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Title:
GREASE COMPOSITION FOR CONSTANT-VELOCITY JOINT AND CONSTANT-VELOCITY JOINT HERMETICALLY FILLED THEREWITH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146909
Kind Code:
A1
Abstract:
A grease composition for constant-velocity joint that is inexpensive and is improved in flaking resistance without the use of environment load substances; and a constant-velocity joint hermetically filled with the same. There is disclosed a grease composition for constant-velocity joint comprising: (a) a base oil, (b) a diurea thickening agent, (c) a zinc dialkyldithiophosphate, (d) a molybdenum dialkyldithiocarbamate sulfide, (e) a zinc dialkyldithiocarbamate, and (e) a sulfur-nitrogen extreme pressure additive. Further, there is disclosed a constant-velocity joint hermetically filled with the same.

Inventors:
NAGUMO DAIGO (JP)
OHNUKI YUJI (JP)
KONDO SHINYA (JP)
TOMOGAMI SHIN (JP)
TAKABE SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060002
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYODO YUSHI (JP)
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
NAGUMO DAIGO (JP)
OHNUKI YUJI (JP)
KONDO SHINYA (JP)
TOMOGAMI SHIN (JP)
TAKABE SHINICHI (JP)
International Classes:
C10M169/00; F16D3/20; C10M115/08; C10M135/00; C10M135/18; C10M137/10; C10N30/00; C10N30/06; C10N40/04
Foreign References:
JPH0987649A1997-03-31
JP2001520301A2001-10-30
JP2004204218A2004-07-22
JP2915611B21999-07-05
JP2989311B21999-12-13
Other References:
See also references of EP 2169036A4
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg.3-1, Marunouchi 3-chome,Chiyoda-k, Tokyo 55, JP)
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Claims:
 下記の成分(a)~(f)を含有する等速ジョイント用グリース組成物。
(a)基油、
(b)ジウレア系増ちょう剤、
(c)ジアルキルジチオリン酸亜鉛、
(d)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、
(e)ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、及び
(f)硫黄-窒素系極圧添加剤。
 請求項1記載の等速ジョイント用グリース組成物を封入した等速ジョイント。
Description:
等速ジョイント用グリース組成 及びそれを封入した等速ジョイント

 本発明は、等速ジョイント用グリース組 物及びそれを封入した等速ジョイントに関 、特にスライド型等速ジョイント又は固定 等速ジョイントに使用するのに好適な等速 ョイント用グリース組成物、及びそのグリ ス組成物を封入した等速ジョイントに関す 。

 今日、自動車産業界においては、軽量化及 居住空間の確保の観点から、FF車の生産が 加している。また、その機能性の観点から4W D車の生産も増加している。これらのFF車及び 4WD車では、前輪で動力の伝達と操舵を行う為 、例えば、ハンドルを一杯に切った状態にお いても円滑な動力伝達が必要である。このた め、FF車及び4WD車においては、交差する二軸 交差角が種々変化しても回転運動を等速で 達する部品として、等速ジョイントは不可 である。
 この等速ジョイントの中でも、ボールタイ の等速ジョイントはボールが転動体として ルクを伝達する構造を有しており、これは 転時に高面圧下で複雑な転がりすべり運動 より、ボール及びボールと接触する金属表 に繰り返し応力が加わることで、フレーキ グが発生することがある。
 また、最近のエンジンの高出力化により、 速ジョイントの使用条件が更に過酷になっ きていることから、外輪、内輪の転動面や ールのフレーキング発生がさらに加速され 傾向にあり、耐フレーキング性の向上が望 れる。

