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Title:
METHOD, DEVICE, AND PROGRAM FOR OBJECTIVELY EVALUATING VIDEO QUALITY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116666
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a method, device, and program for objectively evaluating video quality, wherein: a video bitstream using motion-compensated inter-frame prediction and the discrete cosine transform, in particular encoded with H.264, is received; the quantization parameter included in the received bitstream is extracted; statistics thereof are computed; and subjective quality of the video is estimated based on the minimum value for the quantization parameter.

Inventors:
WATANABE KEISHIRO (JP)
OKAMOTO JUN (JP)
YAMAGISHI KAZUHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055679
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
WATANABE KEISHIRO (JP)
OKAMOTO JUN (JP)
YAMAGISHI KAZUHISA (JP)
International Classes:
H04N17/00; H04N19/102; H04N19/134; H04N19/139; H04N19/146; H04N19/159; H04N19/196; H04N19/423; H04N19/46; H04N19/50; H04N19/513; H04N19/60; H04N19/625; H04N19/70
Domestic Patent References:
WO2007066066A22007-06-14
WO2006043500A12006-04-27
WO2009025357A12009-02-26
Other References:
KAZUHISA YAMAGISHI; TAKANORI HAYASHI: "Video Quality Estimation Model for IPTV Services", TECHNICAL REPORT OF IEICE, July 2007 (2007-07-01), pages 123 - 126
D. HANDS: "Quality Assurance for IPTV", ITU-T WORKSHOP ON "END-TO-END QOE/QOS", June 2006 (2006-06-01)
"Advanced video coding for generic audiovisual services", ITU-T H.264, February 2000 (2000-02-01)
"TELEPHONE TRANSMISSION QUALITY, TELEPHONE INSTALLATIONS, LOCAL LINE NETWORKS", ITU-T P.910, September 1999 (1999-09-01)
"Methodology for the subjective assessment of the quality of television pictures", ITU-R BT.500, 2002
Attorney, Agent or Firm:
YAMAKAWA, Masaki et al. (JP)
Masaki Yamakawa (JP)
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Claims:
 映像の主観品質を評価する評価方法であって、
 動き補償フレーム間予測とDCT変換もしくはウェーブレット変換等のその他の直交変換を用いて符号化された前記映像のビット列を受信する受信ステップと、
 受信したビット列に含まれる情報を入力して所定の演算を行う演算ステップと、
 前記演算ステップの演算結果に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行う主観品質推定ステップと
 を有することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれる量子化情報を抽出して、前記量子化情報の統計量を演算し、
 前記主観品質推定ステップは、前記量子化情報の統計量に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項2において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれる動きベクトルの情報を抽出して、抽出した動きベクトルの情報から動きベクトルの統計量を演算し、
 前記主観品質推定ステップは、前記量子化情報の統計量と前記動きベクトルの統計量に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項2において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれる動き補償フレーム間予測であるI(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの情報を抽出するとともに、抽出したI(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの情報に基づいてI(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの統計情報を演算し、
 前記主観品質推定ステップは、前記量子化情報の統計量と、前記I(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの各統計情報に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれる、予測符号化に用いられる情報、変換符号化に用いられる情報および符号化の制御に用いられる情報を抽出して、抽出したこれらの情報から、予測符号化に用いられるビット量、変換符号化に用いられるビット量および符号化の制御に用いられるビット量を演算し、
 前記主観品質推定ステップは、前記演算ステップの演算結果を示す、予測符号化に用いられるビット量、変換符号化に用いられるビット量および符号化の制御に用いられるビット量に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項5において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれる動きベクトルの情報を抽出して、抽出した動きベクトルの情報から動きベクトルの統計量を演算し、
 前記主観品質推定ステップは、前記予測符号化に用いられるビット量、前記変換符号化に用いられるビット量および前記符号化の制御に用いられるビット量と前記動きベクトルの統計量に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項5において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれるI(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの情報を抽出するとともに、抽出したI(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの情報に基づいてI(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの統計情報を演算し、
 前記主観品質推定ステップは、前記予測符号化に用いられるビット量、前記変換符号化に用いられるビット量および前記符号化の制御に用いられるビット量、前記I(イントラ)フレームまたはスライスまたはブロック、P(前方向予測)フレームまたはスライスまたはブロックおよびB(双方向、双予測)フレームまたはスライスまたはブロックの各統計情報に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1において、
 前記演算ステップは、前記ビット列に含まれる、Iスライス、PスライスおよびBスライスのビット量と、Iスライス、PスライスおよびBスライスの量子化情報の統計量を抽出し、前記主観品質推定ステップは、前記ビット量と前記量子化情報に基づいて、前記映像の主観品質を推定する演算を行うことを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項8において、
 前記ビット量とは、前記ビット列に含まれる、予測符号化に用いられる情報、変換符号化に用いられる情報および符号化の制御に用いられる情報を抽出して、抽出したこれらの情報から演算される、予測符号化に使われるビット量、変換符号化に使われるビット量および符号化の制御に使われるその他のビット量であることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項8において、
 前記ビット量とは、PスライスとBスライスの予測符号化に使われるビット量の和、変換符号化に使われるビット量の和および符号化の制御に使われるその他のビット量の和であることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項8において、
 前記量子化情報とは、PスライスとBスライスのビット列に含まれる量子化情報の平均値、もしくは和算や乗算や指数対数演算による統計量であることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1~11のいずれかにおいて、
 Iスライスの代わりにIマクロブロック、Iフレームを使い、Pスライスの代わりにPマクロブロック、Pフレームを使い、Bスライスの代わりにBマクロブロック、Bフレームを使って前記映像の主観品質を推定することを特徴とする映像品質客観評価方法。
 請求項1~11のいずれかにおいて、
 Iモードは動き補償を用いないモード、Pモードは1つのリファレンスフレームから動き補償するモード、Bモードは2つ以上のリファレンスフレームから動き補償するモードであることを特徴とする映像品質客観評価方法。
 映像の主観品質を評価する評価装置であって、
 動き補償フレーム間予測とDCT変換もしくはウェーブレット変換等のその他の直交変換を用いて符号化された前記映像のビット列を受信する受信部と、
 受信したビット列に含まれる情報を入力して所定の演算を行う第1演算部と、
 前記第1演算部の演算結果に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行う第2演算部と
 を有することを特徴とする映像品質客観評価装置。
 動き補償フレーム間予測とDCT変換もしくはウェーブレット変換等のその他の直交変換を用いて符号化された前記映像のビット列を受信する受信処理と、
 前記受信処理に基づいて受信したビット列に含まれる情報を入力して所定の演算を行う演算処理と、
 前記演算処理の演算結果に基づいて前記映像の主観品質を推定する演算を行う主観品質推定処理と
 をコンピュータに実行させるプログラム。
Description:
映像品質客観評価方法、映像品 客観評価装置、およびプログラム

