- Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp- Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His

[8] 組換えプラスミドpGG3Tは、一般式S1-R1-R2で 示されるタンパク質配列において、S1=無し、 R1部分としてストレプトコッカス由来のプロ インGのG1ドメイン由来の配列をシステイン びリジンを含まないようにした配列が3回繰 り返している配列、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly( 配列番号3)、これに、C1部分としてCys-Ala、及 T1部分としてAsp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-H is-His(配列番号16)なる切断用及びタグ精製用 列をカルボキシ末端側に融合したアミノ酸 列を発現できる以下のDNA配列(配列番号29)を pUC18ベクターのBamHI-EcoRI部位に組み込んだも のである。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTTACCGTTTAATCCTTAATGGTCGTACATTGCGTG GCGAAACAACTACTGAAGCTGTTGATGCTGCTACTGCAGAACGTGTCTTCCGTCAATACG CTAACGACAACGGTGTTGACGGTGAATGGACTTACGACGATGCGACTCGTACCTTTACGG TAACTGAACGTCCTGAGGTTATTGATGCTTCGGAGCTGACTCCTGCTGTTACTCCCGGGG CTTACCGTTTAATCCTTAATGGTCGTACATTGCGTGGCGAAACAACTACTGAAGCTGTTG ATGCTGCTACTGCAGAACGTGTCTTCCGTCAATACGCTAACGACAACGGTGTTGACGGTG AATGGACTTACGACGATGCGACTCGTACCTTTACGGTAACTGAACGTCCTGAGGTTATTG ATGCTTCGGAGCTGACTCCTGCTGTTACTCCCGGGGCTTACCGTTTAATCCTTAATGGTC GTACATTGCGTGGCGAAACAACTACTGAAGCTGTTGATGCTGCTACTGCAGAACGTGTCT TCCGTCAATACGCTAACGACAACGGTGTTGACGGTGAATGGACTTACGACGATGCGACTC GTACCTTTACGGTAACTGAACGTCCTGAGGTTATTGATGCTTCGGAGCTGACTCCTGCTG TTACTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACCATCATCACCACCATCATT AAGAATTC

 配列番号29を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PG3と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号30) なる。
Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-Leu-Arg-Gly-Glu-Thr- Thr-Thr-Glu-Ala-Val-Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg- Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp- Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile- Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Pro-Gly-Ala-Tyr-Arg- Leu-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Thr-Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu- Ala-Val-Asp-Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-Gln-Tyr-Ala- Asn-Asp-Asn-Gly-Val-Asp-Gly-Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr- Arg-Thr-Phe-Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-Asp-Ala-Ser- Glu-Leu-Thr-Pro-Ala-Val-Thr-Pro-Gly-Ala-Tyr-Arg-Leu-Ile-Leu- Asn-Gly-Arg-Thr-Leu-Arg-Gly-Glu-Thr-Thr-Thr-Glu-Ala-Val-Asp- Ala-Ala-Thr-Ala-Glu-Arg-Val-Phe-Arg-Gln-Tyr-Ala-Asn-Asp-Asn- Gly-Val-Asp-Gly-Glu-Trp-Thr-Tyr-Asp-Asp-Ala-Thr-Arg-Thr-Phe- Thr-Val-Thr-Glu-Arg-Pro-Glu-Val-Ile-Asp-Ala-Ser-Glu-Leu-Thr- Pro-Ala-Val-Thr-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp- Asp-His-His-His-His-His-His

[9] 一般式S1-R1-R2で示されるタンパク質配 において、S1=無し、R1部分としてストレプト コッカス由来のプロテインGのG1ドメイン由来 の配列をシステイン及びリジンを含まないよ うにした配列4回及び5回以上繰り返している 列、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、 れに、C1部分としてCys-Ala、及びT1部分として Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号 16)なる切断用及びタグ精製用配列をカルボキ シ末端側に融合したアミノ酸配列を発現でき るDNA配列を、pUC18ベクターのBamHI-EcoRI部位に み込んだものに関しては、pGG4Q及びpGG5Pとし 分離した。

