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Title:
LAYERED BANDPASS FILTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142113
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a layered bandpass filter that is capable of reducing variation in filter characteristics caused by variation in electrode formation, that can be miniaturized easily, and that can carry out a prescribed impedance conversion between input and output. A first common electrode (109) and a second common electrode (110) are formed on a dielectric layer (101), capacitor electrodes (111, 112, 113, 114) are formed on a dielectric layer (102), an input/output terminal lead‑out electrode (203) is formed on a dielectric layer (103), input/output terminal lead‑out electrodes (205, 206) are formed on a dielectric layer (104), and line electrodes (116, 117, 118) are formed on a dielectric layer (105). Via electrodes (131 to 136) are formed in order to permit conductance in the layering direction between the individual electrode patterns formed on the multiple dielectric layers. Three LC parallel resonators are constructed as a result, and the line lengths of the line electrodes (116, 117, 118) are changed gradually in order to change the impedance between the input and the output.

Inventors:
TANIGUCHI TETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058660
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
TANIGUCHI TETSUO (JP)
International Classes:
H01P1/203; H01P5/10; H01P7/08; H03H7/09
Domestic Patent References:
WO2007119356A12007-10-25
Foreign References:
JPH03262313A1991-11-22
JP2000332638A2000-11-30
JPH04150011A1992-05-22
JP2005045447A2005-02-17
Other References:
See also references of EP 2278656A4
Attorney, Agent or Firm:
Kaede Patent Attorneys' Office (JP)
Patent business corporation Kaede Patent Attorneys' Office (JP)
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Claims:
 複数の誘電体層と、キャパシタ電極および/またはインダクタ電極の少なくとも一方の電極を含む複数の電極層とで形成された積層体を素体とした積層帯域通過フィルタにおいて、
 前記キャパシタ電極と前記インダクタ電極とにより、隣接するLC並列共振器同士で結合する2つ以上の複数のLC並列共振器が構成され、
 前記複数のLC並列共振器のうち、前記積層体の一方の端部に配置された第1のLC並列共振器が結合されて前記積層帯域通過フィルタの入力部となる入出力端子引出電極と、前記積層体の他方の端部に配置された第2のLC並列共振器が結合されて前記積層帯域通過フィルタの出力部となる入出力端子引出電極とを備え、
 前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極は、前記積層体の表面および/または内部であって積層方向に垂直な方向に並んで形成された線路電極と、前記線路電極の少なくとも一方端部に導通され前記積層体の積層方向に延びるビア電極とで構成され、
 前記ビア電極と前記キャパシタ電極との接続点を始点とし、前記線路電極を含んで構成されるループのループ面が積層体の積層方向に垂直な方向に配列するようにインダクタ電極がそれぞれ形成され、互いに結合する前記LC並列共振器のインダクタ電極によるループの面を前記インダクタ電極の配列方向に見たとき、前記ループの面同士が少なくとも一部で重なり、
 前記線路電極の線路長さが第1のLC並列共振器側から第2のLC並列共振器側に向かって漸次変化していて、前記入力部と前記出力部のインピーダンスが変換されることを特徴とする積層帯域通過フィルタ。
 前記線路電極の線路幅が第1のLC並列共振器側から第2のLC並列共振器側に向かって漸次変化していることを特徴とする請求項1に記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記線路電極のうち少なくとも1つの線路電極の長手方向の一部を、隣接する他の線路電極に近接させた、請求項1または2に記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記線路電極のうち少なくとも1つの線路電極を他の線路電極とは異なる誘電体層上に形成した、請求項1、2または3に記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記キャパシタ電極は少なくとも第1・第2の共通電極を備え、第1の共通電極は接地電極に導通し、第2の共通電極は前記接地電極に導通せず、前記第1のLC並列共振器が結合される入出力端子引出電極は不平衡入出力端子引出電極であり、前記第2のLC並列共振器が結合される入出力端子引出電極は平衡入出力端子引出電極である、請求項1~4のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記平衡入出力端子引出電極は前記第2のLC並列共振器の線路電極の長手方向の中央から略等しい距離にそれぞれ配置された、請求項5に記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記不平衡入出力端子引出電極と前記平衡入出力端子引出電極とを異なる誘電体層上に形成した、請求項5または6に記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記第1・第2の共通電極が互いに異なる誘電体層に形成されている、請求項5~7のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記キャパシタ電極は少なくとも第1・第2の共通電極を備え、第1の共通電極は接地電極に導通し、第2の共通電極は前記接地電極に導通せずに、前記第2のLC並列共振器の線路電極の長手方向の中央部と前記第2の共通電極とを導通させるビア電極を備えた、請求項5~8のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記第2の共通電極に電源供給端子引出電極が形成されている、請求項9に記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記積層体の側面に、前記不平衡入出力端子引出電極および前記平衡入出力端子引出電極に接続される入出力端子と、前記接地電極に接続される接地端子とが配置されている、請求項5~10のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記誘電体層は低温焼結セラミックである、請求項1~11のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
 前記誘電体層は樹脂である、請求項1~11のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
Description:
積層帯域通過フィルタ

