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Title:
MEDICATED PATCH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133272
Kind Code:
A1
Abstract:
A conventional medicated patch containing an anti-inflammatory agent causes a dermatitis or the like on rare occasion by excess irradiation with light. For overcoming the problem, a medicated patch is provided, which comprises an anti-inflammatory agent, BM-DBM as an ultraviolet absorber, and hexyl laurate as an agent for accelerating the migration of the ultraviolet absorber into the skin in an adhesive base material thereof.

Inventors:
SUZUKI SHIGEO (JP)
KOZUMA MIYUKI (JP)
TSURUDA KIYOMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057841
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HISAMITSU PHARMACEUTICAL CO (JP)
SUZUKI SHIGEO (JP)
KOZUMA MIYUKI (JP)
TSURUDA KIYOMI (JP)
International Classes:
A61K47/14; A61K9/70; A61K31/192; A61K47/08; A61K47/30; A61P29/00
Domestic Patent References:
WO2006090839A12006-08-31
WO2005110482A12005-11-24
WO2001068061A12001-09-20
WO2006090833A12006-08-31
WO2006090839A12006-08-31
Foreign References:
JPS62240613A1987-10-21
JPS62240614A1987-10-21
JPS61260028A1986-11-18
JPS60155111A1985-08-15
JPS60155111A1985-08-15
JPH09169658A1997-06-30
Other References:
See also references of EP 2143445A4
Attorney, Agent or Firm:
KUZUWA, Kiyoshi (KUZUWA & PARTNERS T & T Bldg.,8-21, Tomihisa-cho,Shinjuku-k, Tokyo 67, JP)
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Claims:
 粘着基剤に支持体を積層した貼付剤であって、該粘着基剤に抗炎症剤、紫外線吸収剤、およびラウリン酸ヘキシルを含有する、前記貼付剤。
 ラウリン酸ヘキシルの配合量が、0.1質量%~10質量%である、請求項1に記載の貼付剤。
 抗炎症剤が、ケトプロフェンである、請求項1または2に記載の貼付剤。
 紫外線吸収剤が、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンである、請求項1~3のいずれかに記載の貼付剤。
 粘着基剤が、さらにポリテルペン樹脂を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の貼付剤。
Description:
貼付剤

 本発明は、貼付剤に関する。さらに詳し は、抗炎症剤を含有する貼付剤において、 稀に起こる過度の光による皮膚炎等の発生 十分に防止できる貼付剤に関する。

 抗炎症剤を含有する製剤は、筋肉痛、腰痛 どの緩和のため頻繁に用いられ、その剤型 経口剤、注射剤、外用剤と様々である。
 この中で、外用剤においては、過度の光照 による抗炎症剤の光分解反応の影響により 極稀にではあるが、皮膚炎等が生じるおそ があった。そのため、光による皮膚炎等を 制すべく、抗炎症剤の光分解反応を抑制す 方法(特許文献1)、抗炎症剤を含有する貼付 の支持体に紫外線吸収剤を配合する方法(特 許文献2)、また、抗炎症剤含有外用剤に酸化 タンを配合する方法(特許文献3)などが開示 れており、さらに近年では、かかる効果を らに高めるため、外用剤基剤に含有する紫 線吸収剤の皮膚移行性をあげるように、皮 移行性の高い紫外線吸収剤を配合する方法( 特許文献4)、大豆レシチンを配合する方法(特 許文献5)なども提案されている。

 尚、特許文献1には、クリーム剤のクリー ム基剤および軟膏剤の軟膏基剤としてラウリ ン酸ヘキシルが、特許文献4には、軟膏剤の 膏基剤、ゲル剤のゲル基剤およびクリーム のクリーム基剤としてラウリン酸ヘキシル 、特許文献5には、貼付剤の有機系紫外線吸 剤の溶解剤および粘着基剤の可塑剤として ウリン酸ヘキシルがそれぞれ記載されてい が、いずれも通常使用される脂肪酸エステ 類の選択肢の一つとして記載されているに まり、ラウリン酸ヘキシルを配合した具体 な処方については、いずれの文献にも開示 れていない。

特開昭60-155111号公報

国際公開第01/68061号パンフレット

特開平9-169658号公報

国際公開第06/090833号パンフレット

国際公開第06/090839号パンフレット

 その後の研究において、従来の貼付剤で 紫外線吸収剤の皮膚移行性が十分でないこ 、また、大豆レシチンを紫外線吸収剤の皮 移行性促進剤として含有する貼付剤は、粘 基剤の変色や皮膚への付着性が低下するな 、新たな課題に直面した。

