Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
LUBRICATED STATE DETECTOR AND LUBRICATED STATE DETECTING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093652
Kind Code:
A1
Abstract:
A lubricated state detector for simply detecting the lubricated state of every moving block with eyes. The electric resistance between a track member (2) and a moving block (1) is detected by applying a voltage between the track member (2) and the moving block (1). The detected electric resistance is compared with the threshold preset in a rheostat. A light-emitting element which emits light depending on the result of the comparison is provided to the moving block of a motion guidance device. Since the result of the comparison of the electric resistance is displayed while the moving block is moving, the lubricated state of the moving blockcan be simply judged with eyes.

Inventors:
IKEDA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051245
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 29, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
THK CO LTD (JP)
IKEDA HIROYUKI (JP)
International Classes:
F16C19/52; F16C29/06; F16H25/24; G01N27/06
Foreign References:
JP2005054828A2005-03-03
JP2003232345A2003-08-22
JPS5719617Y21982-04-26
JPH07134063A1995-05-23
JP2004347401A2004-12-09
JPH10318261A1998-12-02
JPS59158874A1984-09-08
JP2003206925A2003-07-25
JPH10128665A1998-05-19
Attorney, Agent or Firm:
SHIOJIMA, Toshiyuki (2-12 Kandasakumacho,Chiyoda-k, Tokyo 25, JP)
Download PDF:
Claims:
 軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、
 前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、
 電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定手段と、
 前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、
 前記運動案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設けられ、前記比較手段が生成する信号に基づいて発光する発光素子と、を備える潤滑状態検出装置。
 軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、
 前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、
 電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定手段と、
 前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、
 前記比較手段が信号を生成する時間に関する指標を累積し、累積値が所定値以上のときに信号を生成するカウンタ手段と、を備える潤滑状態検出装置。
 軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、
 前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、
 電気抵抗のしきい値を設定すると共に、しきい値を変化させることができる加減抵抗器と、
 前記加減抵抗器によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された前記電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、を備える潤滑状態検出装置。
 前記カウンタ手段は、
 一定の時間間隔のパルス信号を生成するパルス発信器と、
 前記比較手段が生成する信号と前記パルス信号とが入力されるAND回路と、
 前記AND回路が生成する信号をカウントするカウンタと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の潤滑状態検出装置。
 前記加減抵抗器は、しきい値の上限値及び下限値それぞれを設定できると共に、しきい値の上限値及び下限値それぞれを変化させることができる第一の加減抵抗器及び第二の加減抵抗器を有し、
 前記比較手段は、前記第一の加減抵抗器及び前記第二の加減抵抗器によって設定されたしきい値の上限値及び下限値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較することを特徴とする請求項3に記載の潤滑状態検出装置。
 前記運動案内装置又は前記ねじ装置には、前記運動案内装置又は前記ねじ装置を相手部品に取付けるための取付け孔又は取付けねじが設けられ、この取付け孔又は取付けねじの周囲は絶縁体からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の潤滑状態検出装置。
 請求項1ないし6いずれかに記載の潤滑状態検出装置が組み込まれてなる運動案内装置又はねじ装置。
 軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、
 前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、
 電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、
 前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、
 前記比較工程において生成される信号に基づいて、前記運動案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設けられる発光素子を発光させる発光工程と、を備える潤滑状態検出方法。
 軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、
 前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、
 電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、
 前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、
 前記比較工程において生成される信号の時間に関する指標を累積し、累積値が所定値以上のときに信号を生成するカウンタ工程と、を備える潤滑状態検出方法。
 軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、
 前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、
 電気抵抗のしきい値を変化させることができる加減抵抗器によって、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、
 前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、を備える潤滑状態検出方法。
Description:
潤滑状態検出装置及び潤滑状態 出方法

 本発明は、軌道部材に転動体を介して移 ブロックが相対的にスライド可能に組み付 られる運動案内装置、又はねじ軸に転動体 介してナットが相対的に回転可能に組み付 られるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑 態検出装置に関する。

 テーブルなどの移動体の直線運動や曲線 動を案内するための機械要素として、案内 分にボール、ローラ等の転動体を介在させ 運動案内装置が広く知られている。運動案 装置は、ベースなどに取り付けられる軌道 材と、軌道部材にスライド可能に組み付け れ移動ブロックと、を備える。移動ブロッ はテーブルなどの移動体に取り付けられる 軌道部材の転動体転走面と移動ブロックの 動体転走面との間には転動体が介在される 移動ブロックが軌道部材に対して相対的に 動すると、転動体が転がり運動する。転動 の転がり運動によって軽快な動きが得られ ので、運動案内装置はロボット、工作機械 半導体・液晶製造装置、医療機器など、様 な分野で利用されている。

