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Title:
METHOD FOR DESULFURIZATION OF HYDROCARBON OIL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146848
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for desulfurizing an olefin-containing hydrocarbon oil over a long period stably and economically advantageously. Specifically disclosed is a method for desulfurizing a hydrocarbon oil having a sulfur content of 2 ppm by mass or more and an olefin content of 5 vol% or more, which is characterized by contacting the hydrocarbon oil with a porous desulfurizing agent at a temperature of 50 to 250˚C, under a pressure of 0.1 to 2.0 MPa and at a liquid hourly space velocity of greater than 2.0 h-1 in the presence of hydrogen.

Inventors:
ARAKI YASUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059821
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN ENERGY CORP (JP)
ARAKI YASUHIRO (JP)
International Classes:
C10G45/06
Domestic Patent References:
WO2006120898A12006-11-16
Foreign References:
JP2006312663A2006-11-16
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (Gate West 3-2-1,Kasumigaseki,Chiyoda-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 硫黄分を2質量ppm以上、オレフィン分を5容量%以上含有する炭化水素油を多孔質脱硫剤と水素存在下で、温度50~250℃、圧力0.1~2.0MPa、液空間速度が2.0h -1 を超える条件で接触させることを特徴とする炭化水素油の脱硫方法。
 前記多孔質脱硫剤がニッケル及び亜鉛を含有し、前記炭化水素油が接触分解ガソリンである請求項1に記載の炭化水素油の脱硫方法。
 前記多孔質脱硫剤は、ニッケル含有量が50質量%以下で且つ亜鉛含有量が30質量%以上である請求項2に記載の炭化水素油の脱硫方法。
 前記多孔質脱硫剤中の亜鉛含有量に対するニッケル含有量の質量比(Ni/Zn)が1.0以下である請求項2に記載の炭化水素油の脱硫方法。
 前記多孔質脱硫剤の比表面積が30m 2 /g以上である請求項1に記載の炭化水素油の脱硫方法。
 前記多孔質脱硫剤が水素雰囲気下100~350℃で還元処理されている請求項1に記載の炭化水素油の脱硫方法。
 前記炭化水素油のジエン価が0.5g/100g以下である請求項1に記載の炭化水素油の脱硫方法。
 水素/油比が0.01~200NL/Lである請求項1に記載の炭化水素油の脱硫方法。
Description:
炭化水素油の脱硫方法

 本発明は、オレフィン分を含む炭化水素 の脱硫方法に関する。

 ガソリンに含まれる硫黄分は燃焼により 黄酸化物(SOx)となり、主に直噴車の排出ガ 浄化触媒として用いられる窒素酸化物吸蔵 媒の活性点を被覆して被毒する。そのため 触媒上に吸着した硫黄酸化物を定期的に高 化し除去(再生)して被毒・劣化した触媒の機 能を回復させることが必要である。直噴車で はこの工程が必要なため、燃費が犠牲となっ ている。この燃費の悪化による二酸化炭素排 出量の増加を避けるため、ガソリン中の硫黄 分を低減させることが求められており、国内 のガソリン中の硫黄分は2005年1月から自主的 10質量ppm以下まで低減されている。

 通常、ガソリンは様々なガソリン基材を 合して製造されるが、ガソリン中の硫黄分 ほとんどは分解ガソリン基材に由来する。 解ガソリン基材としては、流動接触分解装 から得られる接触分解ガソリン基材や熱分 装置から得られる熱分解ガソリン基材など 挙げられるが、これら分解ガソリン基材に オクタン価の高いオレフィン分が多く含ま るため、従来から知られている水素化脱硫 (例えば、コバルト、ニッケル、モリブデン を担持したアルミナ触媒を用いて、高温高圧 水素雰囲気下で脱硫する方法)によって脱硫 ると、オレフィン分も同時に水素化される め、分解ガソリン基材のオクタン価が低下 てしまうという問題がある。

