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Patent Searching and Data


Title:
INTERNAL ENGINE FUEL PROPERTY DETECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022595
Kind Code:
A1
Abstract:
An internal engine fuel property detector for accurately determining the cetane value of the fuel for an internal engine even if the fuel is a high-cetane value fuel. The internal engine fuel property detector comprises cylinder internal pressure detecting means, an ignition delay calculating means for calculating the ignition delay from the cylinder internal pressure, a high-cetane value fuel judging means for judging on the basis of the ignition delay whether or not the fuel used is a high-cetane value fuel, ignition delay extending means for correcting a control parameter of the internal engine so that the ignition delay may be longer when the fuel used is judged to be a high-cetane fuel, ignition delay re-calculating means for re-calculating the ignition delay from the cylinder internal pressure after the ignition delay is extended by ignition delay extending means, and cetane-value calculating means for calculating the cetane value of the fuel used from the re-calculated ignition delay.

Inventors:
NAKAJIMA TOSHIYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064108
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
NAKAJIMA TOSHIYA (JP)
International Classes:
F02D45/00
Foreign References:
JP2007064157A2007-03-15
JP2007046592A2007-02-22
JP2006016994A2006-01-19
JP2005344557A2005-12-15
JP2007064157A2007-03-15
JP2007046592A2007-02-22
JP2006016994A2006-01-19
JP2005344557A2005-12-15
Other References:
See also references of EP 2189642A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Hideki et al. (Takahashi & Partners5th Floor, Intec 88 Bldg.,20, Araki-cho, Shinjuku-ku, Tokyo 07, JP)
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Claims:
 内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
 筒内圧に基づいて着火遅れ期間を算出する着火遅れ期間算出手段と、
 算出された着火遅れ期間に基づいて、使用燃料が高セタン価燃料であるか否かを判別する高セタン価燃料判別手段と、
 使用燃料が高セタン価燃料であると判別された場合に、着火遅れ期間が長くなるように、前記内燃機関の制御パラメータを補正する着火遅れ期間延長手段と、
 前記着火遅れ期間延長手段によって着火遅れ期間が延長された後に、筒内圧に基づいて着火遅れ期間を再度算出する着火遅れ期間再算出手段と、
 前記着火遅れ期間再算出手段によって算出された着火遅れ期間に基づいて、使用燃料のセタン価を算出するセタン価算出手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状検出装置。
 前記着火遅れ期間延長手段は、着火遅れ期間に対するセタン価の傾きが所定傾きより緩やかな運転条件となるように、前記制御パラメータを補正することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
 前記着火遅れ期間算出手段によって算出された着火遅れ期間に基づいて、使用燃料が低セタン価燃料であるか否かを判別する低セタン価燃料判別手段と、
 使用燃料が低セタン価燃料であると判別された場合に、着火遅れ期間が短くなるように、前記内燃機関の制御パラメータを補正する着火遅れ期間短縮手段と、
 を更に備え、
 前記着火遅れ期間再算出手段は、前記着火遅れ期間短縮手段によって着火遅れ期間が短縮された後に、筒内圧に基づいて着火遅れ期間を算出することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
 前記着火遅れ期間短縮手段は、前記内燃機関の燃焼安定性が基準以上となるように、前記制御パラメータを補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
Description:
内燃機関の燃料性状検出装置

 本発明は、内燃機関の燃料性状検出装置 関する。

 近年、石油枯渇および地球環境問題等の 点から、内燃機関に対し代替燃料を使用す 必要性が高まってきているため、多種多様 燃料に対応可能な内燃機関の開発が急務と っている。多種多様な燃料に対応するため は、燃料のセタン価を車両上で精度良く検 することが望ましい。燃料のセタン価に応 たエンジン制御を行うことにより、燃料の 類に応じて、燃焼を適正に制御することが きるからである。

 従来、例えば日本特開2007-64157号公報には 、筒内圧センサによって検出される筒内圧か ら実着火時期を検出し、実着火時期が目標着 火時期に一致するように着火遅れ補正量を算 出するとともに、着火遅れ補正量からセタン 価を推定する装置が開示されている。

