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Title:
METHOD, DEVICE, AND PROGRAM FOR OBJECTIVELY EVALUATING VIDEO QUALITY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116667
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a method, device, and program which, to objectively evaluate video quality, use: motion vectors and DCT coefficients, which exist inside the bitstream of an encoded video and are parameters representing the differences in scenes; or, pixel information and encoding control information partially recovered from the bitstream of the encoded video. Consequently, it becomes possible to objectively evaluate video quality in a short period of time using an inexpensive computer, because computational effort can be saved as compared to doing an objective evaluation of video quality by using pixel information obtained by reconstructing the bitstream of the entire video, which is a process which requires an extremely large amount of computational effort.

Inventors:
WATANABE KEISHIRO (JP)
OKAMOTO JUN (JP)
YAMAGISHI KAZUHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055681
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
WATANABE KEISHIRO (JP)
OKAMOTO JUN (JP)
YAMAGISHI KAZUHISA (JP)
International Classes:
H04N17/00; H04N19/102; H04N19/00; H04N19/136; H04N19/139; H04N19/167; H04N19/172; H04N19/176; H04N19/196; H04N19/46; H04N19/503; H04N19/51; H04N19/513; H04N19/61; H04N19/625; H04N19/67; H04N19/70; H04N19/895; H04N19/91
Foreign References:
JP2007043642A2007-02-15
JP2000341688A2000-12-08
Other References:
See also references of EP 2257077A4
MASATAKA MASUDA; TOSHIKO TOMINAGA; TAKANORI HAYASHI: "Non-intrusive Quality Management for Video Communication Services by using Invalid Frame Rate", TECHNICAL REPORT OF IEICE, September 2005 (2005-09-01), pages 55 - 60
"Opinion model for video-telephony applications", ITU-T G.1070, April 2007 (2007-04-01)
"Objective perceptual video quality measurement techniques for digital cable television in the presence of a full reference", ITU-T J.144, February 2000 (2000-02-01)
Attorney, Agent or Firm:
YAMAKAWA, Masaki et al. (JP)
Masaki Yamakawa (JP)
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Claims:
 視聴者が映像を見た時に体感する映像の主観品質を推定することにより映像の品質を客観的に評価する映像品質客観評価方法であって、
 動き補償とDCT変換を利用して符号化された前記映像のビット列を受信するステップと、
 受信した前記映像のビット列に損失が生じている場合、失われたビット列と残ったビット列を用いて所定の演算を行う演算ステップと、
 前記演算ステップの演算結果に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行う推定ステップとを有し、
 前記演算ステップは、失われたビット列で保存されていたブロックの空間もしくは時系列の位置情報を抽出し、
 前記推定ステップは、抽出された前記空間の位置情報もしくは前記時系列の位置情報に基づいて前記映像の主観品質を推定することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、動き補償機能を用いて他のブロックから参照される参照先ブロックのビット列に損失が生じている場合、参照先のブロックのビット列の損失が参照元のブロックに与える損失を演算し、
 前記推定ステップは、前記演算ステップの演算結果に基づいて前記映像の主観品質を推定することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、符号化処理により劣化した主観品質を、ビット列の損失が生じた場合の主観品質の最大値とすることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、単一のフレーム内で生じた劣化の代表値として、ビット列の損失が生じたブロックの数を重み付きで演算した値を算出し、
 前記推定ステップは、前記算出された値を前記主観品質の推定に用いることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項4において、
 前記演算ステップは、単一フレーム内で生じた劣化の代表値を、映像を構成する全てのフレームで導出して、それらを重み付きで演算した値を算出し、
 前記推定ステップは、前記算出された値を前記主観品質の推定に用いることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項4または請求項5において、
 前記演算ステップでは、前記主観品質の推定に用いる重みを、動きベクトルデータの統計量または映像の再生端末が行う劣化隠蔽処理または劣化が発生した位置またはDCT係数の統計量または局所的な画素情報、またはそれらの組み合わせに応じて決定することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項6において、
 前記演算ステップでは、動きベクトルデータの統計量として、フレーム内のすべてまたは一部のマクロブロックの動きベクトルの大きさまたは向きに関する統計量を用いることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項6において、
 前記演算ステップでは、DCT係数の統計量として、フレーム内のすべてまたは一部のマクロブロックのDCT係数の統計量を用いることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項6において、
 各種の劣化隠蔽処理による主観品質の改善量を予め主観品質評価実験を行うことにより測定してデータベース化するステップをさらに有し、
 前記推定ステップは、映像品質の客観評価時には前記データベースを参照して、各劣化隠蔽処理に対してチューニングを行った主観品質を導出することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項6において、
 前記推定ステップは、符号化された映像のビット列もしくは局所的な画素信号として復号された情報を用いて、前記劣化隠蔽処理による主観品質の改善量を推定することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項6において、
 前記演算ステップでは、局所的な画素情報として、損失したビット列中に含まれるマクロブロックの近辺のマクロブロックの画素情報を用いることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、失われたビット列で保存されていた情報が符号化の制御情報である場合、その符号化制御情報が主観品質に与える影響の度合いを演算し、
 前記推定ステップは、前記演算ステップの演算結果に応じて前記映像の主観品質を推定することを特徴とする 映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記推定ステップは、前記映像の主観品質を推定する映像品質の客観評価を行う時に、符号化方式またはフレームレートまたは前記映像の解像度に応じて評価式の最適化を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1,2,4の何れかにおいて、
 前記ブロックは、フレームまたはスライスまたはマクロブロックまたはサブマクロブロックの何れかであることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 視聴者が映像を見た時に体感する映像の主観品質を推定することにより前記映像の品質を客観的に評価する映像品質客観評価装置であって、
 動き補償とDCT変換を用いて符号化された前記映像のビット列を受信する受信部と、
 受信した前記映像のビット列に損失が生じている場合、失われたビット列と残ったビット列を用いて所定の演算を行う演算部と、
 前記演算部の演算結果に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行う推定部とを備え、
 前記演算部は、失われたビット列で保存されていたフレームまたはスライスまたはマクロブロックまたはサブマクロブロックの空間もしくは時系列の位置情報を抽出し、
 前記推定部は、抽出された前記空間の位置情報もしくは前記時系列の位置情報に基づいて前記映像の主観品質を推定することを特徴とする映像品質客観評価装置。
 動き補償とDCT変換を用いて符号化された映像のビット列を受信する処理と、
 受信した前記映像のビット列に損失が生じている場合、失われたビット列で保存されていたフレームまたはスライスまたはマクロブロックまたはサブマクロブロックの空間もしくは時系列の位置情報を抽出する処理と、
 抽出された前記空間の位置情報もしくは前記時系列の位置情報に基づいて前記映像の主観品質を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
 請求項6において、
 前記推定ステップは、空間方向の劣化隠蔽処理の影響を表現する値と、時間方向の劣化隠蔽処理の影響を表現する値とを用いて、前記劣化隠蔽処理による主観品質の改善量を推定することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項17において、
 前記空間方向の劣化隠蔽処理の影響を表現する値は、劣化領域の周辺の類似度と劣化領域の大きさとを用いて算出することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項17において、
 前記時間方向の劣化隠蔽処理の影響を表現する値は、フレーム間の動きベクトルの大きさおよび向きの変化量を用いて算出することを特徴とする映像品質客観評価方法。
Description:
映像品質客観評価方法、映像品 客観評価装置、及びプログラム

