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Title:
INSULATING RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146908
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an insulating resin composition to be arranged on a base of a flexible printed wiring board, which contains a urethane (X), an epoxy resin (B) and a filler (C). This insulating resin composition is characterized in that the urethane (X) is a polyurethane-polyurea resin (A), a hydroxy group-containing urethane prepolymer (f), or a mixture of the polyurethane-polyurea resin (A) and the hydroxy group-containing urethane prepolymer (f). The polyurethane-polyurea resin (A) is obtained by reacting a polyamino compound (e) with an isocyanate group-containing urethane prepolymer (d) which is prepared by reacting a polyol compound (a),anorganic diisocyanate (b) and a carboxyl group-containing diol compound (c). The hydroxy group-containing urethane prepolymer (f) is obtained by reacting an polyol compound (a), an organic diisocyanate (b) and a carboxyl group-containing diol compound (c). The insulating resin composition is further characterized in that the filler (C) is an organic resin filler and the base is a thermoplastic resin base. This insulating resin composition exhibits good adhesion to the base as well as low warping property, flexural property, blocking resistance and flame retardancy.

Inventors:
ISHIKAWA TAKASHI (JP)
AZUMA HIROKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059998
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO INK MFG CO (JP)
ISHIKAWA TAKASHI (JP)
AZUMA HIROKO (JP)
International Classes:
H05K3/28; C08K5/20; C08L63/00; C08L75/04; H05K1/03
Domestic Patent References:
WO2007032463A12007-03-22
Foreign References:
JP2007119599A2007-05-17
JP2003133701A2003-05-09
JP2001179111A2001-07-03
Attorney, Agent or Firm:
MORITA, Kenichi et al. (5th Fl. Itabashi-chuo Bldg.,67-8, Itabashi 2-chom, Itabashi-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 ウレタン(X)とエポキシ樹脂(B)とフィラー(C)とを含み、フレキシブルプリント配線基板の基材上に設けるための絶縁性樹脂組成物であって、
前記ウレタン(X)が、
ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)及びカルボキシル基含有ジオール化合物(c)を反応させて調製したイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)とを反応させて調製したポリウレタンポリウレア樹脂(A)であるか、
ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)及びカルボキシル基含有ジオール化合物(c)を反応させて調製した水酸基含有ウレタンプレポリマー(f)であるか、あるいは、
前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記水酸基含有ウレタンプレポリマー(f)との混合物であり、
前記フィラー(C)が有機樹脂フィラーであり、そして
前記基材が、熱可塑性樹脂基材である
ことを特徴とする、前記絶縁性樹脂組成物。
 前記ウレタン(X)の合計重量100重量%に対し、エポキシ樹脂(B)3~200重量%を含有することを特徴とする請求項1記載の絶縁性樹脂組成物。
 前記ウレタン(X)及びエポキシ樹脂(B)の合計重量100重量%に対し、有機樹脂フィラー(C)0.1~200重量%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁性樹脂組成物。
 有機樹脂フィラー(C)が、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ウレタン樹脂系、及びベンゾグアナミン樹脂系からなる群から選ばれる少なくとも1種のフィラーであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の絶縁性樹脂組成物。
 ポリオール化合物(a)が、酸成分として少なくともテレフタル酸及び/又はイソフタル酸と、ジオールとを反応させて調製したポリエステルポリオールであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の絶縁性樹脂組成物。
 更に、融点が40℃以上180℃以下であるワックス(D)を含有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の絶縁性樹脂組成物。
 ワックス(D)が、N,N’-エチレン-ビス-ステアリルアミドであることを特徴とする、請求項6記載の絶縁性樹脂組成物。
 フレキシブルプリント配線基板の熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の表面上に設けられた導体層の上に設ける絶縁層が、請求項1~7のいずれか一項に記載の絶縁性樹脂組成物から形成されていることを特徴とする、フレキシブルプリント配線基板。
Description:
絶縁性樹脂組成物

 本発明は、プリント配線板の絶縁層とし 用いられる、絶縁性樹脂組成物に関する。 に詳しくは、熱可塑性樹脂を基材としたフ キシブルプリント配線基板等に用いられる 縁性樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用い 構成されるフレキシブルプリント配線基板 関する。

 近年ではプリント配線基板は、求められ 最終製品、環境、コストに伴い、様々な形 の物が用いられるようになっており、その 性も高機能化に伴い、高レベルのものが要 されている。その中でもフレキシブル基板 利用される用途は近年増加の傾向にあり、 種多様な製品に内包されるプリント配線基 は、ポリイミドを基材としたもの、ポリエ テルを基材としたもの等、その用途・性能 よって使い分けがなされている。

 一般的に、フレキシブル配線基板の構成 しては、基材層、導体層、絶縁層の順に積 したものが挙げられるが、近年の配線の高 度化により、前記絶縁層の上に更に導体層 設けたような多層構造化されたものもある この場合の導体層を被覆する絶縁層は、導 間を絶縁したり、導体自体を様々な環境か 守る等、プリント配線基板の一構成要素と て重要な機能を担っている。また前記絶縁 は、最終製品の燃焼時における安全上の観 より難燃性の機能が求められる場合が多い その他の特性として、高いフレキシブル性 絶縁信頼性、耐熱性などが求められる。

 例えば、ポリエチレンテレフタレートを基 とするフレキシブル基板用の絶縁材料には ロゲンを含む絶縁材料が用いられている(特 許文献1)。ハロゲンを含む絶縁材料は特に難 性が良好な材料であり、絶縁材料としての 性も優れているため、難燃性が求められる 縁材用途に於いて好ましく用いられている しかし近年では環境問題の見地より、難燃 材料はハロゲンを使用しない方向に推移し つあるが、現在のところハロゲンを使用せ に難燃性を満足し、その他の物性を両立す ような絶縁材料はない。

