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Patent Searching and Data


Title:
JELLY-LIKE PHARMACEUTICAL COMPOSITION CONTAINING RISPERIDONE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/152729
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to search a jelly base material or an additive having excellent blendability with risperidone and provide a jelly-like, risperidone-containing pharmaceutical composition which is highly safe and is easy to be ingested. A combination of carob bean gum and xanthan gum is used as a jelly base material for the jelly-like, risperidone-containing pharmaceutical composition. Preferably, a flavoring agent selected from a sugar alcohol and lactose is further added.

Inventors:
NATSUME KIO (JP)
DAIRAKU MASATAKE (JP)
NINOMIYA HIROSHI (JP)
TAMURA NOBORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/062110
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 15, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TEIKOKUMEDIX CO LTD (JP)
NATSUME KIO (JP)
DAIRAKU MASATAKE (JP)
NINOMIYA HIROSHI (JP)
TAMURA NOBORU (JP)
International Classes:
A61K31/519; A61K9/08; A61K47/36; A61P25/18
Domestic Patent References:
WO2005123084A12005-12-29
Foreign References:
JPH11123231A1999-05-11
JP2000256181A2000-09-19
Other References:
MORITA T.: "Fukuyaku Hojo Jelly no Kaihatsu", YAKUGAKU ZASSHI, vol. 123, no. 8, 2003, pages 665 - 671, XP003024614
SANO M.: "Kakushu Tennen Gum no Zonen.Kecchaku ni Tsuite -Sono 1-", NEW FOOD INDUSTRY, vol. 20, no. 9, 1978, pages 20 - 28, XP003024615
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshiyuki et al. (4-10 Higashi Nihonbashi 3-chom, Chuo-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 カロブビーンガム、キサンタンガム及びリスペリドンを含む、ゼリー状の医薬組成物。
 pHが3~5である請求項1に記載の医薬組成物。
 リスペリドンの含有量が、0.01~0.5質量%である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
 さらに、糖アルコール類及び乳糖から選ばれる少なくとも一つの矯味剤を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の医薬組成物。
 さらにプロピレングリコールを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の医薬組成物。
 キサンタンガムの含有量が0.05~2質量%である、請求項1~5の何れか一項に記載の医薬組成物。
 カロブビーンガムの含有量が0.05~2質量%である、請求項1~6の何れか一項に記載の医薬組成物。
 糖アルコール類が、エリスリトール、キシリトール及びD-ソルビトールから選ばれる少なくとも一つである、請求項4~7の何れか一項に記載の医薬組成物。
 請求項1~8の何れか一項に記載の医薬組成物を、熱熔着可能なフィルムで形成され熱熔着により内部を封じた棒状の袋状容器に封入した袋状容器入り医薬組成物であって、
 前記容器は胴部と、前記胴部の長手方向の少なくとも一端と側部のそれぞれにヒートシール部とを備え、前記胴部は長手方向で分割された気体が封入された部分と医薬組成物が封入された部分とを有し、胴部内の内気圧が外気圧と等しいかまたは外気圧より高く胴部が膨満した状態にある、袋状容器入り医薬組成物。
Description:
リスペリドンを含むゼリー状の 薬組成物

 本発明は、統合失調症の治療剤であるリ ペリドンを含むゼリー状の医薬用組成物に する。

 リスペリドン製剤は統合失調症の治療剤と て主流になりつつある大変重要な薬剤であ 。統合失調症は妄想や幻覚などの多彩な症 を示す精神疾患の一つであり、2002年までは 精神分裂病と呼ばれていた。発病率は全人口 の1%程といわれており、決して珍しい病気で ない。この疾患は思春期から青年期に発症 ることが多いが、小児期の発症や老年期で 発症もみられる。一般に破瓜型(解体型)に べて妄想型は発症年齢が遅いとされ、30-40代 での発症が多い。また、男性と比較して女性 は平均発症年齢が高く、閉経後にも小さな発 症のピークがあるなど、患者の年齢もさまざ まである。
 このような患者に処方するリスペリドン製 の剤形としては錠剤、細粒剤、内服液剤な が開発されている。例えば、リスペリドン 剤の安定性の向上を目的として、「pHを2~6 範囲内に保つための緩衝液を含んでなりそ て本質的にD-ソルビトールを含まないことを 特徴とするリスペリドンを含む水溶液」が開 発されている(特許文献1)。
 しかしながら、リスペリドンは苦味を有す ため、水溶液の剤形では服用し難いという 題がある。そこで、リスペリドン製剤の剤 の開発においては、患者の年齢や症状の程 を加味した上で、更なる工夫が求められて た。近年の医療は患者の身体的機能に応じ 剤形選択が重視されつつあり、剤形の選択 が広がることは、患者にとってメリットが きく、服薬コンプライアンスの向上はもと り、医療の質の向上等にも大きく寄与する