 この発明は、複数の誘電体層と電極層と 積層してなる積層帯域通過フィルタに関す ものである。

 従来、小型・低廉化に適した高周波の帯域 過フィルタは、誘電体層と電極層とを積層 た積層体内に複数のLC共振器を設けること よって構成されている。
 このような積層帯域通過フィルタとして特 文献1が開示されている。

 特許文献1の積層帯域通過フィルタの構成を 、図1を参照して説明する。
 図1は特許文献1の積層型バンドパスフィル の回路図である。この積層型バンドパスフ ルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3B 、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に けられたバンドパスフィルタ部4とを備えて いる。バンドパスフィルタ部4は、いずれも 端開放の1/2波長共振器41よりなり、並べて配 置された3つの共振器40を有している。3つの 振器40のうち、最も不平衡入力端2に近い位 に配置された共振器40は入力共振器40Iである 。入力共振器40Iには、不平衡入力端2が直接 続されている。また、最も平衡出力端3A,3Bに 近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1 /2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共 器41Aには、平衡出力端3A,3Bが直接接続され いる。入力共振器40Iと中間の共振器40Mは電 結合され、中間の共振器40Mと平衡出力用1/2 長共振器41Aも電磁結合されている。また、3 の共振器40の各開放端とグランドとの間に キャパシタCが設けられている。

特開2005-45447号公報

 特許文献1の積層帯域通過フィルタでは、 両端開放のλ/2共振器を同一基板面上に配置 ることにより共振器を結合させてフィルタ 性を得ている。

 しかし、この特許文献1の積層帯域通過フ ィルタにおいては、各共振器間の結合量の調 整は、その基板面内における共振器間隔を定 めることによってしか制御できず、強い結合 を得たい場合などには共板器間隔を狭くする 必要があり、電極形成ばらつき等により結合 量がばらつき、所望のフィルタ特性が得られ ない、という問題が生じる。

 また、共振器の形状は通過帯域の周波数 より決まるため、フィルタの小型化にも限 があった。

 さらに、平衡型端子側は平衡型で信号を 出力するICなどに接続することが多いが、 の場合に、不平衡型端子と平衡型端子との でインピーダンスを変換する必要がある。 かし、特許文献1に示されている構造では、 端子間で適正なインピーダンス変換を行う めの設定・調整が容易ではない。

 そこで、この発明の目的は、上述の問題 解消して、電極形成ばらつき等によるフィ タ特性のばらつきを抑え、小型化が容易で り、入出力間で所定のインピーダンス変換 行えるようにした積層帯域通過フィルタを 供することにある。

