Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
INKJET PRINTER AND INKJET RECORDING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111333
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an inkjet recording method wherein an image is formed on a recording medium by ejecting at least a cationically polymerizable ink through a nozzle of an inkjet recording head. Also disclosed is an inkjet printer used for such an inkjet recording method. The inkjet printer and the inkjet recording method enable image recording with excellent ejection stability by suppressing formation of a deposit at an ink-contacting portion. Specifically disclosed is an inkjet printer which is used for forming an image on a recording medium by ejecting at least an inkjet ink containing a cationically polymerizable monomer through a nozzle of an inkjet recording head. This inkjet printer is characterized in that at least a part of a liquid-contacting member which is in contact with the inkjet ink is composed of a thermally conductive resin having a thermal conductivity of not less than 1 W/m•k.

Inventors:
ISHIKAWA WATARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051375
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
ISHIKAWA WATARU (JP)
International Classes:
B41J2/175; B41J2/01; B41M5/00; C09D11/00
Foreign References:
JP2000263813A2000-09-26
JP2006248159A2006-09-21
Download PDF:
Claims:
 少なくともカチオン重合性モノマーを含有するインクジェットインクを、インクジェット記録ヘッドのノズルより噴射して、記録媒体上に画像形成するのに用いるインクジェットプリンタにおいて、該インクジェットインクと接する接液部材の少なくとも一部が、熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導性樹脂で構成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
 前記接液部材のうち、少なくともインクジェット記録ヘッドが、熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導性樹脂で構成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のインクジェットプリンタ。
 前記接液部材のうち、少なくとも中間タンクが、熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導性樹脂で構成されていることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のインクジェットプリンタ。
 前記接液部材のうち、少なくともインクジェット記録ヘッド、中間タンク及び該インクジェット記録ヘッドと該中間タンクとを接続する接続流路が、熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導性樹脂で構成されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
 前記熱伝導性樹脂の熱伝導度が、2W/m・k以上であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
 前記熱伝導性樹脂が、絶縁性樹脂であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
 前記インクジェットインクが、カチオン重合性モノマーとしてオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
 前記インクジェットインクが、カチオン重合性モノマーとしてビニルエーテル化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
 請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタを用いて、少なくともカチオン重合性モノマーを含有するインクジェットインクを、前記インクジェットプリンタのインクジェット記録ヘッドのノズルより噴射して、記録媒体上に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
 前記インクジェットインクが、カチオン重合性モノマーとしてオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第9項に記載のインクジェット記録方法。
 前記インクジェットインクが、カチオン重合性モノマーとしてビニルエーテル化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第9項または第10項に記載のインクジェット記録方法。
Description:
インクジェットプリンタ及びイ クジェット記録方法

 本発明は、カチオン重合性モノマーを含 するインクジェットインクを用いて画像形 ができるインクジェットプリンタと、それ 用いたインクジェット記録方法に関するも である。

 近年、インクジェット記録方式は、簡便 、かつ安価に画像を作成できるため、写真 各種印刷、マーキング、カラーフィルター の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用され きている。一般に、水を主溶媒とした水系 インクジェットインクのインク吸収能を備 たインクジェット専用紙を用いて記録する 、室温で固形のワックスインクを用いる相 化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤 主体としたインクジェットインクを用いる ルベント系インクジェット方式や、記録後 紫外線等の活性光線の照射により架橋させ 活性光線硬化型インクジェット方式など、 系インクジェットインク以外の各種インク ェットインクも実用化されている。

 中でも、活性光線硬化型インクジェット ンクを用いたインクジェット記録方式は、 ルベント系インクジェットインクを用いた ンクジェット記録方式に比べ、比較的低臭 、即乾性で、インク吸収能のない記録媒体 の記録ができる点で、近年注目されつつあ 、様々な構成からなる活性光線硬化型イン ジェットインクの技術が開示されている。

 活性光線硬化型インクジェットインクと ては、(メタ)アクリレートに代表されるラ カル系重合性化合物を用いるものが実用化 れているが、最近では、記録媒体に対する 着性、低臭気性、酸素による重合阻害が少 い等の理由で、カチオン重合性化合物を用 た活性光線硬化型インクジェットインク及 それを用いたインクジェットプリンタが提 されている(例えば、特許文献1、2参照。)。

 一方、インクジェットプリンタにおいて 、インクジェットインクが接液するインク 給路などを構成する材料としては、経済性 加工の簡便性という観点からステンレス、 ルミニウムなどの金属を用いることが多い (例えば、特許文献3,4参照。)。

 上記の様な金属材料から構成されるイン ジェットプリンタにより、カチオン重合性 ノマーを含有するインクジェットインク(以 下、カチオン重合型インクまたは単にインク ということもある)を、記録媒体上に吐出し 画像記録を行う場合、使用される環境条件 インクジェット記録ヘッド内部のインク供 路の構成材料によっては、インクジェット ンク中に析出物が発生し、この析出物がイ ク供給路を詰まらせ、ノズル部に到達する とで、出射不良を引き起こすことが判明し 。一般に、活性光線硬化性インクジェット ンクにおける析出は、活性光線の漏れ光や 料の凝集が原因であることがあり、それに する対策はこれまで様々な改善手段が講じ れているが、カチオン重合型インクは、イ クジェットプリンタの接液部材として金属 料を用いた場合、望ましくない電気化学反 が生じ、インク成分の分解物または重合物 生じることが判明した。このように、イン ジェットプリンタの接液部材として金属材 を用いるとカチオン重合型インクを長期に たって金属材料に接触させると、予期しな インクの重合反応が起こることがわかって た。

 上記課題を踏まえ、接液部材を金属に比べ 電性が低い樹脂により構成することを検討 た結果、カチオン重合型インクは、通常、 度が高い状態であるため、インクジェット リンタから吐出される際、40~80℃程度に温 られ、粘度を低下させてから吐出される。 のように、カチオン重合型インクに対して 熱しても、接液材料に用いられている樹脂 種類によって吐出状態にばらつきが生じ、 定した吐出ができないものがあることが判 した。

特開2005-290246号公報

特開2004-34543号公報

特開2005-238742号公報

特開2006-159619号公報

 本発明は、上記課題に鑑みなされたもの あり、その目的は、少なくともカチオン重 型インクを、インクジェット記録ヘッドの ズルより噴射して記録媒体上に画像を形成 るインクジェット記録方法やそれに用いる ンクジェットプリンタにおいて、インク接 部での析出物の発生を抑制し、かつ吐出安 性に優れた画像記録ができるインクジェッ プリンタ及びインクジェット記録方法を提 することにある。

 本発明の上記目的は、以下の構成により 成される。

 1.少なくともカチオン重合性モノマーを 有するインクジェットインクを、インクジ ット記録ヘッドのノズルより噴射して、記 媒体上に画像形成するのに用いるインクジ ットプリンタにおいて、該インクジェット ンクと接する接液部材の少なくとも一部が 熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導性樹脂で構成 されていることを特徴とするインクジェット プリンタ。

 2.前記接液部材のうち、少なくともイン ジェット記録ヘッドが、熱伝導度が1W/m・k以 上の熱伝導性樹脂で構成されていることを特 徴とする前記1に記載のインクジェットプリ タ。

 3.前記接液部材のうち、少なくとも中間 ンクが、熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導性樹 脂で構成されていることを特徴とする前記1 たは2に記載のインクジェットプリンタ。

 4.前記接液部材のうち、少なくともイン ジェット記録ヘッド、中間タンク及び該イ クジェット記録ヘッドと該中間タンクとを 続する接続流路が、熱伝導度が1W/m・k以上の 熱伝導性樹脂で構成されていることを特徴と する前記1乃至3のいずれか1項に記載のインク ジェットプリンタ。

 5.前記熱伝導性樹脂の熱伝導度が、2W/m・k 以上であることを特徴とする前記1乃至4のい れか1項に記載のインクジェットプリンタ。

 6.前記熱伝導性樹脂が、絶縁性樹脂であ ことを特徴とする前記1乃至5のいずれか1項 記載のインクジェットプリンタ。

 7.前記インクジェットインクが、カチオ 重合性モノマーとしてオキセタン環を有す 化合物及びエポキシ化合物を含有すること 特徴とする前記1乃至6のいずれか1項に記載 インクジェットプリンタ。

 8.前記インクジェットインクが、カチオ 重合性モノマーとしてビニルエーテル化合 を含有することを特徴とする前記1乃至7のい ずれか1項に記載のインクジェットプリンタ

 9.前記1乃至6のいずれか1項に記載のイン ジェットプリンタを用いて、少なくともカ オン重合性モノマーを含有するインクジェ トインクを、前記インクジェットプリンタ インクジェット記録ヘッドのノズルより噴 して、記録媒体上に画像を形成することを 徴とするインクジェット記録方法。

 10.前記インクジェットインクが、カチオ 重合性モノマーとしてオキセタン環を有す 化合物及びエポキシ化合物を含有すること 特徴とする前記9に記載のインクジェット記 録方法。

 11.前記インクジェットインクが、カチオ 重合性モノマーとしてビニルエーテル化合 を含有することを特徴とする前記9または10 記載のインクジェット記録方法。

 本発明により、少なくともカチオン重合 インクを、インクジェット記録ヘッドのノ ルより噴射して記録媒体上に画像を形成す インクジェット記録方法やそれに用いるイ クジェットプリンタにおいて、インク接液 での析出物の発生を抑制し、かつ吐出安定 に優れた画像記録ができるインクジェット リンタ及びインクジェット記録方法を提供 ることができた。

本発明の実施の形態に係るフィルタ及 中間タンクを備えたインクジェットプリン の全体構成を示す図である。 本発明のインクジェットプリンタにお るインク供給路構成の一例を示す概略構成 である。 本発明のインクジェットプリンタに適 可能なインクジェット記録ヘッドの構成の 例を示す分解斜視図である。 図3に記載のインクジェットプリンタに 備わる2組のマニホールドのうちの一方を示 斜視図である。 図3に記載のインクジェットプリンタに 備わる2組のマニホールドのうちの他方を示 斜視図である。 本発明のインクジェットプリンタのう 、インクジェット記録ヘッド及び活性光線 照射する照射手段について示した正面図で る。 ラインヘッド方式のインクジェット記 装置における要部構成の一例を示す上面図 ある。

