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Patent Searching and Data


Title:
HEAT-RELEASABLE PRESSURE-SENSITIVE ADHESIVE SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146849
Kind Code:
A1
Abstract:
A heat-releasable pressure-sensitive adhesive sheet that excelling in rugged surface follow-up property, exhibits a satisfactory adhesive strength even when a bonding face of adherend is rough, and that in the use as a pressure-sensitive adhesive sheet for dicing of a semiconductor substrate with rough surface of sealing resin, etc., inhibits chip scattering, and that after the completion of working, can be easily stripped by heating with no stress imparted to the adherend. Further, there is disclosed a method of working an adherend, especially a process for manufacturing an electronic part, with the use of the pressure-sensitive adhesive sheet. The pressure-sensitive adhesive sheet is a heat-releasable pressure-sensitive adhesive sheet having a thermally expandable pressure-sensitive adhesive layer containing thermally expandable microglobules superimposed via a rubbery organic elastic layer on at least one major surface of a base material, characterized in that the rubbery organic elastic layer has a thickness of 1.5 to 42 times that of the thermally expandable pressure-sensitive adhesive layer.

Inventors:
ARIMITSU YUKIO (JP)
SHIMOKAWA DAISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059822
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
ARIMITSU YUKIO (JP)
SHIMOKAWA DAISUKE (JP)
International Classes:
B32B25/04; C09J7/29; C09J201/00; H01L21/301
Foreign References:
JPH11166164A1999-06-22
JP2005200505A2005-07-28
Attorney, Agent or Firm:
GOTO, Yukihisa (2-18 Kobai-cho, Kita-k, Osaka-shi Osaka 38, JP)
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Claims:
 基材の少なくとも片方の面に、ゴム状有機弾性層を介して熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層が積層された熱剥離型粘着シートであって、ゴム状有機弾性層の厚みが、熱膨張性粘着層の厚みの1.5~42倍であることを特徴とする熱剥離型粘着シート。
 基材の少なくとも片方の面に、ゴム状有機弾性層を介して熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層が積層された熱剥離型粘着シートを用いて被着体を加工する被着体の加工方法であって、ゴム状有機弾性層の厚みが、熱膨張性粘着層の厚みの1.5~42倍であり、被着体の表面粗さが熱膨張性粘着層の表面粗さよりも大きいことを特徴とする被着体の加工方法。
 基材の少なくとも片方の面に、ゴム状有機弾性層を介して熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層が積層された熱剥離型粘着シートを用いて半導体基板を加工し、電子部品を製造する方法であって、ゴム状有機弾性層の厚みが、熱膨張性粘着層の厚みの1.5~42倍であり、半導体基板の表面粗さが熱膨張性粘着層の表面粗さよりも大きいことを特徴とする電子部品の製造方法。
Description:
熱剥離型粘着シート

 本発明は、粘着性に優れるとともに、任 な時に加熱処理により被着体より簡単に剥 できる熱剥離型粘着シート及び該粘着シー を使用する電子部品の製造方法等に関する

 半導体基板のダイシング工程等に用いられ 半導体基板加工用粘着シートとしては、半 体基板に貼着後、ピックアップする際には 外線及び/又は放射線により粘着剤が重合硬 化し、粘着力が低減する硬化型粘着シートを 使用する技術が知られている(特許文献1参照) 。一方、半導体基板加工用粘着シートとして 、粘着層が熱膨張性微小球を含む熱膨張性粘 着層で構成されており、加熱により粘着力を 消失させて剥離する熱剥離型粘着シートを使 用する技術も検討されている。このような熱 剥離型粘着シートは、使用に際して紫外線等 の照射設備が不要なことや、剥離耐電の抑制 の点で硬化型粘着シートに比して優れている が、熱膨張性微小球を含有することなどによ り粘着層が硬く、被着体に対する追従性に劣 っていた。
 近年、半導体基板は粘着シート貼り付け面 なる封止樹脂面に0.4~15μm程度の粗面をもつ のや、レーザー照射により深さ25~40μmのマ クが印字されたものが増えてきている。こ ような表面に凹凸を有する半導体基板をダ シングする際には、従来の熱剥離型粘着シ トでは凹凸に対する追従性が十分でないた に十分な粘着力が得られず、基板切断時に 着体が剥離するチップ飛びが発生し歩留ま が低下する問題や、飛んだチップが切断ブ ードにぶつかり、ブレードを破損する問題 生じていた。