[10] 組換えプラスミドpLLDは、一般式S1-R1-R2で 示されるタンパク質配列において、S1=無し、 R1=Peptostreptococcus由来のプロテインLのB1ドメイ ン由来の配列をシステイン及びリジンを含ま ないようにした配列が2回繰り返している配 、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、これ に、C1部分としてCys-Ala、及びT1部分としてAsp- Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号16) る切断用及びタグ精製用配列をカルボキシ 端側に融合したアミノ酸配列を発現できる 下のDNA配列(配列番号31)を、pUC18ベクターのB amHI-EcoRI部位に組み込んだものである。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTACTATTCGTGCTAATCTGATTTATGCTGATGGTC GTACTCAGACTGCTGAGTTTCGTGGTACTTTTGAGGAGGCTACTGCTGAGGCTTATCGTT ATGCTGATCTGCTGCCTCGTGAGAATGGTCGTTATACTGTTGATGTTGCTGATCGTGGTT ATACTCTGAATATTCGTTTTGCTCCCGGGGCTACTATTCGTGCTAATCTGATTTATGCTG ATGGTCGTACTCAGACTGCTGAGTTTCGTGGTACTTTTGAGGAGGCTACTGCTGAGGCTT ATCGTTATGCTGATCTGCTGCCTCGTGAGAATGGTCGTTATACTGTTGATGTTGCTGATC GTGGTTATACTCTGAATATTCGTTTTGCTGGTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATG ACGATGACCATCATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号31を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PL2と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号32) なる。
Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala-Asp-Gly-Arg-Thr-Gln- Thr-Ala-Glu-Phe-Arg-Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala-Glu-Ala- Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Pro-Arg-Glu-Asn-Gly-Arg-Tyr-Thr- Val-Asp-Val-Ala-Asp-Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Arg-Phe-Ala- Pro-Gly-Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala-Asp-Gly-Arg- Thr-Gln-Thr-Ala-Glu-Phe-Arg-Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala- Glu-Ala-Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Pro-Arg-Glu-Asn-Gly-Arg- Tyr-Thr-Val-Asp-Val-Ala-Asp-Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Arg- Phe-Ala-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp- His-His-His-His-His-His

[11] 組換えプラスミドpLL3Tは、一般式S1-R1-R2 示されるタンパク質配列において、S1=無し R1部分としてPeptostreptococcus由来のプロテイン LのB1ドメイン由来の配列をシステイン及びリ ジンを含まないようにした配列が3回繰り返 ている配列、R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly(配列 号3)、これに、C1部分としてCys-Ala、及びT1部 としてAsp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His( 列番号16)なる切断用及びタグ精製用配列を ルボキシ末端側に融合したアミノ酸配列を 現できる以下のDNA配列(配列番号33)を、pUC18 クターのBamHI-EcoRI部位に組み込んだもので る。
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAG CAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTACTATTCGTGCTAATCTGATTTATGCTGATGGTC GTACTCAGACTGCTGAGTTTCGTGGTACTTTTGAGGAGGCTACTGCTGAGGCTTATCGTT ATGCTGATCTGCTGCCTCGTGAGAATGGTCGTTATACTGTTGATGTTGCTGATCGTGGTT ATACTCTGAATATTCGTTTTGCTCCCGGGGCTACTATTCGTGCTAATCTGATTTATGCTG ATGGTCGTACTCAGACTGCTGAGTTTCGTGGTACTTTTGAGGAGGCTACTGCTGAGGCTT ATCGTTATGCTGATCTGCTGCCTCGTGAGAATGGTCGTTATACTGTTGATGTTGCTGATC GTGGTTATACTCTGAATATTCGTTTTGCTCCCGGGGCTACTATTCGTGCTAATCTGATTT ATGCTGATGGTCGTACTCAGACTGCTGAGTTTCGTGGTACTTTTGAGGAGGCTACTGCTG AGGCTTATCGTTATGCTGATCTGCTGCCTCGTGAGAATGGTCGTTATACTGTTGATGTTG CTGATCGTGGTTATACTCTGAATATTCGTTTTGCTGGTGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATG ACGATGACGATGACCATCATCACCACCATCATTAAGAATTC

 配列番号33を発現することにより作製され 融合タンパク質(融合タンパク質PL3と称する) のアミノ酸配列は、以下の配列(配列番号34) なる。
Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala-Asp-Gly-Arg-Thr-Gln- Thr-Ala-Glu-Phe-Arg-Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala-Glu-Ala- Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Pro-Arg-Glu-Asn-Gly-Arg-Tyr-Thr- Val-Asp-Val-Ala-Asp-Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Arg-Phe-Ala- Pro-Gly-Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala-Asp-Gly-Arg- Thr-Gln-Thr-Ala-Glu-Phe-Arg-Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala-Thr-Ala- Glu-Ala-Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Pro-Arg-Glu-Asn-Gly-Arg- Tyr-Thr-Val-Asp-Val-Ala-Asp-Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn-Ile-Arg- Phe-Ala-Pro-Gly-Ala-Thr-Ile-Arg-Ala-Asn-Leu-Ile-Tyr-Ala-Asp- Gly-Arg-Thr-Gln-Thr-Ala-Glu-Phe-Arg-Gly-Thr-Phe-Glu-Glu-Ala- Thr-Ala-Glu-Ala-Tyr-Arg-Tyr-Ala-Asp-Leu-Leu-Pro-Arg-Glu-Asn- Gly-Arg-Tyr-Thr-Val-Asp-Val-Ala-Asp-Arg-Gly-Tyr-Thr-Leu-Asn- Ile-Arg-Phe-Ala-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala-Asp-Asp-Asp-Asp- Asp-Asp-His-His-His-His-His-His