 上記問題点を解決するための等速ジョイン 用グリース組成物としては、例えば基油、 レア系増ちょう剤、硫化ジアルキルジチオ ルバミン酸モリブデン、二硫化モリブデン ジチオリン酸亜鉛化合物、1種または2種以 の植物油脂よりなる油性剤を含む等速ジョ ント用グリース組成物が知られている(例え 特許文献1参照)。しかしながら、これらの 来のグリース組成物では、耐フレーキング は必ずしも十分とはいえない。
 また、基油、ジウレア系増ちょう剤、硫化 アルキルジチオカルバミン酸モリブデン、 チオリン酸亜鉛化合物、金属元素を含まな 硫黄-リン系極圧添加剤、ジアルキルジチオ リン酸鉛を含む等速ジョイント用グリース組 成物が知られている(例えば特許文献2参照)。 このグリース組成物は、優れた耐フレーキン グ性を示すが、重金属である鉛を含有してい るため、地球環境保護と安全性の面から望ま しくない。

特許第2915611号

特許第2989311号

 上記の二硫化モリブデンを使用した場合、 定の耐フレーキング性は得られるが、近年 モリブデンの高騰から、得られたグリース 高価であり汎用性に欠ける。
 また、ジアルキルジチオリン酸鉛を用いる とにより優れた耐フレーキング性は得られ が、鉛を含有しているため、地球環境保護 安全性の面から望ましくない。
 従って、本発明の目的は、安価でかつ環境 荷物質を使用することなしに耐フレーキン 性が向上された等速ジョイント用グリース 成物を提供することである。
 本発明の他の目的は、上記グリース組成物 封入した等速ジョイントを提供することで る。

 本発明者は、上記の耐フレーキング性が向 された等速ジョイント用グリース組成物を 発するために、耐フレーキング性の特性評 を摩擦摩耗試験機として知られるSRV試験機 用いて行った。その結果、等速ジョイント 耐フレーキング性と、SRV試験機で測定した 定の条件下のボールとプレートの摩耗状態 摩擦係数に特別な関係があることを見出し 。さらに、本発明者は基グリースにウレア リースを用いて、各種極圧剤等の様々な組 せによって上述の関係を検討した。
 その結果、本発明者はジウレア系増ちょう 、基油、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫 ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、及び 黄-窒素系極圧添加剤を含有するグリース組 成物が、耐摩耗性、低摩擦性に非常に優れる ことを見出した。さらに、実際の等速ジョイ ントを用いた耐久試験においても、従来の等 速ジョイント用グリース組成物に比べ、安価 でかつ環境負荷物質を使用することなしに耐 フレーキング性を向上できることを見出した 。

 本発明は、上記知見に基づいてなされたも で、下記の等速ジョイント用グリース組成 及びこれを封入した等速ジョイントを提供 るものである。
1.下記の成分(a)~(f)を含有する等速ジョイント 用グリース組成物。
(a)基油、
(b)ジウレア系増ちょう剤、
(c)ジアルキルジチオリン酸亜鉛、
(d)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブ デン、
(e)ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、及び
(f)硫黄-窒素系極圧添加剤。
2.上記1記載の等速ジョイント用グリース組成 物を封入した等速ジョイント。

 本発明の等速ジョイント用グリース組成 は、安価でかつ環境負荷物質を使用するこ なしに、従来の等速ジョイント用グリース 成物に比べ、耐フレーキング性を向上でき 。

 本発明に使用する成分(a)の基油としては、 フテン系、パラフィン系に代表される鉱物 、ポリブテンに代表される合成炭化水素油 アルキルジフェニルエーテルに代表される ーテル系合成油、シリコーン油、フッ素化 などの各種合成油が挙げられる。
 これらは単独でも2種以上を混合してもよい が、価格の面から鉱物油を単独で用いるのが 特に好ましい。
 特に好ましい基油は、100℃で10mm 2 /s以上の動粘度を有するものである。

 本発明に使用する成分(b)のジウレア系増ち う剤は、所定のジイソシアネートと、所定 モノアミンとを反応させることにより得る とができる。
 成分(b)のジウレア系増ちょう剤としては下 一般式(1)で表されるものが好ましい。
R 1 NH-CO-NH-C 6 H 4 -p-CH 2 -C 6 H 4 -p-NH-CO-NHR 1″ (1)(式中、R 1 及びR 1″ は独立して炭素数8~20、好ましくは炭素数8~18 アルキル基、炭素数6~12、好ましくは炭素数 6~7のアリール基、又は炭素数6~12、好ましく 炭素数6~7のシクロアルキル基である。)
 ジイソシアネートの好ましい具体例は、ジ ェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ト レンジイソシアネートである。
 モノアミンとしては、脂肪族系アミン、芳 族系アミン、脂環式アミン又はこれらの混 物が挙げられる。

