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Title:
INFRARED SENSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/098947
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an infrared sensor, which suppresses the dispersion of semiconductor characteristics of individual elements, which reduces the drop of thermoelectric conversion efficiencies due to the dispersion of the semiconductor characteristics, and which is simple in construction. The infrared sensor (S) comprises a substrate (10) having an insulating layer (11) formed thereon, a thermoelectric conversion element (20) mounted on the substrate (10) through the insulating layer (11), and an infrared absorbing layer (30) mounted on the thermoelectric conversion element (20). This thermoelectric conversion element (20) includes at least one single element (25) having a heating surface defined as one side face and a cooling surface defined as the opposite face of the heating surface, for generating an electric power from the temperature difference made between the heating surface and the cooling surface. The single element (25) includes a sintered cell (21) made of a composite metallic oxide, a pair of electrodes (22 and 23) formed on the heating surface and the cooling surface of the sintered cell (21), and lead wires (24) for connecting the electrode (22) on the heating surface and the electrode (23) on the cooling surface electrically in series.

Inventors:
TAKAHASHI KOH (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050967
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
January 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ARUZE CORP (JP)
TAKAHASHI KOH (JP)
International Classes:
G01J1/02; H01L35/22; H01L35/32; H01L37/00
Domestic Patent References:
WO2007145183A12007-12-21
WO2005124881A12005-12-29
Foreign References:
JP2006093364A2006-04-06
JP2003207391A2003-07-25
JPH02214175A1990-08-27
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki (25-8 Higashi-ikebukuro 1-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 絶縁層が形成された基板と、この基板上に前記絶縁層を介して設けられた熱電変換素子と、この熱電変換素子上に設けられた赤外線吸収層と、を備える赤外線センサであって、
 前記熱電変換素子は、一方の側の面として規定される加熱面及びこの加熱面の反対側の面として規定される冷却面を有し且つ前記加熱面と前記冷却面との間に生じる温度差により発電する単素子を少なくとも1個備え、
 前記単素子は、複合金属酸化物からなる焼結体セルと、この焼結体セルの加熱面及び冷却面に形成された一対の電極と、前記加熱面側の電極と前記冷却面側の電極とを電気的に直列に接続する導電性部材と、を備えることを特徴とする赤外線センサ。
 前記熱電変換素子は、前記単素子を複数個備え、
 前記単素子は、互いに隣接する焼結体セルの加熱面側の電極と冷却面側の電極とが前記導電性部材により電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
 前記単素子は、同一の素材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の赤外線センサ。
 前記複合金属酸化物は、アルカリ土類元素及びマンガンを含むことを特徴とする請求項1から3いずれか記載の赤外線センサ。
 前記複合金属酸化物は、下記の一般式(I)で表されることを特徴とする請求項4記載の赤外線センサ。
[式(I)中、Mはイットリウム及びランタノイドの中から選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは0~0.05の範囲である。]
 前記一般式(I)中のxが0であることを特徴とする請求項5記載の赤外線センサ。
 前記一対の電極は、前記焼結体セルの加熱面及び冷却面に導電性ペーストを塗布して焼結することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1から6いずれか記載の赤外線センサ。
Description:
赤外線センサ

 本発明は、赤外線センサに関し、特に、 い熱電変換効率を有し、構造が簡単な赤外 センサに関する。

 赤外線センサは、動作原理により、熱型 外線センサと量子型赤外線センサとに大別 れる。このうち熱型赤外線センサは、入射 外線より変換された熱エネルギーによる赤 線感受部の温度上昇分を電気信号へ変換す ことで赤外線を検出している。赤外線感受 の温度上昇を電気信号に変換する手段とし は、例えば熱電対や熱電変換素子が利用さ ている。

 例えば、熱型赤外線センサとして、クロ ル-アルメル等の金属からなる熱電対を利用 したものが挙げられる。ところが、クロメル やアルメル等の金属のゼーベック係数は数十 μV/K程度しかないことから、十分な出力電力 得るために多数の熱電対を直列に接続した ーモパイル(熱電堆)型赤外線センサが実用 されている。

 サーモパイル型赤外線センサで用いられ サーモパイルとしては、例えば、p型及びn のBi,Sb,Se及びTeの合金からなる熱電変換素子 直列に接続することにより形成された熱電 換素子列が提案されている(例えば、特許文 献1参照)。

 しかしながら、この特許文献1のような、 Bi-Te系やSi-Ge系の半導体からなる熱電変換素 を利用した熱型赤外線センサで用いられるBi -Te系やSi-Ge系の半導体は、室温近傍の温度領 及び300~500℃の中温域において優れた熱電特 性を示すものの、高温域では耐熱性が低い。 また、Bi-Te系やSi-Ge系の半導体は、高価且つ 毒な金属元素であるTeやGe等を含むため、製 コストが高くなり、環境負荷が大きい。