 前記問題を解決するために、この発明の積 帯域通過フィルタは、次のように構成する
(1)複数の誘電体層と、キャパシタ電極および /またはインダクタ電極の少なくとも一方の 極を含む複数の電極層とで形成された積層 を素体とした積層帯域通過フィルタにおい 、
 前記キャパシタ電極と前記インダクタ電極 により、隣接するLC並列共振器同士で結合 る2つ以上の複数のLC並列共振器が構成され
 前記複数のLC並列共振器のうち、前記積層 の一方の端部に配置された第1のLC並列共振 が結合されて前記積層帯域通過フィルタの 力部となる入出力端子引出電極と、前記積 体の他方の端部に配置された第2のLC並列共 器が結合されて前記積層帯域通過フィルタ 出力部となる入出力端子引出電極とを備え
 前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極 、前記積層体の表面および/または内部であ て積層方向に垂直な方向に並んで形成され 線路電極と、前記線路電極の少なくとも一 端部に導通され前記積層体の積層方向に延 るビア電極とで構成され、
 前記ビア電極と前記キャパシタ電極との接 点を始点とし、前記線路電極を含んで構成 れるループのループ面が積層体の積層方向 垂直な方向に配列するようにインダクタ電 がそれぞれ形成され、互いに結合する前記L C並列共振器のインダクタ電極によるループ 面を前記インダクタ電極の配列方向に見た き、前記ループの面同士が少なくとも一部 重なり、
 前記線路電極の線路長さが第1のLC並列共振 側から第2のLC並列共振器側に向かって漸次 化していて、前記入力部と前記出力部のイ ピーダンスが変換されることを特徴とする

(2)また、必要に応じて前記線路電極の線路幅 を第1のLC並列共振器側から第2のLC並列共振器 側に向かって漸次変化するように構成する。
 これにより、入出力間のインピーダンス変 がより広い範囲に亘って実現できる。

(3)また、前記線路電極のうち少なくとも1つ 線路電極の長手方向の一部を、隣接する他 線路電極に近接させる。
 このことにより、隣接する共振器間の結合 自由度が高まる。

(4)必要に応じて、前記線路電極のうち少なく とも1つの線路電極を他の線路電極とは異な 誘電体層上に形成する。
 これにより誘電体層上のパターンを変更せ にループ面の面積を容易に変更することが きる。

(5)また、前記キャパシタ電極は少なくとも第 1・第2の共通電極を備え、第1の共通電極は接 地電極に導通し、第2の共通電極は前記接地 極に導通せず、前記第1のLC並列共振器が結 される入出力端子引出電極は不平衡入出力 子引出電極であり、前記第2のLC並列共振器 結合される入出力端子引出電極は平衡入出 端子引出電極とする。
 この構成により、平衡・不平衡変換機能も えることができる。

(6)前記平衡入出力端子引出電極は第2のLC並列 共振器の線路電極の長手方向の中央から略等 しい距離にそれぞれ配置する。
 この構成により平衡特性が良好となる。

(7)また、前記不平衡入出力端子引出電極と前 記平衡入出力端子引出電極とを異なる誘電体 層上に形成する。
 これにより入力インピーダンス・出力イン クタンスを高い自由度のもとで設定できる

(8)前記第1・第2の共通電極を、互いに異なる 電体層に形成する。
 これにより誘電体層上のパターンを変更せ にループ面の面積を容易に変更することが きる。

(9)前記キャパシタ電極は少なくとも第1・ 2の共通電極を備え、第1の共通電極は接地電 極に導通し、第2の共通電極は前記接地電極 導通せずに、前記第2のLC並列共振器の線路 極の長手方向の中央部と前記第2の共通電極 を導通させるビア電極を備えたものとする

(10)また、前記電源供給端子は前記第2の共通 極に形成する。
 この構成により、DCフィードのための電源 給端子を特別な誘電体層を用いることなく 易に設けることができる。

(11)前記積層体の側面には、前記不平衡入出 端子引出電極および前記平衡入出力端子引 電極に接続される入出力端子と、前記接地 極に接続される接地端子とを配置する。
 これにより表面実装可能な平衡・不平衡変 機能付き帯域通過フィルタが構成できる。

(12)前記誘電体層は低温焼結セラミックとす 。
 これにより、単位面積当たりのキャパシタ スを大きくでき、全体に小型化が図れる。

(13)前記誘電体層は樹脂とする。
 これにより、積層体を構成する誘電体を低 電率化でき、高周波化が図れる。

 この発明によれば、電極形成ばらつき等 よるフィルタ特性のばらつきが抑えられ、 型化が容易であり、入出力間で所定のイン ーダンス変換を行える積層帯域通過フィル が構成できる。