 本発明は、映像データの損失による映像 質の劣化を対象とした映像品質客観評価技 に関し、特に人間が映像を見て体感した品 (主観品質)を評価する場合に、多数の被験 が特殊な実験設備内で、実際に映像を視聴 て品質を評価する主観品質評価実験を行う となく、ユーザが視聴する映像の符号化ビ ト列情報から客観的に主観品質を導出する 像品質客観評価方法、映像品質客観評価装 、及びプログラムに関する。

 従来では、符号化された映像のビット列 保存もしくは伝送する際に、ビット列に欠 が発生した場合、映像符号化やIP通信のパ メータ情報を用いて客観的に映像品質評価 行う技術(増田征貴,富永聡子,林孝典,“無効 レーム率を用いたインサービス映像品質管 法",信学技報,CQ2005-59,pp.55-60,Sept. 2005.(文献1) 、および、ITU-T G.1070,“Opinion model for video-t elephony applications,” Apr. 2007.(文献2))や、符 化された映像のビット列を画素信号まで復 し、画素情報を基に客観的に映像品質評価 行う技術(ITU-T J.144,“Objective perceptual video  quality measurement techniques for digital cable telev ision in the presence of a full reference,”Feb. 20 00.(文献3))が検討されてきた。

 文献1や文献2に記載の技術では、評価者 想定する数シーンの平均的な主観品質の推 を行う。しかし実際の映像ではシーン毎に ット列の構成が大きく異なるため、ビット に損失が発生した場合には、映像のシーン 違いにより主観品質が大きく変動する。従 て文献1や文献2の技術では映像シーンの違い を考慮することが難しく良好な推定精度の実 現には問題がある。更にIP通信のパラメータ 報を使って主観品質の推定を行う場合、IP 信以外のプロトコルを利用すると、主観品 の推定が不可能となる。

 また、文献3では、符号化された映像のビ ット列を復号した映像の画素情報を用いて主 観品質の推定を試みているが、画素情報への 復号には莫大な計算量を要するためリアルタ イムに主観品質を推定するには非常に多くの 演算量を必要とし、したがって1台当たりの 造コストが高騰することから、低コストが 求されるユーザの映像再生端末(セットトッ ボックス)等への実装が難しくなる。

 このような課題を解決するために本発明 、現在主流である動き補償フレーム間予測 DCT変換を用いる符号化方式、特にH.264方式 ビット列に損失が発生した場合に、ビット のみ、もしくはこれを部分的にデコードし 画素情報を解析して、ビット列をデコード て得られる映像内における劣化発生領域を 出する領域を検出するステップと、それら 劣化領域が人間に与える影響を重み係数と て導出するステップと、映像をデコードす 際にデコーダが映像内の劣化を検知しにく する劣化隠蔽処理による効果を推定するス ップと、劣化が発生するフレーム/スライス/ 動きベクトルのIPB属性を検出するステップと 、これらの情報を総合して映像内の単一フレ ームにおける劣化の強さを表す値を導出する ステップと、単一フレームにおける劣化の強 さを,全てのフレームについて導出して,それ を統合してビット列の損失による全フレー の劣化の代表値を導出するステップと,符号 化劣化に対する主観品質を推定するステップ と、符号化劣化に対する主観品質とビット列 の損失による全フレームの劣化の代表値を合 わせて総合的な主観品質を推定するステップ を備える符号化された映像のビット列に損失 が生じた場合の主観品質を推定するものであ る。

 すなわち、本発明は、視聴者が映像を見 時に体感する映像の品質を表す主観品質の 定を行う映像品質客観評価方法であって、 き補償とDCT変換を利用して符号化された映 のビット列に損失が生じた場合に、損失し ビット列と残ったビット列を用いてシーン 違いが主観品質に及ぼす影響を考慮し、か デコードを必要とせずに主観品質を推定す ことを特徴とする。

 ここで、ビット列の損失が発生した場合に 失われたビット列で保存されていたフレー (またはスライスまたはマクロブロックまた はサブマクロブロック)の空間もしくは時系 の位置情報を用いて主観品質を推定する 。
 また、動き補償機能において他のフレーム( またはスライスまたはマクロブロックまたは サブマクロブロック)から参照される参照先 レーム(またはスライスまたはマクロブロッ またはサブマクロブロック)のビット列に損 失が生じている場合は、参照先のフレーム( たはスライスまたはマクロブロックまたは ブマクロブロック)のビット列の損失により 照元のフレーム(またはスライスまたはマク ロブロックまたはサブマクロブロック)に与 られる損失に基づいて主観品質を推定する

 また、符号化処理により劣化した主観品質 、ビット列の損失が発生した場合の主観品 の最大値とする。
 また、単一のフレーム内で生じた劣化の代 値として、ビット列の損失が起きたブロッ の数を重み付きで加算した値を映像品質の 観評価に用いる。
 この場合、単一フレーム内で生じた劣化の 表値を、映像を構成する全てのフレームで 出して、それらを重み付きで加算した値を 像品質の客観評価に用いる。
 ここで、映像品質の客観評価に用いる重み 、動きベクトルデータの統計量または映像 再生端末が行う劣化隠蔽処理または劣化が 生した位置またはDCT係数の統計量または局 的な画素情報、またはそれらの組み合わせ 応じて決定する。

 なお、動きベクトルデータの統計量として 、フレーム内のすべてまたは一部のマクロ ロックの動きベクトルの大きさまたは向き 関する統計量を使用する。
 また、DCT係数の統計量として、フレーム内 すべてまたは一部のマクロブロックのDCT係 の統計量を使用する。
 また、各種の劣化隠蔽処理による主観品質 改善量を予め主観品質評価実験を行うこと より測定してデータベース化し、映像品質 客観評価時には前記データベースを参照し 、各劣化隠蔽処理に対してチューニングを った主観品質を導出する。
 また、符号化された映像のビット列もしく 局所的な画素信号として復号された情報を いて、劣化隠蔽処理による主観品質の改善 を推定する。
 また、局所的な画素情報として、損失した ット列中に含まれるマクロブロックに隣接 るマクロブロックの画素情報を用いる。

