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Patent Searching and Data


Title:
LAMINATION FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174975
Kind Code:
A1
Abstract:
This lamination film includes a first outer layer, an intermediate layer, and a second outer layer in this sequence. The first outer layer is formed of a resin A1 that contains a polymer having an alicyclic structure and has a glass transition temperature of TgA1 (°C). The second outer layer is formed of a resin A2 that contains a polymer having an alicyclic structure and has a glass transition temperature of TgA2 (°C). The intermediate layer is formed of a resin B that contains an ultraviolet ray absorbing agent and a polymer having an alicyclic structure, and has a glass transition temperature of TgB (°C). TgA1 and TgA2 are each independently 150°C or more. (TgA1-TgB) and (TgA2-TgB) are each independently 0-60°C. The concentration of the ultraviolet ray absorbing agent in the resin B is 5-20 wt%. The proportion (TB/(TA1+TA2)) of the thickness TB of the intermediate layer with respect to the total of the thickness TA1 of the first outer layer and the thickness TA2 of the second outer layer is 0.1-0.35.

Inventors:
MURATA NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/002831
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
January 27, 2020
Export Citation:
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Assignee:
ZEON CORP (JP)
International Classes:
B32B27/18; B32B7/027; B32B15/04
Domestic Patent References:
WO2016043117A12016-03-24
Foreign References:
JP2011203400A2011-10-13
JP2017068227A2017-04-06
JP2013189549A2013-09-26
JP2002249600A2002-09-06
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI INTERNATIONAL PATENT OFFICE (JP)
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Claims:
\¥02020/174975 32 卩(:17 2020 /002831

請求の範囲

[請求項 1] 第 1外側層、 中間層、 及び第 2外側層をこの順で含み、

前記第 1外側層は、 脂環式構造を含有する重合体を含み、 ガラス転 移温度が丁 9八 1 (°〇 である樹脂八 1からなり、 前記第 2外側層は、 脂環式構造を含有する重合体を含み、 ガラス転 移温度が丁 9八2 (°〇 である樹脂八 2からなり、 前記中間層は、 脂環式構造を含有する重合体及び紫外線吸収剤を含 み、 ガラス転移温度が丁 9巳 (°〇 である樹脂巳からなり、

丁 9八 1及び丁 9八 2が、 それぞれ独立して 1 50 °〇以上であり、 丁 9八 1 と丁 9巳との差 (丁 9八 1 -丁 9巳) 及び丁 9八 2と丁 9 巳との差 (丁 9八2_丁 9巳) が、 それぞれ独立して 0°〇以上 60°〇 以下であり、

前記樹脂巳における前記紫外線吸収剤の濃度が、 5重量%以上 20 重量%以下であり、

前記中間層の厚み丁巳の、 前記第 1外側層の厚み丁 1及び前記第 2外側層の厚み丁八2の合計に対する割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2 ) ) が、 〇. 1以上〇. 35以下である、 積層フィルム。

[請求項 2] 前記樹脂八 1の 280°〇及び荷重 2. 1 61< 9におけるメルトマス フローレートが、 ( 9 / 1 001 丨 ) であり、 前記樹脂 2の 280°〇及び荷重 2. 1 61< 9におけるメルトマス フローレートが、 [¾八2 (9/ 1 0〇1 丨 1^) であり、 前記樹脂巳の 280°〇及び荷重 2. 1 61< 9におけるメルトマスフ 口ーレートが、 ) であり、

及·び 巳の 八 2に対 する割合 (?¾巳/[¾八2) が、 それぞれ独立して 3. 5以上 1 5. 0 以下である、 請求項 1 に記載の積層フィルム。

[請求項 3] 前記樹脂 1 における紫外線吸収剤の濃度及び前記樹脂 2におけ る紫外線吸収剤の濃度が、 それぞれ独立して〇重量%以上 5重量%未 〇 2020/174975 33 卩(:171? 2020 /002831

満である、 請求項 1又は 2に記載の積層フィルム。

[請求項 4] 前記中間層の一方の面に直に接して前記第 1外側層が設けられ、 前 記中間層の他方の面に直に接して前記第 2外側層が設けられている、 請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の積層フィルム。

[請求項 5] 1 . 0

%以下であり、 前記中間層に含まれる前記紫外線吸収剤が、 ベンゾト リアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群 から選択される 1種以上を含む、 請求項 1〜 4のいずれか 1項に記載 の積層フィルム。

[請求項 6] 透明導電層を更に含む、 請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の積層 フイルム。

[請求項 7] 前記透明導電層が、 インジウムスズオキサイ ドを含む層、 銀ナノワ イヤを含む層、 又は銅メッシュ構造を含む層である、 請求項 6に記載 の積層フイルム。

Description:
\¥02020/174975 1 卩(:17 2020 /002831 明 細 書

発明の名称 : 積層フィルム

技術分野

[0001] 本発明は、 積層フィルムに関する。

背景技術

[0002] 近年、 タツチパネルが備えられた画像表示装置の需 要が伸びており、 タツ チパネルの部材である、 透明導電性フィルムの開発が進んでいる。 透明導電 性フィルムとしては、 基材である樹脂フィルムの上に、 透明導電層が積層さ れているフィルムが開示されている (特許文献 1、 2) 。

[0003] 画像表示装置は、 太陽光などの、 紫外線を含む光の下で使用されうる。 画 像表示装置を紫外線による劣化から保護する ために、 紫外線吸収剤を含む樹 脂フィルムが、 透明導電性フィルムの基材フィルムや、 偏光板保護フィルム などとして用いられている。 樹脂フィルムとしては、 紫外線吸収剤を含む樹 脂の層を中間層として備える、 三層構造の積層フィルムが開示されている ( 特許文献 3〜 5) 。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特開 201 7 -06 1 069号公報

特許文献 2 :国際公開第 201 4/ 1 36701号 (対応公報:米国特許出願 公開第 201 5/037846 1号明細書)

特許文献 3 :特開 2005 _ 1 81 6 1 5号公報

特許文献 4 :特開 201 8- 1 6 1 789号公報

特許文献 5 :特開 201 5-045845号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005] 紫外線吸収剤を含む樹脂の層を中間層として 備える積層フィルムは、 中間 層の厚みにばらつきが存在すると、 紫外線吸収の性能も不均一となりうる。 〇 2020/174975 2 卩(:171? 2020 /002831

また、 積層フィルムは、 その製造工程などにおいて、 高温に曝される場合が ある。 高温に曝されることにより、 積層フィルムにシワが生じると、 積層フ ィルムを含む部材又は装置の光学的特性を保 持できない場合がある。 また、 かかる部材又は装置を効率的に製造できない 場合がある。

したがって、 紫外線吸収剤を含む中間層において厚みのば らつきが抑制さ れており、 かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層 フィルムが求められ ている。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明者は、 前記課題を解決するべく、 鋭意検討した。 その結果、 第 1外 側層、 中間層、 及び第 2外側層をこの順で含む積層フィルムにおい 、 各層 のガラス転移温度、 各層の厚みの比、 中間層における紫外線吸収剤の濃度を 所定の範囲内に収めることにより、 前記課題が解決できることを見出し、 本 発明を完成させた。

すなわち、 本発明は、 以下を提供する。

[0007] [ 1 ] 第 1外側層、 中間層、 及び第 2外側層をこの順で含み、

前記第 1外側層は、 脂環式構造を含有する重合体を含み、 ガラス転移温度 が丁 9八 1 (°〇 である樹脂八 1からなり、

前記第 2外側層は、 脂環式構造を含有する重合体を含み、 ガラス転移温度 が丁 9 八2 (°〇 である樹脂八 2からなり、

前記中間層は、 脂環式構造を含有する重合体及び紫外線吸収 剤を含み、 ガ ラス転移温度が丁 9巳 (°〇 である樹脂巳からなり、

丁 9八 1及び丁 9八 2が、 それぞれ独立して 1 5 0 °〇以上であり、 丁 9 八 1 と丁 9 巳との差 (丁 9八 1 -丁 9 巳) 及び丁 9 八2と丁 9 巳との 差 (丁 9八2 _丁 9 巳) が、 それぞれ独立して 0 °〇以上 6 0 °〇以下であり、 前記樹脂巳における前記紫外線吸収剤の濃度 が、 5重量%以上 2 0重量% 以下であり、

