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Patent Searching and Data


Title:
MATERIAL FOR MEDICAL USE AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175229
Kind Code:
A1
Abstract:
A material for medical use, which contains nanofibers that are formed from a resin containing a silicone-modified polyurethane resin, and which is characterized in that: the silicone-modified polyurethane resin is a reaction product of (A) a long-chain polyol that has a number average molecular weight of 500 or more, (B) a short-chain polyol that has a number average molecular weight of less than 500, (C) an active hydrogen group-containing organopolysiloxane and (D) a polyisocyanate; and the average fiber diameter thereof is less than 2,000 nm. This material for medical use exhibits excellent performance in a biological test.

Inventors:
NODA DAISUKE (JP)
IRIFUNE SHINJI (JP)
TANAKA MASAKI (JP)
SATO HIROMASA (JP)
UMEZU MOTOAKI (JP)
IINO SHOTA (JP)
TANAKA TOSHIHISA (JP)
YIN CHUAN (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006190
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 18, 2020
Export Citation:
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Assignee:
SHINETSU CHEMICAL CO (JP)
DAINICHISEIKA COLOR&CHEMICALS MFG CO LTD (JP)
SHINSHU UNIV NATIONAL UNIV CORPORATION (JP)
International Classes:
A61P17/02; A61L15/26; A61L15/42; A61L27/18; A61L27/40; A61L27/50; A61L29/06; A61L29/12; A61L29/14; A61L31/06; A61L31/12; A61L31/14
Domestic Patent References:
WO2016158967A12016-10-06
Foreign References:
JP2017186691A2017-10-12
JP2001329038A2001-11-27
Attorney, Agent or Firm:
PATENT PROFESSIONAL CORPORATION EI-MEI PATENT OFFICE (JP)
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Claims:
\¥02020/175229 49 卩(:17 2020/006190 請求の範囲

[請求項 1] シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む樹脂から形成されるナノフ ァイバーを含む医療用材料であって、 前記シリコーン変性ポリウレタ ン樹脂が、 ( ) 数平均分子量 5 0 0以上の長鎖ポリオール、 (巳) 数平均分子量 5 0 0未満の短鎖ポリオール、 (〇 活性水素基含有才 ルガノボリシロキサン及び (口) ポリイソシアネートの反応生成物で あり、 平均繊維径が 2 0 0 0 n〇!未満であることを特徴とする医療用 材料。

[請求項 2] 前記 (〇 成分が、 (<3 _ 1) 下記式 (1) で表されるオルガノポ リシロキサン及び/又は (〇一2) 式 (2) で表される分子鎖片末端 のみにカルピノール基を有するオルガノポリシロキサンである請求項 1記載の医療用材料。

(式 (1) 中、 はそれぞれ独立して、 水酸基若しくはメルカプト 基を有し、 鎖中に酸素原子を介していてもよい炭素数 1〜 1 0の 1価 炭化水素基、 又は第 1級アミノ基若しくは第 2級アミノ基を有する炭 素数 1〜 1 0の 1価炭化水素基であり、 2はそれぞれ独立して、 水 素原子の一部がフッ素原子置換されていてもよい直鎖状、 分岐状若し くは環状の炭素数 1〜 1 0のアルキル基又はアラルキル基、 置換基を 有していてもよい炭素数 5〜 1 2のアリール基又はビニル基であり、 、 、 式 (3)

- -乂-〇1~12〇 ⑽ (3)

(式 (3) 中、 は鎖中に酸素原子を含んでもよい炭素数 2〜 1 0 のアルキレン基であり、 は炭素数 1〜 1 0のカルピノール基であ り、 は水素原子、 アミノ基、 又は炭素数 1〜 1 0のアルキル基で あり、 Xは単結合又は一〇一結合である (ただし が酸素原子を含 〇 2020/175229 50 卩(:171? 2020 /006190

み、 かつ Xが一〇一結合の場合、 2つの酸素原子は隣接しない) 。 ) で表される特性基であり、 は 1〜 2 0 0の整数である。 ]

[請求項 3] 前記平均繊維径が 1 0 0 0 n 未満である請求項 1又は 2記載の医 療用材料。

[請求項 4] 前記 (<3) 成分の配合量が、 前記 ( ) 〜 (口) 成分の総量 1 0 0 質量部中〇. 1〜 5 0質量部である請求項 1〜 3のいずれか 1項記載 の医療用材料。

[請求項 5] 前記ナノファイバーで構成された繊維積層構造体からなる請求項 1

〜 4のいずれか 1項記載の医療用材料。

[請求項 6] 細胞足場材である請求項 1〜 5のいずれか 1項記載の医療用材料。

[請求項 7] 創傷被覆材である請求項 1〜 5のいずれか 1項記載の医療用材料。

[請求項 8] 請求項 1〜 7のいずれか 1項記載のナノファイバーを含む医療用材 料の製造方法であって、 前記ナノファイバーをシリコーン変性ポリウ レタン樹脂の溶液又は分散液をエレクトロスピニング法によって紡糸 することを特徴とする医療用材料の製造方法。

[請求項 9] 前記エレクトロスピニング法によって紡糸したナノファイバーにつ いて洗浄処理及び/又は乾燥処理を行う請求項 8記載の医療用材料の 製造方法。

[請求項 10] 更に、 前記洗浄処理及び/又は乾燥処理したナノファイバーについ て滅菌処理する請求項 9記載の医療用材料の製造方法。

Description:
\¥02020/175229 1 卩(:17 2020/006190

明 細 書

発明の名称 : 医療用材料及びその製造方法

技術分野

[0001 ] 本発明は、 シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含むナノ ファイバーを使用 した医療用材料、 更に詳しくは、 生物学的試験において優れた性能を有する シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む樹脂 から形成されたナノファイバー 、 好ましくはその繊維積層構造体を使用した医 療用材料及びその製造方法に 関する。

背景技術

[0002] 樹脂繊維は、 主に乾式紡糸法、 種類によっては溶融紡糸法、 湿式紡糸法な どの方法により得られる。 一方で、 これらでは製造困難な繊維径の小さな繊 維及び繊維積層構造体を製造する方法として 、 エレクトロスピニング法 (静 電紡糸法、 電界紡糸法、 溶融電界紡糸法) が知られている。

[0003] エレクトロスピニング法は、 ポリマーを含有する溶液又はポリマーを溶融 させた溶融物を高電圧下に吐出することで静 電的反発力によりポリマーが極 細化されると同時に溶媒の揮発や冷却等によ り極細繊維等の形成が可能とな る方法として知られている。 また形成されたポリマーの極細繊維等を捕集 す ることにより一段階で極細繊維、 繊維積層構造体及び不織布を得ることので きる紡糸方法でもある。 通常、 繊維積層構造体は、 紡糸工程の際、 ポリマー 溶液からの溶媒の蒸発により硬化し、 形成される。 硬化は、 冷却 (例えば、 試料が高温で液体である場合) 、 化学的硬化 (例えば、 硬化用蒸気による処 理) 、 溶媒の蒸発 (例えば、 試料が室温で液体である場合) などでも行われ る。 また、 製造した不織布は、 適宜に配置した捕集基板上に捕集され、 必要 であれば剥離することも可能である。

[0004] また、 1 0 0 0 n 未満の繊維径をもつナノサイズの繊維は、 通常の繊維 と比較して超比表面積効果やナノサイズ効果 等が知られ、 ナノファイバーと して盛んに研究開発がされている。 特にエレクトロスピニング法はナノファ 〇 2020/175229 2 卩(:171? 2020 /006190

イノ 一形成が容易であることから、 広く使用されている。

[0005] 近年、 医療用材料 (医用材料ともいう) として、 ナノファイバーが有する 特徴を生かした応用例が報告されている。 例えば、 細胞足場材 (スカフォー ルド) 、 人工臓器、 創傷包帯、 組織又は骨再生用膜等であり、 ポリウレタン のナノファイバーについての記載も見られる (特開 201 6-055 1 95 号公報、 特開 201 7 -0643 1 1号公報、 特開 201 5 - 1 98604 号公報、 国際公開第 2007 /063820号 (特許文献 1〜 4) ) 。

[0006] 一方、 シリコーンで変性されたポリウレタン樹脂を 使用した繊維及び繊維 積層構造体が報告されている (国際公開第 201 6/1 58967号、 国際 公開第 201 7/1 75680号 (特許文献 5, 6) ) 。 これらは、 ポリウ レタン樹脂繊維やシリコーン樹脂からなるナ ノファイバーに比べて、 柔軟性 、 滑り性、 耐ブロッキング性、 保温性、 水蒸気透過性、 撥水性、 紡糸性に優 れた特性を有する。

[0007] このようにシリコーンで変性されたポリウレ タン樹脂を使用した繊維は、 ポリウレタンナノファイバーと比較して優れ た特性を有するも、 生物学的試 験による評価はされておらず、 またシリコーンで変性されたことによる効果 は不明確であり、 医療用材料としての応用が可能かは明確では なかった。 先行技術文献

特許文献

[0008] 特許文献 1 :特開 201 6-055 1 95号公報

特許文献 2 :特開 201 7 -0643 1 1号公報

特許文献 3 :特開 201 5- 1 98604号公報

特許文献 4 :国際公開第 2007/063820号

特許文献 5 :国際公開第 201 6/1 58967号

特許文献 6 :国際公開第 201 7/1 75680号 発明の概要

発明が解決しようとする課題 〇 2020/175229 3 卩(:171? 2020 /006190

[0009] 本発明は、 上記事情に鑑みなされたもので、 生物学的試験において優れた 性能を有するナノファイバーを含む医療用材 料を提供することを目的とする 課題を解決するための手段

[0010] 本発明者らは、 課題を解決するため鋭意検討を行った結果、 シリコーン変 性ポリウレタン樹脂を含む樹脂から形成され たナノファイバーについて生物 学的試験を実施した結果、 シリコーンによる変性のないポリウレタン樹 脂と 比較して、 優れた性能を有することを見出し、 上記の課題を解決し、 本発明 を完成した。

[001 1 ] 即ち、 本発明は、 下記の医療用材料及びその製造方法である。

1 .

シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む樹脂 から形成されるナノファイバ —を含む医療用材料であって、 前記シリコーン変性ポリウレタン樹脂が、 ( 八) 数平均分子量 5 0 0以上の長鎖ポリオール、 (巳) 数平均分子量 5 0 0 未満の短鎖ポリオール、 (<3) 活性水素基含有オルガノボリシロキサン及び (0) ポリイソシアネートの反応生成物であり、 平均繊維径が 2 0 0 0 n 未満であることを特徴とする医療用材料。

2 .

前記 (〇) 成分が、 (〇_ 1) 下記式 (1) で表されるオルガノポリシロ キサン及び/又は (〇一2) 式 (2) で表される分子鎖片末端のみにカルビ ノール基を有するオルガノボリシロキサンで ある 1記載の医療用材料。

(式 (1) 中、 はそれぞれ独立して、 水酸基若しくはメルカプト基を有し 、 鎖中に酸素原子を介していてもよい炭素数 1〜 1 〇の 1価炭化水素基、 又 は第 1級アミノ基若しくは第 2級アミノ基を有する炭素数 1〜 1 0の 1価炭 化水素基であり、 はそれぞれ独立して、 水素原子の一部がフッ素原子置換 されていてもよい直鎖状、 分岐状若しくは環状の炭素数 1〜 1 0のアルキル 基又はアラルキル基、 置換基を有していてもよい炭素数 5〜 1 2のアリール 20/175229 4 卩(:171? 2020 /006190

基又はビニル基であり、 01は 1〜 2 0 0の整数である。 )

[式 (2) 中、 2 は前記の通りであり、 は下記式 (3)

- -乂-〇1 ~ 1 2 〇 ⑽ (3)

(式 (3) 中、 は鎖中に酸素原子を含んでもよい炭素数 2〜 1 0のアルキ レン基であり、 は炭素数 1〜 1 0のカルピノール基であり、 は水素原子 、 アミノ基、 又は炭素数 1〜 1 〇のアルキル基であり、 Xは単結合又は一〇 —結合である (ただし が酸素原子を含み、 かつ Xが一〇一結合の場合、 2 つの酸素原子は隣接しない) 。 ) で表される特性基であり、 nは 1〜 2 0 0 の整数である。 ]

3 .

