Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
INSULATING DC-DC CONVERTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011374
Kind Code:
A1
Abstract:
On a primary side of a transformer (T1), a switching circuit (SW) is arranged by being connected to a primary winding of the transformer for switching input of input power supply (1). On a secondary side of the transformer (T1), a digital control circuit (10) having a switching control means for outputting a control pulse signal to a switching circuit (SW), and a rectifying/smoothing circuit (SR) connected to the secondary winding of the transformer (T1) are arranged. The digital control circuit (10) outputs a control pulse signal through a pulse transformer (T2), calculates an input power supply voltage based on the on-duty of a control pulse signal, output voltage and the ratio of the winding number of primary winding to that of the secondary winding of the transformer (T1), and performs converter control in accordance with the calculated input power supply voltage.

Inventors:
NISHIYAMA TAKAYOSHI (JP)
UEKI KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062882
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 17, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
NISHIYAMA TAKAYOSHI (JP)
UEKI KOICHI (JP)
International Classes:
H02M3/28
Foreign References:
JP2003259640A2003-09-12
JP2007124869A2007-05-17
JP2005224069A2005-08-18
JP2006136146A2006-05-25
JPS5844614U1983-03-25
JPH06253534A1994-09-09
Attorney, Agent or Firm:
KOMORI, Hisao (Noninbashi Chuo-k, Osaka-shi Osaka 11, JP)
Download PDF:
Claims:
 少なくとも1次巻線と2次巻線を有するトランスと、前記トランスの1次巻線に接続されて入力電源をスイッチングするスイッチング回路と、該スイッチング回路に対する制御パルス信号を出力するスイッチング制御手段を備えるディジタル制御回路と、前記スイッチング回路のオン/オフによって前記トランスの2次巻線に生じた交流電圧を整流平滑して出力端子へ出力する整流平滑回路と、該整流平滑回路を介して出力される出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、を有する絶縁型DC-DCコンバータにおいて、
 前記ディジタル制御回路が出力する前記制御パルス信号を絶縁状態で1次側に伝達する絶縁手段を備え、
 前記ディジタル制御回路は前記トランスの2次側に配置され、前記ディジタル制御回路は、前記出力電圧検出回路の検出信号またはそのディジタル値を入力する手段と、少なくとも前記制御パルス信号のオンデューティと、前記出力電圧と、前記トランスの1次巻線と2次巻線の巻数比とから前記入力電源の電圧値を演算する入力電源電圧演算手段とを有することを特徴とする絶縁型DC-DCコンバータ。
 前記スイッチング回路はフルブリッジ回路である請求項1に記載の絶縁型DC-DCコンバータ。
 前記絶縁手段は、前記制御パルス信号を微分した波形を1次側に伝達するパルストランスであって、前記制御パルス信号の立ち上り部分および立ち下り部分のみを1次側に伝達するものである請求項1または2に記載の絶縁型DC-DCコンバータ。
 前記絶縁手段は、フォトカプラである請求項1または2に記載の絶縁型DC-DCコンバータ。
 前記ディジタル制御回路は、前記出力端子に接続される負荷回路との間で通信を行うためのポートを有する請求項1~4のうちいずれかに記載の絶縁型DC-DCコンバータ。
 前記ディジタル制御回路はDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)であることを特徴とする請求項1~5のうちいずれかに記載の絶縁型DC-DCコンバータ。
 前記トランスの1次側に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
 前記ディジタル制御回路は、出力電圧が一定になるように前記オンデューティを制御することにより定電圧制御を行う定電圧制御手段と、
 前記出力端子に流れる出力電流が一定になるように前記オンデューティを制御し、前記入力電源の電圧または前記出力電圧の値、前記電流検出手段により検出された電流値、および前記トランスの1次巻線と2次巻線の巻数比を基にして定電流制御を行う定電流制御手段と、
 前記電流検出手段により検出された電流値が所定値以上となったとき、前記定電圧制御から前記定電流制御へ制御を切り換える過電流保護手段と、
 前記電流検出手段により検出された電流値が所定値以上になったことを検出した時点の前記入力電源の電圧を保持する電圧値保持手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1~6のうちいずれかに記載の絶縁型DC-DCコンバータ。
Description:
絶縁型DC-DCコンバータ