前記中間層の厚み丁巳の、 前記第 1外側層の厚み丁 1及び前記第 2外側 層の厚み丁八2の合計に対する割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2) ) が、 〇. 〇 2020/174975 3 卩(:171? 2020 /002831

1以上〇. 3 5以下である、 積層フイルム。

[2] 前記樹脂八 1の 2 8 0 °〇及び荷重 2 . 1 6 1< 9におけるメルトマス フローレートが、 ( 9 / 1 0 01 丨 ) であり、

前記樹脂八 2の 2 8 0 °〇及び荷重 2 . 1 6 1< 9におけるメルトマスフロー レートが、 [¾八2 ( / 1 0 丨 n) であり、

前記樹脂巳の 2 8 0 °〇及び荷重 2 . 1 6 1< 9におけるメルトマスフローレ —

及び 巳の 八 2に対する割 合 ([¾巳/[¾八2) が、 それぞれ独立して 3 . 5以上 1 5 . 0以下である、

[ 1] に記載の積層フイルム。

[3] 前記樹脂 1 における紫外線吸収剤の濃度及び前記樹脂 2にお ける紫外線吸収剤の濃度が、 それぞれ独立して 0重量%以上 5重量%未満で ある、 [ 1] 又は [2] に記載の積層フイルム。

[4] 前記中間層の一方の面に直に接して前記第 1外側層が設けられ、 前記中間層の他方の面に直に接して前記第 2外側層が設けられている、 [1 ] ~ [3] のいずれか 1項に記載の積層フイルム。

[5] における光線透過率が、 1 . 0 %以下であり、 前記中間層に含まれる前記紫外線吸収剤が、 ベンゾトリア ゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外 線吸収剤からなる群から選択さ れる 1種以上を含む、 [1] 〜 [4] のいずれか 1項に記載の積層フイルム 〇

[6] 透明導電層を更に含む、 [1] 〜 [5] のいずれか 1項に記載の 積層フイルム。

[7] 前記透明導電層が、 インジウムスズオキサイ ドを含む層、 銀ナノ ワイヤを含む層、 又は銅メッシュ構造を含む層である、 [6] に記載の積層 フイルム。

発明の効果

[0008] 本発明によれば、 紫外線吸収剤を含む中間層において厚みのば らつきが抑 〇 2020/174975 4 卩(:171? 2020 /002831

制されており、 かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層 フィルムを提供 できる。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1 ]図 1は、 本発明の一実施形態に係る積層フィルムを模 式的に示す断面図 である。

[図 2]図 2は、 本発明の別の実施形態に係る積層フィルムを 模式的に示す断面 図である。

発明を実施するための形態

[0010] 以下、 本発明について実施形態及び例示物を示して 詳細に説明する。 ただ し、 本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限 定されるものではなく、 本 発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱 しない範囲において任意に変更 して実施しうる。

[001 1 ] 以下の説明において、 「長尺」 のフィルムとは、 幅に対して、 5倍以上の 長さを有するフィルムをいい、 好ましくは 1 0倍若しくはそれ以上の長さを 有し、 具体的には口ール状に巻き取られて保管又は 運搬される程度の長さを 有するフィルムをいう。 フィルムの長さの上限は、 特に制限は無く、 例えば 、 幅に対して 1 0万倍以下としうる。

[0012] 以下の説明において、 層の面内方向におけるレターデーシヨン ㊀は、 別 (11父一 1^ソ) 〇1で表される値である。 ここで、 、 垂直な方向 (面内方向) であって最大の屈折率を与 える方向の屈折率を表す。 は、 層の前記面内方向であって Xの方向に 直交する方向の屈折率を表す。 ¢1は、 層の厚みを表す。 測定波長は、 別に断 らない限り、 5 9 0 1^ 111である。

[0013] 以下の説明において、 要素の方向が 「平行」 、 「垂直」 及び 「直交」 とは 、 別に断らない限り、 本発明の効果を損ねない範囲内、 例えば ± 3 ° 、 ± 2 ° 又は ± 1 ° の範囲内での誤差を含んでいてもよい。

[0014] 本明細書において 「剤」 とは、 単一種の物質であってもよく、 複数種の物 質を含むものであってもよい。 〇 2020/174975 5 卩(:171? 2020 /002831

[0015] [ 1 . 積層フィルム]

[ 1 . 1 . 積層フィルムの概要]

本発明の一実施形態に係る積層フィルムは、 第 1外側層、 中間層、 及び第 2外側層をこの順で含む。 図 1は、 本発明の一実施形態に係る積層フィルム を模式的に示す断面図である。 図 1 に示すように、 積層フィルム 1 0 0は、 第 1外側層 1 1 〇、 中間層 1 2 0、 第 2外側層 1 3 0をこの順で含む。 第 1 外側層 1 1 〇は、 中間層 1 2 0の一方の面 1 2 0 IIに直に接して設けられて いる。 第 2外側層 1 3 0は、 中間層 1 2 0の他方の面 1 2 0 0に直に接して 設けられている。 第 1外側層 1 1 〇は、 厚み丁八 1 を有する。 第 2外側層 1 3 0は、 厚み丁八 2を有する。 中間層 1 2 0は、 厚み丁巳を有する。

第 1外側層 1 1 〇は、 樹脂八 1からなり、 樹脂八 1 を材料として形成され ている。

第 2外側層 1 3 0は、 樹脂八2からなり、 樹脂八 2を材料として形成され ている。

中間層 1 2 0は、 樹脂巳からなり、 樹脂巳を材料として形成されている。 中間層 1 2 0の厚み丁巳の、 第 1外側層 1 1 0の厚み丁八 1及び第 2外側 層 1 3 0の厚み丁八 2の合計に対する割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2) ) は 、 通常 0 . 1以上 0 . 3 5以下である。

[0016] 積層フィルム 1 0 0が、 前記構成を有することにより、 中間層 1 2 0にお いて厚みのばらつきが抑制されており、 かつ高温に曝されてもシワが生じに くい積層フィルムとしうる。

[0017] [ 1 . 2 . 樹脂八 1 ]

第 1外側層を形成する樹脂 1は、 脂環式構造を含有する重合体を含み、 ガラス転移温度が丁 9八 1 (°〇 である。

[0018] 脂環式構造を含有する重合体とは、 繰り返し単位中に脂環式構造を含有す る重合体である。 以下、 脂環式構造を含有する重合体を、 「脂環式構造含有 重合体」 ともいう。

[0019] 脂環式構造含有重合体は、 機械的強度に優れる。 また、 脂環式構造含有重 〇 2020/174975 6 卩(:171? 2020 /002831

合体は、 通常、 透明性、 低吸水性、 耐湿性、 寸法安定性及び軽量性に優れる

[0020] 脂環式構造含有重合体の例としては、 環状オレフィンを単量体として用い た重合反応によって得られうる重合体又はそ の水素化物などが挙げられる。 また、 前記の脂環式構造含有重合体としては、 主鎖中に脂環式構造を含有す る重合体、 及び、 側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれ も用いること ができる。 中でも、 脂環式構造含有重合体は、 主鎖に脂環式構造を含有する ことが好ましい。 脂環式構造としては、 例えば、 シクロアルカン構造、 シク ロアルケン構造等が挙げられるが、 熱安定性等の観点からシクロアルカン構 造が好ましい。

[0021 ] 1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数は 好ましくは 4個以上、 より 好ましくは 5個以上、 より好ましくは 6個以上であり、 好ましくは 3 0個以 下、 より好ましくは 2 0個以下、 特に好ましくは 1 5個以下である。 1つの 脂環式構造に含まれる炭素原子の数が前記範 囲内にあることで、 機械的強度 、 耐熱性、 及び成形性が高度にバランスされる。

[0022] 脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有す る繰り返し単位の割合は、 好 ましくは 3 0重量%以上、 より好ましくは 5 0重量%以上、 更に好ましくは 7 0重量%以上、 特に好ましくは 9 0重量%以上である。 脂環式構造を有す る繰り返し単位の割合を前記のように多くす ることにより、 耐熱性を高める ことができる。

また、 脂環式構造含有重合体において、 脂環式構造を有する繰り返し単位 以外の残部は、 格別な限定はなく、 使用目的に応じて適宜選択しうる。

[0023] 脂環式構造含有重合体の例としては、 (1) ノルボルネン系重合体、 (2 ) 単環の環状オレフィン重合体、 (3) 環状共役ジェン重合体、 (4) ビニ ル脂環式炭化水素重合体、 及びこれらの水素化物が挙げられる。 これらの中 でも、 透明性及び成形性の観点から、 ノルボルネン系重合体及びこの水素化 物が好ましい。