符号の説明

 1、101 インクタンク
 2、73、104 記録ヘッド
 3 活性エネルギー線源
 4、103 キャリッジ
 6、110 フィルタボックス
 7、108 中間タンク
 8、102 インク供給路
 41 インクジェットヘッドチップ
 48a、48b マニホールド
 51a、51b フィルタ
 59 供給用インク流路
 61 第1連通用流路
 63 第2連通用流路
 71 記録装置
 72 ヘッドキャリッジ
 81 インク吐出口
 74 照射手段
 75 プラテン部
 76 ガイド部材
 77 蛇腹構造
 78 照射光源
 105 中間タンクユニット
 106 中間タンク前室
 107 フィルタ
 109、111 フィルタ隣接部
 J1~J6 ジョイント
 N ノズル
 P 記録材料

 通常、カチオン重合性モノマーを含有す インクジェットインクは、同時に存在する 酸発生剤が、活性光線の照射を受けること より酸を発生し、その酸によりカチオン重 性モノマーの重合が開始される。しかし、 のカチオン重合性組成物を含有するインク 、インクタンク、インク流路、インクジェ ト記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドともい う)で長期間にわたり停滞された際、接液部 ら電子の供給を受けると、活性光線の照射 しに、その電子の授受によってインク中に が発生し、それにより重合が開始するため 不正な重合組成物が発生する。

 一方、インクジェットインクと接液する ンクジェットプリンタの構成部材として、 インク性及び上記のような電子の授受を防 する観点から、ポリプロピレン等の樹脂材 が使用されている。また、カチオン重合型 ンクは、通常、粘度が高い状態であるため インクジェットプリンタから吐出される際 吐出性を向上させるために40~80℃程度に温 られ、粘度を低下させてから吐出される。 かしながら、上記のような樹脂材料をイン 接液部に使用した場合、これらの樹脂材料 多くは熱伝導性に乏しく、特に、加熱手段 傍にある樹脂とそれより離れた領域にある 脂とでは、加熱手段近傍の樹脂は温度が高 、一方それより離れた領域にある樹脂は温 が低い状態となってしまい、当然のことな らそれぞれの樹脂に接しているインクの温 も高いものと低いものとが混在することに ります。したがって、インク粘度にもバラ キが生じ、その結果、出射性にバラツキを くこととなる。

 本発明者は、上記のような課題に鑑み鋭 検討を行った結果、少なくともカチオン重 性モノマーを含有するインクジェットイン を、インクジェットプリンタのインクジェ ト記録ヘッドのノズルより噴射して、記録 体上に画像を形成するインクジェットプリ タにおいて、該インクジェットインクと接 する該インクジェットプリンタの接液部材 少なくとも一部に、熱伝導度が1W/m・k以上 熱伝導性樹脂を適用したインクジェットプ ンタにより、インク流路内での不正な重合 応によるゲルの発生を防止すると共に、安 した出射性を得ることができることを見出 、本発明に至った次第である。

 以下、本発明を実施するための最良の形 について詳細に説明する。

 《インクジェットプリンタ》
 本発明のインクジェットプリンタは、主に 、カチオン重合性モノマーを含有するイン を貯留するインクタンク、該インクタンク ら記録ヘッドにインクを送液するためのイ ク供給路、該インク供給路より供給された ンクを、記録媒体上に出射する記録ヘッド 及び記録媒体上に着弾したインク液滴を硬 させるための活性光線照射光源より構成さ 、また、インクタンクと記録ヘッドのイン 供給路には、フィルタあるいは中間タンク が設けられている。

 図1は、本発明の実施の形態に係るフィル タ及び中間タンクを備えたインクジェットプ リンタの全体構成を示す図である。

 1はカチオン重合性モノマーを含有するイ ンクを貯留して供給するインクタンクであり 、図1では、一例として、イエローインクタ ク1Y、マゼンタインクタンク1M、シアンイン タンク1C及び黒インクタンク1Kからなる構成 を示している。2は、記録媒体上にインク液 を吐出して画像を形成するノズルを有する 録ヘッドであり、イエロー記録ヘッド2Y、マ ゼンタ記録ヘッド2M、シアン記録ヘッド2C及 黒記録ヘッド2Kで構成される。3は、活性エ ルギー線である紫外線を記録媒体上に着弾 たインクに照射する活性エネルギー線源で る。

 4はキャリッジであり、キャリッジ4は記 ヘッド2及びエネルギー線源3を一体に搭載し ており、キャリッジガイド5により案内され 矢印WX1、WX2で示すように往復移動して、記 媒体Pを走査し、記録媒体Pに画像を形成する 。

 6はフィルタボックスであり、イエロー用 フィルタボックス6Y、マゼンタ用フィルタボ クス6M、シアン用フィルタボックス6C及び黒 用フィルタボックス6Kで構成される。7は中間 タンクであり、イエロー用中間タンク7Y、マ ンタ用中間タンク7M、シアン用中間タンク7C 及び黒用中間タンク7Kで構成される。

 インクはインクタンク1から中間タンク7 送られ、中間タンク7からインク供給路8を経 て記録ヘッド2に供給される。インク供給路8 イエローインク用、マゼンタインク用、シ ンインク用及び黒インク用の供給路で構成 れており、各単色インクはそれぞれ独立し 、インクタンク1からインク供給路8を経て 録ヘッド2に供給される。

 10は記録ヘッド2の回復処理を行うメンテ ンスユニットであり、記録ヘッド2をキャッ ピングする吸引キャップ9を有する。12は廃イ ンクを収容する廃インク容器であり、フラッ シングにおいて、記録ヘッド2から強制吐出 れたインクを受け、収容する。

 図2は、本発明のインクジェットプリンタ のインク供給路構成の一例を示す概略構成図 である。

 図2のa)においては、インクタンク101は、 ョイントJ1を介してインク供給路102に接続 れ、更にこのインク供給路102の端部は、ジ イントJ2を介してキャリッジ103に収納されて いる記録ヘッド104に接続されている。画像形 成情報に従って記録ヘッド104のノズルNより 録媒体上に、インク液滴が吐出され、つい 、瞬時に活性エネルギー線源Lより、着弾し インクに活性エネルギー線を照射して、イ クを硬化させる。

 図2のb)は、インク供給路102の途中に、フ ルタを内蔵した中間タンクユニット105を設 た一例である。インクタンク101の排出口と ンク供給路102AとをジョイントJ1で接続し、 ョイントJ3を介して中間ユニットタンク105 接続されている。インクはジョイントJ3部よ り中間タンク前室106に送液された後、フィル タ107により異物等を除いて中間タンク108に送 液される。次いで、中間タンク108とインク供 給路102BがジョイントJ4を介して接続されてお り、中間タンク108に貯留された濾過済のイン クを記録ヘッド104に供給するインク供給ライ ンである。なお、図2のb)に示す109は、フィル タ107に隣接するフィルタ隣接部である。

 図2のc)は、図2のb)における中間タンクユ ット105に代えて、フィルタボックス110を設 た例である。インクの入側を、ジョイントJ 5を介し、またインクの出側を、ジョイントJ6 を介して、それぞれインク供給路102A、102Bと 続されているフィルタボックス110中には、 ィルタ107が設けられており、インク中の異 等を除いた後、インクを記録ヘッド104に供 するインク供給ラインである。なお、図2の c)に示す111は、フィルタ107に隣接するフィル 隣接部である。

 上記説明した図2においては、便宜上、マ ゼンタ用の記録ヘッドへインクを供給するラ インのみを示してあるが、図1に記載のよう 、同様の供給ラインが、イエロー用記録ヘ ド、シアン用記録ヘッド、黒用記録ヘッド も設けられている。また、図2には、説明に 要な構成のみを示しており、図2に記載はし ていないが、例えば、インクの送液を制御す る電磁弁、分岐ジョイント、送液ポンプの他 、記録ヘッドの制御部等が設けられる。

 本発明のインクジェット記録方法におい は、例えば、図1あるいは図2に示すインク ェットプリンタあるいはインクインク供給 インにおいて、1)インクを貯留するインクタ ンク部材、2)中間タンク、3)インクタンクか インクを出射するインクジェット記録ヘッ までのインク供給路を構成する接液部材、 るいは4)インクジェット記録ヘッドを構成す る接液部材の少なくとも一部が、熱伝導度が 1W/m・k以上の熱伝導性樹脂で構成されている とを特徴とする。

 本発明において、接液部とは、インクタ ク、各インク供給路、中間タンクユニット フィルタボックス、それらを接続するジョ ント群、インクジェット記録ヘッドで、本 明に係るカチオン重合性モノマーを含有す インクと直接的に接する部分であり、例え 、図2のa)に示すインク供給ラインでは、イ クタンク101の内部、インク供給路102の内部 ジョイントJ1、J2及び記録ヘッド内部104であ る。また、図2のb)に示すインク供給ラインで は、インクタンク101の内部、インク供給路102 の内部、ジョイントJ1~J4、中間タンクユニッ 105のフィルタ107とフィルタ隣接部109及び記 ヘッド内部104である。また、図2のc)に示す ンク供給ラインでは、インクタンク101の内 、インク供給路102の内部、ジョイントJ1、J2 、J5、J6、フィルタボックス110内のフィルタ10 7とフィルタ隣接部111及び記録ヘッド内部104 ある。

 本発明においては、その中でも、1)イン ジェット記録ヘッド、2)中間タンク、または 3)インクジェット記録ヘッド、中間タンク及 インクジェット記録ヘッドと中間タンクと 接続する接続流路が、熱伝導度が1W/m・k以 の熱伝導性樹脂で構成されていることが、 に本発明の目的効果を、いかんなく発揮で る観点から好ましい。

 更に、インクジェット記録ヘッドの構成 ついて、詳細に説明する。

 図3は、本発明のインクジェットプリンタ に適用可能なインクジェット記録ヘッド104の 分解斜視図であり、この図3に示すように、 ンクジェット記録ヘッド104には、インクを 出する2枚のインクジェットヘッドチップ(以 下、ヘッドチップと称す)41が重ねて設けられ ている。ヘッドチップ41は長尺な外形をして て、その下端面(吐出面)には多数の吐出口( ズル)が配列されている。また、重ねられた 2枚のヘッドチップ41の、それぞれの外側面に は略方形状のインク供給口43が設けられてい 、インク供給口43とノズルとがインク流路( 示略)を介して連通するようになっている。 インク流路の一部は圧力室を形成しており、 図示しない圧電素子の作用により圧力を変動 させて、インク滴を吐出口から吐出させる構 造になっている。そして、ヘッドチップ41に 、各圧電素子に対して制御部からの制御信 を送信する2組のヘッド駆動基板46のそれぞ が、フレキシブル配線板47を介して各圧電 子に接続されている。