 また、本発明は、ビット列の損失が発生し 際に、失われたビット列で保存されていた 報が符号化の制御情報である場合は、その 号化制御情報が主観品質に与える影響の度 いに応じて主観品質を推定する。
 また、映像品質の客観評価を行う時に符号 方式またはフレームレートまたは映像解像 に応じて評価式の最適化を行う。

 このように、現在主流である動き補償フ ーム間予測とDCT変換による符号化方式を用 た映像のビット列の内部は、主に動きベク ルやDCT係数、また符号化の制御情報(例えば 量子化をコントロールする量子化係数/パラ ータ等)から構成され、これらの情報は映像 シーン毎にその内容が大きく異なるため、 れらの情報を利用することにより映像シー の違いを考慮した主観品質の評価が可能に る。更にビット列に埋め込まれた情報をそ まま利用し、画素情報を利用しない場合に 、取得に莫大な計算量を要する画素情報を 要とせず計算量を大きく低減することが可 になる。また映像のビット列を部分的にデ ードした画素情報を取得するには、ビット に埋め込まれた情報のみを用いる場合に比 て少々負荷が増加するが、映像全体をデコ ドする場合に比べると大きく計算量を節約 きるため、映像シーンの違いを画素情報と て考慮するために、この情報を付加的に加 て主観品質の推定を行っても良い。これに り安価な計算機を利用して短時間で精度の い映像品質客観評価が可能になり、例えば 像サービスにおいて視聴者毎に見ている映 は一般的に異なるが、これらの違いを考慮 たが見ている映像毎に主観品質の推定が可 となることで、視聴者毎にきめ細かい品質 関するサポートが可能となることや、映像 ービス事業者のヘッドエンドで効率的かつ 価かつチャンネル毎・シーン毎に映像の主 品質を管理すること等が可能になる。更に 像のビット列を取得できれば良いので、ビ ト列を伝送するプロトコルに依存しない映 品質客観評価が可能である。つまりIP通信 外の通信方式にも拡張可能であるため、様 な通信方式で伝送される映像に対して本方 は適用が可能である。

 本発明では、符号化ビット列に欠損が発 した場合に、符号化された映像のビット列 報を利用するようにしたことにより、主観 質の推定を効率的かつ精度良く行うことが 能となり、その結果、主観品質評価法や従 の客観品質評価法を本発明に置き換えるこ により多大な労力と時間を必要としなくな 。従って、ユーザが感じている主観品質を 規模かつリアルタイムに取得することが可 となる。

図1は、本発明に係る映像品質客観評価 装置の構成を示すブロック図である。 図2は、上記映像品質客観評価装置を構 成する各機能部の概略動作を示すフローチャ ートである。 図3は、フレーム内のマクロブロック復 号状況を示す図である。 図4は、損失マクロブロック内のエッジ 推定方法を説明する図である。 図5は、損失マクロブロックとその隣接 マクロブロックにおけるエッジの代表値を表 す図である。 図6は、損失マクロブロック内のエッジ 推定方法を説明する図である。 図7は、8×8DCT係数の3次元表示を示す図 ある。 図8は、8×8DCT係数の2次元表示を示す図 ある。 図9は、動きベクトル導出対象フレーム からの相対位置を示す図である。 図10は、動きベクトルを動きベクトル 出対象フレームから1フレーム後方への射影 例を示す図である。 図11は、動きベクトルを動きベクトル 出対象フレームから1フレーム前方への射影 例を示す図である。 図12は、損失マクロブロック付近の動 ベクトル導出対象マクロブロックの状況を す図である。 図13は、動きベクトルの向きを説明す 図である。 図14は、注目領域の定義を説明する図 ある。 図15は、フレーム内のマクロブロック 座標系を表す図である。 図16は、上記映像品質評価装置のハー ウェア構成を示す図である。 図17は、フレーム内の劣化したブロッ とその隣接ブロックを示す図である。 図18は、時間方向の劣化隠蔽処理の効 推定方法を説明する図である。

 以下、本発明の実施の形態について図を参 して説明する。
(実施の形態1)
 本実施の形態の映像品質客観評価装置は、 号化映像のビット列を入力するためのイン ーフェースと、サーバ装置やパーソナルコ ピュータなどの演算装置と、記憶装置とか なる情報処理装置から構成され、符号化映 のビット列を入力し、入力映像に対応した 観品質を出力するものである。そのハード ェア構成としては、図16に示すように、受 部2、演算部3、記憶媒体4および出力部5から る。ここで、図16に示すH.264符号化装置6は 入力映像を後述するH.264方式により符号化す る。そして、符号化された映像ビット列は伝 送網内を伝送データとして通信され映像品質 客観評価装置1に送信される。

 映像品質客観評価装置1は、その伝送データ 、すなわち前記符号化されたビット列を受信 部2で受信する。そして、CPUが記憶媒体4に記 されたプログラムを読み出して実行するこ により、演算部3の機能を実現する。すなわ ち、演算部3は受信部2で受信されたビット列 情報を利用して各種の演算処理を行い、そ 演算処理結果を表示部などの出力部5に出力 することにより、映像の主観品質を推定する ものである。
 ここで、演算部3の演算処理機能としては、 具体的には、図1に示すように、係数データ ースD11~D17と、劣化発生領域特定機能部F11と 劣化発生領域の重み判定機能部F12と、劣化 蔽処理特定機能部F13と、単一フレームの劣 代表値導出機能部F14と、全フレームの劣化 表値導出機能部F15と、符号化劣化に対する 観品質推定機能部F16と、主観品質推定機能 F17とがある。

 ここで、この映像品質客観評価装置1では 、動き補償とDCT変換を用いるH.264方式の符号 された映像のビット列に欠損が生じた場合 、符号化された映像のビット列の正常部分 欠損部分の内容を利用して映像の主観品質 推定を行う。原理的には動き補償とDCT変換 用いる符号化方式に応用可能である。

 以下、図1を参照して、この映像品質客観評 価装置を構成する各機能部の機能について具 体的に説明する。各機能部には必要なメモリ を備えている。
 劣化発生領域(位置、数)特定機能部F11は、 力された符号化映像のビット列を走査して ット列に欠損が生じている場合に、フレー 内で劣化が発生したマクロブロックの位置 数を特定して劣化情報11aと11bをそれぞれ劣 代表値導出機能部F14と、重み判定機能部F12 に出力する。

 劣化発生領域の重み判定機能部F12は、劣 発生領域特定機能部F11から入力した劣化情 11bを走査して、劣化が発生したマクロブロ クの位置や、その周辺に存在するマクロブ ックの動きや絵柄の複雑さから、劣化した クロブロックの主観品質への影響度を測定 、劣化量情報12aとして劣化代表値導出機能 F14に出力する。

