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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF EVALUATING BIOLOGICAL EQUIVALENCE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090837
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method of evaluating biological equivalence whereby not only the biological equivalence between an original drug and a generic drug can be evaluated but also generic drugs can be compared with each other regarding the biological equivalence thereof. The biological equivalence between generic drugs is evaluated in accordance with formula (1). (1) (In formula (1), CCVCmax g stands for the calibration coefficient of variation of the maximum blood concentration, CCVTmax g stands for the calibration coefficient of variation of Cmax (the time to reach the maximum blood concentration), CCVT1/2 g stands for the calibration coefficient of variation of the half-life (T1/2), and CCVAUC g stands for the calibration coefficient of variation of AUC (the area under the (blood concentration - time) curve).

Inventors:
TERASHITA MASATO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073374
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TERASHITA MASATO (JP)
International Classes:
G01N33/15; G01N33/48; G01N33/50
Foreign References:
JP2000001442A2000-01-07
Other References:
TAKESHI HIRAYAMA ET AL.: "Generic o Meguru Shomondai Kohatsu Iyakuhin ni Okeru Seibutsugakuteki Dotosei Shiken to Hikensha Kan no Baratsuki", CHOZAI TO JOHO, vol. 12, no. 10, 2006, pages 1235 - 1242, XP008134313
TOSHIAKI NAKAMURA ET AL.: "Kohatsu Iyakuhin no Seibutsugakuteki Dotosei Shiken ni Okeru Shiken Kan Sa", IRYO YAKUGAKU, vol. 31, no. 2, 2005, pages 158 - 163, XP008141130
"Points of Lecture, Congress of the Japan Pharmaceutical Association", vol. 41, 2008, article MASATO TERASHITA ET AL.: "Naifukuyo Kohatsu Iyakuhin no Seibutsugakuteki Dotosei Shiryo Data ni Motozuku Sotaiteki Bunseki Hyokaho ni Kansuru Kenkyu", pages: 483, XP008141124
NOBUO AOYAGI: "Kohatsu Iyakuhin to Seibutugakuteki Dotosei: Gyosei no Taisaku to Kadai", CHROMATOGRAPHY, vol. 28, no. SUPP.1, 2007, pages 19 - 22, XP008141128
NOBUO AOYAGI: "WHO Oyobi Waga Kuni no Seibutsugakuteki Dotosei Shiken", STUDY OF MEDICAL SUPPLIES, vol. 28, no. 5, 1997, pages 355 - 369, XP008141125
TOSHIAKI NAKAMURA ET AL.: "Excellent Generic Senbetsu ni Mukete 4. Seibutsugakuteki Dotosei o Do Miruka", MEDICINE AND DRUG JOURNAL, vol. 43, no. 6, 2007, pages 1569 - 1575, XP008141129
See also references of EP 2237032A4
Attorney, Agent or Firm:
AOYAMA, Yo (Masaki Naka-k, Nagoya-shi Aichi 24, JP)
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Claims:
 先発医薬品に対する後発医薬品の生物学的同等性を評価するための生物学的同等性評価方法であって、
 前記先発医薬品及び前記後発医薬品を投与した場合について、薬物の体内動態の特性を数値で評価した体内動態指標の少なくとも1種類のデータの該標準偏差(SD)を平均値で除した各変動係数(CV)を求め、該変動係数(CV)を先発医薬品の変動係数(CV S )で除した変動係数比(CCV)を求め、該変動係数比(CCV)から生物学的同等性を評価することを特徴とする生物学的同等性評価方法。
 前記体内動態指標として、最高血中濃度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(Tmax)、半減期(T 1/2 )、平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC)及び相対吸収率(F)の少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1記載の生物学的同等性評価方法。
 最高血中濃度(Cmax)の変動係数比、最高血中濃度到達時間(Tmax)の変動係数比、半減期(T 1/2 )又は平均滞留時間(MRT)の変動係数比、薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC)又は相対吸収率(F)の変動係数比、の4種類の変動係数比から生物学的同等性を評価することを特徴とする請求項2記載の生物学的同等性評価方法。
 下記(1)式によって生物学的同等性を評価することを特徴とする請求項3の生物学的同等性評価方法((1)式中、CCV Cmax g は絶食時における後発医薬品のCmax(最高血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax g は絶食時における後発医薬品のCmax(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示し、CCV T1/2 g は絶食時における後発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC g は絶食時における後発医薬品のAUC(薬物血中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示す。)。
 評価条件が第1の条件と第2の条件の2種類ある場合の生物学的同等性を評価するための生物学的同等性評価方法であって、下記(2)式によって生物学的同等性を評価することを特徴とする請求項2の生物学的同等性評価方法((2)式中、CCV Cmax gbm は後発医薬品の第1の条件時におけるCmax(最高血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax gbm は後発医薬品の第1の条件時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示し、CCV MRT gbm は第1の条件時における後発医薬品のT MRT (平均滞留時間)の変動係数比を示し、CCV AUC gbm は後発医薬品の第1の条件時におけるAUC(薬物血中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示し、CCV Cmax gam は後発医薬品の第2の条件時におけるCmax(最高血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax gam は後発医薬品の第2の条件時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示し、CCV MRT gam は第2の条件時における後発医薬品のT MRT (平均滞留時間)の変動係数比を示し、CCV AUC gam は後発医薬品の第2の条件時におけるAUC(薬物血中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示す。)。
 前記体内動態指標を複数個選んで生物学的同等性を評価する場合において、各変動係数比に重み付けのための重み係数を乗じて評価を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の生物学的同等性評価方法。
 先発医薬品に対する後発医薬品の生物学的同等性を評価するための生物学的同等性評価システムであって、
 先発医薬品を投与した場合及び前記後発医薬品について、薬物の体内動態の特性を数値で評価した体内動態指標の少なくとも1種類のデータの標準偏差(SD)を平均値で除した各変動係数(CV)を先発医薬品の変動係数(CV S )で除して得られる変動係数比(CCV)のデータを記憶する変動係数比記憶手段と、
 該変動係数比記憶手段から先発医薬品に関する該データを選択する選択手段と、
 該選択手段によって選択された該データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする生物学的同等性評価システム。
 請求項7に記載の生物学的同等性評価システムをコンピュータが実行可能なプログラム。
Description:
生物学的同等性の評価方法

