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Patent Searching and Data


Title:
INK-JET RECORDING MEDIUM, AND INK-JET RECORDING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057690
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide an ink-jet recording medium which can be imparted with a feeling like an off-set printing paper at a low cost, which can exhibit excellent ink-absorbing properties and scratch resistance in a printed area, and which can achieve good printing quality. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The ink-jet recording medium comprises: a base paper mainly composed of a wood pulp; and an ink-receiving layer which is arranged on one or both surfaces of the base paper, and which comprises a binder containing an acrylonitrile butadiene copolymer having a butadiene content of 50 mass% or more and an inorganic pigment. The content of the acrylonitrile butadiene copolymer is 1 to 8 parts by mass (inclusive) relative to 100 parts by mass of the inorganic pigment. The inorganic pigment contains a kaolin at a content of 60 mass% or more, wherein the kaolin contains particles each having a particle diameter of not less than 0.4 μm and less than 4.2 μm as measured by a laser diffraction method at a content of 64% or more in terms of volume-based integrated value. The ink-receiving layer has a surface roughness of 0.6 to 1.4 μm (inclusive) as measured in accordance with JIS P8151 employing a clamping pressure of 1000 kPa and using a hard backing.

Inventors:
WATANABE TAICHI (JP)
SAWA YUJI (JP)
TAKIGAWA KEI (JP)
MOROHOSHI NAOYA (JP)
NAGAI KIYOFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069746
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JUJO PAPER CO LTD (JP)
RICOH KK (JP)
WATANABE TAICHI (JP)
SAWA YUJI (JP)
TAKIGAWA KEI (JP)
MOROHOSHI NAOYA (JP)
NAGAI KIYOFUMI (JP)
International Classes:
B41M5/00; B41J2/01; B41M5/50; B41M5/52; C09D11/00; C09D11/322; C09D11/328; C09D11/38
Foreign References:
JP2004181875A2004-07-02
JP2007130875A2007-05-31
JP2007260999A2007-10-11
JP2007261034A2007-10-11
JP2006188554A2006-07-20
JP2007098678A2007-04-19
JP2004122707A2004-04-22
JP2003277544A2003-10-02
JP2002088679A2002-03-27
JP2008238611A2008-10-09
JP2004209965A2004-07-29
JP2004270104A2004-09-30
JPH04250092A1992-09-04
JPH0911613A1997-01-14
JP2004082464A2004-03-18
Other References:
See also references of EP 2210742A4
Attorney, Agent or Firm:
AKAO, Kenichiro et al. (Kyobashi-Nichiei Biru3-4 Kyobashi 3-chome Chuo-ku, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、ブタジエン含有率が50質量%以上のアクリロニトリルブタジエン系共重合体を含むバインダーと、無機顔料とを含有するインク受容層を有し、前記無機顔料100質量部に対する前記アクリロニトリルブタジエン系共重合体の含有割合が1質量部以上8質量部以下であり、かつ前記無機顔料の60質量%以上は、レーザー回折法により測定したときに0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64%以上を占めるカオリンであり、JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハードバッキングを用いたときの前記インク受容層の表面粗さが0.6μm以上1.4μm以下であるインクジェット記録媒体。
 前記インク受容層表面のJIS Z8741による光入射角75度の白紙光沢度が55%以上80%以下である請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
 請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体に対し、
 少なくとも水、粒子状の着色剤、及び湿潤剤を含有するインクを用いて画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
Description:
インクジェット記録媒体及びイ クジェット記録方法

 本発明はオフセット印刷用グロス調塗工 の風合いを持つグロス調インクジェット記 媒体及びこれを用いてインクジェット記録 行うインクジェット記録方法に関する。

 インクジェット記録方式は、フルカラー が容易で印字騒音が少なく、このため印字 能の急速な向上に伴って多くの用途に利用 れてきている。これらの用途としては、例 ば、文書作成ソフトからの文書記録、デジ ル写真などのデジタル画像の記録、銀塩写 や本などの美麗な印刷体をスキャナーで取 込んだものの複製、比較的少枚数のポスタ などの展示用画像作成が挙げられる。特に 年、小ロット多品種の商業印刷分野におい 、オフセット印刷方式に代わりインクジェ ト記録方式で印刷を行う場合が多くなって る。

 そして、これらの用途にそれぞれ適した 成のインクジェット記録媒体が提案されて る。例えば、単に文字を記録する場合は、 表面に直接記録する普通紙タイプの媒体が 用される。又、銀塩写真に匹敵する解像度 色再現性を得たい場合、プリンターより吐 されたインクを吸収する必要があるため、 工層としてインク受容層を設けた塗工紙タ プが使用される。特に高い光沢度が要求さ る場合、塗工紙タイプのうち、塗工層を例 ばキャスト方式で形成したキャスト紙タイ などが使用される。一方、ポスターや展示 途の場合、厚手の塗工層を有するロール状 イプが開発され使用されている。

 しかしながら、光沢感のあるオフセット印 物の代替となるようなグロス調インクジェ ト記録用紙は製造原価が非常に高くなるた 殆ど見られない。
 つまり、塗工紙タイプの場合、画像の色再 性を向上させるに従ってインク使用量が多 なるため、インク受容層により大きいイン 吸収容量が求められる。このため、インク 容層には合成非晶質シリカなどの多孔性物 が用いられることが多いが、この場合には ンク吸収性は向上するが、光沢度が低く、 感もオフセット印刷物と異なるという問題 ある。又、キャスト紙タイプの場合、一般 オフセット印刷用塗工紙と比べて光沢度が 常に高くなりすぎ、また用紙が厚手となる め、やはりオフセット印刷物と風合いが異 る。又、これらのインクジェット記録媒体 高価な原料として、例えばシリカ、アルミ 、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビ ルエマルジョン、インク定着剤(ポリアミン 系、DADMAC系、ポリアミジン系等)などを多量 用いているため、一般のオフセット印刷用 工紙に比べ、製造原価が高くなる。

 一方、一般的なオフセット印刷用塗工紙に ンクジェットプリンターで印字を行うと、 工層のインク吸収容量が低いためにフェザ リング(滲み)、ブリード(色境界滲み)、ベタ 部の印字ムラ(印字濃度ムラ)、コックリング( 印字部の波打ち)といった不良が起きる。
 又、印刷用紙の一種であるグラビア印刷用 工紙は、印刷用塗工紙の中では比較的吸油 が高いため、オフセット印刷用塗工紙と比 するとインクジェットプリンターでの印字 若干良好となる。しかしながら、グラビア 刷用塗工紙は、グラビア印刷適性を持たせ ために強線圧でカレンダー処理を行ってい ため、塗工層中の空隙が少なく、インク吸 容量が充分ではないことから、上記した一 的なオフセット印刷用紙と同様な不良が生 る。

 このようなことから、オフセット印刷用塗 紙の風合いを持つインクジェット記録媒体 して、記録層(塗工層)中に、平均粒子径0.2~2 .0μmで、かつ1≦L/W≦50(Lは粒子の長径、Wは粒 の短径(厚み)を表す)を満足するカオリンを 料として有し、記録層面のJIS-Z-8741による75 光沢度が40%以上である構成が開示されてい (例えば特許文献1参照)。
 又、インクジェット適性を持つオフセット 刷用紙として、カオリンを主成分とし所定 コッブサイズ度(吸水度)を有する顔料塗被 (塗工層)を有し、この顔料塗被層にカチオン 性樹脂を塗被含浸した構成が開示されている (例えば特許文献2参照)。

 又、インク受容層のバインダー中にSBR(ス チレンブタジエン共重合体)を含有するイン ジェット記録用紙として、フィルムベース 支持体上に、顔料として針柱状の斜方晶形 ラゴナイト炭酸カルシウムを含有するとと に、バインダーとしてエポキシ樹脂とスチ ンブタジエン系共重合樹脂とを含有するイ ク受容層を設けた記録用シート(特許文献3参 照)や、インク受容層中のバインダー成分の 、5~55重量%がスチレンブタジエンラテックス であり、かつその20~45重量%がブタジエンモノ マー由来である記録媒体(特許文献4)や、イン ク受容層の顔料としてクレーと特定の吸油量 を有する炭酸カルシウムとを含有すると共に 、バインダーとしてアクリルアミド/ジアリ アミン系重合体とスチレンブタジエン系共 合体とを含有する記録用紙(特許文献5)が開 されている。

特開2004-209965号公報

特開2004-270104号公報

特開平4-250092号公報

特開平9-11613号公報

特開2004-82464号公報

 しかしながら、特許文献1および特許文献2 特許文献5記載の塗工紙を用いてインクジェ トプリンターで印字した場合、インクの吸 性が十分でなく、印字部の耐擦過性に劣り 良好な印字品質を得ることができない場合 ある。
 また、特許文献3記載の記録用紙は支持体が フィルムであるため、オフセット印刷用グロ ス調塗工紙の風合いとは全く異なるという問 題がある。さらに、特許文献4記載の記録媒 は、インク受容層の顔料がシリカであるた 、やはりオフセット印刷用グロス調塗工紙 風合いとは全く異なるという問題がある。
 従って本発明の目的は、オフセット印刷用 工紙の風合いを安価に得られ、インク吸収 に優れ、印字部の耐擦過性に優れ、良好な 字品質が得られるインクジェット記録媒体 提供することにある。

 本発明者らはインクジェット印刷に適し オフセット印刷用グロス調塗工紙の風合い 得られる構成について鋭意検討した結果、 ンク受容層中の顔料とバインダーの種類、 料とバインダーの含有割合、さらにインク 容層の表面粗さを規定することで上記課題 解決できることを見出した。

 すなわち、本発明のインクジェット記録 体は、木材パルプを主成分とする原紙の片 又は両面に、ブタジエン含有率が50質量%以 のアクリロニトリルブタジエン系共重合体 含むバインダーと、無機顔料とを含有する ンク受容層を有し、前記無機顔料100質量部 対する前記アクリロニトリルブタジエン系 重合体の含有割合が1質量部以上8質量部以 であり、かつ前記無機顔料の60質量%以上は レーザー回折法により測定したときに0.4μm 上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64% 上を占めるカオリンであり、JIS P8151に従っ クランプ圧を1000kPaとしハードバッキングを 用いたときの前記インク受容層の表面粗さが 0.6μm以上1.4μm以下である。