 この発明は、スイッチング回路をディジ ル制御する絶縁型DC-DCコンバータに関する のである。

 従来、2次側の出力電圧を一定にする制御回 路をマイクロコンピュータやDSP(Digital Signal  Processor)で構成してディジタル制御を行う絶 型DC-DCコンバータが特許文献1に示されてい 。
 マイクロコンピュータやDSPは外部回路との で信号やデータの入力を行うことができる で、そのマイクロコンピュータやDSPでスイ チング制御を行うように構成することで、 機能なコンバータを構成できる。

 ここで特許文献1に示されている絶縁型DC-DC ンバータの基本的な構成を図1に示す。
 図1において、トランスT10の1次巻線にスイ チング素子211および電流検出用抵抗257が直 に接続されている。スイッチング素子211に DSP903から駆動信号が与えられるように構成 れている。トランスT10の2次巻線には整流平 回路208が設けられている。DSP903には、整流 滑回路208の出力電圧を検出するとともに絶 状態で1次側へ伝達するフォトカプラ(702a,702 b)およびその出力電圧をディジタルデータに 換するA/Dコンバータ255を備えていて、DSP903 その値を読み取る。またDSP903は電流検出用 抗257の降下電圧を読み取る。トランスT10の1 次側には受光素子(リモコンからの赤外線信 を受光する)902を設けていて、DSP903はこの受 素子902からの出力信号を読み取る。

 このようにしてDSP903は出力電圧が一定とな ようにスイッチング素子211のスイッチング 御を行い、また電流検出用抵抗257の出力電 に応じて過電流保護動作を行う。さらに受 素子902からの信号に応じてコンバータの起 /停止制御等を行う。

特開2000-116027号公報

 絶縁型DC-DCコンバータは、1次側のスイッ ング素子のオン/オフを制御することで2次 の出力電圧を一定に制御するものであるの 、図1に示したようにディジタル制御部(マイ クロコンピュータやDSP)を1次側に配置するの 一般的な形となる。絶縁型コンバータの場 、1次側と2次側の間は絶縁しなければなら いため、2次側の出力電圧を検出し、その信 をフォトカプラ等の絶縁手段を用いて1次側 に伝達し、ディジタル制御部にフィードバッ クすることで1次側のスイッチング素子を制 する構成が採られている。

 ところが、フォトカプラを用いて2次側の 出力電圧を1次側に伝達する場合、応答遅れ 問題と素子の経時劣化の問題が生じる。ま 、ディジタル制御部を1次側に配置した場合 2次側の出力電圧が印加される負荷側(電子 器)との相互通信ができないという問題があ 。すなわち、マイクロコンピュータやDSPを 御装置に用いたディジタル制御型コンバー の場合、負荷である電子機器に対して電源 置の状態等を常に送信したり、電子機器側 負荷状態等を受信して時間遅れなく定電流 御、定電圧制御、定電力制御等を行ったり きる利点があるが、ディジタル制御部を1次 側に配置すると、それができない。

 勿論、フォトカプラやパルストランス等 絶縁手段で伝達すれば技術的には可能では るが、相互通信を行う信号のポート数だけ ォトカプラやパルストランス等が必要とな ため、コスト的、スペース的に現実的では い。

 逆に、2次側にディジタル制御部を配置し ようとすると、入力電圧の検出が問題となる 。すなわち、通常は入力電圧は変動するもの であるため、上述したような絶縁手段を介し て入力電圧を2次側で検出する必要が生じ、 らに1次側のスイッチング素子の制御信号を 達するための絶縁手段も必要となり、スペ スが増大する点で問題となる。

