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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR CUTTING CARBON NONOTUBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060721
Kind Code:
A1
Abstract:
Monodispersing CNT in a solvent is necessary for expanding the application of carbon nanotubes (hereinafter referred to as CNT) as a material. Long CNTs produced, for example, by CVD are disadvantageously aggregated with each other to form a bundle by intermolecular attractive force, and, thus, monodispersing CNT in a solvent is difficult. Therefore, the long CNT should be cut into short sizes. Accordingly, the present invention provides a method for cutting CNT, which is excellent in mass producibility and can cut CNT while controlling the length of CNT. The method for cutting CNT is characterized by comprising a covering step of mixing CNT with molecules for a mask in a solvent to cover places of CNT with the molecules for a mask, and an oxidation step of heating the CNT covered with the molecules for a mask in a hydrogen peroxide solution while applying light to allow CNT in its parts not covered with the molecules for a mask to disappear by oxidation.

Inventors:
YUDASAKA MASAKO (JP)
YOSHITAKE TSUTOMU (JP)
IIJIMA SUMIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069177
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
October 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NEC CORP (JP)
YUDASAKA MASAKO (JP)
YOSHITAKE TSUTOMU (JP)
IIJIMA SUMIO (JP)
International Classes:
C01B31/02
Foreign References:
JP2005502572A2005-01-27
JP2005522398A2005-07-28
JP2007112706A2007-05-10
JP2005251698A2005-09-15
JP2005059147A2005-03-10
JP2004319211A2004-11-11
JP2004058194A2004-02-26
JP2005191214A2005-07-14
JP2003012313A2003-01-15
JP2004043258A2004-02-12
JP2004210608A2004-07-29
Other References:
LIU J. ET AL., FULLERENE PIPES, SCIENCE, vol. 280, 22 May 1998 (1998-05-22), pages 1253 - 1256
ZHANG M. ET AL.: "Changes in the Fluorescence Spectrum of Individual Single-Wall Carbon Nanotubes Induced by Light-Assisted Oxidation with Hydroperoxide", THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B, vol. 110, no. 18, 11 May 2006 (2006-05-11), pages 8935 - 8940
YUDASAKA M. ET AL.: "Diameter-selective removal of single-wall carbon nanotubes through light- assisted oxidation", CHEMICAL PHYSICS LETTERS, vol. 374, no. 1-2, 4 June 2003 (2003-06-04), pages 132 - 136
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Teruo et al. (16th Kowa Bldg.9-20, Akasaka 1-chom, Minato-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 カーボンナノチューブとマスク用分子とを溶媒中で混ぜ合わせて前記カーボンナノチューブの所々を前記マスク用分子で覆う被覆工程と、
 前記マスク用分子で覆われた前記カーボンナノチューブを過酸化水素溶液中で光照射しつつ加熱することによって、前記マスク用分子で被覆されていない部分のカーボンナノチューブを酸化消滅させる酸化工程と、
を有することを特徴とするカーボンナノチューブの切断方法。
 前記酸化工程の後に、前記カーボンナノチューブから前記マスク用分子を洗い流す洗浄工程を有することを特徴とするカーボンナノチューブの切断方法。
 前記マスク用分子としてノボラック樹脂、フェノール樹脂又はアクリル樹脂を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブの切断方法。
 請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載の方法により切断されたカーボンナノチューブを、前記マスク用分子に覆われた状態で酸によりエッチング処理することによって長さを微調整することを特徴とするカーボンナノチューブの短尺化方法。
 前記エッチング処理が、過酸化水素溶液、硝酸若しくは硝酸と硫酸の混合溶液によるものであることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノチューブの短尺化方法。
 請求項1乃至5のいずれかの請求項に記載の方法により製造されたことを特徴とする短尺化カーボンナノチューブ。
Description:
カーボンナノチューブの切断方

 本発明は、カーボンナノチューブの切断 法に関するものであり、特にカーボンナノ ューブの長さを制御して切断する方法に関 るものである。また、短尺化したカーボン ノチューブの製造方法に関するものである