 本発明は、先発医薬品に対する後発医薬 の生物学的同等性を評価するための生物学 同等性評価方法に関する。

 医薬品業界において、新薬(先発医薬品) 開発するためには、巨額の費用と膨大な時 を必要とする。このため、新薬(先発医薬品) を開発する企業(先発企業)は、開発した新薬 ついて特許権を取得し、自社が新規に開発 た医薬品を独占的に製造販売することによ て、開発に要した経費の回収を図る。そし 、新薬についての特許の存続期間が満了す ば、他の企業(後発企業)も自由に先発医薬 とほぼ同じ主成分を有する医薬品(後発医薬 )を製造販売ができるようになる。このため 、特許の存続期間が満了後には、先発医薬品 と後発医薬品とが同時に市場に出回ることと なる。

 後発医薬品は、先発医薬品に比べて開発 用も少なくてすみ、例えば日本における厚 労働省への承認手続きについても、新薬に べて各段に容易となっている。このため、 発医薬品は、安価に提供することができる いう利点がある。また、最近においては、 療費抑制策の一環として、厚生労働省にお ても、後発医薬品の使用促進策が進められ いる。

 しかし、後発医薬品の使用量は、いまだ 生労働省の期待する使用量には、届いてい いのが現状であり、より一層の後発医薬品 使用促進策が望まれている。

 このように、安価な後発医薬品よりも、 発医薬品が好んで用いられるのは、後発医 品の生物に対する特性が、先発医薬品の生 に対する特性と、本当に同等といえるかど か(すなわち生物学的同等性があるかどうか )について、医療関係者において疑いがもた ていることが、その一因となっている。