 前記インク受容層表面のJIS Z8741による光 入射角75度の白紙光沢度が55%以上80%以下であ ことが好ましい。

 本発明のインクジェット記録方法は、前 インクジェット記録媒体に対し、少なくと 水、粒子状の着色剤、及び湿潤剤を含有す インクを用いて画像を記録することを特徴 する。

 本発明によれば、オフセット印刷用グロ 調塗工紙の風合いを安価に得られ、インク 収性に優れ、印字部の耐擦過性に優れ、良 な印字品質が得られるインクジェット記録 体が得られる。

 以下、本発明に係るインクジェット記録 体の実施形態について説明する。

(原紙)
 原紙は木材パルプを主成分とする。木材パ プとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未 晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒ク ラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパ プ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサ モメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等のパ ルプを単独または任意の割合で混合して使用 することができる。
 原紙の抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカ 性のいずれでも良い。また、原紙中の填料 量が増えると、紙の不透明度が向上する傾 があるため、紙中に填料を含有させること 好ましい。填料としては、水和珪酸、ホワ トカーボン、タルク、カオリン、クレー、 酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料 の公知の填料を使用することができる。さ に原紙には必要に応じて硫酸バンド、サイ 剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤 染料、消泡剤、pH調整剤等の助剤を含有して も良い。なお原紙の坪量は特に制限されない 。

 インク受容層を設ける前に、紙力増強や イズ性付与などを目的とし、澱粉、PVA、サ ズ剤などから調成されたサイズプレス液を 紙に含浸または塗布しても良い。含浸また 塗布を行う方法については特に制限を設け いが、ポンド式サイズプレスに代表される 浸法、又はロッドメタリングサイズプレス ゲートロールコーター、ブレードコーター 代表される塗布法で行われることが好まし 。また、上記サイズプレス液には、本発明 効果を損なわない範囲で、必要に応じて蛍 染料、導電剤、保水剤、耐水化剤、pH調整 、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等 助剤を任意の割合で混合することができる

(インク受容層)
 1.インク受容層の顔料
 インク受容層の顔料は、レーザー回折法に り測定したときに0.4μm以上4.2μm未満の粒子 体積基準の積算値で64%以上を占めるカオリ を含む。カオリンはカオリナイト、ハロイ イト、ディッカイト、ナックライトといっ カオリン鉱物を少なくとも1種類以上含む粘 土であり、一般的なオフセット印刷用塗工紙 に使用される公知のカオリンであればいかな るものを用いて良い。カオリンとしては、例 えばジョージア産、ブラジル産、中国産等の 産地のものや、1級、2級、デラミ等のグレー のものが存在するが、カオリンの産地やグ ードはこれらに限定されない。又、1種類ま たは2種類以上のカオリンを混合したものを 宜選択して顔料として使用することができ 。
 レーザー回折法による粒度分布の測定は、 の散乱現象を利用したものであり、ミー(Mie )理論とフラウンホーファー近似式により求 られる。但し、粒度測定機によって散乱光 ら粒度分布を算定する方法が異なるため、 発明においては、レーザー法粒度測定機(マ バーン社製マスターサイザーS型、光源は赤 色光が633nm(He-Neレーザー)、青色光が466nm(LED)) よって測定した値を使用する。
 又、粒度分布の測定方法は、純水中にカオ ンを含む試料スラリーを滴下混合して均一 散体としたものをサンプルに用いる。

 一般的なオフセット印刷用塗工紙等に使 されるカオリンの粒度分布は、約0.05μmから 約40μmの範囲に拡がって存在しており、例え KCS(イメリス社製カオリンの製品名)の粒度 布は、体積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm未 の粒子が占める割合53%、粒子径0.4μm未満の 子の割合21%、粒子径4.2μm以上の粒子の割合26 %である。本発明者らが鋭意研究した結果、 度分布が0.4μm以上4.2μm未満の範囲に集中し いる(64%以上)カオリンを用いると、上記した 一般的なカオリンに比べてインク吸収性に優 れることが判明した。これは、粒度分布が上 記範囲に集中していると、粒度分布の幅が狭 く、粒子径が揃っているため、顔料粒子の充 填密度が低く、ポーラスで嵩高なインク受容 層を形成できるからと考えられる。ポーラス なインク受容層は、顔料の充填状態が密なイ ンク受容層よりもインク吸収性に優れる。

 一方、上記粒度分布を持つカオリンに代え 、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積 値で64%未満となる粒度分布を有するカオリ を用いた場合、カオリンの粒度分布がブロ ドであるため、インク受容層中にカオリン 細密充填され、インク吸収性が低下する。
 つまり、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基 の積算値で64%未満となる粒度分布を有する オリンであって、0.4μm未満の粒子径を持つ 子を多く含むカオリンを使用した場合、イ ク受容層が密となるためインク吸収性が低 する。
 又、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の 算値で64%未満となる粒度分布を有するカオ ンであって、4.2μm以上の粒子径を持つ粒子 多く含むカオリンを使用した場合、塗工紙 面に形成される細孔の数が少なくなるため インクの吸収チャンネルが減り、インクの 収性が劣る。さらに、このような粒子を用 ると塗工表面の平滑性が悪化するため、所 の白紙光沢度を得るために強力なカレンダ 処理を行わなければならず、塗工層中の空 が減少してインク吸収性が劣る。

 インク受容層に含まれる無機顔料の合計 を100質量部としたとき、上記した粒度分布 持つカオリンの含有割合が60質量部以上で ることが必要である。カオリンの含有割合 60質量部未満の場合、上記した粒度分布を持 つカオリンによって生じる前述の効果が発揮 しにくくなる。カオリンの含有割合が70質量 以上であることが好ましく、カオリンの含 割合が100質量部(インク受容層に含まれる無 機顔料の100%がカオリン)であることが最も好 しい。

 インク受容層に用いるカオリン以外の無 顔料としては、一般的なオフセット印刷用 工紙に使用される公知の無機顔料であれば かなるものも用いることができる。無機顔 として、例えば上記した粒度分布と異なる オリンの他、重質炭酸カルシウム、軽質炭 カルシウム、シリカ複合炭酸カルシウム、 ルク、上記カオリンを焼成した焼成カオリ 、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化 タン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシ ム、酸化マグネシウム、シリカ、珪酸カル ウム、ベントナイト、ゼオライト、セリサ ト及びスメクタイト等の無機顔料の中から1 種類又は2種類以上を適宜選択して使用する とができる。

 2.インク受容層のバインダー
 インク受容層に用いるバインダーは、ブタ エン含有率が50%以上のアクリロニトリルブ ジエン系共重合体を含有する。ここでいう タジエン含有率とは上記アクリロニトリル タジエン系共重合体を製造する際の全単量 組成に占めるブタジエン単量体の重量%のこ とである。
 本発明で使用するアクリロニトリルブタジ ン系共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量 及びビニル系単量体を主成分とし、このビ ル系単量体としてシアン化ビニル化合物を に用いるが、水溶性エチレン系単量体およ シアン化ビニル化合物以外のビニル系単量 を含有しても良い。アクリロニトリルブタ エン系共重合体のガラス転移点は-100~50℃の 範囲の中に少なくとも1点存在し、通常、平 粒子径50~150nmのエマルジョンとして製造され る。

 脂肪族共役ジエン系単量体としては、例え 、1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレ ン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられ 、好ましくは1,3-ブタジエンである。これら 脂肪族共役ジエン系単量体は、単独または2 類以上を混合して使用することができる。 た、シアン化ビニル化合物としては、例え 、(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアク ロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げ れ、特にアクリロニトリルが好ましい。
 水溶性エチレン系単量体としては、例えば (メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸 イタコン酸等の不飽和カルボン酸単量体;(メ タ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アク ルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ )アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリ アミド等のアミド基含有ビニル系単量体;2- ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒド ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒド キシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基 含有ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリ レート、アリルグリシジルエーテル等のエポ キシ基含有ビニル系単量体等が挙げられる。 これらの水溶性エチレン系単量体は、単独で または2種以上を混合して使用することがで る。

 シアン化ビニル化合物以外のビニル系単 体としては、例えば、芳香族ビニル化合物 置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アク レート類、酢酸ビニル等が挙げられる。こ らのうち、芳香族ビニル化合物としては、 えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチ ルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルス レン、o-クロルスチレン、m-クロルスチレン p-クロルスチレン等が挙げられ、特にスチ ンが好ましい。また、アルキル(メタ)アクリ レート類としては、例えば、メチル(メタ)ア リレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プ ロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ) アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート i-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メ )アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート 、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘ キシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ) アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ ート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステ リル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア リレート、イソボルニル(メタ)アクリレー 、2-シアノエチル(メタ)アクリレート等が挙 られ、特にメチルメタアクリレートが好ま い。これらのシアン化ビニル化合物以外の ニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混 合して使用することができる。

 本発明で使用するアクリロニトリルブタジ ン系共重合体の平均粒子径が50nmより小さい と、紙塗工用塗料としたときの流動性、光沢 発現性等が低下し、一方、平均粒子径が150nm り大きくても、紙塗工用組成物としたとき 高速流動性が低下する傾向にある。アクリ ニトリルブタジエン系共重合体の平均粒子 は、重合時の水、乳化剤、重合開始剤等の 用量を調節することにより制御することが きる。
 又、本発明で使用するアクリロニトリルブ ジエン系共重合体のガラス転移点が-100℃よ り小さいと、接着強度は強くなるが、べたつ き性が劣る(べたつきが大きい)ため、塗工紙 造時にロール汚れ等が発生する懸念がある 一方、ガラス転移点が50℃より大きいとべ つき性に優れる(べたつきが小さい)が、接着 強度が不十分となる懸念がある。特に、印字 部の耐擦過性を向上するという点においては 、ガラス転移点が0℃より小さいことが好ま い。アクリロニトリルブタジエン系共重合 のガラス転移点は、製造時の単量体組成に り制御することができる。