 本発明は、人間が映像を見て体感した品 (主観品質)を推定する場合に、主観品質評 実験を行うことなく、符号化されたビット の情報から客観的に主観品質を導出する、 号化による映像品質劣化を対象とした映像 質客観評価方法、映像品質客観評価装置お びプログラムに関する。

 従来では、映像通信サービスのユーザが 聴している映像の主観品質の評価を精度良 効率的に行うため、ビットレートやフレー レート等の符号化パラメータ情報やIPパケ トのヘッダ情報を用いて客観的に映像品質 価を行う技術が検討されてきた(山岸和久,林 孝典,“IPTVサービスを対象とした映像品質推 モデルの検討",信学技報,CQ2007-35, pp. 123-126,  July. 2007.(文献1))。また、符号化ビットスト リーム情報と画素信号情報を組み合わせて客 観的に映像品質評価を行う技術についても検 討されてきた(D. Hands, “Quality Assurance for I PTV,”ITU-T Workshop on “End-to-End QoE / QoS,”Ju ne. 2006.(文献2))。

 従来の技術では精度良く計算量を抑えて 観的に映像品質評価を行う技術の構築を目 している。しかし文献1に記載の技術は、平 均的なシーンを想定した主観品質の推定を行 うため、シーンの違いによる主観品質の変動 を考慮することができず、主観品質の推定を 良好な精度で実現できないという課題があっ た。

 また、文献2に記載の技術は、符号化ビッ トストリームとデコードされた画素情報に符 号化されたビット列をサブ情報として加えた 情報を用いて主観品質の推定を試みているが 、特にH.264方式では画素情報へのデコードに 莫大な計算量を要するため現実的に実行す ことは難しいという課題があった。

 このような課題を解決するために本発明 、動き補償フレーム間予測とDCT変換を用い 符号化された映像のビット列を受信する受 ステップと、受信したビット列に含まれる 報を入力して所定の演算を行う演算ステッ と、演算ステップの演算結果に基づいて映 の主観品質を推定する演算を行う主観品質 定ステップを備えることを特徴とする。

 すなわち、本発明は、現在主流である動 補償フレーム間予測とDCT変換を用いる符号 方式、特にH.264方式のビットストリームか 、フレーム/スライス/動きベクトルのIPB属性 を検出するステップと、動きベクトルとその データ量を抽出するステップと、DCT係数とそ のデータ量を抽出するステップと、符号化制 御情報とそのデータ量を抽出するステップと ,量子化係数/量子化パラメータを抽出するス ップと、これらの情報を統合して主観品質 客観的に映像の主観品質を推定するステッ を備えるものである。

 本発明ではビットストリームのデコード 行わないため、小さい計算量で映像品質の 定が可能になると共に、ビットストリーム に存在するシーンの違いを考慮可能なパラ ータである動きベクトルやDCT係数の内容や ータ量を主観品質の推定に用いることによ 、精度良く映像の主観品質を推定すること 可能になる。

 ここで、本発明では、上記演算ステップ 、ビット列に含まれる量子化情報を抽出し 、量子化情報の統計量(例えば、H.264方式の 子化パラメータの最小値)を演算し、主観品 質推定ステップは、量子化情報の統計量(例 ば、H.264方式の量子化パラメータの最小値) 基づいて映像の主観品質を推定する演算を うものである。

 さらに、演算ステップは、ビット列に含 れる動きベクトルの情報を抽出して、抽出 た動きベクトルの情報から動きベクトルの 計量(例えば、ベクトルの大きさの尖度)を 算し、主観品質推定ステップは、量子化情 の統計量(例えば、H.264方式の量子化パラメ タの最小値)と動きベクトルの統計量(例えば 、ベクトルの大きさの尖度)に基づいて映像 主観品質を推定する演算を行う。

 また、演算ステップは、ビット列に含ま るIスライス、PスライスおよびBスライスの 報を抽出するとともに、抽出したIスライス 、PスライスおよびBスライスの情報に基づい Iスライス、PスライスおよびBスライスの統 情報を演算し、主観品質推定ステップは、 子化情報の統計量(例えば、H.264方式の量子 パラメータの最小値)とIスライス、Pスライ およびBスライスの統計情報に基づいて映像 の主観品質を推定する演算を行う。

 なお、演算ステップは、ビット列に含ま る、予測符号化に用いられる情報、変換符 化に用いられる情報および符号化の制御に いられる情報を抽出して、抽出したこれら 情報から、予測符号化に用いられるビット 、変換符号化に用いられるビット量および 号化の制御に用いられるビット量を演算す こともできる。この場合、主観品質推定ス ップは、演算ステップの演算結果を示す、 測符号化に用いられるビット量、変換符号 に用いられるビット量および符号化の制御 用いられるビット量に基づいて映像の主観 質を推定する演算を行う。

 この場合、演算ステップは、ビット列に まれる動きベクトルの情報を抽出して、抽 した動きベクトルの情報から動きベクトル 統計量(例えば、ベクトルの大きさの尖度) 演算し、主観品質推定ステップは、予測符 化に用いられるビット量、変換符号化に用 られるビット量および符号化の制御に用い れるビット量と動きベクトルの統計量(例え 、ベクトルの大きさの尖度)に基づいて映像 の主観品質を推定する演算を行う。