 この問題に対して、炭化水素油を特定の 件下で吸着剤と接触させて硫黄化合物を吸 させる工程と、吸着剤に水素を通気させる とにより吸着剤から硫黄化合物を脱離させ 工程とを繰り返すことにより、オレフィン 水素化反応など不要な反応を抑制しつつガ リンの基材となる炭化水素油に含まれる硫 分を連続的に低減する方法が提案されてい (特開2003-277768号)。しかしながら、この方法 は、水素非存在下であることや室温での脱硫 であることによって頻繁に再生処理を行う必 要があり、経済的な脱硫という観点からは必 ずしも満足できる方法ではない。

 これに対して本出願人は、ニッケルと亜 を含む脱硫剤を用いて特定の条件のもとで 硫することで、接触分解ガソリンを高度に 硫できることを見いだしている(国際公開第 2005/044959号、特開2006-312663号)。しかしながら の方法では、300℃と比較的高い反応温度が 要であり、経済的な脱硫という観点では十 とは言えなかった。

 前述したように、オクタン価を大幅に減 すことなくオレフィン分を含む炭化水素油 硫黄分を10質量ppm以下、さらには1質量ppm以 まで比較的マイルドな条件において安定に つ経済的に脱硫する方法は、未だ確立され いない。そこで、本発明は、特定の条件下 オレフィン分を含む炭化水素油を長期間に たって安定にかつ経済的に脱硫できる方法 提供することを課題とする。

 本出願人は、上記課題を解決するために 意研究した結果、オレフィン分を含む炭化 素油を特定の条件のもと多孔質脱硫剤によ て処理することで、長期間安定的に炭化水 油中の硫黄分を低減できることを見出し、 の発明に至った。

 すなわち、本発明は、硫黄分を2質量ppm以上 、オレフィン分を5容量%以上含有する炭化水 油を、多孔質脱硫剤と水素存在下で温度50~2 50℃、圧力0.1~2.0MPa、液空間速度が2.0h -1 を超える条件で接触させることを特徴とする 炭化水素油の脱硫方法である。また、前記多 孔質脱硫剤がニッケル及び亜鉛を含有し、前 記炭化水素油が接触分解ガソリンである炭化 水素油の脱硫方法である。ここで、該多孔質 脱硫剤は、ニッケル含有量が50質量%以下で且 つ亜鉛含有量が30質量%以上であることが好ま しく、また、該多孔質脱硫剤中の亜鉛含有量 に対するニッケル含有量の質量比(Ni/Zn)は1.0 下であることが好ましい。

 また、本発明においては、前記多孔質脱硫 の比表面積が30m 2 /g以上であること、前記多孔質脱硫剤が水素 囲気下100~350℃で還元処理されていること、 前記炭化水素油のジエン価が0.5g/100g以下であ ること、並びに、水素/油比が0.01~200NL/Lであ ことが好ましい。

 本発明によれば、オレフィン分を含む炭 水素油を特定の条件下、多孔質脱硫剤によ て処理する事により、オレフィン分を含む 化水素油の脱硫を長期間にわたって安定か 経済的に実施する事ができる。

[炭化水素油]
 本発明の対象となる炭化水素油は、硫黄分 2質量ppm以上で、オレフィン分が5容量%以上 あれば特に限定されないが、流動接触分解 置から得られる接触分解ガソリン、熱分解 置から得られる熱分解ガソリン、脱ろう装 から得られる脱ろうガソリンが好ましい炭 水素油として挙げられる。中でも硫黄分が 較的少ない接触分解ガソリンを好適に使用 ることできる。

 上記炭化水素油の硫黄分の範囲は、好ま くは2~100質量ppmであり、さらに好ましくは2~ 50質量ppmであり、特に好ましくは2~20質量ppmで ある。硫黄分が100質量ppmを超えると、多孔質 脱硫剤の寿命が短くなり好ましくない。

 上記炭化水素油のオレフィン分の範囲は 好ましくは5~70容量%であり、より好ましく 5~40容量%であり、特に好ましくは5~25容量%で る。オレフィン分が70容量%を超えると、オ フィンの水素化がある程度進行する場合が り、その結果、炭化水素油のオクタン価が 下してしまうため好ましくない。