前記平均繊維径が 1 0 0 0 n〇!未満である 1又は 2記載の医療用材料。

4 .

前記 (<3) 成分の配合量が、 前記 ( ) 〜 (口) 成分の総量 1 0 0質量部 中 0 . 1〜 5 0質量部である 1〜 3のいずれかに記載の医療用材料。

5 .

前記ナノファイバーで構成された繊維積層構 造体からなる 1〜 4のいずれ かに記載の医療用材料。

6 .

細胞足場材である 1〜 5のいずれかに記載の医療用材料。

7 .

創傷被覆材である 1〜 5のいずれかに記載の医療用材料。

8 .

1〜 7のいずれかに記載のナノファイバーを含む 療用材料の製造方法で あって、 前記ナノファイバーをシリコーン変性ポリウ レタン樹脂の溶液又は 分散液をエレクトロスピニング法によって紡 糸することを特徴とする医療用 材料の製造方法。

9 . 〇 2020/175229 5 卩(:171? 2020 /006190

前記エレクトロスピニング法によって紡糸 したナノファイバーについて洗 浄処理及び/又は乾燥処理を行う 8記載の医療用材料の製造方法。

1〇.

更に、 前記洗浄処理及び/又は乾燥処理したナノフ イバーについて滅菌 処理する 9記載の医療用材料の製造方法。

発明の効果

[0012] 本発明によれば、 ナノファイバー及びその繊維積層構造体の特 徴を有し、 かつ同様のナノファイバーであるシリコーン による変性のないポリウレタン 樹脂よりも細胞接着性、 細胞増殖性に優れ、 生体適合性を有する。 そのため 、 細胞足場材ゃ創傷被覆材において極めて有用 性が高い。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]エレクトロスピニング法 (静電紡糸法) を用いて、 ポリマー溶液を静電 場中に吐出することにより不織布を製造する 装置の一例を示す概略図である

[図 2]細胞増殖性試験において、 実施例 2 _ 1の構造体 1 _ 1 を用いた細胞培 養 3日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 3]細胞増殖性試験において、 実施例 2 _ 2の構造体 1 _ 2を用いた細胞培 養 3日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 4]細胞増殖性試験において、 実施例 2 _ 3の構造体 1 _ 3を用いた細胞培 養 3日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 5]細胞増殖性試験において、 実施例 2 - 4の構造体 4を用いた細胞培養 3 日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 6]細胞増殖性試験において、 実施例 2 _ 5の構造体 5を用いた細胞培養 3 日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 7]細胞増殖性試験において、 実施例 2 _ 6の構造体 7を用いた細胞培養 3 日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 8]細胞増殖性試験において、 実施例 2 - 7の構造体 8を用いた細胞培養 3 日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。 〇 2020/175229 6 卩(:171? 2020 /006190

[図 9]細胞増殖性試験において、 比較例 2 _ 1の比較構造体 1 を用いた細胞培 養 3日後の 3巳 IV!観察結果を示す図である。

[図 10]実施例 3における構造体 4 (3 丨 11 4) の細胞毒性評価後の顕微鏡 観察結果を示す図である。

[図 1 1]実施例 3における構造体 8 (3 丨 11 8) の細胞毒性評価後の顕微鏡 観察結果を示す図である。

[図 12]実施例 3における陽性対照材料の細胞毒性評価後の 微鏡観察結果を 示す図である。

発明を実施するための形態

[0014] [医療用材料]

以下、 本発明についてさらに詳しく説明する。

本発明に係る医療用材料は、 シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む樹脂 から形成されたナノファイバー含む医療用材 料であって、 前記シリコーン変 性ポリウレタン樹脂が、 下記 (八) 、 (巳) 、 (〇 及び ) 成分の反応 生成物であり、 平均繊維径が 2 0 0 0 n 未満であることを特徴とする。 [0015] (シリコーン変性ポリウレタン樹脂)

上記シリコーン変性ポリウレタン樹脂は、 数平均分子量 5 0 0以上 の長鎖ポリオール、 (巳) 数平均分子量 5 0 0未満の短鎖ポリオール、 (〇 ) 活性水素基含有オルガノボリシロキサン及び (口) ポリイソシアネートを 反応させて得られ、 ( ) 〜 (0) 成分の総量 1 0 0質量部中、 (〇 活性 水素基含有オルガノボリシロキサンを好まし くは〇. 1〜 5 0質量部、 より 好ましくは〇. 1〜 4 0質量部、 更に好ましくは 1〜 3 0質量部含むもので ある。

[0016] ここで、 本発明において反応生成物とは、 上記 (八) 〜 (0) 成分のみの 反応生成物に限るものではなく、 (八) 〜 (0) 成分に加えて (巳) ポリア ミン等の他成分を含んだものの反応生成物で あってもよい。 また、 活性水素 基とはアルコール、 アミン、 チオール等の水素原子を指す。

また、 本発明において、 上記シリコーン変性ポリウレタン樹脂は、 公知の 〇 2020/175229 7 卩(:171? 2020 /006190

ポリウレタンの合成方法を利用することに よって製造することができる。

[0017] ( (八) 数平均分子量 5 0 0以上の長鎖ポリオール)

上記 成分は、 数平均分子量 5 0 0以上、 好ましくは 5 0 0〜 1 0 ,

0 0 0、 より好ましくは 7 0 0〜 3 , 0 0 0の高分子ポリオールであり、 ( 〇 活性水素基含有オルガノボリシロキサン以外 のものを用いることができ る。 高分子ポリオールの具体例としては、 以下に示す (丨) 〜 (V 丨) の群 に属するものを挙げることができる。 なお、 本発明において、 数平均分子量 は、 テトラヒドロフラン (丁 1 ~ 1 ) 等を展開溶媒としたゲルパーミエーシヨ ンクロマトグラフィー (〇 〇) によるポリメタクリル酸メチル ( 1\/1 1\/1八 ) 換算の値である (以下、 同じ) 。

[0018] ( I) ポリエーテルポリオール;

例えば、 アルキレンオキシド (エチレンオキシド、 プロピレンオキシド、 プチレンオキシド等) 及び/又は環状エーテル (テトラヒドロフラン等) を 重合又は共重合して得られるもの、 具体的にはポリエチレングリコール、 ポ リプロピレングリコール、 ポリエチレングリコールーポリテトラメチレ ング リコール (ブロック又はランダム共重合) 、 ポリテトラメチレンエーテルグ リコール、 ポリヘキサメチレングリコール等。

( I I) ポリエステルポリオール;

例えば、 脂肪族系ジカルボン酸類 (例えば、 コハク酸、 アジピン酸、 セバ シン酸、 グルタル酸、 アゼライン酸等) 及び/又は芳香族系ジカルボン酸 ( 例えば、 イソフタル酸、 テレフタル酸等) と低分子量グリコール類 (例えば 、 エチレングリコール、 1 , 2—プロピレングリコール、 1 , 3—プロピレ ングリコール、 1 , 4—ブチレングリコール、 1 , 6—ヘキサメチレンング リコール、 ネオペンチルグリコール、 1 , 4—ビスヒドロキシメチルシクロ ヘキサン等) とを縮重合したもの、 具体的にはポリエチレンアジべ一トジオ —ル、 ポリプチレンアジべ一トジオール、 ポリヘキサメチレンアジべ一トジ オール、 ポリネオペンチルアジべ一トジオール、 ポリエチレン/プチレンア ジベートジオール、 ポリネオペンチル/ヘキシルアジべ一トジオ ル、 ポリ 〇 2020/175229 8 卩(:171? 2020 /006190

- 3—メチルペンタンアジべ一トジオール、 ポリプチレンイソフタレートジ 才—ノレ等。

( I I 丨) ポリラクトンポリオール;

例えば、 ポリカプロラクトンジオール又はトリオール 、 ポリー 3—メチル バレロラクトンジオール等。

( I V) ポリカーボネートポリオール;

例えば、 ポリ トリメチレンカーボネートジオール、 ポリテトラメチレンカ _ボネ _トジオ _ル、 ポリペンタメチレンカーボネートジオール、 ポリネオ ペンチルカーボネートジオール、 ポリヘキサメチレンカーボネートジオール 、 ポリ (1 , 4—シクロへキサンジメチレンカーボネート ジオール、 ポリ デカメチレンカーボネートジオール、 及びこれらのランダム/ブロック共重 合体等。

( V) ポリオレフインポリオール;

例えば、 ポリブタジエングリコール、 ポリイソプレングリコール又は、 そ の水素化物等。

( V I) ポリメタクリレートポリオール;

例えば、 £0—ポリプチ ルメタクリレートジオール等。

[0019] これらの中でも、 ポリエーテルポリオールが好ましく、 より好ましくはポ リエチレングリコール、 ポリプロピレングリコール又はポリテトラメ チレン エーテルグリコールである。

[0020] ( (巳) 数平均分子量 5 0 0未満の短鎖ポリオール)

上記 (巳) 成分は、 数平均分子量 5 0 0未満、 好ましくは 6 0以上 5 0 0 未満、 より好ましくは 6 0〜 3 0 0の短鎖ポリオールであり、 例えば、 エチ レングリコール、 1 , 2—プロパンジオール、 1 , 3—プロパンジオール、 1 , 4—ブタンジオール、 1 , 3—ブタンジオール、 1 , 6—ヘキサメチレ ングリコール、 ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコ ール類及びその アルキレンオキシド低モル付加物 (数平均分子量 5 0 0未満) ; 1 , 4—ビ 〇 2020/175229 9 卩(:171? 2020 /006190

スヒドロキシメチルシクロヘキサン、 2—メチルー 1 , 1 —シクロヘキサン ジメタノールなどの脂環式系グリコール類及 びそのアルキレンオキシド低モ ル付加物 (数平均分子量 5 0 0未満) ;キシリレングリコールなどの芳香族 グリコール類及びそのアルキレンオキシド低 モル付加物 (数平均分子量 5 0 0未満) ; ビスフェノール八、 チオビスフェノール、 スルホンビスフェノー ルなどのビスフェノール類及びそのアルキレ ンオキシド低モル付加物 (数平 均分子量 5 0 0未満) ;炭素数 1〜 1 8のアルキルジェタノールアミンなど のアルキルジアルカノールアミン類; グリセリン、 トリメチロールエタン、 トリメチロールプロパン、 ペンタエリ トリ トール、 トリスー (2—ヒドロキ シエチル) イソシアヌレート、 1 , 1 , 1 —トリメチロールエタン、 1 , 1 , 1 -トリメチロールプロパンなどの多価アルコ ル系化合物が挙げられる 。 これらの中で脂肪族グリコール類がより好ま しく、 更に好ましくはェチレ ングリコール、 1 , 3—プロパンジオール又は 1 , 4—ブタンジオールであ る。

[0021 ] (巳) 成分の配合量は、 上記 ( ) 長鎖ポリオール 1 0 0質量部に対して

1〜 2 0 0質量部、 特に 1 〇〜 3 0質量部であることが好ましい。

[0022] ( (〇 活性水素基含有オルガノボリシロキサン)

上記 (〇) 成分は、 (〇_ 1) 式 (1) で表されるオルガノボリシロキサ ン及び/又は (<3 _ 2) 式 (2) で表される分子鎖片末端のみにカルビノー ル基を有するオルガノポリシロキサンである ことが好ましい。

[0023] ( (〇_ 1) オルガノボリシロキサン)

(<3 _ 1) 成分は下記式 ( 1)

(式中、 はそれぞれ独立して、 水酸基若しくはメルカプト基を有し、 鎖中 に酸素原子を介していてもよい炭素数 1〜 1 〇の 1価炭化水素基、 又は第 1 級アミノ基若しくは第 2級アミノ基を有する炭素数 1〜 1 0の 1価炭化水素 基である。 はそれぞれ独立して、 水素原子の一部がフッ素原子置換されて いてもよい直鎖状、 分岐状若しくは環状の炭素数 1〜 1 〇のアルキル基又は \¥02020/175229 10 卩(:17 2020/006190

アラルキル基、 置換基を含んでもよい炭素数 5〜 1 2のアリール基又はビニ ル基である。 は 1〜 2 0 0の整数である。 )