 また、演算ステップは、ビット列に含ま るIスライス、PスライスおよびBスライスの 報を抽出するとともに、抽出したIスライス 、PスライスおよびBスライスの情報に基づい Iスライス、PスライスおよびBスライスの統 情報を演算し、主観品質推定ステップは、 測符号化に用いられるビット量、変換符号 に用いられるビット量および符号化の制御 用いられるビット量とIスライス、Pスライ およびBスライスの統計情報に基づいて映像 主観品質を推定する演算を行う。

 以上説明したように、本発明ではDCT変換 動き補償を用いる符号化方式、特にH.264方 で符号化されたビット列の情報(ビットスト ーム)を利用することにより、計算量を抑え ながら精度良く客観的に主観品質の推定を行 うことが可能となり、主観品質評価法や従来 の客観品質評価法を本発明に置き換えること により多大な労力と時間を必要としなくなる 。従って、映像伝送サービスで、ユーザが感 じている主観品質を大規模かつリアルタイム に管理することが可能になる。

図1は、選択されたフレームにおける量 子化パラメータの最小値の導出方法を説明す る図である。 図2は、動きベクトルの導出対象フレー ムの位置を説明する図である。 図3は、動きベクトルの導出対象フレー ムと参照フレームとの間の位置関係を示す図 である。 図4は、動きベクトルの導出対象フレー ムと参照フレームとの間の位置関係を示す図 である。 図5は、映像品質客観評価装置の構成を 示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態1の構成を す機能ブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態2の構成を す機能ブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態3の構成を す機能ブロック図である。 図9は、本発明の実施の形態4の構成を す機能ブロック図である。 図10は、本発明の実施の形態5の構成を 示す機能ブロック図である。 図11は、本発明の実施の形態6の構成を 示す機能ブロック図である。 図12は、本発明の実施の形態7の構成を 示す機能ブロック図である。 図13は、本発明の実施の形態8の構成を 示す機能ブロック図である。 図14は、本発明の実施の形態9の構成を 示す機能ブロック図である。 図15は、本発明の実施の形態1の処理動 作を示すフローチャートである。 図16は、本発明の実施の形態2の処理動 作を示すフローチャートである。 図17は、本発明の実施の形態3の処理動 作を示すフローチャートである。 図18は、本発明の実施の形態4の処理動 作を示すフローチャートである。 図19は、本発明の実施の形態5の処理動 作を示すフローチャートである。 図20は、本発明の実施の形態6の処理動 作を示すフローチャートである。 図21は、本発明の実施の形態7の処理動 作を示すフローチャートである。 図22は、本発明の実施の形態8の処理動 作を示すフローチャートである。 図23は、本発明の実施の形態9の処理動 作を示すフローチャートである。 図24Aは、量子化係数/パラメータの特 を示す図である。 図24Bは、量子化係数/パラメータの特 を示す図である。 図25Aは、一般的な品質推定モデルと 精度の比較結果を示す図である。 図25Bは、一般的な品質推定モデルと 精度の比較結果を示す図である。

 以下、本発明の実施の形態について図を参 して説明する。
 図5は、本発明の実施の形態における映像品 質客観評価装置の構成を示すブロック図であ る。本映像品質客観評価装置1は、図5に示す うに、受信部2、演算部3、記憶媒体4および 力部5からなる。ここで、図5に示すH.264符号 化装置6は、入力映像を後述するH.264方式によ り符号化する。そして、符号化された映像ビ ット列は伝送網内を伝送パケットとして通信 され映像品質客観評価装置1に送信される。

 映像品質客観評価装置1は、その伝送パケ ット、すなわち前記符号化されたビット列を 受信部2で受信する。そして、CPUが記憶媒体4 記憶されたプログラムを読み出して実行す ことにより、演算部3の各機能を実現する。 即ち、演算部3は受信部2で受信されたビット の情報を利用して後述する実施の形態1~8に される各種の演算処理を行い、その演算処 結果を表示部などの出力部5に出力すること により、映像の主観品質を推定するものであ る。

(実施の形態1)
 実施の形態1では、図6に示すように、量子 パラメータ統計量計算部11と統合部20とが設 られ、H.264方式で符号化された評価映像Vの ットストリーム内に存在する量子化情報で る量子化パラメータの情報を使って主観品 EVを推定する。本方式は、DCT係数と動き補 を使う符号化方式には原理的に適用可能で る。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。 ず図6において、符号化ビットストリームは まず量子化パラメータ統計量計算部11に入力 れる。量子化パラメータ統計量計算部11で 、ビットストリームから量子化パラメータ 抽出して以下に示すアルゴリズムに従って 子化パラメータの代表値QPminを導出する。次 に統合部20では以下のアルゴリズムに従って 子化パラメータの代表値QPminから評価映像V 主観品質EVを推定する。

 これらの流れを図15のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1(ITU-T H.264, “Advanced video coding for gene ric audiovisual services,”Feb. 2000.)に記載されて おり、H.264方式の仕様に従ってマクロブロッ 毎に設定される量子化パラメータの情報の 出を行う。

 図1に示すように、まず評価映像Vを構成 る全てのフレームについて、フレーム内に 在する全てのマクロブロック(全m個)の量子 パラメータ値を使って、フレーム毎の量子 パラメータの代表値QPmin(i)を導出する。ただ し、iはフレーム番号(i=1から映像の再生を開 してi=nで映像の再生を終了)を示す。QPmin(i) 以下の式で導出される。

 ただし、QPijはフレーム番号i中のマクロ ロック番号jの量子化パラメータを表し(図1) また、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して最小となる値を出力する。ただし 、最小値以外の任意の統計量(最大値、平均 等)を導出しても良い。
 上記処理によりフレーム番号i中で最も値が 小さい量子化パラメータの導出がなされる。 これは量子化パラメータがより小さくなると 該当マクロブロックに対してより細かい量子 化が適用されることから、上記処理は最も細 かい量子化を行うマクロブロックを導出する ことになる。絵柄が複雑な映像ほどきめ細か い量子化が必要になるため、上記処理はフレ ーム番号i中で最も複雑な絵柄となるマクロ ロックの特定を目的としている。