 脂肪族アミンの具体例としては、オクチル ミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ 、オクタデシルアミン及びオレイルアミン 挙げられる。
 芳香族アミンの具体例としては、アニリン びp-トルイジンが挙げられる。
 脂環式アミンの具体例としては、シクロヘ シルアミンが挙げられる。
 上述したモノアミンのうち、オクチルアミ 、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、 はこれらの混合物を用いて得られる成分(b) 脂肪族ジウレア系増ちょう剤が特に好まし 。
 本発明のグリース組成物中の成分(b)のジウ ア系増ちょう剤の含有量は、必要なちょう を得るのに適切な量であれば良く、通常は グリース組成物の全質量に対して、好まし は1~25質量%、さらに好ましくは、2~20質量%で ある。ジウレア系増ちょう剤の含有量が25質 %を超えると、得られたグリース組成物が硬 くなり過ぎ、所期の効果が得られにくくなる 。

 本発明に使用する成分(c)のジアルキルジチ リン酸亜鉛は下記一般式(2)で表されるもの 好ましい。
[(R 2 O) 2 SP-S] 2 -Zn     (2)
 (式中、R 2 は一級または二級の炭素数1~24のアルキル基 たは炭素数6~30のアリール基である。特に好 しくは炭素数3~8の一級または二級のアルキ 基である。)
 本発明のグリース組成物の成分(c)の含有量 、好ましくは0.1~10質量%、さらに好ましくは 0.1~5質量%である。0.1質量%未満では効果が不 分な傾向があり、また10質量%を超えてもさ なる効果の向上は認められない。

 本発明に使用する成分(d)の硫化ジアルキル チオカルバミン酸モリブデンは下記一般式( 3)で表されるものが好ましい。
[R 3 2 N-CS-S] 2 -Mo 2 O m S n     (3)
 (式中、R 3 は一級または二級の炭素数1~24、好ましくは 素数3~18のアルキル基であり、mは0~3、nは1~4 あり、m+n=4である。)
 本発明のグリース組成物中の成分(d)の含有 は、好ましくは0.1~10質量%、さらに好ましく は0.1~5質量%である。0.1質量%未満では効果が 十分な傾向があり、また10質量%を超えても らなる効果の向上は認められない。

 本発明に使用する成分(e)のジアルキルジチ カルバミン酸亜鉛は下記一般式(4)で表され ものが好ましい。
[R 4 2 N-CS-S] 2 -Zn    (4)
 (式中、R 4 は一級または二級の炭素数1~24のアルキル基 たは炭素数6~30のアリール基である。特に好 しくは炭素数3~8の一級または二級のアルキ 基である。)
 本発明のグリース組成物中の成分(e)の含有 は、好ましくは0.1~5質量%、さらに好ましく 1~5質量%である。0.1質量%未満では効果が不 分な傾向があり、また5質量%を超えてもさら なる効果の向上は認められない。

 本発明に使用する成分(f)の硫黄-窒素系極圧 添加剤としては、硫黄分5~20%質量%、窒素分1~1 0質量%のものが好ましい。
 本発明のグリース組成物の成分(f)の含有量 、好ましくは0.05~3質量%である。0.05質量%未 では効果が不十分な傾向があり、また3質量 %を超えてもさらなる効果の向上は認められ い。

 本発明のグリース組成物には、上記成分に えて、他の極圧添加剤、酸化防止剤、錆止 剤、防食剤等、通常グリース組成物に使用 れる添加剤を含有させることができる。
 本発明の等速ジョイント用グリース組成物 、所望の配合割合で、成分(a)~成分(f)を必須 成分として用い、場合により上記種々の添加 剤を任意成分として用いることにより、容易 に製造することができる。例えば、成分(a)と 成分(b)とを混合して、予めベースとなるウレ アグリースを製造しておき、これに成分(c)~(f )を適宜添加することにより行うことができ 。