 したがって、本発明の課題は、抗炎症剤 含有する貼付剤において、極稀に発生する 度の光による皮膚炎等の発生を効果的に防 し、消炎鎮痛効果を十分に有する貼付剤で って、かつ上記問題点を解消した、より付 価値の高い十分に満足のいく貼付剤を提供 ることにある。

 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭 研究を行なう中で、ラウリン酸ヘキシルを 有する貼付剤が、上記問題点を全て解決し ることを見出し、さらに研究を進めた結果 本発明を完成した。

 すなわち本発明は、粘着基剤に支持体を積 した貼付剤であって、粘着基剤に抗炎症剤 紫外線吸収剤、およびラウリン酸ヘキシル 含有する貼付剤に関する。
 また、前記ラウリン酸ヘキシルの配合量が0 .1質量%~10質量%である貼付剤に関する。
 さらに、前記抗炎症剤が、ケトプロフェン ある貼付剤に関する。
 また、前記紫外線吸収剤が、4-tert-ブチル-4 -メトキシジベンゾイルメタンである貼付剤 に関する。
 さらに、前記粘着基剤が、さらにポリテル ン樹脂を含有する貼付剤に関する。

 紫外線吸収剤の皮膚への移行をより促進 ることにより、過度の光による皮膚炎等の 生をより十分に抑制できることは、特許文 4および5に示されているとおりであるが、 のメカニズムについては必ずしも明らかで ない。紫外線吸収剤が光感受性の抗炎症剤 共に皮膚に移行することにより、抗炎症剤 対して、製剤中のみならず皮膚中において 、光を遮断することによるものと考えられ 。

 また、本発明の貼付剤における、ラウリ 酸ヘキシルの紫外線吸収剤の皮膚移行性を 加させるメカニズムについては、必ずしも らかではないが、エステル結合を有する脂 性のラウリン酸ヘキシルが、極度に脂溶性 高い紫外線吸収剤と、水分を含む皮膚の角 層との間の仲立ちをして、紫外線吸収剤の 膚への分配を向上させるものと考えられる

 本発明の貼付剤は、抗炎症剤への過度の 照射による皮膚炎の発現が顕著に防止され 消炎鎮痛効果を十分に奏することができる のであり、かつ粘着基剤の経時的な変色や 着性低下などの問題を生じない、十分に満 のいく貼付剤であり、安全性が極めて高い 薬品としての応用が期待されるものである

 本発明の貼付剤の粘着基剤に配合される抗 症剤としては、ケトプロフェン、インドメ シン、フェルビナク、ジクロフェナク、フ ルビプロフェン、ロキソプロフェン、チア ロフェン酸、スプロフェン、トルメチン、 ルプロフェン、ベノキサプロフェン、ピロ シカム、ベンジダミン、ナプロキセン、イ プロフェン、ジフルニサール、アザプロパ ン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコ ル、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフ コキシブ、アセトアミノフェン、メフェナ 酸、クロフェゾン、スルピリン、アミノプ フェン、ナプロキセン、プラノプロフェン メピリゾール、オキサプロジン、テノキシ ム、ロルノキシカム、メロキシカムおよび/ またはこれらの薬学的に許容できる塩が1種 たは2種以上含有される。これらの中でも、 ンゾフェノン類似骨格を有するケトプロフ ン、チアプロフェン酸、トルメチンが好ま く、さらにケトプロフェンが特に好ましい
 配合量としては、十分な薬効を示せば特に 定はされないが、0.1質量%~10質量%、好まし は0.2質量%~5質量%、さらに好ましくは1質量%~4 質量%配合される。