[0024] ノルボルネン系重合体の例としては、 ノルボルネン構造を有する単量体の 〇 2020/174975 7 卩(:171? 2020 /002831

開環重合体及びその水素化物; ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合 体及びその水素化物が挙げられる。 また、 ノルボルネン構造を有する単量体 の開環重合体の例としては、 ノルボルネン構造を有する 1種類の単量体の開 環単独重合体、 ノルボルネン構造を有する 2種類以上の単量体の開環共重合 体、 並びに、 ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと 共重合しうる任意 の単量体との開環共重合体が挙げられる。 さらに、 ノルボルネン構造を有す る単量体の付加重合体の例としては、 ノルボルネン構造を有する 1種類の単 量体の付加単独重合体、 ノルボルネン構造を有する 2種類以上の単量体の付 加共重合体、 並びに、 ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと 共重合し うる任意の単量体との付加共重合体が挙げら れる。 これらの中で、 ノルボル ネン構造を有する単量体の開環重合体の水素 化物は、 成形性、 耐熱性、 低吸 湿性、 低透湿性、 寸法安定性及び軽量性の観点から、 特に好適である。

[0025] ノルボルネン構造を有する単量体としては、 例えば、 ビシクロ [ 2 . 2 .

1 ] ヘプトー 2 -ェン (慣用名 : ノルボルネン) 、 トリシクロ [ 4 . 3 . 0 . 1 2 , 5 ] デカー 3 , 7 -ジェン (慣用名 :ジシクロペンタジェン) 、 7 , 8 -ベンゾトリシクロ [ 4 . 3 . 〇. 1 2 , 5 ] デカー 3 -ェン (慣用名 : メタノ テトラヒドロフルオレン) 、 テトラシクロ [ 4 . 4 . 〇. 1 2 , 5 · 1 7 , 1 0 ] ドデカー 3—ェン (慣用名 :テトラシクロドデセン) 、 及びこれらの化合物 の誘導体 (例えば、 環に置換基を有するもの) を挙げることができる。 ここ で、 置換基としては、 例えばアルキル基、 アルキレン基、 及び極性基を挙げ ることができる。 これらの置換基は、 同一または相異なって、 複数個が環に 結合していてもよい。 ノルボルネン構造を有する単量体は、 1種類を単独で 用いてもよく、 2種類以上を任意の比率で組み合わせて用い もよい。

[0026] ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合 体は、 例えば、 単量体を開環 重合触媒の存在下に重合又は共重合すること により製造しうる。

[0027] ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合 体は、 例えば、 単量体を付加 重合触媒の存在下に重合又は共重合すること により製造しうる。

[0028] 上述した開環重合体及び付加重合体の水素化 物は、 例えば、 開環重合体及 〇 2020/174975 8 卩(:171? 2020 /002831

び付加重合体の溶液において、 ニッケル、 パラジウム等の遷移金属を含む水 素化触媒の存在下で、 炭素一炭素不飽和結合を、 好ましくは 90%以上水素 化することによって製造しうる。

[0029] 樹脂 1 に含まれる脂環式構造含有重合体の重量平均 分子量 (!\/!%) は、 好ましくは 1 0, 000以上、 より好ましくは 1 5 , 000以上、 更に好ま しくは 20, 000以上であり、 好ましくは 1 00, 000以下、 より好ま しくは 80, 000以下、 更に好ましくは 50, 000以下である。 このよ うな重量平均分子量を有する脂環式構造含有 重合体は、 機械的強度、 成形加 エ性及び耐熱性のバランスに優れる。

[0030] 樹脂 1 に含まれる脂環式構造含有重合体の分子量分 布 は 、 好ましくは 1. 2以上、 より好ましくは 1. 5以上、 特に好ましくは 1.

8以上であり、 好ましくは 3. 5以下、 より好ましくは 3. 4以下、 特に好 ましくは 3. 3以下である。 分子量分布が前記範囲の下限値以上であるこ と により、 脂環式構造含有重合体の生産性を高め、 製造コストを抑制できる。 また、 上限値以下であることにより、 低分子成分の量が小さくなるので、 第 1外側層の安定性を高めることができる。

[0031] 樹脂 1 に含まれる脂環式構造含有重合体及び後述す る樹脂 2に含まれ る脂環式構造含有重合体の重量平均分子量 IV! 及び数平均分子量 IV! は、 溶 媒としてシクロヘキサンを用いたゲル ·パーミエーシヨン · クロマトグラフ ィー (以下、 「〇 〇」 と略す。 ) により、 ポリイソプレン換算の値で測定 しうる。 樹脂がシクロヘキサンに溶解しない場合には 、 溶媒としてトルエン を用いた◦ 〇により、 ポリスチレン換算の値で測定しうる。

[0032] 脂環式構造含有重合体を含む樹脂としては、 様々な商品が市販されている ので、 それらのうち、 所望の特性を有するものを適宜選択し、 使用しうる。 かかる市販品の例としては、 商品名 「2巳〇1\1〇[¾」 (日本ゼオン株式会社 製) 、 「アートン」 株式会社製) 、 「アペル」 (三井化学株式会社 製) 、 「丁〇 八3」 (丁〇 八3 八〇1 3门 06〇1

社製) の製品群が挙げられる。 〇 2020/174975 9 卩(:171? 2020 /002831

[0033] 樹脂 1 における脂環式構造含有重合体の量は、 好ましくは 8 0重量%以 上、 より好ましくは 9 0重量%以上、 更に好ましくは 9 5重量%以上であり 、 通常 1 0 0重量%以下であり、 9 8重量%以下であってもよい。 樹脂八 1 における脂環式構造含有重合体の量が、 前記下限値以上であることにより、 樹脂 1が、 脂環式構造含有重合体が有する特性を備えう る。

[0034] 樹脂 1は、 脂環式構造含有重合体を 1種類単独で含んでいてもよく、 2 種類以上の任意の比率の組み合わせとして含 んでいてもよい。

[0035] 樹脂 1は、 脂環式構造含有重合体の他に、 任意の成分を含んでいてもよ い。

任意の成分の例としては、 脂環式構造含有重合体以外の重合体;無機微 粒 子;酸化防止剤、 熱安定剤、 紫外線吸収剤、 近赤外線吸収剤等の安定剤;滑 剤、 可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色 剤;及び帯電防止剤が挙げ られる。 これらの任意の成分としては、 1種類を単独で用いてもよく、 2種 類以上を任意の比率で組み合わせて用いても よい。

[0036] 樹脂 1は、 任意の成分として、 紫外線吸収剤を含んでいてもよい。 紫外 線吸収剤が第 1外側層からプリードアウトすることを抑制 る観点から、 樹 脂八 1 における紫外線吸収剤の濃度は、 好ましくは 5重量%未満、 より好ま しくは 3重量%以下、 更に好ましくは 1重量%以下であり、 通常 0重量%以 上であり、 0重量%であってもよい。

樹脂 1が含みうる紫外線吸収剤の例としては、 樹脂巳が含む紫外線吸収 剤の例として後述する紫外線吸収剤が挙げら れる。

[0037] [樹脂 1の物性]

樹脂八 1のガラス転移温度丁 9八 1 (°〇) は、 通常 1 5 0 °〇以上、 好まし くは 1 5 5 °〇以上、 より好ましくは 1 6 0 °〇以上であり、 好ましくは 1 8 5 °〇以下、 より好ましくは 1 7 5 °〇以下である。 ガラス転移温度丁 9八 1が、 前記下限値以上であることにより、 積層フィルムにおいて高温暴露時のシワ の発生を抑制できる。

[0038] 樹脂 1のガラス転移温度丁 9 1 (°〇) 、 後述する樹脂巳のガラス転移 〇 2020/174975 10 卩(:171? 2020 /002831

温度丁 9 巳 (°〇) 、 及び後述する樹脂 2のガラス転移温度丁 9 2 (°〇) は、 」 丨 3 [< 7 1 2 1 に基づき、 示差走査熱量分析法 (以下、 口 3(3とも いう。 ) により測定しうる。

口 3〇によるガラス転移温度の測定は、 室温から 200 °〇まで 20 °〇/ | 门で昇温し、 次いで 40°〇まで 20°〇/〇1 丨 で冷却した試料について、

