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Title:
LINEAR MEMBER, METHOD OF PRODUCING LINEAR MEMBER, AND PERSONAL ORNAMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102532
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a linear member (11) having high tensile strength and excellent extendibility, contractility, bendbility, and restorability, a method of producing the linear member, and a personal ornament using the linear member (11). The linear member (11) is formed by helically winding a base body (12) in which wires (11) formed of a superelastic shape memory alloy are arranged. A space (13) is provided inside the linear member (11), and gaps (S1) are formed in the longitudinal direction of the linear member (11). The linear member (11) can be extended in the longitudinal direction until there are no gaps (S1) in the linear member (11) by increasing the tilt angle of the helix and reducing the outer diameter (D1) of the linear member (11).

Inventors:
AKATSU KAZUMI (JP)
HENMI EIICHI (JP)
ISHIKAWA JINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000243
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SYNTEC CORP (JP)
AKATSU KAZUMI (JP)
HENMI EIICHI (JP)
ISHIKAWA JINJI (JP)
International Classes:
A44C25/00
Foreign References:
JP2004089589A2004-03-25
JP2001286313A2001-10-16
JP2007244458A2007-09-27
JP2007313215A2007-12-06
US5658264A1997-08-19
Attorney, Agent or Firm:
FUJIKI, Hiroshi (4-20 oomachi Fukushima-shi, Fukushima 41, JP)
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Claims:
 超弾性形状記憶合金よりなる複数本のワイヤを配列した基本体が、内側に空間部を有し、かつ、長さ方向に間隔を開けて螺旋巻きに形成されたことを特徴とする線状部材。
 装飾材に設けられた貫通孔に貫通させて装身具として用いることを特徴とする請求項1記載の線状部材。
 前記空間部の少なくとも一部に、ワイヤを波形に成形した補助芯を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の線状部材。
 前記基本体のワイヤは、チタンおよびニッケルを含む合金よりなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の線状部材。
 前記基本体の表面の少なくとも一部に、金,金を含む合金および白金族からなる群のうちの少なくとも1種のめっきが施されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載の線状部材。
 超弾性形状記憶合金よりなる複数本のワイヤを配列した基本体を、巻芯に対して、配列方向に間隔を開けて螺旋巻きにする螺旋巻き工程と、
 前記螺旋巻き工程ののち、前記基本体を加熱して形状記憶処理をする形状記憶処理工程と、
 前記形状記憶処理工程ののち、前記巻芯を除去する除去工程と
 を含むことを特徴とする線状部材の製造方法。
 装飾材に設けられた貫通孔に線状部材を貫通させた装身具であって、
 前記線状部材は、超弾性形状記憶合金よりなる複数本のワイヤを配列した基本体が、内側に空間部を有し、かつ、長さ方向に間隔を開けて螺旋巻きに形成された
 ことを特徴とする装身具。
 前記線状部材として、外径が前記貫通孔の内径よりも大きいものを用いたことを特徴とする請求項7記載の装身具。
 前記線状部材に前記装飾材を複数連繋させたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の装身具。
 前記線状部材は、前記空間部の少なくとも一部に、ワイヤを波形に成形した補助芯を有することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1に記載の線状部材。
 前記基本体のワイヤは、チタンおよびニッケルを含む合金よりなることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1に記載の装身具。
 前記基本体の表面の少なくとも一部に、金,金を含む合金および白金族からなる群のうちの少なくとも1種のめっきが施されたことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1に記載の装身具。
Description:
線状部材、線状部材の製造方法 よび装身具

 本発明は、装身具などに用いる線状部材 よびその製造方法、ならびにこれを用いた 身具に関する。

 ネックレスあるいはブレスレッドなどの 身具は、例えば、図7に示したように、線状 部材110を、真珠,宝石あるいは貴石などの装 材120の貫通孔に通し、両端部の連結部材131,1 32同士を連結することにより、身体に装着し 用いられる。線状部材110としては、例えば 絹糸,合成繊維あるいは釣り具用のテグスが 用いられている。

 しかし、このような線状部材110は、それ 体に形状を保持する特性がなく、身体への 着時には、装飾材120の重さにより、中心下 における装身具の輪の形が、V字形となって しまい、美的なラインを保つことができなく なってしまうという問題があった。

