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Patent Searching and Data


Title:
LITHOGRAPHIC PRINTING PLATE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/156137
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a lithographic printing plate material having a heat-sensitive image-forming layer on a supporting body. This lithographic printing plate material is characterized in that the heat-sensitive image-forming layer contains particles (A) having a recessed portion in the surface. This lithographic printing plate material is excellent in on-press developability and exposure visible image properties, while being suppressed in changes in visible images after exposure.

Inventors:
MORI TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061217
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
MORI TAKAHIRO (JP)
International Classes:
B41N1/14; G03F7/00; G03F7/004
Foreign References:
JP2000075471A2000-03-14
JP2006003783A2006-01-05
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Claims:
支持体上に感熱画像形成層を有する平版印刷版材料において、該感熱画像形成層が、粒子表面に凹部を有する粒子(A)を含有することを特徴とする平版印刷版材料。
前記粒子(A)が、粒子径が0.1μm以上、2.0μm以下の範囲にある粒子であって、粒子表面に平均開口径が0.05μm以上である凹部を有する粒子であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の平版印刷版材料。
前記粒子(A)の凹部の平均開口径が0.05~1.4μmであることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の平版印刷版材料。
前記粒子(A)の凹部の平均開口径が0.15~0.2μmであることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の平版印刷版材料。
前記平均開口径と粒子径の比(平均開口径/粒子径)が0.03~0.8であることを特徴とする請求の範囲第2項~第4項に記載の平版印刷版材料。
前記平均開口径と粒子径の比(平均開口径/粒子径)が0.3~0.4であることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の平版印刷版材料。
前記粒子(A)の形状が、中央部に凹部を有する扁平形状であることを特徴とする請求の範囲第1項~第6項に記載の平版印刷版材料。
前記粒子(A)が内部に空隙を有し、前記凹部と該空隙とが連続していることを特徴とする請求の範囲第1項~第6項のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
前記感熱画像形成層が機上現像可能な感熱画像形成層であることを特徴とする請求の範囲第1項~第8項のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
前記感熱画像形成層が、融点が50℃~200℃の範囲にある熱溶融性化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項~第9項のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
前記支持体の反射濃度が、0.7~3.5の範囲にあることを特徴とする請求の範囲第1項~第10項のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
前記支持体の反射濃度が、0.85~2.05の範囲にあることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の平版印刷版材料。
Description:
平版印刷版材料

 本発明は印刷版材料に関し、特にコンピ ーター・トゥー・プレート(CTP)方式により 像形成が可能な印刷版材料に関する。

 現在、印刷の分野においては、印刷画像 ータのデジタル化に伴い、CTP方式による印 が行われるようになってきているが、この 刷においては、安価で取り扱いが容易で従 の所謂PS版と同等の印刷適性を有したCTP方 用印刷版材料が求められている。

 特に近年、特別な薬剤(例えばアルカリ、 酸、溶媒など)を含む処理液による現像処理 必要とせず、従来の印刷機に適用可能であ 印刷版材料が求められており、例えば、全 現像処理を必要としない相変化タイプの印 版材料、水もしくは水を主体とした実質的 中性の処理液で処理をする印刷版材料、印 機上で印刷の初期段階で現像処理を行い特 現像工程を必要としない印刷版材料などの ケミカルフリータイプ印刷版材料やプロセ レスタイプ印刷版材料と呼ばれる印刷版材 が知られている。

 一方、これらのCTP方式においても従来のP S版と同様に所謂検版という作業が、現状の ークフローにおいては必要とされ、また印 機に取り付ける際に必要なパンチング(取り け用の穴あけ)を現像後に行う場合には、ト ンボ画像を専用装置で読み取って正確な位置 調整を行うため、装置で読み取り可能なよう に画像部と非画像部とで、反射濃度に差があ ることが必要とされる場合があり、所謂現像 可視画性を持つことが必要とされている。

 又、全く現像処理を必要としない印刷版 料や印刷機上で現像を行うプロセスレスタ プの印刷版材料においては、印刷機に取り ける際に必要なパンチングを露光後に行う め、所謂露光可視画性を持つことが必要と れている。

 プロセスレスタイプの印刷版材料の画像 成に主として用いられるのは近赤外~赤外線 の波長を有するサーマルレーザー記録方式で ある。この方式で画像形成可能なサーマルプ ロセスレスプレートには、大きく分けて、後 述するアブレーションタイプと熱融着画像層 機上現像タイプ、および相変化タイプが存在 する。

 アブレーションタイプとしては、例えば 特開平8-507727号、同6-186750号、同6-199064号、 7-314934号、同10-58636号、同10-244773号に記載さ れているものが挙げられる。

 これらは、例えば、基材上に親水性層と 油性層とをいずれかの層を表層として積層 たものである。表層が親水性層であれば、 像様に露光し、親水性層をアブレートさせ 画像様に除去して親油性層を露出すること 画像部を形成することができる。ただし、 ブレートした表層の飛散物による露光装置 部の汚染が問題となるため、親水性層上に らに水溶性の保護層を設けてアブレートし 表層の飛散を防止し、印刷機上で保護層と もにアブレートした表層を除去する方式も 案されている。

 アブレーションタイプの場合、表層とそ 下の層との色相を異なるものとしておくこ で露光可視画性を付与することが可能であ が、そのためには表層を完全にアブレート せて除去する必要がある。これは、例えば 光装置内にアブレーション飛散物を吸引除 するようなクリーナーを設置することで達 は可能であるが装置コストが大幅に上がる いう問題点がある。

 上述のような保護層を設けたタイプでは アブレーション飛散物が残存するため、た え表層とその下の層との色相を異なるもの しておいたとしても良好な露光可視画性は ることは難しい。

 又、上記を解決する手段として、「印刷 上で除去可能な親水性オーバーコート層に 露光によって光学濃度を変化させることの きるシアニン系赤外線吸収色素を20質量%以 含有させる」方法が開示されている(特許文 献1参照。)。

 この方法によれば確かに良好な露光可視 性が得られるが、印刷機上で除去される層 に多量の色素を含有させ、露光によって色 をさらに発色させるにしろ退色させるにし 、露光部もしくは未露光部のいずれかは発 濃度の高い層となるため、機上現像による 刷機汚染は避けるのは難しい。

 一方、熱融着画像層機上現像タイプとし は、特許2938397号や特許2938397号に開示され いるような、親水性層もしくはアルミ砂目 に画像形成層に熱可塑性粒子と水溶性の結 剤とを用いたものが挙げられる。