 劣化隠蔽処理特定機能部F13は、予めデー ベース化された、もしくは動的に導出され 劣化隠蔽処理による主観品質への影響度に する重みを、利用する劣化隠蔽処理によっ 切り替え、その結果を劣化隠蔽処理情報13a して劣化代表値導出機能部F14に出力する。

 単一フレームの劣化代表値導出機能部F14 、各機能部F11、F12,F13からの出力である劣化 情報11a,劣化量情報12a,劣化隠蔽処理情報13aに づいて、単一フレームに存在する劣化した てのマクロブロックの影響を加味した劣化 強さの代表値を導出して、フレーム劣化代 値14aとして全フレームの劣化代表値導出機 部F15に出力する。

 全フレームの劣化代表値導出機能部F15は 単一フレームの劣化代表値導出機能部F14か の出力であるフレーム劣化代表値14aに基づ て、評価対象映像中に存在する全てのフレ ムの劣化の強さの代表値を導出し、評価対 映像全体の劣化の強さとしてまとめ、その とめた値を代表値として導出して全フレー 劣化代表値15aとして主観品質推定機能部F17 出力する。

 符号化劣化に対する主観品質推定機能部F 16は、符号化による映像の劣化のみを加味し 主観品質を導出して符号化主観品質16aとし 主観品質推定機能部F17に出力する。この場 、主観品質推定機能部F16は、符号化処理に り劣化した主観品質を主観品質の最大値と る。主観品質推定機能部F17は、全フレーム 劣化代表値導出機能部F15からの全フレーム 化代表値15aと、符号化劣化に対する主観品 推定機能部F16からの符号化主観品質16aに基 いて、符号化とビット列の損失による映像 劣化を加味した主観品質を導出する。

 なお、各機能部F11,F12,F13,F14,F15,F16,F17には 各機能部でそれぞれ利用する評価式の係数 データベースD11,D12,D13,D14,D15,D16,D17が前述し ようにそれぞれ付属している。各データベ スD11~D17には、評価式の最適化を行うための 評価対象映像の符号化方式や解像度やフレー ムレート毎に異なる係数が格納されている。 これらの係数は、予め実施された主観品質評 価実験の結果に基づいて、各評価式で回帰分 析を実施することで決定しても良いし、任意 の値を利用しても良い。

 次に、図1に示すブロック図と図2に示す ローチャートを中心とし他の図も参照しな ら、本映像品質客観評価装置を構成する各 能部の詳細な動作を説明する。なお、以下 示す画素信号やDCT係数は全て輝度に関する のとする。ただし、色差信号について同様 処理を適用することもできる。

 劣化発生領域(位置、数)特定機能部F11で 、映像の符号化ビット列を入力として、ま H.264方式の可変長符号を復号する必要がある 。これを行うためには、参考文献1(ITU-T H.264,  “Advanced video coding for generic audiovisual ser vices,”Feb. 2000.)に準拠するH.264復号器を利用 る。そして、復号後には、H.264符号化の制 情報を含むSPS(Sequence Parameter Set)やPPS(Picture Parameter Set)等のシンタックス情報に加えて 動き補償やDCT変換符号化で用いられる動き クトルやDCT係数等の符号化情報が、マクロ ロックもしくはサブマクロブロック毎に取 できる。具体的には参考文献1に記載されて る仕様に従う。

 符号化されたビット列に損失が発生した 合には機能部F11で正常に復号できなくなる め、マクロブロックやサブマクロブロック 画素信号を計算するための動きベクトルやD CT係数等の情報、また符号化制御情報が正常 取得できなくなる。映像品質客観評価装置 記憶領域にマクロブロック単位の復号の成 と失敗を集計するためのフラグを用意し、 号化ビット列を走査して復号するために十 なデータが存在しないマクロブロックやサ マクロブロックについてはフラグを立てる 、図3に示すようなフレーム内のマクロブロ ックの復号成否状況を得ることができる。図 3では、細枠ブロックはデコード成功、太枠 ロックはデコード失敗を表す。ブロック12,31 ,35は動き補償やDCT符号に関する情報が消失、 ブロック51~57はスライス符号化制御情報が消 した例である。

 図3に示すような復号成否状況により、復 号を失敗して劣化したマクロブロックやサブ マクロブロックの位置と数を検出できる。ま た、SPSやPPSなどの符号化制御情報に損失が起 きている場合は、SPSについては対応するシー ケンス(評価対象映像全体)の全てのマクロブ ックが損失、PPSについては対応するピクチ (フレームもしくはフィールド)の全てのマ ロブロックが損失したとみなす。図中のマ ロブロックの数とスライスの形状は一例で る。

 更に、H.264方式の動き推定機能を使って、 号を失敗したマクロブロックやサブマクロ ロックが他のマクロブロックやサブマクロ ロックから参照されている場合、参照元の クロブロックやサブマクロブロックにもそ IPB属性に応じて劣化が生じる。IPBの属性に いては上記参考文献1に記載されている。参 先のマクロブロックやサブマクロブロック 復号に失敗している場合、参照元のマクロ ロックがPフレームの場合は予め係数データ ベースD11に格納されている劣化重みε=a 1 、Bフレームの場合は劣化重みε=a 2 を選択する。これに加えてIフレームではフ ーム内予測がH.264では用いられるため、同様 に参照先のマクロブロックやサブマクロブロ ックの復号が失敗している場合、劣化重みε= a 3 を選択し、予測を使わない場合は劣化重みε= a 4 を選択する。これらの処理により、評価対象 映像中で欠損が生じたマクロブロックやサブ マクロブロックの特定が可能となる。

 この段階で、サブマクロブロック単位で 失が発生している場合は、そのサブマクロ ロックを包含するマクロブロック単位で損 が発生しているとみなす。復号を失敗して 化したマクロブロックの位置と数に加えて 映像の符号化ビット列、重みεを劣化情報11 a,11bとして劣化代表値導出機能部F14と、重み 定機能部F12とに出力する。

 劣化発生領域の重み判定機能部F12について 、劣化情報11bを入力情報として、以下に示 劣化発生領域を表す重みパラメータを出力 る。まず絵柄の複雑さによる、劣化したマ ロブロックの主観品質への影響度の変化を 定する機能から説明する。
 第一に部分的な画素信号の取得が可能であ 場合について示す。画素信号は、H.264符号 の制御情報に加えて、動き補償やDCT変換符 化で用いられる動きベクトルやDCT係数を上 の参考文献1で示されるアルゴリズムに適用 て取得できる。