で表されるオルガノポリシロキサンである。

[0024] 上記 1 の水酸基若しくはメルカプト基を有し、 鎖中に酸素原子を介してい てもよい炭素数 1〜 1 〇の 1価炭化水素基としては、 例えば、 ヒドロキシメ チル基、 2—ヒドロキシエター 1 —イル基、 2—ヒドロキシプロパー 1 —イ ル基、 3—ヒドロキシプロパー 1 —イル基、 2—ヒドロキシブター 1 —イル 基、 3—ヒドロキシブター 1 —イル基、 4—ヒドロキシブター 1 —イル基、

2—ヒドロキシフエニル基、 3—ヒドロキシフエニル基、 4—ヒドロキシフ エニル基、 2— (ヒドロキシメ トキシ) エター 1 —イル基、 2— ( 2—ヒド ロキシエトキシ) エター 1 —イル基、 2 - (2—ヒドロキシプロポキシ) エ 夕一 1 —イル基、 2— (3—ヒドロキシプロポキシ) エター 1 —イル基、 2 — (2—ヒドロキシブトキシ) エター 1 —イル基、 2— ( 3—ヒドロキシブ トキシ) エター 1 —イル基、 2— (4—ヒドロキシブトキシ) エター 1 —イ ル基、 3— (ヒドロキシメ トキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (2—ヒドロ キシエトキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (2—ヒドロキシプロポキシ) プ ロパー 1 —イル基、 3— (3—ヒドロキシプロポキシ) プロパー 1 —イル基 、 3— (2—ヒドロキシブトキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (3—ヒドロ キシブトキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (4—ヒドロキシブトキシ) プロ パー 1 —イル基、 メルカプトメチル基、 2—メルカプトエター 1 —イル基、

2—メルカプトプロパー 1 —イル基、 3—メルカプトプロパー 1 —イル基、

2—メルカプトブタ _ 1 —イル基、 3—メルカプトブタ _ 1 —イル基、 4— メルカプトブター 1 —イル基、 2— (メルカプトメ トキシ) エター 1 —イル 基、 2— (2—メルカプトエトキシ) エター 1 —イル基、 2— (2—メルカ プトプロポキシ) エター 1 —イル基、 2— (3—メルカプトプロポキシ) エ 夕一 1 —イル基、 2— (2—メルカプトブトキシ) エター 1 —イル基、 2— (3—メルカプトブトキシ) エター 1 —イル基、 2— ( 4—メルカプトブト キシ) エター 1 —イル基、 3— (メルカプトメ トキシ) プロパー 1 —イル基 \¥02020/175229 11 卩(:17 2020/006190

、 3— (2—メルカプトエトキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (2—メルカ プトプロポキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (3—メルカプトプロポキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (2—メルカプトブトキシ) プロパー 1 —イル基 、 3— (3—メルカプトブトキシ) プロパー 1 —イル基、 3— (4—メルカ プトブトキシ) プロパー 1 —イル基等が挙げられる。

[0025] 上記 1 の第 1級アミノ基若しくは第 2級アミノ基を有する炭素数 1〜 1 〇 の 1価炭化水素基としては、 例えば、 アミノメチル基、 2—アミノエター 1 —イル基、 2—アミノプロパー 1 —イル基、 3—アミノプロパー 1 —イル基 、 2—アミノブタ _ 1 —イル基、 3—アミノブタ _ 1 —イル基、 4—アミノ ブター 1 —イル基、 1\!—メチルアミノメチル基、 1\!—メチルー 2—アミノエ 夕一 1 —イル基、 1\1—メチルー 2—アミノプロパー 1 —イル基、 1\1—メチル _ 3—アミノプロパー 1 —イル基、 1\! _メチル _ 2—アミノブタ _ 1 —イル 基、 1\! _メチル _ 3—アミノブタ _ 1 —イル基、 1\! _メチル _ 4—アミノブ 夕 _ 1 —イル基、 ーエチルアミノメチル基、 ーエチルー 2—アミノエタ _ 1 —イル基、 1\! _エチルー 2—アミノプロパー 1 —イル基、 ーエチルー 3—アミノプロパー 1 —イル基、 1\1 _エチル _ 2 _アミノブタ _ 1 —イル基 、 1\! _エチルー 3—アミノブタ _ 1 —イル基、 ーエチルー 4—アミノブタ

1 —イル基、 ブチル _ 2—アミノプロパー 1 —イル基、 1\! _ブチルー 3 —アミノプロパー 1 —イル基、 ブチル _ 2—アミノブタ _ 1 —イル基、

1 —イル基等が挙げられる。

[0026] 上記 1 のうち、 好ましくは第 1級水酸基若しくは第 2級水酸基を有し、 鎖 中に酸素原子を介していてもよい炭素数 2〜 6の 1価炭化水素基、 又は第 1 級アミノ基若しくは第 2級アミノ基を有する炭素数 2〜 6の 1価炭化水素基 であり、 より好ましくは 2—ヒドロキシエター 1 —イル基、 3—ヒドロキシ プロパー 1 —イル基、 3— (2—ヒドロキシエトキシ) プロパー 1 —イル基 、 又は 3—アミノプロパー 1 —イル基である。 〇 2020/175229 12 卩(:171? 2020 /006190

[0027] 上記 の直鎖状、 分岐状若しくは環状の炭素数 1〜 1 0のアルキル基又は アラルキル基としては、 例えば、 メチル基、 エチル基、 プロピル基、 イソプ ロピル基、 シクロヘキシル基、 2—エチルへキサー 1 —イル 基、 2—フエニルエター 1 —イル基、 2—メチルー 2—フエニルエター 1 — イル基等が挙げられる。

[0028] 上記 の水素原子の一部がフッ素原子置換された直 鎖状、 分岐状若しくは 環状の炭素数 1〜 1 〇のアルキル基としては、 例えば、 3, 3, 3—トリフ ルオロプロピル基、 3, 3, 4, 4, 4 -ペンタフルオロブチル基、 3, 3 , 4, 4, 5, 5, 6, 6, 6 -ノナフルオロヘキシル基、 3, 3, 4, 4

, 5, 5, 6, 6, 7, 7, 7 -ウンデカフルオロへプチル基、 3, 3, 4

, 4, 5, 5, 6, 6, 7, 7, 8, 8, 8 -トリデカフルオロオクチル基 、 3, 3, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 7 , 7, 8, 8, 9, 9, 9—ペンタ デカフルオロノニル基、 3, 3, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 7, 7, 8, 8

, 9, 9, 1 0, 1 0, 1 〇-ヘプタデカフルオロデシル基等が挙げら る 〇

[0029] 上記 の置換基を有していてもよい炭素数 5〜 1 2のアリール基は、 例え ば、 フエニル基、 2—メチルー 1 フエニル基、 3—メチルー 1 —フエニル 基、 4—メチルー 1 フエニル基、 2, 3—ジメチルー 1 —フエニル基、 3 , 4—ジメチルー 1 —フエニル基、 2, 3, 4—トリメチルー 1 —フエニル 基、 2, 4, 6—トリメチルー 1 —フエニル基、 ナフチル基等が挙げられる

[0030] 上記の のうち、 好ましくはメチル基、 フエニル基、 3, 3, 3 -トリフ ルオロプロピル基、 及びビニル基からなる群から選択される基で ある。

[0031] 上記式 (1) において、 の整数であり、 好ましくは 1〜 4 〇の整数であり、 特に 5〜 30の整数が好ましい。 が上記範囲を超えると シリコーンの粘度上昇及び末端反応性が低下 するとともに、 ウレタン樹脂と しての特性が低下する。

[0032] このような (〇_ 1) 成分のオルガノボリシロキサンは、 それぞれ必要な \¥02020/175229 13 卩(:17 2020/006190

置換基に応じて合成してもよいが、 市販品を使用してもよい。 例えば、 下記 化合物群 ( 1 - 1 ) 〜 (4 - 7) 等が挙げられる。 なお、 下記式中、 1\/^は メチル基、 IIはフエニル基を示す (以下、 同じ) 。

[0033] [化 1]

[0034]

[^2]

[0035] [<b3]

[0036] \¥02020/175229 16 卩(:17 2020 /006190

[化 4]

;å

[1

㈠ -〇

I

[1 2 6>

º- - 3

: 2

3 〇 〇 〇 〇 3

6 : :一一 (4-4)

6 6

9〇 3 | - m

1\/^

6

〇>- - 31

6 〇;一

80 > ^^ ^ ^ | ———

5

□1

[0037] 但し、 上記化合物群 ( 1 - 1 ) 、 ( 1 - 2) 、 (2 - 1 ) 、 (2-2) 、

(3 - 1 ) 、 (3 - 2) 、 (4 - 1 ) 及び (4 - 2) では、 1 = 01で、 01 1

1以上であり、 上記化合物群 ( 1 _3) 〜 ( 1 _ 6) 、 (2 - 3) 〜 (2 -

であり、 〇1 2 も 1以上であり、 このときの〇1は 2〜 200の整 数であり、 上記化合物群 (2— 8) 、 (2 - 9) , (3 -8) 及び (3— 9

) では、 〇^ +〇^+〇^二〇!であり、 〇! 1 、 〇1 2 、 〇1 3 はそれぞれが 1以上であり、 このときの 01は 3〜 200の整数である。

[0038] このような化合物は活性水素基含有ジシロキ サンと任意の置換基を持つ環 〇 2020/175229 17 卩(:171? 2020 /006190

状テトラシロキサンとを酸又はアルカリ条 件下で反応させることにより合成 が可能である。

[0039] ( (0-2) 分子鎖片末端のみにカルビノール基を有する オルガノボリシロ キサン)

(0— 2) 成分は下記式 ( 2)

[式 (2) 中、 2 は上記の通りであり、 は下記式 (3)

- -乂-〇1 ~ 1 2 〇 ⑽ (3)

(式 (3) 中、 は鎖中に酸素原子を含んでもよい炭素数 2〜 1 0の 2価の アルキレン基であり、 は炭素数 1〜 1 0のカルピノール基であり、 は水 素原子、 アミノ基又は炭素数 1〜 1 0の 1価のアルキル基であり、 Xは単結 合又は一〇一結合である (ただし、 が酸素原子を含み、 かつ Xが一〇一結 合の場合、 2つの酸素原子は隣接しない) 。 ) で表される特性基であり、 n は 1〜 200の整数である。 ]

で表される分子鎖片末端のみに 2つのカルビノール基を有するオルガノボリ シロキサンである。

[0040] 上記式 (2) における は上記の通り (式 (1) における と同じ) であ る。

[0041] 上記の を示す式 (3) において、 は鎖中に酸素原子を含んでもよい炭 素数 2〜 1 0のアルキレン基であり、 例えば 1 , 2 -エチレン基、 1 , 2 - プロピレン基、 1 , 3 -プロピレン基、 1 , 3 -ブチレン基、 1 , 4-プチ レン基、 1 , 3 -ペンチレン基、 1 , 4 -ペンチレン基、 1 , 5 -ペンチレ ン基、 1 , 6 -ヘキシレン基、 1 , 7—ヘプチレン基、 1 , 8 -オクチレン 基、 1 , 9—ノニレン基、 1 , 1 〇 -デシレン基、 2— (3—プロパー 1 — オキシ) エター 1 —イレン基、 3— (3—プロパー 1 —オキシ) プロパー 1 —イレン基、 4— (3—プロパー 1 —オキシ) ブター 1 —イレン基、 5— (

3 -プロパー 1 -オキシ) ペンター 1 -イレン基、 6- (3 -プロパー 1 - オキシ) へキサー 1 —イレン基、 1 , 3 -シクロヘキシレン基、 1 , 4—シ \¥02020/175229 18 卩(:17 2020/006190

クロヘキシレン基、 1, 3—シクロへプチレン基、 1, 4—シクロへプチレ ン基、 1, 4—ジオキサシクロへキサー 2, 5—イレン基等から選択される 基である。 より好ましくは、 入手の容易性から 1, 3—プロピレン基である