 また、これらの線状部材110は、引っ張り 度が小さく、時間の経過に伴い伸びてしま ので、連結部材131,132と装飾材120との間、あ るいは各装飾材120の間に大きな間隙が発生し てしまい、線状部材110が露出して、美的なラ インを保つことができないという問題があっ た。

 そこで、線状部材110として、異なる繊維 混紡して用いることが検討されてきた。し し、このような改良によっても、長期にわ って品質を維持するという観点からは、十 ではなかった。

 一方、近年では、線状部材110として、超 性形状記憶合金のワイヤを用いることが検 されている(例えば、特許文献1,特許文献2参 照)。例えば、特許文献1には、芯線として、 弾性形状記憶合金のワイヤを用い、この芯 に超弾性形状記憶合金からなるコイルを遊 を持たせて被覆するようにした線状部材110 記載されている。また、特許文献2には、超 弾性形状記憶合金からなる芯線の外周に金、 プラチナなどの貴金属素材による微細な装飾 帯を螺旋状に密に巻きつけた線状部材110が記 載されている。

 これらの超弾性形状記憶合金を用いた線状 材110は、折り曲げに対する復元力が高く、 た、変形してしまっても所定の温度で処理 ることにより元の形状に戻り、更に、引っ り強度も大きいので、長期にわたって品質 維持することができる。

特開2004-89589号公報

特開2001-286313号公報

 しかしながら、従来の線状部材110では、 飾材の種類や大きさにより、貫通孔の内径 応じて異なった外径(太さ)のものを用いな ればならないという問題があった。例えば 線状部材110の外径が装飾材120の内径よりも さすぎると、装飾材120の並び方が不揃いに り、美的なラインを保つことができなくな てしまうと共に、装飾材120の移動あるいは 転により、髪の毛が絡まってしまう。一方 線状部材110の外径が装飾材120の内径よりも きすぎると、貫通孔に線状部材を通し難く ると共に、しなやかさの低下により、美的 ラインを形成することができなくなってし う。

 また、装飾材120は、長期にわたって使用 れると、貫通孔が磨り減り、線状部材110と 通孔との間、あるいは各装飾材120の間に間 が発生してしまうという問題もあった。こ 場合、絹糸、合成繊維あるいは釣り具用の グスなどであれば、取り替えにより対応す こともできるが、特許文献1、特許文献2に 載されている線状部材については取り替え より対応することは難しい。

 よって、種々の大きさを有する貫通孔に 使用することができ、しかも、長期にわた て品質を維持することができる線状部材お び装身具の開発が望まれていた。

 本発明は、このような問題点に基づきな れたものであり、引っ張り強度が大きく、 長性,収縮性,屈曲性あるいは復元力に優れ 線状部材、およびその製造方法、並びにこ 線状部材を用いた装身具を提供することを 的とする。

 本発明の線状部材は、超弾性形状記憶合 よりなる複数本のワイヤを配列した基本体 、内側に空間部を有し、かつ、長さ方向に 隔を開けて螺旋巻きに形成されたものであ 。

 本発明の線状部材の製造方法は、超弾性 状記憶合金よりなる複数本のワイヤを配列 た基本体を、巻芯に対して、配列方向に間 を開けて螺旋巻きにする螺旋巻き工程と、 旋巻き工程ののち、基本体を加熱して形状 憶処理をする形状記憶処理工程と、形状記 処理工程ののち、巻芯を除去する除去工程 を含むものである。

 本発明の装身具は、装飾材に設けられた 通孔に線状部材を貫通させたものであって 線状部材は、超弾性形状記憶合金よりなる 数本のワイヤを配列した基本体が、内側に 間部を有し、かつ、長さ方向に間隔を開け 螺旋巻きに形成されたものである。

 本発明の線状部材によれば、複数本のワ ヤが配列された基本体を螺旋巻きに形成す ようにしたので、伸長性を確保しつつ、引 張り強度を大きくすることができる。また 内側に空間部を有し、かつ、長さ方向に間 を開けるようにしたので、螺旋の傾斜角を きくすると共に外径を収縮して、間隔がな なるまで長さ方向に伸長することができ、 長性および収縮性を大幅に向上させること できる。更に、内側に空間部を有するよう したので、屈曲性も向上させることができ 。加えて、超弾性形状記憶合金よりなるワ ヤを用いるようにしたので、長さ方向への 長や外径の収縮、あるいは屈曲したのちで っても、元の形状に復元することができる