40°〇から 200°〇まで 1 0°〇/ 丨 nで昇温する条件で行いうる。

[0039] 樹脂八 1の、 280°〇及び荷重 2. 1 61< 9におけるメルトマスフローレ —卜 [¾八 1は、 好ましくは〇. 5 g/1 0m i n以上、 より好ましくは 1 9 / 1 0 丨 以上、 更に好ましくは 39/1 0〇1 丨 以上であり、 好ましく は 50 g/1 0m i n以下、 より好ましくは n以下、 更に 好ましくは 20 9 / 1 0 I 门以下である。 樹脂八 1のメルトマスフローレ —卜 八 1 を前記範囲内とすることにより、 より効果的に積層フィルムにお いて高温暴露時のシワの発生を抑制できる。 樹脂八 1のメルトマスフローレ —卜 1は、 例えば、 樹脂 1の重量平均分子量を調整する方法、 滑剤; 可塑剤などの樹脂改質剤;及び紫外線吸収剤 などの、 添加剤の含有量を調整 する方法により、 調整しうる。

[0040] 樹脂八 1並びに後述する樹脂八 2及び樹脂巳のメルトマスフローレート ( 以下、 メルトマスフローレートを ともいう。 ) は、 」 丨 3 [< 72 1

0に基づき、 メルトインデクサを用いて、 温度 280 ° 〇、 荷重 2. 1 61< 9 の条件で測定しうる。

[0041] [1. 3. 樹脂八 2]

第 2外側層を形成する樹脂 2は、 脂環式構造を含有する重合体を含み、 ガラス転移温度が丁 9八2 (°〇 である。

[0042] 樹脂 2に含まれる脂環式構造含有重合体の例とし は、 樹脂 1 に含ま れる脂環式構造含有重合体の例と同様の例が 挙げられる。 樹脂 2に含まれ る脂環式構造含有重合体としては、 樹脂 1 に含まれる脂環式構造含有重合 体の好適な例から適宜選択しうる。

[0043] 樹脂 2に含まれる脂環式構造含有重合体の重量平 分子量は、 樹脂八 1 〇 2020/174975 1 1 卩(:171? 2020 /002831

に含まれる脂環式構造含有重合体における 重量平均分子量 (IV! %) の好適な 範囲と同様の範囲としうる。

[0044] 樹脂 2に含まれる脂環式構造含有重合体の分子量 布 は 、 樹脂 1 に含まれる脂環式構造含有重合体における分 子量分布の好適な範 囲と同様の範囲としうる。

[0045] 樹脂 2における脂環式構造含有重合体の量は、 樹脂 1 における脂環式 構造含有重合体の好適な量と同様の範囲とし うる。

[0046] 樹脂 2は、 脂環式構造含有重合体を 1種類単独で含んでいてもよく、 2 種類以上の任意の比率の組み合わせとして含 んでいてもよい。

[0047] 樹脂 2は、 脂環式構造含有重合体の他に、 任意の成分を含んでいてもよ い。

任意の成分の例としては、 樹脂 1 に含まれうる任意成分と同様の例が挙 げられる。 任意の成分としては、 1種類を単独で用いてもよく、 2種類以上 を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

[0048] 樹脂 2は、 任意の成分として、 紫外線吸収剤を含んでいてもよい。 紫外 線吸収剤が第 2外側層からプリードアウトすることを抑制 る観点から、 樹 脂八 2における紫外線吸収剤の濃度は、 好ましくは 5重量%未満、 より好ま しくは 3重量%以下、 更に好ましくは 1重量%以下であり、 通常 0重量%以 上であり、 0重量%であってもよい。

樹脂 2が含みうる紫外線吸収剤の例としては、 樹脂巳が含みうる紫外線 吸収剤の例として後述された紫外線吸収剤が 挙げられる。

[0049] [樹脂 2の物性]

樹脂八2のガラス転移温度丁 9八2 (°〇) は、 通常 1 5 0 °〇以上、 好まし くは 1 5 5 °〇以上、 より好ましくは 1 6 0 °〇以上であり、 好ましくは 1 8 5 °〇以下、 より好ましくは 1 7 5 °〇以下である。 ガラス転移温度丁 9八 2が、 前記下限値以上であることにより、 積層フィルムにおいて高温暴露時のシワ の発生を抑制できる。

[0050] 樹脂八 2の、 2 8 0 °〇及び荷重 2 . 1 6 !< 9におけるメルトマスフローレ 〇 2020/174975 12 卩(:171? 2020 /002831

-卜 [¾八2は、 好ましくは〇. n以上、 より好ましくは 1 9 / 1 0 丨 以上、 更に好ましくは 39/1 0〇1 丨 以上であり、 好ましく は 50 g/1 0m i n以下、 より好ましくは n以下、 更に 好ましくは 20 9 /1 〇 丨 n以下である。 樹脂八2の1\/1 を前記範囲内 とすることにより、 より効果的に積層フィルムにおいて高温暴露 時のシワの 発生を抑制できる。 樹脂八 2の IV! は、 樹脂八 1の IV! の調整方法とし て例示した方法と同様の方法により、 調整しうる。

[0051] 樹脂八2は、 樹脂八 1 と異なる樹脂であってもよい。 例えば、 樹脂八2は 、 樹脂 1 と、 含まれる脂環式構造含有重合体の、 種類、 重量平均分子量、 分子量分布、 含有割合などが異なっていてもよく、 含まれうる任意成分の、 種類、 含有割合などが異なっていてもよい。 また例えば、 樹脂八 2は、 樹脂 八 1 と、 ガラス転移温度、 メルトマスフローレートなどの物性が異なっ てい てもよい。

しかし、 積層フィルムの製造を簡便とし、 積層フィルムの力ールを抑制す る観点から、 樹脂八2は、 樹脂八 1 と同じ樹脂であることが好ましい。

[0052] [1. 4. 樹脂巳]

中間層を形成する樹脂巳は、 脂環式構造を含有する重合体及び紫外線吸収 剤を含み、 ガラス転移温度が丁 9巳 ( ° 〇 である。

[0053] 樹脂巳に含まれる脂環式構造含有重合体の例 としては、 樹脂 1 に含まれ る脂環式構造含有重合体の例と同様の例が挙 げられる。 樹脂巳に含まれる脂 環式構造含有重合体としては、 樹脂 1 に含まれる脂環式構造含有重合体の 好適な例から適宜選択しうる。

[0054] 樹脂巳に含まれる脂環式構造含有重合体の重 量平均分子量は、 好ましくは

1 0, 000以上、 より好ましくは 1 5 , 000以上、 更に好ましくは 20 , 000以上であり、 好ましくは 1 00, 000以下、 より好ましくは 80 , 000以下、 更に好ましくは 50, 000以下である。 このような重量平 均分子量を有する脂環式構造含有重合体は、 機械的強度、 成形加工性及び耐 熱性のバランスに優れる。 〇 2020/174975 13 卩(:171? 2020 /002831

[0055] 樹脂巳に含まれる脂環式構造含有重合体の分 子量分布 は、 好ましくは 1 . 2以上、 より好ましくは 1 . 5以上、 特に好ましくは 1 . 8 以上であり、 好ましくは 3 . 5以下、 より好ましくは 3 . 4以下、 特に好ま しくは 3 . 3以下である。 分子量分布が前記範囲の下限値以上であるこ とに より、 脂環式構造含有重合体の生産性を高め、 製造コストを抑制できる。 ま た、 上限値以下であることにより、 低分子成分の量が小さくなるので、 中間 層の安定性を高めることができる。

[0056] 樹脂巳における脂環式構造含有重合体の量は 、 好ましくは 8 0重量%以上 、 より好ましくは 8 2重量%以上、 更に好ましくは 8 5重量%以上であり、 通常 9 5重量%以下であり、 9 0重量%以下であってもよい。

[0057] 樹脂巳は、 脂環式構造含有重合体を 1種類単独で含んでいてもよく、 2種 類以上の任意の比率の組み合わせとして含ん でいてもよい。

[0058] 樹脂巳に含まれる紫外線吸収剤の例としては 、 ベンゾトリアゾール系紫外 線吸収剤、 トリアジン系紫外線吸収剤、 ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、 ア クリロニトリル系紫外線吸収剤、 サリシレート系紫外線吸収剤、 シアノアク リレート系紫外線吸収剤、 アゾメチン系紫外線吸収剤、 インドール系紫外線 吸収剤、 ナフタルイミ ド系紫外線吸収剤、 フタロシアニン系紫外線吸収剤等 の、 有機紫外線吸収剤が挙げられる。