日本特開2007-64157号公報

日本特開2007-46592号公報

日本特開2006-16994号公報

日本特開2005-344557号公報

 セタン価が高い燃料ほど、着火遅れ期間( 燃料が燃焼室内に噴射されてから着火するま での時間)は短くなり、セタン価が低い燃料 ど、着火遅れ期間は長くなる。このため、 記従来の技術のように、エンジン運転中の 際の着火遅れ期間を検出することにより、 料のセタン価を求めることができる。

 しかしながら、セタン価と着火遅れ期間 の関係においては、セタン価が高くなるほ 、着火遅れの変化に対するセタン価の傾き( 変化割合)が大きくなる。よって、例えばGTL(G as To Liquid)燃料など、セタン価の高い代替燃 料が使用されている場合には、着火遅れが僅 かに変化しても、セタン価が大きく変動する こととなる。このため、高セタン価燃料が使 用されている場合には、セタン価を精度良く 求めることが困難である。

 本発明は、上述のような課題を解決する めになされたもので、高セタン価燃料が使 されている場合でもセタン価を精度良く求 ることのできる内燃機関の燃料性状検出装 を提供することを目的とする。

 第1の発明は、上記の目的を達成するため、 内燃機関の燃料性状検出装置であって、
 内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手 と、
 筒内圧に基づいて着火遅れ期間を算出する 火遅れ期間算出手段と、
 算出された着火遅れ期間に基づいて、使用 料が高セタン価燃料であるか否かを判別す 高セタン価燃料判別手段と、
 使用燃料が高セタン価燃料であると判別さ た場合に、着火遅れ期間が長くなるように 前記内燃機関の制御パラメータを補正する 火遅れ期間延長手段と、
 前記着火遅れ期間延長手段によって着火遅 期間が延長された後に、筒内圧に基づいて 火遅れ期間を再度算出する着火遅れ期間再 出手段と、
 前記着火遅れ期間再算出手段によって算出 れた着火遅れ期間に基づいて、使用燃料の タン価を算出するセタン価算出手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第2の発明は、第1の発明において、
 前記着火遅れ期間延長手段は、着火遅れ期 に対するセタン価の傾きが所定傾きより緩 かな運転条件となるように、前記制御パラ ータを補正することを特徴とする。

 また、第3の発明は、第1または第2の発明に いて、
 前記着火遅れ期間算出手段によって算出さ た着火遅れ期間に基づいて、使用燃料が低 タン価燃料であるか否かを判別する低セタ 価燃料判別手段と、
 使用燃料が低セタン価燃料であると判別さ た場合に、着火遅れ期間が短くなるように 前記内燃機関の制御パラメータを補正する 火遅れ期間短縮手段と、
 を更に備え、
 前記着火遅れ期間再算出手段は、前記着火 れ期間短縮手段によって着火遅れ期間が短 された後に、筒内圧に基づいて着火遅れ期 を算出することを特徴とする。

 また、第4の発明は、第3の発明において、
 前記着火遅れ期間短縮手段は、前記内燃機 の燃焼安定性が基準以上となるように、前 制御パラメータを補正することを特徴とす 。

 第1の発明によれば、検出された着火遅れ 期間に基づいて使用燃料が高セタン価燃料で あると判別された場合には、着火遅れ期間が 長くなるように内燃機関の制御パラメータを 補正した上で着火遅れ期間を再度検出し、そ の着火遅れ期間に基づいて、使用燃料のセタ ン価を算出することができる。高セタン価燃 料が使用されている場合には、着火遅れ期間 が僅かに異なってもセタン価に大きく影響す るので、セタン価を精度良く検出することが 通常は困難である。そのような場合に、第1 発明によれば、着火遅れ期間に対するセタ 価の傾きが緩やかになるように内燃機関の 御パラメータを補正した上でセタン価を検 することができる。このため、高セタン価 料が使用されている場合であっても、セタ 価を高精度に検出することができる。

