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Title:
INTERNAL COMBUSTION ENGINE CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063760
Kind Code:
A1
Abstract:
An internal combustion engine controller enabling reliable prevention of deterioration of the fuel reforming catalyst. The controller comprises EGR passages (32, 36), a reforming fuel injector (34) for injecting a reforming fuel into an EGR gas, and a fuel reforming catalyst (26). The fuel reforming catalyst (26) receives heat of the exhaust gas passing through the exhaust passage (28) and helps the reforming reaction between an EGR gas and a reforming fuel to change the EGR gas and the reforming fuel to a reformed gas containing a combustible gas. When judging that the engine is in an operation condition sudden change state, an ECU (50) reduces the amount of fuel injected from the reforming fuel injector (34) or inhibits the injection. With this, adhesion of fuel to the fuel reforming catalyst (26) and inflow of oxygen are prevented, and oxidation reaction (combustion) of the fuel at the fuel reforming catalyst (26) is avoided.

Inventors:
YAHAGI HIDEO (JP)
NAKADA ISAMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069908
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
YAHAGI HIDEO (JP)
NAKADA ISAMU (JP)
International Classes:
F02M27/02; F02M25/07
Foreign References:
JP2006291901A2006-10-26
JP2006029296A2006-02-02
JP2002161735A2002-06-07
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Hideki et al. (Takahashi & Partners5th Floor, Intec 88 Bldg.,20, Araki-ch, Shinjuku-ku Tokyo 07, JP)
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Claims:
 内燃機関の排気通路から取り出したEGRガスを吸気通路に還流させるEGR通路と、
 前記EGRガス中に改質用燃料を噴射する改質用燃料噴射手段と、
 前記EGR通路の途中であって前記改質用燃料噴射手段の下流側に配置され、前記EGRガスと前記改質用燃料とを改質反応させることにより、前記EGRガスおよび前記改質用燃料を、可燃ガスを含む改質ガスに転換する燃料改質触媒と、
 前記改質反応に要する熱を前記燃料改質触媒に供給する熱供給手段と、
 前記内燃機関の運転条件を表す所定の運転条件パラメータの変化速度を取得する運転条件パラメータ変化速度取得手段と、
 前記運転条件パラメータの変化速度が所定の閾値より大きい場合に運転条件急変状態と判定する急変判定手段と、
 運転条件急変状態であると判定された場合に、運転条件急変状態でないと判定された場合に比して、前記改質用燃料噴射手段の燃料噴射量を減量する改質用燃料噴射制限手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
 前記改質用燃料噴射制限手段は、運転条件急変状態であると判定された場合に、前記改質用燃料噴射手段による燃料噴射を禁止することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
 前記閾値は、前記燃料改質触媒において燃料の酸化反応が生ずることを抑制可能な値として設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
 前記内燃機関の筒内または吸気ポート内に燃料を噴射する主燃料噴射手段と、
 所定条件の成立時に前記主燃料噴射手段からの燃料噴射を停止する燃料カットを実行する燃料カット手段と、
 前記改質用燃料噴射手段により燃料を供給しつつ前記改質ガスを前記吸気通路に還流させる改質運転と、前記改質用燃料噴射手段から燃料を噴射しない非改質運転とを切り換える運転切換手段と、
 前記改質運転の実行時に、前記燃料カットを禁止する燃料カット禁止手段と、
 を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
 EGR率を調整するEGR率調整手段と、
 前記改質用燃料噴射制限手段により前記改質用燃料噴射手段の燃料噴射が制限された場合に、EGR率を低下させるEGR制限手段と、
 を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
 前記熱供給手段は、前記内燃機関の排気ガスの熱を前記燃料改質触媒に伝熱させる熱交換器で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
Description:
内燃機関の制御装置

 本発明は、内燃機関の制御装置に関する

 従来より、燃料改質を利用して排気熱を 収することにより燃費性能の向上を図る内 機関システムが知られている。このような ステム(以下「熱回収型改質システム」と称 する)では、EGR通路の途中に燃料改質触媒を け、EGRガスとともに燃料を燃料改質触媒に 給する。燃料改質触媒は、排気ガスの熱を 用して、燃料とEGRガスとを改質反応させる とにより、水素、一酸化炭素等の可燃ガス 含む改質ガスを生成させる。上記の改質反 は排気ガスの熱を吸熱する反応である。こ ため、生成された可燃ガスの熱量は、改質 の燃料の熱量よりも大きい。よって、内燃 関の熱効率を向上することができる。