中でも、 樹脂巳は、 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリ アジン系 紫外線吸収剤からなる群から選択される 1種以上を含むことが好ましい。

[0059] ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、 分子内にベンゾトリアゾール構造 を含む。

ベンゾトリアゾ—ル系紫外線吸収剤の例とし ては、 2 , 2’ ーメチレンビ ス [6— (2 1 ~ 1—ベンゾトリアゾールー 2—イル) 一4— (1 , 1 , 3 , 3 —テトラメチルプチル) フエノール] 、 2 - (2 1 ~ 1 _ベンゾトリアゾールー 2—イル) 一 ークレゾール、 及び 2— (5—クロロー 2 1 ~ 1—ベンゾトリア ゾールー 2—イル) _ 6 _ ㊀ 「 ーブチルー 4—メチルフエノールが挙げ られる。 〇 2020/174975 14 卩(:171? 2020 /002831

[0060] ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の市販品 の例としては、 八 0巳 八社 製 「アデカスタブ 1_八一 3 1」 、 「アデカスタブ !_八一 3 2」 、 「アデカス タブ !_八一3 6」 が挙げられる。

[0061 ] トリアジン系紫外線吸収剤は、 分子内にトリアジン構造を含む。 トリアジ ン系紫外線吸収剤として、 分子内に 1 , 3 , 5—トリアジン構造を含む化合 物が好ましい。

トリアジン系紫外線吸収剤の例としては、 2 , 4 , 6—トリス (2—ヒド ロキシー 3—メチルー 4—ヘキシルオキシフエニル) 一 1 , 3 , 5—トリア ジン、 2 - (4 , 6—ジフエニルー 1 , 3 , 5—トリアジンー 2—イル) 一 5— (2— (2—エチルへキサノイロキシ) エトキシ) フエノール、 及び 2 , 4—ジフエニルー 6— (2—ヒドロキシ _ 4—ヘキシルオキシフエニル) - 1 , 3 , 5 -トリアジンが挙げられる。

[0062] トリアジン系紫外線吸収剤の市販品の例とし ては、 ^ D E< 社製 「アデ カスタブ!-八_ 7 0」 、 「アデカスタブ !_八_ 4 6」 、 及び巳八3 ジャ パン社製 「チヌビン 1 5 7 7」 が挙げられる。

[0063] 紫外線吸収剤の別の具体例としては、 特開 2 0 1 7 - 1 5 4 4 0 1号公報 に記載された紫外線吸収剤が挙げられる。

[0064] 樹脂巳は、 紫外線吸収剤を、 1種単独で含んでいてもよく、 2種以上を任 意の比率の組み合わせで含んでいてもよい。

[0065] 樹脂巳における紫外線吸収剤の含有率は、 通常 5重量%以上、 好ましくは

7重量%以上、 より好ましくは 8重量%以上であり、 通常 2 0重量%以下、 好ましくは 1 5重量%以下、 より好ましくは 1 3重量%以下である。

樹脂巳における紫外線吸収剤の含有率が、 前記下限値以上であることによ り、 積層フィルムにおける紫外線吸収性能が向上 する。 樹脂巳における紫外 線吸収剤の含有率が、 前記上限値以下であることにより、 紫外線吸収剤によ る樹脂巳の着色を抑制し、 樹脂巳において紫外線吸収剤がより良好に分 散し うる。

[0066] 樹脂巳は、 脂環式構造含有重合体及び紫外線吸収剤の他 に、 任意の成分を 〇 2020/174975 15 卩(:171? 2020 /002831

含んでいてもよい。

任意の成分の例としては、 樹脂 1 に含まれうる任意成分と同様の例が挙 げられる。 任意の成分としては、 1種類を単独で用いてもよく、 2種類以上 を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

[0067] [樹脂巳の物性]

樹脂 1のガラス転移温度丁 9 1 (°〇) と樹脂巳のガラス転移温度丁 9 巳 (°〇 との差 (丁 9八 1 —丁 9巳) は、 通常 60 °〇以下であり、 好ましく は 50°〇以下、 より好ましくは 48 °〇以下であり、 通常 0°〇以上である。 また、 樹脂 2のガラス転移温度丁 9 2 (°〇 と樹脂巳のガラス転移温 度丁 9巳 (°〇 との差 (丁 9八 2—丁 9巳) は、 通常 60°〇以下であり、 好 ましくは 50°〇以下、 より好ましくは 48 °〇以下であり、 通常 0°〇以上であ る。

樹脂巳のガラス転移温度丁 9巳が、 ガラス転移温度丁 9 1及び丁 9八 2 と前記関係にあることにより、 加熱後における積層フィルムの寸法変化を抑 制でき、 また高温に曝されてもシワが生じにくい積層 フィルムとしうる。

[0068] 樹脂巳の、 280°〇及び荷重 2. 1 61< 9におけるメルトマスフローレー (9/ 1 0〇1 丨 11) の、 前記メルトマスフローレート[¾八 1 に対する 割合 ([¾巳/[¾八 1 ) は、 通常 3. 5以上、 好ましくは 4. 0以上であり、 通常 1 5. 0以下、 好ましくは 1 4. 5以下、 より好ましくは 1 4. 0以下 である。 割合 ([¾巳/[¾八 1 ) が、 前記下限値以上であることにより、 中間 層における厚みのばらつきが抑制され、 かつ高温に曝されてもシワが生じに くい積層フィルムとしうる。

[0069] また、 メルトマスフローレート 巳の前記メルトマスフローレート 八 2 に対する割合 ([¾巳/[¾八2) は、 通常 3. 5以上、 好ましくは 4. 0以上 であり、 通常 1 5. 0以下、 好ましくは 1 4. 5以下、 より好ましくは 1 4 . 0以下である。 割合 ([¾巳/[¾八2) が、 前記下限値以上であることによ り、 中間層における厚みのばらつきが抑制され、 かつ高温に曝されてもシワ が生じにくい積層フィルムとしうる。 〇 2020/174975 16 卩(:171? 2020 /002831

[0070] 樹脂巳のメルトマスフローレート 巳は、 樹脂八 1の IV! の調整方法と して例示した方法と同様の方法により、 調整しうる。

[0071 ] [ 1 . 5 . 積層フィルムの構成、 物性など]

積層フィルムにおいて、 中間層の厚み丁巳の、 第 1外側層の厚み丁八 1及 び第 2外側層の厚み丁八2の合計に対する割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2)

) は、 通常〇. 1以上、 好ましくは〇. 1 3以上、 より好ましくは〇. 1 6 以上であり、 通常〇. 3 5以下、 好ましくは〇. 3 2以下、 より好ましくは 0 . 3 0以下である。 割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八 2) ) を、 前記範囲内と することにより、 高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィ ルムとしうる 積層フィルムの厚みは、 積層フィルムの使用目的などに応じて適宜に 設定 でき、 特に限定されないが、 好ましくは 3 0 以上 1 5 0 以下である 中間層の厚みは、 中間層に含まれる紫外線吸収剤の量などに応 じて適宜に 設定でき、 特に限定されないが、 好ましくは 5 〇!以上 3 5 〇!以下である

[0072] 積層フィルムは、 波長 3 2 0 〇!以上 3 8 0 〇!以下における光線透過率 が、 通常 1 . 〇 %以下であり、 好ましくは〇 . 8 %以下であり、 理想的には 0 %であり、 0 %以上であってもよい。

積層フィルムの波長 3 2 0 1^〇!以上 3 8 0 1^ 以下における光線透過率が 、 前記上限値以下であることにより、 積層フィルムがより効果的に紫外線を カツ トできる。

紫外可視近赤 外分光光度計を用いて測定されうる。

[0073] 積層フィルムは、 面内方向におけるレターデーシヨン[¾ 6が、 好ましくは より好ましくは 3 〇!以下であり、 通常 0 〇!以上である。 面 内方向におけるレターデーシヨン[¾ ㊀は、 市販の複屈折計を用いて測定され うる。 〇 2020/174975 17 卩(:171? 2020 /002831

[0074] 積層フィルムは、 ヘイズが、 好ましくは 5 %以下、 より好ましくは 3 %以 下であり、 通常 0 %以上である。 ヘイズは、 市販のヘイズメーターを用いて 測定されうる。

[0075] 積層フィルムは、 全光線透過率が、 好ましくは 9 0 %以上、 より好ましく は 9 1 %以上であり、 通常 1 0 0 %以下である。 全光線透過率は市販のヘイ ズメータ—を用いて測定されうる。