 よって、特に、線状部材を装飾材の貫通 に貫通させて装身具として用いるようにす ば、長さ方向に伸長させて外径を収縮させ ことにより、線状部材を容易に貫通孔に通 ことができると共に、貫通孔の大きさが異 る装飾材にも対応することができる。また 引っ張り強度が大きく、復元力にも優れて るので、線状部材の伸びまたは貫通孔の磨 減りにより、貫通孔と線状部材との間、あ いは装飾材同士の間に間隙が生じてしまう とを抑制することができ、長期にわたって 質を維持することができる。更に、屈曲性 も優れているので、美しいラインを長期に たって維持することができる。

 また、ロボットの腱あるいは車両のショ クアブソーバーなどの機械部材、またはカ ーテルなどの医療部材として用いるように れば、引っ張り強度が大きく、伸長性およ 復元力に優れているので、しなやかな動き 長期にわたって得ることができる。

 更に、空間部の少なくとも一部に、ワイ を波形に成形した補助芯を有するようにす ば、伸長性、収縮性、屈曲性を確保しつつ 強度を向上させることができると共に、外 方向に対する付勢力を強化することができ 。

 本発明の線状部材の製造方法によれば、 弾性形状記憶合金よりなる複数本のワイヤ 配列した基本体を、巻芯に対して長さ方向 間隔を開けて螺旋巻きとし、形状記憶処理 したのち、巻芯を除去するようにしたので 本発明の線状部材を容易に製造することが きる。

 本発明の装身具によれば、本発明の線状 材を用いるようにしたので、線状部材に装 材を容易に通すことができると共に、貫通 の大きさが異なる装飾材にも対応すること できる。また、長期にわたって美しいライ を維持することができる。

 特に、線状部材として、外径が貫通孔の 径よりも大きいものを用いるようにすれば 貫通孔の内壁に対して線状部材の付勢力が き、装飾材の位置ずれを抑制することがで る。

 また、線状部材に複数の装飾材を連繋さ る場合には、貫通孔と線状部材との間、あ いは装飾材同士の間に間隙が生じてしまう とを抑制することができ、長期にわたって 質を維持することができる。

 更に、空間部の少なくとも一部に、ワイ を波形に成形した補助芯を有するようにす ば、伸長性、収縮性、屈曲性を確保しつつ 貫通孔の内壁に対する付勢力を強化するこ ができるので、装飾材の位置ずれをより効 的に抑制することができる。

 加えて、基本体の表面の少なくとも一部 、金あるいは金を含む合金のめっきを施す うにすれば、美観を良くすることができる また、白金族のめっきを施すようにすれば 表面を硬くすることができ、装飾材による 耗を抑制することができる。

本発明の一実施の形態に係る線状部材 表す構成図である。 図1に示した線状部材の伸び率の一例を 示す特性図である。 本発明の他の実施の形態に係る線状部 を表す構成図である。 図1に示した線状部材の製造方法の一工 程を表す説明図である。 図1に示した線状部材を用いた装身具の 特性を表す説明図である。 補助芯の波形の幅を表す説明図である 従来の装身具を表す構成図である。

符号の説明

 10,110…線状部材、11…ワイヤ、12…基本体 、13…空間部、14…芯線、20,120…装飾材、21… 貫通孔、S1,S2…隙間、D1…外径、D2…内径、P1 ピッチ、M…巻芯

 以下、本発明の実施の形態について、図 を参照して詳細に説明する。

 図1は、本発明の一実施の形態に係る線状 部材10の構成を表したものであり、(A)は正面 ら見た構成を表し、(B)は(A)に示したI-I線に った端面構造を表している。この線状部材1 0は、複数本のワイヤ11を配列した基本体12が 旋巻きに形成されたものである。1本のワイ ヤを螺旋巻きにした場合には、ワイヤの太さ が細いと、伸長性には優れるが、引っ張り強 度が小さくすぐに伸びきってしまい、ワイヤ の太さが太いと、引っ張り強度は大きくなる が、伸長性に劣るのに対して、複数本のワイ ヤ11を配列した基本体12を螺旋巻きとすれば 伸長性を得ることができると共に、引っ張 強度を大きくすることができるからである