特開昭60-158273号公報

 本発明は、ハロゲン系の材料を用いずと 高い難燃性を発現し、且つフレキシブル性 基材への密着性、耐ブロッキング性等に優 たフレキシブルプリント配線基板用の絶縁 樹脂組成物、及びその組成物を用いたフレ シブルプリント配線基板を提供することを 的とする。

 本発明は、ウレタン(X)とエポキシ樹脂(B)と ィラー(C)とを含み、フレキシブルプリント 線基板の基材上に設けるための絶縁性樹脂 成物であって、
前記ウレタン(X)が、
ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート (b)及びカルボキシル基含有ジオール化合物(c) を反応させて調製したイソシアネート基含有 ウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合 物(e)とを反応させて調製したポリウレタンポ リウレア樹脂(A)であるか、
ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート (b)及びカルボキシル基含有ジオール化合物(c) を反応させて調製した水酸基含有ウレタンプ レポリマー(f)であるか、あるいは、
前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記水 酸基含有ウレタンプレポリマー(f)との混合物 であり、
前記フィラー(C)が有機樹脂フィラーであり、 そして
前記基材が、熱可塑性樹脂基材である
ことを特徴とする、前記絶縁性樹脂組成物に 関する。

 また、本発明は、前記ウレタン(X)の合計 量100重量%に対し、エポキシ樹脂(B)3~200重量% を含有することを特徴とする上記絶縁性樹脂 組成物に関する。

 また、本発明は、前記ウレタン(X)及びエ キシ樹脂(B)の合計重量100重量%に対し、有機 樹脂フィラー(C)0.1~200重量%を含有することを 徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。

 また、本発明は、有機樹脂フィラー(C)が 尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ウレタン樹 系、及びベンゾグアナミン樹脂系からなる から選ばれる少なくとも1種のフィラーであ ることを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に 関する。また、ポリオール化合物(a)が、酸成 分として少なくともテレフタル酸及び/又は ソフタル酸と、ジオールとを反応させて調 したポリエステルポリオールであることを 徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。

 また、更に、融点が40℃以上180℃以下であ ワックス(D)を含有することを特徴とする上 絶縁性樹脂組成物に関する。
 また、ワックス(D)が、N,N’-エチレン-ビス- テアリルアミドであることを特徴とする上 絶縁性樹脂組成物に関する。

 また、本発明は、フレキシブルプリント 線基板の熱可塑性樹脂基材の少なくとも一 の表面上に設けられた導体層の上に設ける 縁層が上記絶縁性樹脂組成物から形成され いることを特徴とする、フレキシブルプリ ト配線基板に関する。

 本発明により、ハロゲン含有材料を用い に高い難燃性を付与し、且つフレキシブル 、表面処理無しの基材への密着性を併せ持 、基材が熱可塑性樹脂であるフレキシブル リント配線基板用の絶縁性樹脂組成物の提 、又は前記した絶縁性樹脂組成物を用いた レキシブルプリント配線基板の提供が可能 なった。

 まず、本発明の絶縁性樹脂組成物につい 説明する。本発明の絶縁性樹脂組成物は、 記のとおり、特定ウレタン(X)とエポキシ樹 (B)と有機樹脂フィラー(C)とを含む。

 前記ウレタン(X)は、ポリウレタンポリウ ア樹脂(A)、ウレタンプレポリマー(f)、又は リウレタンポリウレア樹脂(A)とウレタンプ ポリマー(f)との混合物である。

 絶縁性樹脂組成物に、前記ウレタン(X)と て含まれるポリウレタンポリウレア樹脂(A) 、イソシアネート基を有するウレタンプレ リマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)と、必要 応じて反応停止剤とを反応させて得られる のである。前記イソシアネート基含有ウレ ンプレポリマー(d)は、ポリオール化合物(a) 、有機ジイソシアネート(b)と、カルボキシ 基を有するジオール化合物(c)とを反応させ 調製される。

 また、絶縁性樹脂組成物に、前記ウレタ (X)として含まれるウレタンプレポリマー(f) 、ポリオール化合物(a)と、有機ジイソシア ート(b)と、カルボキシル基を有するジオー 化合物(c)とを反応させ、末端に水酸基が存 する状態で得られる。

 ポリオール化合物(a)としては、一般にポ ウレタン樹脂を構成するポリオール成分と て知られている、各種のポリエーテルポリ ール類、ポリエステルポリオール類、ポリ ーボネートポリオール類、ポリブタジエン リコール類、又はこれらの混合物等が使用 きる。

 ポリエーテルポリオール類としては、酸 エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロ ランなどの重合体又は共重合体などが挙げ れる。

 ポリエステルポリオール類としては、エ レングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3 -プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4- ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、 ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジ ール、ヘキサンジオール、オクタンジオー 、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコ ル、トリエチレングリコール、ジプロピレ グリコール、又はダイマージオール等の飽 及び不飽和の低分子ジオール類、並びにn- チルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシル グリシジルエーテル類のアルキルグリシジル エーテル類、バーサティック酸グリシジルエ ステル等のモノカルボン酸グリシジルエステ ル類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル 酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、 コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸 、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、 又はセバシン酸等のジカルボン酸類、又はこ れらの無水物類を、脱水縮合して得られるポ リエステルポリオール類や、環状エステル化 合物を開環重合して得られるポリエステルポ リオール類が挙げられる。