特開平6-49420号公報

 本発明の目的は、凹凸面に対する追従性に れているため被着体の被着面が粗面であっ も十分な接着力を発現し、封止樹脂等の粗 を有する半導体基板のダイシング用粘着シ トとして使用した際にも、チップ飛びが発 しにくく、かつ、加工終了後は加熱により 着体にストレスを与えることなく、容易に 離することができる熱剥離型粘着シートを 供することである。
 本発明の他の目的は、上記凹凸面に対する 従性及び熱剥離性に優れた熱剥離型粘着シ トを使用した被着体の加工方法を提供する とである。

 本発明者らは上記課題を解決するために 意検討した結果、支持基材と熱膨張性粘着 との間にゴム状有機弾性層を設け、該熱膨 性粘着層の厚みとゴム状有機弾性層の厚み を一定の比率にすることにより上記課題を 決できることを見出し、本発明を完成した  

 すなわち本発明は、基材の少なくとも片 の面に、ゴム状有機弾性層を介して熱膨張 微小球を含有する熱膨張性粘着層が積層さ た熱剥離型粘着シートであって、ゴム状有 弾性層の厚みが、熱膨張性粘着層の厚みの1 .5~42倍であることを特徴とする熱剥離型粘着 ートを提供する。

 本発明はまた、基材の少なくとも片方の に、ゴム状有機弾性層を介して熱膨張性微 球を含有する熱膨張性粘着層が積層された 剥離型粘着シートを用いて被着体を加工す 被着体の加工方法であって、ゴム状有機弾 層の厚みが、熱膨張性粘着層の厚みの1.5~42 であり、被着体の表面粗さが熱膨張性粘着 の表面粗さよりも大きいことを特徴とする 着体の加工方法を提供する。

 本発明はさらに又、基材の少なくとも片 の面に、ゴム状有機弾性層を介して熱膨張 微小球を含有する熱膨張性粘着層が積層さ た熱剥離型粘着シートを用いて半導体基板 加工し、電子部品を製造する方法であって 半導体基板の表面粗さが熱膨張性粘着層の 面粗さよりも大きいことを特徴とする電子 品の製造方法を提供する。

 本発明の熱剥離型粘着シートは、表面に 凸を有する被着体に対しても優れた追従性 び接着力を発現し、被着体をしっかりと固 することができる。しかも、接着目的達成 は、加熱により容易に接着力が低減又は消 するため、被着体にストレスを与えること く、容易に剥離することができる。

 本発明の被着体の加工方法によれば、表 に凹凸を有する微小な被着体をもしっかり 固定することができるため、被着体に対し 正確な加工を施すことが容易に可能である しかも、加工終了後は加熱により容易に粘 シートの粘着力を低減又は消失させること できるため、容易に被着体を剥離回収する とができる。

 さらに、本発明の方法によれば、表面に 止樹脂による粗面や、レーザー印字等の凹 を有する半導体基板であってもしっかりと 定することができ、切断時のチップ飛びや チップ欠け等のトラブルを低減し、快適に イシング等の加工を行うことができる。加 工程終了後は、加熱により電子部品を容易 粘着シートから剥離することが可能である

本発明の熱剥離型粘着シートの一例を す概略断面図である。 実施例において行った凹凸貼り合わせ の評価方法を説明する図である。

符号の説明

    11:基材
    12:ゴム状有機弾性層
    13:熱膨張性粘着層
    14:セパレーター
    21:ステンレス板
    22:粘着シート
    23:厚さ23μmのポリエチレンテレフタレ トフィルム

[熱剥離型粘着シート]
 図面を参照して、本発明の熱剥離型粘着シ トを説明する。図1は、本発明の熱剥離型粘 着シートの一例を示す概略断面図である。図 1中、11は基材、12はゴム状有機弾性層、13は 膨張性粘着層、14はセパレーターをそれぞれ 示す。ゴム状有機弾性層12は、基材11と熱膨 性粘着層13との間に設けられた層であり、粘 着シートを被着体に接着する際にその表面が 被着体の表面形状に良好に追従して大きい接 着面積を提供する働きと、粘着シートを被着 体から剥離するために熱膨張性粘着層13を熱 て発泡及び/又は膨張させる際に粘着シート の面方向における発泡及び/又は膨張の拘束 少なくして熱膨張性粘着層13が三次元的に構 造変化することによるウネリ構造形成を助長 する働きをするものも含まれる。セパレータ ー14は、熱膨張性粘着層表面を保護するため 必要に応じて設けられる層であり、平滑な 離可能なフィルムにより構成される。セパ ーター14はあってもよく、なくてもよい。