 そこで、こうした高価且つ有毒な金属元素 使用を回避し、赤外線センサの低コスト化 実現するため、基板上に主として亜鉛酸化 からなる一方の素子と、主として白金から る他方の素子と、を交互に接続した赤外線 ンサが提案されている(例えば、特許文献2 照)。

特開平01-179376号公報

特開2004-037198号公報

 しかしながら、特許文献2の赤外線センサ では、酸化亜鉛薄膜からなる素子(n型半導体 相当)と白金薄膜からなる素子(p型半導体に 当)をpn接合する必要があった。このとき、p n接合する素子のサイズや形状のばらつきに って半導体特性が不揃いになり、赤外線セ サの熱電変換効率が低下するといった問題 あった。

 本発明は、上記のような課題に鑑みてな れたものであり、その目的は、素子ごとの 導体特性のバラツキを抑え、半導体特性の ラツキに起因する熱電変換効率の低下を抑 するとともに、構造が簡単な赤外線センサ 提供することにある。

 本発明者は、上記課題を解決するために 意研究を重ねた。その結果、複合金属酸化 から構成される焼結体セルの加熱面及び冷 面に一対の電極を設け、これら電極を電気 に直列に接続する導電性部材を備える単素 を用いることにより、素子ごとの半導体特 のバラツキを抑え、半導体特性のバラツキ 起因する熱電変換効率の低下を抑制できる ともに、構造が簡単な赤外線センサを提供 きることを見出し、本発明を完成するに至 た。より具体的には、本発明は以下のよう ものを提供する。

 (1) 絶縁層が形成された基板と、この基 上に前記絶縁層を介して設けられた熱電変 素子と、この熱電変換素子上に設けられた 外線吸収層と、を備える赤外線センサであ て、前記熱電変換素子は、一方の側の面と て規定される加熱面及びこの加熱面の反対 の面として規定される冷却面を有し且つ前 加熱面と前記冷却面との間に生じる温度差 より発電する単素子を少なくとも1個備え、 記単素子は、複合金属酸化物からなる焼結 セルと、この焼結体セルの加熱面及び冷却 に形成された一対の電極と、前記加熱面側 電極と前記冷却面側の電極とを電気的に直 に接続する導電性部材と、を備えることを 徴とする赤外線センサ。

 (1)の発明によれば、複合金属酸化物から 成される焼結体セルの加熱面及び冷却面に 対の電極を設け、これに導電性部材を接続 て単素子を形成することにより、異なる素 同士をpn接合することにより生じていた単 子の半導体特性の不揃いを抑制できる。ひ ては、半導体特性の不揃いに起因する熱電 換効率の低下を抑制でき、従来に比して高 熱電変換効率を有する赤外線センサを提供 きる。

 さらに、単素子で熱電変換素子若しくは ーモパイルを形成することにより、構造が 単な赤外線センサを提供できる。

 (2) 前記熱電変換素子は、前記単素子を 数個備え、前記単素子は、互いに隣接する 結体セルの加熱面側の電極と冷却面側の電 とが前記導電性部材により電気的に直列に 続されていることを特徴とする(1)記載の赤 線センサ。

 (2)の発明によれば、複数の単素子を導電 部材によって電気的に直列に接続した熱電 換素子を用いることにより、熱電変換素子 起電力を増大させることができる。

 (3) 前記単素子は、同一の素材からなる とを特徴とする(1)又は(2)記載の赤外線セン 。

 (3)の発明によれば、熱電変換素子を同一 材、より好ましくは同サイズ、同形状で形 することにより、熱電変換素子の単素子ご の半導体特性を揃えることができる。この め、単素子の半導体特性の不揃いを抑制で 、赤外線センサの熱電変換効率をより向上 せることができる。

 (4) 前記複合金属酸化物は、アルカリ土 元素及びマンガンを含むことを特徴とする(1 )から(3)のいずれか記載の赤外線センサ。

 (5) 前記複合金属酸化物は、下記の一般式(I )で表されることを特徴とする(4)記載の赤外 センサ。
[式(I)中、Mはイットリウム及びランタノイド 中から選ばれる少なくとも1種の元素であり 、xは0~0.05の範囲である。]