 ところで、運動案内装置を使用する際に 、転動体と転動体転走面の間に膜を作り、 属と金属が直接接触するのを防ぐ必要があ 。無給油のままで使用すると、転動体及び 走面の摩耗が増加し、早期寿命の原因にな からである。潤滑剤には、液体状の潤滑剤 、固体状の潤滑剤とがある。液体状の潤滑 はさらに、粘度の高いグリース(リチウム系 グリース、ウレア系グリースなど)と、粘度 低い潤滑油(摺動面油又はタービン油、ISOVG32 ~68など)とに分けられる。例えば、工作機械 どのクーラントが飛散する環境では、摺動 油が用いられ、それ以外の高速運動部、ク ーンルーム仕様ではグリースが用いられる 固体状の潤滑剤には、二硫化モリブデンやPT FEに代表される固体潤滑剤がある。固体潤滑 は、蒸発することがないので真空環境にお て用いられることが多い。

 出願人は、運動案内装置の潤滑状態を検出 る潤滑状態検出装置を提案している(特許文 献1参照)。この潤滑状態検出装置においては 潤滑状態が良好であれば、転動体と転動体 走面との間に油膜が形成されていて、転動 と転動体転走面との間の電気抵抗が大きく る一方、潤滑状態が不良であれば、転動体 転動体転走面とが金属接触して電気抵抗が ロに近くなるという現象を利用している。

特開2005-54828号公報

 しかし、従来の潤滑状態検出装置にあっ は、検出された電気抵抗(実際には電圧信号 )を表示するオシログラフが必要であった。 のオシログラフは潤滑状態検出装置の構成 複雑化させる。オシログラフに表示される 形をみても、潤滑状態が良好であるか否か 判断するのは困難である。

 運動案内装置は一つのテーブルに複数組 込まれることが多く、一つの軌道部材にも 数の移動ブロックが組み付けられる。送り じとして使用されるねじ装置も、テーブル 組み込まれる。移動ブロックやナットの潤 状態は一つ一つ異なるので、移動ブロック ナット毎に潤滑状態を検出できることが望 れる。

 そこで本発明は、移動ブロックやナット に目視で簡単に潤滑状態を検出することが きる潤滑状態検出装置及び方法を提供する とを目的とする。

 また、運動案内装置の寿命を決定づける 因には、転動体と転動体転走面との金属接 の有無だけでなく、転動体と転動体転走面 が金属接触している時間もある。金属接触 ている累積的な時間に運動案内装置の寿命 決定付ける要因がある。

 そこで、本発明の他の目的は、転動体と 動体転走面とが金属接触している累積的な 間を検出することができる潤滑状態検出装 及び方法を提供することを目的とする。

 さらに、液体状の潤滑剤を使用したとき 移動ブロックの速度が大きいときには膜が くなり、速度が小さいときには膜が薄くな 。転動体と転動体転走面との間に形成され 油膜の膜厚は、移動ブロックの速度に依存 る。しかも、転動体と転動体転走面との間 電気抵抗は液体状の潤滑剤の種類によって 変化する。潤滑剤として固体潤滑剤を使用 たときも固体潤滑剤の種類、膜厚が変わる 、転動体と転動体転走面との間の電気抵抗 異なってくる。一口に良好な潤滑といって 、運動案内装置やねじ装置の使用状況によ て電気抵抗は異なったものになる。

 そこで本発明のさらに他の目的は、運動 内装置及びねじ装置の速度、潤滑剤の種類 どの使用状況に応じて、最適な電気抵抗の きい値を設定することができる潤滑状態検 装置及び方法を提供することにある。

 以下、本発明について説明する。
 上記課題を解決するために、請求項1に記載 の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブ ロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロ ックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動す るとき転動体が転がり運動する運動案内装置 、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対 的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤 滑状態を検出する潤滑状態検出装置において 、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、 又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を 印加して、前記軌道部材と前記移動ブロック との間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間 の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、 電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定 手段と、前記しきい値設定手段によって設定 されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段に よって検出された電気抵抗とを比較し、比較 結果の信号を生成する比較手段と、前記運動 案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装 置の前記ナットに設けられ、前記比較手段が 生成する信号に基づいて発光する発光素子と 、を備える潤滑状態検出装置である。

 請求項2に記載の発明は、軌道部材に転動 体を介して移動ブロックが移動可能に組み付 けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向 に相対的に移動するとき転動体が転がり運動 する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介 してナットが相対的に回転可能に組み付けら れるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態 検出装置において、前記軌道部材と前記移動 ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナッ トとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と 前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と 前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気 抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定 するしきい値設定手段と、前記しきい値設定 手段によって設定されたしきい値と、前記電 気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗 とを比較し、比較結果の信号を生成する比較 手段と、前記比較手段が信号を生成する時間 に関する指標を累積し、累積値が所定値以上 のときに信号を生成するカウンタ手段と、を 備える潤滑状態検出装置である。