 このタイプで露光可視画性を付与するに 、赤外線吸収色素の露光退色を利用したも が挙げられるが、このような色素を画像形 層に添加した場合、未露光部と露光部との 差を大きくして露光可視画性を向上させる とは、即ち未露光部の着色濃度を上げるこ になり、未露光部の機上現像時の印刷機汚 が大きくなる(特許文献1参照)。

 また、相変化タイプとしては、印刷時に 去されない親水性層中に、疎水化前駆体粒 を含有させ、露光部を親水性から親油性へ 相変化させるというものが挙げられる。

 このタイプで露光可視画性を付与するに 、上述のような赤外線吸収色素の露光退色 利用したものが挙げられる。しかし、親水 層の親水性を維持するためには含有させる 外線吸収色素も親水性、つまりは水溶性の のを使用することが好ましいが、この場合 印刷中に色素が湿し水中に溶出する場合が り、上記同様の印刷機汚染が多くなる。

 一方で、色素の溶出がないように非水溶 の色素を用いると、親水性層の親水性が低 し、地汚れ等の問題が生じる。

 又、印刷機上で現像可能な印刷版材料と て、画像形成層中にロイコ色素とその顕色 といったような感熱発色する素材を含有さ 、露光部、即ち親油性の画像部のみを発色 せる印刷版材料が知られている(特許文献2 照)。

 この印刷版材料では、印刷機上で除去さ る非画像部の画像形成層は比較的着色濃度 低いため、露光退色を利用する方法よりも 刷機汚染(色濁り)は低減するが、発色した 像部にはやはり部分的に耐水性が低い領域 残存することは避けられず、発色画像部に る印刷機汚染(色濁り)が生ずることがあった り、印刷枚数が多くなると小点の再現性が悪 くなる場合があった。

 本発明者は、上記課題を解決すべく、親 性表面を有する基材上に画像形成層を有す 印刷版材料において、該親水性表面の反射 度が1.0以上であり、該画像形成層の反射濃 が該親水性表面の反射濃度より0.2以上低い とを特徴とする印刷版材料を提案している( 特許文献3参照)。

 これは、濃色を呈した親水性層上に、白 顔料を含有する白色画像形成層を積層して 水性層の濃色を隠蔽印刷版材料である。白 顔料として特定粒径の熱溶融性ワックス粒 を用い、赤外線露光された画像部の熱溶融 粒子を溶融、透明化させて濃色親水性層を 認可能とすることで、白色非画像部とのコ トラストで可視画像を得るものである。

 この態様においても良好な露光可視画が られるが、熱溶融性ワックス粒子は圧力に ってもつぶれて透明化するため、スクラッ 傷等が見えやすいという問題があった。ス ラッチ傷がトンボ部分や文字画像部分と重 った場合には、パンチ精度、検版の面から ずしも充分ではなかった。

 特許文献3には、ケミカルフリータイプの 態様として、白色顔料として中空粒子を用い た態様も提案している。例えば中空の架橋樹 脂粒子を用いた場合、粒子の強度が高いため 、圧力によってもつぶれることがなく、スク ラッチ傷等が見えやすくなるといった問題は ないが、中空の架橋樹脂粒子は赤外線露光で 溶融、透明化する機能は持たないため、露光 可視画を得ることはできない(中性現像液で 現像後には良好な可視画像が得られる)。

 このように、従来の技術では、プロセスレ CTPにおいて、十分な露光可視画性を付与し かつ、露光後の取り扱いでの可視画像変化 防止することが非常に困難であった。

特開2002-205466号公報

特開2000-225780号公報

特開2006-3783号公報

 本発明の目的は、機上現像性、露光可視 性に優れ、かつ、露光後の可視画像の変化 少ない平版印刷版材料を提供することにあ 。

 本発明の目的は、下記手段により達成され 。
1.支持体上に感熱画像形成層を有する平版印 版材料において、該感熱画像形成層が、粒 表面に凹部を有する粒子(A)を含有すること 特徴とする平版印刷版材料。
2.前記粒子(A)が、粒子径が0.1μm以上、2.0μm以 の範囲にある粒子であって、粒子表面に平 開口径が0.05μm以上である凹部を有する粒子 であることを特徴とする1に記載の平版印刷 材料。
3.前記粒子(A)の凹部の開口径が0.05~1.4μmであ ことを特徴とする2に記載の平版印刷版材料
4.前記粒子(A)の凹部の平均開口径が0.15~0.2μm あることを特徴とする3に記載の平版印刷版 料。
5.前記平均開口径と粒子径の比(平均開口径/ 子径)が0.03~0.8であることを特徴とする2~4に 載の平版印刷版材料。
6.前記平均開口径と粒子径の比(平均開口径/ 子径)が0.3~0.4であることを特徴とする5に記 の平版印刷版材料。
7.前記粒子(A)の形状が、中央部に凹部を有す 扁平形状であることを特徴とする1~6に記載 平版印刷版材料。
8.前記粒子(A)が内部に空隙を有し、前記凹部 該空隙とが連続していることを特徴とする1 ~6のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
9.前記感熱画像形成層が機上現像可能な感熱 像形成層であることを特徴とする1~8項のい れか1項に記載の平版印刷版材料。
10.前記感熱画像形成層が、融点が50℃~200℃の 範囲にある熱溶融性化合物を含有することを 特徴とする1~9のいずれか1項に記載の平版印 版材料。
11.前記支持体の反射濃度が、0.7~3.5の範囲に ることを特徴とする1~10のいずれか1項に記載 の平版印刷版材料。
12.前記支持体の反射濃度が、0.85~2.05の範囲に あることを特徴とする11に記載の平版印刷版 料。

 本発明の上記構成により、機上現像性、 光可視画性に優れ、かつ、スクラッチなど よる影響を受けにくく露光後の可視画像の 化の少ない平版印刷版材料が提供できる。

凹部を有する粒子の例の模式図である

 本発明は、支持体上に感熱画像形成層を する平版印刷版材料において、該感熱画像 成層が、粒子表面に凹部を有する粒子(A)を 有することを特徴とし、特に基材上に感熱 像形成層を有する平版印刷版材料において 該感熱画像形成層が、粒子径が0.1μm以上、2 .0μm以下の範囲にある粒子であって、粒子表 に平均開口径が0.05μm以上である凹部を有す る粒子(A)を含有することを特徴とする。

 本発明は、凹部を有する粒子を感熱画像 成層に含有させることで、機上現像性、露 可視画性に優れ、かつ、露光後の可視画像 変化の少ない平版印刷版材料が提供できる

 (感熱画像形成層)
 本発明に係る感熱画像形成層は、粒子表面 凹部を有する粒子(A)(以下単に粒子Aと称す 場合もある)を含有する。特に感熱画像形成 が、粒子径が0.1μm以上、2.0μm以下の範囲に る粒子であって、粒子表面に平均開口径が0 .05μm以上である凹部を有する粒子(A)を含有す る。