 日本特開2006-105011号公報には、上述した うな熱回収型改質システムが開示されてい 。同公報のシステムにおいて、筒内に流入 せるべき可燃ガス量は、内燃機関の運転状 に基づいて決定される。よって、過渡運転 には、要求可燃ガス量が増大する場合があ 。可燃ガス量を増大させるには、改質用燃 の噴射量を増加させるとともに、EGR弁開度 増大させる必要がある。しかしながら、添 された改質用燃料が改質反応を経て可燃ガ に転換されるまでには、遅れがある。同公 では、上記の遅れを見込んで、改質用燃料 噴射量を増加させた後、EGR弁開度を遅れて 大させるようにしている。

日本特開2006-105011号公報

日本特許第2936970号公報

日本特開2006-291775号公報

日本特開2006-299831号公報

 前述したように、上記公報に記載されて る熱回収型改質システムでは、過渡運転状 においても、燃料改質を伴う改質運転を実 するようにしている。しかしながら、以下 述べるように、運転条件の変化が急激であ 場合に改質運転を実行すると、次のような 題が生ずるおそれがある。

 燃料改質触媒で改質反応処理可能な燃料 の上限は、EGR流量や燃料改質触媒の温度な によって変化する。このため、運転条件の 変により排気圧力や排気ガス温度が急激に 動する状態では、EGR流量や燃料改質触媒の 度も急激に変動するので、改質反応処理可 な燃料量も急激に変動する。このため、燃 改質触媒に供給される燃料量が過不足にな 易い。そして、燃料改質触媒に供給される 料量が過多となった場合には、燃料改質触 に燃料が付着して残存してしまう。この付 燃料が後に酸素と反応して燃焼すると、燃 改質触媒が異常な高温となり、触媒性能の 化や触媒担体の熱破壊などを生じるおそれ ある。

 また、噴射された改質用燃料が改質反応 経て可燃ガスに転換し、EGR通路を経て筒内 流入するまでには、時間遅れがある。この め、運転条件の急変に伴って要求可燃ガス が急変すると、筒内に実際に流入する可燃 ス量が要求可燃ガス量の変動に追従しきれ くなる。このため、空燃比の制御誤差が大 くなり易い。更に、運転条件が急変すると 燃料改質触媒に供給される燃料量の過不足 よって改質ガス中の可燃ガス濃度が変動し いとともに、排気圧力や排気ガス温度が変 するために、EGR弁開度が同じであっても吸 通路に流入する改質ガス流量が変化する。 って、筒内に流入する可燃ガス量の制御が めて困難となる。この理由からも、空燃比 制御誤差が大きくなり易い。このようなこ から、運転条件が急変するときに改質運転 実行すると、適正な空燃比が実現できず、 ライバビリティやエミッションが悪化し易 。そして、空燃比がリーン側にずれた場合 あるいは燃料カットが実行された場合には 酸素を含むガスがEGRガスとして燃料改質触 に流入する。その結果、前述したように、 料改質触媒の付着燃料と酸素が燃焼反応し 、燃料改質触媒が異常な高温となり、燃料 質触媒がダメージを受けるおそれがある。

 本発明は、上記の点に鑑みてなされたも で、燃料改質触媒の劣化を確実に抑制する とのできる内燃機関の制御装置を提供する とを目的とする。

 第1の発明は、上記の目的を達成するため、 内燃機関の制御装置であって、
 内燃機関の排気通路から取り出したEGRガス 吸気通路に還流させるEGR通路と、
 前記EGRガス中に改質用燃料を噴射する改質 燃料噴射手段と、
 前記EGR通路の途中であって前記改質用燃料 射手段の下流側に配置され、前記EGRガスと 記改質用燃料とを改質反応させることによ 、前記EGRガスおよび前記改質用燃料を、可 ガスを含む改質ガスに転換する燃料改質触 と、
 前記改質反応に要する熱を前記燃料改質触 に供給する熱供給手段と、
 前記内燃機関の運転条件を表す所定の運転 件パラメータの変化速度を取得する運転条 パラメータ変化速度取得手段と、
 前記運転条件パラメータの変化速度が所定 閾値より大きい場合に運転条件急変状態と 定する急変判定手段と、
 運転条件急変状態であると判定された場合 、運転条件急変状態でないと判定された場 に比して、前記改質用燃料噴射手段の燃料 射量を減量する改質用燃料噴射制限手段と
 を備えることを特徴とする。