[0076] 積層フィルムは、 1 4 5 °〇で 6 0分間加熱後における寸法変化率の絶対値 が、 好ましくは〇. 1 %以下、 より好ましくは〇. 1 %未満であり、 通常 0 %以上である。

1 4 5 °〇で 6 0分間加熱した後における寸法変化率の絶対 は、 加熱前の 積層フィルムの寸法に対する、 加熱後の積層フィルムの寸法変化率の絶対値 として求めうる。

より具体的には、 寸法変化率の絶対値は、 実施例において説明する方法に より求めうる。

[0077] [ 1 . 6 . 積層フィルムに含まれうる任意の層]

積層フィルムは、 前記の第 1外側層、 中間層、 及び第 2外側層の他に、 任 意の層を含んでいてもよい。 任意の層の例としては、 透明導電層、 接着層、 接着補助層が挙げられる。

[0078] [透明導電層]

積層フィルムは、 透明導電層を含んでいてもよい。

導電層は、 例えば、 積層フィルムの最外面に設けられる。

図 2は、 本発明の別の実施形態に係る積層フィルムを 模式的に示す断面図 である。 積層フィルム 2 0 0は、 透明導電層 2 4 0、 第 1外側層 2 1 0、 中 間層 2 2 0、 及び第 2外側層 2 3 0をこの順で含む。 第 1外側層 2 1 0、 中 間層 2 2 0、 及び第 2外側層 2 3 0を備える積層体 2 5 0は、 前記積層フィ ルム 1 0 0と同様の構成を有し、 第 1外側層 2 1 0、 中間層 2 2 0、 及び第 2外側層 2 3 0は、 それぞれ第 1外側層 1 1 0、 中間層 1 2 0、 及び第 2外 側層 1 3 0と同様の構成を有しているので、 説明を省略する。 〇 2020/174975 18 卩(:171? 2020 /002831

[0079] 透明導電層は、 導電性を有する層である。

透明導電層は、 通常、 可視光波長におぃて高ぃ透過率を有する導電 性材料 を含む。 透明導電層に含まれる導電性材料の例として は、 丨 丁〇 (インジウ ムスズオキサイ ド) 、 丨 〇 (インジウム亜鉛オキサイ ド) 、 Z n〇 (酸化 亜鉛) 、 丨 〇 (インジウムタングステンオキサイ ド) 、 丨 丁 丨 〇 (インジ ウムチタニウムオキサイ ド) 、 八 〇 (アルミニウム亜鉛オキサイ ド) 、 ◦ 〇 (ガリウム亜鉛オキサイ ド) 、 乂 〇 (亜鉛系特殊酸化物) 、 丨 〇 〇 (インジウムガリウム亜鉛オキサイ ド) 等の導電性金属酸化物;力ーボンナ ノチユーブ、 銀ナノワイヤ等の導電性ナノワイヤ;金属ナ ノインク ;銅メッ シユなどの金属メッシユ ;導電性ポリマー;などが挙げられる。 また、 これ らの導電性材料は、 1種類を単独で用ぃてもよく、 2種類以上を任意の比率 で組み合わせて用ぃてもよぃ。

透明導電層は、 インジウムスズオキサイ ドを含む層、 銀ナノワイヤを含む 層、 又は銅メッシユ構造を含む層であることが好 ましぃ。

[0080] 透明導電層は、 波長 4 0 0 n m〜 7 0 0 n の範囲における光線透過率が

、 好ましくは 8 5 %以上であり、 より好ましくは 9 0 %以上であり、 さらに 好ましくは 9 5 %以上である。

[0081 ] 透明導電層は、 所定のパターンを有してぃてもよぃ。

[0082] 本実施形態では、 透明導電層 2 4 0は、 第 1外側層 2 1 0よりも外側とな るように、 第 1外側層 2 1 0に直に接して設けられてぃる。 しかし、 別の実 施形態の積層フィルムでは、 透明導電層は、 第 2外側層よりも外側となるよ う、 第 2外側層に直に接して設けられてぃてもよぃ

また別の実施形態に係る積層フィルムは、 第 1外側層に直に接して設けら れてぃる第 1透明導電層と、 第 2外側層に直に接して設けられてぃる第 2透 明導電層とを含んでぃてもよぃ。

さらに別の実施形態に係る積層フィルムは、 第 1外側層と透明導電層との 間、 又は第 2外側層と透明導電層との間に、 任意の層が設けられてぃてもよ い。 〇 2020/174975 19 卩(:171? 2020 /002831

[0083] [ 1 . 7 . 積層フィルムの用途]

前記積層フィルムは、 中間層における厚みのばらつきが抑制されて いる結 果、 紫外線吸収性能のばらつきが少ない。 また、 高温に曝されてもシワが生 じにくい。 そのため、 例えば、 偏光板保護フィルム、 位相差フィルム、 高温 下で製造されうる、 タッチパネルの基材フィルムとして好適に使 用されうる

[0084] [ 2 . 積層フィルムの製造方法]

前記積層フィルムは、 任意の方法により製造しうる。 例えば、 第 1外側層 、 中間層、 及び第 2外側層のそれぞれを別々に、 溶融成形法、 溶液流延法な どの、 公知の方法により製造してから、 それぞれを積層して製造してもよく 、 樹脂八 1、 樹脂巳、 及び樹脂八 2を共押出の方法により積層して製造して もよい。

前記積層フィルムは、 長尺のフィルムとして製造しうる。

[0085] 積層フィルムが透明導電層を含む場合、 透明導電層は、 透明導電層に含ま れる導電性材料に応じた方法により形成しう る。 例えば、 透明導電層は、 蒸 着法、 スパッタリング法、 塗布法などの方法により形成しうる。

実施例

[0086] 以下、 実施例を示して本発明について具体的に説明 する。 ただし、 本発明 は以下に示す実施例に限定されるものではな く、 本発明の請求の範囲及びそ の均等の範囲を逸脱しない範囲において任意 に変更して実施しうる。

[0087] 以下の説明において、 量を表す 「%」 及び 「部」 は、 別に断らない限り、 重量基準である。 また、 以下に説明する操作は、 別に断らない限り、 常温及 び常圧の条件において行った。

[0088] [評価方法]

(ガラス転移温度)

試料のガラス転移温度を、 」 丨 3 [< 7 1 2 1 に基づき示差走査熱量分析 法により測定した。 測定は、 室温から 2 0 0 ° 〇まで 2 0 ° 〇/ 丨 nで昇温し 、 次いで 4 0 °〇まで 2 0 °〇/〇1 丨 门で冷却した試料について、 4 0 °〇から 2 〇 2020/174975 20 卩(:171? 2020 /002831

0 0 °〇まで 1 0 °〇/〇1 丨 nで昇温する条件で行った。

[0089] (メルトマスフローレート)

試料のメルトマスフローレートを、 」 1 3 [< 7 2 1 0に基づき、 メルト インデクサ (東洋精機製作所社製 「 _ 0 1」 ) を用いて、 温度 2 8 0 ° 〇 、 荷重 2 . 1 6 1< 9の条件で測定した。

[0090] (分子量の測定)

脂環式構造含有重合体の重量平均分子量及び 数平均分子量は、 ゲル ·パー ミエーシヨン · クロマトグラフィー (〇 〇) システム 1 ~ 1 1_〇一 8 3 2 0 (東ソー社製) で、 1 ~ 1タイプカラム (東ソー社製) を用い、 シクロヘキサン を溶媒として 4 0 ° 〇で測定し、 ポリイソプレン換算値として求めた。

[0091 ] (重合体の水素化率)

重合体の水素化率を、 1 1 ~ 1 _ IV! により測定した。

[0092] (積層フィルムのヘイズ)

積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心 部から、 一辺が 5 あ る略正方形のフィルム片を、 合計 3枚切り出した。 得られた 3つのフィルム 片それぞれのヘイズを、 ヘイズメーター (日本電色工業社製 0 0〇」 ) を用いて測定した。 得られた 3枚のフィルム片のヘイズの平均を、 積層フィルムのヘイズの値とした。

[0093] (積層フィルムの全光線透過率)

積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心 部から、 一辺が 5 あ る略正方形のフィルム片を、 合計 3枚切り出した。 得られた 3つのフィルム 片それぞれの全光線透過率を、 ヘイズメーター (日本電色工業社製 — 2 0 0 0」 ) を用いて測定した。 得られた 3枚のフィルム片の全光線透過 率の平均を、 積層フィルムの全光線透過率の値とした。