 上記炭化水素油のジエン価は、好ましく 0.5g/100g以下であり、より好ましくは0.3g/100g 下であり、特に好ましくは0.1g/100g以下であ 。ジエン価が0.5g/100gを超えると、多孔質脱 剤の脱硫性能を低下させるので好ましくな 。

[脱硫反応条件]
 本発明の脱硫方法では、水素共存下にて炭 水素油を多孔質脱硫剤と接触させる。水素 共存下で炭化水素油と多孔質脱硫剤とを接 させると、脱硫剤の寿命が大きく低下して まうため好ましくない。

 反応温度は50~250℃であり、好ましくは100~ 200℃であり、さらに好ましくは100~175℃、よ 好ましくは100~150℃である。反応温度が50℃ 満であると、脱硫速度が低下し、効率的に 硫ができず好ましくない。また、反応温度 250℃を超えると、多孔質脱硫剤中の金属成 がシンタリングしやすくなり、脱硫速度、 硫容量とも低下して好ましくなく、また、 レフィンの水素化が進行して、炭化水素油 オクタン価が低下してしまうため好ましく い。なお、反応温度が100℃以上であれば、 硫速度が十分に高く、効率的に脱硫を行う とができる。

 また、反応圧力は、ゲージ圧で0.1~2.0MPa、 好ましくは0.1~1.0MPa、さらに好ましくは0.1~0.5M Paである。反応圧力が0.1MPa未満だと、脱硫速 が低下し、効率的に脱硫ができず好ましく い。また、反応圧力が2.0MPaを超えると、炭 水素油中に含まれるオレフィン分の水素化 の副反応が進行するため好ましくない。な 、反応圧力が1.0MPa以下であれば、オレフィ 分の水素化等の副反応を十分に抑制でき、0 .5MPa以下であれば、該副反応をほぼ確実に防 できる。

 更に、液空間速度(LHSV)は、2.0h -1 を超え、好ましくは2.1h -1 以上である。また、LHSVは、好ましくは50.0h -1 以下、より好ましくは20.0h -1 以下、特に好ましくは10.0h -1 以下である。LHSVが2.0h -1 以下であると、通油量が制限されたり、脱硫 リアクターが大きくなり過ぎたりするため、 経済的な脱硫を行うことができず好ましくな い。また、LHSVが50.0h -1 を超えると、脱硫するのに十分な接触時間が 得られず、脱硫率が低下するため好ましくな い。なお、LHSVが2.1h -1 以上であれば、十分経済的に脱硫を行うこと ができ、LHSVが20.0h -1 以下であれば、接触時間が十分に長いため、 脱硫率が向上し、10.0h -1 以下であれば、脱硫率が特に高くなる。

 本発明の炭化水素油の脱硫方法は、上述 ように水素共存下で行う。炭化水素油を多 質脱硫剤と接触させる際に水素が存在しな と、チオフェンやベンゾチオフェンなどの 較的脱硫が進行しにくい硫黄化合物が低減 きない。ここで、水素/油比は、0.01~200NL/Lの 範囲が好ましく、0.01~100NL/Lの範囲がより好ま しく、0.1~20NL/Lの範囲が特に好ましい。水素/ 比が0.01NL/L未満だと、十分に脱硫が進行せ 好ましくない。また、水素/油比が200NL/Lを超 えると、オレフィンの水素化などの副反応が 起こる割合が多くなり好ましくない。

 使用する水素は、メタン等の不純物を含 でいてもよいが、水素コンプレッサーが大 くなり過ぎないよう、水素純度は50容量%以 が好ましく、さらには80容量%以上、特には9 5%以上が好ましい。なお、水素中に硫化水素 どの硫黄化合物が含まれると脱硫剤の寿命 短くなるので、水素中の硫黄分は、1,000容 ppm以下が好ましく、さらには100容量ppm以下 特には10容量ppm以下が好ましい。

[多孔質脱硫剤]
 本発明の脱硫方法に用いる多孔質脱硫剤は 硫黄分を水素共存下で多孔質脱硫剤内に取 込むことができるものであれば特に限定さ ないが、ニッケルを含むことが好ましく、 ッケルと亜鉛を含むことがさらに好ましい 多孔質脱硫剤は、例えば、共沈法によって 属成分を沈殿させてろ過、洗浄し、成形、 成等の工程を経ることによって得ることが きる。