 (4)及び(5)の発明によれば、複合金属酸化物 アルカリ土類元素と希土類とマンガンを構 元素とする酸化物、より好ましくはCa (1-x) M x MnO 3 (式中、Mはイットリウム及びランタノイドの から選ばれる少なくとも1種の元素であり、 xは0~0.05の範囲である。)から形成することに り、赤外線センサの高温における耐熱性を り高めることができる。

 (6)前記一般式(I)中のxが0であることを特 とする(5)記載の赤外線センサ。

 (6)の発明によれば、CaMnO 3 からなる焼結体セルを利用することにより、 ゼーベック係数をさらに400μV/K前後にまで引 上げることができる結果、熱電変換素子の 電力を増大させることができる。このため 熱電変換素子で用いる単素子の個数を減ら ことができ、より安価で構造が簡単な赤外 センサを提供できる。

 (7) 前記一対の電極は、前記焼結体セル 加熱面及び冷却面に導電性ペーストを塗布 て焼結することにより形成されたものであ ことを特徴とする(1)から(6)のいずれか記載 赤外線センサ。

 (7)の発明によれば、焼結体セルの加熱面 冷却面とに導電性ペーストを直接塗布して 極を形成するため、薄い電極を形成するこ ができる。また、従来のようにバインダー を用いる必要がないため、熱伝導率及び電 伝導率を向上させることができ、高い熱電 換効率を有する赤外線センサを提供できる

 本発明によれば、素子ごとの半導体特性 バラツキを抑えて熱電変換効率の低下を抑 するとともに、構造が簡単な赤外線センサ 提供することができる。

第一実施形態に係る赤外線センサSを示 す斜視図である。 図1のA-A’面で切断したときの断面図で ある。 第二実施形態に係る赤外線センサS’を 示す斜視図である。

符号の説明

S、S’  赤外線センサ
10、50 基板
11、51 絶縁層
20、60 熱電変換素子
21、61 焼結体セル
22、23、62、63 電極
24    リード線
25、65 単素子
12、13、52、53 コネクタ
30、70 赤外線吸収層

発明を実施するための形態

 以下、本発明の実施形態について、図面 参照しながら説明する。なお、第二実施形 の説明において、第一実施形態の説明と重 する箇所については、適宜説明を省略する 合があるが、本発明の趣旨を限定するもの はない。

≪第一実施形態≫
 本発明の第一実施形態に係る赤外線センサS を図1及び図2に示す。図1及び図2に示される うに、第一実施形態に係る赤外線センサSは 絶縁層11が形成された基板10と、この基板10 に絶縁層11を介して設けられた熱電変換素 20と、この熱電変換素子20上に設けられた赤 線吸収層30と、を備える。赤外線センサSは 熱電変換素子20として、単素子を複数個、 体的には5個備えることを特徴とする。

[絶縁層11、基板10]
 基板10としては特に限定されず、従来公知 基板が用いられる。例えば、シリコン等か なる平板状基板が用いられる。また、絶縁 11としては、絶縁性を有するものであればよ く、特に限定されない。例えば、窒化シリコ ン等からなる保護機能を有する絶縁層の他、 AlN、TiN、TaN、BN等の窒化物、SiC等の炭化物、M gF等のフッ化物等からなる絶縁層が用いられ 。

[熱電変換素子20]
 熱電変換素子20は、基板10上に絶縁層11を介 て設けられる。熱電変換素子20は、一方の の面として規定される加熱面及びこの加熱 の反対側の面として規定される冷却面を有 、これら加熱面と冷却面との間に生じる温 差により発電する単素子25を5個備える。こ ら5個の単素子25はそれぞれ、焼結体セル21と 、一対の電極22及び23と、導電性部材として リード線24、コネクタ12、及び13と、を有す 。このような5個の単素子25を備える熱電変 素子20を用いることにより、異なる素子同士 をpn接合することにより生じていた半導体特 の不揃いに起因する熱電変換効率の低下を 制できる。

<焼結体セル21>
 焼結体セル21としては、複合金属酸化物か なる焼結体が用いられる。従来のサーモパ ルの熱電対として用いられているクロメル- ルメル等の金属のゼーベック係数は数十μV/ K程度であるのに対して、複合金属酸化物か なる焼結体は、およそ100μV/K以上の高いゼー ベック係数を有する。このため、従来のサー モパイルのようにPN対数を100程度とする必要 無く、本実施形態のように、単素子25の数 5個程度の少数で足りる。このため、赤外線 ンサSの構造をより簡単にでき、コンパクト 化が可能である。また、複合金属酸化物から なる焼結体を焼結体セル21として用いること より、耐熱性や力学強度を向上させること できる。さらには、複合金属酸化物は安価 材料であることから、低コスト化が図れる