特許文献1の積層型バンドパスフィルタ の回路図である。 第1の実施形態に係る積層帯域通過フィ ルタの分解斜視図である。 第1の実施形態に係る積層帯域通過フィ ルタの外観斜視図である。 図2・図3に示した積層帯域通過フィル の等価回路図である。 入力インピーダンスと出力インピーダ スをともに50ωとした場合の一方の不平衡入 出力端子から見た挿入損失ILと反射損失RLの 性を示す図である。 (A1)(A2)(A3)は、LC並列共振器のキャパシ C1,C2のキャパシタンス、インダクタL1,L2のイ ダクタンス、及び結合係数Mを一定にしたま ま出力インピーダンスを変化させた例である 。(C1)(C2)(C3)は、結合係数Mを(A1)(A2)(A3)とは異 った値にして出力インピーダンスを変化さ た場合の例である。(B1)(B2)(B3)は出力側LC並列 共振器のキャパシタC2のキャパシタンス及び ンダクタL2のインダクタンスを(A1)(A2)(A3)と 異なった値にして出力インピーダンスを変 させた場合の例である。 第2の実施形態に係る積層帯域通過フィ ルタの分解斜視図である。 第2の実施形態に係る積層帯域通過フィ ルタの外観斜視図である。 第2の実施形態に係る積層帯域通過フィ ルタの等価回路図である。 第3の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図である。 第3の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの外観斜視図である。 第3の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの等価回路図である。 第4の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図である。 第4の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの外観斜視図である。 第4の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの等価回路図である。 第5の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図である。 第6の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図である。

《第1の実施形態》
 第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタ について図2~図6を参照して説明する。
 図2は第1の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図、図3はその外観斜視図で る。

 図2に示すように、この積層帯域通過フィ ルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成 した複数の誘電体層101~105を積層してなる。

 誘電体層101には共通電極109、誘電体層102 はキャパシタ電極111,112、誘電体層103には入 出力端子引出電極203、誘電体層104には入出力 端子引出電極204、誘電体層105には線路電極116 ,117をそれぞれ形成している。また、複数の 電体層に形成した各電極パターン同士を積 方向に導通させるビア電極131~134を形成して る。

 なお、入出力端子引出電極203,204は誘電体 層の一方端部とそれに対向する他方端部へ引 き出されている。

 ビア電極131は、その一端がキャパシタ電 111に導通していて、他端が線路電極116の一 と導通している。また、このビア電極131の 定位置が入出力端子引出電極203に導通して る。

 ビア電極132は、その一端が線路電極116の他 と導通していて、他端が共通電極109に導通 ている。
 ビア電極133は、その一端が共通電極109と導 していて、他端が線路電極117の一端と導通 ている。

 ビア電極134は、その一端が線路電極117の 端と導通していて、他端がキャパシタ電極1 12と導通している。またこのビア電極134の所 位置が入出力端子引出電極204に導通してい 。

 また、共通電極109には2つのグランド端子 引出電極201,202を形成している。

 図2に示したように、ビア電極131とキャパ シタ電極111との接続点を始点とし、ビア電極 131,132及び線路電極116により第1のループが誘 体層の積層方向に構成されている。同様に ビア電極134とキャパシタ電極112との接続点 始点とし、ビア電極133,134及び線路電極117に より第2のループが誘電体層の積層方向に構 されている。

 このようにLC並列共振器のインダクタ電 によるループの面をインダクタ電極の配列 向に見たとき、すなわち線路電極の長手方 に直交し且つ誘電体層の積層厚み方向に対 て直交する方向に見たとき、ループの面同 が少なくとも一部で重なっていて、第1・第2 のループが互いに磁界結合する。また、線路 電極116,117の線路長さは互いに異なっていて 入力インピーダンスと出力インピーダンス 変換するように作用する。

 前記各種電極パターンを形成した誘電体 101~105の積層体を構成するとともに、図3に すように、その4つの側面のうち対向する2つ の側面に(端面に)不平衡入出力端子23,24を設 、残る2つの側面に接地端子21,22を設けるこ によって積層帯域通過フィルタ11を構成する 。