[0042] 式 (3) において 炭素数 1〜 1 0のカルピノール基であり、 具体的 にはヒドロキシメチル基、 2—ヒドロキシエター 1 —イル基、 2—ヒドロキ シプロパー 1 —イル基、 3—ヒドロキシプロパー 1 —イル基、 2—ヒドロキ シブター 1 —イル基、 4—ヒドロキシブター 1 —イル基、 5—ヒドロキシぺ ンター 1 —イル基、 6—ヒドロキシへキサー 1 —イル基、 7—ヒドロキシへ プター 1 —イル基、 8—ヒドロキシオクター 1 —イル基、 9—ヒドロキシノ ナー 1 —イル基、 1 〇—ヒドロキシデカー 1 —イル基等が挙げられる。 好ま しくはヒドロキシメチル基や 2—ヒドロキシエター 1 —イル基である。

[0043] 式 (3) において 水素原子又は炭素数 1〜 1 0のアルキル基であり 、 具体的にはメチル基、 エチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 プチ ル基、 シクロヘキシル基、 2—エチルへキサー 1 —イル基、 2—フエニルエ 夕一 1 —イル基、 2—メチルー 2—フエニルエター 1 —イル基等が挙げられ る。 好ましくは水素原子、 メチル基又はエチル基である。

[0044] 式 (3) において Xは、 単結合又は一〇一結合である。

[0045] 上記式 (2) における nは、 1〜 2 0 0の整数であり、 好ましくは 1 〇〜

1 6 0の整数である。 nが上記範囲を超えるとシリコーンの粘度上 及び末 端反応性が低下するとともに、 ウレタン樹脂としての特性が低下する。

[0046] このような (〇_ 2) 成分のオルガノボリシロキサンは、 それぞれ必要な 置換基に応じて合成してもよいが、 具体的には下記化合物 (5 _ 1) 〜 (5 - 6) 等が挙げられる。 なお、 下記式中、 巳リはプチル基を示す (以下、 同 じ) 。

[0047] \¥02020/175229 19 卩(:17 2020 /006190

[化 5

〇 ㈠

6

24

〇 〇 〇 (5 ^ ^-- 门

〇 ㈠ 〇 〇

1\/16 〇 (5-3)

〇 〇

〇 ㈠

5|

¾

=

〇 〇

门 2

5|

0 〇 1 ~ 1 2 0 ~ 1 2 〇「 3

60一

-- 53|| 〇 31 〇 (5-5

〇 〇 〇 〇 门

- | 33 -—— 538|||||

[0048] 但し、 上記化合物 ( 5 _ 1 ) 及び ( 5 _ 2) では、 n 1 = nで、 n 1 は 1以上 であり、 上記化合物 (5 - 3) 〜 (5— 6) では、 1^ 1 + 1^ 2 = |·!であり、 1

1以上、 门 2 も 1以上であり、 このときの门は 2〜 200の整数である。

[0049] このような化合物は片末端ハイ ドロジエンポリジメチルシロキサンと トリ メチロールプロパンモノアリルエーテルとを ヒ ドロシリル化反応することで 合成が可能である。

[0050] また、 上記 (〇 成分の活性水素基含有オルガノポリシロキサ ンは、 (0 - 1 ) 成分のオルガノポリシロキサンのみから構成 されていてもよく、 (0 _ 2) 成分の分子鎖片末端のみにカルビノール基を 有するオルガノポリシロ キサンのみから構成されていてもよいが、 (0_ 1 ) 成分と (0_ 2) 成分 〇 2020/175229 20 卩(:171? 2020 /006190

を混合して使用してもよい。

[0051] このとき、 (〇_ 1) 成分と (〇_2) 成分との質量比は、 1 00 : 〇〜

0 : 1 00であることが好ましく、 (〇_2) 成分を配合する場合は 99 :

1〜 1 : 99であることが好ましい。

[0052] ( (0) ポリイソシアネート)

上記 (口) 成分 (ポリイソシアネート) としては、 従来公知のいずれのも のも使用できるが、 例えば、 好ましいものとして、 トルエンー2, 4 -ジイ ソシアネート、 4—メ トキシー 1 , 3—フエニレンジイソシアネート、 4 - イソプロピルー 1 , 3—フエニレンジイソシアネート、 4—クロルー 1 , 3 —フエニレンジイソシアネート、 4—ブトキシ _ 1 , 3—フエニレンジイソ シアネート、 2, 4—ジイソシアネートジフエニルエーテル、 4, 4, ーメ チレンビス (フエニレンイソシアネート) (1\/10 丨) 、 ジュリレンジイソシ アネート、 トリジンジイソシアネート、 キシリレンジイソシアネート (乂口 1) , 1 , 5—ナフタレンジイソシアネート、 ベンジジンジイソシアネート 、 〇—ニトロベンジジンジイソシアネート、 4, 4’ ージイソシアネートジ ベンジルなどの芳香族ジイソシアネート、 メチレンジイソシアネート、 1 ,

4—テトラメチレンジイソシアネート、 1 , 6—ヘキサメチレンジイソシア ネート、 1 , 1 0 -デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪 ジイソシア ネート ; 1 , 4—シクロへキシレンジイソシアネート、 1 , 5—テトラヒド ロナフタレンジイソシアネート、 イソホロンジイソシアネート、 4, 4’ _ メチレンビス (シクロヘキシルイソシアネート) (1 ~ 11 丨) 、 水添X 0 丨などの脂環式ジイソシアネートなど、 或いはこれらのジイソシアネート 化合物と低分子量のポリオールやポリアミン を末端がイソシアネートとなる ように反応させて得られるポリウレタンプレ ボリマーなども使用することが できる。 これらのうち、 4, 4’ ーメチレンビス (フエニレンイソシアネー 卜) 、 キシリレンジイソシアネート、 1 , 6—ヘキサメチレンジイソシアネ —卜、 イソホロンジイソシアネート、 4, 4’ ーメチレンビス (シクロヘキ シルイソシアネート) 水添乂〇 丨が好ましい。 〇 2020/175229 21 卩(:171? 2020 /006190

[0053] (0) 成分の配合量は、 上記 ( ) 〜 (〇 成分由来の活性水素基に対す るイソシアネート基の当量比が、 〇. 9〜 1 . 1 となる配合量が好ましく、 より好ましくは〇. 9 5 ~ 1 . 0 5となる範囲、 特に好ましくは〇. 9 9〜 1 . 0 1 となる範囲である。 当量比が上記範囲内であると、 ウレタンとして の物性が損なわれることなく、 繊維においても安定に紡糸でき、 強度が得ら れる点で好ましい。

[0054] (その他の成分)

( (º) ポリアミン)

本発明で用いるシリコーン変性ポリウレタン 樹脂の合成において、 (巳) ポリアミンを添加してもよい。 (巳) 成分 (ポリアミン) としては、 例えば 、 短鎖ジアミン (脂肪族ジアミン化合物、 芳香族ジアミン化合物、 脂環式ジ アミン化合物) 、 長鎖ジアミン類及びヒドラジン類等が挙げら れ、 (<3) 成 分 (活性水素基含有オルガノボリシロキサン) 以外のものが使用できる。 短 鎖ジアミンとしては、 例えば、 エチレンジアミン、 トリメチレンジアミン、 ヘキサメチレンジアミン、 トリメチルヘキサメチレンジアミン及びオク タメ チレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物 、 フエニレンジアミン、 3 , 3 , ージクロロー 4 , 4’ ージアミノジフエニルメタン、 4 , 4’ ーメチレン ビス (フエニルアミン) 、 4 , 4, ージアミノジフエニルエーテル及び 4 , 4’ ージアミノジフエニルスルホンなどの芳香族 ジアミン化合物、 シクロぺ ンタンジアミン、 シクロヘキシルジアミン、 4 , 4—ジアミノジシクロヘキ シルメタン、 1 , 4—ジアミノシクロヘキサン及びイソホロン アミンなど の脂環式ジアミン化合物等が挙げられる。 長鎖ジアミン類としては、 アルキ レンオキサイ ド (エチレンオキサイ ド、 プロピレンオキサイ ド、 プチレンオ キサイ ドなど) の重合体又は共重合体から得られるものが例 示され、 具体的 にはポリオキシエチレンジアミン、 ポリオキシプロピレンジアミン等が挙げ られる。 ヒドラジン類としては、 ヒドラジン、 カルポジヒドラジド、 アジピ ン酸ジヒドラジド、 セバシン酸ジヒドラジド及びフタル酸ジヒド ラジド等が 挙げられる。 〇 2020/175229 22 卩(:171? 2020 /006190

[0055] また、 アミノ変性タイプのシランカップリング剤を 使用すれば、 自己硬化 反応型の塗料の設計が可能になる。 例えば、 N - 2 - (アミノェチル) 一 3 -アミノプロピルメチルジメ トキシシラン (信越化学工業 (株) 製[<巳1\/1 - 6 0 2) 、 1\1— 2— (アミノェチル) 一 3—アミノプロピルメチルトリメ ト キシシラン (信越化学工業 (株) 製<巳1\/1 - 6 0 3) 、 N - 2 - (アミノェ チル) 一3 -アミノプロピルメチルジェトキシシラン (信越化学工業 (株) 製 巳巳一 6 0 2) 、 3 -アミノプロピルトリメ トキシシラン (信越化学エ 業 (株) 製<巳巳一 6 0 3) 、 3 -アミノプロピルトリェトキシシラン (信 越化学工業 (株) 製[<巳巳一9 0 3) 、 3 -ウレイ ドプロピルトリェトキシ シラン等が挙げられる。

[0056] なお、 (巳) 成分 (ポリアミン) の配合量は、 これを配合する場合、 上記 (八) 〜 (口) 成分の合計量 1 0 0質量部に対して 1〜 3 0質量部、 より好 ましくは 1〜 1 5質量部である。

[0057] (触媒)

本発明で用いるシリコーン変性ポリウレタン 樹脂の合成において、 必要に 応じて触媒を使用できる。 例えば、 ジブチルスズジラウレート、 ジブチルス ズマレェート、 ジブチルスズフタレート、 ジブチルスズジオクタノェート、 ジブチルスズビス (2—ェチルへキサノェート) 、 ジブチルスズビス (メチ ルマレェート) 、 ジブチルスズビス (ェチルマレェート) 、 ジブチルスズビ ス (ブチルマレェート) 、 ジブチルスズビス (オクチルマレェート) 、 ジブ チルスズビス (トリデシルマレェート) 、 ジブチルスズビス (ベンジルマレ ェート) 、 ジブチルスズジアセテート、 ジブチルスズビスイソオクチルチオ グリコレート、 ジブチルスズビス 2—ェチルヘキシルチオグリコレート、 ジ オクチルスズビス (ェチルマレェート) 、 ジオクチルスズビス (オクチルマ レェート) 、 ジブチルスズジメ トキサイ ド、 ジブチルスズビス (ノニルフェ ノキサイ ド) 、 ジブテニルスズオキサイ ド、 ジブチルスズオキサイ ド、 ジブ チルスズビス (アセチルアセトナート) 、 ジブチルスズビス (ェチルアセト アセトナート) 、 ジブチルスズオキサイ ドとシリケート化合物との反応物、 〇 2020/175229 23 卩(:171? 2020 /006190

ジブチルスズオキサイ ドとフタル酸エステルとの反応物、 オクチル酸鉛、 テ トラブチルチタネート、 テトラプロピルチタネート、 テトライソプロピルチ タネート、 チタンテトラキス (アセチルアセトナート) 、 チタンジイソプロ ポキシビス (アセチルアセトナート) 、 チタンジイソプロポキシビス (エチ ルアセテート) 、 又は塩化チタン等に酒石酸等のジオールを反 応させた錯体 などの金属と有機及び無機酸の塩、 及び有機金属誘導体、 トリメチルアミン 、 トリエチルアミン (巳 、 ジイソプロピルエチルアミン (〇 丨 巳八 ) 、 トリー 1·!—ブチルアミン、 トリー —ペンチルアミン、 トリー 11—ヘキ シルアミン、 トリー -ヘプチルアミン、 トリー -オクチルアミン、 1\1- メチルピロリジン、 1\1_メチルピぺリジン、 1\1_メチルモルホリン ( 1\/1〇 ) 、 1\1, 1\1, 1\1, , 1\1, ーテトラメチルエチレンジアミン (丁 1\/1巳 0八) 、