 一方、今世紀に入り製剤学の向上もめざま く、ゼリー製剤という新たな剤形の工夫も 歩してきた。例えば、離奬し難く、安定性 優れ、喉ごしが良いという特徴を有する「 リー状経口医薬組成物」(特許文献2)や容器 ら直接口内へ投与することが簡便に行える 袋状容器入り医療用ゼリー剤」(特許文献3) どが報告されている。このような新剤形の 場は、さまざまな有効成分を含むゼリー製 の製造を可能とするものである。しかしな らゼリー製剤の製造は、加熱・加温の工程 経るため特に難しい。また、ゼリー製剤は 有効成分の安定性やゼリーの物性維持を加 した苛酷な試験をクリアしなければ、製品 して安定供給することができない。この様 状況で、含有する有効成分に適した、安定 の高いゼリー製剤の開発が求められていた

特許第2872412号公報

特開平09-194346号公報

特許第3665498号公報

 本発明者らは、ゼリー製剤について研究を ねる過程で、リスペリドンは使用するゼリ の基剤や添加剤の種類によっては、含量低 や色調変化を起こす場合があることを見い した。
 そこで、本発明は、リスペリドンとの配合 に優れるゼリー基剤、添加剤を探索するこ により、安定性に優れかつ服用が容易であ 、リスペリドンを含むゼリー状の医薬組成 を提供することを課題とする。

 本発明者らは、上記課題を解決するために 意研究を重ねた結果、カロブビーンガム及 キサンタンガムを組合わせたゼリー基剤が リスペリドンの含量低下や色調変化を起こ ことなく使用できることを見い出した。さ に、本発明者らは、糖アルコール類及び乳 から選ばれる矯味剤が、リスペリドンの含 低下や色調変化を起こすことなく使用でき ことをも見い出した。本発明者らはこれら 知見から、安定性に優れかつ服用が容易で る、リスペリドンを含むゼリー状の医薬組 物を得ることに成功し、本発明を完成させ 。
 すなわち、本発明は以下の通りである。

 第一の発明は、カロブビーンガム、キサン ンガム及びリスペリドンを含む、ゼリー状 医薬組成物である(以下、「本発明の医薬組 成物」ともいう。)。
 本発明の医薬組成物において、リスペリド の含有量は、0.01~0.5質量%であることが好ま く、キサンタンガムの含有量は0.05~2質量%で あることが好ましく、カロブビーンガムの含 有量は0.05~2質量%であることが好ましい。
 本発明の医薬組成物のpHは、3~5であること 好ましい。
 本発明の医薬組成物は、さらに糖アルコー 類及び乳糖から選ばれる少なくとも一つの 味剤を含むことが好ましい。糖アルコール は、エリスリトール、キシリトール及びD- ルビトールから選ばれる少なくとも一つが ましい。
 また、本発明の医薬組成物は、さらにプロ レングリコールを含むことが好ましい。

 第二の発明は、本発明の医薬組成物を、 熔着可能なフィルムで形成され熱熔着によ 内部を封じた棒状の袋状容器に封入した袋 容器入り医薬組成物である(以下、「本発明 の袋状容器入り医薬組成物」ともいう。)。 記容器は胴部と、前記胴部の長手方向の少 くとも一端と側部のそれぞれにヒートシー 部とを備え、前記胴部は長手方向で分割さ た気体が封入された部分と医薬組成物が封 された部分とを有し、胴部内の内気圧が外 圧と等しいかまたは外気圧より高く胴部が 満した状態にある。

本発明の袋状容器入り医薬組成物の一 の正面図である。 本発明の袋状容器入り医薬組成物の一 の側面図である。 本発明の袋状容器入り医薬組成物の一 の平面図である。 本発明の袋状容器入り医薬組成物の一 の斜視図である。 本発明の袋状容器入り医薬組成物の一 で、ノッチから開封したところを示す斜視 である。 本発明の袋状容器入り医薬組成物の製 方法の一例を示す図である。