 2枚のヘッドチップ41の両側部には、外部 らのインクをヘッドチップ41に供給する2組 マニホールド48a、48bが取り付けられている 図4及び図5は、2組のマニホールド48a、48bの れぞれの構造を示す斜視図である。図4及び 図5に示すように、マニホールド48a、48bのヘ ドチップ41に対峙する面には、インク供給口 43に連結されてインクを供給するための連結 49a、49bが設けられている。この連結部49a、4 9bは、インク供給口43と略同形状に外形が形 されていて、その内部には、インク流路と る第1凹部491a、491bが設けられている。また 連結部49a、49bには、第1凹部491a、491bを上下 向に分割しながら、分割された第1凹部491a、 491bの上側部分と下側部分との連通を確保す 分割壁492a、492bが、水平に沿うように板状に 形成されている。また、連結部49a、49bの後側 上部には、略L字状に形成された遮断壁493a、4 93bが設けられており、この遮断壁493a、493bに って第1凹部491a、491bから遮断される第2凹部 494a、494bが形成されている。

 また、連結部49a、49bの後方には、第1凹部 491a、491b及び第2凹部494a、494bから遮断された 3凹部50a、50bが設けられている。

 マニホールド48a、48bの前端部には、第1凹 部491a、491bの下側部分に連通して、第1凹部491 a、491b内にインクを注入する注入口481a、481b 設けられている。この注入口481a、481bの上方 には、第1凹部491a、491bの上側部分に連通する 第1連通口482a、482bが設けられている。これら 注入口481a、481b及び第1連通口482a、482bは、注 口481a、481bの方が前方に位置するように前 方向にずれている。そして、注入口481a、481b の前下方には、インクを受けて注入口481a、48 1bに案内するインク受け部483a、483bが略水平 設けられており、第1連通口482a、482bの前下 には、第1連通口482a、482bの第1床部484a、484b 略水平に延出している。

 この第1床部484a、484b及びインク受け部483a 、483bにおけるヘッドチップ41の反対側には、 垂直な第1側壁485a、485bが形成されている。

 マニホールド48a、48bの後端部には、第3凹 部50a、50bに連通して、インクジェット記録ヘ ッド104の組立直後にインク流路内部を洗浄す るための洗浄用配管486a、486bが、外方に向け 延出するように設けられている。この洗浄 配管486a、486bの上方には、第2凹部494a、494b 連通する第2連通口487a、487bが設けられてい 。第2連通口487a、487bの後下方には、第2連通 487a、487bの第2床部488a、488bが略水平に延出 ている。この第2床部488a、488bにおけるヘッ チップ41の反対側には、垂直な第2側壁489a、4 89bが形成されている。

 そして、マニホールド48a、48bの前端部及 後端部には、ヘッドチップ41を挟んで固定 るための係合片490a、490bが設けられていて、 一方のマニホールド48aの係合片490aと他方の ニホールド48bの係合片490bとが係合すること 、2組のマニホールド48a、48bがヘッドチップ 41に取り付けられるようになっている。

 マニホールド48a、48bの連結部49a、49bには 第1凹部491a、491b及び第2凹部494a、494bを覆っ 、分割壁492a、492b及び遮断壁493a、493bに接触 するフィルタ51a、51b(図4及び図5では点線で表 示)が設けられる。このフィルタ51a、51bは、 ニホールド48a、48bがヘッドチップ41に取り付 けられると、ヘッドチップ41のインク供給口4 3を覆うようになっている。ここで、インク 給口43とフィルタ51a、51bの間には隙間があっ て、この隙間は、フィルタ51a、51bによって濾 過されたインクをインク供給口43まで導くイ ク流路となる。

 ヘッドチップ41の下部には、吐出面が露 するようにマニホールド48a、48b及びヘッド ップ41を保持する図示しない保持板が取り付 けられている。

 また、インクジェット記録ヘッド104には 図3に示すように、上記したヘッドチップ41 マニホールド48a、48b、ヘッド駆動基板46、 持板などのインクジェット記録ヘッド104の 成要素が取り付けられ固定される筐体フレ ム54が設けられており、この筐体フレーム54 図示しないカバーによって覆われている。

 上記図3~図5で示した構成からなるインク ェット記録ヘッドにおいて、主な接液部材 しては、マニホールド48a、48b、連結部49a、4 9b、フィルター51a、51b、筐体フレーム54等が 当する。

 本発明においては、これらの接液部を構 する部材の一部が、熱伝導度が1W/m・k以上 熱伝導性樹脂であることを特徴とするが、 に好ましくは、これらの接液部を構成する 材の全てが、熱伝導度が1W/m・k以上の熱伝導 性樹脂で構成されていることが好ましい。こ れらの接液部に金属を使用すると、例えば、 長期間にわたり接触した場合、析出物が発生 し、その結果、析出物が記録ヘッドまで到達 することにより、ノズル詰まり、ノズル欠あ るいは斜め出射という出射不良を招く結果と なる。また、熱伝導性の低い樹脂を使用する と、加熱した際のインク粘度バラツキにより 吐出性が不安定になる。

 従って、本発明のインクジェットプリン においては、接液部を高熱伝導性樹脂にす ことにより、析出物の発生を抑制すること できる。

 《熱伝導性樹脂》
 本発明において、熱伝導性樹脂とは、樹脂 のものが熱伝導性を有するものであっても 熱伝導性のフィラーを含有させることによ 熱伝導性とされた樹脂のいずであってもよ 。

 本発明のインクジェットプリンタのイン 接液部に適用する熱伝導性樹脂材料として 、樹脂マトリックスを形成する熱可塑性樹 であれば特に制限はなく、公知の熱可塑性 脂の中から、任意のものを適宜選択して用 ることができる。このような熱可塑性樹脂 例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ 等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナ イロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、芳香族 ポリアミドなどのポリアミド系樹脂、ポリ チレンテレフタレート、ポリブチレンテレ タレート、ポリシクロヘキシルメチレンテ フタレートなどのポリエステル系樹脂、ABS 脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェ レンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、 リフェニレンスルフィド樹脂、全芳香族ポ エステル樹脂、ポリエーテルエーテルケト 樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリス ホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及びこ らの樹脂の構成成分二種以上からなる共重 樹脂などを挙げることができる。これらの 可塑性樹脂は、一種のみを単独で用いても く、二種以上を組み合わせて用いてもよい

 一方、本発明に係る熱伝導性樹脂材料と て、熱可塑性樹脂マトリックス中にフィラ を分散させて含有したフィラー含有高熱伝 性樹脂を用いることができ、これらに使用 る高熱伝導性フィラーとしては、熱伝導率 高いものであればよく、特に制限されず、 々の種類のフィラーを用いることができる 具体的には、酸化アルミニウム(アルミナ) 酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ などの酸化物粉末、窒化ホウ素、窒化アル ニウム、窒化ケイ素などの窒化物粉末、金 銀、アルミニウム、鉄、銅などの金属粉末 よび炭化ケイ素粉末等を用いることができ 。

 上記高熱伝導性フィラーは、その粒径が さくなると、充填時に配合物の粘度が顕著 上昇し、充填しにくくなる傾向にあり、そ 結果、熱伝導性の高い樹脂材料を得ること できない場合がある。また、粒径が大きく ると、得られる樹脂材料から剥がれ落ち、 ンク中に混入してしまう恐れがある。した って、フィラー含有高熱伝導性樹脂に用い 高熱伝導性フィラーの平均粒径は、2~80μmが 好ましく、より好ましくは3~50μmである。

 本発明においては、高熱伝導性フィラー 、一種を単独で用いてもよく、二種以上を み合わせて用いてもよい。また、その含有 は、熱伝導性樹脂材料全体積に対し、樹脂 料の導電性の点から30体積%以上であること 好ましく、成形性の点から70体積%以下であ ことが好ましい。熱伝導性及び成形性のバ ンスなどを考慮すると、この高熱伝導性フ ラーの好ましい含有量は50~70体積%の範囲で 定される。

 本発明で用いられる熱伝導性樹脂材料には 必要に応じ他の充填材、難燃剤、耐熱性向 剤、耐候性向上剤などの添加剤を配合する とができる。前記他の充填材としては、マ カやタルク、あるいは炭素繊維、ガラス繊 などの繊維やウイスカーなどの補強効果の きな充填材を挙げることができる。ここで ウイスカーの具体例としては、炭化ケイ素 窒化ケイ素などからなる非酸化物系ウイス ー、ZnO、MgO、TiO 2 、SnO 2 、Al 2 O 3 などからなる金属酸化物系ウイスカー、チタ ン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、塩基性 硫酸マグネシウムなどからなる複酸化物系ウ イスカーなどが挙げられるが、これらの中で 、プラスチックとの複合化が容易な点から複 酸化物系ウイスカーが好適である。

 本発明に係る熱伝導性樹脂材料を調製す には、従来公知の方法、例えば、熱可塑性 脂、高熱伝導性フィラー及び所望により用 られるその他添加剤を配合し、加熱混練機 例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール バンバリーミキサー、プラベンダー、ニー ー、高剪断型ミキサーなどを用いて溶融混 する方法などを用いることができる。

 本発明に係る熱伝導性樹脂は、その熱伝 度が1W/m・k以上であることを特徴とし、好 しくは2W/m・k以上であり、更に好ましくは2W/ m・k以上、50W/m・k以下であり、特に好ましく 5W/m・k以上、30W/m・k以下である。

 本発明に係る熱電導度は、JIS-A-1412に準拠 した方法に従って測定することができ、具体 的な測定装置としては、例えば、英弘精機社 製の熱伝導率計(AUTO-AHC-072)、ホットディスク を用いた熱物性測定装置 TPA-501(京都電子工 業(株)製)等を挙げることができる。