 ポリカーボネートポリオール類としては 1)ジオール又はビスフェノールと炭酸エス ルとの反応物、及び、2)ジオール又はビスフ ェノールにアルカリの存在下でホスゲンとの 反応物が使用できる。炭酸エステルとしては 、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ ート、ジフェニルカーボネート、エチレンカ ーボネート、又はプロピレンカーボネート等 が挙げられる。また、ジオールとしては、エ チレングリコール、プロピレングリコール、 ジプロピレングリコール、ジエチレングリコ ール、トリエチレングリコール、ブチレング リコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2- メチル-1,8-オクタンジオール、3,3’-ジメチロ ールヘプタン、ポリオキシエチレングリコー ル、ポリオキシプロピレングリコール、プロ パンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタ ジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキ ンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサ 、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコ ール、オクタンジオール、ブチルエチルペン タンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオー 、シクロヘキサンジオール、3,9-ビス(1,1-ジ チル-2-ヒドロキシエチル、又は2,2,8,10-テト オキソスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げら る。また、ビスフェノールとしては、ビス ェノールAやビスフェノールF、若しくはビス フェノール類にエチレンオキサイド、若しく はプロピレンオキサイド等のアルキレンオキ サイドを付加させたビスフェノール類等が挙 げられる。

 上記ポリオール化合物(a)の数平均分子量( Mn)は、得られるポリウレタンポリウレア樹脂 (A)及び/又はウレタンプレポリマー(f)の耐熱 、機械特性、及び/又は溶解性等を考慮して 宜決定されるが、通常は500~8000の範囲が好 しく、更に好ましくは1000~5000である。Mnが500 未満になると、ポリウレタンポリウレア樹脂 (A)及び/又はウレタンプレポリマー(f)中のウ タン結合が多くなり過ぎ、ポリマー骨格の 軟性が低下して基材への接着性が低下する 向があり、またMnが8000を超えると、架橋点 分子量が大きくなり、耐熱性が低下する傾 がある。

 上記ポリオール化合物(a)は、単独で用い も、2種類以上併用してもよい。更に、ポリ ウレタンポリウレア樹脂(A)及び/又はウレタ プレポリマー(f)の性能が失われない範囲内 、上記ポリオール化合物(a)の一部として、 分子ジオール類、例えば前記ポリオール化 物の製造に用いられる各種低分子ジオール( 記ポリエステルポリオールやポリカーボネ トジオールの出発材料であるポリオール)を 使用することもできる。

 特に、上記ポリオール化合物(a)としてポ エステルポリオールを用いる場合において ジオールと反応させるジカルボン酸成分と て、分子構造中に芳香環を有するテレフタ 酸及び/又はイソフタル酸の含有量が多いポ リエステルポリオールを使用することにより 、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)及び/又は レタンプレポリマー(f)の強靱さとタック性 向上し、絶縁性樹脂組成物からなる塗膜層 硬度及びタック性が向上するために特に好 しい。

 更に、ジカルボン酸成分として、テレフ ル酸及び/又はイソフタル酸のみを使用して ジオールと反応させることによって調製した ポリエステルポリオールを用いることにより 、塗膜の折り曲げ性が飛躍的に向上するため に特に好ましい。

 有機ジイソシアネート化合物(b)としては 芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシ ネート、脂環族イソシアネート、又はこれ の混合物を使用できるが、特にイソホロン イソシアネートが好ましい。

 芳香族ジイソシアネートとしては、1,5-ナ フチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニ メタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル メチルメタンジイソシアネート、4,4’-ベン ジルイソシアネート、ジアルキルジフェニル メタンジイソシアネート、テトラアルキルジ フェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェ レンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイ シアネート、トリレンジイソシアネート、 はキシリレンジイソシアネート等が挙げら る。

 脂肪族ジイシシアネートとしては、ブタ -1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジ ソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチ ンジイソシアネート、又はリジンジイソシ ネート等が挙げられる。

 脂環族ジイソシアネートとしては、シク ヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロ ジイソシアネート、ノルボルナンジイソシ ナートメチル、ビス(4-イソシアネートシク ヘキシル)メタン、1,3-ビス(イソシアネート チル)シクロヘキサン、又はメチルシクロヘ サンジイソシアネート等が挙げられる。

 カルボキシル基を有するジオール化合物( c)としては、ジメチロール酢酸、ジメチロー プロピオン酸、ジメチロールブタン酸、又 ジメチロールペンタン酸等のジメチロール ルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、又はジ ドロキシ安息香酸が挙げられる。特に反応 、溶解性の点からジメチロールプロピオン 、又はジメチロールブタン酸が好ましい。

 ポリオール化合物(a)と有機ジイソシアネ ト(b)とカルボキシル基含有ジオール化合物( c)とを反応させ、イソシアネート基を有する レタンプレポリマー(d)を得る際の条件は、 ソシアネート基を過剰にする他に特に限定 ないが、イソシアネート基/水酸基の当量比 が1.05/1~3/1の範囲内であることが好ましい。 に好ましくは1.2/1~2/1である。また、反応は 常常温~150℃の間で行われ、更に製造時間、 反応の制御の面から好ましくは60~120℃の間 行われる。

 ポリオール化合物(a)と有機ジイソシアネ ト(b)とカルボキシル基含有ジオール化合物( c)とを反応させ、水酸基を有するウレタンプ ポリマー(f)を得る際の条件は、水酸基を過 にする他に特に限定はないが、イソシアネ ト基/水酸基の当量比が0.8/1~0.99/1の範囲内で あることが好ましい。また、反応は通常常温 ~150℃の間で行われ、更に製造時間、副反応 制御の面から好ましくは60~120℃の間で行わ る。

 ポリウレタンポリウレア樹脂(A)は、前記 とおり、イソシアネート基を有するウレタ プレポリマー(d)とポリアミノ化合物(e)とを 応させて得られる。

 ポリアミノ化合物(e)は、鎖延長剤として くものであり、エチレンジアミン、プロピ ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ チレントリアミン、トリエチレンテトラミ 、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシル タン-4,4’-ジアミン、又はノルボルナンジ ミンの他、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノ ル、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、 2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ- 2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、又は -2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等 水酸基を有するアミン類も使用することが きる。なかでも、イソホロンジアミンが好 に使用される。