 厚生労働省における後発医薬品の承認審 は、先発医薬品との同等性の確認に重点が かれており、生物学的同等性は、次のよう 方法によって判断されている。

 まず、健常成人志願者を対象(通常12-24名) とし、(患者を対象としないのは,患者の年齢 みならず病態・生理機能により血中濃度が らつくため)、第1グループと第2グループの2 群に分けての交差試験を行なう。すなわち、 図9に示すように、第1のグループには、先発 薬品を投与し、未変化体や活性代謝物の血 動態測定を行なった後、所定の休薬期間を いてから、後発医薬品を投与し、同様の血 動態測定を行なう。一方、第2グループには 、後発医薬品を先に投与し、未変化体や活性 代謝物の血中動態測定を行なった後、所定の 休薬期間をおいてから、先発医薬品を投与し 、同様に血中動態測定を行なう。

 そして、図10に示すように、血中の投与薬 血中濃度と時間の関係を測定し、最高血中 度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(Tmax)、半減 (T 1/2 )又は平均滞留時間(MRT)、及び薬物血中濃度- 間曲線下面積(AUC)を求める。そして、Cmax及 AUCの値の平均値が、先発医薬品に対して、90 %信頼区間で80~125%の範囲から外れる後発医薬 については、認可を与えないという措置を ている。

 しかし、生物学的同等性が認められた後 医薬品であっても、剤型及び賦形剤を含む 加剤は規定されておらず、それらの違いに って主薬成分の放出速度等に差異が生ずる ともある。このため、先発医薬品の有効性 安全性については充分な知見が集積されて るのに対し、後発医薬品は、必ずしもその 効性・安全性に問題が無いとは言い切れな 。各種の添加剤やカプセルの質や錠剤化す 技術の差などの違いによって、有効成分の 収率や時間などが異なり、薬効に差が出る 場合もあり(例えば特許文献1)、毒性試験が 除など申請時の試験項目が先発医薬品に比 て少なく、不純物の混入の可能性も高いと う指摘もある。このため、安価という利点 引き換えに、患者はリスクを負わなければ らないことになる。

 以上のような生物学的同等性の判断につ ての問題点は、日本だけでなく世界的に共 する問題であり、生物学的同等性の的確な 断技術の確立が希求されている。

特開2000-1442号公報

 上記従来の問題点を解決するためには、 数の後発医薬品の中から、生物学的同一性 見地に照らして、どれが最も妥当であるか いうことを、「後発医薬品どうし」で比較 することが必要となる。

 しかしながら、上記従来の後発医薬品の 物学的同等性試験では、「先発医薬品と後 医薬品との間での比較」はできるものの、 後発医薬品どうし」では、単純な比較をす ことができない。それは、以下の理由によ 。

 図9に示すように、従来の生物学的同等性 試験では、被験者を2群に分け、時期をずら て先発医薬品と後発医薬品とを双方服用し 薬物の血中動態を測定する。ここで、先発 薬品と後発医薬品の比較においては、各メ カーは同じ被験者で生物学的同等性を判断 るが、同種の後発医薬品でもメーカーが異 れば、被験者は異なる。このため、先発医 品と後発医薬品の試験データは比較できる 、それらを単純に他社のデータと比較する とはできない。

 例えば、図11には、日本の厚生労働省で 物学的同等性が承認された複数の後発医薬 のデータが掲載されているが、カオルトー  (登録商標)とマニジップ(登録商標)を単純 比較すると、カオルトーン (登録商標)20mgの AUCは36.82,マニジップ(登録商標)20mgのAUCは19.68 なっており、同じ成分,塩酸マニジピンを20m g含有する薬剤を服用しても.AUCは約1.8倍も異 っている。それにも関わらず、どちらも後 医薬品として生物学的同等性試験で認可さ ているのである。すなわち、後発医薬品の 物学的同等性試験における承認要件は、先 医薬品に対しての薬物動態の比較なので、 々の数値だけを取り出して議論することは 難であり、常に先発医薬品との対比で考え 必要があるのである。こうした問題は、日 だけでなく、同様な承認要件を課している 国やEP諸国においても存在している。

 この問題点は、従来指摘されたことはな 、発明者がこの問題点を始めて見出したも である。そして、本発明は、この問題点に みなされたものであり、先発医薬品に対す 後発医薬品の生物学的同等性を評価するの ならず、その生物学的同等性について、後 医薬品どうしの比較が可能な生物学的同等 評価方法を提供することを課題とする。