 本発明の熱剥離型粘着シートは、ゴム状 機弾性層12の厚みが熱膨張性粘着層13の厚み の1.5~42倍、好ましくは2~18、さらに好ましく 3~12倍、特に好ましくは4~8倍の範囲内である 後述するようにゴム状有機弾性層12は、比 的柔らかく変形しやすい構成となっている 従って、ゴム状有機弾性層12の厚みを比較的 硬く変形しにくい熱膨張性粘着層13の厚みよ も大きくすること、特に両者の比を上記範 内とすることにより、被着体表面の凹凸を ム状有機弾性層12が吸収し、被着体への貼 付け時には被着体表面の凹凸に熱膨張性粘 層13がよく追従し、被着体と粘着シートとの 間に浮きや気泡などが発生することを予防す る。これにより被着体表面と粘着層表面と接 着面積が増加し、十分な接着力を発現する。 ゴム状有機弾性層12の厚みが、熱膨張性粘着 13の厚みの1.5倍未満であると、被着体の凹 面に対し十分な追随性が得られず、浮きや 泡を生じ、接着力が劣る場合がある。ゴム 有機弾性層12の厚みが熱膨張性粘着層13の厚 に比べて著しく大きい場合、特に42倍を超 る場合は、十分な加熱剥離性が得られない 合がある。

(基材)
 本発明の熱剥離型粘着シートにおいて基材1 1は、粘着シートの支持母体となるもので、 般にはプラスチックのフィルムやシートが いられるが、例えば、紙、布、不織布、金 箔あるいはそれらのプラスチックラミネー 体、プラスチック同士の積層体などの適宜 薄葉体を使用でき、特に制限されない。基 の厚さは特に制限されないが、例えば、5~250 μmの範囲から選択することができる。

(熱膨張性粘着層)
 熱膨張性粘着層13は、粘着剤に熱膨張性微 球を配合することにより形成することがで る。粘着剤としては、公知適宜な感圧接着 を使用することができ、特に制限されない 、加熱時に熱膨張性微小球の発泡及び/又は 張を許容し、拘束しないゴム系材料や樹脂 をベースとする感圧接着剤を使用するのが ましい。

 このような感圧接着剤としては、天然ゴ 、各種合成ゴム、アクリル系、ビニルアル ルエーテル系やシリコーン系、ポリエステ 系やポリアミド系、ウレタン系やスチレン ジエンブロック共重合体系などのポリマー ベースポリマーとする感圧接着剤を例示で る。また、これらのポリマーに融点が約200 以下の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特 を改良したものをベースポリマーとして使 することもできる。

 これらの中で、アクリル系共重合体を特 好適に使用できる。アクリル系共重合体の モノマー成分としては、炭素数20以下のア キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ ステルを用いるのが好ましい。炭素数20以下 アルキル基としては、例えば、メチル基、 チル基、プロピル基、ブチル基、アミル基 ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシ 基、イソオクチル基、イソデシル基、ドデ ル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタ シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基 オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシ 基などが挙げられる。(メタ)アクリル酸アル キルエステルは、1種又は2種以上を選択して モノマー成分として使用することができる なお、これらの(メタ)アクリル酸アルキル ステルは粘着剤のベースポリマー中通常50重 量%以上含まれる。