 イソシアネート基を有するウレタンプレ リマー(d)とポリアミノ化合物(e)とを反応さ てポリウレタンポリウレア樹脂(A)を合成す ときに、得られるポリウレタンポリウレア 脂(A)の分子量を調整するために反応停止剤 併用することができる。反応停止剤として 、ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン 、ジエタノールアミン等のジアルカノール ミン類や、エタノール、又はイソプロピル ルコール等のアルコール類が使用できる。

 イソシアネート基を有するウレタンプレ リマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)と、必要 応じて反応停止剤とを反応させる際の条件 特に限定はないが、ウレタンプレポリマー( d)の両末端に存在する遊離のイソシアネート を1当量とした場合、ポリアミノ化合物(e)及 び反応停止剤中のアミノ基の合計当量が0.5~1. 3の範囲内であることが好ましい。更に好ま くは0.8~0.995の範囲内である。アミノ基の合 当量が0.5未満の場合、ポリウレタンウレア 脂(A)の分子量を十分に伸ばすことができな 。1.3より過剰になると、ポリアミノ化合物(e )及び反応停止剤が未反応のまま多量に残存 、絶縁性樹脂組成物中のエポキシ樹脂(B)と 反応アミノ基とが直接反応してしまうか、 しくは絶縁性樹脂組成物中において未反応 ミノ基が触媒活性を示し、絶縁性樹脂組成 の可使時間を低下させる。

 ポリウレタンポリウレア樹脂(A)の重量平 分子量(Mw)は、5000~200000の範囲が好ましい。

 水酸基を有するウレタンプレポリマー(f) 重量平均分子量(Mw)は5000~100000の範囲が好ま い。

 また、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)及 /又はウレタンプレポリマー(f)の酸価は、1~8 0mgKOH/gの範囲であることが好ましい。なお、 価とは、カルボキシル基による酸価であり ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、及び/又は ウレタンプレポリマー(f)の固形分に対するも のである。ポリウレタンポリウレア樹脂(A)及 び/又はウレタンプレポリマー(f)の酸価が1mgKO H/gより小さい場合、絶縁性樹脂組成物中に含 まれるエポキシ樹脂(B)との架橋が不十分にな り、硬化性が低下するとともにタック性が増 し、耐溶剤性が発現しないことがある。また 、酸価が80mgKOH/gより大きい場合、絶縁性樹脂 組成物中に含まれるエポキシ樹脂(B)と過度に 架橋して、被着体である基材への密着強度が 低下し、また硬化収縮により被着体の反りの 原因となる場合がある。またフレキシブル配 線基板の絶縁層とした場合の難燃性において 、前記絶縁材料が過度に架橋した場合には基 板のドリッピングを妨げることにより延焼が 進み、難燃性を低下させる場合があるために 好ましくない。

 ポリウレタンウレア樹脂(A)及び/又はウレ タンプレポリマー(f)の合成時には、エステル 系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル 系溶剤、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、アル コール系溶剤、カーボネート系溶剤、又は水 等から選ばれる一種を単独で、又は二種以上 を組み合わせて使用することができる。

 エステル系溶剤としては、酢酸エチル、 酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソ チル、酢酸アミル、又は乳酸エチル等が挙 られる。

 ケトン系溶剤としては、アセトン、メチ エチルケトン、メチルイソブチルケトンベ ゼン、ジイソブチルケトン、ジアセトンア コール、イソホロン、又はシクロヘキサン ン等が挙げられる。

 グリコールエーテル系溶剤としては、エ レングリコールモノエチルエーテル、エチ ングリコールモノイソプロピルエーテル、 チレングリコールモノブチルエーテル、又 これらモノエーテル類の酢酸エステル、ジ チレングリコールジメチルエーテル、ジエ レングリコールジエチルエーテル、ジエチ ングリコールモノエチルエーテル、ジエチ ングリコールモノブチルエーテル、プロピ ングリコールモノメチルエーテル、プロピ ングリコールモノエチルエーテル、又はこ らモノエーテル類の酢酸エステル等が挙げ れる。

 脂肪族系溶剤としては、n-ヘプタン、n-ヘ キサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ サン、又はエチルシクロヘキサン等が挙げら れる。

 芳香族系溶剤としては、トルエン、又は シレン等が挙げられる。

 アルコール系溶剤としては、メタノール エタノール、1-プロパノール、2-プロパノー ル、1-ブタノール、又はシクロヘキサノール が挙げられる。

 カーボネート系溶剤としては、ジメチル ーボネート、エチルメチルカーボネート、 はジ-n-ブチルカーボネート等が挙げられる

 また、本発明の絶縁性樹脂組成物に含ま るエポキシ樹脂(B)は、エポキシ基を有する 合物のことであり、液状であっても固形状 あってもよく、エポキシ樹脂(B)は特に限定 れるものではないが、1分子中に平均2個以 のエポキシ基を有するものを用いることが きる。

 エポキシ樹脂(B)としては、グリジシルエ テル型エポキシ樹脂、グリジシルアミン型 ポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキ 樹脂、又は環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹 などのエポキシ樹脂を用いることができる

 グリシジルエーテル型エポキシ樹脂とし は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス フェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー S型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポ シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ 脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂 ビフェニル・フェノール重合物のポリグリ ジルエーテル(日本化薬社製:NC-3000等)、ジシ ロペンタジエン・フェノール重合物のポリ リシジルエーテル(日本化薬社製:XD-1000等)、 α-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビ スフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂 ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビ ェニル型エポキシ樹脂、トリス(グリシジル キシフェニル)メタン、テトラキス(グリシ ルオキシフェニル)エタン等が挙げられる。