 また、本発明に係る熱伝導性樹脂としては 導電性であっても、絶縁性であっても使用 能であるが、本発明の目的効果をより奏す ことができるという観点からは、絶縁性の 脂材料であることが好ましく、表面抵抗率 して1×10 10 ω・cm 2 以上の樹脂材料であることが好ましい。

 《インクジェットインク》
 次いで、本発明のインクジェット記録方法 用いるインクジェットインクの各構成要素 ついて、順次説明する。

 〔カチオン重合性モノマー〕
 本発明に係るインクは、少なくともカチオ 重合性モノマーを含有するカチオン重合性 化型インクジェットインクであることを特 の1つとする。

 本発明に係るインクおいては、カチオン 合性モノマーとしては、各種公知のカチオ 重合性モノマーを用いることができ、その でも、オキセタン環を有する化合物及びエ キシ化合物を用いることが好ましく、更に それらに加えてビニルエーテル化合物を含 することが好ましい。

 (オキセタン環を有する化合物)
 本発明に好適に用いることができるオキセ ン環を有する化合物について説明する。

 〈2位が置換されているオキセタン環を有す るオキセタン化合物〉
 本発明に係るインクでは、カチオン重合性 ノマーとして、下記一般式(14)で表される2 が置換されているオキセタン環を分子中に なくとも1つ有するオキセタン化合物を用い ことが好ましい。

 上記一般式(14)において、R 1 ~R 6 は各々水素原子または置換基を表す。但し、 R 3 ~R 6 で表される基の少なくとも一つは置換基であ る。一般式(14)において、R 1 ~R 6 で表される置換基としては、例えば、フッ素 原子、炭素数1~6個のアルキル基(例えば、メ ル基、エチル基、プロピル基またはブチル 等)、炭素数1~6個のフルオロアルキル基、ア ル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナ フチル基等)、フリル基またはチエニル基を す。また、これらの基は更に置換基を有し いてもよい。

 〈分子中に1個のオキセタン環を有するオキ セタン化合物〉
 更に、上記一般式(14)の中でも、下記一般式 (15)~(18)で表されるオキセタン環を有する化合 物が好ましく用いられる。

 式中、R 1 ~R 6 は水素原子または置換基を表し、R 7 、R 8 は各々置換基を表し、Zは各々独立で酸素ま は硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫 原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表 。一般式(15)~(18)において、R 1 ~R 6 で表される置換基は前記一般式(14)のR 1 ~R 6 で表される置換基と同義である。

 一般式(15)~(18)において、R 7 、R 8 で表される置換基としては、炭素数1~6個のア ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プ ピル基またはブチル基等)、炭素数1~6個のア ケニル基(例えば、1-プロペニル基、2-プロ ニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル- 2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基 または3-ブテニル基等)、アリール基(例えば フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基( 例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、 メトキシベンジル基等)、炭素数1~6個のアシ 基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチル ルボニル基またはペンチルカルボニル基等) 、炭素数1~6個のアルコキシカルボニル基(例 ば、エトキシカルボニル基、プロポキシカ ボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素 1~6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プ ロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカル バモイル基等)、アルコキシカルバモイル基( えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。

 一般式(15)~(18)において、Zで表される酸素 または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または 硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基 しては、アルキレン基(例えば、エチレン基 トリメチレン基、テトラメチレン基、プロ レン基、エチルエチレン基、ペンタメチレ 基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基 オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカ チレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビ レン基、プロペニレン基等)、アルキニレン (例えば、エチニレン基、3-ペンチニレン基 )が挙げられ、また前記のアルキレン基、ア ルケニレン基、アルキニレン基の炭素原子は 酸素原子や硫黄原子に置き換わっていてもよ い。

 上記の置換基の中でも、R 1 が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチ 基、プロピル基等)が好ましく、特に好まし 用いられるのはエチル基である。また、R 7 及びR 8 としてはプロピル基、ブチル基、フェニル基 またはベンジル基が好ましく、Zは酸素また 硫黄原子を含まない炭化水素基(アルキレン 、アルケニレン基、アルキニレン基等)が好 ましい。

 〈分子中に2個以上のオキセタン環を有する 化合物〉
 また、本発明では、下記一般式(19)、(20)で されるような分子中に2個以上のオキセタン を有する化合物を用いることができる。

 式中、Zは前記一般式(15)~(18)において用いら れる基と同義であり、mは2、3または4を表す R 1 ~R 6 は水素原子、フッ素原子、炭素数1~6個のアル キル基(例えば、メチル基、エチル基、プロ ル基、ブチル基等)、炭素数1~6個のフルオロ ルキル基、アリル基、アリール基(例えば、 フェニル基、ナフチル基等)またはフリル基 表す。但し、一般式(19)においては、R 3 ~R 6 の少なくとも一つは置換基である。

 式中、R 9 は炭素数1~12の線形または分岐アルキレン基 線形または分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、 または下記一般式(22)、(23)及び(24)からなる群 から選択される2価の基を表す。

 上記の炭素数1~12の分岐アルキレン基の一 例としては、下記一般式(21)で表されるアル レン基が好ましく用いられる。

 式中、R 10 は低級アルキル基(例えば、メチル基、エチ 基、プロピル基等)を表す。

 式中、nは0または1~2000の整数を表し、R 12 は炭素数1~10個のアルキル基(例えば、メチル 、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル 、ノニル基等)を表し、R 11 は炭素数1~10個のアルキル基(例えば、メチル 、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル 、ノニル基等)または下記一般式(25)で表さ る基を表す。

 式中、jは0または1~100の整数を表し、R 13 は炭素数1~10個のアルキル基(例えば、メチル 、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル 、ノニル基等)を表す。

 式中、R 14 は水素原子、炭素数1~10個のアルキル基(例え 、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ 基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基 オクチル基、ノニル基等)、炭素数1~10個の ルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ 、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ 等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、 素原子、臭素原子、沃素原子等)、ニトロ基 シアノ基、メルカプト基、アルコキシカル ニル基((例えば、メチルオキシカルボニル 、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキ カルボニル基等)またはカルボキシル基を表 。

 式中、R 15 は酸素原子、硫黄原子、-NH-、-SO-、-SO 2 -、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、または、-C(CF 3 ) 2 -を表す。

 本発明で使用されるオキセタン環を有する 合物の好ましい部分構造の態様としては、 えば、上記一般式(19)、(20)において、R 1 が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチ 基、プロピル基等)であることが好ましく、 に好ましくはエチル基である。また、R 9 としてはヘキサメチレン基、または上記一般 式(23)において、R 14 が水素原子であるものが好ましく用いられる 。

 上記一般式(21)において、R 10 がエチル基、R 12 及びR 13 がメチル基、Zが酸素または硫黄原子を含ま い炭化水素基が好ましい。

 更に、本発明に係るオキセタン環を有す 化合物の好ましい態様の一例としては、下 一般式(26)で表される化合物が挙げられる。

 式中、rは25~200の整数であり、R 16 は炭素数1~4のアルキル基(例えば、メチル基 エチル基、プロピル基、ブチル基等)または リアルキルシリル基を表す。R 1 、R 3 、R 5 、R 6 は、上記一般式(14)においてR 1 ~R 6 で表される置換基と同義である。但し、R 3 ~R 6 の少なくとも一つは置換基である。

 以下、本発明に係る2位が置換されている オキセタン環を有する化合物の具体例を例示 化合物1~15として示すが、本発明はこれらに 定されない。

 1:trans-3-tert-ブチル-2-フェニルオキセタン
 2:3,3,4,4-テトラメチル-2,2-ジフェニルオキセ ン
 3:ジ[3-エチル(2-メトキシ-3-オキセタニル)]メ チルエーテル
 4:1,4-ビス(2,3,4,4-テトラメチル-3-エチル-オキ セタニル)ブタン
 5:1,4-ビス(3-メチル-3-エチルオキセタニル)ブ タン
 6:ジ(3,4,4-トリメチル-3-エチルオキセタニル) メチルエーテル
 7:3-(2-エチル-ヘキシルオキシメチル)-2,2,3,4- トラメチルオキセタン
 8:2-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2,3,3,4,4-ペン メチル-オキセタン
 9:4,4″-ビス[(2,4-ジメチル-3-エチル-3-オキセ ニル)メトキシ]ビフェニル
 10:1,7-ビス(2,3,3,4,4-ペンタメチル-オキセタニ ル)ヘプタン)
 11:オキセタニル・シルセスキオキサン
 12:2-メトキシ-3,3-ジメチルオキセタン
 13:2,2,3,3-テトラメチルオキセタン
 14:2-(4-メトキシフェニル)-3,3-ジメチルオキ タン
 15:ジ(2-(4-メトキシフェニル)-3-メチルオキセ タン-3-イル)エーテル
 上記少なくとも2位が置換されているオキセ タン環を有する化合物の合成は、下記に記載 の文献を参考に合成することができる。

 (1)Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533~538,May(1 995)
 (2)A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
 (3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.
 J.Chem.Vol.59,2503~2509(1981)
 (4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka,and Yuho Tsuno,Bu ll.Chem.Soc.Jpn.,56,3853~3854(1983)
 (5)Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2 336(1978)
 (6)Chem.Ber.101,1850(1968)
 (7)“Heterocyclic Compounds with Three- and Four-mem bered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishe rs,John Wiley&Sons,New York(1964)
 (8)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
 (9)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)
 (10)Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
 (11)特開平6-16804号公報
 (12)ドイツ特許第1,021,858号明細書
 上記少なくとも2位が置換されているオキセ タン環を有する化合物の本発明に係るインク 中における含有量は、1~97質量%が好ましくは より好ましくは30~95質量%である。

 〈オキセタン化合物とその他のモノマーと 併用〉
 また、本発明に係る少なくとも2位が置換さ れているオキセタン環を有する化合物は、単 独で用いてもよいが、構造の異なる2種を併 してもよく、また、後述する、光重合性モ マーや重合性モノマー等の光重合性化合物 を併用して使用することができる。併用す 場合、混合比は少なくとも2位が置換されて るオキセタン環を有する化合物が混合物中 10~98質量%になるように調整することが好ま く、またその他の光重合性モノマーや重合 モノマー等の光重合性化合物が2~90質量%に るように調整することが好ましい。