 また、第2の発明は、第1の発明において、
 前記改質用燃料噴射制限手段は、運転条件 変状態であると判定された場合に、前記改 用燃料噴射手段による燃料噴射を禁止する とを特徴とする。

 また、第3の発明は、第1または第2の発明に いて、
 前記閾値は、前記燃料改質触媒において燃 の酸化反応が生ずることを抑制可能な値と て設定されていることを特徴とする。

 また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何 かにおいて、
 前記内燃機関の筒内または吸気ポート内に 料を噴射する主燃料噴射手段と、
 所定条件の成立時に前記主燃料噴射手段か の燃料噴射を停止する燃料カットを実行す 燃料カット手段と、
 前記改質用燃料噴射手段により燃料を供給 つつ前記改質ガスを前記吸気通路に還流さ る改質運転と、前記改質用燃料噴射手段か 燃料を噴射しない非改質運転とを切り換え 運転切換手段と、
 前記改質運転の実行時に、前記燃料カット 禁止する燃料カット禁止手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何 かにおいて、
 EGR率を調整するEGR率調整手段と、
 前記改質用燃料噴射制限手段により前記改 用燃料噴射手段の燃料噴射が制限された場 に、EGR率を低下させるEGR制限手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何 かにおいて、
 前記熱供給手段は、前記内燃機関の排気ガ の熱を前記燃料改質触媒に伝熱させる熱交 器で構成されていることを特徴とする。

 第1の発明によれば、運転条件急変状態で あると判定された場合には、改質用燃料の噴 射量を減量することができる。改質用燃料を 噴射してから、その燃料が燃料改質触媒に到 達して改質反応し、その反応により生成され た改質ガスが筒内へ流入するまでには、時間 遅れがある。このため、運転条件急変状態で は、燃料改質量や筒内への改質ガス流入量な どが要求値の変動に十分に追従できなくなる 。また、運転条件急変状態では、EGR通路のガ ス流量や燃料改質触媒の温度が急激に変動す るため、改質反応を正常に継続することが難 しくなる。このため、燃料改質触媒に燃料が 付着残留したり、燃料改質触媒に酸素が流入 したりし易い。その付着燃料が酸化(燃焼)反 すると、燃料改質触媒が異常な高温となり 燃料改質触媒が劣化するおそれがある。第1 の発明によれば、運転条件急変状態において 改質用燃料噴射量を減量することにより、燃 料改質触媒への燃料付着や酸素の流入を抑制 し、燃料改質触媒での燃料の酸化反応が生ず ることを確実に回避することができる。この ため、燃料改質触媒の劣化を確実に防止する ことができる。

 第2の発明によれば、運転条件急変状態で あると判定された場合に、改質用燃料噴射を 禁止することができる。このため、燃料改質 触媒への燃料付着や酸素の流入をより確実に 抑制することができ、燃料改質触媒の劣化を より確実に防止することができる。

 第3の発明によれば、運転条件急変状態で あると判定する閾値を、燃料改質触媒におい て燃料の酸化反応が生ずることを抑制可能な 値として設定することにより、燃料改質触媒 の劣化をより確実に防止することができる。

 第4の発明によれば、改質運転の実行時に 、燃料カットを禁止することができる。この ため、改質運転中に燃料改質触媒に酸素が流 入することをより確実に抑制することができ るので、燃料改質触媒において燃料の酸化反 応が生ずることをより確実に回避することが できる。また、改質運転時に燃料改質触媒に 空気が流通することを防止することができる ので、燃料改質触媒の温度低下を確実に抑制 することができる。このため、燃料改質触媒 の温度を維持することができ、改質反応を良 好に継続させることができる。

 第5の発明によれば、運転条件急変状態と 判定されて改質用燃料噴射が制限された場合 に、EGR率を低下させることができる。これに より、内燃機関の燃焼状態や空燃比を安定化 させ、排気ガスの状態を良好とすることがで きるので、燃料改質触媒に流入するEGRガス中 に未燃燃料や酸素が残存することを確実に抑 制することができる。その結果、燃料改質触 媒への未燃燃料や酸素の流入をより確実に抑 制することができる。よって、燃料改質触媒 において燃料の酸化反応が生ずることをより 確実に抑制することができる。