 グリシジルアミン型エポキシ樹脂として 、テトラグリシジルジアミノジフェニルメ ン、トリグリシジルパラアミノフェノール トリグリシジルメタアミノフェノール、又 テトラグリシジルメタキシリレンジアミン が挙げられる。

 グリシジルエステル型エポキシ樹脂とし は、ジグリシジルフタレート、ジグリシジ ヘキサヒドロフタレート、又はジグリシジ テトラヒドロフタレート等が挙げられる。

 環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂として 、エポキシシクロヘキシルメチル-エポキシ クロヘキサンカルボキシレート、又はビス( エポキシシクロヘキシル)アジペートなどが げられる。

 エポキシ樹脂は一種を単独で、若しくは 種以上を組み合わせて用いることができる

 エポキシ樹脂(B)としては、高接着性及び/ 又は耐熱性の点から、ビスフェノールA型エ キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ 樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹 、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン 、又はテトラキス(グリシジルオキシフェニ )エタンを用いることが好ましい。

 本発明の絶縁性樹脂組成物において、前 ウレタン(X)とエポキシ樹脂(B)との配合比率 、前記ウレタン(X)100重量部に対してエポキ 樹脂(B)3~200重量部であることが好ましく、5~ 100重量部であることがより好ましい。エポキ シ樹脂(B)の量が5重量部より少ないと、硬化 が低下し、タックが発生する場合がある。 ポキシ樹脂が(B)が200重量部より多いと、基 に対する接着性が低下する傾向がある。

 本発明の絶縁性樹脂組成物では、有機樹 フィラー(C)を含むことにより、従来既知の 燃剤を添加することなく、難燃性を向上さ ることができる。更に、流動性、タック性 及び/又は基材との密着性が同時に要求され る用途に適合させて、難燃性を向上させつつ 、それらの物性も、要求されるレベルに維持 ないし向上させることができる。また、これ ら有機樹脂フィラー(C)は、前記ウレタン(X)と エポキシ樹脂(B)とを組み合わせることで、公 知の絶縁性組成物において一般的に使用され てきたシリカ、タルク、又は体質顔料等の無 機系の充填剤と比較して、難燃性が飛躍的に 向上することを見いだした。この作用機構に ついては仮説の域を出ないが、燃焼時に無機 系の充填剤は燃焼せずに残るため、無機系の 充填剤の間に可燃性物が通りやすくなって燃 焼することなどが考えられる。

 有機樹脂フィラー(C)は、有機樹脂等から る粒子状のフィラーである。例えば、尿素 脂系フィラー、メラミン樹脂系フィラー、 レタン樹脂系フィラー、又はベンゾグアナ ン樹脂系フィラーを挙げることができる。 れらの有機樹脂フィラー(C)は、市販されて り、例えば、尿素樹脂系フィラーとしては ALBEMARLE社製の「PERGOPAKシリーズ」等が挙げ れる。またメラミン樹脂系フィラーとして 、日本触媒株式会社製の「エポスターM30」 が挙げられる。またウレタン樹脂系フィラ としては、根上工業株式会社製の「アート ールC-200、C-300、C-400、C-800」などの架橋ウレ タンビーズ等が挙げられる。また、ベンゾグ アナミン樹脂系フィラーとしては、日本触媒 株式会社製の「エポスターM05、MS」等が挙げ れる。フェノール樹脂系フィラーとしては 住友ベークライト社製「PR-RES-5」、昭和高 子社製「ショウノールPMB-1010」等が挙げられ る。アクリル樹脂系フィラーとしては、積水 化成品工業株式会社製の「テクポリマーMBXシ リーズ」等が挙げられる。また、スチレン樹 脂系フィラーとしては、積水化成品工業株式 会社製の「テクポリマーSBXシリーズ」等が挙 げられる。これら有機樹脂フィラー(C)は、単 量体を重合してなる有機樹脂からなる粒子状 のものであり、その樹脂の主鎖内及び/又は 鎖間において、架橋、非架橋何れの構造で っても難燃性の向上効果を発現することが きるが、架橋している構造である方が、耐 剤性が向上するために好ましい。これらの 機樹脂フィラー(C)は、単独若しくは混合し 用いることができる。

 有機樹脂フィラー(C)の平均粒径としては に限定はなく、最終的な用途の構成、要求 性に応じて選択することが可能であるが、 燃性を飛躍的に向上することから、分子構 中に窒素原子を有する有機樹脂フィラーを いることが好ましい。具体的には、ウレア 合を含む尿素樹脂系フィラー、ウレタン結 を含むウレタン樹脂系フィラー、アミノ化 物であるメラミン樹脂系フィラー又はベン グアナミン樹脂系フィラーを含むことが特 好ましい。

 有機樹脂フィラー(C)の配合量は、前記ウ タン(X)及びエポキシ樹脂(B)100重量部に対し 、0.1~200重量部であることが好ましい。0.1重 量部以下であると、難燃性の効果が発現しな い場合があり好ましくない。また、200重量部 を超える場合は、絶縁性組成物の流動性制御 が困難になる場合、又は屈曲性などの機械物 性が劣る場合があり好ましくない。難燃性の 効果と機械物性を両立して向上させるために 、3~30重量部であることがより好ましい。

 本発明の絶縁性樹脂組成物には、ポリウ タンポリウレア樹脂(A)及び/又はウレタンプ レポリマー(f)とエポキシ樹脂(B)との反応、エ ポキシ樹脂(B)同士の反応を促進させる目的で 硬化促進剤及び/又は硬化剤を含有させるこ ができる。エポキシ樹脂(B)の硬化促進剤と ては、3級アミン化合物、ホスフィン化合物 又はイミダゾール化合物等、硬化剤として 、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジ 、酸無水物等、脂肪族又は芳香族ジメチル レアなどのジアルキルウレア類が使用でき 。また、ウレタンプレポリマー(f)は水酸基 有するため、従来既知のイソシアネート、 はブロックイソシアネートにて架橋するこ が出来る。