 本発明者は、生物学的同等性についての後 医薬品どうしの比較を行うため、
変動係数(CV)を用いることができないか検討 た。変動係数(CV)とは標準偏差(SD)を平均値で 除した値であり、一般的にはCVが小さい方が 質が安定していると考えられ、このCVの値 生物学的同等性の判断を行うことも考えら る。しかし、被験者の数が少ない場合(厚生 働省の生物学的同等性の評価では12-24名)で 、被験者の違い等による相違から、同じ先 医薬品の変動係数(CV 0 )の値も後発医薬品のデータごとに相違して り、後発医薬品の変動係数(CV)だけで比較を うことができない。そこで、さらに、後発 薬品の変動係数(CV)を先発医薬品の変動係数 (CV 0 )で除した値である変動係数比(CCV)の概念を導 入し、この値を後発医薬品どうしで比較する ことにより、後発医薬品どうしの生物学的同 等性の比較ができることを見出し、本発明を 完成するに至った。

 すなわち、本発明の生物学的同等性評価方 は、先発医薬品に対する後発医薬品の生物 的同等性を評価するための生物学的同等性 価方法であって、前記先発医薬品及び前記 発医薬品を投与した場合について、薬物の 内動態の特性を数値で評価した体内動態指 の少なくとも1種類のデータの該標準偏差(SD )を平均値で除した各変動係数(CV)を求め、該 動係数(CV)を先発医薬品の変動係数(CV S )で除した変動係数比(CCV)を求め、該変動係数 比(CCV)から生物学的同等性を評価することを 徴とする。

 本発明の生物学的同等性評価方法では、後 医薬品の変動係数(CV)を先発医薬品の変動係 数(CV 0 )で除した値である変動係数比(CCV)の概念を導 入し、この値をもとに後発医薬品どうしの生 物学的同等性を評価する。この変動係数比(CC V)の概念は、先発医薬品の体内動態指標のデ タのバラツキと比較して、後発医薬品がど 程度体内動態指標のデータのバラツキ具合 有するかを判断するための値であるため、 に先発医薬品との対比で考えることとなる このため、後発医薬品どうしの生物学的同 性を評価する場合、被験者が異なるという 情をマスクされ、比較が可能となる。

 比較のためのパラメータとして具体的には 次の式(1)で表されるG値を用いることができ る。(1)式の分子の平方根の中の値は、後発医 薬品のある変動計数比を二乗した値となって いる。また分母の平方根の中の先発医薬品の ある変動係数比は(CV 0 )/(CV 0 )となり1であるため、分母は1となる。こうし て算出された値Gは、先発医薬品のデータの ラツキとどの程度異なるかを判断すること でき、バラツキが先発医薬品と後発医薬品 の間で同じ場合には、G=1となる。すなわち Gの値が1に近いほど、生物学的同等性が優れ ていると判断する。

 ここで、体内動態指標とは、薬物の体内動 の特性を数値で評価したものすべてをいう 具体的には、例えば内服薬について、内服 における最高血中濃度(Cmax)、最高血中濃度 達時間(Tmax)、半減期(T 1/2 )、平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間曲 下面積(AUC)、相対吸収率(F)等が挙げられる。 また、貼付剤についての、経皮投与後におけ る最高血中濃度(Cmax)、最高血中濃度到達時間 (Tmax)、薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC)、相 対吸収率(F)等が挙げられる。これらの体内動 態指標は、従来の後発医薬品の認可のために 提出すべき生物学的同等性のデータに含まれ ており、新たに測定し直さなくても、各医薬 品メーカーがwebサイト等で発表している既存 のデータから容易に導くことができる。

 本発明の生物学的同等性評価方法では、最 血中濃度(Cmax)の変動係数比、最高血中濃度 達時間(Tmax)の変動係数比、半減期(T 1/2 )又は平均滞留時間(MRT)の変動係数比、薬物血 中濃度-時間曲線下面積(AUC)又は相対吸収率(F) の変動係数比、の変動係数比の4種類の変動 数比から生物学的同等性を評価することが ましい。これら4種類の変動係数比を全て用 ることにより、より的確な生物学的同等性 判断を行うことができる。これらは、4種類 の変動係数比の組み合わせによって表現され ることとなり、グラフ化することによって、 視覚的に判断することもできる。