 具体的には損失したマクロブロックの上 左右のマクロブロックのみ画素信号の取得 し、これは上記参考文献1に従って行う。絵 柄の複雑さの代表的な指標の一つとしてSobel ィルタを利用したエッジの大きさと方向が げられる。ここでは劣化したマクロブロッ におけるエッジの有無が主観品質を変動さ ると考え、劣化したマクロブロックに隣接 るマクロブロックから、劣化したマクロブ ックに対してエッジが連続的に存在するか うか推定する。

 具体的には図4と図5を用いて説明する。 ず図4では劣化したマクロブロックと隣接す 4つのマクロブロックを示している。各隣接 マクロブロックには、劣化したマクロブロッ クとの境界に1列の画素(図中、白い四角で表 画素の列)が並んでおり、その更に1列奥の 素列(劣化したマクロブロックと隣接マクロ ロックの境界から数えて2列目の隣接マクロ ブロック内の画素列:図中黒い四角で表す画 の列)をSobelフィルタによるエッジ導出に用 る。Sobelフィルタを利用するとエッジは大き さと方向を持つ量、つまりベクトル量として 導出されるため、各隣接マクロブロックのエ ッジ導出対象画素列で求めたエッジを以下の ように定義する。

 ただし、iは隣接マクロブロックの識別子 (図4のマクロブロック1~マクロブロック4に相 )、jは劣化したマクロブロックと隣接マク ブロックの境界に存在する画素数、ここでm Sobelフィルタによるエッジ導出対象画素列 存在する画素数を表す。これより各隣接マ ロブロックにおいて、Sobelフィルタによるエ ッジ導出対象画素列で導出したエッジの代表 値

 を以下のように導出する。

 ただし、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して最大となる値を出力し、θは図5に 示すように劣化したマクロブロックと隣接マ クロブロックの境界面(図中黒線で表してい )に対するベクトルE{i}jの角度である。ここ は、演算子maxを使って大きさが最大となる クトルを出力するように設定したが、代わ に任意の統計量、例えば最小値や平均値や 散などを使用しても良い。
 更に各隣接マクロブロックで導出したベク ルE{i}の代表値(即ち、ベクトルE)を以下のよ うに導出する。

 ここで、μはデータベースD12に格納され いる係数である。ここでは演算子maxを使っ 大きさが最大となるベクトルを出力するよ に設定したが、代わりに任意の統計量、例 ば最小値や平均値や分散などを使用しても い。ただし、隣接マクロブロックが劣化し いる、もしくは存在しない場合には、その 接マクロブロックは代表値(即ち、ベクトルE )の導出に利用しない。また全ての隣接する クロブロックでベクトルE{i}が導出できない 合は、ベクトルEの絶対値をデータベース12 格納されている任意の定数(例えば0)とする これにより単一フレーム内に存在する全て 劣化したマクロブロックについて、絵柄の 雑さによる、劣化したマクロブロックの主 品質へ与える影響を測定できる。

 絵柄の複雑さによる、劣化したマクロブ ックの主観品質への影響度の変化を測定す 機能について、第二に符号化された映像の ット列情報のみが利用できる場合を示す。 一の場合と同様に、劣化したマクロブロッ におけるエッジの有無が主観品質を変動さ ると考え、劣化したマクロブロックに隣接 るマクロブロックから、劣化したマクロブ ックに対してエッジが連続的に存在するか うか推定する。具体的には図6、図7、図8を いて説明する。

 図6では劣化したマクロブロックと隣接す る4つのマクロブロックを示している。図4と 似しているが、図4では各マクロブロックは 画素情報で構成されていたのに対し、図6で DCT係数で構成されている。図6の各隣接マク ブロックがIスライスやIフレームの一部で れば以下に記載の処理をそのまま実行する 、隣接マクロブロックの中にP属性またはB属 性のマクロブロックが存在している場合は、 フレーム内の空間的な位置は全く同じで、最 も時系列で近い位置にあるI属性のマクロブ ックを代替として用いてもよいし、代替せ そのまま処理を続行しても良い。

 各マクロブロックのDCT係数の例は具体的 は図7のように配置されている。ここで、x が水平方向周波数を表し、y軸が垂直方向周 数を表し、z軸にDCT係数が表わされている。 なお図7は8×8画素のブロックに対してDCT変換 適用した場合を示しており、4×4画素のブロ ックに対してDCT変換を適用した場合は、水平 方向周波数、垂直方向周波数ともに、1以上4 下の整数値が変動範囲となる。また16×16画 のブロックに対してDCT変換を適用した場合 、水平方向周波数、垂直方向周波数ともに 1以上16以下の整数値が変動範囲となる。つ りn×n画素(nは1以上の整数値)のブロックに してDCT変換を適用した場合は、水平方向周 数、垂直方向周波数ともに、1以上n以下の整 数値が変動範囲となる。

 図8に、図7のx軸である水平方向周波数、y 軸である垂直方向周波数を表示した図を示す 。図8では、x軸とy軸が同等の値になる対角線 A上のDCT係数群の上方に存在するDCT係数群を ループ1、下方に存在するDCT係数群をグルー 2とする。グループ1は垂直方向周波数が水 方向周波数より高くなる領域、つまり横方 のエッジが縦方向のエッジよりも強めとな 領域であり、グループ2は水平方向周波数が 直方向周波数より高くなる領域、つまり縦 向のエッジが横方向のエッジよりも強めと る領域である。

 図8の座標を(水平方向周波数、垂直方向周 数)として、座標(p,q)のDCT係数をDpqとし、以 の計算式で縦方向のエッジE V (即ち、ベクトルE V )の強さ

 と、横方向のエッジEh(即ち、ベクトルEh) 強さであるベクトルEhの絶対値を計算する ただし式中のnは、エッジ導出対象のマクロ ロックがn×nであることを示している。

 このエッジの強さの導出処理を使って、 6の隣接マクロブロック1と隣接マクロブロ ク3ではベクトルEνの絶対値導出を行い、隣 マクロブロック2と隣接マクロブロック4で ベクトルEhの絶対値導出を行う。これらのエ ッジの強さを各隣接マクロブロックのエッジ の強さの代表値ベクトルE{i}とし、iは隣接マ ロブロックの識別子(1≦i≦4)とする。更に 隣接マクロブロックで導出したベクトルE{i} 代表値ベクトルEを以下のように導出する。

 ここで、μはデータベースD12に格納され いる係数である。ここでは演算子maxを使っ 大きさが最大となるベクトルを出力するよ に設定したが、代わりに任意の統計量、例 ば最小値や平均値や分散などを使用しても い。ただし、隣接マクロブロックが劣化し いる、もしくは存在しない場合には、その 接マクロブロックはベクトルEの導出に利用 ない。また全ての隣接するマクロブロック ベクトルE{i}が導出できない場合は、ベクト ルEの絶対値をデータベースD12に格納されて る任意の定数(例えば0)とする。これにより 一フレーム内に存在する全ての劣化したマ ロブロックについて、絵柄の複雑さが劣化 たマクロブロックの主観品質へ与える影響 大きさを測定できる。