 第2の発明によれば、高セタン価燃料が使 用されている場合には、着火遅れ期間に対す るセタン価の傾きが所定傾きより緩やかな運 転条件となるように内燃機関の制御パラメー タを補正することができる。このため、高セ タン価燃料のセタン価をより高い精度で検出 することができる。

 第3の発明によれば、検出された着火遅れ 期間に基づいて使用燃料が低セタン価燃料で あると判別された場合には、着火遅れ期間が 短くなるように内燃機関の制御パラメータを 補正した上で着火遅れ期間を再度検出し、そ の着火遅れ期間に基づいて、使用燃料のセタ ン価を算出することができる。低セタン価燃 料が使用されている場合には、着火遅れ期間 が長くなるので、燃焼が不安定になったり失 火状態になったりし易く、正常に着火しにく い。このため、着火遅れ期間を適正に検出す ることが困難であり、その結果、セタン価の 高精度検出も極めて困難となる。そのような 場合に、第3の発明によれば、着火遅れ期間 短くすることにより、安定した燃焼が得ら るような運転条件としてから、セタン価を 出することができる。このため、低セタン 燃料が使用されている場合であっても、セ ン価を高精度に検出することができる。

 第4の発明によれば、低セタン価燃料が使 用されている場合には、内燃機関の燃焼安定 性が基準以上となるように、内燃機関の制御 パラメータを補正することができる。このた め、低セタン価燃料が使用されている場合で あっても、燃焼が安定した状態で着火遅れ期 間を精度良く検出することができるので、セ タン価をより高い精度で検出することができ る。

本発明の実施の形態1のシステム構成を 説明するための図である。 標準状態における着火遅れ期間とセタ 価との関係を示す図である。 検出要求精度を満足することのできる タン価の傾きの上限を説明するための図で る。 着火遅れ期間延長状態における着火遅 期間とセタン価との関係を示す図である。 着火遅れ期間短縮状態における着火遅 期間とセタン価との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。

符号の説明

10 ディーゼルエンジン
12 ピストン
14 吸気弁
16 排気弁
18 燃料インジェクタ
20 吸気通路
22 排気通路
23 燃料タンク
26 スロットル弁
28 EGR通路
32 EGR弁
34 エアフロセンサ
36 吸気圧センサ
38 筒内圧センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)

実施の形態1.
[システム構成の説明]
 図1は、本発明の実施の形態1のシステム構 を説明するための図である。図1に示すよう 、本実施形態のシステムは、図1に示すシス テムは、車両等に搭載されるディーゼルエン ジン(圧縮着火内燃機関)10を備えている。本 明において、ディーゼルエンジン10の気筒数 や気筒配置は特に限定されるものではない。 図1には、ディーゼルエンジン10の一つの気筒 の断面が示されている。

 ディーゼルエンジン10の各気筒には、ピ トン12と、吸気弁14と、排気弁16と、筒内に 接に燃料を噴射可能な燃料インジェクタ18と が設けられている。吸気弁14には、吸気通路2 0が連通し、排気弁16には、排気通路22が連通 ている。

 ディーゼルエンジン10へは、燃料タンク23 から燃料が供給される。燃料は、燃料ポンプ 24によって加圧されて、燃料インジェクタ18 供給される。

 吸気通路20には、スロットル弁26が設置さ れている。吸気通路20と排気通路22との間に 、排気通路22内のガスの一部を吸気通路20に 流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うた のEGR通路28が設けられている。EGR通路28の途 には、EGR通路28を通る排気ガス(EGRガス)を冷 却するためのEGRクーラ30が設置されている。E GRクーラ30の下流側には、EGR量を制御するた のEGR弁32が設置されている。

 スロットル弁26より上流側の吸気通路20に は、吸入空気量を検出するエアフロセンサ34 設置されている。スロットル弁26より下流 の吸気通路20には、吸気圧を検出する吸気圧 センサ36が設置されている。