 請求項3に記載の発明は、軌道部材に転動 体を介して移動ブロックが移動可能に組み付 けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向 に相対的に移動するとき転動体が転がり運動 する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介 してナットが相対的に回転可能に組み付けら れるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態 検出装置において、前記軌道部材と前記移動 ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナッ トとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と 前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と 前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気 抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定 すると共に、しきい値を変化させることがで きる加減抵抗器と、前記加減抵抗器によって 設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手 段によって検出された前記電気抵抗とを比較 し、比較結果の信号を生成する比較手段と、 を備える潤滑状態検出装置である。

 請求項4に記載の発明は、請求項2に記載 潤滑状態検出装置において、前記カウンタ 段は、一定の時間間隔のパルス信号を生成 るパルス発信器と、前記比較手段が生成す 信号と前記パルス信号とが入力されるAND回 と、前記AND回路が生成する信号をカウント るカウンタと、を備えることを特徴とする

 請求項5に記載の発明は、請求項3に記載 潤滑状態検出装置において、前記加減抵抗 は、しきい値の上限値及び下限値それぞれ 設定できると共に、しきい値の上限値及び 限値それぞれを変化させることができる第 の加減抵抗器及び第二の加減抵抗器を有し 前記比較手段は、前記第一の加減抵抗器及 前記第二の加減抵抗器によって設定された きい値の上限値及び下限値と、前記電気抵 検出手段によって検出された電気抵抗とを 較することを特徴とする。

 請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5 いずれかに記載の潤滑状態検出装置におい 、前記運動案内装置又は前記ねじ装置には 前記運動案内装置又は前記ねじ装置を相手 品に取付けるための取付け孔又は取付けね が設けられ、この取付け孔又は取付けねじ 周囲は絶縁体からなることを特徴とする。

 請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6 ずれかに記載の潤滑状態検出装置が組み込 れてなる運動案内装置又はねじ装置である

 請求項8に記載の発明は、軌道部材に転動 体を介して移動ブロックが移動可能に組み付 けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向 に相対的に移動するとき転動体が転がり運動 する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介 してナットが相対的に回転可能に組み付けら れるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態 検出方法において、前記軌道部材と前記移動 ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナッ トとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と 前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と 前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気 抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を設定 するしきい値設定工程と、前記しきい値設定 工程において設定されたしきい値と、前記電 気抵抗検出工程において検出された電気抵抗 とを比較し、比較結果の信号を生成する比較 工程と、前記比較工程において生成される信 号に基づいて、前記運動案内装置の前記移動 ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設 けられる発光素子を発光させる発光工程と、 を備える潤滑状態検出方法である。

 請求項9に記載の発明は、軌道部材に転動 体を介して移動ブロックが移動可能に組み付 けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向 に相対的に移動するとき転動体が転がり運動 する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介 してナットが相対的に回転可能に組み付けら れるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態 検出方法において、前記軌道部材と前記移動 ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナッ トとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と 前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と 前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気 抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を設定 するしきい値設定工程と、前記しきい値設定 工程において設定されたしきい値と、前記電 気抵抗検出工程において検出された電気抵抗 とを比較し、比較結果の信号を生成する比較 工程と、前記比較工程において生成される信 号の時間に関する指標を累積し、累積値が所 定値以上のときに信号を生成するカウンタ工 程と、を備える潤滑状態検出方法である。

 請求項10に記載の発明は、軌道部材に転 体を介して移動ブロックが移動可能に組み けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方 に相対的に移動するとき転動体が転がり運 する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を してナットが相対的に回転可能に組み付け れるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状 検出方法において、前記軌道部材と前記移 ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナ トとの間に電圧を印加して、前記軌道部材 前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸 前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電 抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を変 させることができる加減抵抗器によって、 気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定 程と、前記しきい値設定工程において設定 れたしきい値と、前記電気抵抗検出工程に いて検出された電気抵抗とを比較し、比較 果の信号を生成する比較工程と、を備える 滑状態検出方法である。

 請求項1に記載の発明によれば、軌道部材 と移動ブロックとの間、又はねじ軸とナット との間の電気抵抗を検出し、検出した電気抵 抗をしきい値と比較し、比較した結果に基づ いて発光素子を発光させる。発光素子は運動 案内装置の移動ブロック又はねじ装置のナッ トに設けられるので、移動ブロック又はナッ トが走行しながら潤滑状態を表示する。よっ て、目視で簡単に移動ブロック又はナットの 潤滑状態を判断することができる。

 請求項2に記載の発明によれば、転動体と 転動体転走面とが金属接触している累積的な 時間を検出することができるので、運動案内 装置又はねじ装置の寿命を正確に把握するこ とができる。

 請求項3に記載の発明によれば、加減抵抗 器によって電気抵抗のしきい値を変化させる ので、実際に運動案内装置又はねじ装置を使 用している状況で最適な電気抵抗を設定する ことができる。