 (粒子A)
 粒子表面に凹部を有する粒子とは、以下の 面Dを有する粒子である。

 当該粒子を一つの平面で切断した場合に 一つのみの閉曲線で形成される断面であっ 、該閉曲線上の2点同士のみを結ぶ直線が、 当該閉曲線外に存在する断面D。2点同士のみ 結ぶ直線とは、他の点を通らず当該2点のみ を結ぶ直線である。

 但し、粒子が貫通孔を有する場合には、 子表面に凹部を有する粒子とは、(1)貫通孔 全て埋まった状態の粒子を想定し、想定さ た粒子が上記断面Dを有する粒子であるか、 または(2)貫通孔を形成する空間を満たすもの を粒子と仮定し、仮定された粒子が上記断面 Dを有する粒子をいう。

 また、開口径は、上記閉曲線外に存在す 2点同士のみを結ぶ直線の長さのうち最大の 長さをいい、平均開口径とは、100個の粒子に ついての平均値をいう。但し上記(2)の場合の 開口径は、仮定された粒子の開口部に相当す る断面の径のうち最大の径をいう。

 凹部の存在および、開口径は、電子顕微 による観察により測定することができる。 ち、100個の粒子について、各々の粒子の電 顕微鏡による映像に基づき、得られた映像 おける開口径を測定し、これら100個の測定 を平均して平均開口径を求めることができ 。

 粒子Aは、粒子径が0.1μm以上、2.0μm以下で あることが好ましい。粒子径とは、顕微鏡に て観測して測定した長径(最大径)の、100個の 子についての平均値をいう。

 本発明において、粒子Aは、白色顔料とし て機能する。粒子が有する凹部が光散乱性を 増加させることで、白色を呈する。粒子の凹 部は感熱画像形成層中で空隙部分として存在 するため白色を呈すると推測される。

 感熱画像形成層の画像部においては、熱 より画像形成層が変化し、粒子Aの凹部によ る空隙が減少し、光散乱性が減少して白色度 が減少するため、非画像部とのコントラスト が生ずると推測される。

 粒子Aの形状としては、球形、紡錘形、円 筒形、不定形等、いずれの形状であっても良 い。

 また、粒子Aの素材としては、無機粒子、 樹脂粒子のいずれも用いることができるが、 塗布液中での沈降等を考慮すると、比重の低 い樹脂粒子を用いることが好ましい。

 樹脂粒子としては、アクリル、スチレン ブタジエン等公知の架橋樹脂粒子を用いる とができる。また、自己分散性付与や架橋 付与等の目的で、粒子表面に各種官能基を 与することもできる。

 このような架橋樹脂粒子は高い強度を有 るため、スクラッチ等の圧力での変形が少 く好ましい。

 粒子Aの粒径は、白色度および白色度の均 一性の面から0.1μm~2.0μmであることが好まし 。

 凹部の平均開口径は、可視画像形成の面 ら0.05μm以上あることが好ましく、さらに1.4 μm以下であることが好ましい。また平均開口 径は、粒子径の3%以上~80%以下であることが好 ましく、特に30%~40%であることが好ましい。

 本発明において、粒子Aの形状が、中央部 に凹部を有する扁平形状であることが、好ま しい態様のひとつである。即ち、粒子Aが、 央部が窪んだ扁平形状で概略赤血球状の形 を有した粒子(A1)であることが、好ましい態 のひとつである。このような形状は白色度 高く、コントラストを高める上で好ましい 様である。

 図1のaに、中央部に凹部を有する扁平形 の例の斜視図および断面図を示す。図1のaの 形状の例では、Rが粒子径であり、Kが開口径 ある。

 このような形状の樹脂粒子は、例えば、 許第3300441号に記載されている方法により製 造することができ、例えば三井化学社製グロ スデールVシリーズ等として、入手すること できる。

 粒子Aとしては、内部に空隙を有し、凹部 とこの空隙とが連続している形状の粒子もま た好ましい態様の一つである。即ち、粒子A 、凹部が粒子表面から内部の空隙を結ぶ貫 孔となっている粒子(A2)であることが、もう とつの好ましい態様である。

 図1のbに、内部に空隙を有し、凹部とこ 空隙とが連続している形状の粒子の例を示 。図1のbの形状の例では、R2が粒子径であり K2が開口径である。

 この粒子(A2)は、白色度がより高く、スク ラッチ等の圧力で透明化し難い特徴があり、 特に好ましい。

 このような貫通孔を有する粒子は、例え 、特開平5-222108号公報、特開平6-322008号公報 に記載されている方法により製造することが でき、例えば三井化学社製グロスデールTシ ーズ等として入手できる。

 (感熱素材)
 本発明に係る感熱画像形成層は、像様加熱 より加熱された部分が印刷時インキを着肉 る画像部となるネガ型の画像形成層であり 感熱素材を含有する。

 本発明に係る感熱素材は、加熱により変 して画像を形成しうる素材であり、疎水性 熱溶融性化合物、熱融着性化合物、イソシ ネート等が挙げられる。感熱素材としては これらの中でも、熱溶融性化合物が好まし 。熱溶融性化合物あるいは熱融着性化合物 粒子の状態で用いるのが好ましい。

 (熱溶融性化合物)
 熱溶融性化合物粒子(熱溶融性粒子)は、熱 塑性素材の中で特に溶融した際の粘度が低 、一般的にワックスとして分類される素材 形成された粒子である。物性としては、軟 点40℃以上120℃以下、融点40℃以上200℃以下 あることが好ましく、軟化点40℃以上100℃ 下、融点50℃以上200℃以下であることがさら に好ましい。

 本発明においては、感熱素材として、可 画性の面から、特に融点が50℃~200℃である 溶融性化合物を用いることが好ましい態様 ある。

 使用可能な素材としては、パラフィン、 リオレフィン、ポリエチレンワックス、マ クロクリスタリンワックスならびに脂肪酸 よび脂肪酸エステルなどの脂肪酸系ワック 等が挙げられる。これらは分子量800から1000 0程度のものである。又、乳化しやすくする めにこれらのワックスを酸化し、水酸基、 ステル基、カルボキシル基、アルデヒド基 ペルオキシド基などの極性基を導入するこ もできる。

 さらには、軟化点を下げたり作業性を向 させるためにこれらのワックスにステアロ ミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、 リステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パ ミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪 アミド、ヤシ脂肪酸アミドまたはこれらの 肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビ ステラロアミド、エチレンビスステラロア ドなどを添加することも可能である。又、 マロン-インデン樹脂、ロジン変性フェノー ル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシ レン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイ オノマー、これらの樹脂の共重合体も使用す ることができる。

