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Title:
METAL HALIDE LAMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142875
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a metal halide lamp. The metal halide lamp includes a hermetically sealed vessel comprising a discharge part having a discharge space in its interior and a sealing part provided continuously on the discharge part. A discharge medium containing a rare gas and methyl iodide and substantially free from mercury is contained in the discharge space. A pair of electrodes are provided so that one end of the electrodes is sealed to the sealing part, and the other end of the electrodes is disposed opposite to the discharge space. The electrode contains not less than 0.1% by weight and not more than 0.7% by weight of thorium oxide and not less than 0.0010% by weight of potassium.

Inventors:
YAMADA JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051109
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
January 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HARISON TOSHIBA LIGHTING CORP (JP)
YAMADA JUN (JP)
International Classes:
H01J61/06; H01J61/20
Foreign References:
JP2007115615A2007-05-10
JP2006066076A2006-03-09
Attorney, Agent or Firm:
SUYAMA, Saichi (1 Kandata-cho 2-chome, Chiyoda-ku Tokyo 46, JP)
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Claims:
 内部に放電空間が形成された放電部、前記放電部に連続形成された封止部を有する気密容器と、前記放電空間に希ガスおよびヨウ化メタルを含み、水銀は本質的に含まない放電媒体と、前記封止部に一端が封着され、他端は前記放電空間に対向配置された一対の電極とを具備し、
 前記電極は0.1重量%以上、0.7重量%以下の酸化トリウムと、0.001重量%以上のカリウムを含有していることを特徴とするメタルハライドランプ。
 前記電極はタングステンを主構成材料として含むことを特徴とする請求項1に記載のメタルハライドランプ。
 前記電極の先端部の直径をR(mm)としたとき、R≧0.30mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタルハライドランプ。
 始動時に安定時に対して略2倍以上の電力が供給され、点灯されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のメタルハライドランプ。
 前記電極は、アルミニウム及びケイ素をさらに含有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のメタルハライドランプ。
Description:
メタルハライドランプ

 本発明は、自動車の前照灯等に用いられ メタルハライドランプに関するものである

 自動車の前照灯に用いられる光源として 、従来はハロゲンランプが用いられていた 、現在は高圧放電タイプのメタルハライド ンプが主流となりつつある。このメタルハ イドランプは、水銀、キセノンなどを発光 せることにより高輝度が得られるランプで るが、環境に配慮すべく、水銀の使用を規 したメタルハライドランプ(以下、水銀フリ ーランプ)が開発されており、例えば、特開 11-238448号公報(以下、特許文献1)などにより られている。

 ただし、水銀フリーランプは、従来の水 入りのメタルハライドランプと比較して、 らつきが発生することが知られており、最 の場合、アークが不安定になりランプが消 てしまう、いわゆる立ち消えが発生する。 こで、特開2007-115615号公報(以下、特許文献2 )、特開2006-66076号公報(以下、特許文献3)に記 のように、水銀フリーランプに酸化トリウ を含有した電極を用いることがある。

特開平11-238488号公報

特開2007-115615公報

特開2006-66076公報

 しかし、酸化トリウム含有の電極を備え 水銀フリーランプにおいて、比較的短時間 ちらつきが発生してしまうという問題が生 ている。この問題について検討したところ 電極中の酸化トリウムとヨウ化メタルとが 応することにより生成される遊離ヨウ素の 生が原因であることが判明した。そこで、 離ヨウ素の発生を抑制するために、酸化ト ウウムの含有量を低減してみたところ、短 間でのちらつきは抑制できるが、長時間は らつきを抑制しがたいことがわかった。

 本発明の目的は、ちらつきの発生を長時 抑制することができるメタルハライドラン を提供することにある。

 上記目的を達成するために、本発明のメ ルハライドランプは、内部に放電空間が形 された放電部、前記放電部に連続形成され 封止部を有する気密容器と、前記放電空間 希ガスおよびヨウ化メタルを含み、水銀は 質的に含まない放電媒体と、前記封止部に 端が封着され、他端は前記放電空間に対向 置された一対の電極とを具備し、前記電極 0.1重量%以上、0.7重量%以下の酸化トリウム 、0.0010重量%以上のカリウムを含有している とを特徴とする。