 特に、アクリロニトリルブタジエン系共重 体中のブタジエン含有率が多いほど、得ら る共重合体に柔軟性と伸びを与えるため、 衝撃性や接着強度の点で好ましいが、ブタ エン含有率が多すぎるとべたつき性が悪化 るため、塗工紙製造時にロール汚れ等が発 する懸念がある。このため、アクリロニト ルブタジエン系共重合体中の好ましいブタ エン含有率は50~60質量%である。
 また、アクリロニトリルブタジエン系共重 体中のアクリロニトリル含有率は特に制限 設けないが、アクリロニトリル含有率が多 ほど、得られる共重合体のべたつきが防止 れるため、塗工紙製造時の操業性の点で好 しい。但し、アクリロニトリル含有率が多 ぎると共重合体が硬くなりすぎ、接着強度 劣ってしまう。このため、アクリロニトリ ブタジエン系共重合体中のアクリロニトリ 含有率は好ましくは20~40%である。

 インク受容層に含まれる無機顔料の合計 を100質量部としたとき、上述したアクリロ トリルブタジエン系共重合体の含有割合は1 質量部以上8質量部以下であることが必要で り、2質量部以上6質量部以下であることが好 ましい。インク受容層中のアクリロニトリル ブタジエン系共重合体はバインダーとしての 機能を有するため、この重合体の含有割合が 少ないほどインク受容層中の空隙が多くなり 、インク吸収性が良好となる。但し、アクリ ロニトリルブタジエン系共重合体の含有割合 が1質量部未満の場合、インク吸収性は良好 なるが、インク受容層の強度が不足し、断 時に紙粉が発生する。一方、アクリロニト ルブタジエン系共重合体の含有割合が8質量 を超える場合、インク受容層中に存在する 隙がアクリロニトリルブタジエン系共重合 によって埋められ、インクの吸収容量が少 くなるため、良好な印字品質を得ることが 難となる。

本発明においては、バインダーとして上述し たアクリロニトリルブタジエン系共重合体に 加え、これ以外の高分子化合物を用いること ができる。高分子化合物として、例えば酸化 澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の 澱粉類、ポリビニルアルコール及びその変性 物、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチル セルロース、ポリウレタン、酢酸ビニル及び 不飽和ポリエステル樹脂等の中から1種類な し2種類以上を適宜選択して使用することが きるが、これらの高分子化合物はバインダ 全体の30質量%未満であることが好ましい。 インダー中のアクリロニトリルブタジエン 共重合体の含有割合が70質量%未満である場 、インク受容層の強度が劣り、断裁時に紙 が発生したり、印字部の耐擦過性が低下す 傾向がある。
 特に、バインダーとして澱粉を配合すると 工層の硬度が向上し、カレンダー処理を行 ても塗工層中の細孔構造が破壊されにくく る。この場合、インク受容層の表面粗さが 述する範囲程度に大きくなり、結果として ンク吸収性が良好となる。
 インク受容層のバインダーとして、アクリ ニトリルブタジエン系共重合体に加えて複 種の高分子化合物を使用する場合、インク 容層の空隙を維持するために、無機顔料100 量部に対する全バインダーの含有割合は8質 量部以下であることが好ましい。

 本発明においては、無機顔料としてレー ー回折法により測定したときに0.4μm以上4.2 m未満の粒子が体積基準の積算値で64%以上を めるカオリンを主成分とし、さらにバイン ーに上述したアクリロニトリルブタジエン 共重合体を含有することで、断裁時の紙粉 低減することが可能となり、又、インクジ ットプリンターで印字したときの印字部の 擦過性が向上する。この理由は定かではな が、紙粉の低減についてはアクリロニトリ ブタジエン系共重合体により塗工層に柔軟 と伸びが与えられるためであり、印字部の 過性向上は塗工層に適度なべたつき性が得 れることにより、インク色材との結着性が 好になるためと考えられる。

(その他の成分)
 インク受容層には、その他必要に応じて、 ラスチックピグメント等の有機顔料、顔料 散剤、印刷適性向上剤、増粘剤、保水剤、 剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着 染料、着色顔料、蛍光染料、防腐剤、耐水 剤、界面活性剤、pH調整剤等の助剤を適宜 加することができる。
 なお、インク受容層に含まれる無機顔料の 計量を100質量部としたとき、前記有機顔料 割合は20質量部以下であることが好ましい

(表面粗さ)
 JIS P8151(紙及び板紙-表面粗さ及び平滑度試 方法(エア・リーク法)-プリント・サーフ試 機法)に従ってクランプ圧を1000kPaとしハー バッキングを用いたとき、前記インク受容 の表面粗さが0.6μm以上1.4μm以下であること 必要である。ここで、JIS P8151は、プリント サーフ(Print-surf)試験機による表面粗さの測 法を規定する。
 インク受容層の表面粗さが大きいほどイン 吸収性は向上し、一方でインク受容層の表 粗さが小さいほどオフセット印刷用グロス 塗工紙に近い風合いが得られる。このよう ことから、インク受容層の表面粗さを上記 囲に規定する。

 インク受容層の表面粗さが0.6μm未満の場合 オフセット印刷用グロス調塗工紙の風合い 得られるが、表面を平滑にするために強い レンダー処理を行う等によりインク受容層 の空隙が減少し、さらにインク液滴の紙表 接触面積が少なくなってインク吸収性が低 する。一方、インク受容層の表面粗さが1.4 mを超えると、インク吸収性は良好であるが 光沢度が低くなり触感がざらざらするため オフセット印刷用グロス調塗工紙の風合い 質感が得られない。より好ましくは、イン 受容層の表面粗さは0.7μm以上1.3μm以下であ 。
 表面粗さの調整はインク受容層を設けた後 マシンカレンダー、スーパーカレンダー、 フトカレンダー、シューカレンダー等のカ ンダー装置を用い、処理温度、処理速度、 理線圧、処理段数およびロールの径、材質 の条件を適宜調整、選択し表面処理するこ により行うことができる。

(透気抵抗度)
 本発明のインクジェット記録媒体の透気抵 度は特に制限を設けないが、片面あたり2200 秒以下であることが好ましく、特に2000秒以 であることが好ましい。透気抵抗度が低い ど、インクの浸透が早くなるため、インク 収性が良好となる。透気抵抗度が2200秒を超 る場合、インクの浸透が遅く、インク吸収 が劣るため、ベタ部の印字ムラが生じる傾 にある。透気抵抗度はカレンダー条件の変 、インク受容層中のバインダーの量、イン 受容層の塗工量、原紙の坪量によって調整 ることが可能である。例えば、カレンダー を強くしたり、カレンダー処理速度を遅く る、カレンダーロールの硬度を高くするこ により、透気抵抗度の値は大きくなる。ま 、インク受容層中のバインダーの量を多く る、インク受容層の塗工量や原紙の坪量を きくすることによっても透気抵抗度の値は きくなる。

(塗工量)
 インク受容層の塗工量は特に制限を設けな が、片面あたり2g/m 2 以上40g/m 2 以下であることが好ましく、特に片面あたり 5g/m 2 以上30g/m 2 以下であることが好ましい。塗工量が多いほ どインク受容層の空隙量も多くなるため、イ ンク吸収性が良好となる。インク受容層の塗 工量が片面あたり2g/m 2 未満の場合、基材となる原紙を充分に被覆す ることができないため、塗工紙表面にガサつ きが残り、非塗工紙に似た風合いを帯び、白 紙光沢度が向上せず、オフセット印刷用グロ ス調塗工紙の風合いが得られにくい傾向があ る。また、塗工量が片面あたり2g/m 2 未満の場合、インク受容層の吸収容量が低下 し、フェザーリングやブリードといった印字 不良を起こしやすい傾向がある。一方、イン ク受容層の塗工量が片面あたり40g/m 2 を超えると、塗工時の乾燥負荷が大きいため 、作業性が劣り、また高コストとなる傾向が ある。

(塗工方法)
 原紙上にインク受容層を設ける方法として 、一般的な塗工装置である、ブレードコー ー、ロールコーター、エアーナイフコータ 、バーコーター、ゲートロールコーター、 ーテンコーター、グラビアコーター、フレ ソグラビアコーター、スプレーコーター、 イズプレス等の各種装置を、オンマシンま はオフマシンで使用することができる。ま 、インク受容層は片面又は両面に設けて良 、1層又は2層以上設けても良い。

(白紙光沢度)

 インク受容層表面のJIS Z8741による光入射角 75度の白紙光沢度は、55%以上80%以下であるこ が好ましい。インク吸収性を向上させるた には白紙光沢度は低いほど良く、一方、オ セット印刷用グロス調塗工紙の風合いを得 ためには白紙光沢度は高いほど良い。従っ 、白紙光沢度を上記範囲に規定する。
 インク受容層表面の白紙光沢度が55%未満の 合、オフセット印刷用グロス調塗工紙の風 いが得られない傾向にある。一方、白紙光 度が80%を超える場合、インク受容層中の空 が減少し、インク吸収性が低下する傾向に る。より好ましくは、インク受容層表面の 紙光沢度は60%以上75%以下である。
 白紙光沢度の調整は、インク受容層を設け 後にマシンカレンダー、スーパーカレンダ 、ソフトカレンダー、シューカレンダー等 カレンダー装置を用い、処理温度、処理速 、処理線圧、処理段数およびロールの径、 質等の条件を適宜調整、選択し表面処理す ことにより行うことができる。カレンダー 理を強く行うほど、高い白紙光沢度が得ら 、また、表面粗さの値は小さくなる。

 本発明のインクジェット記録媒体は上述 たようなインクジェット記録方式の記録用 のみならず、電子写真方式の記録用紙、オ セット印刷用紙、グラビア印刷用紙として 利用可能である。

<インク>
 本発明のインクジェット記録媒体に使用さ るインクとしては、少なくとも水、粒子状 着色剤、及び湿潤剤を含有してなり、浸透 、界面活性剤、更に必要に応じてその他の 分を含有してなるものが挙げられる。
 前記インクは、25℃における表面張力が、20 ~35mN/mであり、23~34mN/mがより好ましい。前記 面張力が20mN/m未満であると、本発明の記録 体上での滲みが顕著となり、安定したイン の吐出が得られないことがあり、35mN/mを超 ると、記録媒体へのインク浸透が十分に起 らず、ビーディングの発生や乾燥時間の長 間化を招くことがある。
 ここで、前記表面張力は、例えば、表面張 測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP-Z) 用い、白金プレートを使用して25℃で測定す ることができる。