 これらの中でもポリエチレンワックス、 イクロクリスタリンワックス、脂肪酸エス ル、脂肪酸の何れかを含有することが好ま い。これらの素材は融点が比較的低く、溶 粘度も低いため、高感度の画像形成を行う とができる。

 又、熱溶融性粒子は水に分散可能である とが好ましく、その平均粒径は機上現像性 解像度などの面より、0.01~10μmであることが 好ましく、より好ましくは0.1~3μmである。

 又、熱溶融性粒子は内部と表層との組成 連続的に変化していたり、もしくは異なる 材で被覆されていてもよい。

 被覆方法は公知のマイクロカプセル形成 法、ゾルゲル法等が使用できる。

 層中の熱溶融性粒子の含有量としては、 全体の1~90質量%が好ましく、5~80質量%がさら に好ましい。

 (熱融着性化合物)
 熱融着性化合物粒子としては、熱可塑性疎 性高分子重合体粒子が挙げられ、高分子重 体粒子の軟化温度に特定の上限はないが、 度は高分子重合体粒子の分解温度より低い とが好ましい。高分子重合体の重量平均分 量(Mw)は10,000~1,000,000の範囲であることが好 しい。

 高分子重合体粒子を構成する高分子重合 の具体例としては、例えば、ポリプロピレ 、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチ ン-ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合 類、スチレン-ブタジエン共重合体、メチル メタクリレート-ブタジエン共重合体、アク ロニトリル-ブタジエン共重合体等の合成ゴ 類、ポリメチルメタクリレート、メチルメ クリレート-(2-エチルヘキシルアクリレート )共重合体、メチルメタクリレート-メタクリ 酸共重合体、メチルアクリレート-(N-メチロ ールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリ ニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、( タ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル 酢酸ビニル-プロピオン酸ビニル共重合体、 酸ビニル-エチレン共重合体等のビニルエス テル(共)重合体、酢酸ビニル-(2-エチルヘキシ ルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等およ それらの共重合体が挙げられる。これらの ち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アク ル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体 、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用い られる。

 高分子重合体粒子は乳化重合法、懸濁重 法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何 の方法で重合された高分子重合体からなる のでもよい。溶液重合法または気相重合法 重合された高分子重合体を粒子化する方法 しては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液 不活性ガス中に噴霧、乾燥して粒子化する 法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶 に溶解し、この溶液を水または水性媒体に 散、有機溶媒を留去して粒子化する方法等 挙げられる。又、何れの方法においても、 要に応じ重合あるいは粒子化の際に分散剤 安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、 デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポ エチレングリコール等の界面活性剤やポリ ニルアルコール等の水溶性樹脂を用いても い。

 又、熱融着性粒子は水に分散可能である とが好ましく、その平均粒径は機上現像性 解像度などの面から0.01~10μmであることが好 ましく、より好ましくは0.1~3μmである。

 又、熱融着性粒子は内部と表層との組成 連続的に変化していたり、もしくは異なる 材で被覆されていてもよい。

 被覆方法は公知のマイクロカプセル形成 法、ゾルゲル法等が使用できる。

 層中の熱可塑性粒子の含有量としては、 全体の1~90質量%が好ましく、5~80質量%がさら に好ましい。

 マイクロカプセルとしては、例えば特開2 002-2135号や特開2002-19317号に記載されている疎 水性素材を内包するマイクロカプセルを挙げ ることができる。

 マイクロカプセルは平均径で0.1~10μmであ ことが好ましく、0.3~5μmであることがより ましく、0.5~3μmであることがさらに好ましい 。

 マイクロカプセルの壁の厚さは径の1/100~1 /5であることが好ましく、1/50~1/10であること より好ましい。

 マイクロカプセルの含有量は感熱画像形 層全体の5~100質量%であり、20~95質量%である とが好ましく、40~90質量%であることがさら 好ましい。

 マイクロカプセルの壁材となる素材、お びマイクロカプセルの製造方法は公知の素 および方法を用いることができる。たとえ 、「新版マイクロカプセルその製法・性質 応用」(近藤保、小石真純著/三共出版株式 社発行)に記載されているか、引用されてい 文献に記載されている公知の素材および方 を用いることができる。

 (水溶性化合物)
 本発明に係る感熱画像形成層には水溶性化 物を含有させることが好ましい。水溶性化 物としては、20℃の水100gに0.5g以上溶解する 化合物であれば、どのような化合物でも用い ることができる。が、20℃の水100gに2g以上溶 する化合物であることが良好な、水による 像性を得るために好ましく、また、20℃で 体であることが画像形成層の強度維持のた に好ましい。

 具体的には下記のような化合物が挙げら る。

 オリゴ糖:トレハロース、スクロース、マ ルトース、シクロデキストリン等。

 水溶性高分子化合物:多糖類(デンプン類 セルロース類、ポリウロン酸、プルラン、 トサン、またはこれらの誘導体)、ポリエチ ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド ポリビニルアルコール、ポリエチレングリ ール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアク ル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルア ド、ポリビニルピロリドン等。

 (光熱変換剤)
 本発明に係る感熱画像形成層には光熱変換 を含有させることもできる。

 光熱変換素剤としては、カーボンブラッ 、グラファイト、金属粒子、金属化合物粒 といったいわゆる顔料、色素を挙げること できるが、可視画性の面から、後述の色素 用いることが好ましい。

 色素としては赤外線吸収色素が好ましく いられる。

 赤外線吸収色素の含有量としては、色素の 視光での着色の程度によって、画像形成層 着色、すなわち、画像形成層を形成した際 反射濃度低下の程度が変化するため、本発 の濃度範囲となるように含有量を調整する 要があるが、一般的に印刷版材料の単位面 あたりとして、0.001g/m 2 以上、0.2g/m 2 未満であることが好ましく、0.05g/m 2 未満であることがより好ましい。

 また、可視光での着色が少ない色素を用 ることが好ましい。

 赤外線吸収色素の具体例としては、一般 な赤外線吸収色素であるシアニン系色素、 ロコニウム系色素、ポリメチン系色素、ア レニウム系色素、スクワリウム系色素、チ ピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、 ントラキノン系色素などの有機化合物、フ ロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ 、チオアミド系、ジチオール系、インドア リン系の有機金属錯体などが挙げられる。 体的には、特開昭63-139191号、特開昭64-33547 、特開平1-160683号、特開平1-280750号、特開平1 -293342号、特開平2-2074号、特開平3-26593号、特 平3-30991号、特開平3-34891号、特開平3-36093号 特開平3-36094号、特開平3-36095号、特開平3-422 81号、特開平3-97589号、特開平3-103476号等に記 の化合物が挙げられる。これらは一種また 二種以上を組み合わせて用いることができ 。