 カーボンナノチューブ(以下CNTと略す)、 に、単層カーボンナノチューブ(CNT)は、軽量 であるにもかかわらず機械的強度に優れ、熱 的・化学的にも安定であり、さらに、熱や電 気の良導体であるといった他に類を見ない特 長を有している。このため、トランジスタや 電界放出素子などの電子デバイス、電気二重 層キャパシタなどの電極材料、高機能プラス チックなどの複合材料など広範な分野への応 用が盛んに研究されている。

 CNTは化学気相成長法(以下CVD法と略す)な によって製造され、ここ数年、ミリメータ オーダーあるいはそれ以上に長いCNTの大量 造が可能になってきている。この長いCNTは 分子間引力により互いに凝集し、束を作っ しまう上に、その束同士が絡まってしまう そのため、長いCNTを溶媒中に単分散させる とは困難である。これらの理由から、束の までも利用可能な複合材料などの一部の応 を除いては、その長いCNTを実際に活用する とは難しく、いわば『宝の持ち腐れ』的状 になっているのが実情である。たとえば、CN Tを用いて塗布型トランジスタを作製するた には、束を解いて一本一本のCNTで用いる必 がある。この状況を打開するためには、ま 、長いCNTを短く切断し、その後、単分散す ばよい。このため、従来からCNTを切断する めの各種方法が提案されてきている。しか 、以下に記載するように、量産性に優れ、 つ、長さ制御が可能な適切な切断方法は未 確立されていない。

 CNTを短尺化する従来の切断方法としては 化学的方法や物理的方法が既に知られてい 。

 CNTを化学的に切断する方法として最もよく られているのは、濃硫酸と濃硝酸の混合物 使用してCNTを酸化切断する方法である(非特 許文献1)。また、特許文献1では、F 2 やClF 3 などで部分フッ素化させたCNTを1000℃以下の 度で熱分解処理して切断する方法が開示さ ている。

 次に、物理的切断法としては以下の技術 報告されている。特許文献2では、0℃以下 特に液体窒素等で冷却して-100℃以下になっ 状態で、ボールミリング装置で機械的に粉 する方法が開示されている。

 また、特許文献3乃至6では、CNTをレーザ 射、プラズマ照射、イオンビーム、電子ビ ム等で処理して切断する方法が開示されて る。

 また、ビームを絞って特定の部位を切断 る方法として、特許文献7では、基板上に成 長させたCNTの任意の部位に集束イオンビーム を照射して切断する方法が開示されている。

 また、特許文献8では、CNTに直鎖状ハロゲ ン化アルキル重合体の保護カバーを形成した 後、特定部位に電子線を絞って照射して切断 する方法が開示されている。

 さらに、特許文献9では、CNTを糖類分散液 に分散させ乾燥固化した後に、粉砕すること によって切断する方法が開示されている。

Liu et al.,Sience,280,(1998)1253

特表2005-522398号公報

特開2007-112706号公報

特開2005-251698号公報

特開2005-59147号公報

特開2004-319211号公報

特開2004-58194号公報

特開2005-191214号公報

特開2003-12313号公報

特開2004-43258号公報

 しかし、非特許文献1及び特許文献1に記 の方法では、意図した箇所でCNTを切断でき いため、長さ制御が困難であることやCNTの 面に欠陥が導入されるなどの問題点があっ 。

 特許文献2に記載の方法では、液体窒素等 の冷媒を使う必要があるため、大量合成には 不向きであるという問題点があった。また、 機械的な粉砕では意図した箇所で切断できな いため、切断後の長さを制御できないという 問題点があった。さらに、CNTの表面に欠陥が 発生しやすいという問題点があった。

 特許文献3乃至6に記載の方法では、CNTに 様にレーザ等を照射する場合には、弱い部 が切断されるために、長さを制御できない いう問題点があった。また、ビームを絞っ 特定の部位だけを切断する場合には長さ制 は出来るが、量産性に問題点があった。

 特許文献7に記載の方法では、トランジス タ等の電子デバイスの製造時に特定の部位を 切断するには適しているが、大量のCNTを切断 するには不向きであるという問題点があった 。

 特許文献8に記載の方法では、目的とする 長さのCNTを製造するためには適した方法であ るが、量産性に問題点があった。

 特許文献9に記載の方法は、大量のCNTを切 断するためには適した方法であるが、得られ るCNTの長さは0.3~1.0μm程度と分布が大きいた 、100nm以下に均一に短尺化するのは難しいと いう問題点があった。