(着色剤)
 前記粒子状の着色剤としては、着色微粒子( 着色顔料)を用いることが好ましく、インク において、水および湿潤剤を主体とする液 成分に粒子状に着色剤が分散している。本 明のインクジェット記録媒体ではインク受 層にカオリンという透明性が低く隠蔽性が い白色顔料を使用している。そのため、着 剤がインク中の液体成分に溶解している、 わゆる染料インクを本発明のインクジェッ 記録媒体に適用した場合には、インク受容 に染み込んだインク中の着色剤がこれら隠 性の高い白色顔料に隠蔽されてしまい、高 画像濃度が発現しない。このような隠蔽性 高い白色顔料を使用した記録媒体に染料イ クでインクジェット印字すると、打ち込む ンク量をいくら増やしても表層近くに存在 る着色剤しか画像濃度に寄与しないため、 体として画像濃度が低く、コントラストの い画像となり、オフセット印刷に近い画像 質を得ることは困難である。

 一方、着色剤がインクの液体成分に分散 ている、いわゆる顔料インクを本発明のイ クジェット記録媒体に適用した場合には、 ンク受容層がインク中の着色剤と液体成分 を分離するフィルターとして働くために、 ンク中の液体成分のみを選択的に受容層内 や支持体にしみ込ませ、インク中の着色剤 効率よくインク受容層表面に留まらせるこ により、少量のインクでも十分な画像濃度 得ることができる。

 前記着色微粒子としては、顔料及び染料の なくともいずれかの色材を含有させたポリ ー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
 ここで、前記「色材を含有させた」とは、 リマー微粒子中に色材を封入した状態及び リマー微粒子の表面に色材を吸着させた状 の何れか又は双方を意味する。この場合、 発明のインクに配合される色材はすべてポ マー微粒子に封入又は吸着されている必要 なく、本発明の効果が損なわれない範囲に いて、該色材がエマルジョン中に分散して てもよい。前記色材としては、水不溶性又 水難溶性であって、前記ポリマーによって 着され得る色材であれば特に制限はなく、 的に応じて適宜選択することができる。
 ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」と 、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以 上溶解しないことを意味する。また、「溶解 する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色 材の分離や沈降が認められないことを意味す る。

 前記色材を含有させたポリマー微粒子(着 色微粒子)の体積平均粒径は、インク中にお て0.01~0.16μmが好ましい。

 前記着色剤としては、例えば、油溶性染料 分散染料、水溶性染料等の染料、顔料等が げられる。良好な吸着性及び封入性の観点 らは油溶性染料及び分散染料が好ましいが 得られる画像の耐光性からは顔料が好まし 用いられる。
 なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効 的に含浸される観点から、有機溶剤、例え 、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解する とが好ましく、20~600g/リットル溶解するこ がより好ましい。
 前記水溶性染料としては、カラーインデッ スにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性 料、反応性染料、食用染料に分類される染 であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に れたものが用いられる。

 前記酸性染料及び食用染料としては、例 ば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142;C.I .アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87 ,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッ ブルー 9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック 1, 2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー 3,4;C.I.フードレ ッド 7,9,14;C.I.フードブラック 1,2などが挙げ られる。

 前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダ イレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142 ,144;C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,8 0,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62 ,102;C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,8 6,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック  19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げら る。

 前記塩基性染料としては、例えば、C.I.べ ーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28, 29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I. ーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,3 6,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112; C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47 ,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129 ,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック 2,8など 挙げられる。

 前記反応性染料としては、例えば、C.I.リ アクティブブラック 3,4,7,11,12,17;C.I.リアクテ ィブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65, 67;C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,4 6,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー 1,2, 7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。

 前記顔料としては、特に制限はなく、目的 応じて適宜選択することができ、例えば、 機顔料、有機顔料のいずれであってもよい
 前記無機顔料としては、例えば、酸化チタ 、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム 水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、 ドミウムレッド、クロムイエロー、カーボ ブラック、などが挙げられる。これらの中 も、カーボンブラックなどが好ましい。な 、前記カーボンブラックとしては、例えば コンタクト法、ファーネス法、サーマル法 どの公知の方法によって製造されたものが げられる。

 前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔 、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料 ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多 式顔料などがより好ましい。なお、前記ア 顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶 アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔 、などが挙げられる。前記多環式顔料とし は、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレ 顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料 キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、イ ジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインド ノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げ れる。前記染料キレートとしては、例えば 塩基性染料型キレート、酸性染料型キレー 、などが挙げられる。

 前記顔料の色としては、特に制限はなく、 的に応じて適宜選択することができ、例え 、黒色用のもの、カラー用のもの、などが げられる。これらは、1種単独で使用しても よいし、2種以上を併用してもよい。
 前記黒色用のものとしては、例えば、ファ ネスブラック、ランプブラック、アセチレ ブラック、チャンネルブラック等のカーボ ブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、 鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等 金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメント ラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。

 前記カラー用のものとしては、黄色用では 例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファスト エローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、1 4、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53 55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、9 8、100、101、104、108、109、110、117、120、128、13 8、150、153、などが挙げられる。
 マゼンタ用では、例えば、C.I.ピグメントレ ッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファース トスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネン トレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B   (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パ マネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1( リリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1 81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べん がら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、 112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146 149、166、168、170、172、177、178、179、185、190 193、209、219、などが挙げられる。
 シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブル ー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、1 5:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6( タロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63等 が挙げられる。
 また、中間色としてはレッド、グリーン、 ルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194 、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメ トバイオレット3,19,23,37、C.I.ピグメントグリ ーン7,36などが挙げられる。

 前記顔料としては、少なくとも1種の親水基 が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介 して結合した分散剤を使用することなく安定 に分散させることができる自己分散型顔料が 好適に用いられる。その結果、従来のインク のように、顔料を分散させるための分散剤が 不要となる。前記自己分散型顔料としては、 イオン性を有するものが好ましく、アニオン 性に帯電したものやカチオン性に帯電したも のが好適である。
 前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、イ ク中において0.01~0.16μmが好ましい。

 前記アニオン性親水基としては、例えば、- COOM、-SO 3 M、-PO 3 HM、-PO 3 M 2 、-SO 2 NH 2 、-SO 2 NHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカ 金属、アンモニウム又は有機アンモニウム 表す。Rは、炭素原子数1~12のアルキル基、置 換基を有してもよいフェニル基又は置換基を 有してもよいナフチル基を表す)等が挙げら る。これらの中でも、-COOM、-SO 3 Mがカラー顔料表面に結合されたものを用い ことが好ましい。

 また、前記親水基中における「M」は、ア ルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナ トリウム、カリウム、等が挙げられる。前記 有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃 至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエ チルアンモニウム、モノ乃至トリメタノール アンモニウムが挙げられる。前記アニオン性 に帯電したカラー顔料を得る方法としては、 カラー顔料表面に-COONaを導入する方法として 、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで 酸化処理する方法、スルホン化による方法、 ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられ る。

 前記カチオン性親水基としては、例えば 第4級アンモニウム基が好ましく、これらの いずれかが顔料表面に結合されたものが色材 として好適である。

 前記親水基が結合されたカチオン性の自 分散型カーボンブラックを製造する方法と ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜 択することができるが、例えば、下記構造 で表されるN-エチルピリジル基を結合させ 方法としては、カーボンブラックを3-アミノ -N-エチルピリジウムブロマイドで処理する方 法などが挙げられる。

 前記親水基が、他の原子団を介してカーボ ブラックの表面に結合されていてもよい。 の原子団としては、例えば、炭素原子数1~12 のアルキル基、置換基を有してもよいフェニ ル基又は置換基を有してもよいナフチル基が 挙げられる。上記した親水基が他の原子団を 介してカーボンブラックの表面に結合する場 合の具体例としては、例えば、-C 2 H 4 COOM(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモ ウムを表す)、-PhSO 3 M(ただし、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属 第4級アンモニウムを表す)、-C 5 H 10 NH 3 + 等が挙げられる。

 本発明のインクジェット記録媒体に使用さ るインクには、顔料分散剤を用いた顔料分 液を用いることもできる。
 前記顔料分散剤としては、前記親水性高分 化合物として、天然系では、アラビアガム トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、 ーカストビーンガム、アラビノガラクトン ペクチン、クインスシードデンプン等の植 性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒 等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、 ルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、 サンテンガム、デキストラン等の微生物系 分子などが挙げられる。半合成系では、メ ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ シエチルセルロース、ヒドロキシプロピル ルロース、カルボキシメチルセルロース等 繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナ リウム、デンプンリン酸エステルナトリウ 等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリ ム、アルギン酸プロピレングリコールエス ル等の海藻系高分子などが挙げられる。純 成系では、ポリビニルアルコール、ポリビ ルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルア ド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属 、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリ 系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、 溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶 ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビ ルピロリドン、ポリビニルアルコール、β- フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のア カリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基 のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高 子化合物、セラック等の天然高分子化合物 が挙げられる。これらの中でも、アクリル 、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホ ポリマーや他の親水基を有するモノマーの 重合体からなるようなカルボキシル基を導 したものが高分子分散剤として特に好まし 。
 前記共重合体の質量平均分子量は、3,000~50,0 00が好ましく、5,000~30,000がより好ましく、7,00 0~15,000が更に好ましい。
 前記顔料と前記分散剤との混合質量比(顔料 :分散剤)は、1:0.06~1:3が好ましく、1:0.125~1:3が り好ましい。

 前記着色剤の前記インクにおける添加量 、6~15質量%が好ましく、8~12質量%がより好ま しい。前記添加量が6質量%未満であると、着 力の低下により、画像濃度が低くなったり 粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪 することがあり、15質量%を超えると、イン ジェット記録装置を放置しておいた場合等 、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が 生したり、粘度が高くなりすぎることによ 浸透性が低下したり、ドットが広がらない めに画像濃度が低下したり、ぼそついた画 になることがある。

(湿潤剤)
 前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目 に応じて適宜選択することができ、例えば ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素 合物及び糖類から選択される少なくとも1種 が好適である。

 前記ポリオール化合物としては、例えば 多価アルコール類、多価アルコールアルキ エーテル類、多価アルコールアリールエー ル類、アミド類、アミン類、含硫黄化合物 、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン などが挙げられる。これらは、1種単独で使 用してもよいし、2種以上併用して使用して よい。