 また、特開平11-240270号、特開平11-265062号 特開2000-309174号、特開2002-49147号、特開2001-16 2965号、特開2002-144750号、特開2001-219667号に記 の化合物も好ましく用いることができる。

 金属化合物粒子としては、金属酸化物が ましく用いられ、金属酸化物としては、可 光域で黒色を呈している素材、または素材 体が導電性を有するか、半導体であるよう 素材を使用することができる。

 また、感熱画像形成層には、界面活性剤 含有させることができる。Si系、またはF系 アセチレングリコール系等の界面活性剤を 用することができるが、特にSi系界面活性 およびアセチレングリコール系界面活性剤 使用することが印刷汚れを生じる懸念がな 、好ましい。該界面活性剤の含有量は画像 成層(塗布液としては固形分)の0.01~3質量%が ましく、0.03~1質量%がさらに好ましい。

 さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸 )またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ 塩、リン酸塩等)を含有していても良い。

 また、感熱画像形成層には潤滑剤を含有 せることができる。

 本発明に係る感熱画像形成層は、機上現 可能な層であることが好ましい。機上現像 能な層とは、画像様加熱の後、特に現像処 を行うことなく、平版印刷機に装着して、 版印刷機上で、湿し水、または湿し水と印 インキとにより画像形成層の非画像部が除 され得る層をいう。

 (支持体)
 本発明に係る支持体は、画像形成層を担持 得る板状体またはフィルム体であり、親水 表面を有する基材であることが好ましい。 水性表面を有する基材としては、基材上に 水性層を有するもの、基材の表面に親水化 理を施したものが挙げられる。

 (親水性層)
 親水性層は親水性素材を含む。親水性素材 しては、実質的に水に不溶で親水性の素材 好ましく、特に金属酸化物が好ましい。

 金属酸化物としては、金属酸化物粒子を むことが好ましい。例えば、コロイダルシ カ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他 金属酸化物のゾルが挙げられる。

 金属酸化物粒子の形態としては、球状、 状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い 平均粒径としては、3~100nmであることが好ま しく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物粒 子を併用することもできる。又、粒子表面に 表面処理がなされていても良い。

 上記金属酸化物粒子はその造膜性を利用 て結合剤としての使用が可能である。有機 結合剤を用いるよりも親水性の低下が少な 、親水性層への使用に適している。

 上記の中でも特にコロイダルシリカが好 しく使用できる。コロイダルシリカは比較 低温の乾燥条件であっても造膜性が高いと う利点があり、炭素原子を含まない素材が9 1質量%以上というような層においても良好な 度を得ることができる。

 上記コロイダルシリカとしては、ネック ス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の 粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく 、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液 としてアルカリ性を呈することが好ましい。

 ネックレス状コロイダルシリカとは1次粒 子径がnmのオーダーである球状シリカの水分 系の総称である。本発明に用いられるネッ レス状コロイダルシリカとは1次粒粒子径が 10~50nmの球状コロイダルシリカが50~400nmの長さ に結合した「パールネックレス状」のコロイ ダルシリカを意味する。パールネックレス状 (即ち真珠ネックレス状)とは、コロイダルシ カのシリカ粒子が連なって結合した状態の メージが真珠ネックレスの様な形状をして ることを意味している。ネックレス状コロ ダルシリカを構成するシリカ粒子同士の結 は、シリカ粒子表面に存在する-SiOH基が脱 結合した-Si-O-Si-と推定される。ネックレス のコロイダルシリカとしては、具体的には 産化学工業(株)製の「スノーテックス-PS」シ リーズなどが挙げられる。

 製品名としては「スノーテックス-PS-S(連 した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「ス ーテックス-PS-M(連結した状態の平均粒子径 120nm程度)」および「スノーテックス-PS-L(連 した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「 ノーテックス-PS-S-O」、「スノーテックス-PS -M-O」および「スノーテックス-PS-L-O」である

 ネックレス状コロイダルシリカを添加す ことにより、層の多孔性を確保しつつ、強 を維持することが可能となり、層の多孔質 材として好ましく使用できる。

 これらの中でも、アルカリ性である「ス ーテックスPS-S」、「スノーテックスPS-M」 「スノーテックスPS-L」を用いると、親水性 の強度が向上し、また、印刷枚数が多い場 でも地汚れの発生が抑制され、特に好まし 。

 また、コロイダルシリカは粒子径が小さ ほど結合力が強くなることが知られており 本発明には平均粒径が20nm以下であるコロイ ダルシリカを用いることが好ましく、3~15nmで あることがさらに好ましい。又、前述のよう にコロイダルシリカの中ではアルカリ性のも のが地汚れ発生を抑制する効果が高いため、 アルカリ性のコロイダルシリカを使用するこ とが特に好ましい。

 平均粒径がこの範囲にあるアルカリ性の ロイダルシリカとしては日産化学社製の「 ノーテックス-20(粒子径10~20nm)」、「スノー ックス-30(粒子径10~20nm)」、「スノーテック -40(粒子径10~20nm)」、「スノーテックス-N(粒 径10~20nm)」、「スノーテックス-S(粒子径8~11n m)」、「スノーテックス-XS(粒子径4~6nm)」が挙 げられる。

 平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリ カは前述のネックレス状コロイダルシリカと 併用することで、層の多孔質性を維持しなが ら、強度をさらに向上させることが可能とな り、特に好ましい。

 平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリ カ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は95 /5~5/95(質量比)が好ましく、70/30~20/80がより好 しく、60/40~30/70がさらに好ましい。

 親水性層は金属酸化物として多孔質金属 化物粒子を含むことが好ましい。

 多孔質金属酸化物粒子としては、多孔質 リカまたは多孔質アルミノシリケート粒子 しくはゼオライト粒子を好ましく用いるこ ができる。

 多孔質シリカ粒子は一般に湿式法または 式法により製造される。湿式法ではケイ酸 水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉 するか、中和して析出した沈降物を粉砕す ことで得ることができる。乾式法では四塩 珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを 出することで得られる。これらの粒子は製 条件の調整により多孔性や粒径を制御する とが可能である。