 前記誘電体層101~105の誘電体部分は、比誘電 率が6以上80以下の範囲内である。特に容量を 生じさせる誘電体層102の比誘電率は20以上で る。各誘電体層は、例えば酸化チタン、酸 バリウム、アルミナ等の成分のうち、少な とも1つ以上の成分と、ガラス成分とから形 成される低温焼結セラミックス(LTCC)を用いて 形成する。または液晶ポリマ(LCP)やポリイミ などの樹脂を用いて形成する。
 各誘電体層を形成する材料は、以降に示す の実施形態についても同様である。

 図4は、図2・図3に示した積層帯域通過フ ルタの等価回路図である。図4においてイン ダクタL1は、図2に示したビア電極131,132及び 路電極116で構成されるインダクタ電極によ 生じるインダクタ成分を記号化したもので る。

 同様にインダクタL2は、ビア電極133,134及 線路電極117で構成されるインダクタ電極に り生じるインダクタンス成分を記号化した のである。

 また、キャパシタC1はキャパシタ電極111 共通電極109との間に生じる容量を記号化し ものである。同様にキャパシタC2はキャパシ タ電極112と共通電極109との間に生じる容量を 記号化したものである。

 キャパシタC12はビア電極131,132と133,134と 間、及び線路電極116と117との間に生じるス レー容量を記号化したものである。

 図4に示したインダクタL1及びキャパシタC 1によって第1のLC並列共振器を構成し、イン クタL2及びキャパシタC2によって第2のLC並列 振器を構成している。

 次に、前記インピーダンス変換の作用効果 び設計方法について図5及び図6を参照して 明する。
 まず、図4に示したキャパシタC1,C2のキャパ タンスを8pF、インダクタL1,L2のインダクタ スを0.5nH、この2つLC並列共振器の結合係数M1 0.1として、入力インピーダンスと出力イン ーダンスをともに50ωとした場合の一方の不 平衡入出力端子(入力側端子)から見た挿入損 ILと反射損失RLの特性を図5に示す。但し、 のように入力インピーダンスと出力インピ ダンスが等しい場合には、図2の例とは異な 、回路は入出力で対称形となる。

 図6の(A1)(A2)(A3)は、それぞれ前記キャパシ タC1,C2のキャパシタンス、インダクタL1,L2の ンダクタンス、及び2つのLC並列共振器間の 合係数Mを一定にしたまま出力インピーダン を変化させた場合の例である。また、図6(C1 )(C2)(C3)は、2つのLC並列共振器間の結合係数M (A1)(A2)(A3)とは異なった値にして出力インピ ダンスを変化させた場合の例である。さら 、図6(B1)(B2)(B3)は出力側LC並列共振器のキャ シタC2のキャパシタンス及びインダクタL2の ンダクタンスを(A1)(A2)(A3)とは異なった値に て出力インピーダンスを変化させた場合の である。なお、図6のすべての図において、 縦軸は損失[dB]を表している。

 (A1)(B1)(C1)は、入力インピーダンスZin=50ω 出力インピーダンスZout=100ωである。また(A2) (B2)(C2)はZin=50ω、Zout=50-J50ω(1/ωC(リアクタンス )=50ω)、(A3)(B3)(C3)は、Zin=50ω、Zout=100-J50ω(1/ωC( リアクタンス)=50ω)の場合の挿入損失IL及び反 射損失RLの変化を表している。

 図5と図6(A1)~(A3)を比較すれば明らかなよ に、Zin=50ω、Zout=50ωで設計したフィルタの出 力に接続される回路のインピーダンスがずれ ると反射損失RLが増大することが分かる。

 従来はこのようなフィルタの出力段に接 される回路に要求されるインピーダンスに わせてインピーダンスマッチングを図るた に、LC並列共振器間の結合係数Mを調整して た。図6(C1)~(C3)はいずれもM=0.12とした例であ る。

 このように結合度Mを調整することによっ て、ある程度マッチングをとることができる が、例えば図6(C2)のように、出力インピーダ スZoutの虚部の値によっては反射損失RL特性 改善されない。

 これに対して、本発明ではLC並列共振器 インピーダンスを適宜定めることによって 出力間のインピーダンス変換を行う。図6の( B1)~(B3)は出力側LC並列共振器のキャパシタC2の キャパシタンスを10pF、インダクタL2のインダ クタンスを0.4nHとし、結合係数M=0.1に固定し 例である。