 本発明の貼付剤の粘着基剤に配合される紫 線吸収剤は、過度の光照射による皮膚炎等 防止する紫外線吸収剤であれば特に限定は れず、ジベンゾイルメタン誘導体、ベンゾ ェノン誘導体、ケイ皮酸誘導体、カンファ 誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、アミ 系化合物、ベンゾイルピナコロン誘導体か なる群から選択される。好ましくは、4-tert- ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-( 4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安 息香酸n-ヘキシルエステル、4-ヒドロキシ-3- トキシケイ皮酸、4-ヒドロキシ-3-メトキシケ イ皮酸の分岐鎖状アルキルエステル、テレフ タリリデン-3,3’-ジカンファー-10,10’-ジスル ホン酸、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4- チル-6-〔2-メチル-3-〔1,3,3,3-テトラメチル-1- (トリメチルシリル)オキシ〕ジシロキサニ ル〕プロピル〕フェノール、ジメトキシベ ジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオ 酸2-ヘキシルエステル、1-(3,4-ジメトキシフ ニル)-4,4-ジメチル-1,3ペンタンジオンからな 群から選択され、さらに好ましくは4-tert-ブ チル-4’-メトキシジベンゾイルメタンまたは その類似化合物の紫外線吸収剤が挙げられ、 特に4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイル タン(以下、BM-DBM)が好ましい。
 紫外線吸収剤の配合量としては、特に限定 れないが、0.01質量%~20質量%、好ましくは1質 量%~10質量%、さらに好ましくは2質量%~7質量% 合される。

 また、本発明では、抗炎症剤の皮膚移行 を低下させることなく、紫外線吸収剤の皮 への移行を促進させる皮膚移行性促進剤と て、ラウリン酸ヘキシルを貼付剤の粘着基 に配合する。

 本発明貼付剤は、紫外線吸収剤の移行量 、皮膚炎等の発生を効果的に防止し、消炎 痛効果を奏するに十分な程度となるように 宜調整する。好ましくは、ヘアレスマウス よる皮膚移行試験に記載した方法で測定し 、5.0μg/15mmφ~20μg/15mmφ、より好ましくは5.0μ g/15mmφ~15μg/15mmφ、さらに好ましくは6.0μg/15mm ~15μg/15mmφ、さらにより好ましくは6.0μg/15mmφ ~10μg/15mmφ、とくに好ましくは8.0μg/15mmφ~10μg/ 15mmφとなるように調整する。

 ラウリン酸ヘキシルの配合量は、所期の 果を奏する限り特に限定されないが、製剤 物性を考慮して、0.1質量%~10質量%、好まし は1質量%~7質量%、さらに好ましくは2質量%~5 量%配合される。

 紫外線吸収剤の皮膚移行量が十分でない 過度の光照射による皮膚炎等を効果的に防 できない傾向があるところ、本発明の貼付 においては、ラウリン酸ヘキシルを含有す ので、紫外線吸収剤の皮膚移行性を向上さ 、かつケトプロフェンの経皮吸収量はほと ど変化させない。従って、本発明の貼付剤 、通常望まれる抗炎症作用を十分に発揮す ことができる。 

 本発明の貼付剤における抗炎症剤、紫外 吸収剤およびラウリン酸ヘキシルの粘着基 中の配合比率は、本発明の効果を有する配 比率ならば特に限定はされないが、抗炎症 の光分解反応を防止して十分に本発明の効 を得ること、紫外線吸収剤の結晶析出を防 すること、さらに十分な粘着力といった好 しい製剤物性などを考慮して、2:1~10:0.1~5で り、好ましくは2:2~5:1~3であり、さらに好ま くは2:2.2~3.8:1.2~2.8である。

 また、BM-DBMなどの紫外線吸収剤は常温で結 状態であるため、貼付剤の粘着基剤中に配 するためには、溶解剤を同時に配合するこ も可能である。このような溶解剤としては 通常使用できる溶解剤、例えばクロタミト 、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソ ロピル、アジピン酸ジイソプロピル、大豆 シチン、モノカプリル酸プロピレングリコ ル、ジカプリル酸プロピレングリコール等 適宜選択することが可能である。
 溶解剤の配合量は特に限定されないが、製 の物性を考慮して、0.1質量%~10質量%、好ま くは1質量%~5質量%配合される。

 本発明の貼付剤の粘着基剤は、従来貼付剤 用いる粘着基剤であれば、特に限定はされ いが、ゴム系、アクリル系、シリコン系ま はこれらの2種以上の混合物として用いるこ とが可能で有る。 
 ゴム系基剤では特に限定はされず、合成ゴ 、天然ゴム等のポリイソプレンゴム、スチ ン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプ ン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン ブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-ス レンブロック共重合体、ポリイソブチレン どから選択される。 

 アクリル系粘着基剤であれば、特に限定 されないが、炭素数4~18の脂肪族アルコール と(メタ)アクリル酸から得られる(メタ)アク ル酸アルキルエステルとビニルピロリドン たはその他の官能性モノマーとの共重合体 好適である。