 第6の発明によれば、内燃機関の排気ガス の熱を燃料改質触媒に伝熱させ、燃料改質反 応に吸熱させることができる。このため、内 燃機関の廃熱を回収することができ、熱効率 を十分に向上することができる。

本発明の実施の形態1のシステム構成を 説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。

符号の説明

10 内燃機関
12 吸気通路
14 吸気マニホールド
16 スロットル弁
18 主燃料噴射装置
20,28,30 排気通路
24 燃料改質器
26 燃料改質触媒
32,36 EGR通路
34 改質用燃料噴射装置
38 EGRクーラ
40 EGR弁
42 排気浄化触媒
44 燃料タンク
46 燃料配管
50 ECU
54 触媒温度センサ
56 排気ガスセンサ

実施の形態1.
 図1は、実施の形態1のシステム構成を説明 るための全体構成図を示している。本実施 態のシステムは、多気筒型(図示の構成では4 気筒)の内燃機関10を備えている。本システム で使用される燃料は、特に限定されず、通常 のガソリン等の炭化水素燃料のほか、アルコ ール(エタノール等)を含むバイオ燃料などを いることもできる。

 内燃機関10の吸気通路12は、吸気マニホー ルド14を介して各気筒の吸気ポートに接続さ ている。吸気通路12の途中には、吸入空気 を調整する電動式のスロットル弁16が設置さ れている。各気筒の吸気ポートには、燃料を 噴射するための電磁弁等からなる主燃料噴射 装置18がそれぞれ設けられている。なお、主 料噴射装置18は、吸気ポート内でなく、筒 に燃料を直接に噴射するように設けられて てもよい。

 内燃機関10の排気通路20は、排気マニホー ルド22を介して各気筒の排気ポートに接続さ ている。排気通路20の途中には、燃料改質 24が設けられている。そして、燃料改質器24 内部には、燃料改質触媒26を構成する空間 形成されている。この燃料改質触媒26内には 、後述する改質反応を触媒する作用を有する 金属(例えばRh、Pt、Co、Ni等)が担体に担持さ て設置されている。

 また、燃料改質器24の内部には、並行す 複数の通路からなる排気通路28が設けられて いる。この排気通路28と、燃料改質触媒26と 、隔壁で隔てられ、遮断されている。排気 路28の入口は、排気通路20に接続され、出口 排気通路30に接続されている。このような 成により、燃料改質触媒26は、排気通路28を る排気ガスの熱を受熱することができる。 の熱を反応熱とすることにより、燃料改質 媒26は、後述する改質反応を生じさせるこ ができる。すなわち、燃料改質器24は、排気 通路28を通る排気ガスの熱を燃料改質触媒26 伝熱させる熱交換器としての機能を有して る。

 燃料改質器24の上流側の排気通路20からは 、EGR通路32が分岐している。このEGR通路32に れば、排気通路20を通る排気ガスの一部をEGR ガスとして取り出すことができる。EGR通路32 、燃料改質触媒26に接続されている。EGR通 32の途中には、改質反応に供するための燃料 (以下、改質用燃料とも言う)をEGRガス中に噴 する改質用燃料噴射装置34が設けられてい 。改質用燃料噴射装置34から噴射された燃料 は、EGRガスと共に燃料改質触媒26に流入し、 料改質触媒26の作用によって改質反応を起 す。

 燃料改質触媒26には、EGR通路36の一端が更 に接続されている。このEGR通路36の他端は、 気通路12に接続されている。このEGR通路36を 通して、後述する改質ガス、あるいは単なる EGRガスを、吸気通路12内に還流させ、吸入空 と混合させることができる。EGR通路36の途 には、EGR通路36を通るガスを冷却するEGRクー ラ38と、EGR通路36を開閉可能な電磁弁等で構 されるEGR弁40とが設けられている。

 排気通路20を流れる排気ガスのうち、EGR 路32に流入しなかった残りの排気ガスは、排 気通路28,30を順次通過して、大気中に放出さ る。燃料改質器24の下流側の排気通路30の途 中には、有害成分を浄化する三元触媒等を担 持した排気浄化触媒42や、図示しないマフラ が配置されている。また、排気通路28にも 害成分を浄化する触媒が担持されていても い。排気通路28に排気浄化触媒を担持させる ことにより、浄化反応の反応熱を排気通路28 発生させることができるので、燃料改質触 26の受熱量(熱回収量)を更に増大させること ができ、改質効率を向上することができる。