 さらに、生物学的同等性の判断方法として 下記式(2)によって生物学的同等性を評価す こともできる((2)式中、CCV Cmax g は絶食時における後発医薬品のCmax(最高血中 度)の変動係数比を示し、CCV Tmax g は絶食時における後発医薬品のCmax(最高血中 度到達時間)の変動係数比を示し、CCV T1/2 g は絶食時における後発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC g は絶食時における後発医薬品のAUC(薬物血中 度-時間曲線下面積)の変動係数比を示す。ま た、CCV Cmax S は絶食時における先発医薬品のCmax(最高血中 度)の変動係数比を示し、CCV Tmax S は絶食時における先発医薬品のCmax(最高血中 度到達時間)の変動係数比を示し、CCV T1/2 S は絶食時における先発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC S は絶食時における先発医薬品のAUC(薬物血中 度-時間曲線下面積)の変動係数比を示す。)

 (2)式の分子の平方根の中の値は、後発医薬 の各変動計数比を二乗した値を加算した値 なっている。また分母の平方根の中の先発 薬品の各変動係数比は(CV 0 )/(CV 0 )となり全て1であるため、平方根の中の和は4 となり、分母は2となる。こうして算出され 値Gは、先発医薬品のデータのバラツキとど 程度異なるかを判断することができ、バラ キが先発医薬品と後発医薬品との間で同じ 合には、G=1となる。すなわち、Gの値が1に いほど、生物学的同等性が優れていると判 する。なお、上記T 1/2 (半減期)の替わりに、T MRT (平均滞留時間)を用いても良い。また、一つ 医薬品中に複数の有効成分が配合されてい もの(いわゆる複合剤)については、それぞ の有効成分についてGの値を算出し、それら 合計した和でもって、生物学的同等性を評 してもよい。さらには、下記式(3)に示すよ に、各変動係数比の二乗に重み付けの係数( α、β、γ、δ)を乗じてから比較をすることも できる。こうであれば、変動係数の種類によ って生物学的同等性に対する貢献度が異なる ことが予想される場合に、それを考慮して、 より適切な判断を行うことができる。

 また、医薬品の生物学的同等性の試験につ て、条件が2種類ある場合(例えば、医薬品 徐放性製剤の場合には、厚生労働省の生物 的同等性の試験について、被験者の空腹時 び摂食時の両方でのデータが取られている 合など)には、次のようにして生物学的同等 を評価することもできる。
 すなわち、評価条件が第1の条件と第2の条 の2種類ある場合の生物学的同等性を評価す ための生物学的同等性評価方法であって、 記式(4)によって生物学的同等性を評価する とを特徴とする生物学的同等性評価方法で る。(式4中、CCV Cmax gbm は後発医薬品の第1の条件時におけるCmax(最高 血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax gbm は後発医薬品の第1の条件時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示 、CCV t1/2 gbm は第1の条件時における後発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC gbm は後発医薬品の第1の条件時におけるAUC(薬物 中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示 、CCV Cmax gam は後発医薬品の第2の条件時におけるCmax(最高 血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax gam は後発医薬品の第2の条件時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示 、CCV t1/2 gam は第2の条件時における後発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC gam は後発医薬品の第2の条件時におけるAUC(薬物 中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示 。また、CCV Cmax Sbm は先発医薬品の第1の条件時におけるCmax(最高 血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax Sbm は先発医薬品の第1の条件時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示 、CCV t1/2 Sbm は第1の条件時における先発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC Sbm は先発医薬品の第1の条件時におけるAUC(薬物 中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示 、CCV Cmax Sam は先発医薬品の第2の条件時におけるCmax(最高 血中濃度)の変動係数比を示し、CCV Tmax Sam は先発医薬品の第2の条件時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示 、CCV t1/2 Sam は第2の条件時における先発医薬品のT 1/2 (半減期)の変動係数比を示し、CCV AUC Sam は先発医薬品の第2の条件時におけるAUC(薬物 中濃度-時間曲線下面積)の変動係数比を示 。)。