 以上で導出したフレーム毎の量子化パラメ タの代表値QP min (i)を用いて、次に評価映像の全ての量子化パ ラメータの代表値QP min を導出する。QP min は以下の式で導出される。

 ただし、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して平均となる値を出力する。
 以上で導出したQP min を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。主観品質EVは以下の式で導出される。H.264 は方式では量子化パラメータの代表値QP min と主観品質EVの間に非線形性が存在するため その特性を考慮したものとなっている。

 ただし、係数a,b,c,dは予め主観評価実験を行 って、回帰分析により最適化される係数であ る。なお、EVの尺度としては参考文献2(ITU-T P .910,“TELEPHONE TRANSMISSION QUALITY, TELEPHONE INSTAL LATIONS, LOCAL LINE NETWORKS,”Sep. 1999.)に示され いるACR法や参考文献3(ITU-R BT.500,“Methodology for the subjective assessment of the quality of tel evision pictures,”2002.)に示されているDSIS法ま はDSCQS法などがある。また、フレーム毎の量 子化パラメータであるQP min (i)を用いて、QP min (i)の平均値であるQP ave や、最大値であるQP max など、QP min (i)の統計量をQP min の代わりに使っても良い。

(実施の形態2)
 実施の形態2では、図7に示すように、量子 パラメータ統計量計算部11、動きベクトル統 計量計算部12および統合部20が設けられ、H.264 方式で符号化された評価映像Vに対して、H.264 方式の符号化で利用される量子化パラメータ に加えて動きベクトルの情報を使って主観品 質EVを客観的に推定する。本方式は、原理的 はDCT係数と動き補償を使う符号化方式に適 可能である。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。 ず図7において、符号化ビットストリームは まず量子化パラメータ統計量計算部11と動き クトル統計量計算部12に入力される。量子 パラメータ統計量計算部11では、ビットスト リームから量子化パラメータを抽出して以下 に示すアルゴリズムに従って量子化パラメー タの代表値QPminを導出する。また動きベクト 統計量計算部12では、ビットストリームか 動きベクトルを抽出して以下に示すアルゴ ズムに従って動きベクトルの代表値MVkurtを 出する。次に統合部20では以下のアルゴリズ ムに従って量子化パラメータの代表値QPminと きベクトルの代表値MVkurtから評価映像Vの主 観品質EVを推定する。

 これらの流れを図16のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1に記載されており、H.264方式の仕様に従 ってマクロブロック毎に設定される量子化パ ラメータとマクロブロック・サブマクロブロ ック毎に設定される動きベクトルの情報を抽 出する。

 量子化パラメータについては、実施の形態1 で示したQP min (ただし、実施の形態1で示した量子化パラメ タの統計量を使っても良い)をEVの導出に利 する。
 一方、動きベクトルの代表値については、 2、図3、図4を用いて説明する。図2に示すよ うに、H.264方式では動きベクトルの導出に用 る参照フレームを、前方、後方に限らず、 クロブロック・サブマクロブロック単位で 意の2つ選ぶことが可能である。そこで各マ クロブロック・サブマクロブロック毎に設定 される動きベクトルの大きさを正規化するよ うに、動きベクトルの導出対象フレームの前 方・後方1フレームに各マクロブロック・サ マクロブロックを射影する。具体的な処理 図3、図4で説明する。

 図3は、動きベクトルの導出対象フレームi のj番目のブロックMB ij の参照フレームがフレームiの(p+1)フレーム後 方にある場合を示している。図3のように動 ベクトルの導出対象フレームiから参照フレ ム上に動きベクトルMV ij が存在しており、以下のようにしてMV ij を動きベクトルの導出対象フレームiから1フ ーム後方へのベクトルMV’ ij に射影する。

 また図4は、動きベクトルの導出対象フレー ムi中のj番目のブロックMB ij の参照フレームがフレームiの(q+1)フレーム前 方にある場合を示している。図4のように動 ベクトルの導出対象フレームiから参照フレ ム上に動きベクトルMV ij が存在しており、以下のようにしてMV ij を動きベクトルの導出対象フレームiから1フ ーム前方へのベクトルMV’ ij に射影する。

 以上の処理により、動きベクトルの導出 象フレームiの全てのマクロブロック・サブ マクロブロックj(1≦j≦x)毎に設定される動き ベクトルを、i±1フレーム上のベクトルへ射 することが可能になる。ただし、xはフレー i内のマクロブロックの個数である。

 以上で導出した動きベクトルの導出対象フ ームi上のベクトルMV’ ij を用いて、次に以下の式で動きベクトルの導 出対象フレームiの統計量として尖度Kurt(i)を 出する。ただし尖度Kurt(i)以外にも平均や最 大値、或いは最小値や分散等の各種統計量を 代替として用いることが可能である。
 下式中の

 は、ベクトルの大きさを表すものとする

 以上で導出したフレーム毎の動きベクトル 代表値MV kurt (i)を用いて、次に評価映像の全ての動きベク トルの代表値MVkurtを導出する。MV kurt は以下の式で導出される。

 ただし、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して平均となる値を出力し、nは評価 像Vの全フレーム数である。
 ここで動きベクトルの尖度を用いたのは、 きベクトルの分布を表現するためであり、 像で一様な動きや特定の物体の動きを定量 するためである。これと類似の物理的意味 持った特徴量(分散や歪度等)を使っても良 。

 以上で導出したMV kurt とQP min を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。EVは以下の式で導出される。下式中のMV kurt はベクトルの大きさを表すものとする。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,mは予め主 観評価実験を行って、回帰分析により最適化 される係数である。なお、EVの尺度としては 考文献2に示されているACR法や参考文献3に されているDSIS法またはDSCQS法などがある。