1\1_メチルイミダゾール ( 1\/1 丨) 、 ピリジン、 2, 6—ルチジン、 1 , 3 , 5—コリジン、 1\1, 1\1—ジメチルアミノビリジン (01\/1八?) 、 ピラジン 、 キノリン、 1 , 8 -ジアザビシクロー [5, 4, 0] -7 -ウンデセン ( 0巳11) 、 1 , 4 -ジアザビシクロー [2, 2, 2] オクタン (〇八巳〇〇 ) 等の第三級有機塩基触媒等が挙げられる。

[0058] 触媒の配合量は、 触媒量であり、 好ましくは上記 ( ) 〜 (巳) 成分全体 の総質量に対して〇. 01〜 1 0質量%であり、 より好ましくは〇. 1〜 5 質量%である。

[0059] (有機溶剤)

なお、 本発明で用いるシリコーン変性ポリウレタン 樹脂は無溶剤で合成し ても、 必要であれば有機溶剤を用いて合成してもよ い。 有機溶剤として好ま しい溶剤としては、 イソシアネート基に不活性であるか、 又は (八) ~ (巳 ) 成分等の活性水素基 (アルコール、 アミン、 チオール) よりも低活性なも のが挙げられる。 例えば、 ケトン系溶媒 (アセトン、 メチルエチルケトン、 メチルイソプチルケトン、 シクロへキサノン、 メントンなど) 、 芳香族系炭 化水素溶剤 (トルエン、 〇-キシレン、 01 -キシレン、 ーキシレン、 1 , 3, 5—メシチレン、 1 , 2, 3—メシチレン、 1 , 2, 4—メシチレン、 〇 2020/175229 24 卩(:171? 2020 /006190

ェチルベンゼン、 プロピルベンゼン、 丨 _プロピルベンゼン、 ルベンゼン、 丨 _ブチルベンゼン、 3 6 0—ブチルベンゼン、 1: _ブチルべ ンゼン、 ンチルベンゼン、 丨 _ペンチルベンゼン、 3 6 0—ペンチル ベンゼン、 _ペンチルベンゼン、 n _ヘキシルベンゼン、 丨 _ヘキシルべ ンゼン、 3 ㊀〇—ヘキシルベンゼン、 1: _ヘキシルベンゼン、 スワゾール ( コスモ石油 (株) 製の芳香族系炭化水素溶剤) 、 ソルべッソ (ェクソン化学 (株) 製の芳香族系炭化水素溶剤) など) 、 脂肪族系炭化水素溶剤 (ペンタ ン、 ヘキサン、 ヘプタン、 オクタン、 ノナン、 シクロペンタン、 シクロヘキ サン、 シクロヘプタン、 シクロオクタン、 メチルシクロヘキサン、 ェチルシ クロヘキサン、 プロピルシクロヘキサン、 _ブチルシクロヘキサン、 丨 _ プチルシクロヘキサン、 3 ㊀〇—ブチルシクロヘキサン、 1: _プチルシクロ ヘキサン、 ンチルシクロヘキサン、 丨 _ペンチルシクロヘキサン、 3 ㊀〇 _ペンチルシクロヘキサン、 1: _ペンチルシクロヘキサン、 ヘキシ ルシクロヘキサン、 丨 _ヘキシルシクロヘキサン、 3 6 0—ヘキシルシクロ ヘキサン、 I—ヘキシルシクロヘキサン、 リモネン) 、 アルコール系溶剤 ( メチルアルコール、 ェチルアルコール、 イソプロピルアルコール、 プチ ルアルコール、 丨 3〇—ブチルアルコール、 1: _プチルアルコールなど) 、 ェーテル系溶剤 (ジェチルェーテル、 ーブチルメチルェーテル (丁巳1\/1巳 ) 、 ジブチルェーテル、 シクロペンチルメチルェーテル (〇 1\/1巳) 、 ジフ ェニルェーテル、 ジメ トキシメタン 、 テトラヒドロフラン (丁 1 ~ 1 ) 、 2—メチルテトラヒドロフラン、 2—ェチルテトラヒドロフラン、 テ トラヒドロピラン (丁1 ~ 1 ?) 、 ジオキサン、 トリオキサン、 1 , 2—ジメ ト キシェタン、 ジェチレングリコールジメチルェーテル、 ジェチレングリコー ルジェチルェーテルなど) 、 ェステル系溶剤 (酢酸ェチル、 酢酸プチル、 酢 酸イソプチルなど) 、 グリコールェーテルェステル系溶剤 (ェチレングリコ —ルェチルェーテルアセテート、 プロピレングリコールメチルェーテルアセ テート、 3—メチルー 3—メ トキシブチルアセテート、 ェチルー 3—ェトキ シプロビオネートなど) 、 アミ ド系溶剤 (ジメチルホルムアミ ド (口!\/1 ) 〇 2020/175229 25 卩(:171? 2020 /006190

、 ジメチルアセトアミ ド (口1\/1八〇) 、 1\1—メチルー 2—ピロリ ドン ( 1\/1

II) など) 、 二トリル系溶剤 (アセトニトリル、 プロピオニトリル、 プチロ 二トリル、 ベンゾニトリルなど) が挙げられる。 これらのうち、 溶媒回収、 ウレタン合成時の溶解性、 反応性、 沸点、 水への乳化分散性を考慮すれば、 口 IV! 、 メチルエチルケトン、 酢酸エチル、 アセトン及びテトラヒドロフラ ンなどが好ましい。

[0060] 有機溶剤の配合量は、 シリコーン変性ポリウレタン樹脂 1 〇〇質量部に対 して 2 0 0質量部以下、 好ましくは 1 6 0質量部以下である。

[0061 ] (末端停止剤)

本発明で用いるシリコーン変性ポリウレタン 樹脂の合成工程において、 ポ リマー末端にイソシアネート基が残った場合 、 更にイソシアネート末端の停 止反応を行ってもよい。 例えば、 モノアルコールやモノアミンのような単官 能性の化合物のほか、 イソシアネートに対して異なる反応性をもつ 2種の官 能基を有するような化合物であっても使用す ることができ、 例えば、 メチル アルコール、 エチルアルコール、 _プロピルアルコール、 イソプロピルア ルコール、 1^ _ブチルアルコール、 イソプチルアルコール、 1: _プチルアル コールなどのモノアルコール;モノエチルア ミン、 11—プロピルアミン、 ジ エチルアミン、 ジ _ _プロピルアミン、 ジ _ _プチルアミンなどのモノ アミン;モノエタノールアミン、 ジエタノールアミンなどのアルカノールア ミン等が挙げられ、 このなかでもアルカノールアミン類が反応制 御し易いと いう点で好ましい。

[0062] 上記シリコーン変性ポリウレタン樹脂の数平 均分子量は、 1 0 , 0 0 0〜

2 0 0 , 0 0 0であることが好ましい。 シリコーン変性ポリウレタン樹脂の 数平均分子量が上記範囲中にあれば、 ポリマー溶液中で高分子鎖同士が十分 に絡み合い、 繊維化しやすくなる。 また、 ポリマー溶液がエレクトロスピニ ング法による紡糸に適した粘度を発現させる 点からも、 数平均分子量の範囲 〇 2020/175229 26 卩(:171? 2020 /006190

は上記範囲であることが好ましい。 特に好ましい数平均分子量は 4 0 , 0 0 〇〜 1 2 0 , 0 0 0である。

[0063] <製造工程>

本発明で用いるシリコーン変性ポリウレタン 樹脂からなるナノファイバー は、 下記三つの工程を経て製造されることが好ま しい。 第一工程は、 シリコ —ン変性ポリウレタン樹脂を製造する工程で あり、 第二工程は、 有機溶媒、 水、 若しくはそれらの混合物を用いて、 上記シリコーン変性ポリウレタン樹 脂を含む溶液又は分散液を調製する工程であ り、 第三工程は、 上記シリコー ン変性ポリウレタン樹脂の溶液又は分散液を 紡糸する工程である。

[0064] 第一工程のシリコーン変性ポリウレタン樹脂 を製造する工程としては、 例 えば、 分子内に活性水素基を含まない有機溶剤の存 在下又は溶剤の不存在下 に、 上記 ( ) 数平均分子量 5 0 0以上の長鎖ポリオール、 (巳) 数平均分 子量 5 0 0未満の短鎖ポリオール、 (〇) 活性水素基含有オルガノポリシロ キサン及び (口) ポリイソシアネートを、 イソシアネート基と活性水素基と の当量比が、 通常〇. 9〜 1 . 1 となる配合で、 ワンショッ ト法又は多段法 により、 通常、 2 0 ~ 1 5 0 ° 〇、 好ましくは 5 0〜 1 1 0 ° 〇で反応させる。 生成した樹脂を必要に応じて脱溶剤工程又は 溶剤希釈工程を経て本発明で用 いるシリコーン変性ポリウレタン樹脂 (又はその水中乳化体) を得ることが できる。 得られた溶液又は分散液の固形分濃度は 5〜 5 0質量%であること が好ましく、 より好ましくは 1 0〜 4 0質量%である。 固形分濃度が上記範 囲内にあると、 分散液の安定性及び紡糸性や経済性の点で好 ましい。 なお、 上記固形分濃度とは、 上記溶液又は分散液を 1 0 5 ° 〇で 3時間乾燥させた不 揮発分を指す。

[0065] 上記第二工程は、 有機溶媒、 水、 若しくはそれらの混合物を用いて、 上記 シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む樹脂 の溶液又は分散液を調製するエ 程である。

[0066] 上記第二工程において使用する溶媒は、 1気圧下での沸点が 3 0 0 ° 〇以下 であり、 2 5 °〇で液体である物質であり、 シリコーン変性ポリウレタン樹脂 〇 2020/175229 27 卩(:171? 2020 /006190

及び必要に応じて添加する樹脂を溶解する ものであれば特に限定されない。 例えば、 シリコーン変性ポリウレタン樹脂の重合の際 に用いた溶媒を用いる ことが可能で、 重合で得られたシリコーン変性ポリウレタン 樹脂溶液をその まま用いることもできる。 それ以外の溶媒としては、 ジメチルホルムアミ ド 、 メチルェチルケトン等を代表とする有機溶媒 (ェーテル系化合物、 アルコ —ル系化合物、 ケトン系化合物、 アミ ド系化合物、 二トリル系化合物、 脂肪 族炭化水素、 芳香族炭化水素) 及び水から選ばれた少なくとも 1種類以上の 混合溶媒が挙げられる。

[0067] ェーテル系化合物としては、 例えば、 ジェチルェーテル、 ーブチルメチ ルェーテル (丁巳 IV!巳) 、 ジブチルェーテル、 シクロペンチルメチルェーテ ル (〇 1\/1巳) 、 ジフェニルェーテル、 ジメ トキシメタン テト ラヒドロフラン (丁 1 ~ 1 ) 、 2—メチルテトラヒドロフラン、 2—エチルテ トラヒドロフラン、 テトラヒドロピラン (丁1 ~ 1 ) 、 ジオキサン、 トリオキ サン、 1 , 2—ジメ トキシェタン、 ジェチレングリコールジメチルェーテル

、 ジェチレングリコールジェチルェーテル等が 挙げられ、 特に好ましくは丁 1 ~ 1 である。

アルコール系化合物としては、 例えば、 メタノール、 ェタノール、 1 —プ ロパノール、 2—プロパノール、 1^ _ブチルアルコール、 丨 _ブチルアルコ —ル、 3 _ブチルアルコール、 1: _プチルアルコール、 ェチレングリコール 、 2—メ トキシェタノール、 2— (2—メ トキシェトキシ) ェタノール、 1 , 2—プロパンジオール、 1 , 3—プロパンジオール、 1 , 3—ブタンジオ —ル、 1 , 4—ブタンジオール、 2 , 3—ブタンジオール、 1 , 5—ペンタ ンジオール、 2—ブテンー 1 , 4—ジオール、 2—メチルー 2 , 4—ペンタ ンジオール、 グリセリン、 2—ェチルー 2—メルカプトメチルー 1 , 3—プ ロパンジオール、 1 , 2 , 6—ヘキサントリオール、 シクロペンタノール、 シクロへキサノール、 フェノール等が挙げられ、 特に好ましくはメタノール 、 ェタノール、 ェチレングリコールである。