 〈3位のみに置換基を有するオキセタン化合 物〉
 本発明に係るインクでは、上記の2位に置換 基を有するオキセタン化合物と従来公知のオ キセタン化合物とを併用することができるが 、中でも3位のみに置換基を有するオキセタ 化合物が好ましく併用できる。

 ここで、3位のみに置換基を有するオキセ タン化合物としては、例えば、特開2001-220526 公報、同2001-310937号公報に紹介されている うな公知のものを使用することができる。

 3位のみに置換基を有する化合物としては 、下記一般式(27)で示される化合物が挙げら る。

 一般式(27)において、R 1 は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル 基、ブチル基等の炭素数1~6のアルキル基、炭 素数1~6のフルオロアルキル基、アリル基、ア リール基、フリル基またはチエニル基である 。R 2 はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基等の炭素数1~6個のアルキル基、1-プロペニ 基、2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル 基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ブテニル基 2-ブテニル基、3-ブテニル基等の炭素数2~6個 アルケニル基、フェニル基、ベンジル基、 ルオロベンジル基、メトキシベンジル基、 ェノキシエチル基等の芳香環を有する基、 チルカルボニル基、プロピルカルボニル基 ブチルカルボニル基等の炭素数2~6個のアル ルカルボニル基、エトキシカルボニル基、 ロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニ 基等の炭素数2~6個のアルコキシカルボニル 、またはエチルカルバモイル基、プロピル ルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペ チルカルバモイル基等の炭素数2~6個のN-ア キルカルバモイル基等である。

 本発明で使用可能なオキセタン化合物と ては、1個のオキセタン環を有する化合物を 使用することが記録媒体との密着性に優れ、 低粘度で作業性に優れるため特に好ましい。

 2個のオキセタン環を有する化合物の一例 としては、下記一般式(28)で示される化合物 が挙げられる。

 一般式(28)において、R 1 は上記一般式(27)におけるそれと同様の基で る。
R 3 は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブ チレン基等の線状または分枝状アルキレン基 、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレン オキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキ ンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロ ペニレン基、ブテニレン基等の線状または分 枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基 またはカルボニル基を含むアルキレン基、カ ルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモ イル基を含むアルキレン基等である。

 また、R 3 としては下記一般式(29)、(30)及び(31)で示され る基から選択される多価基も挙げることがで きる。

 一般式(29)において、R 4 は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル 基、ブチル基等の炭素数1~4個のアルキル基、 メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ トキシ基等の炭素数1~4個のアルコキシ基、塩 素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ 基、シアノ基、メルカプト基、低級アルコキ シカルボニル基、カルボキシル基またはカル バモイル基である。

 一般式(30)において、R 5 は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO SO 2 、C(CF 3 ) 2 またはC(CH 3 ) 2 を表す。

 一般式(31)において、R 6 はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基等の炭素数1~4個のアルキル基、またはアリ ール基である。nは0~2000の整数である。R 7 はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基の炭素数1~4個のアルキル基、またはアリー ル基である。R 7 としては、更に下記一般式(32)で示される基 ら選択される基も挙げることができる。

 一般式(32)において、R 8 はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基等の炭素数1~4個のアルキル基、またはアリ ール基である。mは0~100の整数である。

 2個のオキセタン環を有する化合物の具体 例としては、下記化合物が挙げられる。

 例示化合物1は、前記一般式(28)においてR 1 がエチル基、R 3 がカルボキシル基である化合物である。また 、例示化合物2は、前記一般式(28)においてR 1 がエチル基、R 3 が前記一般式(31)でR 6 及びR 7 がメチル基、nが1である化合物である。

 2個のオキセタン環を有する化合物において 、上記の化合物以外の好ましい例としては、 下記一般式(33)で示される化合物がある。一 式(33)において、R 1 は前記一般式(27)のR 1 と同義である。

 また、3~4個のオキセタン環を有する化合 の一例としては、下記一般式(34)で示される 化合物が挙げられる。

 一般式(34)において、R 1 は前記一般式(27)におけるR 1 と同義である。R 9 としては、例えば、下記A~Cで示される基等の 炭素数1~12の分枝状アルキレン基、下記Dで示 れる基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ) または下記Eで示される基等の分枝状ポリシ キシ基等が挙げられる。jは3または4である

 上記Aにおいて、R 10 はメチル基、エチル基またはプロピル基等の 低級アルキル基である。また、上記Dにおい 、pは1~10の整数である。

 3~4個のオキセタン環を有する化合物の一 としては、例示化合物3が挙げられる。

 更に、上記説明した以外の1~4個のオキセ ン環を有する化合物の例としては、下記一 式(35)で示される化合物が挙げられる。

 一般式(35)において、R 8 は前記一般式(32)のR 8 と同義である。R 11 はメチル基、エチル基、プロピル基またはブ チル基等の炭素数1~4のアルキル基またはトリ アルキルシリル基であり、rは1~4である。

 本発明において、オキセタン化合物の好 しい具体例としては、以下に示す例示化合 4、5、6がある。

 上述したオキセタン環を有する各化合物 製造方法は、特に限定されず、従来知られ 方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B .Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している 、ジオールからのオキセタン環合成法等があ る。また、これら以外にも、分子量1000~5000程 度の高分子量を有する1~4個のオキセタン環を 有する化合物も挙げられる。これらの具体的 化合物例としては、以下の例示化合物7、8、9 が挙げられる。

 (エポキシ化合物)
 本発明に係るインクに適用可能なエポキシ 合物としては、エポキシ基を有する化合物 モノマー及びそのオリゴマーのいずれも使 できる。具体的には、従来公知の芳香族エ キシ化合物、脂環式エポキシ化合物及び脂 族エポキシ化合物が挙げられる。なお、以 エポキシ化合物とは、モノマーまたはその リゴマーを意味する。本発明におけるオリ マーとしては、低分子量の化合物が好まし 、分子量が1000未満のオリゴマーがより好ま しい。

 芳香族エポキシ化合物として好ましいも は、少なくとも1個の芳香族核を有する多価 フェノールあるいはそのアルキレンオキサイ ド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によ って製造されるジまたはポリグリシジルエー テルであり、例えば、ビスフェノールAある はそのアルキレンオキサイド付加体のジま はポリグリシジルエーテル、水素添加ビス ェノールAあるいはそのアルキレンオキサイ 付加体のジまたはポリグリシジルエーテル ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙 られる。ここでアルキレンオキサイドとし は、エチレンオキサイド及びプロピレンオ サイド等が挙げられる。

 脂環式エポキシ化合物としては、少なく も1個のシクロへキセンまたはシクロペンテ ン環等のシクロアルカン環を有する化合物を 、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポ キシ化することによって得られるシクロヘキ センオキサイドまたはシクロペンテンオキサ イド含有化合物が好ましく、具体例としては 、以下に示す化合物等が挙げられる。

 脂肪族エポキシ化合物の好ましいものと ては、脂肪族多価アルコールあるいはその ルキレンオキサイド付加体のジまたはポリ リシジルエーテル等があり、その代表例と ては、エチレングリコールのジグリシジル ーテル、プロピレングリコールのジグリシ ルエーテルまたは1,6-ヘキサンジオールのジ グリシジルエーテル等のアルキレングリコー ルのジグリシジルエーテル、グリセリンある いはそのアルキレンオキサイド付加体のジま たはトリグリシジルエーテル等の多価アルコ ールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレ ングリコールあるいはそのアルキレンオキサ イド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプ ロピレングリコールあるいはそのアルキレン オキサイド付加体のジグリシジルエーテル等 のポリアルキレングリコールのジグリシジル エーテル等が挙げられる。ここでアルキレン オキサイドとしては、エチレンオキサイド及 びプロピレンオキサイド等が挙げられる。

 更に、これらの化合物の他に、分子内に1 個のオキシラン環を有するモノマーである脂 肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテ ル及びフェノール、クレゾールのモノグリシ ジルエーテル等も用いることができる。これ らのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮 すると、芳香族エポキシ化合物及び脂環式エ ポキシ化合物が好ましく、特に脂環式エポキ シ化合物が好ましい。本発明では、上記エポ キシ化合物の1種を単独で使用してもよいが 2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい

 本発明で好ましく用いることできるエポ シ化合物の具体例を以下に挙げる。

 脂環式エポキシ化合物の添加量としては インク全質量に対し、温度、湿度に対する 化性の変動を少なくするという点から10質 %以上であることが好ましく、硬化後の膜物 の強度を維持するという点から80質量%以下 含有することが好ましい。本発明では、脂 式エポキシ化合物の1種を単独で使用しても よいが、2種以上を適宜組み合わせて使用し もよい。

 また、これらの脂環式エポキシ化合物は その製法は問わないが、例えば、丸善KK出 、第四版実験化学講座20有機合成II、213~、平 成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heteroc yclic compounds-Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes, John&Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉 、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30 7号、42、1986、特開平11-100378号、特許2906245号 、特許2926262号の各公報等の文献を参考にし 合成できる。

 本発明の活性光線硬化型組成物において 、エポキシ化合物として、エポキシ化脂肪 エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセラ ドを含有する。

 エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキ 化脂肪酸グリセライドをオキセタン化合物/ 脂環式エポキシ化合物の系に併用することに より、AMES及び感作性、皮膚刺激性、臭気等 安全・環境の観点で好ましいだけでなく、 化環境(温度、湿度)により硬化収縮による皺 の発生、硬化性・吐出性の不良等の従来から の問題点を解決することができる。

 本発明で用いることのできるエポキシ化 肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセラ ドとしては、脂肪酸エステル、脂肪酸グリ ライドにエポキシ基を導入したものであれ 、特に制限はなく用いられる。

 エポキシ化脂肪酸エステルは、オレイン エステルをエポキシ化して製造されたもの 、エポキシステアリン酸メチル、エポキシ テアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸 クチル等が用いられる。また、エポキシ化 肪酸グリセライドは、同様に大豆油、アマ 油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造され もので、エポキシ化大豆油、エポキシ化ア ニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる

 (ビニルエーテル化合物)
 本発明のインクで用いることのできるビニ エーテル化合物としては、例えば、エチレ グリコールジビニルエーテル、ジエチレン リコールジビニルエーテル、トリエチレン リコールジビニルエーテル、プロピレング コールジビニルエーテル、ジプロピレング コールジビニルエーテル、ブタンジオール ビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニ エーテル、シクロヘキサンジメタノールジ ニルエーテル、トリメチロールプロパント ビニルエーテル等のジ又はトリビニルエー ル化合物、エチルビニルエーテル、ブチル ニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、 クタデシルビニルエーテル、シクロヘキシ ビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニル ーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、 シクロヘキサンジメタノールモノビニルエー テル、プロピルビニルエーテル、i-プロピル ニルエーテル、i-プロペニルエーテル-O-プ ピレンカーボネート、ドデシルビニルエー ル、ジエチレングリコールモノビニルエー ル、オクタデシルビニルエーテル等のモノ ニルエーテル化合物等が挙げられる。

 これらのビニルエーテル化合物の内、硬 性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又 トリビニルエーテル化合物が好ましく、特 ジビニルエーテル化合物が好ましい。本発 では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単 独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み わせて使用してもよい。

 〔カチオン重合開始剤〕
 本発明において、カチオン重合開始剤(光重 合開始剤)としてオニウム塩を用いることが きる。オニウム塩としては、スルホニウム 、オキソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙 られる。

 本発明でカチオン重合開始剤として用い れるスルホニウム塩としては、下記一般式 1〕~〔4〕で表されるスルホニウム塩化合物 好ましい。

 上記一般式〔1〕~〔4〕において、R 31 ~R 47 はそれぞれ水素原子、または置換基を表し、 R 31 ~R 33 が同時に水素原子を表すことがなく、R 34 ~R 37 が同時に水素原子を表すことがなく、R 38 ~R 41 が同時に水素原子を表すことがなく、R 42 ~R 47 が同時に水素原子を表すことはない。

 R 31 ~R 47 で表される置換基としては、好ましくは、メ チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ ル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基 ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、 トキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブト シ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基 ドデシルオキシ基等のアルコキシ基、アセ キシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカ ボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキ 基、メトキシカルボニル基、エトキシカル ニル基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニ 基、フェニルチオ基、フッ素、塩素、臭素 ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基、ニト 基、ヒドロキシ基等を挙げることができる

 X 31 は、非求核性のアニオン残基を表し、例えば 、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、B(C 6 F 5 ) 4 、R 18 COO、R 19 SO 3 、SbF 6 、AsF 6 、PF 6 、BF 4 等を挙げることができる。ただし、R 18 及びR 19 は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル 基、ブチル基等のアルキル基、フッ素、塩素 、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基 、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基等のア ルコキシ基等で置換されていてもよいアルキ ル基もしくはフェニル基を表す。この中でも 、安全性の観点からB(C 6 F 5 ) 4 、PF 6 が好ましい。

 上記化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Voi.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材 研究会編、「イメージング用有機材料」、 んしん出版(1993年)、に記載の光酸発生剤と 様、公知の方法にて容易に合成することが きる。

 本発明においては、前記一般式〔1〕~〔4〕 表されるスルホニウム塩が、下記一般式〔5 〕~〔13〕から選ばれるスルホニウム塩の少な くとも1種であることが、特に好ましい。X 31 は非求核性のアニオン残基を表し、前述と同 様である。

 本発明においては、一般式(1)~(4)で表され るスルホニウム塩が、前記一般式(5)~(13)から ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であ ることが特に好ましい。Xは非求核性のアニ ン残基を表し、前述と同様である。

 ヨードニウム塩を含めた例示化合物として 、前記(5)~(13)式のX=PF 6 の他に下記の化合物が挙げられる。

 本発明の活性光線硬化型組成物において 光重合開始剤として、オニウム塩を1質量% 上~5質量%未満含有することが好ましい。オ ウム塩を1質量%未満では、硬化性が劣化する 恐れがある。一方、5質量%以上含有させると 化性は良化するが、保存性が劣化する懸念 ある。

 〔色材〕
 本発明に係るインクでは、色材として顔料 含有することが好ましい。本発明で好まし 用いることのできる顔料を、以下に列挙す 。

 C.I Pigment Yellow-1、3、12、13、14、17、42、74 81、83、87、93、95、109、120、128、138、139、151 166、180、185
 C.I Pigment Orange-16、36、38
 C.I Pigment Red-5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1 53:1、57:1、63:1、101、122、144、146、177、185
 C.I Pigment Violet-19、23
 C.I Pigment Blue-15:1、15:3、15:4、18、60、27、29
 C.I Pigment Green-7、36
 C.I Pigment White-6、18、21
 C.I Pigment Black-7
 上記顔料の分散には、例えば、ボールミル サンドミル、アトライター、ロールミル、 ジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミ 、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿 ジェットミル、ペイントシェーカー等を用 ることができる。分散媒体は光重合性化合 、その中でも最も粘度の低いモノマーを選 することが分散適性上好ましい。

 顔料の分散は顔料粒子の平均粒径を0.08~0. 5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3~10μ m、好ましくは0.3~3μmとなるよう、顔料、分散 剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を 適宜設定する。この粒径管理によってヘッド ノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定 性、インク透明性および硬化感度を維持する ことができる。

 本発明に係るインクにおいては、色材濃 としてはインク全体の1質量%乃至10質量%で ることが好ましい。

 顔料分散剤としては、塩基性のアンカー を有するものを用いることが好ましく、且 櫛形構造を有する高分子分散剤を用いるこ が更に好ましい。

 本発明で用いることのできる顔料分散剤 具体例としては、Avecia社製ソルスパース9000 、同17000、同18000、同19000、同20000、同24000SC、 同24000GR、同28000、同32000、味の素ファインテ ノ社製アジスパーPB821、同PB822、楠本化成社 製PLAAD ED214、同ED251、DISPARLON DA-325、同DA-234 EFKA社製EFKA-5207、同5244、同6220、同6225等が挙 られる。また、顔料分散剤と併せて顔料誘 体(シナジスト)を用いることができる、顔 誘導体の具体例としては、Avecia社製ソルス ース5000、同12000、同22000、EFKA社製EFKA-6746、 6750等が挙げられる。

 本発明に係るインクでは、25℃における 度が10mPa・s以上、50mPa・s未満であることが ましい。

 (添加剤)
 本発明に係るインクには、上記説明した以 に様々な添加剤を用いることができる。例 ば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性 調整するためのポリエステル系樹脂、ポリ レタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系 脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加するこ ができる。また、保存安定性を改良する目 で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いる とができるが、代表的なものとして、塩基 アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類 属化合物、アミン、脂肪酸アミン塩、各種 錆剤などの塩基性有機化合物などが挙げら る。

 《記録媒体》
 本発明のインクジェットプリンタにより画 形成を行う際に用いる記録媒体としては、 々な記録媒体を用いることができるが、本 明に係る活性光線硬化型のインクの特性を かんなく発揮できる観点から、インクの吸 能を実質的に持たない記録媒体であること 好ましく、通常の非コート紙、コート紙な の他、いわゆる軟包装に用いられる各種非 収性のプラスチックおよびそのフィルムを いることができ、各種プラスチックフィル としては、例えば、ポリエチレンテレフタ ート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フ ィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、 伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(P VC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ト アセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げる ことができる。その他のプラスチックとして は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、 ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA) ゴム類などが使用できる。また、金属類や ガラス類にも適用可能である。これらの記 媒体の中でも、特に熱でシュリンク可能な PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONy ィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合 本発明の構成は、有効となる。これらの基 は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱 どにより、フィルムのカール、変形が生じ すいばかりでなく、インク膜が基材の収縮 追従し難い。

 これらの各種プラスチックフィルムの表 エネルギーは大きく異なり、記録媒体によ ては、インク着弾後のドット径が変わって まうことが、従来から問題となっていた。 発明に係るインクは、表面エネルギーの低 OPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギー 比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギ が35~60mN/mの広範囲な記録媒体に良好な高精 な画像を形成できる。

 本発明において、包装の費用や生産コス 等の記録媒体のコスト、プリントの作製効 、各種のサイズのプリントに対応できる等 点で、長尺(ウェブ)な記録媒体を使用する が有利である。

 《インクジェット記録方法》
 次に、本発明のインクジェットプリンタに るインクジェット記録方法について説明す 。

 本発明のインクジェット記録方法におい は、本発明に係るインクをインクジェット 録方式により記録媒体上に吐出、描画し、 いで紫外線などの活性光線を照射してイン を硬化させる方法が好ましい。

 (インク着弾後の総インク膜厚)
 本発明では、記録媒体上にインクが着弾し 活性光線を照射して硬化した後の総インク 厚が2~25μmであることが好ましい。スクリー ン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット 記録では、総インク膜厚が25μmを越えている が現状であるが、記録媒体が薄いプラスチ ク材料であることが多い軟包装印刷分野で 、前述した記録媒体のカール・皺の問題で けでなく、印刷物全体のこし・質感が変わ てしまうという問題が有るため、過剰な膜 のインク吐出は好ましくない。

 尚、ここで「総インク膜厚」とは記録媒 に描画されたインクの膜厚の最大値を意味 、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3 重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジ ット記録方式で記録を行った場合でも総イ ク膜厚の意味するところは同様である。

 (インクの吐出条件)
 インクの吐出条件としては、記録ヘッド及 インクを35~100℃に加熱し、吐出することが 出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型 ンクは温度変動による粘度変動幅が大きく 粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出 度に大きく影響を与え、画質劣化を起こす め、インク温度を上げながらその温度を一 に保つことが必要である。インク温度の制 幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設 温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃で る。また、本発明では、各ノズルより吐出 る液滴量が2~15plであることが好ましい。

 (インク着弾後の光照射条件)
 本発明の画像形成方法においては、活性光 の照射条件として、インク着弾後0.001秒~1秒 の間に活性光線が照射されることが好ましく 、より好ましくは0.001秒~0.5秒である。高精細 な画像を形成するためには、照射タイミング が出来るだけ早いことが特に重要となる。