 また、本実施形態のシステムは、気筒内 圧力を検出する筒内圧センサ38を有してい 。筒内圧センサ38は、少なくとも一つの気筒 に設置されていればよい。

 更に、本実施形態のシステムは、ディー ルエンジン10のクランク軸の回転角度を検 するクランク角センサ40と、車両のアクセル ペダル位置を検出するアクセルポジションセ ンサ42と、ECU(Electronic Control Unit)50とを備え いる。ECU50には、前述した燃料インジェクタ 18、スロットル弁26、EGR弁32等の各種アクチュ エータと、エアフロセンサ34、吸気圧センサ3 6、筒内圧センサ38、クランク角センサ40、ア セルポジションセンサ42等の各種センサと 接続されている。

[実施の形態1の特徴]
 燃料インジェクタ18から燃料が噴射され始 てから着火するまでには、ある程度の遅れ 生ずる。この遅れの長さを着火遅れ期間と う。着火すると、筒内圧が急上昇するので 筒内圧を検出することにより、実際の着火 検知することができる。本実施形態のシス ムでは、ECU50は、筒内圧センサ38で検出され 筒内圧に基づいて、着火遅れ期間を算出す 機能を有している。

 運転条件が同じである場合、着火遅れ期 は、燃料のセタン価に応じて決定される。 って、着火遅れ期間とセタン価との関係を 用すれば、筒内圧から求めた着火遅れ期間 基づいて、燃料のセタン価を算出すること できる。

 図2は、所定の標準状態における、着火遅 れ期間とセタン価との関係を示す図である。 セタン価が高い場合ほど着火遅れ期間は短く なり、セタン価が低い場合ほど着火遅れ期間 は長くなるが、この場合、着火遅れ期間の変 化に対するセタン価の傾き(変化割合)は、一 ではない。すなわち、図2に示すように、着 火遅れ期間が短い場合ほど、着火遅れ期間に 対するセタン価の傾きは急になり、着火遅れ 期間が長い場合ほど、着火遅れ期間に対する セタン価の傾きは緩やかになる。

 着火遅れ期間に対するセタン価の傾きが 過ぎると、次のような理由から、セタン価 精度良く求めることが困難となる。図3は、 検出要求精度を満足することのできるセタン 価の傾きの上限を説明するための図である。 筒内圧センサ38には、固有のサンプリング期 δt(例えば、0.066ms程度)があるので、着火遅 期間の検出精度も、サンプリング期間δtに って決定される。セタン価検出の要求精度 pとしたとき、着火遅れ期間の検出精度に相 当するサンプリング期間δtの間に、セタン価 が要求精度pより大きく変化すると、セタン 検出精度が要求精度pを超えてしまう。よっ 、図3に示すように、着火遅れ期間に対する セタン価の傾きが、筒内圧センサ38のサンプ ング期間δtと要求精度pとで定まる傾きより 急である場合には、要求精度pを満足するこ ができないこととなる。

 上述のような事情から、セタン価を高精 に求めるためには、着火遅れ期間に対する タン価の傾きが、ある上限値よりも緩やか あることが必要となる。図2中では、着火遅 れ期間がδtd1より短い領域(Aで示す領域)では 着火遅れ期間に対するセタン価の傾きがそ 上限値より急になってしまうため、高精度 セタン価検出ができない。このため、セタ 価が図2中のcn1より大きい高セタン価燃料が 使用されている場合には、セタン価を高精度 に検出できなくなる。

 一方、図2中で、セタン価がcn2より低い燃 料の場合には、着火遅れ期間に対するセタン 価の傾きが極めて緩やかになるので、セタン 価が僅かに小さくなっても、着火遅れ期間が 大幅に増大する。このような領域(Bで示す領 )では、燃焼が不安定になったり失火状態に なったりし易く、正常に着火しにくいので、 着火遅れ期間を適正に検出することが困難で ある。このため、セタン価を高精度に検出す ることが極めて困難となる。

 以上のようなことから、セタン価を高精 に検出するためには、着火遅れ期間に対す セタン価の傾きが、所定の範囲内(以下「高 精度検出可能傾き」と称する)に入っている 要がある。図2に示す標準状態においては、 精度検出可能傾きの範囲、つまり、セタン を高精度に検出することができる範囲は、 火遅れ期間ではδtd1からδtd2までの範囲に限 られ、セタン価ではcn2からcn1までの範囲に限 られる。