 焼結体セル21の形状は特に限定されず、 外線センサSの形状等に従って適宜選択され 。好ましくは直方体又は立方体である。焼 体セル21の大きさも特に限定されず、例え 、加熱面及び冷却面の面積が5~20mm×1~5mm、高 が5~20mmであることが好ましい。

 5個の単素子25は、同一の素材から構成さ ることが好ましい。熱電変換素子20を、同 素材、より好ましくは同サイズ、同形状で 成することにより、素子ごとの半導体特性 バラツキを抑え、赤外線センサSの熱電変換 率の低下をより効果的に抑制できる。また 構造を単純化でき、製造コストを削減でき 。

 焼結体セル21を構成する複合金属酸化物と ては、赤外線センサSの耐熱性をより高める とができる観点から、アルカリ土類元素及 マンガンを含む複合金属酸化物が好ましく 中でも下記一般式(I)で表される複合金属酸 物を用いることがより好ましい。
[式(I)中、Mはイットリウム及びランタノイド 中から選ばれる少なくとも1種の元素であり 、xは0~0.05の範囲である。]

 上記一般式(I)で表される複合金属酸化物か なる焼結体セル21の製造方法の一例につい 説明する。まず、粉砕ボールを投入した混 ポット内に、CaCO 3 、MnCO 3 、及びY 2 O 3 、さらに純水を加え、この混合ポットを振動 ボールミルに装着して1~5時間振動させ、混合 ポットの内容物を混合する。得られた混合物 を濾過、乾燥し、乾燥後の混合物を電気炉に おいて900~1100℃、2~10時間で仮焼成する。仮焼 成して得られた仮焼成体を振動ミルで粉砕し 、粉砕物を濾過、乾燥する。乾燥した後の粉 砕物にバインダーを添加し、乾燥した後に分 級することにより造粒する。その後、得られ た造粒体をプレス機で成型し、得られた成型 体を電気炉で1100~1300℃、2~10時間本焼成する これにより、上記一般式(I)で表されるCaMnO 3 系の焼結体セル21が得られる。

 ここで、上記の製造方法により得られる 結体セル21のゼーベック係数αは、焼結体セ ル21を2枚の銅板で挟持し、ホットプレートを 用いて下方の銅板を加熱することにより上方 及び下方の銅板に5℃の温度差を設け、上方 び下方の銅板に生じた電圧から測定するこ ができる。また、抵抗率ρは、デジタルボル トメータを用いた4端子法で測定することが きる。

 例えば、上記一般式(I)で表されるCaMnO 3 系の焼結体セル21のゼーベック係数を測定す と、100μV/K以上の高い値が得られる。上記 般式(I)で表される組成において、xが0~0.05の 囲内であれば、ゼーベック係数α及び抵抗 ρともに高い値が得られるため好ましい。

 中でも、xが0のとき、即ち、イットリウム ランタノイドの不純物が含まれないCaMnO 3 からなる焼結体セル21であれば、ゼーベック 数をさらに400μV/K前後にまで高められるた 特に好ましい。400μV/K前後の非常に高いゼー ベック係数を有する焼結体セル21を用いるこ により、熱電変換素子20を構成する単素子25 の個数をさらに低減でき、赤外線センサSの 造をさらに簡単にすることができる。なお CaMnO 3 からなる焼結体セル21の抵抗率ρを測定する 、およそ0.05~0.20ω・cmである。このため、赤 線センサSとして必要な電気的出力を得るこ とが可能である。

<電極22、23>
 一対の電極22及び23は、焼結体セル21の一方 側の面として規定される加熱面と、反対側 面として規定される冷却面と、に各々形成 れる。一対の電極22及び23としては特に限定 されず、従来公知の電極を用いることができ る。焼結体セル21の加熱面及び冷却面の両端 スムーズに温度差が生じるように、例えば メッキ加工された金属体やメタライズ加工 れたセラミック板からなる銅電極を、ハン 等を用いて焼結体セル21に電気的に接続す ことにより形成される。

 好ましくは、一対の電極22及び23は、焼結 体セル21の加熱面及び冷却面に導電性ペース を塗布して焼結する方法により形成される この方法によれば、一対の電極22及び23をよ り薄く形成することができる。また、従来の ようにバインダー等を用いる必要がないため 、熱伝導率及び電気伝導率の低下を回避でき 、赤外線センサSの熱電変換効率をより高め ことができる。さらには、焼結体セル21と一 対の電極22及び23とが一体化されることで、 電変換素子20の構造を単純化できる。