 したがって、本発明の目的は、上記課題 うち少なくとも一つを解決することであり 特に、量産性に優れ、CNTの長さを制御して 断できるCNTの切断方法を提供することであ 。

 上記課題を解決するために、本発明は次 ようなCNTの切断方法を提供した。

 すなわち、本発明に係るCNTの切断方法は、
 CNTとマスク用分子とを溶媒中で混ぜ合わせ 前記CNTの所々を前記マスク分子で覆う被覆 程と、
 前記マスク用分子で覆われた前記CNTを過酸 水素溶液中で光照射しつつ加熱することに って、前記マスク用分子で被覆されていな 部分のCNTを酸化消滅させる酸化工程と、
を有することを特徴とする。

 また、本発明に係るCNTの切断方法は、
 前記酸化工程の後に、前記CNTから前記マス 用分子を洗い流す工程を有することを特徴 する。

 前記マスク用分子としてはノボラック樹 、フェノール樹脂又はアクリル樹脂を用い ことが好ましい。

 また、前記酸化工程の後に、切断されたC NTを酸でエッチング処理することによって、 られるCNTの長さを微調整することが可能で る。

 前記エッチング処理は、過酸化水素溶液 硝酸若しくは硫酸又はこれらの混合溶液に り行うことが好ましい。

 また、本発明に係る短尺化CNTは、
 CNTとマスク用分子とを溶媒中で混ぜ合わせ 前記CNTの所々を前記マスク用分子で覆い、
 前記マスク用分子で覆われた前記CNTを過酸 水素溶液中で光照射しつつ加熱することに って、前記マスク用分子で被覆されていな 部分のCNTを酸化消滅させることによって製 されたことを特徴とする。

 本発明に係る短尺化CNTの製造方法により 欠陥をほとんど生じさせずにCNTを短くする とができる。

 本発明によれば、CVD法等によって形成さ た数μm~mmにも及ぶ長いCNTを簡易なプロセス 切断して、長さ制御された短尺化CNTを量産 よく製造することが可能になる。その結果 従来の長いCNTでは束になっていたり、絡ま あっていたりして単分散化が難しかったCNT 溶液中で簡単に単分散化させることが可能 なる。さらには、塗布型トランジスタ、透 導電膜、医療分野等多様な分野への応用が 待できる。

本発明におけるマスク分子を用いたCNT 切断工程を示す図。a)マスク用分子とCNT束 溶媒中で混ぜ合わせた状態、b)CNT束の所々を マスク分子で覆った状態、c)過酸化水素溶液 にいれ、光照射しつつ加熱している状態、d )被覆されていない部分のCNTが酸化消滅した 態、e)マスク分子を洗い流して短尺化CNTが得 られた状態。 一般的なCNTの電子顕微鏡写真。長いCNT 分子間引力により互いに凝集し、束を作っ いる。また、束は高速道路のように互いに まっている。黒い粒は触媒金属。 本発明における実施例3のマスク分子を 用いたCNTの切断工程を示す図。a)図1の方法で 光照射によって短尺化したCNT束をマスクを絡 ませたまま洗浄した状態、b)CNT束を硝酸水溶 にいれた攪拌している状態、c)硝酸水溶液 で攪拌後にCNT束が短部からエッチングされ 状態、d)マスク分子を洗い流して短尺化CNTが 得られた状態。

 通常、CVD法等で製造されたCNTには数%また はそれ以上の製造に用いた触媒が混在してい る。なお、その触媒としてはFe、Co等が知ら ている。CVD法等で製造されたCNTの長さは、 常、数μmまたはそれ以上であり、mmオーダー になる場合もある。このような長いCNTは、分 子間力により互いに凝集し、CNTが数本から数 十本集まって束(バンドル)を作ってしまう上 、さらに、束同士が絡まる傾向がある(図2) このように、CNTの長さが長い場合はCNTが凝 して束を形成してしまうため、溶液中にCNT 単分散させるのが難しい。したがって、ト ンジスタ等の電子デバイスや医療分野等の 料として応用するには長いCNTのままでは使 ないため、単分散させるためにCNTを短く切 して束を解けやすくする必要があった。