 本発明の医薬組成物は、カロブビーンガ 、キサンタンガム及びリスペリドンを含み ゼリー状であることを特徴とする。

 カロブビーンガム(ローカストビーンガム ともいう。)は、通常ゼリー組成物の基剤と て用いられるものを特に制限なく用いるこ ができる。カロブビーンガムの含有量は、 ましくは0.05~2質量%、さらに好ましくは0.1~1.5 質量%、さらに好ましくは0.2~1.0質量%である。

 キサンタンガムは、通常ゼリー組成物の 剤として用いられるものを特に制限なく用 ることができる。キサンタンガムは、これ のカリウム塩、カルシウム塩及びナトリウ 塩も含む。キサンタンガムの含有量は、好 しくは0.05~2質量%、さらに好ましくは0.1~1.5 量%、さらに好ましくは0.2~1.0質量%である。 た、キサンタンガムの含有量は、カロブビ ンガムの含有量に対して、好ましくは0.25~4 量倍、さらに好ましくは0.5~2質量倍である。

 リスペリドンは3-[2-[4-(6-フルオロ-1,2-ベン ズイソキサゾール-3-イル)-1-ピペリジニル]エ ル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-2-メチル-4H-ピリド[1 ,2-a〕ピリミジン-4-オンの一般名である。そ 製造方法および薬理学的活性はEP-0,196,132に 載されている。なお、本発明において、「 スペリドン」は、製薬学的に許容可能な、 スペリドンの酸付加塩を含む。リスペリド の原薬は、各国又は各社内原料規格に適合 るものであれば特に制限されるものではな 。リスペリドンの含有量は、好ましくは0.01~ 0.5質量%、さらに好ましくは0.02~0.4質量%であ 。

 本発明の医薬組成物は、さらに、糖アル ール類及び乳糖から選ばれる少なくとも一 の矯味剤を含むことが好ましい。糖アルコ ルとしては、エリスリトール、キシリトー 、D-ソルビトール等が挙げられるが、好ま くは、エリスリトール、キシリトール、D-ソ ルビトールから選ばれる少なくとも一つであ る。前記矯味剤の合計含有量は、好ましくは 5~70質量%、さらに好ましくは30~60質量%である

 本発明の医薬組成物は、さらに、プロピ ングリコールを含むことが好ましい。プロ レングリコールの含有量は、好ましくは0.2~ 20質量%、さらに好ましくは0.5~15質量%、さら 好ましくは1~10質量%である。また、プロピレ ングリコールの含有量は、カロブビーンガム とキサンタンガムの合計含有量に対して、好 ましくは0.1~10質量倍、さらに好ましくは0.5~5 量倍である。プロピレングリコールは、ゼ ー状の医薬組成物の食感を向上させる。

 本発明の医薬組成物のpHは、好ましくは3~ 5である。pHの調整のためのpH調整剤及び緩衝 は、通常用いられるものを用いればよい。p H調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム 用いられる。また、緩衝剤としては、例え 酒石酸等の有機酸が用いられる。

 本発明の医薬組成物は、リスペリドンの 定性や剤形の安定性を低下させない限り、 記成分の他に、医薬品の添加物として許容 れ、かつ経口投与可能な各種任意成分、例 ば、安定剤、甘味剤、乳化剤、分散剤、防 剤、芳香剤等を所望に応じて添加すること できる。

 本発明の医薬組成物は、上記成分を加え 以外は、公知のゼリー状の医薬組成物と同 にして製造することができる。例えば、カ ブビーンガム、キサンタンガム及びリスペ ドン、並びに必要に応じてその他の成分を 当な温度で精製水等の分散媒に分散させ、 の後冷却してゲル化させることにより製造 ることができる。各成分を分散させる際の 度は、例えば75~85℃とすることができる。 た、本発明の医薬組成物をゲル化させる際 、1回の投与量ごとに分けてゲル化させれば 服用の際に便利である。