 請求項4に記載の発明によれば、比較手段 が信号を生成する時間を累積することができ る。

 請求項5に記載の発明によれば、検出され た電気抵抗がしきい値の上限値と下限値の範 囲にあるときとそうでないときを区別するこ とができる。よって、転動体と転動体転走面 との間に形成される潤滑剤の膜厚が適正な範 囲にあるか否かを判断することができる。

 請求項6に記載の発明によれば、運動案内 装置又はねじ装置を相手部品に取り付けるた めに、ボルトを運動案内装置又はねじ装置の 取付け孔又は取付けねじに嵌めても、ボルト が絶縁体により絶縁される。よって、運動案 内装置又はねじ装置の正確な電気抵抗を検出 することができる。

 請求項7に記載の発明によれば、運動案内 装置又はねじ装置の潤滑状態を検出すること ができる。

 請求項8に記載の発明によれば、軌道部材 と移動ブロックとの間、又はねじ軸とナット との間の電気抵抗を検出し、検出した電気抵 抗をしきい値と比較し、比較した結果に基づ いて発光素子を発光させる。発光素子は運動 案内装置の移動ブロック又はねじ装置のナッ トに設けられるので、移動ブロック又はナッ トが走行しながら潤滑状態を表示する。よっ て、目視で簡単に移動ブロック又はナットの 潤滑状態を判断することができる。

 請求項9に記載の発明によれば、転動体と 転動体転走面とが金属接触している累積的な 時間を検出することができるので、運動案内 装置又はねじ装置の寿命を正確に把握するこ とができる。

 請求項10に記載の発明によれば、加減抵 器によって電気抵抗のしきい値を変化させ ので、実際に運動案内装置又はねじ装置を 用している状況で最適な電気抵抗を設定す ことができる。

運動案内装置の電気抵抗を検出するた の電気抵抗検出回路の回路図 本発明の第一の実施形態における潤滑 態検出装置の回路図(概念図) 本発明の第一の実施形態における潤滑 態検出装置の回路図(詳細図) テーブルに取付けられる複数の運動案 装置ユニットの斜視図 運動案内装置の斜視図 軌道レールの軸線方向に直交する運動 内装置の断面図 移動ブロックの取付けねじの断面図 軌道レールの取付け孔の断面図 テーブルに取付けた運動案内装置の断 図 本発明の第二の実施形態における潤滑 状態検出装置の回路図 信号のタイミングチャート 本発明の第三の実施形態における潤滑 状態検出装置の回路図 ねじ装置の斜視図

符号の説明

1…移動ブロック
1c…取付けねじ
2…軌道レール(軌道部材)
2b…取付け孔
3…運動案内装置
4…コンパレータ(比較手段)
5…加減抵抗器(しきい値設定手段)
7…LED(発光素子)
10…潤滑状態検出装置
12…転動体
16,17…絶縁体
21…ねじ軸
22…ナット
23…転動体
25…ねじ装置
31…カウンタ(カウンタ手段)
32…AND回路(カウンタ手段)
33…パルス発信器(カウンタ手段)
E1…直流電源(電気抵抗検出手段)
R1,R2…抵抗(電気抵抗検出手段)

 以下、添付図面を参照して、本発明の実 形態を詳細に説明する。図1は、運動案内装 置の電気抵抗を検出するための電気抵抗検出 回路を示す。この電気抵抗検出回路において は、運動案内装置3の移動ブロック1と軌道部 2との間に電圧を印加して、移動ブロック1 軌道部材2との間の電気抵抗を検出する。軌 部材2と移動ブロック1との間には転動体が 在される。転動体の周囲に潤滑剤の膜が形 されると、移動ブロック1と軌道部材2とが絶 縁状態になる。一方、転動体の周囲に潤滑剤 の膜が形成されないと、転動体が移動ブロッ ク1及び軌道部材2に金属接触するので、電気 抗がゼロになる。

 運動案内装置3には直列に抵抗R1及び直流電 E1が接続される。また運動案内装置3には並 に抵抗R2が接続される。運度案内装置3の電 抵抗として、抵抗R2及び運動案内装置3の両 の電圧が検出される。これら抵抗R1、R2及び 直流電源E1が電気抵抗検出手段を構成する。 動体の周囲に潤滑剤の膜が形成されると、 動ブロック1と軌道部材2とが絶縁されるの 、運動案内装置3には電流が流れなくなる。 って、検出される電圧VLMは抵抗R2によって 生する電圧のみとなる。電圧VLMは以下の式 表される。
 (数1)
 VLM=E1/(R1+R2)×R2

 一方、転動体と転動体転走面との間に潤 剤の膜が形成されないと、転動体と移動ブ ック1及び軌道部材2とが金属接触するので 運動案内装置の電気抵抗はなくなる。検出 れる電圧VLMもゼロになる。

 潤滑剤の膜が形成されるか否かによって 電気抵抗がゼロから無限大に変化する。こ に伴って、電圧VLMはゼロから数1で算出され る値に変化する。電圧VLMの変化は運動案内装 置の電気抵抗の変化と相関関係がある。よっ て、電圧を検出することで、運動案内装置の 電気抵抗を検出することができる。