 そこで、本発明者らは、CNTの切断方法に いて鋭意検討を重ねた結果、所定のマスク 分子を用いることにより、CNTの長さを制御 て容易に切断できることを見出し、短尺で さが制御されたCNTを量産性よく提供できる 術を発明するに至った。

 すなわち、本発明に係るCNTの切断方法は、
 CNTとマスク用分子とを溶媒中で混ぜ合わせ 前記CNTの所々を前記マスク分子で覆う被覆 程と、
 前記マスク用分子で覆われた前記CNTを過酸 水素溶液中で光照射しつつ加熱することに って、前記マスク用分子で被覆されていな 部分のCNTを酸化消滅させる酸化工程と、
を有することを特徴とする。

 本発明に係る切断方法によれば、CVD法等 よって形成された数μm~mmにも及ぶ長いCNTを 易なプロセスで切断することができる。そ 結果、従来の長いCNTでは束になっていたり 絡まりあっていたりして単分散化が難しか たCNTを溶液中で簡単に単分散させることが 能になる。この方法により短尺化されたCNT( 短尺化カーボンナノチューブ)は、塗布型ト ンジスタ、透明導電膜、医療分野等多様な 野への応用が期待できる。

 以下、本発明に係るCNTの切断方法を図面 基づき説明する。

 図1は本発明のCNTの切断方法を示す工程図 である。

 本発明では、まず、マスク用分子とCNTを 媒中で混ぜ合わせる(図1(a))。その結果、CNT 絡みやすいマスク用分子を使うことによっ 、束になったCNTの所々をマスク用分子が覆 (図1(b))。

 前記CNTは、特に限定されるものではない 、例えば、長くてほとんどが束になってい 単層カーボンナノチューブを用いることが きる。

 前記マスク用分子としては、高分子であ て、光酸化に用いる光を透過させず、CNTに みつくように吸着し、耐熱性と耐薬品性の るものが用いられる。芳香族環のようなπ 子共役系をもつ高分子はCNTに吸着しやすい め、本発明のマスク材料として適している たとえば、ノボラック樹脂、フェノール樹 、アクリル樹脂などが用いられる。

 前記マスク用分子の量としては、CNTに対 て等量から10倍等量が好ましい。

 前記溶媒としては、前記マスク用分子に って最適な溶媒を選ぶことができ、CNTに対 て活性を有さず、CNTを安定にけん濁でき、 スク用分子を溶解できるものであれば特に 定されない。たとえば、トルエン、アルコ ル又はエーテルなどを用いることができる

 溶媒の量としては、マスク用分子に対し 、等量から100倍等量が好ましい。

 次に、この溶液を過酸化水素溶液中にい た後、光照射しつつ加熱する(図1(c))。これ よって、マスク用分子で被覆されていない 分のCNTを酸化消滅させ、CNTを切断する(図1(d ))。なお、上記のようにマスク用分子に覆わ たCNTを含む溶液を過酸化水素溶液と混合し もよいし、マスク用分子に覆われたCNTを一 抽出してから過酸化水素溶液に添加しても い。また、前記溶液に過酸化水素を添加し マスク用分子に覆われていない部分のCNTを 化することもできる。

 酸化処理する際の過酸化水素の濃度は、 に限定されるものではないが、5%~40%程度と るように調整することが好ましく、20%~33%程 度となるように調製することがより好ましい 。

 前記光照射に用いる光の波長は、特に制 されるものではないが、200nm~1300nm程度のも が好ましく用いられ、紫外線の波長域であ 200~600nm程度がより好ましい。たとえば、キ ノン(Xe)ランプを光源とする光を好ましく用 いることができる。

 加熱温度は、特に制限されるものではな が、30~110℃程度が好ましく、70~100℃がより ましい。

 加熱処理する時間は、特に制限されるも ではないが、1時間程度が好ましい。

 一般に、CNTは70~100℃程度に加熱された濃 20%~33%程度の過酸化水溶液中では、波長200nm~ 600nm程度の光が照射されると酸化されて消滅 る。このとき、耐熱性と耐薬品性のあるマ クで覆われた部分のCNTは酸化されず変化し いため、光照射後も束になったCNTのままで 在する(図1(d))。このため、光照射後にCNTを 液から取り出して水等で洗浄し、さらに、 スク用分子をトルエン、アルコール又はエ テル等で溶かすことによって、マスク用分 の長さに対応した短尺化CNTを得ることがで る(図1(e))。