 このように、これまでの技術では、ディ タル制御部を1次側、2次側のどちらに配置 るにしろ、検出しなければならない値(入力 圧と出力電圧等)が1次側と2次側の両方に存 するため、フォトカプラやパルストランス の絶縁手段を用いて信号を伝達する必要が り、応答遅れや経時劣化、スペースの増大 の問題があった。

 そこで、この発明の目的は、前述の応答 れの問題、経時変化、スペースの増大の問 を解消した絶縁型DC-DCコンバータを提供す ことにある。

 前記課題を解決するために、この発明は次 ように構成する。
(1)少なくとも1次巻線と2次巻線を有するトラ スと、前記トランスの1次巻線に接続されて 入力電源をスイッチングするスイッチング回 路と、該スイッチング回路に対する制御パル ス信号を出力するスイッチング制御手段を備 えるディジタル制御回路と、前記スイッチン グ回路のオン/オフによって前記トランスの2 巻線に生じた交流電圧を整流平滑して出力 子へ出力する整流平滑回路と、該整流平滑 路を介して出力される出力電圧を検出する 力電圧検出回路と、を有する絶縁型DC-DCコ バータにおいて、
 前記ディジタル制御回路が出力する前記制 パルス信号を絶縁状態で1次側に伝達する絶 縁手段を備え、
 前記ディジタル制御回路は前記トランスの2 次側に配置され、前記ディジタル制御回路は 、前記出力電圧検出回路の検出信号またはそ のディジタル値を入力する手段と、少なくと も前記制御パルス信号のオンデューティと、 前記出力電圧と、前記トランスの1次巻線と2 巻線の巻数比とから前記入力電源の電圧値 演算する入力電源電圧演算手段とを有する のとする。

(2)前記スイッチング回路はフルブリッジ回 路とする。

(3)前記絶縁手段は、前記制御パルス信号を 微分した波形を1次側に伝達するパルストラ スであって、前記制御パルス信号の立ち上 部分および立ち下り部分のみを1次側に伝達 るものとする。

(4)前記絶縁手段は、フォトカプラとする。

(5)前記ディジタル制御回路は、前記出力端 子に接続される負荷回路との間で通信を行う ためのポートを有するものとする。

(6)前記ディジタル制御回路はDSPで構成した ものとする。

(7)前記トランスの1次側に流れる電流を検出 る電流検出手段を備え、
 前記ディジタル制御回路は、出力電圧が一 になるように前記オンデューティを制御す ことにより定電圧制御を行う定電圧制御手 と、
 前記出力端子に流れる出力電流が一定にな ように前記オンデューティを制御し、前記 力電源の電圧または前記出力電圧の値、前 電流検出手段により検出された電流値、お び前記トランスの1次巻線と2次巻線の巻数 を基にして定電流制御を行う定電流制御手 と、
 前記電流検出手段により検出された電流値 所定値以上となったとき、前記定電圧制御 ら前記定電流制御へ制御を切り換える過電 保護手段と、
 前記電流検出手段により検出された電流値 所定値以上になったことを検出した時点の 記入力電源の電圧を保持する電圧値保持手 と、を備えたものとする。

 この発明によれば、次のような効果を奏す 。
(1)ディジタル制御回路を2次側に配置した場 、従来技術によれば、入力電圧を検出する めの絶縁手段が必要となるが、ディジタル 御回路は1次側のスイッチング回路に対して ら制御パルスを与えるので制御パルス信号 オンデューティは既知である。そのため、 力電源電圧演算手段は1次巻線と2次巻線の 数比と、検出した出力電圧と、スイッチン 素子への指令パルスのオンデューティから 演算で近似的に入力電圧を算出でき、よっ 、入力電圧を直に検出するための絶縁手段 不要になる。その結果、応答遅れの問題、 時変化、スペースの増大の問題が解消でき 。