[0094] (積層フィルムの面内方向におけるレターデ ーシヨン ㊀)

積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心 部から、 一辺が 5 あ る略正方形のフィルム片を、 合計 3枚切り出した。 得られた 3つのフィルム 片それぞれの、 面内方向におけるレターデーシヨン[¾ 6を、 自動複屈折計 ( 〇 2020/174975 21 卩(:171? 2020 /002831

王子計測機器株式会社製 「K〇B LA_2 1 ADH」 ) で測定した。 測定波 長は、 した。 得られた

6の平均を、 積層フィルムのレターデーシヨン[¾㊀の値と した。

[0095] (紫外線透過率)

測定対象のフィルムの紫外線透過率を、 紫外可視近赤外分光光度計 (日本 分光社製 「 V— 550」 ) を用いて、 波長 2001^ 111から 4001^ 111の範囲 で測定した。 波長 3201^ 111、 3401^ 111、 360门〇!、 及び 380 おける紫外線透過率 (%) 、 並びに、 波長 320 n におけ る紫外線透過率の最大値 (%) を、 得られたスペクトルから読み取った。

[0096] (丁巳/ (7 A ^ +7 A2) 及び中間層における厚みのばらつき)

ある箇所における積層フィルムの総厚み ( ) を、 市販の接触式厚さ計 を用いて測定した。

積層フィルムを厚み方向を含む面で切断して 断面を光学顕微鏡で観察し、 総厚みを測定した箇所において、 中間層の厚みの、 第 1外側層の厚み及び第 2外側層の厚みの合計に対する割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2) ) を求めた 。 積層フィルムの総厚みと、 割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2) ) とから、 中 間層の厚み丁巳 ( 01) を求めた。

以上の測定を、 幅方向 (積層フィルムの製造における搬送方向に垂 直な方 向) に 5 間隔で 1 0箇所、 長手方向 (積層フィルムの製造における搬 送方向) に 50 間隔で 1 0箇所の、 合計 20箇所で行った。 ただし、 積 層フィルムの幅方向における端部から 50 の範囲を、 測定箇所から除い た。

[0097] 20箇所において測定された割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八2) ) の算術平 均値を、 積層フィルムの割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八 2) ) の値とした。

[0098] また、 20箇所において測定された中間層の厚みの、 算術平均値 ( ) と、 最小値丁巳 „ ( ) と、 最大値 ( ) とから、 下記 の式により、 1及び 2を求めた。 1 と 2とを比較し、 1及び 2 の値が互いに同一である場合はその値を、 値が互いに異なる場合は大きい方 〇 2020/174975 22 卩(:171? 2020 /002831

の値を、 積層フィルムにおける中間層の厚みのばらつ き口 ( ) とした。

¢1 1 ( ) =丁巳 -丁巳 „

¢12 ( ) =丁巳 -丁巳

[0099] (寸法安定性及びシワ抑制)

積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心 部から、 一辺が 1 00〇1〇1で ある略正方形のフィルム片を、 合計 3枚切り出した。 切り出しの際に、 フィ ルム片の各辺が、 積層フィルムの幅方向又は搬送方向と平行と なるようにし た。

3枚のフィルム片を、 1 45°〇で 60分間加熱後、 放冷した。 加熱放冷後 における 3枚のフィルム片を目視にて観察し、 以下の基準により高温暴露時 のシワ抑制を評価した。

良: 3枚のフィルム片のいずれにも、 シワがない。

不良: 3枚のフィルム片のいずれかに、 シワがある。

[0100] 加熱放冷後における 3枚のフィルム片のそれぞれについて、 各辺 (幅方向 における辺及び搬送方向と平行な方向におけ る辺) の寸法 X ) を測り 、 下記式に従い、 加熱前の寸法 (1 00〇!〇〇 に対する寸法変化率の絶対値

さらに、 3枚のフィルム片の各辺について得られた寸 変化率の絶対値 | [¾し | (%) の算術平均値 (%) を求め、 下記基準により、 高温暴露時 における積層フィルムの寸法安定性を評価し た。 八 V 6 が小さい程、 高温暴 露時における積層フィルムの寸法安定性が高 い。

八 : 八 V 6<〇. 1 %

巳 : 〇. 1 %£八 V 6<〇. 2%

0 : 〇. 2%£八 V 6

[0101] [製造例 1 :脂環式構造含有重合体〇 1の製造]

トリシクロ [4. 3. 〇. 1 2, 5 ] デカー 3, 7 -ジェン (ジシクロペンタ ジェン、 以下、 適宜 「〇〇 」 と略記する。 ) 及び 7, 8—ベンゾトリシク 〇 2020/174975 23 卩(:171? 2020 /002831 口 [4. 4. 〇. 1 2, 5. 1 7, 1 〇] デカ- 3 -エン (メタノテトラヒドロフ ルオレン、 以下、 適宜 「1\/1丁 」 と略記する。 ) を、 重量比 87/1 3で混 合した。 この混合物を、 特許第 6256353号明細書 [実施例 1] に記載 の方法により開環重合し、 次いで水素化して、 口 0 /1\/1丁 開環重合体水 素化物である、 重合体<31 を得た。

得られたこの重合体 01中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率 、 重 合後の溶液中に残留するノルボルネン系単量 体の組成からガスクロマトグラ フイー法による分析で計算したところ、 口〇 /1\/1丁 = 87/1 3で、 ほ ぼ仕込み組成に等しかった。

また、 この重合体<31の重量平均分子量 は 38, 000、 分子量 は数平均分子量) は 2. 2、 水素化率は 99. 9% 、 ガラス転移温度丁 9は 1 25 °〇であった。

[0102] [製造例 2 :脂環式構造含有重合体 02の製造]

0〇 及び IV!丁 を重量比 85/1 5で混合した。 この混合物を、 前記公 知の方法により開環重合し、 次いで水素化して、 開環重合体 水素化物である、 重合体 02を得た。

得られた重合体 02中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率 、 重合後 の溶液中に残留するノルボルネン系単量体の 組成からガスクロマトグラフイ 一法による分析で計算したところ、 口〇 /1\/1丁 = 85/1 5で、 ほぼ仕 込み組成に等しかった。

また、 この重合体 02の重量平均分子量 (1\/1 ) は 33, 000、 分子量 分布 (1\/1 /1\/^) は 2. 1、 水素化率は 99. 9%、 ガラス転移温度丁 9 は 1 35°◦であった。

[0103] [製造例 3 :脂環式構造含有重合体 03の製造]

〇〇 、 IV!丁 、 及びテトラシクロ [4. 4. 〇. 1 2 , 5. 1 7 , 1〇] ドデ 力一 3—エン (テトラシクロドデセン、 以下、 適宜 「丁〇〇」 と略記する。

) を重量比 5/70/25で混合した。 この混合物を、 前記公知の方法によ り開環重合し、 次いで水素化して、 〇〇 /1\/1丁 /丁〇0開環重合体水素 〇 2020/174975 24 卩(:171? 2020 /002831

化物である、 重合体 0 3を得た。

得られた重合体 0 3中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率 、 重合後 の溶液中に残留するノルボルネン系単量体の 組成からガスクロマトグラフィ —法による分析で計算したところ、 0〇 /1\/1丁 /丁〇0 = 5 / 7 0 / 2 5で、 ほぼ仕込み組成に等しかった。 また、 この重合体 0 3の重量平均分子 量 は 2 . 1、 水素化率 は 9 9 . 9 %、 ガラス転移温度丁 9は 1 6 2 °〇であった。

[0104] [実施例 1 ]

(樹脂巳の製造)

重合体 0 1 を 9 1部と、 紫外線吸収剤 9部とを、 二軸押出機により混合し て、 樹脂巳 1 を得た。 紫外線吸収剤としては、 分子内にベンゾトリアゾール 構造を含む、 八〇巳 [<八社製 「!_八一3 1」 を用いた。

[0105] (積層フィルムの製造)

フィードブロック及びこれに連結される単層 ダイを備える、 2種 3層の積 層フィルムを製造しうる共押出フィルム成形 機を用意した。 第 1外側層、 中 間層、 及び第 2外側層をこの順で備えるフィルム状に吐出 れるように、 フ ィードブロックに、 各層の材料として、 2 8 0 ° 〇に溶融した樹脂を供給して 単層ダイから吐出させ、 共押出成形した。 第 1外側層及び第 2外側層の材料 として、 樹脂 1及び樹脂 2としての重合体 0 3を供給した。 中間層の材 料として、 樹脂巳 1 を供給した。