 内燃機関10が使用する燃料は、燃料タン 44に貯留されている。燃料タンク44には、タ ク内の燃料を加圧した状態で外部に送出す ための燃料ポンプ(図示せず)が付設されて る。この燃料ポンプの吐出側には、ポンプ ら吐出された燃料を主燃料噴射装置18及び改 質用燃料噴射装置34にそれぞれ供給する燃料 管46が接続されている。

 更に、本実施形態のシステムは、ECU(Electr onic Control Unit)50を備えている。ECU50は、ROM、 RAM等の記憶回路を備えたマイクロコンピュー タによって構成されている。ECU50の入力側に 、触媒温度センサ54、排気ガスセンサ56等を 含むセンサ系統が接続されている。

 触媒温度センサ54は、燃料改質触媒26に設 けられており、燃料改質触媒26の温度を検出 る。排気ガスセンサ56は、排気通路20に設け られており、排気ガス中の酸素濃度に応じた 検出信号を出力するものである。

 また、センサ系統には、例えば機関回転 を検出する回転センサ、吸入空気量を検出 るエアフローメータ、冷却水温度を検出す 水温センサ、アクセル開度を検出するアク ル開度センサ、スロットル弁16の開度を検 するスロットル開度センサ等のように、内 機関10の運転制御に用いられる一般的なセン サが含まれている。

 一方、ECU50の出力側には、前述したスロ トル弁16、主燃料噴射装置18、改質用燃料噴 装置34、EGR弁40、燃料ポンプ等を含む各種の アクチュエータが接続されている。そして、 ECU50は、内燃機関10の運転状態をセンサ系統 よって検出しつつ、各アクチュエータを駆 することによって運転制御を行う。

 この運転制御では、吸入空気量等に応じ 燃料の噴射量を算出し、当該噴射量分の燃 を主燃料噴射装置18から噴射させる。また 排気ガスセンサ56の検出信号を用いて空燃比 フィードバック制御を行うことにより、排気 浄化触媒42に流入する排気ガスの空燃比が目 空燃比となるように、主燃料噴射装置18の 料噴射量を制御する。

(改質運転)
 上述したような内燃機関10は、排気ガス(EGR ス)と改質用燃料との改質反応によって生成 された改質ガスを吸気通路12内に還流させる 質運転を実行可能になっている。改質運転 には、EGR通路32内を流れるEGRガスに対して 質用燃料噴射装置34から改質用燃料を噴射す ることにより、改質用燃料を燃料改質触媒26 供給する。このとき、ECU50は、例えば内燃 関10の運転状態、EGR流量、燃料改質触媒26の 度等に応じて、改質用燃料の適切な噴射量( 供給量)を決定する。

 燃料改質触媒26内では、触媒作用を有す 前述したような種類の金属の作用により、 質用燃料と、EGRガス中の成分とが改質反応( 蒸気改質反応)を起こす。燃料改質触媒26で ずる主な改質反応の化学反応式は、改質用 料が例えばガソリンである場合には下記式( 1)で、改質用燃料が例えばエタノールである 合には下記式(2)で、それぞれ表すことがで る。

  1.56(7.6CO 2 +6.8H 2 O+40.8N 2 )+3C 7.6 H 13.6 +Q1
                →31H 2 +34.7CO+63.6N 2   ・・・(1)
  C 2 H 5 OH+0.4CO 2 +0.6H 2 O+2.3N 2 +Q2→3.6H 2 +2.4CO+2.3N 2  ・・・(2)

 上記のような改質反応によれば、改質用燃 を、水素(H 2 )、一酸化炭素(CO)等の可燃ガスに転換させる とができる。

 上記(1)式中の熱量Q1、及び(2)式中の熱量Q2 は、改質反応によって吸収される反応熱であ る。即ち、これらの改質反応は吸熱反応であ るから、上記(1),(2)式中の右辺の可燃ガスの する熱量は、当該各式の左辺に記載された 応前の物質が有する熱量よりも大きくなる

 このため、燃料改質器24によれば、燃料改 触媒26が排気通路28から受熱した熱を、上記 質反応に吸収させることができる。つまり 本実施の形態のシステムでは、排気ガスの を回収、利用して、改質用燃料を、より熱 の大きい物質(H 2 、CO等)に転換することができる。