 また、従来技術のように、アナログ信号( 線形信号)である電圧信号を伝達するのはフ トカプラでは困難であり、しかもフォトカ ラでは経時劣化の影響を顕著に受けてしま が、この発明では、2次側から1次側のスイッ チング回路に対してスイッチング素子のオン /オフタイミングを指令するためのパルス波 けを伝達できればよいのでその問題が解消 きる。すなわち、パルストランスを用いる 合でもフォトカプラを用いる場合でも、パ ス信号を伝達する場合には経時劣化の影響 受けにくい。

 また、従来技術のように1次側にディジタ ル制御回路を設けた場合、2次側との通信を うパルストランスやフォトカプラの数が多 なってしまうが、この発明によれば、パル トランスやフォトカプラの数を大幅に削減 きる。

(2)前記スイッチング回路をフルブリッジ回 路構成とすれば、入力電源電圧と出力電圧と の関係はほぼ比例関係にあるので、入力電源 電圧を高精度に求めることができる。

(3)前記絶縁手段は、ディジタル制御回路が 出力する制御パルス信号のみを1次側に伝達 きれば良いので、インダクタンス値の小さ パルストランスを用いることができ、小型 が図れる。

(4)前記絶縁手段は、ディジタル制御回路が 出力する制御パルス信号を1次側に伝達でき ば良いので、フォトカプラを用いても経時 化の影響を受けにくい。

(5)前記ディジタル制御回路が、前記出力端 子に接続される負荷回路との間で通信を行う ためのポートを有することにより、負荷回路 とは非絶縁状態で通信を行うことができ、応 答遅れなく制御が可能となる。

(6)前記ディジタル制御回路をDSPで構成する ことにより、スイッチング回路に対する制御 パルス信号を直接制御することができ、アナ ログ回路の回路定数のばらつき要素が入るこ となく、高精度なタイミング制御を行うこと ができる。

(7)入力電源電圧または出力電圧の値、電流 検出手段により検出された電流値、およびト ランスの1次巻線と2次巻線の巻数比を基にし 定電流制御を行う出力電流値が求められ、 電流保護手段は出力電流値が所定値以上と ったとき、定電圧制御から定電流制御へ制 を切り換え、保持手段は出力電流値が所定 以上になったことを検出した時点の入力電 電圧、出力電圧の値、入力電源電圧に対応 た過電流保護補正値のいずれかを保持する とによって、過電流保護状態になってから も入力電源電圧に応じた的確な過電流保護 行われる。

特許文献1に示されている絶縁型DC-DCコ バータの概略構成図である。 この発明の実施形態に係る絶縁型DC-DC ンバータの回路図である。 同絶縁型DC-DCコンバータの過電流保護 作の特性を示す図である。 同絶縁型DC-DCコンバータの制御回路の 理内容を示すフローチャートである。 同絶縁型DC-DCコンバータの制御回路の 電圧制御、定電流制御、および過電流保護 御を行うための処理内容を示すフローチャ トである。

符号の説明

 1-入力電源
 2-負荷回路
 10-制御回路
 100-絶縁型DC-DCコンバータ
 CT-カレントトランス
 SR-整流平滑回路
 SW-スイッチング回路
 T1-トランス
 T2-パルストランス
 T21,T22-出力端子

 図2はこの発明の実施形態に係る絶縁型DC- DCコンバータ100の回路図である。図2において 、トランスT1には1次巻線N1および2次巻線N21,N2 2を備えていて、1次巻線N1にはブリッジ接続 た4つのスイッチング素子QA,QB,QC,QDからなる イッチング回路SWおよびインダクタL1を接続 ている。入力電源1とスイッチング回路との 間にはコモンモードチョークコイルCHとバイ スコンデンサC1~C6からなるフィルタ回路お びカレントトランスCTを設けている。カレン トトランスCTの2次側には抵抗R3および整流ダ オードD3を接続して、1次側に流れる電流を 圧信号として取り出すようにしている。こ カレントトランスCTを備える回路がこの発 に係る「電流検出手段」に相当する。