 図6において(A2)(B2)(C2)をそれぞれ対比すれ ば明らかなように、出力側共振器のインピー ダンスをキャパシタC2及びインダクタL2の比 によって定めることにより、反射損失RL特性 を大きく改善できることが分かる。したがっ てこの共振器のインピーダンス設定と従来の 共振間の結合係数の設定を合わせて行うこと によって更にインピーダンス整合特性に優れ たインピーダンス変換機能を備える帯域通過 フィルタが構成できる。

《第2の実施形態》
 第2の実施形態に係る積層帯域通過フィルタ について図7~図9を参照して説明する。
 第1の実施形態では2つのLC並列共振器を用い て不平衡入出力を行う積層帯域通過フィルタ について示したが、第2の実施形態では、3つ LC並列共振器を用いて、前述したインピー ンス変換を行うとともに平衡不平衡変換も うようにしている。

 図7は第2の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図、図8はその外観斜視図で る。
 図7に示すように、この積層帯域通過フィル タは、それぞれ所定の電極パターンを形成し た複数の誘電体層101~105を積層してなる。

 誘電体層101には第1の共通電極109及び第2 共通電極110、誘電体層102にはキャパシタ電 111,112,113,114、誘電体層103には入出力端子引 電極203、誘電体層104には入出力端子引出電 205,206、誘電体層105には線路電極116,117,118を れぞれ形成している。また、複数の誘電体 に形成した各電極パターン同士を積層方向 導通させるビア電極131~136を形成している。

 ビア電極131は、その一端がキャパシタ電 111に導通していて、他端が線路電極116の一 と導通している。また、このビア電極131の 定位置が入出力端子引出電極203に導通して る。

 ビア電極132は、その一端が線路電極116の他 と導通していて、他端が共通電極109に導通 ている。
 ビア電極133は、その一端が共通電極109と導 していて、他端が線路電極117の一端と導通 ている。

 ビア電極134は、その一端が線路電極117の 端と導通していて、他端がキャパシタ電極1 12と導通している。

 ビア電極135は、その一端が線路電極118の 端と導通していて、他端がキャパシタ電極1 13と導通している。また、このビア電極135の 定位置が入出力端子引出電極205に導通して る。

 ビア電極136は、その一端が線路電極118の 端と導通していて、他端がキャパシタ電極1 14と導通している。また、このビア電極136の 定位置が入出力端子引出電極206に導通して る。

 さらに、共通電極109には2つのグランド端 子引出電極201,202を引き出している。

 図7に示したように、ビア電極131とキャパ シタ電極111との接続点を始点とし、ビア電極 131,132及び線路電極116により第1のループが誘 体層の積層方向に構成されている。同様に ビア電極134とキャパシタ電極112との接続点 始点とし、ビア電極133,134及び線路電極117に より第2のループが誘電体層の積層方向に構 されている。さらに、ビア電極135とキャパ タ電極113との接続点を始点とし、ビア電極13 5,136及び線路電極118により第3のループが誘電 体層の積層方向に構成されている。

 このようにLC並列共振器のインダクタ電 によるループの面をインダクタ電極の配列 向に見たとき、すなわち線路電極の長手方 に直交し且つ誘電体層の積層厚み方向に対 て直交する方向に見たとき、ループの面同 が少なくとも一部で重なっていて、第1・第2 ・第3のループが互いに磁界結合する。また 線路電極116,117,118の線路長さは互いに異なっ ていて、入力インピーダンスと出力インピー ダンスを変換するように作用する。さらに、 後述するように、平衡・不平衡の変換も行う 。

 前記各種電極パターンを形成した誘電体 101~105の積層体を構成するとともに、図8に すように、その4つの側面のうち対向する2つ の側面(端面)の一方に不平衡入出力端子23、 方に平衡入出力端子25,26を設け、残る2つの 面に接地端子21,22を設けることによって積層 帯域通過フィルタ12を構成する。