 ここで、分母の平方根の中の先発医薬品の 変動係数比は(CV 0 )/(CV 0 )となり全て1であるため、分母は4となる。こ うして算出された値Gは、先発医薬品のデー のバラツキとどの程度異なるかを判断する とができ、バラツキが先発医薬品と後発医 品との間で同じ場合には、G=1となる。すな ち、Gの値が1に近いほど、生物学的同等性が 優れていると判断する。なお、上記T 1/2 (半減期)の替わりに、T MRT (平均滞留時間)を用いても良い。

 このように、医薬品の生物学的同等性の 験について条件が2種類ある場合には、それ ぞれの条件(1)、(2)についての変動係数比を求 め、上記式(4)に示すGの値によって生物学的 等性を評価することができる。なお、条件 2種類ある場合であっても、条件1(あるいは 件2)における変動係数比のみから、上式(2)に 基づいて求めたG値を併用して(あるいは単独 )生物学的同等性を判断してもよい。

 この発明の他の局面は次のように規定され 。すなわち、
 先発医薬品に対する後発医薬品の生物学的 等性を評価するための生物学的同等性評価 ステムであって、
 先発医薬品を投与した場合及び前記後発医 品について、投与後の最高血中濃度(Cmax)、 高血中濃度到達時間(Tmax)、半減期(T 1/2 )、平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間曲 下面積(AUC)及び相対吸収率(F)の少なくとも1 類のデータの標準偏差(SD)を平均値で除した 変動係数(CV)を先発医薬品の変動係数(CV S )で除して得られる変動係数比(CCV)のデータを 記憶する変動係数比記憶手段と、
 該変動係数比記憶手段から先発医薬品に関 る該データを選択する選択手段と、
 該選択手段によって選択された該データを 力する出力手段と、を備えることを特徴と る生物学的同等性評価システムである。
 このような生物学的同等性評価システムに れば、選択手段によって選択された任意の 発医薬品について、後発医薬品の変動係数 が出力手段により出力され、各後発医薬品 変動係数比を比較することができる。この め、生物学的同等性について、後発医薬品 うしの比較が可能となる。

 この発明の他の局面は次のように規定され 。すなわち、
 先発医薬品に対する後発医薬品の生物学的 等性を評価するための生物学的同等性評価 ステムであって、
 先発医薬品を投与した場合及び前記後発医 品について、投与後の最高血中濃度(Cmax)、 高血中濃度到達時間(Tmax)、半減期(T 1/2 )、平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間曲 下面積(AUC)及び相対吸収率(F)の少なくとも1 類のデータの標準偏差(SD)を平均値で除した 変動係数(CV)を先発医薬品の変動係数(CV S )で除して得られる変動係数比(CCV)のデータを 記憶する変動係数比記憶工程と、
 該変動係数比記憶手段から先発医薬品に関 る該データを選択する選択工程と、
 該選択手段によって選択された該データを 力する出力工程と、を実行させるコンピュ タが実行可能なプログラム。
 このように規定されるプログラムによれば このプログラムをコンピュータにインスト ルすることにより、上述の生物学的同等性 価システムと同様の作用効果が得られる。

先発医薬品及び後発医薬品の含有量20mg の錠剤についての各変動係数比CCVのデータで ある。 実施例の生物学的同等性評価システム ブロック図である。 実施例の生物学的同等性評価システム フローチャートである。 あいまい検索画面である。 先発医薬品の確認画面である。 先発医薬品及び後発医薬品のデータ表 画面である。 先発医薬品及び後発医薬品の各変動係 (CCV)のデータ表示画面である。 先発医薬品及び後発医薬品の各G値の表 示画面である。 交差試験のやり方を示す図である。 血中の投与薬の血中濃度と時間の関係 を示すグラフである。 厚生労働省で生物学的同等性が承認さ れた複数の後発医薬品のデータ例である。

符号の説明

 10…生物学的同等性評価システム10
 11…制御部
 11a…CPU
 11…制御部
 11a…CPU
 14…記憶部(15a…評価プログラム記憶領域,15b …医薬品データ記憶領域)
 12…入力部
 13…表示部