 上記の改質反応により生成した可燃ガスを む改質ガスは、EGR通路36を通って吸気通路12 内に流入し、吸入空気と混合された上で、内 燃機関10の気筒内に流入する。そして、改質 ス中の可燃ガス(H 2 、CO等)は、主燃料噴射装置18から噴射された 料と共に気筒内で燃焼する。ECU50には、改 運転時に内燃機関10の気筒内に流入させるべ き要求可燃ガス量を運転条件等に基づいて決 定するためのマップが記憶されている。ECU50 、気筒内に流入する可燃ガス量がその要求 燃ガス量となるように、改質ガス流量をEGR 40によって制御するとともに、空燃比を目 空燃比とする上で必要な総燃料量から、流 した可燃ガス量を差し引いた残りの分の燃 を、主燃料噴射手段18から噴射させる。

 改質ガスは、前述したように、燃料改質 24によって排気ガスの熱を回収した分だけ 元の燃料よりも熱量が増えている。よって 改質運転時には、改質ガスを吸気系に還流 せて燃料の一部として内燃機関10で燃焼させ ることにより、システム全体としての熱効率 が向上するので、内燃機関10の燃費性能を改 することができる。

 また、改質ガスを吸気系に還流させること 、EGR(Exhaust Gas Recirculation)の一種でもある よって、改質運転によれば、EGRの一般的な 果、すなわちポンプ損失低減による燃費改 効果や燃焼温度低下によるNOx生成量低減効 などを得ることもできる。このことに関連 て、改質運転には更に次のような利点があ 。通常のEGR運転の場合には、EGR率を高くし いくと、燃焼が不安定になるので、EGR率に 限界がある。これに対し、改質運転の場合 は、高い燃焼性を有する(燃焼速度の速い)水 素ガス(H 2 )が改質ガスに含まれているので、EGR率を高 しても燃焼が不安定になりにくく、EGR率の 界を高くすることができる。よって、改質 転時には、大量EGRが可能となるので、ポン 損失低減による燃費改善効果や燃焼温度低 によるNOx生成量低減効果などをより大きく 揮させることができる。

(非改質運転)
 本実施形態の内燃機関10は、上述したよう 燃料改質を利用せず、主燃料噴射装置18から 噴射する燃料のみを燃焼させて運転すること も可能となっている。このような運転を以下 「非改質運転」と称する。非改質運転には、 EGR通路32,36を介してEGRガスを吸気通路12に還 させる通常のEGRを伴うEGR運転と、EGR弁40を閉 じることによりEGR通路32,36にEGRガスを流さな ようにする非EGR運転とが含まれる。

 改質運転には上述したような特長がある め、非改質運転を行う場合と比べ、内燃機 10の燃費(熱効率)を大幅に改善することがで きる。このため、燃費性能を改善する観点か らは、なるべく広範囲な状況下で改質運転を 行うことが望まれる。

 しかしながら、本発明者らの知見によれ 、以下に説明するように、内燃機関10の運 条件(回転数や負荷等)の変化が急速な場合に 改質運転を実行すると、燃料改質触媒26の劣 が進行し易いという問題がある。

 燃料改質触媒26で改質反応処理が可能な 界の燃料量は、EGR流量や燃料改質触媒26の温 度などによって変動する。運転条件の急変に 伴って排気圧力や排気ガス温度などが急激に 変動すると、EGR流量や燃料改質触媒26の温度 急激に変動するので、改質反応処理可能な 料量も急激に変動する。このため、改質用 料噴射装置34の噴射量がその変化に追従で ず、燃料改質触媒26に供給される燃料量が過 不足になり易い。そして、改質用燃料が過多 となった場合には、燃料改質触媒26に燃料が 着して残存してしまう。この付着燃料が、 に、燃料カットの実行等によって燃料改質 媒26に流入した酸素と反応して燃焼すると 燃料改質触媒26が異常な高温となり、触媒性 能の低下や触媒担体の熱破壊など(以下、「 料改質触媒26の劣化」と称する)を生じ易い また、改質反応を正常に行うことができな なり、改質量(可燃ガス生成量)が変化してし まうこともある。