 多孔質脱硫剤がニッケルを含んでいる場 、脱硫剤総質量に対するニッケル含有量は 好ましくは50質量%以下、より好ましくは1~30 質量%、より一層好ましくは1~20質量%、特に好 ましくは5~20質量%である。

 また、多孔質脱硫剤が亜鉛を含んでいる 合、脱硫剤総質量に対する亜鉛含有量は、 ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50~8 0質量%であり、特に好ましくは50~75質量%であ 。

 ニッケル含有量が50質量%を超えたり、亜 含有量が30質量%未満の場合、多孔質脱硫剤 寿命が短くなるため好ましくない。一方、 ッケル含有量が30質量%以下かつ、亜鉛含有 が50質量%以上の場合、多孔質脱硫剤の寿命 長くなる。なお、ニッケル及び亜鉛の総含 量は、脱硫剤の総質量に対して20~85質量%、 には50~80質量%の範囲が好ましい。

 また、多孔質脱硫剤中の亜鉛含有量に対 るニッケル含有量の質量比(Ni/Zn)は1.0以下が 好ましく、0.05~0.5の範囲が更に好ましく、0.05 ~0.35の範囲が特に好ましい。亜鉛含有量に対 るニッケル含有量の質量比が1.0を超えると 多孔質脱硫剤の寿命が著しく短なり好まし ない。

 多孔質脱硫剤の比表面積は、30m 2 /g以上であることが好ましく、50m 2 /g以上であることがより好ましい。比表面積 30m 2 /g未満であると脱硫性能が低くなり好ましく い。また、多孔質脱硫剤の細孔容積は、0.2m L/g以上であることが好ましく、0.3mL/g以上で ることがより好ましい。細孔容積が0.2mL/g未 であると脱硫性能が低くなり好ましくない

 本発明の脱硫方法に用いる多孔質脱硫剤 、水素雰囲気下100~350℃、特には200~350℃で 理してから用いられることが好ましい。水 雰囲気下での処理温度が100℃未満では、ニ ケルが十分に還元されないため好ましくな 。また、該処理温度が350℃を超えると、ニ ケルがシンタリングしてしまって活性が低 なるため好ましくない。なお、該処理温度 200℃以上とすることで、ニッケルを十分に 元することができる。

 本発明の脱硫方法に用いる多孔質脱硫剤 、共沈法により調製されることが好ましい 共沈法による調製方法は、アルミナのよう 多孔質担体に亜鉛、ニッケルなどの金属成 を含浸、担持して焼成する製造方法に比べ 脱硫に有効なニッケルと亜鉛を脱硫剤中に く含ませることができるため脱硫剤の長寿 化を達成できる。なお、酸化亜鉛担体にニ ケルを含浸する方法は、酸化亜鉛担体の細 の閉塞により比表面積及び細孔容積が減少 、脱硫活性が低くなるため好ましくない。

 本発明の脱硫方法に好適なニッケルと亜 を含有する多孔質脱硫剤は、ニッケルや亜 を含む酸性溶液を、アルカリ溶液に混合し 調製することができる。ニッケルと亜鉛を む酸性溶液は、亜鉛やニッケルの硝酸塩、 酸塩等を水で溶解することにより得られる また、上記アルカリ溶液には、炭酸ナトリ ム、炭酸アンモニウム等を用いることがで るが、なかでも炭酸ナトリウムを用いるこ が好ましい。

 上記の工程で生成した沈殿物は、ろ過後 乾燥する必要があるが、乾燥温度は100~200℃ が好ましい。また、その後の焼成は必ずしも 必要でないが、焼成する場合の温度は400℃以 下が好ましく、350℃以下が更に好ましい。焼 成温度が400℃を超えると、塩が分解してでき るニッケルと亜鉛の酸化物の結晶化が進み、 ニッケルおよび亜鉛の結晶子径が大きくなり 比表面積が低下するので好ましくない。