 本発明によるインクジェット記録方法にあ ては、インク組成物を記録媒体に付着させ 後に、光照射を行う。光照射は可視光照射 紫外線照射であってもよく、特に紫外線照 が好ましい。紫外線照射を行う場合、紫外 照射量は100mJ/cm 2 以上、好ましくは500mJ/cm 2 以上であり、また10,000mJ/cm 2 以下、好ましくは5,000mJ/cm 2 以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内にお ける紫外線照射量であれば、十分硬化反応を 行うことができ、また紫外線照射によって着 色剤が退色してしまうことも防止できるので 有利である。紫外線照射はメタルハライドラ ンプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、 ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀 ランプ等のランプが挙げられる。例えば、Fus ion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等 市販されているものを用いて行うことがで る。

 メタルハライドランプは高圧水銀ランプ( 主波長は365nm)に比べてスペクトルが連続して おり、200~450nmの範囲で発光効率が高く、且つ 長波長域が豊富である。従って、本発明に係 る活性光線硬化型のインクジェットインクの 様に、色材として顔料を使用している場合は メタルハライドランプが適している。

 活性光線の照射方法として、その基本的 方法が特開昭60-132767号公報に開示されてい 。これによると、ヘッドユニットの両側に 源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を 査する。照射はインク着弾後、一定時間を いて行われることになる。更に、駆動を伴 ない別光源によって硬化を完了させる。米 特許第6,145,979号明細書では、照射方法とし 光ファイバーを用いた方法や、コリメート れた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡 に当て、記録部へUV光を照射する方法が開 されている。本発明の画像形成方法におい は、これらの何れの照射方法も用いること 出来る。

 また、活性光線を照射を2段階に分け、ま ずインク着弾後0.001~2秒の間に前述の方法で 性光線を照射し、且つ全印字終了後、更に 性光線を照射する方法も好ましい態様の1つ ある。活性光線の照射を2段階に分けること で、よりインク硬化の際に起こる記録媒体の 収縮を抑えることが可能となる。

 従来、UVインクジェット方式では、イン 着弾後のドット広がり、滲みを抑制のため 、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度 の光源が用いられるのが通常であった。しか しながら、これらの光源を用いると、特にシ ュリンクラベルなどへの印字では、記録媒体 の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来 ないのが現状であった。

 本発明では、254nmの波長領域に最高照度 もつ活性光線を用いることが好ましく、総 費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精 細な画像を形成出来、且つ記録媒体の収縮も 実用上許容レベル内に収められる。

 本発明においては、更に活性光線を照射 る光源の総消費電力が1kW・hr未満であるこ が好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源 の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管 、LEDなどがあるが、これらに限定されない。

 (インクジェットプリンタ)
 次いで、その構成に関して詳述した本発明 インクジェットプリンタを用いた画像記録 法について、図を用いて説明する。

 図6は、前記図1~図5に記載のインクジェッ トプリンタのうち、インクジェット記録ヘッ ド及び活性光線を照射する照射手段について 示した正面図である。

 記録装置71はヘッドキャリッジ72、記録ヘ ッド73、照射手段74、プラテン部75等を備えて 構成される。この記録装置71は、記録媒体Pの 下にプラテン部75が設置されている。プラテ 部75は、紫外線を吸収する機能を有してお 、記録媒体Pを通過してきた余分な紫外線を 収する。その結果、高精細な画像を非常に 定に再現できる。

 記録媒体Pはガイド部材76に案内され、搬 手段(図示せず)の作動により、図6における 前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手 (図示せず)は、ヘッドキャリッジ72を図6に けるY方向に往復移動させることにより、ヘ ドキャリッジ72に保持された記録ヘッド73の 走査を行う。

 ヘッドキャリッジ72は記録媒体Pの上側に 置され、記録媒体P上の画像印刷に用いる色 の数に応じて後述する記録ヘッド73を複数個 インク吐出口81を下側に配置して収納する ヘッドキャリッジ72は、図6におけるY方向に 復自在な形態で記録装置71本体に対して設 されており、ヘッド走査手段の駆動により 図6におけるY方向に往復移動する。

 尚、図7では、ヘッドキャリッジ72が、ホ イト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン( C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライト マゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラ ク(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド73を収納す ものとして描図を行っているが、実施の際 はヘッドキャリッジ72に収納される記録ヘ ド73の色数は適宜決められるものである。

 記録ヘッド73は、インク供給手段(図示せ )により供給された活性光線硬化型インク( えば、UVインク)を、内部に複数個備えられ 吐出手段(図示せず)の作動により、インク吐 出口81から記録媒体Pに向けて吐出する。記録 ヘッド73により吐出されるUVインクは色材、 合性モノマー、開始剤等を含んで組成され おり、紫外線の照射を受けることで開始剤 触媒として作用することに伴うモノマーの 橋、重合反応によって硬化する性質を有す 。

 記録ヘッド73は記録媒体Pの一端からヘッ 走査手段の駆動により、図6におけるY方向 記録媒体Pの他端まで移動するという走査の に、記録媒体Pにおける一定の領域(着弾可 領域)に対してUVインクをインク滴として吐 し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させ 。

 上記走査を適宜回数行い、1領域の着弾可 能領域に向けてUVインクの吐出を行った後、 送手段で記録媒体Pを図6における手前から 方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段 よる走査を行いながら、記録ヘッド73により 上記着弾可能領域に対し、図6における奥方 に隣接した次の着弾可能領域に対してUVイン クの吐出を行う。

 上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段 び搬送手段と連動して記録ヘッド73からUVイ ンクを吐出することにより、記録媒体P上に 像が形成される。

 照射手段74は特定の波長領域の紫外線を 定した露光エネルギーで発光する紫外線ラ プ及び特定の波長の紫外線を透過するフィ タを備えて構成される。ここで、紫外線ラ プとしては、水銀ランプ、メタルハライド ンプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザ 、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LE D(Light Emitting Diode)等が適用可能であり、帯 のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰 管、水銀ランプもしくはブラックライトが ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低 圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌 灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行な え、好ましい。ブラックライトを照射手段74 放射線源に用いることで、UVインクを硬化 るための照射手段74を安価に作製することが できる。

 照射手段74は、記録ヘッド73がヘッド走査 手段の駆動による1回の走査によってUVインク を吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UV インクジェットプリンタ)71で設定できる最大 のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域より も大きな形状を有する。

 照射手段74はヘッドキャリッジ72の両脇に 、記録媒体Pに対してほぼ平行に、固定して 置される。

 前述したようにインク吐出部の照度を調 する手段としては、記録ヘッド73全体を遮 することはもちろんであるが、加えて照射 段74と記録媒体Pの距離h1より、記録ヘッド73 インク吐出口81と記録媒体Pとの距離h2を大 くしたり(h1<h2)、記録ヘッド73と照射手段74 との距離dを離したり(dを大きく)することが 効である。また、記録ヘッド73と照射手段4 間を蛇腹構造77にすると更に好ましい。

 ここで、照射手段74で照射される紫外線 波長は、照射手段74に備えられた紫外線ラン プ又はフィルタを交換することで適宜変更す ることができる。

 本発明のインクジェットプリンタは、ラ ンヘッドタイプの記録装置を用いて画像形 することも可能である。

 図7は、ラインヘッド方式のインクジェッ ト記録装置における要部の構成の他の一例を 示す上面図である。図7で示したインクジェ ト記録装置はラインヘッド方式と呼ばれて り、ヘッドキャリッジ72に、各色のインクジ ェット記録ヘッド73を、記録媒体Pの全幅をカ バーするようにして、複数個、固定配置され ている。

 一方、ヘッドキャリッジ72の下流側には 同じく記録媒体Pの全幅をカバーするように て、インク印字面全域をカバーするように 置されている照射手段74が設けられている 照明手段74に用いられる紫外線ランプは、図 6に記載したのと同様のものを用いることが きる。

 このラインヘッド方式では、ヘッドキャ ッジ72及び照射手段74は固定され、記録媒体 Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化 行って画像形成を行う。なお、本発明にお て、記録媒体Pは35~60℃に加温することが望 しい。

 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらに限定されるも ではない。なお、実施例において「部」あ いは「%」の表示を用いるが、特に断りがな い限り「質量部」あるいは「質量%」を表す

 《インクセットの調製》
 〔顔料分散液の調製〕
 (イエロー顔料分散液の調製)
 下記に示す方法に従って、イエロー顔料分 液を調製した。

 下記の2種の化合物をステンレスビーカー に入れ、ホットプレート上で、65℃で加熱、 拌しながら溶解した。

 アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製 散剤)       8質量部
 アロンオキセタンOXT-221(東亞合成社製オキ タン化合物)  72質量部
 次いで、室温まで冷却した後、この溶液に 料としてC.I.Pigment Yellow 150(LANXESS社製、E4GN- GT CH20015)を20質量部を加えて、直径0.3mmのジ コニアビーズ200部と共にガラス瓶に入れ密 し、ペイントシェーカーにて4時間の分散処 を施した後、ジルコニアビーズを除去して イエロー顔料分散液を調製した。

 (マゼンタ顔料分散液の調製)
 上記イエロー顔料分散液の調製において、 料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment  Red 122(大日精化社製、特注)に変更した以外 同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製し 。

 〔シアン顔料分散液の調製〕
 上記イエロー顔料分散液の調製において、 料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment  Blue 15:4(山陽色素株式会社製、シアニンブル 4044)に変更した以外は同様にして、シアン 料分散液を調製した。

 (ブラック顔料分散液の調製)
 上記イエロー顔料分散液の調製において、 料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment  Black 7(三菱化学社製、#52)に変更した以外は 様にして、ブラック顔料分散液を調製した

 〔インクセット1の調製〕
 下記の各イエローインクY1、マゼンタイン M1、シアンインクC1、ブラックインクK1、ラ トイエローインクLy1、ライトマゼンタイン Lm1、ライトシアンインクLc1、ライトブラッ インクLk1から構成されるインクセット1を調 した。

 (イエローインクY1の調製)
 上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー 顔料:20質量%、分散剤PB822:8質量%、光重合性化 合物OXT-221:72質量%含有)と下記の各添加剤とを 用いて、イエローインクY1を調製した。

 具体的には、イエロー顔料分散液以外の ての下記添加剤を混合し、十分に溶解した とを確認した後、この混合溶液をイエロー 料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し 15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmデ スクフィルターで濾過を行った。