 前記多価アルコール類としては、例えば、 チレングリコール、ジエチレングリコール トリエチレングリコール、ポリエチレング コール、ポリプロピレングリコール、1、3- ルパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4ブ タンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール 1,3-プロパンジオール、1,5ペンタンジオール 1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2 、6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオ ル、1,2,3-ブタントリオール、ペトリオール どが挙げられる。
 前記多価アルコールアルキルエーテル類と ては、例えば、エチレングリコールモノエ ルエーテル、エチレングリコールモノブチ エーテル、ジエチレングリコールモノメチ エーテル、ジエチレングリコールモノエチ エーテル、ジエチレングリコールモノブチ エーテル、テトラエチレングリコールモノ チルエーテル、プロピレングリコールモノ チルエーテルなどが挙げられる。
 前記多価アルコールアリールエーテル類と ては、例えば、エチレングリコールモノフ ニルエーテル、エチレングリコールモノベ ジルエーテルなどが挙げられる。
 前記含窒素複素環化合物としては、例えば N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル -2-ピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチルイ ミダゾリジノン、ε-カプロラクタムなどが挙 げられる。
 前記アミド類としては、例えば、ホルムア ド、N-メチルホルムアミド、ホルムアミド N,N-ジメチルホルムアミドなどが挙げられる
 前記アミン類としては、例えば、モノエタ -ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタ ノールアミン、モノエチルアミン、ジエチル アミン、トリエチルアミンなどが挙げられる 。
 前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジ チルスルホキシド、スルホラン、チオジエ ノールなどが挙げられる。

 前記ラクタム化合物としては、例えば、2- ロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロ シエチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム ら選択される少なくとも1種が挙げられる。
 前記尿素化合物としては、例えば、尿素、 オ尿素、エチレン尿素及び1,3-ジメチル-2-イ ミダゾリジノンから選択される少なくとも1 が挙げられる。前記尿素類の前記インクへ 添加量は、一般的に0.5~50質量%が好ましく、1 ~20質量%がより好ましい。

 前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリ 糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、 はこれらの誘導体などが挙げられる。これ の中でも、グルコース、マンノース、フル トース、リボース、キシロース、アラビノ ス、ガラクトース、マルトース、セロビオ ス、ラクトース、スクロース、トレハロー 、マルトトリオースが好適であり、マルチ ース、ソルビトース、グルコノラクトン、 ルトースが特に好ましい。
 前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α-シ ロデキストリン、セルロースなど自然界に く存在する物質を含む意味に用いることが きる。
 前記糖類の誘導体としては、前記糖類の還 糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:H OCH 2 (CHOH) n CH 2 OH(ただし、nは2~5の整数を表す)で表される)、 酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など) アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これ の中でも、特に糖アルコールが好ましい。 当アルコールとしては、例えば、マルチト ル、ソルビット、などが挙げられる。

 これらの中でも、溶解性と水分蒸発によ 噴射特性不良の防止に対して優れた効果が られる点から、グリセリン、エチレングリ ール、ジエチレングリコール、トリエチレ グリコール、プロピレングリコール、ジプ ピレングリコール、トリプロピレングリコ ル、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオー 、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジ オール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタン オール、テトラエチレングリコール、1,6-ヘ キサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオ ル、ポリエチレングリコール、1,2,4-ブタン リオール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオ グリコール、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロ ドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドンが 適であり、グリセリン、3-メチル-1,3-ブタン オール、2-ピロリドンが特に好ましい。

 前記湿潤剤の前記インク中における含有 は、10~50質量%が好ましく、20~35質量%がより ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズ が乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生 ることがあり、多すぎるとインク粘度が高 なり、適正な粘度範囲を超えてしまうこと ある。

(浸透剤)
 前記浸透剤としては、ポリオール化合物や リコールエーテル化合物等の水溶性有機溶 が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオー ル化合物、及びグリコールエーテル化合物の 少なくともいずれかが好適に用いられる。
 前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であ ると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時 に記録媒体を汚したり、記録媒体上でのイン クの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くな るため、文字品位や画像濃度の低下が生じる ことがある。
 前記炭素数8以上のポリオール化合物として は、例えば、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール( 解度:4.2%(25℃))、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタ ジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適で る。

 前記グリコールエーテル化合物としては 特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す ことができるが、例えば、エチレングリコ ルモノエチルエーテル、エチレングリコー モノブチルエーテル、ジエチレングリコー モノメチルエーテル、ジエチレングリコー モノエチルエーテル、ジエチレングリコー モノブチルエーテル、テトラエチレングリ ールモノメチルエーテル、プロピレングリ ールモノエチルエーテル等の多価アルコー アルキルエーテル類;エチレングリコールモ ノフェニルエーテル、エチレングリコールモ ノベンジルエーテル等の多価アルコールアリ ールエーテル類などが挙げられる。

 前記浸透剤の添加量は、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができるが 0.1~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好 しい。

(界面活性剤)
 前記界面活性剤としては、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができ、例 ば、アニオン界面活性剤、ノニオン性界面 性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性 などが挙げられ、

 前記アニオン性界面活性剤としては、例 ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラ リル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ テルサルフェートの塩、などが挙げられる

 前記ノニオン系界面活性剤としては、例え 、アセチレングリコール系界面活性剤、ポ オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ オキシエチレンアルキルエステル、ポリオ シエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど 挙げられる。
 前記アセチレングリコール系界面活性剤と ては、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシ -4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジ オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オールな が挙げられる。該アセチレングリコール系 面活性剤は、市販品として、例えば、エア プロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82 465、485、TGなどが挙げられる。

 前記両性界面活性剤としては、例えば、 ウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジ チルベタイン、ステアリルジメチルベタイ 、ラウリルジヒドロキシエチルベタインな が挙げられる。具体的には、ラウリルジメ ルアミンオキシド、ミリスチルジメチルア ンオキシド、ステアリルジメチルアミンオ シド、ジヒドロキシエチルラウリルアミン キシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキ ジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキ (ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイ 、などが挙げられる。

 前記フッ素系界面活性剤としては、下記一 式(A)
 CF 3 CF 2 2(CF 2 CF 2 ) m ―CH 2 CH 2 O(CH 2 CH 2 O) n H  (A)
で表されるものが好適である。
 ただし、式(A)中、mは0~10の整数を表し、nは1 ~40の整数を表す。

 前記フッ素系界面活性剤としては、例え 、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物 パーフルオロアルキルカルボン化合物、パ フルオロアルキルリン酸エステル化合物、 ーフルオロアルキルエチレンオキサイド付 物、パーフルオロアルキルエーテル基を側 に有するポリオキシアルキレンエーテルポ マー化合物、などが挙げられる。これらの でも、パーフルオロアルキルエーテル基を 鎖に有するポリオキシアルキレンエーテル リマー化合物は起泡性が少なく、近年問題 されているフッ素化合物の生体蓄積性につ ても低く安全性の高いものであり、特に好 しい。

 前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合 としては、例えば、パーフルオロアルキル ルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン 塩、などが挙げられる。
 前記パーフルオロアルキルカルボン化合物 しては、例えば、パーフルオロアルキルカ ボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸 、などが挙げられる。
 前記パーフルオロアルキルリン酸エステル 合物としては、例えば、パーフルオロアル ルリン酸エステル、パーフルオロアルキル ン酸エステルの塩、などが挙げられる。
 前記パーフルオロアルキルエーテル基を側 に有するポリオキシアルキレンエーテルポ マー化合物としては、パーフルオロアルキ エーテル基を側鎖に有するポリオキシアル レンエーテルポリマー、パーフルオロアル ルエーテル基を側鎖に有するポリオキシア キレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩 パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に するポリオキシアルキレンエーテルポリマ の塩、などが挙げられる。
 これらフッ素系界面活性剤における塩の対 オンとしては、Li、Na、K、NH 4 、NH 3 CH 2 CH 2 OH、NH 2 (CH 2 CH 2 OH) 2 、NH(CH 2 CH 2 OH) 3 などが挙げられる。

 前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合 したものを使用してもよいし、市販品を使 してもよい。
 該市販品としては、例えば、サーフロンS-11 1、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145( ずれも旭硝子社製)、フルラードFC-93、FC-95、 FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いず も住友スリーエム社製)、メガファックF-470 F1405、F-474(いずれも大日本インキ化学工業社 製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100 、FSO、FS-300、UR(いずれもデュポン社製)、FT-11 0、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれ 株式会社ネオス社製)、PF-151N(オムノバ社製) などが挙げられる。これらの中でも、信頼性 と発色向上に関して良好な点から、ゾニール FS-300、FSN、FSN-100、FSO(デュポン社製)が特に好 ましい。

(その他の成分)
 前記その他の成分としては、特に制限はな 、必要に応じて適宜選択することができ、 えば、樹脂エマルジョン、アミノプロパン オール化合物、pH調整剤、防腐防黴剤、防 剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収 、光安定化剤、などが挙げられる。

(樹脂エマルジョン)
 前記樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連 相としての水中に分散したものであり、必 に応じて界面活性剤のような分散剤を含有 ても構わない。
 前記分散相成分としての樹脂微粒子の含有 (樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量 )は一般的には10~70質量%が好ましい。また、 記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェッ 記録装置に使用することを考慮すると、平 粒径10~1000nmが好ましく、20~300nmがより好まし い。

 前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特 制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ ができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビ ル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系 脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニ ル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリ ルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これら の中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に 好ましい。
 前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成 たものを使用してもよいし、市販品を使用 てもよい。
 該市販の樹脂エマルジョンとしては、例え 、マイクロジェルE-1002、E-5002(スチレン-ア リル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株 会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エ ルジョン、大日本インキ化学工業株式会社 )、ボンコート5454(スチレン-アクリル系樹脂 マルジョン、大日本インキ化学工業株式会 製)、SAE-1014(スチレン-アクリル系樹脂エマ ジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノ ルSK-200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイ デン化学株式会社製)、プライマルAC-22、AC-61( アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アン ド・ハース製)、ナノクリルSBCX-2821、3689(アク リルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋イ ンキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メ ル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製) どが挙げられる。

 前記樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒 成分の前記インクにおける添加量としては 0.1~50質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好 しく、1~10質量%が更に好ましい。前記添加量 が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び 出安定性の向上効果が十分でないことがあ 、50質量%を超えると、インクの保存安定性 低下させてしまうことがある。