 図2及び図3は、本発明の第一の実施形態 おける潤滑状態検出装置の回路図を示す。 2は検出装置の概念図を示し、図3は詳細な回 路図を示す。上述したように、運動案内装置 には直列に抵抗R1が接続され、並列に抵抗R2 接続される。直列に接続された抵抗R1及び抵 抗R2の両端には、直流電源E1が接続される。 動案内装置3の両端の電圧信号は、比較手段 してのコンパレータ4に入力される。またコ ンパレータ4には、しきい値設定手段として 加減抵抗器5によって設定されたしきい値が 力される。このしきい値は、加減抵抗器5に よって設定された電気抵抗に基づく電圧信号 である。

 コンパレータ4は、加減抵抗器5によって 定されたしきい値と運動案内装置3の電圧信 とを比較し、運動案内装置3の電圧信号がし きい値より大きいときに、比較結果の信号を 生成する。この信号はNOT回路6にて反転され 後、発光素子としてのLED7a,7b(light emitting dio de)に入力される。LED7a,7bは、例えば緑色を発 する第一のLED7aと、赤色を発光する第二のLE D7bとからなる。コンパレータ4から信号が生 されるとき、すなわち検出された運動案内 置3の電圧信号(電気抵抗)が加減抵抗器5によ て設定されたしきい値よりも大きいとき、 色の第一のLED7aが発光し、赤色の第二のLED7b が発光しない。一方、コンパレータ4から信 が生成されないとき、すなわち検出された 動案内装置3の電圧信号(電気抵抗)が加減抵 器5によって設定されたしきい値よりも小さ とき、赤色の第二のLED7bが発光し、緑色の 一のLED7aは発光しない。LED7a,7bを含む潤滑状 検出装置は、コンパクト化が図られ、移動 ロック1のエンドプレート11(図5参照)に埋め まれる。

 なお、第一及び第二のLED7a,7bの替わりに 例えば赤色を発光するLEDを一つ設け、運動 内装置3の電圧信号(電気抵抗)が加減抵抗器5 よって設定されたしきい値よりも大きいと 、当該LEDが発光しない一方、しきい値より 小さいとき当該LEDが発光するようにしても い。

 移動ブロック1は走行しながら赤色又は緑 色を表示する。潤滑状態が良好のときは、転 動体と転動体転走面との間に潤滑剤の膜が形 成される。それゆえ、コンパレータ4から信 が生成され、緑色の第一のLED7aが発光する。 一方、潤滑状態が良好でなくて転動体と転動 体転走面とが金属接触するときは、運動案内 装置3の電気抵抗がゼロになり、コンパレー 4から信号が生成されない。よって、赤色の 二のLED7bが発光する。潤滑状態が良好なと は、移動ブロック1が緑色を発光しながら走 し、潤滑状態が良好でないときは、移動ブ ック1が赤色を発光しながら走行する。走行 する移動ブロック1を目視するだけで、潤滑 態が良好であるか否かを容易に判断するこ ができる。

 コンパレータ4から生成される信号を外部 に出力し、給油ポンプを作動させる信号に利 用してもよい。給油のタイミングは運動案内 装置3の走行時間や荷重条件によって異なる 単に一定時間毎に給油ポンプを作動させる けでは、潤滑剤の膜(油膜)の状態に直接的に 関係がない給油方法になってしまうので、給 油が多すぎたり、少なすぎたりする。運動案 内装置3が使用される現場においては、油膜 れを防止するために給油ポンプの作動タイ ングが必要以上に短く設定されていた。し し、これでは潤滑剤の使用量が増大するの 環境上好ましくない。コンパレータ4から生 される信号によって給油ポンプを作動させ ことで、油膜が切れそうになったときに給 ポンプを作動させるなど、油膜の状態に直 的に関係した給油方法になる。よって、適 な量の潤滑剤を適正なタイミングで給油す ことが可能になる。

 図4は、テーブル9に取付けられる複数の 動案内装置ユニットを示す。この例では、 道部材2として、一つのテーブル9に対して二 本の軌道レール2が配列され、各軌道レール2 対して二つの移動ブロック1が組み付けられ る。テーブル9の下面には四つの移動ブロッ 1が取付けられる。移動ブロック1の潤滑状態 は各移動ブロック1で異なる。各移動ブロッ 1に潤滑状態検出装置10を設けているので、 移動ブロック1が走行しながら赤色又は緑色 発光する。よって、移動ブロック1毎に潤滑 状態が良好なのか、そうでないのかを判断す ることができる。

 図5は運動案内装置3の斜視図を示す。運 案内装置3は、細長く直線状に伸びる軌道レ ル2と、軌道レール2に移動可能に組み付け れる移動ブロック1と、軌道レール2の転動体 転走面と移動ブロック1の転動体転走面との に介在される複数のボール、ローラなどの 動体12と、を備える。