 スイッチング回路SWの4つのスイッチング素 QA~QDには駆動回路11を接続している。この駆 動回路11がこの発明に係る「スイッチング制 手段」に相当する。
 トランスT1の2次巻線N21,N22には整流ダイオー ドD1,D2、インダクタL2およびキャパシタC7から なる整流平滑回路を設けている。この整流平 滑回路から出力端子T21,T22に出力電圧を出力 る。この出力端子T21-T22間には負荷回路2を接 続している。また、出力端子T21-T22の間には 抗R1,R2からなる出力電圧検出回路を設けてい る。
 ディジタル制御回路10はDSP(Digital Signal Proce ssor)で構成している。このディジタル制御回 10の動作は次の通りである。

 [制御パルス信号の出力]
 スイッチング回路SWに対する制御パルス信 をパルストランスT2に出力する。これにより 、駆動回路11はパルストランスT2を介して上 制御パルス信号を入力し、スイッチング回 SWの各スイッチング素子QA~QDを駆動する。

 駆動回路11はパルストランスT2の立ち上が りタイミングと立ち下がりタイミングを基に 、それを位相制御してスイッチング素子QA,QD 組とQB,QCの組を交互にオン/オフする。

 このようにパルストランスT2を用いてデ ジタル制御回路が出力する前記制御パルス 号を絶縁状態で1次側に伝達するようにした とにより、パルスしか伝達しないので、経 劣化の影響を受けにくいという効果を奏す 。

 [入力電源電圧の検知]
 トランスT1の1次巻線N1の巻数をN1,2次巻線N21, N22の巻数をそれぞれN2、出力電圧をVo、入力 源電圧をVin、スイッチング回路のオンデュ ティをDonで表せば、入力電源電圧は次の関 で求める。

 Vin=Vo(N1/N2)/Don  …(1)
 すなわち、このコンバータはフルブリッジ のコンバータであるので、入力電源電圧と 力電圧とは比例関係にあり、その比例係数 (1)式のとおりである。ディジタル制御回路1 0は、ディジタル制御回路10自身の制御によっ てスイッチング回路SWのオンデューティを定 ているのでオンデューティは既知であり、( 1)式の演算によって入力電源電圧を高精度に めることができる。

 図2に示した例では、ディジタル制御回路 10がアナログ信号である出力電圧検出信号を 力して内部でディジタルデータに変換する うにしたが、外部にA/Dコンバータを設けて 出力電圧のディジタル値を入力するように 成してもよい。

 (1)式では損失等を考慮していないが、実 にはトランスT1での損失等があるので、そ 損失等も考慮した補正演算を行えば、より 確な入力電源電圧が算出できる。

 なお、フルブリッジ回路以外にハーフブ ッジ回路やセンタータップ(プッシュプル) 路についても入力電源電圧と出力電圧との には比例関係が成り立つので、同様にして れぞれの回路形式に応じた比例係数で入力 源電圧を算出することができる。

 [2次側電流の検知]
 負荷回路2に流れる電流が大電流である場合 、それを直接検出することは実質上不可能で あることが多い。図2に示した回路では、カ ントトランスCTを用いて1次側に流れる電流 検出できるので、カレントトランスCTの2次 出力電圧を入力して、1次側に流れる電流を 出し、この1次側に流れる電流を基にして2 側に流れる電流を算出する。ここで、1次側 流れる電流の実効値をIin、2次側に流れる電 流の実効値をIo、で表し、損失を無視すれば
 Io=Iin(N1/N2)   …(2)
 の関係が成り立つ。

これらの演算によって出力電流Ioを求める

 [定電圧制御]
 抵抗R1,R2による出力電圧検出回路からの信 を基に出力電圧Voを検出するとともに、内部 でディジタルデータに変換し、その値が所定 値を保つようにスイッチング回路SWの各スイ チング素子QA~QDのオンデューティを制御す 。

 [定電流制御]
 前記「2次側電流の検知」によって求めた2 側に流れる電流Ioが所定の一定電流となるよ うにスイッチング回路SWの各スイッチング素 QA~QDのオンデューティを制御する。