 本発明によれば、酸化トリウム入りの電 に、さらにカリウムを添加しているので、 らつきの発生を長時間抑制することができ 。

本発明のメタルハライドランプの第1の 実施の形態について説明するための図である 。 図1のメタルハライドランプの一仕様に ついて説明するための図である。 酸化トリウム含有量が0.5重量%でカリウ ムの含有量が異なるタングステン電極を具備 するランプ1~7のランプ電圧の時間的変化と立 ち消え発生時間について説明するための図で ある。 酸化トリウム含有量が異なるタングス ン電極を具備するランプ11~16のランプ電圧 時間的変化と立ち消え発生時間について説 するための図である。 カリウム含有量が異なるタングステン 極を具備するランプ21~26のランプ電圧の時 的変化と立ち消え発生時間について説明す ための図である。 酸化トリウム含有タングステン電極と 酸化トリウム、カリウム含有タングステン 極の先端部の寿命中の状態について説明す ための模式図である。

 以下、本発明のその他の特徴及び利点に いて、発明を実施するための最良の形態に いて説明する。

(第1の実施の形態)
 以下に、本発明のメタルハライドランプの 実施形態であるメタルハライドランプにつ て、図面を参照して説明する。図1は、本発 明のメタルハライドランプの第1の実施の形 について説明するための図である。

 本実施の形態のメタルハライドランプは 主要部として気密容器1を有する。気密容器 1はランプ軸方向に細長い形状であって、そ 略中央部に略楕円形の放電部11が形成されて いる。放電部11の両端部には、板状の封止部1 2a、12bが形成されており、さらにその両端に 、筒状の非封止部13a、13bが形成されている なお、気密容器1としては、耐熱性と透光性 を具備した材料、たとえば石英ガラスによっ て形成することができる。

 放電部11の内部には、軸方向において、中 部が略円柱状、その両端部がテーパ状の放 空間14が形成されている。この放電空間14の 積は100mm 3 以下、特に自動車前照灯の用途の場合には10m m 3 ~40mm 3 であるのが望ましい。

 放電空間14には、金属ハロゲン化物2及び ガスとからなる放電媒体が封入されている 金属ハロゲン化物2は、ナトリウム、スカン ジウム、亜鉛、インジウムなどの金属にハロ ゲンが結合された状態で用いられる。これら の金属に結合されるハロゲンとしては、ハロ ゲンの中で最も反応性が低いヨウ素が好適で あり、すなわち、ヨウ化メタルとして封入さ れるのが望ましい。ただし、使用可能なハロ ゲンはヨウ素のみに限定されるものではなく 、臭素、塩素、又は複数のハロゲンを組み合 わせて使用してもよい。

 希ガスとしては、始動直後の発光効率が く、主に始動用ガスとして作用するキセノ が封入されている。キセノンの封入圧力と ては10atm以上が望ましく、さらに13~20atmであ るが望ましい。

 ここで、放電空間14には、本質的に水銀 含まれていない。この「本質的に水銀を含 ない」とは、水銀を全く含まないか、又は 来の水銀入りのメタルハライドランプと比 してもほとんど封入されていないに等しい 度の量、例えば1mlあたり2mg未満、好ましく 1mg以下の水銀量が存在していても許容する のとする。

 封止部12a、12bの内部には、マウント3a、3b が封止されている。このマウント3a、3bは、 属箔3a1、3b1、電極3a2、3b2、コイル3a3、3b3、 部リード線3a4、3b4を一体的に構成してなる

 金属箔3a1、3b1、例えば、モリブデンから る薄い金属板である。

 電極3a2、3b2は、その基端側は金属箔3a1、3 b1の放電部11側の端部に接続され、先端側(前 基端と対向する端部の側)は放電空間14内で 定の電極間距離を保って、互いの先端同士 対向するように配置されている。ここで、 定の電極間距離としては、見た目上、すな ち実際の距離ではなく、ランプの外観上に ける距離で4.2mm程度であるのが望ましい。 た、電極3a2、3b2の先端の直径は、0.30mm以上 0.40mm以下であるのが望ましい。これにより 電極の先端郡の温度が低下するため、電極 溶融を抑制することができる。

 なお、電極3a2、3b2は、タングステンに0.1 量%以上、0.7重量%以下の酸化トリウムと、0. 0010重量%以上(=10ppm以上)のカリウムが含有さ てなる。ただし、カリウムを多量に電極に 加すると電極の製造が困難になるため、カ ウムの含有量としては、現状、0.0200重量%が 界である。また、カリウムを含有させるた に微量のアルミニウムとケイ素も添加され いる。なお、酸化トリウムの含有量は、放 空間14に突出している電極部分について、 硫酸カリウム溶融-ICP発光分光法(測定装置と してエスアイアイ・ナノテクノロジー杜製、 SPS1500Vを使用)により測定することができる。 また、カリウムの含有量は、同様の電極部分 を、過酸化水素分解-フレームレス原子吸光 (測定装置としてパーキンエルマー杜製、SIMA A6000を使用)により測定することができる。