 ところで、ディーゼルエンジン10の制御 ラメータの中には、着火遅れ期間に影響を えるものが存在する。例えば、吸入空気量 減少させると着火遅れ期間は長くなり、吸 空気量を増加させると着火遅れ期間は短く る。

 図4中の破線は、着火遅れ期間が標準状態 に比して長くなるように、ディーゼルエンジ ン10の制御パラメータを補正した状態(以下「 着火遅れ期間延長状態」と称する)での着火 れ期間とセタン価との関係を示している。 準状態に対し着火遅れ期間を延長すると、 火遅れ期間とセタン価との関係を示すグラ の形状が変化するので、高精度検出可能傾 の範囲も変化する。すなわち、着火遅れ期 延長状態では、図4に示す範囲が高精度検出 能傾きとなる。よって、セタン価を高精度 検出できる範囲は、着火遅れ期間が図4中の δtd1’からδtd2’までの範囲へと変化する。 のため、セタン価がcn1以上の燃料であって 、セタン価を高精度に検出することができ 。

 そこで、本実施形態では、使用されてい 燃料が高セタン価燃料である場合には、着 遅れ期間が標準状態よりも長くなるように ィーゼルエンジン10の制御パラメータを補 した上で、セタン価の検出を行うこととし 。これにより、標準状態ではセタン価の高 度検出が困難な高セタン価燃料であっても セタン価を高精度に検出することができる

 一方、図5中の破線は、着火遅れ期間が標 準状態に比して短くなるように、ディーゼル エンジン10の制御パラメータを補正した状態( 以下「着火遅れ期間短縮状態」と称する)で 着火遅れ期間とセタン価との関係を示して る。標準状態に対し着火遅れ期間を短縮す と、着火遅れ期間とセタン価との関係を示 グラフの形状が変化するので、高精度検出 能傾きの範囲も変化する。すなわち、着火 れ期間短縮状態では、図5に示す範囲が高精 検出可能傾きとなる。よって、セタン価を 精度に検出できる範囲は、着火遅れ期間が 5中のδtd1’’からδtd2’’までの範囲へと 化する。このため、セタン価がcn2以下の燃 であっても、セタン価を高精度に検出する とができる。

 そこで、本実施形態では、使用されてい 燃料が低セタン価燃料である場合には、着 遅れ期間が標準状態よりも短くなるように ィーゼルエンジン10の制御パラメータを補 した上で、セタン価の検出を行うこととし 。これにより、標準状態ではセタン価の高 度検出が困難な低セタン価燃料であっても セタン価を高精度に検出することができる

[実施の形態1における具体的処理]
 図6および図7は、上記の機能を実現するた に本実施形態においてECU50が実行するルーチ ンのフローチャートである。

 図6に示すルーチンによれば、まず、所定の セタン価測定燃料噴射条件が成立しているか 否かが判別される(ステップ100)。本実施形態 は、セタン価をより高い精度で検出するた 、次のようなセタン価測定燃料噴射条件が 立しているときに、セタン価の検出を行う ととしている。
 (1)アクセルオフ状態であること。
 (2)吸入空気量が規定値Ga*以上であること。
 (3)エンジン回転数が規定範囲内(例えば、140 0rpm以上3000rpm未満)にあること。

 ステップ100では、上記(1)~(3)の各条件がす べて満足されている場合に、セタン価測定燃 料噴射条件が成立しているものと判定される 。本実施形態では、上記条件(1)を設けたこと により、ディーゼルエンジン10が減速時の燃 カット状態にあるときに、セタン価検出を うことができる。このため、外乱の少ない 件で検出を行うことができ、検出精度を向 することができる。上記条件(2)は、市場で 用が想定される各種の燃料が燃焼可能な吸 空気量として、実験等に基づいて予め定め れる。上記条件(3)は、エンジン回転数がア ドル回転数まで低下する前に、すなわちア ドル時の燃料噴射が開始される前に、セタ 価検出を行うための条件である。