 本発明の生物学的同等性評価方法では、ま 、先発医薬品を投与した場合及び前記後発 薬品について、投与後の最高血中濃度(Cmax) 最高血中濃度到達時間(Tmax)、半減期(T 1/2 )又は平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間 線下面積(AUC)又は相対吸収率(F)のデータを準 備する。これらのデータは、既存のデータ( わゆるオレンジブックに記載されているデ タ)から容易に導くことができる。

 そして、これらの各データから標準偏差(SD) を求め、標準偏差(SD)を平均値で除した各変 係数(CV)を求め、さらには、変動係数(CV)を先 発医薬品の変動係数(CV S )で除した変動係数比(CCV)を求める。このため 、基準となる先発医薬品では変動係数比(CCV) 1となる。そして、後発医薬品の変動係数比 が1に近いほど、生物学的同等性があると判 される。

 以下、本発明の生物学的同等性評価方法 ついて、先発医薬品として血圧を下げるた の降圧剤である塩酸マニジピンを例に、説 する。

 塩酸マニジピンを薬効成分とする先発医薬 としては、カルスロット(武田薬品工業の登 録商標)が存在する。そして、それらの後発 薬品として、カオルトーン(日新製薬の登録 標)、マニジップ(日医工の登録商標)及びカ セリン(大洋薬品工業の登録商標)がある。 れらの厚生労働省へ提出資料された生物学 同等性に関するデータには、投与後の最高 中濃度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(Tmax)、 減期(T 1/2 )及び薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が記 されている。そして、それらの値から標準 差(SD)及び標準偏差(SD)を平均値で除した各変 動係数(CV)を計算する(表1参照)。

 さらに、これらのデータから、変動係数(CV) を先発医薬品の変動係数(CV S )で除した変動係数比(CCV)を求める。こうして 、計算された含有量20mgの錠剤についての各 ータを図1に示す(図中auccvは薬物血中濃度-時 間曲線下面積(AUC)の変動係数比、cmaxccvは最高 血中濃度(Cmax)の変動係数比、tmaxccvは最高血 濃度到達時間(Tmax)の変動係数比、thccvは半減 期(T 1/2 )の変動係数比をそれぞれ示す)。

 図1において、先発医薬品であるカルスロ ット(登録商標)は全ての値が1となる。そして 、他の後発医薬品は、その1からどの程度隔 っているかによって、生物学的同等性を、 発医薬品どうしで比較することが可能とな 。また、例えばカオルトーン(登録商標)とマ ニジップ(登録商標)をAUCの値で比較した場合 は、前者が36.82で、後者が19.68となり、大き な差があるように思われるが、auccvで比較す ば、前者が0.9であり、後者が0.85となって、 それほど差はないことが分かる。

 なお、後発医薬品の場合は、AUCを求める 間は、根拠がある限りその薬物の特性を示 時間を独自に設定できるため、AUCを求める めの時間が異なる場合がある。しかしなが 、変動係数比(CCV)は、その元になるデータ 同じ時間で求めたAUCを元に計算しているた 、上述した式(2)や式(4)で求められる値は、 ーカーによりAUCを求める時間が異なってい も、後発品及び先発品ともに同じ条件にな ので、問題にならない。また、医薬品の血 濃度は、時間が経過するに従い「0」に近く り、AUCを求める時間の設定は、その薬物の 性を表す時間が設定されるため、例え、無 時間まで求めたとしても,その寄与する値は 少なく、ほぼ同じ値となると考えられる。