 硬化促進剤として、3級アミン化合物では 、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミ ン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン-7、 は1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン-5等及びこ らの塩が挙げられる。またホスフィン化合 では、トリフェニルホスフィン、又はトリ チルホスフィン等が挙げられる。また、イ ダゾール化合物では、2-メチルイミダゾー 、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニ -4-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダ ゾール、又は2-フェニルイミダゾール等のイ ダゾール化合物、及びこれらイミダゾール 合物とエポキシ樹脂を反応させて溶剤に不 化したタイプ、又はイミダゾール化合物を イクロカプセルに封入したタイプ等の保存 定性を改良した潜在性硬化促進剤が好まし 。

 硬化剤として、カルボン酸ヒドラジドで 、コハク酸ヒドラジド、又はアジピン酸ヒ ラジド等が挙げられる。また、酸無水物で 、無水ヘキサヒドロフタル酸、又は無水ト メリット酸等が挙げられる。

 これらの硬化促進剤、硬化剤は、2種類以 上を併用してもよく、その添加量は、エポキ シ樹脂(B)100重量部に対して0.1~30重量部の範囲 が好ましい。

 本発明の絶縁性樹脂組成物には、基材に する接着性を劣化させない範囲で、樹脂、 ランカップリング剤、耐熱安定剤、色顔料 染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収 、消泡剤、及び/又はレベリング調整剤等を 配合することができる。

 耐熱安定剤を併用することで、より優れ 耐ハンダ性を付与するころができる。耐熱 定剤としては、ヒンダートフェノール系、 ン(ホスファイト)系、ラクトン系、ヒドロ シルアミン系、又はイオウ系等のものが使 できるが、特にヒンダートフェノール系の 熱安定剤が効果的である。

 本発明の絶縁性樹脂組成物は、更に、ワッ ス(D)を含有することにより、折り曲げ性、 着性、及び/又は難燃性等のレジスト物性を 維持しながら、高温及び高荷重がかかる場合 の耐ブロッキング性(表面タック性低減を目 とする)を大幅に向上させることを目的とす 。
 ワックス(D)の融点としては40℃以上180℃以 であることが、40度以上の温度条件下におけ る耐ブロッキング性を向上する点で特に好ま しい。このようなワックス(D)としては、N-ヒ ロキシエチル-12-ヒドロキシステアリルアミ ド、以下、N,N’-エチレン-ビス-オレイルアミ ド、N,N’-エチレン-ビス-リシノレイルアミド 、N,N’-エチレン-ビス-オクタデカジエニルア ミド、N,N’-エチレン-ビス-12-ヒドロキシステ アリルアミド、N,N’-エチレン-ビス-ステアリ ルアミド、N,N’-ヘキサメチレン-ビス-リシノ レイルアミド、N,N’-ヘキサメチレン-ビス-12- ヒドロキシステアリルアミド、又はN,N’-キ リレン-ビス-12-ヒドロキシステアリルアミド 等、アミド系のワックスが例示できるが、特 に80度以上の温度条件下において10kg/cm 2 以上の荷重をかけた場合の耐ブロッキング性 に優れるため、N,N’-エチレン-ビス-ステアリ ルアミドを用いることが好ましい。ワックス (D)の添加量としては、絶縁性樹脂組成物の固 形分に対し、0.1%以上10%以下であることが好 しい。0.1%未満であると耐ブロッキング性向 効果が発現しない場合があり、10%を超える 絶縁性樹脂組成物としての性能バランスを なう場合がある。

 本発明の絶縁性樹脂組成物は有機樹脂フ ラー(C)を含むため、飛躍的に向上した難燃 を発現するが、更に求める難燃性のレベル 応じて、従来既知の難燃剤を添加しても良 。難燃剤の種類として特にリン系のものに いては、ポリリン酸塩類、ホスフィン類、 はホスファゼン類等があげられる。ポリリ 酸塩の表面をメラミンにてコーティングし ものは、吸水性が低いために本発明の絶縁 用途において好ましい。また、ホスフィン 、ホスファゼン類は加水分解を受けにくい め、絶縁材用途において好ましい。ホスフ ン類は、公知のものが使用できるが、特に1 ,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビ ス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス (ジフェニルホスフィノ)ブタン、又は1,5-ビス (ジフェニルホスフィノ)ペンタン等は、その 造中に占めるリン原子の比率が高く、少量 添加で多くのリン原子を絶縁性樹脂組成物 に添加することができるために特に好まし 。

 本発明の絶縁性樹脂組成物には、耐ブロ キング性向上の点から、更に、耐ブロッキ グ剤として変性オルガノポリシロキサンを 有させることも好ましい。変性オルガノポ シロキサンは、例えば、ポリジメチルシロ サンのメチル基の一部を、ポリエーテル基 ポリエステル基、アルキル基、アラルキル 、及び/又はその他有機基で置換したもので あり、例えばビックケミー社製「BYK-306、BYK-3 10」、信越シリコーン社製「KF-410、X-22-4039」 チッソ社製「サイラプレーンFM-4411、FM-0411 、東レ・ダウコーニング社製「54ADDITIVE、8503 ADDITIVE」等が挙げられるが特に限定されない これらの中で、特に水酸基、カルボキシル 又はエポキシ基等の反応性官能基を有する 性オルガノポリシロキサンは、絶縁性樹脂 成物中の成分と反応し、塗膜表面上に化学 に固定されることにより、耐ブロッキング の持続性及び製造ラインの非汚染性に優れ ことから、より好ましい。このような反応 官能基を有する変性オルガノポリシロキサ としては、例えばビックケミー社製「BYK-370 、BYK-375、BYK-377」、信越シリコーン社製「KF-1 01、KF-6001、X-22-4741、X-22-3701E、X-22-4039、X-22-162 C、X-22-163C、X-22-4952、X-22-170BX、X-22-173DX」、チ ッソ社製「サイラプレーンFM-4411、FM-0411」等 挙げられる。