(実施の形態3)
 実施の形態3では、図8に示すように、量子 パラメータ統計量計算部11、フレーム種別統 計量計算部13および統合部20が設けられ、H.264 方式で符号化された評価映像Vに対して、H.264 方式の符号化で利用される量子化パラメータ に加えてIスライス、Pスライス、Bスライスの 統計情報を使って主観品質EVを客観的に推定 る。なお、スイッチングIスライスはIスラ ス、スイッチングPスライスはPスライスとみ なす。本方式は、原理的にはDCT係数と動き補 償を使う符号化方式に適用可能である。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。 ず図8において、符号化ビットストリームは まず量子化パラメータ統計量計算部11とフレ ム種別統計量計算部13に入力される。量子 パラメータ統計量計算部11では、ビットスト リームから量子化パラメータを抽出して以下 に示すアルゴリズムに従って量子化パラメー タの代表値QPminを導出する。またフレーム種 統計量計算部13では、ビットストリームか フレーム種別を抽出して以下に示すアルゴ ズムに従ってフレーム種別統計量Rを導出す 。次に統合部20では以下のアルゴリズムに って量子化パラメータの代表値QPminとフレー ム種別統計量Rから評価映像Vの主観品質EVを 定する。

 これらの流れを図17のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1に記載されており、H.264方式の仕様に従 ってマクロブロック毎に設定される量子化パ ラメータとスライス毎に設定されるI・P・B属 性の情報を抽出する。

 量子化パラメータについては、実施の形態1 で示したQPmin(ただし、実施の形態1で示した 子化パラメータの統計量を使っても良い)をE Vの導出に利用する。
 一方、スライス毎に設定されるI・P・B属性 ついては、評価映像中に存在するIスライス の数をカウントしたS I 、Pスライスの数をカウントしたS P 、Bスライスの数をカウントしたS B を導出し、以下の式で全てのスライスの数に 対する各スライスの数の割合R SI 、R SP 、R SB 、R SPB を導出する。これは基本的にPスライスやBス イスなどの他スライスからの差分となるス イスを増やすと原理的に1枚当たりのスライ ス品質が向上し、逆にIスライスを増やすと1 当たりのスライス品質が低下するため、全 のスライス数に対する各スライスの割合が 質に密接に関係するために、このようなパ メータを導入した。ただし、スライスの代 りに、I・P・B属性のフレームまたはブロッ を用いて上記処理を実行しても良い。

 これらのパラメータを用いて回帰分析で め主観品質評価実験で導出しておいた主観 質との相関を比較して最も主観品質の推定 度が良いパラメータをRとする。

 以上で導出したRとQP min を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。EVは以下の式で導出される。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,mは予め主 観評価実験を行って、回帰分析により最適化 される係数である。なお、EVの尺度としては 考文献2に示されているACR法や参考文献3に されているDSIS法またはDSCQS法などがある。

(実施の形態4)
 実施の形態4では、図9に示すように、量子 パラメータ統計量計算部11、動きベクトル統 計量計算部12、フレーム種別統計量計算部13 よび統合部20が設けられ、H.264方式で符号化 れた評価映像Vに対して、H.264方式の符号化 利用される量子化パラメータに加えて動き クトルとIスライス、Pスライス、Bスライス 情報を使って主観品質EVを客観的に推定す 。なお、スイッチングIスライスはIスライス 、スイッチングPスライスはPスライスとみな 。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。ま 図9において,符号化ビットストリームはま 量子化パラメータ統計量計算部11と動きベク トル統計量計算部12とフレーム種別統計量計 部13に入力される。量子化パラメータ統計 計算部11では、ビットストリームから量子化 パラメータを抽出して以下に示すアルゴリズ ムに従って量子化パラメータの代表値QPminを 出する。また動きベクトル統計量計算部12 は、ビットストリームから動きベクトルを 出して以下に示すアルゴリズムに従って動 ベクトルの代表値MV kurt を導出する。さらに、フレーム種別統計量計 算部13では、ビットストリームからフレーム 別を抽出して以下に示すアルゴリズムに従 てフレーム種別統計量Rを導出する。次に統 合部20では以下のアルゴリズムに従って量子 パラメータの代表値QPminと動きベクトルの 表値MV kurt とフレーム種別統計量Rから評価映像Vの主観 質EVを推定する。

 これらの流れを図18のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1に記載されており、H.264方式の仕様に従 ってマクロブロック毎に設定される量子化パ ラメータとスライス毎に設定されるI・P・B属 性とマクロブロック・サブマクロブロック毎 に設定される動きベクトルの情報を抽出する 。

 量子化パラメータについては、実施の形態1 で示したQP min (ただし、実施の形態1で示した量子化パラメ タの統計量を使っても良い)をEVの導出に利 する。
 動きベクトルについては、実施の形態2で示 したMV kurt をEVの導出に利用する。
 Iスライス、Pスライス、Bスライスについて 実施の形態3で示したRを利用する。

 以上で、導出したMV kurt とRとQP min を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。EVは以下の式で導出される。下式中のMV kurt はベクトルの大きさを表すものとする。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,o,p,q,r,s,t ,u,v,w,x,yは予め主観評価実験を行って、回帰 析により最適化される係数である。なお、EV の尺度としては参考文献2に示されているACR や参考文献3に示されているDSIS法またはDSCQS などがある。

(実施の形態5)
 実施の形態5では、図10に示すように、ビッ 量の和の統計量計算部14と統合部20が設けら れ、H.264方式で符号化された評価映像Vのビッ トストリームの予測符号化に使われるビット 量、変換符号化に使われるビット量、符号化 の制御に使われるビット量を用いて主観品質 EVを推定する。本方式は、原理的にはDCT係数 動き補償を使う符号化方式に適用可能であ 。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。ま 図10において、符号化ビットストリームは ずビット量の和統計量計算部14に入力される 。ビット量の和統計量計算部14では、ビット トリームからビット量の和を抽出して以下 示すアルゴリズムに従ってビット量の和の 表値Bit max を導出する。次に統合部20では以下のアルゴ ズムに従ってビット量の和の代表値Bit max から評価映像Vの主観品質EVを推定する。