 上記ステップ100で、セタン価測定燃料噴 条件が満足されていないと判定された場合 は、本ルーチンの今回の実行がそのまま終 される。一方、セタン価測定燃料噴射条件 満足されていると判定された場合には、次 、燃料インジェクタ18により、セタン価測 燃料噴射が実行される(ステップ102)。このセ タン価測定燃料噴射の噴射量は、運転者に違 和感を感じさせないようにするため、トルク の変化量が許容範囲内となるような規定燃料 噴射量とされる。また、セタン価測定燃料噴 射の噴射時期は、圧縮行程または膨張行程に おける規定時期とされる。この規定時期は、 セタン価測定燃料が燃焼したときのトルク上 昇量をなるべく抑制することができるように 、実験等に基づいて予め定められる。

 次いで、セタン価測定燃料噴射が実行さ た気筒における筒内圧(筒内圧履歴)が筒内 センサ38によって検出される(ステップ104)。 いて、その検出された筒内圧に基づいて、 火遅れ期間δtdが算出される(ステップ106)。 お、筒内圧から着火遅れ期間δtdを算出する 方法は、公知であり、例えば日本特開2005-3445 57号公報に記載された方法などの各種の方法 用いることができるので、ここでは説明を 略する。

 次に、上記ステップ106で算出された着火 れ期間δtdが、セタン価を高精度に検出可能 な範囲であるδtd1とδtd2との間に入っている 否か(δtd1≦δtd≦δtd2の成否)が判別される(ス テップ108)。本実施形態のECU50には、図2に示 ような、着火遅れ期間とセタン価との関係 表すマップ(以下「セタン価導出マップ」と する)が吸入空気量毎に記憶されている。そ して、各セタン価導出マップにおいては、セ タン価を高精度に検出可能な着火遅れ期間の 下限値δtd1および上限値δtd2が、実験等に基 いて予め定められている。ステップ108では それらのセタン価導出マップのうちから、 アフロセンサ34および吸気圧センサ36の信号 基づいて算出される吸入空気量に対応する タン価導出マップが検索され、そのセタン 導出マップにおけるδtd1およびδtd2の値を用 いて、上記の判断が実行される。

 上記ステップ108で、δtd1≦δtd≦δtd2が成 認められた場合には、着火遅れ期間δtdに対 るセタン価の傾きが高精度検出可能傾きの 囲にあるので、セタン価の高精度検出が可 な状態であると判断できる。そこで、この 合には、上記ステップ106で算出された着火 れ期間δtdをセタン価導出マップに代入する ことにより、セタン価が導出される(ステッ 110)。

 一方、上記ステップ108で、δtd1≦δtd≦δtd 2が成立しないと判定された場合には、セタ 価の高精度検出が困難な状態であると判断 きる。そこで、この場合には、次に、上記 テップ106で算出された着火遅れ期間δtdが上 下限値δtd1より短いか否か(δtd<δtd1の成否 )が判別される(図7のステップ112)。

 上記ステップ112で、着火遅れ期間δtdが上 記下限値δtd1より短いと判定された場合には 着火遅れ期間δtdが長くなるように、ディー ゼルエンジン10の制御パラメータを補正する 理(本実施形態では吸入空気量を減少させる 処理)が実行される(ステップ114)。アクセルオ フ状態におけるディーゼルエンジン10では、 常、スロットル弁26の開度は小さくされ、EG R弁32の開度は大きくされている。この状態で は、筒内に流入する吸入空気の多くは、排気 通路20からEGR通路28を通って還流した空気(EGR ス)である。よって、EGR弁32の開度を小さく ることにより、吸入空気量を減少させるこ ができる。そこで、上記ステップ114の具体 な処理としては、EGR弁32の開度を小さくす ことが実行される。

 上記ステップ114の処理に続いて、セタン 測定燃料噴射が実行される(ステップ116)。 のステップ116の処理は、上記ステップ102の 理と同様である。次いで、セタン価測定燃 噴射が実行された気筒における筒内圧(筒内 履歴)が筒内圧センサ38によって検出される( ステップ118)。なお、上記ステップ114の処理 よって吸入空気量が減少しているので、こ ステップ118で検出される筒内圧は、上記ス ップ104で検出された筒内圧よりも低くなる