 更に、次のような問題もある。噴射され 改質用燃料が改質反応を経て可燃ガスに転 し、更にEGR通路36および吸気通路12を経て筒 内へ流入するまでには、時間遅れがある。こ のため、運転条件の急変に伴って要求可燃ガ ス量が急変すると、筒内に実際に流入する可 燃ガス量が要求可燃ガス量の変動に追従しき れなくなる。その結果、実空燃比の目標空燃 比からの制御ずれが大きくなり易い。更に、 運転条件急変時には、上述したように、燃料 改質触媒26に供給される燃料量の過不足によ て改質ガス中の可燃ガス濃度が変動し易い ともに、排気圧力や排気ガス温度が変動す ために、EGR弁40の開度が同じであっても、 気通路12に流入する改質ガス流量が変化する 。よって、筒内に流入する可燃ガス量を精度 良く制御することが極めて困難となる。この ようなことから、運転条件急変時に改質運転 を実行すると、空燃比の制御ずれが大きくな り易い。その結果、内燃機関10の失火が置き くなる。失火が生ずると、未燃燃料や酸素 排気通路20およびEGR通路32を介して燃料改質 触媒26に流入する。そうすると、前記と同様 、燃料改質触媒26で燃料と酸素が燃焼反応 て、燃料改質触媒26が異常な高温となり、燃 料改質触媒26が劣化し易くなる。

 以上述べたように、運転条件急変時に改 運転を実行すると、燃料改質触媒26での燃 の酸化反応を招き易いため、燃料改質触媒26 が異常な高温となり、燃料改質触媒26が劣化 易くなる。そこで、本実施形態では、運転 件急変時には、改質用燃料の噴射を禁止し 改質運転を実行しないこととした。

 更に、本実施形態では、燃料改質触媒26 おける燃料の酸化反応が生ずることをより 実に防止するべく、改質運転時には内燃機 10の燃料カットを禁止することとした。内燃 機関10の減速時には、通常、燃料消費量を節 するため、主燃料噴射装置18からの燃料噴 を停止する燃料カットが実行される。燃料 ットが実行されると、空気が排気通路20に流 通する。よって、改質運転中に内燃機関10が 速状態となって燃料カットが実行された場 には、EGR通路32を介して燃料改質触媒26にも 空気が流入する。このため、燃料改質触媒26 付着燃料が残留していた場合には、その付 燃料が流入した空気中の酸素と酸化反応す おそれがある。そこで、本実施形態では、 のような事態を確実に回避するため、改質 転時には内燃機関10の燃料カットを禁止す こととした。

[実施の形態1における具体的処理]
 図2および図3は、上記の機能を実現するた に本実施形態においてECU50が実行するルーチ ンのフローチャートである。図2に示すルー ンによれば、まず、内燃機関10の運転条件が 急変している状態(以下「運転条件急変状態 と称する)であるか否かが判別される(ステッ プ100)。具体的には、例えばアクセル開度変 速度、要求トルク変化速度、機関回転数変 速度、吸入空気量変化速度、スロットル開 変化速度のうちの少なくとも一つが各セン 信号に基づいて算出され、その変化速度が 定の閾値を超えている場合には、運転条件 変状態であると判定される。なお、上記閾 は、運転条件の変化速度がこの閾値以下で れば、前述したような燃料の酸化反応が燃 改質触媒26において生ずることを確実に抑制 することができるような値として、予め設定 されている。

 上記ステップ100において、上記運転条件 ラメータの変化速度が閾値以下である場合 つまり運転条件急変状態ではないと判定さ た場合には、改質運転を実行しても燃料改 触媒26の劣化を招くことはないと判断でき 。よって、この場合には、改質用燃料の噴 を禁止する必要はないので、本ルーチンの 理がそのまま終了される。

 一方、上記ステップ100において、上記運 条件パラメータの変化速度が閾値を超えて る場合、つまり運転条件急変状態であると 定された場合には、改質用燃料噴射装置34 らの燃料噴射が禁止される(ステップ102)。こ れにより、改質運転中であった場合には、改 質用燃料噴射装置34からの燃料噴射が停止さ る。

 上記ステップ102の処理に続いて、改質運 中であるか否かが判別される(ステップ104) このステップ104において、改質運転中でな (非改質運転中である)と判別された場合には 、本ルーチンの処理がそのまま終了される。 一方、改質運転中であると判別された場合に は、改質運転を停止して非改質運転に切り換 えるための処理が実行される(ステップ106)。