 本発明による絶縁性樹脂組成物からなる 縁層は、各種基材の少なくとも片面に、従 公知の方法、例えば、スクリーン印刷、ナ フコート、ダイコート、リップコート、ロ ルコート、カーテンコート、バーコート、 ラビア印刷、フレキソ印刷、ディップコー 、スプレーコート、又はスピンコート等で 記絶縁性樹脂組成物を塗布した後、通常40~1 60℃で乾燥することにより形成することがで る。また、絶縁層の乾燥膜厚は、十分な各 性能を発揮させるため、また取り扱い易さ 点から、5μm~500μmであることが好ましく、 に好ましくは10μm~100μmである。

 次に、本発明による絶縁性樹脂組成物を いたフレキシブルプリント配線基板につい 説明する。フレキシブルプリント配線基板 、可とう性、及び絶縁性のある熱可塑性樹 基材上に、導体パターンをプリント技術に って形成したフレキシブルプリント配線基 に、本発明の絶縁性樹脂組成物を絶縁層と て被覆し、乾燥、硬化して固着させたもの ある。従って、最もシンプルな構造のフレ シブルプリント配線基板では、熱可塑性樹 基材の少なくとも一方の表面上に導体層を し、その導体層の上に、本発明の絶縁性樹 組成物を絶縁層として有している。また、 レキシブルプリント配線基板としては、熱 塑性樹脂基材の少なくとも一方の表面上に 体層を有し、その導体層の上に、本発明の 縁性樹脂組成物を絶縁層として有し、その 縁層の上に導体層を積層した構造を有する ともできる。

 熱可塑性樹脂基材としては、UL94垂直燃焼 法による燃焼試験において、VTM-2のレベル以 であり、基材からドリップを生じる既知の 料を使用することができる。該基材として ポリエチレンテレフタレート、又はポリカ ボネートなどが例示できる。

 以下に、実施例により、本発明を更に詳 に説明するが、以下の実施例は本発明の権 範囲を何ら制限するものではない。なお、 施例における「部」及び「%」は、「重量部 」及び「重量%」を表す。

[合成例1]
 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、 び窒素導入管を備えた反応容器に、テレフ ル酸とアジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジ オールとから得られるポリエステルポリオー ル〔(株)クラレ製「クラレポリオールP-2011」 Mn=2011〕454.6部、ジメチロールブタン酸16.5部 、イソホロンジイソシアネート105.0部、及び ルエン140部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3 間反応させ、これにトルエン360部を加えて ソシアネート基を有するウレタンプレポリ ー溶液を得た。次に、イソホロンジアミン1 9.3部、ジ-n-ブチルアミン2.20部、2-プロパノー ル294.5部、及びトルエン335.5部の混合物に、 られたイソシアネート基を有するウレタン レポリマー溶液968.5部を添加し、50℃で3時間 続いて70℃で2時間反応させ、トルエン126部、 及び2-プロパノール54部で希釈し、Mw=57,000、 価=10mgKOH/gである、ポリウレタンポリウレア 脂の溶液A-1(固形分:30%)を得た。

[合成例2]
 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、 び窒素導入管を備えた反応容器に、テレフ ル酸とアジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジ オールとから得られるポリエステルポリオー ル〔(株)クラレ製「クラレポリオールP-2011」 Mn=2011〕345.3部、ジメチロールブタン酸10.7部 、イソホロンジイソシアネート51.1部、及び ルビトールアセテート94.5部を仕込み、窒素 囲気下90℃で3時間反応させ、反応生成物に ルビトールアセテート310.5部を加えて、Mw=30 ,000、酸価=10mgKOH/gである、水酸基を有するウ タンプレポリマー溶液f-1を得た(固形分:50.1% )。

[合成例3]
 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、 び窒素導入管を備えた反応容器に、イソフ ル酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとから 得られるポリエステルポリオール〔(株)クラ 製「クラレポリオールP-2030」、Mn=2033〕637.1 、ジメチロールブタン酸20.8部、イソホロン ジイソシアネート95.9部、及びカルビトール セテート162.5部を仕込み、窒素雰囲気下90℃ 3時間反応させ、反応生成物にカルビトール アセテート575部を加えて、Mw=30,000、酸価=10.5m gKOH/gである、水酸基を有するウレタンプレポ リマー溶液f-2を得た(固形分:50.5%)。

[合成例4]
 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、 び窒素導入管を備えた反応容器に、アジピ 酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとから得 られるポリエステルポリオール〔(株)クラレ 「クラレポリオールP-2010」〕637.1部、ジメ ロールブタン酸20.8部、イソホロンジイソシ ネート95.9部、及びカルビトールアセテート 162.5部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反 させ、反応生成物にカルビトールアセテー 575部を加えて、Mw=30,000、酸価=10.5mgKOH/gであ 、水酸基を有するウレタンプレポリマー溶 f-3を得た(固形分:50.5%)。

 なお、ポリウレタンポリウレア樹脂及び水 基含有ウレタンプレポリマーの重量平均分 量(Mw)は、GPC測定で求めたポリスチレン換算 の重量平均分子量であり、GPC測定条件は以下 のとおりである。
装置:Shodex GPC System-21〔昭和電工(株)製〕
カラム:Shodex KF-802、KF-803L、KF-805L〔昭和電工( 株)製〕の合計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
温度:40℃
試料濃度:0.2重量%
試料注入量:100μL