<導電性部材>
 導電性部材としてのリード線24は、互いに 接する焼結体セル21の加熱面側の電極22と冷 面側の電極23とを電気的に直列に接続する のである。5個の単素子25を、リード線24によ って電気的に直列に接続した熱電変換素子20 用いることにより、熱電変換素子20の起電 を増大でき、赤外線センサSとして必要な電 的出力が得られる。

 リード線24としては特に限定されず、従 公知のリード線が用いられる。例えば、金 銀、銅、アルミニウム等の良電性金属から るリード線が用いられる。これらの金属は 伝導率も高いことから、熱の伝導を回避す ために、リード線24の断面積を小さくして熱 を伝え難くすることが好ましい。具体的には 、電極22又は23の面積とリード線24の断面積と の比率が50:1~500:1であることが好ましい。リ ド線24の断面積が大きすぎて上記範囲外とな ると、熱が伝導して必要な温度差が得られず 、また、リード線24の断面積が小さすぎて上 範囲外となると、電流を流すことができな なるうえ、機械的強度も劣る。

 導電性部材としてのコネクタ12及びコネ タ13は、直列に接続された5個の単素子25のう ち、両端の単素子と図示しない外部電極とを 電気的に接続するものである。これらのコネ クタ12及び13により、各単素子25の加熱面と冷 却面との間の温度差によって発電した電気エ ネルギーを、外部電極に導くことができる。 コネクタ12及び13の材質としては、高温酸化 囲気中で酸化され難い材質が用いられ、銀 真鍮、SUS等が好ましく用いられる。

[赤外線吸収層30]
 赤外線吸収層30は、熱電変換素子20を構成す る5個の単素子25の加熱面側の電極22上に設け れる。赤外線吸収層30を設けることにより 赤外線センサSに入射する赤外線を効率良く 収して温度を上昇させることができる。

 赤外線吸収層30を構成する材料としては に限定されず、従来公知の赤外線吸収材料 用いられる。例えば、NiCrを用いて赤外線吸 層30を形成することができる。NiCrのような 電性を有する材料で赤外線吸収層30を形成 る場合には、赤外線吸収層30は、加熱面側の 個々の電極22上に絶縁層を介して形成するこ が好ましい。また、本実施形態のように、 縁性の有機材料からなる赤外線吸収材料を いる場合には、電極22上に直接、赤外線吸 層30を形成することができる。赤外線吸収層 30の成膜方法としては、マスク成膜等を用い ことができる。

 上記のような構成を採用する第一実施形 に係る赤外線センサSによれば、5個の単素 25により構成された熱電変換素子20を利用す ものであるため、素子ごとの半導体特性の ラツキを抑えて熱電変換効率の低下を抑制 るとともに、構造が簡単な赤外線センサと ることができる。

≪第二実施形態≫
 本発明の第二実施形態に係る赤外線センサS ’を図3に示す。図3に示されるように、本実 形態に係る赤外線センサS’は、1個の単素 65から構成される熱電変換素子60を備えるこ を特徴とする。本実施形態では、熱電変換 子60が1個の単素子65から構成されるため、 一実施形態のようなリード線24は不要であり 、導電性部材としてのコネクタ52及び53を備 る。また、熱電変換素子60以外の構成は、第 一実施形態と同様である。

[熱電変換素子60]
 本実施形態の赤外線センサS’で用いられる 熱電変換素子60は、1個の単素子65から構成さ る。このため、異なる素子同士をpn接合す ことにより生じていた半導体特性のバラツ に起因する熱電変換効率の低下を抑制でき とともに、より単純な構造とすることがで る。なお、熱電変換素子60を構成する焼結体 セル61、一対の電極62及び63は、第一実施形態 に係る赤外線センサSと同様のものが用いら る。

 単素子65を構成する焼結体セル61は、上記一 般式(I)で表される組成のうち、xが0のとき、 ち、イットリウムやランタノイドの不純物 含まれないCaMnO 3 からなる。このような焼結体セル61であれば ゼーベック係数をさらに400μV/K前後にまで められるため、本実施形態のように、1個の 素子65からなる熱電変換素子60で赤外線セン サS’を形成することができる。

 上記のような構成を採用する第二実施形 に係る赤外線センサS’によれば、たった1 の単素子65により構成された熱電変換素子60 利用するものであるため、素子ごとの半導 特性のバラツキをさらに抑え、熱電変換効 の低下を効果的に抑制できるとともに、さ に構造が簡単な赤外線センサとすることが きる。

 なお、本発明は、上述した実施形態に限 されるものではなく、その要旨を逸脱しな 範囲で種々変形して実施することができる 例えば、コネクタの形状や配置も、上述し 実施形態に限定されず、基板の下方に延出 た形状であってもよい。