 基本体12は、中心に空間部13を有し、かつ 、長さ方向に間隔S1を開けて螺旋巻きとされ いる。空間部13を有することにより、屈曲 を向上させることができるからである。ま 、空間部13を有し、かつ、長さ方向に間隔S1 開けるようにすれば、螺旋の傾斜角を大き すると共に外径を収縮して、間隔S1がなく るまで長さ方向に伸長することができるの 、伸長性および収縮性を大幅に向上させる とができるからである。

 なお、基本体12は、図1では、ワイヤ11を 列に配列する場合を示したが、複数列に配 されていてもよい。すなわち、この線状部 10は、1重の螺旋巻きでもよいが、2重以上に ねて螺旋巻きとされていてもよい。また、 本体12は、同一のワイヤ11を配列するように してもよいが、異なる種類または異なる太さ のワイヤ11を配列するようにしてもよい。更 、基本体12において、ワイヤ11は密接して配 列されていることが好ましいが、各ワイヤ11 間に若干の隙間が開いていても良い。

 ワイヤ11は、超弾性形状記憶合金より形 されている。超弾性形状記憶合金により構 すれば、長さ方向に伸長したり、外径が収 したり、あるいは屈曲したのちであっても 元の形状に戻る復元性を向上させることが きるからである。なお、超弾性形状記憶合 というのは、超弾性または形状記憶効果を する合金を言い、例えば、ニッケル・チタ 合金あるいはニッケル・チタン・コバルト 金などのニッケルおよびチタンを含む合金 挙げられる。

 基本体12の表面の少なくとも一部には、 っきが施されていてもよい。めっきとして 、金,金を含む合金および白金族からなる群 うちの少なくとも1種よりなるものが好まし い。金あるいは金を含む合金は美観を良くす ることができるからである。金合金としては 、16Kから24Kが好ましい。また、白金族は表面 を硬くすることができ、磨耗による変色を防 止することができるからである。白金族とし ては、例えば、ロジウムあるいはパラジウム が好ましく挙げられる。

 図2は、この線状部材10の伸び率の一例を すものである。図2において、実線で示した のは、基本体12のワイヤ11の数を8本とし、間 S1を4本分のワイヤ11の長さ方向における幅 したものである。1点破線で示したのは、基 体12のワイヤ11の数を10本とし、間隔S1を2本 のワイヤ11の長さ方向における幅としたも である。破線で示したのは、基本体12のワイ ヤ11の数を12本とし、間隔S1を開けないで螺旋 巻きとした比較例である。いずれも、同一の ワイヤ11(太さ0.14mm)を用い、線状部材10の外径 D1(約0.80mm)、螺旋の傾斜角およびピッチP1は同 一とした。

 図2に示したように、空間部13を有し、か 、長さ方向に間隔S1を開けるようにすれば 間隔S1を開けない場合に比べて、小さな荷重 で大きな伸び率を得られ、伸長性および収縮 性を大幅に向上させることができることが分 かる。

 図3は、線状部材10の他の形態を表したも である。この線状部材10は、長さ方向の少 くとも一部において、空間部13に、ワイヤを 波形に成形した補助芯14を有している。この うな補助芯14を備えるようにすれば、伸長 、収縮性、屈曲性を確保しつつ、強度を向 させることができると共に、線状部材10の外 周方向に対する付勢力を強化することができ るので好ましい。なお、補助芯14を構成する イヤの太さは、伸長も収縮もしていない通 の状態における空間部13の直径よりも小さ ことが好ましい。伸長性、収縮性、屈曲性 確保することができるからである。

 この線状部材10は、例えば、次のように て製造することができる。

 まず、複数本のワイヤ11を配列した基本 12を、図4に示すように、巻芯Mに対して、長 方向に間隔S2を開けて螺旋巻きにする(螺旋 き工程)。次いで、基本体12を加熱して形状 憶処理をする(形状記憶処理工程)。続いて 巻芯Mを、例えば、溶剤により溶解したり、 たは、引き抜くことにより除去する(除去工 程)。そののち、必要に応じて、巻芯Mを除去 ることによりできた空間部13に、ワイヤを 形に成形した補助芯14を挿入する。これによ り、線状部材10が得られる。