ケトン系化合物としては、 例えば、 メチルェチルケトン、 メチルイソプチ 〇 2020/175229 28 卩(:171? 2020 /006190

ルケトン、 シクロペンタノン、 シクロへキサノン、 アセトン、 リモネン等が 挙げられ、 特に好ましくはメチルエチルケトンである。

アミ ド系化合物としては、 例えば、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 、 ジ エチルホルムアミ ド、 ジメチルアセトアミ ド (口1\/1八〇) 、 1\1_メチルピロ リ ドン ( 1\/1?) 、 1\1—エチルピロリ ドン、 1 , 3—ジメチルー 2—イミダ ゾリジノン (口1\/1 丨) 、 1 , 3—ジメチルー 3, 4, 5, 6—テトラヒドロ - 2 (1 1 ~ 1) -ピリミジノン 等が挙げられ、 特に好ましくはジ メチルホルムアミ ドである。

二トリル系化合物としては、 例えば、 アセトニトリル、 プロピオニトリル 、 プチロニトリル、 ベンゾニトリル等が挙げられ、 特に好ましくはアセトニ トリル又はプロピオニトリルである。

脂肪族及び芳香族炭化水素としては、 例えば、 トルエン、 〇—キシレン、 ーキシレン、 _キシレン、 1 , 3, 5—メシチレン、 1 , 2, 3—メシ チレン、 1 , 2, 4—メシチレン、 エチルベンゼン、 プロピルベンゼン 、 丨 _プロピルベンゼン、 11 _ブチルベンゼン、 丨 _ブチルベンゼン、 36 〇_ブチルベンゼン、 _ブチルベンゼン、 ペンチルベンゼン、 丨 _ぺ ンチルベンゼン、 3㊀〇—ペンチルベンゼン、 _ペンチルベンゼン、 ヘキシルベンゼン、 丨 _ヘキシルベンゼン、 3㊀〇—ヘキシルベンゼン、 —ヘキシルベンゼン、 シクロペンタン、 シクロヘキサン、 シクロヘプタン、 シクロオクタン、 メチルシクロヘキサン、 エチルシクロヘキサン、 プロピル シクロヘキサン、 ブチルシクロヘキサン、 丨 _ブチルシクロヘキサン、

3㊀〇—ブチルシクロヘキサン、 1: _プチルシクロヘキサン、 ペンチル シクロヘキサン、 丨 _ペンチルシクロヘキサン、 360—ペンチルシクロへ キサン、 1: _ペンチルシクロヘキサン、 ヘキシルシクロヘキサン、 丨 _ ヘキシルシクロヘキサン、 3㊀〇—ヘキシルシクロヘキサン、 1: _ヘキシル シクロヘキサン、 リモネン、 トリフルオロメチルベンゼン等が 挙げられる。

[0068] 混合溶媒の組み合わせとしては、 エーテル系化合物と水、 エーテル系化合 〇 2020/175229 29 卩(:171? 2020 /006190

物とアルコール系化合物、 ケトン系化合物と水、 又はアミ ド系化合物とケト ン系化合物との組み合わせが好ましい。 より好ましくは、 アミ ド系化合物と ケトン系化合物の混合溶媒であり、 混合比率としては、 低沸点のケトン系化 合物を用いると蒸発速度が上がり、 紡糸し難くなるため、 アミ ド系化合物と ケトン系化合物の場合は 5 0 : 5 0〜 8 0 : 2 0 (いずれも質量比) がより 好ましい。

[0069] 上記シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む 樹脂の溶液又は分散液の粘度 は 1〜 1 , 5 0 0 3 · 3の範囲であることが好ましい。 特に好ましい粘 度は 2 0 0〜 8 0 0 3 3である。 なお、 粘度は回転粘度計による 2 5 °〇の粘度である。

[0070] 調製する温度は、 特に限定されないが、 分子量が増大するに従い、 溶解性 の低下や粘度が上昇するため、 加熱して調整してもよい。 その際は、 物性に 影響が出ない範囲で、 例えば室温から 8 0 ° 〇の範囲で、 好ましくは室温から 6 0 °〇の範囲 °〇で、 1分間〜 4 8時間、 好ましくは 1時間〜 2 4時間撹拌す ることが好ましい。

[0071 ] 上記第三工程は、 上記シリコーン変性ポリウレタン樹脂の溶液 又は分散液 を紡糸する工程である。 紡糸方法としては特に限定されないが、 エレクトロ スピニング法 (静電紡糸法 ·電界紡糸法 ·溶融法) が好ましい。

[0072] <エレク トロスピニング法>

エレクトロスピニング法では、 ポリマー溶液を、 ノズルと捕集部の電極間 に高電圧を印加することで形成された静電場 中に吐出し、 形成されるナノフ アイバーを捕集基板に積層することによって 不織布を得ることができる。 こ こで、 不織布とは既に溶媒が蒸発及び除去された状 態のみに限定されず、 溶 媒を含んでいる状態も指す。

[0073] 本発明において好ましく用いられるエレクト ロスピニング法による紡糸装 置について説明する。 上記電極は、 金属、 無機物、 又は有機物のいかなるも のでも導電性を示すものが使用できる。 また、 絶縁物上に導電性を示す金属 、 無機物、 又は有機物の薄膜を持つものであってもよい 。 上記静電場はノズ 〇 2020/175229 30 卩(:171? 2020 /006190

ルと捕集部間に高電圧を印加することで形 成されるもので、 一対又は複数の 電極間で形成されたものでもよい。 例えば、 電圧値が異なる電極が 2つ (例 と、 アースに接続された電極との合計 3つの電極 を用いる場合も含み、 又はそれ以上の複数電極を使う場合も含む。

[0074] エレクトロスピニング法によりナノファイバ ーを製造する際に用いる溶媒 は、 単独で使用しても、 複数の溶媒を組み合わせてもよい。 また、 溶媒の蒸 発速度を調節する方法として、 ノズル形状を調整する方法、 混合溶媒を用い る方法、 紡糸環境温度又は湿度を調整する方法等が挙 げられ、 適宜組み合わ せて使用できる。 これらの中でも、 混合溶媒を用いる解決方法が簡便で有効 である。

[0075] 調製したポリマー溶液をノズルより静電場中 へ吐出するには、 任意の方法 を用いることができる。 例えば、 図 1 において、 ポリマー溶液 2をノズル 1 を備えたポリマー溶液槽へ供給し、 静電場中に固定したポリマー溶液槽のノ ズルからポリマー溶液を噴出させ繊維化させ る。 このためには適宜な装置を 用いることができ、 例えば筒状の注射器シリンジ 3のポリマー溶液保持部分 の先端部に、 適宜の手段、 例えば高電圧発生器 5により電圧をかけた注射針 状のノズル 1 を、 電極を接地した捕集基板 4から適当な距離に設置する。 ポ リマー溶液 2がノズル 1の先端から噴出するときに、 ノズル 1の先端と捕集 基板 4の間にナノファイバーを形成することがで る。

[0076] ポリマー溶液を静電場中に導入する他の方法 としては、 公知の方法を使用 でき、 例えば、 ノズルを有するポリマー溶液の入ったシリン ジに直接、 ナノ ファイバーを捕集する電極と対になる電極を 揷入してもよい。 シリンジでは 容量が小さい場合が多いため、 シリンジの代わりにタンクを使用してもよく 、 タンクの上部から圧力を掛けることで底部の ノズルから紡糸してもよく、 逆にタンクの下部から圧力を掛けることでタ ンク上部のノズルから紡糸して もよい。 この時、 電極をノズルに直接付着させず、 吹き出し口の近くに電極 を配し、 アシストエアーで捕集基盤に積層することも 可能である (特開 2 0 1 0 - 1 2 1 2 2 1号公報) 。 一方、 ノズルを使用しない他の紡糸方法とし 〇 2020/175229 31 卩(:171? 2020 /006190

て、 回転口ールを使った静電紡糸法が提案されて いる。 例えば、 回転口ール をポリマー溶液で満たした浴に浸潰し、 口ール表面上にポリマー溶液を付着 させ、 この表面に高電圧を印加し、 静電紡糸を行う方法である。

[0077] ポリマー溶液をノズルから静電場中に供給す る場合、 数個のノズル (特開

2007— 30303 1号公報) やアシストエアーの吹付部を設けること ( 特開 201 4 _47440号公報) で繊維積層構造体の生産速度を増加させ ることも可能である。 また、 品質を向上させるためにノズルと捕集基板の 間 に電極体を配置し、 所定の電位を付与することで、 ナノファイバーの配向性 を高める方法 (特開 2008— 223 1 86号公報) 、 複数個のノズルにア シストエアー吹出口を設け、 ノズル間の位置を制御したノズルを使用する こ と (特開 201 4- 1 77728号公報) や、 混合溶液を複数のノズルへ送 液する時にギヤポンプを使用することで、 均一な繊維径と処理速度を高速化 することも可能である (特開 201 0- 1 8977 1号公報) 。 電極間の距 離は、 電圧、 ノズル寸法 (直径) 、 紡糸液流量、 紡糸液濃度等に依存するが 、 コロナ放電を抑えるためにも、 例えば印加電圧が 1 0〜 20 Vのときに は 5〜 30〇 の距離が適当である。 コロナ放電を抑える他の方法として真 空下で紡糸することも可能である。

[0078] 印加する電圧の大きさは特に限定されないが 、 印加する電圧は 3〜 1 00

Vであることが好ましい。 より好ましくは 5〜 30 Vである。

[0079] ポリマー溶液が噴出するノズルの寸法 (吐出口の内径) は、 特に限定され ないが、 生産性と得られる繊維径とのバランスを考慮 すると、 〇. 05〜 2 111 が好ましく、 より好ましくは〇. である。

[0080] ポリマー溶液の供給速度 (又は押出速度) は、 特に限定されないが、 目的 とする繊維径に影響を与えるため、 適当な値を設定することが好ましい。 例 えば、 ポリマー溶液の供給速度は、 1個のノズル当たり〇. 01〜 0. I /' ^ \ 1^が好ましい。

[0081] 上記構成は、 電極が捕集基板を兼ねる場合であるが、 電極間に設置した捕 集基板にナノファイバーを捕集することも可 能である。 この場合、 例えばべ 〇 2020/175229 32 卩(:171? 2020 /006190

ルト状の補修基板を電極間に設置すること で、 連続的な生産も可能となる。

[0082] ポリマー溶液を捕集基板へ積層させる際、 溶媒が蒸発して繊維積層構造体 が形成される。 一般的に、 室温であれば捕集基板上に捕集されるまでの 間に 溶媒は蒸発するが、 溶媒の蒸発が不十分な場合は減圧条件下で紡 糸してもよ い。 また、 紡糸環境温度は、 使用する溶媒によって異なり、 溶媒の蒸発やポ リマー溶液の粘度に依存する。 一般的には〇〜 5 0 ° 〇で行うが、 揮発性の低 い溶媒を用いた場合は、 5 0 ° 〇を超える温度であってもよく、 紡糸装置や得 られる繊維積層構造体の機能を損なわない範 囲であればよい。 湿度は〇〜 5 0 % [¾ 1 ~ 1が適当であるが、 ポリマー濃度や溶媒の種類等によって適宜変 更可 能である。 このためにポリマー溶液供給用のシリンジや タンクに温度制御機 構や湿度制御機構を設けることも可能である 。 なお、 本発明においてポリマ —濃度とはポリマー溶液中のポリウレタン樹 脂成分の総量をポリマー溶液の 総量で割った計算値を指す。

[0083] 第三工程の上記シリコーン変性ポリウレタン 樹脂の溶液又は分散液を紡糸 する工程後に、 得られたナノファイバーで構成された繊維積 層構造体から使 用した有機溶剤を除去するため、 任意に洗浄処理及び/又は乾燥処理を追加 して行ってもよい。 また用途に応じて更に滅菌処理を追加して行 ってもよい

[0084] 洗浄処理としては、 使用した有機溶剤が溶解する液体を用いるこ とが好ま しく、 用途を考慮すれば、 水、 イオン交換水、 蒸留水等が好ましい。 乾燥処 理としては、 温度や乾燥時間については特に制限はないが 、 例えば得られた ナノファイバーで構成された繊維積層構造体 について 8 0 °〇 2 4時間乾燥さ せることで十分に有機溶剤の除去が可能であ る。