 アクリル系共重合体は、上記(メタ)アク ル酸アルキルエステルに加えて、必要に応 て凝集力や耐熱性等の改質などを目的に適 な共重合性モノマーが含まれていてもよい 上記共重合性モノマーとしては、例えば、 クリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチ アクリレート、カルボキシペンチルアクリ ート、イタコン酸、マレイン酸、フマール 、クロトン酸などのカルボキシル基含有モ マー;無水マレイン酸、無水イタコン酸など 酸無水物;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ 、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、( タ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)ア リル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリ 酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒ ドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ ラウリル、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキ ル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロ シル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、 アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2 -メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル アミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル (メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオ シナフタレンスルホン酸などのスルホン酸 含有モノマー;(メタ)アクリルアミドやN,N-ジ チル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ) クリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリル アミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリ アミドなどの(N-置換)アミド系モノマー;(メ )アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチ アミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルア ノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキル ミノ系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシ チル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなど の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モ マー;N-シクロヘキシルマレイミド、N-イソ ロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、 N-フェニルマレイミドなどのマレイミド系モ マー;N-メチルイタコンイミド、N-エチルイ コンイミド、N-ブチルイタコンイミド、N-オ チルイタコンイミド、N-2-エチルヘキシルイ タコンイミド、N-シクロヘキシルイタコンイ ド、N-ラウリルイタコンイミドなどのイタ ンイミド系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオ キシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アク ロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイ ド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメ レンスクシンイミドなどのスクシンイミド モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル 、N-ビニルピロリドン、メチルビニルピロリ ン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、 ニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニ ピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダ ール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホ ン、N-ビニルカルボン酸アミド類、スチレ 、α-メチルスチレン、N-ビニルカプロラクタ ムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリ 、メタクリロニトリルなどのシアノアクリ ートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル どのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メ タ)アクリル酸ポリエチレングリコールや(メ )アクリル酸ポリプロピレングリコール、( タ)アクリル酸メトキシエチレングリコール (メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレン リコールなどのグリコール系アクリルエス ルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロ ルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリ コーン(メタ)アクリレート、2-メトキシエチ アクリレートなどのアクリル酸エステル系 ノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ ト、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アク レート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メ )アクリレート、ネオペンチルグリコールジ (メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール (メタ)アクリレート、トリメチロールプロ ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エ キシアクリレート、ポリエステルアクリレ ト、ウレタンアクリレートなどの多官能モ マー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレ 、ビニルエーテルなどが挙げられる。これ の共重合性モノマーは、1種又は2種以上を 択して用いることができる。

 上述したモノマーを重合に付すことによ 、熱膨張性粘着層13を構成するベースポリ ーを製造することができる。重合方法は特 制限されず、重合開始剤を添加して溶液重 方法、塊状重合方法、乳化重合方法等通常 いられる公知の重合方法から適宜選択でき 。

 熱膨張性粘着層13を構成する粘着剤は、 要に応じて各種添加剤が添加されていても い。このような添加剤としては、例えば、 知乃至慣用の粘着付与樹脂(例えば、ロジン 樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロ ・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)、架 橋剤(例えば、エポキシ系架橋剤、イソシア ート系架橋剤、多官能アクリレート系架橋 など)、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、 化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤など 公知の各種添加剤が挙げられる。これらの 加剤の使用量は、いずれも粘着剤に適用さ る通常の量でよい。

 上記熱膨張性微小球としては例えば、イ ブタン、プロパン、ペンタンなどの容易に ス化して膨張性を示す適宜な物質をコアセ べーション法や界面重合法等で殻形成物質 に内包させた熱膨張性微小球を使用するこ ができる。殻形成物質としては、熱溶融性 示す物質や、熱膨張で破壊する物質を使用 き、例えば、塩化ビニリデン・アクリロニ リル共重合体、ポリビニルアルコール、ポ ビニルブチラール、ポリメチルメタクリレ ト、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ デン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱 張性微小球は、良好な熱剥離性を発現する めに、体積膨張倍率が例えば、5倍以上、好 ましくは7倍以上、特に好ましくは10倍以上で あるものを使用するのがよい。

 熱膨張性微小球の配合量は、熱剥離性粘 剤層13を膨張(発泡)させる程度や接着力を低 下させる程度に応じて適宜選択することがで き特に制限されない。例えば、後述する熱剥 離性粘着剤層を構成するベースポリマー100重 量部に対して1~150重量部、好ましくは25~100重 部の範囲から選択することができる。

 熱膨張性粘着層13の厚さは、例えば、5~30 m、好ましくは5~20μm、さらに好ましくは5~15μ mの範囲から選択することができる。熱膨張 粘着層13が厚すぎると凹凸面に対する追随性 が劣り、本発明の熱剥離型粘着シートを半導 体基板のダイシング時の固定用粘着シートと して使用した場合にはチップ飛びや欠けが発 生しやすくなる。厚さが足りない場合には、 単位面積あたりの熱膨張性微小球の量が少な くなるため、加熱剥離性に劣る場合がある。