 軌道レール2には長手方向に沿って伸びる 複数条の例えば四条の転動体転走溝2aが形成 れる。また軌道レール2には、軌道レール2 ベースなどの相手部品に取り付けるための 繰り孔からなる取付け孔2bが加工される。

 移動ブロック1は鞍形状であり、軌道レー ル2を跨る。移動ブロック1の内側の面には、 道レール2の転動体転走溝2aに対向する転動 転走溝1aが形成される。移動ブロック1には 転動体転走溝2aに平行に伸びる貫通孔から る転動体戻し通路1bが加工される。移動ブロ ック1の移動方向の両端部には、エンドプレ ト11が取り付けられる。エンドプレート11に 、互いに平行に伸びる転動体転走溝1aと転 体戻し通路1bを接続するU形状の方向転換路 設けられる。これら転動体転走溝1a、転動体 戻し通路1b、方向転換路によってサーキット の転動体循環経路が構成される。

 転動体循環経路には、複数の転動体12が 列・収容される。転動体12はリテーナ14によ 一連に回転・摺動自在に保持されてもよい 移動ブロック1が軌道レール2に対して軌道 ール2の軸線方向に相対的に移動すると、移 ブロック1の転動体転走溝1aと軌道レール2の 転動体転走面との間で転動体が転がり運動す る。移動ブロック1の転動体転走面の一端ま 移動したボールはエンドプレート11の方向転 換路内に掬い上げられ、転動体戻し通路を経 由した後、反対側のエンドプレート11から再 移動ブロック1の転動体転走面に戻される。 移動ブロック1の上面には、移動ブロック1を ーブル9に取り付けるための取付けねじ1cが 工される。

 図6は軌道レール2の軸線方向に直交する 動案内装置3の断面図を示す。移動ブロック1 の上面にはテーブル9が載せられる。軌道レ ル2の下面はベースに接触する。移動ブロッ 1とテーブル9、又は軌道レール2とベースと 導通していると、移動ブロック1と軌道レー ル2との間に電圧を印加しても電流がテーブ 9又はベースに流れてしまう。これを防ぐた に、移動ブロック1の上面とテーブル9との 、又は軌道レール2の下面とベースとの間に テーブル9又はベースから運動案内装置3を 縁するための絶縁シート15が設けられる。

 移動ブロック1及び軌道レール2が絶縁シ ト15で絶縁されたとしても、移動ブロック1 び軌道レール2をテーブル9及びベースに取付 けるボルトが絶縁されていないと、ボルトを 介して移動ブロック1とテーブル9、軌道レー 2とベースとが導通してしまう。これを防止 するために、図7に示されるように、移動ブ ック1の取付けねじ1cの周囲は絶縁体16からな る。そして図8に示されるように、軌道レー 2の取付け孔2bの周囲も絶縁体17からなる。

 図9は移動ブロック1の上面にテーブル9を 付けた例を示す。テーブル9には、座繰り孔 9aが加工される。座繰り孔9aにボルトを挿入 、ボルトを移動ブロック1の取付けねじに螺 することで、テーブル9が移動ブロック1に り付けられる。ボルトとテーブル9との導通 防止するために、座繰り孔の座面9cには、 縁ワッシャ18が設けられる。なお、絶縁ワッ シャ18だけでもボルトを介した移動ブロック1 とテーブル9の導通を防止することができる しかし、ボルトの周囲がテーブル9に接触す と、絶縁ワッシャ18だけでは絶縁が不十分 なる。よって、移動ブロック1の取付けねじ1 cの周囲に絶縁体16を設ける必要がある。

 潤滑剤として液体状の潤滑油を用いた場 、移動ブロック1が停止しているならば転動 体12と転動体転走溝1a,2aとの間には油膜は形 されず、転動体12と転動体転走面とは金属接 触する。よって、移動ブロック1と軌道レー 2との間の電気抵抗がゼロになり、移動ブロ ク1が赤色に発光する。移動ブロック1が動 出し、速度が速くなると、転動体12と転動体 転走溝1a,2aとの間に油膜が形成され、転動体1 2と転動体転走溝1a,2aとが絶縁状態になる。よ って、移動ブロック1と軌道レール2との間の 気抵抗がしきい値より大きくなり、移動ブ ック1が緑色に発光する。発明者は実験によ って、運動案内装置3の潤滑油をすべて抜く 、移動ブロック1を高速で移動させたとして 、移動ブロック1のLEDは赤色のままであるこ とを確認している。すなわち、移動ブロック 1が高速で移動することで、転動体12と転動体 転走溝1a,2aが絶縁状態になるのではなく、転 体12と転動体転走溝1a,2aとの間に油膜が介在 されることで転動体12と転動体転走溝1a,2aが 縁状態になることがわかった。