 [負荷回路との通信]
 ディジタル制御回路10は、負荷回路2との間 データの通信または信号の入出力を行うた のポートを備えていて、例えば負荷回路(電 子機器)に対してコンバータの状態等を常に 信したり、負荷回路側の負荷状態等を受信 てスイッチング制御に反映したりする。

 [過電流保護]
 図3は図2に示した絶縁型DC-DCコンバータの過 電流保護特性を示す図である。出力電流Ioが 限値Icに達するまでは定電圧制御により出 電圧Voは所定の一定電圧Vcを保つ。
 出力電流Ioが上限値Icを超えようとしたとき 、定電流制御に移行して出力電圧Voを低下さ る。これにより図3に示すような垂下特性を 実現する。

 なお、図2に示した例ではディジタル制御 回路10が出力する制御パルス信号を絶縁状態 1次側に伝達する絶縁手段としてパルストラ ンスT2を用いたが、フォトカプラを用いて絶 してもよい。すなわち、ディジタル制御回 10が出力する制御パルス信号を絶縁状態で 達すれば良いので、フォトカプラを用いて 経時劣化の影響を殆ど受けることなく使用 きる。また、フォトカプラを用いればパル トランスに比べて省スペース化が図れると う効果を奏する。

 図4・図5はディジタル制御回路10の主たる制 御内容を示すフローチャートである。
 所定のサンプリング周期では図4(A)に示すよ うに、カレントトランスCTからの電圧をサン リングして入力電流Iinを求め、また出力電 検出回路からの出力電圧をサンプリングし 出力電圧Voを求める。

 また、図4(B)に示すように、スイッチング 回路SWのオンデューティDonが定まれば、スイ チング周波数の周期でオンデューティDonに じたタイミングでスイッチング素子QA~QDを イッチングするための制御パルス信号を出 する。

 図5は前記定電圧制御、定電流制御、およ び過電流保護制御を行うための処理手順を示 している。まず、前記(2)式に従って入力電流 Iinから出力電流Ioを算出する(S1)。この出力電 流Ioが予め定めた上限値Icを超えているか否 を判定し、超えていなければ、出力電圧Voが 予め定めた一定電圧Vcとなるためのオンデュ ティDonを決定する(S2→S3)。

 出力電流Ioが上限値Icを超えた場合には、 その時の出力電圧Voから入力電源電圧Vinを前 (1)式に基づいて算出する(S4)。そしてこの入 力電源電圧Vinを過電流保護開始直前の入力電 源電圧Vmとして記憶する(S4→S5)。その後、出 電流Ioが上限値Icとなるためのオンデューテ ィDonを決定する(S6)。すなわち過電流保護状 では出力電圧を制御しないので出力電圧Voが 変動しやすくなるため、それを基に入力電源 電圧Vinを安定的に求めることができない。そ こで、過電流保護を開始する直前の入力電源 電圧VinをデータVmとして保持し、入力電源電 はその値で変動しないものとして扱う。

 一般的にスイッチング電源回路は入力電 電圧の値がある所定値である時に電力変換 率が最大となるように設計されるため、入 電源電圧が該所定値から大きく外れた場合 は電力変換効率は通常悪化する。電力変換 率が低下すれば、負荷に対して同じ出力電 、同じ出力電流を得るのに必要な入力電流 増大する。よって、一般的に入力電源電圧 変動した場合、過電流保護回路の動作点(出 力電流が所定のしきい値に達したときに定電 流制御に切り換える点)が変動する場合があ 。よって、入力電源電圧が変動しても、過 流保護回路の動作点を一定にするため、入 電源電圧の値に応じた補正値をディジタル 御回路の内部に予め保持しておくという方 を採ってもよい。

 なお、算出して求めた入力電源電圧Vinを 憶するのではなく、過電流保護開始直前の 力電圧Vo(≒Vc)を記憶しておき、この記憶し 値を前記(1)式のVoに代入して入力電源電圧Vi nを求めるようにしてもよいし、入力電源電 に応じた過電流保護動作点の補正値を記憶 ておいても良い。