 前記アミノプロパンジオール化合物は、水 性の有機塩基性化合物であり、例えば、ア ノプロパンジオール誘導体が好適である。
 前記アミノプロパンジオール誘導体として 、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択 ることができ、例えば、1-アミノ-2,3-プロパ ンジオール、1-メチルアミノ-2,3-プロパンジ ール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオー 、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオールな どが挙げられ、これらの中でも、2-アミノ-2- チル-1,3-プロパンジオールが特に好ましい

 前記アミノプロパンジオール化合物の前 記録用インクにおける添加量は、0.01~10質量 %が好ましく、0.1~5.0質量%がより好ましく、0.1 ~2.0質量%が更に好ましい。前記添加量が多す ると、pHが高くなり、粘度が上昇する等の メリットが生じることがある。

 前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2-ベ ンズイソチアゾリン-3-オン、デヒドロ酢酸ナ トリウム、ソルビン酸ナトリウム、2-ピリジ チオール-1-オキサイドナトリウム、安息香 ナトリウム、ペンタクロロフェノールナト ウム、などが挙げられる。

 前記pH調整剤としては、インクに悪影響を よぼさずにpHを7以上に調整できるものであ ば特に制限はなく、目的に応じて任意の物 を使用することができる。
 該pH調製剤としては、例えば、ジエタノー アミン、トリエタノールアミン等のアミン 水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸 カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物; 酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸 化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リ ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の ルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。

 前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫 塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコー 酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウム トライト、四硝酸ペンタエリスリトール、 シクロヘキシルアンモニウムニトライト、 どが挙げられる。

 前記酸化防止剤としては、例えば、フェノ ル系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸 化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫 系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが げられる。
 前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフ ェノール系酸化防止剤を含む)としては、例 ば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ- tert-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル- β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ ロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6 -tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス( 4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチ リデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール) 、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-tert-ブチル-4-ヒ ドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオ シ]エチル]2,4,8,10-テトライキサスピロ[5,5]ウ デカン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ- 5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチ -2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ ンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン-3-(3 ',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プ ピオネート]メタン、などが挙げられる。

 前記アミン系酸化防止剤としては、例えば フェニル-β-ナフチルアミン、α-ナフチルア ミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミ ン、フェノチアジン、N,N’-ジフェニル-p-フ ニレンジアミン、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾ ル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジメ ル-6-tert-ブチル-フェノール、ブチルヒドロ シアニソール、2,2’-メチレンビス(4-メチル- 6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビ ス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’- オビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、 トラキス[メチレン-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ジヒ ドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1, 3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチル ェニル)ブタン、などが挙げられる。
 前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、 ラウリル3,3’-チオジプロピオネート、ジス テアリルチオジプロピオネート、ラウリルス テアリルチオジプロピオネート、ジミリスチ ル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリ β,β’-チオジプロピオネート、2-メルカプト ベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイ ド等が挙げられる。
 前記リン系酸化防止剤としては、トリフェ ルフォスファイト、オクタデシルフォスフ イト、トリイソデシルフォスファイト、ト ラウリルトリチオフォスファイト、トリノ ルフェニルフォスファイト、等が挙げられ 。

 前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン フェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ ル系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線 収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤 ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げ れる。
 前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として 、例えば、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベン ゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキ ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフ ノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェ ン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェ ノン、等が挙げられる。
 前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と ては、例えば、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-オク ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒド ロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾー 、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクトキシフェニル) ンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert- チル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリ アゾール、等が挙げられる。
 前記サリチレート系紫外線吸収剤としては 例えば、フェニルサリチレート、p-tert-ブチ ルフェニルサリチレート、p-オクチルフェニ サリチレート、等が挙げられる。
 前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤と ては、例えば、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフ ニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチ -3-(p-メトキシフェニル)アクリレート、ブチ -2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)ア クリレート、等が挙げられる。
 前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては 例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル) ルファイド、2,2’-チオビス(4-tert-オクチル ェレート)-n-ブチルアミンニッケル(II)、2,2’ -チオビス(4-tert-オクチルフェレート)-2-エチ ヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’-チオビス (4-tert-オクチルフェレート)トリエタノールア ミンニッケル(II)、等が挙げられる。

 本発明のインクジェット記録媒体に使用 れるインクは、少なくとも水、着色剤、及 湿潤剤、必要に応じて浸透剤、界面活性剤 更に必要に応じてその他の成分を水性媒体 に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌 合して製造する。前記分散は、例えば、サ ドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペ ントシャイカー、超音波分散機等により行 ことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用 た攪拌機、マグネチックスターラー、高速 分散機等で行うことができる。

 前記インクの粘度は、普通紙に記録した場 の文字品位等の画像品質まで考慮すると、2 5℃で、2mPa・s以上が好ましく、3~20mPa・sがよ 好ましい。前記粘度が20mPa・sを超えると、 出安定性の確保が困難になることがある。
 前記インクのpHとしては、例えば、7~10が好 しい。

 前記インクの着色としては、特に制限は く、目的に応じて適宜選択することができ イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックな が挙げられる。これらの着色を2種以上併用 したインクセットを使用して記録を行うと、 多色画像を形成することができ、全色併用し たインクセットを使用して記録を行うと、フ ルカラー画像を形成することができる。

<実施例>
 以下、本発明を実施例によって更に詳述す が、本発明はこれによって限定されるもの はない。又、特に断らない限り、以下に記 する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部 」及び「質量%」を示す。
 なお、カオリンの体積基準の粒度分布をレ ザー法粒度測定機(マルバーン社製マスター サイザーS型、光源は赤色光が633nm(He-Neレーザ ー)、青色光が466nm(LED))によって測定した。粒 度分布の測定方法は、純水中にカオリンを含 む試料スラリーを滴下混合して均一分散体と したものを測定機に装入した。

(原紙の作製)
 広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度480ml)70質 %と針葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度500ml)30 質量%とを混合し、これに対し、カチオン化 粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダ マーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを パルプ1%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ 10%添加して紙料とした。この紙料を用いて長 網抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプ スを行い乾燥した後、マシンカレンダー処 して、坪量80g/m 2 の原紙を得た。

 カオリンA(製品名:Capim DG、リオカピム社製 体積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm未満の粒 が占める割合:71%、粒子径0.4μm未満の粒子の 割合:18%、粒子径4.2μm以上の粒子の割合:11%)100 部、バインダーとなるNBラテックスA(ブタジ ン含有率55%、ガラス転移温度-41℃)5部、水酸 化ナトリウム0.1部、分散剤としてポリアクリ ル酸ソーダ0.2部並びに希釈水を混合して固形 分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙 沢度が70%となり、JIS P8151に従ってクランプ 圧を1000kPaとしハードバッキングを用いたと のインク受容層の表面粗さ0.7μmとなるよう カレンダー処理を所定の条件(処理線圧、温 、速度および処理段数)に調整した。

 上記カオリンA100部、バインダーとなるNBラ ックスB(ブタジエン含有率50%、ガラス転移 度-40℃)5部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤 としてポリアクリル酸ソーダ0.2部、並びに希 釈水を混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 カオリンB(製品名:ECLIPS650、エンゲルハード 製、体積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm未満 粒子が占める割合:66%、粒子径0.4μm未満の粒 子の割合:25%、粒子径4.2μm以上の粒子の割合:9 %)100部、バインダーとなるNBラテックスA5部、 水酸化ナトリウム0.1部、分散剤としてポリア クリル酸ソーダ0.2部、並びに希釈水を混合し て固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 カオリンA75部、及びカオリンC(製品名:KCS、 メリス社製、体積基準の積算値で0.4μm以上4 .2μm未満の粒子が占める割合:53%、粒子径0.4μm 未満の粒子の割合:21%、粒子径4.2μm以上の粒 の割合:26%)25部を混合した混合カオリン(各カ オリンの混合物の粒度分布として、体積基準 の積算値で0.4μm以上4.2μm未満の粒子が占める 割合:66%、粒子径0.4μm未満の粒子の割合:19%、 子径4.2μm以上の粒子の割合:15%となったもの )100部、バインダーとなるNBラテックスA5部、 酸化ナトリウム0.1部、分散剤としてポリア リル酸ソーダ0.2部並びに希釈水を混合して 形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が75%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.6μmとなるように調整した。

 カオリンA75部、重質炭酸カルシウム(ハイド ロカーブ90:オミヤ社製)25部、バインダーとな るNBラテックスA5部及び酸化澱粉、水酸化ナ リウム0.1部、分散剤としてポリアクリル酸 ーダ0.2部並びに希釈水を混合して固形分65% 塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 カオリンA75部、軽質炭酸カルシウム(TP-123: 多摩工業社製)25部、バインダーとなるNBラテ ックスA5部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤 してポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希釈 を混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スA2部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤と てポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を 合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理
してインクジェット記録媒体を得た。カレン ダー処理の条件は、JIS Z8741に基づく光入射 75度の白紙光沢度が70%となり、JIS P8151に従 てクランプ圧を1000kPaとしハードバッキング 用いたときのインク受容層の表面粗さ0.7μm なるように調整した。

 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スA4部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤と てポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を 合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スA4部及び酸化澱粉(マーメイド210:敷島スタ ーチ社製)1部、水酸化ナトリウム0.1部、分散 としてポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希 水を混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が55%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ1.3μmとなるように調整した。

 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スA8部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤と てポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希釈水 混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 スーパーカレンダー処理時のカレンダー を実施例1より下げ、JIS Z8741に基づく光入 角75度の白紙光沢度が55%となり、JIS P8151に ってクランプ圧を1000kPaとしハードバッキン を用いたときのインク受容層の表面粗さ1.1 mとなるように調整したこと以外は、実施例1 とまったく同様にしてインクジェット記録媒 体を得た。

<インクセットの作製>
 後述する評価プリンター2を用いた評価で用 いるインクセットAを作製した。
(製造例1)
-ポリマー溶液Aの調製-
 機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、 流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラス 内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11 .2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレー 12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレー ト4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会 製、商品名:AS-6)4.0g、及びメルカプトエタノ ール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
 次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラ リルメタクリレート108.0g、ポリエチレング コールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエ チルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマ (東亜合成株式会社製、商品名:AS-6)36.0g、メ カプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレ ロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18g 混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴 した。滴下終了後、アゾビスメチルバレロ トリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混 溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下し 。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチル レロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成 た。反応終了後、フラスコ内にメチルエチ ケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマ 溶液A 800gを調製した。