 液体状の潤滑油を使用したとき、転動体1 2と転動体転走溝1a,2aとの間に形成される油膜 の厚みは、移動ブロック1の移動速度、潤滑 の種類によって異なる。最適な油膜の厚み 、移動ブロック1の移動速度、潤滑油の種類 よって異なる。加減抵抗器は接続されてい 回路を切ることなしに、電気抵抗のしきい を変えることができるので、実際に運動案 装置3を使用している状況で電気抵抗のしき い値を変化させることができる。よって、移 動ブロック1の移動速度、潤滑油の種類に応 た最適なしきい値を設定することができる

 液体状の潤滑油の替わりに、二硫化モリ デンやPTFEに代表される固体潤滑剤が使用さ れる場合もある。真空環境など液体状の潤滑 油が使用できない環境においては、固体潤滑 剤が使用される。固体潤滑剤はスパッタリン グなどによって、転動体12又は転動体転走溝1 a,2aに被覆される。固定潤滑膜が剥離すると 金属同士の接触を招く。液体の潤滑油なら 運転開始後に補給することができるが、固 潤滑膜を後から被覆し直すことはできない 固体潤滑膜が剥離したときが運動案内装置 寿命であるから、固体潤滑膜の被膜状態を る必要がある。

 転動体12に固体潤滑剤を被覆した運動案 装置3に電圧を印加すると、移動ブロック1の 停止中にも移動中にも運動案内装置が絶縁状 態になる(すなわち緑色のLEDが発光する)。そ て、固体潤滑剤が剥離した後は運動案内装 3が導通状態になる。運動案内装置3が絶縁 態になるのは、固体潤滑剤が絶縁体として 能するからである。固体潤滑剤が剥離した きに運動案内装置3が導通状態になるのは、 動体12と転動体転走溝1a,2aとが金属接触する からである。よって、運動案内装置3の電気 抗を検出し、しきい値と比較すれば、固体 滑剤の剥離の有無も直接的に知ることがで る。

 図10は、本発明の第二の実施形態におけ 潤滑状態検出装置の回路図を示す。この実 形態の回路には、コンパレータ4が信号を生 する時間に関する指標を累積し、累積値が 定値以上のときに信号を生成するカウンタ 段31,32,33が設けられる。

 コンパレータ4には、運動案内装置3の両 の電圧信号が入力される。コンパレータ4は 加減抵抗器5によって設定されたしきい値と 運動案内装置3の電圧信号とを比較し、運動 内装置3の電圧信号がしきい値より大きいと に、比較結果の信号を生成する一方、しき 値よりも小さいときに信号を生成しない。 の信号はNOT回路にて反転された後、LED7及び AND回路32に入力される。LED7はコンパレータ4 らの信号が入力されたとき、すなわちコン レータ4が潤滑異常と判断したとき赤色を発 する。フォトトランジスタは、潤滑異常の き、信号を外部に出力する。

 AND回路32には、コンパレータ4が潤滑異常 判断したときの信号が入力される。またAND 路32には、パルス発信器33が生成する一定の 時間間隔のパルス信号、及び外部装置同期信 号が入力される。AND回路32は、これらの信号 論理積であるパルス信号を生成する。AND回 32が生成するパルス信号はカウンタ31に入力 される。カウンタ31はカウント値が所定値以 のときに潤滑異常警告信号を出力する。運 案内装置3のユーザは、潤滑状態検出装置に よって潤滑異常警告信号が出力されたら、運 動案内装置3の潤滑状態を点検したり、運動 内装置3に給油、給脂したり、給油ポンプを 動させたりする。

 図11は、信号のタイミングチャートを示 。コンパレータ4は、潤滑異常のときと潤滑 常のときとで反転するコンパレータ信号を 成する。パルス発信器33は一定の時間間隔 パルス信号を生成する。AND回路32は、コンパ レータ信号とパルス信号との論理積をとり、 カウンタへのパルス信号を生成する。カウン タ31は、AND回路32が生成するカウンタへのパ ス信号をカウントし、累積値が設定された 定値(例えば9)以上のときに、潤滑異常警告 号を出力する。

 なお、この実施形態の回路図においては コンパレータ4が潤滑異常の信号を生成する 時間をパルス信号に置き換えて、カウンタ31 パルス信号をカウントしているが、コンパ ータ4が潤滑異常の信号を生成する時間を直 接的に測定してもよい。また、コンパレータ 4が潤滑異常の信号を生成する間に、潤滑正 の信号を生成したとしても、潤滑異常の信 を生成するトータルの時間をカウントして る。しかし、コンパレータ4が一旦潤滑正常 信号を生成したときには、カウント値をリ ットしてもよい。このようにすれば、停止 度の大きい運動案内装置の潤滑状態を正確 把握することができる。