(ゴム状有機弾性層)
 ゴム状有機弾性層12は、ASTM D-2240のD型シュ ーD型硬度に基づいて50以下、若しくは40以 の天然ゴムや合成ゴム、又はゴム弾性を有 る合成樹脂により形成することができる。

 前記の合成ゴムまたは合成樹脂としては 例えばニトリル系、ジエン系、アクリル系 どの合成ゴム、ポリオレフィン系樹脂、ポ エステル系樹脂、熱可塑性エラストマー、 チレン-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン 、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなど のゴム弾性を有する合成樹脂が挙げられる。 なお、ポリ塩化ビニルなどの本質的には硬質 系のポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等 の配合剤との組み合わせによりゴム弾性を付 与したものを使用してもよい。

 また、ゴム状有機弾性層12を構成する材 としては、上述の感圧接着剤と同様のもの 使用してもよい。例えば、アクリル系共重 体をベースポリマーとするアクリル系感圧 着剤は、ゴム状有機弾性層13を構成する材料 として好適である。

 ゴム状有機弾性層12の厚さは、例えば20~20 0μm、好ましくは30~180μm、さらに好ましくは40 ~150μmのであって、熱膨張性粘着層13の厚みと の比が上記範囲内となるように選択すること ができる。ゴム状有機弾性層12が薄いと凹凸 への追随性に劣り十分な接着力が得られな 場合があり、本発明の熱剥離型粘着シート 半導体基板のダイシング時の固定用粘着シ トとして使用した場合にはチップ飛びや欠 が発生しやすくなる。又、厚すぎると粘着 ートが柔らかすぎるため、チップ欠けが発 する場合がある。

[被着体の加工方法]
 本発明の熱剥離型粘着シートは、被着体に 付時には凹凸を有する被着面に対してもよ 追従し、浮きや気泡を生じることなく張り き、被着体をしっかりと固定することがで る。特に、被着体の表面粗さが、熱膨張性 着層12の表面(粘着面)の表面粗さよりも大き い場合には、このような凹凸面に対する追従 性が顕著に発現する。なお、表面粗さは、例 えば、中心線平均粗さ(算術平均粗さ)などに り評価できる。従って、本発明の熱剥離型 着シート、すなわち、基材11の少なくとも 方の面に、ゴム状有機弾性層12を介して熱膨 張性微小球を含有する熱膨張性粘着層13が積 された熱剥離型粘着シートであって、ゴム 有機弾性層12の厚みが、熱膨張性粘着層13の 厚みの1.5~42倍である熱剥離型粘着シートを使 用して、被着面の表面粗さが熱膨張性粘着層 13の表面粗さよりも大きい被着体を固定して 該被着体に種々の加工を施すことができる 本発明の熱剥離型粘着シートは被着体をし かりと固定し保持することができるため、 細且つ精密な加工を正確に行うことができ 。また、加工に際して被着体(被加工体)に 重のかかる場合であっても、ズレや剥がれ 生じにくく、加工終了時までしっかりと被 体を固定することができる。なお、上記加 には例えば、印刷、刻印、積層プレス、切 、研削、洗浄等が含まれるがこれらに限定 れない。

 加工終了後は、加熱により熱膨張性粘着 13の粘着力を低減又は消失させ、被加工体( 着体)より容易に剥離することができる。こ の際の加熱処理条件は、被着体の表面状態や 熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減 少性、基材11や被着体の耐熱性や加熱方法等 条件により決められるが、例えば、100~250℃ 、1~90秒間(ホットプレートなど)又は5~15分間( 風乾燥器など)である。

[電子部品の製造方法]
 本発明の粘着シートの熱膨張性粘着層13の 面粗さよりも表面粗さが大きく、本発明の 剥離型粘着シートを使用して加工を行うこ ができる被加工体(被着体としては例えば、 リコンウエハなどの半導体基板や、セラミ ク、ガラス、樹脂等からなる基板、これら 基板上に回路パターンを形成した電子部品 合体や、このような電子部品集合体をエポ シ樹脂等の封止樹脂で封止した封止樹脂パ ケージなどが例示できる。これらの被加工 を粘着シートに貼り合わせて固定し、規定 サイズにダイシングして個片化し、電子部 とすることができる。

 本発明の電子部品の製造方法により、例 ば、チップサイズパッケージ等の超小型・ 量の電子部品集合体の切断を、チップ飛び チップ割れなどの不具合を生じることなく 確に行うことができ、高品質の電子部品を 率よく製造することができる。