 コイル3a3、3b3は、例えば、ドープタング テンからなり、封止部12a、12bに封着された 極3a2、3b2の軸部の軸周りに螺旋状に巻かれ いる。ただし、金属箔3a1、3b1と接続された 極3a2、3b2の軸部分にはコイル3a3、3b3は巻装 ておらず、箔端から放電空間14方向に巻装 ている。

 外部リード線3a4、3b4は、例えば、モリブ ンからなり、放電部11に対して反対側の金 箔3a1、3b1の端部に、溶接等により接続され いる。そして、外部リード線3a4、3b4の他端 は、管軸に沿って封止部12a、12bの外部に延 し、非封止部13a、13bの略中央に位置しなが さらに外部方向に延びている。なお、前端 に延出したリード線3b4には、ニッケルから るL字状のサポートワイヤ3cの一端が接続さ ている。そのサポートワイヤ3cの他端は、後 述するソケット6の方向に延出している。そ て、管軸と平行しているサポートワイヤ3cに は、セラミックからなるスリーブ4が被覆さ ている。

 上記で構成された気密容器1の外側には、 石英ガラスにチタン、セリウム、アルミニウ ム等の酸化物を添加することにより、紫外線 を遮断性する作用を有する筒状の外管5が、 軸に沿って気密容器1と同心状に設けられて る。それらの接続は、気密容器1両端の筒状 の非封止部13a、13bと外管5の両端部を溶融す ことにより行なわれている。すなわち、気 容器1と外管5の両端には、溶着部51a、51bが形 成されている。なお、気密容器1と外管5との の空間には、例えば、窒素やネオン、アル ン、キセノン等の希ガスを一種又は混合し 封入したりすることができる。

 そして、気密容器1を内部に覆った状態の 外管5の非封止部13a側には、ソケット6が接続 れる。これらの接続は、外管5の非封止部13a 付近の外周面に装着された金属バンド71を、 ケット6の気密容器1保持側の開口端に形成 れた4本の金属製の舌片72(図1では、2本を図 )により挟持することによって行なわれてい 。そして、接続をさらに強固にするため、 属バンド71及び舌片72の接触点を溶接してい る。なお、ソケット6の底部には底部端子8a、 側部には側部端子8bが形成されており、それ れリード線3a4、サポートワイヤ3cが接続さ ている。

 これらで構成されたランプの底部端子8a 側部端子8bに点灯回路を接続し、始動時は約 75W、安定時が約35Wの電力が供給され、点灯さ れる。すなわち、始動時の光束立ち上がり等 の特性を良好にするために、始動時には安定 時に対して略2倍以上の電力が供給される点 方式が採用されている。この高電力が供給 れているときは、電極が最も高温になると であり、電極が溶融しやすい。

 図2は、図1のメタルハライドランプの一 様について説明するための図である。なお 以下の試験は特に言及しない限り寸法、材 等はこの仕様に基づいて行っている。

 放電容器1:石英ガラス製、放電空間14の内容 積=28mm 3 、内径A=2.5mm
、外径B=6.2mm、長手方向の球体長C=7.8mm、
 金属ハロゲン化物2:ScI 3 、NaI、ZnI 2 、InBr、総封入量=0.6mg
 希ガス:キセノン=12atm、
 水銀:0mg、
 金属箔3a1、3b1:モリブデン製、
 電極3a2、3b2:トリエーテッドタングステン製 、直径R=0.38mm、電極間
距離D=4.2mm、酸化トリウム=0.5重量%、カリウム =0.0050重量%、
 コイル3a3、3b3:ドープタングステン製。

 図3は、酸化トリウム含有量が0.5重量%で リウムの含有量が異なるタングステン電極 具備するランプ1~7のランプ電圧の時間的変 と立ち消え発生時間について説明するため 図である。なお、試験条件は、自動車前照 HID光源の規格であるJEL215に定められたEU120分 モードの点滅サイクルである。