 このようにして製造した本発明の医薬組成 は、従来ゼリー状の医薬組成物を封入する に使用されている容器に封入することがで る。
 中でも、熱熔着可能なフィルムで形成され 熔着により内部を封じた棒状の袋状容器で って、前記容器は胴部と、前記胴部の長手 向の少なくとも一端と側部のそれぞれにヒ トシール部とを備え、前記胴部は長手方向 分割された気体が封入された部分と医薬組 物が封入された部分とを有し、胴部内の内 圧が外気圧と等しいかまたは外気圧より高 胴部が膨満した状態にある容器に封入する とが好ましい。
 前記袋状容器は、前記胴部の長手方向の側 に設けられたヒートシール部上に、前記胴 の長手方向の医療用組成物が封入された部 側の一端の近傍にノッチまたは破断線が設 られ、前記ノッチまたは破断線から容器を 封することにより開口部が形成されること 好ましい。この場合、前記ノッチまたは破 線は、医薬組成物が封入された部分側の一 から胴部の長手方向に向かって2~5mm内側の 置のヒートシール部上に設けられることが ましい。

 本発明の袋状容器入り医薬組成物の実施の 態の例を図1~図6の図面に基づいて説明する
 図1は、本発明の袋状容器入り医薬組成物1 正面図である。図2は、本発明の袋状容器入 医薬組成物の一例の側面図である。図3は、 本発明の袋状容器入り医薬組成物の一例の平 面図である。図4は、本発明の袋状容器入り 薬組成物の斜視図である。図5は、本発明の 状容器入り医薬組成物の一例で、ノッチか 開封したところを示す斜視図である。

 袋状容器入り医薬組成物1では、ポリエチ レンテレフタレート/シリカ蒸着製ポリエチ ンテレフタレート/ポリエチレン製フィルム 形成され熱熔着により内部を封じた袋状容 2に、本発明の医薬組成物6と気体7が封入さ ている。

 また、袋状容器2は、本発明の医薬組成物 6と気体7を収納する胴部3と、袋状容器2の医 組成物封入端31、気体封入端32、側部にヒー シール部40とを備え、胴部3は棒状である。

 胴部3内には、本発明の医薬組成物6および 体7が封入され、胴部3内の内気圧は外気圧よ りも高く、胴部3は室温下で膨満した状態に る。
 また、ヒートシール部40には、開封用のノ チ50がゼリー剤封入端31から3mm内側に位置す 場所に設けられており、開封が容易に行え 。ノッチ50は、棒状の袋状容器2の長軸方向 対して直交する方向に開封でき、ノッチ50 ら袋状容器2を開封した際に、胴部3において 医薬組成物封入端31の部位が開封される位置 設けられる。ノッチ50から袋状容器2を開封 ることにより、開口部80が形成される。

 図6は本発明の袋状容器入り医薬組成物の 製造方法の一例を示す図であり、図1~図5に示 される袋状容器入り医療用組成物を製造する 例である。

 胴部3に連なる開口部8a及び側部にヒートシ ル部40aを有する袋状容器2内に、溶融状態に ある医薬用組成物6aを医薬組成物充填針9を通 じて充填し、円周部が接した2つの袋状のロ ル10間に前記開口部8aを挟み込み、当該ロー 10を下方に回動させて袋状容器2の胴部内の 気を圧迫し胴部内の内圧を外気圧より高く て胴部3を膨満させた後、袋状容器の圧迫し ている側を熱熔着により封じ、その後冷却し て医薬用組成物を固化させて、袋状容器入り 医薬用組成物1を得る。
 本発明の袋状容器入り医薬組成物において 容器の他の具体的な態様は、特開平11-123231 公報及び特許第3665498号公報を参照すること ができる。

 本発明の医薬組成物は、1回の投与量と同 量を封入することが、服用の容易性の観点か ら好ましい。1回の投与量は、患者の症状、 齢、性別に応じて決定されるが、例えば0.5g~ 10gが挙げられる。