 このとき、適当な長さのマスク用分子を いれば、目的に合わせた長さでCNTを切断す ことができる。例えば、適当なマスク用分 を用いることで、CNTの長さを2nm~100nm程度ま の間で任意に切断することが可能である。

 また、基本的にはマスク用分子のサイズ 切断できるため、ある程度長さの揃った短 化CNTを製造することができる。

 また、本発明による製造方法で作製され 短尺化CNTは、切断工程中にCNTの周りがマス 用分子で保護されているため、ダメージを けにくく、欠陥の少ない状態で短尺化でき というメリットがある。

 また、溶液プロセスでの製造が可能であ ため、従来の電子ビーム等を用いた切断方 と比べて、量産性に優れているという特徴 ある。

 また、反応は、CNTの長さ、マスク用分子 種類、サイズ、濃度、溶媒、時間、温度、 酸化水素濃度等により適宜最適条件となる うに調整することができる。

 また、CNTを切断した後マスク用分子を溶 す前に、短尺化されたCNTをマスク用分子に われたままの状態で、20%~33%の過酸化水素溶 液、硫酸若しくは硝酸又はこれらの混合溶液 にいれて、60~150℃程度の温度でさらにエッチ ング処理することも可能である(図3)。この結 果、CNTのエッジ部分がエッチングされて徐々 に短くなるため、欠陥を生じさせないでCNTの 長さを微調整することも可能である。

 以下、本発明を実施例により具体的に説 するが、本発明はこれらの実施例によって んら限定されるものではない。

 (実施例1) 長さ100nm程度の短尺化CNTの製造
 本実施例ではCNTの材料として、Carbon Nanotech nology Incorporation(以下CNIと略す)社製のCNTであ HiPco(登録商標)を用いた。このCNTは直径が1nm 程度の単層ナノチューブで、数本から数十本 程度の束になっている。長さは数μm~数十μm 度である。また、このCNTには合成時に使用 た触媒として、Feが数%程度含まれている。

 また、マスク用分子としては高分子材料 リメチルメタクリレート(以下PMMAと略す)を いた。用いたPMMAは長さが100nm程度の材料で る。

 まず、マスク用分子PMMAを1gとり、溶媒モ クロルベンゼン100ccに溶かしたのち、この 液中にCNT10mgをいれて攪拌した。1時間後に溶 液中からCNTの一部を取り出してTEMで観察した ところ、束になったCNTの所々がマスク分子で 覆われていた。

 次に、この溶液をガラス容器に入れた濃 33%の過酸化水素水溶液300ccと混ぜ合わせ、 度を70℃にし、ゆっくりと攪拌させた。この 状態でXeランプの光を溶液に4時間照射した。

 その後、CNTを取り出して、純水による洗 を3回程度繰り返した。溶媒としてモノクロ ルベンゼンをPMMA剥離液にいれて超音波洗浄 、CNTに絡ませていたマスク用分子を洗い落 した。この溶液中に残ったCNTを純水でろ過 浄した後、乾燥させた。

 このようにして取得したCNTをSEMとTEMを用 て観察した結果、数本から数十本程度の束 なっている状態のCNTも観測されたが、CNTの さが100nm程度のCNTも50%以上の比率で存在し いるのが確認された。

 また、この長さが100nm程度のCNTだけで評 すると、90%以上が90~110nmの範囲に分布してい るのが確認された。

 さらに、ラマン分光法による測定の結果 本実施例によって取得したCNTのスペクトル 、プロセス前のものとほとんど変化無く、 ロセスによるCNTへのダメージがほとんど無 短尺化できていることが確認された。

 (実施例2) 長さ8nm程度の短尺化CNTの製造
 本実施例では、CNTとして実施例1と同じCNI社 製単層CNTを用いた。マスク用分子としては、 長さが20nm程度と短いPMMAを用いた。