 なお、本発明において、多孔質脱硫剤と 、硫黄収着機能を持った多孔質脱硫剤をい 。ここでいう硫黄収着機能を持った多孔質 硫剤とは、有機硫黄化合物中の硫黄原子を 硫剤に固定化するとともに、有機硫黄化合 中の硫黄原子以外の炭化水素残基について 有機硫黄化合物中の炭素-硫黄結合が開裂す ることによって脱硫剤から脱離させる機能を もった多孔質脱硫剤をいう。この有機硫黄化 合物中の炭化水素残基が脱離する際には、硫 黄との結合が開裂した炭素に、系内に存在す る水素が付加する。したがって、有機硫黄化 合物から硫黄原子が除かれた炭化水素化合物 が生成物として得られることになる。ただし 、硫黄原子が除かれた炭化水素化合物が、さ らに水素化、異性化、分解等の反応を受けた 生成物を与えることがあっても構わない。一 方、硫黄は脱硫剤に固定化されるため、水素 化精製処理とは異なり、生成物として硫化水 素などの硫黄化合物を発生しない。そのため 、水素をリサイクルして使用する場合、硫化 水素を除去する設備が不要となり、経済的に 有利である。

〔活性回復処理〕
 本発明の脱硫方法に好適に使用されるニッ ルと亜鉛を含む多孔質脱硫剤は、水素処理 よって活性を回復させることができる。水 処理によって、活性が回復する理由及びそ メカニズムは必ずしも明確ではないが、次 ようにして活性が回復されるものと推察さ る。炭化水素油中の硫黄化合物の多くはニ ケル上で脱硫され、すなわち、硫黄原子は ずニッケルに取り込まれる。次に、ニッケ に取り込まれた硫黄原子は水素の存在下で 鉛に移動する。ニッケルから亜鉛への硫黄 移動速度が十分でない状況(反応温度が低い 、水素分圧が低い、水素/油比が低い)では、 ッケルと亜鉛に対する硫黄取り込み量が化 量論量に達する前に、大きく脱硫性能が低 してしまう。そして、このような場合、水 処理をすることによって活性を回復させる とができる。なお、水素処理においては、 ッケルから亜鉛への硫黄の移動が促進され 活性が回復されるものと推察される。活性 復中は硫化水素が発生しないことからも、 ッケルから亜鉛に硫黄の移動が起きるだけ 考えられる。

 活性回復処理に用いる水素ガスは、通常 コンプレッサーによってリサイクル使用さ る。メタン等の不純物を含んでいてもよい 、コンプレッサーが大きくなりすぎないよ 、水素純度は50容量%以上が好ましく、さら は80容量%以上、特には95%以上が好ましい。 素中に硫化水素などの硫黄化合物が含まれ と脱硫剤の寿命が低下するので、水素ガス の硫黄濃度は1,000容量ppm以下が好ましく、 らには100容量ppm以下、特には10容量ppm以下が 好ましい。硫化水素濃度は、リサイクルガス の循環ラインに公知の硫化水素洗浄装置を設 けて低下させたり、あるいはパージガスの量 を制御したりして調整することができる。処 理温度としては200~400℃が好ましく、250~350℃ より好ましい。処理圧力は、特に限定され ものではないが、0.1~1.0MPaが好ましい。

 ただし、ニッケルと亜鉛に硫黄が化学量論 まで取り込まれ、完全に硫化物となってし った脱硫剤は、水素処理を行っても活性は とんど回復しない。このような場合には、 熱されないように酸素濃度をコントロール て、硫黄化合物を酸化(燃焼)してSO 2 ガスとしてニッケルや亜鉛から切り離して活 性を取り戻すことができる。脱硫剤として使 用する際には、新品の脱硫剤を用いる場合と 同様に、通油前に水素による還元処理を行う ことが好ましい。