 アクリル酸エステル系ポリマーであれば 特に限定されないが、好ましくは、(メタ) クリル酸アルキルエステルを主成分として 重合した共重合体である。(メタ)アクリル酸 アルキルエステルとしては、具体的にはアル キル基がブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ チル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ ル、ドデシル、トリデシル等の炭素原子数が 4以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが 挙げられ、これらの単独でまたは2種以上組 合わせて使用される。

 上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステ と共重合し得るモノマーとしては、例えば (メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸 、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有す るモノマー;スチレンスルホン酸、アリルス ホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート 、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスル ン酸、アクリルアミドメチルプロパンスル ン酸等のスルホン酸基を有するモノマー;( タ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、( メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステ 等のヒドロキシル基を有するモノマー;(メタ )アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルア ミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチ ロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を する(メタ)アクリル酸誘導体;(メタ)アクリ 酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸 ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アク ル酸-ブチルアミノエチルエステル等の(メ )アクリル酸アミノアルキルエステル;(メタ) クリル酸メトキシエチルエステル、(メタ) クリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)ア クリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等 の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエス ル;(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリ ールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシ エチレングリコールエステル、(メタ)アクリ ル酸メトキシポリエチレングリコールエステ ル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレ グリコールエステル等の(メタ)アクリル酸 ルコキシアルキレングリコールエステル;(メ タ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピ ン酸ビニル、N-ビニル-2-ピロリドン、メチル ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニル ピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペ ラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、 ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム 、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等 のビニル基を有する化合物等が挙げられ、こ れらの単独でまたは2種以上組み合わせて使 される。これらのモノマーの共重合量は、 られる共重合体の重量平均分子量に応じて 宜設定される。

 シリコン系の粘着基剤としては、ポリジメ ルシロキサンが好ましい。
 粘着基剤に用いられるこれらの高分子の、 成全体の質量に基づく配合量は、粘着剤層 形成および十分な透過性を考慮して、5~60質 量%、好ましくは20~55質量%、さらに好ましく 25~50質量%である。

 粘着基剤中には上記のほか粘着付与剤、 塑剤、充填剤、吸収促進剤等が適宜配合さ る。

 粘着付与剤としては、軟化点が60℃~150℃の のが好ましく、例えばロジンエステル、水 ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンエ テル、ポリテルペン樹脂、石油樹脂を用い ことができる。特に、抗炎症剤の皮膚移行 を低下させることなく、紫外線吸収剤の皮 への移行を促進させるため、ポリテルペン 脂が好ましい。
 その配合量は特に限定されないが、製剤の 性を考慮して、0.1質量%~30質量%、好ましく 3質量%~20質量%、さらに好ましくは5質量%~15質 量%配合される。

 可塑剤としては、石油系オイル(例えば、 パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プ ロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等) スクワラン、スクワレン、植物系オイル(例 ば、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、ト ル油、ラッカセイ油)、シリコンオイル、二 塩基酸エステル(例えば、ジブチルフタレー 、ジオクチルフタレート等)、液状ゴム(例え ば、ポリブテン、液状イソプレンゴム)、液 脂肪酸エステル類(ミリスチン酸イソプロピ 、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソ ロピル)、ジエチレングリコール、ポリエチ レングリコール、サリチル酸グリコール、プ ロピレングリコール、ジプロピレングリコー ル、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ク ロタミトン等が挙げられる。特に流動パラフ ィン、液状ポリブテン、ミリスチン酸イソプ ロピル、セバシン酸ジエチル等を用いること ができる。

 充填剤としては炭酸カルシウム、炭酸マ ネシウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミ ニウム、ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、 酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カル ウム、酸化亜鉛、酸化チタン、合成ケイ酸 ルミニウム、脂肪酸金属塩(たとえばステア ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等を 用いることができる。

 本発明の外用剤は、当業者には既知の製造 法で製造することができるが、貼付剤を例 して以下に説明する。
 薬物含有粘着層は、いずれの方法によって 製造されることができるが、例えば、薬物 含む基剤組成を熱融解させ、離型紙又は支 体に塗工後、支持体又は離型紙と張り合わ て本剤を得る。また、別の製造方法として 、薬物を含む基剤成分をトルエン、ヘキサ 、酢酸エチル等の溶媒に溶解させ、離型紙 は支持体上に伸展して溶剤を乾燥除去後、 持体あるいは離型紙と張り合わせ貼付剤を る。 