 これらの流れを図19のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は前述 の参考文献1に記載されており、H.264方式の仕 様に従ってマクロブロック毎に設定される予 測符号化に使われるビット量、変換符号化に 使われるビット量、符号化の制御に使われる ビット量の情報の導出を行う。

 図9に示すように、まず評価映像Vを構成す 全てのフレームについて、フレーム内に存 する全てのマクロブロック(全m個)の予測符 化に使われるビット量、変換符号化に使わ るビット量、符号化の制御に使われるビッ 量の和を使って、フレーム毎のビット量子 和の代表値Bit max (i)を導出する。ただし、iはフレーム番号(i=1 ら映像の再生を開始してi=nで映像の再生を 了)を示す。Bit max (i)は以下の式で導出される。

 ただし、Bit ij はフレーム番号i中のマクロブロック番号jの ット量の和を表し、また、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して最大となる値を出力する。ただし 、最大値以外の任意の統計量(最小値、平均 等)を導出しても良い。
 上記処理によりフレーム番号i中で最も値が 大きいビット量の和の導出がなされる。これ はビット量の和がより大きくなると該当マク ロブロックに対してよりビット量を割り振る 符号化処理が適用されることから、上記処理 は効率的な処理が難しいマクロブロックのビ ット量の和を導出することになる。

 以上で導出したフレーム毎のビット量の和 代表値Bit max (i)を用いて、次に評価映像の全てのビット量 の和の代表値Bit max を導出する。Bit max は以下の式で導出される。

 ただし、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して平均となる値を出力する。
 以上で導出したBit max を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。主観品質EVは以下の式で導出される。H.264 は方式ではビット量の和の代表値Bit max と主観品質EVの間に非線形性が存在するため その特性を考慮したものとなっている。

 ただし、係数a,b,c,dは予め主観評価実験を行 って、回帰分析により最適化される係数であ る。なお、EVの尺度としては前述の参考文献2 に示されているACR法や前述の参考文献3に示 れているDSIS法またはDSCQS法などがある。ま 、フレーム毎のビット量の和の代表値であ Bit max (i)を用いて、Bit max (i)の平均値であるBitaveや、最小値であるBit min など、Bit max (i)の統計量をBit max の代わりに使っても良い。

(実施の形態6)
 実施の形態6では、図11に示すように、ビッ 量の和の統計量計算部14、動きベクトル統 量計算部12および統合部20が設けられ、H.264 式で符号化された評価映像Vに対して、H.264 式の符号化で利用されるビットストリーム 予測符号化に使われるビット量、変換符号 に使われるビット量、符号化の制御に使わ るビット量を用いて主観品質EVを客観的に推 定する。本方式は、原理的にはDCT係数と動き 補償を使う符号化方式に適用可能である。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。ま 図11において、符号化ビットストリームは ずビット量の和統計量計算部14と動きベクト ル統計量計算部12に入力される。ビット量の 統計量計算部14では、ビットストリームか ビット量の和を抽出して以下に示すアルゴ ズムに従ってビット量の和の代表値Bit max を導出する。また動きベクトル統計量計算部 12では、ビットストリームから動きベクトル 抽出して以下に示すアルゴリズムに従って きベクトルの代表値MV kurt を導出する。次に統合部20では以下のアルゴ ズムに従ってビット量の和の代表値Bit max と動きベクトルの代表値MV kurt から評価映像Vの主観品質EVを推定する。

 これらの流れを図20のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1に記載されており、H.264方式の仕様に従 ってマクロブロック毎に設定される量子化パ ラメータとマクロブロック・サブマクロブロ ック毎に設定されるビットストリームの予測 符号化に使われるビット量、変換符号化に使 われるビット量、符号化の制御に使われるビ ット量と、マクロブロック、サブマクロブロ ック毎に設定される動きベクトルの情報を抽 出する。

 ビットストリームの予測符号化に使われる ット量、変換符号化に使われるビット量、 号化の制御に使われるビット量については 実施の形態5で示したBitmaxをEVの導出に利用 る。
 一方、動きベクトルの代表値の導出につい は、既に実施の形態2で図2、図3、図4を用い て説明したとおりであるので省略する。

 以上で導出した評価映像の全ての動きベク ルの代表値MV kurt と、評価映像の全てのビット量の和の代表値 Bit max を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。EVは以下の式で導出される。下式中のMV kurt はベクトルの大きさを表すものとする。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,mは予め主 観評価実験を行って、回帰分析により最適化 される係数である。なお、EVの尺度としては 考文献2に示されているACR法や参考文献3に されているDSIS法またはDSCQS法などがある。

(実施の形態7)
 実施の形態7では、図12に示すように、ビッ 量の和の統計量計算部14、フレーム種別統 量計算部13および統合部20が設けられ、H.264 式で符号化された評価映像Vに対して、H.264 式の符号化で利用されるビットストリーム 予測符号化に使われるビット量、変換符号 に使われるビット量、および符号化の制御 使われるビット量に加えてIスライス、Pスラ イス、Bスライスの統計情報を用いて主観品 EVを客観的に推定する。なお、スイッチング IスライスはIスライス、スイッチングPスライ スはPスライスとみなす。本方式は、原理的 はDCT係数と動き補償を使う符号化方式には 用可能である。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。ま 図12において、符号化ビットストリームは ずビット量の和統計量計算部14とフレーム種 別統計量計算部13に入力される。ビット量の 統計量計算部14では、ビットストリームか ビット量の和を抽出して以下に示すアルゴ ズムに従ってビット量の和の代表値Bit max を導出する。またフレーム種別統計量計算部 13では、ビットストリームからフレーム種別 抽出して以下に示すアルゴリズムに従って レーム種別統計量Rを導出する。次に統合部 20では以下のアルゴリズムに従ってビット量 和の代表値Bit max とフレーム種別統計量Rから評価映像Vの主観 質EVを推定する。