 イエロー顔料                          3.0質量部
 分散剤:PB822(味の素ファインテクノ製)          1.0質量部
 ビニルエーテル化合物:DVE-3(トリエチレング リコールジビニルエーテル(ISP社製))                           86.4質量部
 光重合開始剤:UVI6992(トリフェニルスルホニ ム塩、ダウ・ケミカル社製)
                                 5.0質量部
 重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン)            0.1質量部
 プロピレンカーボネート                    2.0質量部
 シリコン系界面活性剤:KF-351(信越化学株式 社製)   0.1質量部
 増感剤:DBA(9,10-ジブトキシアントラセン)      0.5質量部
 水                              1.0質量部
 次いで、上記インク液を調製した後、25℃ おける表面張力値を27mN/mに調整し、次いで 中空糸膜を用いた脱気モジュール(大日本イ キ化学工業(株)製、SEPAREL PF-004D)を用いて脱 気して、顔料濃度が3.0質量%のイエローイン Y1を調製した。

 (マゼンタインクM1、シアンインクC1、ブラ クインクK1の調製)
 上記イエローインクY1の調製において、イ ロー顔料分散液に代えて、それぞれマゼン 顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック 料分散液に変更した以外は同様にして、顔 濃度が3.0質量%のマゼンタインクM1、シアン ンクC1、ブラックインクK1を調製した。

 (ライトイエローインクLy1、ライトマゼンタ インクLm1、ライトシアンインクLc1、ライトブ ラックインクLk1の調製)
 上記イエローインクY1、マゼンタインクM1、 シアンインクC1、ブラックインクK1の調製に いて、それぞれの顔料濃度を0.6質量%に変更 た以外は同様にして、ライトイエローイン Ly1、ライトマゼンタインクLm1、ライトシア インクLc1、ライトブラックインクLk1を調製 た。

 〔インクセット2の調製〕
 下記の各イエローインクY2、マゼンタイン M2、シアンインクC2、ブラックインクK2、ラ トイエローインクLy2、ライトマゼンタイン Lm2、ライトシアンインクLc2、ライトブラッ インクLk2から構成されるインクセット2を調 した。

 (イエローインクY2の調製)
 上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー 顔料:20質量%、分散剤PB822:8質量%、光重合性化 合物OXT-221:72質量%含有)と下記の各添加剤とを 用いて、イエローインクY2を調製した。

 具体的には、イエロー顔料分散液以外の ての下記添加剤を混合し、十分に溶解した とを確認した後、この混合溶液をイエロー 料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し 15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmデ スクフィルターで濾過を行った。

 イエロー顔料                          3.0質量部
 分散剤:PB822(味の素ファインテクノ製)          1.0質量部
 オキセタン環を有する化合物:オキセタンOXT 221(東亞合成製、2官能)
                                50.0質量部
 オキセタン環を有する化合物:オキセタンOXT 212(東亞合成製、単官能)
                                 7.0質量部
 オキセタン環を有する化合物:オキセタンOXT 101(東亞合成製、単官能)
                                 3.0質量部
 脂環式エポキシ化合物:セロキサイド2021P(ダ イセル化学工業社製、2官能)
                                26.4質量部
 光重合開始剤:例示化合物S-2                5.0質量部
 重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン)            0.1質量部
 プロピレンカーボネート                    2.0質量部
 シリコン系界面活性剤:KF-351(信越化学株式 社製)   0.1質量部
 増感剤:DBA(9,10-ジブトキシアントラセン)      0.5質量部
 水                              0.6質量部
 次いで、上記インク液を調製した後、25℃ おける表面張力値を27mN/mに調整し、次いで 中空糸膜を用いた脱気モジュール(大日本イ キ化学工業(株)製、SEPAREL PF-004D)を用いて脱 気して、顔料濃度が3.0質量%のイエローイン Y2を調製した。

 (マゼンタインクM2、シアンインクC2、ブラ クインクK2の調製)
 上記イエローインクY2の調製において、イ ロー顔料分散液に代えて、それぞれマゼン 顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック 料分散液に変更した以外は同様にして、顔 濃度が3.0質量%のマゼンタインクM2、シアン ンクC2、ブラックインクK2を調製した。

 (ライトイエローインクLy2、ライトマゼンタ インクLm2、ライトシアンインクLc2、ライトブ ラックインクLk2の調製)
 上記イエローインクY2、マゼンタインクM2、 シアンインクC2、ブラックインクK2の調製に いて、それぞれの顔料濃度を0.6質量%に変更 た以外は同様にして、ライトイエローイン Ly2、ライトマゼンタインクLm2、ライトシア インクLc2、ライトブラックインクLk2を調製 た。

 (インクセット3、4の調製)
 上記インクセット2の調製において、各添加 剤の種類及び添加量を表1に記載のように変 した以外は同様にして、インクセット3、4を 調製した。

 なお、表1に略称で記載した各化合物の詳 細は、以下の通りである。また、表1に記載 数値は、質量部を表す。

 (カチオン重合性モノマー)
 〈オキセタン環を有する化合物〉
 OXT221:オキセタンOXT221(東亞合成製、2官能)
 OXT101:オキセタンOXT101(東亞合成製、単官能)
 OXT212:オキセタンOXT212(東亞合成製、単官能)
 〈ビニルエーテル化合物〉
 DVE-3:トリエチレングリコールジビニルエー ル(ISP社製)
 〈脂環式エポキシ化合物〉
 S2021P:セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社 製、2官能)
 S3000:セロキサイド3000(ダイセル化学工業社 、2官能)
 EP-1:例示化合物EP-1
 (光重合開始剤)
 UVI6992:トリフェニルスルホニウム塩、ダウ ケミカル社製
 S-2:例示化合物S-2
 CI5102:ヨードニウム塩、日本曹達社製
 (塩基性化合物)
 TPA:トリイソプロパノールアミン
 (界面活性剤)
 KF-351:信越化学社製、シリコン系界面活性剤
 (分散剤)
 PB822:味の素ファインテクノ社製、高分子分 剤
 (増感剤)
 DBA:9,10-ジブトキシアントラセン
 (その他)
 PC:プロピレンカーボネート
 《インクジェットプリンタ》
 〔インクジェットプリンタ1〕
 図2のb)に記載のインク供給ラインを有する ンクジェットプリンタを用い、インクタン 101、ジョイントJ1~J4はSUS316(ステンレススチ ル:クロム18%、ニッケル12%、モリブデン2.5%) で作製し、インク供給路102Aは、絶縁部材で 、熱伝導度が0.2W/m・kの耐インク性テフロン( 録商標)チューブを黒色のポリオレフィンチ ューブで被覆したものを用いた。

 また、中間ユニットタンク105及び記録ヘ ド104もSUS316製とし、中間ユニットタンク105 記録ヘッド104とを接続するインク供給路102B は、絶縁部材で、熱伝導度が0.2W/m・kの耐イ ク性テフロン(登録商標)チューブを黒色のポ リオレフィンチューブで被覆したものを用い た。

 また、中間ユニットタンク105と記録ヘッ 104とに加熱部材を装着し、外部より50℃の 熱を行った。

 〔インクジェットプリンタ2~25の作製〕
 上記インクジェットプリンタ1の作製におい て、中間ユニットタンク105、記録ヘッド104、 中間ユニットタンク105と記録ヘッド104とを接 続するインク供給路102Bを構成する部材を表2 記載のように変更した以外は同様にして、 ンクジェットプリンタ2~25を作製した。

 なお、表2に略称で記載した各構成部材の 詳細は、以下の通りである。

 SUS316:ステンレススチール(クロム18%、ニッ ル12%、モリブデン2.5%)
 AL6061:アルミニウム
 また、熱伝導性樹脂の詳細(熱伝導度、電導 度)を、表3に示す。

 《評価》
 表4~表7に記載のインクジェットプリンタと ンクセットとの組み合わせとした記録方法1 ~100について、下記の各評価を行った。

 〔析出耐性の評価〕
 上記作製した各インクジェットプリンタに 表4~表7に記載の組み合わせでインクセット インクタンク101から記録ヘッド104まで充填 た。この充填した状態で23℃の環境下で3日 放置した後、中間ユニットタンク105と記録 ッド104内での析出物の有無を目視観察し、 記の基準に従って析出耐性の評価を行った

 5:対象部材内壁に、析出物の発生が全く認 られない
 4:対象部材内壁に、微細な析出物の発生が 僅かに認められるが、全く問題がない
 3:対象部材内壁に、析出物の発生が、やや められるが、出射性への影響はないレベル
 2:対象部材内壁の広い範囲に析出物の発生 認められるが、出射性への影響が懸念され レベル
 1:対象部材内壁の広い範囲に、粗大な析出 の発生が認められ、実用に耐えないレベル
 〔吐出安定性の評価〕
 上記作製した各インクジェットプリンタに 表4~表7に記載の組み合わせでインクセット インクタンク101から記録ヘッド104まで充填 た。記録ヘッド104として、ノズル数256、2~20 plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、2 .54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出 可能な構成とし、中間ユニットタンク105と記 録ヘッド104とに加熱部材を装着し、外部より 50℃の加熱を行いながら、3時間の連続吐出を 行った。次いで、各色インクの出射状態を目 視観察し、各色インクの平均出射状態を求め 、下記の基準に従って吐出安定性を評価した 。

 5:全てのノズルで、ノズル欠や出射曲がり 発生が認められない
 4:全てのノズルでノズル欠の発生は認めら ないが、ごく一部のノズルで弱い出射曲が の発生が認められる
 3:全てのノズルでノズル欠の発生は認めら ないが、出射曲がりのあるノズルが1~3カ所 認められる
 2:一部のノズルでノズル欠の発生は認めら 明らかに出射曲がりのあるノズルが4カ所以 で認められる
 1:明らかなノズル欠及び出射曲がりが多発 ており、実用に耐えない
  以上により得られた結果を、表4~表7に示 。

 表4~表7に記載の結果より明らかなように 記録ヘッド、中間ユニットタンク、あるい 記録ヘッド、中間ユニットタンク及びイン 供給路102Bを、本発明に係る熱伝導度が1W/m k以上の熱伝導性樹脂で構成した本発明のイ クジェットプリンタを用いた本発明の記録 法は、比較例に対し、析出耐性が良好で、 間ユニットタンク105と記録ヘッド104とを加 しながら連続出射を行った際の吐出安定性 優れていることが分かる。