<実施例>
 以下に、実施例により具体的に説明するが 本発明はこれらの例により何ら制限される のではない。

(実施例1)
 炭酸ナトリウム106gを水に溶かした溶液を60 に加温し、これに硝酸亜鉛六水和物214gを水 に溶かした溶液に硝酸ニッケル六水和物23gを 加えたものを滴下した。得られた沈殿物をろ 過した後、水で洗浄した。その後、120℃で16 間乾燥後、350℃で3時間焼成し脱硫剤Aを得 。脱硫剤Aは、ニッケル含有量が6.9質量%、亜 鉛含有量が71.0質量%、ナトリウム含有量が0.01 質量%、比表面積が54m 2 /g、細孔容積が0.34mL/gであった。また、亜鉛 対するニッケルの割合は9.7質量%であった。 お、金属分の含有量はアルカリ融解ICP法で 定し、比表面積は窒素吸脱着法によるBET法 測定し、細孔容積は窒素吸脱着法によるBJH で測定した。

 中東系原油の減圧軽油留分を水素化精製 理したものを主たる原料油として流動接触 解して得られた接触分解ガソリンを、酸化 のスイートニング装置によって処理した後 分留して得られる重質分を水素化脱硫処理 、接触分解重質ガソリンを得た。この接触 解重質ガソリンは、硫黄分が12.5質量ppm、オ レフィン分が15.3容量%、ジエン価が0.1g/100g未 、RON(リサーチ法オクタン価)が86.0であった なお、硫黄分は、ASTM D5453(紫外蛍光法)に準 拠して測定し、オレフィン分およびRONはJIS K 2536-2(ガスクロマトグラフによる全成分の求 方)に準拠してヒューレットパッカード社製P IONA装置を用いて測定し、ジエン価はUOP326-82 準拠して測定した。

 脱硫剤Aを水素気流中300℃にて16時間処理し 後、接触分解重質ガソリンを、反応温度120 、反応圧力0.5MPa、液空間速度(LHSV)10.0h -1 、水素/油比100NL/Lの条件で通油して反応を行 た。反応開始から24時間後の硫黄分は0.25質 ppm、オレフィン分は7.7容量%、RONは83.3であ 、48時間後の硫黄分は3.6質量ppm、オレフィン 分は12.5容量%、RONは84.8であり、72時間後の硫 分は5.4質量ppm、オレフィン分は14.2容量%、RO Nは85.4であった。

(比較例1)
 反応温度を25℃とした以外は、実施例1と同 にして反応を行った。反応開始から24時間 の硫黄分は9.5質量ppm、オレフィン分は15.2容 %、RONは86.0であった。

(比較例2)
 水素/油比を0NL/L(水素非共存)とした以外は 実施例1と同様にして反応を行った。反応開 から24時間後の硫黄分は4.1質量ppm、オレフ ン分は15.2容量%、RONは86.0であった。

(実施例2)
 反応温度200℃、反応圧力0.3MPa、LHSV5.0h -1 、水素/油比10NL/Lとした以外は、実施例1と同 にして反応を行った。反応開始24時間後の 黄分は0.02質量ppm、オレフィン分は11.5容量% RONは84.4であり、反応開始48時間後の硫黄分 0.13質量ppm、オレフィン分は12.9容量%、RONは84 .9であり、反応開始180時間後の硫黄分は3.1質 ppm、オレフィン分は15.2容量%、RONは85.9であ 、反応開始1,000時間後の硫黄分は4.4質量ppm オレフィン分は15.3容量%、RONは86.0であった

(比較例3)
 反応温度300℃、反応圧力0.3MPaとした以外は 施例1と同様にして実験を行った。反応開始 24時間後の硫黄分は0.01質量ppm、オレフィン分 は3.2容量%、RONは82.4であり、反応開始48時間 の硫黄分は0.01質量ppm、オレフィン分は4.4容 %、RONは82.5であった。以上の結果を表1にま める。

 以上に示す通り本発明の脱硫方法による 、長期間安定的にオクタン価のロスを最小 に抑えながら脱硫することが可能であるこ が分かる。一方、比較例1及び比較例2から 反応温度が50℃未満であったり、水素非共存 下で反応を行うと、効率的に脱硫できず、ま た、比較例3から、反応温度が250℃を超える 、オレフィン分が水素化されて、オクタン が低下することが分かる。