 図9は、図7・図8に示した積層帯域通過フ ルタの等価回路図である。図9においてイン ダクタL1は、図7に示したビア電極131,132及び 路電極116で構成されるインダクタ電極によ 生じるインダクタ成分を記号化したもので る。同様にインダクタL2は、ビア電極133,134 び線路電極117で構成されるインダクタ電極 より生じるインダクタンス成分を記号化し ものである。

 インダクタL3は、ビア電極135,136及び線路 極118で構成されるインダクタ電極により生 るインダクタンス成分を記号化したもので る。

 また、キャパシタC1はキャパシタ電極111 第1の共通電極109との間に生じる容量を記号 したものである。同様にキャパシタC2はキ パシタ電極112と第1の共通電極109との間に生 る容量を記号化したものである。

 キャパシタC3,C4はキャパシタ電極113,114と 2の共通電極110との間に生じる容量を記号化 したものである。

 キャパシタC12はビア電極131,132と133,134と 間、及び線路電極116と117との間に生じるス レー容量を記号化したものである。同様に キャパシタC23はビア電極133,134と135,136との間 、及び線路電極117と118との間に生じるストレ ー容量を記号化したものである。

 図9に示したインダクタL1及びキャパシタC 1によって第1のLC並列共振器を構成し、イン クタL3及びキャパシタC3,C4によって第2のLC並 共振器を構成している。インダクタL2及び ャパシタC2は、第1のLC並列共振器と第2のLC並 列共振器の間に存在するLC並列共振器を構成 る。

 第1のLC並列共振器と中間のLC並列共振器 M1で示すように磁界結合し、第2のLC並列共振 器と中間のLC並列共振器はM2で示すように磁 結合する。

 このように線路電極116,117,118の各線路長 を第1のLC並列共振器側から第2のLC並列共振 側に向かって漸次変化させることによって 隣接するLC並列共振器間の大きなインピーダ ンス変化を無くして反射損失を低減すること ができる。

 なお、図7に示した例では、線路電極116,11 7,118の電極幅をほぼ一定としたが、第1のLC並 共振器の線路電極116から第2のLC並列共振器 線路電極118に向かって電極幅を漸次変化さ てもよい。このことによりインダクタ電極 インダクタンス成分を漸次変化させること でき、隣接するLC並列共振器のインピーダ ス変化を緩やかにして反射損失をより低減 きる。

 また、ビア電極131とキャパシタ電極111と 接続点を始点とするループをなすインダク 電極の途中から不平衡入出力端子引出電極2 03を引き出し、またビア電極135とキャパシタ 極113との接続点を始点とするループをなす ンダクタ電極の途中から平衡入出力端子引 電極205を引き出し、同様にビア電極136とキ パシタ電極114との接続点を終点とするルー をなすインダクタ電極の途中から平衡入出 端子引出電極206を引き出すことによって、 1のLC並列共振器の入出力端子から見たイン ーダンスを適宜定めることができる。

 このようにして入出力間のインピーダン 変換を行うとともに不平衡-平衡変換機能を も備えた積層帯域通過フィルタを構成するこ とができる。

《第3の実施形態》
 第3の実施形態に係る積層帯域通過フィルタ について図10~図12を参照して説明する。
 第3の実施形態では、3つのLC並列共振器を用 いて、前述したインピーダンス変換を行うと ともに平衡不平衡変換も行い、さらにDCフィ ド用の電源供給端子(以下、DCフィード端子 いう。)を設けたものである。

 図10は第3の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図、図11はその外観斜視図 ある。
 第2の実施形態で図7に示した積層帯域通過 ィルタの構造と異なるのは、線路電極118の 央と第2の共通電極110とをビア電極137で接続 るとともに、共通電極110にDCフィード端子 出電極207を設けたことである。図11に示すよ うに、その4つの側面のうち対向する2つの側 (端面)の一方に不平衡入出力端子23、他方に 平衡入出力端子25,26およびDCフィード端子27を 設け、残る2つの側面に接地端子21,22を設ける ことによって積層帯域通過フィルタ13を構成 る。

 図12は、図10・図11に示した積層帯域通過 ィルタの等価回路図である。図9に示した回 路と異なるのは、インダクタL3の中央をキャ シタC3,C4の接続点に接続するとともに、そ 接続位置からDCフィード端子27を取り出した とである。