 続いて、上記ステップ118で検出された筒 圧に基づいて、上記ステップ106と同様の手 により、着火遅れ期間δtdが算出される(ス ップ120)。このステップ120で算出された着火 れ期間δtdは、上記ステップ106で算出された 着火遅れ期間δtdよりも長くなる。

 次に、上記ステップ120で算出された着火 れ期間δtdが、セタン価を高精度に検出可能 な範囲の上限値δtd1’および下限値δtd2’の に入っていること(δtd1’≦δtd≦δtd2’)が確 される(ステップ122)。この上限値δtd1’およ び下限値δtd2’は、減少補正後の吸入空気量 対応するセタン価導出マップを参照するこ により取得することができる(図4参照)。

 上記ステップ122の処理が終了すると、図7 に示すサブルーチンが終了し、図6のステッ 110の処理が行われる。すなわち、上記ステ プ120で算出された着火遅れ期間δtdを、減少 正後の吸入空気量に対応するセタン価導出 ップに代入することにより、セタン価が導 される。ここでは、セタン価の傾きが高精 検出可能傾きとなるような上限値δtd1’お び下限値δtd2’の間に着火遅れ期間δtdが入 ているので、セタン価を高精度に求めるこ ができる。

 一方、図7のステップ112で、上記ステップ 106で算出された着火遅れ期間δtdがステップ10 8で求めた下限値δtd1より短くないと判定され た場合には、ステップ108での判定結果と合わ せて、着火遅れ期間δtdがステップ108で求め 上限値δtd2を超えていると判断することがで きる。そこで、この場合には、着火遅れ期間 δtdが短くなるように、ディーゼルエンジン10 の吸入空気量を増加させる処理が実行される (ステップ124)。前述したように、アクセルオ 状態におけるディーゼルエンジン10では、 ロットル弁26の開度は小さくされ、EGR弁32の 度は大きくされており、筒内に流入する吸 空気の多くは、EGR通路28を通って還流するEG Rガスである。よって、スロットル弁26の開度 を大きくすることにより、吸入空気量を増加 させることができる。そこで、上記ステップ 124の具体的な処理としては、スロットル弁26 開度を大きくすることが実行される。

 上記ステップ124の処理に続いて、セタン 測定燃料噴射が実行される(ステップ126)。 のステップ126の処理は、上記ステップ102の 理と同様である。次いで、セタン価測定燃 噴射が実行された気筒における筒内圧(筒内 履歴)が筒内圧センサ38によって検出される( ステップ128)。なお、上記ステップ124の処理 よって吸入空気量が増加しているので、こ ステップ128で検出される筒内圧は、上記ス ップ104で検出された筒内圧よりも高くなる

 続いて、上記ステップ128で検出された筒 圧に基づいて、上記ステップ106と同様の手 により、着火遅れ期間δtdが算出される(ス ップ130)。このステップ130で算出された着火 れ期間δtdは、上記ステップ106で算出された 着火遅れ期間δtdよりも短くなる。

 次に、上記ステップ130で算出された着火 れ期間δtdが、セタン価を高精度に検出可能 な範囲の上限値δtd1’’および下限値δtd2’ の間に入っていること(δtd1’’≦δtd≦δtd2 ’)が確認される(ステップ132)。この上限値δ td1’’および下限値δtd2’’は、増加補正後 吸入空気量に対応するセタン価導出マップ 参照することにより取得することができる( 図5参照)。

 上記ステップ132の処理が終了すると、図7 に示すサブルーチンが終了し、図6のステッ 110の処理が行われる。すなわち、上記ステ プ130で算出された着火遅れ期間δtdを、増加 正後の吸入空気量に対応するセタン価導出 ップに代入することにより、セタン価が導 される。ここでは、セタン価の傾きが高精 検出可能傾きとなるような上限値δtd1’’ よび下限値δtd2’’の間に着火遅れ期間δtd 入っているので、セタン価を高精度に求め ことができる。