 本発明の貼付剤の支持体には、伸縮性また 非伸縮性の支持体を用いることができる。 えば織布、編布、不織布、ポリウレタン、 リエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ リデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレ タレート、アルミニウムシート等、又はそ らの複合素材から選択される。
 またライナーは、貼付剤を皮膚に適用する で、粘着層を保護し得るものであれば特に 定されないが、具体的には、ポリエチレン レフタレート等のポリエステル、ポリ塩化 ニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、 質紙とポリオレフィンとのラミネートフィ ム等が挙げられる。これらのライナーにお ては、粘着層と接触する側の面にシリコー 処理を施すと、製剤からライナーを剥離す 際の作業容易性が高められるので好ましい

 以下に試験例及び実施例を示し、本発明 さらに具体的に説明するが、本発明はこれ の実施例に限定されるものではなく、本発 の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変 が可能である。なお、実施例において「%」 は、全て質量%を意味するものとする。

〔実験例1〕
(大豆レシチン含有貼付剤の変色試験)
 スチレン-イソプレン-スチレンブロック共 合体(SIS)、ポリテルペン樹脂、ケトプロフェ ン、流動パラフィンを粘着基剤成分として均 一な粘着基剤を調製し、140℃で保管するとき 、かかる成分に大豆レシチンを含有させた場 合と含有させない場合において色調の変化の 有無を観察した。
 試験1および2の各成分の具体的配合量は表1 示し、その結果の写真を図1および2に示す

 表1、図1および2に示した結果から明らか ように、大豆レシチンを配合した粘着基剤 は、加熱による著しい着色が認められた。

〔実験例2〕
(付着性試験)
 SIS共重合体、水添ロジングリセリンエステ 、流動パラフィンを加熱攪拌して溶解物を た。次いで、ケトプロフェン、BM-DBM、溶解 、大豆レシチンを上記溶解物に添加し、混 して均一な溶解物としてのプラスター剤用 剤を得た。該基剤を重量が70cm 2 あたり1gとなるように、シリコン処理したポ エステルフィルムに展延した後、ポリエス ル織布で覆い圧着転写させ、所望の大きさ 裁断し、本発明のプラスター剤を得た。  験3、試験4、および試験5の貼付剤の各成分 具体的配合量、プローブタックおよび180°剥 離を観察した結果を表2に示す。

<プローブタック試験>
ASTM D 2979記載の試験機を使用
プローブ部先端材質:ベークライト樹脂
接着面の直径:5mm
引離し速度:5mm/sec
接着荷重:100gf/cm 2
接着時間:1sec
<180°剥離試験>
 試料幅20mmの貼付剤をフェノール製樹脂に貼 り付け、直ちに質量850gのゴムローラーで1往 圧着し、貼付剤の一端を180°折り返して300mm /minのスピードで引き剥がす。

 表2に示した結果から明らかなように、大 豆レシチンを含有する試験3および4貼付剤に 明らかな付着性の低下が認められた。

〔実験例3〕
(BM-DBMの溶解性試験)
 添加剤2gに対してBM-DBM1gを混合し、140℃で溶 解後30分間室温冷却してその様子を観察した その結果を表3に示す。30分後においてもBM-D BMの結晶析出が確認されなかったものには○ 結晶析出が確認されたものには×を付した