共押出されたフィルム状の樹脂を、 1 0 0 ° 〇に温度調整された冷却口ール にキャストし、 5 0 °〇に温度調整された別の冷却口ールに通し 冷却した。 これにより、 幅 6 の長尺の積層フィルムを得た。 積層フィルムは、

(重合体 0 3からなる第 1外側層/樹脂巳 1からなる中間層/重合体 0 3か らなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[0106] 得られた積層フィルムについて、 前記評価方法に従って評価した。

[0107] [実施例 2 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 〇 2020/174975 25 卩(:171? 2020 /002831

、 評価した。

樹脂巳の製造において、 重合体 0 1 を 9 1部の代わりに、 重合体 0 2を 8 4部用い、 紫外線吸収剤として、 を 9部の代 わりに、 八〇巳 八社製 「!_八ー 7 0」 を 1 6部を用いて、 樹脂巳 2を製 造した。 「I -八ー 7 0」 は、 分子内に 1 , 3 , 5 -トリアジン構造を含む 積層フィルムの製造において、 樹脂巳 1の代わりに、 樹脂巳 2を供給し、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の条 件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 3からなる第 1外側層/樹脂巳 2からなる中 間層/重合体 0 3からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[0108] [実施例 3 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

樹脂巳の製造において、 重合体 0 1 を 9 1部の代わりに、 重合体 0 3を 8 8部用い、 紫紫外線吸収剤としての 〇巳 社製 「1_ _ 3 1」 の量を、

9部から 1 2部に変更して、 樹脂巳3を製造した。

積層フィルムの製造において、 樹脂巳 1の代わりに、 樹脂巳3を供給し、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の条 件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 3からなる第 1外側層/樹脂巳 3からなる中 間層/重合体 0 3からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[0109] [比較例 1 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

積層フィルムの製造において、 重合体 0 3の代わりに、 重合体 0 1 を供給 し、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の条 件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 1からなる第 1外側層/樹脂巳 1からなる中 間層/重合体 0 1からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[01 10] [比較例 2 ] 〇 2020/174975 26 卩(:171? 2020 /002831

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

-積層フィルムの製造において、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の 条件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 3からなる第 1外側層/樹脂巳 1からなる中 間層/重合体 0 3からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[01 1 1 ] [比較例 3 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

樹脂巳の製造において、 紫外線吸収剤として、

1」 の代わりに、 八〇巳 八社製 「!_八ー 7 0」 を用いて、 樹脂巳4を製 造した。

積層フィルムの製造において、 樹脂巳 1の代わりに、 樹脂巳4を供給し、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の条 件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 3からなる第 1外側層/樹脂巳 4からなる中 間層/重合体 0 3からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[01 12] [比較例 4 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

樹脂巳の製造において、 重合体 0 1 を 9 1部の代わりに、 重合体 0 2を 8 4部用い、 紫外線吸収剤として、 を 9部の代 わりに、 八〇巳 八社製 「!_八ー 7 0」 を 1 6部を用いて、 樹脂巳 2を製 造した。

積層フィルムの製造において、 樹脂巳 1の代わりに、 樹脂巳 2を供給し、 重合体〇3の代わりに、 重合体〇 1 を供給し、 各層が表に示す厚みとなるよ うに共押出の条件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 1からなる第 1外側層/樹脂巳 2からなる中 間層/重合体 0 1からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。 〇 2020/174975 27 卩(:171? 2020 /002831

[01 13] [比較例 5 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

-樹脂巳の製造において、 重合体 0 1の量を、 9 1部から、 7 6部に変更し 、 紫外線吸収剤としての八〇巳 八社製 「1_八一3 1」 の量を、 9部から 2 4部に変更して、 樹脂巳 5を製造した。

積層フィルムの製造において、 樹脂巳 1の代わりに、 樹脂巳 5を供給し、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の条 件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 3からなる第 1外側層/樹脂巳 5からなる中 間層/重合体 0 3からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[01 14] [比較例 6 ]

以下の事項を変更した以外は実施例 1 と同様にして、 積層フィルムを得て 、 評価した。

樹脂巳の製造において、 重合体 0 1 を 9 1部の代わりに、 重合体 0 2を 7 8部用い、 紫外線吸収剤として、 を 9部の代 わりに、 八〇巳 八社製 「!_八ー 7 0」 を 2 2部を用いて、 樹脂巳 6を製 造した。

積層フィルムの製造において、 樹脂巳 1の代わりに、 樹脂巳 6を供給し、 各層が表に示す厚みとなるように共押出の条 件を調整した。

積層フィルムは、 (重合体〇 3からなる第 1外側層/樹脂巳 6からなる中 間層/重合体 0 3からなる第 2外側層) の、 2種 3層の構成を有する。

[01 15] 積層フィルムの構成及び評価結果を、 下表に示す。

下表における略語は、 以下の意味を表す。

II V :紫外線吸収剤

ベンゾトリアゾール系: 八〇巳 八社製 「!_八一3 1」

トリアジン系: 八 0巳 八社製 「!_八ー 7 0」

丁巳 :中間層の厚み

丁八 1 +丁八 2 :第 1外側層の厚み (丁八 1) 及び第 2外側層の厚み (丁 〇 2020/174975 28 卩(:171? 2020 /002831

八 2) の合計

^巳 :樹脂巳のメルトマスフロ _レ _卜

丁 9 巳 :樹脂巳のガラス転移温度

丁 9 :樹脂 1及び樹脂 2のガラス転移温度

8八 :樹脂八 1及び樹脂八 2のメルトマスフローレート

〇 1 :製造例 1で製造された重合体〇 1

0 2 :製造例 2で製造された重合体〇 2

0 3 :製造例 3で製造された重合体〇 3

紫外線透過率の最大値:波長 3 2 0 n 以上 3 8 0 n 以下における紫外 線透過率の最大値

[01 16] [表 1 ]

表 1

〇 2020/174975 29 卩(:171? 2020 /002831

[01 17] [表 2]

表 2

[01 18] 以上の結果から、 以下が分かる。

実施例 1〜 3に係る積層フィルムは、 中間層における厚みのばらつきが小 さく、 かつ 1 4 5 °〇の高温に曝された後において、 シワの発生が抑制されて いること分かる。

—方、 比較例 1〜 6に係る積層フィルムは、 シワ発生が抑制されていない ことが分かる。

詳細には、 比較例 5及び 6に係る積層フィルムは、 樹脂巳における紫外線 吸収剤の濃度が 2 0重量%より多く、 シワ発生が抑制されておらず、 寸法安 定性が実施例よりも劣る。 〇 2020/174975 30 卩(:171? 2020 /002831

比較例 1及び 4に係る積層フィルムは、 第 1外側層及び第 2外側層が、 ガ ラス転移温度が 1 50 ° 〇未満である樹脂から形成されており、 シワ発生が抑 制されていない。

比較例 5に係る積層フィルムは、 丁 9八一丁 9 巳が、 60°〇より高く、 シ ワ発生が抑制されておらず、 寸法安定性が実施例よりも劣る。

比較例 1及び 2に係る積層フィルムは、 割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八 2)

) が、 〇. 35より大きく、 中間層における厚みのばらつきが大きく、 シワ 発生が抑制されていない。

比較例 3に係る積層フィルムは、 割合 (丁巳/ (丁八 1 +丁八 2) ) が、 〇. 1未満であり、 シワ発生が抑制されていない。

比較例 6に係る積層フィルムは、 1 5. 0より大きく、 中 間層における厚みのばらつきが大きく、 シワ発生が抑制されておらず、 寸法 安定性が実施例よりも劣る。

[0119] 以上の結果は、 本発明の積層フィルムが、 紫外線吸収剤を含む中間層にお いて厚みのばらつきが抑制されており、 かつ高温に曝されてもシワが生じに くいことを示す結果である。

符号の説明

[0120] 1 00 :積層フィルム

1 1 0 :第 1外側層

1 20 :中間層

1 30 :第 2外側層

1 200 :面

1 20 II :面

200 :積層フィルム

2 1 0 :第 1外側層

220 :中間層

230 :第 2外側層

240 :透明導電層 \¥02020/174975 31 卩(:17 2020 /002831

250 :積層体