 劣化発生領域の重み判定機能部F12につい 、次に劣化が発生したマクロブロックの周 に存在するマクロブロックの動きの大きさ 、主観品質へ与える影響を測定する機能を 明する。動きの大きさによる主観品質への 響は動きベクトルの代表値に基づいて判定 、動きベクトルの代表値の導出方法につい は、図9、図10、図11、図12を用いて説明する 。

 まずフレーム全体の動きベクトルの代表 の導出方法を示す。図9に示すように、H.264 式では動きベクトルの導出に用いる参照フ ームを、前方、後方に限らず、マクロブロ ク・サブマクロブロック単位で任意の2つ選 ぶことが可能である。これは原理的にはMPEG2 MPEG4の双方向フレームに応用可能である。 こでマクロブロック・サブマクロブロック に設定される動きベクトルの大きさを各ブ ックについて比較可能とするために正規化 行い、動きベクトルの導出対象フレームの 方、後方1フレームに各マクロブロック・サ マクロブロックの動きベクトルを射影する 具体的な処理を図10、図11で説明する。

 図10は、動きベクトルの導出対象フレー s中のt番目のブロックMBstの参照フレームが フレームsの(r+1)フレーム後方にある場合を している。図10のように動きベクトルの導出 対象フレームsから参照フレーム上に動きベ トル

 が存在しており(ベクトルMV st と表記)、以下のようにしてベクトルMV st を、動きベクトルの導出対象フレームsから1 レーム後方のフレーム上に存在するベクト MV’ st に射影する。

 また図11は、動きベクトルの導出対象フレ ムs中のt番目のブロックMB st の参照フレームが、フレームsの(r+1)フレーム 前方にある場合を示している。図11のように きベクトルの導出対象フレームsから参照フ レーム上に動きベクトルMV st が存在しており、以下のようにしてベクトル MV st を動きベクトルの導出対象フレームsから1フ ーム前方へのベクトルMV’ st に射影する。

 以上の処理により、動きベクトルの導出対 フレームsの全てのマクロブロック・サブマ クロブロックt(1≦t≦x)毎に設定される動きベ クトルを、s±1フレーム上のベクトルへ射影 ることが可能となる。ただし、xはフレームs 内のブロック数である。なお、動きベクトル の導出対象フレームsの参照フレームが2フレ ムある場合は,両方の参照フレームについて 上記処理により射影した動きベクトルを導出 し、その平均ベクトルを動きベクトルの導出 対象フレームsの各ブロックのMV’ st とする。

 以上で導出した動きベクトルの導出対象フ ームs上のベクトルMV’ st を用いて、以下の式で動きベクトルの導出対 象フレームsの統計量であるベクトルの大き の平均を導出する。ただし平均以外にも最 値や最小値や標準偏差や分散等の各種統計 を代替として用いることが可能である。ま 下式中の

 はベクトルの大きさを表すものとする。

 ただし、演算子

 は自然数A 1 ~A m を参照して平均となる値を出力する。
 また、図12(図12では損失マクロブロック付 の動きベクトル導出対象マクロブロックを し、細枠ブロックはデコード成功、太枠ブ ックはデコード失敗を表している)に示すよ に、劣化したマクロブロックを囲む24個の クロブロックについて、フレーム全体の動 ベクトル統計量を導出した場合と同様の処 を行い、24個のマクロブロックの動きベクト ルの代表値

 を各劣化マクロブロック毎に導出する。た し、フレームsで劣化したマクロブロックの 数をTとする。
 このようにして求めたMV ave (s)とベクトルMV ave (t)とを利用して、損失が発生したマクロブロ ックの周辺に存在するマクロブロック群の動 きの大きさが劣化したマクロブロックの主観 品質へ与える影響度を表す重みを以下の式で 導出する。

 ただし、α、βはデータベースD12に格納され ている係数である。また、式内のaveによる平 均演算は、最大値・最小値・その他の統計量 に置き換えが可能である。
 以上の処理は損失したマクロブロックがP属 性またはB属性の場合に適用され、I属性の場 には、M weight はデータベースD12に格納されている任意の定 数とする(例えば1)。また、計算に必要となる マクロブロックやサブマクロブロックが劣化 している場合は、それらの存在は無視し、存 在するマクロブロックやサブマクロブロック から上記統計量を導出する。

 また劣化発生領域の重み判定機能部F12に いて、次に劣化が発生したマクロブロック 周辺に存在するマクロブロックの動きの向 による、主観品質への影響を測定する機能 説明する。動きの向きによる主観品質への 響度合いは動きベクトルの代表値に基づい 判定し、動きベクトルの代表値の導出方法 ついては、図13を用いて説明する。

 まず評価対象映像中に存在する全てのマク ブロックを参照し、動きベクトルが設定さ ているマクロブロックについては、図13に づいて、領域1~領域8までのどの領域に存在 るか判定を行う。例として動きベクトル0を しているが、動きベクトル0は領域2に存在 ていることを示している。評価対象映像フ ームに存在する全マクロブロックについて 様の処理を適用し、各領域に存在する動き クトルの数をカウントし、各領域の動きベ トルの総数MVN NUM (1≦NUM≦8)を導出する。ただしNUMは領域の識 子である。こうして導出したMVN NUM について、各MVN NUM の標本分散σ MVN を導出する。こうして求めたσ MVN をマクロブロックの動きの向きが劣化したマ クロブロックの主観品質へ与える影響度合を 表す重みとする。

 劣化発生領域の重み判定機能部F12について 次に劣化したマクロブロックの発生位置が 化したマクロブロックの主観品質へ与える 響度を導出する。詳細を図14に示す。図14に 示す通り、縦横の長さ50%となる中心の領域を 注目領域と設定し、劣化したマクロブロック が注目領域上である場合、劣化したマクロブ ロックの発生位置が劣化したマクロブロック の主観品質へ与える影響度を表す重みCをC=c 1 とし、劣化したマクロブロックが注目領域上 ではない場合はC=c 2 とする。ただし、c 1 ,c 2 はデータベースD12に格納されている定数であ る。劣化したマクロブロックの発生位置が劣 化したマクロブロックの主観品質へ与える影 響度を表す重みCは、評価対象映像のマクロ ロック毎に計算される。