 上記ステップ106においては、例えば、次の うな処理が実行される。
・改質ガス(可燃ガス)が気筒内に供給されな なる分を補うために、主燃料噴射装置18か の燃料噴射量を増量する処理が実施される
・改質ガス中の水素ガスが気筒内に供給され なくなることに伴い、EGR限界が低下する。こ のことに対応するため、EGR弁40の開度を小さ することにより、EGR率を低下させる処理が 施される。なお、この処理では、EGR弁40を じてEGRを停止するようにしてもよい。
・燃焼速度の速い水素ガス等が気筒に供給さ れる改質運転時と、液体燃料のみが燃焼する 非改質運転時とでは、最適点火時期が大きく 異なる。このことに対応するため、点火時期 を非改質運転時用に変更する処理が実施され る。

 図3は、改質運転時に燃料カットを禁止す るためのルーチンである。このルーチンによ れば、まず、改質運転中であるか否かが判別 される(ステップ108)。このステップ108におい 、改質運転中であると判別された場合には 次に、燃料カットを禁止する処理が実行さ る(ステップ110)。このステップ110の処理が 行された場合には、内燃機関10が減速状態に なったとしても、燃料カットを実行せず、主 燃料噴射装置18からの燃料噴射が継続される 一方、上記ステップ108において、改質運転 でない(非改質運転中である)と判別された 合には、燃料カットの禁止を解除する処理 実行される(ステップ112)。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、内燃機関10の運転条件の急変により、改 用燃料の噴射量や筒内への可燃ガス流入量 要求値の変動に十分に追従できなくなるよ な場合には、改質用燃料噴射装置34からの燃 料噴射を禁止することにより、改質運転を停 止することができる。これにより、燃料改質 触媒26に付着燃料が残留したり、燃料改質触 26に酸素が流入したりすることを確実に防 することができる。このため、燃料改質触 26において燃料の酸化反応が生ずることを確 実に抑制することができ、燃料改質触媒26の 常昇温やこれに起因する燃料改質触媒26の 化を確実に防止することができる。

 更に、本実施形態では、改質運転時に燃 カットを禁止することにより、燃料改質触 26への酸素の流入をより確実に防止するこ ができる。また、改質運転時に燃料改質触 26に空気が流通することを防止することがで きるので、燃料改質触媒26の温度低下を確実 抑制することができる。このため、燃料改 触媒26を活性温度に維持することができ、 質反応を良好に継続させることができる。

 なお、本実施形態では、運転条件急変状 と判定された場合に、改質用燃料噴射を禁 するようにしているが、本発明では、運転 件急変状態のときに改質用燃料噴射量を必 しもゼロにしなくてもよく、燃料改質触媒2 6に付着燃料が残留したり、燃料改質触媒26に 酸素が流入したりすることを防止することが できる範囲内であれば、改質用燃料噴射を継 続してもよい。すなわち、本発明では、運転 条件急変状態と判定された場合に、少なくと も、燃料改質触媒26に付着燃料が残留したり 燃料改質触媒26に酸素が流入したりするこ が抑制でき、燃料改質触媒26における燃料の 酸化反応が生ずることを抑制することができ る程度にまで、改質用燃料噴射量を減量する ようにすればよい。

 また、本実施形態では、燃料改質器24に いて、内燃機関10の排気ガスの熱を燃料改質 触媒26に伝熱させ、改質反応に吸熱させるよ にしているが、本発明は、燃料改質触媒26 加える熱を排気ガスの熱で賄う構成に限定 れるものではない。すなわち、本発明では 燃料改質触媒26をヒータや燃焼器などで加熱 する構成としてもよい。

 また、上述した実施の形態1においては、 改質用燃料噴射装置34が前記第1の発明におけ る「改質用燃料噴射手段」に、燃料改質器24 前記第1の発明における「熱供給手段」に、 主燃料噴射装置18が前記第4の発明における「 主燃料噴射手段」に、EGR弁40が前記第5の発明 における「EGR率調整手段」に、それぞれ相当 している。また、ECU50が、上記ステップ100の 理を実行することにより前記第1の発明にお ける「運転条件パラメータ変化速度取得手段 」および「急変判定手段」が、上記ステップ 102の処理を実行することにより前記第1およ 第2の発明における「改質用燃料噴射制限手 」が、内燃機関10の減速時に主燃料噴射装 18からの燃料噴射を停止させることにより前 記第4の発明における「燃料カット手段」が 上記ステップ106の処理を実行することによ 前記第4の発明における「運転切換手段」お び前記第5の発明における「EGR制限手段」が 、上記ステップ110の処理を実行することによ り前記第4の発明における「燃料カット禁止 段」が、それぞれ実現されている。