 この図からわかるように、ランプ1~7はそ ランプ電圧の時間的変化(傾き)はほぼ同じ あるが、立ち消え発生時間が大きく異なる 果になっている。具体的には、カリウムを まないランプ1とカリウムを0.0005重量%含むラ ンプ2では、ランプ電圧が55Vに達した1500時間 過後に立ち消えてしまっているが、カリウ を0.0010~0.0200重量%含むランプ3~7ではランプ 圧が60Vに達する2200時間まで立ち消えが発生 なかった。すなわち、酸化トリウムを0.5重 %含有するタングステン電極においては、0.0 010~0.0200重量%のカリウムをさらに添加すれば ちらつきおよび立ち消えが発生しにくくな ことがわかる。

 このような結果になった理由としては、 下のように推測される。

 図4は、酸化トリウム含有量が異なるタン グステン電極を具備するランプ11~16のランプ 圧の時間的変化と立ち消え発生時間につい 説明するための図である。

 この図からわかるように、電極の酸化ト ウムの含有量とランプ電圧増加の傾きとは 関係があることがわかる。これは、酸化ト ウムの含有量が多いほど、ランプ電圧を上 させる作用のある遊離ヨウ素が放電空間中 多くなるためと考えられる(詳細は、当杜先 願の特願2007-32027を参照)。また、酸化トリウ 含有タングステン電極では、ランプ電圧が 55Vになると立ち消えていることがわかる。 たがって、酸化トリウムの含有量が多いと 立ち消え発生電圧である55Vに早く達し、短 間で立ち消えることになる。なお、酸化ト ウムの含有量が少ないランプ11や12において 55Vになる前に立ち消えているのは、他のラン プと比較して電極先端部のトリウムの枯渇領 域が広がり、電極の仕事関数が上昇したため と考えられる。

 図5は、カリウム含有量が異なるタングス テン電極を具備するランプ21~26のランプ電圧 時間的変化と立ち消え発生時間について説 するための図である。

 この図からわかるように、カリウムには 酸化トリウム以上に、より短時間でランプ 圧を上昇させる作用があることがわかる。 方で、立ち消え発生電圧は、ランプ22~26で 約60Vと酸化トリウムよりも高いことがわか 。

 以上の試験結果を考慮すると、酸化トリ ムとカリウムとを組み倉わせてタングステ 電極に含有することは通常考えない。酸化 リウムとカリウムも、ランプ電圧を上昇さ る作用があり、それらを組み合わせるとさ に短時間で立ち消えると予想されるからで る。

 しかし、図3に示されているように、それ ぞれを使用した図4、5よりも立ち消えが改善 れている。そこで、図3~5を比較すると驚く きことに気づく。それは図3のランプ4は、 4のランプ13のランプ電圧上昇と近い特性を し、立ち消え発生電圧は図5のランプ23の立 消え発生電圧である約60Vであるということ ある。すなわち、ランプ4にはランプ13の立 消え発生電圧が低いというデメリットとラ プ23のランプ電圧上昇が早いというデメリッ トが発生していない。これは、酸化トリウム 含有タングステン電極では、寿命中、電極先 端領域はトリウムが枯渇し、先端領域が図6(a )に示すように純タングステンに近い状態に っているのに対し、酸化トリウム、カリウ 含有タングステン電極では、同様に電極先 領域のトリウムは枯渇するものの、カリウ は残存し、先端領域が(b)に示すようにカリ ムを含有するドープタンクステンに近い状 になるためと推測される。つまり、酸化ト ウムとカリウムを電極に添加することによ 、寿命中の電極先端領域の仕事関数の上昇 抑制されたため、立ち消えしにくくなった 考えられる。

 一方、ちらつきおよび立ち消えを長時間 制するためには、酸化トリウム、カリウム それぞれの含有量も重要となる。そこで、 化トリウムの含有量を0.1~1.7重量%に変化さ て、図3と同様の試験を行ったところ、酸化 リウムを0.1重量%以上、0.7重量%以下、カリ ムを0.0010重量%以上、電極に添加すれば、図3 のように長時間立ち消えを抑制できる効果が 得られることがわかった。

 したがって、本実施の形態では、0.1重量% 以上、0.7重量%以下の酸化トリウムと、0.0010 量%以上のカリウムを含有するタングステン 極をメタルハライドランプに使用すること より、ちらつきおよび立ち消えの長時問発 を抑制することができる。

 以上、具体例を挙げながら発明の実施の 態に基づいて本発明を詳細に説明してきた 、本発明は上記内容に限定されるものでは く、本発明の範疇を逸脱しない限りにおい あらゆる変形や変更が可能である。