 多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲ から得られるものが特に好ましい。

 多孔質アルミノシリケート粒子は例えば 開平10-71764号に記載されている方法により 造される。即ち、アルミニウムアルコキシ と珪素アルコキシドを主成分として加水分 法により合成された非晶質な複合体粒子で る。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4~4 :1の範囲で合成することが可能である。又、 造時にその他の金属のアルコキシドを添加 て3成分以上の複合体粒子として製造したも のも本発明に使用できる。これらの複合体粒 子も製造条件の調整により多孔性や粒径を制 御することが可能である。

 粒子の多孔性としては、分散前の状態で 孔容積で1.0ml/g以上であることが好ましく、 1.2ml/g以上であることがより好ましく、1.8~2.5m l/g以下であることがさらに好ましい。

 粒径としては、親水性層に含有されてい 状態で(例えば分散時に破砕された場合も含 めて)、実質的に1μm以下であることが好まし 、0.5μm以下であることがさらに好ましい。

 多孔質無機粒子の粒径としては、親水性 に含有されている状態で、実質的に1μm以下 であることが好ましく、0.5μm以下であること がさらに好ましい。

 また、親水性層は金属酸化物として、層 鉱物粒子を含んでもよい。この層状鉱物粒 としては、カオリナイト、ハロイサイト、 ルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バ イデライト、ヘクトライト、サボナイト等) バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライ トといった粘土鉱物および、ハイドロタルサ イト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカ イト、アイアライト、マガディアイト、ケ ヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位 (ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど 性が高く、親水性も高いと考えられる。好 しい電荷密度としては0.25以上、さらに好ま くは0.6以上である。このような電荷密度を する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷 密度0.25~0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷 度0.6~0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合 フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを 手することができ好ましい。又、合成フッ 雲母の中でも、膨潤性であるものが好まし 、自由膨潤であるものがさらに好ましい。

 又、上記の層状鉱物のインターカレーシ ン化合物(ピラードクリスタル等)や、イオ 交換処理を施したもの、表面処理(シランカ プリング処理、有機バインダとの複合化処 等)を施したものも使用することができる。

 層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に 有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工 程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最 長)が20μm以下であり、又平均アスペクト比( 粒子の最大長/粒子の厚さ)が20以上の薄層状 あることが好ましく、平均粒径が5μm以下で り、平均アスペクト比が50以上であること さらに好ましく、平均粒径が1μm以下であり 平均アスペクト比が50以上であることがさ に好ましい。粒子サイズが上記範囲にある 合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連 性および柔軟性が塗膜に付与され、クラッ が入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とする とができる。また、粒子物を多く含有する 布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果 よって、粒子物の沈降を抑制することがで る。

 層状鉱物粒子の含有量としては、層全体 0.1~30質量%であることが好ましく、1~10質量% あることがより好ましい。特に膨潤性合成 ッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも 果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子 、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便 調液方法(メディア分散等の分散工程を必要 としない)でも良好な分散度を得るために、 状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを 製した後、塗布液に添加することが好まし 。

 親水性層にはその他の添加素材として、ケ 酸塩水溶液も使用することができる。ケイ Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金 ケイ酸塩が好ましく、そのSiO 2 /M 2 O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体 pHが13を超えない範囲となるように選択する とが無機粒子の溶解を防止する上で好まし 。

 また、金属アルコキシドを用いた、いわ るゾル-ゲル法による無機ポリマーもしくは 有機-無機ハイブリッドポリマーも使用する とができる。ゾル-ゲル法による無機ポリマ もしくは有機-無機ハイブリッドポリマーの 形成については、例えば「ゾル-ゲル法の応 」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載さ ているか、または本書に引用されている文 に記載されている公知の方法を使用するこ ができる。

 親水性層中には親水性有機樹脂を含有さ てもよい。

 親水性有機樹脂としては、例えばポリエ レンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ 、ポリビニルアルコール、ポリエチレング コール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレ -ブタジエン共重合体、メチルメタクリレー -ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体 ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、 ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルア ミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げ られる。

 又、カチオン性樹脂を含有しても良く、 チオン性樹脂としては、ポリエチレンアミ 、ポリプロピレンポリアミン等のようなポ アルキレンポリアミン類またはその誘導体 第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有 るアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙 られる。カチオン性樹脂は粒子状の形態で 加しても良い。これは、例えば特開平6-161101 号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げら れる。

 親水性層に含有される水溶性素材として 、糖類が好ましい。

 糖類としては、後に詳細に説明するオリ 糖を用いることもできるが、特に多糖類を いることが好ましい。

 多糖類としては、デンプン類、セルロー 類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可 であるが、特にメチルセルロース塩、カル キシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチ セルロース塩等のセルロース誘導体が好ま く、カルボキシメチルセルロースのナトリ ム塩やアンモニウム塩がより好ましい。

 これは、親水性層に多糖類を含有させる とにより、親水性層の表面形状を好ましい 態形成する効果が得られるためである。

 親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目の うに0.1~50μmピッチの凹凸構造を有すること 好ましく、この凹凸により保水性や画像部 保持性が向上する。

 このような凹凸構造は、親水性層に適切 粒径のフィラーを適切な量含有させて形成 ることも可能であるが、親水性層の塗布液 前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述 水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗 、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成 ることがより良好な印刷性能を有する構造 得ることができ、好ましい。

 凹凸構造の形態(ピッチおよび表面粗さな ど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類お び添加量、水溶性多糖類の種類および添加 、その他添加材の種類および添加量、塗布 の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等 適宜コントロールすることが可能である。

 凹凸構造のピッチとしては0.2~30μmである とがより好ましく、0.5~20μmであることがさ に好ましい。又、ピッチの大きな凹凸構造 上に、それよりもピッチの小さい凹凸構造 形成されているような多重構造の凹凸構造 形成されていてもよい。

 表面粗さとしては、Raで100~1000nmが好まし 、150~600nmがより好ましい。

 また、親水性層の膜厚としては、0.01~50μm であり、好ましくは0.2~10μmであり、さらに好 ましくは0.5~3μmである。

 また、親水性層形成のための親水性層塗 液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界 活性剤を含有させることができる。Si系、 たはF系等の界面活性剤を使用することがで るが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用 ることが印刷汚れを生じる懸念がなく、好 しい。

 界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布 液としては固形分)の0.01~3質量%が好ましく、0 .03~1質量%がさらに好ましい。

 また、本発明の親水性層はリン酸塩を含 ことができる。本発明では親水性層の塗布 がアルカリ性であることが好ましいため、 ン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン 水素二ナトリウムとして添加することが好 しい。リン酸塩を添加することで、印刷時 網の目開きを改善する効果が得られる。リ 酸塩の添加量としては、水和物を除いた有 量として、0.1~5質量%が好ましく、0.5~2質量% さらに好ましい。