 この線状部材10は、例えば、装身具に用 ることができる。装身具としては、例えば 図5に示したように、装飾材20に設けられた 通孔21に線状部材10を貫通させたものが挙げ れる。この線状部材10は、長さ方向に伸長 せて外径D1を収縮させることにより、容易に 装飾材20の貫通孔21に通すことができると共 、貫通孔21の大きさが異なる様々な装飾材20 も対応することができるからである。また 引っ張り強度が大きいので、線状部材の伸 により、貫通孔と線状部材との間、あるい 装飾材同士の間に間隙が生じてしまうこと 抑制することができるからである。更に、 曲性および復元性にも優れているので、美 いラインを長期にわたって維持することが きるからである。

 なお、図5は、線状部材10の一部に装飾材2 0を通した状態を表したものであり、(A)は装 材20を中心部において切断した部分断面構造 を表し、(B)は装飾材20に通した状態における 状部材10のII-II線に沿った端面構造を表し、 (C)は装飾材20に通していない線状部材10のIII-I II線に沿った端面構造を表している。

 このような装身具において、線状部材10 しては、伸長も収縮もしていない通常の状 において、外径D1が貫通孔21の内径D2よりも きいものを用いることが好ましい。線状部 10は、長さ方向に伸長し外径D1を収縮して用 られるので、貫通孔21の内壁22に対して線状 部材10の付勢力Fが働き、装飾材20の回転方向 よび長さ方向における位置ずれを抑制する とができるからである。

 よって、例えば、線状部材10に1つの装飾 20を通した装身具や、線状部材10に複数の装 飾材20を適当な間隔を開けて通した装身具で れば、装飾材20の位置を好みに合わせて調 することができ、かつ、その位置を維持す ことができるので好ましい。

 また、例えば、線状部材10に複数の装飾 20を連繋させた装身具であれば、装飾材20の 置ずれによる貫通孔21の磨り減りを抑制す ことができると共に、貫通孔21が磨り減った としても、線状部材10が長さ方向に収縮して 径D1が大きくなるので、貫通孔21と線状部材 10との間、あるいは各装飾材21の間に間隙が じてしまうことを抑制することができ好ま い。

 更に、装身具においては、空間部13の少 くとも一部に、上述した補助芯14を有する線 状部材10を用いることが好ましい。この場合 図6に示した補助芯14の波形の幅Wは、貫通孔 21の内径D2からワイヤ11の太さの2倍を引いた よりも大きく構成することが好ましい。な 、補助芯14の波形の幅Wというのは、波形の 方の頂点Aと他方の頂点Bとの間の距離を意味 し、貫通孔21の内径D2からワイヤ11の太さの2 を引いた値というのは、線状部材10を貫通孔 21に通した状態における空間部13の直径を意 している。すなわち、このように構成すれ 、線状部材10を貫通孔21に通すと、補助芯14 撓むので貫通孔21の内壁22に対する付勢力Fが 強化され、装飾材20と線状部材10との間の摩 力が大きくなり、装飾材20の回転方向および 長さ方向における位置ずれをより効果的に抑 制することができるからである。例えば、線 状部材10に複数の装飾材20を連繋させた装身 の場合には、連結部が結合されている両端 に、例えば4cmから7cm程度の長さの補助芯14が 挿入されていることが好ましい。この部分に おいて、装飾材20が特に回転しやすいからで る。

 この線状部材10は、また、ロボットの腱 るいは車両のショックアブソーバーなどの 械部材、またはカテーテルなどの医療部材 用いることができる。引っ張り強度が大き 、伸長性および復元力に優れているので、 なやかな動きを長期にわたって得ることが きるからである。