<試験例>
(1)ゼリー基剤の選定試験
 リスペリドンは、配合する成分により色調 化や含量低下が起きやすいことが、事前の 験等により判明した。そこで、リスペリド を配合するためのゼリー基剤を選定するた に、種々のゼリー基剤について、リスペリ ンとの配合性を試験した。先ず、表1に示す 1-1~1-11の各原料の分量を耐熱性の密栓できる 器に採取し、精製水を適量加えて攪拌しな ら加温(80℃)して溶解した。この溶液をガラ ス製アンプルに数グラム毎に充てんした。こ のサンプルを70℃の条件で9日間保存して、外 観の変化を観察し、リスペリドン含量をHPLC て分析した。なお、各サンプルのpHは酒石酸 及び水酸化ナトリウムを用いて約3~4に調整し た。
 その結果、カロブビーンガム、キサンタン ム、ガティガム、プロピレングリコールを 合したサンプルは、初期の外観を維持し、 た、リスペリドン含量は95%以上を保持して た。しかしながら、その他のサンプルは、 観が微黄色~微褐色に変化し、さらにリスペ リドン含量は95%以下に低下していた。

(2)矯味剤等の選定試験
 リスペリドンは苦味を有する成分である。 こで、リスペリドンを含む医薬組成物の苦 を低減するための矯味剤を選定するために 各種矯味剤について、リスペリドンとの配 性を試験した。表2に示す2-1~2-9の各原料の 量を耐熱性の密栓できる容器に採取し、精 水を適量加えて攪拌しながら加温(80℃)して 解した。この溶液をガラス製アンプルに数 ラム毎に充てんした。このサンプルを70℃ 条件で9日間保存して、外観の変化を観察し リスペリドン含量をHPLCにて分析した。なお 、各サンプルのpHは酒石酸及び水酸化ナトリ ムを用いて約3~4に調整した。
 その結果、エリスリトール、キシリトール D-ソルビトール、乳糖を配合したサンプル 、外観が無色から微黄色程度であり、また スペリドン含量が95%以上を保持していた。 かしながら、その他の矯味剤を配合したサ プルは、外観が黄色から褐色を呈し、さら リスペリドン含量も95%以下に低下していた

(3)苦味マスク試験
 (1)及び(2)の試験結果を基に、ゼリー基剤及 矯味剤を選定し、表3に示す処方の予備ゼリ ー製剤のサンプルについて、苦味マスクを検 討した。表3に示す3-1~3-4の各原料の分量を耐 性の密栓できる容器に採取し、精製水を適 加えて攪拌しながら加温(80℃)して溶解した 。この溶液を予め用意した袋状の容器に1g充 んして、リスペリドンを含むゼリー製剤を た。このサンプルにつき、5名の被験者によ る苦味と食感の評価試験を行い、平均的な評 価を表3にまとめた。なお、各サンプルのpHは 酒石酸及び水酸化ナトリウムを用いて約4に 整した。
 その結果、下記処方の何れにおいても、苦 が明らかに無く、また、食感においてもほ 満足するゼリー物性を有していた。

<実施例>
 (1)~(3)の試験結果を基に、表4に示す処方の 薬組成物を製造した。表4に示す4-1~4-9の分量 を耐熱性の密栓できる容器に採取し、精製水 を適量加えて攪拌しながら加温(80℃)して溶 した。この溶液を予め用意した袋状の容器 1g充てんして、リスペリドンを含む医薬組成 物を得た。なお、医薬組成物のpHは酒石酸及 水酸化ナトリウムを用いて約4に調整した。
 この医薬組成物につき、外観観察、リスペ ドン含量のHPLCによる分析を行い、さらに5 の被験者による苦味と食感の評価試験を行 た。平均的な評価を表4にまとめた。4-1~4-7の カロブビーンガム及びキサンタンガムを含む ゼリー基剤を用いた医薬組成物(実施例)は、7 0℃、9日経過後の外観、リスペリドンの含量 苦味マスク、食感の全ての項目において満 しうる試験結果を得た。一方、4-8のカロブ ーンガムのみを含むゼリー基剤を用いた医 組成物、4-9のキサンタンガムのみを含むゼ ー基剤を用いた医薬組成物(比較例)は、リ ペリドンの含量においては満足しうる結果 あったが、調製後の外観は粘性のある液で り、70℃、9日経過後の外観も粘性のある液 あった。また、苦味の出現もあり、食感も ましいものではなかった。

産業上の利用の可能性

 本発明の医薬組成物は、高温の保存下で 、リスペリドンの含量低下や色調変化が抑 され、医薬組成物として極めて高い安定性 有する。さらに、優れた食感を有し、リス リドンの苦味も低減される。このような本 明の医薬組成物は、幅広い患者にとって服 が容易であり、さらに十分に効果を発揮し るため、統合失調症の治療薬として、有用 ある。