(製造例1-1)
-銅フタロシアニン顔料ポリマー微粒子分散 の作製-
 次に、得られたポリマー溶液Aを46g、銅フタ ロシアニン顔料を33g、1mol/Lの水酸化カリウム 水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイ ン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロール ルを用いて混練した。得られたペーストを 水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポ ータを用いてメチルエチルケトン、及び水 留去した後、グリセリンを加えて、顔料10.9 質量%、樹脂7.5質量%(固形分18.4質量%)、及びグ リセリン9.1質量%含有する製造例1-1の銅フタ シアニン顔料ポリマー微粒子分散体を作製 た。

(製造例1-2)
-マゼンタ顔料ポリマー微粒子水分散体の作 -
 製造例1-1において、銅フタロシアニン顔料 代わりにC.I.ピグメントレッド122を用いた以 外は、製造例1-1と同様にして、製造例1-2のマ ゼンタ顔料ポリマー微粒子の水分散体を作製 した。この製造例1-2のマゼンタ顔料ポリマー 微粒子の水分散体は、顔料13.6質量%、樹脂4.5 量%(固形分18.1質量%)、及びグリセリン9.1質 %含有している。

(製造例1-3)
-イエロー顔料ポリマー微粒子水分散体の作 -
 製造例1-1において、銅フタロシアニン顔料 代わりにC.I.ピグメントイエロー74を用いた 外は、製造例1-1と同様にして、製造例1-3の エロー顔料ポリマー微粒子の水分散体を作 した。この製造例1-3のイエロー顔料ポリマ 微粒子の水分散体は、顔料10.9質量%、樹脂7. 5質量%(固形分18.4質量%)、及びグリセリン9.1質 量%含有している。

(製造例2)
-表面処理ブラック顔料分散液の調製-
 CTAB比表面積が150m 2 /g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを 、2.5Nの硫酸ナトリウム溶液3,000mlに添加し、 度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させ て酸化処理を行った。この反応液を濾過し、 濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウ ム溶液で中和し、限外濾過を行った。得られ たカーボンブラックを水洗いし乾燥させて、 顔料20質量%(固形分20質量%)となるよう純水中 分散させて、製造例2の表面処理ブラック顔 料分散液を作製した。

(製造例3)
-アクリルシリコーン微粒子分散体Bの調製-
 機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、 流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラス 内を充分に窒素ガス置換した後、ラテムルS- 180(不飽和炭素を持つ反応性乳化剤、花王株 会社製、成分100質量%)8.0g、イオン交換水350g 加え混合し、65℃に昇温した。昇温後、反 開始剤であるt-ブチルパーオキソベンゾエー ト3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを え、5分間後にメタクリル酸メチル45g、メタ クリル酸2エチルヘキシル160g、アクリル酸5g メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シク ヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g ラテムルS-180(不飽和炭素を持つ反応性乳化 、花王株式会社製、成分100質量%)8.0g、及び オン交換水340gを混合し、3時間かけて滴下を 行った。その後、80℃で2時間加熱熟成を行っ た後、常温まで冷却し、水酸化ナトリウムで pHを7~8に調整した。エバポレータ用いてエタ ールを留去し、水分調節して、固形分40質 %の製造例3のアクリルシリコーン微粒子分散 体B溶液730gを作製した。

(調製例)
<インクセットAの調製>
 下記の各インクを組み合わせて、インクセ トAを作製した。

-シアンインクAの調製-
 下記処方のインク組成物を調製し、pHを調 した後、平均孔径5μmのメンブレンフィルタ で濾過を行い、記録用インクを作製した。
<インク組成>
 ・製造例1-1の銅フタロシアニン顔料含有ポ マー微粒子分散体〔顔料10.9質量%、樹脂7.5 量%(固形分18.4質量%)、グリセリンを9.1質量% 残りは水〕・・・43.54質量%
 ・製造例3のアクリルシリコーンエマルジョ ン〔固形分40質量%、残り水、体積平均粒径150 nm、樹脂成分のガラス転移温度-15℃(示差熱立 ち上がり)~-6℃(変曲点)〕・・・10質量%
 ・湿潤剤としてのグリセリン・・・3.96質量 %
 ・湿潤剤としての1,3-ブタンジオール・・・ 24.39質量%
 ・浸透剤としての2-エチル-1,3-ヘキサンジオ ール・・・2質量%
 ・フッ素系界面活性剤(FS-300、DuPont社製、有 効成分40質量%)・・
・2.5質量%
 ・防腐防カビ剤(プロキセルLV、アベシア社 )・・・0.05質量%
 ・pH調整剤(トリエタノールアミン)・・・0.3 質量%
 ・シリコーンエマルジョン系消泡剤(KM-72F、 信越化学工業株式会社製)・・・
0.1質量%
 ・水・・・残部

-マゼンタインクAの調製-
 下記処方のインク組成物を調製し、pHを調 した後、平均孔径5μmのメンブレンフィルタ で濾過を行い、記録用インクを作製した。
<インク組成>
 ・製造例1-2のマゼンタ顔料含有ポリマー微 子分散体〔顔料13.6質量%、樹脂4.5質量%(固形 分18.1質量%)、グリセリンを9.1質量%、残りは 〕・・・
55.74質量%
 ・製造例3のアクリルシリコーンエマルジョ ン〔固形分40質量%、残り水、体積平均粒径150 nm、樹脂成分のガラス転移温度-15℃(示差熱立 ち上がり)~-6℃(変曲点)〕・・・8質量%
 ・湿潤剤としてのグリセリン・・・2.42質量 %
 ・湿潤剤としての1,3-ブタンジオール・・・ 23.25質量%
 ・浸透剤としての2-エチル-1,3-ヘキサンジオ ール・・・2質量%
 ・フッ素系界面活性剤(FS-300、DuPont社製、有 効成分40質量%)・・
・2.5質量%
 ・防腐防カビ剤(プロキセルLV、アベシア社 )・・・0.05質量%
 ・pH調整剤(トリエタノールアミン)・・・0.3 質量%
 ・シリコーンエマルジョン系消泡剤(KM-72F、 信越化学工業株式会社製)・・・
0.1質量%
 ・水・・・残部

-イエローインクAの調製-
 下記処方のインク組成物を調製し、pHを調 した後、平均孔径5μmのメンブレンフィルタ で濾過を行い、記録用インクを作製した。
<インク組成>
 ・製造例1-3のイエローポリマー微粒子分散 〔顔料10.9質量%、樹脂7.5質量%(固形分18.4質 %)、グリセリンを9.1質量%、残りは水〕・・ 43.54質量%
 ・製造例3のアクリルシリコーンエマルジョ ン〔固形分40質量%、残り水、体積平均粒径150 nm、樹脂成分のガラス転移温度-15℃(示差熱立 ち上がり)~-6℃(変曲点)〕・・・10質量%
 ・湿潤剤としてのグリセリン・・・3.58質量 %
 ・湿潤剤としての1,3-ブタンジオール・・・ 23.25質量%
 ・浸透剤としての2-エチル-1,3-ヘキサンジオ ール・・・2質量%
 ・フッ素系界面活性剤(FS-300、DuPont社製、有 効成分40質量%)・・
・2.5質量%
 ・防腐防カビ剤(プロキセルLV、アベシア社 )・・・0.05質量%
 ・pH調整剤(トリエタノールアミン)・・・0.3 質量%
 ・シリコーンエマルジョン系消泡剤(KM-72F、 信越化学工業株式会社製)・・・
0.1質量%
 ・水・・・残部

-ブラックインクAの調製-
 下記処方のインク組成物を調製し、pHを調 した後、平均孔径5μmのメンブレンフィルタ で濾過を行い、記録用インクを作製した。
<インク組成>
 ・製造例2の親水基を有するカーボンブラッ ク分散液〔固形分20質量%、残りは水、固形分 中の着色剤/樹脂(質量比)=10/0〕・・・38.00質 %
 ・製造例3のアクリルシリコーンエマルジョ ン〔固形分40質量%、残り水、体積平均粒径150 nm、樹脂成分のガラス転移温度-15℃(示差熱立 ち上がり)~-6℃(変曲点)〕・・・13.75質量%
 ・湿潤剤としてのグリセリン・・・8.5質量%
 ・湿潤剤としての3-メチル-1,3-ブタンジオー ル・・・17.00質量%
 ・浸透剤としての2-エチル-1,3-ヘキサンジオ ール・・・2質量%
 ・フッ素系界面活性剤(FS-300、DuPont社製、有 効成分40質量%)・・
・2.5質量%
 ・防腐防カビ剤(プロキセルLV、アベシア社 )・・・0.05質量%
 ・pH調整剤(トリエタノールアミン)・・・0.3 質量%
 ・シリコーンエマルジョン系消泡剤(KM-72F、 信越化学工業株式会社製)・・・
0.1質量%
 ・水・・・残部

 得られたインクセットAの各インクについ て、以下のようにして、表面張力、pH、及び 度を測定した結果を表1に示す。

<pHの測定>
 pHは、pHメーター(MODEL HM3A、東亜電波工業株 式会社製)を使用して、23℃で測定した。

<粘度の測定>
 粘度は、RE500形粘度計(東機産業株式会社製) を用いて、コーン34×R24、180rpm、3分間後の条 により、25℃で測定した。

<表面張力の測定>
 表面張力は、表面張力測定装置(協和界面科 学株式会社製、CBVP-Z)を用い、白金プレート 使用して25℃で測定した静的表面張力である 。

 <比較例1>
 スーパーカレンダー処理時のカレンダー圧 実施例1より上げ、JIS Z8741に基づく光入射 75度の白紙光沢度が85%となり、JIS P8151に従 てクランプ圧を1000kPaとしハードバッキング 用いたときのインク受容層の表面粗さ0.5μm なるように調整したこと以外は、実施例1と まったく同様にしてインクジェット記録媒体 を得た。