 このように本実施の形態によれば、複数 のワイヤ11が配列された基本体12を螺旋巻き に形成するようにしたので、伸長性を確保し つつ、引っ張り強度を大きくすることができ る。また、内側に空間部13を有し、かつ、長 方向に間隔S1を開けるようにしたので、螺 の傾斜角を大きくすると共に外径D1を収縮し て、間隔S1がなくなるまで長さ方向に伸長す ことができ、伸長性および収縮性を大幅に 上させることができる。更に、内側に空間 13を有するようにしたので、屈曲性も向上 せることができる。加えて、超弾性形状記 合金よりなるワイヤ11を用いるようにしたの で、長さ方向への伸長や外径の収縮、あるい は屈曲したのちであっても、元の形状に復元 することができる。

 よって、線状部材10を装飾材20の貫通孔21 貫通させて装身具として用いるようにすれ 、長さ方向に伸長させて外径D1を収縮させ ことにより、線状部材10を容易に貫通孔21に すことができると共に、貫通孔21の大きさ 異なる装飾材20にも対応することができる。 また、引っ張り強度が大きいので、線状部材 の伸びにより、貫通孔と線状部材との間、あ るいは装飾材同士の間に間隙が生じてしまう ことを抑制することができる。更に、屈曲性 および復元性にも優れているので、美しいラ インを長期にわたって維持することができる 。

 特に、線状部材10として、外径D1が貫通孔 21の内径D2よりも大きいものを用いるように れば、貫通孔21の内壁22に対して線状部材10 付勢力Fが働き、装飾材20の位置ずれを抑制 ることができる。よって、例えば、線状部 10に1つの装飾材20を通した装身具や、線状部 材10に複数の装飾材20を適当な間隔を開けて した装身具であれば、装飾材20の位置を好み に合わせて調節することができ、かつ、その 位置を維持することができる。また、例えば 、線状部材10に複数の装飾材20を連繋させた 身具であれば、装飾材20の位置ずれによる貫 通孔21の磨り減りを抑制することができると に、貫通孔21が磨り減ったとしても、線状 材10が長さ方向に収縮して外径D1が大きくな ので、貫通孔21と線状部材10との間、あるい は各装飾材21の間に間隙が生じてしまうこと 抑制することができる。

 更に、空間部13の少なくとも一部に、ワ ヤを波形に成形した補助芯14を有するように すれば、伸長性、収縮性、屈曲性を確保しつ つ、貫通孔21の内壁22に対する線状部材10の付 勢力Fを強化することができ、装飾材20の回転 方向および長さ方向における位置ずれをより 効果的に抑制することができる。

 加えて、基本体12の表面の少なくとも一 に、金あるいは金を含む合金のめっきを施 ようにすれば、美観を良くすることができ 。また、白金族のめっきを施すようにすれ 、表面を硬くすることができ、装飾材20によ る磨耗を抑制することができる。

 更にまた、線状部材10をロボットの腱あ いは車両のショックアブソーバーなどの伸 性を要求される機械部材、またはカテーテ などの医療部材として用いるようにすれば 引っ張り強度が大きく、伸長性および復元 に優れているので、しなやかな動きを長期 わたって得ることができる。

 加えてまた、超弾性形状記憶合金よりな 複数本のワイヤ11を配列した基本体12を、巻 芯Mに対して長さ方向に間隔S1を開けて螺旋巻 きとし、形状記憶処理をしたのち、巻芯Mを 去するようにしたので、本実施の形態に係 線状部材10を容易に製造することができる。

 以上、実施の形態を挙げて本発明を説明 たが、本発明は上記実施の形態に限定され ものではなく、種々変形可能である。例え 、上記実施の形態では、装飾材20として、 珠あるいは宝石などに貫通孔21を直接設けた ものを図示して説明したが、真珠あるいは宝 石などの装飾部に貫通孔を設けた取付部を取 り付けた装飾材を用いるようにしてもよい。

 また、上記実施の形態では、基本体12の イヤ11を超弾性形状記憶合金により構成する 場合について説明したが、一般に用いられて いる他のばね材、例えば、ピアノ線材、ステ ンレス線材、非鉄系線材により構成するよう にしてもよい。これらの材料により構成して も、超弾性形状記憶合金により構成する場合 に比べて特性は劣るものの、引っ張り強度が 大きく、伸長性,収縮性,屈曲性あるいは復元 に優れた線状部材を得ることができる。

 装身具、または、ロボットの腱あるいは 両のショックアブソーバーなどの機械部材 または、カテーテルなどの医療部材などに いることができる。