[0085] <シリコーン変性ポリウレタン樹脂を含む 脂から形成されたナノファイバ ->

上記のようにして得られるナノファイバーは 、 平均繊維径が 2 0 0 0 n 未満の繊維であり、 好ましくは 1 0 0 0 n 未満、 より好ましくは 4 0 0〜 7 0 0 01のナノファイバーである。 平均繊維径が上記の範囲であると、 医 〇 2020/175229 33 卩(:171? 2020 /006190

療用材料として通常の繊維と比較してナノ サイズ効果が得られる。

[0086] 本発明で用いるナノファイバーは、 単独で用いてもよいが、 取扱い性やそ の他の要求事項に合わせて、 他の部材と組み合わせて使用してもよい。 例え ば、 捕集基板として不織布、 織布、 フィルム等の支持基材を用い、 その上に 本発明で用いるナノファイ/ 一を積層することで、 支持基材と本発明の繊維 積層構造体を組み合わせた複合材を製造する ことも可能である。

[0087] 本発明において得られる上記シリコーン変性 ポリウレタン樹脂を含む樹脂 から形成されたナノファイバーで構成された 繊維積層構造体は、 その用途に 応じて、 得られるナノファイバーに対して種々の特性 を付与 ·改善する目的 で、 例えば無機若しくは有機物フィラー、 機能性薬剤等の各種添加物を、 物 性を損なわない範囲で配合若しくは繊維積層 構造体に吸着 ·吸収させること もできる。

[0088] 本発明で用いるナノファイバーは、 上記シリコーン変性ポリウレタン樹脂 を含む樹脂から形成されるものであり、 該樹脂は上記シリコーン変性ポリウ レタン樹脂のみから形成されていることが好 ましいが、 必要に応じビニル樹 月旨、 アクリル樹脂、 メタクリル樹脂、 エポキシ樹脂、 ウレタン樹脂、 オレフ ィン樹脂、 シリコーン樹脂等の樹脂を単独で又は 2種以上併用して〇〜 5 0 質量%、 より好ましくは〇〜 2 0質量%含有してもよい。

[0089] 本発明において、 繊維積層構造体とは、 得られた単数又は複数のナノファ イバーが積層され、 織る、 編む若しくはその他の手法により形成された 立体 構造体を指す。 具体的な繊維積層構造体の形態としては、 例えば不織布、 チ ューブ、 メッシュ等が挙げられる。

[0090] 本発明で用いるナノファイバーで構成される 繊維積層構造体について、 弾 性率は好ましくは より好ましくは である。 その表面の動摩擦係数は好ましくは〇. 5〜 2 . 0、 より好ましくは 0 . 5 〜 1 . 0である。 熱伝導率は好ましくは〇. 0 0 1〜〇. よ り好ましくは 0 . 0 1〜〇. 0 である。 水接触角は好ましくは 1

0 0 ° 以上 (撥水性) 、 より好ましくは 1 2 0〜 1 6 0 ° である。 水分率は 〇 2020/175229 34 卩(:171? 2020 /006190

好ましくは 1 5 0 %以下、 より好ましくは 5 0〜 1 2 0 %であり、 破断伸び は好ましくは 8 0 %以上であり、 より好ましくは 1 0 0 %以上である。

[0091 ] なお、 上記弾性率、 動摩擦係数、 熱伝導率、 水接触角、 水分率は以下の方 法で測定した値である。

<弾性率>

各繊維積層構造体を幅 長さ 1 0〇!〇!の試験片とし、 小型卓上試験 ( (株) 島津製作所製) を使用して、 引張速度 1 一歪み曲線から弾性率を求めた。

<動摩擦係数>

水平方向引っ張り試験機 0 3 - X ( (株) 島津製作所製) を用いて、 荷 重 2 0 0 9、 移動速度〇. 3 分の条件における動摩擦係数を求めた。 条件:繊維積層構造体一上質紙間の動摩擦係 数

<熱伝導率>

丨 巳 (力卜ーテック ( 株) 製) を使用し、 熱伝導率を測定した。

<水接触角>

自動接触角計〇!\/1 _ 5 0 1 ! ! 丨 (協和界面科学 (株) 製) を使用し、 純水 の静的接触角を測定した。

<水分率>

各繊維積層構造体を 2 4時間水中で浸透し、 その後2 4時間6 0 °0 (」 丨 3 1_ 1 0 9 6) の条件で乾燥した。

水分率 (%) = (乾燥前の質量 (9) 一乾燥後の質量 (9) ) /乾燥後の質 量 ( 9) X 1 0 0

[0092] 本発明では、 上記ナノファイバーで構成された繊維積層構 造体を医療用及 び医療機器用等に用いられる材料 (医療用材料) として使用するものである 。 この医療用材料の具体例としては、 再生医療工学等に使用される細胞足場 材又は培養基材、 カテーテル、 人工血管等の医療用チューブ、 キズパッ ト等 の擦傷材料又はガーゼ (創傷被覆材) 、 血中成分分離用のろ過膜等が挙げら 〇 2020/175229 35 卩(:171? 2020 /006190

れ、 特に上記ナノファイバーで構成された繊維積 層構造体が細胞接着性及び 細胞増殖性に優れ、 生体適合性を有することから細胞足場材、 創傷被覆材に 好適に用いることができる。

実施例

[0093] 以下、 本発明を実施例と比較例に基づいて具体的に 説明するが、 本発明は これらの実施例に限定されるものではない。 なお、 実施例、 比較例中の 「部 」 及び 「%」 は、 特に断らない限り質量基準である。 また、 以下の各実施例 及び比較例における評価項目は以下の通りの 手法にて実施した。

[0094] 以下の実施例において、 数平均分子量 (IV! n) はゲルパーミエーションク ロマトグラフィー (〇 〇) によって測定されるポリメタクリル酸メチル ( 1\/11\/1八) 換算の値である。 なお、 〇 〇測定は、 装置: 1 ~ 11_〇一 8320 〇 〇 (東ソ _ (株) 製) 、 溶剤 (展開溶媒) :テトラヒドロフラン (丁1 ~ 1 ) 、 樹脂濃度 = 0. 1 %の条件にて行った。 赤外吸収スぺクトル分析は装 置: 1\1 丨 〇〇 !_巳丁 6700 (サーモフィッシャーサイエンティフィック ( 株) 製) を用いて確認した。

[0095] <シリコーンブロック変性ウレタン樹脂の合 成>

(合成例 1 _ 1 : 3 丨 II 1 _ 1の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 7丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9<01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 両末端型シリコーンジオール (化 合物 (2- 1) において、 45 9 、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 676. 59を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 68. 09を添加し、 次いで、 80 ° 〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270〇 - 1 の吸収が消失するまで反 〇 2020/175229 36 卩(:171? 2020 /006190

応を進行させた。 その後、 口1\/1 60. 1 9及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 3 1 5. 79で希釈して、 シリコーン含有率 1 〇. 0%、 数平均分子量 73, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 I 1) 1 — 1の溶液を得た。 結果を表 1 に示す。

[0096] (合成例 1 _ 2 : 3 丨 II 1 _ 2の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 1 55 9 、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 両末端型シリコーンジオール (化 合物 (2- 1) において、 909、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 659. 7 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 56. 89を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270〇 - 1 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 58. 69及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 307. 99で希釈して、 シリコーン含有率 2〇. 5%、 数平均分子量 88, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 丨 1) 1 — 2の溶液を得た。 結果を表 1 に示す。

[0097] (合成例 1 _ 3 : 3 丨 II 1 _ 3の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 7 5 9 、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 両末端型シリコーンジオール (化合 物 (2— 1) において、 n = 20) 1 709、 ジメチルホルムアミ ド (0 IV! ) 646. 2 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、 〇 2020/175229 37 卩(:171? 2020 /006190

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 47. 89を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 57. 49及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 301. 69で希釈して、 シリコーン含有率 39. 4%、 数平均分子量 1 02, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 丨 11 1 — 3の溶液を得た。 結果を表 1 に示す。

[0098] (合成例 2 : 3 丨 II 2の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 両末端型シリコーンジオール (化 合物 (2- 1) において、 45 9 、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 667. 7 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 62. 1 9を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 60. 39及びメチルエチルケトン (IV!巳 <) 3 1 1. 69で希釈して、 シリコーン含有率 1 0. 1 %、 数平均分子量 87, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 1 112 の溶液を得た。 結果を表 1 に示す。

[0099] (合成例 3 : 3 丨 II 3の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ 〇 2020/175229 38 卩(:171? 2020 /006190

ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 両末端型シリコーンジオール (化 合物 (2- 1) において、 〇1= 40) 45 9 、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 663. 6 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 59. 49を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270〇 - 1 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 59. 09及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 309. 7 9 で希釈して、 シリコーン含有率 1 0. 2%、 数平均分子量 79, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 1 113 の溶液を得た。 結果を表 1 に示す。

[0100] (合成例 4 : 3 丨 II 4の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 両末端型シリコーンジオール (化 合物 (2- 1) において、 45 9 、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 66 1. 79を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 58. 1 9を添加し、 次いで、 80 ° 〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 58. 89及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 308. 8 9 で希釈して、 シリコーン含有率 1 0. 2%、 数平均分子量 75, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 1 114 の溶液を得た。 結果を表 1 に示す。 〇 2020/175229 39 卩(:171? 2020 /006190

[0101] <ポリウレタン樹脂の合成>

(比較合成例 1 : II 1の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 7丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9<01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4—ブタンジオール 389、 ジメチルホルムアミ ド (01\/1 )

590. 9 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、 50 。◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート) (1\/10 丨) 1 5 5. 99を添加し、 次いで、 80 ° 〇に昇温して反応させた (活性水素基に対 するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定され る遊離イソシアネート基による 2, 270〇 の吸収が消失するまで反応を 進行させた。 その後、 口1\/1 52. 59及びメチルエチルケトン (IV!巳 )

275. 79で希釈して、 シリコーン含有率 0%、 数平均分子量 75, 00 0、 固形分濃度 30%のシリコーン非含有ポリウレタン樹脂 1) 1の溶液を 得た。 結果を表 1 に示す。

[0102] [表 1]

〇 2020/175229 40 卩(:171? 2020 /006190

[0103] <シリコーングラフト変性ポリウレタン樹 の合成 >

(合成例 5 : 3 丨 II 5の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 片末端型シリコーンジオール (化 合物 (5- 1) において、 n = 1 0) 509、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 686. 4 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 69. 69を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270〇 - 1 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 6 1. 09及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 320. 3 9 で希釈して、 シリコーン含有率 1 0. 9%、 数平均分子量 (!\/^) 7 1 , 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 丨 II 5の溶液を得た。 結果を表 2に示す。

[0104] (合成例 6 : 3 I ? II 6の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 片末端型シリコーンジオール (化 合物 (5- 1) において、 n = 25) 48 9 、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 669. 0 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 60. 69を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 〇 2020/175229 41 卩(:171? 2020 /006190

される遊離イソシアネート基による 2, 270 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 59. 59及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 3 1 2. 69で希釈して、 シリコーン含有率 1 〇. 7%、 数平均分子量 70, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 1 116 の溶液を得た。 結果を表 2に示す。

[0105] (合成例 7 : 3 丨 II 7の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 片末端型シリコーンジオール (化 合物 (5- 1) において、 n = 30) 48 9 、 ジメチルホルムアミ ド (口 IV! ) 668. 6 9 を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、

50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート)

1 59. 79を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素基 に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測定 される遊離イソシアネート基による 2, 270〇 - 1 の吸収が消失するまで反 応を進行させた。 その後、 口1\/1 59. 49及びメチルエチルケトン (IV!巳 ) 3 1 2. 0 9 で希釈して、 シリコーン含有率 1 〇. 8%、 数平均分子量 72, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 1 117 の溶液を得た。 結果を表 2に示す。

[0106] (合成例 8 : 3 丨 II 8の合成)