 基材の表面を親水化して親水性表面を設 る場合の好ましい態様はアルミニウム基材 使用する場合であり、表面を粗面化して用 ることが好ましい。

 粗面化(砂目立て処理)するに先立って表 の圧延油を除去するために脱脂処理を施す とが好ましい。脱脂処理としては、トリク ン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、 シロン、トリエタノール等のエマルジョン 用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられ 。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアル リの水溶液を用いることもできる。脱脂処 に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた 合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚 や酸化皮膜も除去することができる。脱脂 理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用い 場合、支持体の表面にはスマットが生成す ので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、 ロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬 デスマット処理を施すことが好ましい。粗 化の方法としては、例えば、機械的方法、 解によりエッチングする方法が挙げられる

 用いられる機械的粗面化法は特に限定さ るものではないが、ブラシ研磨法、ホーニ グ研磨法が好ましい。

 電気化学的粗面化法も特に限定されるも ではないが、酸性電解液中で電気化学的に 面化を行う方法が好ましい。

 上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後 表面のアルミニウム屑等を取り除くため、 またはアルカリの水溶液に浸漬することが ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫 、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、 基としては、例えば、水酸化ナトリウム、 酸化カリウム等が用いられる。これらの中 もアルカリの水溶液を用いるのが好ましい 表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5~ 5g/m 2 が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処 理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸 等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理 を施すことが好ましい。

 機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化 はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよい 、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化 的粗面化法を行って粗面化してもよい。

 粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行 ことができる。本発明において用いること できる陽極酸化処理の方法には特に制限は く、公知の方法を用いることができる。陽 酸化処理を行うことにより、支持体上には 化皮膜が形成される。

 陽極酸化処理された支持体は、必要に応 封孔処理を施してもよい。これら封孔処理 、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪 ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜 酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の 法を用いて行うことができる。

 さらに、これらの処理を行った後に、水 性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸 スルホン酸基を側鎖に有する重合体および 重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例 えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミ 塩等を下塗りしたものも好適である。さら 、特開平5-304358号公報に開示されているよう なラジカルによって付加反応を起し得る官能 基を共有結合させたゾル-ゲル処理基板も好 に用いられる。

 (光熱変換剤)
 親水性は、さらに光熱変換剤を含有するこ が好ましい。光熱変換剤としては、上記の のを用いることができる。

 (基材)
 支持体として用いられる基材としては、印 版の基材として使用される公知の材料を使 することができる。

 例えば、金属板、プラスチックフィルム ポリオレフィン等で処理された紙、上記材 を適宜貼り合わせた複合基材等が挙げられ 。

 基材の厚さとしては、印刷機に取り付け 能であれば特に制限されるものではないが 50~500μmのものが一般的に取り扱いやすい。

 金属板としては、鉄、ステンレス、アル ニウム等が挙げられるが、比重と剛性との 係から特にアルミニウムが好ましい。アル ニウム板は、通常その表面に存在する圧延 巻取り時に使用されたオイルを除去するた にアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使 される。

 プラスチックフィルムとしては、ポリエ レンテレフタレート、ポリエチレンナフタ ート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカー ネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオ サイド、セルロースエステル類等を挙げる とができる。

 プラスチックフィルムとしては、特にポ エチレンテレフタレート、ポリエチレンナ タレートが好ましい。

 これらプラスチックフィルムは塗布層と 接着性を向上させるために、塗布面に易接 処理や下塗り層塗布を行うことが好ましい 易接着処理としては、コロナ放電処理や火 処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が げられる。また、下塗り層としては、ゼラ ンやラテックスを含む層等が挙げられる。 塗り層に、有機または無機の公知の導電性 材を含有させることもできる。

 また、裏面のすべり性を制御する(例えば 版胴表面との摩擦係数を低減させる)目的で 裏面コート層を設けた基材も好ましく使用 ることができる。

 (支持体表面の反射濃度)
 本発明においては、支持体表面の反射濃度 0.7~3.5の範囲にあることが好ましい態様であ る。

 支持体表面の反射濃度を規定範囲とする 法としては、例えば陽極酸化層を形成した ルミニウム(合金)基材の陽極酸化層を公知 方法で電解着色する方法や、基材表面に着 顔料を含む塗布層、例えば着色親水性層を 成する方法が挙げられる。本発明において 、着色親水性層を形成する方法が好ましく いられる。

 着色剤の色相は特に限定されるものでは いが、光熱変換能を有する着色剤であるこ が感度向上の点から好ましく、光熱変換効 をより向上させるために黒色顔料であるこ がより好ましい。

 また親水性層の親水性を低下させないた に、着色剤は金属酸化物であるか、もしく 、金属酸化物で被覆されていることが好ま い。

 このような良好な光熱変換能を有し、か 、親水性を低下させない着色剤としては、 タンブラックや、特開2002-370465号に記載さ ているCu-Fe-Mnの複合金属酸化物顔料や、黒色 酸化鉄顔料、特開2001-47755号に記載のシリカ 材で被覆されたカーボンブラック顔料等を げることができる。

 反射濃度とは、Gretag-Macbeth社製の反射濃 計:D-196を用い、絶対白基準で濃度測定を行 て得られた濃度の数値である。

 親水性表面を有する基材が光透過性であ 場合には、測定を白色台(具体的には印刷に 用いるコート紙を4枚重ねたものを敷いた台) で行う。

 支持体表面の反射濃度とは、非画像部と り得る層の表面の反射濃度のことをいい、 像により画像形成層が除去された印刷版材 の表面の反射層度を測定することにより得 れた値をいう。

 (露光)
 本発明の平版印刷版材料は、像様加熱によ 画像を形成するが、像様に加熱する方法と ては、レーザー光による画像露光が好まし 方法である。その中でも、特にサーマルレ ザーによる露光によって画像形成を行うこ が好ましい。

 例えば赤外および/または近赤外領域で発 光する、即ち700~1500nmの波長範囲で発光する ーザーを使用した走査露光が好ましい。レ ザーとしてはガスレーザーを用いてもよい 、近赤外領域で発光する半導体レーザーを 用することが特に好ましい。

 走査露光に好適な装置としては、該半導 レーザーを用いてコンピュータからの画像 号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可 な装置であればどのような方式の装置であ てもよい。

 一般的には、(1)平板状保持機構に保持さ た印刷版材料に一本もしくは複数本のレー ービームを用いて2次元的な走査を行って印 刷版材料全面を露光する方式、(2)固定された 円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って 保持された印刷版材料に、円筒内部から一本 もしくは複数本のレーザービームを用いて円 筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方 に直角な方向(副走査方向)に移動させて印 版材料全面を露光する方式、(3)回転体とし の軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に 持された印刷版材料に、円筒外部から一本 しくは複数本のレーザービームを用いてド ムの回転によって周方向(主走査方向)に走査 しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に 動させて印刷版材料全面を露光する方式が げられる。又特に印刷装置上で露光を行う 置においては、(3)の露光方式が用いられる