 以下に実施例を挙げて本発明をより詳細 説明するが、本発明はこれらの実施例によ 何ら制限されるものではない。

(実施例1)
〈ゴム状有機弾性層〉
 アクリル共重合体(アクリル酸ブチル:アク ル酸ビニル:アクリル酸=100重量部:10重量部:5 量部)100重量部、イソシアネート系架橋剤( 本ポリウレタン工業株式会社製:商品名「コ ネートL」)2重量部、ロジンフェノール系樹 (住友ベークライト株式会社製:商品名「ス ライトレジン」)30重量部をトルエンに混合 解し、塗工液を調製した。該塗工液を厚さ50 μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚 みが70μmとなるように塗布し、ゴム状有機弾 層を形成した。
〈熱膨張性粘着層〉
 アクリル共重合体(アクリル酸ブチル:アク ル酸ビニル:アクリル酸=100重量部:10重量部:5 量部)100重量部、イソシアネート系架橋剤日 本ポリウレタン工業株式会社製:商品名「コ ネートL」)5重量部、熱膨張性微小球(松本油 製薬社製:商品名「マイクロスフェアーF30D )70重量部をトルエン中に均一に溶解分散し 塗工液を調製した。該塗工液をセパレータ 上に乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し 、熱膨張性粘着層を形成した。
〈熱剥離型粘着シート〉
 上記ゴム状有機弾性層と熱膨張性粘着層と 貼り合わせ、熱剥離型粘着シートを得た。

(比較例1)
 熱膨張性粘着層の厚みを70μmとした以外は 実施例1と同様の操作を行い、熱剥離型粘着 ートを得た。

(比較例2)
 ゴム状有機弾性層の厚みを13μmとし、熱膨 性粘着層の厚みを10μmとした以外は実施例1 同様の操作を行い、熱剥離型粘着シートを た。

(検証)
 実施例及び比較例で得られた熱剥離型粘着 ートについて以下の試験を行った。結果を 1に示す。
[粘着力]
 ステンレス板(SUS304BA)表面に各熱剥離型粘着 シートを貼り合わせ、引っ張り速度300mm/min、 ピール角度180°で粘着シートを引き剥がす際 粘着力を測定した。
[加熱剥離性]
 ステンレス板(SUS304BA304BA)表面に各熱剥離型 着シートを貼り合わせてサンプルを作製し 該サンプルを100℃×1分間加熱して剥離状況 目視で確認した。剥離した場合○、剥離し かった場合×と評価した。
[凹凸貼り合わせ性]
 図2を参照して凹凸貼り合わせ性の試験方法 を説明する。図2は凹凸貼り合わせ性試験の ンプルを示す概略断面図である。なお、図2 、21はステンレス板(SUS304BA)、22は、幅20mmに 断した実施例又は比較例で得られた熱剥離 粘着シート、23は厚さ23μmのPET(ポリエチレ テレフタレート)フィルムを示す。ステンレ 板上にPETフィルムを置き、各熱剥離型粘着 ートをラミネーターを使用して、圧力0.3MPa 貼り付け速度1m/minで貼り合わせた。なお、 2は粘着シートの幅方向の断面図であり、フ ィルムの貼り合わせは、粘着シートの長さ方 向に沿ってラミネートすることにより行った 。PETフィルムの幅aは20mmである。貼り合わせ 、浮き(非粘着部分)としてb及びcの最大長さ を測定し、bとcとの平均を算出した。平均値 200μm未満である場合○と、200μ以上である 合×と評価した。

 本発明の熱剥離型粘着シートは、表面に 凸を有する被着体に対しても優れた追従性 び接着力を発現し、被着体をしっかりと固 することができる。しかも、接着目的達成 は、加熱により容易に接着力が低減又は消 するため、被着体にストレスを与えること く、容易に剥離する事ができる。

 上述のような優れた特性を有する本発明 粘着シートを加工時の固定用粘着シートと て使用すれば、被着体に対して正確な加工 施すことが容易に加工である。例えば、電 部品の製造においては、表面に封止樹脂に る粗面や、レーザー印字等の凹凸を有する 導体基板ンであってもしっかりと固定する とができ、切断時のチップ飛びやチップ欠 等のトラブルを低減し、快適にダイシング の加工を行うことができる。