 <比較例2>
 カオリンA50部、及びカオリンC50部を混合し 混合カオリン(各カオリンの混合物の粒度分 布として、体積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm 未満の粒子が占める割合:62%、粒子径0.4μm未 の粒子の割合:20%、粒子径4.2μm以上の粒子の 合:18%となったもの)100部、バインダーとな NBラテックスA5部、水酸化ナトリウム0.1部、 散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部並び 希釈水を混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 <比較例3>
 カオリンA50部、重質炭酸カルシウム(ハイド ロカーブ90:オミヤ社製)50部、バインダーとな るNBラテックスA5部、水酸化ナトリウム0.1部 分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部並 に希釈水等を適宜添加した固形分65%の塗料 得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 <比較例4>
 カオリンA50部、軽質炭酸カルシウム(TP-123: 多摩工業社製)50部、バインダーとなるNBラテ ックスA5部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤 してポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希釈 等を適宜添加した固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 <比較例5>
 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スA9部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤と てポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希釈水 混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 <比較例6>
 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スA15部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤と てポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を 合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 <比較例7>
 カオリンC100部、バインダーとなるNBラテッ スA5部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤と てポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希釈水 混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.8μmとなるように調整した。

 <比較例8>
 カオリンD(製品名:DB PLATE、イメリス社製、 積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm未満の粒子 占める割合:49%、粒子径0.4μm未満の粒子の割 合:13%、粒子径4.2μm以上の粒子の割合:38%)100部 、バインダーとなるSBラテックスA5部、水酸 ナトリウム0.1部、分散剤としてポリアクリ 酸ソーダ0.2部並びに希釈水を混合して固形 65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.7μmとなるように調整した。

 <比較例9>
 カオリンA100部、バインダーとなるNBラテッ スC(ブタジエン含有率40%、ガラス転移温度-1 8℃)5部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤とし てポリアクリル酸ソーダ0.2部並びに希釈水を 混合して固形分65%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、スーパー レンダー処理してインクジェット記録媒体 得た。カレンダー処理の条件は、JIS Z8741に 基づく光入射角75度の白紙光沢度が65%となり JIS P8151に従ってクランプ圧を1000kPaとしハ ドバッキングを用いたときのインク受容層 表面粗さ0.8μmとなるように調整した。

 <比較例10>
 合成非晶質シリカ(ファインシールX-60:トク マ社製)80部、合成非晶質シリカ(ファインシ ールX-37B:トクヤマ社製)20部、バインダーとな るポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)30 及びエチレン酢酸ビニルエマルジョン5部、 ポリアミン系染料定着剤10部、消泡剤(SNデフ ーマー480:サンノプコ社製)0.5部並びに希釈 を添加して固形分15%の塗料を得た。
 この塗料を、ブレードコーターを用いて片 あたり塗工量15g/m 2 となるように原紙上に両面塗工した。塗工後 、紙中水分率5%となるまで乾燥し、表面粗さ 2.8μmとなるようにカレンダーを調整したス パーカレンダー処理を施してインクジェッ 記録媒体を得た。

<比較例11>
 スーパーカレンダー処理時のカレンダー圧 実施例11より下げ、JIS Z8741に基づく光入射 75度の白紙光沢度が40%となり、JIS P8151に従 てクランプ圧を1000kPaとしハードバッキング を用いたときのインク受容層の表面粗さ1.8μm となるように調整したこと以外は、実施例1 まったく同様にしてインクジェット記録媒 を得た。

<評価>
 1-1.白紙光沢度
 JIS Z8741に準じて、インク受容層表面の白紙 光沢度(光入射角75度)を光沢度計(村上色彩技 研究所製、True GLOSS GM-26PRO)を用いて測定し た。
 1-2.表面粗さ
 JIS P8151に準じて、クランプ圧を1000kPaとし ードバッキングを用いたときのインク受容 の表面粗さを、表面粗さ計(MESSMER社製、PAKER PRINT-SURF ROUGHNESS TESTER MODEL NO. ME-90)を用い 測定した。
 1-3.透気抵抗度
 JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5-2に準じて、 ンクジェット記録媒体の透気抵抗度を、王 式透気度計(旭精工社製、デジタル型王研式 透気度・平滑度試験機 型式EYO-55-1MS)を用い 測定した。

 2.インクジェット印字品質
 下記の市販の顔料インクジェットプリンタ 2台を用いてそれぞれ印字を行い、以下の評 価方法に準じて印字評価した。評価プリンタ ー1は、純正インク(顔料インク)を使用して印 字した。評価プリンター2は、純正インクを 記インクセットAに変えて印字した。
  評価プリンター1:セイコーエプソン社製、 PX-G900、「普通紙/きれい」モード
  評価プリンター2:リコー社製、IPSiO GX5000 「光沢紙/高速」モード
 2-1.フェザーリング
 上記評価プリンター1,2を用いて、0.75ポイン ト、1.5ポイント、2.25ポイントの太さの直線 互いに接しないように、かつ各線をできる け接近させて平行に並べて印字し、インク 滲み(フェザーリング)を目視して、以下の基 準で評価した。
  ○:滲みが無く、良好なレベルである。
  △:若干滲みがあるが、実用上問題の無い ベルである。
  ×:滲みが目立ち、実用に耐えないレベル ある。

 2-2.ブリード
 上記評価プリンター1,2を用いて、紅色と黄 のベタ四角形を互いに接するように印字し 色境界部分の滲み(ブリード)を目視し、以 の基準で評価した。
  ○:色境界滲みが無く、良好なレベルであ 。
  △:若干色境界滲みがあるが、実用上問題 無いレベルである。
  ×:色境界滲みが目立ち、実用に耐えない ベルである。

 2-3.ベタ部の印字ムラ
 上記評価プリンター1,2を用いて、緑色のベ 四角形を印字し、印字濃度のムラを目視し 以下の基準で評価した。
  ◎:印字濃度のムラが全く無く、非常に良 なレベルである。
  ○:印字濃度のムラが殆ど無く、良好なレ ルである。
  △:若干印字濃度のムラがあるが、実用上 題の無いレベルである。
  ×:印字濃度のムラが目立ち、実用に耐え いレベルである。

 2-4.乾燥性
 上記評価プリンター1,2を用いて、0.75ポイン トの太さの黒色直線を印字し、印字直後に指 で擦り、以下の基準で乾燥性を評価した。
  ○:指で擦っても印字部が殆ど延びず、乾 が速く、良好なレベルである。
  △:指で擦ると印字部が若干延び、やや乾 が遅いが、実用上問題の無いレベルである
  ×:指で擦ると印字部が延び、乾燥が遅く 実用に耐えないレベルである。

 2-5.印字部の耐擦過性
 上記評価プリンター2を用いて、紅色のベタ 四角形を印字し、印字して24時間経過後にJIS Z0849に準じて摩擦試験機II形(スガ試験機社製 、摩擦試験機 型式FR-2型)を用い、綿布にて タ印字部を30回往復して擦り、以下の基準で 印字部の耐擦過性を評価した。
  ○:綿布にインクが殆ど移らず、良好なレ ルである。
  △:綿布にインクが若干移るが、実用上問 の無いレベルである。
  ×:綿布にインクが移り、実用に耐えない ベルである。

 2-5.オフセット印刷用グロス調塗工紙の風合 い
 上記評価プリンター1,2を用いて所定のパタ ンをインクジェット印字した。これと同一 パターンをオフセット印刷用グロス調塗工 (オーロラコート:日本製紙社製、坪量104.7g/m 2 )にオフセット印刷した。インクジェット印 物の見た目や手触り等の質感をオフセット 刷物と比較し、以下の基準で評価した。
  ○:見た目や手触り等の質感がオフセット 刷用グロス調塗工紙に近く、オフセット印 物の風合いを有している。
  ×:見た目や手触り等の質感がオフセット 刷用グロス調塗工紙と異なり、オフセット 刷物の風合いを有していない。

 得られた結果を表2、表3に示す。

 表2、表3から明らかなように、各実施例 場合、画像のフェザーリング、ブリード、 タ部の印字ムラが少なく、乾燥性及び印字 の耐擦過性にも優れ、種々の印字品質をバ ンスよく満足したとともに、オフセット印 用グロス調塗工紙の風合いも得られた。

 一方、インク受容層の表面粗さが0.6μmより さい比較例1の場合、ベタ部の印字ムラが顕 著になったが、これは高い光沢度を得るため カレンダー処理を強い線圧で行ったので、イ ンク受容層の空隙が減少し、インク吸収性が 低下したためと考えられる。
 体積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm未満の粒 が占める割合が64%未満であるカオリンを用 た比較例2、7、8の場合や、0.4μm以上4.2μm未 の粒子が体積基準の積算値で64%以上を占め カオリンの含有割合が、インク受容層中の 機顔料100部に対して60質量部未満である比 例3、4の場合もベタ部の印字ムラが顕著にな った。これは、インク受容層に含まれる無機 顔料全体の粒度分布の幅がブロードになり、 無機顔料が細密充填されるためにインク受容 層中の空隙量が減少し、インク吸収性が低下 したためと考えられる。なお、インク受容層 中の顔料として重質炭酸カルシウム又は軽質 炭酸カルシウムの割合が多い場合には白紙光 沢度を上げることが困難になるため、目標の 光沢度を得るためにカレンダー処理を強線圧 で行わなければならず、インク受容層の空隙 が著しく減少し、インク吸収性が低下したた めとも考えられる。

 又、無機顔料に対するアクリロニトリル タジエン系共重合体の含有量が8質量部を超 えた比較例5、6の場合もベタ部の印字ムラが 著になったが、これはインク受容層の空隙 バインダーが埋めてしまい、インク吸収性 低下したためと考えられる。

 バインダーとしてブタジエン含有率が50% 満のアクリロニトリルブタジエン系共重合 を用いた比較例9の場合、印字部の耐擦過性 が劣った。これは、アクリロニトリルブタジ エン系共重合体中のブタジエンが少ないため 、べたつき性が足りず、インク中の着色顔料 の付着力が弱かったと考えられる。

 無機顔料としてシリカを使用し、カオリン 全く含まない比較例10の場合、インク吸収 等の印字品質は向上したが、オフセット印 用グロス調塗工紙の風合いを得ることはで なかった。
 スーパーカレンダー処理の条件を変えるこ によりインク受容層の表面粗さが1.8μmとな た比較例11の場合も、インク吸収性等の印 品質は向上したが、オフセット印刷用グロ 調塗工紙の風合いを得ることはできなかっ 。