 表3に示した結果から明らかなように、セ バシン酸ジイソプロピル、L-メンチルグリセ ルエーテルおよびラウリン酸ヘキシルに特 良好なBM-DBM溶解性を確認した。

〔実施例1および2〕
(BM-DBMおよびケトプロフェンのヘアレスマウ による皮膚移行試験)
 ヘアレスマウスから採取した皮膚を4等分し 、生理食塩水を含ませたろ紙(7×7cm 2 )上に広げ、その上に直径15mmの円形(φ15mm)に 断した製剤を貼付した。このとき、皮膚が 燥しないようろ紙には適宜生理食塩水を追 した。また、試験は皮膚温が35℃になる様水 浴上にしたプレートで行なった。貼付6時間 、製剤が中心になるようにヘアレスマウス 皮膚を直径20mmの円形(φ20mm)に切り抜いた。 り抜いた皮膚から製剤をゆっくり剥がし取 、皮膚中のBM-DBMおよびケトプロフェンの抽 処理をした。抽出処理は、以下の通りであ 。
 冷凍保存しておいた皮膚をピンセットで持 ながら、シャーレの上でハサミを用いて細 し、10mL試験管に入れた。細断に使用したシ ャーレ、ハサミ、ピンセットをメタノール2mL (1mLずつ2回)で洗浄し、洗液を試験管に入れた 。さらに内標準物質(ベンゾフェノン)の濃度 150μg/mlのアセトニトリル溶液2mLを正確に加 、ポリトロンで3分間ホモジナイズし、つづ いて3000rpmで10分間遠心分離した。この上清を メンブランフィルターでろ過し、試料溶液と した。
 抽出後、液体クロマトグラフィーを用いた 標準法により、試料溶液中のBM-DBMおよびケ プロフェンの含量を定量した。液体クロマ グラフィーの測定条件を以下に示す。
測定装置:Shimadzu LC-10A
使用カラム:TSK gel ODS-80TS(4.6I.D.×150mm)
溶離液:0.2%酢酸水溶液:アセトニトリル=15:85
溶離液流速:1.2ml/min
カラム温度:40℃
検出器:UV358nm
 なお、定量した含量を、直径15mmの円形に裁 断した製剤(面積177mm 2 )からのBM-DBMおよびケトプロフェンの移行量 して、単位「μg/15mmφ」で表した。

 貼付した製剤は、次の通りに製造した。SIS 重合体、樹脂、流動パラフィンを攪拌して 解物を得た。次いで、ケトプロフェン、BM-D BM、溶解剤、セバシン酸ジイソプロピルまた ラウリン酸ヘキシルを上記溶解物に添加し 混合して均一な溶解物としてのプラスター 用基剤を得た。該基剤を重量が70cm 2 あたり1gとなるように、シリコン処理したポ エステルフィルムに展延した後、ポリエス ル織布で覆い圧着転写させ、所望の大きさ 裁断し、本発明のプラスター剤を得た。  成分の具体的配合量を表4に示し、BM-DBMおよ ケトプロフェンの移行量測定結果を表4、図 3および4に示す。

 表4、図3および4に示した結果から明らか ように、ラウリン酸ヘキシル配合の実施例1 貼付剤は、セバシン酸ジイソプロピル配合の 比較例1と比較して、ケトプロフェン移行量 変化させずにBM-DBMの移行量を向上させるこ が確認された。

 次に、ラウリン酸ヘキシルに加えてポリ ルペン樹脂を用いた場合と、ラウリン酸ヘ シルおよびポリテルペン樹脂を用いない場 の貼付剤を同様に作成した。各成分の具体 配合量を表5に示し、BM-DBMおよびケトプロフ ェンの移行量測定結果を表5、図5および6に示 す。

 表5、図5および6に示した結果から明らかな うに、ラウリン酸ヘキシルに加えてポリテ ペン樹脂を用いた実施例2貼付剤は、BM-DBMの 移行を促進するとともに、ケトプロフェンの 移行も促進できることが確認された。
 一方、ラウリン酸ヘキシルおよびポリテル ン樹脂を用いていない比較例2貼付剤は、BM- DBM移行量およびケトプロフェンの移行量が最 小の結果となった。
 尚、実施例2貼付剤および比較例2貼付剤と に、室温2ヶ月間の観察において結晶が析出 るようなことはなかった。
 このように、ラウリン酸ヘキシルを含有す 粘着基剤に、さらにポリテルペン樹脂を配 することにより、BM-DBM移行量およびケトプ フェン移行量を至適に調整し、より効果の い貼付剤を実現できることが示唆された。

大豆レシチン1%配合粘着基剤の加熱前 の色調変化を比較した写真図である(左:製造 直後、右:140℃、4時時間後)。 大豆レシチン未配合粘着基剤の加熱前 の色調変化を比較した写真図である(左:製 直後、右:140℃、4時時間後)。 実施例1、比較例1および2の貼付剤を貼 したときのBM-DBMの移行量を比較したグラフ ある。 実施例1、比較例1および2の貼付剤を貼 したときのケトプロフェンの移行量を比較 たグラフである。 実施例1、2および比較例2の貼付剤を貼 したときのBM-DBMの移行量を比較したグラフ ある。 実施例1、2および比較例2の貼付剤を貼 したときのケトプロフェンの移行量を比較 たグラフである。