 また劣化発生領域の重み判定機能部F12では 劣化の局所性が主観品質に及ぼす影響につ ても導出を行う。マクロブロックの座標系 図15(図15では、細枠ブロックはデコード成 、太枠ブロックはデコード失敗を表してい )に示すように、左下を原点として右方向にX 座標、上方向にY座標を取り、各マクロブロ クの座標を(X,Y)と表記する。次に損失が発生 したマクロブロック群のX座標、Y座標の標本 散値を導出し、以下の式で劣化の局所性が 観品質に及ぼす影響を計算する。
    L=fL(σ x y )
 ただし、ここでは、fL(σ x y )=σ x ×σ y とするが、乗算以外の任意の演算を行っても 良い。劣化の局所性Lは評価対象映像のフレ ム毎に計算される。このようにして劣化発 領域の重み判定機能部F12で導出した各ブロ クにおける、ベクトルE、M weight 、σ MVN 、C、Lを劣化量情報12aとして単一フレームの 化代表値導出機能部F14へ出力する。

 次に劣化隠蔽処理特定機能部F13の詳細を 明する。データベースD13に格納されている 化隠蔽に関する情報を入力として、劣化隠 処理による主観品質の向上を表すパラメー を出力する。まず劣化隠蔽処理が主観品質 及ぼす影響を、主観品質評価実験の結果に って判断する場合を説明する。具体的には 1と表2を使って説明する。

 まず表1に示すように、評価対象とする劣化 隠蔽処理の各方式と劣化隠蔽処理を適用しな い場合について、シーンの種類とビット列の 損失パターンを変えた場合に適用し、それぞ れの場合について主観品質を取得する。ただ し主観品質評価尺度として、劣化映像の主観 品質を絶対値として評価する絶対尺度を用い る。表1では主観品質の例としてMean Opinion Sc ore(MOS)を用いており、MOS efg は、シーンe(1≦e≦S)、損失パターンf(1≦f≦M) 、劣化隠蔽方式g(0≦g≦N)を適用した場合のMOS となる。ただしg=0の場合は、劣化隠蔽を行わ ない場合を示している。

 このようにして取得した主観品質を表2に示 すように、各条件で取得したMOSについて、劣 化隠蔽特性を適用しなかった場合のMOSに対す る割合W efg を算出する。W efg は、シーンe(1≦e≦S)、データ損失パターンf(1 ≦f≦M)、劣化隠蔽方式g(0≦g≦N)を適用した場 合の劣化隠蔽方式gの主観品質改善作用を表 。各劣化隠蔽方式について、各シーン・デ タ損失パターンに対する主観品質改善作用 平均化を行う。具体的には以下の式のよう なる。

 この値を各劣化隠蔽方式に対する主観品 の改善作用の代表値とする。主観品質評価 度には原映像の品質からの差分で表す劣化 度(DMOS等)も存在するが、表3と表4に示すよ に、絶対尺度の場合と同様に導出する。

 ただしこの場合は、各劣化隠蔽方式に対す 主観品質の改善作用の代表値は以下のよう 導出する。利用する品質評価尺度の種類に ってW g の選択を行えば良い。

 以上で利用した各係数はデータベースD13に 納されている係数である。 
 また劣化隠蔽処理特定機能部F13では主観品 評価実験の結果に従って構築されたデータ ースを用いる以外に、符号化された映像の ットストリームや画素信号として復号され 情報を用いて、評価対象映像毎に動的に劣 隠蔽処理が主観品質に及ぼす影響を推定す 方法を用いても良い。

 具体的には、劣化隠蔽処理の効果と周囲 エッジ量には相関関係があることが知られ いることから、上記劣化発生領域の重み判 機能部F12における絵柄の複雑さが劣化した クロブロックの主観品質への影響度を測定 る機能の第一もしくは第二の場合において 出したベクトルEを用いて劣化隠蔽特性の重 みWを以下の式で導出する。

 ただし、ωはデータベースD13またはD12に格 されている係数で、Wは各マクロブロック毎 導出される。この場合のみWを劣化発生領域 の重み判定機能部F12で計算して、劣化量情報 12aとして単一フレームの劣化代表値導出機能 部F14に出力しても良い。
このようにして劣化隠蔽処理特定機能部F13で 導出した各マクロブロックにおけるW g もしくはWを劣化隠蔽処理情報13aとして単一 レームの劣化代表値導出機能部F14に出力す 。

 次に、単一フレームの劣化代表値導出機 部F14の詳細を説明する。単一フレームの劣 代表値導出機能部F14では、劣化発生領域(位 置、数)特定機能部F11、劣化発生領域の重み 定機能部F12、劣化隠蔽処理特定機能部F13の 力11a,12a,13aを入力として、あるフレーム内に 存在する劣化した全てのマクロブロックの影 響を加味した劣化代表値と劣化の局所性をフ レーム劣化代表値14aとして出力する。具体的 には重み関数を用いて以下の式で導出される 。

 ここで、τはデータベースD14に格納され いる係数である。ただし、εは劣化発生領域 (位置、数)特定機能部F11が導出する、参照先 ブロックがP属性かB属性かI属性かで決定さ る重みである。

 は、劣化発生領域の重み判定機能部F12が導 する劣化したマクロブロックiにおけるエッ ジが主観品質に及ぼす影響ベクトルEで、M weight (i)は劣化発生領域の重み判定機能部F12が導出 する劣化したマクロブロックiにおける動き 大きさが主観品質に与える影響M weight で、σ MVN は劣化発生領域の重み判定機能部F12が導出す る動きの向きが主観品質に与える影響で、C i は劣化発生領域の重み判定機能部F12が導出す る劣化したマクロブロックiの位置が主観品 に与える影響Cで、W g は劣化隠蔽処理特定機能部F13で導出する劣化 隠蔽方式kの主観品質の改善効果を表し、W g の代わりに数式19より、

 を用いることも可能である。ただし、xはフ レーム内に存在する劣化したマクロブロック の総数である。重み関数WF 1 (w)は任意の関数を取ることが可能であるが、 ここでは例として以下の関数を利用する。
   WF 1 (w)=u 1 *log(w-u 2 )+u 3  
 ただし、u 1 ,u 2 ,u 3 はデータベースD14に格納されている係数であ る。

 また単一フレームの劣化代表値導出機能部F 14では、オプションとして劣化発生領域(位置 、数)特定機能部F11、劣化発生領域の重み判 機能部F12、劣化隠蔽処理特定機能部F13の出 11a,12a,13aに基づいて或るスライス内に存在す る劣化した全てのマクロブロックの影響を加 味した劣化代表値DSを導出する機能がある。 体的には重み関数WF 1 (w)を用いて以下の式で導出される。

 ただし、SNは劣化したスライス内に存在す 劣化したマクロブロックの総数であり、W g の代わりに

 を用いることも可能である。そして、フ ーム劣化代表値14aを全フレームの劣化代表 導出機能部F15に出力する。

 次に全フレームの劣化代表値導出機能部F15 詳細を説明する。全フレームの劣化代表値 出機能部F15では、単一フレームの劣化代表 導出機能部F14から出力された評価対象映像 に存在する全てのフレームの劣化代表値と 化の局所性を入力として、評価対象映像の 化代表値Dを全フレーム劣化代表値15aとして 出力する。劣化代表値Dは重み関数WF 2 (w)を用いて以下の式で導出される。