撹拌機、 還流冷却管、 温度計、 窒素吹き込み管及び開口部を備えた反応容 器を用意した。 反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、 ポリテトラメチ レンエーテルグリコール (商品名 「?〇 丨 ソ丁1 ~ 1 1 000」 、 巳八3 ジ ャパン社製、 数平均分子量 1 , 〇〇〇、 水酸基価 1 1 3 9 <01 ~ 1/9) 2 009、 1 , 4 -ブタンジオール 389、 片末端型シリコーンジオール (化 合物 (5 - 1) において、 n = 1 20) 47 9 、 ジメチルホルムアミ ド (0 〇 2020/175229 42 卩(:171? 2020 /006190

1\/1 ) 662. 99を仕込んだ。 加熱撹拌を開始して系内が均一となった後 、 50°◦で 4, 4, ーメチレンビス (フエニレンイソシアネート) I ) 1 56. 99を添加し、 次いで、 80°〇に昇温して反応させた (活性水素 基に対するイソシアネート基の当量比 = 1) 。 赤外吸収スぺクトル分析で測 定される遊離イソシアネート基による 2, 270〇 の吸収が消失するまで 反応を進行させた。 その後、 口1\/1 58. 99及びメチルエチルケトン (IV! 巳 ) 309. 39で希釈して、 シリコーン含有率 1 0. 6%、 数平均分子 量 78, 000、 固形分濃度 30%のシリコーンポリウレタン樹脂 3 丨 11 8の溶液を得た。 結果を表 2に示す。

[0107] [表 2]

[0108] <繊維積層構造体の作製 (紡糸条件) >

各合成例より得られた樹脂 (3. 0 9 ) に対し、 1\1, 1\1 -ジメチルホルム アミ ドとメチルエチルケトンの混合溶媒 (質量比 64 : 36) を表 3に示す 樹脂濃度となるように添加し、 室温で 24時間撹拌を行い、 均一な乳白色の 溶液を得た。 図 1 に示す装置を用いて、 ノズル 1の内径〇. ノズル

1から捕集基板 4までの距離 1 0〇〇1、 押出速度〇. で、 〇 2020/175229 43 卩(:171? 2020 /006190

ポリマー溶液を捕集基板 4へ 1 0時間吐出した。 各紡糸の際における印加電 圧を表 3に示す。

得られた繊維積層構造体の 3巳1\/1画像より繊維径を 5 0箇所測定し、 その 平均繊維径及び標準偏差を求めた。 以上の結果を表 3に示す。

[0109] [表 3]

[01 10] [実施例 1 ]

上記のようにして得られた繊維積層構造体に ついて細胞接着性を評価した

<試料の前処理 (溶媒除去処理 ·滅菌処理) >

本発明におけるナノファイバーで構成された 繊維積層構造体の評価におい て、 含まれる有機溶剤の影響を完全に除くために 、 前処理として溶媒除去処 理を実施した。 上記より得られた各サンプルを蒸留水で 4 8時間撹拌洗浄し 、 8 0 °〇で 2 4時間乾燥させた。

その後、 本発明におけるナノファイ/ 一で構成された繊維積層構造体の評 価を正確に行うため、 前処理として以下のように滅菌処理を行った 。

上記より得られた各サンプルを直径 1 の円形にカツ トし、 1条件に つき 3つの試料を用意し、 48ウエルの培養プレート (T P P t i s s u e c u l t u r e p i a t e s、 T P Pテクノプラスチックプロダクツ 社製) のウエルに試料を 1枚ずつ入れ、 その上に外径 9 mmのガラス製のク 口ーニングリング (丨 WAK I、 A GCテクノグラス (株) 製) を置くこと で固定した。 試料を滅菌するために、 培養プレート内の試料を 70 %エタノ —ル水溶液で 1時間浸潰し、 リン酸緩衝生理食塩水で 3回洗浄してエタノー ルを除去した。

[0111] <細胞接着性試験>

N I H 3 T3 (マウス胎児 繊維芽細胞) をイーグル培地に懸濁させて ( 約 50000細胞/ 1 mL培地) 、 上記滅菌処理後の培養プレートの各ウエル に添加し、 37°Cのインキユベーター内で 3時間培養した。 培養後、 L DH 法で試料に接着した細胞数を評価するために 、 試料を培養プレートから取り 出し、 1 mLの 0. 5%T r i t o n X- 1 00/P BS (リン酸緩衝食塩 水) 溶液に浸潰した。

L D H活性は、 T h e r mo S c i e n t i f i c Mu l t i s k a n FCマイクロプレート光度計 (サーモフィッシャーサイエンティフィッ ク (株) 製) を用いて、 波長 34 O n mの吸光度から測定される。

L DH (乳酸脱水素酵素) の酵素活性は、 細胞膜損傷により損傷細胞又は 死細胞から細胞培地に放出されるときの L D Hの化学反応 (即ち、 L DH量 ) から測定することができる。 L DHは NAD (酸化型ニコチンアミ ドアデ ニンジヌクレオチド) を補酵素として用いて乳酸を変換し、 ピルビン酸と N ADH (還元型ニコチンアミ ドアデニンジヌクレオチド) を生成する。 溶液 中の生成された N A D Hの量 (上記 0. 5%T r i t o n X— 1 00/P BS溶液への浸潰により試料に接着した細胞か 細胞培地に放出された L D Hの量に比例するもの) に対応する 340 n mでの吸光度値を用いて、 既知 数の細胞で予め作成した検量線より、 溶液内に存在する細胞数を接着細胞数 として求め、 3つの試料の平均値を平均接着細胞数とした その結果を表 4 に^^す。 〇 2020/175229 45 卩(:171? 2020 /006190

[0112] [表 4]

[0113] <細胞接着性の結果>

各実施例は、 比較例より接着細胞数の増加が認められた。 これは、 !\1 I !! 3丁 3 (マウス胎児 繊維芽細胞) が試料中のシリコーンによる撥水性の高 い表面、 即ち疏水性表面に成長しやすいためであると 考えられる。

また、 各合成例の樹脂からなるフィルムを作成し同 様の評価を行ったが、 細胞の接着は認められなかった。

[0114] [実施例 2]

上記のようにして得られた繊維積層構造体に ついて実施例 1 と同様にして 前処理 (溶媒除去処理及び滅菌処理) を施した後、 細胞増殖性を評価した。

<細胞増殖性試験>

1\1 I 1 ~ 13丁3 (マウス胎児 繊維芽細胞) をイーグル培地に懸濁させて ( 約 50000細胞/ 1 !_培地) 、 上記滅菌処理後の培養プレートの各ウエル に添加し、 37 ° 〇のインキュベーター内で一定期間 (1 日間及び 3日間) 培 養した。 培養後、 法で試料表面に増殖した細胞数を評価するた めに、 試料を培養プレートから取り出し、 1 1_の 0. 5%T r i t o n X- 1 0 〇/ 巳 3溶液に浸潰した。

法による増殖した細胞数の評価は、 培養 1 日後、 3日後の試料につ いて実施例 1 と同様の方法により細胞数を求め、 実施例 1 と同様にして求め 〇 2020/175229 46 卩(:171? 2020 /006190

た平均接着細胞数との差分を平均増殖細胞 数とした。 その結果を表 5に示す

[01 15] [表 5]

[01 16] また別途、 3日間培養後、 試料表面における細胞の増殖性を調べるため に 、 試料表面と細胞の形状を日本電子 (株) 製の走査型電子顕微鏡 (3巳1\/〇 (繊維積層構造体:倍率 1 0 0 0倍、 加速電圧 1 0 1< V) で観察した。 その際、 3日間培養後、 培地をプレート内から取り出し、 細胞の増殖を停止させ、 細胞の形状を保持するために、 架橋剤としてパラホ ルムアルデヒド ( 八) 溶液をプレート内に入れ、 固定化した。 各エタノ —ル勾配溶液 (5 0、 7 0、 9 5、 9 9 . 5 %) を用いて、 3 0分間浸潰の 連続プロセスにより脱水した後、 室温乾燥した。 3巳1\/1で観察するために試 料を白金でコーティングした。

各実施例における培養 3日後の 3巳1\/1画像 (倍率 1 0 0 0倍) を図 2〜 9 に^^す。

[01 17] <細胞増殖性の結果>

各実施例は、 比較例よりも培養 3日後における平均増殖細胞数が多い結果 となった。 また、 3巳 IV!画像から、 実施例 2 _ 1〜 2 _ 7では細胞の形状が ナノファイバーの形状に沿つて増殖しており 、 これによりナノファイバーを 足場として細胞が増殖していることが示唆さ れた。 これにより細胞増殖に適 〇 2020/175229 47 卩(:171? 2020 /006190

した材料であることが証明された。

上記実施例の結果から、 本発明におけるナノファイバーで構成された 繊維 積層構造体は、 細胞外マトリックス (巳〇1\/1) の模倣に適した構造体という 特徴のほかに、 細胞の移動安定性を高める構造であり、 組織工学用足場材料 として有利である。

[0118] [実施例 3]

上記のようにして得られた繊維積層構造体 (構造体 1 _ 1、 1 _2、 1 — 3、 2〜 8の 1 0種) について実施例 1 と同様にして前処理 (溶媒除去処理 及び滅菌処理) を施した後、 以下の細胞毒性を評価した。 なお、 ここでは試 料の大きさを直径約 1 0 の円形プレートとし、 培養プレートに入れるこ となく滅菌処理した。 また、 陽性対照材料として、 医療用二トリル系手袋を の円形にカッ トしたものを用いた。

[0119] <細胞毒性評価方法>

ナノファイバーで構成された繊維積層構造体 の生体適合性について定性的 に評価するために、 細胞毒性評価として、 丨 30 1 0993 _ 5規格に沿 って、 以下のように細胞の直接接触法を用いて評価 した。

即ち、 丨 !·! 3 丨 33マウスから採取し、 3日ごとに

シユに 3X 1 0 5 (300, ィッシユの密度で撒き 直して樹立させた 1\1 丨 1 ~ 13丁 3マウス胚線維芽細胞を各プレート表面に播 し、 細胞がプレート表面全体を覆うまで、 37 ° 〇で培養した。 次に、 繊維積 層構造体試料をプレート中央の細胞層上にク ローニングリング (丨 \ZVAK 丨 、 八 0(3テクノグラス (株) 製) で固定し、 培地を交換した。 24時間培養 後、 各プレートから試料を取り出した後、 トリパンブルーを添加し、 顕微鏡 (倍率 40倍) で形態変化を観察した。 グレード 0 (非毒性) からグレード 4 (重度の毒性) の評価基準に従って毒性を評価した。

[0120] <細胞毒性評価結果>

上記の条件で評価を行った結果、 構造体 1 _ 1、 1 —2、 1 —3、 2〜 8 のいずれにおいてもグレード 0となり、 細胞との接触による毒性を示さなか 〇 2020/175229 48 卩(:171? 2020 /006190

っ,こ。

また、 構造体 4 (3 丨 11 4) と構造体 8 (3 丨 11 8) における顕微鏡 観察を行った結果をそれぞれ図 1 0、 図 1 1 に示す。 図 1 2に示す陽性対照 材料の場合と比較して、 細胞の形状は維持されており、 細胞は生存可能であ った。

これらのことから、 試料中に存在するシリコーン変性ポリウレタ ン樹脂の ナノファイバーは、 材料の細胞毒性/生体適合性に対して悪い影 を与えて いないことが分かった。

[0121 ] 以上の結果、 シリコーン変性ポリウレタン樹脂のナノファ イバーは、 シリ コーンによる変性のないポリウレタン樹脂よ りも細胞接着性、 細胞増殖性に 優れ、 組織工学用足場材料 (細胞足場材) や防水包帯などの創傷被覆材等の 生物医学材料に適した生体適合性を有するこ とを示した。

産業上の利用可能性

[0122] 本発明で規定するシリコーン変性ポリウレタ ン樹脂を含む樹脂から形成さ れるナノファイバーを含む医療用材料はシリ コーンによる変性のないポリウ レタン樹脂よりも細胞接着性、 細胞増殖性に優れることから、 例えば細胞足 場材、 人工皮膚、 人工臓器や創傷包帯等の創傷被覆材において 使用可能であ り、 本発明は医療及び医療機器の分野に寄与でき るものである。

符号の説明

[0123] 1 ノズル

2 ポリマー溶液

3 シリンジ (ポリマー溶液槽)

4 捕集基板

5 高電圧発生器