 本発明の等速ジョイント用グリース組成 は、例えば、JIS K2220 5.3により測定される ょう度が265~385であるのが好ましく、より好 ましくは285~340である。このようなちょう度 調整は、上記(b)成分の量を調整することに り容易に行うことができる。

 本発明の等速ジョイント用グリース組成物 、等速ジョイントであればなんら制限なく いることができるが、スライド型等速ジョ ント、例えばダブルオフセット型等速ジョ ント、トリポード型等速ジョイントに用い 場合には、その効果の発現が特に顕著であ 。
 また、本発明の等速ジョイント用グリース 成物は、固定型等速ジョイント、例えばツ ッパ型等速ジョイントに対してもその効果 発現が顕著である。
 従って、上記のグリース組成物を封入した 々の等速ジョイントもまた本発明の範囲内 ある。

<グリース組成物の調製>
(a)鉱物油(100℃で13.2mm 2 /sの動粘度を有するもの)4000g中で、ジフェニ メタン-4,4’-ジイソシアネート250g(1モル)、 クチルアミン258g(2モル)を反応させ、生成し た(b)ジウレア系化合物を均一に分散させてベ ースグリースを得た。
 このベースグリースに表1に示す配合で添加 剤を加え、適宜(a)鉱物油をさらに加えながら 、三段ロールミルにて、JISちょう度No.1グレ ド(310~340)に調整した。

※1)ジアルキルジチオリン酸亜鉛
※2)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリ デン
※3)ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
※4)ヘテロサイクリック硫黄窒素化合物
※5)転動体であるボールを8個有するスライド 型等速ジョイント
※6)転動体であるボールを8個有する固定型等 速ジョイント
※7)転動体であるローラを有するスライド型 リポード式等速ジョイント

<SRV試験>
 上記実施例1~3及び比較例1~7の各グリース組 物について、SRV摩擦摩耗試験によりボール 摩耗痕の大きさ、摩擦係数を読み取り、耐 耗性、低摩擦性の評価を行った。
試験方法、試験条件はASTM D5707に準ずる。
 実用的な観点から、摩耗痕の大きさは0.60mm 下、摩擦係数は0.065以下であることが必要 ある。
<耐フレーキング性>
 上記実施例1~3及び比較例1~7の各グリース組 物を、実ジョイント(転動体であるボールを 8個有するスライド型、及び固定型等速ジョ ント、及び転動体であるローラを有するス イド型トリポード式等速ジョイント)に封入 、これを用いて下記条件によりジョイント 久試験を実施し、フレーキングの発生時間 評価した。
・測定条件
  回転数 : 200rpm
  トルク : 1000N・m
  角度  : 6°
・評価方法と評価基準
 ジョイント各部(外輪、内輪(又はトラニオ )、ケージ、ボール(又はローラ))のフレーキ グの発生時間
  ○: 500h以上
  ×: 500h未満

 結果を表1に示す。
 成分(a)~(f)を含む本発明の実施例1~3の等速ジ ョイント用グリース組成物は、摩耗痕の大き さが0.60mm以下、摩擦係数が0.065以下、ジョイ ト各部のフレーキングの発生時間は500時間 上であり、安価でかつ環境負荷物質を使用 ることなしに耐フレーキング性を向上でき ことがわかる。
 これに対して、成分(d)~(f)を含まない比較例 1、成分(c)、(e)及び(f)を含まない比較例2、成 (e)及び(f)を含まない比較例3、成分(c)を含ま ない比較例4、成分(d)を含まない比較例5、成 (e)を含まない比較例6の等速ジョイント用グ リース組成物は、摩耗痕の大きさがいずれも 0.60mm超であった。また、摩擦係数はすべて0.0 65超であった。ジョイント各部のフレーキン の発生時間は比較例1~7のすべてにおいて500 間未満であり、耐フレーキング性を向上で ないことがわかる。




 
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