 ここで、L f は劣化発生領域の重み判定機能部F12で導出さ れる、フレームfにおける劣化の局所性が主 品質に与える影響である。重み関数WF 2 (w)は任意の関数を取ることが可能であるが、 ここでは例として以下の関数を利用する。
   WF 2 (w)=h 1 *log(w-h 2 )+h 3  
 ただし、h 1 ,h 2 ,h 3 はデータベースD15に格納されている係数であ り、Fは評価対象映像中に存在する全フレー 数である。またD f の代わりにD S を用いても良く、その際は以下の式で評価対 象映像の劣化代表値Dを導出する。

 ただし、ASNは評価対象映像中に存在する スライス数である。そして、全フレーム劣 代表値15aを主観品質推定機能部F17に出力す 。

 次に符号化劣化に対する主観品質推定機能 F16の詳細を説明する。符号化劣化に対する 観品質推定機能部F16は、符号化による映像 劣化のみを加味した主観品質E coded を導出する機能であり、本機能部F16では符号 化主観品質16aとして任意の従来法の出力を利 用可能である。E coded をデータベースD16に格納しておいて符号化主 観品質16aとして出力しても良い。

 次に全フレームの劣化代表値導出機能部F15 符号化劣化に対する主観品質推定機能部F16 出力を入力として、符号化とパケット損失 よる映像の劣化を加味した主観品質E all を出力する主観品質推定機能部F17の詳細を説 明する。主観品質推定機能部F17は、関数ev(x,y )を用いて以下の式で主観品質E all を導出する。

  E all =ev(E coded ,D)
 関数ev(v 1 ,v 2 )は任意の関数を取ることが可能であるが、 こでは例として以下の関数を利用する。
  ev(v 1 ,v 2 )=l 1 (v 1 /v 2 )+l 2
 ただし、l 1 ,l 2 はデータベースD17に格納されている係数であ る。

 以上により、符号化ビット列に欠損が発 した場合に、精度良く効率的に映像の主観 質を導出することが可能となる。

(実施の形態2)
 本実施の形態は、劣化隠蔽処理の影響を表 パラメータW g の導出方法以外は、実施の形態1と同様の処 を行う。W g は、空間方向の劣化隠蔽処理の影響を表すW gS と時間方向の劣化隠蔽処理の影響を表すW gT を用いて以下の式で導出する。

 W g 1 ×W gS ×W gT 2 ×W gS 3 ×W gT
 ただし、ω 1 2 3 はデータベースD13に格納してある係数である 。

 空間方向の劣化隠蔽処理の影響を表すW gS の導出方法を図17を用いて説明する。図17に すフレーム内のマクロブロック数とスライ 形状は一例である。
 W gS を導出する際には、まず図17において、単一 レーム内の劣化領域と縦横ななめで隣接す 周囲マクロブロック(図17ではマクロブロッ 13,14,15,23,25,26,33,36,43,44,45,46)に注目する。次 周囲マクロブロック各々について、全ての 接する周囲マクロブロックとの類似度を計 する。本実施の形態では類似度として、2つ のマクロブロックの全画素の輝度情報の平均 二乗誤差を用いる。ただし類似度導出はこの 方法のみでなく、公知の全ての類似度導出ア ルゴリズムを用いることができる。本実施の 形態では、具体的にマクロブロック1とマク ブロック2が存在する場合に、類似度を以下 式で導出する。

 ただし、P 1i とP 2i は、マクロブロック1とマクロブロック2で空 的に同一位置の画素である。

 次に周囲マクロブロック各々について、全 の隣接する周囲マクロブロックとの類似度 導出する(例えば図17の周囲マクロブロック1 4については、隣接する周囲マクロブロック13 と15の両方と類似度の導出を行う)。周囲マク ロブロック各々について、全ての隣接する周 囲マクロブロックとの間で導出された類似度 を平均し、その値を周囲マクロブロックの類 似度代表値とし、全ての周囲マクロブロック の類似度代表値を平均して単一フレームの類 似度S frame とする。またそのフレーム内で劣化したマク ロブロックの数をN frame とし、W gS を以下の式で導出する。

 ただし、ω 4 5 6 7 8 はデータベースD13に格納してある係数である 。

 次に、時間方向の劣化隠蔽処理の影響を表 W gT の導出方法についても図17を用いて説明する W gT を導出する際には、まず図17で単一フレームi (iは時系列でi番目のフレーム)内の劣化領域( クロブロック24,34,35)と縦横ななめで隣接す 周囲マクロブロック(図17ではマクロブロッ 13,14,15,23,25,26,33,36,43,44,45,46)に注目する。同 に時系列でフレームiと前後するフレームi-1 とフレームi+1に注目する。まず図18(図18では ブロック24は損失ブロック、ブロック13,14,34 は周囲マクロブロックの一部を表している。 そして、図中の左側のマクロブロック13,14,23, 24はフレームi-1の一部、図中の中央のマクロ ロック13,14,23,24はフレームiの一部、図中の 側のマクロブロック13,14,23,24はフレームi+1 一部を表している)で示すように、フレームi の周囲マクロブロック各々について動きベク トルの大きさと向きを検出し、同時にフレー ムi-1とフレームi+1について、フレームiの周 マクロブロックの位置と空間的に同一位置 動きベクトルの向きと大きさを検出する。 れは参考文献1に従って行う。

 更にフレームi-1とフレームi+1の動きベクト について、フレームiの周囲マクロブロック の動きベクトルの内積を計算し、例えば図17 の周囲マクロブロック14についてであれば それぞれIP 14i とIP 14(i+1) を導出する。そしてIP 14i とIP 14(i+1) を平均した値としてAIP 14i を導出する。ただし、内積を計算する際の各 ベクトルの大きさは一律に1としても良い。 様にしてフレームi内の全ての周囲マクロブ ックについてAIP δi (δは周囲マクロブロック番号)を計算し、全 の周囲マクロブロックのAIP δi を平均した値を、フレームiの時間方向の劣 隠蔽処理の影響を表すW gT =AIP i とする。ただしフレームi-1とフレームi+1につ いて、フレームiの周囲マクロブロックと空 的に対応するマクロブロックに動きベクト が設定されていない場合や損失で失われて る場合は、そのマクロブロックの動きベク ルは0ベクトルとしてW gT を計算する。また本実施の形態では劣化が起 きた前後のフレームから内積計算用の動きベ クトルを算出したが、任意の2フレームから 積計算用の動きベクトルを算出しても良い
 なお、W gS やW gT は劣化が起きたフレーム毎に再計算される値 である。