 以下、実施例により本発明を具体的に説 するが、本発明はこれらに限定されない。 お、実施例中「部」は特に断りのないかぎ 「質量部」を表す。

 (実施例1)
 (基材1の作製)
 厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H1 6)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中 に浸漬し、溶解量が2g/m 2 になるように溶解処理を行い水洗した後、25 の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中 処理した後水洗した。

 次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、 酸10g/L、アルミを5g/L含有する電解液により 正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50 A/dm 2 の条件で電解粗面化処理を行った。この際の 電極と試料表面との距離は10mmとした。電解 面化処理は8回に分割して行い、一回の処理 気量(陽極時)を40C/dm 2 とし、合計で320C/dm 2 の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の 面化処理の間に4秒間の休止時間を設けた。

 電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸 化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化さ れた面のスマット含めた溶解量が2g/m 2 になるようにエッチングし、水洗し、次いで 25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬 、中和処理した後水洗した。次いで、25℃、 20%硫酸水溶液中で、5A/dm 2 の定電流条件で陽極酸化層付量が2g/m 2 となるように陽極酸化処理を行い、さらに水 洗した。

 次いで、水洗後の表面水をスクイーズし 後、50℃に保たれた0.5質量%のリチウムシリ ート45(日産化学社製)水溶液に20秒間浸漬し 水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材1 を得た。基材1の表面粗さはRaで0.33μmであっ 。

 [表面粗さの測定方法]
 試料表面に白金ロジウムを1.5nmの厚さで蒸 した後、WYKO社製の非接触三次元粗さ測定装 :RST plusを用いて、20倍の条件(222.4μm×299.4μm の測定範囲)で測定し、傾き補正およびMedian  Smoothingのフィルターをかけて測定データを処 理してRa値を求めた。測定は一試料について 定箇所を変えて5回行い、その平均を求めて Ra値とした。

 (平版印刷版材料の作製)
 支持体(親水性表面を有する基材)の作製
 <顔料粒子の分散物の調製>
 分散物1
 下記素材を、サンドグラインダーを用いて1 500rpmで2時間分散した。分散メディアとして 1mmφのジルコニアビーズを用いた。分散処理 後、ビーズを除去し、ろ過して固形分50質量% の分散物1を得た。分散物1は、ほぼ一次粒子 まで分散された分散物となっていた。(表中 単位記載のない数値は質量部を表す)

 分散物2
 黒色酸化鉄:ABL-207に変えて、Fe-Ti系の複合金 属酸化物であるETB-300(チタン工業社製、平均 子径:0.5μm)を用いた以外は分散物1と同様に て、分散物2を得た。分散物2も、ほぼ一次 子にまで分散された分散物となっていた。

 <親水性層塗布液の調製>
 下表の素材のうち、界面活性剤を除く素材 ホモジナイザを用いて十分に混合分散した 、界面活性剤を添加してさらに攪拌混合し これをろ過して、固形分30質量%の親水性層 布液1および2を調製した。

 <親水性層の塗布、形成>
 基材1上に、表2に示す親水性層塗布液を表3 示す乾燥付量となるように塗布し、120℃で1 分間乾燥した。これを60℃で24時間エイジン 処理して、表3に示す支持体(親水性表面を有 する基材)A~Eを得た。

 各支持体表面の反射濃度を、Gretag-Macbeth 製の反射濃度計:D-196を用いて測定し、表3に した。これは、絶対白基準で濃度測定を行 て得られた濃度(ブラック)の数値である。

 <感熱画像形成層の塗布、形成>
 熱溶融性化合物(B):ワックスエマルジョン粒 子と赤外線吸収色素との混合分散物の作製
 熱溶融性化合物としてカルナバワックスエ ルジョンA118(岐阜セラック社製、平均粒子 0.3μm、軟化点65℃、融点80℃、140℃での溶融 度8cps、固形分40質量%)を用いた。A118を攪拌 ながら純水で希釈し、固形分を10質量%とし 。

 これの48.5質量部を攪拌しながら、下記構 造の赤外線吸収色素の1質量%IPA溶液を15質量 を5分間かけて滴下した。さらに攪拌を続け がら、純水36.5質量部を添加して、固形分5 量%の混合分散物を得た。

 次に、下表の各素材を十分に混合攪拌し ろ過して、固形分濃度5質量%の画像形成層 布液を調製した。

 平版印刷版材料の作製
 表5に示すような支持体と画像形成層塗布液 との組み合わせで、支持体上に、画像形成層 塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥付量が 0.8g/m 2 となるように塗布し、55℃で1分間乾燥した。 次いで、これを50℃で24時間エイジング処理 して、平版印刷版材料1~8を得た。

 (評価)
 赤外線レーザーによる露光
 各印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定し 。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレ ーザービームを用い、2400dpi(dpiとは、2.54cm当 りのドット数を表す)、175線で画像を形成し た。露光した画像はベタ画像と1~99%の網点画 と2400dpiのラインアンドスペース細線画像と を含むものである。露光エネルギーは250mJ/cm 2 とした。

 <露光可視画性評価>
 各露光済の印刷版材料の50%網点画像部をマ クロスコープ:VH-X(キーエンス社製)を用いて 200倍の倍率で観察した。画像部と非画像部と の識別性を下記の指標により評価し、結果を 表5に示した。
◎:非常に良好
○:良好
△:識別可能
×:識別困難
 <スクラッチ跡の視認性評価>
 各露光済の印刷版材料の非画像部に爪でス ラッチ跡を付け、その視認性を目視で下記 指標により評価した。結果を表5に示した。
◎:ほとんど見えない
○:わずかに見える
△:明瞭に見える
×:露光画像と同等の濃度で明瞭に見える
 <印刷評価>
 印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F-1を用いて、コ ート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研 究所製)2質量%、インキ(東洋インキ社製トー ーキングハイユニティM紅)を使用して、PS版 同様の印刷条件および刷り出しシークエン を用いて印刷を行った。

 刷り出し性の指標として、印刷物上で刷 出しから非画像部の汚れがなくなるまでの 刷枚数(地汚れ防止性)、および、ベタ画像 の濃度が1.5以上となる印刷枚数(インキ着肉 )をそれぞれ求めた。結果を表5に示した。

露光可視画性に優れ、かつ、スクラッチ跡 が視認され難く目立たないことがわかる。