[12] 一般式S1-R1-R2で示されるタンパク質配 において、S1=無し、R1部分としてPeptostreptoco ccus由来のプロテインLのB1ドメイン由来の配 をシステイン及びリジンを含まないように た配列4回及び5回以上繰り返している配列、 R2部分としてGly-Gly-Gly-Gly(配列番号3)、これに C1部分としてCys-Ala、及びT1部分としてAsp-Asp- Asp-Asp-Asp-Asp-His-His-His-His-His-His(配列番号16)な 切断用及びタグ精製用配列をカルボキシ末 側に融合したアミノ酸配列を発現できるDNA 列を、pUC18ベクターのBamHI-EcoRI部位に組み込 だものを作製した。

実施例2 融合タンパク質の大腸菌での発現、 分離精製
 実施例1に示した組換えプラスミドとして、 それぞれ、pPAA-RRRRG、pAAD、pAA3T、pPG、pGGD、pGG3 T、pPL、pLLD及びpLL3Tを組み込んだ大腸菌JM109株 を培養し、培養菌体を破砕した無細胞抽出液 からニッケルキレートカラム(GEヘルスケアバ イオサイエンス社より購入)を用いて、分離 製を行った。その操作は、既に上記に記載 ている方法で行った。各々精製分離して得 れたタンパク質は、それぞれ、PA1、PA2、PA3 PG1、PG2、PG3、PL1、PL2及びPL3と称するが、各 の収量(mg/2Lの培養)は表1に示す結果であった 。

 また精製して得られた各々の融合タンパ 質のヒト・ポロクローナルIgGに対する結合 性をビアコアを用いて測定した結果を、表2 に示す。

 表2の結果に示されるように、機能を発揮 する部分としてのR1の部分をシステイン及び ジン残基を全く含まないようにしても、元 機能であるヒト・ポロクローナルIgGに対す 結合特性を維持されることが明らかであっ 。

実施例3 融合タンパク質からのタグ配列部分 の除去
 分離精製したPA1、PA2、PA3、PG1、PG2及びPL1の れぞれの融合タンパク質50mgを用いて、シア ノシステインの反応を利用したタグ部分の配 列を切断除去する反応を行わせ、ニッケルキ レートカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス 社より購入)に結合しないタンパク質を分離 た。シアノシステインの反応により切断さ た生成物以外は、すべてヒスタグを有する とから、回収されたタンパク質は、すべて 般式S1-R1-R2であらわされるタンパク質であっ た。元の融合タンパク質に対応する回収され たタンパク質をそれぞれPAD1、PAD2、PAD3、PGD1 PGD2及びPLD1と名づけた。その回収量を表3に す。おおむね60%以上の回収率で完全にシス イン及びリジン残基を含まないタンパク質 作製された。

実施例4 アミノ末端のアミノ基を利用したタ ンパク質の固定化
 実施例3で作製した6種類のタンパク質を用 て、各々約4mg/mlの濃度になるように、0.5M Na Clを含む、0.1Mの酢酸緩衝液pH4.5、に溶解しタ パク質溶液を調製した。このようにして調 したタンパク質溶液40μlをNHS(N-ヒドロキシ クシイミド)活性化セファロース担体(GEヘル ケアバイオサイエンス社より購入)20μlと混 し、約16時間室温で穏やかに攪拌した後に 溶液部分のタンパク質濃度を測定したとこ 、溶液中のタンパク質濃度は、どの場合も0. 1mg/ml以下であり、この条件では、ほぼ定量的 に固定化されていることが示された。このこ とは、この条件では、約8mg/ml担体でタンパク 質が固定化された担体が作られたことを示し ている。

 このうち、PAD1を用いて、加えるタンパク 質の濃度を、10mg/ml、20mg/ml、30mg/ml及び40mg/ml 濃度を高めて固定化を行ったところ、表4に すように、20mg/mlの濃度の以上で飽和する傾 向が認められ、用いたNHS(N-ヒドロキシサクシ イミド)活性化セファロース担体(GEヘルスケ バイオサイエンス社より購入)の場合、最大4 0mg/ml程度のPAD1を固定化できることが示され 。

実施例5 アミノ末端1箇所で配向制御固定化 た固定化担体のヒト・ポロクローナルIgGの 合容量
 実施例4に従い、PAD1、PAD2及びPAD3をほぼ最大 量固定化した固定化担体を作製した。作製し た担体を、それぞれ20μl用いて、ヒト・ポロ ローナルIgGの結合容量を測定した。ヒト・ ロクローナルIgGを10mM燐酸緩衝液(pH7.0)の中 混合し、約16時間室温で穏やかに攪拌し、担 体に抗体分子を結合させたのち、非特異的に 吸着しているタンパク質を1MKCLを含む10mM燐酸 緩衝液(pH7.0)で取り除いた後、0.5M酢酸溶液で 離れてくる抗体タンパク質量を結合量とし 測定した。

 PAD1、PAD2及びPAD3をそれぞれ固定化したと のヒト・ポロクローナルIgGの結合容量は、 5に示すように、高いIgG結合能力を示した。