 また、医薬品が徐放性製剤の場合には、厚 労働省の生物学的同等性の試験について、 験者の空腹時及び摂食時の両方でのデータ 取られているため、下記(5)式によって生物 的同等性を評価することが好ましい。((5)式 中、CCV Cmax gbm は後発医薬品の絶食時におけるCmax(最高血中 度)の変動係数比を示し、CCV Tmax gbm は後発医薬品の絶食時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示 、CCV MRT gbm は絶食時における後発医薬品のT MRT (平均滞留時間)の変動係数比を示し、CCV AUC gbm は後発医薬品の絶食時におけるAUC(薬物血中 度-時間曲線下面積)の変動係数比を示し、CCV Cmax gam は後発医薬品の摂食時におけるCmax(最高血中 度)の変動係数比を示し、CCV Tmax gam は後発医薬品の摂食時におけるC T max(最高血中濃度到達時間)の変動係数比を示 、CCV MRT gam は摂食時における後発医薬品のT MRT (平均滞留時間)の変動係数比を示し、CCV AUC gam は後発医薬品の摂食時におけるAUC(薬物血中 度-時間曲線下面積)の変動係数比を示す。)
 さらには、各変動係数比の二乗に重み付け 係数(α、β、γ、δ)を乗じてもよい。こうで あれば、変動係数の種類によって生物学的同 等性に対する貢献度が異なることが予想され る場合に、それを考慮して、より適切な判断 を行うことができる。

<生物学的同等性評価システム>
 本発明の生物学的同等性評価方法に基づき コンピュータに先発医薬品及び後発医薬品 データベースを構築し、生物学的同等性評 を検索するためのシステムとすることがで る。

 こうした生物学的同等性評価システムの ロック図を図2に示す。この生物学的同等性 評価システム10は、制御部11と、入力部12と、 表示部13と、記憶部14と、出力部15とを備える 。

 制御部11はCPU11aを備え、生物学的同等性評 システム10を構成する各要素と接続される。 CPU11aは生物学的同等性評価プログラムを評価 プログラム記憶領域15aから読み出して実行す ることにより、各要素を制御する。
入力部12は生物学的同等性評価システム10の 力操作を行なうためのものであり、図示し いキーボード及びマウス等からなる。表示 13は先発医薬品や後発医薬品の選択画面や、 体内動態データや、CCV値やG値等を表示する めのものであり、CRT等からなる。記憶部15は 、評価プログラム記憶領域15aと、医薬品デー タ記憶領域15bとを備える。評価プログラム記 憶領域15aは、生物学的同等性評価プログラム を記憶する領域であり、医薬品データ記憶領 域15bは、先発医薬品や後発医薬品の最高血中 濃度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(Tmax)、半減 期(T 1/2 )、平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間曲 下面積(AUC)、各標準偏差(SD)各変動係数(CV)を め、該変動係数(CV)、各変動係数比(CCV)等を 憶する領域である。

 図3は生物学的同等性評価システム10を説明 るフローチャートである。
 まず、ステップS1において、本生物学的同 性評価システム10を立ち上げると、表示部13 検索のための画面(図4)が現れる。そして入 部12としから、先発医薬品についてあいま 検索する。そして、ステップS2として、図5 示すように、表示部13に表示された先発医薬 品について確認し、入力部12を操作し、OKボ ンを押すことにより、ステップS3として、図 6に示すように、先発医薬品及び後発医薬品 最高血中濃度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(T max)、半減期(T 1/2 )、平均滞留時間(MRT)、薬物血中濃度-時間曲 下面積(AUC)、各標準偏差(SD)各変動係数(CV)を め、該変動係数(CV)、各変動係数比(CCV)が表 部13に表示される。変動係数比(CCV)が1から の程度はなれた値であるかによって、後発 薬品どうしの生物学的同等性の比較を行う とができる。さらには、入力部12により、図 示しない表示切替ボタンを押すことによって 、図7に示すように、表示部13に、最高血中濃 度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(Tmax)、半減期 (T 1/2 )及び薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC)の各 動係数比(CCV)がグラフ化されて表示される。 これにより、生物学的同等性を視覚的に把握 しやすくすることができる。また、入力部12 より、図示しない表示切替ボタンを押すこ によって、下記式に基づくG値のグラフが表 示部13により表示される(図8)。このG値が1か どの程度離れた値になるかを比較するだけ 、極めて容易に生物学的同等性を把握する とができる。

 この発明は、上記発明の実施例の説明に ら限定されるものではない。特許請求の範 の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到で る範囲で種々の変形態様もこの発明に含ま る。

 本発明は、先発医薬品に対する後発医薬 の生物学的同等性を評価するために用いる とができる。