 まず、マスク用分子PMMAを1gとり、溶媒モ クロルベンゼン300ccに溶かしたのち、この 液中にCNT10mgをいれて攪拌した。

 1時間後に溶液中からCNTの一部を取り出し てTEMで観察したところ、束になったCNTの所々 がマスク分子で覆われていた。

 次に、この溶液をガラス容器に入れた濃 33%の過酸化水素水溶液300ccと混ぜ合わせ、 度を70℃にし、ゆっくりと攪拌させた。この 状態でXeランプの光を溶液に4時間照射した。

 その後、試料を取り出して純水による洗 を3回程度繰り返した。そして、溶媒として モノクロルベンゼンをPMMA剥離液にいれて超 波洗浄し、CNTに絡ませていたマスク用分子 洗い落とした。この溶液中に残ったCNTを純 でろ過洗浄した後、乾燥させた。

 このようにして取得したCNTをSEMとTEMを用 て観察した結果、CNTが束となっているもの 観測されたが、その束は処理前よりもやや み合っている本数の少ないものが多くなっ いた。また、8nm程度のCNTが40%以上の比率で 在しているのが確認された。また、この長 8nm程度のCNTだけで評価すると90%以上が7~10nm 範囲に分布しているのが確認された。

 さらに、ラマン分光法による測定の結果 本実施例によって取得したCNTのスペクトル プロセス前のものとほとんど変化無く、プ セスによるCNTへのダメージがほとんど無く 尺化できていることが確認された。

 (実施例3) 長さ100nm程度の短尺化CNTを作った 後、マスクの端からエッチング処理
 本実施例では、CNTとして実施例1と同様にCNI 社製単層CNTを用いた。マスク用分子としては 高分子材料PMMAを用いた。PMMAは長さが10nm程度 の材料である。

 まず、高分子PMMAを1gとり、溶媒モノクロ ベンゼン300ccに溶かしたのち、この溶液中 CNT10mgをいれて攪拌した。

 1時間後に溶液中からCNTの一部を取り出し てTEMで観察したところ、束になったCNTの所々 がマスク分子で覆われていた。

 次に、この溶液を濃度33%の過酸化水素水 液300ccとガラス容器で混ぜ合わせ、温度を90 ℃にし、ゆっくりと攪拌させた。この状態で Xeランプの光を溶液に4時間照射した。

 この段階でCNTの一部を取り出して洗浄乾 後、SEM及びTEMで構造観察したところ、マス 用分子で覆われた長さ100nm程度のCNTが50%以 の比率で存在していた。また、長さ100nm程度 のCNTについては90%以上が90~110nmの範囲に分布 ているのが確認された。

 次に、光照射後の材料を取り出して純水 よる洗浄を3回程度繰り返した後、CNTを取り 出して33%の硝酸水溶液にいれて2分間室温で 拌した。

 このCNTを取り出し、純水で3回洗浄したの ち、溶媒としてトルエンを入れた溶液中にい れて超音波洗浄し、CNTに絡ませていたマスク 用分子を洗い落とした。この溶液中に残った CNTを純水でろ過洗浄した後、乾燥させた。

 このようにして最終的に取得したCNTをSEM TEMを用いて観察した結果、数本から数十本 度の束になっているCNTが観測されたが、長 が90nm程度のCNTが多くなっていた。短尺化さ れたCNTの長さは硝酸水溶液による洗浄前より も10%程度短くなっていた。

 また、この長さ90nm程度のCNTだけで評価す ると90%以上が80~100nmの範囲に分布しているの 確認された。さらに、ラマン分光法による 定の結果、本実施例によって製造したCNTの ペクトルはプロセス前のものとほとんど変 無く、プロセスによるCNTへのダメージがほ んど無く短尺化できていることが確認され 。

 この出願は、2007年11月5日に出願された日 本出願特願2007-287255を基礎とする優先権を主 し、その開示の全てをここに取り込む。

 以上、実施形態及び実施例を参照して本 発明を説明したが、本願発明は上記実施形 及び実施例に限定されるものではない。本 発明の構成や詳細には、本願発明のスコー 内で当業者が理解し得る様々な変更をする とができる。