[実施例]
 表1及び表2に示す配合で、それぞれ実施例1~ 12、及び比較例1~5の絶縁性樹脂組成物を調製 た。上記組成物を、表面未処理ポリエチレ テレフタレートフィルム(東洋紡社製:E5100、 厚み75μm)上に、乾燥後の膜厚が10μmになるよ に片面に塗布し、80℃のオーブンにて30分間 乾燥し、更に150℃の熱風オーブンにて、1時 硬化させて評価試験片とした。

*1:JER1031S:テトラキス(グリシジルオキシフェ ル)エタン(ジャパンエポキシレジン(株)製、 ポキシ当量=180~220g/eq)
*2:尿素樹脂系フィラー:ALBEMARLE社製,PERGOPAK M5, 平均粒径(d50)=3.5~6.0μm
*3:架橋ウレタン樹脂フィラー:根上工業株式 社製,アートパールP-800T,平均粒径=7μm
*4:縮合型メラミン樹脂系フィラー:日本触媒 式会社製,エポスターM30,平均粒径=2.5~4.0μm
*5:縮合型ベンゾグアナミン樹脂系フィラー: 本触媒化学社製,エポスターM05,平均粒径=4~6μ m
*6:架橋アクリル樹脂系フィラー:積水化成品 業株式会社製,テクポリマーMBX-8,平均粒径=8μ m
*7:架橋スチレン樹脂系フィラー:積水化成品 業株式会社製,テクポリマーSBX-6,平均粒径=6μ m
*8:フェノール樹脂系フィラー:住友ベークラ ト社製 PR-RES-5
*9:無機フィラー(シリカ):NIPSIL SS-50F:東ソー・ シリカ株式会社製,平均粒径=1.2μm
*10:無機フィラー(シリカ):DEGUSSA社製,AEROSIL R81 2,平均粒径=7nm
*11:熱硬化剤:DICY-7:ジャパンエポキシレジン( )製,微粉砕ジシアンジアミド
*12:熱硬化剤:U-CAT SA102:サンアプロ社製,ジア ビシクロウンデセンのオクチル酸塩
*13:ブロックイソシアネート:MF-K60X:旭化成ケ カルズ株式会社製
*14:ワックス:N,N’-エチレン-ビス-ステアリル ミド

[評価項目]
・密着性の評価:JIS K5600に準拠し、マス数100( 10×10)の碁盤目テープ剥離試験を行った。テ プ剥離後に残ったマス数(最大100)/100で密着 を表す。
・反りの評価:評価試験片を5cm×5cmに切り出し 、25℃で40%の恒温恒湿環境下に24時間放置し 。試験片を平滑な台上に静置し、端面と台 の距離(mm)を測定した。

・耐ブロッキング性1:評価試験片の塗布面同 を合わせ、60℃で24時間、200g/cm 2 の加重をかけたのち、塗膜同士の剥離度合を 3段階で評価した。
 ○:全く貼りつき感無し(タック無)
 △:わずかに貼りつき感を感じる(タック微)
 ×:強く貼りつき感を感じる(タック大)

・耐ブロッキング性2:評価試験片の塗布面同 を合わせ、80℃で24時間、12kg/cm 2 の荷重をかけたのち、塗膜同士の剥離度合を 2段階で評価した。
 ○:塗膜間に凝集破壊なし
 ×:塗膜間で凝集破壊あり

・折り曲げ性1:評価試験片を、塗膜面を内 にして1回180度折り曲げ、塗膜の割れ等を視 覚的に確認した。

・折り曲げ性2:評価試験片の同一箇所に対 、塗膜面を内側にして1回、塗膜面を外側に して1回それぞれ180度折り曲げてこれを1セッ とし、計10セット繰り返し、塗膜の割れ等 視覚的に確認した。

・難燃性:UL94垂直燃焼法に基づき、燃焼試 を行った。試行は5サンプルについて実施し た。なお本評価においては、1回目の接炎後 消炎するまでに要した時間の平均値も測定 比較した。この場合、時間が短いほど難燃 が高いと考える。また、1回目の接炎後、消 せずに標線まで延焼したものについては、 1及び表2では、「難燃性評価」は「該当せ 」とし、更に、炎が標線までに達する時間 測定し比較した。この場合、延焼時間が長 方が燃焼の速度が遅く、難燃性が比較的良 であると考える。

表1及び表2に示した評価結果より、実施例 あげた絶縁性樹脂組成物は、優れた密着性 反り、耐ブロッキング性、折り曲げ性を有 、難燃剤を添加しない配合であっても優れ 難燃性を発現するものであり、フレキシブ 配線基板用の絶縁材料としての重要な項目 満たすものであった。なお、フレキシブル 線基板の使用態様によっては、耐ブロッキ グ性・フレキシブル性を問わない用途(例え ばコネクタ部分)もあるが、その場合におい も必要な難燃性は満たしている。従って実 例にあげた絶縁性樹脂組成物は該用途にお ても好適に利用することができる。一方、 較例にあげた組成物は、難燃性の点で明確 劣る傾向を示し、フレキシブル配線基板用 絶縁材料として利用することは難しい。

 本発明による絶縁性樹脂組成物は、フレキ ブルプリント配線基板の熱可塑性樹脂基材 少なくとも一方の表面上に設けられる導体 の上に設ける絶縁層の形成に用いることが きる。前記絶縁性樹脂組成物は、基材に対 る接着性と、低反り性、折り曲げ性、耐ブ ッキング性、及び難燃性を併せ持つ。
 以上、本発明を特定の態様に沿って説明し が、当業者に自明の変形や改良は本発明の 囲に含まれる。