 このようにして入出力間のインピーダン 変換を行うとともに不平衡-平衡変換機能を も備えた積層帯域通過フィルタを構成するこ とができ、しかも平衡入出力端子25,26に接続 れる差動増幅回路(ICチップ)に対してDCフィ ド端子27からバイアス電圧を印加すること できる。

《第4の実施形態》
 第4の実施形態に係る積層帯域通過フィルタ について図13~図15を参照して説明する。
 第4の実施形態では、3つのLC並列共振器を用 いて、インピーダンス変換を行うとともに平 衡不平衡変換も行い、さらにDCフィード端子 グランドとの間にキャパシタを設けたもの ある。

 図13は第4の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図、図14はその外観斜視図 ある。
 第3の実施形態で図10に示した積層帯域通過 ィルタの構造と異なり、図13に示す例では キャパシタ電極115及びDCフィード端子引出電 極208を形成した誘電体層100を設け、このキャ パシタ電極115と第2の共通電極110とをビア電 を介して導通させている。

 図14に示すように、4つの側面のうち対向 る2つの側面(端面)の一方に不平衡入出力端 23及びDCフィード端子28、他方に平衡入出力 子25,26を設け、残る2つの側面に接地端子21,2 2を設けることによって積層帯域通過フィル 14を構成する。

 図15においてキャパシタC5は、図13に示し キャパシタ電極115と第1の共通電極109との間 に生じる容量である。

 このようにしてDCフィード端子とグラン との間にキャパシタC5を設けることによって 、高周波信号がDCフィード端子28へ入力され のを防止できる。

《第5の実施形態》
 図16において誘電体層105aに線路電極116を形 し、誘電体層105bに線路電極117を形成し、誘 電体層105cに線路電極118を形成している。こ ように3つのLC並列共振器のインダクタ電極 一部である線路電極の形成層をそれぞれ異 った誘電体層に形成している。その他の構 は第4の実施形態の場合と同様である。

 この構成により、各LC並列共振器のビア 極と線路電極とによるインダクタ電極のル プ面積を適宜定めることができるので、所 のインピーダンスをより高い自由度の下で 定することができる。しかも、各線路電極11 6,117,118のパターン自体は同一にしたまま、形 成する誘電体層を異ならせ(変更し)各誘電体 間に挿入する誘電体層の数や厚みを変更す だけでループ面積を任意に設定することが きる。そのため、特性の異なったフィルタ とに異なった電極パターンを形成すること く、誘電体シートを共用化でき、製造コス が大幅に削減できる。

《第6の実施形態》
 図17は第6の実施形態に係る積層帯域通過フ ルタの分解斜視図である。第2の実施形態で 図7に示した例と異なり、線路電極117の一部 屈曲させて、隣接する線路電極118にその一 を近接させている。この構造により、ビア 極133,134及び線路電極117によるインダクタ電 を備えたLC並列共振器と、ビア電極135,136及 線路電極118によるインダクタ電極を備えたL C並列共振器との結合度を高めることができ 。

 このようにして各共振器のインピーダン を定めるとともに共振器間の結合係数を定 ることによって反射損失をより小さくする とができる。

 なお、以上に示した各実施形態では、複 のLC並列共振器のインダクタ電極の一部で る線路電極を積層体の表面に形成したが、 れらのインダクタ電極のすべてを積層体の 部に設けてもよい。

 また、前記誘電体層のうち第1・第2の共 電極を互いに異なる誘電体層に形成し、そ ことによってインダクタ電極によるインダ タンスを所定値に定めるようにしてもよい

11~14…積層帯域通過フィルタ
21,22…接地端子
23,24…不平衡入出力端子
25,26…平衡入出力端子
27,28…DCフィード端子
100~105…誘電体層
109…第1の共通電極(共通電極)
110…第2の共通電極
111~115…キャパシタ電極
116~118…線路電極
131~137…ビア電極
201,202…グランド端子引出電極
203,204…不平衡入出力端子引出電極
205,206…平衡入出力端子引出電極
207,208…DCフィード端子引出電極




 
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