 これらの流れを図21のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1に記載されており、H.264方式の仕様に従 ってマクロブロック毎に設定される予測符号 化に使われるビット量、変換符号化に使われ るビット量、および符号化の制御に使われる ビット量と、スライス毎に設定されるI・P・B 属性の情報を抽出する。

 ビットストリームの予測符号化に使われる ット量、変換符号化に使われるビット量、 よび符号化の制御に使われるビット量につ ては、実施の形態5で示したBit max をEVの導出に利用する。

 一方、スライス毎に設定されるI・P・B属性 ついては、既に実施の形態3で説明したよう に、評価映像中に存在するIスライスの数を ウントしたS I 、Pスライスの数をカウントしたS P 、Bスライスの数をカウントしたS B を導出し、全てのスライスの数に対する各ス ライスの数の割合R SI 、R SP 、R SB 、R SPB をパラメータとして導出する。そして、これ らのパラメータを用いて回帰分析で予め主観 品質評価実験で導出しておいた主観品質との 相関を比較して最も主観品質の推定精度が良 いパラメータをRとする。

 以上で導出したパラメータRとBit max を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。EVは以下の式で導出される。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,mは予め主 観評価実験を行って、回帰分析により最適化 される係数である。なお、EVの尺度としては 考文献2に示されているACR法や参考文献3に されているDSIS法またはDSCQS法などがある。

(実施の形態8)
 実施の形態8では、図13に示すように、ビッ 量の和の統計量計算部14、動きベクトル統 量計算部12、フレーム種別統計量計算部13お び統合部20が設けられ、H.264方式で符号化さ れた評価映像Vに対して、H.264方式の符号化で 利用されるビットストリームの予測符号化に 使われるビット量、変換符号化に使われるビ ット量、および符号化の制御に使われるビッ ト量に加えて動きベクトルとIスライス、Pス イス、Bスライスの情報を使って主観品質EV 客観的に推定する。なお、スイッチングIス ライスはIスライス、スイッチングPスライス Pスライスとみなす。本方式は、原理的には DCT係数と動き補償を使う符号化方式に適用可 能である。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。ま 図13において、符号化ビットストリームは ずビット量の和統計量計算部14と動きベクト ル統計量計算部12とフレーム種別統計量計算 13に入力される。ビット量の和統計量計算 14では、ビットストリームからビット量の和 を抽出して以下に示すアルゴリズムに従って ビット量の和の代表値Bit max を導出する。また動きベクトル統計量計算部 12では、ビットストリームから動きベクトル 抽出して以下に示すアルゴリズムに従って きベクトルの代表値MV kurt を導出する。さらに、フレーム種別統計量計 算部13では、ビットストリームからフレーム 別を抽出して以下に示すアルゴリズムに従 てフレーム種別統計量Rを導出する。次に統 合部20では以下のアルゴリズムに従ってビッ 量の和の代表値Bit max と動きベクトルの代表値MV kurt とフレーム種別統計量Rから評価映像Vの主観 質EVを推定する。

 これらの流れを図22のフローチャートに している。H.264方式のビット列の仕様は参考 文献1に記載されており、H.264方式の仕様に従 ってマクロブロック毎に設定されるビットス トリームの予測符号化に使われるビット量、 変換符号化に使われるビット量、および符号 化の制御に使われるビット量と、スライス毎 に設定されるI・P・B属性とマクロブロック・ サブマクロブロック毎に設定される動きベク トルの情報を抽出する。

 ビットストリームの予測符号化に使われる ット量、変換符号化に使われるビット量、 よび符号化の制御に使われるビット量につ ては、実施の形態5で示したBit max をEVの導出に利用する。
 動きベクトルについては、実施の形態2で示 したMV kurt をEVの導出に利用する。
 Iスライス、Pスライス、Bスライスについて 実施の形態3で示したRを利用する。

 以上で、導出したMV kurt とRとQP min を用いて、評価映像Vの主観品質EVを推定する 。EVは以下の式で導出される。下式中のMV kurt はベクトルの大きさを表すものとする。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,o,p,q,r,s,t ,u,v,w,x,yは予め主観評価実験を行って、回帰 析により最適化される係数である。なお、EV の尺度としては参考文献2に示されているACR や参考文献3に示されているDSIS法またはDSCQS などがある。

(実施の形態9)
 実施の形態9では、図14に示すように、Iスラ イス・Pスライス・Bスライスのビット量の和 統計量計算部15、Iスライス・Pスライス・B ライスの量子化情報の統計量計算部16および 主観品質推定部17が設けられ、H.264方式で符 化された評価映像Vに対して、H.264方式の符 化で利用されるビットストリームのうち、I ライス・Pスライス・Bスライスの各々の予 符号化に使われるビット量、変換符号化に われるビット量、符号化の制御に使われる ット量に加えて、Iスライス・Pスライス・B ライスの量子化パラメータ(量子化情報)を使 って主観品質EVを客観的に推定するものであ 。なお、スイッチングIスライスはIスライ 、スイッチングPスライスはPスライスとみな す。

 本実施の形態の簡単な流れを次に示す。ま 、図14において、符号化ビットストリーム まずIスライス・Pスライス・Bスライスのビ ト量の和計算部15に入力される。この計算部 15では、Iスライス,Pスライス,Bスライスのビ ト量を動きベクトルや量子化係数、また符 化制御情報に場合分けして導出する。次にI ライス・Pスライス・Bスライスの量子化情 の統計量計算部16では、Iスライス,Pスライス ,Bスライス内の量子化情報を抽出して以下に すアルゴリズムに従って、Iスライス・Pス イス・Bスライスの量子化情報の統計量QP min (I)・QP min (P)・QP min (B)を導出する。