 なお、万一、上記ステップ122でδtd1’≦δ td≦δtd2’の成立が認められなかった場合、 るいは、上記ステップ132でδtd1’’≦δtd≦δ td2’’の成立が認められなかった場合には、 ステップ112以下の処理を再度実行するように してもよい。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、着火遅れ期間が短く、着火遅れ期間に対 るセタン価の傾きが急過ぎるためにセタン を精度良く求めることが困難な場合には、 火遅れ期間が長くなるようにディーゼルエ ジン10の制御パラメータを補正した上で、 タン価の検出を行うことができる。このた 、例えばGTL燃料などの高セタン価燃料が使 されている場合であっても、セタン価を精 良く検出することができる。

 一方、着火遅れ期間が長く、着火遅れ期 に対するセタン価の傾きが緩やか過ぎるた にセタン価を精度良く求めることが困難な 合には、着火遅れ期間が短くなるようにデ ーゼルエンジン10の制御パラメータを補正 た上で、セタン価の検出を行うことができ 。このため、例えば分解軽油などの低セタ 価燃料が使用されている場合であっても、 タン価を精度良く検出することができる。

 燃料のセタン価が高い場合には、着火し いので、標準的なセタン価の場合と比べて EGR量を多くしたり、燃料噴射時期を遅延し りしても、安定した燃焼を行わせることが きる。このため、使用可能な運転条件の領 が広くなるので、燃費性能やエミッション 能などを向上する観点において、より適切 条件で運転することが可能となる。一方、 料のセタン価が低い場合には、上記と逆の 情となる。本発明によれば、幅広いセタン の燃料に対して、セタン価を高精度に検出 ることができる。このため、多種多様な燃 が使用される場合に、各燃料のセタン価に じて、最適なエンジン制御を行うことが可 となる。

 なお、本実施形態では、着火遅れ期間を 長または短縮させる際に、ディーゼルエン ン10の吸入空気量を補正することとしてい が、本発明では、吸入空気量以外の制御パ メータを補正することによって着火遅れ期 を延長または短縮させるようにしてもよい 吸入空気量以外の制御パラメータとしては 例えば、圧縮比(圧縮比可変機構を備えたエ ジンでは機械圧縮比、吸気弁閉じ時期可変 構を備えたエンジンでは実圧縮比)、吸気温 度(EGRクーラあるいはインタークーラの冷却 を可変とする機構を備えたエンジンの場合) 吸気酸素濃度(EGR率)等が挙げられる。

 また、本実施形態では、使用燃料が高セ ン価燃料であると判別された場合(δtd<δtd 1の場合)と、使用燃料が低セタン価燃料であ と判別された場合(δtd>δtd2の場合)との両 の場合について、着火遅れ期間を補正して タン価を検出することとしているが、本発 では、使用燃料が高セタン価燃料であると 別された場合にのみ、着火遅れ期間を補正( 延長)してセタン価を検出するようにしても い。

 また、上述した実施の形態1においては、 筒内圧センサ38が前記第1の発明における「筒 内圧検出手段」に相当している。また、ECU50 、上記ステップ106の処理を実行することに り前記第1の発明における「着火遅れ期間算 出手段」が、上記ステップ108および112の処理 を実行することにより前記第1の発明におけ 「高セタン価燃料判別手段」が、上記ステ プ114の処理を実行することにより前記第1の 明における「着火遅れ期間延長手段」が、 記ステップ120の処理を実行することにより 記第1の発明における「着火遅れ期間再算出 手段」が、上記ステップ110の処理を実行する ことにより前記第1の発明における「セタン 算出手段」が、上記ステップ108および112の 理を実行することにより前記第3の発明にお る「低セタン価燃料判別手段」が、上記ス ップ124の処理を実行することにより前記第3 の発明における「着火遅れ期間短縮手段」が 、上記ステップ120および130の処理を実行する ことにより前記第3の発明における「着火遅 期間再算出手段」が、それぞれ実現されて る。