 図12は、本発明の第三の実施形態におけ 潤滑状態検出装置の回路図を示す。この実 形態の回路には、しきい値設定手段として しきい値の上限を設定する第一の加減抵抗 5-1と、しきい値の下限を設定する第二の加 抵抗器5-2が設けられる。また比較手段とし 、第一のコンパレータ4-1と第二のコンパレ タ4-2が設けられる。第一のコンパレータ4-1 び第二のコンパレータ4-2のそれぞれには、 動案内装置3の両端の電圧信号が入力される

 第二のコンパレータ4-2は、第二の加減抵 器5-2によって設定されたしきい値の下限値 運動案内装置3の電圧信号とを比較し、電圧 振動がしきい値の下限値よりも大きいときに 信号を生成する一方、電圧信号がしきい値の 下限値よりも小さいときには信号を生成しな い。

 第一のコンパレータ4-1は、第一の加減抵 器5-1によって設定されたしきい値の上限値 運動案内装置3の電圧信号とを比較し、電圧 信号がしきい値の上限値よりも小さいときに 信号を生成する一方、電圧信号がしきい値の 上限値よりも大きいときには信号を生成しな い。

 第一のコンパレータ4-1及び第二のコンパ ータ4-2それぞれから生成される信号は、AND 路19に入力される。AND回路19は、第一のコン パレータ4-1及び第二のコンパレータ4-2それぞ れから信号が生成されているときに、信号を 生成する。この信号はNOT回路6にて反転され 後、発光素子としてのLED7a,7bに入力される。 LEDが緑色を発光する第一のLED7aと、赤色(第一 のLED7aが発光する色と異なる色)を発光する第 二のLED7bとからなる点は、上記第一の実施形 の潤滑状態検出装置と同様である。

 この実施形態の潤滑状態検出装置におい は、運動案内装置3の電気抵抗がしきい値の 上限値と下限値の範囲内にあるときに、潤滑 状態が良好であることを示す緑色のLED7aが発 する。一方、運動案内装置3の電気抵抗がし きい値の下限値よりも小さいか又は上限値よ りも大きいときには、赤色のLED7bが発光する 潤滑状態が良好であるためには、潤滑剤の 厚も適正な範囲にある必要がある。しきい の上限値及び下限値を設定することで、適 な膜厚の範囲にあるかどうかを知ることが きる。

 図13は、潤滑状態検出装置が組み込まれ ねじ装置25の斜視図を示す。ねじ装置25は、 じ軸21と、ねじ軸21に転動体23を介して組み けられるナット22と、を備える。ねじ軸21の 外周面には、螺旋状の転動体転走溝21aが形成 される。ナット22の内周面には、転動体転走 21aに対向する螺旋状の転動体転走溝22aが形 される。ナット22には、ナット22の転動体転 走溝22aの一端と他端を接続するリターンパイ プ24が設けられる。ねじ軸21の転動体転走溝21 aとナット22の転動体転走溝22aとの間には、複 数のボールからなる転動体23が配列・収容さ る。

 ナット22に対してねじ軸21を相対的に回転 させると、ナット22とねじ軸21との間に介在 れる転動体23が転がり運動する。ナット22の 動体転走溝22aの一端まで転がった転動体23 、リターンパイプ24内に掬い上げられ、リタ ーンパイプ24を端から端まで通過した後、再 ナット22の転動体転走溝22aの他端に戻され 。

 潤滑状態検出装置10は、運動案内装置3に み込まれる潤滑状態検出装置と同一である ねじ軸21とナット22との間に電圧を印加して 、ねじ軸21とナット22との間の電気抵抗を測 する。そして、電気抵抗をしきい値と比較 、しきい値より大きいときはLEDを発光させ 。潤滑状態検出装置10はナット22に埋め込ま る。ナット22は移動しながら自ら潤滑状態 良好であるか否かを表示する。

 なお、本発明は上記実施形態に限られる となく、本発明の要旨を変更しない範囲で まざまな実施形態に具現化できる。たとえ 、運動案内装置には、上述の軌道レールと 形状の移動ブロックとで構成されるリニア イドのほか、ボールスプライン、リニアブ シュを用いることもできる。ボールスプラ ン、リニアブッシュにおいては、軌道部材 しての軌道軸に対して、軌道軸を覆う円筒 の移動ブロックがスライドする。

 また、ねじ装置には、循環方式がリター パイプ式のねじ装置以外に、エンドキャッ 式、デフレクタ式のねじ装置を用いること できる。

 さらに、潤滑状態供給装置の電源には、 池の他、工場に設置される商用電源や、移 ブロックを移動させるときに発電機が発電 る電力を用いてもよい。LEDの替わりに電球 用いることもできる。

 さらに、運動案内装置やねじ装置に最適 潤滑油を選択する際に、本実施形態の潤滑 態検出装置で潤滑油の適性を評価してもよ 。運動案内装置やねじ装置の耐久試験にか る前に不適当な潤滑油を排除すれば、耐久 験の時間を節約することができる。

 本明細書は、2007年1月31日出願の特願2007-2 1315に基づく。この内容はすべてここに含め おく。