 次に主観品質推定部17では、統計量QP min (I)・QP min (P)・QP min (B)等を用い、以下で示すアルゴリズムに従っ て評価映像Vの主観品質EVを推定する。これら の流れを図23のフローチャートに示している H.264方式のビット列の仕様は参考文献1に記 されており、H.264方式の仕様に従ってマク ブロック毎に設定されるビットストリーム 予測符号化に使われるビット量、変換符号 に使われるビット量、符号化の制御に使わ るビット量とスライス毎に設定されるI・P・ B属性の情報を抽出する。

 Iスライス、Pスライス、Bスライスの各々の 測符号化に使われるビット量・変換符号化 使われるビット量・符号化の制御に使われ ビット量については、Iスライスの予測符号 化に使われるビット量・変換符号化に使われ るビット量・符号化の制御に使われるビット 量をそれぞれ、Bit pred (I)・Bit res (I)・Bit other (I)とし、Pスライスの予測符号化に使われる ット量・変換符号化に使われるビット量・ 号化の制御に使われるビット量をそれぞれ Bit pred (P)・Bit res (P)・Bit other (P)とし、Bスライスの予測符号化に使われる ット量・変換符号化に使われるビット量・ 号化の制御に使われるビット量をそれぞれ Bit pred (B)・Bit res (B)・Bit other (B)とする。ただし、各ビット量は評価映像の 全ての該当スライスのビット量としても良い し、ある特定時間内に存在するスライスのビ ット量としても良い。また、Bit pred (BP)・Bit res (BP)・Bit other (BP)という値を定義し、以下の式で導出する

 Bitp red (BP)=Bit pred (B)+Bit pred (P)
 Bit res (BP)=Bit res (B)+Bit res (P)
 Bit other (BP)=Bit other (B)+Bit other (P)
 量子化情報については、実施の形態1で示し たスライス毎のQP min の導出プロセスを、Iスライスのみに適用し QP min (I)・Pスライスのみに適用したQP min (P)・Bスライスのみに適用したQP min (B)を利用する。

 具体的には、評価映像Vを構成する全ての スライスについてI・P・B属性を判定し、各ス ライス毎に、スライス内に存在する全てのマ クロブロック(全m個)の量子化情報の値を使っ て、スライス毎の量子化情報の代表値QPmin(i) 以下の式で導出する。ただし、iはスライス 番号(i=1から映像の再生を開始してi=nで映像 再生を終了)を示す。

 ただし、QPijはスライス番号i中のマクロ ロック番号jの量子化情報を表す(図1)。また 演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して最小となる値を出力する。
 上記処理によりスライス番号i中で最も値が 小さい量子化情報の導出がなされる。これは 量子化情報がより小さくなると該当マクロブ ロックに対してより細かい量子化が適用され ることから、上記処理は最も細かい量子化を 行うマクロブロックを導出することになる。 絵柄が複雑な映像ほどきめ細かい量子化が必 要になるため、上記処理はスライス番号i中 最も複雑な絵柄となるマクロブロックの特 を目的としている。
 なお、QP min (i)の代わりにQP ave (i)等の平均や最小や最大等の平均や最小や最 大等の別のパラメータを以下の処理で利用す ることができる。QP ave (i)は以下の式で導出される。

 ただし、演算子

 は、自然数A 1 ~A m を参照して平均となる値を出力する。
 以上で導出したスライス毎の量子化情報の 表値QP min (i)を用いて、次に評価映像の全ての量子化情 報の代表値QP min を導出する。QP min は以下の式で導出される。

 以上の導出処理を、I・P・B属性毎に適用し 得られる値をそれぞれ、QP min (I)・QP min (P)・QP min (B)とする。また、QP min (BP)という値を定義し、以下の式で導出する
 QP min (BP)=(QP min (B)+QP min (P))/2
 次に、評価映像Vの主観品質EVを推定する。 観品質EVは以下の式で導出される。H.264方式 ではI・P・Bスライスのビット量と量子化情報 の代表値と主観品質EVの間に非線形性が存在 るため、その特性を考慮したものとなって る。

 ただし、係数a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,oは予め 観評価実験を行って、回帰分析により最適 される係数である。なお、EVの尺度としては 参考文献2に示されているACR法や参考文献3に されているDSIS法またはDSCQS法などがある。
 また、Bit res (I)・Bit res (BP)の代わりに、Bit pred (I)・Bit pred (BP)や以下で定義するビット量の割合R res (I)・R res (BP)、またBit other (I)・Bit other (BP)を用いることもでき、各場合を組み合わ て和算・平均・分散等の各種統計演算を適 して重ね合わせを行って主観品質を導出し も良い。以上の式について、指数関数の代 りに対数関数や多項式関数や、それらの逆 により上記非線形性を考慮しても良い。

 さらに、本実施の形態では、スライス単 で演算を行っているが、マクロブロック単 ・フレーム単位・GoP単位・映像全体等の演 単位に変更が可能である。

 なお、上記で量子化パラメータの代表値と 観品質EVとの間に非線形性の関係が存在す と述べたが、その関係を図24A,図24Bに示す。 24Aでは、QP min が小さい領域で主観品質が飽和し、QP min が中間の領域で主観品質が急激に変化し、QP min が大きい領域で主観品質が飽和する状況を示 している。図24Bでは、上から順にシーン1,2,3, 4のビットレートと主観品質との関係を表し 符号化難度で主観品質が変動することを表 ている。量子化パラメータの代表値と主観 質EVとの間に存在するこのような特性を考慮 することで、より的確な品質推定が可能にな る。参考までに、一般的な統計量である平均 と標準偏差を適用して主観品質の推定を行っ た場合と、本発明で示したモデルで主観品質 を推定した場合の推定結果をそれそれ図25A, 25Bに示す。図25A,図25Bでは、横軸が主観品質 価実験で取得した主観品質であり、縦軸が 観品質を推定した客観品質となる。

 図25に示すように、平均と標準偏差を用 る一般的なモデルでは、図24に示す飽和特性 を考慮しきれずに推定精度の悪化を招いてい るが、本発明ではこれを正確に考慮できてお り、推定精度の向上を可能にしている。